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2013年10月 7日 (月)

LuLu単独診察会 於渋谷大西病棟

「クシャミ3回、ルル3錠」…ってか。
診察会に行くまで気がつかなかったな…。診察会というのは「コンサート」のこと。
「LuLu」という医療系ロック(そんなのあんのか?!)の大御所のワンマン・コンサートに行って来た。本当に薬からバンド名をつけていたんだな?
診察会場は渋谷O-EAST。Marshall Blog 初登場だ。

10「医療系ロック」というのは私がここで勝手にそう呼んでいるだけだが、基本的にはビジュアル系の流派に属しており、お客さんは若い女の子ばかり。

20コスチュームは血染めの白衣。ドラム・キットやマイク・スタンドには大量の包帯。
いいよ、いいよ。別に血染めがいいワケでは決してなくて、Marshall Blogで時折声高に叫んでいるように、「ロックはエンタテインメント・ショウのひとつ」…衣装や舞台装置に凝ることは大歓迎という意味だ。
ま、でもこんなに血だらけの医者がいたらだれもその病院に寄り付かんわね。

30LuLuは5人編成。それぞれがお医者さんだ。
彼らは自分たちのことを「医師団」と呼んでいる。

外科のたぁ院長。

40v内科のユキ。

50v精神科のさゆき。

60v皮膚科のまーつん。

70v眼科の真己。
さすがに肛門科と性病科の先生はいらっしゃらないようだ。イヤ、影で兼務されているのかも知れない。

80vしかし、最近はあまり目立たなくなった感じがするが、「ヴァイキング・メタル」とか「フォーク・メタル」ととかロックの科目がやたら細かくカテゴライズされている。
だいたい。「フォーク・メタル」ってナニよ?フォークの極北がメタルなんじゃないの?…と思ったらこの「フォーク」はどうやら「民族」の方の意味らしい。それにしても細かい。ほとんどギャグの世界に近い。
で、さっきから「医療系ロック」などと呼んではいるが、実は「病院」を題材にしたバンドというのは過去にもあった。30年以上前、ブラックライトをライブハウスに持ち込み、手術着をコスチュームにする「グランギニョル」というバンドがいた。1回だけ渋谷の屋根裏で観たことがあったが、音楽についてはハッキリ覚えてないな。暗く重いドロドロした感じの曲をやっていたような気がする。

90昔はそれだけでかなり異端視されていたものだ。パンクがちょうどもてはやされ出したぐらいの頃だったろうか…。
そこへいくと、今のバンドは大変だ。もうネタは出尽くしたわ。色んな規制は厳しくなるわで…。

160そこへ行くと、このLuLuはウマイ具合にやっていると思う。
実際には「悪魔」のそれとまったく同じだが、「コンサート」を「診察会」、「新曲」を「新薬」、「メンバー」を「担当医」などと呼んだりする言葉遊びも楽しい。
こういうバンドはお客さんもたいていノリがいいものだ。
来場している若い女性も、わかるだろうか…
140v看護婦姿なのだ。
しかも、ナゼかこのバンドのお客さん、カワイコちゃんと外国人の女性が多い。
あんまり書くと「マーブロのせいで男性客が増えた」なんて言われそうなのでこれ以上は触れない。いずれにしても男性の看護婦姿でコンサートに行くことだけはご遠慮願いたい。LuLuに代わってお願いしておく。

100さて、ナゼゆえLuLuが登場したかというと…。
もちろんMarshallがらみにキマってる。
ギタリストのユキ。本職は内科医。

110vこれが彼のMarshall。
メインは80年代のJCM800 2203。その上に乗っているのはVintageModern2466。キャビネットは1960A。

120v一体もう何年になるだろうか?実はユキはMarshall Blogに頻出してくれている私の親しいギタリストのお弟子さんで、師匠、つまり私の友人の診察会、イヤ、コンサートに来ていて、何回も顔を合わせていて、彼の方から声をかけて来てくれて、コンサート、イヤ、診察会にその後も何回かご招待してくれたのだ。
しかし、いつも都合が悪く、その後私が前職を辞したりして没交渉となっていたが、再会。こうしてはじめて診察会にお邪魔したというワケ。

130そしたらアータ、この人アホほど弾きまくるわ、バンドはメジャーデビューしてるわ、お客さんは看護婦だわ…でビックリ仰天よ。

150vユキのお立ち台姿。かわいい。ちなみにこの台は持参している。515円か?

155vユキのスタイルはとにかくシュレッディング。小さな手が猛烈なスピードで指板の上を駆け巡る。図太いサウンドをクリエイトする2203や2466は彼のプレイにベストマッチだ。

315アコギも数曲でフィーチュアされた。これがユキの繊細さが前面に押し出されたプレイですごくいい感じだ。

220v診察会はもうノッケからものすごいノリよう。

145場内はどこも熱気でムンムンなんだけど、この最前列の気合の入りようたるや尋常ではない。完全にミュージシャンより身体動かしてるけんね。
こっちアタマぶつけてカチ割っちゃったら大変だから十分に気をつけとります。

170vさて、肝心な音の方は、というと…ボーカル中心のへヴィなサウンドだ。
190ここの医師団はリズム隊がまたいい。

200vベースもドラムもテクニックがしっかりしており、バンド・サウンドが安定しているのだ。

220精神科のさゆきは7弦ギターでバッキングに徹する。

210vそこへ切り込むユキのシュレッディング。
330vお医者さんだけに医師団ひとりひとりのキャラクターも明確だ。要するにヤブ医者がいないのだ。
250ド派手なアップ・テンポ曲だけではない。シットリと歌い込むバラードも…

230vバッキングはユキのアコースティック・ギターだ。

240vさらにユキとまーつんの…

260ギターvs.ベースの大バトル!

270vワザとワザに応酬!自己の技術の限界に挑むふたり!

180どんな音楽をやろうとも、それが音楽である以上、やはり器楽演奏のレベルは高いに越したことはない。見応えがガクゼンと違うからね。

285vスリリングなパフォーマンスに拍手!

290彼らはお客さんのことを「クランケ」と呼ぶ。要するに患者さん扱いだ。
クランケなのに看護婦姿というこの矛盾がまたいい。
ところがね、今は実際の病院では、患者さんのことは「クランケ」とは呼ばないハズだ。もう医学界も英語がスタンダードになっていて「PT(ピーティー)」と呼ぶのが普通。「Patient(患者)」という英単語の頭文字だ。

320vでもこの場では「クランケ」の方がいい。雰囲気がある。「まだイケるか、クランケ!」なんてね。なかなかキマる。

300
歌もさることながら、病院タームをふんだんに盛り込んだMCもゆかいなたぁ院長。クランケを熱狂のウズに叩きこんで本編を終了した。
310v
そして、アンコール。
演奏の前に外国の若く美しい女性のファンから「LuLu」のバナーがプレゼントされた。
350メンバー、イヤ、医師団もこのサプライズ・プレゼントがスッカリ気に入った様子でとてもうれしそうだ。

360バナーを身にまとうユキ。

370もうひとつ驚いたのは、誰がキメたかクランケの一糸乱れぬ振り付け。会場、イヤ、診察室(こっちもノッて来たぜ!)中の看護婦姿のクランケがごく自然に舞ってしまう光景は圧巻だ!

380アンコールも阿鼻叫喚のノリノリ地獄!イヤ天国!
ああ、後から考えてみると、半分ぐらいクランケを観ていたような気がするな…。

390ちゃんと踏み台まで持って来てる。これ前柵のない会場ではどうしてるんでしょう?

4006月26日に投薬されたシングル『301病室』も大好評だ。
また遊びに行こうかな?オレも白衣用意しておくか?カメラは胃カメラに変更だ!

405cdLuLuの詳しい情報はコチラ⇒LuLu総合病院

410(一部敬称略 2013年8月20日 渋谷O-WESTにて撮影)