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2013年11月28日 (木)

人間椅子 レコ発ツアー『萬燈籠』~どろろの日

♪ほげたらほげたらほげたらぴん…。
「どろろ」ついては前にも書いたことがあったけど、とにかく「鯖目さま」という名前が印象的だったな。アレに出て来るキャラクターはどれもホントに薄気味が悪くておもしろかった。
妖怪を退治するたびに百鬼丸の身体の一部が変容し、本物の人間に近付いて行くというアイデアも秀逸だった。考えてみりゃ妖怪版ピノキオか…。

人間椅子のニュー・アルバム『萬燈籠』の発売ツアー東京公演の2日目は「どろろの日」。
前日の「おどろの日」に引き続き完全ソールド・アウト!

10_2『萬燈籠』からの曲を中心にプログラムが組まれたが、もちろん前日とは大幅に異なる内容だ。
昨日同様「此岸御詠歌」をSEにメンバーが登場。

20v「どろろの日」、1曲目は「新調きゅらきゅきゅ節」。

30_2和嶋慎治

40v鈴木研一

50vナカジマノブ
メンバーは昨日と同じだ…当たり前だ。

60v2曲目も『萬燈籠』から。前日は演奏されなかった「人生万歳」。

70_2「人生万歳!」の所では大合唱!お客さんがすでに『萬燈籠』をよく聴きこんでいるのがわかる。
そして、今日のお客さんの方が前日より幾分元気がおありのようだ。

80ここで和嶋さんのMC。
「苦節25年…」と町田先生のペット・フレーズのようなことを何度かおっしゃっていたが、まったくスゴイ。人生ナニが起こるかわからない。一寸先にあるのはナニも闇ばかりではない。光もあるんだよナァ。
「人間椅子のコンサートのチケットが即完になったことはいまだかつてなかった」という。
理由やキッカケは色々あろうが、やはりいいロックは不滅ということで片づけてまったく問題ない事象といえるだろう。
「時代が人間椅子に追いついた」なんて陳腐なことを言うつもりも毛頭ない。一部の若い人が「カッコいいロック」の存在に気付いたのだ。

90v_2もう1曲『萬燈籠』から「時間からの影」。
前期と後期のKing Crimsonを混合したようなサウンド。コリャたまらん!
中間部の3/4と9/8のパートがすさまじくカッコいい。
CDではまるでRobert Fripのようなギター・トーンでソロを聴かせてくれた和嶋さん。ライブではそれにワイルドさが加わってますますおどろおどろしい世界が再現された

100その和嶋さんのギター・サウンドを演出するMarshallは1987と1960TV。

80v_2鈴木さんのベースもこれまた存在感の塊のようなサウンドだ。

110v_2続いて「狂気山脈」。

120_2レコーディング中に遭遇した配管の中の猫にヒントを得てテーマを策定した「猫じゃ猫じゃ」。
「♪お月さん」のサビがいい。
210v_2「明烏」まで出て来るのはうれしいね。文楽のオハコだ。
実は「大門」の先にいい飲み屋さんがあるんですよ。
165和嶋さん、MCで落語の話しをされていたけど、「黄金餅」あたりなんかも人間椅子の曲のいい題材になりそう。
餅に包んで飲みこんだお腹の中の小判を頂いちゃおうなんて残酷な話しだからね。
曲間で「下谷の山崎町を出まして…」から始まって、「麻布絶口釜無村の木蓮寺に着いた時にはくたびれた…歌ってるアタシもくたびれたよ~」なんてやったらおもしろいだろうナァ…なんてことをニヤニヤ想像しながら書いてます。(「絶口」の正しい漢字は不明)

150_2つづいて「品川心中」。

130v『萬燈籠』から「十三世紀の花嫁」。
ヘビィなリフに乗った和嶋さんのポエトリー・リーディングが実にクール。

180_2暗くて湿ったPANTAさんの「マーラーズ・パーラー」みたいだ。
こうして言葉を巧みに紡いで独特の世界を作り出す人を尊敬する。これまたロックが英語でなくても十分に通用することを別の方法で証明したかのような作品だ。

155vとにかく立錐の余地もない会場。
満員のお客さんの顔を見てうれしかったのは、オールド・ファンに交じって若い人たちが多かったこと。それも男性だけでなく女性の姿も散見された。
実に素晴らしいことだと思うね。
キッカケがどうあれ若い人がこの手のロックを耳にして気に入ったに他ならない。

160だからいつも言ってるでしょ?世代が違っても普遍的にカッコいいものは若い人たちだってカッコいいと思うハズなんですよ。
「伝承」です「伝承」。
いいモノは努めて次世代につないで行こうじゃないか!
230_2「衛星になった男」。
ギターのアルペジオから静かに始まり、コロコロと場面が変わりゆく『萬燈籠』の最後を飾る曲。

220v重厚で壮大な一編。やはり前期と後期のクリムゾンを同時に聴いたかのような不思議な満足感が残る名作だ。

「衛星になった男」といえば、私はジャミラを連想してしまう。そして「トム少佐」。
ロンドンの地下鉄で若い男の子がBowieの「Space Oddity」を歌っていたのに遭遇した時は驚いたな。さすがイギリスと思った。

170和嶋さんのギターに貼りつけてあるフクロウ。由縁はわからない。

175過去のレパートリーから取り出したるは…

190_3「洗礼」…

195vそして「黒猫」。
「おどろの日」同様、こうして過去のレパートリーも散りばめられた「Very Best of 人間椅子」ともいえるゴージャスなプログラム!

200_2やって来ましたノブさんコーナー!今日も「ダム~!」の呼び声高く、雄たけびを上げるは「蜘蛛の糸」!
ドラム同様にパワフルな歌声は会場を温度を上げまくる!
140さて、ダム。

ノブさんファンの人たちならダムにはいくつかの種類があることはご存知だと思う。アーチ式ダム、重力式ダム、ロック・フィル・ダムとかね…。

私も人間の手による巨大な建造物が好きでしてね。長大な橋やトンネルなんてのもいいけど、やっぱり圧巻はダムだ。

特にダムはもともとあまりにも何もない山の中に立派な道路(取り付け道路)を建設し、バカでかい生コンプラントを建てる等、やることなすことスケールが大きい。そして完成の暁には景色を全く変えてしまう。この豪快さがタマらない。

それでは、もっともコンクリートを多く使用するのはどのタイプのダムでしょうか?
そう。「重力式ダム」が正解。
そもそもコンクリートとは何かわかりますか?セメントに水を加えたものを「セメント・ペースト」。それに砂が加わると「モルタル」、それに砂利を入れたものが「コンクリート」といいます。

黒四や稲核のようなアーチ式ダムも美しく壮大ではあるが、マッシブなコンクリートのかたまりの重力式ダムは頑固な威厳を放ち、何とも言えない男らしさを感じる。
そのサマは完全にMarshallの壁と言ってよかろう。そういえばAキャビって一般的な重力式ダムの躯体にデザインが似てるな。

実はこの「マッシブなコンクリートの塊」というのが重力式ダムの大きな問題点となる。
セメントというものは水と化学反応(水和反応)を起こして固まるワケだが、この反応が起きる時に「水和熱」といってバカにならないほどの高温を発する。
して、この水和熱により打設したコンクリートが膨張し、大きなひび割れを起こしてしまうんだね。アータ、ダムの躯体にひびが入ってごらんなさいよ。大変な問題ですよ。

それで、いかにこの水和熱を下げてやるかということになってくる。水和熱は使用されるセメントが少なければ少ないほど発熱しないことがわかっている。
で、まず発熱しにくくジックリと水和反応が進行する「中庸熱セメント(MC)」というものが普通使われる。これにフライアッシュ(火力発電所で石炭を燃やした時に出る煤))を混ぜた、さらに発熱しにくい「中庸熱フライアッシュセメント(MFC)」というのもあったりする。
ちなみに街中の工事現場で見かける普通のセメントは「普通ポルトランドセメント(PC)」という。硬化したセメントの様子がイギリスのポルトランド岬の石に似ていたからだという。

とにかくダムにはそうした特殊なセメントを使って、かつ極限までセメントの量を減らすワケだ。
ところが、生コンというものはセメントの量が減れば減るほど流動性を失い、施工性が著しく低下してしまう。
そこで開発された工法が「RCD工法」というものだ。「Roller Compacted Dam Method」というものだが、これは普通の土木で使われる生コンにセメントが1㎥あたり270kg程度入っているのに対し、130kgから150kg程度しか入れない。するとどうなるかというと、バッサバサの生コンになってしまう。
このバッサバサの生コンが硬化しないうちにロードローラーで思いっきり踏みつけて締め込んでやるという強引かつ原始的な工法がRCD工法なのね。そして、生コンを打ち終わったら盛大に水をくれてやる。乾燥、発熱、収縮を防ぐためだ。
こうした作業を気が遠くなるほど繰り返し、あの巨大な躯体が出来上がるというワケ。

だからなんだ?ということになるんでしょうな。ま、セメントもまたよろしき哉…ということで。

300v_2早い話し、私はかつてそんなような仕事をしてたのよ。
だから、止水材(水が出ているコンクリートにピタリと貼りつけて止水する秒単位で固まるセメント)の一斗缶をかついで宇奈月のトロッコに乗って、黒部川のダムの堰堤の修繕に行ったこともあった。
水がイッパイになるとダムは門を開いて放水するでしょ?あれを長年やっていると、水打ちと呼ばれる水の通り道が土砂に摩擦されてツルッツルになっちゃうんだゼ。
中に含まれている砂利もろとも(ダムで使われる砂利は80mmといって建設用の25mmや普通土木の40mmよりも大きい)ザラザラだったコンクリートが、長い間こすられてガラスのようにツルツルになっちゃうんだから!

それと驚いたのは現場サイトの宿舎だよね。いわゆる飯場ってヤツ。あんな山奥に何年も過ごすなんて…。アタシにゃできないな~。だって黒部の山奥には中古レコード店ないもんなァ。
ここで前回約束した通り「ダイナマイト」の話し…。

290v_2これは年配の先輩社員から聞いた話し。もしかしたら担がれていたのかもしれない。
…というのは、昔はこの飯場では酒を飲む時に夜な夜なダイナマイトを薄切りにして喰ったというのだ。
ご存知の通り基本的にダイナマイトはニトログリセリンと砂を混ぜたものだ。で、このニトログリセリンというのが甘い味がするらしい。それが何とも酒にマッチするとか…。
ダイナマイトはそのニトロの含有量によってグレードが定められていて、最もニトロの量が多い「桜」というグレードのものが一番うまいそうだ。本当かどうか知らないよ。
でも、心臓の悪い人はニトログリセリンを常備してるじゃない?だから喰えないことはないのかも知れないよね。
ま、こんな話しマリオとルイージが聞いたら気を悪くするかもね。(←これがわかる人は結構映画を見てる人)
次回はトンネルの話しにしましょうか。NATM工法とか…。

あ~、ノブさんすいません!ダムにつられてつい!「ダム」というより「セメント」になっちゃいましたね。これがホントのダム話し、いやムダ話し…お後がよろしいようで。ハイ休憩終わり!

310_2アニキの猛烈な盛り上げを経てショウも後半に入る。

240「青森ロック大臣」

250鈴木さん、和嶋さんのこと何回も「津軽のジミヘン!」と紹介していたっけ。「つがる」は「る」と「ン」にアクセントが来ていた。

260ジミヘンとくればMarshall。2日間、実に素晴らしいギター・サウンドだったね~!

270「天国に結ぶ恋」。これも『人間失格』収録の人間椅子クラシック。

280v本編最後は前日同様の「針の山」。

325v両日とも本編15曲。新旧レパートリーを取り交ぜた人間椅子の魅力が爆発した充実のパフォーマンスだった。

330_2アンコールに応える。

340演る方も見る方もヒート・アップする一方だ。

350アンコール1曲目は「りんごの泪」。

360_2代表的人間椅子クラシックに会場も大騒ぎ!

370_2続いてのクラシック・ナンバーは「幸福のねじ」。

390_2スゲェな、人間椅子って…25年もまったくブレずにコレをやってるんだもん。

400_2ダブル・アンコールでは「地獄風景」。
三三七拍子をモチーフにしたドライビング・チューン。

430怒濤の2日間の最後を飾るにふさわしいすさまじい演奏だった!

420大歓声に応える3人。

450

460

470

480この後、人間椅子は今週の土曜日に開催される『樋口宗孝追悼ライブ vol.5 EVERLASTING MUNETAKA HIGUCHI 2013 6th MEMORIAL』でZepp Tokyoに登場する。
前回Marshall Blogでもレポートした、今回で5回目を迎える大イベントだ。

そして年明けの1月18日、『バンド生活二十五年 ~ 猟奇の果 ~』と銘打ってワンマン・コンサートが開催される。会場は渋谷O-EASTだ!

順風満帆の人間椅子。こうなると25年もアッという間の出来ごとだったのではあるまいか?
これからも「日本のロック」をガムシャラに奏で続けて欲しい!Marshallがお供いたします!

485人間椅子の詳しい情報はコチラ⇒人間椅子オフィシャルサイト

500v(一部敬称略 2013年9月30日 渋谷O-WESTにて撮影)