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2020年4月

2020年4月30日 (木)

曾我泰久 Special Birthday LIVE~I'm 57 ROCK YOU <後編>

05_2楽しい時間が過ぎるのは早いものございまして~…ヤッチンの57回目のお誕生日コンサートもココから後半。

10ギターを降ろして歌に集中した曲は「再見(ツァイチェン)」。

20_tc現在では入手しづらくなっている曾我泰久の過去の作品のコンピレーション・アルバム『SONG(S) COLLECTION 1990-2020 vol.2』からの1曲。
全曲リマスタリング済み。
しかし、この「再見」だけは音源化を期待するたくさんのファンからの要望に応え新規にレコーディングされた。

11_sc2中国風メロディとアレンジがヤッチンの声にピッタリ!
コレはいい~。
ファンからの要望が多かったというのも十分うなずける。
こういう「蘇州夜曲」とか「夜来香」のようなやさしいメロディの中国風の曲はグッとくるね…「蘇州夜曲」は服部良一の作だけど。

コレで驚いたのが昭和18年の高峰三枝子のヒット曲「南の花嫁さん」。
山下達郎さんのベースを40年以上にわたって担当している伊藤広規さんが、自身のプロジェクトのCDにこの曲を収録した。
私は広規さんのCDのライナーノーツを何作か書かせて頂いており、光栄にもそのプロジェクトのCDのライナーノーツも担当させて頂くことになった。
この曲を知らなかったんだけど、歌詞も曲も可愛くてスッカリ気に入ってしまった。
ライナーノーツを執筆するにあたり、曲について調べていてビックリした。
この曲って、中国の曲だったのです。
 
背景についてはわからなかったが、昭和18年(1934年)と言えば、日本軍がガダルカナルから敗走したり、よもや暗号が連合軍に筒抜けになっていたとは気づかず、待ち伏せされた山本五十六海軍大将が戦死したり、年末には徴兵年齢が引き下げられて満19歳となったり、すでに敗戦ムードが色濃く漂う危険な国情をこうした明るく楽しい曲でゴマかそうとしていたことは間違いない。
「音楽」ってそううことにも使われるんですよ。
それは別に…この時代の曲ってスゴいメロディがたくさんあるんだよね。
月並みだけど、インドネシアのクロンチョンの代表曲「ブンガワン・ソロ」なんて素晴らしいもんね。
そうだ!ヤッチンなんか「ブンガワン・ソロ」をカバーしたらすごく声が合いそうだ。
聴いてみたい。

S41a0290 そういえば、昨年の秋、生まれて初めて中国(上海)へ行ったんだけど、向こうの一般の人がテコでも英語を話さないことを知って驚いた。
「ワン、ツー、スリー」や「サンキュー」すら言わない。
漢字のスタイルが違うので筆談も全くできない。
だからこっちも「謝謝」とか「再見」みたいな誰でも知っている中国語も一切言わないでおいた。
あ、英語は自分の母国語じゃなかったわ!

ヤッチンに丁寧に寄り添うのは野津永恒。
40_st続けて同アルバムからのバラード「Stay」。

50このセクションではSources大活躍。
いつヴァイオリン入れるの?
今でしょ!…みたいな。
ゴメンナサイ、流行は押さえておくタイプなものですから。
 
第1ヴァイオリン、加賀谷綾太郎。

60第2ヴァイオリン、日高隼人。
 
今日は脱線の多いスタートでゴメンナサイ。
先日バーンスタインの「Candide Overture」という大好きな曲をビデオで見ていたら、第1ヴァイオリンが弾いているのかとばっかり思っていたパートを第2ヴァイオリンが弾いているのを発見してビックリした(驚いてばっかり)。
両方のセクションが存在してオーケストラは成立するのでした。

70ヤッチンのコンサ―トの見せ場のひとつ、「歌い込みコーナー」。
今回も客席の皆さん、まばたきひとつせず、ヤッチンの熱唱に見入り、そして聴き入っていた。

80ジャケットを脱ぎ捨て、再びギターを手にしたヤッチン。
ココからはヤッチン・スタンダードのオンパレードのイケイケ・セクションだ!
まずは「浪漫幻夢(Romantic Game)」。

90_rgヤッチンと旅する飛ぶ星座の数々。
この曲もとっても魅力的。
AのペダルトーンのAメロからまたしても魅惑のサビへ…。
ン~、コレってサビに入る前のキメでキーをAからGに転調させているのね?…そうですか、曾我さん?
 
そして、この曲から鉄壁のバック・バンドが戻って来た。
 
田川ヒロアキ100v_2ヒロアキくんは愛器Marshall JVM410Hと1936。110v_2和佐田達彦

120v_2和佐田さんはEDENのベース・アンプを使用。
Terra Nova TN501とスピーカー・キャビネットはD410XSTが2台。

130v_2そして、ドラムスはファンキー末吉。

140v続けて「愛を育てよう」。

145_asヤッチンのコンサートでは割合もうチョット後で出て来るイメージが強い曲だけど、今回はノリノリ・コーナーの前半でプレイ。

150asヤッチンもMarshall。
JVM410Hと今回のスピーカー・キャビネットは1960BV。

160vみんなで手を振り振り、ホッコリ気分。

160お次はガラッと変わってハードに「流されて」。

180_2当然、今回も「鉄壁のリズム隊」を大フィーチュア。
210v_2和佐田さんのランニング・ベースのなんとカッコいいことよ。
この曲は2回演ってもらって、1回目は全体、2回目は和佐田さんのベースだけ聴いていたい。

200ヒロアキくんのギター・ソロも爆発!

190vそして、ヤッチンの激唱。

220v熱演による汗の雨は止まないのだ!

230v_2「さぁ~、皆さん!
タオルの準備はいいですか~!」
お風呂が沸いたのかな~?

240んなワケない!
皆さん、お待ちかねの「Yes! Yes!! Yes!!!」

240_yyy今年のバースデイ・ライブの本編も終盤に差し掛かってきて会場はますます熱気を帯びる。

250_2この曲もヒロアキくんのバッキング・コーラスが大活躍。
もちろんギターも!

260v「ナイス!」…コレは1回目。
このシーンを撮るのはいつもドキドキする。

11_img_0108 とても楽しそうなヤッチン。
MCでもしきりに「楽しい」とおっしゃっていたのが印象的だった。2803回目の「ナイス!」。

270_2続けて「アポロでドライヴ」。

0r4a0474 コレもいいナァ。
ナンカものすごく郷愁をそそるメロディなんだよね。
アポロが月面に着陸した時、ヤッチンや私は小学校2年生だった。
客席の皆さんはどうだったのかな?
あの月面着陸の映像は、スタンリー・キューブリックがスタジオで撮ったものだ…と聞いた時はうれしかったね。
イヤ、ウワサですよ、ウワサ。
キューブリック・ファンの私としては「大好きなウワサ」。
キューブリックといえばこんな記事も書いていますのでお好きな方はゼヒ
  ↓   ↓   ↓
【Shige Blog】イギリス紀行2019 その12 ~ スタンリー・キューブリック展 <vol.1>

310さらに続けて「UP BEAT」。

330_2一昨年リリースされたDVDの時のコンサートではオープニングに選ばれたドライビング・チューン。
今日はこんなに最後の方に持って来た。
350_2どのタイミングで演っても大いに盛り上がる!

340_2「楽しいね~!年のはじめからこんなに楽しくていのだろうか?
ソロ活動29年目の…」
「チガウ~!」…客席から矢のような物言い!
「ありがとう!30年の節目。
あれから30年色々なことを経験して来ました。
それも皆さんがいつもいつも応援してくださったおかげです。
ファンクラブも8月で30周年を迎え明日。忙しくなる30周年ですが、ついて来てくださいね!」

360本編を締めくくったのは「Stand Alone」。

370_2いつものことなんだけど、今日のヤッチンは自分の音楽を演ることをひときわ楽しんでいるように見えたな。
次回も同じことを書いているかも知れないけど…。

390_2「どうもありがとう!」

400アンコール。
「今日はありがとうございます。毎年自分で企画しているんですが、とても幸せです。
ソロ活動30周年の今年も応援よろしくお願いします!
ところで、私のグッズは『普段使い』を目指しています。
『どこのメーカー?』って誰かから訊かれたら『Y'sよ!』って答えてくださいね!
新しいMC中の手のパターン。
物販の紹介だから「もみ手」になってるのかな?

410_2カレンダーなんか「普段使い」のいい例です。
今回も私が撮った写真をたくさんお使い頂きました。
年があけてもう4ヶ月も過ぎてしまいましたが、まだヤッチンのウェブサイトからご購入可能ですのでお持ちでないファンの方はゼヒ!

11_0r4a0561 ココでこの日に発売となった『SONG(S) COLLECTION 1990 - 2020 vol.2』を手にした。
「vol.1は前向きソングが多くかったんですが、vol.2はラブソングが多くなっています」

420そして、本日のスペシャル・ゲストを再度ステージに呼び込んだ。
野村義男さんと衛藤浩一さん!

11_0r4a0627恒例のお誕生日プレゼント!

43030周年を記念してかいつもより葉牡丹が豪華!
「まだまだ歌い足りない人もいるんじゃないかと思って…」

440と、THE GOOD-BYEの「Hong Kong Blues」をプレイ。
もちろんドラムスは衛藤さん!

11_0r4a0654「Hong Kong Blues」って実は他にもあって、1939年のホーギー・カーマイケルの作品がそれ。
ホーギー・カーマイケルといえばアータ、「第2のアメリカ国歌」と言われている「Stardust」の作者ですからね。
『ラ・ラ・ランド』って最近の映画観た?
ジャズ・ピアニストの主人公の家に彼女が遊びに来て、汚いイスに座ろうとすると、「それに座るな!それはホーギー・カーマイケルのイスなんだぞ」っていうシーンがあった…ような気がする。記憶違いだったらゴメンナサイ。
他にも「Georgia on my Mind」とか、「The Nearness of You」とか、「Skylark」とかアホほどいい曲をたくさん作っている。
で、ホーギーの「Hong Kong Blues」ってナゼか、ジョージ・ハリスンがカバーしてるんだよね。
でもTHE GOOD-BYEの「Hong Kong Blues」の方がゼンゼン魅力的だからご心配なく!

S41a0536 ゲストのお2人がステージを去ってアンコールの2曲目は「ハダカノココロ」。

480今年のバースデイ・ライブを締めくくるゴキゲンなナンバー。

460_hkbヒロアキくんは前へ出て来てソロを炸裂させた。
しかし、2人ともいい音だ~!Marshallだからね!

470アンコールの2曲が終わっても鳴りやまない!
すると…
「出てきちゃった…。
ありがとうございます!皆さん、3時間ぐらい立っているんですよ!大丈夫?
皆さんからのエネルギーでまた1年間がんばれます!」
あ、またこの手。

500今年のバースデイ・ライブを締めくくったのは「約束の場所で」。

510v23のヤッチンの音楽世界を織り上げた皆さん+Sourcesのヴァイオリン2人。

520v
550v

530v

540vロック、ジャズ、民族音楽、現代音楽と私も45年近く、私は長い時間をかけて色んな音楽を聴いてきたけど、ナンダカンダ言って、いつでも戻って行ける「安心できる家のような場所」がビートルズなんだよね、私の場合。
心に直結している「安らぎの音楽」みたいな。
ヤッチンの音楽も私にはそういう感じに響く。
実際、音を聴けばビートルズの影響を大きく受けていらっしゃることはすぐにわかる。
すると、気になるのがヤッチンってジョンとポールのどっちが好きなんだろう?ということ。
この「約束の場所で」なんかはジョージとジョンだし…サビはポールかな?
こういうことを考えるのはすごく楽しいし、実際に興味がある。
ひとつ言えることは、「いい音楽を作る人はいい音楽をたくさん聴いている人」なのだ。

560v「本当にどうもありがとう!
最高の誕生日になりました。この思い…1年かけてお返しします!」
と締めくくってステージを降りた。
また来年!

570コレで57歳のバースデイ・コンサートはおしまい。
 
さて、昨年の8月に中野サンプラザホールで開催されたTHE GOOD-BYEの35周年を記念するコンサートのDVD『THE GOOD-BYE 35th ANNIVERSARY CONCERT @ NAKANO SUNPLAZA』がついにリリースされた!

11_0r4a0572THE GOOD-BYEの10枚目のオリジナル・アルバム『Special ThanX』のレコ発コンサートとなったショウを完全収録!
付属のブックレットにはステキな写真が満載!
11_0r4a0579写真は表4にも…
私が撮らせて頂きました!
いつもありがとうございます!
11_0r4a0575 そして、ヤッチンは5月24日。
神田明神ホールで『Special LIVE 「Now Here I am」~ファーストソロライヴより30年の時を経て』を開催予定。
できるといいね~。
私、楽しみにしているんです。
ナンとならば、神田明神は私の両親が結婚式を挙げた神社なのです。
 
曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com

11_km  

200
(一部敬称略 2020年1月5日 日本橋三井ホールにて撮影)

2020年4月29日 (水)

今日は4月29日…Marshall Blogで野音に行こう!! 

 
今日は4月29日。
ナ~ンの日だ?
そう「天皇誕生日」…我々の世代ならこう答えても不思議はない。
でも今となっては、もう2代も前の天皇陛下のお誕生日になってしまったのね?
じゃ、今「天皇誕生日」はいつだろう…私はわからないな。
この国の人間としてそれではマズイので調べておこう……2月23日だそうです。
じゃ、今日は何の日?
ホラー映画ファンなら429で「死肉の日」なんて答えるかも?
よせやい…『悪魔のいけにえ』ってか?
今日は「緑の日」です。
あぁ、そうだった、そうだった! 
ではなくて、我々にとっては『NAONのYAON』の日じゃないか!
 
2013年に5 年ぶりに開催されてからというもの、毎回Marshallのサポートやオフィシャル・フォトグラファーとしてお手伝いさせて頂き、都度Marshall Blogでライブ・レポートを掲載して来た。
その数、7年にわたって書いたり総計48本!
普通なら1回1本、計7本だよ。
ヒマなのか?って?
トンデモナイ!
楽しい思い出はできるだけ細かく記録しておこうと思ってサ。
最初のウチは5本立てで収めていたんだけど、だんだん本数が増えていって9本立てまで膨らませたことがあった。
  
今年も楽しみにしていたが、皆さんすでにご存知の通り、残念ながら今日という日に開催することができなくなってしまった。
いつも天気が気になって、毎年恵子さんが強引に雨を食い止めてくれていたが、皮肉なことに天気予報を見ると今日は「雨の心配ゼロ」だという。
そんな日に外出すらできない今年の4月29日。
エエイ、それならMarshall Blogで「テレ野音」といこうじゃないか!
 
というワケで、これまでのMarshall Blogの『NAONのYAON』のレポートのリンクを全部並べてみた。
最初から開けてみて復活後の『NAONのYAON』の歴史をたどるもよし、興味のある記事だけ見るよし、誤字脱字を見つけて校正職人気分に浸るもよし、自粛タイムをSHOW-YAの皆さんと少しでも楽しく過ごして頂ければ幸いである。
コレね~、作業が大変だったんよ~。
 
せっかくだから気分を出して、まずは野音に着いたところから…。
 
「いい天気だね~!今日は雨の心配はないらしいよ」

11_0r4a0026「ヨッシャ―!一番乗り~!」

11_0r4a0021「コレを見るとワクワクするよね~」

11_0r4a0036 ハイ、Marshall Blogの中では自粛は無用!
特等席でどうぞ!
11_img_0001 それでは始まり始まり~!
まずは2013年の4月29日からだよ。
 

【NAONのYAON 2013】

350  
vol.1 : SCANDAL、Cyntia、DESTROSE登場!
vol.2 :LoVendoЯ、平野綾、星屑スキャット、Yuki&Chiiko登場!
vol.3 : シシドカフカ、土屋アンナ、夏木マリ、矢沢洋子、杏子登場!
vol.4 : 中川翔子、相川七瀬登場!
vol.5(最終回) : SHOW-YA登場、そしてフィナーレ!

 

【NAONのYAON 2014】

190v_2 
vol.1 : オープニング・アクト~No Rain! No Rain!
vol.2 : 中川翔子、D_Drive、Gacharic Spin、Drop、Cyntia登場!
vol.3 : 中ノ森文子、黒木渚、矢沢洋子、LoVendoЯ、Zwei、稚菜、FLiP、森高千里登場!
vol.4 : シシドカフカ、加藤ミリヤ、杏子、星屑スキャット、八代亜紀、土屋アンナ、相川七瀬登場!
vol.5:(最終回): SHOW-YAとグランドフィナーレ!<追捕版>

 
【NAONのYAON 2015】

180    
vol.1 : オープニング・アクト
vol.2 : 相川七瀬、FLiP、PIGGY BANKS、Gacharic Spin登場!
vol.3 : 仮面女子、ピンクサファイア、田村直美登場!
vol.4 : シシド・カフカ、土屋アンナ、中村あゆみ登場!
vol.5 : 山下久美子、シークレット・ゲスト、YU-KI、杏子登場!
vol.6 : SHOW-YAが〆てグランド・フィナーレ!

 
【NAONのYAON 2016】

340
vol.1:オープニング・アクト (オマケつき!)
vol.2:Gacharic Spin、BAND-MAID & Cyntia登場!
vol.3:Mary's Blood、Zwei & Charisma.com登場!
vol.4 : 岡本真夜、水谷千重子登場!
vol.5 : 加藤登紀子、中村あゆみ登場!
vol.6 : 相川七瀬、田村直美登場!
vol.7(最終回) : SHOW-YA、そしてフィナーレ!

 

【NAONのYAON 2017】

370 

vol.1 : オープニング・アクト
vol.2 : SILENT SIREN、ЯeaL & Chelsy
vol.3 : Gacharic Spin & Cyntia
vol.4 : Mary's Blood & GUITAR GIRLS COLLECTION
vol.5 : スペシャルユニット&夢みるアドレセンス(+SHOW-YA)
vol.6 : はるな愛&相川七瀬
vol.7 : 久宝留理子&小比類巻かほる
vol.8 : 荻野目洋子&SHOW-YA<前編>
vol.9 最終回 : SHOW-YA<後編>&グランド・フィナーレ

 
【NAONのYAON 2018】

310 

vol.1 : オープニング・アクト & SHOW-YA
vol.2 : 神取チーム、Gacharic Spin、GIRLFRIEND、おかまりん&稚菜
vol.3 : DOLL$BOXX、Mary's Blood
vol.4 : STARMARIE、相田翔子
vol.5 : World Guitar Girls Collection、椿鬼奴&金星ダイヤモンド
vol.6 : 早見優、中村あゆみ他
vol.7 : 小柳ゆき、SHOW-YA<前編>
vol.8 : SHOW-YA<後編>、フィナーレ

 
【NAONのYAON 2019】

190 
vol.1 : オープニング
vol.2 : Mary's Blood とGIRLFRIEND
vol.3 : World Guitar Girls Collection とSAKI YAONスペシャルバンド
vol.4 : 平成曲&プリプリコーナー
vol.5 : 浅香唯、阿佐ヶ谷姉妹、他
vol.6 : 永井真理子、YU-KI他
vol.7 : SHOW-YA <前編>
vol.8 : SHOW-YA <後編> & グランド・フィナーレ
 
イヤ~、こうして振り返ってみると色々あったね~。
実はこうして同じテーマの記事を並べると文章のワンパターンがわかっちゃって恥ずかしいんだよね。
 
最後に蛇足ながら…私は毎週イギリスのMarshallのスタッフとSkypeやTeamsで電話ミーティングをしているんだけど、もちろん会話の最初の話題はコロナ。
話を聞いていると、もう日本とはゼンゼン違うんだわ。
ナニが?ってコロナに対する意識がサ。
最近は日本も繁華街から人がいなくなったけど、それ以外のいわゆる「地元の商店街」は普段とそう変わらなかったりするもんね。
ロンドンは、かのオックスフォード・サーカスにもコヴェント・ガーデンにも、レスター・スクエアにもネコの子一匹いないって。
日本はまだスタートラインに立っていない感じがするよね。
だって検査しないんだもん。
まずは政府の取り組みがあまりにも違う。
 
今、日本では医療従事者や関係者が迫害されるような事件が起きているでしょう?
イギリスにはNHS(National Health Service)という国民の健康をケアする機関があるのね。
風邪をひいても「診察は2週間後」みたいに対応が著しく遅く、必ずしもいい話だけを聞くワケではない。
ところが、今回のコロナでは決死の対応に取り組んでいて、国民が大いに感謝しているという。
そして最近こんなことがあったらしい。
朝、入場制限をしているスーパーマーケットに夜勤明けのNHSの職員が姿を見せると、列に並んでいた一般客全員が拍手でそのNHSの職員を迎え、列の最前に順番を譲ったという。
それどころか、その職員がレジでカードを渡そうとしたら、後ろから見知らぬオバサンが走り寄って来て、ダマって自分のカードをカードリーダーの溝に滑らせたっていうんだよね。
日本でもミュージシャンたちが配信ライブなんてのを盛んにやっているけど、イギリスでは演奏の前に「まずはNHSの皆さんに心からお礼を言いたい」ってやってるんだよね。
こういう話を見たり聞いたりすると、い~か~にも「国がひとつになっている」ということを思い知らされるんだな。
 
とにかく皆さん、我々はまずStay home, stay safe!!
近い将来、また野音でお会いしましょう! 

11_0r4a0037

 

200_3

2020年4月24日 (金)

曾我泰久 Special Birthday LIVE~I'm 57 ROCK YOU <前編>

 
「一年の計はヤッチンにあり」…コレは皆さんのよくご存じのウチの家訓ですな。
今年も仕事始めは1月5日のヤッチンのお誕生日コンサートだった。
もうカメラを担いでコレに行かないと1年が始まらない。
今回も会場はヤッチンのホームと言っていいでしょう、日本橋の三井ホール。
「三井」の祖、三井高利は三重県松阪の出身ですからね。
興味のある方はコチラをどうぞ。
 ↓   ↓   ↓
【marshall Blog】私の松阪 (前編)

10v今回は海外からカワイイお客様をお招きした。
オーストラリアから駆けつけてくれたタリア・ルイスちゃん。
タリアは15歳なのにQueenの「Bohemian Rhapsody」は完璧に歌えるし、フランク・ザッパの「Muffin Man」を知っていたりして、やっぱり海外は違うわ~と恐れ入ってしまった。
「オーストラリアで一番のロック・バンドは?」と尋ねると0.58秒で「AC/DC!」と即答してくれた。
それだけじゃない、キチンと政治の話もできるし、戦争の勉強もチャンとしている。
学校でそういうことを教わるワケ。
果たして日本の16歳の少女がどれだけタリアと同じことができるか?
日本は「英語の早期教育」なんてことより、もっと大切なことを子供たちに教え込むべきなのだ。
ところで、タリアのお母さんは筋金入りのヤッチンやTHE GOOD-BYEのファンであるからして、タリアも知っている曲は「イエス、タカスクリニック!」とか言って一緒に歌って楽しんでくれたそうだ。
マジマンジ?20今回はヤッチンの57歳をお祝いするステージ。
来年は「心機一転、58算でねがいまして~は」
再来年は「59ろうさんでありがとさん」
その次は「60電(ロック充電)還暦祭」
と来るワケだ。
ウソウソ、知りませんよ。
ヤッチン、お誕生日おめでとう!
以前からココに書いている通り、私はヤッチンと同じ学年で、2ヶ月ほどお兄さんなのです。
 
そして、ショウ・タイム!

30曾我泰久

40vヤッチンのMarshall。
愛用のJVM410Hと今回のスピーカー・キャビネットは1960BV。

50v田川ヒロアキ

60vヒロアキくんもJ愛器JVM210H。
それにキャビネットは1936を使用。

70v足元のようす。
元来ヒロアキくんの足元は少量のペダル類でスッキリしているんだけど、ヤッチンの時はややこしい。
それだけ仕事量が多いのだ!75和佐田達彦

80v和佐田さんはEDEN。
今回はTerra Nova TN501ヘッドとD410XSTを2台ご使用頂いた。

90vドラムスはファンキー末吉。
ファンキーさん、今カンボジアにいらっしゃるのかな?

100vSourcesから…
野津永恒

110v加賀谷綾太郎

120v日高隼人

130v今年のオープニングは「Carry on」。

140モーリス・ジャールの『アラビアのロレンス』を思い出させてくれる大陸的なサビのメロディがいかにもヤッチンらしくて好き。

150vストリングスの使い方がまた効果的なんだよね。

155続いてストレートなロック・チューン、「21st Century」。

170vコーラスに…
210vド派手なギター・ソロにと大活躍のヒロアキくん!

180ヤッチンとベスト・マッチの'のっつ'のキーボードも全編を通して重要な役割を果たした。

185初っ端はもう1曲続けて「Please Believe Me」。

190_pbmこれまたゴキゲンなドライビング・チューンで客席はもう大興奮。

200vこの曲の見せ場のひとつツイン・リードのキメ!

220今日もとびっきり爽快なドライブ感を弾き出してくれる和佐田さんと…

230vファンキーさん!
やっぱり鉄壁!

240v「明けましておめでとうございます。2日早いバースデイ・ライブにこんなにも集まって頂きましてありがとうございます。(中略)今年はソロ活動30周年に突入します。
いつもにも増して楽しい企画を展開していきたいと思います」

250MCの時のヤッチンの手。たいていこうなってるよね。
「あって七癖」ってヤツ?
私はコレを「リズム」と呼んでいる。
人は何かをする時にこうして同じ動作をすることによってリズムを取ってるんだね。
リズムに乗れば仕事も調子よくはかどるワケ。
見てごらん、焼き鳥屋でも、ラーメン屋でも、経理部長でも、空き缶集めのオジサンでも…いい仕事をする人はみんなこの「リズム」を持っている。

260「2曲アルバム通りに演ってみたいと思います」と4曲目は「Virgin Snow」。

260_vs「アルバム」とは、この日にリリースされた新作『SONG(S) COLLECTION 1990-2020 Vol.2』のこと。
今となってはなかなか入手しづらかった過去の作品を中心にリマスターした音源をコンパイルした一作。
いい写真がブックレットに使われてるよ~!
いつもありがとうございます!

11_sc2軽快なポップ・チューン。
でもやっぱりサビのメロディはヤッチンだけのモノ! 

0r4a0087 Sourcesの美しいヴァイオリンの音色が足音ひとつない真っ白い雪のイメージを膨らませる。

270そして、ヒロアキくんのギター。
ヴァイオリンの音色に負けない美しいMarshallトーン!

280vMCでの言葉通り、アルバムの曲順通りに「Stepin' Out」を披露した。
さらにテンポをアップさせて会場を盛り上げる。

290「昨年は音楽が充実した1年でした。漢字1字で表すとしたら『音』でした。
THE GOOD-BYEの10枚目のCDを完成させるのが大仕事でしたね。
ソロの音とバンドとしてやっている音は違うんですね。新しい発見がありました。
10枚目のアルバムと、今DVDの編集が進んでいまして、今年発売になります。
そこでうれしそうにドラムスを叩いていた人を今年はスペシャル・ゲストにお迎えしました!」
ヤッチン、手、手!
いいリズム取ってます!

0r4a0127ココでスペシャル・ゲストとして登場したのは…

衛藤浩一

310v「おめでとうございます!
も~、家族みたいなモノですからね!ナニせ年間のスケジュールはぜ~んぶ『ヤッチン』って書いてありますから!

300「まいど!」

320歌詞を用意して…と。
もうステージ前方は衛藤さんオーラに満ち満ちています。

330「とっておきの1曲をバースデイ・プレゼントに歌ってもらおうと思います」とヤッチンが紹介した曲は「笑顔がICHIBAN」。

340THE Good-Byeの30年ぶり、10枚目のアルバムから。

Sx「花のお江戸」じゃない衛藤さん。
熱唱が満員の会場に響き渡ったよ!

350ココからはもうひとりのスペシャル・ゲスト、野村義男さんも加わってThe Good-Byeコーナーで盛り上がった。
まずは「ちょっと待って」。

370_cmSourcesの2人が華麗な舞で雰囲気を盛り上げる。370ドラムスには衛藤さん。
本当にうれしそう!380ヤッチンがギターを持ち替えてバラードの「LOVE」。

390またギターを持ち替えて、「♪アカン、アカン」の「アカンBe Love」。
S41a0131ココで『SPECIAL THANX』から離れてThe Good0Bye旧来のナンバーを2曲。
ヤッチンのギターでスタートするのは「祭り気分でTake a Chance」。
この頃はまさか三社祭りが延期するなんてことになるだなんてまったく想像していなかったね。
でも、この時から20日ぐらい経ってドンドンおかしな事になって来たんだった。

420v_mktこの表情…衛藤さんの熱気あふれるドラミング!

410この曲では野村さんとのギターのカラミをタップリと見せてくれた。
もちろんファンの皆さん、大喜び!

0r4a0155 もう1曲は「赤いポルシェ~TAKE OFF」。

425人気のナンバーが飛び出して来てショウの中盤も大いに盛り上がった!445v曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com

450 <後編>につづく

200  
(一部敬称略 2020年1月5日 日本橋三井ホールにて撮影)

2020年4月22日 (水)

【イギリス-ロック名所めぐり】vol.44 ~ 10ccに会いに行く <後編>~ストロベリー・スタジオ物語

ストックポートの駅を出る。
お、早速プラークを発見。

270 ナニナニ…「チャンネル諸島からの避難民」か…知らんな。
調べてみよう。
1940年6月、7月、そして8月、ストックポートは1,200人のチャンネル諸島からの避難民を受け入れました。
1945年5月に島が解放されるまで当地の数々の家庭で子供たちの面倒をみました
 
チェンネル諸島は英国海峡(British Channel:ドーヴァー海峡の西)に浮かぶ島々で、限りなくフランスに近いがイギリスが管理をしているエリア。
しかし、イギリス(United Kingdom)には含まれず、「王室属領(Crown Depedencies)」
呼ばれるイギリス国王の領土。
自治権を持っているが、外交と防衛はイギリスが面倒を見ているのだそう。
前回触れたマン島もこういうこと。
そのチャネル諸島をドイツ軍が1940年5月に占領。
9万7千の住民のうち、3万1千人が避難した。
そのウチの1,200人がストックポートで保護されたというワケ。
しかし、5年ものあいだ、縁も所縁もないヨソの家の子供を引き取って面倒をみるなんて大変なことだよな~。
コレもチャーチルの「Never give in(負けるもんか)」の号令一家下、国家が一丸となっていたことの証左か?
やっぱりリーダーがしっかりしていて魅力的な人だと国はこうなるんだろうナァ。

275 とりあえず街中を歩き出す。
駅から少し離れて大通りに出るとさっそく立派な建物が!
コレは市庁舎。

280街並みはイギリスの地方でよく見かける雰囲気。

290「ギャリック・シアター」ってのはどこにでもあるな。
この「ギャリック」というのは18世紀のイギリスの俳優、「David Garrick(デヴィッド・ギャリック)」のこと…でしょうね。
この人は、シェイクスピアの悲劇を演じると右に出るモノはいないと言われ、後年はコヴェント・ガーデンに今でもある「シアター・ロイヤル・ドゥルーリー・レーン」の支配人を務めた。

300カンタベリー派のファンの皆さんには「シアター・ロイヤル・ドゥルーリー・レーン」の名前はロバート・ワイアットのライブ盤でおなじみだろう。

Rw 18世紀、ストックポートにはイギリス本土で最初の絹織物工場のひとつがあった。
19世紀になって主要産業が綿織物やその関連産業に移行し、ストックポートはイギリスの帽子産業の中心となった。
1884年頃には、年間600万個もの帽子を輸出していたという。
昔は帽子は洋服みたいなものだったからね。
時を経て身だしなみが変わり、帽子の需要も激減し、1997年を最後に工場は閉鎖された。
この「Hat Museum」、帰りに見ようと思っていたんだけど忘れちゃった!

310さて、マズウェル・ヒルの時もそうだったんだけど、ストックポートの街中にも地図がゼンゼン見当たらない。
目的地がある通りの名前はわかっているので地図さえあれば何とかなるのだが…。
と、ややイライラ、キョロキョロしながら歩いていると、図書館が目に入った。
そうだ!図書館に行けば何らかの手掛かりがつかめるかもしれない!

320「Stockport Central Library」に入ってみる。

330vクラシックな外観と異なり館内はかなりモダンなつくり。

340お!「はらぺこあおむし(The Very Hungry Caterpilar)」だ。
ウチの下の子が小さい時によく読んでいたので知ってる。

350本の整理をしていたおジイさんに「このあたりの地図はありませんか?」と尋ねると「どこへ行きたいのですか?目的地の住所はわっていますか?」とおっしゃる。
とても紳士的なレスポンス。
住所を伝えると「コチラにいらっしゃい」とパソコンのあるところまで私を呼んで住所をインプットして地図を見せてくれた。
「プリントして差し上げましょう」と言うので、遠慮して携帯で画面を撮影させてもらった。
親切だよ~。
本当にイヤな顔ひとつしないで自分の仕事を中断して対応してくれた。
おジイさんに丁寧にお礼を伝えて図書館を後にした。

360方向はさっき通りかかった市庁舎の方で合ってたんだ!
市庁舎の横の入り口にプラークを発見。

370

「ストックポート市庁舎 
1908年7月7日開業。新レン様式を取り入れたアルフレッド・ブラムウェル・トーマスの設計。TRH プリンス&プリンセス・オブ・ウェールズによって除幕された」
この「TRH」には苦労した。
「RH」は王室メンバーに対する敬称の「Royal Highness」の頭文字であることはすぐに思いつくが「T」がわからなかった。
「HRH」だったら「Her Royal Highness」とか「His Royal Highness」なんだけど。
インターネットで調べてもよくわからない。
そこでハッとして目を付けたのが「Prince and Princess」という複数のウェールズ公。
ひとりずつ省略せずに記せば「His Royal Highness」と「Her Royal Highness」になるハズ。
そうか…複数形になってるんだ!ということに気が付き、「TRH」は「Their Royal Highness」の頭文字ということで納得した。
イギリスに確認したところ…大正解!

380「レン」とは「Christopher Wren(クリストファー・レン)」という17世紀のイギリスの建築家。セントポール大聖堂を設計した人。
道理で荘厳なデザインなワケだ。

11_img_0198 セント・ポールはコレね。
メリー・ポピンズのヤツ。
コレの流れを汲んでいるというワケ。

122img_4947さて、図書館のおジイさんに検索してもらった地図を参照にWaterloo通り(ウォータールー)を進む。
しっかしキレイなところだな~。天気もいいし。

390そして、いよいよ見えて来たのが今回のマンチェスターへの旅の最初の目的地。
405写真の左側の建物が… 400「Strawberry Studio(ストロベリー・スタジオ)」だ!
<前編>でさんざっぱら騒いでいたヤツね。

420コレがあの「ストベリー・スタジオ」か~。
ココで10ccのアルバムが作られていたんだゼ!
夢に出て来たことはないけど、うれしいな~。
425お、プラークが取り付けられているぞ。

430ストロベリー・レコーディング・スタジオ
1967から1993年
10ccのホーム。ジョイ・ディヴィジョン、ポール・マッカートニー、マーティン・ハネット、ニール・セダカ、ザ・ストーン・ローゼズ、ザ・スミス、そしてザ・シド・ローレンス・オーケストラ他、たくさんのアーティストが忘難い音楽を作るためにこのスタジオを使用した

440 ココからストロベリー・スタジオと10ccの物語…。
ストロベリー・スタジオは最初からこの場所にあったワケではなく、1967年にストックポートの街の中心にあった「ニールド&ハーディ」というレコード店の上の「インナー・シティ・スタジオ」が母体となっている。
Billy J. Kramer with the Dakotas(ビリー・J・クレイマーとザ・ダコタズ)のマネージャーを務めたりしていたPeter Tattersall(ピーター・タッターソール)がそのスタジオと機材(2台のテープマシーンと数本のマイク)を買い入れることを決心。
約500ポンドを支払い、その後の数か月間、朝7時から午後2時まで地元のパン屋で働き、スタジオ建設のための資金を貯めた。
 
ちなみに…このビリー・J・クレイマーという人はリヴァプール出身の歌手で、その芸名はジョン・レノンからが与えられた。
「Do You Want to Know the Secret?」、「I Call You Name」、「Bad to me」等のビートルズ・ナンバー、あるいはレノン=マッカートニー・ナンバー他を歌って人気歌手となった。(もちろんアビィ・ロード・スタジオ録音)
イギリスから遠いところに住んでいる我々は、ビートルズというとやれ『Help!』だ、やれ『Let it Be』だと、ビートルズ本体のことしか頭にないし、それが当たり前のことだとは思うんだけど、その当時の周囲の状況を知れば知るほど、イギリスにおけるビートルズの影響というモノが巨大であったことに感心する。
「ダコタズ」だなんてね~。
ジョンが入り口で射殺されたセントラル・パーク・ウエストの自宅マンションの名前は「ダコタ・アパート」という。

Bjkロマン・ポランスキーが『ローズマリーの赤ちゃん』を撮影したのもダコタ・アパート。
「エイドリアン・マルカトー」とか「ローマン・キャスタベット」とかね…スキで良く観た。

Rmb1967年当時、ロンドン以外にはプロユースの本格的なスタジオが存在せず、そのインナー・シティ・スタジオはマインドベンダーズ(Waynne Fontana & The Mindbenders)やハーマンズ・ハーミッツ(Herman's Hermits)といった地元マンチェスターのアーティストのPR素材やデモ音源を作ることを生業としていた。
一方、サイド・ビジネスとしてスタジオの仕事にかかわることを希望していたMindbendersのメンバーだったエリック・スチュアートは、この頃からこのスタジオに関わるようになった。
タッターソールはエリックをビジネス・パートナーとすることにし、エリックは機材のレベルを上げるために800ポンド(当時の為替レートで80万円ぐらい)を投資した。
エリックが合流すると、好きなビートルズの「Strawberry Fields Forever」にちなんで「Strawberry Recording Studios」と名前を変えた。
宣伝惹句はキャッチーに「Strawberry Studios Forever」だったらしい。
その後、「この建物は隣の古いビルが火事になったら逃げられないのではないか?」…ということに気づき、ビビッて引っ越しをすることにした。
そして、Waterloo通りに良い物件を見つけ、自分たちで内装工事に当たった。
それがコレというワケ。

11_0r4a0006 ストロベリー・スタジオは地の利を生かして愛用者を増やしていった。
マンチェスターといのは音楽が盛んな街ですからね。
何せ遠くて使用料も高いロンドンのスタジオまで行く必要がないんだから、こっちの人にとってはありがたいにキマってる。
マンチェスターからロンドンまでは290km。
今の速い電車でも2時間半ぐらいかな?
昔はそうとう時間がかかっただろうからね。
後援者も増え、その中には2,000ポンド(200万円近く!)を出資した地元出身のシンガーソングライター、グレアム・グールドマンがいた。
そうした資金援助を背景に機材を増強したストロベリー・スタジオは、地元のアーティストのために本格的にレコーディング業を開始した。
 
ところで、10ccでボーカルズとベースを担当したグレアムは、1969年までニューヨークで「バブルガム・ミュージック」の旗手カセネッツ・カッツ(ジェフ・カッツ)と仕事をしていた。
しかし、ストロベリー・スタジオができたものだから、イギリスに帰って地元で音楽制作の仕事がしたいと申し出た。
その際、ストロベリーにいたエリックとその友人のロルとケヴィンをスタジオ・ミュージシャンとして起用することも願い出た。
グールドマンは<前編>で少し触れた通り「For Your Love」や「Bus Stop」、「No Milk Today」らのヒットでもうその名を馳せていたからね。
下は1968年の最初のソロ・アルバム…コレはストロベリー録音ではなくてロンドンのオリンピック・スタジオでの録音。
関係ないけどグレアムって、昔私がいた会社の社宅の隣の人に似ていてね。ラクダ系のお顔。
すごくお世話になって、その会社を辞めて20年経った今でも年賀状のやり取りをしている。

Gg一方、エリック、ロル、ケヴィンの3人は様々な仮名でレコードをリリースし、人気バンドになれる可能性を秘めていたため、ストロベリーは4トラックのテープマシンを購入。
1970年に3人は「Hotlegs(ホットレッグス)」というバンド名でシングル盤をリリースした。
それが「Neanderthal Man(ネアンデルタール・マン)」。
ロルによると、この曲はただただ新しい機材の調子を試すために演奏したモノで、ケヴィンが延々と叩くドラムスに合わせて歌をギターを思い付き程度に被せただけのシロモノだったらしい。
それが全英第2位の大ヒット!

Nmナント、日本国内盤も出ていたというのだから驚く。
昔のレコード会社はスゴかったね…と思っていたんだけど、そうではなくて何にも知らないでリリースしていたらしい。
だって当時の日本のレコード会社には、ロックのことがわかる人がほとんどいなかったっていうんだから。
契約している海外のレーベルから「コレを国内盤でリリースしなさい。そうしないと契約は打ち切りますよ!」と揺さぶられ、押し付けられたモノを右から左へと出していただけだったらしい。
コレは古くから業界に関わる方から直接お聞きした話だからホントの話だろう。
だから久間正英さんが生前におっしゃった「日本のレコード会社は自分の商品を知らずに商売をしていた。そのツケが今回ってきている」というご指摘は的を得ているようだ。
今の「音楽シーンをオモシロい」と思っている人は「オモシロい音楽シーン」を知らない人だと私は思う。
今の日本の音楽シーンは、ドメスティックで凝り固まり、どこを切っても同じようなモノばかりを取り揃えた結果、聴き手や消費者の「音楽を聴く力」を奪ってしまい、突破口が見出せないでいるような状態に見える。
芸術というモノは作る方のレベルの高さがもちろん大切だが、本当は鑑賞する方の知性の高さが芸術の質の高低を決定させていると思うのだ。
だから芸術を鑑賞する側は、与えられるモノ以外のモノにも興味を示し、「いいモノ」を「いいモノ」として受け取る能力を高めないと芸術は死んでしまう。
決して「売れるモノ」だけが「いいモノ」ではないのよ。
そうした惨状を助長しているのがYouTubeをはじめとしたSNSだ。
もうどうにもならん。

JnmHotlegsは自分たちのアルバムをリリースする傍ら、幅広いアーティストをプロデュースし、時にバックバンドを担当した。
マンチェスター、リーズ・ユナイテッド、エバートン、ベリーのフットボール・クラブのチームの応援歌なども制作。
興味深いのは、ニール・セダカ。
「Happy Birthday Sweet Sixteen」、「Breaking up is Hard to Do」、「Littel Devil」、「The Diary」…いいんだよね~。
今の若い人たちはニール・セダカなんて全く知らないだろうナァ。
「エ、その人、そんなに大きいんですか?」なんてのが関の山だろう(「背高」ね)。
「Sedaka」なんてどこの名前かと思ったら、祖父母がトルコからの移民なんだね。
ゼヒ、若い人に聴いてもらいたいナァ。
こういう類のモノのいいところは下の写真のような安く売ってるベスト盤を1枚買っちゃえばコトが済んじゃうこと。
曲のクォリティに関して言えば、今のそこら辺の曲のCDを100枚合わせてもこの廉価ベスト盤1枚に到底かなわないだろう。
そりゃそうだ、「ポップ・ミュージック」という世界がまだ未開拓の荒野で、ほぼナニもなかった時代の音楽だもんね。
そういえばウチに来る24、25歳の若いNATALのドラマーに聴かせたら一発で気に入ってすぐにCDを買いに行ってたよ。
今の若い子にしたら「変わり者」か?
この子、The Shaggsも教えてあげたんだけど、メッチャクチャ気に入って、ウチで聴いたファースト・アルバムだけじゃなく、自主的にセカンド・アルバムも買ってた。
やっぱり普通じゃないってことか。

11_2sedaka ナンだって取り立ててニール・セダカを出して来るのかと言うと、ストロベリー・スタジオでレコーディングしているからだけではなくて、バックを丸々10ccが演っているから。
当時、世間では存在を忘れ去られつつあったニール・セダカだったが、マネージャーがグレアムと同じ人で、Hotlegsの3人にグレアムを加え、「Doctor Father」名義でバックを務めさせた。
要するにココで10ccの4人が一緒になった。
そして、ストロベリーで1972年に『Solitaire』を、翌年『The Tra-La Days Are Over』と、2枚のアルバムを制作したワケ。
チョット聴いてみるとさすがセダカ…いい曲揃いです。
そして10ccの演奏のウマいこと、ウマいこと!
ホントに器用な人たちだ。

St

Trala 
こうしてグレアムが加わり、他のアーティストの音楽制作に打ち込む一方、4人のミュージシャンが自分たちの音楽を作ることを決心。
UKレコードのジョナサン・キングのバックアップの元、1972年にシングル「Donna」を10ccの名でリリース。
それがUKチャートの2位まで上昇するヒットとなった。
そして<前編>で紹介したファースト・アルバムにつながる。
<前編>でバンド名の由来について書いたけど、気になってもう一度調べてみた。
成人男性の射精量は2~5ccとされているんだって。
だから「10cc」というバンド名を決めたのは、夢の中で「世界で最も偉大なバンドが10cc」とお告げを受けたジョナサン・キングだけど、その「10cc」という言葉自体の意味はそういうことになるのかもしれない…ということにして逃げ道を作らせて頂きます。

Donna1972~1976年に10ccが大成功を収め、ストロベリー・スタジオはメジャーなスタジオとなった。
彼らの4枚のアルバムと8枚のトップ10ヒットシングル(うち2枚はナンバー1)がストックポートで録音されたとあればスタジオの知名度も上がるにキマってる。
スタジオは経済的に余裕ができ、機材も充実して行った。
また、ストロベリー・スタジオは「10ccの本拠地」であるだけでなく、同時に相変わらず外部からのアーティストも受け入れ続けた。
例えば…Bay City Rollersの1975年の「Give a Little Love」というヒット・シングルはストロベリーで録ったそうだ。
アルバムはどうなんだろう…。

Gll…と思って調べてみたら驚いた!
私の世代なら間違いなくおなじみであろうコレらのBay City Rollersのアルバム…

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コレってチッピング・ノートンで録ってるんだね~。
興味のある方はコチラ
 ↓  ↓  ↓
【イギリスーロック名所めぐり vol.16】 コッツウォルズにロックの名所なんかあんの?!

440 それからポール・マッカートニーは弟のMile McGearのアルバム制作でストロベリー・スタジオを使った。
Mike McGear(マイク・マックギア)の1974年のその名も『Mcgear』というアルバム。
この方、本名をPeter Michael McCartneyとおっしゃる。
コレ、ジャケットがいいな。
今回初めて聴いたけど…ナカナカいいね。
Roxy Musicの「Sea Breezes」なんかを取り上げている。
バックはWingsなのね。

Mcgear1975年になるとストロベリー・スタジオは隆盛を極め、1976年の『How Dare You!』のレコーディングの時には10cc自身がスタジオを押さえることが出来なくなってしまった。
そこで予てからのアイデアであった、サーリーのドーキングという所に2番目のスタジオ「Strawbweey South」をオープンすることにした。
大当たりですな。
ところが好事魔多し。
「South」での初めての録音の時にはロルとケヴィンはいなくなっていた。
理由は<前編>で触れた通り、自分たちの実験的なプロジェクト『Consequences』に取り組んでいた2人は、エリックとグレアムが次のアルバムのために用意していた「The Things We Do For Love」を耳にして、その旧態依然としたスタイルをがバカバカしく感じてしまったのだそうだ。
ところがこの曲がアメリカ大ヒット。

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<前編>で紹介した10ccの5枚目のアルバム『Deceptive Bends』のジャケットにクレジットされている「(South)」はそのサーリーの2番目のスタジオのこと。

0r4a0185_2しかし、ストロベリー・スタジオの快進撃はまだ続く。
オリジナルのスタジオのビルの向かいに「Strawberry 2」を開業。
古めの機材を持ち込む代わりに料金を安く設定して営業を始めた。
本体にはBerkley James Harvestやロル&ケヴィンなどの常連も通い続け、70年代後半にはマーティン・ハネットがストロベリーと手を組み、Joy Division, Durutti Column, Pauline Murray, The Names, Minny Pops, Stockholm Monsters等の音源を制作し、この関係はマーティンが死ぬ1991年まで続いた。
他にもThe Buzzcocks, New Order, Crispy Ambulance, Blitz, The Wake, James, The Smiths, Simply Red and Saint Winifred’s School Choirなどもストロベリー・スタジオの常連となった。
ゴメンなさい…この辺りになるとサッパリわからないし興味もないのでコメントなし。
でもこのデザインは知ってる。
よく見かけるよね。

Jd しかし!
1986年になると、デジタル・レコーディングや打ち込みの普及、それにともなう宅録ムーブメントがストロベリー・スタジオを襲う。
高い評判を維持していたにも関わらず、ストロベリー・スタジオは店を続けて行くのが困難となり、2年ほど前に「ストロベリー2」を買収していたライバル会社の「Yellow2」というところに本体も売却することになった。
Yellow2の社長、ニック・ターンブルは「『Strawberry』の名前は世界でもトップ・クラスのモノである。我々のエンジニアとプロデューサーを配置し、『Strawberry2』と併せてイギリスのレコーディング・シーンを牽引していくであろう」と豪語した。
ところが皮肉なことに、従来式レコーディング・システムの本体とフル・デジタル・レコーディング装備の「2」という相反する体制は、使用するアーティストに色々な面で「どちらのスタジオを使うべきか?」という難題を投げかけることになってしまった。
アナログ⇒デジタルの過渡期に当たっちゃったんだね。
結局、1988年には体制を本体のスタジオだけに戻し、一時は勢いを取り戻したものの、デジタル化の暴風が吹きすさぶ日進月歩の録音機材の変化について行くことが経済的に出来なくなってしまった。
この頃になると、そうした最新鋭の機材を導入する余裕があるレコード会社が運営するレコーディング・スタジオが存在感が放ち、そうではない一般の小さなスタジオは存続が難しくなっていった。
そうして、1990年代に入るとストロベリー・スタジオのオーナーはレコーディング事業から撤退し、ビデオ事業に専念することを決心する。
結局はそれもうまくいかず、1993年にストロベリー・スタジオは廃業してしまった。
  
ストロベリー・スタジオの昔のパンフレット。
スタジオで常備している機材がズラズラっと載っている。
レコーディング・スタジオってのはいかに「機材が勝負」か、ということを思わせるナァ。

525v以上がストロベリー・スタジオの物語。
感動した?
しないか。
私みたいな古い人間にとっては、デジタル・テクノロジーってのは、こと「音楽」に関して言うと全てをブッ壊してしまった感があるナァ。
便利な部分があることは認めるが、今にして思うと創造性についても、ビジネスについてもいいことはほとんどなかったんじゃないの?
「I'm not in Love」の話なんか素晴らしいじゃない。
アナログの頃は、人力でできないことを何とか達成しようとする知恵と努力と風情があった。
ギター・アンプなんかもヒドイもんだよ。
でもね…私の場合、LPからCDになって転勤族の時の引っ越しがラクになったということがあったけど。
 
建物の脇には路地があって、その奥に建て増ししたような建屋の入り口がある。
人が頻繁に出入りしていた。

426写真をバンバン撮っていたら、オジさん(と言っても私より若いにキマってる)が近寄ってきた。
「ヤバい!怒られる!」とビビっていたら「何をしているんだい?」と尋ねてくる。
「イヤ、日本から来たんスけど、その…10ccの大ファンでして…もうスゴくうれしくて…」とかやっていたら、
「そう、10ccが好きなの?じゃこっちにおいでよ」と私を中に招き入れてくれた。ウオ~!
もちろん、ココがもうスタジオではなくなっていることは承知していたが、予想外の展開に大興奮!
レセプションに入って「写真を撮っても大丈夫ですか?」と確認すると「もちろん!好きなだけ撮っていきなよ!」と快諾してくれた。

427ココが元々レセプションだったのかしらん?
だとするとココにキャシー・レッドファーンがいたのかしら?
エエイ、違ってたって構わない!

450壁に掛けられたシングル「I'm Not in Love」のヒットを記念したパネル。
スタジオに関するコメントが掲載されている。
レコードの左から時計回りに…
 
「Hotlegsの『Neanderthal Man(ネアンデルタール・マン)』を作ったそもそもの理由はストックポートでスタジオが成り立つかを試すためだったんだ--- ロル・クレーム 1970年」
 
「ストックポートにスタジオがあるということは、我々だけでなく、我々と仲のいい他のミュージシャンを助けることになったんだ。みんなわざわざロンドンまで出かけて行ってロンドン価格のスタジオ代を支払うことにウンザリしていたからね---- 10cc 1978年」
 
「ストックポートの健全な部分…というよりむしろ質素な環境からストロベリー・スタジオ内部の素晴らしい設備を想像することはできない---- インターナショナル・ミュージシャン&レコーディング・ワールド 1976年」
 
「ピーター・タッターソールがワームウッド・スクラブスの北にスタジオを作ると言った時、周囲の人は彼は頭がおかしくなったと思った。ストックポートは北の果てだよ。『一体ダレがそんな所へレコーディングをしに行くんだ?』と彼に訊いた。彼の答えは『我々だよ』だった---- スタジオ・サウンド 1974年」
※ワームウッド・スクラブス(Wormwood Scrubs)はジム・マーシャルの生家があるホワイト・シティのチョット北。全然ロンドンのウチ。
コレを聞くとジム・マーシャルが1962年にアクスブリッジに楽器店を作ったのはかなりの冒険だったことがわかる。
 
「モータウンのスタッフはとてもうまくコトを切り回した。今ならポップソングの幅を広げようとしているストックポートだ---- メロディ・メイカー 1974年」

460v「Mercury」が寄贈した記念のシングル盤。

480ホンモノのシングル盤のA面は「I'm not in Love」でB面は『Original Soundtrack』に収録されていないゴドレー&クレーム・チームの「Good News」という曲だった。
煮え切らない感じの曲だが私はキライではない…でもアルバムに入れなくてヨカッタね。

コレ自体はエリックに贈られている。
プレートには「マーキュリーのシングル盤『I'M NOT IN LOVE』がイギリス国内で25万枚以上販売されたことを認め、10ccのエリック・スチュアートにコレを贈呈する 1975年」とある。

490その下の写真。
左は打ち合わせ中のエリックとタッターソール。
真ん中が創設者のそのピーター・タッターソール。
右は談笑する10ccの4人。ロルとケヴィンもチョット我慢して仲良くやっていればヨカッタのにね~。

11_st1 私がエントランスの写真を撮り終わったのを見計らって、そのオジさんが「じゃ、中を見せてあげるからついて来るといい」と更に中へと誘ってくれる。
こっちはもうそこがスタジオではないことはわかっているし、建物の中に入れたことだけで大満足だったので遠慮していると、「イヤ、大丈夫、大丈夫、おいでおいで!」と熱心に勧めてくれるので「じゃ」とお言葉に甘えることにした。
ドアを開けたところが下の写真。
事務所のフロアが少し低くなっていて、そこにいた人たちから私が丸見え。
そのオジさんが私のことを指しながら、事務所の人たち全員に向かって「この人、日本から来たそうだよ!」と大声で言うと、全員が私を見て「ハ~イ!」と言うワケ。
ダマっているのもナンなので「Sorry to interrupt you!  Hello, I'm from Tokyo and a big fanatic of 10cc.  That's why I'm here.  I 'm really excited!  Finally my dream came true!」とサッと挨拶した。
また「イエ~イ!」と皆さん拍手をしてくれてすぐに仕事に戻られた。
エライ恥ずかしかったわ!
今は、地元の出版社の事務所になっている。
そのオジさんが「かつてはココにスタジオになっていたんだよ」と教えてくれた。
かなり胸がイッパイになった。

510イヤ~、マンゾク、マンゾク。
ヒザの痛みなんかスッカリ忘れちゃった!
記念に自撮り。

520中学生の頃から大好きだった10ccのホームに行って、東京に帰って来て興奮冷めやらぬうちにストロベリー・スタジオのことを調べていたらこんなCDボックスセットを発見した。
『Before, During, After 10cc 』というコンピレーション・セット。

11_0r4a0007「10ccの前と最中とその後」のストロベリー・スタジオの仕事の記録。
1枚目が10ccのベスト・アルバムになっているんだけど、選曲は超ベタという感じ。
他にストロベリー・スタジオ第1号音源である例のHotlegsの「Neanderthal Man」だのニール・セダカの「Solitare」だの、ポールの「Pretty Little Head」が収録されている。
気になったのはPeter Cowapという人。
やたらとこの人の演奏曲が収録されている。
このボックス・セットで初めて名前を知ったんだけど、マンチェスター出身の歌手でグレアムと活動を共にしていたらしい。

11_0r4a0012 帰りにさっきの市庁舎にチョット寄り道してみた。

530やっぱりいいね~、こういう古い建物は。

540ココは棟続きの別館みたいになっているんだけど、十分にステキ。
エントランスの吹き抜けの天井がゴージャス。

550ん?
エントランスに置いてあった白い手袋。
その横には「JUNE」と題して(ココを訪れたのは6月)、美しいカリグラフィで人名と生年月日、没年が記してあるかと思うと、マリー・ジョーンズという人の心理学の優秀な成績を称える一文が載っていたりする。
ココでナニかセレモニーを開いた人たちの記録かな?

560…というのは、看板に「Bespoke Weddings tailored to you」とあるようにココで結婚式ができるようになっている。
「bespoke(ビスポーク)」というのは「オーダーメイド」という意味のイギリス英語。
「お望みの結婚式をあなたに仕立てて差し上げます」って。

11_img_0230 ホラ、こんなに立派で美しいホールがあるのだ!

570コレでストックポートを後にした。
行けるかどうかわからなかったストロベリー・スタジオに行けたことでスッカリ満足して他に何も見てこなかったよ!
あの帽子の博物館も行かなかったし、街中には「The Plaza」という古くて立派な劇場や100年続いている「Robinson's Brewery」というビール工場もあることを後から知った。
失敗した!
もう行かないだろうナァ。
やっぱり旅は下調べが一番重要ですな。
580vということで、ストックポートの駅へ戻って…

600今度はローカル電車で2駅先のマンチェスター・ピカデリーへ!
マンチェスターのレポートはShige Blogに掲載します。

11_img_0236<つづく> 

200_3

(2019年6月14日 イギリスにて撮影)

2020年4月17日 (金)

【イギリス-ロック名所めぐり】vol.43 ~ 10ccに会いに行く <前編>

 
大ざっぱに言って人の音楽の聴き方には2つのタイプがあるのではなかろうか。
ひとつは好きなアーティストをトコトン掘り下げて徹底的に聴き続けるタイプ。
もうひとつは、何でもいいからとにかく色んな音楽を聴き漁っちゃうタイプ。
私は完全に後者なんだけど、好きでズ~ット聴いている中心的なアーティストがいないワケではない。
それはフランク・ザッパ。
長いブランクはあったにせよ、中学3年の時にジャケットがオモシロいという理由で『Fillmore East - June 1971』を買ってからだから…カレコレ43年ほどのキャリアになる。
2番目に好きなのは誰だ?
コレがキメにくい。
好きなアーティストが「いつでも帰りたくなるホーム的な存在」と定義してビートルズを除けば、10ccということになりそうな気がする。
でも、それもファースト・アルバムから6枚目のライブ・アルバムまでなんだけどね。
 
今回の「名所めぐり」はその10ccにまつわるレポート。
日本に今、果たしてどれぐらいの10ccファンがいらっしゃるのかわからないが、どうせ自粛期間だし、コレをいい機会に公私混同的に色々と10ccについて調べて、いつも通りウンチクを固めて記事を書いてみることにした。
そしたら止まらなくなっちゃって…2本立ての長編になってしまった!
お好きな方には少しはお楽しみ頂けましょうし、10ccをご存知ない方は旅行気分で目を通して頂き、イギリスが生んだ最高のポップ・ミュージック・チームにご興味を持っていただければ幸いである。
特に若い人になんかが10ccを聴いてくれたらうれしいナァ。
結果、老いも若きも誰も読まないような気もするけど、書いて書いて私の気が済んだからよしとするわい。
一応、おさらい的に少なくとも4人のMancunian(マンキュニアン=マンチェスター出身者)たちの紹介をしておけば…。
Eric Stewart (エリック・スチュアート:vo、g、key)
Lol Creme (ロル・クレーム:vo、g、key)
Graham Gouldman (グレアム・グールドマン:vo、b、g)
Kevin Godley (ケヴィン・ゴドレー:vo、ds)
…という4人のシンガー/マルチプレイヤー/ソングライターのチームが10ccね。
  
さて、私が10ccの名前を知ったのは、中学校2年の時に秋葉原の石丸電気のレコード館で「10cc」と書かれたレコード展示台(通称「エサ箱」)にはさまっていたプラスチックの仕切り板によってだった。
「10cc?変な名前だな~」
と、石丸電気に行くたびに気になっていた。
中学3年の時に、猛烈にロック好きのお兄さんがいるクラスメイトの増田くんにカセット・テープを渡して、そのお兄さんにカッコいいロックのレコードを録音してもらうようにお願いした。
増田くんのお兄さんは、録音してくれただけでカセット・テープの中に入っている音楽の情報をシェアしてくれなかった。
それでもゼンゼンありがたかった…当時はチャンとお金を出さないと音楽を聴くことができない時代だったからね。
その中にライブ盤が1枚混ざっていて、聴いてみると、オープニングのMCで「10cc!」と言ってるではないか!
ほほう、コレが10ccか…どんなもんかいな…と大した期待もしないで聴き始めたところ、1曲目の「The Second Sitting for the Last Supper」で腰を抜かした。
「オイ、チョット待てよ!10ccってこんなカッコよかったのかよ!」
アルバムはリリースされたばかりの『Live and Let Live』。
マァ、ビックリしたわな。
あの衝撃はザッパの「Inca Roads」を聴いた時に匹敵してたな。
それでいっぺんに気に入ってしまって、石丸電気レコード館に通い、それまでリリースされていた10ccのレコードをすぐに買い揃えた。
 
コレが増田くんのお兄さんが録ってくれた、1977年にリリースされた10cc初のライブ・アルバム『Live and Let Live』。
ジャケットはツマらないけど、よく聴いたナァ。
録音はハマースミス・オデオンとマンチェスター・アポロ。 

Lallコレがハマースミス・オデオン。
ハマースミスの駅から歩いて3分。
LOUDNESSもSAXONと一緒に出演した。
友人のイギリス大使館に勤めている女性はちょうどその時ロンドンにいて、その時のLOUDNESSを観たっておっしゃってたな。
今は「Eventim Apollo」という名前になっているが、現在はCOVID-19で閉鎖中だ。

650 タイトルの「Live and Let live」はもちろん「ライブ(生)」に引っ掛けているワケだけど、意味としては文字通り「あなたはあなたで生きればいいし、人は人で放っておいてやれ」ということから「他人を大きな包容力で受け入れる」という意味のことわざになるらしい。
ま、簡単に言えば「人は人」ということですな。
『007』の第8作目、1973年の『死ぬのは奴らだ』の原題は『Live and Let Die』。
こちらは「こっちは生きて、向こうは死なせてやれ」という意味。
ポール・マッカートニーの主題歌を使ったタイトル・バックは最高にカッコいい。
曲の中でポールは「♪You used to say 'live and let live'」と歌ってるでしょ?
アルバムのタイトルは、ビートルズ・ファンでポールとの親交が深いエリックのアイデアだったのかも知れない。
ちなみに『死ぬのは奴らだ』と『黄金銃を持つ男』でジェイムズ・ボンドを演じたロジャー・ムーアって、我々日本人では想像できないぐらいイギリスでは人気が高かった大スターだった。

Lald1ミックスダウンはイギリス、ストックポートの『Strawberry Recording Studios (UK) Lyd』。
エンジニアは10ccのフロントマンのエリック・スチュアート。

0r4a0207以前にも書いたけど、内ジャケには機材車の運転手の名前までクレジットされている。
この細かいクレジットは、四人囃子の『ゴールデン・ピクニックス』のパクリなのではなかろうか」?と私は勝手に想像している。
ちなみに10ccのオリジナルメンバーのロル・クレームとケヴィン・ゴドレーの労作『Consequences』には四人囃子の『一触即発』の「ピンポン玉の嘆き」にソックリの曲が入っている。
このことを四人囃子の岡井大二さんに話したところ「まさか!」とご謙遜して信じて頂けなかったが、そうだとオモシロいナァ。
イヤ、絶対10ccは四人囃子を研究していたんだってば!

0r4a0211…と、こんな調子で10ccのアルバムをサラっと振り返ってみる
まずは1973年のデビュー・アルバム。
あ、その前に「cc」という体積を表す単位は「cubic centimetre」の略ですからね。

10ccこのレコード、裏ジャケが日本語まじりの歌詞カードになっていてね~。
中学生の時、その装丁がすごくイヤだった。
ライナー・ノーツは故今野雄二さんがご寄稿されている。
スゴイよ…「1970年代のロックの主流を支配するのはRoxy MusicとSparks、そして10ccである」と豪語していらっしゃる。
氏にとっては、どんな時でもRoxy Musicなのは理解できるが、Sparksも推していたのは忘れていた。
実際『Kimono my House』から『Big Beat』あたりまでは私も大好きで今でも時々聴いている。
そして、10cc。
その今野さん曰く「ビーチ・ボーイズとビートルズの精神に70年代の魂を吹き込んだ極上のロックバンド」と10ccのことを表現している。
そして、メンバーのひとりであるロル・クレームは「10ccはポップソングにナニができるかを試す『 研究室』のようだった」と言っている。
このアルバムから「Donna」がヒット。
ビートルズの「Oh! Darling」のパロディと言われているけど、私にはそうは聞こえないんだよナァ。
かつてMarshallに勤めていたスティーヴと10ccについて話した時、「10ccはスタジオ・ミュージシャンの集まりだったんだよ」と言って「Donna」を歌っていた。
「Donna」に続いて「Johnny Don't Do It」もヒット。
「♪Johnny was an angel, an angel dressed in black」なんて歌詞は完全にシェリー・フェブレの「Johnny Angel」からじゃんね。
更にゴキゲンな「Ruber Bullets」もすごく流行ったらしい。実際にスティーヴも歌っていた。
ホント、このアルバムは「The Dean and I」をはじめとしていい曲揃いなのだ。
そして、バンド名の下には「Produced at Strawberry Studio, Manchester」とクレジットされている。

0r4a0198翌1974年にリリースされたセカンド・アルバム『Sheet Music』。
ジャケット・デザインはHipgnosis。
コレ以降しはしばらくヒプノシスがジャケットを担当する。
この時の訪英でヒプノシスの元事務所を発見した時はとてもうれしかった。
ところで、このアルバム、どうして『Sheet Music』というタイトルなんだろうナァ。
「シート・ミュージック」というのは「楽譜」だよね。
日本では「楽譜」とか「音符」とか比較的言葉を混同しているようだけど、英語では「楽譜」という言葉がハッキリと使い分けられている。
まず「Score(スコア)」というのがあるね。
コレはオーケストラなんかに使われる、五線紙が何段にもなっている「総譜」というヤツ。
一方、歌とピアノだけの楽譜は「ミュージック・シート」といって、「スコア」と明確に区別される。
で、欧米にはこの「ミュージック・シートの文化」っているのがあるんですね。
どういうものかというと、例えば、そうだな…ガーシュインの「スワニー」にしようか。
お父さんが「スワニー」のミュージック・シートを楽器屋で買って帰って来る。
すると、家族は夕食を済ませた後、暖炉を囲んで、お父さんがそのシートを見ながら弾くピアノに合わせてみんなで歌う。
コレは家に蓄音機のような音楽を再生する機器がなかったころの名残りなんだね。
要するにミュージック・シートがレコードの代わりだった。
そのミュージック・シートを管理しているのが「Music Publisher(音楽出版社)」というワケ。
日本で「音楽出版社」というと、「音楽の本を売っている会社」という感じがするでしょ?
それは日本にミュージック・シートの文化がないから。
もちろん今はそんなことをやっている温かい家庭はないかもしれないけど、いまだにミュージック・シートってのは欧米では盛んに販売している。
ジャズとかクラシックの歌曲だけじゃないからね。
ビートルズからAC/DCまでなんでもある。
そこで勝手に解釈すれば、この『Sheet Music』というのは、「みんなで楽しめる音楽」ということを標榜しているのではないか…と思うワケです。
私の妄想なので異論&反論は受け付けません。
 
グレアムは『Sheet Music』を10ccミュージックの縮図的作品と言っている。
絶好調だったんでしょうな。
10ccは2つのソングライティング・チームが競い合って曲を作っていた。
先にできた方がもうひとつのチームに作品を聴かせてアイデアを出した合ってブラッシュアップしたという。
曲を作った人以外がリード・ボーカルを取ることもあって、メンバーがひとりずつ順番に歌って他の3人がジャッジをするというオーディション形式で歌い手を決めたらしい。
そんなんだから曲も演奏もクォリティが高いにキマっている。
1曲目の「Wall Street Shuffle」からしてタマらん。
お金の歌。
歌詞に出て来る「Greenback(グリーンバック)」はドルのこと。
「Stering(スターリング)」は「Stering Pound」、つまりイギリス・ポンドのこと。
向こうの人はポンドのことをよく「Quid(クイッド)」って呼んでるね。
他にも「fiver(5ポンド紙幣)」とか「tenner(10ポンド紙幣)」なんてスラングもある。
曲には「円」も出て来る。
「ダウ・ジョーンズ(Wall Strett Journalの発行元)」、「ロスチャイルド」、「ハワード・ヒューズ」なんて名前も出て来る。
こういうところがメッチャおもしろい。
映画をテーマにした「Somewhere in Hollywood」もすごくうれしい。
「Hotel」の楽しさはどうだろう?
「Old Wild Men」の「♪Lord have a mercy upon to me」のパートはかなりグっと来るし…。
ファースト・アルバムに比べてロックンロール色をチョット潜めた渋めの曲が揃っているのがまたいいんだな。
世界的なスターになる前のバンドが何の制約もプレシャーもなく、楽しそうに好きなことに取り組んでいるという印象。

Smしかし、イギリス大変でね~、コロナ。
毎週、電話でMarshallとミーティングをしているんだけど、当然その話になるでしょ?
もう緊張感が日本と全く違う!
とにかくMarshallの連中が言って来ることは「シゲ、絶対に外へ出たらダメだぞ!」…コレの一点張り。
本当にこれからの日本が心配だよ。
イギリスに比べて、まだ意識的にはスタートラインにすら立っていないように見える。
 
さて、お金の話が出たところで脱線。
昨年Marshallに行った時に、一部の貨幣が刷新されていて古いお札が使えなくなっていた。
もちろん銀行へ行けば新しいお札と交換してくれるんだけど、旅行者の我々はそうもいかない。
困っていたらMarshallの経理の女性が親切に使えない紙幣を全部交換してくれて事なきを得た。
それが、またお札が変わるんだよね。
何回かに分けてるのかもしれないけど、今度は50ポンド札も対象になっている。
で、新しいお札のデザインがアラン・チューリングになるっていうワケよ。
チューリングはもう何度もMarshall Blogに出て来てるわね。
難攻不落のドイツの暗号「Enigma」を解読する機械を作って第二次世界大戦のヨーロッパ戦線の終結を早めた…と言われている人。
暗号のロジック自体はポーランドに人が先に解読していたんだけど。
「Enigma」関連は、今回ブレッチリ―・パークに行ってたくさん写真を撮って来たので、その内「Shige Blog」でトックリとやらせて頂きます…どうせ外へ行かれないし。
コレがアラン・チューリング。

Acそのチューリングの話を聞いて「エ~!じゃエリザベス女王はどうなっちゃうの?」と驚いたバカな私。
イギリスってEUに入ってもワガママを貫き通して自国の通貨を使ったでしょ?
何でもあの理由は「女王陛下のお顔が載っていない札なんて使えるかよ!」ということだったとか…。
それを知ってたから驚いた。
コレ…考えてみれば裏面の話ね?
表はやっぱりこうでしょう。
コレは今の50ポンド札。イギリスで最も額面の大きなお札。

11_heads で、裏面はコレ。
向かって右はジェイムズ・ワット。
「私はこの機械の他に何も考えることができない」というセリフが載っていて、2人のオジちゃんの間にあるのがその「機械」。
改良型の蒸気機関。
「それでは私がこの機械を売ってしんぜましょう。『力』を欲しがっている世界中の人たちに」
とワットに答えているのは実業家のマシュー・ボールトン。
この2人の働きにより、18世紀後半のイギリスの産業革命が飛躍的な発展を遂げた。
もちろんワットは、あの仕事量を表す「W」の元。

11_tails_2 コレはMarshallの本社があるミルトンキーンズだけで流通している50ポンド札(ウソですよ~)。

11_jmm 『Sheet Music』に戻って…裏ジャケには「Recorded at Strawberry Recording Studios (UK) Ltd.  Stockport, Cheshire, England」のクレジット。

11_0r4a0554 3作目からはマーキュリーに移籍。
ファースト・アルバム、『Sheet Music』と立て続けに好セールスを記録した10ccだったが、当時は無一文だったらしい(あるドキュメンタリーでエリックは'skint'と表現していたが、コレはイギリスの俗語で「すっからかん」という意味)。
コレは10ccの取り分が4%というUK Recordsとの契約のせいで(もしコレがレコードの売り上げの利益だとしたらあまりにも分が悪い)、UKレコードの親分のジョナサン・キングに契約の改定を申し出たが、まったく聞き入れてもらえなかった。
そこへ救いの手を差し伸べたのが「Virgin(ヴァージン)」のリチャード・ブランソンだった。
メンバーは「Atlantic」と組んで本格的なアメリカ進出を狙うVirginに移籍する気満々であったが、マネージャーが勝手に「Mercury(マーキュリー)」と契約してしまった。
大金が動いたからだった。
今でこそ、レコード会社というよりも、航空、鉄道、金融と泣く子も黙るVirginだが、当時はまだマイク・オールドフィールドの『Tublar Bells』しかヒットがなかったので、マネージャーはマーキュリーという安全牌を採ったのだった。
ファースト・アルバムからのシングル「Johnny, Don't Do It」のB面はその契約のことを歌った「4% of Something」という曲が収録されている。

11_4pそのマーキュリーからの第1作。
架空の映画のサントラ盤がテーマの『The Original Soundtrack』。
上に書いた通り、ジャケットは引き続きヒプノシス。
Os 鉛筆による細密画はハンフリー・オーシャンという画家の手によるもの。
ロンドンの有名な『ナショナル・ギャラリー』の隣に、『ナショナル・ポートレイト・ギャラリー』という肖像画だけを集めた美術館がある。
以前『名所めぐり』で紹介したかな?
展示品はロイヤル・ファミリーや政治家、軍人などの肖像画ばかりなんだけど、ミュージシャンがないこともない。
例えばブライアン・イーノ、例えばBlur、そして、このポール。
このポートレイトはそのオーシャンの作品だ。

Pm2フィルム編集機の画面に写っているカウボーイは『サイコ』のノーマン・ベイツ役でおなじみのアンソニー・パーキンス。
映画は1957年の『胸に輝く星(The Tin Star)』。
観たことはありません。
監督がアンソニー・マンなのできっと悪いワケはないでしょう。
マンは私の大好きな『グレン・ミラー物語』を撮った人だから。
そう!
「マン」といえばイギリスの「マン島(Isle of Man)」ね。
ザッパに「Manx Needs Women」という曲もあるけど、驚いたことに厳密に言うとマン島というのはイギリスでもなかれば、イギリス連邦にも属していないんだってね~。

Tsaこのアルバムは「I'm not in Love」が収録されていることで知られているが、私は違うんだな。
まず10ccを好きになったキッカケとなった「The Second Sitting for the Last Supper」がB面の1曲目に鎮座ましましている。
そして、1曲目の「Une Nuit a Paris(パリの一夜)」、ヒット曲「Life is a Minestrone(人生は野菜スープ)」、「Brand New Day」等々、どれもじ~つ~に~素晴らしい。
私が初めてロンドンに行った時、タワー・ブリッジにほど近い、インド人だらけのAldgate Eastのホテルの部屋に入って一番最初にしたことは、テレビのスイッチを入れることだった。
ホテルの入り口で乞食に言い寄られたりして心細かったからね。
すると、テレビからいきなり飛び出してきたのが「Life is a Minestrone」だった。
それまでの不安な気持ちが一気に吹っ飛んだ。

11_lmそれにしたって10cc一番のヒット曲「I'm not in Love」についてもう少し触れておかねばなるまい。
レコード会社を移籍した最初のアルバムを成功させようと今までにない試みに挑んだ曲のひとつ。
メンバーはラブソングを作ろうと話し合い、エリックが100%詞を書いた。
最初はボサノヴァ調にしてみたが、曲が死んでいるようでまったくオモシロくなく、メンバー全員とても作業を続ける気にならなかった。
そこへ、ケヴィンが「楽器を使わないで津波のような分厚い声を入れたらどうだろう」というアイデアを提案した。
そのアイデアを基に「バッキングを考えられるだけ大きな合唱隊のようにしてみよう」ということになった。
当然、合唱隊などを雇う経済的な余裕はないので、テープループを使って取り組むことになった。
今となっては有名な話だけど、コレがやっぱりオモシロい。
まず、ケヴィンとロルとグレアムがスタジオに入って息が続かなくなるまでユニゾンで「アー」とやる。
当時のレコーディング機器は16チェンネルだったので、16のすべてのチェンネルのこの「アー」を録音する。
それをトラックダウンすれば3人のコーラス×16チャンネル分で48人が「アー」とコーラスしている音源ができる。
いいですか~、今、よくわかっていないヤツが説明していますからね~。お手柔らかにお願いしますよ~。
今度は同じく13の音程それぞれで「アー」と歌う。
ド、ド#、レ、レ#……とクロマチックにやっていって上のドまで録音する。
ココで48人のコーラスで13通りの音程を録るので、624人分の声を集めたことになる。
で、それぞれの音程の音源のテープを約7分のループにして、16のウチの13チャンネルにその音をそれぞれ割り当てる。
こうしておけば、ミキサーのフェーダーを上げ下げすることで和音を作ることができるようになるというワケ。
原理としてはメロトロンに近いということになるのかな?
そして、残りの3つのチャンネルのうちのひとつにガイドリズムと仮歌を入れておいて、それを聞きながら「せーの」であらかじめフェーダーの目盛りにつけておいた印に合わせて4人がフェーダーを上げ下げしてバッキングの和声を作ったという。
そして、そのコーラスを残った2つのチャンネルにステレオで録音したら、今度は13のチャンネルのコーラスをすべて消去して、残り楽器を録音したのだそうです。
あのバスドラムの音はムーグなんだって。
「♪アッア~、ア、ア~ア」って左右に振るところなんかは、パンポットを回すのにハラホロヒレハラだったらしい。
この作業だけで3週間も費やしたのだそうだ。
大変だったろうけどオモシロかったろうナァ~。
アナログ録音ならではのストーリー。
結果、クリックひとつで何でもできるデジタルのモノより何倍もいいものができた。
やっぱり養殖モノより天然モノですな。
ま、そもそも曲がいいからね。
そしていよいよ完成か?次はどうする?…というところで、スタジオのレセプションのキャシー・レッドファーン(Cathy Redfern)嬢が、スタジオ内にいたエリックに電話がかかって来たことを知らせに来た。
「エリック、あなたに電話ヨ!」と言われてピンと来た。
「コレだ!」
そうして曲の中間部にあの女性のささやきがダビングさされた。
「Be quiet, be quiet. Big boys don't cry」っていうヤツね。
最初、キャシーは恥ずかしがって固辞したが、「チョコっと囁くだけだからお願い!」とロルやケヴィンにせがまれてイヤイヤやったという。
あの囁きがなかったらまた曲は締まらないモノになっていたよね。
すごくいいアクセントだと私は思う。

Inilエエイ!やっぱり脱線だ!
この10ccの手法を丸々マネッコしたのがビリー・ジョエル(イギリス人は「Joel」を「ジョール」と発音します。「エ」は聞こえてきません)の「Just the Way You Are」。
「I'm not in Love」の方がゼンゼン豪華。
イヤ、この曲はコーラスよりもアルト・サックスのソロでしょう。
吹き手はアルトの巨人、フィル・ウッズ。
何せフィルは長年のジャズ界での活動よりも、このソロ一発で世間にその名前が知られてしまったという気の毒なんだかラッキーなんだかわからない人。
私はフィルのプレイを「アルト・サックス界のリッチー・ブラックモア」だと勝手に思っているんだけど、晩年のフィルをニューヨークのブルーノートで観る機会があった。
ナント、パット・マルティーノとのダブルヘッドライナーだった。
でももうかなりのご年齢で、残念ながら往年の閃光ような鋭いフレーズを吹くことがほとんどなかった。

JwySteely Danの『Katy Lied』。
この中の「Doctor Wu」のサックスもフィル・ウッズなんだけど、コレもスゴいソロだ。
ジャケットはアメリカのキリギリス「Katydid」。
「Doctor Wu」に出て来る歌詞「Katy lied」とシャレになっている。
この人たちって案外こういうシャレがお好きのようで『Pretzel Logic』の「Parker's Mood」という曲の「Relaxin' at Camarillo」の仕掛けなんてのはスゴくオモシロい。
私が何を言っているのか気になる方はコチラをどうぞ⇒【訃報】 ウォルター・ベッカーのこと

Klフィル・ウッズのことで孫脱線しようと思ったけどキリがないのでヤメておきます。
でもひとつだけ、ギター面でひ孫脱線。
フィルが68年代後半から70年代の初頭にかけて取り組んでいたのがEuropean Rhythm Machineというコンボ。
そこで一緒だったのがイギリスを代表するジャズ・ピアニスト、ゴードン・ベック。

11_erm

Gb1_3  
ゴードン・ベックはアラン・ホールズワースと音源をいくつも残しているんだね~。
こういうのを聴くとホールズワースのスゴさ…つまり猛烈なオリジナリティを発見するよね。
どういうことかと言うと、例えばSoft MachineやGongでのソロをカットして、このゴードン・ベックのコンボにペーストしても音楽が成り立ってしまう。
もちろんその逆も可。
もちろん基本的にはジャズ寄りなんだけど、ジャズとかロックとかいうジャンルを本当に超えていたんだな…と感心しちゃうワケ。

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Gb2_2  
話を10ccに戻して…
もうひとつ…アルバムの最後に入っている「The Film of my Love」。
コレはカンツォーネだね。
「The Magnificent Seven(荒野の七人)」、「Orient Express(オリエント急行)」、「Pathe(パテ:フランスの映画会社)」なんて名前が出て来る。
コレもゴドレー&クレームの曲をグラハムが歌っている。
バンド内オーディションで優勝したのだろう。
まぁロマンティックないい曲でしてね。
数年前、ある若い女性から結婚式の雰囲気にマッチするステキな曲を教えて欲しい、という相談を受けた。
その中に入れた1曲がこの「The Film of my Love」だったんだけど、彼女は本当にそれを自分の結婚式で使ってくれて、バッチリだったとすごく喜んでくれた…すぐに別居しちゃったみたいだけど。
しかし、こうして見ると、好きなのは圧倒的にゴドレー&クレーム組の曲だナァ。
『荒野の七人』も子供の頃は夢中になって観たけど『七人の侍』を観てしまってからはバカバカしくてとても観れなくなってしまった。
だから小学校の時からこの映画は観ていない。

Ms このアルバムの内ジャケットには「Produced and Recorded by 10c.c. at Strawbweey Recording Studios…」とある。

0r4a0190ハイ、1976年の4枚目。
私はこのアルバムが一番好き。
スウェーデンの少女環境保護運動家、グレタ・トゥンベリさんのひと言で日本でもスッカリおなじみになった『How Dare You!』がタイトル。
意味はもう知ってるよね。
どの曲も大好きなんだけど、一番好きなのは最後に入っている「Don't Hung Up」。
10cc全曲の中でもコレが一番好きかも知れない。
岡井大二さんもこの曲が一番好き…とおっしゃっていらしてうれしかった。
B面の1曲目の10ccの代表曲のひとつ「Art for Art's Sake」のMVには1959のフルスタックが登場する。
「I'm Monday Fly Me」はスチュアート&グールドマン組(+ゴドレー)の作品で一番好きな曲かも。
神保町のカレー屋に向かう車の中で、Marshallの社長夫人のエリーと一緒にこの曲を歌ったのは楽しかった。
ま、こっちはすぐに「♪フフフフン」になっちゃんだけどね…歌詞がわかんないから。
最高にラブリーな「Rock'n'Roll Lullaby」はグルールドマン&スチュアート組の作だがケヴィンとエリックが歌っている。
「Iceberg」も「Headroom」も何となくシアトリカルで、コミカルですごく好き。
やっぱりゴドレー&クレーム組の作品がいいんだな。
上に挙げた10ccのすべて曲での中で一番好きかも知れない「Don't Hung Up」もゴドレー&クレーム組の作。

11_hdyハイハイ、ここにも「All tracks recorded at Strawberry Studios (UK) Ltd. England」。

0r4a01871977年の『Deceptive Bends』。
タイトルの「Deceptive Bends」の意味と仕掛けについてはコチラでやっていうので興味のある方はどうぞ。
ゴドレー&クレームが脱退してこのアルバムからスチュアート&ゴールドマン組だけになった。
ゴドレー&クレーム組の曲の方が好きと書いたけど、このアルバムはスチュアート&グールドマンがとてもいい仕事をしてくれた。
「I Bought a Flat Guitar Tutor」なんて全くスゴイよね。

Dbある時、スチュアート&グールドマンがゴドレー&クレームにこのアルバムのリード・チューン「The Things We Do for Love」を聴かせると、「そんな曲は絶対に演りたくない!」と言ってゴドレー&クレームはバンドを辞めちゃったんだね。
2人はギズモに夢中になっていて、そのギズモをフィーチュアした実験的なアルバム『Consequences』のA面を制作していた時期だったものだから、ありきたりのポップ・ソングを演るのがバカバカしく感じてしまったのだ。
ま、『Consequences』にも甘々のポップ・ソングがいくつも入っているけどね。
でもロル・クレームは、「あと半年ズレていれば…」とバンドを辞めたことを後悔してるようだった。
というのも、シングル「The Things We Do for Love」がアメリカで大ヒットしてしまったから。
一方、『Consequences』は散々だったろう。
コレは豪華なブックレットがついたLP3枚組の高価なボックスセットだった。
中学3年の時にリリースされて、すぐになけなしのお小遣いでコレを買った私はクラスメイトから「アタマがおかしい」といわれたよ。よく覚えている…加藤な。
ああ、アタマがおかしくてヨカッタよ。おかげで今も音楽変態道を歩み続けてるわ。
ちなみに今となっては、私はコレをLPとCD2種類の3セット持ってるわい。

Csq
ロルとケヴィンの2人が脱退した時、「10ccが5ccに!」なんて世間が騒いでいたのを覚えている。
コレは「10cc」というバンド名の由来が「成人男性4人の1回分の射精量の合計」とされていたところがあったのだろう。
アノね…よくそういう話を聞いたし、本国イギリスでもそういうことになっている部分があるみたいなんだけど、本人たちが違うって言ってるから。
上に出て来たシンガーソングライターにして「UK Records」オーナーのジョナサン・キングに「Donna」を聴かせると、「コレはイケる!」と判断して自分のレーベルで囲い込んだ。
その時はまだバンド名はなく、キングが「昨晩、『10cc』 the greatest group in the world」といのが夢に出て来た!」と言って、それがそのまま10ccがグループ名となった。
どんな夢だよ。
ちなみにGenesisの名付け親もキング。
それと、『Rocky Horror Show』のオリジナル・ロンドン・キャスト盤もキングがプロデュースした。

11_2rhs_2 この『Deceptive Bends』には「Recorded at Strawberry Recording Studios (South)」と出ている。
「(South)」というクレジットが追加された。

0r4a0185上で紹介したライブ・アルバムを挟んでリリースしたのが1978年の『Bloody Tourist』。
「10ccの新譜が出る!」、「今度は10ccの音楽の世界一周だ!」なんていうのでメチャクチャ楽しみにしていたんだけど…私はコレで10ccファンを卒業しました。
リード・チューンの「Deadlock Holiday」なんかは今聴くと歌詞がオモシロかったりもするんだけど、それこそ10ccにしては凡庸なポップ・チューンばっかりで、彼らの特長であった「シャレ」だとか「楽屋落ち」のような作り込みの部分が無くなってしまったようで私の心には全く響かなかった。
そもそも、この「0」の中が星になっているバンド・ロゴのデザインが小学生のやることみたいで好きでなかった。
だから私の10ccは『Deceptive Bends』の6枚。それで全部。

11_2btところでホンモノの10ccを観たことがあるのか?ということになると…マァあるんです。
高校2年ぐらいの時に来日することが決まって中野サンプラザの前から2列目のチケットを取ったのね。
ところが直前になってエリック・スチュアートが交通事故で頭のケガをして来日が中止になってしまった。
その後も何回か来日したけど観るチャンスがなく…というより、地方に住んでいたり、興味がなかったりで観る機会がなかった。(去年も来ていたのね?)
そして、ついに数年前にオリジナル・メンバーがグラハム・グールドマンだけの10ccを観た。
会場は今はなき原宿のアストロ・ホールで、100人チョットぐらいのお客さんを前にしてのライブだった。
下はスタッフから頂いたその時のステージの壁に貼ってあったセットリスト。
すごくヨカッタ。
何しろほぼ全曲を最初から最後までほぼ完璧に一緒に歌えるコンサートってこの10ccとZappa Pays Zappaだけだったから。
考えてみればグレアム・グールドマンは10ccの名曲を作っただけでなく、「Bus Stop」、「For Your Love」、「No Milk Today」等のポップ・ミュージック・シーンに永遠に残るであろう曲を作った大作曲家ですからね。
そういう意味ではエリックは「I'm not in Love」だけだからね。
目の前で歌っている姿を見ておいてヨカッタと思うよ。
ところで10曲目に「The Dean & I」が入ってるでしょ?
上でチョット触れた通り私はこの曲がすごく好きなんだけど、こんな古い歌、しかもゴドレー&クレーム組の曲を何で選んだのかな?とこの時思ったんだよね。
で、今回この記事を書くにあたって10ccのドキュメンタリーを観てその理由がわかった。
実はエリックはこの曲が「大キライ」だったのだそう。
そのドキュメンタリーの中で毅然と「hate」という言葉を使っていたところを見ると心底キライなんだろう。
「ミュージカルっぽい」ものが好きではないので、シーンがコロコロ変わるこの曲がすごくイヤだったのだそうだ。
一方、エリックの相棒だったグレアムは「この曲に当時の10ccの全てが詰まっていた」と大絶賛しているんだよね。
要するにグレアムのお気に入りの曲…だからこの時に取り上げたというワケ。
単純な理由だけどウラがあってオモシロイ。
だからエリックがいた頃の後年リリースされたライブ・アルバム数枚にはこの曲はまったく収録されていない。

0r4a0203さて、驚いたことにここからが今回の本題。
「ロックの名所を訪ねる旅」の始まりだよ~!
自粛中の皆さん、目だけで旅行を楽しんでくだされ!
 
旅の起点は滞在していたMarshallの工場の近くのホテル。7img_8852 朝食は丸っきりいつも通り。
スクランブルエッグにハッシュドポテト、焼きトマトにオリジナルのハムサンド。
もう「飽きた」のを通り越して段々ありがたくなって来た!
しかし、卵の味が日本と違う。
スクランブルエッグではわからないけど、目玉焼きにすると風味が全く違うことに気づく。
もちろん向こうの卵の方がおいしい。
ドイツでもベトナムでもそうだった。
ウチは長年ブロイラーの卵を食べずに、コッココッコと放し飼いにされている鶏の卵を取り寄せているんだけど、それでも味が違う。
Img_0127ハラごしらえが済んだら出発!
コレがベースキャンプ。
Marshallの工場のすぐそばのホテル、DOUBLE TREE。
すぐ横にMarshallアリーナがあって、去年の6月1日にD_Driveがそのステージに立ったことは既報の通り。

10このホテルができてからもう何回も泊まっているんだけど気が付かなかった。
玄関を出た時に木が2本。
「Double tree」になってた。
あんまり天気がよくないナァ。

20タクシーでミルトンキーンズ・セントラル駅に行く。

30広々とはしているものの、相変わらず殺風景な駅前。
この駅前にマットレスを敷いて寝泊まりしている人が何人かいるんだよね。
しかも、女性。
4年前に来た時にはそんな人たちを見かけることはなかった。
とにかく今回の旅で驚いたのはロンドンの街中で若いホームレスの女性を大勢見かけたことだが、こんなところにもそうした傾向が見られたのは結構大きなショックだった。

40さて、今回の旅の目的地は…

50マンチェスター。
産業革命発祥地として、かつてはロンドン、リバプール、バーミンガムと並んでイギリスの経済を支えた都市ですな。

55駅名のサイン。
「Home of」ってあるけどナンの「Home」か…。
「University of Bedfordshire」のMilton keynesキャンパスのホームなんだって。
ツマんね~。
「UCMK」とは「University Campus Milton Keynes」だそうです。

60お!
プラットフォームで発見。
ね、イギリスではホントにMarshallのヘッドホンを使っている人をよく見かけるのです。
毎度あり!

70来た来た、電車はVirgin。
Virginの10ccってのも見てみたかったナァ。

80車内はこんな感じ。結構混んでる。

100電車のスピードが速くてうまく撮れなかったけど、カナル(運河)がずっと線路に並走してる。
ときおりナロウボートがゆっくりと水面を進む光景を見かける。
いいナァ~。
イギリスの好きな風景のひとつ。
写真はナロウボートのマリーナ。
90お、「Stoke-on-Trent(ストーク・オン・トレント)」に停まった。
なんて言うといかにもよく知ってるみたいだけど、名前だけね。
というのは、ココは陶器産業が盛んで、あの「Wedgewood(ウェッジウッド)」の地元だから。
知らなかったのは、昔は製鉄産業も盛んで有名な戦闘機「スピットファイア」で使われた鉄はココで作っていたのだそうだ。

110昔、ヒースロー空港の免税店に小さなウェッジウッドの直営店が入っていてね、イギリスに行くたびにそこで家内へのお土産を買っていた。
陶器はメッチャ高いし、持ち帰るのも心配なので、いつも小さな陶磁が付いたペンダントにしていた。
家内がとても喜んでくれるので、訪れるたびにそこでの買い物を楽しみにしていたのだが、ある時それができなくなった。
ウェッジウッドの経営が立ち行かなくなり、その直営店を閉めてしまったのだ。
その後、ウェッジウッドはフィンランドの「フィスカース」という会社に買収されてしまった。
イギリスのシンボルのひとつのようなブランドだったのにね。
そのフィスカースという会社は2015年に「Royal Doulton(ロイヤル・ドルトン)」というロンドンの名門陶器会社も買収している。

12ww ココで取り出したるは『Mary Poppins Returns』。
この中にディズニーではおなじみのアニメと実写のシーンがあって、それが陶器(porcelain)の国という設定なのね。
そこでメアリーが子供たちを馬車に乗せると、馭者が「Where would you like to go on this fine day?(こんな天気のいい日はどちらへいらっしゃいますか?)」と訊く。
するとメリー・ポピンズが「The Royal Daulton Musc Hall please(ロイヤル・ドルトン・ミュージック・ホールにお願いね)」と答える。
そんなホールが実在したのかどうかはわからないが、イギリス人ならピンと来るんだろうね。
そして、メリーを演じたエミリー・ブラントが「The Royal Daulton music Hall」という曲を歌う。
コレが実にいいんだ~。
いつかこの映画を飛行機の中で観て、あまりいい感想をココに書かなかった。
最初の『メリーポピンズ』に使われていた曲があまりにもヨカッタからね。
でもこの『Returns』にも3曲だけメッチャいい曲があって、その中のひとつがこの曲なのです。Mpr マンチェスターへと向かう電車はグングンと進む。
しかし、キレイだナァ~。

120エエイ!
ココで降りてやれ!

130とホームに降り立った駅は「Stockport」。
フフフ、上に散々出て来たヤツです。
マンチェスター駅のまだ2つ手前の駅。

140降りようか、降りまいか、実は電車の中でズッと迷っていた。
ミルトンキーンズ・セントラル駅で「途中下車OK」ということを係員に訊いて確認していたんだけど、「行ったところで頭の中にある目的を果たせるのか?」という不安が大きかったのだ。

150イギリスの田舎の駅ってのはいいもんだ。
すごく懐かしさを感じさせてくれる。

160何だか知らないけど、ホームにギャラリーがある。
チョット覗こうとしたら年配のご夫婦がちょうど中から出て来て、そのオジさんが「ブックレットがあるから持って行くといいよ」と案内してくれた。

170『Mid Cheshire Line  Marvellous Days Out(ミッド・チェシャー線 ステキなお出かけ)』という展示。
ミッド・チェシャー線というのはチェスターからマンチェスター・ピカデリーまで15の駅を擁する鉄道。
この辺りは「Cheshire(チェシャ―)」という。
「-shire」というのはひとつの行政単位で「郡」みたいなイメージ。
「ランカシャー」とか「ヨークシャー」とか「なんとかシャー」の「シャー」はみんなコレ。
ちなみにMarshallの本社があるのは「バッキンガムシャー」。
さて、その路線は19世紀に3つの鉄道会社がくっついてできた鉄道で、最も古い路線は1862年の完成。
1862年がどれぐらいの時代かと言うと、私が生まれるちょうど100年前だ…コレじゃわかんないか。
十四代将軍徳川家茂と和宮親子内親王が結婚した年。
和宮様は道中の様々なトラブルを避けるために、京都から江戸に降嫁する際、東海道を使わずに中山道を下ったんだよね。
3万人の大行列。その長さは50kmにも及んだという。
その時、イギリスではこんな田舎でも列車が走っていたんだねぇ。
でも、実は18世紀後半のマンチェスターは、さっきのワットのように産業革命の中心地で(ただしワットはスコットランド人)、当時世界の最先端を歩んでいたんだね。
Shige Blogでやるけど、「世界で最初の鉄道の駅」なんてのもマンチェスターだよ。
ちなみに「marvellous」という綴りはイギリス式。私のミス・スぺリングではない。
アメリカ人は「l」をひとつ取っっぱらって「marvelous」と綴る。
イギリス人に言わせると、こういうところが「Americans ruined our language!(アメリカ人が我々の言葉をぶっ壊した!)」ということになる。

185チョット展示アイテムを見てみようか。
ミッド・チェシャ―線にある駅のそれぞれの名所を描いたポップアート。
起点は「チェスター」ね。
「Meander the Mid Cheshire Line」とあるけど「meander(ミアンダー)」というのは「蛇行」という意味。
ところでイギリスには「なんとかチェスター」という地名がいくつもあるでしょ?それと「なんとかカスター」とか「なんとかスター」。
たとえばマンチェスター、ウィンチェスター、ロチェスター、コルチェスター、ランカスター、ドンカスター、グロースター等々。
コレはローマ時代にその砦があったことに由来するそうです。わかりまスター?

210v「meander」には動詞で「アテもなくさまよう」という意味があって、チャーリー・パーカーの有名な『Savoy Session』に「Meandering」というバラードがある。

Ss 私は今いる「ストックポート」はこんな感じなのか…。

190v「Northwich(ノースウイッチ)」というところ。
アレ、ココはナロウボートのエレベーターがあるところか!
「Anderton Boat Lift」といううヤツ。
コレ乗ってみたいんだよな~。

200vこんな動画を見つけたので興味のある方は8:00~12:16のあたりをどうぞ。
標高の異なるカナルをつなぐための船のエレベーター。
観覧車みたいなダイナミックなヤツもあるようなんだけど、ここは純粋にエレベーター式に船を上限に運搬する方式。


「Knutsford(ナッツフォード)」は人口14,000人程度の小さな町。
そうえば、「なんとかフォード」というのも多いね。
オックスフォード、ベドフォード、ブラッドフォード、スタッフォード、ストラトフォード…。
コレは「浅瀬」という意味なんだって。

220vコレがオジさんが教えてくれたブックレットなんだけど、かなり上質のマット紙で製本してあって、表紙にはエンボス加工が施してある。
十分にお金を取れるクォリティだ。
左はその「Marvellous Days Days Out」のしおり。
もうひとつはチェスターからマンチェスターをつなぐミッド・チェシャ―線とリーズからマンチェスターをつなぐカルダ―・ヴァレー線にまつわる女性を紹介した「Discover Amazing Women by Rail」という小冊子。
作家、女優、スポーツ選手、女性活動家、女性参政権者、政治家までの分野を網羅しているが、勉強不足ゆえ私が知っていたのは『ジェーン・エア(Jane Eyne)』と『嵐が丘(Wuthering Heights)』を著したシャーロットとエミリーのブロンテ姉妹だけだった。
「キャシーにヒースクリフ」だけじゃなくて、私、両方とも読んでるんですわ。意外でしょ?

180ホームからコンコースへつながる階段。
イヤ、手すりの塗装がステキだな…と思って。

230_2コンコースも白に赤い線のデザイン。
ステキ!

240駅の入り口。
ここにも赤い線。
平日の午前中だったんだけど、閑散としていた。

250コレがStockport(ストックポート)の駅舎。
周辺の地図を探したんだけど全くなし。
イヤな予感。
もちろんコレから10cc発祥の地、「Strawberry Studios」に向かおうとしているのだ

260<後編>につづく 

200 
(2019年6月 イギリスにて撮影)

2020年4月13日 (月)

諸星和己 BIRTHDAY LIVE Volt-age 49

 

チョット色々あって大分遅くなってしまったけど、昨夏のかーくんのバースデイ・ライブのレポートをお送りします。
街の中から音楽が消えてしまった今からたった8ヶ月前、このコンサートの時、誰が現在の世界を想像したことだろう。
山下達郎さんのお言葉を拝借して時折Marshall Blogに書いている通り、「平和でなければ音楽を楽しむこともできない」ことがよくわかった。
みんなで肩を並べてかーくんの音楽やおしゃべりを楽しんだあの頃が最早なつかしい。
しばらくはまだツライ生活が続くかもしれないけど、ファンの皆さんはこの記事であの時のことを思い出して少しでも生活に彩りを加えて頂ければ…と思います。
では『Volt-age 49』イザまいらん!
  
ところで!
年を取って来ると「年中行事」のめぐって来るのがナンと早いことよ。
かーくんの「Volt-age」もそのひとつなのね。
何せMarshall Blogは「43」の時から「Volt-age」にお邪魔させて頂いておりますからね~。
私にとってこのライブは、小学校の時の夏休みのラジオ体操か、プール開放か…とにかく「夏の盛り」を意味するのです。
いわゆる「夏の風物詩」なのだ。
 
さて、まず最初に満席のZepp Diver Cityにお見舞いしたのは「TAT/TOO」。

1049回目のVolt-ageの諸星和己。

20ギターは我らのギター・ヒロイン、五十嵐☆sun-go☆美貴。

30vいつでもどこでもsun-goさんはMarshall JVM。
JVM410Hと1960BDMキャビネットの組み合わせが醸し出す轟音はもはや日本のロックギター・サウンドのショウケースのひとつだね。
便利で持ち運びもラク、メンテナンスも必要ないデジタル製品では絶対に出ない音が出ます。
どういう音かというと、どんなに広いコンサート会場でも隅々まで届くギターの音です。
だからsun-goさんのギターの音が魅力的なのね。
Marshallだけが出来る芸当なの。
もちろん「五十嵐☆sun-go☆美貴」のウデがあっての話。

40v下手ギター、香取真人。

50vキーボーズに佐藤真吾。

60vベースは中川量。

70vドラムスは木村創生。

80vそして、パーカッションは中村順一。

90v続いてはステージ上の花火が派手にかーくんをフィーチュアする「Now time Crazy」。

100サングラスをハズし、紫色の帽子を頂いたかーくんは今日も絶好調!

110続いては「Never give up」。

115またサングラスをかけ、左手にはタバコ。
かーくんのワイルドな瞬間。

120図太いsun-goさんのMarshallサウンドはかーくんのワイルドさを演出する。

130vしかし、Volt-ageを重ねるごとにパワフルになっていくなー!

135「ようこそおいで下さいました!
オレの誕生日にこんなに集まって来てくれて今日はうれしいよ!リハの時はイス相手に歌ってツマんなかったんだよ。
今日はオレをシッカリ焼き付けて帰って欲しい。今日もオレのこと、愛しちゃってください!」

140v_mcユッタリと「Gimme Attention」。
昔「ギミアブレイク」というテレビ番組があったけど、この「Gimme a break!」っていう表現ね。
「チョット、冗談はヤメてよ!」みたいな意味なんだけど、コレをネイティブさんに向かって使うと間違いなくウケます。

150v_gaタオルを使ってエキサイトしたのは「God Spell」。
「ゴスペル」か…一時ずいぶん流行ったよね。

160v_gssun-goさんはアコギに持ち替え。

170vちなみに「綴り」を意味すると思われている「スペル」は和製英語です。
「spell」は動詞。
名詞で「綴り」を意味したい時、ネイティヴさんは必ず動名詞にして「spelling」と言います。

180v今回も強烈な照明の連続で撮影のし甲斐があります!

185「Be Happy」に続いてかーくんがタンバリンを手にして熱唱したのは「on my way」。

190_omwこの曲でもsun-goさんはアコギをプレイ。
ところであのdbbでブリッジがフッ飛んだギター…どうなったんだっけ?

200vMCではこのコンサートのひと月前にお亡くなりになったジャニ―喜多川さんについて触れた。
それはかーくんらしい歯に衣着せぬトークで、爽快にして感動的なジャニ―さんへのメッセージとなった。

210_mcMCに続いては「俺の手にSay Good bye」。

220v_sgbsun-goさん、ギター・ソロ!

230v豪快なサウンドでおいしいフレーズを連発!

240vそしてこのアクション。
サウンド、フレーズ、アクションの三位一体の権化が「sun-go」さんなのですよ。

250そんな思い入れMCの後は「君Laしく」。

270v_kla曲の最後でステージを再び彩る花火を背後に熱唱したかーくん。
冒頭に書いたように『Volt-age』の取材も7回目になるんだけど、このコンサートは毎回ステージ・プランがよく練られていて、いつも新しいかーくんを観ている気にさせてくれるんだよね。
とてもスゴイことだと思う。

280ココからはショウの最終セクション。
かーくんもバンドもお客さんも燃え尽きるパートだよ!
まずは「Shake it」。

290v_siこの最終セクションもsun-goさんの素晴らしいサポートぶりが光っていた。

300vマラカスを手にしたかーくんと背中合わせで弾きまくる!310この曲ではベース・ソロや…

315vドラム・ソロも挟み込まれた。

316vそして極めつけはおなじみのコレ。
うまく撮れたんじゃない?
SHOW-YAの時と違っていつやるかわからないからサ…結構ドキドキなのよ。

317ユックリとsun-goさんのサオ回しをご堪能あれ!

318

3195

3196

3197キマった~!

3198ジャンジャン盛り上がるよ~!
矢継ぎ早に「Lovin' You」。

320v_lyこの曲では…

330v上下のギタリストをフィーチュア。

340v佐藤さんの必殺のキーボード・ソロも!
佐藤さんはMarshallの爆音に理解のあるお方…そういう人スキです。

350かーくんはハーモニカをブロウ!

360最終セクションのクライマックス。
もう客席は大興奮以外のナニモノでもない!

370v_cdさらに「Count Down」。

380sun-goさんはセンターに歩み出てますますテンションを上げる。

385vキャノンが炸裂して興奮は完全に最高潮に!

390「Junk Beat」ではギターを持ち替えたsun-goさん。

400_jbスゴイ存在感!
「Volt-age」に「五十嵐☆sun-go☆美貴」は欠かせない!

410vこのコンビネーションを見れば一目瞭然だ。

420v汗みどろになっての大熱演!
いつものことではあるけれど、「コレでもか、コレでもか!」と畳みかけて来るようなステージングが圧巻だ。

425v本編の最後を締めくくったのは「Heaven」。

430_hv「どうもありがとう!楽しかったよ!
立ち止まらずに自分のペースでシッカリと歩んで行ってください。
元気でいてください…元気じゃないと会えませんから!」
…と、かーくんは感動的なメッセージで本編を締めくくった。

450vそしてアンコール。
「どうもありがとう!…年齢感じるわ~。
2階の人!奥の方までよく見えました。ボクの力となりました。ありがとう!」
そして光GENJIのLINEにグループの復活について触れ、再結成について触れた。
やるにしても身体がもたないからローラースケートは1曲だけだって!

460vメンバー紹介。
他の皆さんは紹介されて何がしかの音を出したんだけどsun-goさんはそれをせずに手を振るのみ。

480「ナンか弾かないの?ナンか弾かんと!」とかーくんに言われて音を出したsun-goさん。
「まだまだSHOW-YAも頑張ってるからヨロシク!」と付け加えてくれた。
ありがとうございます。

490そしてケーキの登場!

470「これからも皆さんのスーパースターでいたいと思います!」
本当のスターだから言えるセリフ!

480vそして「やってられないよ」では…

510会場内にタオルが飛び交った!

500今度はギターを手にしたかーくん。
今回はコレが初めてのギターだ。
キタキタ~!…曲は定番の「Try Again」。

520v_ta「Try Again」とくればコレ。
今回は引きで撮ってみた。

530ココも盛り上がったね~!

540vそして最後は、その名の通り「Last Song」。

550まさに熱唱!

560v今回も感動的なステージだった。
『Volt-age 49』おめでとうございます!

570v諸星和己の詳しい情報はコチラ⇒Official Website

580…と思ったら、鳴りやまない歓声に応えて再びかーくんがステージに姿を現した。
そして「あの夏の日」を歌って『Volt-age 49』のすべてのプログラムを終了した。

590vいつも通りサービス満点のコンサートだった。
来年の『Volt-age』は大きな節目になりますナァ!

600vCOVID-19が一日も早く終息し、8月には記念すべき『Volt-age 50』が開催されることを期待しております! 

200 
(一部敬称略 2019年8月12日 Zepp Diver Cityにて撮影)

2020年4月 9日 (木)

LOUDNESS World Tour 2019-2020 THANK YOU FOR ALL Chapter 1:Ampan vs Dragon <後編>


昨日の<前編>をご覧頂きました皆さん、ありがとうございました。
「緊急事態措置」発布後の初日で、さっそく「Stay at Home with LOUDNESS」効果が出たのか、ビックリするほどのアクセス件数を頂戴しました。
今日の<後編>もお楽しみ頂ければ幸いです。
 
さて、コンサートは早くも中盤に差しかかり場面がまた変わる。
『Hurricane Eyes』のセクションだ。

10_2ドラムスは竜さん。
イケイケ~!

20_2まずは「IN MY DREAM」をプレイ。
しかし、汲めども尽きない名曲/人気曲の泉!

30v続いてバラードの贈り物。
LOUDNESSはバラードも大きな魅力だからね。
二井原さんの絶唱が響き渡ったのは「SO LONELY」。
もちろんあのパートではお客さんと大合唱。

40v美しいバラードの余韻に浸る間もなく、二井原さんが「MASAKIくんが歌っていた曲を歌います」と告げると、また違うLOUDNESSが現れた。

50vアルバム『LOUDNESS』のセクションに入ったのだ。
竜さんのドラムスから…

55v_shまずは「SLAUGHTER HOUSE」。
このジャケット、前々から「カッコいいな~」と思っていたら横尾さんの仕事だったのね。60_2ク~、いきなりディミニッシュから入ってドンドン展開していくソロがタマりませ~ん!

70vそして、時折取り上げられる「Black Widow」。
お立ち台に腰かけて歌う二井原さん。

80v_bwもう~、すんごい好き。
コード進行で4度上がるところがトリハダもの…そう、基本的にI-IV-Vので曲が構成されているところがじ~つ~にクールなのだ。

65このソロもスゴかった。
入り口のアイデアなんかは完全に日本人離れしていると思う。
やっぱりいつの時代もロックは洋楽を研究しなければダメだね。

90_2で、コーダするところがトリハダなんだよね。
なんかひとつの物語をキチンと折りたたんで終わらせるみたいな。

100次は『LIGHTNING STRIKES』のセクション。
楽しいね~。
ドラムスはまた あんぱんさんにスイッチ。

110_bso「LET IT GO」かと思うでしょ?
イヤイヤ、「BLACK STAR OBLIVION」なの。
コレもスキ!

120_2疾駆するあんぱんさんのドライビング・ビートに乗って高崎さんが飛ばす飛ばす!

130_2そのまま続けて『METAL MAD』。

140曲はもちろんタイトル・チューンの「METAL MAD」。
リリースされて初めてこの曲を聞いた時、高崎さんがワウをウマく使ったソロがものすごく耳に残ったのを覚えている。

150この曲でもストレート・アヘッドなメタル・ビートにプッシュされた4人の火の玉のような演奏を楽しむことができた。

160鐘の音と二井原さんの「また会いましょう!」のひと言で始まった本編最後の曲。

170_2「鐘の音」といえば…アルバム『THE SUN WILL RISE AGAIN』からタイトル曲。

175_2なんかグランドフィナーレ感がスゴイ!
ドラムスは竜さん。

180チョットこのアルバムがリリースされた時のことを振り返ってみたら…オイオイオイ…もうアレから6年も経っていたのね。
レコ発ツアーはこんな様子だった…
LOUDNESS~WORLD TOUR 2014 "THE SUN WILL RISE AGAIN″

山下さんのベースが鳴り響くオープニングのSEが使われてね、アレもすごくカッコよくて好きだった。

190_2本編最後の高崎さんのソロ。
一瞬たりとも気を抜かない恐るべき集中力が最後まで「高崎ギター」の迫力を醸し出していた。

200_2イヤ~、焼肉とすき焼きをオカズに天丼とトンカツとうな丼をいっぺんに頂いたような内容だった。
でも大丈夫。これで胃液が逆流することはなかろう。
カメラを持って動き回ってクタクタにはなったけどね…でもあmりにもアッという間だった。
今日はアンコールがあるかな?
イヤ、この後にもハイライトが待ち構えていたのだ~!

210アンコール、スタート!

220_kopSEの「REQUIEM」から竜さんのドラムスが爆発!

230_2「KING OF PAIN」だ。
なんじゃコリャ!
まるでもう一回はじめからコンサートが始まったかのようなパワーだぞ!

240山下さんのベース・ソロを経て曲は盛り上がりに盛り上がってエンディングを迎える。

290もう1曲…今度は あんぱんさんがポジションについた。
270_2そうだ、この曲がまだ出ていなかった!
300v_2「S.D.I.」だ!
この曲だって「♪S.D.I.」で大合唱よ。
こういうことができるのもLOUDNESSの魅力のひとつだ。

280vこの期に及んでますます鋭さが増す高崎さんのギター。
ズッと弾いていて欲しい。

250さて「S.D.I.」も出たことだしソロソロかな?…と思うでしょう?
ナンノナンノ!ここからが本題よ。
何せ今日は『Ampan vs. Dragon』だからね。
やっぱり直接対決を期待してしまうでしょう?
大丈夫、ちゃんとプログラムに入っていたよ。
スタンバイ完了の2人。

310_2って、下手は高崎さんだわ!

320上手は あんぱんさん。

330_2まずは「Akira vs. Ampan」のドラム合戦!
高崎さん、去年の『Rock Beats Cancer』のアンコールで「Fireball」のドラムスをプレイした時、気合いを入れ過ぎて、その後の曲でギターを弾くのがシンドかった…なんておっしゃってたからな~。
今日はダイジョブかな?

340v_2満席のお客さんが見守る中、あんぱんさんは全く普通通りの、イヤ常人ではマネの出来ないパワー溢れるプレイで高崎さんを迎え撃った。

350v大きな歓声を浴びる2人のドラマー(?)。

360_2そして竜さんが戻って来て…

370vツイン・ドラムスで「LOUDNESS」!

380「♪ふさぎこむのはヤメにしようぜ!」
この先、日本はまだまだヒドイ状態になると私なんかは見ているけど、ふさぎ込むのはヤメようではないか!
LOUDNESSとMarshall Blogが付いてる!Marshall Blogは余計か…。

390ドラムスの後の高崎さんのソロ…もちろん問題なし!

420そして最後の最後は「CRAZY DOCTOR」。

S41a1066 やっぱりこのソロを聴かないとね!
しかし本当に、「生き残るには今ヤツの手にかからない」ようにしないとね!

400vド迫力のツイン・ドラムスでの「CRAZY DOCTOR」は格別だった!

440客席は総立ち!
初めからだけどね。
LOUDNESSのお客さんって立ち上がって拳を上げて騒いでいるだけじゃなくて、ものすごく真剣に音楽を聴いている感じがするんだよね。
それが正解。
「コンサート」なんだから音楽を聴かないと!

450「トーキョー、どうもありがとう!!」

460大きな歓声に応える5人。

470お疲れさまでした~!

480あんぱんさん、お大事に!

490スクリーンには「THANK YOU FOR ALL」のロゴと

500今日のタイトルが表われて全プログラムを終了した。
みなさん、しばらくの間はSTAY at HOME with LOUDNESSですよ~!
  
LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

510 

200_3 
(一部敬称略 2019年12月28日 六本木EXシアターにて撮影 ※Mr. Kazuo Sumida, thank you very much for your generous cooperation as always!

2020年4月 8日 (水)

LOUDNESS World Tour 2019-2020 THANK YOU FOR ALL Chapter 1:Ampan vs. Dragon <前編>

 

私もいい加減長いこと生きて来たけど「緊急事態宣言」なんてのは生まれて初めてのことだ…というかコレは日本で初めての試みだというから当たり前か?
小学生校時代の夏休み、「光化学スモッグ注意報」が発令されて「外出してはイケません」なんてのはちょくちょくあった。
光化学スモッグ程度ならプールをガマンすれば済んだけど、今回のはそうはイカン。
大地震は覚悟してはいるものの、まさか自分が生きている間にこんなことが起こるなんて今まで一度も考えたことがなかった。
しか~し!
私は毎週イギリスのMarshallのスタッフと電話で簡単な業務ミーティングをしているんだけど、当然話題はCOVID-19になる。
で、彼らの話を聞いていると、緊張感が日本とゼンゼン違うんだよね。
ウエスト・エンドの劇場や店舗はすべて閉まっていて、あのピカデリー・サーカスにもオックスフォード・ストリートにも人っ子ひとりないという。
ちなみに私はほとんど人っ子ひとりいないタイムズ・スクエアというのを経験したことがある。スーパーボウルの日にちょうど大雪が降ったからだ。
アレはなかなかにスゴイ光景だった。
そして、今回あの魅惑のLondon Townも…。
話題を電話ミーティングに戻すと、当然「日本はどうだ?」という話になる。
先週の話にはなるが、「政府から自粛の要請は出ているが、ほとんどの店やライブハウスは開いている」と答えると…
「Oh, my god!!」とかなりビックリ仰天。
そして、「政府からは何の休業補償も提示されていない」と付け加えると即座に…
「Unbelievable!」とまたまた大ビックリ。
「政府が補償しないから店を閉めることができない」と説明すると…
「That's obvious!(そんなの当たり前じゃん!)」という反応だった。
そして、今週の月曜日のミーティングでは、「シゲ、絶対に外に出ちゃダメだぞ。本当にとてつもなく恐ろしいことが起こっているんだぞ!とにかく家でジッとしているんだぞ!」とかなり強く念を押された。
Marshallの社長からもキツい「外出禁止令」が出された。
海外の人は全員そんな意識を持っているんですよ!
いくら「緊急事態宣言」が出されたとはいえ、その内容を見ると日本はまだスタートラインに立ってすらないような気がするのだ。
 
私は元来、太陽の下で身体を動かすなんてことがスキではなくて、家に閉じこもって本を読んだり、音楽を聴いたり、ギターを弾いたりする方が性に合っているので、引きこもりには何の苦痛も感じない。
できれば一日中本を読んでいたい。
しかし、友達のミュージシャンやライブハウスの方々のように、この騒ぎで甚大な経済的ダメージを負っていらっしゃる方のことを考えるととても心が痛む。
とにかくココはイギリスに倣って人と接する機会をなくし、感染の拡大を食い止める局面だろう。
 
そんな折だから、これからの自粛生活を吹っ飛ばす記事をMarshall Blogがお送りするのだ。
まさか「緊急事態宣言」後の第1日目というタイミングに狙って当てたワケでは決してないよ。
タマタマです。
偶然にしろ皆さんを元気づけることが少しでもできればいいな…と思って健筆を奮いました。
オラオラLOUDNESSだぜ、LOUDNESS~ッ!
ふさぎこむのはヤメにしようぜ!
そして、Stay home with LOUDNESS!
(Thanks for your idea, Kazuo!)
 
さて、例年通り『Rock Beats Cancer』の翌日はLOUDNESS。

10今年の仕事納めコンサートのタイトルは『LOUDNESS World Tour 2019-2020 THANK YOU FOR ALL Chapter 1:Ampan vs. Dragon』。
昨年11月からスタートとした「デビュー39周年YEAR」。
向こう1年間に「THANK YOU FOR ALL」というスローガンを掲げ、その先の偉大なる「40周年」に向けてファンへの感謝を届け、そして精力的に世界を回るというプラン。
残念ながら新型コロナという厄介者がLOUDNESSの前に立ちはだかり、若干の計画の変更が余儀なくされてしまいそうだが、ナ~ニ「LOUDNESSの40周年」は逃げも隠れもしない。
みんなでそこに焦点を合わせて祝って行こうではあるまいか!
その第1弾がこのコンサート。
今も脳梗塞の後遺症と戦う「あんぱん」こと鈴木さんと、現在のバンドの屋台骨を支えるサポート・ドラマー「ドラゴン」こと竜さんが、ステージ上でスティックを突き合わせる「Ampan vs. Dragon」なのだ!

20開演前のステージのようす。
赤と青のスポット・ライトの下でセットされた2つのドラム・キット。
ツーバス・キットが2セット並ぶと壮観ですな。
何しろ今日は「Ampan vs. Dragon」だから!

30客電が落ち、「Eruption」のオープニングSEが流れる。

40そして、メンバーが登場しショウがスタートした!

50二井原実

70高崎晃

80v山下昌良

90そして、ドラマーは…鈴木"あんぱん"政行。

100vおなじみの高崎さんの弾く名リフ!

120オープニングは「CRAZY NIGHTS」だ!

110ステージの突き当りのスクリーンには『THUNDER IN THE EAST』のアルバム・ジャケット。
今日はファンへのThanksgivingコンサートだからして、とっておきのナンバーが揃っている。
そして、演奏曲が収録されているアルバム・ジャケットがスクリーンに映し出されるという趣向。
歴史のあるチームじゃなきゃこんなことはできないよ~!

130お客さんの「タッカ~ン!」の呼び声に応えるように高崎さんのソロが炸裂。

140v続けて同じく『THUNDER IN THE EAST』から「LIKE HELL」。

150_lh当然、コブシを上げて二井原さんと「♪Like hell」の大合唱。

160vノッケからスゴい盛り上がりようだ!
ま、いつものことですが。
このお客さんの「この瞬間を待ちわびていた!」とって雰囲気がまたいいんだよね。

170演りなれた勝手知ったる舞台。
メンバーのテンションも高いぞ!

175美しく、そして物悲しいメロディから…

180v_hc_2超ヘヴィなリズム隊が送り出す…

190鋼鉄のトリプレット!

200『THUNDER IN THE EAST』セクションの3曲目は「Heavy Chains」を持ってきた。

210v目の覚めるようなソロ!
ワタシ、大好きなんです「Heavy Chains」。

220もちろん高崎さんの美しいギター・サウンドはいつもの「Takasaki Rig」から。

270v_2

260今日の高崎さんのAxes。

270まずは堰を切ったように『THUNDER IN THE EAST』の3曲をブっ飛ばした!

230「こんばんは、LOUDNESSです!またやって来ましたな…年末が。
今日は2019年の締めくくりです。コレがないと年が越せませんな。
お越しいただきましてありがとうございます。
今日は曲をイッパイ用意して来ましたので最後まで楽しんでいってください!」
二井原さんのごあいさつの後、4曲目は場面が変わって最近作の『RISE TO GLORY』セクション。

280_sofドラムスはDragon、西田竜一に交代。

290v_2アルバムのリード・チューン「SOUL ON FIRE」だ!。

300v最新のLOUDNESSスタンダード。
ココでも高崎さんのギターが会場の空気を切り裂く!

310『RISE TO GLORY』からの2曲目は「I'M STILL ALIVE」。

320_isaドバーっと押し寄せてくる竜さんのドラムス。

360アルバムの中でもメタル度の高い曲が「今」のLOUDNESSをアッピールする。

350この日、新旧のレパートリーで構成されたセットリストが組まれた。
もちろんオールド・ファンにとってスタンダード曲はウハウハものであろうが、こうした新しいレパートリーもすごく楽しみなのがLOUDNESSファンの得なところ。
長い歴史を持つアーティストはとかく過去の人気曲にしがみついてしまいがちだけど、LOUDNESSは「今」がオモシロイのだ。
その長い歴史を貫いているのは高崎さんのギターであることは言うまでもあるまい。
加えて曲のクォリティの高さだ。
いつも次回作が楽しみなのだ!340v『RISE TO GLORY』からのもう1曲は「GO FOR BROKE」。

330印象的な4小節の導入フレーズとは対照的に展開する爆発的なソロが素晴らしい!

370vvココでドラムスは あんぱんさんにスイッチ。

380v_ft場面は『DISILLUSION~撃剣霊化』。

0r4a0167 曲は「夢・Fantasy」。

390v続けて『THE LAW OF DEVIL'S LAND~魔界典章』から「In The Mirror」。

410人気の高いLOUDNESSスタンダード。
もう客席は大爆発!

S41a0723 今日もお客さん、ラッキーだわ~。

420vLOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

0r4a0183_2 <後編>につづく
 

200_3 
(一部敬称略 2019年12月28日 六本木EXシアターにて撮影)

2020年4月 7日 (火)

Rock Beats Cancer Presents LAZY “宇宙船地球号”完全再現ライヴ!! <後編>

 
LAZYの『宇宙船地球号』完全再現ライヴ…ちょっとこのアルバムの背景を見ておこう。
時折Marshall Blogに書いている通り、私は高崎さんと高校が同窓でひとつ後輩なのね。
つまりLAZYとは完全に同世代で、よくテレビに出ていたのも覚えているし、このアルバムのことも知ってはいたけど聴いたことがなかった。
リリースは1980年の12月。
私が高校3年生の時か…ってことは、高崎さんたち、大学1年の年齢でこのアルバムを作ってんのかよ!
四人囃子にもいつも驚かされるけど、畏敬の念を込めて言うが、昔の人は本当にスゴかったナァ。
オリコンの年間ヒット・チャートは3位が「大都会」、2位は久保田早紀の「異邦人」、そして1位が「ダンシング・オールナイト」。
4位にはシャネルズの「ランナウェイ」が入っている。
ちなみに前年は1位から順に、渥美二郎「夢追い酒」、ジュディ・オング「魅せられて」、小林幸子「おもいで酒」…「酒」ばっかりだな…だからね。
ガラっと変わった。
この頃からバンド形態の曲がお茶の間に浸透し出して来たんだね。
でもまだまだ、「ロック」と「歌謡曲」がまったく別の世界にいた時代。
『宇宙船地球号』はそんな時代の確固たる「ロック」の名盤なのだ。(後から聴いておいてエラそうにスミマセン)Uc3曲が終わったところでMC。
口火を切ったのは影山ヒロノブ。
「楽しんでいますか?」
イエ~!
「今日演る曲は一体何年振りだろう…わからない。
でもオレたちもメッチャ楽しいです!」
ココでメンバー紹介。10_2「久々のポッキーです。
『宇宙船地球号』のレコーディングの時のことを思い出しまして…見た目は変わりましたが、気分は80年代です!」20_2「ボクもチョット緊張しているんですけど…。(影山さんを指して)ナンでそんな赤の服を着てるの?…ひとりだけ」
高崎さんがLAZYの最後の衣装を再現しよう、と提案して作った衣装だそうです。30_2アルバム4曲目、「Time Gap」。

40_tg♪ズンズクズンズクと正統派ハードロック・サウンド(当時は正統派しかなかった)に…

50v親しみやすいメロディが乗る。

60vそして曲に合わせてコンパクトにまとめたソロ。
近い将来、こういうサウンドがまた主導権を握るんじゃないか…なんて思ったりするんだよね。
言ってみるとSweetみたいな感じ?

70v_2続けてインストゥルメンタルの名曲、魅惑の地球賛歌のワルツ「遥かなるマザーランド」。

80v_ml影山さんがステージを離れて4人がそれぞれの楽器を歌わせる。
キーボーズ、井上俊次。

90v_2ベースは瀧田イサム。
瀧田さんはGRANRODEOと併せてフル出演!

100_2ドラムスは青山秀樹。
私は幸運にも晩年のお父様のお姿を何度か撮影させて頂いた。

110世にも美しいトーンで壮大なメロディを歌い上げる高崎晃。

120_2いいメロディな~。
高崎さんのギターに感動していたらアッという間に終わってしまった!
 
マスコミは全く取り上げないけど、何でも最近のコロナの影響で世界中の経済活動が停滞し、地球環境がみるみるウチに改善されているんだってね。130vレコードだとココで盤を裏返す。
B面の1曲目だ。140_eaSEに導かれて始まるのは「Earth Ark」。

150vカッチョいいリフがでブッちぎりのドライビング・チューン!

160_2中間部のキメから高崎さんのソロ。
スリリングなフレーズで曲がますますアクセルレイトしていくようだ。

170v_2「楽しんでる?
実は数日前に風邪をひいて、インフルかな?と思って…コンサートが中止になったら大変だと思って病院に行きました。
そしたら普通の風邪って言われました。
いろんなアクシデントがありますよね」
この時はインフルエンザが大事だったからね。
でも、インフルエンザが流行していてもコンサートは開かれていた。
今がどれだけ恐ろしいことになっているか…ということよ。
高崎さんのケンタッキー・フライド・チキンのインタビューの話があって…
「このアルバムは『世界平和』がテーマでした。
40年たった今でもそれは変わっていません」

180前の曲とはガラっと変わってみんなに借りかけるような「僕らの国でも」。

200_2そして「美しい予感」。
ココでも影山さんが感情をタップリと込めて歌う姿が印象的だった。

210_uyギターを持ち替えた高崎さん。
「美しい予感」も高崎さんの作曲なのね。
220vこういうドポップな曲も作っちゃうところがまたスゴイんだよね。
でもアレンジはガチガチのハードロック!235v井上さんのピアノ…。

230_2スクリーンに田中さんや…

240樋口さんの姿が映し出される。

250アルバム最終曲「Lonely Star」。

260_lsこうしてリリースから39年を経て『宇宙船地球号』が5人の手によって完全に再現された。
今年は40周年なのね。
また演って頂かなきゃ!

270

280_2

290_2

300

310v「ありがとう!」

330v_2そして、アンコール。

340「ココでセッション演ります!アマチュア時代の思い出の曲です」
360影山さんと…え、どちら様?

350マジで最初わからなくてアンコールだけのゲストさんかと思ったら、KISHOWさんだった!
声でわかった。

370v曲は「Burn」。

380「♪ぶぁ~ん!」
「Burn」はこれまでの『Rock Beats Cancer』で何度か取り上げられてきた。
以前にもLAZYRODEOの組み合わせの「Burn」があったような気がして調べてみたが、今回が初顔合わせだった。410スッカリ高崎さんとのツイン・ギターにも慣れたe-ZUKAさん。

420この曲を演奏するLAZYがかまやつさんの目に止まったのがデビューのキッカケだった。
1977年のことだったという。
つまり高崎さんたちが16歳の時だぜ!高校生だよ。
栄養がよくなったのか、様式トイレが普及したせいか知らないが、今でこそ「Burn」を平気で演奏するバンドがゴロゴロしているでしょ?
昔はこんな曲を高校生が演奏できる、なんてことはかなりマレだった。
まず、あんなカバーデイルみたいな声なんか出せるワケがない。
クラスにキーボーズが弾ける子がいない。
ドラムの子が少ない上に、とてもじゃないけどあのAメロのバッキングのドラミングなんてできる子がいなかった。
ギターはD難度。そもそもコピーすらできない方が当たり前だった。
だから、その時のLAZYは信じられないぐらい目立っていただろうね。
390v高崎さんとの共演を思う存分楽しむe-ZUKAさん!
KISHOWさんとe-ZUKAさんはこの1曲を演奏してステージを降りた。

400「最後はこの曲です。全てをかけて演奏します」

430印象的な高崎さんのギターのリード・メロディが鳴り響いた最後の曲は当然「感じてナイト」!

440vやっぱり盛り上がるね~!

450今日は最初から最後までフルで出ずっぱりだった瀧田さん。
最後までエキサイトティングなプレイを披露してくれた。

460この年のLAZYを見逃すまいと、最後まで熱い視線を舞台に送り続けた客席の皆さん!
今日はいいモノをご覧になりましたね~。

470LAZYの詳しい情報はコチラ⇒Lantis Web Site

480Rock Beats Cancerの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

490終演後…マーガラ・ガールズの皆さんと。
うれしいな~。
やっぱりMarshall好きはいいロックをご存知なのね!

500 

200 
(一部敬称略 2019年12月27日 六本木EXシアターにて撮影)

2020年4月 6日 (月)

Rock Beats Cancer Presents LAZY “宇宙船地球号”完全再現ライヴ!! <前編>

 
年末恒例の『Rock Beats Cancer』。
LAZYの名盤『宇宙船地球号』の完全再現に加え…

10GRANRODEOが登場し、今回もにぎにぎしく開催された。
大分時間は経ってしまったけど、とても充実したコンサ―トをレポートする。

20会場ロビーにはいつも通り『MHF(樋口宗孝がん研究基金)』の物販と…

30募金を募るスタッフの皆さまのお姿が。
今年もごくろうさまです!

40ショウはGRANRODEOからスタート。

50今回はe-ZUKAさんのギターを冒頭でガツンとフィーチュアして「silence」。

60もちろんe-ZUKAさんはMarshall。
JCM2000 DSL50が2台ステージそでにセットされていた。

70vスピーカー・キャビネットは1960BV。

80vそして、「カナリヤ」。
KISHOWさん、「オープニング・アクトのノリで演らせてもらいたいと思ってます!」なんておっしゃっていたけど、GRANRODEOはもう『Rock Beats Cancer』に欠かせない存在でしょう?

90v続いて昨年5月にリリースしたシングル「セツナの愛」から続けて3曲!100おなじみの「シャニムニ」…

110v「modern strange cowboy」と畳み込むようにプレイ。

130「アキレス腱切っても縁切るな…ってね。オペ終了後3か月、順調でございます!」
痛かったろうな~、アキレス腱断裂。
「2020年は15周年イヤーです。先輩の背中を追い続ける所存でいますが、コレで2019年最後の曲です。
明るい曲を用意しました。
楽しんでください!」

120と、「The Other self」を演奏して出番を締めくくった。
GRANRODEOはアンコールのセッションでまた登場するからね!
 
先月、『飯塚昌明 ANNIVERSARY LIVE “e-XPO 2020”』と『GRANRODEO 15th ANNIVERSARY Startup Live 〜たかが15年〜』が新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった。
とても楽しみにしていただけに私もとても残念だった。
その分、6月の『GRANRODEO 15th ANNIVERSARY FES ROUND GR 2020』への期待が大きくなった!
 
GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

140vつづいてLAZY。
大宇宙の様子がスクリーンに投影され…

150『宇宙船地球号』のレコード・ジャケットとともにステージに姿を現した5人!

160影山ヒロノブ

170v高崎晃

180v井上俊次

190v瀧田イサム

200青山英樹

210アルバムの完全再現だからして当然1曲目は「Dreamer」。

220_dr爽快なドライビング・チューン!

230「待ってました」の高崎さんのソロ!

250vもちろんあの「世界の高崎サウンド」。260当然いつものバックラインが高崎さんをサポートしている。

270v

280一気にテンションが上がる~!

290アルバムの2曲目は「Dreamy Express Trip」。
歌うは高崎さん!

310v_det_2ここでも入魂のソロを炸裂させる。

320確かアレも『Rock Beats Cancer』の時だったと思うけど、高崎さん、ボズ・スキャッグスの「We're All Alone」を歌われたことがあった。
メッチャよかったんだよね~。

340歌もスゴイんだけど合間のオブリガードがまたスゴイのだ。

330v「イッチョあがり」で大歓声~!

350v3曲目の「天使が見たものは」ではシットリと…。

360_tmm影山さんのハートウォーミングな熱唱。

370v曲を分厚くドラマチックに演出する井上さんのキーボーズ。

380そして、後半のハードなパートに突入!

390この曲のエンディングはスゴイな。
ドミナントで終わっちゃう。
何となくポール・マッカートニーの「Live and Let Die」の最後を思い出してしまうのです。

400こうして『宇宙船地球号』の物語が綴られていった。 
次回はアルバム4曲目の「Time Gap」から。
 
LAZYの詳しい情報はコチラ⇒Lantis Web Site410<後編>につづく
 

200 
(一部敬称略 2019年12月27日 六本木EXシアターにて撮影)

2020年4月 3日 (金)

MAYO FEST -REBORN- <後編>

370_3今日は当日の物販アイテムの紹介から。

定番のイベントTシャツ。

11_etB面はこんな感じ。
メッチャたくさんのバンド・ロゴ!

11_0r4a0004前売り券をお買い求めのお客さんにプレゼントされたパスとオリジナル・ランヤード。
記念品販売として当日は物販のテーブルにも並んだ。

11_0r4a0020裏面には当日のタイム・テーブルが掲載されていて便利!…ってコレ、『Marshall GALA2』のパクリじゃんか!
イヤイヤ、心配はご無用。
チャンとMayoちゃんは事前に「Marshall GALAのパスのマネをしてもいいですか?」とお伺いを立てて来た。
こういう気遣いができるところが彼女の人望の秘密なんだな。
どうぞどうぞ!どうせ私もあのアイデアはロンドンで開催されたフェスのパスのマネッこですから!

11_0r4a0021いよいよ『MAYO FEST -REBORN-』もクライマックス。
そのままPlusから、TSP。10RIKI

20vShu

25v今日のShuちゃんのMarshall。
JMP-1とJCM2000 DSL100のパワーアンプを組み合わせて使用。

40vYou+50_2HINA

60vオープニングは定番の「MAD CLUSTER」。
おお、「クラスター」!
TSPは近い未来を予見していた?
ピアノの鍵盤をガーンと適当にゲンコツで叩くでしょ?
そうすると当然いくつかの音がいっぺんに出て来る。
もちろんそれは不協な濁った音だけど、それを「クラスター(音塊)」という。
ちゃんとした音楽用語。
「クラスター」という言葉に悪い印象がスリ込まれないように祈る。
こうして意味もなく外来語を使うとロクなことが起こらないのだ。70_2続いて「附和雷同」。

75「2019年のイヤなこと、全部オレが受けてやる!だからもっとかかってこ来い!」と「BREAK MYSELF」。

80vHINAちゃんもいつも通りの大激唱!
「台風通過中」のような盛り上がり!

90_2最後は昨年リリースした『SCREAM & REBELLION』から…

Sr 「LOUD PARTY」をプレイ。

100_3ドッカ~っと演って台風一過。
いつも通りTSPは爆発した!

110この頃になると、ジーさんの体力も限界に達してしまって…。
トリに取りかからせて頂きます。
『MAYO FEST -REBORN-』のトリ…

120_2AZAZELだ!

130まだまだ元気イッパイのMAYO。

140vyuri150_3空也

160v_2このセットでまず最初にマイクを握ったのは爆弾幸気圧のMiyuki。170v_2曲は「HELIX」。

180この日のAZAZELはお祭りらしく、4人のシンガーを迎えてのスペシャル・バージョンとなった。
その名も「AZAZEL AVENGERS」!

220一体何の敵を討つのやら…というのは、「avenge」というのは「復讐する」とか「敵を討つ」とかいう意味だから。
最近は「revenge(リベンジ)」という単語が日本語化したけど、「avenge」とどう違うのか?
それは復讐する環境によって言葉を使い分けられる。
みなさんよく「再挑戦」みたいな意味合いでこの言葉を口にするけど、ネイティブさんはそういう時にこの言葉を使わない。
ナゼかと言うと、「revenge」は個人的な恨みをはらす時の「復讐」という意味で、言葉にポジティブなイメージを含まないから。
またひとつ外来語の思わしくない使い方が増えてしまった。
じゃ、どういうかと言うと、多分単純に「try again」とか言うんじゃないかな?
一方、「avenge」は不正や悪事に対する正義感から復讐する場合に使う。210v空也ちゃんは今日もMarshallで徹底的にアベンジ!

200_2Miyukiちゃんはもう1曲、「Untamed Heart」を謳ってくれた。190_2続いてのAvenging singerは…230_2JEKYLL!
またやってる!

390_2曲は「DISCLOSE」。

260_3さすがの貫禄。
やっぱりこの声で歌われるとゴッソリ持って行かれるね。

240v_2「ジキゼル」はこの前の月のイベント『Woman's Power』に出演したばかり。

250v_3それだけにバッチリとイキのあったパフォーマンスを披露してくれた。

270v_2お客さんも大喜び!

280_2その盛り上がりに「敵討ち」ならに「追い打ち」を仕掛けたのがこの2人。
330_3Mamiyaと紗良!

350_2曲は「Fall Down」。

300_2この曲を2人で歌いたい…とMayoちゃんにお伺いを立てたらしい。

340_2するとMayoちゃんは「いいよ!」と快諾。

310v_2そんな経緯があっての大熱唱!

S41a1037 Mayoちゃん、ヨカッタね~!

360_2最後は恒例の風船地獄!

370_4曲は「Song for」。

380_3最後までパワー全開!

390_3パンパンとアチコチで風船の割れる音。
これが『MAYO FEST』の締めくくりのサウンド。

400_2お疲れさまでした~。

410_3「(ガラガラ声で)皆さん、ありがとうございました!今日は長丁場でしたが楽しんで頂けましたでしょうか?」

420と挨拶したところで紗良ちゃんがケーキを搬入。

430_3「フゥゥゥ~!」
ケーキの中にはMayoちゃんの好物のゆでアズキが入ってるんだって。
ハハハ、ケーキの傍らにタバコが置いてあるじゃんか。

440_2お誕生日おめでとう!…でも、タバコだけは止めなさい!
悪いこと言わないから。
私も長年吸ってたけど、本当に止めてヨカッタと思ってるぞ!

459「(ガラガラ声で)18バンド…皆さん、どうもありがとうございました!」
お疲れさまでした。
 
またこんなことができる日が早く戻って来ますように…。
 
Mayoの詳しい情報はコチラ
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460<おわり>
  

200 
(一部敬称略 2019年12月22日 大塚Hearts Plus & Hearts Nextにて撮影)

2020年4月 2日 (木)

MAYO FEST -REBORN- <中編>

 
Hearts PlusのThe Blues Dogに続いてはHearts Nextから。

30v_2Nextの2番手「RagDöllz(ラグドールズ)」。

100_2ウムラウトってのは結構人気があるな。
バンド名に時々「ö」や「Ä」を使うチームを見かける。
ドイツのパソコンのキーボードって見たことある?
下がそう。
毎年フランクフルトに行っていた頃、ホテルの部屋にあったキーボードの写真を撮っておいた。
日本のパソコンだと「L」の隣は「+」とか「;」だけど、赤丸のところ…「ö」になってる。その隣が「Ä」。
ま、どうでもいいことなんだけど…。

12dkrMayoちゃんのために大阪から駆けつけてくれた3人。
 
Remi110vYuika

120vmomo

130v_2そして、サポート・ドラマーさん。

S41a0344 デス・ヴォイスの激演とアニメチックなMCのコントラストがスゴイ。
皆さん、本当におしゃべりが上手ね。
昔のロック・バンドはMCがヘタクソ…というか、ほとんどできないのが普通だったんだぜ。
おしゃべりが上手なのは「フォークの人たち」と相場がキマっていた。

140_2今では考えられないこの盛り上がりよう!

11_rdc チョット体力がついていかないので、いくつかスキップさせて頂いてそのままNextから「MERRY FREAKS」。
0r4a0142Ma-yu

0r4a0171Reiri

11_0r4a0135_2 つよぽん!
先日のSilex以来。

160vそして、カンちゃんが出てた!
手裏剣を頭にブッ刺しての熱演。
この2人に会えてヨカッタ。
カンちゃんにはもう何度もNATALを叩いてもらっている。
コレが歯切れが良くていい音なんだわ!

170vゴキゲンなリズム隊に乗ったMa-yuちゃんとReiriさんの魅力的なフロント陣て…

150_2めざせ世界征服!
Marshallがついてるぞ!

11_0r4a0144引き続いてPlusから…

紗良!

190v紗良ちゃん、Marshall Blogへは2回目のご登場。
前回はそれこそ、渡辺さんのThundersnakeでの〇〇ZELの「サラゼル」でのお目見えだった。200ギターのニコラスはMarshallで爆裂!

210_2この人、右手のスタイルが独特。
ジッと見入ってしまった。230紗良ちゃんは歌って、しゃべって、完璧にステージを切り回す名人芸を披露。

240「Firebird」、「KICK ASS」、「unchain」、「Gravity」、「Ready」の5曲を紗良りと歌いきった。

250v_2久しぶりにPlusに戻っての~…

180v_2JEKYLL★RONOVE!

260_2JEKYLL

270vN★OTO

280vSEI

290vキャプテン★いえっち

300vN★OTOくんはMarshall。

310_2どんな時でも愛用のSilver Jubilee 2555Xと1960B。

320vヘッドの上で守護神Slashが見守っていてくれるのだ!

330_21曲目は「Guilt or Innocence」。
435ストレート・アヘッドなハードロック!
やっぱりこういうロックにはJEKYLLのような声が必要だ。
すなわち「ロックの声」だ。

4002曲目は「Biblical Sense」。
このステージの16日前にリリースした2枚目のフル・アルバム『A Dream Within a Dream』から。
「A Dream within a dream」…ポーの詩か。3_ded ドッチードッチーとタテにハードに乗りまくれ!
JEKYLLの声で「♪Love is ecstasy」とヤラれるとメロディがメッチャ耳に残るんだよね~。
やっぱり「歌」は「声」だね。

360メロディアスに展開するN★OTOくんのソロ。
やっぱ「ギター」は「Marshall」だね~。
ヌケとコシが違う!

350歌詞には一度も「Biblical sense」という言葉が出て来ないけど、「in the biblical sense」で「〇〇関係を持つ」という意味。
「〇〇」のところは漢字が一つずつ入るので自分で調べてみてください。
あ、この曲がそれを指しているのかは知らないよ。
でも歌詞を聞けばわか~る。
英語だけど。
CDを買ってブックレットの歌詞を見ながら曲全体を楽しんでね。370_2「年間は数あるライブの中から…(N★OTOくんに向かって)ネェ、大事なモノ用意した?…MAYO FESTに来てくれてありがとう!
最高で~す」

375v「最高で~す」!
出た~!
「大事なモノ」ってそれか!
ま、実際「最高」だからいいか!380_2しかし、プロ野球もどうなるんかね~。
私は間違えても野球中継なんて見ることはないけど、楽しみにしているN★OTOくんが気の毒だ。
あ、そうだ、N★OTOくん…この表紙の女の子、「勇子ちゃん」っていうんだけど、知ってる?
アナタと話が合いそうだね~。

YkそのN★OTOくんが歌うハッピーでとてもわかりやすい「Don't Stop R&R」。
絶唱&絶叫。

420v_2そして『A Dream~』からもう1曲「Anemone」。

0r4a0223 問答無用のドライビング・チューン!
ココでもJEKYLLのロック・ヴォイスの魅力が大爆発だ。
410_2この疾走感!
スカっとするぜい!
450最後を締めくくったのはジキロノのキラー・チューン「Helter Skelter」。

430_2そして、一番前で応援していたMAYOちゃんに…
440「ハッピー・バースデイ、MAYO!」…今回も「MAYOがオバさんになっても」をプレゼント!

340そして、エンディングに向けて突っ走る!

460v

470v実は、この日はこの4人の東京での最後の舞台だった。
SEIくんといえっちは、この後の2月の大阪でのライブを最後にバンドを去っていった。
お疲れさまでした!
そして、新生ジキロノ…楽しみにしています!

480ところで!
こういう偶然はうれしいね~。
本日、4月2日はJEKYLLのお誕生日なのです!
MAYOちゃんのお誕生日イベントのレポートが超仲良しさんのお誕生日に掲載されるなんて何たる偶然!!
やっぱ、ついてるなMatshall Blogは!

JEKYLLちゃん、お誕生日おめでとう!

11_s41a0157 <後編>につづく 
 

200 
(一部敬称略 2019年12月22日 大塚Hearts Plus & Hearts Nextにて撮影)

2020年4月 1日 (水)

MAYO FEST -REBORN- <前編>

 
ナンカ…あんな時があったなんて信じられないね。
「あんな時」というのは、ライブハウスでの「密閉、密集、密接」が当たり前だった頃。
さすがに私みたいな年寄りにはツライこと極まりない環境だが、こうなってみると不思議となつかしい。
イヤ、カメラをかついで夜な夜なコンサート・ホールやライブハウスに出かけていたころがはるか昔のことのようだ…と言うか、そんな日々があったことも信じがたい。
当たり前のことが突然できなくなることの恐怖。
外出禁止令が出ている街中を歩く一般市民が警察に殴打されたり、拘束されたりしているパリやインドの様子を見ていて思い出すのは、戦時下においてドイツがユダヤ人にした「蛮行」に他ならない。
今のところ日本はそんなことに至っていないのが幸いだが、「個」の感覚が希薄で集団心理に滅法弱い日本国民のこと、もう少しことが進んだ時には同じ光景が東京や大阪で展開してしまうかも知れない。
本当に恐ろしいことになった。
 
ところで若いミュージシャンの皆さん、今回のことでよくわかったでしょう。
「音楽の力」とかなんとか言っても、イザとなると社会から真っ先に切り落とされるのが芸術であり、エンターテイメントなんです。
山下達郎さんの「平和でなければ音楽なんてできやしない」という言葉は間違いなく正しい。
そして、その「平和」を実現するのは政府や政治家ではなく、実は民主主義国家においては我々主権者なんですな。
お若い皆さんにはピンと来ないかも知れないけど、コロナだけではなく何かにつけて世の中がドンドン悪い方向に向かっていると思いませんか?
音楽をやりたいのであれば、どうぞスマホやゲームをイジる手を休め、本を読んで歴史を勉強して、選挙に行って、平和な国を作って、思う存分音楽を楽しんでください。
ナニも「大化の改新」やら「平安京」だのを学び直す必要はない。
江戸から明治への転換期の頃から第二次世界大戦の終わりまでで十分。
日本がどういう状態にあって、どう変わり、世界に対して何をしたか、何をされたかをシッカリと再認識できればそれでよし…このあたりのことは学校でほとんど教えてくれないから。
いいですか、欧米諸国の子は学校でミッチリ政治と戦争を勉強させられているんですよ!
今日から3回にわたって掲載するレポートにはMarshall Blogにしては若手の皆さんが登場するので、Marshallジジイからチョットだけツマらないことを言わせてもらいました。
平和も音楽も未来も、作っていくのは皆さん方です。
ハイ、おしまい。
 
さて、昨年に引き続き…イヤ、一昨年に引き続き、去年の末にも『MAYO FEST』に参加させて頂いた。
ナンカ前回「もうやらない」と言っていたような…。
でも『-REBORN-』と銘打って復活!
「ハイハイ、今日で最後ですよ。閉店セール!店内全ての商品が3,000円」よりはゼンゼンいい!

10v_2今回の会場は大塚の『Hearts Plus』と『Hearts Next』。
下は会場のホールに貼り出されたタイムテーブル。
赤い方がHearts Plus。
青い方がHearts Next。
イッパイ出るな~。
しめて「18マン」。
「十八番」ってラーメン屋はよく見かけるけどね~。
浅草の「十八番」はとんねるずの『きたなシュラン』で紹介されて「酸辣湯麺」が有名になっちゃったけど、何と言ってもニラそばが一番。
そしたら…

25こんな動画を見つけた。
ウチは父の代からこの店に通っていて、お運びのおバアさんも父のことをよく知っていた。
そんなもんだから、1人でニラそばを食べに行くと、「お父さん、お元気?」と様子を窺ってくれる。
ウチの父は5年前に死んでいるので、「どうもありがとう…でも、〇年前に死んだんですよ」と答える。
すると「アラま~、いいお父さんだったのに…残念ね」と偲んでくれるのはいいんだけど、今でも行く度に「お父さん、お元気?」と声をかけてくれる。
「イヤ、だ~か~ら~、死んじゃったんですよ」と答えると「アラま~、いいお父さんだったのに…残念ね」とまた偲んでくれる。
最近は塩分の摂り過ぎに注意しているので滅多に行くことはなくなったが、今でも行けばあのおバアさんが「お父さん、お元気?」と声をかけてくれるハズ…そんな温かいハートの店です。
おバアさんこそ元気にしていて欲しい。
塩分がヘッチャラのお若い方々、ニラそばがおススメです?
今回、イベントの開催が日曜日で「ぼんご」が休みだったので、おにぎりの代わりのラーメンネタでした。

さて、スタートは「Hearts Plus」から。

180vロビーには立派な祝い花。
Mayoちゃんってのはスゴイ人望だよな。

50コレがPlusのステージの上手がわ。
MarshallとNATAL。

60NATALのバーチ。
昨日発表した通り、NATALは今春よりヤマハミュージックジャパンさんが輸入&販売することになりましたからね…楽器店で見かけることも増えるかもしれなので、皆さん、ゼヒよろしくお願いします。

70Mayoちゃんはスネア・ドラムもNATAL。
メイプルの14"x5.5"。
布袋さんのバックを務めるスティーブ・バーニー絶賛の品。

80まず時間ピッタリにステージに現れて演奏をしたのは「Akko Machine」。

90Mamiya Jesse

100Akko

11_s41a0042 Y.O.U.子

120そしてMayo。

130v出だしからパワー全開!
出だしだからこそ「パワー全開」できるのか?…後のことは知らんということだな?…そんなことはないか?

140すぐ取れてしまうトナカイのカチューシャが気になる!

150Akkoさんも1曲歌を披露。

110v前回に引き続いて景気の良い演奏で一気に会場のテンションを引っ張り上げた。

155滑り出しバッチリの『MAYO FEST -REBORN-』じゃないの~!

160演奏が終了するとお客さんはとなりのNEXTへ大移動!
雨の中、行ったり来たりで熱心なお客さんはコレを17回繰り返したというワケ。
え、私?
ムリムリ。
なので、Marshallを使ってくれているバンドさんを中心に撮影させて頂きました。
身体がもたないのです。
この先のレポートは出演バンドさんのすべてにご登場頂いているワケではありません。
「ナンだよ!オイラ(あるいはアタイ)もMarshall使ってるのに出てねーのかよ!」ということもあるかも知れませんが、ゴメンなさい…次回の『-REREBORN-』とか次々回の『-REREREBORN-』でゼヒ!
「REREREBORN」なんて「レレレのオジさん」みたいでいいね。
 
アレ?右下…どっかでお見かけしたことのある女性が…。
 
「ハイ、Heats Nextさん、Hearts Nextさん…聞こえますか?そちらの様子はいかがですか?」
170「ハイ、コチラ、Hearts Plusです。
いつでもお客さんをお迎えできる状態になってま~す!」

30v 「Next」のステージのようす。
MarshallにNATALのアッシュ。
この写真を撮っていたら後ろから私の名前を呼ぶ女性の声が…

190おお~、EITA姫!

200vEITAちゃんはNextのオープナーを務めた「FullMoon」で出演。
Nextも時間通りにスタート!

300ねね

220vりん

230v一二三

240vそしてトラで参加のEITA。

250vFullMoonはMarshall Blog通算3回目のご登場。
前回は2014年の渋谷のイベントだったのでほぼ6年ぶり!
ずいぶん雰囲気が変わったな…と思ったらその時のメンバーで残っているのは、ねねちゃんだけなのね?
それとギターのえれんちゃん。

210ところが、そのえれんちゃんがインフルエンザで欠席というアナウンス。
何でも前回もインフルで出演できなかったとか?
そんな人っているのね。お気の毒に…。
この後でまさか「コロナウイルス」なんて厄介なヤツが登場するとは夢にも思っていなかったね。
ちなみに!
「virus」をウイルスと読むのはラテン式ですからね。英語は「ヴァイラス」ね。
ついでにやっておくと…コロナウイルスのワクチンが早く完成して欲しいところだけど、この「ワクチン」は英語で「vaccine」と書く。読み方は残念ながら「ワクチン」ではなくて「ヴァクシン」。
260下はロンドンの街中のクリニックで見かけた看板。
「Travel Vaccinations Available(旅のワクチン接種できます)」…ワクチンを接種することを「vaccination(ヴァクシネーション)」という。
オークランドのTower of Powerという有名なファンク・バンドに「Soul Vaccination」という曲があるよね(カッコいいけど、私はまず聴かない)。
ナンでこんなことを書いているのかというと、日本は「早期英語教育」なんて騒いでいるけど、まずは外来語を整理なきゃダメだと思っているから。
「virus」にしても、「vaccine」にしても、最近平気で使う「chaos(ケイオス)」にしても。「ウイルス」や「ワクチン」や「カオス」と読んだんじゃアメリカ人やイギリス人に通じないよ。
どうせ使うなら初めから英語式の読みからで覚えさせればいいじゃないか。
そうすれば少しは英語を勉強する苦労が軽減されること間違いないんだよ。
どうせ「早期英語教育」は国と教材業者が癒着しているだけでしょう。
だって、いくら小さいウチに学校でチョコチョコ英語を勉強したところで絶対に英語なんか喋れるようにはならない。
ナゼか?
答えは簡単。日常生活で必要ないから。必要のないことはまず身につかないと考えた方がいい。
こんなことは東大での頭のいい官僚さんたちは百も二百も承知のハズでしょう?
ただ、何と言っても「言葉」を作っているのは単語だから、「単語を覚える」という意味合いであれば若いうちから徹底的にイギリス英語の発音で子供に英単語をスリ込むというのは大変有効だと思う。
単語なんですよ、単語。
反対に「lockdown」だの「overshoot」だの「evidence」だの…こんなことは日本語で言え、バカ!
とにかく今の日本語はヒドすぎる!
ゴメンナサイ、私、英語の勉強で苦労して来ているから…つい。

11_s41a0573 EITAちゃんはもちろんMarshall。
ロックに真空管アンプのいい音をヴァクシネーション!

280「Mayoさん、お誕生日おめでとうございます!
私が知る限り、人生No.1の元気な人です。
いろんな意味で尊敬しています!」
Mayoちゃん、スゲエな~。
ホントにみんなの尊敬を集めてる。
後はタバコ止めるだな。
290そして、「3日前という直前のオファーにもかかわらずすべてを察してくれて引き受けてくれた」とEITAちゃんを紹介。
さすが、百戦錬磨のEITA姫!
一緒にMarshallのクリニックをやっていた頃がなつかしいね。S41a0103 Nextの1発目もFullMoonでいいように盛り上がった!

270「もしもしPlusさ~ん、コチラ大分盛り上がったところでそちらにお返しします!」
30v「ハイNextさん、ありがとうございます。お疲れさまでした。大分盛り上がったようですね~」
「コチラもイキますよ~。次の出し物は~」

180v男っぽくThe Blues Dog!

310Masayuki Watanabe

320Zakk Mylde

330Makoto

350v大柴

340vそして、Mayoおじさん。
以上、5人の男くさいラインナップ。

360vこのチームは80年代ハードロック。
やっぱりいいナァ。
演奏に加えて渡辺さんによるパワフルな英語のMCがすさまじい。
コレ、大好き。
恥ずかしがらずに成りきっちゃうところが最高!

370当然ギター・パートもバッチリとフィーチュア!

380「今歌っている人は厚木のThndersnakeのオーナーさんです!
Thundersnakeにも遊びに行ってくださいね~!」
と渡辺さんを紹介。
律儀な人だ。
こういう風に気配りできるところが彼女の人望を厚くしてるんだな。

11_s41a0276 その渡辺さんがお召しになっているWhitesnakeからは「Crying in the Rain」を熱唱。

390正統派トラディショナル・ハードロック・ドラミングもバッチリのMayoちゃん!
男らしい!

400v善明さんのテクニカルなソロが炸裂しまくり!

410最後もWhitesnakeの「Fool for Your Loving」で締めくくった!420vMayoの詳しい情報はコチラ
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430<中編>につづく 
 

200 
(一部敬称略 2019年12月22日 大塚Hearts Plus & Hearts Nextにて撮影)