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2013年10月 2日 (水)

CONCERTO MOON渾身のニュー・アルバム『BLACK FLAME』~島紀史インタビュー<前編>

去る9月18日に通算10枚目のアルバムとなる『BLACK FLAME』を発表したCONCERTO MOON。

ブレのまったくないCNCERTO MOONサウンドに満ち溢れた怒濤のメタル・チューンたちはまさく「黒い炎」。
ますます冴えを見せる島紀史のギターとMarshallのコンビネーションも絶好調を極めている。
話題のニュー・アルバムとその周辺について島紀史に話しを聞いた。そのインタビューの模様を<前後編>に分けてお送りする。

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三部作の意味

M(Marshall Blog:以下「M」):『Angel of Chaos』、『Savior Never Cry』、そして今回発表した『Black Flame』で「三部作」ということになっていますよね?

S:(島紀史:以下「S」、文中の「ノンちゃん」とは島氏のこと)基本的には自分のレーベルからリリースした最初の3作ということで、アルバムのコンセプトがつながっているとかいうことではないんですね。

61qa4xubpl_sl500_aa300__2M:あ、そうなの?
S:キーボードなしの『Angel of Chaos』、キーボードを入れて久世に替わって作った『Savior Never Cry』、そして今回…と環境が変わって、ミュージシャンとして自分の中でものすごく試行錯誤を重ねた3作となりましたね。
M:なるほど。
S:キーボードの重要性だとか、男らしくメタル道を突き進もうかとか、自分の中のバランスだとか、ポップなメロディを混ぜ込むことがもう怖くなくなったとか…そういったことが段階的にやれたと思っています。
M:その間に少し歳もとって?

61raurp3ol_sl500_aa300_S:ハハハ、そう。この3枚で自分がやりたいことが固まりましたね。
M:まだ固まっていなかった?
S:はい、自分で作っておいて言うのもナンですが、この3枚はとても好きなんです。この3枚の流れというものが自分の音楽を見直すいい時期にもなったし…。
M:ジャケットはこのピエロが出て来て何となくストーリーがあるように思わせますよね?プログレッシブ・ロックにありがちな…。
S:うん、さっき言ったようなことがひとつの流れになって、今回のアルバムでついに具体化できたと思ってるんですね。それならば…ということでデザイナーと相談して統一感を出すような方向にしました。
M:でもストーリー性はないということですね。

Ns_img_0002_2S:そうですね。それで、今回のアルバムに関して言えば、誰しもが持っている「澱んだ気持ち」とか「思い通りにならないことに対する攻撃性」とかイヤな感情ってありますよね?そういう部分を何となく表現したくてダークなイメージに仕上げました。
M:ホント、ずいぶんダークなテーマですな。
S:ミュージシャンとしての「自分」を強く持っていないといけないと思うんですよね。ミュージシャンなんてワガママなものだし、自分がやっていることが一番と思っていなきゃやってられません。
それで、自分が作ったものがひとたび手から離れると、それを評価するのはお客さんであったり、評論家であったりするワケですよね?
その時に何を言われても「自分はこれがやりたいんだ!」とか「自分のやっていることが自分の中では正解なんだ」という強さみたいなものが必要だと思うんです。
人に言われて右往左往しないようにしていたい。そんなつもりで制作にあたりました。
M:ノンちゃんは誰にナニを言われても右往左往なんてしないでしょうに!?
S:トンデモナイ!僕もファンの方に色々言われて右往左往した時期がありました。
M:ファンの方からも?
S:はい。もちろんファンはとても大切です。昔、私の好きなプロレスラーの前田日明が「ファンは大切にはするけど媚びない」と言っていましたが、今は僕もそう思うんです。
ある人はワガママに感じるかもしれないけど、もしかしたら長く聴いてきてくれた人には気に入ってもらえるのではないか、とも思っています。


Going My Way


M:CONCERTO MOONを見ていると本当にスゴいと思います。方向性がブレることなく「我が道を

Ns_img_0006往く」でしょ?しかも、休みなくコンスタントに作品を送り出していることが立派だと思います。まさに「ナントカバカ一代」を感じさせる。
S:ブレても仕方ないですからね。
僕はリッチー・ブラックモアを知って13歳の時にピアノからギターに転向したんですが、今でもシゲさんも呆れるぐらいリッチーがスキです。
M:よ~く知っていますよ。
S:リッチーの他にもウリ・ジョン・ロートも好きだし、ゲイリー・ムーアも好きだし、大谷令文も中間英明も初めて見た時のまま今も好きです。
そんな自分は変えようがないでしょ?変えられない。「あの時、人に言われてこう変えたんだ…」なんていう活動は今後もしたくないですもんね。
M:わかります。

Ns_img_0004S:自分のやっていることにこだわることについて称賛されるのはうれしいことなんですが、ギター道に邁進しているのだから、アルバムの売り上げは関係ないとか、ひとりでもふたりでも自分の音楽をわかってくれる人だけがコンサートに来てくれればいい…というのはイヤなんですよ。
M:何かの集会みたいに?
S:「へヴィ・メタル」という今やポピュラリティのない音楽分野の中でも、やっぱりポピュラリティというものは追及したいんですね。1枚でも多くアルバムが売れて欲しいし、ひとりでも多くの人にコンサートに来て欲しい。ギター道は邁進するけれども、ポピュラリティとのバランスはいつも考えていることです。
M:よくMarshall Blogにパット・メセニーを例に挙げていますが、自分のやりたい音楽をやって、それが受けて売れて、さらに芸術性も高い…というヤツですね。
S:うん。そういうところに自分もこだわりをもってやります、でも当然のことですよね。

歌詞について

M:ちょっと戻りますが、今回のアルバムの最後の曲、「End of the Story」の中で「♪響け最後のメロディ」という節があるでしょ?

Ns_img_0008三部作の最終作の最後の曲で「最後の」というフレーズ。これはやっぱりストーリーがあるのかなと思ったんですよ。
S:久世が歌詞を書いてきた時、そういう内容だったのでアルバムの最後に入れたんです。
M:あ、むしろ逆?
S:僕は久世にその曲の歌詞の内容について何の指示もしていないんです。彼の中に何らかのそういうイメージがあったんでしょうね。後付けです。
M:ノンちゃんも詞を書いているけど、歌詞の内容についてはどれぐらい久世ちゃんに指示を出すものなんですか?結構うるさいほう?
S:イヤ、自由に書いてもらって、自分が書いた曲に合うようにチョット変えてもらう感じですかね。
M:その程度?
S:ただ、あまりにも曲のイメージとかけ離れているような時もありますからね。だから『Savior』の時は久世の歌詞が少なかった。
M:あらま。手順としては?
S:デモを聴かせてイメージを沸かしてもらうんです。で、今回は久世にとって2作目ですから「創作」という作業に積極的に関わってもらいたかったんです。彼は正式なメンバーでトラのボーカルではありませんからね。
M:そりゃそうですよね。

Ns_img_0013S:曲のイメージは僕の頭の中にあるワケだから自分でやった方が早いと言えば早いんですが、「創作のよろこび」を味わってもらいたかったんです。
M:「喜び」か…。
S:そう。もっとも彼にとっては「喜び」よりも「苦しみ」の方が大きかったようですが…。
M:ハハハ!いや、Marshall Blogにも何回か書いているけど、こういう音楽の歌詞は本当にムズカシイと思いますよね。
「ホレた、ハレた」でもないし、歌詞が曲に負けちゃう。
S:うん、だから日本語で歌う曲はこの3作で一旦区切りをつけるかもしれない。
M:ホントに?
S:基本的には僕も英語でやりたいんですよ。日本人だし、発音の問題からは逃げられないし。

へヴィ・メタルはなぜ短調?

M:誰もが指摘するのは冒頭のシンセサイザーのことなんでしょうが、ま、アレも含めてとても聴きやすい作品だと思いました。でも「ポップ」というのとはチョット違うな…。CDを聴きながら、今度のコンサートで「この曲はどう撮ろうかな?」なんて考えていたらとても楽しかった。
S:中にはライブ演奏がキツイのもあるんですよ!

M:ところでノンちゃん、いい機会だから訊くけど、へヴィ・メタルっていうのはどうしてこうも短調な曲ばっかりなんあだろう?長調の曲があってもいいんじゃないかと思うんだけど…?
S:僕はね、マイナーな曲ばっかり作っているという感覚はないんですよ。
M:エエ~?!

Ns_img_0145S:本当に悲しい曲を書くんであれば、その中にパッと開ける明るいパートがないとその曲が悲しくならない…そう思っているんですよ。
M:ウンウン。
S:ま、あとはマイナー曲が多いのはメタルの伝統ということなんでしょうけどね。
M:それとギター・リフのせいなんでしょうね。ギターリフって短三度の音を使いたがりがちだから自動的にマイナーになってしまう。
でも「明るく楽しいメタル」ってのがタマにあってもいいじゃないかと思うんですよ。あ、ヤレって言ってんじゃないんですよ・
S:でも、エディに影響を受けた80年代のアメリカのバンドはそういうのやってますよね。
M:あ、そういうんじゃなくて、ブリティッシュっぽくて明るいの。
S:ブリティッシュっぽい明るいバンドか~…。
M:シケってて明るいヤツ。ヴァン・ヘイレンみたいにカラっとしてないの。
S:思い浮かびませんね。僕なんか子供の頃スコーピオンズの「Life’s Like a River(『In Trance』収録)」なんか聴いてて自殺しちゃうんじゃないかと思ったもんね。
M:でも「Your Light(『Taken by Force』収録)」なんてメジャーっぽいじゃん?ああいうの。
S:でも、明るくなりきらない!
M:そうそう、いつも天気悪いから!
S:確かにないですね。「男らしくガッツィに!」なんて言われた瞬間にはマイナー・コード弾いてるもんね!
Dmだわ!世の中で一番悲しいコード。
M:そうかな~?
S:『スパイナル・タップ』のなかでナイジェル・タフネルも言ってる!(「Lick my Love Pump」←ひどいタイトル!)

影響を受けるということ

M:よくディープ・パープルやレッド・ツェッペリンに大きな影響を受けたと言っておきながら自分演って

Ns_img_1603いる音楽がそれとはまったく別のもので、どこにパープルやツェッペリンの影響が表れているの?と思っちゃうグループっているじゃない?そこへ行くとCONCERTO MOONはわかりやすい。
でも、「ギター・リフ」ってことに注目するとノンちゃんが作るリフは明らかにパープルとはテイストが違いますよね。
S:うん。
M:そこで今回驚いたのが「Stay Alive」。とうとうパープルが出たから。やっぱりギター・リフを作る時、似通わないように…なんて考えているんですか?
S:あのね、曲を作っている時に出て来るものって、もっとパープルっぽかったり、レインボーっぽかったりするんですよ。
M:ハハハ!
S:実はイッパイ出て来ちゃうんですよ。
M:例の「Rat Bat Blue」?
S:そう!「Rat Bat Blue」みたいな曲を作ろうと思って、出来上がったら「Rat Bat Blue」になってたという…。
M:ギャハハ!

Ns_img_0031_2S:だから僕は自分の音楽を作る時にあまりにパープルに似ていたりするものは頭の中で篩にかけて落としているんだと思います。
メンバーにも聞かせていない段階では、例えば「Burn #34」みたいに大量に「Burn」みたいな曲を考えるんですが、所詮いくらやっても「Burn」にも「Rat Bat Blue」にも勝てるワケがないですからね。
M:でもディープ・パープルだって「Black Night」も「Child in Time」も元は人様のものですからね~。
S:「Burn」もそう。ガーシュインのナントカって言うヤツ。(ガーシュイン作「Fascinating Rhythm(邦題:魅惑のリズム)」。「Burn」をメジャーで弾くとこの曲っぽくなる)
M:ELPなんかもそうですもんね。
S:僕がある程度の年齢に達して、今みたいな音楽を演らなくなった時にはそういう曲をやってみたい。
M:いわゆる改作ね。改作はいいですよ。改作を認めさすれば問題ない。
S:でも、今はそういう音楽から受けた影響のもとで自分のオリジナリティを追及したいと思っているんです。
M:「Stay Alive」はそれをスリ抜けて来たような…。
S:アレはパープルのシャッフルのニュアンスが僕の中にあったんですよ。
M:タイトルはビージーズ?
S:ハハハ!アレは久世の歌詞からそのままタイトルになってます!

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CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site

<後編>につづく

(一部敬称略 2013年9月 BAZOOKA STUDIOにて収録・撮影)