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2013年12月11日 (水)

【号外】ジム・ホールを偲んで

ジャズ・ギタリスト、Jim Hallも鬼籍に入ってしまった。

Marshallから最も遠いところに位置する、リリカルなプレイをするギタリストのひとりかもしれない。恐らく生涯一度もMarshallでギターを弾かなかったんだろうな…。

『Jazz Guitar』、『It's Nice to be With You』、『Where Would I Be?』、『Concieto』、『Live!』、『Live in Tokyo』等のリーダー諸作、『Interplay』、『Undercurrent』『Alone Together』等のデュオ作、Art FarmerやRollins、Chico Hamiltonらとの諸作等、結構聴いてきてはいるものの、実は若い頃、イヤ、最近まで苦手だった。おとなしすぎちゃって…。

それでも、ここ数年は私も歳を取ったせいか、そのギターをギターらしく弾くJim Hallの至芸の片鱗が理解できてきたのか、またCD棚から引っ張り出してはよく聴いていた。

ご本人にはお会いしたことはないし、ナマの演奏も観たことがない。しかし、思い出がひとつある。
それは、今から1999年あたりにニューヨークに行った時のこと。ギター好きの現地の友人が「Jim Hallが亡くなったというウワサだ…」と教えてくれた。
そして、その友人が当時コロンバス・アベニューに住んでいたギタリストのJack Wilkinsの家に連れて行ってくれた。(愛用のBenedettoを抱えてJackと撮った一枚の写真は私の宝物だ)
ドアをノックすると、中から待ち構えていたかのようにJackが飛び出して来て、いきなりこう言った…「Jimは本当に亡くなったのかッ?!」だった。その時はピンピンしていた。
今、本当に亡くなって、またジャズの巨人がひとり減ってしまった。

Jackは「Banrey(Kesselのこと)ももうギターを弾くことができないらしい…」と寂しそうに言っていたことも思い出した。

たくさんの音源が残されているが、一番好きなプレイはリーダー・アルバムではなくて恐縮だが1964年の『Stitt Plays Bird』かもしれない。
縦横無尽にパーカー・スタンダードを吹きまくるSonny Stittの影の、聴こえるか聴こえないぐらいの音量で猛然とスイングする四つ切りはまさに超絶。ちょっとした速弾きよりもはるかにムズカシイだろう。というか、私などどんなに練習しても一生できまい。

Spb 一回ぐらい観とけばヨカッタ。
またひとつ後悔が増えてしまった。
Mr. James Stanley Hall…安らかにお眠りください。