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2013年5月15日 (水)

Strange Beautiful & Loud~Sound Experience 7

三宅庸介の音楽をタップリ、ジックリ楽しむシリーズ『Sound Experience』。

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出演はおなじみStrange Beautiful and Loudとゲスト・ギタリストだ。

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最近ではスーパーでグレープフルーツを見かけると「Stratify」のイントロのドラムが聞こえてくるようになった!

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Strange Beautiful and Loudは

三宅庸介

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山本征史

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金光KK健司

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普段、普通の音楽を聴いている人、特に若い人にとってはキテレツ極まりない音楽に聴こえるんだろうナァ。人間だもの、得意不得意の別はあるにしても、時代に迎合しない極めて独創的な道を歩んでいるこのようなバンドは徹底的に応援したい。

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三宅さんの音楽が特段「新しい」などと言うつもりは毛頭ない。だって「新しい」ということがエライともまったく思わないんだもん。

テレビでよく新人のバンドが紹介されて「新しい」とか「今までにない」とか喧伝しているのをよく見かけるが、「お~コレは!」なんていうのに出くわしたことがない。ただのマスコミの「売らんかな」の宣伝惹句にしか聞こえない。

まさかマスコミは本気でそう思って宣伝しているのだろうか?

そうかと思うと、アイルランドの若いバンドが60年代風のロックを演奏していて「新鮮だ!」と大絶賛していたりする。何ていうグループだったっけかナァ。エルトン・ジョンがプロデュースを買って出た…とかいう。別に新鮮でも何でもないよ。騒いでいる連中が勉強不足なだけだ。

ま、これはしょうがないのはよくわかってる。「音楽は振り子」だから。どんなにカッコいいロックでもさすがにみんな同じことをやって、時間が経てば何か新しい(実際には、新しいと勘違いしている)ものを求めるのは自然の摂理で、そこにマスコミのビジネスチャンスがあるワケね。

それよりも、新しいか古いかは別にして、曲の良し悪しというのは大変重要な問題で、この点は明らかにレベルが低下してきた、というより出尽くした感があると思うね。だからそれを「新しい!」と騒いでごまかしているのではないかと観ている。

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そうだな…ビートルズの「I Will」やら「For No One」とか「Here There and Everywhere」とかと最近テレビによく出ている「○○○○○(ここは好みでないバンドやミュージシャンの名前を好きに入れてください)」の曲を比べてごらん。

どっちがいいかは自動的に答えが出てくるでしょ?比べることに無理もあるけど…相手はマッカトニー卿だからね。

ハイ。次に、そうした名曲を若い人たちが全く知らないという風に思ってください。知っているのは「○○○○○(ここは好みでないバンドやミュージシャンの名前を好きに入れてください)」のどこまで行っても平坦でつまらないバラードばかり。

どうでしょうか?若い人たちが気の毒に思えてこない?

ここで重要なのはビートルズだけではなくて、ジミ・ヘンとかツェッペリンとか、人類は無限の音楽財産を持っているということなのよ。ナゼみんなでそれを教えてあげない?!

そんなビートルズの連中にしたってエルヴィスをはじめとしたアメリカのロンクンロールをキッチリと学んだからこそああいう新しく素晴らしい音楽を生み出すことができたんでしょ?ちゃんと勉強しないと…。古きをたずねる時が来たんですって。

いつ温故知新を実践するの?今でしょ?(最近こればっか)

とにかく、我々は与えられるものを甘受するだけでなく、それに惑わされないようにしっかりと過去の遺産を吸収しておくべきなのですよ。

大幅に脱線してしまったが、最近行ってきたフェスティバルで見た光景がいつになく胸に突き刺さったもんだからつい書いてしまった。ステージの音楽に合わせて飛び跳ねて踊り狂っているだけのいつもの光景なんだけどね…。

また、いつもと同じこと言ってら!と思われるだろうが、マーブロは私がやっている以上は言い続けます。

三宅さん、ごめんなさい。またやっちまった!

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かといってですな、三宅さんの音楽にものすごく郷愁を覚える…とかそういうことはない。だから面白いんだろうね、聴いてて。新しいとか古いとか、そういうことを超越した音楽だから。

しかし、ギターのサウンドは確実に愛着を感じるものだ…それはヘンドリックス。

三宅さんのフロントの音にはまったくもって感心してしまう。

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その三宅さんのギター・サウンドは愛用のDSL100と1960BVとストラトキャスターから生み出される。

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ベースもMarshallだ。

以前から書いてきたが、征史さんのMarshallベース・サウンドが実にこのバンドのサウンドにマッチする。

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SUPER BASS1992。1977年製。

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三宅さんの宙を飛び交うギターを迎え撃つような自由なプレイが素晴らしい。

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このバンドでベースを担当するのは相当難しいだろうが、最高にオモシロイんじゃないかな?

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それも、このドラムあってこそ!

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歌うように、メロディを奏でるようにドラムを叩く人だ。

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耳をそばだてなければ聞き取れないようなピアニシシモの音からハイドンの94番も(それこそ)ビックリのフォルテシシモまで自由自在にクリエイトするダイナミクスの魔術師だ。

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Brian Tichyも好きだというKKだが、ま、私は勝手に心の中で「Dan Gottlieb」だと思ってるんね。

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ね、こうして三宅さんの一挙手一投足に目と耳をそばだててピタリとマッチしたドラミングを提供する。

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ま、こうしたストイックな音楽の求道者三人が集まって展開する音楽をひと目見ようと動員数も順調に上向いている。

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ショウの内容はアルバム『Lotus and Visceral Somgs』からの曲を中心に演奏される。 いつも通りの白熱した演奏。

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アレ?何だこりゃ?と気が付いた。…といっても何の写真かはわかるワケがないよね。これはアルバムには入っていない「If」という曲のサビを弾いているところ。て何枚か撮ってみた。

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これが三宅さんの曲にしては非常に覚えやすいメロディで、アルバムに入っていなくても毎回ライブで演奏されるからとてもなじみが深い曲なのね。

「アレ?」と思ったのはメロディが半音下がるだけなのにフィンがリングがエラク忙しい…。で、よ~く観ていてわかったのが、半音下の音をワザワザそこだけ違う弦で出しているんですわ。

これはサキソフォンなんかでいう「オルタネイト・フィンガリング」というヤツ。音が同じなのに違う押さえ方で出してやることによって複雑なニュアンスを加える手法ね。マイケル・ブレッカーはエリック・クラプトンのフレーズをこれを使ってサックスで再現していたりするね。比較的昔から使われている手法だけど、やっぱりブレッカーにようにブッ速く吹ききるには大変な技術を必要とするらしい。

ギターと言う楽器は弦の太さとフレットの高低で音程を定めているため、構造上場所は違えど同じ音を出すポジションがいっぱいあるでしょ?このことがギターを演奏技術を複雑にして、色んなことができるようになっているワケ。

その点、サックスは弦が1本しかないのと同じようなものだから、違うところを押さえていたら同じ音なんか出そうにないと思うけどさにあらず。こういうオルタネイト・フィンガリングってのがたくさんあるんだって。クラリネットなんかもっとすごくて、同じ音列でも上昇する時と下降する時とでは押さえるところが違ったりするってーじゃんね。オモシロイもんですな(以上、協力はサックス吹きの親友)。

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一応三宅さんに確認してみたところ、大当たり。ニュアンスを豊かにするためにこのテクニックを使っているとのこと。5弦解放のAか6弦5フレットのAなんてことは考えることはあっても、こんな比較的速いフレーズでこういうことをするところがいかにも三宅さんらしい。

ちなみに初めてこのころを指摘されたそうだ…エヘン!

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「Stratify」や「Bloom」、「Fantasia」等アルバム収録の曲を4曲、それ以外の「Petal」、「If」等、全8曲を演奏して本編を終了した。

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やっぱり阿吽の音楽というか、会話で成り立つ音楽というか、こういうタイプの音楽は演奏者がこなれればこなれるほど迫力が増して面白くなってくる。

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しかし、それが過ぎてしまうと、それこそ新鮮味を失い始めてしまう恐れがある。

そのカギはやはり「曲」にあると思う。演奏者の力をいつまでも引き出し続ける魅力な「曲」。三宅さんの作品にはそうした能力を持った曲が揃っているのだ。

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ちょーっと三宅さん、どしたん、その汗!まるで風呂上がりじゃないの!マー風呂か?

…と後で訊いたら、かわいそうに下手側のエアコンが壊れていて三宅さんのところだけサウナ状態だったそうですわ。

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アンコールにはゲストを迎え入れる。

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今日のゲストは…

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足立YOU祐二! 的な?

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まずは「Stratus」。また出たよ~!前回書き忘れちゃったけど、三宅さん曰く、Stratocasterの「Strato」もどうやらこの言葉に関係しているらしい。

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怒涛のソロ・バトル。これはスゴカッタ!

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YOUさんはJVM410Hと三宅さん所有の1936を使用。JVMの使用チャンネルはOD1/GREENだ。ゲインをやや低めに設定して、さらにギターのボリュームを調整して音を作る。

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このサウンドがまた独特でしてね。MarshallじゃないMarshallの音?

以前にもシェイカーの工藤さんや甲斐さんたちといっしょのバンドでDSLのサウンドを聴かせていただいたけど、あんなDSLの音初めて聴いたもんね。今回もそう。

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2曲目は三宅さんの歌で「Litte Wing」

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もちろん歌につづいてはまたギター・バトル。繰り返し何度も順番が回ってくるたびに、YOUさんは毎回必ずその回のソロのテーマというか、見せ場のようなものが出てきて(もちろん即興)、時にはひとりで、時にはふたりでそれを展開していく様が何ともスリリングだった。

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YOUさんJVMをして曰く、「ボリュームを落としてバッキングをした時もギターの音がバンドによ~くなじむ」…なるほど。

もちろんソロの時のサウンドも絶品だ。

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三宅さん、当日のリハの時、YOUさんがどうやってJVMで音を作るか観察されたらしい。「フムフム、ゲインは?トレブルは?」みたいに…。ところが、最初に音を出した瞬間からもうYOUさんの音だったのでどうにも観察のしようがなかったって!

それにしてもこれほど「もっと聴きたい!」と思わせるギター・バトルも珍しいな…。

Sound Experience 8 も楽しみじゃん?!

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三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange Beautiful and Loud

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(一部敬称略 2013年4月18日 三軒茶屋Grapefruit Moonにて撮影)