Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

« 2013年12月 | メイン | 2014年2月 »

2014年1月

2014年1月31日 (金)

【イギリス-ロック名所めぐり <番外編>】マーブロ聖林へ行く~Mar-Blo Goes to Hollywood <後編>

<後編>もSunset Boulevardから。

540_2コレ、朝の6:30ぐらい。
夕焼けじゃなくて朝焼けなの。
朝は空気が澄んでいるし、湿気が少なくて本当に気持ちがいい。
日本でいえば4月の上旬くらいの気温だろうか。
でも、毛布を頭からかぶった人達がウロウロしていて結構コワイ。
目が合ったりしちゃうとマジでビビるよ。
色のせいもあるのだろうけど、とにかく目ツキがまったく普通じゃないんだ。

560_2さて、この「サンセット大通り」…

570_2私にとっては何と言っても下のヤツ。
ビリー・ワイルダー(映画の話題の時の人名はカタカナ表記にしよう)。
もう何回観たことか!
もっとも好きな映画のひとつ。1950年公開。
グロリア・スワンソン、ウィリアム・ホールデン、エリッヒ・フォン・シュトロハイム。
それぞれの役名をノーマ・デズモンド、ジョー・ギリス、マックスという。
ジョーの若い恋人はベティ・シェイファー。
いい映画は役名もいい。
他にセシル・B.デミル、バスター・キートンらが実名で登場しているのは有名な話。
脚本もワイルダー。
ストーリーの面白さもさることながら、小道具の使い方や伏線の張り方が尋常でなく巧妙だ。
それに引き換え最近のアメリカ映画ときたら…。
もうハリウッドはこういう緻密で面白い脚本を書ける才能が絶滅してしまった。
 
そう言えば帰りの飛行機の中で「情婦(Witness for the Prosecution)」をやっていた。
アガサ・クリスティ原作の法廷劇だ。
これもビリー・ワイルダー。
タイロン・パワー、マルネーネ・ディートリッヒ、チャールズ・ロートン、エルザ・ランチェスター(弁護士とその看護婦を演じた最後の2人は本当の夫婦)という英米独混合の最高の配役。
大ドンデン返しがウリの1957年作品。
これももう4、5回見ていて、もちろんドンデン返しのネタもわかりきっているのだが、つい観てしまう。
そういうのが本当にいい映画。新しい発見なんかなくてもいい。
問答無用に何度も観れる映画がいい映画。
 
飛行機での他の新しい映画があまりにもドイヒーだ。
イギリスを勉強するつもりで『ダイアナ』とかいうのに挑戦したが、とても最後まで観れたものではなかった。
退屈で耐えられなかった。
とにかく洋のの東西を問わず映画は瀕死の状態にあることは否めまい。
アニメは「アニメ映画」であって「映画」とは違う。
ワイルダーやキャプラ、黒澤らと、宮崎を一緒に語るべきではない。
  
それと観たのが小津の『秋刀魚の味』。
いいナァ、小津は。
ようやくその良さがわかって来た。御前さまや黄門さまの演技もいいが、岩下志麻のナント美しく愛らしいことか!
さらに佐田啓二のカッコよさ!
今のイケメンと言われている子たちが百人束になってもカッコよさではかなうまい。
美男美女の基準はこうでなければならない。
杉村春子がつまんない役で出ているのもオモシロかった。
 
とにかくまだ『サンセット大通り』や『情婦』を観ていない人が心底うらやましい!

580v_2

そんな大好きな映画だからミュージカルも好きだった。
ロンドンのウエスト・エンドでは1993年にアデルファイで初演、ブロードウェイの初演は1994年のミンスコフ。
ブロードウェイで初代ノーマ・デズモンドを演じたのは『ガープの世界』、『危険な情事』や『101』のグレン・クローズ。これを観たかった!
私もミンスコフで観たのだが、タッチの差でノーマは2代目になっていた。
でも、これを演じたのはエレイン・ペイジだった。
エレインはウエスト・エンドで『Cats』で最初にグリザベラを演じ「Memory」を歌った人。
イギリスのスーパースターだ。
「アンドリュー・ロイド・ウェバーの最新作と超豪華なセット」ということでが話題を呼んだが、残念ながら『キャッツ』や『ファントム』のような超ロングランにはならなかった。
でも、ジャズを基調とした挿入曲はどれも素晴らしくて、「As If We Never Said Good-Bye」という名曲が生まれた。
下はオリジナル・ブロードキャストによるCD。

590_3ブロードウェイのみやげ屋で譜面まで買っちまった。版権はLarryのところだったのね。

Us_img_0012この映画の重要な場面に出て来るパラマウント・スタジオのツアー。いつか行ってみたいと思う。
Us_psこれが私のSunset Boulevardなのだ。

570そして、今回知ったんだけど、この通りの一部はTHE SUNSET STRIP GUITARTOWNというらしい。
「Strip」とは通りのこと。
英語は「通り」を意味する単語がたくさんあるよね。
StreetやAvenueは誰でも知ってる。
NYCだとタテの通りがAvenue、ヨコの通りがStreet。
大阪で言うと「筋」と「通り」だ。
東京にはこういうのがない。
街が「碁盤の目」状じゃないからね。
日本に来た外国の人は、あまりにも道路に名前がつけられていないことに驚くらしい。
ロンドンなんかはどんなに短くて細い路地や空地でも大層な名前が付けられている。
なので、終戦直後に進駐軍が占領下の東京に来て最初にやったことのひとつは通りに名前をつけることだったという。
例えば、昭和通り…終戦直後は「Dark Street」と呼ばれていた。
 
で、英語の「通り」を示す単語の使い分けが気になってちょっと調べてみた。
Avenue : 街の広い道を指す。語源はフランス語。
Boulevard : 広い並木道を指すことが多い。
Road : 街と街をつなぐ意味が元。「ロード・レース」とかいうもんね。「車道」というイメージらしい。
Street : 街中の舗装された道のこと。人や車が行き交う道。
Strip : お店が両側にある街路。
 
イギリスに行くと、これにCrescent(三日月状の道)やCourt(これは道ではないが地名によく出て来る)なんてのが加わるが、AvenueやBoulevard、Stripというのは見たことがない。もっぱらStreetとRoadだ。
同様に、NYCでもBoulevardはお目にかかったことがない。

このギターのオブジェには「G」の字のロゴが入っている。

730Jack Danielsの広告のピックも弦に挟まってる。こっち側から見るとレフティだ。

575vこうして通りにスポンサーが付いているというのもいかにもアメリカらしい。日本も近い将来こうなるんじゃない?

595_2そして、そのバーボンの広告の根元にあるのが有名なRAINBOW。

600_2MotorheadのLemmyがひがな一日中ここで過ごしていることが名物になっている。

610_2入口の脇にはElvisのプラークが…。

635その隣はMotorhead!
ご存知の通りMotorheadはLemmyもPhil CampbellもMarshallだ。
Lemmyは1992SUPER BASSをベースにしたシグネチャーモデルを、PhilはMarshall創立50周年記念のコンサート『50 YEARS OF LOUD LIVE』に出演したことは記憶に新しい。

Phil Campbellのようすはコチラ⇒【50 YEARS OF LOUD LIVE】 Vol.4
636RAINBOWの壁に掲げてあるWHISKY A GO GOの広告。この有名なハコはココより少し東側に位置している。

620…と思って眺めていたら、アララ、Uli出てんじゃん!NAMMのついでか…。いやNAMMがついでなのかな?
その上はRobby Kriegerだ。

630お店のディスプレイ。やっぱ、レス・ポール・シェイプ。

637vすぐ隣はコレ。

640コレは感動した。
だって「ROXY」なんだもん!この前を通りかかったのは決して初めてではないハズなのに!

650もちろん、私にとってはコレね。Zappaの『ROXY & ELSEWHERE』。
アルバムの大部分の音源が1973年12月10~12日にココで録音されている。
「Son of Orange County」と「More Trouble Day」の2曲は1974年5月11日の「Elsewhere(「どこか他の所で」という意味)」での演奏。
それはペンシルバニアのEdinboro State Collegeという大学で、「Son of ~」の一部はシカゴのThe Auditriumというところで録音された。

660cd_2つまり、この世紀の大名盤はほとんどがここで録音されたワケだ。

670ああ、ここにFrank Zappaがいたなんて!
しかもあれらの究極の名曲が演奏されたなんて!
 
Zappaは音楽だけでなく、ビジネスにもクリエイティビティを発揮した。
かなり昔からメール・オーダーの手法を取り入れたし、海賊盤を正規盤として発売したりもした。
アダプターを付けてシングルCDを世界で最初に発売したのもZappaのハズだ。
 
ちょっと背景を話すと、この『ROXY』の時分はGeorge Duke、Chester Thompsom、Ralph Humphlry、Ruth Underwood、Napoleon Murphy Brock、Jeff Simmons、Walt, Bruce & TomのFowler兄弟というZappa史上もっともZappaらしいメンバーによるZappaらしいレパートリーが集中している時期だった。それゆえ人気も高い。
LPは2枚組なのだが、収録時間がとても短いのが残念。ファンならもっと聴きたい。
しかし、未発表の音源がまだたくさん残っていることも知られており、それがいつ発表されるかというのがZappaファンの定番の話題であり、悲願なのである。

そして、一昨年だったかな?Zappaファミリーはこの『ROXY』の未発表音源を驚くべき手法を用い公開することを発表した。
それは、「CDを販売する」にではなく、「原盤権を販売する」ということだった。
浅学にして私はこの「隣接著作権」とかこのあたりのことに詳しくないが、認識の仕方としては、「この権利を買った人は自分で好きにCDを生産して販売していい」というもの。
しばらく時間が経ったがあれからどうなったろう?…と思ったら普通にCDが出るみたいだ。

680v同じくZappaが演奏した場所といえばNYCのBeacon Theaterも訪れたことがあるが、ライブ・アルバムのタイトルになっているだけにROXYの方が感激が大きい。

690v東京で言えば今は無き「国際劇場」と「日本青年館」だ。
これが全景。
隣にRAIBOWが見える。

700RAINBOW側の壁に掲げられていたのはSABBATHの広告だった。
あ、ちなみにRoxy Musicも好きです。

710vさすがLA。街中の広告もダイナミック!

720ますます西にやって来た。Picoという所。
ここにもGuitar Centerがあるよ。

740こも店もデカイ!

750店の周りにはJeff BeckだのIngwieだの大型のポートレイトが飾ってある。その中でひと際私の目を惹いたのがコレ。唯一のジャズ・ミュージシャン。
ナンでStanly Clarkなの?!

760そして太平洋まで来たよ。Santa Monica。
こっちの人は「サナモナカ」みたいに発音するよね。770まるでブライトン!

780でもこっちの方が南国ムードだ。
ここのショッピング・モールも立派だね。驚いちゃったのが駐車代。
数時間停めてまさかの$1!
赤坂あたりだったら軽く3,000円は越すよ。
つまり、東京の中心地の駐車代はサンタモニカのソレの30倍ということになる!
ロンドンを経験した後では、東京の物価が高いとは決して思わないが、こういう所から来た人に言わせれば確かに東京の物価は「クレイジー!」ということになる。
チョット言っておきますが、もちろん為替レートにもよるけど、ロンドンの物価なんかスゴイよ。消費税(VAT)が20%も含まれているせいもある。
チョット前に確か16%から上がった。
でも、スーパーの食料品なんかは激安だ。
アイテムあたりの量が多いのがタマにキズだが、単価換算すると恐ろしく安い。
つまり、消費税の軽減税率が導入されているということ。
日本政府もマジでコレを考えてもらうことを願っている。

790vこれはロック名所というよりジャズの名所なのかな?R&Bか?
この有名な曲は1946年のBobby Troupの作品。Troupは俳優としても活躍。
お色気系ジャズ歌手、Julie Londonのダンナさまだ。

ここサンタモニカはシカゴからスタートする66号線の西の終点なのだ。

800そして、こんな記念碑が…。Will Rogersって知ってる?
私は不勉強で知らなかったが、この人、「アメリカ人なら知らない人はマズいない」的な、チェロキー族の血を受けたカウボーイ、コメディアン、ユーモア作家、社会評論家、ボードビル芸人、サイレント時代の俳優だったそうだ。
世界中を3度旅して、映画俳優としては1930年代、ハリウッドでもっともギャラが高かったという。
調べてみるともうここに書ききれないぐらいすごいキャリアの持ち主で、こに人の名前が付いた学校が数々はおろか、原潜まであるという。
 
この人いいことを言ってる。「私はまだ嫌いな人に会ったことがない」…ウソでも言ってみたいセリフだ。

810そんな美しいサナマナカでもこういう光景は当たり前。

Tree サンタモニカを後にしてド観光地、ハリウッドの真ん中に移動する。
ずいぶんここもさびれたしまった…ってコレ浅草六区じゃねーか!
ちなみにここ浅草六区は戦前は東洋一の繁華街で、映画館と寄席や芝居小屋が合わせて60近くあったという。
関東大震災の前はもっと栄えていた。
Us_img_00051こっちがホンモノ。
でもね、ハリウッドもホントに同じなのよ。
私は26年前にチョコッと見たハリウッドの姿しか知らないが、その間のハリウッド映画の幼稚化、陳腐化に呼応するようにヒドく猥雑化してしまったように感じた。
表通りの必要以上な喧騒から離れ、ちょっとウラ通りに入れば人っ子ひとり見かけず、昼間からナニが起こってもおかしくないような不気味さが漂っていた。
通りに並ぶ店のほとんどが二束三文の土産品を販売する店舗で、店員は100%と言っていいぐらい黒人。
この街は薄気味悪いことこの上ない。
サッサと移動しよう。

820有名なCapital Tower。
レコードの形をしているワケね。屋根のサオはレコード針なんだって。
このビルはもうすぐiPODの形になりますから。

830アメリカ西海岸地区最大のレコード・レーベル。Johnny Mercer(有名な作詞家。モノスゴイ数の作品がジャズのスタンダードになっている)が設立者のウチのひとりなんだね~。

840v50周年を迎えたThe Beatlesを祝う広告。一昨年のモノだぜ。

850ミュージカル『Mary Popins』がかかっていた。私はコレ、数年前にロンドンで観たけど、ヨカッタな。
あまり語られることがないが、これに使われているシャーマン兄弟の曲の数々は問答無用で名作だ。

860Zappaがないかと下を向きながら「Hollywood Walk of Fame」を歩く…なかった。
でもこんなものを発見。
「Walk of Fame」の50周年を記念するプラークがRUSHの所にだけ貼り付けられていた。
あ、私、Rushはまったくの苦手です。

870おなじみHard Rock Cafe。
KISSのキャンペーンをやっていた。

880チャイニーズ・シアターにも行ってみたが…

890汚ね~!
見るも無残に汚くなってしまった。
あまりにも多くの人が歩くため、石板の表面が摩耗し。文字や手形足形が薄くなってしまっているモノもある。
コレは作り返すワケにも行かないし、その内通行止めにして上を歩けなくするだろうね。
ここでもハリウッド映画、イヤ、アメリカ映画衰退のようすを見た。

900最後に…。
この日の晩、夕食を共にさせていただいたのはKenji Nakai。
マーブロ読者にはご存知の方も多かろう。
Kenjiさんは日本でレコーディング・エンジニアとして活動後、'90年に渡米し、レッチリ、Cheap Trick、Boz Scaggs、Celine Dion、Tom Scott、さらに国内ミュージシャンではChara、福山雅治、アンジェラ・アキ等とのプロジェクトに参加している。
コンサートのミキシングやマルチ・チャンネル作品、ゲーム音楽などの制作にも積極的に取り組んでいる日本を(イヤ、もうアメリカか…)代表する音響マン。
歳も限りなく近く、色々な話しがお聴きできて楽しかった。

居酒屋風のお店で会食をしたのだが、この日のお客さんはほぼ我々だけ。
実はちょうどこの日はグラミー発表の日で、多くの人は外出せず家で、もしくは仲間とスポーツ・バーで授賞式の様子をテレビで見てすごすのだそうだ。紅白状態ね。
ところが!
この放送は録画でナマじゃないんだそうだ。(時差の加減で東海岸はナマなのかも…)つまり、もうみんな結果を知ってるワケ。
にもかかわらず放送に夢中になるのは、グラミーならでは顔合わせのセッションを楽しむのだそうだ。
要するにダウンタウンが時々やってる、相方を替えて漫才とかコントをやるヤツね。

他にも食べ物の話し、アメリカ式思考の話し、チップの話し等々…定番の話題ではあるが、いつ聞いてもこの手の話しは実に楽しいものだ。
最高に楽しい夜だった。

Kn…というワケで3回にわたってお送りした<LA編>。書いてる私は十分に楽しめた。
最後に気がついたことをひとつ。
身の危険を案じてのことか、LAには携帯だかスマホだかをいじりながら歩いている人はまずいなかった。
日本人にもアレはやめてもらいたい。
エラそうに言ってる私も以前はやっていたが、今年に入ってから絶対にやるまいと決心した。何もできない私でもこれぐらいはできる!

ついでに…もうひとつは電車の優先座席で携帯イジってるヤツ。これは以前から私は絶対にしなかったが、いいオッサンやオバサンまでも黄色い吊革の下で平気で携帯をイジくってる。ルールはルール。日本人なら恥を知ろうではありませんか!

910(一部敬称略 2014年1月 ロサンゼルスにて撮影)

2014年1月30日 (木)

【イギリス-ロック名所めぐり <番外編>】マーブロ聖林へ行く~Mar-Blo Goes to Hollywood <中編>

ところで、先日の『NAMMレポート』の時に書き忘れたんだけど、「トラベラーズ・チェックって無くなった…」って知ってた?
昔はセッセとサインしまくったもんだけど、もうないんだってね~。
「落としても安心」とか「両替手数料が安い」とかいいことずくめだったのにクレジット・カードの普及にまったく敵わなかったらしい。
アメリカは特にすごいよね。パーキング・メーターや駐車場の改札機なんて現金を入れるところがないもんね。(「ない」で思い出したけど、食パンありました。リーズナブルなホテルの朝食で発見!もちろんいただきました)

それにトラベラーズ・チェックを受け付けないお店もあったりして段々と不便かつ使うのが億劫になり、私もいつの間にか比較的低額な買い物は現金で、(滅多にないけど)まとまった買い物はカードを使うようになっちゃったね。

クレジット・カードも旅先で落としたりしなければ確かに便利だけど、失くすと泣くよ~。止めるのが実に面倒だし、現金を持っていないとニッチもサッチも行かなくなっちゃうからね。
私の場合、ロンドンで財布を掏られてマァ苦労したのナンノって。クレジット・カードが3枚入っていたからね。2枚はすぐに止められたんだけど、もう1枚が大手家電店で勧誘されて安易に作ったヤツ(よく自動的にVISAとかが付いてくるポイント・カードみたいなヤツ)で、間に入っている信販会社がどこかがわからない。
カードを作っている家電店がわかっても、実際に面倒をみている信販会社がわからないと絶対にカードを失効させることができない。
マジで慌てた。
こうなりゃ時差なんかカンケーねぇ。家内を真夜中に叩き起こして(実際には国際電話で起こしたんだけど…)、その場で片っ端から信販会社に当ってもらった。
あれで懲りた。もう特に用のない余計なカードは二度と作るまい…と心に誓ったのであった。
皆さんもご注意アレ!

さて、これはホテルの裏の空地。
真ん中に黒いものが転がってるでしょ?
これ、人。
そのやや左上の壁の緑の落書きの下に転がっているのも人。
昼間は半袖、陽が出れば日焼けするぐらい暖かいLAの冬だけど、夜はすごく寒くなる。
こうして街中で寝てる人が結構いる。
この広い空地のど真ん中で寝てるというのが何となくアメリカっぽいな。私だったらやっぱり端っこに寝るだろうな…なんで考えてしまった。

550_2今回もGUITAR CENTERから。
ROCK WALKをもう少しやらせてね。ここからが肝心。

これが入口左側の壁。
こういうのは何と言うのだろう…レリーフか?天国の大音楽家たちだ。
上からJaco、Otis, Dimebag、Curtis Mayfield、Miles、Muddy Waters。
あまり似てない。
480v右側は左の列からタテに、Bill Graham(Filmore East & Westのオーナー。Santana他数々の名バンドの面倒をみた)、Roy Orbison(Royは「Pretty Woman」ばかり有名だが、1962をアメリカに持って帰った初めてアメリカでMarshallを使用したミュージシャン)、Randy Rhoads。真ん中の列は同じく上からBuddy Rich、Gene Krupa(Jim Marshallのアイドル)、Robert Johnson、Marvin Gaye、James Jemerson(Motownのハウス・ベーシスト)、Janis、Richie Valens(「La Bamba」の人ね)、Tito Puente(ラテンの大御所。Santanaの「Oye Como Va」はこの人がオリジナル)。
やっぱり似てね~。
470vさて、手形シリーズのつづき。
「Rock Walk」ってぐらいだかた仕方ないのかもしれないけど、あまりにもジャズ・ミュージシャンが少なすぎる!ってんで探してみた。

Herbie。コレはジャズというよりも「Head Hunters」とか「Future Shock」ってところでしょう。手、ちっちぇ~!Herbieは耳もかなり小さいよね。
ChickもKeithもなかったナ…。
190_2Louie Belsonは有名なドラマー。ツイン・バスドラム・キットのパイオニアだ。
310_2あ~あ~、Joe Zawinulなんて花の下敷きだよ!ZawinulはWeather Reportだけだと思ったら大間違いよ。チャンとしたストレート・アヘッドなジャズを演った『To You with Love』なんてゴキゲンなピアノ・トリオ盤がある。
Capitol時代のCannonball Adderleyの数多くの作品に参加していて、有名なスタンダード「Mercy. Mercy, Mercy」は彼の作品。Davis Axelrodプロデュースのアルバムは好きで買ってきて聴いては悦に浸っている。
それがこのザマだもんな~。
390_2さて、肝心な楽器部門いってみよう!

Armand Zildjian。先代のZildjianの社長。Zildjianは今年で創業何年になるのかな?390年ぐらいかな?
Zildjianとはトルコ語で「シンバル職人」という意味。創業者はAvedis。よく知ってるでしょう?
実はジルジャンの本の監修をしたことがあるのよ。そんな関係で2001年に開催された六本木のスイートベイジルの記念コンサートの台本も書かせてもらった。アレは本当におもしろかった。

130_2Steinwayは例のピアノね。

140_2これはマーブロ読者には説明不要でしょう。
Wilkinsonブリッジの創始者、Trev Wilkinsonから聞いた話し。彼は生前のLeoにギターづくりを師事していたことがあった。Trev曰く、「Leoはよく怒っていたよ。テレビでもオーディオでも消費者は新しいものを欲しがるのに、ギターだけは古いものが求められている。54年だか57年だか知らんが、そんな古いギターよりもワシが今やっている新しいことに注目するべきなんだよ!って」…だそうだ。

150_2ERNiE BALLのEarnie Ball。

240_2ピーヴィー。

270_2梯郁太郎さんはローランドの創始者。グラミー賞も獲得している。
320_2アコギ。

330_2打楽器のヘッドの雄、REMOの創始者。
ここでおもしろいのは、みんな名字をブランド名にしているのに(ERNiE BALLは例外)、この会社だけは創始者のファースト・ネームを使っている。

340_2ラディックね。ドイツ系だね。ドイツ読みでは「ルードヴィッヒ」。
そういえばLudwig Donathというオーストリア出身の俳優がいた。「ジョルソン物語」とかヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」とかね。この人は日本では「ルドヴィク・ドナス」という名前で通っていたが、本当は「ルードヴィッヒ・デナート」と発音されていたようだ。

360_2我が友、レス…というのはウソ。一度だけNYCの「The Iridium」でお会いして握手してサインしてもらった。
370_2皆さん大好きのEVH。

380_2スティービーも撮っておいた。ナ~ンでか?
お気づきだろうか?
プラークの日付をご覧ただきたい。そして、<前編>で紹介した「ROCK WALK」のプラークの日付。
全部、1985年11月13日だ。
つまり、このお店のオープンの日。
Guitar Centerは楽器屋さんだもんね。グランド・オープンの時にロックの創造に欠くべからざる歴史に名を残す楽器メーカーの創始者たちを招待したというワケ。
エ、肝心なのが抜けてるって?
ご心配なく!

490_2The Guv'nor、Dr. Jim Marshall OBEはココにあります。
ナンカ、ここにJimが来てたなんてヘンな感じ。
案外手形がデカイ。
Jimは握手をする時、必ず相手の手をギュッと握った。これを見てあの力強いJimの握手を思い出してしまった。
この石板は筆がスムーズに動かず、サインを入れるのがムズカシイのだろう。ブロック体で簡単に署名している人が多い。でもJimは違う。JCMシリーズに施されるあのサイン通りに署名しようとしているところがいかにもJimらしい。
しかし、「ジム・マーシャル」なんて、今更ながら実にいい名前だな~、ウン。

400_2Bo。
結構好き。「Bo Diddley」というのはもちろん芸名で、本名はEllas Otha Bates。アメリカのスラングで「Bo Diddley」というのは「Absolutely Nothing」という意味のようだが、芸名の本当の由来はわかっていないらしい。

510_2お店の入り口のウインドウに飾ってあるアイテムのひとつがBoのギター。
Boはあのトレードマークの四角いギターにもエフェクターを組み込んでいたが…
440v

これはあからさまにスゴイというか、もはやフザけているに違いない。

450vリズム・マシーンまで組み込まれちゃってるんだもん!
460_2もひとつ。1960Bもウインドウに入っている。上に乗ってるレリーフはKurt Cobain。
これにてGuitar Center終了。
次回はSunset Boulevardをさらに西に進む。
430v<後編につづく>

2014年1月29日 (水)

【イギリス-ロック名所めぐり <番外編>】マーブロ聖林へ行く~Mar-Blo Goes to Hollywood <前編>

 
…ということでNAMMへ行ってきたワケだけど、日本の航空会社の機内のアルコールは無料だった。
ま、酒を飲むために飛行機に乗るワケではもちろんないんだけど、やっぱり何につけても日本の航空会社のサービスの方が圧倒的に勝ってるね。
 
さて、いつもはイギリスのロックに関する名所を紹介しているこのカテゴリー、たまにはアメリカもやってみようということでネタを集めてきた。
…といっても、いつも言っているように根っからのブリティッシュ・ロック派の私としては、ロサンゼルスのロックの名所なんて知ってるワケがない。
EaglesとかDoobieとかが苦手で…。ZappaとTodd以外のアメリカのロックはほとんど聴かないからね。
なので内容的には「ベタ」、または「こじつけ」、あるいは「強引」、とにかく「薄い」等のお叱りも受けそうだがやってみようではあ~りませんか。
 
タイトルは大きく「ロサンゼルスを行く」にしようと思ったけど、「ハリウッド」にしてみた。「Frankie Goes to Hollywood」ってイギリスのバンドあるじゃない? 
どんな音楽をやってるのか全く知らないけど、アレに倣ってみた。
 
しかし、昔の人はエライ。
まるで直訳ロックの王様みたいだけど、ハリウッドを「聖林」なんて実にうまく当てたモノだ。
じゃ、ロサンゼルスは漢字でどう書くか?
「羅府」と書く。これは1800年代の終わり頃にLAにいた日本人が「ロス」を漢字化したものだ。
「ラフ」としたのはそういう風に聴こえたからだろうか?

何しろ新婚旅行の時以来のハリウッドだでね~。超久しぶりで面白かった。
まずは、ココ。
Sunset Boulevard(コレ発音ムズカ難しいよね)からスタート。
「サンセット大通り」ね。

10それにしても驚くべきは、いわゆるアメ車っていうの?
あのバカでかい車をま~ったく見かけなくなっちゃったね。
25年位前にはまだウジャウジャ走ってたのに、今では皆無だよ、皆無。
若干ヨーロッパのブランドが多いけど、車に限って言えば、通りの光景は日本とまったく変わらなくなっちゃった。

20_2この通りを西へ進むと楽器屋街がある。
後で知ったのだが、この通りは一応「Guitar Strip」という名前がついているらしい。
要するにNYCなら49丁目、ロンドンならDenmark Street、東京ならお茶の水だ…と言われてもピンとこないな~。
確かに数件の楽器屋さんが集まっているんだけど大味すぎちゃって…。

30_2その中でひときわ目立つのがコレ、Guitar Centerだよね。
楽器をやる人なら誰でも知ってるでしょ。
このGuitar Centerは1959年に「Organ Center」として開店した、現在では世界最大の楽器チェーン店だ。
その後、VOXの売り上げを伸ばし、1964年には「The VOX Center」と名称を変更した。当然、ビートルズの影響だ。
その後、音楽の多様化にともない他のブランドの売り上げが増進したことより「Guitar Center」と再度名称を変更した。
エリック・クラプトンの人気によってMarshallの売り上げも相当大きかったらしい。まだRose MorrisがMarshallの輸出をしていた頃の話し。

40vこれが入口。
入口の上のドラマーはTaylor Hawkins。

50_2ナント言ってもここの見どころは自慢の「Rockwalk」だろう。

60_2店の入り口の手前に広がるスーパースターたちの手形。
もちろんチャイニーズ・シアターのマネッコだが、今や本家よりこぎれいでゴージャスな感じがする。
まず、ここで一番最初にチェックしたいのは当然…

70_2コレ…三波春夫!
アレ? コレ違うな。
じゃ、一世を風靡したデュオ・チーム「Seto & Shishi」…

Us_img_0001「てんやわんや」じゃねーか!
ナンてね。 
コレがやりたくてワザワザ浅草まで行って来た。

Us_img_0002これはホンモノ。
ROCK WALKは1985年11月13日にスタートした。

520_2

やっぱりまずはコレね。
初めてコレを見つけた時は恥ずかしながら何のためらいもなく我が手を合わせました、ハイ。

80_2ま、Van HalenとかEaglesとかじゃおもしろくないのでマーブロ的にちょっとヒネくれたヤツを紹介したいと思う。
これはThe Yardbirds。
左からJimmy Page、Jeff Beck、Chris Dreja、Jim McCarty、Eric Clapton。
Jeff Beckのプラークにくっついているのは「リトル・マーメイド」のステッカー。どっかのファンが勝手に貼っちゃったのかな?
Claptonはどうも別の機会に手形を施したらしく、別の石板になっている。
ちなみにサイド・ギターやベースを担当するChris Drejaは『Led Zeppelin(ファースト・アルバム)』の裏ジャケの4人の写真を撮った人。
『Roger the Engineer』のイラストもこの人の手によるものだ。

90_2これはシブイ…Hubert Sumlin。
Howlin' Wolf Bandのギタリスト。メッチャ指長い!

100_2コレ、どうしてなのかな~?
ファンの方には失礼だけど、なんでSimon Kirkなんだろうな~。
Paul Rogersはないんだよ。ナゼかサイモン。
15~16年前にここに来た時、Mick Ralphs所有の59年のレスポールを売っていた。
値段は7万ドルだったことを覚えている。

110_2ここは往年のスターギタリスト特集。
左からChet Atkins、Scotty Moore、Duane Eddy、James Burton。

120_2これも日本では考えられない。Gary Brooker…Procol Harumね。
新宿厚生年金ホールの楽屋でGaryとは知らずに話しかけて恥をかいた話しはどっかに書いた。

160_2大好きAlice Cooper。
あ、この人も数少ない私が愛聴するアメリカのロック・ミュージシャンだ。
最近はMarshallとも近しくて、数年前にロンドンのRoundhouseで開催したMarshallの大きなイベントで司会をやっていた。
アレ観たかったな~。

170_2The Animals。
左からDave Rowberry、Hilton Valentine、Alan Price、Eric Burdon、John Steel。
ここも歴史が長い上におっそろしくメンバーの出入りが激しいグループだから誰が誰やらよくわからん。
真ん中のプラークには「IN MEMORY CHAS CHANDLER DECEMBER 18, 1938 - JULY 17, 1996」と書いてある。だから撮った。
Steve Dawsonの名前があったらおもしろかったのにな…。

200_2これはLynard Skynard。飛行機事故で亡くなったRonnie Van ZantやSteve Gainesらのプラークも設置されている。
The Animalsと扱いが違うな~。

210_2これは皆さんおよろこびでしょう。

220_2これもシブイ…Solomon Burke。
野音で観たっけな~。柱が気の毒!

230_2Jethro Tull。
左からDave Pegg、Ian Anderson、Martin Barre。
2段でサインしちゃうもんだからMartin Barreのプラークだけ小さくなっちゃった!
ここも3人だけっておかしくね?
260_2トッドはいいでしょう。問題なし。

280_2そういえば、ビートルズ関係はこのGeorge Martinだけだな。

300_2Iron Maiden。
ここはすごくきれいだな。真ん中のEddieがうれしい。

290_2あ、これも好きでした。

410_2ELP。
左からKeith Emerson、GregLake、Carl Palmer。
Keithは人差し指のところ失敗しちゃったね。
手形だとこんなに3人仲良しなのね…あ、これ以上は書きません。

420_2やっぱり日本には来ずじまいなのか、Steve Miller!?

500_2「あッ!」とうれしそうな声を上げて自分の手を合わせる女の子。
誰の手形だったと思う?
答えはオジー。
Ozzy Osbourneでした。ホントにオジーはアイドルなんだね~。
こんな女の子でも家で「♪Generals gathered in their masse~s 」なんて歌ってるのかね?!

250_2<中編につづく>

2014年1月28日 (火)

blurのMarshall

blurが来日した。
世代的にこのバンドを聴いているというワケではないんだけど、身近に感じていることがひとつある。
それは、ロンドンのNational Portrait Galleryがカギを握っている。この美術館はその名の通りトラファルガー広場にある有名なNational Galleryに隣接していて、王室や貴族、名士等々、肖像画だけを展示している。
当然、The Beatlesをはじめとしたブリティッシュ・インベンションの立役者や、国益をもたらしたブリティッシュ・ロックの名ミュージシャンのポートレイトがズラリと並んでいることを期待するワケだ。
はじめて行った時は驚いた。
私が見落としていない限り、常時展示されているのはPaul McCartneyとこのblurだけだったのだ。(写真はStones等チビチビ飾ってある)
そのblurのポートレイトはAndy Waholチックな大きなもので相当目立つものだ。
ロンドンに行くたびにこの美術館にブラっと立ち寄っている内にスッカリおなじみになったというワケ。
10_2Jeff Beckのギター・テクを務めている仲良しのSteveがGraham Coxonとも仕事をしているのだ。

95Steveから連絡が入り、マーブロ取材もOKということで武道館に会いに行って来た。

20_2GrahamのMarshall。
ヘッドは普通の1959SLP。センドリターンがついた現行品だ。
それにPB100が2台。

30キャビネットは左下のプラークからすれば、1960AVにLCフレットを張ったもの。カバリングはLevantなので、1960AXにVintage30を搭載したモノと言った方が近いか…。

40v足元のようす。メッチャ整然としている。

50よく見るとおなじみのエフェクターのコントロールが連なっている。そう、ご想像の通り。
実はこれ元MarshallのR&DチームにいたMike Hillという人の手によるものだそうだ。このMikeはJCM800の開発にも才能を発揮した優秀なエンジニアで、Ken Branと並んでMarshallへの貢献度が高い人だった。

60これはMarshallの後ろに鎮座ましましたる秘密兵器。イヤ、やっている仕事は単純明快。供給電源の電圧と周波数を任意にコントロールしている。

70ここでは230V、50Hzに設定。要するにイギリスでMarshallを使用しているのと同じ環境を作っているワケだ。
Gary Mooreのギターテクとも話しをしたが、彼らは電圧もさることながら、周波数をすごく気にしていて、やはりイギリスと同じ大井川から東のエリアの方がやり安いのだそうだ。

80Grahamのサオ類。

90残念ながらこの日は先約があってショウ自体はみれなかった。Steveとは4月にJeffの来日時に再会することを約束して武道館を後にした。

100(敬称略 2014年1月14日 日本武道館にて撮影)

 

2014年1月25日 (土)

NAMM 2014 <後編>

さて、後編。

…と、その前に。
滞在3日目にして日本食かなり恋し…。20代の頃はステーキだのハンバーガーだのさえあれば何の文句もなかったんだけどね~。毎食肉でもよかったのに…ところが!
ああ、白い炊き立てのご飯と納豆、アジの開きが恋しい…。味噌汁と漬物はなくても平気。

年齢を重ねるごとにいかに日本人が毎食(ここが肝心)おいしいものを食べているかを痛感するね。
で、海外に来て特にマイッちゃうのが朝食。
ホテルにいるから仕方ないんだけど、スクランブルエッグにカリカリのベーコンにフワフワのソーセージ。それにハッシュド・ポテトか…。味付けは塩かケチャップじゃん?ソースすらない。

イギリスにはソースあります。ところが読み方が難しい。「Worcestershire sauce」といって「ウィスターシャー・ソース」みたいに発音する。何でも昔々「ウスターシャー」のオバサンが発明したそうだ。つまりウスター・ソース。

ちなみに「shire(シャー)」というのはイギリスの行政区画のひとつで、「州」みたいなイメージ。MarshallがあるMilton KeynesはBuckighamshaireに属している。
レストランなんかで「ソース」を頼むと「何のソース?」と訊かれるので「ウィスターシャー・ソース」と言わないと我々が想像するソースは出してもらえない。
味は日本のより甘目。犬のマークのソースの方が断然ウマイ。

いかん、脱線した。
で、朝飯でもうゲンナリしちゃうんですよ。おまけにアメリカのホテルでは食パンを見かけることが少なくて、クロワッサンとか丸いヤツとか激甘の菓子パンかフレンチ・トーストばかり。食えん…朝からあんな甘いもん!キュウリも太すぎる!

またぞろイギリスに話しを飛ばすと、イギリス人は食パンをよく食べる。でもイギリスパンというものはない。むしろ日本のものよりやや小ぶりで薄切りで食べるのが普通。

イギリスにウマイものがないのは認めるが、食パンは麦の薫りが強くて総じておいしい。それにペロッとハムとかサラミを挟んで食べればかなり我慢できる。それに非課税だからかメチャクチャ安い。アレなんというサイズなんだろう…50cmぐらいの長さの食パンが£1(180円弱)だからね。
イギリスでは、さもなくばシリアルと果物ね。つまりイングリッシュ・ブレックファストだけは避けてる。あんな油のかたまり、夜でも食えんわ。


納豆、焼き魚、海苔、卵、味噌汁…なんて日本の朝食って贅沢でおいしんだろう!あ~ハラ減った。

ひと通りこぼしたところでMarshallブースへ戻ろう。
今やMarshallはMarshallだけではなくて、ドラムのNATAL、ベース・アンプのEDENを擁していることはマーブロ読者の皆さまならご存知のことだう。
今日はMarshallブースのMarshall以外のブランドのレポート。

140_2まずはNATAL。

145ちょっと前までは「ナニこれ?」的な存在だったが、今では浸透度も増し、かなり多くの人がジックリと商品をチェックしていた。

150v それものそのはず、NATALを取り扱っている数か国のMarshallのディストリビューターの友人に訊いてみると、やはりすごく評判がいいようだ。
理由はコスパ。
「値段の割には品質がよい」と好評だ。

160v展示されていたウォルナットのキット。ウォルナットのキット自体はすでにラインナップされているのだが…

170_2このモデルはハードウェアが「Brushed Nickel」という特別仕様になっている。

180これも同様。

190ちょっとしたスペックの違いで全体の雰囲気がガラッと変わるから面白い。

200こちらはNATAL自慢のPure Stave Snareシリーズ。コレ、スゴイよ。
モノスゴイ音が深い。ギター族の私でもすぐわかる。
実際にこれまで日本のドラマー数人に試していただいたが、メッチャ評価が高い。

210「Stave(ステイブ)」とは「桶(オケ)」という意味。
見るからにいい音がしそうでしょ?これがホントの「オーケー」…ナンチャッテ!

230Pure Stave Snareは材料をプライ(層)ではなくタテに組み込んだ構造になっている。すなわちコンガと同じ製法だ。
もともとNATALはパーカッションのブランドだ。その技術がここに生きている。

240パーカッションやペダル類も展示している。ここでのパーカッションの展示数は多くはないが、カタログ上では代表的なパーカッションはラインナップしている。

250このカホンもそのひとつ。
NATALのカホンはリッチな音色で評価が高い。また「NATAL」のロゴが本体にうまく溶け込んでいる。

260もちろんコンガも健在。
NATALは、もともとは60年代中ごろにアラン・シャープというパーカッショニストが市販のパーカッションに満足できず自前で作ったコンガやボンゴが発祥となっている。それだけにこのあたりのパーカッションはお手の物だ。

270v屋根にも展示はいいのだが…

280コレ、片づける時大変なのよ!

※NATALドラムは、「高田馬場駅から徒歩2分、走って1分、ほふく前進で10分、でんぐり返しではチトきつい」、バズーカスタジオにてお試しいただけます。今ならStave Snareも試せるよん。
詳しくはコチラ⇒BAZOOKA STUDIO公式ウェブサイト

290そしてEDEN。

300今回はEDENも新商品はないのだが、目玉はコレ。
300WのヘッドWTX264と1x12"のキャビを組み合わせたEGRW1264。キャリング・バッグつき。これがアメリカでは大ウケ。

Nm_img_0019 それとこの2×10”キャビネット、D210XTが売れているとのこと。

Nm_img_0022それとこのI-90。ベース用のコーラスだ。

Nm_img_0021しかし!この冷蔵庫はおっそろしいほどの人気だね~。一体一日何人の人がこの扉を開け閉めしたことやら!ま、開けてみたくなるわな、コレ見たら。

Nm_img_0024 人気のMarshallグッズも展示。
写真右のカウンターではカタログを入れるバッグを販売している。これがまたアホほど売れる!
ワタシもフランクフルトでは何回かコレの販売員をやったけど、ホント、鼻クソほじる時間もないほどひっきりなに売れちゃうの。

340Marshallはそのバッグの売り上げで「ウハウハ」するわけではなくて、すべて寄付に充てられる。ここにもJimの精神が息づいている。
今回はJoe Satrianiとともにパーキンソン病の研究に取り組んでいる「マイケル・J・フォックス基金」に謹呈されるのだ。

ちなみにマイケル・J・フォックスというのは芸名で、彼、つまりマーティ・マクフライの本名はMichael Andrew Fox。で、デビューする時に同姓の俳優がいたことより他の名前を付けざるを得ず、自身が大ファンだったマイケル・J・ポラード(Michael J Pllard)の「J」をいただいた。
ポラードは『俺たちに明日はない』でクライド・バーロウとボニー・パーカーの子分を役を演じた人…といえばわかるだろうか?あの小柄の運転手。ポラードもよかったけど、ジーン・ハックマンもよかった。
象を連れてスイスへ亡命する捕虜を描いた『脱走山脈(Hannibal Brooks)』もすごくよかった。コレ、調べてみるとイギリス映画だったんだね。昔の映画はホントにおもしろかった。今の映画と比べると脚本の出来が天国と地獄だ。

350v先日Marshallのウェブサイトが大幅にリニューアルされたという号外を出したが、2014年からMarshallはそうした宣伝材料のすべてのイメージを一新し、ブランドの統一性を強調するようになった。
このカタログもその一例。
表紙を見ただけでも今までのカタログとは全然違うでしょ?中身はもっとイメージチェンジしている。あの目玉男が表紙のカタログが懐かしいね。

360v今回はサイン会等のイベントはなし。
気のせいか、曜日のせいか、どこのスタンドでもアーティストの姿が例年よかなり少ないように感じた。
あ、またウリにはバッタリ会って、ハグハグしてくれながら「今年は日本に行くよ!」と言ってたよ。

ところで、このNAMMショウというのは純然たるトレイド・ショウで、一般のお客さんは入れないことになっている。って知ってた?
つまり、基本的には楽器のを売り買いを生業とする人たち、または音楽業界関係者しか入れないことになっている。ホンマかいな?
辺りを見回すと、どう見てもそうではないような人たちでゴッタ返している。このような傾向がどうも年々強くなっているようだ。
私はNAMMに出入りさせていただくようになってからたがだか15年程度だが、昔は間違いなくこんなに混んでいなかったように記憶している。
基本的に毎年1月のどこかの木曜日から日曜日まで開催されていて、ま、土日は昔から尋常ではない混み合いを見せていたが、木&金曜日は比較的ユッタリとしていて静かだった。

それがここ数年は初日からものすごい混みようなのだ。もう阿鼻叫喚の雑音地獄!今年は耳栓忘れてシンドかった!年末のアメ横もビックリよ。あれで「ハイ、千円でいいよ、ストラト3本で千円でいいよ!」なんてやってくれたらうれしんだけどね。

「リーマンショックも和らぎ、景気も回復基調でNAMMもにぎやかになってきた」と言えば聞こえはいいが、そうではなくてただただ雑然と混み合っている…という雰囲気なのだ。
そういえば去年のNAMM!何か変だなと思ったら日本へ帰ってさぁ大変。思いっきり熱を出して寝込んでしまった。後日ウチの社長に聞いたらイギリスから来たスタッフ10人のうち8人が倒れたとのこと。悪性のNAMM菌が会場内に充満していたのだ。マッチガイない。
開口部が極端に少ないから換気もすこぶる悪い。
それでうるさいもんだからみんな大声で話すでしょ。すると唾がいいように飛び交っちゃって、ウイルスでも発生しようもんなら簡単に飛沫伝染しちゃう。くわばらくわばら。

NAMMの本名は「National Association of Music Merchants」といって設立が1901年ときてる。メッチャ古い!
私が若い頃、そうね、70年代の一般人で「NAMM」なんて知っている人はまずいなかったんじゃないかな?
雑誌にも今みたいに簡単に「NAMMレポート」なんてのは見かけなかったような気がするな~。
それが今では楽器をやる人なら「あ、シゲさんナム行くんスか~?いいナァ~!」なんて知らない人がまったくいなくなったような感すらするよね。
それだけ浸透したとよろこぶべきことなのではあろうが、この混みようだけは何とかしてもらいたい!
一般のお客さんが入っているのを承知しているのなら、逆にフランクフルトのMUSIK MESSEのように週末だけ一般開放するとかして平日は厳然たるTrade Showにしたらどうかね。

ま、いろいろあるんでしょうな。Larryも大変だ。

もうちょっと。
このLarryというのはNAMMの会長さん。私の仲良し。イヤ、正確にいうと仲良しが会長に就任されたんだけどね。
実はこのLarry、お嬢ちゃんが世界的なプロのアイリッシュ・ダンサーで、数年前に来日した。その時のレポートをShige Blogにアップしているのでチェックしてみてくだされ。アレは絶対また観たい。
Shige Blog : 驚愕のアイリッシュ・ダンス!

あ、そういえばHappy Traum夫妻に会った。HappyはBob Dylanより前に「風に吹かれて」をレコーディングしたウッドストックの重鎮だ。亡くなった弟と組んだHappy & Artieも有名。ディランとデュエットもしている。
1969年、例のウッドストックでサブ・ステージに出演する予定だったが、家を出て、あまりの人混みでとうとうステージまでたどり着けなかったという…なんて話しをして東京で夫妻と楽しく過ごしたのが2001年のこと。
なぜ2001年とハッキリ覚えているかというと、彼らが来日したのが9月のことで、例のNYCの9.11が起きてしまい、アメリカへ帰れなくなってしまったからだ。
「どうしよう!」と相談されたが、どうにもできない。放っておくワケにはいかないから、とりあえずソバでも食べよう…と、アレコレ愕然とするふたりの相手をした。
ほどなく、彼らは何とかポートランドまで行く飛行機を見つけた。取り急ぎ太平洋さえ渡れば何とか帰れるハズと踏んだワケだ。
結果、彼らの読みが当たり、ほうほうの体でアメリカ大陸を横断してウッドストックまでたどり着いた…という報告を受けたのは離日してから数日後のことだった。
なつかしいな~。
Happyの奥さんのJaneは私をハグしながら「あの時のおそばおいしかったわよ!」なんて言われりゃ目頭も熱くなるってものです。「情けは人の為ならず」は本来の意味にしておきたいと思っている。
そう、NAMMは年に一度海の向こうの親友たちと顔を合わせるステキな機会でもあるのだ。

飛行機内のアルコールが有料!というセコイ話題で始まったマーブロのNAMMレポート。最後はNAMMの会長の話しで締めくくるなんて格調高くね?ナンチャッテ!
ああ、ニラそば食べたい。

370(2014年1月23日 Los Angels Anaheim Convention Centerにて撮影)

2014年1月24日 (金)

NAMM 2014 <前編>

…ということでロサンゼルスに来てみた。
しっかし、アレどうなってんの?機内のアルコールの話し。なんで有料なのよ?いつからなんでしょ?
今から25年以上前ぐらいは有料だったのは覚えてる。あのころはまだ機内でタバコも吸えてたっけ。
有料になったのを知らなくて、「ヤケにみんなコーラ飲んでるな~」と変に思ったのよ。どんどんサービスが悪くなるね~。ちなみにUAです。

10おなじみNAMM会場。

20Marshallのブース。
去年はちょっと奥まったところだったけど、今年はメインの通りに面したロケーション。やっぱこうでなきゃね!

30相変わらず積んでま~す!

40正面はほぼおなじみの顔ぶれですな。

45v

50vここはMS-2を積んでみた。
中はちょっとした試奏ルームになっている。

65昨年はJimが亡くなって初めてのNAMMだったのでそこかしこにJimのイメージがフィーチュアされていたが、今回登場しているのは受付のカウンター。

70今回フィーチュアされているモデルのひとつ…。

80vHandwiredシリーズだ。

81v試奏ルームにカットモデルがディスプレイされた。

852x10"、18Wの1958X。1974Xの兄弟分。862x12"、18Wの1973X。トレモロ付きだ。

90Marshallの型番で「X」というのはリイシューを意味している。

100こちらは1962HW。1962は絶えることなく生産されてきたので「X」にはならず「HW」という型番が採用されている。

110そしてこっちはカスタム・ショップ籍の「Tatoo Series」。

120コレ、「のぼり竜」とか「唐獅子牡丹」とか純和風のガラにしたらカッコいいんじゃない?

130相変わらず大盛況のMarshallブースなのだ。

60<後編>につづく

(2014年1月23日 Los Angels Anaheim Convention Centerにて撮影)

2014年1月23日 (木)

2013 車いすダンススポーツ世界選手権大会の田川ヒロアキ

駒沢公園。正しくは「駒沢オリンピック公園総合運動場」という名称なんだって。
昭和39年のオリンピックの時に作られたものかと思っていたらそうではなかった。元々は昭和24年の国体のハンドボール場とホッケー場のために作った施設が元になっている。

2020年…ま、このままいけば「東京オリンピック2」まで元気でいられるでしょう。生きている間に自分の街で2回もオリンピックが開催されるとはね~。前回の時は2歳だった。

あ、そういえば味の素スタジアムってあるでしょ?調布の。
アソコへ行くと、すぐそばを走っている甲州街道に「東京オリンピックマラソン競技折り返し点」という大きな標識が立っている。初めてそれを見た時ビックリしたよ。

アノ時のスタート地点は神宮の国立競技場だからね。そこからほぼ京王線を並走する形で延々と甲州街道を走ったワケだ…飛田給まで!42.195kmってスゴイ。そこから折り返してるんだからね~。
運動ギライの私なんか問答無用でスゴイと思うわ。電車で飛田給へ行くのも億劫なのに!

Komaそして、ここは公園内の体育館。前回のオリンピックの時にはレスリングの会場になった。

10_2今日のレポートはレスリングの試合でも何でもなくて「車いすダンススポーツ世界選手権大会」の話題。
車いすに座った状態でダンスの技術を競う世界大会。10年前、前回東京で開催された時には天皇陛下もいらっしゃったそうだ。

20_3選手入場。ヨーロッパとアジア地区、約20の国々から集まった代表たち。

30運営役員や来賓の方々のご挨拶の次に登場したのはゲストの松島トモ子。
ウチの母によれば、何でも私が赤ちゃんの時、松島さんに「可愛い赤ちゃんね~」と頭をなでられたらしい。もちろん私は覚えちゃいないが、50年ぶりの再会だ!

それと、おもしろいのは、この大会のプログラムに小坂憲次参議院議員が祝辞を寄稿しているのだが、長野にいた時、ウチの下の子は小坂さんに頭をなでられたことがあるのだ。
小坂さん、ウチの子の髪の毛を触って一言…「ナンダ、思ったより硬いナ…」だって。
ウチの下の子は今でもかなり髪の毛の色が茶色くて、小さい頃はオレンジ色に近い色だった。それを見てどうしても触ってみたくなったらしい。

40vそして、永六輔さんが登場。この競技を2020年の東京パラリンピックに認定させるための強力な応援団だ。

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをおもしろく、おもしろいことをおもしろく」というのは永さん。元は「むつかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という井上ひさしの言葉のようだが、超生意気ながらマーブロはこれを目指しているんね。なかなかできないけど。

ちなみに私は永さんの『大往生』とか『芸人』とか『職人』とかの著作が案外好きで、トイレで目を通しながら気に入ったおもしろい表現に赤線を引いたりしている。

50松島さんの国家斉唱。

60v_2聴き入る各国の選手団。
その頃、もうひとりのゲストは…

70ステージの裏で最後のチューニングに余念がない。

80v田川ヒロアキの登場だ~!

90_2ま、私も皆さんのご協力のおかげで、ずいぶんいろんな所に取材でお邪魔させていただいているが、この人ほどバラエティに富んだ現場を抱えている人も珍しいのではなかろうか?

100v台風通過中の宮古島でも、エンジンの轟音鳴り響くサーキットでも、氷雨降る駿河台でも、栄えある国体のセレモニーでも、熱気あふれるライブハウスでも、いつでもどこでもお供はMarshallだ!
田川ヒロアキも重要なMarshall大使だ。
120v今日はJMD100HとMF400Aという組み合わせ。ここオリンピックの聖地にMarshallサウンドがこだまする!

105まずはおハコの「Ave Maria」。

110vシンプルで美しいメロディがこの大きな会場の空間を染めつくしている!スゲェ緊張感!もし、一音でもミスったら大変なことになるぞ!どうしよう!?
あ、弾いてるのは私じゃなかったんだっけ。田川ヒロアキだから安心して見てられるわ。
それにしても味わい深いギターの音色だ!

130v_2続いてはアルバム『Ave Maria』の1曲目に収録されている「Speedway」。

140_2オイオイオイオイオイ、こんなへヴィな曲、こんなところでやっちゃっていいのかさッ?!
160v_2大サービスでスライド・ウォッチまで披露しちゃって!

150v…と思ったら外国の人たちに大ウケ!やんややんやの拍手が収まらない!
筑波サーキットであれだけ「君が代」をギュインギュインいわせちゃった人だからね。ま、いいにキマってる!

170v2020年、東京パラリンピックの晴れ舞台でヒロアキ君がMarshallの壁を背に「君が代」を弾いてくれることを確信している!

180田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

190開会のセレモニー終了後はいよいよ競技がスタート。

200様々な種目で日頃の練習の成果を披露する出場者たち。

220
230_2

225_2車いすを用いているということなど忘れてしまうくらいスピーディで流麗な舞い!

250_2
240_22020年パラリンピックでの正式競技採用となることを祈っている。

260 車いすダンススポーツの詳しい情報はコチラ⇒車いすダンススポーツ連盟公式ウェブサイト

270(一部敬称略 2013年12月7日 駒沢オリンピック公園総合運動場体育館にて撮影)

2014年1月22日 (水)

摩天楼オペラ~as if an Orb Tour

「as if」か…。「まるで~のように」ってヤツやね。簡単そうだが仮定法過去や仮定法過去完了で正しくスラっと使うことはなかなか難しい。つい「like」で「みたいな~」とゴマカしちゃう。
事実と反対のことを感情を交えて表現するこの「仮定法」ってヤツは我々の言葉と違う世界に住んでいて(実際にそうなんだけど…)、名前のモノモノしさと時制のシステムのややこしさも手伝ってどうも苦手。よくこんがらがっちゃう。海の向こうじゃ子供だって難なくこなしているってのに…。
これと第五文型がスラスラと使いこなるようになればカッコいいんだけどナァ~…といつも思っている。

その「as if」をニュー・シングル発売ツアーのタイトルにドッカと使ったのが摩天楼オペラ。

Mo_boardこれがそのニュー・シングル『Orb』。
英単語としては、「orb」とは「球」とか「宝球」という意味。

30cd

会場は新木場STUDIO COAST。チョ~満員!

10

http://blog.livedoor.jp/joechang/archives/1658139.html

スゴイ盛り上がり!この雰囲気は「これが見納め」感満載のツアー・ファイナルと思いきや、東名阪のツアーの初日。モノスゴイ勢いを感じる。

20v

40vAnzi

50v彩雨

70v

60v

80vもちろんAnziはMarshallの壁。

90Marshall Wallをギターを弾く条件としている真のMarshall大使のひとりだ、またMarshallがよく似合う!

130クラシックのSEから定番曲「ANOMIE」。
メジャー・デビューした直後の渋谷公会堂(え、今名前なんだっけ?あの時は「C.C.レモン」だった)の時、開演前のBGMでラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」をかけていたのが印象的だった。ちなみラフマニノフのピアコンは「第2番」の第1楽章がへヴィでカッコいいぞ!

110v先回の『GLORIA TOUR』の時には怪しげなコーラス隊が舞台に登場して独特の世界観をうまく作りだしていた。
100今回、こらース隊が登場することはなかったが、このバンドのステージはどこか他のバンドとは異なるオーラみたいなものがあるように感じるんだよね。

120そのキーワードは「美学」なのではなかろうか?どのバンドも口にはしないものの「美学」というものを大切にしていると思う…というよりそうでなくてはショウビジネスなんかにとてもいることができない。こんな私ですらMarshall Blogにそれなりの美学を持たせているつもりだ。

140が、時として「美学」と「オリジナリティ」を混同する傾向があるように見受けられるが、それは違う。
その点、摩天楼オペラは自然に双方を確立しているように思える。つまりケレン味がないのだ。
彼らのコンサートにお邪魔する時、私はいつもその雰囲気を楽しんでいる。

150vインスト曲「Utopia」も絡め、バラエティに富んだ曲を並べ、アノ手コノ手でお客さんを楽しませるショウマンシップも素晴らしい。

160新作「Orb」ではステージに雪が…。

170ドラマティックな展開に完璧に呼応するAnziのエモーショナルなソロ!ここはハイライト!

180vいかにも摩天楼オペラらしい演出。これも美学がなせるワザだ!

Mo_img_0175 本編の最後に控えていたのは「GLORIA」。

200力を振り絞るようにしてこのハードなチューンに取り組み姿は感動的だ。

205客席の盛り上がりようも尋常ではなかった!本編16曲、摩天楼オペラの魅力に満ち溢れた密度の濃いショウだった。

210アンコールは悠のドラムソロでスタート。
悠は椎間板ヘルニアで半年もドラムから遠ざかっていたという。わかるぜ~。
あのね、あれほど痛いもんないよ。症状が悪化すると、痛みが治まる姿勢すらなくなる。寝ても立っても、仰向けになっても、うつぶせになっても痛い。つまり24時間痛いってこと。それも生半可な苦痛ではなくて、大人でも脂汗をタラして悲鳴を上げてしまう激痛よ。
ドラマーがコレをやっちゃったらタマんないよね。
悠くん復帰のよろこびはまるで我がことのようよ。私も椎間板ヘルニア持ちだからね。

220アンコールはドラムソロに続いて「Justice」、そして「DICE」「honey drop」をプレイ。

230さらにダブル・アンコールで「喝采と激情のグロリア」を演奏して幕を下ろした。

240摩天楼オペラの詳しい情報はコチラ⇒摩天楼オペラOFFICIAL SITE

250最後、ひとりステージに残った悠からみんなに感謝の言葉がおくられた。

260(一部敬称略 2013年12月7日 新木場STUDIO COASTにて撮影)

2014年1月21日 (火)

【追悼】佐久間正英さんのこと

記事が遅くなってしまい失礼とは存じながら謹んで一文寄させていただく。

佐久間正英さんが16日にお亡くなりになられた。
また日本の音楽界が偉大な才能を失ってしまった。

世代が古いため、私にとっての「佐久間さん」とは名プロデューサーではなく、飽くまでも四人囃子のベースの「佐久間さん」だ。

四人囃子は本当に好きだ。そして、今では森園さんや大二さんといっしょにお仕事をさせていただいていることによろこびと誇りを感じている。
しかし、残念ながら佐久間さんとはご一緒させていただく機会がなかった。

Ms1佐久間さんが参加している『ゴールデン・ピクニックス』、『Printed Jelly』、『包』の四人囃子の3作は私のロックの愛聴盤だ。
ずっと昔から、佐久間さんのことをどこかケタはずれ才人だと思っていた。実際でそうであることは間違いないのだが、そう思わせる風貌がまたヨカッタ。

ここに掲載している写真は2010年に開催された『Japan Progressive Rock Festival』で撮影したもの。
四人囃子を観たのはこの時が初めてではなかったが、私が日本のロックを聴き始めた頃にはすでに活動を停止していたので、四人囃子に飢えていて、やっぱりこの日もとてもうれしかった(Steve Hackettに初めて会ったのもこの時)。何しろ信じられないくらい蒸し暑い日だったが、この瞬間は暑さも忘れて夢中になってシャッターを切った。

下はもちろん「なすのちゃわんやき」。この佐久間さんのリコーダーがメチャクチャかっこよかった!

Ms2この時、楽屋で佐久間さんにサインしてもらった四人囃子の『From the Vault 2』。上が佐久間さんのサイン。下は大二さん。
坂下さんはウラに、森さんは中にサインしてもらった。私の宝物だ。

0010四人囃子は初代ベーシストの中村真一さんも鬼籍に入ってしまっているので、もうオリジナル・メンバーかそれに近い形での再結成は永久に出来なくなってしまった。悲しいことだ。

今でも『一色即発(1974年)』や『ゴールデン・ピクニックス(1976年)』を聴いているが、何回聴いてもまったく飽きが来ない最上の音楽世界を構築していることに感心する。
そして驚くべきは、これらのアルバムを、日本の20歳ソコソコの若者たちが作ったという事実だ。
「昔の人は偉かった」…では済まされないまでの音楽性の高さを感じざるを得ない。
今、一番若者たちに聴いてもらいたい音楽だ。

佐久間さんも生前現在の音楽界の状況をブログ等で憂いていらっしゃったが、私も同感だ。「日本のレコード会社は自分達の商品、つまり「音楽」を理解していないまま商売をしてしまったことのツケが今回ってきている」的なご発言をされていたように記憶している。

四人囃子の諸作を聴いていると、現在の音楽シーンの幼稚さと退屈さに絶望感を覚える反面、帰るべき場所があるということを指し示してくれているようで、勇気づけられたような気にもなるのだ。
そんな素敵な音楽と同じ時代を生きたことはを幸せなことだ。

佐久間さん、安らかにお眠りください。

Ms3(2010年8月22日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2014年1月20日 (月)

SCANDAL~HALL TOUR 2013 『STANDARD』

ちょっと前にレポートした通り、結成5周年を迎え、ガールバンドの新記録を打ち立て、向かうところ敵なし、絶好調のSCANDAL。
今日のレポートはアルバム『STANDARD』のリリースに合わせて敢行されたホール・ツアーの千秋楽の模様だ。
会場は東京国際フォーラムA。
客電が落ちると同時に「商売繁盛」と「満員御礼」の垂れ幕が…そう、会場は超満員。廓風のセットがシブイ!

10ノッケからステージも客席も信じられないくらいのパワーで一体感が爆発する!

20_2HARUNA

30vMAMI

40TOMOMI

50vRINA

60vいつも通りMAMIちゃんの機材を見せてもらおうかな。

140アンプは当然Marshall。
バンド・サウンドの多様化に対応すべくキャビネットが増設されてから久しい。
1960AXと1960AVだ。

80こっちのヘッドはDSL50F。Fは「ふなっしー」の「F」←あ、これは私が勝手にいっていることです。
ふなっしーはいいよね。船橋市も失敗したね。The Beatlesと契約しそこなったDECCAみたいだ。でも、ふなっしーのギャラは中に入っている人が全部もらうんかね?え、人なんて入ってない?やっぱりそうか!

90こっちはDSL50K。「K」は「クマ」。
そう、Marshallのサウンドは時としてクマのように勇猛だ。

100足元のようす。

110こちらはステージ袖のエフェクター群。

120やっぱりMAMIちゃんというのこのコンビネーション?このストラトがお気に入りなんだね。

130v …といいつつJazz Master。そうそう、MAMIちゃんも結構色んなギターを使うよね。それもファンのひとつの楽しみ。
70vオープニングはニュー・アルバムから「STANDARD」。

1502曲目も同じく「Brand new wave」。

160v人気曲「EVERYBODY SAY YEAH」を挟んでまた『STANDARD』から「オレンジジュース」と新旧取り混ぜのメニュー。

170そしてセカンド・アルバムの『TEMPTATION BOX』までさかのぼって「放課後1H」。
200vで、「打ち上げ花火」~「8 月」とニューアルバムに戻るという行ったり来たりの緻密な構成で飽きさせない。

210vMAMIちゃんのリード・ボーカルで「声」。このバンドはホント、みんな歌がウマイ。
180vここで長尺MC。これはとても興味深かったな。
ニュー・アルバムにちなんで「スタンダード・コーナー」。おでんのスタンダードは大根、ドンブリはカツ丼、それじゃ、「バンドのスタンダード楽器は?」という研究発表。

まずは各パートの魅力をメンバーから発表。
●ボーカル(HARUNAちゃん):バンドの顔、目立つ、どんな仕事でも呼ばれやすい…という点。
●ギター(MAMIちゃん):アンプがなくても弾ける(ムム?!やめてくれ~!)、カラオケができる、ギターソロがカッコいい(ヨッシャ!)。
●ベース(TOMOMIちゃん):ピックだけではなく、いろんな弾き方(スラップ等)ができる。女性プレイヤ―が多く、熱い楽器。
●ドラム(RINAちゃん):気分がそのまま音に出ること、需要が高いためいろんなバンドに参加できる。

では、各々のプレイヤーのステレオタイプは…ようするに「あるある」ね。
●ボーカル:「ボーカル界」ってのがないぐらい我が道を往く。ステージではイケイケだがそれ以外では案外消極的。
●ギター:ギタリスト同志群れない。女性ギタリストはホンワカした人が多い。
●ベース:ベース同士で群がる。マジメか変態。
●ドラム:マジメ、マメ。ブログの更新率高し。コード(和音)の話しに入れない。飲み会の時ワリバシで机を叩く。

なるほど…では苦労する点は…
●ボーカル:ノドのケアと体調管理。
●ギター:F。弦だのピックだの消耗品が多い。(ナント、MAMIちゃん、ギターという楽器は弦が切れたら楽器ごと買い換えるんだと思っていたそうです。気前いい~!)
●ベース:弦高が高い。ギターの後ろでブリブリがんばっても誰も気が付いてくれない(そんなことゼンゼンありませんよ~!いいバンドは必ずいいベースがいます)。コピーが大変。
●ドラム:家やホテルで叩けない。アー写を取る時手持ち無沙汰、スティック2本でポーズを撮るのは大変!

それじゃ、あこがれのパートとその理由は?
●HARUNAちゃん:ドラム。男前な感じ。全身を使って演奏するところ。
●MAMIちゃん:ベース。指弾きがいい。響く低音が魅力的。
●TOMOMIちゃん:ギター。モニターに乗っかって弾きたい!
●RINAちゃん:ボーカル。自分から一番遠いパート。観客をあおるのが気持ちよさそう。

以上がSCANDAL内の研究結果。
…ということで、どのパートがバンドのスタンダードかをお客さんに問うてみたところ…ベースとドラムが人気だった。
そして、決選投票を行ったところ、ドラムの支持がベースを上回った。Marshall的に言えばNATALの優勝だ。ま、確かにNATALは恐ろしく勢いがあるからね。(関係ないか?)

ん~、やっぱ時代は変わるよね~。そりゃ私も加藤茶を見てドラムをやりたかったけど、それは幼い頃の話し。中学生にもなると圧倒的にギターが魅力的に見えた。
だって、カッコいいじゃん!リッチー・ブラックモアやジミー・ペイジがMarshallをバックに恍惚の表情でギター・ソロをキメている写真を見てギターに魅力を感じない若者はいなかった。どう考えてもバンドの花形楽器だった。

つまり、我々の時代のバンドのスタンダードな楽器は間違いなくギターだった。
ところが、Van Halen以降、あんまりにギター演奏技術が進化してしまい、「速弾きのオリンピック」になってしまった。「こんなのできっこない!」という一般人の反応は当たり前。
さらに、誰の、どの曲を聴いても「ピラピラ」とみな同じになってしまい飽きられてしまった。「出尽くした感」は否めない。音楽ありきのテクニックなのだ。

そこへ、パンクだのニューウェイブだの「F」が押さえられなくても誰でもできそうなロックが台頭して来ちゃったもんだから、「ピラピラ組」がシーンの片隅においやられ始めてしまった…というのがエレクトリック・ギターの近代史だろう。
つまり皮肉なことに、一番鍛錬を必要とするタイプの音楽が、一番簡単な音楽に駆逐されたてしまった。「過ぎたるは及ばざるがごとし」か…。

さて、今回SCANDALの4人がおもしろおかしくまとめてくれたけど、実は私の心情はやっぱり複雑なのね。なぜなら、この5,000人を対象にした今回の生アンケートは、いかに若い人が聴いている音楽にギターという楽器の魅力を見い出せないでいるか、いかに今の音楽がギター的に魅力がないか…ということを如実に表してしまったと感じたからなのよ。

やっぱり先輩が後輩にいいものを教えてあげる必要がある。若者は自分たちでいいものを見つける必要がある。いつの時代も「教えるのは大人、見つけるのは子供」なのだ。

「豚バラ大根のもと」のCMで、大根を口に入れようか迷っている子供に向かってお父さんが言うでしょう?「大根いいぞ~、大根」って。アレと同じよ。
「ギターいいぞ~、ギター」と自分の子供ほどの若者にギターのおいしさをすすめてあげたい気分なのだ。そしてこう付け加える。「Marshallと一緒に喰うともっとウマいぞ~」って。
225後半に入ってセットもチェンジ。
230『STANDARD』から「メトロノーム」。

220v「恋のゲシュタルト崩壊」ではHARUNAちゃんが拡声器を手にエキサイト!

190vとにかく息もつかさない熱気に満ちた演奏でコンサートをクライマックスに導いていく。

240「下弦の月」から後は『STANDARD』づくし!
「Weather report(「Birdland」でも「Black Market」でもないよん)」~「会わないもりの、元気でね」~「キミと未来と完全同期」~「OVER DRIVE」。

250そして「太陽と君が描くSTORY}。

SCANDALのコンサートは客席を見ていてもハッピーな気持ちになる。みんなとにかく楽しそうなのだ!ああ、オレももう35歳ぐらい若かったら一緒に歌っちゃうのにな~。

260v「涙よ光れ~STANDARD」で本編の幕を下ろした。

270vすかさず怒濤の呼び戻し!(「呼び戻し」とはアンコールのことです)

280いつも通りツアーTシャツに着替えて登場。

290v「瞬間センチメンタル」…

300v「SCANDAL BABY」…ここの客席との大合唱にいつも感動しちゃうねん。

310v最後の最後は「DOLL」。

320vMCでは6月に東西のアリーナでコンサート開催することが発表され、「SCANDAL TIMES」なる号外も発行された。
6月22日が大阪城ホール。28&29日の両日が横浜アリーナだ。スゴイな~、SCANDAL。今Led Zepppelinが来るよりスゴイんじゃない?
今日も実に楽しかった~!

330SCANDALの詳しい情報はコチラ⇒SCANDAL Official Website

340(一部敬称略 2013年12月3日 東京国際フォーラムAにて撮影)

2014年1月17日 (金)

EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2013 6th 樋口宗孝追悼ライブ<後編>~LOUDNESS

ステージ中央に据え置かれたドラム・キット。このイベントのシンボルともいうべき樋口さんのドラムだ。

25vトリで登場したるは当然LOUDNESS!

30_2二井原実

40v高崎晃

50山下昌良

70v_2鈴木政行

80v_3オープニングは「The power of Truth」。

90v_2「Life After Death」~「Pharaoh」と続く。

100v_2高崎さんはJMP-1を含んだおなじみのセット。これはもうバックラインのひとつの完成型と考えていいだろう。世界的に知られる名バックラインだ。

60_2何たる音圧!ハード・ロック・ギターのサウンドの魅力のすべてがここにある!

120_2「Wind From Tibet」~「THE LOVE OF MY LIFE」~「So Lonely」。
樋口さんの映像と音源に合わせて3人が演奏するシーンはいつ見ても感動的だ。
最後は「S.D.I.」。
鉄壁の7曲でLOUDNESSのステージは幕を下ろした。

130本編終了後、コンサートの冒頭の「Tribute Special Session」に登場したDUSTAR-3のHIMAWARIがステージに上がる。

140

HIMAWARIのパワフルで派手なドラムに乗ってNoBさんたちと演奏したのはナント「Wishing Well」。

150v_2そして、和嶋さんが加わって「War Pigs」!

170_2この日のことを「LOUDNESSと共演、イヤ、正しくは前座として出演」と謙遜していた和嶋さん。高崎さんとの華麗な共演はこのコンサートの大きな見どころのひとつだった!

160_3そして、当日の他の出演者も加わり「SLAUGHTER HOUSE」、「Crazy Doctor」、「Crazy Night」が演奏された。

180v日本のロックの魅力、LOUDNESSの偉業を伝える名イベントのひとつであることは間違いない。
次回も楽しみだ。

LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

190_2(一部敬称略 2013年11月30日 Zepp Tokyoにて撮影)

2014年1月16日 (木)

EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2013 6th 樋口宗孝追悼ライブ<中編>~人間椅子

3番手の登場は人間椅子。

10先日のO-WESTでのワンマン2Daysの際。「あのLOUDNESSと共演、イヤ、正しくは前座…」と告知していたコンサートの当日がいよいよ来てしまった!

20和嶋慎治

130v

鈴木研一

40ナカジマノブ

50vオープニングは「黒猫」。カッコいい。
オクターブを強調した名ギター・リフといえばまず「移民の歌」。それと「Rat Bat Blue」。ルートと完全4度ならDuke Ellingtonの「C Jam Blues」だ。
この「黒猫」ときたら減5度(あるいは増4度)とルートを組み合わせて作られている。いいギター・リフの基本はSimplicityだ。それはこの曲を含めた数々の名ロック・リフが証明している。

60当然今日も和嶋さんは1987のハーフスタックとSGのコンビネーションでステージに上がる。

70何人もマネのすることのできない和嶋サウンドだ。

80v2曲目は「冥土喫茶」。
一心不乱にドハードに展開していくサマが異常にカッコいい。

90vそれにしてもこのタイトル!

100v疾駆するアニキのドラミング!

110v怪しげなアルペジオに導かれるのは「深淵」。

30vすぐさまストレートなエイト・ビートで深い淵に墜ちていく。
こういうへヴィ・チューンはMarshallだねェ。ま、全曲そうなんだけど…。うれしいわ~、こういうロックは。
170組曲のようにコロコロと展開していく曲想も素晴らしい。

1204曲目はノブさん歌うところのハード・ドライビング・チューン「蜘蛛の糸」。最新作『萬燈籠』からの選曲。
先回のダム・コンクリートの記事は楽しく読んでいただいたそうで大変光栄であ~る。またなんかダムネタ仕入れておかんと!

150「賽の河原」。
このおどろおどろしい感覚が人間椅子をサバス視させるんだろうけど、私はほとんどBlack Sabbathを通っていないせいか、そうは思わない。
鈴木さんではないがBudgieなんかに似た周波数を見出すんだよね。
ちなみにカーディフ出身のこのBudgie、日本では「バッジ―」と呼ばれているけど、イギリスでは「ブジー」と発音されているようだ。村ごとにアクセントが異なるというイギリスだけあって、全土でそうなのかは不明なのだが、少なくともイングランド北東部出身のおなじみSteve Dawsonは「ブジー」と発音していた。
Skypeでマイナーなバンドの話しをしていたのだが、Lucifar's Friendに混じって「ブジー、ブジー」と一体何のことかサッパリわからなかった。「ブジーなんてバンドいたかいな?」と真剣に考えてしまった。
ま、トックリ語れるほど詳しくはないが、ブジーがカッコいいことは確かでやんす。
205「♪男子たるもの…」…「新調きゅらきゅきゅ節」。これも『萬燈籠』からのセレクト。

Mh_img_0074 「ぶんがちゃっちゃ」をいっしょに歌ってしまったのは私だけではあるまい!
190そして最後を締めくくったのは大スタンダード「針の山」。

210vMCで「25年同じことをやっている」と和嶋さんはおっしゃっていたが、それでいいのだ。これがいいのだ。ずっと同じことをやって来た結果、今最高にカッコいい。
今、巷間にあふれているロックもどきの音楽はどう考えても25年もの風雪に耐えることはできまい。
これからも変わることなく人間椅子ロックをクリエイトし続けて欲しいと切に願う次第である。

1801月18日には渋谷TSUTAYA O-EASTで『バンド生活二十五年 ~ 猟奇の果 ~』ワンマン・コンサートが開催される。
200時間は短かったが、今回のステージはその前哨戦でもあり、また新たなファンを獲得したに違いない。
私も18日を楽しみにしてるんだ~。「此岸御詠歌」をナマで演って欲しいナ。

220v人間椅子の詳しい情報はコチラ⇒人間椅子オフィシャルサイト

230(一部敬称略 2013年11月30日 ZEPP TOKYOにて撮影)

2014年1月15日 (水)

EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2013 6th 樋口宗孝追悼ライブ<前編>~MAKE-UP

2013年11月30日、Zepp Tokyoにて樋口宗孝氏を追悼するコンサートが今年も開催された。
LOUDNESSを中心にゆかりのあるバンドが登場して樋口さんの偉業を称えるイベントだ。
昨年はSLYがこの日だけ再結成し話題となった。Marshall Blogでレポートもしているので記憶に新しい方も多いことだろう。

10_2今回はトップバッターにHIMAWARiを中心としたトリビュート・バンドが登場し、次いでステージに上がったのがMAKE -UP。

20v「MAKE-UP」は元来高崎さんと樋口さんがやっていたバンドの名前で、それを譲り受けて結成されたバンドがMAKE-UPだ。

30今回は2名のオリジナル・メンバーを含むラインナップだ。

40_2NoBと…

50v_2河野陽吾
この2人がオリジナル・メンバー。

55vそれに加わったのが腕利きの3人…。

白田RUDEE一秀。

60vJunko

70v山口PON昌人

80v_2いつも通りの流麗に必殺フレーズをキメまくるRUDEE。

Mu_img_0331アンプはもちろんMarshall。JVM410HJS。ジョー・サトリアーニのシグネチャー・モデルだ。

100オープニングは「Get the Hero」。

110v_2軽快にしてハード。それでいてメロディアス。いかにもMAKE-UPらしい曲!「」Mu_img_0269続いて「Salvation Army」。これまたストレートなポップ・ハード・チューン。NOBさんの「♪Salvatiopn army」のシャウトが実に快い!

120vMarshall Blogに初登場いただくリズム隊の2人。

130v_2完璧なアンサンブルとステージアクションんでMAKE-UPの魅力を増幅させた。

140v_2ドラムのPONさんはNATALを使用。

150v10"、12"、13"、16"、2x24"、145.5"のメイプルのキット。フィニッシュはシルバー・スパークル。

160_2これがまた超クリスピーにしてドへヴィなサウンドで、PONさんのパワフルかつスキルフルなドラミングを完璧にサポートする。
175それにしてもこのキックの音!
もちろん叩き手のよさがモノをいうのは百も二百も承知しているが、それでも素晴らしい。
NATALいいナァ~。好きよ。

170v分厚いディストーション・サウンドのリフで始まる「Lady Rosie」。
さすがMarshallとNATALのコンビネーションは一分のスキもない!

Mu_img_0326この日、会場はイス席で、「いつもと雰囲気がゼンゼン違うな~」と眼の前の様子が気になるNOBさん。
190v「これはみんな知ってるだろ!」と飛びだしたのは待ってましたの…185「ペガサス幻想」!

180_2一発で会場総立ちの大盛り上がり!

200_2「♪セエインセヤ!」の大合唱で一気にクライマックスに上り詰める。

210そして、MAKE-UPのステージ最後を締めくくったのは「Runaway from Yesterday」。

Mu_img_0260演奏したのは5曲と決して多くはなかったが、伝統ある名バンドのDNAが満員の会場の隅々にまで行き渡った。

230_2是非、このメンバーでパーマネントな活動をしてもらいたいものだ。

240MAKE-UPの詳しい情報はコチラ⇒MAKE UP OFFICIAL SITE

250※NATAL DRUMSは高田馬場BAZOOKA STUDIOでお試しになることができます。

(一部敬称略 2013年11月30日 Zepp Tokyoにて撮影)

2014年1月14日 (火)

SCANDAL~デビュー5周年記念パーティ

「777」はパチンコ?「666」はダミアン、それじゃ「555」は?
我々の世代では三船剛か?

アップが大幅に遅くなってしまったが、おめでたい話題。
デビュー5周年を迎えたSCANDAL。デビューから5作連続TOP5入りというガールズバンド史上初の記録を達成したのだ。「555」だ。
その快挙を記念したパーティが昨年10月に東京キネマ倶楽部にて開催された。

10_2このイベント直前に発売ニューアルバム『STANDARD』購入者の中から555名が招待され、デビュー5周年記念パーティーを開催した。

20HARUNA

30vMAMI

40v_2TOMOMI

50v_2RINA

60v_2ライブ・コーナーのオープニングは「OVER DRIVE」。

70続いて「下弦の月」。

80v_2さらに「会わないつもりの、元気でね」…とヒットシングル曲を連発!

90vもう余裕たっぷりの堂々たる完璧な演奏。いつもSCANDALには強烈なプロフェッショナリズムを感じる。

100_2MAMIちゃんは当然いつものMarshall…写ってないけど。

120v「ダンス&ボーカルスクールでバンドを始めて、人 生本当に変わった」…とSCANDALを結成した「8月」のことを歌ったその名も「8月」。

130v締めくくりはスタンダード「SCANDAL BABY」。
この曲、サビになるとお客さんも一糸乱れず一緒に歌うでしょ? アレ、歌詞の内容も相まって実にグッときちゃうんだよね?
エ、「自分は」って?ハイ、シャッター切りながら一緒にハミングしてます。会場でMarshallのシャツ来てカメラをぶら下げてるオッサンがいても絶対に観察しないように!

140_2全5曲。ここでも「5」!ま、55曲演奏してもらってもいいんだけどね、SCANDALなら!
時間的には短かったけど、SCANDALの魅力が溢れた選曲と演奏だった!

110バンド・パフォーマンスの後は5周年を祝うセレモニー。

150ステージの中央に登場した黄金の大きなくす玉。

160_2セ~ノ!ヒモを共同作業で引っ張ると…

165vガールズバンドの歴史を塗り替える偉業を称えた垂れ幕が!

166v快挙達成によろこぶ4人!

170_25年の活動やこれからの意気込みがメンバー各々からファンへの感謝の気持ちともに語られた。

210v さらにサプライズでT.M. Revolution、リリー・フランキー他各氏からお祝いのビデオ・レターが公開された。

180最後はファンと記念撮影。

240_2両手は全員「5~」!

230_2もう終了してしまったが、SCANDALはこの後『SCANDAL HALL TOUR 2013「STANDARD」』と銘打ったツアーを敢行。
東京国際フォーラムでの公演の模様を後日Marshall Blogでもレポートする予定しているので乞うご期待!

250_2SCANDALの詳しい情報はコチラ⇒SCANDAL Official website

260v(一部敬称略 2013年10月8日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2014年1月10日 (金)

Trio the Collagens~ゆく年来る年2013

比較的間髪入れずして登場したるはTrio the Collagens。
年末に開催された『ゆく年来る年2013』と題されたコンサートのレポート。

10この日はダブル・ヘッドライナー。
まずはハラマサシ ブルーズ ロック トリオがステージ姿を見せる。

20原マサシ

30v宮本尚和

40関口能光

50v_2相変わらずのすさまじいパフォーマンス。

60地球上で「歌」に次いで汎用性の高い楽器、ギター。それだけに弾き方も弾き手も色々あれど、マサシさんのように弾ける人は多くはあるまい。
まさにギターの化身なのだ。
そして最上級のトーン!さすが「Mr. Tone」の異名を取るだけのことはある。どんなにワイルドなプレイをしたとしても、出て来る音はギターの大トロ。おいしい部分しか出て来ない。
こういうサウンドを目の当たりにすると機材の改造みたいなことが至極滑稽に見えてくる。人間は指でいくらでも機材に改良を加えられることがわかるいい一例だ。

80スライドバーは曲によって材質の異なるモノを使い分けている。この音がまた素晴らしい!
70v今、マサシさんに乗り移る乗り移っているのはRoryかJimiか…。「鬼気迫る」というのはこういう状態を形容する言葉に違いない。

120それにピッタリと併せるリズム陣。

60v完璧なサポートで極上のブルース・ロックを奏で上げる。

90v客席に飛びこんでのプレイ。
マサシさんvs.お客さん全員でマサシさんの勝ち!あ、私も一発でノックダウン。

100そして、Trio the Collagensの登場。
140おなじみ大谷令文。
東北を回って東京に帰ってきた。この日4か所目の公演。「今日、燃え尽きる!」と令文さんの宣誓が冒頭についた。

150vアンプもおなじみの令文1959。

160v愛器も健在。

170v足元のようす。これでいいのだ。

180おなじみ小笠原義弘。

190vEDEN WT-800とD410XST。

200v足元のようす。今日はイージー・バージョン。

210おなじみ髙橋"Roger"和久。

220vレパートリーは先回レポートした時のツアーとそう変わりはない。それがいいのだ。
で、1曲目は「いいのだ」でいいのだ。

230
続いて怒濤のハード・ドライビン・ブギ、「Razor Boogie」。

240vChris Duarteにも似た曲調のものがあるが、こういうのはもうオガンちゃんの独壇場だわね。タマリマセン!

250写真では歌ってないけど、令文さんのボーカルがクールな「Sister Spider」。

260vボーカルが変わってロジャーさんの「Call on me」。実に愛らしい曲だ。
「こう見えてもロマンチストなんです」というロジャーさん。プラネタリウム好き、山好きなのだ。

270Edgar Winterのこの曲に参加しているギタリスト、Ronnie Montroseが大好きという令文さん。
Ronnieは惜しまれつつ2012年に亡くなった。Ronnieに捧げるワケではないが…という前置きがついて飛びだしたのが新ネタ「Frankenstein」。

280FM愛知『中野重夫のKeep on Rockin'』のオープニング曲でもあり、2012年9月にロンドンで開催されたMarshallの50周年を祝う『50 YEARS OF LOUD LIVE』のオープニングにも演奏されたこの曲は歌なしのインスト曲にもかかわらずミリオンセラーを記録し、1973年の3月にBillboardのトップの座を獲得した(これを蹴落としたのはPaul McCartneyの「My Love」)。
カナダのチャートでもトップの座を射止めたが、イギリスは18位止まり。1973年か~、わかるような気はするな~。だってこの頃の栄光のブリティッシュ・ハードロックは別に「Frankenstein」のリフなど必要としていなかったんじゃないかな?ま、Marshallが自分のコンサートで演ってりゃ世話ないけど…。
でも、やっぱりロック史に残る名リフだよね。

290vちなみにEdgar Winterはキーボードをギターのように首からブラ下げた初めての人。当時は激重だったろうな~。
私はあんまりアメリカン・ロックを聴かないので(Zappaは別格。というよりアメリカン・ロックと捉えていない)、Winter兄弟も縁遠いが、『Together』ってライブ盤は収録されている「ロックンロール・メドレー」が最高に痛快でよく聴いたな。
何しろJohnny Winterで一番好きなのは『John Dawson Winter III(俺は天才ギタリスト←ヒデェ邦題!)』ってヤツ。邪道極まりないでしょ?それでいいのだ。

300続いての新ネタ!オガンちゃんボーカルはナ、ナント「21世紀の精神異常者」!あ、「21世紀のスキッゾイド・マン」なんて書きません。いい邦題はナニがあろうと伝承すべし。「怪奇骨董音楽箱」みたいなもんやね。
最近この曲もやたらとアチコチで取り上げられているような気がするな~。
やっぱり鉄壁の名曲だ。
それにしてもですよ、「21世紀」も「1984」もみんな過去になっちゃったね。ポールもとっくに64歳を過ぎちゃったし…。
今から何か未来のこと、とくに明るい未来を想像するなんてことは不可能なんじゃないかね?
手塚治虫の時代はヨカッタ。
今、未来を想像するのは、人類の滅亡とか地球の崩壊とか、巨人が塀の中に入って来ちゃうとか、危険なヤツばかりだもんね。
「未来は東京から大阪まで3時間で行ける電車が将来できるかもね」とか「いつどこでも話せる無線で小さい携帯用の電話なんか出来ちゃったりしてね!」なんてことはもうないだろう。

265vオガンちゃんの熱唱ぶりも聴きものだったが、真ん中の4ビートのインスト・パートのベースも期待通りだった!

266ロジャーさんで「バンドマン・ブルース」。「♪みんなバンド・マ~ン」のところが好き。

310マサシさんが加わって「Black Rose」。

320ああ、これは何回観てもいい。曲よし、演奏よし…

330何よりも素敵なのはこの2人が実に楽しそうなこと。『Jailbreak』の頃の全盛期のThin Lizzyは観てみたかったナァ。

340「オレは難聴」 ロジャーさん曰く「病気シリーズ」…そんなのあんのッ!?

でも待てよ、これは結構イケるかも?ロックを受容する年齢の幅が広がり、ロックは若者だけのものでなくなっていることは否定できない。
ところが、ロックの黄金時代を経験しているオールドファンは巷間の新しいロックは幼稚に思い受け入れることは到底ができず、ベテランのミュージシャンに期待をかけざるを得ない。
演る方も年輩、聴く方も年輩…年輩者の共通の話題と言えば「老い」もしくは「病気」だ。

ロックの歌詞のひとつの重要な要素は「普遍性」にあるワケだから「病気」の歌はあり得ても全くおかしくはあるまい。
楽屋でも「譜面のシとレの見分けがつかん」とか「長いステージはツライ」とかいう話題が出ることも少なくないのだから、徹底的にそういうことをテーマに据えて曲を作るのはどうだろうか?新手の「Cold Turkey」よ。
病気の辛さを訴えて健康第一を喚起するもよし、回復へ向けた決意を歌うもよし、ワケもわからず「がんばれ」とか「自由になりたい」なんてやってるよりよっぽどいい。
結局漫才でも歌でもドラマでも絶対に欠かせない一番大切な要素は「あるある」なんだから。

もはやロックはそれぐらいのことを受け入れる器量はあるハズだ。これがホントの「大人のロック」。
Alice Cooperなんかは一時「Shock Rock」なんて呼ばれていたけど、こっちは「Sick Rock」。

自分の場合はまず「腰痛」だな。あと、案外来ちゃったのが「眼」だわ。遠近両用メガネってのは便利だね~、ハハ…。

350v…とコラーゲンズのスタンダードレパートリーで盛り上がってアンコールを1曲演奏して完了。
トリコラ、今日も最高のパフォーマンスだった!
このバンドは観た後、モノスゴイ満足感が得られるのよ。

390 大谷令文の詳しい情報はコチラ⇒大谷令文ホームページ
2tc_img_0060小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS!!!

370v高橋"Roger"和久の詳しい情報はコチラ⇒ロジャー高橋Official Site

380v(一部敬称略 2013年12月6日 代々木Zher the Zooにて撮影)

【号外!】New Marshall Official Web Site Unveiled!!

イギリス本家のMarshallのウェブサイトが全面的に改訂されました。
メッチャ、ソフィスティケイテッドされた~!
ちょっと見てみて!
↓   ↓   ↓  ↓
Marshall Amps Official Website

記憶は定かではないけれど、Marshallがウェブサイトを立ち上げたのはまだModefourが発売される以前のことだったから10年チョット前ぐらいかな?
その後大幅に4回ぐらい大きな改訂を実施してきたけど何といっても今回が最大だ。

このMarshallのやり方をザッと観測しただけでもfacebookやTwitterの出現、ハードの多様化、動画の活用だのインターネットの活用の仕方等、ウェブサイトの在り方が劇的に変化あるいは進化したことが手に取るようにわかる。
マーブロも負けていられんわい!改訂はしないけどね。中身で勝負!

Marshall_logo__white_on_black_backg

2014年1月 9日 (木)

JILL岡垣~様式美大作戦2013 <後編>

さて、『様式美大作戦 2013』の<後編>、場面はガラリと変わる。Jill's Project EXの登場だ。

10_4岡垣Jill正志

20_3ベースはANI-Katsuで変わらず。

30v_3ギターはノンちゃん、島紀史
80v_4ボーカルは千田忠彦

50_3ドラムは出原卓に代わる。

60_4ここからはJill's Projectのレパートリーで固められた。

70_3この日の大収穫のひとつはノンちゃん。
100_3もういい加減お付き合いも長くさせていただいているし、CONCERTO MOONがらみの東京公演もすべて観ているし、写真もいつも撮らせていただいている。
なのに…だ!
90_3凄まじい演奏だった。
STANDの時もある種そうなんだけど、CONCERTO MOONから解放された大らかさのようなものが前面に押し出された縦横無尽さが実にウマイ具合に出ているのだ。

85CONCERTO MOONのノンちゃんが陸の王者「ライオン」なら対外試合のノンちゃんは空の覇者「鷹」だ。

40v_3それにこのギターの音!なんじゃコリャ?!
この日は特に素晴らしかった。
最近はメッキリとMAJOR 1967にご執心だが、それだけのことはある。見るたびに音がよくなってる。
ストラトキャスターとビンテージ系Marshallの組み合わせの一番いいいところを引っ張り出している。この音を否定する人はマズいないでしょ。
そういえばノエル・レディングの自伝によると、ロンドン時代、ジミとノエルはどうも200WのMarshallを使っていたようだ。てっきり1959だけかと思っていたのだが…。

120_3ノンちゃんのプレイに呼応するかのように鬼気迫るソロを繰り出す岡垣さん!

110_2背後からは爆音が!ドラムのMarshallだ!
あ、MarshallのドラムはNATALですから。

130_3野太い声でハードに曲を練り上げる千田さんのボーカル。やっぱロックってのはこういう声の歌が入っている音楽を指すもんですよ。

140_4そうそう、今日のはじめに流れる岡垣さんのシーケンス音、無茶苦茶カッコいい。もうこの音の連なりだけで次の曲がカッコいいのがわかっちゃう!

165vこのメンバーでJill's Project EXは4曲をプレイした。4曲でも結構な時間よ。3分の曲なんてただのひとつもないからね!

170_4一旦、このセットの締めくくりで合流した祇上養一。

245_2ツイン・ボーカルで「Crumble」を披露。

183「様式美大作戦 2013」もいよいよ最後のパートに突入。

185_2ここで足立祐二が登場!

230vボーカルは西川茂

210_2ここも曲はDeep Purple。

200_4「Storm Bringer」と「Mistreated」…。

220v_2そして3曲目には「Hush!」と渋くキメた!この後ボーカルが千田さんに代わってYOUさんはもう1曲プレイ。

190_3このあたりのラインナップはトリッキーだぞ。
ノンちゃんと千田さんが戻って、元のJill's Project EXに変身。「Heavy Rain Sheds Blood」。
150_2さらに祇上さんが加わって「Upsurge, Unconscious」を演奏して本編が終了した。

240_2そして、真為さんが加わって「I'm Here for you」でアンコールに応えた。

ここで終わらないのが様式美。写真はないけどボーカリストが全員参加して「Kill the King」をド派手にプレイしたのであった。

250_3こうして見てみると「様式美の祭典」は「ギターの祭典」でもあるんだよね。
300AphroditeとJill's Project EXのダブル・ヘッドライナー…というより通常サイズのコンサート2回分、約4時間!それぞれ10曲ちょっとのセットリストでも何せ1曲が長いからね。

280vその間、名手たちの名人芸をタップリ味わったのであった。

290vそのサマはちょっとした「マーシャル祭り」だったぜ!

270v尚、大阪公演では西川さんの代わりに赤尾和重が出演し、そちらも大好評だったそうだ。そっちも観たかった!

岡垣Jill正志の詳しい情報はコチラ⇒Jill's Room

310v<おまけ>
大変失敬ながら、通常グッズにはあまり興味のない私だが、このバッグはちょっと欲しい気がするナァ。

320(一部敬称略 2013年12月1月 目黒鹿鳴館にて撮影)

2014年1月 8日 (水)

JILL岡垣~様式美大作戦2013 <前編>

やって来ました「様式美」!
JILL岡垣を総統に頂いた一大ロック・セクト。「様式美」については前回ゴチャゴチャ書いたので今回は触れない。
とにかく今回も「様式美大作戦2013」と題し華麗な音楽世界を演出してくれた。東京と大阪での2回公演。

05vこの日、東京でまず登場したのはAphrodite(アフロディーテ)。

10_3荒木真為

20v_2西村守

30v_2ANI-Katsu

40v_2堀江睦男

50_2そして岡垣Jill正志。不動の5人だ。

60_3オープニングSEに導かれ登場し、演奏したのは「紅蓮の炎」。

70_2西村さんは当然Marshall!
95ノッケからドップリと岡垣さんの様式美サウンドが会場を覆い尽くす!

90_2続けて「Holy, unholy」。
自分たちだけのサウンドを奏でる誇りと自信に満ちた表情は見ていて大変気持ちがいい。

100_2前回見た時よりもナチュラルにそしてハードにギター・プレイをキメてくれた西村さん。

80やはり本気でテクニカルでハードなロック・ギターを演るとなると、アンプに関するチョイスはMarshallしかない。

120v_2オルガンに半身を乗せ、何かに憑依されたかのようにソロを展開する岡垣さん!

110「人形愛」、「Day Dream」、「Fear」等、『Aphrodite -SCARLET FANTASIA VII-』からの選曲を中心に8曲が演奏され、まずはガッチリと「様式美」の世界を構築した。

130_2ここでギターが交代し、ボーカルが加わる。

140_3三宅庸介
190v_2佐々井康雄

160vTerra Rosa、『The Endless Basis』より「Fatima」。

210v_2ん~、様式美~!ドライブしまくる堀江さんが素晴らしい!
230_3いつもMarshall Blogで紹介していることからもわかる通り、Strange, Beautiful & Loudの三宅さんを私は好きだが、こうしたハードロック・ギターを一心不乱に弾き倒す三宅さんもすごく好き。
220_2他のギタリストと違うんだよな~、メロディの組み立て方とか間の取り方とか。すこぶるカッコいい。

225vここから佐々井さんと真為さんとのツイン・ボーカル体勢。

165「Lady Double Dealer」。もちろんDeep Purple。

170_3この後のセットで島紀史が登場するんだけど、開演前、出番が近いため準備にメチャクチャ忙しい岡垣さんのそばでノンちゃん、三宅さんと3人で『Who do we Think we are』の話しをしていた。
やがて開演時間が来てステージに向かう岡垣さん…我々3人に向かってボソっと…「ああ、オレも話しに加わりたかった!」って。
そんなDeep Purpleなのである!

180v_2この曲久しぶりに聴いたけど、盛り上がるね~。やっぱり鉄壁のギターリフだ。

200_3そして残された1曲もDeep Purpleだ。

235三宅さんの弾く「Burn」!
テクニシャンたちによるまたまた完璧なパフォーマンス。
あのCM以降…というワケでもないのだが、やたらとこの曲を聴く機会が増えたような気がする。
そこで最近感じたこと…リフがクドイ。いや、最高にカッコいいギター・リフなんだけど、あまりにも出て来る回数が多くてものすごく耳につくようになっちゃった!どっかハショレばいいのにと思っちゃうのよ。
ノンちゃんによれば、このギター・リフは「ガーシュインの曲から頂いている」ということだが、なるほど。間違いないなく「Fascinating Rhythm(魅惑のリズム)」のことだろう。1924年の作。
ナンダ、「Burn」もそうなのか…などとガッカリする必要はない。むしろ、ジャズをひと通り聴いている人なら誰でも知っているポピュラーなこの曲のメロディをこんなにカッコいいハード・ロックにすることがスゴイ。元のキーはメジャーだからね。
カッコいいんだけど、ちょっとリフの出番が多すぎ…ってな感じ。

240vここまでが中盤。後半に向けて様式の美しさはますますその度合いを増していく!

245<後編>につづく

岡垣Jill正志の詳しい情報はコチラ⇒Jill's Room

250_2(一部敬称略 2013年12月1日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2014年1月 7日 (火)

THE GOOD-BYE 30th ANNIVERSARY ~TAKE OFF~

昨年の仕事はじめというか、初コンサートは1月6日の曾我泰久、つまりヤッチンのバースデイ・コンサートだった。
Marshall Blogの今年の初「ライブ・レポート」もヤッチンがらみ。限りなく時系列で内容を構成しているMarshall Blogのライブ・レポにあっては偶然にすぎないのだが、その確率は約1/270!
しかも、今日はちょうどヤッチンの誕生日!深い縁を感じずにはいられないでしょう?!

今日のレポートは11月に開かれたTHE GOOD-BYEの「結成30周年記念コンサート」。

10会場はキャパ1,500席の東京フォーラムのホールC。
前売りチケットはアッという間にソールド・アウト。早々に同日にマチネーの追加公演が組み込まれ2回興行と相成った。
この日が来るのを待っていた人がいかに多かったのかがよくわかる。

40ファンにとってはわかってはいてもステージのメンバーの姿にやりきれない思いで接した方も多かったハズだ。
昨年7月に惜しまれつつ亡くなられたベースの加賀八郎さんの姿が見えなかったからだ。
しかし、コンサートを通じ、このことに触れることは一切なかった。
それもそのハズ、ステージ下手にはベースとアンプがセットされ、姿は見えずともは天国から参加した「はっつぁん」がそこにいたからであった。
240vコンサートは昼夜の別を問わず、「赤いポルシェ~TAKE OFF」で幕を開け代表曲が次々と演奏された。

50Marshall Blogでもすっかりおなじみの曾我泰久。Happy birthday to you!!

60v今回はJVM410Hと1960Aのコンビネーション。

75v ギターの出番はソロの時よりも多く、Marshallサウンドを存分に炸裂させていた。

70衛藤浩一。絶好調!

80vもちろん野村さんも大熱演。
その3人にキーボードがふたり加わり加賀さんのパートもカバーした。

20「昔は2回公演が当たり前」だったという。今はキツイなんて言っていたが、ナンノ、ナンノ、そんな素振りをなどまったく見せず終始パワフルにパフォーマンスを繰り広げた。

100「Dance x 3」「涙のティーンエイジブルース」、「YOU惑-MAY惑」、「にくめないのがニクイのサ」とあいさつを挟んで次々に演奏されていく。
THE GOOD-BYEは9枚のアルバムを発表した。自分達で曲を作って来たメンバーにとってはそのどれもが音楽的成長を記録した写真集のようだという。

90v衛藤さんの「次は懐かしのナンバー…」と曲を紹介するとすかさずヤッチンが「全部懐かしいんだよ!」と突っ込む。
懐かしいんだろうな~。

110失礼ながら現役当時はファンでもなんでもなかった私ですら耳馴染みのある曲がジャンジャン飛び出してくる。
どれも洋楽をキチンと消化した日本語に寄りポップ・ロック。実に楽しい。

120vショウの中盤にはアコギ2本とパーカッションによるアコースティック・セットも。
「めちゃめちゃロックンロール」、「愛 See Tight」、「Going Home」の3曲。

130衛藤さんも代表曲を熱唱。
「代表曲ってナニを代表してんだよ」というヤッチンの突っ込みに大爆笑!

140デビュー当時は昼の1時から翌朝までレコーディングでスタジオにこもり、合間にはテレビの収録。野村さんは学校に行き、授業中に歌詞のアイデアを練ったりしたという。野村さんって高校、私の後輩なのよね。「愛し、愛され」なんてのは古文の時間に思いついたとか…ということはK先生の時間かな?

ここでヤッチンはキーボードにスイッチ。

150「のぞいてFell Me、Touch Me」で始まる後半は当然イケイケの大ロック大会!

160vヤッチンの指導でお客さんもコーラスで演奏に参加!

165歌にギターに、そして鋭いツッコミにと一流のエンタテイナーぶりをまたしても見せてくれたヤッチン。

166vやはり結成30年を祝う盟友とのステージは感慨深そうだった。

180割れんばかりのアンコールの呼び声!

190アンコールは2回!

200v夜の部ではまず「TWO NIGHTS」と「Don't Make me Blue」を…。

210すさまじい盛り上がりよう!
そしてお客さんの楽しそうな顔、顔、顔!
2302回目のアンコールでは「Forever Friends」が演奏された。

220vところが!客電が灯いても、BGMが鳴り出しても、影アナのアナウンスが流れても「アンコール!」の声が収まらない!
167そして、最後の最後にメンバーがステージに登場してひとこと挨拶をして幕を閉じた。
全27曲。おもしろかったな~!

Gb_img_8283 3月8日には『曾我 泰久 芸能生活40周年記念公演』と銘打っておなじみのメンバーと(ファンキー末吉/和佐田達彦/田川ヒロアキ)コンサートを開催する。
他にも衛藤さんとのツアーも予定されており、ますます充実のヤッチンの音楽活動なのだ!
ヤッチンって私と同じ学年なのね。それで「芸能生活40年」って…すごいキャリアだ。

170曾我泰久の詳しい情報はコチラ⇒soga21.com

250v(一部敬称略 2013年11月17日 東京国際フォーラムホールCにて撮影)

2014年1月 6日 (月)

【新春特別企画】Marshall Blogで見る日本のロック・シーン

あらためまして…明けましておめでとうございます

本日よりmarshall Blogを再開させていただきます。本年もご支援ご愛読のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、今日の記事のタイトル…さっそく大ゲサである。大ゲサはMarshall Blogの専売特許なのであ~る。
昨年Marshall Blogの周辺でナニが起こっていたのかを振り返り、2014年の動向を考えてみようという企画。もちろん、Marshall Blogがレポートしたり取り扱ったりしている内容は大きな音楽界にあってはまったくミクロの世界ではある。んなことはよ~くわかっております。
数えてみると昨年1年でコンサート会場に足を運んだ回数は130回を超えた。つまり「3日に1回以上」。
好き嫌いが激しいヘソ曲がりの私のことだから、訪れるコンサートの音楽の種類も限られてくるし、当然取材の対象がMarshallがらみのバンドばかりなので自ずと幅が狭まってしまう。んなこともよ~くわかっとる。
でも、3日に1回以上現場に足を踏み込んでいれば、音楽界に関する色んな情報が耳に入って来るし、私のような鈍い人間でもトレンドのようなものを肌で感じることができるというものである。
で、昨年1年でMarshall Blogに頻出もしくは目立ってご登場いただいた方々をご紹介しつつ、何となく周辺の音楽トレンドをまとめてみたいと思う。いわば「マーブロのワガママ定点観測」ってとこかな。

まずは、ベテラン陣の目立った活躍。
1970年代より日本に定着したロック。その黎明期より活動を続けているバンドがパワフルに活動を続けていることはうれしい限りである。何しろ、噴き出すマグマのような、ギランギランに輝いた、ロックの黄金時代を直に経験、体験した方々の作る音楽である。
それが結成40年とか30年とかを経ていまだにそのテンションを維持してロックしている姿は素晴らしい。

外道は昨年40周年を迎え、ニュー・アルバムも発表した。レコ発ライブもやった。アッパレ秀人さん!なのである。
150EARTHSHAKERは30周年!ニュー・アルバムの他にSHARAさんとMARCYさんがソロ・アルバムをリリース。昨年後半は日本全国を隅々まで回る大ツアーを敢行した。そのパワーはまったく衰えを見せることはない。

20_2
こちらは29周年のSHOW-YA。もうこの人達は手がつけられないくらい日増しにパワーアップしている。『NAONのYAON』も最高だった。年末のコンサートは感動ものだった!もちろんこれもトックリとレポします。

3sy_img_0225
日本ロック界の至宝LOUDNESSも健在。11月末に開催された樋口さんのトリビュート・コンサートのレポートを近々Marshall Blogでアップする予定にしているので乞うご期待。

10_2

山下達郎の大ツアーを無事終えた広規さん。GUITAR☆MAN他多彩な活動で日本のリズムを支えている。未発表音源を収録したアルバムもリリース。
最良のバッテリーの相手を失った悲しみは大きいであろうが、その分ますますご活躍されることであろう。

380v大谷令文、小笠原義弘、ロジャー高橋という大ベテランによるTrio the Collagens。もちろん各々の活動も盛んである。こうした名手が揃った演奏はありがたや、ありがたや。

3tc_img_0062CANTAの安定した活動も心強い。「やれるうちが花」、「生きてるうちが花」は最近の私の座右の銘だ!

20日本メタル界の重鎮、CONCERTO MOON。ニュー・アルバム『BLACk FLAME』を発表し、そのレコ発ツアーで気炎を吐いたのは記憶に新しい。

10_2確かな実力を裏付けに独自の手法でプロモーションを展開するKelly SIMONZ。今春念願のメジャー・デビューが決定した。今後の展開が実に楽しみだ。

190v_3
この人も一年を通じて忙しい人だ。原田喧太。喧ちゃんもそろそろデビュー30周年を迎えるハズだ。「マサやんの還暦コンサート」は感動ものだった!『Guitar Crusaders』という大イベントが控えている。

46vこちらも昨年THE GOOD-BYEの結成30周年記念のコンサートを開いた曾我泰久。ソロやThe Paisleysの活動で良質なポップ・ロックを量産している。THE GOOD-BYEのコンサート・レポも近日中にアップする予定。ファンの皆さん、乞うご期待!

Gb_img_0451KRUBERABLINKAの赤尾和重。もちろんCazさん自身がMarshallを使っているわけではないが、日本版女性版ロニー・ジェイムス・ディオとして日本のハード・ロック、メタル界を支えているひとりであることに異論はあるまい。
女性のパワーは強いのだ。
10_4
そう、先のSHOW-YAは別格として、とにかく女性のバンドの台頭はすさまじい…イヤ、「台頭」を通り越してもう「安定期」に入ったと言った方が正しいか。
ロックを聴き始めた時から女性のバンドが林立しているヤング・ファンには想像がつきにくいかもしれないけど、いいですか、私が若い頃、女性のバンドというのは「土佐日記」ぐらい珍しかったのよ。
それが今では「女性」という接頭辞をなくして名前が通じるようになった。

SCANDALに「女性ロック・バンド」と説明を加える者はもはやいないのではなかろうか?
演奏・曲・演出…音楽エンタテインメントの三種の神器、イヤそれにルックスという四種の神器が組み合わさったと言っても過言ではあるまい。問答無用で楽しめるコンサートは「元気をもらった」ことを実感させてくれる。
20さらに、もはや日本のハード・ロック&へヴィィメタル・シーンにガール・バンドは絶対に欠かせない存在になったことも否めまい。
「ごめんね」だの「がんばろう」だのどこを切っても同じものしか出て来ない若手の男の子のバンドよりよっぽど筋金が通ったロックンローラーぶりを呈してくれる。
ちょっと気が付いたのは、こうしたガール・バンドでのMarshallの使用率が高めであるということだ。それは女性のギタリストが機材に疎いとか弱いとか言うことでは全くなくて、「やっぱロック・ギターはMarshallっしょ?!」という女性特有の思い切り感のようなものがあるのではないか?なんて感じたりするのである。これは大正解ですよ。

相変わらずの大人気を誇るAldious。ニュー・アルバムのレコ発ライブの盛り上がりようといったらなかった!
20圧倒的なパワーと計算されつくした曲で押しまくるDESTROSE。やはりアルバムとシングルをリリース。レコ発ライブも熱狂のウチに幕を閉じた
120ツイン・ボーカルで他との差別化を図るexsit✝traceは新鮮だ。
まだまだ他にもいいバンドがいるけんね。ドンドンMarshall Blogで紹介していきますから。
10_2アベノミクスがいかにもてはやされようと、やはり日本のハード・ロック&へヴィ・メタル界はまだ厳冬期を抜けることができないと言える。
その中でのQUORUMの出現は大事件だった。
この22、23歳の若者たちが醸し出すロック魂は、やはり多くの人の耳目を捉えているようだ。
Marshall Blogに登場した当初はさして話題にも上らなかったが、先日PVを紹介したところ、関係者から問い合わせが何件も集まり、多くの人から好意的な評価が寄せられた。
私が願うのは、QUORUMが彼らと同じ22、23歳の若者たちから支持を得てもらうことだ。こうしたロックの公式的な音楽は世代を超えてそのカッコよさが理解されるハズなのだから。

40こちらも結成25周年を迎えた人間椅子。
先般のレコ発ツアーも大成功のウチに終了させた。和嶋さん曰く「25年前とやってることは一緒」。
人間椅子も日本ハード・ロック界再生の大きな原動力だ。なにしろカッコいい!
190犬神サアカス團も長いキャリアを誇る和式バンドの雄だ。ソリッドなハードロックに乗せて絶望的に暗い私的環境を歌いあげるスタイルはこれまたワン・アンド・オンリー。J-POPとは完全に隔離された世界。それがロックの世界だ。
ただ、ボーカルの凶子さんの健康上の理由で休止期間に入ってしまったことが残念。またすぐに暗く再登場してくれるだろう!
12月のTSTAYA O-WESTでのツアー・ファイナルのレポを近日中にアップする予定。

Icd_img_0054 田川ヒロアキも伝統に根ざしたオリジナルのハード・ロック・サウンドを追及するたのもしい存在だ。
ギタリストとしての経験は百戦錬磨。活動の幅が信じられないぐらい広いのもこの人のキャリアの特徴だ。
今年も様々なシチュエーションで美しいMarshallサウンドを奏でてくれるに違いない。ギターの弾き方は間違ってるけどね。近日中にまた変わった現場での演奏のレポートをお送りする。

2wcd_img_0106ハードロックという切り口であれば絶対に触れておかなければならないバンドがある。
GRANRODEOである。
「ハードロック」を万人が楽しめる一般的なエンターテインメントとして活動を展開しているバンドの最高峰と読んでも差し支えないのではなかろうか。
この一声で数万人を若者を集めるモンスター・バンドのお客さんの男女比率はほぼ同一だ。男女半々。
ステージにズラリと並んだMarshallやe-ZUKAさんのギター・プレイに憧れてギターを弾いてみたくなる若者も多いハズだ。
70年代のロックを知り尽くしたe-ZUKAさんが書く曲は「ハードロック」そのものだ。これに10代の若い男女が熱狂しているのである。
ここでもいつもMarshall Blogで言っている公理が成立することが証明されると思うのだ。
「若者はカッコいいロックを知らないだけ…」

もうひとつ、GRANRODEOに感じるところは、彼らのサウンドが近い将来のひとつのハードロックの在り方ではないかということ。
つまりSWEETや後期のAEROSMITHのように職業作曲家が魅力的なメロディを作り出し、それを完璧なパフォーマンスで再現するというスタイル。GRANRODEOはメンバーのKISHOWさんの詞を書き、e-ZUKAさんの作曲しているからこの例には当らないが、音楽制作のひとつのスタイルとしてGRANRODEOがいい見本になるような気がしている。

これほどオリジナルから遠ざかってしまったロックだからね。お茶っぱに例えると、もう味も色も出なくなっちゃってるんですよ。その出がらしロックを聴いて育つ世代は出がらし以下のモノしかクリエイト出来ないのはモノの道理なワケ。怒んないで読んでよ。新春だから無礼講ということで…。

だからテクノロジーに走る。その結果ボカロなんてテクノロジーの妖怪みたいなものが出て来てしまう。
じゃ、クラシックはどうなんだ?ということになる。何百年も同じことをやってるからね。あれは古典芸能。古典芸能には古典芸能の楽しみ方というものがあって、「同じ素材をいかに料理するか」を味わうものなんですな。もはやジャズもその域だわね。
ロックを古典芸能してはならないとも思っている。いつまでも「Smoke on the Water」でもつまんないのよ!
今のロックを推進させる答えは未来にはなくて、過去にあると信じている。だから若いミュージシャンに徹底的に温故知新してもらうか、先に述べた通り音楽を正式に学んだ職業作曲家にいい曲を書いてもらうしかない。

さて、GRANRODEO、昨日のスーパーアリーナは感動ものだった。これもレポ近日予定。
470若手の活動も要注目だ。(直前にあんなこと書いたもんだからやりにくくなってしまった!)
Marshall Blogはやっている人間がクラシックなもんだから、ついベテラン勢に加担しがちと思っている読者も多いと思うが、んなことはない。
いいバンドがいればジャンジャンご登場頂きたいと思っている。

そのひとつがグッドモーニングアメリカ。スタイルはいわゆる「今のロック」だが、エンタテインメント性も高くひとつのショウ・パッケージとして完成した美しさを誇っている。

10_2摩天楼オペラも好きなバンドのひとつだ。もはや若手と呼んだら失礼なのかもしれないが、今をリアルタイムで走るバンドとして敢えて若手と呼ばせてもらうことにした。
Anziの超絶テクニックを強調する確立された様式美もまた「ロック」だ。
100「彗星のごとく現れた」印象のCrying Machine。「ロックにおけるポップ度」という観点から見るとここはちょっとGRANRODEOに通じるところがあるな。
メンバー5人の強烈なキャラも魅力だが、Marshall Blogとしては、ステージでは片時もフルスタックを離さないMashaくんの「Marshall愛」がうれしい。今後の活動に期待している。
210_2外タレだって負けていない。秋に来日した英マンチェスターのThe Virginmarys
「ブルース・フィーリングをパンキッシュに吸収したトラディッショナルなロック」なんて書くとイッタイナンジャソリャ?…ということになるが、ブリティッシュ・ロックの本場でも先祖がえりを標榜するムーブメントがないワケでなないことを知らせてくれた。
後日3人のメンバーのインタビューを掲載する予定。

30v昨年もうひとつ顕著に感じられたのはインストゥルメンタルのロックの普及だ。
レコード・ビジネス的にはインスト・ロックというものはヴェンチャーズ以来かなり厳しいやに聞いているが、「器楽演奏力」の衰退を尻目に、お構いなしに我が道を進むミュージシャン達の姿は問答無用にカッコいい。
老若男女を問わずこれらのバンドを見てギターの魅力を再認識してもらえるとうれしく思う。

その世界でもっともストイックな活動を続けているバンドのひとつが三宅庸介率いるStrange Beautiful & Loudだ。
この独自の音楽世界感は何人にも侵されるものではない。現在ニューアルバムの制作に打ち込んでいるところだが、仕上がりが待ち遠しくてしょうがない!

10中野重夫を擁する「中京の重戦車」DYNAGON。へヴィでわかりやすい曲とそのアダ名の通りゴリゴリと前に進むことしか知らない(戦車はバックできますが…)猪突猛進の演奏はベテランにしか出来ない域に達している。
今年は東京でもその姿を披露してもらいたいものだ。
190SHARAさんのソロ・ユニットmintmints。五十嵐sun-go美貴、寺沢功一、向山テツと組んだインスト・ロック・バンドの目玉的存在。
SHARAさんが書く完全無欠のレパートリーが楽しく、美しく、そしてスリリングだ。Marshallの社長、Jonathan Elleryのお気に入り。

20_22013年のインスト・ロック界(そんなのあるのか?)を語る時に完全にマストなバンド、D_Drive
リーダーのSeijiさんとは長い付き合いをさせていただいている関係で、比較的初期段階からこのバンドを見て来ているが、名実双方にわたる成長ぶりはすさまじく、見ていて大変愉快で、うれしく思っている。
現在のところドへヴィな曲を中心にレパートリーを展開しているが、その軸をブラすことなく、音楽の幅を広げて行って欲しいと個人的に思っている。めざせ「21世紀のヴェンチャーズ」!なんてね。

30_2ベテラン勢の外タレも元気に活動してくれているのもうれしい。

全曲Genesisのレパートリーで固めたSteve Hackettの来日公演は3日とも超満員だった。やっぱり日本はプログレ大国なのです。日本人にはプログレが必要なんだ!
いまだに「Supper's Ready」が耳にこびりついている!
140vああ、Dougはいつ見てもカッコいい。Whitesnakeの来日公演も熱狂的な支持を得た。

10

Paulが来てからもう一年か…ホントに早いナ。この時私が撮影した写真をPaulは今でもウェブサイトのHomeに使ってくれている
今年はナニをやってくれるのかな…楽しみだ!

Pg2_460v

今年もいいイベントがたくさん開催されることを期待している。

大盛況だった『Legend of Rock』5回目の日比谷野音公演。やっぱりみんな70年代のロックに飢えていることは間違いない。

40v_2Ronnieへのトリビュート
数々のトリビュートものも楽しみなのだ。

10

『LIVE ROKUGENSIN』も楽しかった!

350_2そういえば、この爆風スランプのトリビュートの時は成人式の日で、東京が何年ぶりかの大雪に見舞われたんだっけ。出演者も会場に来ることができなくて一時はどうなることかと思ったけど大成功に終わった。最高に楽しいイベントだった。
ところで記事のタイトルにつけた「大無人」とか「天無人」とか、みんなわかったのかな?
1710_2
最近はまたLP人気が復活している…なんてことはもう今まで何回聞かされたことかわからんが、やっぱりレコードはいい!絶対いい。
大幅にレポートが遅れまくっちゃっているけど、「ミュージック・ジャケット・ギャラリー」も続けて行きます。

MjgIMG_0013

こっちもなかなか進まなかったけど、書きたいことがテンコ盛りの「イギリス―ロック名所めぐり」。いつか日本のミュージシャンたちとイギリスに出かけ、Marshallの工場とロンドンをガイドすることが夢なのだ!だから積極的に書き進めるよ!
Hrh_img_7752

…と昨年掲載した記事を交えて雑感を述べてみた。もちろん他にもたくさんの素敵なミュージシャンの方々を紹介してきたが、紙幅の関係上ここに掲載できなかったことをご理解いただきたい。

もうひとつ、忘れてならないのはもう二度とレポートできないミュージシャンたちのことだ。
2013年にも我々は洋の東西を問わずたくさんの才能を失った。
こういう書き方は不謹慎なことは承知しているが、とにかく見れる内に見ておいた方がよい。
ロックの黄金時代を経験しているオールド・ファンにはよくおわかりだろうが、クリエイティビティやオリジナリティという面においては音楽的なレベルが幼稚化し、それにつられて器楽演奏技術の水準が明らかに低下していると思う。
ポピュラー音楽は時代とともにうつろうものだからそれでヨシとする向きもあるが、これは別の問題。
「名人芸」というものは失ってしまうとその穴を完璧にフォローすることはできない。
今のウチに出来る限り「生きる伝説」を体験しておくことも大切だ。
その点、Jim Marshallや桑名さんや青山さんとお仕事でご一緒させていただいた自分は本当に幸運だと思う。

そういう意味で、今年…できれば…の話しだが、Marshall Blogを使って日本のロックのクロニクルみたいな活動ができればいいなと思っているのですよ。
つまり偉大な先達の音楽的なご経験を活字に残しておきたい…なんて思ってる。おもしろい話しがゴマンとあるはずだからね。現在展開中のPhil Wellsのインタビューじゃないけど、誰かが記録しておかないと誰も知らないおもしろい話しが永遠に闇に葬り去られてしまう。
どげんかせんと!

それと「伝承」。このテーマは変わらない。Marshall BlogはMarshallやNATALやEDENの情報に合わせて素晴らしいロックの遺産を次世代に伝えていくことを目標にしている。

あ、機材の話しを…。これは簡単。
「向こうの空き地に壁ができたってよ!」「マ~、シャルてること!(「しゃれてる」のシャレです)」
ロックはMarshall。Marshallはロック。三段積みでロックの風をひとりでも多くのギタリストに体験してもらいたい…以上。これしかない!

ナンカ初っ端から取りとめのない文章になってしまったけど、今年もMarshall Blogを何卒よろしくお願い申し上げます!

最後にひとこと。これは何年か前に山下達郎さんがステージでおっしゃったお言葉。

「平和じゃなきゃ音楽もできやしない」
Marshall_logo__white_on_black_backg