Rock Beats Cancer Presents LAZY “宇宙船地球号”完全再現ライヴ!! <後編>
LAZYの『宇宙船地球号』完全再現ライヴ…ちょっとこのアルバムの背景を見ておこう。
時折Marshall Blogに書いている通り、私は高崎さんと高校が同窓でひとつ後輩なのね。
つまりLAZYとは完全に同世代で、よくテレビに出ていたのも覚えているし、このアルバムのことも知ってはいたけど聴いたことがなかった。
リリースは1980年の12月。
私が高校3年生の時か…ってことは、高崎さんたち、大学1年の年齢でこのアルバムを作ってんのかよ!
四人囃子にもいつも驚かされるけど、畏敬の念を込めて言うが、昔の人は本当にスゴかったナァ。
オリコンの年間ヒット・チャートは3位が「大都会」、2位は久保田早紀の「異邦人」、そして1位が「ダンシング・オールナイト」。
4位にはシャネルズの「ランナウェイ」が入っている。
ちなみに前年は1位から順に、渥美二郎「夢追い酒」、ジュディ・オング「魅せられて」、小林幸子「おもいで酒」…「酒」ばっかりだな…だからね。
ガラっと変わった。
この頃からバンド形態の曲がお茶の間に浸透し出して来たんだね。
でもまだまだ、「ロック」と「歌謡曲」がまったく別の世界にいた時代。
『宇宙船地球号』はそんな時代の確固たる「ロック」の名盤なのだ。(後から聴いておいてエラそうにスミマセン)3曲が終わったところでMC。
口火を切ったのは影山ヒロノブ。
「楽しんでいますか?」
イエ~!
「今日演る曲は一体何年振りだろう…わからない。
でもオレたちもメッチャ楽しいです!」
ココでメンバー紹介。「久々のポッキーです。
『宇宙船地球号』のレコーディングの時のことを思い出しまして…見た目は変わりましたが、気分は80年代です!」「ボクもチョット緊張しているんですけど…。(影山さんを指して)ナンでそんな赤の服を着てるの?…ひとりだけ」
高崎さんがLAZYの最後の衣装を再現しよう、と提案して作った衣装だそうです。アルバム4曲目、「Time Gap」。
♪ズンズクズンズクと正統派ハードロック・サウンド(当時は正統派しかなかった)に…
そして曲に合わせてコンパクトにまとめたソロ。
近い将来、こういうサウンドがまた主導権を握るんじゃないか…なんて思ったりするんだよね。
言ってみるとSweetみたいな感じ?
続けてインストゥルメンタルの名曲、魅惑の地球賛歌のワルツ「遥かなるマザーランド」。
影山さんがステージを離れて4人がそれぞれの楽器を歌わせる。
キーボーズ、井上俊次。
ベースは瀧田イサム。
瀧田さんはGRANRODEOと併せてフル出演!
ドラムスは青山秀樹。
私は幸運にも晩年のお父様のお姿を何度か撮影させて頂いた。
いいメロディな~。
高崎さんのギターに感動していたらアッという間に終わってしまった!
マスコミは全く取り上げないけど、何でも最近のコロナの影響で世界中の経済活動が停滞し、地球環境がみるみるウチに改善されているんだってね。レコードだとココで盤を裏返す。
B面の1曲目だ。SEに導かれて始まるのは「Earth Ark」。
中間部のキメから高崎さんのソロ。
スリリングなフレーズで曲がますますアクセルレイトしていくようだ。
「楽しんでる?
実は数日前に風邪をひいて、インフルかな?と思って…コンサートが中止になったら大変だと思って病院に行きました。
そしたら普通の風邪って言われました。
いろんなアクシデントがありますよね」
この時はインフルエンザが大事だったからね。
でも、インフルエンザが流行していてもコンサートは開かれていた。
今がどれだけ恐ろしいことになっているか…ということよ。
高崎さんのケンタッキー・フライド・チキンのインタビューの話があって…
「このアルバムは『世界平和』がテーマでした。
40年たった今でもそれは変わっていません」
前の曲とはガラっと変わってみんなに借りかけるような「僕らの国でも」。
そして「美しい予感」。
ココでも影山さんが感情をタップリと込めて歌う姿が印象的だった。
ギターを持ち替えた高崎さん。
「美しい予感」も高崎さんの作曲なのね。こういうドポップな曲も作っちゃうところがまたスゴイんだよね。
でもアレンジはガチガチのハードロック!井上さんのピアノ…。
こうしてリリースから39年を経て『宇宙船地球号』が5人の手によって完全に再現された。
今年は40周年なのね。
また演って頂かなきゃ!
「ココでセッション演ります!アマチュア時代の思い出の曲です」
影山さんと…え、どちら様?
マジで最初わからなくてアンコールだけのゲストさんかと思ったら、KISHOWさんだった!
声でわかった。
「♪ぶぁ~ん!」
「Burn」はこれまでの『Rock Beats Cancer』で何度か取り上げられてきた。
以前にもLAZYRODEOの組み合わせの「Burn」があったような気がして調べてみたが、今回が初顔合わせだった。スッカリ高崎さんとのツイン・ギターにも慣れたe-ZUKAさん。
この曲を演奏するLAZYがかまやつさんの目に止まったのがデビューのキッカケだった。
1977年のことだったという。
つまり高崎さんたちが16歳の時だぜ!高校生だよ。
栄養がよくなったのか、様式トイレが普及したせいか知らないが、今でこそ「Burn」を平気で演奏するバンドがゴロゴロしているでしょ?
昔はこんな曲を高校生が演奏できる、なんてことはかなりマレだった。
まず、あんなカバーデイルみたいな声なんか出せるワケがない。
クラスにキーボーズが弾ける子がいない。
ドラムの子が少ない上に、とてもじゃないけどあのAメロのバッキングのドラミングなんてできる子がいなかった。
ギターはD難度。そもそもコピーすらできない方が当たり前だった。
だから、その時のLAZYは信じられないぐらい目立っていただろうね。高崎さんとの共演を思う存分楽しむe-ZUKAさん!
KISHOWさんとe-ZUKAさんはこの1曲を演奏してステージを降りた。
印象的な高崎さんのギターのリード・メロディが鳴り響いた最後の曲は当然「感じてナイト」!
今日は最初から最後までフルで出ずっぱりだった瀧田さん。
最後までエキサイトティングなプレイを披露してくれた。
この年のLAZYを見逃すまいと、最後まで熱い視線を舞台に送り続けた客席の皆さん!
今日はいいモノをご覧になりましたね~。
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Rock Beats Cancerの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト