CONCERTO MOON~BLACK FLAME TOUR 2013
今年も早かった~!Marshall Blogの更新は年内は今日が最後となります。
2013年のトリを飾るのはCONCERTO MOON!
通算10枚目となるニューアルバム『BLACK FLAME』が発表され、その名もズバり「BLACK FLAME TOUR 2013」とタイトルされた全国レコ発ツアーが敢行された。
Marshall Blogは『BLACK FLAME』について島紀史のインタビューを2回にわたり掲載した。
そして、今日レポートするコンサートが「BLACk FLAME TOUR 2013」の千秋楽だ。
Marshallはもちろん変わらんね。MAJOR 1967。
足元のようす。
一時期極限まで簡素化されたが、また少しだけにぎやかになった。それでもシンプル。
長田ちゃんのキットはNATAL。ブビンガの24"ツーバス・キットだ。
NATALのドラムはどれも仕上げが美しいが、とりわけこのブビンガのキットは重厚な木目がOrange to Red Fadeのフィニッシュにマッチしていて美しさを際立たせている。
今回はスゴカッタ!演奏の話しでない。CONCERTO MOONの演奏がスゴイのは当たり前で今に始まったこっちゃない。
スゴイってのはスモークのことよ。モクモクモクモクモクモク…ステージは完全に悪天候の富士山頂状態…行ったことないけど…。
撮れないのよ。これほどケムイと…。みんなヘルムート・ニュートンになってまう。
…といい訳をカマしておいて…今回の写真のクォリティは割り引いて見てチョーダイ。
それにしても、昔はこんなにモクモクやらなかったもんですよ。ま、今みたいなスモーク・マシーンなんてなかったからね。ドライアイスを粉々にして、電熱器で熱したお湯に一気に突っ込む。盛大に飛びだす白煙。ドライアイスの煙は重いからステージの下を這う。これがカッコよかった。
今のは照明の効果を狙っていることはわかるんだけど、チョットね。これに流行りのLEDのライトでしょ。とにかくカメラマン泣かせなのよ。
ドンドンよくなってる。
もちろんこのすさまじいプレイがあってのこと。
演奏技術と機材の力がお互いに助長しあっているもっともいい形でなのではなかろうか?
いつも通りの荘厳なSEに導かれ登場した5人がまず演奏したのは「The Vail Of Mystery」。『BLACK FLAME』のオープニング曲だ。
もう昔からバンドにいるような余裕さえ感じさせる久世ちゃん。CONCERTO MOONという日本を代表するメタルの大看板での大役を見事にこなしているではないか!
サポート参加とはいえさすがのオリジナル・メンバー。息の合ったプレイは替えの利かない安定感がある。
NATALサウンドを見事にCONCERTO MOONの一部に溶解させ飽和させた長田ちゃんのドラミング。
2曲目も『BLACK FLAME』と同じく「Against The Wind」。
3曲目はひとつ前のアルバムのタイトル・チューン「Savior Never Cry」。
この曲は昨年の暮れに企画された「ファンが選ぶベスト20」の第1位に選ばれた人気曲だ。
続いて「Dream Chaser」~「Stay In My Heart」.
以前にも触れたが、どのパートが欠けてもバンドというものは成立せず、重要でないパートなどないが、ロックバンドの場合、よいサウンドをクリエイトするうえでボーカルとドラムの重要度が高いことは否めない。
したがって、そのドラムの音を出すキットを全面交換するということは、バンドのサウンドが変わってしまう可能性が高く、そう簡単にできるものではない。そういう意味では例えドラマー自身が新しいドラム・キットを気に入っていたとしても、他のバンド・メンバーに迷惑を及ぼすことがあるワケだ。
10年以上にわたってガンコなまでに自分達のサウンドを追及しつづけているCONCERTO MOONのようなバンドとなれば、当然そうした危険を避けなければならない。
そのあたりをCONCERTO MOONの頭脳であり。音楽監督であるノンちゃんはどう思っているのだろうか?
で、このNATALのドラムについてノンちゃんに訊いてみた。
以下は島紀史のNATAL観。
「まず音がいいと思いました。特にバスドラム。新品なのにかなり使い込んだような鳴りを感じるんです。オーバートーンっていうのかな?それがよく出ているんでしょうね。
そうだな…バス・ドラムの音が見えるようになったっていうのがちょうどいい表現かな。
ちゃんと使えばそれに応えてくれる。Marshallもそうでしょ?
薄皮が剥けたようにアタックがクリアでタムとバスドラムのバランスがとてもいい。どういいのかというとすごく『音楽的』なんです。
そうまさに『音楽的』…Marshallも実に音楽的なギター・アンプじゃないですか!するとなぜMarshallがNATALをやっているのかが自然にわかって来る。」
さすがのご慧眼!
ここでまた『BLACk FLAMES』にもどって「Breaking The Chains」と「My Destiny」をプレイ。新旧のレパートリーを巧みに織り交ぜる。
ノンちゃんファンお待ちかねのインスト・コーナー「To Die For」。
超絶ギタリストとして、稀代のロック・インプロヴァイザーとして、限りない力量を見せつけるコンサートのひとつのハイライトだ。
弾くわ弾くわ、昨日、一昨日と間断なく空間を埋め尽くすChris Duarteのギターにジャズの巨人John Coltrneのスタイルに当てはめて形容したが、メタル版の「Sheets of Sound(音のシーツ)」はこの人だろう。それもこの美しいMarshallサウンドあっての話だ。ノンちゃんはそこのところを1000%理解してくれている。
NATALでのドラム・ソロ。これももっとも聴きたかった、観たかった、そして撮りたかったシーンのひとつ。過剰なスモークが厳しい!
コンサートは後半に入るが、ここから先がまたスゴかった。このバンドのラスト・スパーとほどコワイものはない!旧作「Right Here , Right Now」から新作「Reach For The Sky」。
ここから先は久世ちゃん、酸素を摂るヒマはない。
「The Shining Light Of The Moon」~「Angel Of Chaos」~「It’s Not Over」~「From Father To Son」。
キラ星のごとく繰り出される愛奏曲たち!
今年もノンちゃんにはDeep Purpleのことを色々教わった。最大の収穫は『Who Do We Think We Are?(紫の肖像)』が名盤だってこと。
中学生の時以来、36年ぶりぐらいに聴いてみたけど、全曲があまりにも素晴らしい。『Machine Hed』だの『Burn』だのより断然いいな。ハード・ロックの大名盤だ。
Deep Purpleというとホントに耳タコの「Smoke」、「Highway」、「Burn」ばっかりだけど、この『Who Do We~』収録の「Mary Long」、「Smooth Dancer」、「Rat Bat Blue」なんかにも注目してもらいたい。
とくるとライブ音源も聴いてみたくなるのは人情だ。
しかし、レア・ライブ音源なんてのが発掘されても、やはり「Speed King」だの「Burn」ばかり…。他の曲は演奏されなかったのだろうか?こんな時はノンちゃんに訊く。
「はい、『Mary Long』がXX年に演奏されただけで…」
即答である。便利である。
PurpleとRitchieネタの時には来年もお世話になることは間違いない。
本編15曲の最後を締めくくるのはニューアルバムのタイトル・チューン「Black Flame」!
いつもサービス満点のCONCERTO MOONだけど、今回はアンコールがとてつもなくエキサイティングだった。
1回目のアンコールは「Take You To The Moon」。
1回引っ込んで「Change My Heart」で2回目のアンコールに応える。
ま、これじゃバンドもお客さんも納まらないな…と思っていると…
3回目のアンコールでは2曲をプレイ。「Surrender」と…
よくバンドとお客さんの間で、「朝までやるぞ!」「イエ~イ!」「やるワケねージャン」みたいなやり取りがされるけど、オイオイ、コレ本当に朝まで演るんじゃないの?!と思わせたのは…
もう1回アンコールに応えたのだ!曲は「Time To Die」
全員が一丸となって燃え尽きんばかりの激奏!
「○x△は格闘技だ!」という表現は好きではないんだけど、ここはその表現を使わざるを得ないかもしれない。
「CONCERTO MOONのコンサートは100m走を50本。それも格闘しながらの全力疾走だ!」というところだろう。
走り終えた5人。すさまじい疾駆ぶりだった!
そして、CONCERTO MOONは来春も全力疾走する。
『BLACK FLAME TOUR 2014』と銘打ったツアーを予定しているのだ。日程は;
3/15(土) 名古屋・ハートランドスタジオ
3/16(日) 東京・目黒鹿鳴館
3/26(水) 高知・キャラバンサライ
3/28(金) 金沢・van van V4
3/29(土) 大阪・心斎橋Club ALIVE!
となっている。
この年の瀬に来て楽しみがまたひとつ増えた。
CONCERTO MOON CONCERTO MOON Official Site