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2013年11月22日 (金)

田川ヒロアキの『嵐にしやがれ』!

10月下旬の雨のお茶の水…。
まぁ、間断なくよ~降るわ~。スゲエ寒いし…。

お茶の水といえば、「楽器」ではなくて、「いもや」でしょうな。
お茶ノ水を中心に展開していたトンカツか天ぷらのチェーン店。
私はもっぱらトンカツ(=いもカツ)の方だったけど、学生時代何回食べたかわからない。
定食に付いているお味噌汁の具がしじみでね。学生の時(約30年前!)は豚カツ定食が確か550円だった。

レッチリのチャド・スミスっているでしょう?ドラムの。
チャドの実兄のブラッド・スミスがトンカツが好きで、「いもや」に連れて行ったことがあった。
いもやはどこの店もカウンターしかなくて、複数の人数で行っても空いた席から順番で座らなければならないシステムだった。
つまり、連れがいてもバラバラに座るのが普通だった。我々の時も一緒に座ることができず、順番を待つ時のブラッドの不安そうな表情が忘れられない。
ブラッドは少し日本語を勉強していたが、せいぜい「コニチハ」や「アリガト」程度が関の山で、オーダーすることも、箸をうまく持つことも心配なワケ。
そこで、順番を待っている間に徹底的に「と・ん・か・つ・く・だ・さ・い」を繰り返し口に出させて練習させた。(メニューはふたつ。後はヒレカツしかない)
ほどなくして我々の順番が回ってきた。
案の定、ブラッドは私と離れて座らなければならず、先に空席に向かう私を見つめるブラッドの不安の表情が増幅した。
そして、すぐにもうひとつ空席ができ、ブラッドが私から離れた席に着く。
さて、彼がオーダーをうまく言えるか興味津々で耳をそばだてていると、ブラッドはカウンターの中の店員に向かってこう言った…。

「ト、ト、ト、トンキャチュ ク、クラサイ!」

やった!言えた!注文を受けた店員は「トンカツいっちょ!」と注文を確認しながら何事もなかったように肉にパン粉をまぶしていた。
この時のトンカツがよほどおいしかったらしく、10年以上経った今でもブラッドと会うとこの話しになる。あの時いもやでブラッドが撮ってくれた写真が今でもどっかにあるはずだ。

その後、「いもや」もどんどん閉店し、今ではほとんど見かけなくなってしまった。もう廃業しちゃったのかな?
これが私のお茶の水…。

…と何やら人だかりが…。

10あ~あ~、こんな土砂降りの中でギターなんか弾いちゃって…。
でも、どっかで聞き覚えのある音だな…近付いてみよう。

20って、ステージ上がっているのは田川ヒロアキでないの!

30vというのは冗談で、「お茶の水熱烈楽器際」という野外イベントに出演するというので遊びに行ってみた。

40ま~、ホント嵐寸前のスゴイ雨でサ。

50v他の出演者の何組かはキャンセルしたというのに、このギター・バカ…あ失礼、例によって褒め言葉です…は豪雨などモロともせずギンギンに弾きまくっていた。
それでも、あまりの雨に出演しようかしまいか迷ったらしいが、「エエイ!雨がナンボのもんじゃい!どうせ降るなら嵐にしやがれ!」と覚悟を決めたのであった。(実際の田川さんはとても温厚な人で、こんなコワイ感じではありませんから安心してくださいね)

60「Seascape」に始まり、「My Eternal Dream」や「Fly Away」などの田川スタンダードを演奏。

80バッキング・トラックを使った約30分のステージ。

90靖国通りから少し入れば日曜日の駿河台も静かだ。その静かな雨のビルの谷間にこだまする「Ave Maria」のメロディの美しいことといったら!
ま、正直言ってですね、「アヴェ・マリア」なんて曲はガラじゃなかったけど、これだけヒロアキ君の名演奏を聴いているとさすがに好きになって来るね。知らない間に「♪あ~べ~」とかいって歌ってる時あるもんね。

100vもちろんその美しいサウンドは愛機Marshall JMD501から。やっぱり「田川&JMDサウンド」は美しいな。
これがさ~、何でなの?JMDは製造を終了したんだけど、今頃になってやたら現場で「JMDってもう手に入らないんですか?」って訊かれるのですよ。いつもそう。製造が終わると欲しくなっちゃう。ゲットした人、良かったね

105こんな雨の中なので、はじめは人影もまばらだったが、演奏が始まると爆音に誘われて徐々にお客さんが増え始め、最後には結構なにぎわいとなった。

110このイベントも楽器と触れあう機会を作って、器楽演奏の楽しさを一般の方々に知ってもらって、楽器の普及を図ろうというものなのだろう。
他にもハーモニカ講座やパーカッションの展示等も盛んに行われていた。とても素晴らしいことだと思う。

120vしかし、ことエレキギターやドラムのようなことロック楽器に関しては、いくら楽器を触ったりできる機会を増やしてもなかなか効果が表れないのが現状ではなかろうか?
先ごろ深夜番組で「ギターの販売数量が絶好調」であるようなことを言っていたが、果たしてこれを実感している楽器業界の人はいるんだろうか?まさか情報操作しているのではあるまいな?
誰がどう見てもギターが流行っているようには見えないだろう。

楽器不振という感じ方が正しいとするならば、その原因がゲームや携帯など他の娯楽があまりにも強力であるということは事実だろう。

しかし、一番の原因は音楽にあると思う。CDの販売不振と原因は同じだ。
楽器をやってみたくなるようなカッコいい音楽がないから誰もギターなんか手に取りたがらにことは明らかだろう。
例えば、我々は「Smoke on the Water」を聴けば、あるいは「Black Night」を聴けば、誰しもギターをやってみたいと思ったハズだ。
また、楽器の売り上げが好調だった時には必ずブームがあった。ベンチャーズ、ビートルズ…。でも、これは楽器のブームではなくて、「音楽のブーム」だったことを忘れてはならないと思う。
イカ天のころからこの様相は変わって来たような気がするな。
というのは、アレは「バンド・ブーム」であって「音楽」のブームではなかった。「バンド」が「ファッション」扱いされていただけとでも言えばよかろうか。その証拠にイカ天発信で現在まで歌い継がれている曲ってないんじゃない?
反対に人間椅子はイカ天でこの世に現れたけど、しっかりした自分達の思想で、自分達のロックを奏で続けてきた結果、生き残り、今爆発的な人気を得ている。奇抜な格好して出てきたが、ちゃんと自分達の音楽を確立していたからこその結果だと思うんですよ。「音楽が先にありき」なのだ。

ちょっと前には「けいおん!」ってのがあった。楽器が忠実にイラスト化されている!なんてよろこんでいる人達もいたようだが、あれも「アニメ」のブームであって、「音楽」のブームではない。だから音楽や楽器の歴史には何も残らないのは必至の結果だ。(影響が小さいということね)

で、結論。みんなでいいロックを育てましょうよ。いい曲(楽曲ではない)が、そして、いいミュージシャン(アーティストではない)がたくさん出てくればすべてうまくいくって。

130と、いつも通り自分の持ち時間を完璧に使って十分に自分をアッピールしたヒロアキ君だった。彼のpunctualityというのはスゴイよ。プロのなせるワザだと思う。

140vま~、今年もずいぶんバラエティに富んだ仕事をこなしたヒロアキくんだったけど、年内まだ活躍が続くんよ。
12月7日が車イスダンス世界大会、8日は岡山国際サーキットで開催される日本最大のマツダの祭典『MAZDA FAN FESTA 2013 in OKAYAMA』に出演する予定だ。

◆車イスダンス世界大会の情報はコチラ⇒日本車いすダンススポーツ連盟公式ウェブサイト
※田川ヒロアキの出演は16:00から約10分だが、より多くの方々にその魅力をアッピールするよい機会となるであろう。場所は「駒沢体育館」。
何しろ2020年のパラリンピックの開閉会式で演奏するの狙ってるけんね!
マーブロ読者の方で関係者の方がいらっしゃったら是非よろしくお願いします。あ、その時はMarshallの壁をお願いします、ハイ。

◆12月8日マツダファンフェスタの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

150終演後のサイン会。

160おなじみの『Ave Maria』だけでなく、最新アルバム『ようこそ田川Nightへ』も大好評で…

Cd田川ニンマリ…。

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒Fretpiano

170v(一部敬称略 2013年10月20日 お茶の水小川広場にて撮影)