Marshallのポテンシャルを200%引き出す人のDVD~三宅庸介の教則DVD
エレキ・ギターが世に出てきて60年以上になるのかしらん?「エレキ」もいつも間にか「エレクトリック・ギター」って呼ばれるようになったね。
ある偉大なギター製作者が生前嘆いていたそうだ。
彼は自分の名前を冠した会社で知らない者はいないほど有名なギターを開発した人。晩年は自分のギター・ブランドを新しく立ち上げた。しかし、思ったようにうまくいかない。
「車でもテレビでも、消費者は必ず新しいモノを欲しがるのに、何だってギターはいまだに古いモノばかりがもてはやされるんじゃ!ワシが昔作ったものより、今作ったモノの方がよいにキマっとる!」
…とヴィンテージ至上主義のギター・マーケットに大きな不満を抱いていたらしい。
匿名が多くて恐縮だが、コレはその偉大なギター製作者の愛弟子で、世界のスタンダードのひとつとなったブリッジを開発したイギリスの友人から私が直接聴いた話しなのでウソではないだろう。
弾き込んで時間が経つとギターの音が良くなる…とよく言うが、これは科学的にも立証されているらしい。
長い間弾き込まれることによってギターに与えられる振動が、はじめは不規則に並んでいる木の組織を規則正しく並ばさせ、振動率が改善されていくのだそうだ。
だから、古いギターの方がよい音がするという理屈は成り立つらしいのだが、このギター製作者の気持ちもよくわかる。
そして、60年の間にエレキ・ギターというものが一体何種類ぐらいこの世に生を受けてきたのだろう?数万?数十万?全然見当もつけられないな…。
で、結果、ナンダカンダ言っていつの時代もストラトキャスターとレス・ポールに収斂されてしまうよね。
製造と販売に関して、この2種類のデザインで歴史的にどれだけのシェアを確保してきたんだろう?
半分ぐらいはストラトとレスポールなのかな?もっとかな?これまた見当がつかん。
そういえば、「レスポール」の場合、省略して呼ぶ人見たことないな。「レス」とか「ポール」とか…。
それじゃストラトとレスポールの普及率ってどっちが高いのね?
経済的な理由もあるし、ストラトキャスターの方が強い感じがするな。
ビジネスを考えず人のブランドの状況を無責任にアレコレ勝手に想像するのはおもしろいな。
ナゼにストラトキャスターに人気が集まるのか?
かくいう私も最初に買ったのはストラトキャスターのコピーモデルだった。理由はイトコのマネをしただけ。私より幾分年上のそのイトコはナチュラルのストラトキャスターのコピーモデルを持っていた。リッチー・ブラックモアのファンだったからだ。
あの頃(1970年代中盤まで)の男の子は一度はDeep Purpleに憧れたからね。
「音がどうの」なんてのは後からわかることなので最初は憧れのスターや形で選ぶのも当然のこと。
今、ギターを手にする若い人たちはナニを基準にギターを選んでいるんだろう?我々の時と違いにギター・ヒーローが完全に不在なワケじゃん?
14、15歳の子が楽器店に行って「ジミー・ペイジが好きなのでレスポール見せてください」なんて言ったらかえって気味が悪いかもしれない。あるいは店員さんがジミー・ペイジのことを知らなくても当然の世の中だろう。
やっぱり形で選ぶのかな?
カッコよさを追及するのもロックのひとつの楽しみだからそれもよかろう。
その点、私はストラトキャスターというのはもっとも「エレキギター」っぽい形をしていると思っていて、それがひとつの人気の源となっているように思うがどうだろう?
今日は稀代のストラト使い、三宅庸介の4月下旬に発売された教則DVDのお話し。
撮影現場にドップリと入り込ませていただいた。
『ストラトのポテンシャルを200%引き出す極意』というのがDVDのタイトルだ。
いつも担当楽器に(g)でなく(Stratocaster)と記すこだわりよう。三宅さんもストラトキャスターの権化ともいえる存在なのだ。それゆえこの企画に最もふさわしい先生といえよう。
DVDにも登場する七つ道具。三宅さん、おっそろしく物持ちいいわ~。
バッキング・トラックでも入魂の演奏!
もうこの時点でストラトのポテンシャルがだいぶ引き出されちゃってるんじゃないの~?
基本的にはギターの調整等について詳しく解説するDVDなのだが、こりゃ、普通のパフォーマンス作品と変わらんわ!
いよいよドップリとストラトキャスターの世界へ!
ギターはメチャクチャすごいんだけど、いざカメラが回っておしゃべりをしてもらうとなると信じられないぐらいうまくしゃべれない人もいるんだよね。
三宅さん、物静かだし、ステージのMCではいつも必要なこと以外はしゃべらないので、「トーク大丈夫かな?」なんて個人的に心配していたんよ。
と・こ・ろ・が!
もう立て板に水でスラスラと説明をしてくれたのには正直ビックリ。
いつも自分がギターにしてあげてることに自信があるということのあらわれなのだろう。ホント、わかりやすい説明でお上手だった。ま、もっともギターの生徒さんも取ってらっしゃるからね。
「ここをこっちから撮って…、それじゃダメダメ」…なんてわかりやすく説明するためにカメラ・アングルにも決して妥協を許さない!
「オラ、これがネックをハズしたとこだよ」だなんてスゴんでいるワケではない。とにかくスミからスミまで三宅さんの持つストラトのノウハウを伝授しようと真剣なのだ。
もちろんギターの鉄人、三宅さんのこと、Marshallがなければせっかくのストラトキャスターの魅力が半減してしまうことは百も二百も承知していらっしゃる。…ということでMarshallの解説もしてくれた。
本当は担当楽器のところは(Stratocaster & Marshall)と書き入れたいに違いないが、長すぎるのでシ省略されているのだろう。
みなさん、ストラトキャスターは正しく使いましょうね。
しかしさ~、我々の世代は幸せだと思うね。Marshallにしてもストラトにしても、もっともそれらの楽器の魅力が発揮されているであろう音楽をドップリと聴かせてもらって育ったのだから。
三宅さんのようにその楽器が本来持っている特性や長所を知り尽くしている鉄人からノウハウを学ぶ取る意義は果てしなく大きい。
三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange, Beautiful & Loud
DVDの詳しい情報はコチラ⇒アルファノート公式サイト