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2014年6月16日 (月)

♪SPICE FIVEはじめました~!

暑い!ああ~、イヤだ。夏はキライだ。夏といえば冷やし中華なんでしょ?
「なんでしょ?」というのは私は冷やし中華を食べないのだ。でも、今日のタイトルは冷やし中華風にしてみた…暑いから。

…といっても昔からMarshall Blogをご覧のみなさまはよくご存じの通り、ナニもSPICE FIVEというバンドが今に始まったワケではなく、休んでいたワケでもない。
以前のMarshall Blogを終了して復活する間も、もちろんずっと絶賛活動中で、休んでいたのはこっちの勝手。
元より大好きなSPICE FIVE、Marshall Blog再開後、早いうちに取材したかったのだが、なかなか都合が合わず今日に至ってしまった。
だから、「♪SPICE FIVE(また)はじめました~」なのだ!

10和佐田達彦

330v_2 そうる透
40v
武藤祐生

30v田川ヒロアキ

50v小川文明…といきたいころだが、文明さんは現在病気療養中で今回はお休み。
文明さん、以前はいつも自分のカメラ(単焦点のコンパクトカメラ!)を持参されて、私を信用して撮影をお願いしてくれた。それがないのか…さびしいな。

55v今やMarshall Blogで初めてSPICE FIVEに接する読者も多いかもしれないので簡単に説明しておくと、このバンドは和佐田さんが中心になって即興で音楽を作る集団だ。
すなわち演奏はその場限りで、再演は不可能。テーマすら即興。ただ調性はあるのでフリー・ジャズやノイズの類ではない。
普通に言えば「行き当たりばったり」、やや持ち上げて言えばElectric Miles。タイトルもその時の和佐田さんの虫の居所で決められるというスリリングな展開!だから本当にリハーサルもなし。
もちろん、こんなことそこいらのにわかミュージシャンにされてはタマったものじゃござんせん。
そこは、山も谷も竜宮城も修羅場も経験した人たちの演奏だからおもしろい。

即興なので、どうしても複雑なコード進行やキメは一切排除される。リズム隊は与えられたリズムをいかに律動させるか、フロント陣はワン・コードの中でどれだけメロディをはじき出すかに集中する…コレがSPICE FIVEの魅力。
2年ぶりのSPICE FIVE…全然変わってなくてうれしかった!

601曲目は「#$%&*」。←曲名がキマっていないということ。
スローのシャッフル。
ヒロアキ君絶妙のクランチ・サウンド!

1s5_img_0049 パワー・コードを用いた武藤さんのバッキングがカッコいい。そのままロングトーンを効果的にちりばめたドラマチックなソロへと突入する。

80見つめ合うリズム隊のふたり。

90今日も完璧なコンビネーション!

100v1曲目終了後、和佐田さんから正式な曲名が発表された。その名も「エデン」。つまりキーが「E」だから。
…ということで和佐田さんが機材を紹介する。

110そう、今日和佐田さんはEDENのWT-800を弾いているのだ。
これがまた信じられないくらい素晴らしいトーン!
「アンプやエフェクターにあまり興味がない」とおっしゃっていた和佐田さん。「コレ、ええわ~」と大絶賛。
驚異的に抜ける美しいトーンと「行く時は行ったらんかい!」的なプレイにも当意即妙に反応するレスポンス具合がマッチしているのであろう。120同時にヒロアキ君のMarshallも解説。今日はJVM210Hと1936。
1936は2x12"だが十分すぎる低音を放出してくれる。
ご覧の通り別売りのキャスターを装着することができるので運搬もラ~クラク。「乗れるんじゃないか?」だって!

ヘッドにマイクを立てて集音しようとした人が昔いたとか…。ヘッドにもアミアミ(フレット・クロスという)が張ってあってスピーカー・キャビネットみたいだからね。気持ちはわからなくもない。子供のころF社のアンプのカタログ見て同じことを思ったことがあるもん。

130v2曲目は「フジヤマ」。そうもうおわかり、キーは「F」。めずらしくメジャーだ。
透さんが叩きだすヘヴィな8ビートで曲は始まる。

140テーマは武藤さん。もちろん即興。
ソロではオート・アルペジオでホール・トーン・スケールを駆使して異様な雰囲気を醸し出す。

150オーッと新兵器!ポケット・サックスというハワイの楽器らしい。ちゃんとリードが付いている。楽器のせいなんだろうけど、恐ろしくピッチが甘く、これが妙な雰囲気でおもしろい
以前からギターのかたわらキーボードを弾くことは珍しくなかったが、最近はベースやらカホンやらこのポケット・サックスまで!これらがまたすべて達人の域だから恐ろしい。
ちなみに和佐田さん、ヒロアキ君がコレを出した時、一瞬「カツオブシ」を出したのかと思ったとか…。
今の若い人、にんべんの削り節が当たり前でカツオブシなんで見たことないんじゃないかね?昔は、「コレ削っといて」とカツオブシと削り器を夕食の前に渡されてコキコキやるのは子供の仕事だった。
そうそう、カラシもそう。今、みんなチューブになっちゃったけど、昔は粉でそこにお湯を少量垂らして猛然とカキ回したもんだ。「カラシは怒ってかく」なんて教えられちゃってね。これも子供の仕事。

160v3曲目は「ゲロゲロ」。
ものスゴイつまらない話なんだけど、皆さんSpiritっていうアメリカのバンドはご存知ですかね?結構隠れファンが多いバンド。
ここの中心人物がRandy Californiaというんだけど、昔、この人はJimi Hendrixとバンドをやっていたことがあった。そのバンドには何とJeff "Skunk" Baxterもいたらしい。
で、バンド内にRandyというヤツが2人いたもんだからふたりを区別するために、芸名としてふ出身地をファミリー・ネームにした。ひとりはドコだか忘れたが、SpiritのRandyがカリフォルニア出身だからRandy Californiaにしたそうだ。
この話し、もし岐阜出身で名前が同じヤツがバンド内に2人いたとするじゃない?ひとりは「高山」さんだよ。で、もうひとりは「ゲロ」さんになるだろうな~…なんてことを即座に思ったね。
ああ、こんなこと書かなきゃよかった!いつもこんあことばかり考えています、ハイ。

170めずらしくジャングル・ビートを取り入れた一編。
MCでは「狼少年ケン」の話しで盛り上がった。コレ、主題歌の作曲は小林亜星だって。いい曲だよね。今でもアニソンは人気があるけど、我々が育ったころのアニメの主題歌は本当にかわいくていい曲が多かった。
子供というのはかなり厳しい芸術評論家で、絵でも寓話でも音楽でも本当にいいものでないと喰いつかない。正直だからね。だから日本の長生きしているアニメは総合芸術として非常にクォリティが高い。
290
一部最後は「アマガエル」だって。スローな8ビート。
「かえるの歌」をマイナーで奏でる。本日初のキメ!
230
バッキングの和佐田さんのスラップが『We Want Miles』の頃のMarcusみたい。
透さんの延々と続くパターンの繰り返しに何となく『In a Silent Way』を聴いている気分になってくる。
エンディングは正調「カエルの歌」だ。

180

2部のオープニングは「ベロベロ」。

200透さんの和太鼓風ドラム。

205武藤さんが「In the Mood」を引用してソロを展開。

210v2曲目は武藤さんのアイデアという3/4拍子のファンク調。これが素晴らしい!

ヒロアキ君、また「笛」を演奏。このバンドではこの楽器は「笛」と呼ばれているようだ。
サングラス、帽子、体にくくり付けた楽器(ヒロアキ君の場合はギター)、クレイジーに吹きまくる姿…ヒロアキ君、完全にRahsaan Roland Kirkになってますから!

待てよ、このまま孝三さんに教わってサーキュレーションもマスターして、本当にソプラノとかソプラニーノとか吹いて、ギターを弾いて鍵盤も叩いたら完全にRahsaan超すぜ。私、真剣に言ってます。
ちなみにRoland Kirkの『The Retuen of the 5000 lb. Man』は我が一生の愛聴盤。それと今でも聴く度に手に汗握っているのは『Mingus at Carnegie Hall』の「C Jam Blues」のソロ。ロック・ファンにも是非一度は聴いてもらいたいジャズの名演のひとつだと思ってる。

260それをニコニコしながら見守る武藤さん。

270v指弾きだけのベース・ソロ。実にスリリング!
この曲、つまり3/4拍子のファンク。和佐田さん曰く演奏している方は「何か足りない。ちゃんと服を着ているけどパンツをはき忘れた感じ」だとか。
聴いている方は全然問題なし。ヴァイオリンが加わっているせいもあるんだろうけど、実にZAOぽっく聴こえた。ZAO好き。
240
3曲目は「出たとこ勝負」。
16ビートのマイナー曲。どちらかというと全曲「出たとこ勝負」という気もするが…。

280この曲はスゴカッタ。
何がってリズム隊のふたり!まずは和佐田さんの壮絶なソロ!クライマックスに達した時のこの和佐田さんのイケイケ感は他の人にないものだ。イヤ、個人的なイメージで社Jeff Berlinに共通項を見いだせるような気がするな~。
EDENの素直なトーンが和佐田さんのプレイに完璧にマッチしていることを確信した瞬間!

300vグイグイと遠慮なくプッシュする透さん!
380v
それに応えて目も覚めるようなランニング・ベースを披露してくれた。ココは今日のハイライトだったね。
2s5_img_0003
文明さんが欠席の分、和佐田さんにトークの負担がかかるが、全然ヘッチャラ。透さんとオーケストラの話し(指揮者とコンマスの関係)とか映画音楽の仕事の話しとか話題は尽きない。
220v
透さん、『里見八犬伝』が印象に残っているお仕事だとか。映画やCM等、参加した作品は3,000曲に上るという。日本のBernard Perdieだ。歌もメッチャうまいし。

340v

最後は「今日はうまく乗り越えられてよかった」…タイトルじゃないのかな?時々わからない時があったりもする。
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これが「ハード・ボサノバ」!そもそも「ボサノバ」というのは、ハードなサンバをユックリとおとなしく演奏することに意味があるのだが、「そんなの関係ネェ」のぶっちぎりハード・チューン!

360

それでも始めの内はやや大人しめだったが…

350vひとたびヘヴィな8ビートになればこっちのもの(何がだ?!)。ギンギンにメタル化して大いに盛り上がっちまった!
そうそう、下関出身のヒロアキ君。先週山口県知事の謁見して目の前でまた「君が代」をギンギンに弾いちゃったらしい!ドンドンやってまえ!

310

アンコールはお定まりのブルース。なつかしいな~。
キーはB。#が5個。ジャズメンにはまず無理なキー。メジャーのミディアムという設定になった。

390途中で「アッコちゃ~ん」も登場。ちなみに、「♪アッコちゃん来るかと…」のエンディング・テーマは、これも小林亜星作曲。作詞には何と「井上ひさし」の名もクレジットされている。
「アッコちゃん来るかと団地の外れまで出てみたが」…「団地の外れ」だって。そういう時代だったんだね。ものすごく昔の感じがする。
インターネットもスマホも、そんなものなくても間違いなくあの頃の方がいい世の中だった。かく言う私も「スマホはもはやオレの臓器」なんだけどね。

395無事終了~!

4002年ぶりのSPICE FIVE、やっぱりヨカッタ!でもやっぱりさびしいな。小川文明さんの一日も早い復帰をお祈りしています。
文明さん、またカメラ持ってきてください!写真撮りますよ~!

410v(一部敬称略 2014年5月9日 高田馬場音楽室DXにて撮影)