CLASSIC ROCK JAM REBIRTH 2015 <前編>~寺田恵子、原田喧太 and others
昨年の10月3日、記念すべき20周年を迎え、日比谷野音で最終の宴を企画していた『CLASSIC ROCK JAM』。不幸にも台風の影響により中止になってしまった。
1994年に始まった日本を代表する名イベントがそのままフェイドアウトするかと思いきや…
「そうはさせん!」と音楽の女神のおぼしめしか、状況は一転…「幻の最後の饗宴」はそのまま封印され、『-REBIRTH-』としてイベントは再スタートし、新たに21年目を迎えることになった。
これがホントの「雨降って地固まる」…つまり『CLASSIC ROCK JAM』は見事に息を吹き返し、元気に我々の前に姿を現したのだ。
『REBIRTH 2015 KICK OFF PARTY』とサブタイトルされた公演は完全ソールド・アウト!いかに継続を望むファンが多かったかを思い知ることができよう。
聞くところによると、洋楽が支持されている比率はもはや20%を切ってから久しく、グラミー・レベル以外の欧米の音楽は、もはや若いリスナーの間では「絶滅危惧種」の体を見せている感すらある。
若い人にはThe Beatlesの4人のメンバーの名前など知らない方が当たり前の世の中である。
今年でThe Venturesもいよいよオリジナル・メンバーがいなくなるというし、次から次へとロック界の重鎮が物故するのを目の当たりにするにつけ、日本における洋楽の存続を危惧せざるを得ないのも往年の洋楽ファンにとってはごく当たり前のことだ。
コレはどうしてもイカンですよ。
ナントならば、「ロック」という音楽は、我々はすべて洋楽から教わったものなのだから。
ものごと例えどんなに形を変えてもオリジナルを忘れるのはマズイ。
ドーナツですら「オールドファッション」がちゃんと用意されているし、牛丼だって結局は普通のヤツが一番ウマい。殿様が目黒で食した「さんま」も同様である。
したがって一流のミュージシャンたちが、70年代からの洋楽の息吹を伝えるこのイベントは、今の日本のロックの状況にあっては値千金なのであ~る。
だから、存続がキマって本当にうれしい。
今日と明日の2日にわたってMarshallやMarshall Blogにちなんだミュージシャンのステージをレポートする。
まずはこのふたり!
参加したグループの登場は2番目。出番直前に楽屋の廊下でパチリ。
原田喧太
もちろんMarshall!
60年代後半から80年代に関して言えば、Marshallのパワーと爆音をなくしてはハードロックは成立しなかった。
向かって左が喧ちゃんのMarshall。JVM410Hと1960Bだ。
1979年、Rainbowの『Down to Earth』収録のスピード・チューン。
このアルバムに入っている有名な「Since You Been Gone」の作者は、70年代、Argentというバンドで活躍したRuss Ballard。元ZombiesのRod ArgentやRuss Ballardが多くの名曲を残したArgentなんかも是非多くの人に聞いてもらいたいバンドだ。
ちなみに、Rod ArgentはPatrick Morazに決まる前、Rick Wakemanの後任としてYesが白羽の矢を立てたキーボード・プレイヤーでもある。
後ろから猛烈なドライブ感を送り出してくる角田mittan美貴!
SHOW-YAの時とはまた少し違ったイメージがカッコいい!mittanはいつもカッコいいのだ!
セット・チェンジ。
ここで寺田恵子登場!
ベースは寺沢リョータにスイッチ。ご存知てらちん、寺沢功一のご子息!
まずはツイン・ボーカルで「Highway Star」を熱唱。
喧ちゃんもツイン・リードでオリジナル通りのソロを奏でる。当時ギター少年たちがこぞってコピーしたRitchie Blackmoreの名ソロだ。ヘソ曲りな私はやらなかったけど…。
Deep Purpleはハズせないよね~。
ところで、Deppe Purple7枚目のスタジオアルバム、『Who Do We Think We Are』は正真正銘の名盤だ。日本では『紫の肖像』なんてテキトーな邦題が付けられて、『「Woman from Tokyo」が入っているアルバム』程度の認識しかないが、捨て曲皆無の超名盤。
業界屈指のBlackmore研究家の島紀史氏からススめられ、「ダマされたと思って」35年ぶりぐらいに聴いてみたのだが、腰ヌケたわ。
こんなアルバムからの曲なんかも選んでもらえるとうれしいナァ。
本編でmittanが参加した曲は全部で5曲。そのすべてが猛烈なスピード・チューンなのだ。いかにmittanが日本のドライビング・ドラム界(?)で重要な地位を占めているかがわかる!
1994年生まれのリョータくん。
CLASSIC ROCK JAMと同じ年だ。まったく物怖じしないパフォーマンスは立派!お父さんの顔が見てみたい!イヤ、しょっちゅう見てる!
続いてボーカルが恵子さんのソロになってプレイしたのはMR.BIGの「Daddy, Brother, Lover, Little Boy」。
こういう溌剌としたハードなナンバーは恵子さんにピッタリだね。まるっきり地でイケる感じでカッコいいことこの上ない。
喧ちゃんの完璧なサポートも「サスガ!」の一言。
いちいちうるさくて申し訳ないんだけど、昔イギリスにもMr. BIGというグループがあって、2枚のアルバムを残していて、コレもいいよ~。特にセカンド・アルバムはROLLYをして「中華ロック」と呼ばしめた珍種なんだけど、とてもいいバンドだった。
リョータくん、曲間のMCでは恵子さんから振られて自分のバンド、TORNADE GRENADEに触れるシーンも。
プレイだけでなくしゃべりもバッチリだったよ!
このセット最後にして、前半の〆の曲は…
AC/DCの「Whole Rotta Rosie」!
『Back in Black』で大成功を収めたAC/DCだったけど、私なんかはこの曲が入った『Let There Be Rock』の方が断然スキ。発表当時、「ウワ、こんなシンプルなハード・ロック・バンドが出て来やがった!」…とレコードを友達から借りて聴いて驚いたのを覚えている。
ステージ上の「名曲+好演」に会場は大盛り上がり!
観客の熱気にあおられプレイヤーもまた燃え上る!
しかし、あまりにもデカいのが恵子さんの存在感!どんなステージでも「個」を出しながら「曲」の素晴らしさを的確に表現する。最高のロック歌手だと思う。
とにかくカッコよかった喧ちゃん!音がまた何ともいえず素晴らしい!喧ちゃんがギターでしゃべりたいことが忠実に聴く側に伝わった。
やっぱりこういう芸当、特に強い押し出しが必要な時、古式ゆかしい真空管のアンプじゃないと無理だ。ま、Marshallが一部を作った音楽だから当然といえば当然なのだが…。
要するに「Classic」だ。「クラシック」を「古い」と混同することなかれ!いいものだけが「クラシック」になり得るのだ。
コレで前半が終了。ア~っという間だ~!すさまじい熱演に大きな大きな拍手が送られた。
…と前半をド派手に〆てくれた恵子さんは休む間なし!
後半に入る前には恒例のプレゼント・コーナーだ。
恵子さん、引いたクジの番号を正確に読み取っているところ。いくらなんでも目から離し過ぎじゃない?!
プレゼントのひとつにはMarshallのMG10CFが用意され、ラッキーなお客さんの手に渡った。(提供:ヤマハミュージックジャパン)
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