Trio the Collagens~これでいいのだ これがいいのだ 2013~
『Trio the Collagens Presents! Raven & Roger 30th Anniversary Tour~これでいいのだ これがいいのだ 2013~』というのが正式なツアー・タイトル。
これまで予告編も含めて2度ほどこのツアーに関するレポートをお送りしてきた。
ベースのオガンちゃんが音楽生活30周年を迎えた先輩、令文さんとロジャーさんに敬意を表して企画したツアーだ。
バンド名はTrio the Collagens(トリオ・ザ・コラーゲンズ)。
そしてこの日がツアーの千秋楽。
ゲストを交えての公演となった。
超速調のブギ。こんな曲、このリズム隊だからサマになってる!
このトリオのもっともいい部分が発揮される曲だと思う。「火を噴くような」という形容がまさにピッタリだ。
ホント、こういう曲が世の中からスッカリ消え失せてしまったよね。聴き違いようなく、ロックの一番カッコいい部分のひとつだろう。若い人たちはこういう曲を聴いてどう思うのかしら?
ま、ティロティロと両手を使ったり、ペロペロとスウィ―プで間を埋めたりするんだろう。
大谷令文はそんなことはしない。右手を指板の上に乗せるなんてことは知らない。では、どう弾いているか?
それは実際にコンサート会場で確かめて欲しい。40年前のイギリスのロック・ギタリストと何ら変わらない。つまり、間違いなく一番カッコいいスタイルでロック・ギターを奏でているハズだ。
これもいいよナァ。令文さんの「Sister Spider」。イギリスのロック、すなわちブリティッシュ・ロックだ!
みなさ~ん、「UK Rock」という言葉はイギリスにはありませんよ~!彼らはそれを「Brit Pop」と呼んでいます。つまりロックではないの。イギリス人はここのところはハッキリ分けている。
「UK Rock」というのは完全に和製英語。
イギリスのロックは「British Rock」といいます。テレビで使われる言葉は簡単にアテにしないようにしましょう!
そして「ロック」という言葉はこういうバンドがやっている音楽を意味します。
名古屋の時と同様、このツアーの趣旨がオガンちゃんから説明された。
エモーショナルに歌い、そして弾く令文さん。バラードながら大きな見せ場のひとつだ。
私は「♪お~や~す~みッ」と、「み」を思いっきりスタッカートさせるところが大好き!
第1部はロジャーさんのボーカル曲が3曲セットされた。
3曲目は「難聴」。
でもね~、ホント、気をつけてるんですよ。我々なんかステージの写真を撮る時、大きな会場ではPAスピーカーの前で待機したり、小さい会場では1960の音に直撃されたりで、耳を痛める危険性がものすごく高いの。そこでいつも思い出すのがこのロジャーさんの歌。もちろん耳栓は常時携帯している。
さて、いよいよ秋本番だけどロジャーさん、虫の鳴き声聞いたかしら…?
Bluestone Co.の「Valle Colorado」。
ラテン・メロディのテーマを持つゴキゲンな曲。真ん中のキメをさりげなく7/8拍子にしているところなんざ実にイナセ。
オガンちゃんが出て来る度に「世界の」という枕詞をつけているが、また世界に出て行ってしまった。
このことは明日のマーブロでレポートするのでお楽しみに!
一部の最後はロジャーさんをフィーチュアしてCozy Powellの「Killer」。
令文さんはいつもの1959。当たり前のことだし、今日は長尺なので細かくは取り上げない。
そして休憩をはさんで第2部。
まずは令文さんのオハコ。「Don't Believe a word」。
そしてゲストが登場!
Mr. Tone、原マサシだ!
曲は「Little Wing」。
イヤ~、マサシさん久しぶりだな~!
そして、2曲目はThin Lizzyの「Black Rose」。
本番は写真を撮っているのでそれどころじゃないけど、リハの時、感動して不覚にも落涙してしまった!
その昔、名古屋のハートランドというライブハウスの主催で「Marshall Mania」というイベントが企画された。
これがまた濃い企画で、自慢のレアなMarshallを持ち寄って展示するというもの。そして、夜には豪華メンバーによるコンサートが開かれた。
そこで初めて原マサシさんにお会いした。考えてみると令文さんともこの頃から親しくさせて頂いている。
その夜のコンサートに先駆けて、昼間には令文さんのギター・クリニックが開催された。そこは令文さんのこと、ピーター・グリーンの解説などを筆頭に、メチャクチャ濃い模範演奏を聴かせてくれてとてもおもしろかった。
そして、そのクリニックにゲストとして登場したのがマサシさんで、令文さんは「ほんじゃ、アイルランドの民謡でもやりますか…」と言って、ドラムンもベースもバッキング・トラックもない、丸裸のギター・デュオで「Black Rose」を弾いたのだ。
コレに感動しちゃってね~。だって、目の前で人間が弾く「Black Rose」なんて見るのはじめてだったし、大好きな曲だし…とても深く印象に残ったのであった。
今回、その時のことを思い出しちゃったのだ。「アレからいろんなことがあったな~」って。
さて、夜の部もスゴイ盛り上がりようで、令文さんやマサシさんはもちろんichiroちゃん、トーベンさん、中野のシゲさん(Rollover)等のスゴ腕がゾロゾロ出て来て、死ぬほどギターを聴かせてもらった。
軽くご飯を食べてホテルに帰ったのが午前1時過ぎだったよ。
そして、その直後、マサシさんが当時ロンドン在住と知って、私がMarshallに行く時に再会した。
あの時は楽器店の方々をお連れしたのだが、工場のTheatreでマサシさんにデモンストレーションをお願いした。ブルースのカラオケをバックに数曲とジミヘン・バージョンの「Rock me Baby」を弾いてくれたように記憶している。
その時、面倒を見てくれたのはマーブロではおなじみのSteve Dawsonで、マサシさんのプレイにビックリ仰天していたのも印象に深い。
あの頃、もう車いすだったが、ジムはまだ元気で、工場見学が終わった後みんなでジムを囲んでディナーを楽しんだ。いい思い出だ。
今日も「Mr. Tone」の名に偽りのない素晴らしいサウンド、そしてプレイ!あの時と同じ熱演を目の前にしてとてもうれしかった。
2人目のゲストは先日Ebony EyesですでにMarshall Blogに登場していただいている藤本朗!
「Lonely Guys」、「Impact」、「Foolish Boys」。
もちろん藤本さんのマシンガン・トークも絶好調!
今晩のショウのうちでもっともコンテンポラリーでメタルなコーナーだった。
そして、マサシさんも加わって、これも令文さんの定番…
Freeの「Wishing Well」。
しかし、これもいい加減、いい曲だよな~
Trio the Collagensに限らず、この辺りの人たちは曲の選択がまた素晴らしい。
今日は披露されなかったが、特に令文さんが時折チョイスするScorpions系統の曲なんかはエグさ満点だ!
いい選曲に百戦錬磨のロック野郎たちの演奏と来れば悪かろうハズがない。だからドンドン観に行って欲しい。
最後は、ク~、これまた泣かせるゼ~!インストでJohn Lennonの「Jelous Guy」。コレもアホほどいい曲だ。
それをガツンとゴリンとドバッと令文さんがレックレスに奏でる幸せ。今日も来てよかった!
そしてアンコール…
「犬も歩けば」、「なればいい」、「Lullaby」の3曲で締めくくった。
ああ~、今日もタップリいいッロックと令文節を堪能させていただいた。
令文さん、ロジャーさん、30周年おめでとうございます!