【追悼】BARAKA平石正樹さんのこと
結成28年を迎えるBARAKAのドラマーでオリジナルメンバーの平石MAX正樹さんの訃報に接した。
本当に驚いた。
平石さんは早生まれの私と同じ学年で、3か月チョット前にお会いした時にはとてもお元気でいつもと変わらない様子だった。
ライブの会場でご一緒する程度のお付き合いだったが、BARAKAのメンバー3人のウチ一番最初にSNSでつながったのは平石さんで、Marshall BlogにBARAKAのライブ・レポートを掲載すると毎回真っ先にシェアをしてくださっていた。
その3か月前のLINE CUBE SHIBUYAの時は、開演前に男子トイレで一緒になって、少し世間話をしたのだが、それが平石さんとの最後の会話になってしまおうとは一体誰が想像できようか。
予てよりガンと闘っていたなどということは全く存じ上げなかった。Marshall Blogで古参バンドのひとつであるBARAKAはD_DriveのSeijiさんのご紹介だった。
私がプロッグ・ロックの類の音楽が好きなことを知っていて、ベースの依知川さんと知り合いのSeijiさんが顔つなぎをしてくれたのだ。初めてBARAKAの演奏の場にお邪魔したのは2015年4月18日にシルバーエレファントで開催したBARAKAの500回目のライブを記念するタイミングだった。
SeijiさんがBARAKAを紹介してくれた理由はもうひとつ。
高見一生さんがMarshall。依知川伸一さんが当時Marshallが取り扱っていたEDENを愛用してくれていたからなのであった。
平石正樹さんはNATALではなかったが、気にしない、気にしない。
プロッグ・ロックにMarshallにEDEN…「コイツぁ、コタえられネェ!」とばかりによろこんで吉祥寺に足を運んだのであった。Seijiさんのおススメに間違いはなく、1回で気に入ってしまったBARAKAを次に取材したのは結成20周年を目前に控えた2016年11月11日。
場所は渋谷の「PLEASURE PLEASURE」。この頃のBARAKAはビートルズとクイーンのカバーアルバムをリリースしたばかり。
2つのバンドが残したロックのスタンダードの数々をBARAKAの3人の人智を超える大胆なアレンジで聴かせるステージはまさに圧巻だった。
そして今度は600回目のライブの記念公演。
2019年3月20日、会場はまたシルバーエレファント。この時も他のバンドでは到底考えつかないようなBARAKAだけの音楽をノビノビと演奏して観客を圧倒した。
2022年11月30日、六本木のEXシアターで結成25周年を祝った。
このチームは結成してから一度もメンバー・チェンジをしていない。
このワンアンドオンリーの音楽が3人の気持ちをまとめ上げるのか、お互いに弱みを握っているのかは存じ上げないがこの団結感もスゴイと思う。
メンバーがマイクを握ってトークをするのはBARAKAのステージのルーティンのひとつ。
いつも最初に依知川さんが「いらっしゃいませ」のご挨拶をして、平石さんがBARAKA全体の話をし、一生さんが終演間近にアクロバチックな話で爆笑を誘う…概ねこのようなトークの流れになっていた。 そして、もうひとつのルーティンは平石さんのドラム・ソロ。
毎回後半でタップリとその鮮やかなスティックさばきを見せてくれた。「25周年があるなら26周年があってもいいじゃないか」ということで渋谷PLEASURE PLEASUREにBARAKAが戻って来た。
この時「Superior Force」を初めて生で公の場で演奏した。
この時の平石さんのトーク。
「去年25周年を記念してEX Theaterで演りましたがあの時もありがとうございました。
普通25周年の次は、30周年、35周年、となるんでしょうどBARAKAは26周年。
そしてまた、結成した時と同じ日にライブを演るという…こう見えて意外と3人ともマジメなんです」もちろんこの時もバッチリと平石さんはドラム・ソロをキメてみせた。
そして結成28年を迎えた今年の5月。
アルバム『Superior Force』リリースを記念するツアーの千秋楽。
会場はLINE CUBE SHIBUYA。 この日、一生さんは数日前に左手を骨折する大ケガを負ってしまい、手をパンパンに腫れ上がらせた状態でステージに上がった。
開演前にそれを知らされてとても心配だったが、まさかこの時、平石さんのお身体の調子が悪いなどとはツユほども思わなかった。
ツアーの千秋楽ということで、この時のトークのコーナーで平石さんはツアーの醍醐味を語り、「とにかくステージに立って皆さんの前で演奏することがとても好きなバンドですので、そういう感じでまた1年間ガンバっていきます。
これからも応援よろしくお願いします」
と言っていたのに…。そしてショウの後半でいつも通り元気にドラム・ソロを披露した。
まさかコレが私にとって平石さんの最後のドラム・ソロになろうとは…。
熱演に送られた大喝采に応える平石さん。
上に書いた通り、28年間もの長い間メンバーを変更することのなかったBARAKAの一角が欠けてしまったことは大変に悲しく残念なことだ。
しかし平石さんとともに3人で創り上げてきたBARAKAの音楽は間違いなく継続していくことであろう。名ドラマーのご逝去を心から悼み謹んでお悔やみ申し上げます
そして今夕、10月16日にZepp Shinjukuにて『BARAKA28周年記念ライブ』として開催される予定であった公演を急遽『平石正樹追悼ライブ』とすることが発表された。
詳しくはコチラをご参照ください⇒BARAKA Official Web Site