Marshall Blogに掲載されている写真並びに記事の転載・転用はご遠慮ください。
【マー索くん(Marshall Blog の索引)】
【姉妹ブログ】
【Marshall Official Web Site】
【CODE/GATEWAYの通信トラブルを解決するには】

« 2013年11月 | メイン | 2014年1月 »

2013年12月

2013年12月27日 (金)

CONCERTO MOON~BLACK FLAME TOUR 2013

今年も早かった~!Marshall Blogの更新は年内は今日が最後となります。
2013年のトリを飾るのはCONCERTO MOON!

10_2通算10枚目となるニューアルバム『BLACK FLAME』が発表され、その名もズバり「BLACK FLAME TOUR 2013」とタイトルされた全国レコ発ツアーが敢行された。
Marshall Blogは『BLACK FLAME』について島紀史のインタビューを2回にわたり掲載した

20cdそして、今日レポートするコンサートが「BLACk FLAME TOUR 2013」の千秋楽だ。

30_2島紀史。
今回からギターのブランドが変わった。

40vMarshallはもちろん変わらんね。MAJOR 1967。

50_2足元のようす。
一時期極限まで簡素化されたが、また少しだけにぎやかになった。それでもシンプル。

55長田昌之

60v_2長田ちゃんのキットはNATAL。ブビンガの24"ツーバス・キットだ。

70_2NATALのドラムはどれも仕上げが美しいが、とりわけこのブビンガのキットは重厚な木目がOrange to Red Fadeのフィニッシュにマッチしていて美しさを際立たせている。

Cm_img_7408_2 久世敦史

80_2三谷耕作。
耕作さんは1959を使用している。

90vサポートで参加したキーボードのAki。

100v今回はスゴカッタ!演奏の話しでない。CONCERTO MOONの演奏がスゴイのは当たり前で今に始まったこっちゃない。
スゴイってのはスモークのことよ。モクモクモクモクモクモク…ステージは完全に悪天候の富士山頂状態…行ったことないけど…。
撮れないのよ。これほどケムイと…。みんなヘルムート・ニュートンになってまう。
…といい訳をカマしておいて…今回の写真のクォリティは割り引いて見てチョーダイ。

それにしても、昔はこんなにモクモクやらなかったもんですよ。ま、今みたいなスモーク・マシーンなんてなかったからね。ドライアイスを粉々にして、電熱器で熱したお湯に一気に突っ込む。盛大に飛びだす白煙。ドライアイスの煙は重いからステージの下を這う。これがカッコよかった。
今のは照明の効果を狙っていることはわかるんだけど、チョットね。これに流行りのLEDのライトでしょ。とにかくカメラマン泣かせなのよ。

140v_2それにしてもノンちゃんのギターの音の美しいことよ!

120v_2ドンドンよくなってる。
もちろんこのすさまじいプレイがあってのこと。
演奏技術と機材の力がお互いに助長しあっているもっともいい形でなのではなかろうか?

130いつも通りの荘厳なSEに導かれ登場した5人がまず演奏したのは「The Vail Of Mystery」。『BLACK FLAME』のオープニング曲だ。

Wholeもう昔からバンドにいるような余裕さえ感じさせる久世ちゃん。CONCERTO MOONという日本を代表するメタルの大看板での大役を見事にこなしているではないか!

150v_3サポート参加とはいえさすがのオリジナル・メンバー。息の合ったプレイは替えの利かない安定感がある。

160vNATALサウンドを見事にCONCERTO MOONの一部に溶解させ飽和させた長田ちゃんのドラミング。

170v2曲目も『BLACK FLAME』と同じく「Against The Wind」。

180_23曲目はひとつ前のアルバムのタイトル・チューン「Savior Never Cry」。

230この曲は昨年の暮れに企画された「ファンが選ぶベスト20」の第1位に選ばれた人気曲だ。

190v_2続いて「Dream Chaser」~「Stay In My Heart」.

200v以前にも触れたが、どのパートが欠けてもバンドというものは成立せず、重要でないパートなどないが、ロックバンドの場合、よいサウンドをクリエイトするうえでボーカルとドラムの重要度が高いことは否めない。
したがって、そのドラムの音を出すキットを全面交換するということは、バンドのサウンドが変わってしまう可能性が高く、そう簡単にできるものではない。そういう意味では例えドラマー自身が新しいドラム・キットを気に入っていたとしても、他のバンド・メンバーに迷惑を及ぼすことがあるワケだ。
10年以上にわたってガンコなまでに自分達のサウンドを追及しつづけているCONCERTO MOONのようなバンドとなれば、当然そうした危険を避けなければならない。

そのあたりをCONCERTO MOONの頭脳であり。音楽監督であるノンちゃんはどう思っているのだろうか?
で、このNATALのドラムについてノンちゃんに訊いてみた。

210以下は島紀史のNATAL観。
「まず音がいいと思いました。特にバスドラム。新品なのにかなり使い込んだような鳴りを感じるんです。オーバートーンっていうのかな?それがよく出ているんでしょうね。
そうだな…バス・ドラムの音が見えるようになったっていうのがちょうどいい表現かな。
ちゃんと使えばそれに応えてくれる。Marshallもそうでしょ?
薄皮が剥けたようにアタックがクリアでタムとバスドラムのバランスがとてもいい。どういいのかというとすごく『音楽的』なんです。
そうまさに『音楽的』…Marshallも実に音楽的なギター・アンプじゃないですか!するとなぜMarshallがNATALをやっているのかが自然にわかって来る。」
さすがのご慧眼!

250vここでまた『BLACk FLAMES』にもどって「Breaking The Chains」と「My Destiny」をプレイ。新旧のレパートリーを巧みに織り交ぜる。

220ノンちゃんファンお待ちかねのインスト・コーナー「To Die For」。
超絶ギタリストとして、稀代のロック・インプロヴァイザーとして、限りない力量を見せつけるコンサートのひとつのハイライトだ。
弾くわ弾くわ、昨日、一昨日と間断なく空間を埋め尽くすChris Duarteのギターにジャズの巨人John Coltrneのスタイルに当てはめて形容したが、メタル版の「Sheets of Sound(音のシーツ)」はこの人だろう。それもこの美しいMarshallサウンドあっての話だ。ノンちゃんはそこのところを1000%理解してくれている。

260そのまま長田ちゃんのドラム・ソロになだれ込む!

275NATALでのドラム・ソロ。これももっとも聴きたかった、観たかった、そして撮りたかったシーンのひとつ。過剰なスモークが厳しい!

280渾身の力を込めてスティックを振り下ろす長田ちゃん!

290vキメのポーズも忘れないゼ!

300コンサートは後半に入るが、ここから先がまたスゴかった。このバンドのラスト・スパーとほどコワイものはない!310v旧作「Right Here , Right Now」から新作「Reach For The Sky」。
ここから先は久世ちゃん、酸素を摂るヒマはない。

270「The Shining Light Of The Moon」~「Angel Of Chaos」~「It’s Not Over」~「From Father To Son」。
キラ星のごとく繰り出される愛奏曲たち!

240今年もノンちゃんにはDeep Purpleのことを色々教わった。最大の収穫は『Who Do We Think We Are?(紫の肖像)』が名盤だってこと。
中学生の時以来、36年ぶりぐらいに聴いてみたけど、全曲があまりにも素晴らしい。『Machine Hed』だの『Burn』だのより断然いいな。ハード・ロックの大名盤だ。
Deep Purpleというとホントに耳タコの「Smoke」、「Highway」、「Burn」ばっかりだけど、この『Who Do We~』収録の「Mary Long」、「Smooth Dancer」、「Rat Bat Blue」なんかにも注目してもらいたい。
とくるとライブ音源も聴いてみたくなるのは人情だ。
しかし、レア・ライブ音源なんてのが発掘されても、やはり「Speed King」だの「Burn」ばかり…。他の曲は演奏されなかったのだろうか?こんな時はノンちゃんに訊く。
「はい、『Mary Long』がXX年に演奏されただけで…」 
即答である。便利である。
PurpleとRitchieネタの時には来年もお世話になることは間違いない。
320本編15曲の最後を締めくくるのはニューアルバムのタイトル・チューン「Black Flame」!

330いつもサービス満点のCONCERTO MOONだけど、今回はアンコールがとてつもなくエキサイティングだった。

1回目のアンコールは「Take You To The Moon」。

340本編と変わらない…イヤ、本編以上の入魂ぶり!

3501回引っ込んで「Change My Heart」で2回目のアンコールに応える。

360vここも壮絶な演奏!

ま、これじゃバンドもお客さんも納まらないな…と思っていると…

3703回目のアンコールでは2曲をプレイ。「Surrender」と…

380v「Alone In Paradise」だ。

390vよくバンドとお客さんの間で、「朝までやるぞ!」「イエ~イ!」「やるワケねージャン」みたいなやり取りがされるけど、オイオイ、コレ本当に朝まで演るんじゃないの?!と思わせたのは…

400もう1回アンコールに応えたのだ!曲は「Time To Die」
410
全員が一丸となって燃え尽きんばかりの激奏!

420「○x△は格闘技だ!」という表現は好きではないんだけど、ここはその表現を使わざるを得ないかもしれない。
「CONCERTO MOONのコンサートは100m走を50本。それも格闘しながらの全力疾走だ!」というところだろう。

430走り終えた5人。すさまじい疾駆ぶりだった!

そして、CONCERTO MOONは来春も全力疾走する。
『BLACK FLAME TOUR 2014』と銘打ったツアーを予定しているのだ。日程は;
3/15(土) 名古屋・ハートランドスタジオ
3/16(日) 東京・目黒鹿鳴館
3/26(水) 高知・キャラバンサライ
3/28(金) 金沢・van van V4
3/29(土) 大阪・心斎橋Club ALIVE!
となっている。
この年の瀬に来て楽しみがまたひとつ増えた。

440CONCERTO MOON    CONCERTO MOON Official Site

450(一部敬称略 2013年11月16日渋谷Rexにて撮影)

2013年12月26日 (木)

QUORUM PLAYS QUORUM

どうしようかな~…。まだ悩んでる…。

このMarshall Blog、無造作に写真を貼り付けて適当に文章を書いていると思ってるでしょう?
トンデモナイ!
確かにパターン化させている箇所はあるけど、読者のみなさんをなるべく飽きさせないように、無いアタマを絞りに絞って構成を考えつつ制作しているのです。
そうでもないと毎日読んでもらえないもんね。

で、困ったのは今回の記事。
「見てから読むか」、「読んでから見るか」…コレに相当悩んだ。
ナニを見せるかっていうとQUORUM。
待望のプロモーション・ビデオが出来上がったのだ!

エエイ!もう最初に見せちゃえ!
とにもかくにもまずはそのビデオをご覧下され。ハイ、クリック!

…と思ったけど止めた!
やっぱり最後に紹介することにした。ですので必ず最後まで記事を読んでからQUORUMの世界をご堪能くだされ。まずは撮影のレポート。

PVで収録された曲はそのままバンド名を冠した「QUORUM」。

10Quorumのステージでは定番のテーマ・ソングともいうべきキラー・チューン。

20QUORUMの4人。平均年齢22歳。肌がツルツルしてる!

40ボーカルの浪岡真太郎。「後輩」と言いたいところだがゼンゼン違う…現役の東大生。
120vギターの北川游太。
130vベースの盆子原幸人。
140vドラムは石川達也。

150vセットに使われたMarshallのフル・スタックとNATAL。

30やっぱり美しい!他のギターアンプではゼ~~~ッタイに作り出せない光景、そしてムードだ。これだけでロック。
QUORUMの音楽にはMarshallが欠かせない。彼らが演奏しているスタイルの音楽はMarshallがあったjからこそ生まれたものだからだ。

100そして、その雰囲気にピッタリ収まるのがNATALのドラム。スコーンと紅茶、フィッシュ&チップスにはイングリッシュ・エール、TESCOのサンドイッチにはWALKERSのポテチ…やっぱりイギリスのものにはイギリスのものがシックリ来るのだ!

110Marshallの壁を背にしょった4人。

50ギタリストの遊太はもちろんのこと…
200他のフロントの2人も最後まで高まったテンションをキープしていた。

70達也にはNATALだ!

80今回達也が使用したNATALはメイプルの24"ツーバスのキット。フィニッシュはSilver Sparkleだ。

170ペダルもNATAL製。スネアにはNATAL自慢のHand HammeredシリーズのDark Copperが使用された。

180こうして都内のライブハウスで撮影は順調に進んだのだった。
160それではここでそのプロモーション・ビデオを見ていただこう。
はい、クリック!

いかがだったろうか?

いつもMarshall Blogが騒いでいるように、カッコいいギター・リフにソロ、魅力的なロック・ヴォイス、へヴィでフレキシブルなリズム・セクション、これらを全部備えているバンドがQUORUMなのだ。

60vこうしたロックが突然変異的に先祖返りして生まれてくるハズもなく、メンバーが各々黄金期のロックをいい点をしっかりと受け止めて、今の世代の感性を注入して作り上げた結果がコレなのだ。
いつも言っているのはこのことなのだ。

185早くもこのビデオは世間で評判となっているようでうれしい限りなのだが、若い人たち…高校生ぐらいの子たちはこの曲を聴いて一体何を思うのだろう?
自分達のちょっと年上のお兄さんが髪の毛を伸ばして、細いGパンやビニパンをはいて、半裸で狂ったように演奏する姿がどう映るのだろう?
ギター・リフもソロもなく、甲高い声で「ゴメンね、ゴメンね」と優しい男の子の心情を歌うバンドの方がやっぱり魅力的なのだろうか?
そういうのはロックじゃないよ。

190vQUORUMをおじさん達の懐古趣味の対象で終わらせてはゼッタイにダメ。若いリスナーにドンドンとアッピールしていってもらいたい。
そうして、若い人たちがQUORUMに興味を持ってくれたらしめたものだ。その若い人たちはハッピーとなる。QUORUMをキッカケに一生かかっても聴ききれないほどの素晴らしいロックと出会う可能性が高くなるからだ。

210vさらにQUORUMの進撃は続く。
902014年2月19日、「QUORUM」を含む全5曲入りのミニ・アルバムがリリースされるのだ。しかもちょうど午年!
QUORUMにとって大きな飛躍の年となることは間違いないだろう。

CdQUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site

220v(一部敬称略 2013年11月撮影)

2013年12月25日 (水)

Chris Duarte Live in Japan 2013 <横浜編>

いんや~、昨日のシモキタのChris Duarte Groupはスゴカッタ~。
今日もChris…横浜Thumbs Upから。

10_2また紹介しちゃおう!
8月にリリースされた、昨年の目黒Blues Alley Japanでの壮絶な演奏を収録した2枚組ライブ・アルバム。11月には国内盤も発売となった。

20cdライブ・アルバムとは異なるドラマーを擁しての来日となった。九州を皮切りに東北まで日本を縦断するツアー。この横浜は最後から2番目のショウとなった。

30Chris Duarte

40v_2小笠原義弘

50v_2もちろん横浜でもEDEN WT-800ヘッドとD410XSTキャビネットを使用。

55vJohn McKnight

60vツアーを通じてJohnが叩いたのはNATAL Maple Traditional Customキットだ。

65今日のセットリスト。
もちろん上の「横浜」の文字もChrisによるものだ。達筆!

70v_2…と思ったら、ナント、1曲目からセット・リストと違う曲を弾き出したChris。
何事もなかったかのようにピタリとつけるバック陣。
ダテにワン・ツアーこなしていない!やすきよの漫才クラス!

80ここThumbs UpはChrisにもおなじみの会場だ。

90_21曲ごとに大きく沸き上がる拍手でChrisも気合が入る!

100v_2オガンちゃんも実に楽しそうだ!

110v演奏曲目は前日と大差ないが…

120vショウの構成をガラリと変えており、連日訪れるお客さんを飽きさせない。

130Chrisの熱演ぶりは今夜も全く変わらず、まるで命を少しずつ削ってギターに捧げているようなのだ。
こんなこと毎晩やっていたら身も心もどうにかなってしまうのではなかろうか?

230v_2しかし、そうして生み出される音楽こそが人の心を揺さぶるのだ。
Chrisのプレイを観ているとそれが実感できる。

150v_2こういう演奏こそ若い人たちに観てもらいたいナァ。
コンサート会場で身体をブツけ合って音楽を楽しんでいる気になっているような若者たちにこのChrisの命がけの演奏がどう映るのだろう?

170v_2案外感動する子も多いのではなかろうか?感動して興味を持った子たちはラッキーだ。いい音楽を知ることは人生を何百倍にも幸せにする。
まずは年長者がこうした魂の音楽の魅力を教えてあげる仕組みを作ってやることが先決だ。
Marshall Blogの目標のひとつはそれだ。
190v_2今日も絶好調のオガンちゃん!

これも何回か触れたことだが、こうした演奏に接すると、やはり最近の若い人たちが夢中になっている音楽には「3」のフィーリングが欠如していることを痛感する。これは大谷令文氏の至言だ。

「3」のフィーリングとは、ブギであり、シャッフルであり、スイングのことを指す。
今のテレビなどから流れる若い人たちが奏でる音楽にこうした要素を見出すことは難しい。時代のトレンドといったらそれまでなのかもしれない。
しかし、それではあまりにも寂しくはなかろうか?
軽快な8ビートはいかにも爽快でロックを代表するリズムであることに異論を唱える気は毛頭ないが、ブギやシャッフルもロック・リズムの重要な要素なのだ。
今ではダンスの世界でしか接することのなくあったルンバやチャチャチャのように鑑賞音楽としてのブギやシャッフルを絶滅させてはならない。
このバンドの演奏する曲のほとんどは「3」だ。それも最高のリズム隊がグルーヴさせる「3」だ。
ムリとはわかっているが、こういうバンドこそ大勢の人の耳目に触れることを強く望んでいる。

160_3どの曲かは忘れてしまったが、あまりにすごいベース・ラインで完全にシャッターを切る手が止まってしまったもんね。
250_2ジャズ界の七不思議のひとつにCount Basie OrchestraのFreddie Greenのギターが挙げられる。これはオーケストラの中で最も音量の小さな楽器であるギターが、 トランペット×4、トロンボーン×4、サキソフォン×5、ドラム、ベース、ピアノという爆音の中でも聴こえるというヤツ。もちろんMarshallのフル・スタックを使っていた…なんて話ではないよ。
一説によると、Freddie Greenのギターは、そうした周りの楽器群が鳴り出す瞬間から何百分の1秒とかの差で、すき間を縫って弾いているからだとか…。ホントかどうかは知らん。でも、そうあって欲しいような話しだ。
オガンちゃんのベースもこの話しに似ているような気がするんだよね。
つまり、オガンちゃんはもっともリズムが躍動する低音の置き場所を本能的に知っていて、無意識にその場所に自分のベースの音を当てはめているんだと思うのよ。これは教わってもできるようなシロモノではない。そういうことができるのが「才能」なのだ。
180_2サラッサラッっとスティックでドラム・キットを撫でているような軽快なプレイなのに音の存在感が尋常ではない。もっとスゴイのはそのスピード感だ。
こんなにデカイのに動作が信じられないくらい素早い。「電光石火」とはまさにJohnのような動きを指すのだろう。
シンガーソングライターとしての活動も展開するJohn。歌も滅法ウマイ。
それにしてもNATALの音は素晴らしい。Johnの手にかかって鳴りまくらされていた!
暗くてほとんど写真が撮れなかったのが残念!

140今日も「Like Eric」がスゴかった!アウトに、インにすき間なく繰り出されるフレーズの洪水はまさに「シーツ・オブ・サウンド」!

240v
ああ~、いい湯だった!
2日続けて最高の「音楽浴」ができたよ!

260_2Chrisが世に送り出した力作たち。
「幸せ!」、「ありがとう」、「楽しかた」等々サインにひとことずつ寄せてくれた。宝物だ。

270Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒Chris Duarte Official Web Site(英語版)

210v_2小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒Dancin' Funky Bass!!!

220John McKcNightの詳しい情報はコチラ⇒John McNight REVERBNATION(英語版)
200vまた来年も来てくれるかな?そうだといいな!
それまではこのライブ・アルバムでガマン、ガマン!
20cd(一部敬称略 2013年11月15日 横浜Thumbs Upにて撮影)

2013年12月24日 (火)

Chris Duarte Live in Japan 2013 <東京編>

「森林浴」ってあるじゃない?
アレと同じだと思った。思う存分いい音楽を浴びるのが「音楽浴」。
今年もやって来たChris Duarteのジャパン・ツアー。その東京公演。まさに「音楽浴」のようなパフォーマンスだった。

10Chrisは昨年の夏に東京で収録されたライブ・アルバム『CHRIS DUARTE GROUP LIVE』を8月にリリース。その国内盤が、今日レポートするコンサートの前日の11月13日に発売された。
今回の来日はレコ発ツアーとなるワケ。
このライブ・アルバムについては、すでにMarshall Blogで紹介している。アルバム・ジャケットに使われているのはすべて私が撮った写真であることも記事内に記した。いまだにとてもうれしい。

30cd今回のメンバー。

20Chris Duarte

40vChrisはJVM210Cを使用。

50vChrisの足元のようす。コンパクト・エフェクターをズラズラと並べた懐かしい光景。昔はみんなこうだった。

60小笠原義弘

70v今回は全ツアーを通じEDENを使用。ヘッドはWT-800、キャビネットはD410XSTだ。

80vこちらはオガンちゃんの足元のようす。

90ドラムはJohn McKnight(ジョン・マクナイト)。

100vJohnは全公演でNATALのメイプルのトラディショナル・カスタムを使用。
トラディショナル・カスタムは12"Tom、14"Floor、16"Floor、22"Bass、14"x5.5"Snareという構成(configuration)だ。色はGloss Black。

110冒頭に述べたように「音楽を聴いた~」感にあふれる素晴らしい演奏だった。そうなることはわかっていても、十分に素晴い内容だった。

120この日のセット・リスト。
「きゅけい」とか「ざんきょう」とひらがなが混ざっている、断っておくが、オガンちゃんが書いたものではない。
Chrisの直筆セット・リストなのよ。
もちろん「きゅけい」は「休憩」。「ざんきょう」は「残業」のこと、つまり「アンコール」を意味している。
こうしてちゃんとセット・リストは用意されるのだが、Chrisの気分で急に曲順が変わってしまうこともあるそうだ。

130v東京公演のオープナーは『Vantage Point』収録の「Let's Have a Party」。

140vアップ・テンポなストレートなロックンロール!

150v相変わらず初っ端からアイドリングなしのフルスロットル状態!

155vオガンちゃんのベースがうねる!気持ちいい~!

170v『Texas Sugar/Strat Magik』から「Letter to my Girlfriend」。
210vそして、2010年の『Infinite Energy』の1曲目、「Ridin'」へつながる。

160ジミの「Rock Me Baby」を想起させるこれまたエキサイティングなナンバー。転調、キメ、リズム・チェンジと内容は格段にハイパー。

200チョッ~ト、なにこのドラム?! メチャかっこいい!
180最新スタジオ・アルバム『My Soul Alone』から「Yes, It's You」。
ちょっとポップな8ビート・ナンバー。
こうした愛らしい曲もChrisの魅力のひとつ。

190v同じアルバムのオープナー、「Show me That You Want it」。ベッタベタのシャッフルはオガンちゃんの腕の見せ所!
220v重いマイナー・ブルース「Bottle Blues」。
360軽快な「Sweet Little Girl」。
これも新しいスタジオ・アルバム「My Soul Alone」の収録曲だ。
260それにしても強力なこのリズム隊!
3108ビート、シャッフル…一丸となってうねりまくるリズムの饗宴だ。
230v最高のリズムにのって得意のブルース・フレーズから奇抜なフレーズまで何かに憑依されたかのように縦横無尽に弾きまくるChrisのみずみずしさといったらない!
一部の最後は「101」。

270v「きゅけい」を挟んで飛び出したのは「The Best That I can Do」。

このバンド、オガンちゃんのコーラスも大活躍なのだ。それにしてもゴキゲンなナンバー!

175今度はストレートなブルース「I Buckled it up」。
さらにニューアルバムのタイトル・チューンともいうべきドへヴィな「Leave my Soul Alone」。

240来日公演のチラシで初めてJohnを見た時、まるでNeville Brothersにいそうな強面で思わず「コワッ!」とつぶやいてしまった。
ところが会ってみると、Marshall Tucker Bandの話しで盛り上がったりして実にやさしくて素敵な人だった。とにかくデカイ!
しかしさ、黒船の時代、初めて白人を見た日本人はさぞかし驚いただろうし、コワかっただろうな~…なんてことを思ってしまった!

280vそのJohnがNATALを大層気に入ってくれた。「7歳からドラムをやってきたけど、今までで最もいいドラムだよ!」なんて言ってくれるんだゼ!
お世辞かと思うでしょ?でもね、マジで叩くその姿は本気だと思った。
Chrisはある曲でコルトレーンの『Village Vanguard』の「Chasin' the Trane」みたいなことをするんだけど、ChrisのギターをギンギンにあおるサマはElvinというより、白いDennis Chambersだったな。
John恐るべしなんだけど、NATALもかなり恐るべしだゼ。ますます気に入った!

3002011年のアルバム、『Blues in the Afterburner』からワルツのバラード「Hold Back the Tears」。ん~、いい曲!

250やっぱりすごいオガンちゃんのベース。動くんだよね~、バンドが…グイッと!バンドが動くのが目に見えるようなのですよ。これが世界のレベルなのか…と今回も感動。

320v今回はJohnというルックスが同系統のメンバーを得たオガンちゃん。旅先では、スレ違う人が小声で「オイ、あれどこの団体だ?」と話しているのが聴こえて来たことが何回かあったそう。
「団体」とはバンドではなくて、当然「プロレス」のことである。
イヤイヤ、この体型が音に出るんですよ!楽器と同じ。Johnとオガンちゃんのコンビを見かけたら誰しもそう思うわな~。Chrisはレフェリーか?プロモーターか?

325「Make me Feel so Right」、「Carelessness(この曲のスタジオ・バージョンはヴァイオリンが入っていてCurved Airみたいで滅法カッコいいよ~)」、「Outta my Way」他が演奏された。
最新作の『Live』のレコ発でもあったが、演奏された曲は『My Soul Alone』からのモノが多く、そのレコ発も兼ねたステージとなった。

275本編最後は「Like Eric」。
これがさっき触れた「Chasin' the Trane」みたいなヤツ。もちろん曲調は全然違うが、Chrisの頭の中はコレに違いない。
「Eric」というのは「Eric Johnson」のことでしょう?

370v死力を尽くした3人のインタープレイ!

380演奏スタイルはロック・ビートに乗っているが、精神は完全にジャズだ。

290vChrisは前回コルトレーンの「Moment's Notice」を取り上げた
ブルースとロックを混ぜて、イヤ、他の言い方をすれば、ジャズ・フレーズを一切使わずギターで「シーツ・オブ・サウンド」を実現し、断片的にコルトレーンの世界を作ろうとしているように私には見える。だからおもしろい。

350「ざんきょう」では「Hideaway」他1曲を演奏。

Marshall Blogでも度々触れているように私はブルースが苦手…というか、長時間聴いているのがシンドいんだけど、Chrisはいいな~。もちろん演ってる曲が全部ブルースというワケではないからね。
「ブルース・ギタリスト」という看板は掲げているけど、ジャズとロックを十分に吸収して、それを泡が立つまでよ~くブレンドして、それから「ブルース」という型枠に流し込んでオーブンで焼き上げた音楽…それがChrisの世界。

「あ~、いい音楽を聴いたな~」、「ホント、いい演奏を観たな~」…Chrisのコンサートの帰り道はいつもコレだ。

400小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒Dancin' Funky Bass!!!

330vJohn McKcNightの詳しい情報はコチラ⇒John McNight REVERBNATION(英語版)

390Chris Duarteの詳しい情報はコチラ⇒Chris Duarte Official Web Site(英語版)

410v(一部敬称略 2013年11月14日下北沢The Gardenにて撮影)

2013年12月20日 (金)

雨の日のマーシャル~♪Singing in the Rain with Marshall!

おなじみのMarshallスクリプト・ロゴ。コレな~んだ?

10そう、カサ。あん・あんぶれ~ら。

20雨の多いイギリスにはもってこいのマーシャル・グッズですな~。すんげ~デカイの。日本の標準的な傘よりふた回りぐらいデカイ。
でもね、連中、どんなに強い雨でもカサをささないんだぜ。ビッチョビチョになってるか、雨宿りするか…。

25雨の日もMarshall!ああ、雨の日が楽しみだ!…といいたいところだけど、もったいないからビニール傘にしよう。悲しき貧乏性。

30v今日のマーブロ、たまにこんなんがあってもいいでしょ?!

※このカサはMarshall本社がイギリスのあるイベントのために製作した非売品です。

2013年12月19日 (木)

DESTROSE復活2周年! 『霖-Rin- / MAZE』発売記念 ワンマンLIVE!

「ガール・バンド」は世界に誇れる日本のロックの特徴のひとつになった…と言っても決して大ゲサなことではないだろう。

30ロックのハードな部分はそうしたガール・バンドの存在を抜きにして語れなくなった。そうした時に枕詞として「ガール」という単語が使われなくなるのも時間の問題だろう。イヤ、もうなったかな?

そのムーブメントの渦中にあるバンドのひとつ。DESTROSE。
TSUTAYA O-WESTで先ごろワンマン・コンサートを開催した。

104月に『NAONのYAON』で共演したSHOW-YAからお祝いの花が!

20DESTROSEは4月にフル・アルバムとなる『DESTROSE』をリリースした。

40cd_2Marina

70Mina隊長

80v_2成美

90vmiho

100vそして、Haruna。

110オープニングは今回リリースした両A面シングル(この言葉も「レコ発」」と並んでナゼか生き残っている)から「MAZE」。

120いきなりやっちゃう。もちろん、このコンサートの前日に発売されたシングルの発売記念なので構わないんだけど…というより、最後までネチネチ出し惜しみするより全然いい。男らしい!
もう一刻も早くナマのパフォーマンスを見せたい!という感じ。つまりは自信作なのだ。

130これがそのシングル『霖-Rin-/MAZE』。

50cd_2O-WESTから始まったというDESTROSE。それだけに今回のワンマン・コンサートに対する思い入れと感動は相当なものであったハズだ。

140v「Skykiller」、「Lifer 13」とファースト・アルバムからのレパートリーを繰り出していく。

150vワイルドな演奏と緻密に計算されたステージアクションや演出のコンビネーションがDESTROSEのステージの魅力。

160今日はEDEN WT-800とD410XSTキャビをBi-ampで2台配しての激低音!しっかし、このベアン、スゲエな。音の抜け方がハンパじゃない!へヴィなサウンドが身上のDESTROSE、これぐらいゴージャスな低音こそシックリくる!

220

そして、Harunaちゃんのドラムがガッチリと組み合わさる。今日のNATALはバーチのキットだ。サンバースト・フェイドが美しい。
厚く深い鳴りがこれまたDESTROSEサウンドをへヴィに演出する!

180v会場はもうパンパン!信じられないぐらいの盛り上がりよう!

200後半に入る直前に演奏されたのは「Fairy」!SHOW-YAの「Fairy」!うれしいな~。
本家に喰い下がるパンチのきいたプレイがこれまたうれしい!

190v「Nostphilia」、「Sword of Avenger」、「破壊の薔薇」等、ファースト・アルバムからの曲を立て続けに演奏しクライマックスを形成していく。

170v切れ味鋭いリフやソロでスリリングに展開したギター・チームの演奏。もはやMarshallが欠かせないなんてことを言うのはヤボというものだ。

230v体調不良を理由にこの後の大阪公演を最後に休養に入ったMina隊長。一日も早く回復してまたパワフルなギターをDESTROSEのステージで聞かせて欲しい!お大事に。Get well soon, Mina!!

240そして、最後にもう一度「MAZE」。

210DESTROSEが日本を代表するガール・バンド(ここは敢えて「ガール・バンド」と言う)であることを証明したファンタスティックな一夜であった!
がんばれDESTROSE!

250DESTROSEの詳しい情報はコチラ⇒DESTROSE official site

260(一部敬称略 2013年11月14日 渋谷TSUTAYA O-WESTにて撮影)

 

2013年12月18日 (水)

外道結成40周年&レコ発LIVE

最近のデータによると、邦楽と洋楽のCDの販売比率は82:18と、洋楽の占める割合が2割を切ったそうである。
我々の世代は「ロック」は「洋楽」と同義語だった。もしその定理に変わりがないとすれば、邦楽の増長は「ロック」の衰退を指すことになる。
イヤ、実際にはそんなことはないのはよくわかっている。「衰退」どころか、日本では70年代後半までは完全にマイノリティだった「ロック」という不良の音楽が歌謡曲を吸収して市民権を得、商売として異常なまでに拡大した。
その分、巷間のロックは、ロックが本来持つ「危ない」イメージを失い極端に魅力を失ってしまった。
元来のロックの魅力を取り戻そうとして70年代後半に盛り上がったパンクやニューウェイブのムーブメントの後に、こうした「よいこのホンワカ・ロック」が世を席巻したのは実に皮肉なことではなかろうか?
歴史は繰り返すし、音楽のトレンドは「振り子」のようなものだからどうなるものでもないのだが…。

さて、話しを戻すと、私が子供の頃は「ロックを聴いている」ということがカッコよくて、ちょっと大人になった気分を味わえた時代だった。
そして、井上陽水や吉田拓郎等のフォークは盛んだったが、日本のロックを熱心に聴いているモノは私の周りにはほとんどいなかった。
繰り返すが、洋楽こそがロックで、日本語で歌うロックを敬遠していた感があった。
しかし、これは考えてみれば当たり前のことで、人気のあった陽水や荒井由美らすらテレビに出なかった時代である。日本のロック・バンドの情報なんてほとんど世に出ることなどなかった。一般人にとっては日本のバンドを知るチャンスが極端に少なかったのだ。
ロック好きの子供たちにしてもMUSIC LIFE誌がバイブルだった時分の話しだ。

10私も例外ではなく、洋楽に夢中だった。日本のロックに耳を傾けるようになったのは、高校1年の時、5つぐらい年上のギタリストと知り合いになってからで、色々なことを教わった。教わった中で最もありがたかったのは「ライブハウス」の存在だった。
おっかなビックリ初めて行ったライブハウスは渋谷の屋根裏だった。「こんな世界があったのか~」と驚き、そしてそこに自分の居場所を見つけたのだ。すなわち、日本のロックとの出会いだった。
もちろんその前にBlackmore’s Raibowで安全バンドを、AerosmithやKISSでBOW WOWを、Eric Claptonでプリズムを見たりはしていたが、ライブハウスというディープな世界があったということは知らなかったんだな。もうそれからはのめり込んだ。1977年か78年ぐらいの話し。
そうして色々なことを教わった中に「外道」があった。「イモバン」を教わりその魅力にハマった。でも当時はもう外道は解散していて、実物を見ることはできなかった。
外道はまぎれもない日本のロックを奏でていた。

2002年に復活し、Marshallの仕事でご一緒することになった時はうれしかった。「加納秀人にあったら『加納さん』ではなく『秀人さん』と呼ばせてもらおう」と心に決めていた。
「外道の加納秀人」はロック少年にとって雲の上の存在で、周りの年長者が「ヒデキ」のように、まるでアイドル歌手を呼ぶように「ヒデト、ヒデト」と呼んでいたからだ。
だから今でも勝手ながら「秀人さん」と呼ばせて頂いている。これがすごくうれしいのだ。

その外道が結成40周年を迎えたのだ。その記念コンサートのレポート。

20Bonzo Dog Band、1972年の『Let's Make up and Be Friendly』収録の「Slush」が流れる。「メカゴジラ」の叫び声はないが、これが外道のコンサートの鬨の声だ。
もはや日本ではこれを「Bonzo Dogの…」と呼ぶ人はいないだろう。「外道のアレ」だ。もう秀人さんのものだ。

30加納秀人

40v松本慎二

50vそうる透

60v外道のデビュー40周年を記念して11月6日にリリースされた奇跡の新作『魂の叫び』。
8つの新曲に4つの外道スタンダードの再録によって構成されている。
外道のオリジナル活動期間にリリースされたアルバムは『Just Gedo』をのぞきすべてライブ・アルバムだった。
もちろん外道の魅力がライブにあることは間違いないし、その爆発的な瞬間をとらえたライブ音源を聴くよろこびは何物にも代えがたいのであるが、稀代のロックンローラー、加納秀人がスタジオにこもり、頭の中にあるアイデアをジックリと練り回して創出される音楽を聴いてみたいと思っていた。
それを実現させたのがこのアルバムに収録された全12曲ということになる。
ま、ひとことでいえば、これが「外道」。外道らしさにあふれた、これぞ日本のロック…という言い方がもっともシックリくるだろう。それしか言いようがないところによろこびを感じるわ!

70cdレコ発記念も兼ねたこのコンサート。当然新曲を中心にプログラムが組まれた。
しかし!秀人さんの声で秀人さんのギターである。「新曲」と言われても昔から知っているような、知らないような…。新しいような、なつかしいような…。これがタマランのよ!
強烈な個性を放つ秀人さんならではの所業だ。

1曲目は『魂の叫び』の冒頭に収録されたインスト「虹の彼方から」。

80振幅の大きいシャッフル。名曲「龍神」もそうだが、こうしたスケールの大きな曲に秀人さんのギターは実によくマッチする。

90v2曲目は「この世界に」。
160vソリッドでハードなリズム隊に乗って奔放にロックする秀人さん。実に気持ちよさそう!
120「心の叫び」が3曲目。
110コレコレ、これぞ外道。これはニューアルバムに収録された新曲だけど昔から知っているような…。「ハワイ」に入っていそうな…。ヘタすると初めて聴いても一緒に歌えちゃう!
それは完全に「外道」というオリジナル・サウンドが確立されているからなのだ。

130v「Sleepwalk」ばりに秀人さんのロマンチストぶりが発揮されたロッカバラード「マイラブ」。
サブドミナント・マイナーの響きって甘くて実にいいもんだよね。それとドミナントでの#5。言葉で書くと仰々しいけど、ロックをやる上で知っておかなければならない基本だ。
さすが秀人さん。基本とは言え、そんじょそこらのヤツがやってもなかなかこういう風にロックにはならない。

140「横浜スイートブルース」。
そういえば横浜の歌も最近はすっかり見かけなくなったな。今や日本で2番目に大きな都市になったが、その領域を広げるにつれ、「港」や「アメリカ」等のイメージが薄れてしまったからではなかろうか?
言っちゃ悪いけど、「たまプラーザ」に氷川丸は停泊できないもんナァ。
私が若いころの本牧なんかは本当に外国だったもんね~。あんな雰囲気や環境なら数々のドラマもあったろう。あのエリアをテーマにした曲がたくさんできてもおかしくはなかったと思う。

190vここからはおなじみの曲がしばらく続く。『魂の叫び』にも収録されている曲から。150「そんな」。カッコいいな~、このギターリフ!
「黒い影」とか「ぶっこんでやれ」とか秀人さんの作るギター・リフは日本人離れしている。

100vそして「YELLOW MONKEY」。

170ここは松本さんと透さんのコンビネーションをしっかり楽しむ。毎回入る歌の前のキメが大好き!

180vここはこの日のハイライトのひとつだった。「いつもの所でブルースを」

200vいつか初台のステージで「ブルースを教えてあげよう…」とささやくようにしてこの曲を弾き始めたのがすごく印象的だったが、この日の秀人さんもかなり強烈だった。

210ひとしきり歌った後…

280v客席にドップリ入りこんでタップリとソロを弾いたのだ。

230ケーブルの長さナント50m!ワイアレスを使わないところが何とも秀人さんらしい!

240主が留守中のステージ…。なかなか帰ってこない。

250隅から隅まで客席を回った!

260あ~あ~、記念撮影なんかしちゃって!

270ステージに戻ってからの次の曲は「乞食のパーティー」。この曲や「ハイビスカス・レディ」のようなポップ・チューンも外道の魅力だ。

290ニューアルバムに戻って「Hey Rock'n Roll 外道」。

310v生一本のストレートなロックンロール!
320v猛然とドライブする松本さんのベース!
そして、たたみ込むように飛びだしたもう1曲のロックンロールは…
330v「Rock' n Roll マウンテン」!
深いようで、浅い、しかし高いロックンロールの山!秀人さんは今日も頂上を目指す!

300v

コンサートは「ダンス・ダンス・ダンス」でクライマックスに向かう。

340「ゲドー!」「ゲドー」の外道コールから三三七拍子と外道のコンサートではおなじみの儀式が執り行われる。

350お客さんもよ~くわかっているのでビシッとキマる!楽しいナ~。

360そして、透さんのソロ!

370vん~、やっぱりいいなぁ。完全に「外道」の透さんとなった感も強いね。

380v実は透さんにお会いするのはかなり久しぶりだった。前の会社を辞めた時、いの一番にあたたかいエールを送ってくれたのは透さんだった。うれしくてホロっときたっけ。
また、こうして目の前でパワフルにドラムをプレイする透さんを見てうれしい!ホント、仲間は宝だ!(透さん、お借りしました)

390

続いて「何?」。

400v秀人さんがシャウトする「♪ませたガキだゼ!」のところが昔から大好きだった。

410ここでは外道ダンス。これも皆さん、かなりスンナリやってらっしゃいましたな~。

420「外道のワッペン背中にしょって…」 この曲のギターリフもすこぶるカッコいい!「ビュン・ビュン」。「ワッペン」という言葉も聞かなくなったね。

450テンションがまったく下がることのない秀人さんのギター。

460v本編最後はお待ちかねの「香り」。

470v「♪ゲ~ゲッゲッゲ~ゲゲゲゲゲゲゲゲッゲッゲ」のコーラスもハイパーにキマる!

480しかし、秀人さんどうやってこの曲のアイデアを思いついたのだろう?
「ビュン・ビュン」と「香り」も『魂の叫び』に収録されている。

490vこの曲を初めて聴いた時の衝撃ったらなかった。「コレだ!」と思った。日本のロック史に燦然と輝く名リフだ。
お互いに代表曲というイメージもあるのだろうが、私はこの曲を聴くといつも「Purple Haze」を思い出す。というのは、中間のギター・ソロの存在感がものすごく似ている感じがするのだ。

500v透さんの一擲で本編が締まった!

510以上15曲。新旧のレパートリーを取り混ぜた充実のステージだった。
当然巻き起こるアンコールの呼び声!

520vそして、アンコール。

530「愛の寝台車」と他1曲が演奏された。

540v日本のロックを代表する名バンドの結成40周年を祝うにふさわしい素晴らしいコンサートだった。

550終演後には秀人さんからのご挨拶とプレゼント。

560外道のメンバーとのジャンケン大会で勝ち残ったお客さんとステージで記念撮影をしようというのだ。

570

580

590ということで女性が勝ち残り記念の写真が撮影された。

600やっぱりいいな、外道。
かっこいいギター・リフにソロ、ロックテイストあふれるボーカル、へヴィなリズム隊。やっぱりロックはこれに尽きる。イヤ、こういうスタイルの音楽を「ロック」と呼ぶのだ。
若い人たちにドンドン聴いてもらいたい。そして聴かせた人は若者にこう伝えてもらいたい。「コレが40年前、日本に実在したロックなんだよ」と。そして、「今も何も変わらず最高のロックを演奏しているよ」と付け加えて欲しい。

ギター・リフを軸にした外道の曲に目をやれば、間違いなくブリティッシュ・ロックに影響を受けたロックということになるのだろうが、「ブリティッシュ・ロック」そのものという感じはない。ましてやアメリカン・ロックというテイストでもない。
やはり、外道は「日本のロック」なのだ。もっと言うと「秀人さんのロック」なのだ…と今回改めて思った。
そこにあるのは、シンプリシティとロックにおけるギターという楽器の魅力の徹底した追及ということになるのだと思う。

秀人さん、40周年おめでとうございます!
外道よ、永遠に!

610v(一部敬称略 2013年11月13日 DUO MUSIC EXCHANGEにて撮影)

 

2013年12月17日 (火)

おかえりバズーカスタジオ

(昨日からのつづき)…というワケで高田馬場へ発展的に移転したバズーカスタジオ。
新宿の時も駅から近かったが、今度も高田馬場駅からすぐ。まさに「歩いて2分、走って1分」!
煌々と輝く「BS」のネオンサイン!
これが今度のバズーカの入り口。

10地下に降りると細長い空間が広がる。
これがロビー。
ロビーが広いとうれしいね。
昔はスタジオなんて狭いの当たり前で、ヘタするとロビーが混んでいると楽器を持って部屋から出られないなんてところもあった。

20v_2昨日紹介したように元々バズーカスタジオはレコーディング・スタジオだが、新しいバズーカには練習用のスタジオが7部屋設置された。
壁に描かれた数字はその部屋の番号だ。

私が初めてバンドの練習でスタジオってものを使ったのは36年前。1977年か…当時はスタジオなんて今みたいにどこにでもあるものではなくて、楽器屋さんに併設しているスタジオが一般的だった。
うん、スタジオ屋さんなんてあんまりなかったよね、あの頃?
で、少しでも安いスタジオを探して都内をさまよったもんだ。
置いてある機材なんて使い古しのボロンボロンなものばかりだった。まずMarshallなんてなかったよね。ドラムのヘッドなんかおろし金みたいに凸凹になっちゃって…。

JCM800シリーズが出る前の話しだからね、Marshallといえば1959とか1987ぐらいしかなかったし、ま、たとえ置いてあったとしてもまだロクに弾けない子供の手に負える代物じゃなかった。
それが今ではMarshallが置いてあって当たり前。いい世の中になったもんだ。

もちろんバズーカスタジオもMarshall完備。来てくれたお客さんが快適な演奏ができるよう最高の機材を常備している。

30_2こちらはミキシング・ルームのうちのひとつ。
まだ他にもレコーディング・ブースとペアでいくつも用意されているのだが、取材した時点ではまだ準備中だった。
当然のごとく機材、環境ともに新宿に負けない、イヤそれ以上の快適なレコーディング設備が実現する。

40_2こちらは練習スタジオ。Marshallは各部屋にJVMのハーフスタックが常備されている。

まだJVMが「ムズカシイとかややこしい」とかいう声を耳にすることがあるが、ゼ~ンゼン簡単よ。
真空管のアンプを使える人なら誰でもすぐに使いこなせるはず。
GainとVolumeがと3バンドのEQがある3チャンネルのアンプが4個入ってるだけなんだから。それにリバーブとマスター・ボリューム、高域強調のPresenceと低域強調のResonanceが付いているというだけのもの。

4つのアンプもキャラクターがハッキリしている。
①Clean  :1959等のビンテージ系サウンド
②Crunch :JCM800 2203系
③OD1   :JCM2000系
④OD2   :ドンシャリのJCM2000系
という風なサウンドのイメージを持っているので、まずは今まで使って来たMarshallのイメージに合ったサウンドを見つけてそれを発展させていくとおもしろいと思う。
チャンネルをコロコロ変えるのもいいし、気に入ったチャンネル/モード一発で通すのも自由だ。
色々できる器用なモデルだけど、余計な機能が付いていない分、音がいいのだ。

JVMが発売された時、開発者のサンチャゴ・アルヴァレスに色々と教えてもらったり、意見を交換したりして楽しかったな~。

そして注目してもらいたいことがまだある。7部屋のうち、5部屋にNATALドラムが設置されているのだ。

50_2メイプル、バーチ、そしてアッシュの代表的な3種類の素材のキットだ。

60_2昨日、SSLのコンソールの買い付けの場面で登場したマネージャー。この方は数々の名盤を手掛けた一流のレコーディング・エンジニアでもあるんだけど、人一倍ドラムの音にうるさいときてる。
その方が、「ドラムいいね~!吸音しても吸音しても鳴りがよすぎて追いつかないよ!」と満面の笑みを浮かべて私に感想を述べていただいた。プレイヤーももちろんだけど、やっぱり「音づくり」のプロフェッショナルにほめてもらえるとうれしい!
その鳴りはやはり国産のドラムにはないものだという。元々ドラマーだったJim Marshallの夢とブリティッシュ魂がふんだんに込められたイギリスのドラムだからなのだ。

70_2NATALとともに帰ってきたバズーカスタジオ。
なお一層おもしろいことになりそうだ。

80_2そのバズーカスタジオ、来る20日に『スタジオ内覧会』が開催される!
スタジオ各々の設備が自由に見学できるのはもちろんのこと、当日はMarshall Blogでもおなじみの孤高のギタリスト、三宅庸介氏率いるStrange, Beautiful and Loudと数々の実績を持つ人気エンジニア、内藤輝和氏による公開レコーディングが催される。
演奏に興味がある人だけでなく、プロのレコーディング・テクニックに接してみたい人にも必見のイベントだ。

そして、そして!まだ日本本格上陸前のNATALドラムも叩き放題だ~!
いまのところ日本でNATAL Drumsが叩けるところはバズーカスタジオだけだからね。
Marshallブログを見ているギタリスト諸君、あなたのバンドのドラマーさんに教えてあげてチョ!

90_2ドラム・キットだけでなく、左に見えるNATAL自慢のPure Stave Snare(staveとは「桶」のこと。従来のプライ式ではなく、コンガのように桶のような構造になっているスネア・ドラム)や真ん中のHand Hammered Snare。右のMetal Snare(写真はアルミ。先日来日したPrimal ScreamのDarrin Mooneyが実際に使用したもの) も試すことができる。

100_2いよいよMarshall Blogに登場する機会も多くなってきたNATAL(ナタール)。
ドラム・ブランドとしては最後発もいいところだが、これまで若手ドラマーから日本を代表するドラマーまで驚くほど好意的で高い評価を頂戴している。大変うれしいです!
最後発といってもパーカッションのブランドとしてはその歴史は古く、1965年にまでさかのぼることができる。つまりMarshallより3歳年下なだけのイギリスのパーカッション・ブランドだ。

Natal_powerロンドンのアラン・シャープという優秀なパーカッショニストが、当時市販されているパーカッションに満足せず、パーツを集めて自分で納得のいく楽器を製作した。
アランが作ったボンゴは瞬く間に評判を集め、製作の依頼が殺到したという。そうしてビジネスとして立ち上げられたパーカッション・ブランドがNATALだ。
どこかで聞いたような話しでしょ?
そう、他でもない、Marshallだ。
マー本『Marshall Chronicle』でも詳しく触れたが、ご存知の通りJim Marshallはギタリストではない。つまり自分が使う楽器ではなかったというのは大きな違いだが、Marshallの起源はJimが作ったスピーカー・キャビネットだ。Jimは自分の歌声を美しく拡声するために自分の納得のいくスピーカー・キャビネットを製作したのだった。やっぱ同じだね。

N_logo NATALのパーカッションはそのご多くのミュージシャンに愛用された。特に当時革新的な製品であったファイバーグラス製のコンガは、Santana、T.Rex、Led Zeppelin、Fleetwood Mac、Deep Purple、The Rolling Stonesらに寵愛され大評判を得た。
ラテン・パーカッションのブランドというとすぐにアレが連想されるが、「Swingin' London」で盛り上がったイギリスでは少しばかり様子が異なったようだ。

このアルバム知ってるでしょ?そう我々が『ライブ・イン・ジャパン』として親しんでいるDeep Purpleの輸入盤『Made in Japan』だ。このジャケットの写真をよく見てもらいたい。

Mijこの写真が撮られたのは日本武道館でも大阪厚生年金会館でもない。下の写真にあるロンドンはFinsbury Parkにある有名なRainbow Theatreだ。
そして、ジャケ写の中でIan Gillanが叩いているコンガこそNATAL製なのだ。
またやT-RexやDavid Bowieを撮り続けた名カメラマン、鋤田正義さんの写真の中にも、Micky Finnが使うパーカッションにNATALのロゴを確認することができる。

Bs_img_0450そして、このイギリスを代表するパーカッション・ブランドをMarshallが引き継ぎ、ドラムの製造に着手したのである。

Maple_gloss_blackMarshallの創設者、Jim Marshallはジャズ・ドラマーだった。
元気な頃はパーティで興が乗ると、パーティ会場のステージの上のドラムに座り大勢の人の前で演奏して見せてくれたものである。

Ash_white_swirlNATALはドラマー、Jim Marshallの夢…

Bubingaブリティッシュ・ロック魂に満ち溢れたドラム…それがNATALなのだ。

KmafxblもうWhitesnakeを辞めちゃったけど、Braian Tichyはアッシュのキットを使用。もちろんWembleyの『50 Years of Loud Live』でもNATALを使っている。

BtThin LizzyのBrian Downey。Thin Lizzyというとすぐにツイン・リードだの、Gary Mooreだの、Phil Lynottだの…ま、その通りなんだけど…でもドラマーでもない私が断言しよう…Brian DowneyなくしてThin Lizzyサウンドはあり得ない。
この人のドラム、メッチャすごい。そんなBrianのキットはメイプルだ。

Bdこちらは再活動が忙しいUriah HeepのRussel Gilbrook。
再結成Uriah Heepは来日も果たしたが、私はロンドンで観た。切れ味鋭かったRussellのドラム・サウンドはバーチのキットから繰り出されていたのだ。

Rbそして、先頃Marshall BlogでレポートしたPrimal ScreamのDarrin Mooneyはメイプルのキットにメタル・スネア(上述)を組み合わせて使っている。
Darrin MooneyはGary Mooreバンドのドラマーだった。ね~、三宅さん?!

Dm_img_8789 とにもかくにも12月20日は高田馬場へGo!

おかえりバズーカスタジオ!

バズーカスタジオの詳しい情報はコチラ⇒BAZOOKA STUDIO公式ウェブサイト

110_2(12月12日 高田馬場BAZOOKA STUDIOにて撮影)

2013年12月16日 (月)

さよならバズーカスタジオ

東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」。
新宿御苑は、元は江戸時代に信濃高遠藩内藤家の下屋敷のあった敷地だった。
1879年(明治12年)に「新宿植物御苑」が開設され、第二次世界大戦後に一般に公開されるようになった。
大正天皇・昭和天皇の大喪の礼がとり行われたのも新宿御苑。
2006年(平成18年)には「新宿御苑」の名を冠してから100年を迎えたそうだ。

Sgm_2駅を出てちょっと角を曲がると…。

04このスタジオがある。
アレ?これアビィ・ロード・スタジオだ。写真間違えた!

05やり直し。
「新宿御苑駅」を出て数十秒。
このビルの地下にそのスタジオがあった。

10vバズーカスタジオ。
「あった」というのは、入居ビルの老朽化を理由にこの老舗スタジオが移転することになったのだ。

20vバズーカスタジオの開業は1993年。現在まで20年間、ハード・ロックやへヴィ・メタルから様々なタイプの音楽にわたる数えきれないほどの名盤がここで制作されてきた。まさに都内屈指のの名録音スタジオだ。
かつてはJimmy Pageが使っていた1987を所有していたこともある。

30ロビーの風景。ウッディな雰囲気が張り詰めたミュージシャンの頭と心を和らげる。

40謎のエレベーター。
このテーブルに座ってソロ・アルバムを出したばかりのノンちゃんにインタビューしたんだっけ。
60「あ、オレの落書きだ!」なんてマーブロの読者もいるのでは?

50こちらは地下2階の待合スペース。

70こちらは地下2階のミキシング・ルームのひとつ。
取材当日にはもう引越しの準備が始まっており、膨大な量に及ぶ録音機器の解体が始まっていた。そのため、すべての設備を紹介することができないことをお許し願いたい。

80地下一階にもどる。
全設備中、2番目に大きなスタジオ「5.1」。

90ハイレベルな録音機器が部屋に充満している。

100

110そしてバズーカの心臓部。

120雰囲気満点のミキシングルーム!

130

150TANOYのスピーカー。

170レコーディング・ブースのようす。

180ナント言っても目を惹くのはこの巨大な72チャンネルのミキシング・コンソールだろう。
イギリスがオックスフォードの南西にあるベグブロークという小さな街でこのコンソールが製作された。

190Solid State Logic社製。いわゆる「SSL」。1969年創業のこの会社は元はパイプ・オルガンのコントロール・システムを製造していた。
「Solid State Logic」というのは創業者のコリン・サンダースがオルガンの製作者に自分の考えたシステムを説明するために考え出した造語だそうだ。
音楽のレコーディングに並々ならぬ興味を持っていたその創業者はやがてミキシングのコンソールの開発に着手し、SSLは現在では世界屈指のミキサーブランドに成長した。

200スタジオの開業にあたり、バズーカ・スタジオの現マネージャーがミキシング・コンソールの買い付けにアメリカのボストンに赴ていた際、「アビー・ロード・スタジオがコンソールを手放す」との情報をキャッチ。
そのままアビー・ロード・スタジオがあるロンドンのSt.John's Wood(冒頭の写真の場所。ヘヘヘ、最初にアビー・ロードの写真を掲載したのはこのためなのよ!)に飛んだという。

下はコンソールが東京に到着し、バズーカ・スタジオに設置しているところ。
設置時には指導のためにイギリスから技術者が来日した。

201マネージャーがアビー・ロード・スタジオを訪れた際に受けた説明。
「このコンソールはポールが自分のアルバムを作るためにSSLに特別に発注したものです。そのレコーディングの後、ポールがアビー・ロードに寄付してくれたものなのです」
ポールとはもちろん「ポール・マッカートニー」のことだ。

202Marshallや他のギター・アンプ・ブランドもそうだし、先のスピーカーのTANOYやGarrard、KEF、B&W、McIntosh、Quad、Neve等々、イギリスには名だたる音響機器のブランドが多いが、これはナゼだろうか?

203大変そうだけど、みんな楽しそうだ。

204vバズーカのマネージャーはこのコンソールを買い受ける際、「ここにキズがありますね?」と値引き交渉に入ったが、先方はこう切り返したという;
「ほほう…このキズはポールが付けたものかもしれないんですよ?ABBAのメンバーの誰かかもしれませんね。つまり、このキズは歴史なんですよ。それがわかりませんか?」
そう言われちゃったらね~。そしてこう付け足したという。
「このコンソールでこれからも新しい音楽の歴史を刻んでいってください」

205vこれはこのコンソールに付属していた証明書。「名器の血統書」とでもいおうか。
こう書いてある;

「(ヘッダー)abbey road
SOLID STATE LOGIC CONSOLE 4056B - ABBEY ROAD STUDIOS

1993年7月

Abbey Road Studio 1 でこのSolid State Logicコンソールを使用したアーティスト

FISH
AHA
ABC
DURAN DURAN
TOTO
DEACON BLUE
JOHNNY HATES JAZZ
FINE YOUNG CANNIBALS
PAUL McCARTNEY
GARY BROOKER
PERRY COMO
FLOCK OF SEAGULLS
MAURICE JARRE
ROY ORBISON
RUSS BALLARD
ANDREW LLOYD WEBBER
SARAH BRIGHTMAN
IT BITES
ADAM AND THE ANTS
BOB DYLAN
PAUL SIMON
ART GARFUNKEL
KATE BUSH
CHRIS REA
MICHAEL KAMEN
DONOVAN
JERRY GOLDSMITH
JOHN WILLIAMS」

Bs_img_7763そして、バズーカ・スタジオとSSL製ミキシング・コンソールは新宿で音楽の歴史を刻み続けて来た。

210やはりこうした名所がなくなるのは寂しいことだ。
加速度的に時代が移り変わっていく昨今、Marshall Blogを通じてロックや音楽の歴史を記録して後世に伝えたいと思っている。
その活動のひとつがこのMarshall Blogの『イギリス-ロック名所めぐり』や『Marshall Chronicle』のカテゴリーであり、やや広い意味では『ライブ・レポート』もそれに当るかもしれない。
覚えているようでも時間が経つと忘れちゃうからね。
それに、みんなが知らないようなおもしろい話しがまだまだたくさんあるんだよ。そんな話題をドンドン提供していきたい。

220冒頭に記したようにバズーカスタジオは移転するのであって、これが今生のお別れではない。
移転先は高田馬場。
今度はレコーディング・スタジオだけでなく練習スタジオを設備している。もちろん優れた耳と感性と技術を持ったレコーディング・エンジニアさんたちもそのまま引っ越すので完全にパワーアップすることになる。
つまり、「バズーカ」どころか、戦艦大和に搭載された46cm砲にスケールアップするのだ!
ちなみにこの46cm砲というのは当時世界最大で、1.5tの重さの砲弾を42km先まで飛ばすことができたという。42kmといったら東京~横浜までぐらいだからね。これを撃つ時には甲板の乗組員は全員専用の遮蔽物の影に隠れなければならない。さもないと発射した時の衝撃で内蔵が破裂してしまったらしい。その爆音たるや1959の三段積みどころではなかった…って当たり前か。

230でも、ここでは一旦言わねばなるまい…さよならバズーカ!
お疲れさまでした!
明日は高田馬場の新しいスタジオを紹介する。

240(2013年11月6日 新宿バズーカスタジオにて撮影)

2013年12月13日 (金)

mimic/+8 PARIS ROCK 2013-14秋冬展示会

生来シャレっ構わない性質でしてね…。いつもGパンでOK。そんなシャレッ気のない私でも避けたいと思うのは、年配者のTシャツ姿。企業のイベントなんかでよく見かけるでしょ?薄い頭と出っ腹、テッカテカに光った油ギッシュな顔のTシャツ姿のオッサン。プライベートではいいけど、ユニフォームとはいえ公の場ではあの格好は避けた方がいいと見かける度にそう思う。ムリな若づくりはしたくないな…。

思い起こしてみれば、Gパンって40年以上前、小学生校の頃「青山エイコー」って名前とともにポピュラーになったような記憶というか、認識があるな。よくラジオで宣伝してた。だいたい「Gパン」なんて言葉を使うこと自体オシャレじゃないことがわかってしまうね。「ジーンズ」でしょ?
「パスタ」よりは「スパゲティ」という言葉に安心感を覚える世代なのだ。キウイもマンゴーも食べない。アイスクリームはチョコレートかオレンジ(バニラもOK!)。ガンコおやじなのだ!

大好きな音楽でさえ流行り廃りには無頓着ときているのだから、ファッションへの執着度は推して知るべし。極北だ。
ネクタイを締めていた頃は家内が会社へ着て行く服を100%選んでくれていた。あ、ネクタイを締めなくなった今もだ。
何せ自分で服を買いたいと思ったことがほとんどないのよ。その代わりレコードやCDとなるとうるさいよ。私の人生、起きているプライベートの時間の97%ぐらいはGパンをはいて生きて来たな。

ところが!今日取材でお邪魔しているのはあるファッション・ショーの会場。

10_3ロビーのようす。

20v_2タイトルにあるようにこのショウはmimic/+8 PARIS ROCKというブランドの秋冬の展示会だ。

30_2Mercedes-Benzが主催する『Fashion Week TOKYO 2014S/S』の中の一幕。
60_3
40v_4mimic/+8 PARIS ROCKを主宰するふたり。
向かって左が滝川広志氏。右が柿沼憲一氏。

90v_3mimicのロゴを配したオリジナルのワイン・ボトルや一升瓶がカウンターに並ぶ。

40テーマは「ROCKS」。
昨日紹介したFUZZY CONTROLの最新作『ROCKS』もロビーに並べられた。
そう、昨日の記事の中で少し触れたが、FUZZY CONTROLのスタイリングは柿沼氏の手によるものなのだ。

そして柿沼氏のデザインによるブランドが+8 PARIS ROCK。そのプロフィールをオフィシャル・ブログから引こう。

「国内外問わず、多くのミュージシャンに衣装提供をしている+8 PARIS ROCK。
ローリングストーンズ、レッド・ホット・チリペッパーズ、ルーツ、グリーン・デイと言った海外のトップミュージシャンから、国内ではCHAR,中村正人(DREAM COME TRUE)、藤井フミヤ、RIZEと言った錚々たるアーティストにプライベートでも愛用されている。

近年では東京ディズニーシーにおいてブランド展開をはじめさまざまなアーティストとのコラボレーション企画を実現している。

とロックとは切っても切れない関係のファッションの世界において八面六臂の活動を展開しているのがカキさん。
そして、滝川さん、早い話し、コロッケさんと手を組んで新しくスタートさせたプロジェクトがmimic/+8 PARIS ROCKなのだ。

80_3カキさんとも存外に長いお付き合いになった。比較的迫力のあるルックスなので、昔はちょいと敬遠しがちだったが、レッチリのコンサート(VIP席)やファジコンのライブ他で何回も顔を合わせているうちに自然と仲良くさせて頂くようになった。

+8 Paris Rockのシンボルであるスカル・ラベルのミネラル・ウォーターも。
50_2ウオッ!こんなものまで!「ROCKSパン」!

110当日配布されたカタログ誌。表紙はJUONだ。

100_2ファッション・ショウが始まった!
以下の写真はモデルさんの登場順とは何ら関係ない。
160v会場は超満員!それにしても照明が暗い…。
140v_3今回はThe Rolling Stonesのベロ・マークや…

120v_3
220v
270Patti Smithらのイメージを使ったデザインがフィーチュアされた。

150v_2
170v
180v昨日の記事内でファジコンのメンバーが着ていた「MIMIC Rocks SHOW」のタイポグラフィをあしらったTシャツも登場。
200v
250v

210v

190v

230v

240v

260v

280v

290v

300v

310v

320v

330v

340v

350v

360v…とまぁ、こんな具合。ファッションのことには残念ながら口出しできません。

370v最後にカキさんが登場。

380vそしてコロッケさんも。

390vコロッケさんにお会いするのはこれが2度目。一度カキさんのお店でご紹介をいただいたことがあって、今回、私を見るなり「あ、以前お会いしましたね!」なんて言われてうれしかった。
私が心からコロッケさんを尊敬しているからだ。
誰もやらない、誰もできない手法でモノマネの新しい分野を開拓する姿勢は真のアーティストと呼べるものだ。お笑い界のMile Davisとでも言おうか。そのバーサティりティと完成度の高さはモノマネ界のFrank Zappaとでも呼ぼうか。
次から次へと出て来る人のモノマネをモノマネする芸人とは格も桁もまったく違う。「お笑いスター誕生」で出て来た時からコロッケさんをリアルタイムで見続けてくることができたのはラッキーなことだ。

ファッションの分野でも売れっ子デザイナーのカキさんと手を組んで大成功を収めることだろう。

400vmimic/+8 PARIS ROCKのショップもオープンしたばかりだ。このチェ・ゲバラ、コロッケさんになってる!

ところで、何でMarshall Blogでファッション・ショウをレポートしたかって?モデルさんを見てみてくだされ!大事なMarshallプレイヤーが颯爽とウォークしているよ!

mimic/+8 PARIS ROCKの詳しい情報はコチラ⇒+8 PARIS ROCK公式ウェブサイト

410shop最後にひとつ。ファッション・ショウは撮影したことがなかったんだけど、照明が暗いわ、モデルさんの動きが予想よりはるかに速いわで、もう無我夢中でシャッターを切った。
これが「ロック・テイストにあふれている!」とか「ライブ感が出ている!」とか思いの他高い評価を多方面から頂戴した。そして、ファッション関連のウェブサイトに私の写真を取り上げていただいた。素直にとてもうれしいです。
ファッションの解説ができないMarshall Blogに代わって私が撮った写真とともに仔細にショウの中身を解説してくれているので、こちらも是非ご覧いただきたい。

コチラ⇒FASSHION PRESS

(一部敬称略 2013年10月18日 目黒にて撮影)

2013年12月12日 (木)

FUZZY CONTROL 10th Anniversary Party 〜ROCKS〜

祝FUZZY CONTROL結成10年!

あれから10年か…。10年経つと色んなことが変わるわな~。まずは自分のアタマ。寂しくなった。
総理大臣は一体何人変わったか?10年前の2003年って誰だったか覚えてる?そう、小泉純一郎。
それから安倍⇒福田⇒麻生⇒鳩山⇒管⇒野田⇒また安倍だよ。スゲエな。
その間アメリカはブッシュ⇒オバマ…以上。イギリスの総理大臣はブレア⇒ブラウン⇒キャメロン。
ま、言いたいことは色々あるけど、Marshall Blogは政治を持ちこまない「音楽バカブログ」を貫きたいので触れない。「10年の間に色々あった」の代表として取り上げるにとどめよう。

「十年一日」のごとくロック魂をキープし続けているFUZZY CONTROL!

10_2私はMarshallを通じてこのバンドがデビューする前からお付き合いさせていただいて来た。結成前夜、18歳のJUONのソロ・ライブを原宿のRUIDOに観に行ったのが初めての出会いだった。
その頃はまだベーシストが決まっておらず、下の写真のJUONとSATOKOだけの演奏によるベースのカラオケCDを制作して一般公募したのであった。
このCDには本当にブっ飛んだ。収録されている曲は初期の代表曲「SHINE ON」と「GO MOON」。このふたりの演奏のどこに一体ベースを入れる必要があるのか?こんな演奏にベースラインをつけられるヤツがいるのか?と訝しんだが、そこに現れたのがJOEだった。

Bcd昔は渋谷のRUIDO K4がホーム・グラウンドでライブはかかさず観に行った。いつもMarshall Blogで書いている「過去のロックの偉大な遺産に若い世代の感性を注ぎ込む」ことを具現化したようなサウンドで、次々に発表されるシングルやアルバムが待ち遠しかった。
そして何よりもJUONのギター・サウンドがMarshallから繰り出されていることがうれしく、誇りにすら思っていた。

Handwired Seriesが発売された際には2061Xスタックや1974Xを使ってギターマガジンの付録CDで書き下ろし曲を演奏してもらったり、(当時)新しいMGシリーズの広告にも登場してもらった。

さらに、SHEENA & THE ROKKETSやDMBQとともに渋谷のタワーレコードでジョイント・コンサートをしたこともあったし、FCがホスト・バンドとなり、佐藤タイジ、大谷令文、小沼ようすけ、さかもとえいぞう、Geoff Whitehornを招いて『Marshall Night』と銘打ったイベントを開催したこともあった。その日がちょうどJUONの成人式が重なっており、彼は羽織ハカマでステージに上がった。

ちょうど来日していたMarshallのR&Dのスタッフを連れてTSUTAYA O-EASTのワンマン・コンサートにお邪魔したこともあったっけ。

ウチの上の子はファジコンの大ファンで、JUONのギターを肩から提げて撮った写真を大切にしているし、3人のサインが入ったポスター(左)と初ワンマンの告知ポスターをいまだに自分の部屋に貼ったままにしている。

10年の間に本当に色んなことがあった…。

Room掲載が大変おそくなってしまったが、以下はZepp Tokyoで開催された記念すべきコンサートのようす。
久しぶりのファジコン。こんなにたくさんの人たちに10周年を祝ってもらって…我がことのようにうれしいわ。

50JUON

20vJOE

30vSATOKO

40v_2これは9月に発表された6枚目のアルバム『Rocks』。相変わらずロックというのサドルにまたがる最後の子供のようなサウンドは健在だ。

15cdコンサートは『Rocks』の収録曲を中心に進行する。
90JUONといえば1959と1960AXのコンビネーションだったが、最近は2203をメインに使用している。

70_2スーパー・ボイスはもちろん健在。少しも手を抜かない熱唱ぶりが感動を誘う。相変わらずカッコいいな~。JUONのヘアスタイルもずいぶんと変化を重ねて来た。

60_2彼らがステージを通して身に着けている衣装にも注目!Tシャツの胸には「MIMIC ROCK SHOW」とプリントされている。

100先述の公募でファジコンのベーシストの座を射止めた男。「SHINE ON」につけた5度を重ねるスケールの大きいダイナミックなベースラインは永久保存だ。

110v_2以前は黒いストラトキャスターがトレードマークのような感もあったが、音楽の幅が広がるにつれて色々なギターを使うようになったね。

120v_2どんなサオを握ってもJUONのプレイには黄金時代のロック・ギターの芳香が充満している。

130v「石原良純」とか「特命係長」とか絶叫していた頃がなつかしいな。「インリン・オブ・ジョイトイ」とかいうのもあった。今なら「壇密」か?
JUONとJOEの「later」のダンスも楽しかった。アレ、今でもできるかもしれないな。

140v_2「ファジコンはこの曲から始まった」として演奏された「SHINE ON」。私のようなオールド・ファンとしては、10年を振り返って往年のレパートリーをもう少し組み込んでもらいたかったが、前進し続けるファジコンにそんなことは不向きであろう。
やっぱりホロっと来ちゃったな。色んなことを思い出しちゃって…。

150だから音楽はスゴイのだ。音楽には時を刻み続け、そしていつでも記憶を甦らす能力を持っている。
10年前の噴出するマグマのようなロック魂を失わず、心に残る音楽をこれからもクリエイトしていってもらいたい。
Don't Be Yourself!!
80_2FUZZY CONTROLの詳しい情報はコチラ⇒FUZZY CONTROL Official  Web Site

160(敬称略 2013年10月6日 Zepp Tokyoにて撮影)

2013年12月11日 (水)

【号外】ジム・ホールを偲んで

ジャズ・ギタリスト、Jim Hallも鬼籍に入ってしまった。

Marshallから最も遠いところに位置する、リリカルなプレイをするギタリストのひとりかもしれない。恐らく生涯一度もMarshallでギターを弾かなかったんだろうな…。

『Jazz Guitar』、『It's Nice to be With You』、『Where Would I Be?』、『Concieto』、『Live!』、『Live in Tokyo』等のリーダー諸作、『Interplay』、『Undercurrent』『Alone Together』等のデュオ作、Art FarmerやRollins、Chico Hamiltonらとの諸作等、結構聴いてきてはいるものの、実は若い頃、イヤ、最近まで苦手だった。おとなしすぎちゃって…。

それでも、ここ数年は私も歳を取ったせいか、そのギターをギターらしく弾くJim Hallの至芸の片鱗が理解できてきたのか、またCD棚から引っ張り出してはよく聴いていた。

ご本人にはお会いしたことはないし、ナマの演奏も観たことがない。しかし、思い出がひとつある。
それは、今から1999年あたりにニューヨークに行った時のこと。ギター好きの現地の友人が「Jim Hallが亡くなったというウワサだ…」と教えてくれた。
そして、その友人が当時コロンバス・アベニューに住んでいたギタリストのJack Wilkinsの家に連れて行ってくれた。(愛用のBenedettoを抱えてJackと撮った一枚の写真は私の宝物だ)
ドアをノックすると、中から待ち構えていたかのようにJackが飛び出して来て、いきなりこう言った…「Jimは本当に亡くなったのかッ?!」だった。その時はピンピンしていた。
今、本当に亡くなって、またジャズの巨人がひとり減ってしまった。

Jackは「Banrey(Kesselのこと)ももうギターを弾くことができないらしい…」と寂しそうに言っていたことも思い出した。

たくさんの音源が残されているが、一番好きなプレイはリーダー・アルバムではなくて恐縮だが1964年の『Stitt Plays Bird』かもしれない。
縦横無尽にパーカー・スタンダードを吹きまくるSonny Stittの影の、聴こえるか聴こえないぐらいの音量で猛然とスイングする四つ切りはまさに超絶。ちょっとした速弾きよりもはるかにムズカシイだろう。というか、私などどんなに練習しても一生できまい。

Spb 一回ぐらい観とけばヨカッタ。
またひとつ後悔が増えてしまった。
Mr. James Stanley Hall…安らかにお眠りください。

Naoko Plays EDEN

お、何かの撮影。

10セクステットでブルースをプレイしている。

20撮影の主役は世界を股にかけて活躍するギタリスト、菊田俊介。

60そして、Marshall Blogが注目するはこのベースの名手、山田直子。

30愛用のプレシジョン・ベースとコンビを組むのはEDEN WT800ヘッドとD410XST。

直子さんは1990年、「イカ天」への出演をキッカケに「NORMA JEAN」でメジャー・デビュー。脱退後には97年に「SPEAK」で再度デビューし、99年に解散。現在は自分のバンド「Viva!80's」で80年 代ロックの再燃に注力するほか、ムッシュかまやつとの活動、SMAPや上戸綾、ダイヤモンドYUKAIや中山加奈子等、フリーのベーシストととして数々の ステージやレコーディングを精力的にこなしている

40v直子さんとはジャズ・ギタリストの関雅樹を通じてお近づきにさせていただいたのだが、直子さんは10歳から5年間ロンドンで過ごしたという経験もあってロンドン好きの私としては、色々とご教示を乞うことも多かったりする。
そんなバックグラウンドを持つ直子さん、時折ベースを抱えてイギリスに出かけては現地の友人と旧交を温めたり、ロンドンのライブハウスのセッションに飛び入りしたりしている。
下は先ごろ渡英した際の一枚。Milton KeynesのMarshallの工場に立ち寄ってくれたのだ。

50vさて、この撮影は菊田さんのインストラクションによるブルースの教則DVDのためのもの。
菊田さんとはあるイベントで過去に一度だけお会いしたことがあって、今回はチョー久しぶり。
聴けばこのDVDの他にもおもしろそうな企画が進んでおり、これからもご一緒する機会が出て来るかも知れない。乞うご期待!

70お邪魔した時には「うまくオブリガードを入れる方法」的なレクチャーをしていて、様々なパターンのブルースで、歌に合わせて当意即妙に味わい深いフレーズを連発する菊田さんのプレイが素晴らしかった。
バンドのメンバーは…

80菊田俊介

90vサイド・ギターは四月朔日義昭
私はこの方の名字の読み方を知っていた。わたぬきさん。「朔日(さくじつ)」というのは毎月の一日のこと。4月の1日にもなると春が訪れ陽気もよくなり、薄着にもなる。つまり、4月1日には衣から綿を抜くというところから来た読み方だ。…とばかり思っていたが、旧暦の4月に綿花を収穫する、つまり「綿を抜く」ということに由来しているという説もあるらしい。
四月朔日さんの他にも六月朔日(うりはり)さん、八月朔日(ほづみ)さんという方もいらっしゃるらしい。日本語メチャかっこいい!

この辺りをご存知の方は普通にたくさんいらっしゃるだろう。
私が読み方を知っているのは約30年前に仕事でご一緒した方の中に四月朔日さんという方がいらっしゃったから。今回初めてお会いして、四月朔日さんの出身地を言い当て、その仕事でご一緒した方のことを伝えると驚いたのはこっちの方よ。その方の家がこのギタリストの四月朔日さんの本家だというのだ!
あまりにも狭すぎるでしょ!

100vキーボードは氏家克典
氏家さんも久しぶりにお会いした!

110v滝山清貴

120vAngeriko

130そして、山田直子。
方をくゆらしながらどっしりとしたグルーブでバンドを練り回すのが直子さんのスタイル。実にいいベースを弾く人だ。
140vそんなスケールの大きな直子さんのプレイにはクリーンで驚異の音抜けを発揮するEDENのサウンドがシックリくる。ただでさえ大きい存在感が倍増するのだ!
Grateful DeadのPhil Lesh、PhishのMike GordonはたまたGenesisのMike Rutherfordらが使用しているアメリカの老舗ベース・アンプ・ブランドEDENは現在Marshallの傘下でビジネスを展開している。
Eden_2昨年にはStrange, Beautiful and Loudでおなじみの山本征史さんらと3人のベーシストによるグループ「3ASS」にも参加した直子さん。「3ASS」なんてチョット聞くとはしたない!でも、これは実にしゃれたグループ名で、「3」に「1」を足すと「B」になって「3ASS」が「BASS」になるというのだ。

今回の教則DVDは数々の教則作品をリリースしているアルファノートから発売される。
下は既発の直子さんの教則DVD『手が小さくても指板上を縦横無尽に動けるベースの弾き方』。

アルファノートの詳しい情報はコチラ⇒アルファノート公式ウェブサイト

2ndvd今回撮影のDVDの発売情報は追って掲載する予定。

山田直子の詳しい情報はコチラ⇒やまだなおこのブログ

150v (一部敬称略)

2013年12月10日 (火)

D_Drive×Crying Machine カップリングツアー 『Screaming Loud Tour』 <後編>

はい<後編>だよ。

<後編>のトップバッターは快進のICHIGEKI。
実際にはexist✝traceに続いて2番目に登場した。
以前から幾度となく接しているこのバンド…実にいいバンドだ、ハッキリいって。

10ボーカルはコータ。

20vギターの久雄。

30vベースの潤。

40vドラムは佑一だ。

50v外道をはじめとして、昔から「和」のテイストをアッピールするバンドは少なくない。
この快進のICHIGEKIもその範疇に入るバンドだ。

60そういった和物バンドも音楽に日本の要素を取り入れるパターンと、音楽的には和を感じさせずにルックスだけに「和」を取り入れるパターンが存在して来た。

70ICHIGEKIは完全に後者のパターン。
これが竹を割ったかのようなスッパリトしたテイストで観ていて実に気持ちがよい!

80vどちらかというと体育会系のロックといおうか、体力勝負のバンドといおうか、汗と血と涙にまみれての演奏だ。(血は出ないけどね…)

140ガール・バンドの勢いのよさに押されたフニャフニャした男の子のバンドが多い中、久しぶりに「男」のロックを見た気がしたよ。カッコいい。
180v衣装や小道具に気を使っている点もうれしい。

110ロックは「ショウ」だ。とにかくお客さんを楽しませなきゃ!
でもロックは「音楽」でもある。音楽が「鬱憤晴らし」であっては絶対にいけない。ロックは音楽的でなければロックではないのだ。
輪になって踊りたければ盆踊りへ行け!身体をぶつけたければ柔道でもやれ!コンサート会場は町内の公園でもなければ道場でもない。
ICHIGEKIの音楽はカラッとした江戸前のロックだ!

120みんなお立ち台に乗っかっちゃって!「何とかは高いところを好む」というが、これほどお立ち台が似あうバンドもそうあるまい。これでいいのだ!

90vステージにいる間中エキサイトメントの頂点で、最初の曲も最後の曲もテンションがまったく変わらない。

150v12月14日には新しいミニ・アルバムを発表し、ワンマン・コンサートも開催する。

160v結成10年。前に進むことしか考えて来なかったに違いない。

170v彼らの快進撃は続く!

130v快進のICHIGEKIの詳しい情報はコチラ⇒快進のICHIGEKI Official Web

190vそしてトリで登場したのはD_Drive。

200あ~ものすごいホーム感!うれしいな。自分も彼らの14人目ぐらいのメンバーだと勝手に思ってるから。

210いつもの4人にMarshall。そして新しい仲間のEDEN。ホッとするね。

220Seiji

230Yuki

240知らない人

250vShimataro

260vChiiko

270v息の合ったツイン・ギターはますます安定感を増す。

280Seijiはリミテッド・ランで発売されたJCM2000 DSL100EC。

290YukiちゃんはJCM2000のTSL100。
ふたりとも不動やね。

300vイヤ~、スゴカッタ。お見それしました!Shimataro大先生!

360v

以前からEDENのWT800を愛用してくれているShimataroだが、今日はD410XSTという4x10"キャビネットを2台用意してバイアンプ方式で弾いてもらった。
結果はこの写真でおわかりだと思う。マジでスゴイね、コレ。

310うれしそうなShimaちゃん。機材がプレイヤーの能力を引っ張り出すことに成功した好例といえよう。

495vGrateful DeadのPhil Lesh、PhishのMike GordonはたまたGenesisのMike Rutherfordらが使用しているアメリカの老舗ベース・アンプ・ブランドEDENは現在Marshallの傘下でビジネスを展開している。
Eden_2もちろんギター舞台も負けてはいない。
入魂のプレイの連続!

320vお~、Seijiさん、V似あうやんけ!

330Yukiちゃんの颯爽としたプレイにも注目が集まる。

340ハードなシュレッディングから自作の「Unkind Rain」のようなセンチメンタルなプレイまでそのスタイルは至極ヴァーサタイルだ。

350それを完璧に支えるリズム隊。

おいおい、Shimaちゃん、スネ毛が逆立っちゃってしょうがないってば!

370Chiikoちゃんの確実にして的確なプレイはいつ聴いても小気味よい。

380v「野生」と「知性」がうまく共存するドラミングだ。

390今日のこのコンサートに使用されているドラムはNATAL Drums。Birch材のキットを今回は用意した。
NATAL(ナタール)は1965年創業のイギリスのパーカッション・ブランド。こちらもMarshall社のドラム・ブランドとして世界中で高い評価を頂戴している。
Natal_powerYukiちゃんのハンドクラッピングに合わせて盛り上がるは「Russian Roulette」。

400仲よくテクニックを自慢しあう。

410しっかし、歌なしのHR/HMでこれだけ盛り上がるバンドってのはロック史上前例があっただろうか?

420やはりワン・アンド・オンリーな活動を展開するグループは強い。そしてそういうバンドには必ず「M」の字がギタリストの背後に控えている。そういうバンドをMarshall Blogは積極的にプッシュしている。

430v2013年はD_Driveにとって大きな飛躍の年になったようだ。

450年初にはアナハイムでのNAMMショウでのデモ演奏(演奏のレポートはコチラ。マズイ食事のレポートはコチラ)、東京での2回目のワンマン・コンサート。さらに名古屋でも初のワンマン・コンサートを開き大入り満員となった。おかげでいまだにワンマンをやっていない大阪の人たちからはヤキモチを妬かれた。

460vYukiちゃんとChiikoちゃんはSHOW-YAの『NAONのYAON』に登場(男子部は出演できず涙)。
SeijiとYukiちゃんは『LIVE ROKUGENSHIN』に出演し大注目を浴びた。

480この人達、一体今年は何十回東名高速を走ったんだろう?東京では15日にまた厚木でのライブが控えている。

470vそして、Seijiからの情報では、サード・アルバムの制作準備に入ったとか…。
重刷を繰り返しても売り切れてしまう以前の2作にも増して強力な作品に仕上がることが期待できよう。
DVDも好調に売り上げを伸ばしているようだ。

440D_Driveには2014年もギュウギュウに夢が詰まってる!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

490v最後にみんなで記念撮影してみた。

500ギター属でハイ1枚。(故意に「族」ではなく「属」という字をつかっている。音楽人類学的にSeijiやYukiちゃんは「ロック類ギター属速弾き目にカテゴライズされている)

510vこちらはドラマー属!

520キーボード属の集合写真。
鍵盤楽器入りのロックはいいもんなんだゼ!ね~、YOSISIッ!オレはわかってるゾ!

530v最後に年寄り臭いことをひとつ…。やはり溌剌とした若い人たちと仕事をするのは楽しい。いい刺激になるし、自分も若返った気分になる。普通のサラリーマンにはこんな経験は決して出来まい。自分は幸せだと思うし、今、歳をとっていてヨカッタとまで思っている。

こういう機会を得、実感するのは、やはりナンダカンダいってもロックという音楽は若者のものであり、若者が作って行くべきだということ。
我々年配者、イヤ、ロックの経験者は、反対に若者が刺激を受けるような「いい音楽の伝承」という作業に勤しむべきだ。やり方はいくらでもある。
一方、若者はマスコミや流行りすたりに拘泥することなく、自分たちがおかれている音楽の環境を見つけ直して、黄金時代のロックをもっと勉強して欲しい。きっと新しくてカッコいいものが見つかるよ。MarshallやNATALやEDENはそんな若者が真にカッコいいロックをクリエイトするのをあたたかく見守り、サポートしていきたいと思う。

(<前後編>を通じ一部敬称略、女子「ちゃん」づけ、男子呼び捨て 2013年11月1日 厚木THUNDERSNAKEにて撮影)

2013年12月 9日 (月)

D_Drive×Crying Machine カップリングツアー 『Screaming Loud Tour』 <前編>

D_DriveとCrying Machineという今ノリに乗ってる2バンドがタッグを組んでツアーを敢行した。
おお~、2バンドともPure & Genuine  Marshall Band!うれしいね~。やっぱいつの時代もロックはMarshllとともに!Go Over Big with Marshall…。
アラ、いつもの〆の言葉みたいになってしまった!

というのも、ワシは年甲斐もなく少々興奮しとる!あんまり興奮して暴れると腰がァッ!
ワシが取材に駆けつけた厚木のショウには主役の2バンドの他に、実にイキのいいバンドが大輪を添えてくれたんジャ。総勢4バンド、<前後編>の2本立てでお送りしますぞ。

そのひとつがexist✝trace。

10_2Marshall Blogには2回目の登場だ。

20ジョウ

30miko
80乙魅

50v_2猶人

60vMally

70vmikoはMarshallプレイヤー。

100v今回もJVM410Hを使用しているが、普段と違うのは今日はフル・スタック!長身のmikoによくマッチしている!

90v_2今年7月3日にリリースされたCD『ダイアモンド』の表題曲からスタートさせたステージは熱気そのもの!

110_2今日はEDENのWT800で低音を操っている猶人。

120_2パワフルなバンド・サウンドにパワフルなベース・サウンド。ロックバンドの公式だ。

Ts2_img_7443Mallyのドラミングも冴えに冴えていたね~!

140v出すぎず、引っ込まず、バンド・サウンドを重視した信頼のドラミング。クリスピーなサウンドが実に快感!

150v_2もちろんショウを盛り上げることも欠かさない!

160exist✝traceの魅力、ツイン・ボーカル。対照的なルックスだが「歌」そのもののベクトルがバッチリ重なっているため、各々のソロにハモリに、バンド・サウンドとしての統一感が生半可ではない。
かわるがわる歌う姿が何しろカッコいい!

170年明け早々、「-EXISTENSE-」と銘打った東大名を巡るワンマン・ツアーも控えているの要注目だ。

今、フト気が付いたのだが、文章を書いていて「ガール・バンド」とか「女の子のバンド」とかいう言葉が一切頭に浮かんでこなかった?もちろん、彼女たちが男性っぽいということはないよ。
もうロック・バンドのサウンドに男女の別がまったくないということの表れだろう。このバンドはそういうバンドなのだ。そして、そこが魅力なのだ。

200vexist✝traceの詳しい情報はコチラ⇒exist✝trace official website

190
こちらもノリにノッてるCrying Machine!

当日、続いて登場したのは別のバンドなのだが、Marshall Blogの紙幅の関係上、2本立てでお送りするこのレポート、主役を前編と後編に振り分けさせていただいた。
つまりクラマシの出番は3番目ということ。

210_2HILE

220vMASHA

230vYOSISI

240vFUKO

250v_2SHUN

260v_211月13日に発売されたばかりの3枚目のアルバム『Revolution』。

270cd青天井のハイトーン・ボイスで雄叫びを上げるHILE!

280vMASHAは愛用の1987で華麗なプレイを見せる。

290vいつもフル・スタックを組んでくれるMASHA。

300v_2今日はフルスタックが背後に2セットとあって気合の入れ方も普段以上だったかも?

315vCrying Machineの身上であるハードでポップなバンド・サウンドを損なうようなソロ・プレイは皆無。テクニックの品評会のようなソロは弾かない。

310_2イントロやサビがあるのと同じように、あくまでも曲の一部としてギター・ソロが組み込まれているのがよくわかる。
Van HalenやMr. Bigのそれと同じだ。ま、彼ぐらいのプレイならもっとソロ聴きたくなっちゃうのも事実なんだけどね。「もうチョット聴きたい!」ぐらいの方が飽きがこなくていいのだ。ニクイやっちゃ!

320v_2今日もとにかく大好き、YOSISI!
残念だったのは、照明が暗くてね~、決して止まることのない彼に動きに合ったシャッター速度が採用できないのよ。

330vま、アクションについ目が行きがちだけど、プレイも実に多彩だ。クラマシサウンドを思い切り分厚くしているところを聴き逃してはならない。

340vふなっしーのアクセサリーがキーボードにくくりつけてあったのはうれしい。

350_2あ~、あ~!ダメだって!でも地下足袋カッコいい!

360v_2正反対にエレガントな魅力を振りまくFUKOちゃん。
380しかし、そのベースラインは強力だ。バンド・サウンドを練り上げていくうちに生まれて来るのであろう最上のラインを一番下の音域に持って来てるとしか思えない。

370_2今日のFUKOちゃんのパートナー、EDEN WT800とD410XSTのフル・スタックで1枚パチリ。

520vGrateful DeadのPhil Lesh、PhishのMike GordonはたまたGenesisのMike Rutherfordらが使用しているアメリカの老舗ベース・アンプ・ブランドEDENは現在Marshallの傘下でビジネスを展開している。
Eden_2ただでさえパワフルなFUKOちゃんのベースだが、この日一段とパワーが増した重低音を炸裂させていたことはいうまでもないが、どうしても言いたいので言う。とにかくこの音抜けは超ド級やね。

390vもいっちょ、今日のこのコンサートに使用されているドラムはNATAL Drums。Birch材のキットを今回は用意した。
NATAL(ナタール)は1965年創業のイギリスのパーカッション・ブランド。こちらもMarshall社のドラム・ブランドとして世界中で高い評価を頂戴している。
Natal_powerSHUNもエモーショナルにしてテクニカルなプレイでグイグイとバンドを引っ張る。

400_2立ちあがったり、手を大仰に振ったりするワケではないのだがプレイは派手。イヤ、「派手」というより「華麗」と言った方がよさそうだ。

410v先にMASHAのプレイについて触れたが、彼にはそうした自分のプレイにふさわしい美しいギターの歌声が備わっているのが強みだろう。

420_2それはMASHAの指とMarshallの合作なのだ。

430v_2そのサウンドのスケールの大きさは普通じゃない。だってMASHAに「L」サイズがふたつも付いているExtra Large級なサウンドを実現できるのがMarshallだけなのだから。ってナニいってんだか!意味がわからんよねェ?

440_2ってなことで、Crying Machineの持ち時間もクライマックスに突入する!

450_2ますますヒートアップするHILE!

460v_2とめどもなくメロディを繰り出されてくるMASHAのソロ!

475やはりすさまじいYOSISIのアクション!
470いったん動き出すとまったく止まらない!

480vこの人、本当にキーボードを弾いているのか?

490v_2イヤ、絶対に弾いているワケない!も~大好き!

500vFUKOちゃんも実に楽しんで弾いている感じだぞ!

445v今日はYOSISIのアクションに笑うのをこらえたSHUN!

505近い将来にセットされるであろう東京でもワンマンを心待ちにしている。

Crying Machineの詳しい情報はコチラ⇒Crying Machine Official Website

510(一部敬称略 2013年11月1日 厚木THUNDERSNAKEにて撮影)

2013年12月 6日 (金)

LADIES ROOM LIVE2013 「NAO48~I need you~」

いきなりのア・カペラの激ギター・ソロ!

10ロック・テイスト満点のバリバリのギターはまさにMarshallサウンドならでは!

20バンドはLASIES ROOM。Marshall Blogには初の登場だ。

30ボーカルのHyaku。

40ベースはGeorge。

50そして、ギターはオープニングで素晴らしいプレイを披露したNAO。

60セットされたMarshallはJCM800 2203とJVM210H、キャビネットは1960AXとBXだ。

70使用されていたのはJVM。ストラトキャスターのサウンドを忠実に再現する、JVMにしてはややトラディッショナルなトーンが気持ちよい。JVMのヴァーサティリティがうまく発揮されている。

80スモークの量がハンパじゃない!行ったことはないけど、悪天候の富士山頂か?何しろ煙でドラムが見えない。誰が叩いているんだ?!

90…と目を凝らして見ると…どこかで見たような…。

100ウワッ!HIMAWARI!いいドラムだな~と思っていたら道理で!

110vご存知の通りLADIES ROOMは1987年結成の大御所バンド。

120幾度となく離合集散を繰り返し現在に至っているがそのロック・スピリットに変化はない。

130もうとにかくストレートに「ロック」!

140vサウンドのルーツはブリティッシュというよりも「とにかく楽しんじゃおう!」というアメリカン・ロック的な部分にあるようだ。「ロック」というよりも「ロックンロール」という語感がマッチするイメージ。160vそれにキャリアの重みが加わって、そんじょそこらのオコチャマバンドとは格が違う!

180vそれとこのバンドにはロック特有の、イヤ、ロックが持ち合わせていなければならない「毒」がある。
HyakuさんのMCもそうだが、曲に毒気が含まれている。

150これこそがロックの醍醐味だ。やはりロックは「Bad Boys」という基本をハズすことはできないのだ。

170vお、偶然発見!ふなっしーもNAOさんに「黄色い」声を上げている!

190vショウの中盤ではHIMAWARIのドラムもタップリとフィーチュア!

200vダイナミックかつテクニカルなソロにヤンヤの拍手が送られた。

210vHIMAちゃんとは長くてねェ。昔はクリニック・ツアーで北海道から九州までDASTAR-3といっしょにで回ったこともあったのよ。楽しかったナァ。

250v一転してバラード。
これがまたロマンチック!さっきまで悪態をついていたこともあってよけいに美しいメロディが際立ってしまう。

260三人三様+1の大きく異なるキャラクターもおもしろい。

270こういうキャラクターの差が生み出す化学反応もまたロック・バンドの楽しみなのだ。

280楽しかったナ~。
「日本のロック」をタップリと聴いたMarshallサウンドに満ちた「ロケンロー」な夜だった!

290vLADIES ROOMの詳しい情報はコチラ⇒LADIES ROOM OFFICIAL WEB SITE

300(一部敬称略 2013年11月10日 池袋EDGEにて撮影)

2013年12月 5日 (木)

秋CANTA'13 TOUR "My Generator"~やれるうちが花!~柏公演

ホント、「生きてるうちが花」。何事もできるうちにしておかないと取り返しのつかないことになる。
最近富にそう思うようになってきたよ。
その点、大好きなMarshallや音楽、そして写真に関わる仕事が今できて、とてもうれし楽しく過ごしているし、ご支援いただいている皆さまには心から感謝をしている次第。
「何かアイツ最近お礼ばっかり言ってるけど、そろそろヤバイんじゃないか?」なんて言われそうだけど、この感謝の気持は本心。家族や周囲の人の協力がなければ何もできはしない。
人生のスタート地点がはるか遠くに過ぎ去り、ゴールがチラホラと見えて来ると自然にそういう気持ちになってくるようだ。
それと同時に肝に銘じ始めていることが「やれるうちが花!」なのだ。
…で、行ってきた。
『秋CANTA'13 TOUR "My Generator"~やれるうちが花!~』の柏公演。

10こういうのは東京公演が最後で、それを取材するのが相場と決まっているが、残念ながらツアー・ファイナルの日、お誘いいただいているコンサートが何と6つも重なってしまった。まさかひとりですべてにお邪魔することはどう考えても不可能だ。
でもCANTAはどうしてもハズせない!
ということで、もっとも東京に近い柏のPALOOZAでのコンサートにお邪魔してきたというワケ。
すげぇ、雨でさ。
でも会場は超満員の大盛況!
ふ~、アブね~アブね~、柏に来てよかった。この最高のパフォーマンスを見逃すところだったぜ。

20今回のツアーは7月10日に発売されたニュー・アルバム『My Generator』のレコ発ツアー。
それに先立ってアルバムの発売日に収録曲を中心に演奏されたコンサートが開催されMarshall Blogでもレポートした。あの時は、多くのお客さんが演奏される曲をはじめて聴く状況だったが、今回はタップリとアルバムを聴きこんでからの参加ゆえ、盛り上がりようも尋常ではなかった。

30cdルーク篁

40vMASAKI 

Ct_img_8480雷電湯澤

60vまだ、今週末の東京公演2連発が残っているので、今日のレポートでは演奏曲目等、細かい内容には言及しない。

709月21日の広島を皮切りに全行程21本の大ツアー。
今日は目立ってステージにはセットされていないもののルークさんのツアーのお供は当然Marshallね!

80vこの千葉・柏公演は17本目にあたり、本公演を入れてあと5本のラスト・スパート状態。
もちろんニュー・アルバムに収録された新曲たちの演奏もこなれにこなれてイキイキとしている。

90さらに3人のプレイもガッチリと組合って素晴らしいアンサンブルが繰り広げられる。

Ct_img_8062時折さりげなく繰り出される各メンバーのスーパー・プレイも実にクールだ。

110雷電さんの真剣な顔を撮影するのはムズカシイ。レンズが自分に向けられているのを見つけると…

120あ、見つかった!この通りなのだ!

130vショウには『My Generator』以外のレパートリーもタップリ盛り込まれている。

140全編大熱唱のルークさん!

150v流麗なギター・ソロもふんだんに盛り込まれていてうれしいぞ!

160MASAKIさんも入魂のプレイを連発!
180vMASAKIさんも忙しい人だ。ソロに、そして数々のバンドに、八面六臂の活躍を展開する。
今年はソロアルバム『Psycho Daze Bass』を発売し、もうすぐDAIDA LAIDAのライブDVDも発売される。このDVDのジャケットよろしく!

170お、今のうち!
ステディにリズムをキープし、バンドをドライブさせ続ける雷電さんのドラミングも健在!

190v『My Generator』からのレパートリーを盛り込んだ本編はアッという間に終了。楽しいことは時間の立つのが早い!

200v熱狂のうちにショウはアンコールへ突入する!

210アンコールはおなじみの曲を並べた…かもしれない。

220最近はさすがにウォシュレットの話しがでなくなったが、ルークさんのMCも楽しかったな。
ちなみにウォシュレットは身体によくない…ということに帰結しているが、やはりやり過ぎは禁物で、せいぜい10秒だって。サッと使う程度がよろしんだそうだ。完膚なきまで洗いきるのは抵抗力を弱めて身体によくないんだそう。
240vもちろんおなじみのヤカンや…

230vコレも登場ね。

250さすが、お客さんもよ~く心得ててスイスイと会場内にタライが回されていく!

260CANTA名物、『●◆△@%$#』!

270v何て呼んでいいのかわかりませんが、ミキサー席でのルークさんの熱唱!
もう、お客さんは狂喜乱舞よ!

280MASAKIさんたちも続いて乱入。

290ア、また!

このくだりは全会場の様子を見てみたいナァ。

300「愉快なことをカッコよく、カッコいいことをなじみやすく」…なんて永六輔みたいなことを言っておりますが~、CANTAの魅力のひとつはこういうところにあると思う。

そんなCANTAの大ツアー、『秋CANTA'13 TOUR "My Generator"~やれるうちが花!』のファイナルが今週末に開催される。
12月8日、場所は新宿BLAZE。
スゴイことになると思うよ!先述の通り私は残念ながらお邪魔できないので、Marshall Blogの分まで存分に楽しんできてくだされ!

320CANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

340(一部敬称略 2013年11月4日 柏PALOOZAにて撮影)

2013年12月 4日 (水)

【追悼】青山純さんのこと

「あなた、マーシャルの人?広規のアンプ調子悪いよ」

これが初めてお会いした時の青山さんのお言葉。2011年5月、伊藤広規さんが今でも積極的に取り組んでいる東日本大震災のチャリティ・イベントが仙川のKick Back Cafeで初めて開かれた時のこと。ビビった。

震災からまだ3カ月程度しか経っていない被災地の方々の生々しい体験談とゲストの方々の演奏が披露され、いよいよ登場したのはKAZ南沢さん、松下誠さん、中村哲さん、そして広規さんと青山さんだった。

素晴らしい演奏だった。
青山さんのプレイは「ドラム」という楽器として音楽の一部を構成するものではなく、一打一打が音楽そのものであり、広規さんのベースと絡むとそれはさらにすさまじさを増した。鳥肌が立った。

3日、青山さんが急逝された。まったく信じられない。

Ja_20 それから5カ月後、2回目にご一緒させていただいたのは福島県の『いわき街かどコンサート in TAIRA』でのことだった。

震災のチャリティ・コンサートということでMarshallも機材でお手伝いする傍ら、ステージの模様を撮影させていただいた。
会場に到着するなり楽屋にご挨拶にうかがった。もちろんそこには青山さんもいらっしゃって、私に向かってこうおっしゃった。

「広規のアンプ、ノイズ出てるよ。」

ガーン!またしても?! 穴があったら入りたい…とはまさにこのこと。ビビった。
しかし、幸運にも実際にはまったく問題なく、スゴ腕ミュージシャン達の演奏はまさに鬼気迫るものであった。

Ja_30 その時の演奏はもう何度もMarshall Blogで紹介しているライブ・アルバム『Relaxin' at IWAKI ALIOS』に収録されている。
このアルバムで私は9,000字に及ぶライナーノーツを書かせていただいたが、青山さんらの名人芸について思いのたけを書き記すことは、音楽を愛する者として、何よりも誇りであり、何よりも楽しかった。

Ri青山さんは、広規さんたちとともに翌年も『街かどコンサート』に出演し、前年同様の目的で私も参加させていただいた。
この時のもようはMarshall Blogでレポートした⇒いわき街中コンサートin TAIRA2012<後編>

Ja_img_2661 もちろんこの時の演奏も最上にして最高のものだった。
そして、悲しいことにふたりのこの姿を見ることはもう永久にできなくなってしまった。
Ja_img_2740いわきから帰って数日後、今度は高尾で昼食をご一緒させていただいた。
昼食といっても、青山さんと広規さんのデュオ・アルバム『A*I』のライナーノーツのためのインタビュー会とでもいおうか、プロデュースを担当していただいたホッピー神山さんを交え、おいしい料理に舌鼓を打ちながら色々なお話しを聴かせていただいたのだ。

Nt_img_0865その後、ジャケットに使う写真を撮影しようと「武蔵陵墓地」へ向かった。あいにく天気が悪く、かつ陽も暮れかかっていたため色がうまく出ずこんな仕上がりとなったが、この青山さんのトレーナーと広規さんのスニーカーの赤がとても印象に残った。(ホッピーさんも、赤いシャツと靴をまるで示し合わせたように着用していた)
その時撮った写真はモノクロに焼かれて、私が書いたライナーノーツの一角にレイアウトしていただいた。

Nt_img_0902 そうして出来上がったのがこの『A*I』。
ベースとドラムのデュエットを基本とした、2枚組の奇盤にして名盤。
青山さんの超絶プレイがテンコ盛りだ。我々はこの音源が残されたことに感謝するべきであろう。

Ai

そして、先月、満を持して発表された『FUTURE DAYS』。松下さん、広規さんらが中心となって1991~92年に制作された音源だ。
ここでも青山さんの素晴らしい演奏を聴くことができる。
もちろん、青山さんが参加して世に流通している音源は限りなく、そしてそのすべてが最高のプレイであることは言うまでもないことだ。

このアルバムを紹介したMarshall Blogの記事には先述した広規さんのチャリティ・コンサートのレポートが併載されている。このコンサートにも実は青山さんが参加する予定であったのだが、体調不良を理由にご欠席されたのだが、それがこんな風になってしまうなんて本当にショックなことである。

Fd私が知る青山さんは以上だ。親しそうにこんな記事を書く資格などないかもしれない。でも、一緒にお仕事をさせていただいたことを心から誇りに思っている。
さらに、音楽を愛する者として、素晴らしい音楽をクリエイトする能力を持つ芸術家がまたひとり鬼籍に入ってしまったという無念の気持ちは大きい。

大衆音楽の幼稚化とデジタル・テクノロジーの進歩による器楽演奏能力の低下が進んでいる結果、音楽の伝承が遅々として進まず、後進の演奏者が順調に育っているとは考えにくい昨今、青山さんのような「音楽の塊のような人」を失うことは、音楽がまたひとつ魅力を失ったことに等しいと思う。
このまま放っておけば、器楽演奏の「名人芸」は近い将来に絶滅する可能性が高いだろう。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
青山さん、どうか安らかにお眠りください。

Ja_10v 伊藤広規さん、荒木くり子さんには不世出の天才ドラマーと一緒に仕事をさせていただく貴重にして誇りある機会を与えて頂きました。この場をお借りしまして、心から厚く御礼申し上げます。

2013年12月 3日 (火)

グッドモーニングアメリカ in 水道橋

一体ナンダ、「水道橋」って?!
ライブハウスでもあったっけ?「ライブバー・水道橋」?ナンカ、水でも入れて酒を薄めてそうだな…。「♪The master of the houese ~ watering wine…」これはミュージカル『Les Miserables』の登場人物、小悪党の宿屋の主人、テナルディエのテーマ・ソング(?)、「Master of the House」。

…とは関係なしに、お茶の水~神保町~水道橋…この辺りは大学の街だね。明治大学、日本大学、専修大学、共立女子大、白百合女子大、それに医大の数々、ちょっと範囲を広げれば東大だ。
大学といえば「学園祭」…かどうかは知らんけど、秋になるとにぎやかになりますな。

水道橋の駅前にあるのは日本大学の経済学部。ここの学祭に登場したのがグッドモーニングアメリカ。

いいね、学生さんは初々しくて。いつもプロの仕事を目の当たりにしているこっちにとっては、「コンサート実行委員会」っぽい子たちがモノスゴイ人数で仕事を分担して、「ハイ!ハイ!」と応対し、一生懸命イベントを切りまわしている姿なんざ実にほほえましい。警備なんか必要以上に厳重だったりしてね。

10_2金廣真悟

20v渡邉幸一

30vたなしん

40vペギ

50vまたしても意表をつくたなしんの登場で幕を開けたステージ。
「グッドモーニングアメリカはじめます!」から演奏につなぐ高揚感が彼らの発明と言っていいだろう。
年甲斐もなく、しかも何度も見ているのに興奮してしまう!
80ガッツィにして色彩感あふれる幸一ちゃんのプレイ。

60v今日のMarshall。いつもの1959に1982BLTD。

70v今日のMCは自分達の学生時代のころを振り返る感動的なもの。幸一ちゃんのMCコーナーもみどころのひとつなのだ。

私も若い頃はプロのギタリストになりたかったもんですよ。でも、「バンド」とかいう観念はほとんどなかったな。「ギタリスト」になりたかった。才能がないことがわかって、なれなくてよかったわ。

90v今、なりたいのはドラマー…ナンチャッテ。
でも胸のすくようなペギちゃんのドラミングを見てるとそう思わなくもない。最高に気持ちよさそうなんだもん!

100vDave Grohlを想起させるエキサイティングにして緻密なドラミングにNATALがピタリと寄り添う。

110音質のよさだけでなく、そうしたドラマーとの距離を感じさせないNATALというドラムの音楽に対するクリエイティビティにペギちゃんは惚れ込んでくれていると思っている。

130NATAL(ナタール)は1965年創業のイギリスのパーカッション・ブランド。
Nt_img_0014現在ではMarshall社の傘下でドラム・キットを中心にビジネスを展開している。Natal_powerグッドモーニングアメリカ、約1時間のステージ。
大いに盛り上がる学生を後にグドモはステージを降りた。

グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒グッドモーニングアメリカオフィシャルウェブサイト

120(一部敬称略 2013年11月4日 日本大学経済学部講堂にて撮影)

2013年12月 2日 (月)

PRIMAL SCREAM JAPAN TOUR 2013

久しぶりの登場は新木場STUDIO COAST。以前は定期券を買った方がいいんじゃないか?と思うぐらい頻繁に取材に来ていたんだけどね…ホントに久しぶり。

今日の取材はPRIMAL SCREAM。
だいぶ前に機材の紹介のみでMarshall Blogに登場してもらったことがあったっけ。

10PRIMAL SCREAMは結成30年!
ニュー・アルバム『MORE LIGHT』を携えての5年ぶりの来日だ。

Ps20_2Bobby Gillespie

Ps30v_2Andrew Innes

Ps40AndrewのMarshall。

Ps50Simone Butler

Ps60Barrie Cadogan

Ps70vSimoneもBarrieもMarshallだ。

Ps80Martin Duffy

Ps90vDarrin Mooney

Ps110vDarrinのドラム・キット。
残念がらバス・ドラムのロゴが隠れているがNATAL。

Ps120キットは22"Bass、12"Tom、14"&16"FloorのTraditional Custom(Snareは後出)。Darrinの希望でMapleのキットを用意した。ハイハットスタンドもツイン・ペダルもNATALだ。

Ps130こちらもDarrinのリクエストに応えた14"x5.5"のMetal Snare。材はアルミ。これがまたものすごく魅力的な音で驚いた!「これぞスネア!」って感じ。

Ps140Darrinは14"と16"、双方のFloorをうまく使用していた。

Ps150NATAL(ナタール)は1965年創業のイギリスのパーカッション・ブランド。現在ではMarshall社の傘下でドラム・キットを中心にビジネスを展開している。

155logo_2以前、あるドラマーが自分のキットにウットリしているのを見て「何がそんなにカッコいいのよ?」と言ったら「なんだよ、Marshallなんてただの黒い箱じゃねーの!」と言われてしまったが、ん~、こうして見るとドラムってのも実に愛いヤツよの~。
今日は残念だけど、自分が面倒をみているドラム・ブランドのロゴがステージの中央に鎮座ましましているのを見ると、確かにグッとくるものがあるわ。
NATAL、マジでカッコいいわ~!

Ps160サックス&フルートも入ってサウンドもバラェティに富んだものとなった。

Ps100実は、私、このバンドこんなにMarshallなのにまったく縁遠くて、「初めて観たし、聴いたし」って状態なのね。

Ps170スコットランドはグラスゴーのバンド。グラスゴーといえば世界で3番目に地下鉄を開通させた古都。The Sensational Alex Harvey Bandもグラスゴーの出身だ。

Ps170vすいません。ハッキリ申しまして、私この手のタイプのロックはまったくの門外漢なので、いつものように曲がどうのだのサウンドがどうのなどということは申せません。ま、この正直加減がマーブロのいいとこジャン?

Ps180ギターはふたりともガッツのあるMarshallサウンド。ガッツがあるといっても歪みまくっているとかそういうことではなく、これもまたよきかな。骨のある筋が通ったサウンドね。

Ps180v何かショウはダラ~っと退廃的なムードの中進んでいく…ように見える、私には。

Ps185Simoneのベースがまたいい。上へ下へのラインの起伏でビート感をグイグイ引き出していく。

Ps190vDarrinもストレートなプレイで着実にバンドを律動させる。

Ps200vそれにしても照明が暗い!

Ps210このムードがまたファンにとってはタマらないんだろうね~。

Ps220バキュンバキュンとギター弾を撃ち込むAndrew。

Ps230ジワリジワリと盛り上がっていく。なんかこう「悪魔を憐れむ歌」を何回も聴いているような感じで妙な高揚感がクリエイトされていく。

Ps270そして気がついてみると大盛り上がり!

Ps310Bobbyの強烈な個性だけでなく…

Ps290vバンド・メンバーの色合いもジックリと醸造されていく印象を受けたステージだった。
Ps300vますますの活躍を期待したい。

Ps250_2(敬称略 2013年11月5日 新木場STUDIO COASTにて撮影)