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2023年5月 1日 (月)

【訃報】Fair Warning ヘルゲ・エンゲルケのこと

Fair Warningのギタリスト、ヘルゲ・エンゲルケの訃報を耳にした。
死因は大腸の腫瘍を原因とした合併症で、その腫瘍は亡くなるたった2日前に発見されたばかりだったという。
享年61歳…って、この人、私より1歳年上なだけだったのか?
他人事とは思えん。
私よりもっとズットズット年上かと思っていたのだ。
…というのは、2010年1月の来日時にMarshallでバンドをサポートしたことがあって、ヘルゲに会って少し話をしたことがあったのだ。05v場所は今はなき新宿厚生年金大ホール。
懐かしいね。10v厚生年金会館ホールはこのFair Warningの公演の2ヶ月後に営業を完了することに決まっていたため、思い出にホールの写真を何枚か撮っておいたのだった。
下もそのウチの1枚。
GenesisやVan Halen、Blue Oyster Cultからイングヴェイ、Sonny RollinsにPat Metheny、ジャズからロックまでずいぶん通ったからネェ。
ところが、Fair Warningもヘルゲ・エンゲルケもこの時まで全く知らなかった。
つまりこの日、生まれて初めてブッツケ本番でFair Warningの音楽を耳にしたというワケ。
すごく良くてネ。
感動したことを覚えている。202010年というと、もうMarshall Blogを運営していて、当然このコンサートのレポートも掲載した。
しかし、見ることができなくなっていたのでヘルゲを偲んで2010年1月27日に掲載した記事をココに復活することにした。
例によって文章は大幅に加筆訂正し、写真も新しくプリントして何枚か追加した。
天国のヘルゲに捧げる。
 
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
 
FAIR WARNING(フェア・ウォーニング)のマーシャル
 
先日のLOUD PARK09にも来日したフェア・ウォーニングが単独来日した。これがまた実にいいライブでハードロックの素晴らしさを十二分に伝える演奏となった。30トミー・ハート40vヘルゲ・エンゲルケ55vウレ・リトゲン60vCCベーレンズ70vサポート参加のトーステン・リューダーヴァルト。80vそして同じくサポート参加のギタリスト、ニクラス・ターマン。155v_2 メロディアスなハード・ロックがウリのFair Warning。
またコーラスがスゴイ。90美しいコーラスの有無は欧米と日本のハード・ロック・バンドを大きく隔てる。110vどうして向こうの人ってこう歌やコーラスがウマいかネェ。115vニクラスは一昨年にウリ・ジョン・ロートと来日した時以来、Marshall Blogへは2度目の登場となる。
あの時も素晴らしいプレイで業界では「あの若いのウメェなぁ~!」と話題になった。
「カロンの渡し守(The Sails of Charon:これ英語圏では「シャロン」と発音します)」のイントロのソロを軽々と弾いていたからね。120vウリの時と同様、今回もJVM410Hを使用。
130v出番前の楽屋でのショット。
目がブルー&グレイで、同性の私が見ても美しいと思うわ。
こうして見ると、背の高さといいちょっとレイ・デイヴィスに似てる?
JVMについて少し話をきいてみた。
150v彼はJVM4すべてのチャンネルを使用しているそうだ。
各チャンネルのモードの設定は…
①CLEAN/GREEN
②CRUNCH/ORANGE
③OD1/ORANGE
④OD2/GREENという設定。
①を除いてかなりGAINが高めだがMASTERはそれほど上げていなかった。
内蔵のリバーブも使用している。
そしてコレらのチャンネルは全てMIDIで制御している。
160足元のようす。
かなりスッキリ。
140「シゲ、バッチリだぜ!」155v一方のヘルゲ。
コレも「Sky Guitar」っていうのかな?
時折炸裂する超高音によるギター・ソロがとてもスリリングだった。
180イタズラにその高音域を使うのではなく、ココぞという時に一発。
実に音楽的なのだ。
アンプ・ヘッドは残念ながらMarshallではなかったが、ヘルゲもキャビネットは1960を2台使用。190v開演前のヘルゲとの会話の話題は当然Marshall。
彼がまたやたらとMarshallに詳しかった!
自分が一番気に入っているMarshallは70年代初頭の1959だそうで、その写真を見せてくれた。
それを見てビックリ!
その1959、何とフロントパネルがなかったのだ!200v「It looks cool!」と私が言うと大ウケしてくれた。
シャレになっているんです。
つまり「Cool=カッコいい!」を「Cool=涼しい」に引っ掛けているワケ。
そのヘッドにはフロント・パネルが付いていないので、真空管やトランスがむき出しになっているでしょ?
風通しが良くて「涼しい~!」ということ。
こんなのがオモシロイらしい。
とても気さくな方で話をしていて楽しかったな。210v曲を重ねる毎に演奏に熱が入る!Img_1693 トミーもノリノリで観客をアオる、アオる!220メンバー同士のカラミのシーンも随所にちりばめられた。225竿チーム、揃い踏み!230この人はElectric Sunにも参加していたんだってね。
ウレと…240CCのコンビネーションも完璧だった。250 次から次へと出て来る人気ナンバーに観客は総立ち!255最高のロック・ショウを見せてくれた5人!
260v

270v

280v

290v

300v全曲を演奏し終えて大きな喝采に応えるメンバー。310最後は「体操の隊形」に開いた。
これはドイツ式なのか?320 
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△
 
名ギタリストのご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げますImg_1570 (敬称略 2010年1月22日 新宿厚生年金会館ホールにて撮影)
 

2023年4月27日 (木)

Marshallビール、地下鉄を往く

 
今日は地下鉄丸の内線「新宿三丁目」駅にやって来た。10_2いつも近くのライブハウスに行く時に通るコンコース。
相変わらず人の行き来が絶えることがない。
30「今だ!」
瞬間的に人の通りが途絶えたところで素早くシャッターを切る。
20お目当てはコレ。60現在、Marshallビールの輸入代理店の株式会社都商会が、新宿三丁目駅のコンコースでポップアップ・ストアを設営しているのだ。
150「Marshall」ブランドに馴染みがあるからなのか、あるいはまったく知らないからなのか、驚くほどたくさんの人が足を止めてストアを覗いて行く。50vズラリと並んだMarshallビール「アンプトアップ・ラガー」。40_2 人気のケース入りからバラまですべてのMarshallビールを取り揃えている。65v「地球上でもっともクールな冷蔵庫!」…Marshall冷蔵庫(Marshall Fridge)のPRにも余念がない。70私もMarshallビールが大好きでしてね…「おや?」と思ったのはその値段。80「メトロ特価」と銘打ってディスカウント販売しているのだ。
かなり安くなってる!
90v都商会は「ロック酒」のパイオニア。
The Rolling Stones、Def Leppard、The Pogues、Motorhead柄のワインやウイスキーもズラリと並んでいる。0r4a0020 Marshallビールも「小さな壁」状態。110相変わらず並べたり積んだりするのを得意としております。120中国語での案内は時代を感じさせるナァ。
実際に撮影している間にも中国の女性がセットもののMarshallビールをご購入されていた。
130vこのポップアップ・ストアは5月7日まで。
お近くにお越しの際にはゼヒお立ち寄りくださいませ。140vさて、ポップアップ・ストアでも告知しているMarshall Fridge(マーシャル冷蔵庫)。
ノビノビにはなっているが現在絶賛発売準備中。Fridge1いよいよ都商会による正規の輸入が始まって全国が統一される!
よろしくお願いします!Fridge2
Marshallビールの詳しい情報はコチラ⇒都商会公式ウェブサイト

160 

☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆

フィル・リノットの魂を受け継ぐGRAND SLAM。
Marshallビールを飲みながらゼヒ聴いてみてくだされ!
 
<Gone Are the Days>

Marshall Recordsから『ヒット・ザ・グラウンド』絶賛発売中!
 
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 200 (一部敬称略)

2023年4月24日 (月)

私だけの英雄~大山まきの新しいミュージック・ビデオ

  
大山まきの新しいミュージック・ビデオの撮影現場にお邪魔して来た。
まずは増村保造もビックリの「赤い」セット。
※増村保造は東京大学卒の名映画監督。在学中の同級生は三島由紀夫。日本映画史に残る名匠溝口健二の助監督を務め、後に『兵隊やくざ』、『陸軍中野学校』の他、若尾文子と組んだ『清作の妻』、『華岡青洲の妻』、『卍』、『刺青』、そして『赤い天使』等々多数のヒット作や問題作を製作した。
1970年代、テレビドラマの山口百恵が主演した「赤い」シリーズはあまりにも有名だ。
000r4a0014真っ赤っかで誰が演っているのやらわからない?!00img_8499
00img_8537

00img_8506

00img_8512次のテイクに備え、すぐにプレイバックを観察。
完璧な仕上がりに向けて改良に余念がない。000r4a0034パート別の撮影。000r4a0036 皆さん、何から何まで心得ていてサクサクと撮影が進む。
そんな中、ただひとり私だけが心配を募らせていた。
というのは…最後の最後まで真っ赤っかだったらどうしよう!000r4a0010 心配ご無用!
撮影はほどなくしてノーマル・バージョンに移行した!90大山まき

100v斉田和典110vRosana:miho120v森はるか130vやっぱり!
さっきは赤くてわからなかったけど、はるかちゃんはいつも通りNATALだ!

140スネア・ドラムもイスもハードウェアもすべてNATAL。
群馬の方ではこういう風にすべてがお揃いである状態を「ゾッキ」という。
だから今日のはるかちゃんは「NATALゾッキ」だ!150赤いマイクを握ってエキサイティングなパフォーマンを見せるまきちゃんとバンドの3人!160「暑い、暑い!」
携帯扇風機で顔に風を送るはるかちゃん。
こういう撮影を見ていて、ホント、「ドラマーさんは大変」だといつも思うよ。185vハイ、もう1回。190最高にカッコいいまきちゃん。
自信タップリにふるまう様が実にクールだ。
240疲れなどまったく見せずパワフルにNATALを叩きまくるはるかちゃん。

210vmihoちゃん、スゲエ久しぶりだった。
8年ぶりぐらいかな?
待ち時間の時、mihoちゃんがいきなり私の超大好きな洋食屋の話をし出したのでビックリしちゃった!

220vKAZZさんとも久しぶり。
今日は背後のMarshallがなくて寂しいけど、アクションは完璧!230vん~、マイクのケーブルまでカッコよく見えて来たぞ!195vテイクを重ねるたびにパフォーマンスの密度が濃くなってくる。245ハイ、扇風機、扇風機!
お櫛の乱れを直してください。
はるかちゃんもアクションが激しいからね。246今度はまきちゃんがギターを提げたバージョンの総天然色版。250ギターがスッカリ板について来たまきちゃん。260vこんな動きはもう完全にギタリストだ!270バックの3人のパフォーマンスがますます冴える!274v

275v

280vまきちゃんの魅力全開!300こうして取り組んだビデオがコレ!
曲は「My Only Hero」。


「My Only Hero」収録の大山まきのニューアルバム『Valkyrie』は6月7日発売!
 
しかし、最近「ワルキューレ」だの、「ヴァルハラ」だの。「ギュルヴィのたぶらかし」だの、北欧神話にまつわる話題によく出くわすナァ。
勉強しないとマズイか…?
  
大山まきの詳しい情報はコチラ⇒Oyama Maki official website9album 

☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
 
クールな女性シンガーがお好きなアナタにピッタリのバンドはREWS!
 

<Birdsong>

<Today We're Warriors>

<Monsters>

<Heart is on Fire>


Marshall Recordsからのセカンド・アルバム『Warriors』絶賛発売中!

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お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan9img_9727 

200 (一部敬称略)

2023年4月 4日 (火)

NATALでハレソラ~岡井大二のドラム・キットの新旧

 
雅楽師の東儀秀樹が3年ぶりにニューアルバムを発表した。
タイトルは『NEO TOGISM』。
東儀さんは、まだ六本木にスイート・ベイジルがあった頃にMarshall Blogにご登場頂いたことがあった。10cd今回は岡井大二がらみ。
大二さんがその『NEO TOGISM』のレコーディングに参加されたのだ。
20vとくれば、当然Marshall Blogとしては放っておけないワケで…大二さんにお願いして現場にお邪魔させて頂いた。
レコーディングで使用したドラム・キットはもちろんNATAL。30大二さんのホームはこのバーチのキットだけど…402今回はアッシュのキットを起用。40コンフィギュレーションは13"、16"、22"。
60
いくつか用意されたスネア・ドラムのひとつがNATAL Stave(ステイヴ)。
simoの時にいつも使っているスネア・ドラムだ。50マイクの数がスゴイ!70後ろで控えているのはsimoのライブでおなじみのユースケくん。
この日もバッチリとサポートしてもらいました。80大二さんが演奏したのは1977年の四人囃子の『Printed Jelly』の1曲目に収録されている「ハレソラ」。85cdこの日レコーディングしたパートは大二さんのドラムスとギターだった。100ギターを弾いているのは東儀さんの息子さんの東儀典親。
典親くんは70年代の音楽が大好きだそう…私と一緒。
また四人囃子についてはミツルさん期がお好きなようで、この日のレコーディングはメチャクチャうれしかったことでしょう。
ドラムスは「ホンモノの人」ですから!
110v
今回のバージョンはオリジナルの大二さんのプレイとアレンジの魅力をそのままに…
90v
篳篥(ひちりき)や笙(しょう)のサウンドを大胆に導入して東儀さんのテイストをガツンとフィーチュアしたスグレモノ。
コレぞ「Togism」!120数回テイクを繰り返して、ハイOK!
大二さん、完コピ…当たり前か。
スゴイよナァ、この曲を録ったその46年前の現場にいた人だもんナァ。
アタシャ中学校3年生だったわ。130大二さんのタスクは終了。
典親くんが持参した四人囃子のインタビューが掲載されている当時のプレイヤー誌を囲んでみんなでパチリ。0r4a0145記事のページにサインをする大二さん。
典親くん、うれしそ~!
0r4a0148
愛器を手にして笙の説明をしてくれた東儀さん。
それにジックリと聴き入る大二さん。
スミマセン…私も質問させて頂きました。
というのは、笙のサウンドがある物にとてもよく似ていることに気が付いてすごく興味があったのだ。
「ある物」とはナニか?…それは、マイルス・デイヴィスが弾くオルガンのサウンド。
演奏の途中でソロの交代を指令するときにやる「ビャ~」というあの音が笙のサウンドにソックリに聞こえるワケ。
マイルスのことだから、テオ・マセロと2人で笙のサウンドを研究したに違いない。0r4a0151最後に記念撮影。
東儀さん父子は「若年寄」というバンドを結成して活躍中!
  
東儀秀樹の詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE
140
さて、今日の記事の後半はガラリと趣きを変えて…。
大二さんの思い出のドラム・キットを紹介する。
NATALではござらんよ。160それは、イギリスの老舗ドラム・ブランド「Premier」のキット。
Marshall BlogがMarshallファミリー以外のブランドの商品を取り上げるのはごくごくマレなことなんだけど、このドラム・ブランドはイギリスの方で大いにMarshallと関係がありましてな。
203
かつてプロ・ドラマーだったジム・マーシャルはPremierドラムスの第1号エンドーサーだったのだ。170vだからジムは元気だった頃、フランクルトの展示会のパーティの席上でよく余興でドラムスを演奏していた。
そういえばネクタイ姿のジムは珍しい。180写真を撮ったのは2005年のちょうど今頃。
ジムは大正12年(1923年)の生まれなので、もし生きていれば今年100歳だった。1901962年、ジムはやがてやって来るであろうロック・ブームを予測してドラム教室を運営する傍らロンドンの西のハンウェルというところに小さな楽器店を開いた。
それが後のMarshallだ。
ジミ・ヘンドリックスのドラマー、ミッチ・ミッチェルはジムのお弟子さんで、この店でアルバイトをしていた(リック・ウェイクマンも働いていたことがあったとか…)。
またキース・ムーンも一時期ジムの教室に通い、今は下の写真の床屋になっているそのジムのお店でPremierドラムスを買ったワケ。
イヤ、買わされたのかも知れない。
教室の生徒さんに楽器を販売するというのはジムのアイデアだったからね。195そのミッチ・ミッチェルやキース・ムーンのドラミングに憧れて、大二さんはこのPremierのキットを購入し、『二十歳の原点』や『一触即発』の一部で使用したというのだから、回り回って今NATALとご縁があってもナンの不思議もないのかも知れない…と考えると、「ロマン」じゃない?920s 大二さんがこのキットを手に入れたのは1972年頃。
高校を卒業して、四人囃子が始まる時のことだった。
大二さんだけでなく、バンドとしてそれぞれのメンバーが楽器を新調してもらった。
森園さんはSGスペシャルと迷い、メンバーの押しもあってストラトキャスターを入手。
当時はまだストラトキャスターを使っている人は少なかったそうだ。
コレが後のチャーさんの「ストラトをああいう風に使ったのは日本ではモリが一番最初なんだよ」という発言につながっているのかも知れない。
中村さんはプレシジョン・ベース。
坂下さんの楽器が最も高価で、ハモンドもどきと小さなレズリー・スピーカーだった。
そして、大二さんはこのキット。
当時、Premierドラムスを扱っている楽器店は珍しかったのだが、大二さんは池袋の「モリタ楽器」というお店に置いてあることを知っていて、他のメンバーの楽器と併せて某楽器店を経由させて入手した。
 
キットは20"のバスドラムと…20012"のタムタムと16"のフロアから成っていたが、フロア・タムは自宅の倉庫で保管している時に水分によるダメージを受けて残念ながらダメになってしまった。210今もほぼ変わらないロゴが「パーマン」みたいでいいね。
シッカリ「MADE IN ENGLAND」と謳ってある。
Premier社は創業が1922年なのでPremierも100歳を超した。
スゲエな、Marshallより40年も古い。
220大二さんがとにかく気に入っているのはこのフィニッシュ。
このウネウネは手作業ならではだね。
230v確かにこの重厚な風合いは見事だよ。
漆の名匠が丹精込めて塗り上げたような仕上げになっている。240今はこんなに手の込んだことはできないでしょうね。
オーダーしたらまず「データを送ってください」と言われてプリントしたフィルムを貼るのが普通だろう。
楽器に限らず、昔のモノって何でもチャンと作ってあるんだよね。
「使い捨て」なんてトンデモナイ!チャンと作って長持ちさせる。
コレぞ江戸時代の庶民の精神。
Premierはレスターっ子だけどね。
250パーツひとつひとつが前時代的で落ち着いているナァ。260バス・ドラムの最下部。
この蝶ナットがなっとも言えないね~。270ヘッドはキース・ムーンとお揃いのEverplay。
このヘッドは普通のモノと異なりティンパニのヘッドのような作りになっているそうだ。
もちろん「MADE IN ENGLAND」。280バスドラムの中。
シンプル・ムード満点!290エッジのようす。
320
バスドラムのシェルに残っている魚の形のステッカーの後。
大二さんがかつてサカナクションでプレイしていたワケではない。310コレはマーク・ベノの『雑魚(Minnows)』についていたオマケのステッカーを貼っていて、それをハガした後だそうです。
320cd「よにんばやし」か…コレ、なつかしいね。
何て言うんだっけ?カチンカチンとやって文字を打っていくテープ。
Premierドラムスを使っているドラマーは他にいなかったので他の人の持ち物と混同されることはまずあり得なかったが、念のため貼っておいたそう。
大二さん、ステッカー貼るの好きだからな。330大二さんにこのキットで臨んだ最も印象に残っているコンサートは?とお訊きすると即座に「ミラージュ・オブ・四人囃子」とお答え頂いた。
『ミラージュ・オブ・四人囃子』とは1973年7月21日に杉並公会堂で開催された四人囃子にとって初めてのホール規模での単独コンサート。
昔は「杉並公会堂のコンサート」ってよく見かけたよね。
私も高校の時に一度だけステージに上がったことがあるわ。
「泳ぐなネッシー」と「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」と「中村君が作った曲」はこの日が初演だったという。
つまり大二さんはPremierのドラムスでそれらの曲のPremierをしたワケよ。
そして今、『一触即発 デラックス・エディション』という3枚組CDでこの時の演奏を聴くことができる。
オフィシャル音源にはない「ピンポン玉の嘆き」のイントロのインスト・パートや「円盤」の長尺のドラム・ソロなど、このドラム・キットの写真を眺めながら大二さんの演奏を聴くのは実に楽しい。
でもね、結局は「大二さんのドラムスの音」なんだよね。
0r4a0830思い出のドラム・キット…処分しなくてヨカッタ!
そう、大二さんとのお話の結論は「捨てちゃダメ!」。
捨てちゃおしまいなのよ。
我々は断捨離反対派なのであった。
でも大二さん、もう安心。
こうしてMarshall Blogに残しておきましたから!340

 
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D_Driveのレーベル・メイト、Press to MECO。
いいバンドだよ~。

<Gold>

<A Test of Our Resolve>

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9img_9727 

200
(一部敬称略)

2023年3月30日 (木)

生まれ変わるMarshall~Marshall GROUP誕生!

 
すでに経済関連のウェブサイトの速報でご存知の方もいらっしゃることと存じます。
この度Marshall HEADPHONESを運営しているスウェーデンのZOUND Industies社がMarshall Amplification plcを買収し、新しく『Marshall GROUP(マーシャル・グループ)』を立ち上げることとなりました。Img_5980現在、Marshall社はMarshall、NATAL Drums、Marshall RECORDS、Marshall STUDIO、Marshall LIVE AGENCYを運営していますが、今後はMarshall HEADPHONESを加えた『Marshall GROUP』として一本化されます。
日本市場においてはMarshall、NATAL Drums、Marshall RECORDS、Marshall HEAPHONESが流通しておりますが、当面はナニも変わることはありません。
MarshallはMarshall、NATALはNATAL、RECORDSはRECORDSです。
同じブランド名を持つMarshall HEADPHONESと一体化し、グループを強化することによって以前にもまして魅力的な商品やサービスをお客様に提供することが目的です。
つきましてはMarshallファミリー商品の倍旧のご愛顧を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

M_group

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2023年3月27日 (月)

もしも東京の真ん中に、山があったら。…石川達也のNATALカホン

 
森永乳業のコーヒー飲料「Mt. RAINIER」。

10v_4発売30周年を迎えて商品をリニューアルしたことを知らせるテレビCMが流れている。
それがコレ。

「もしも東京の真ん中に、山があったら。」か…東京がCMのようだったらオモシロイね。
でも、400年チョット前の江戸には山があったんですよ。
それは「神田山」。
今のお茶の水駅前あたりが山頂だったそうだ。

40_2徳川家康は江戸の居住地区の面積を広げようと、この神田山をガンガン切り崩して…30v_3その土砂を今の日比谷公園の辺りに運び込んだ。
この辺りは江戸時代の初め頃には「日比谷入江」という海だった。
スゴイね、家康ってのは。
この大工事の副産物として出来たのが神田川というのもオモシロイ。50_2さて、このテレビCMの中に若い人集って野外で音楽を演奏しているシーンが出てくる。
画面の右端でカホンを叩いているのはSilexのドラマー、石川達也。
NATALプレイヤーだ。970v_2ロゴは映らないけど、達也くんが叩いているのはもちろんNATALを使ってくれている。
コレがそのNATALのカホン。80s_3横はこんな感じ。90s_2背面はこう。100s_2ナチュラル・フィニッシュもあるよ。105_2NATALカホンの詳しい情報はコチラ⇒NATAL日本語版オフィシャル・ウェブサイト

9110v_2さてその達也くん、既に本人が発表している通り、この度残念ながらSilexを脱退することになった。
最後のステージは4月1日の四谷ハニー・バースト。
達也くんのSilexでの雄姿を是非ご覧になりに来てくだされ!

Silexの詳しい情報はコチラ⇒Silex Official Website

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2023年3月10日 (金)

ANVIL PLAYS NATAL

 
「anvil(アンビル)」というのは「金床」のことだったのか…知らなかった。
「安蒜」さんという方もいらっしゃるよね。
この「金床」というヤツ、これまで全く用がなかったので詳しいことは全く知らかったが、歴史としては青銅器時代にまでさかのぼる古いモノで、鉄道の廃レールで作るらしい。
鍛冶仕事に使うことぐらいはもちろんわかってはいたが、ナンでこんな形をしているのかがややナゾだった。
良い機会だと思って調べてみると、当然のこととはいえ金床のすべての部位に意味があることにスッカリ感心してしまった。
赤く熱した鉄塊を乗せて「しばしも休まず槌を打つ」上面の平らな部分は「Face(フェイス)」という。
サイの角のような尖がりの部分は、そのまま「Horn(つの)」。
ココは部材にアールをつける時に使用される。
また丸い穴は「Pritchel Hole(プリッチェル・ホール)」と言って、部材に穴を空ける時の目打ちのウケの役目をする。
一方の四角い穴は「Hardie Hole(ハーディ・ホール)。
外部の固定工具を取り付けるためのモノ。
さらにフェイスの両端は部材を直角に曲げるために几帳面に90度になっているし、フェイスとホーンの境目に段差が付いているのは部材を切断する時に利用するのだそうだ。
これまでは金床が不愛想な鉄の塊にしか見えなかったが、職人の技に応えるべく至れり尽くせりのアイデアが詰め込まれていることを知った。
やっぱりモノの形には理由があるんだネェ。
10それらの機能が何に有益だったかと言うと…代表的なモノでは馬の蹄鉄づくりなのね。
で、果たして30kg内外もあるこの金床がいくらぐらいするものかと思ってAmazonをチェックしてみると…チャンと取り扱っていて、その値段は1万円もしなかった。
意外に安いんだな。
ウチは使わんナ。

Hs

さて、コチラは少し前にドキュメンタリー映画で大きな話題となったカナダの職人ヘヴィメタル・バンドANVIL。
今日はその来日公演の話題。20v先週、東京で2度の公演を開催した。
40ドラマーのRobb "Geza" ReinerはNATAL。30メイプルの10"、12"、13"、16"に24"のバスドラム×2に、スネアは14"×5.5"のアルミシェルというコンフィギュレーション。50v残念ながら私はお邪魔できなかったのだが、凄まじくパワフルなサウンドで両公演とも満員の観客を魅了したと聞いた。
観たかったナァ~。60NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL日本語版公式ウェブサイト

70v 

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北アイルランドのベテラン、Therapy?のベスト・アルバムもMarshall Recordsから!
 
<Nowhere>


<Die Laughing>

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Tp2 レコードもあり〼(実際の盤面は写真と異なる黒い盤になることがあります)
 
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200 (一部敬称略 2023年3月1日 立川BABELにて撮影 ※写真提供:UPP-tone music様 ご協力ありがとうございました!)

2023年3月 6日 (月)

かかってこんかい!~HADESのファースト・ミニ・アルバムとMV

 
「イギリスの食事はマズイ」と聞いた風なことを言うけど、体験してそれを言っているのかね?
知りもしないでそんなことを言ってるなら勘弁しねーぞ!
Bring it on!(かかってこんかい!)…と頭から湯気を出して怒るほどのことはなくて、ただウマいものはウマいし、マズいものは確かにマズいというだけの話。
日本と一緒だよ。
ただ、イギリスは産業革命や石炭や鉄鋼産業が盛んなりし時代に「メシよりも仕事」ということで、簡単に食事を済ませてもヘッチャラだぜ…という習慣がついた。
…という話には頷ける。
他にも「ジェントルマンは質素であるべき」という思想や、ライバルのグルメ国フランスの文化を排除したとか様々な理由が挙げられる。
じゃ、美味しいモノはナニがあるのよ?…という話になると…朝食?
「イギリスは朝食が一番豪華」と言われているぐらい。
下はその典型的な「English Breakfast」。
なるほど豪華…でも毎日はとても喰えん!それにそもそも特段ウマいワケではない。
でも、日本でいうところの「10枚切り」に薄くスライスしたトーストは日本の食パンよりはるかに美味しい。
しかし、間違いないのは「アジの開きに焼きのり、納豆、卵焼き、それに豆腐の味噌汁」の朝食の方が断然おいしい。
今は化学薬品まみれのヘンテコリンなものばかり喰わされているけど、こうして考えてみると日本ってのはホントに食文化を持った国だと思う。
それを…コオロギだなんて。10フィッシュ&チップスは「マズイもの」の代表にも出て来ることもあるようだけど、それは店の選択が悪いだけ。
美味しいお店ではホッペが落ちるほどウマいフィッシュ&チップスを食べることができるよ。
下はイングランド最北部のノースポートという港町にある「イギリスで一番美味しい」と評判のお店で出されるスタンダードなフィッシュ&チップス。
フィッシュはタラね。
でも「イギリスで一番美味しい」と謳っているお店は100軒は下らないらしい。
日本で言う「元祖つけめん」とか「カレーうどん発祥の店」みたいなもんですな。
でも、コレはホントに美味しかった。
こんなにギッタギタなのに全く油っこさを感じさせないの。
フィッシュだけでなく、元々から美味しいイギリスのジャガイモをナマのイモの状態から揚げたチップスがまたウマい。
〇〇ドナルドのポテトフライとはワケが違う。
20
それとカレー。
ま、イギリスのオリジナル料理ではないけれど、長いこと支配していただけあってインド料理はおいしい。
ただし、店によってクォリティの差が激しく、安い店はダメ…クサくて食べられませんから!
反対に値段の張る店は日本ではとても味わえないような美味しいヤツを食べさせてくれる。
下のアールズコートのインド料理店で食べた野菜カレーは人生の中でも1、2を争うおいしいカレーだった(ホントは家内のチョイス)。
他にもチョコチョコと美味しいモノがあったし、私は食の冒険を絶対にしないので他の美味しいモノを知らずに損をしているのかも知れない。
食べ物ではないけれど、何よりもパブで飲むあの上面発酵のビールのウマさは日本のビール会社が束になって逆立ちしても勝てやしまい。
それと硬水で淹れた紅茶の美味しさも日本では味わうことのできないモノだ。
だから「イギリスの食べ物はマズイ」と全面否定するのは全く間違えていると思うワケ。30反対にイギリスでマズイとされている代表的なモノを3つ。
まずはマーマイト。
コレはマズかった…というか、日本人の知らない味なんだよね。
パンに塗って食べるんだけど、ホテルに置いてある1回分の小さなパッケージを日本に持って帰り、コックの経験者に差し上げたことがあった。
その人はさっそくそれを指につけてペロリ。
「コレ、イーストじゃん」と平然と言ってのけた。
つまりマーマイトは下の写真のラベルに書いてある通り、イースト菌のペーストで知っている人にはおなじみの食材なの。
でもナニがナンでもマズイ。40次に「ジェリード・イール」。
「うなぎのゼリー寄せ」というヤツ。
あ~あ~、蒲焼にすればいいのに!
テムズ川の河口で獲れるうなぎをブツ切りにして煮凝りにした食べ物で、かつてはロンドンの下町っ子「コックニー」の皆さんの常食だったとか。
いつも「食の安全地帯」にいる私としては当然食べたことがないのだが、「すごく生臭い」と聞いただけでとてもじゃないけどパス。
しかし、最近はうなぎもご無沙汰だナァ。50そして、この手の話題でいつもチャンピオンのなるのがこの下のヤツ。
羊の心臓などの内臓を茹でてミンチにして、それにハーブを混ぜて羊の胃袋に詰めた…というキテレツな料理。
はい、即パス。
 
まぁ、「ウマい」、「マズい」というのは人それぞれの好みによるところが大きいので、一概には言えないことだけど、色々と経験してみるに、やっぱり食に対する心構えが日本人と違う感じがするね。
例えば、温めれば美味しく食べられるものを平気に冷たいままで食べて、それを「ウマい、ウマい」とやっているところとかね。
でもね、ひとつハッキリ言えるのは、化学調味料や化学薬品が山ほど入っている日本の食べ物の方がよっぽど「ヤバい」し、それを「安くてうまい!」と平気で食べている人たちの方がおかしいと思うよ。
そういう意味では日本人の食に対する心構えは完全狂っていると言えるでしょう。
イギリスのパンはアッという間にカビが生えちゃうんだよ。
それが当たり前なのだ。
 
あ、ところでこの下の食べ物はスコットランドの料理で名前を「ハギス(haggis)」と言います。
で、今日はその「ハギス」の話題。60…ではなくて、「HADES(ヘイディーズ)」の話題。
Marshall Blogにも何度か登場してもらったAZAZELの後進バンド。
もちろんハギスとは何の関係もありません、どころかコチラは最高に美味しいバンドなのだ!
80上の前書きで「HADES」を「ハギス」と引っ掛けたのは、下のギリシア神話の神様の「Hades(向かって右)」の読み方には「ハーイデース」とか「アイデース」とか、ものすごくたくさんのバリエーションがあって、その中に「ハデス」というのがあったから話をくっつけてみた。
西洋古典文学では「ハーデース」という表記が一般的らしいが、英語圏ではバンド名のように「ヘイディース」と発音するようだ。
このヘイディースはポセイドンとゼウスのお兄さんで、地下の世界に君臨して「冥界を支配する神様」。
それだけ聞くとナニやらコワ~い感じがするが、「曲がったことが大っキライ」という折り目正しい神様らしい…会ったことがないのでよくは知らないけど。
下の写真で写メを撮っているのが奥さんのペルセポネー。
ヘイディースの横にいる犬みたいなヤツは冥界の番犬、ケルベロス。
頭が3つ、尻尾がヘビ、胴体にヘビの頭が付いているというメチャクチャなデザイン。
ヘラクレスがコイツを地上に引っ張り出したところ、あまりの明るさに驚いてヨダレをたらした。
するとそのヨダレが猛毒のトリカブトになったらしい。
洋の東西を問わず「ケルベロス」という名前のバンドがいくつかあったナ。
70sその「正しい神様」のハズのヘイディースも男ですからね、浮いた話がないわけではなかった。
相手は「メンテ(Menthe)」というとても美しい妖精。
メンテを地下の世界に連れて来ようとすると、奥さんのペルセポネーが「オイ、ヘイ公!フザけんなよ!」と怒ってメンテを葉っぱに換えてしまう。
コレが「ミント」になった。
だからミントのことを英語で「メンソール(Menthole)」って言うでしょ?
アレは妖精の「メンテ(Menthe)」から来ているんだって。
メンテは自分の居場所を知らせるためにあの香りを発しているそうだ。
コレがホントの「居場所の発覚」…ナンチャッテ(←「ハッカ」のシャレになっているんですよ~)

9mint さて、HADESのドラマーはもちろんDr. MayoことMayo。
今回、HADESはファースト・ミニアルバムのリリースに先駆けてシングル曲のビデオをリリースすることになった。
Mayoちゃんといえば、NATALドラムス。
そこでそのビデオの撮影現場にお邪魔して来た…というワケ。
今日はそのレポート。

My_2 コレがそのファースト・ミニアルバムの『BRINGS』。
とてもいいデザインだ!100cd撮影スタジオのようす。110ギター用のMarshallはJVM410Hと1960A。
130一方、ベース用のMarshallは1959SLPと1960A。120NATALはMayoちゃん愛用のバーチのキット。
もんのすごく鳴るヤツ。140準備完了!150さっそく撮影開始!
曲は「BRING IT ON!!!」。
「bring it on」とは「かかって来いや~!」という意味。
サム・クックの有名な「Bring it on Home to me」とは意味が違う。
160Sala

170v空也180vyuriImg_3857 Mayo

200vもう皆さん手慣れたもので撮影はサクサクと進む。

205次のテイクまでチョットすり合わせ。
「このすぐ近くにメチャクチャおいしいパン屋さんがあったんだけど、今やってないんだって!」
「イヤ、最近週末だけはお店を開けているらしいよ」
なんて会話をしているのであろうか。
210こんなことをしている人もいる。220vカメラアングルを変えてもう1回。
何回も大変だネェ。
でも、同じことを同じように何度でも繰り返しできることが「プロフェッショナル」ということだから!
ラーメン屋さんも学校の先生もミュージシャンもやっていることはみんな同じ。
230皆さん、すべてのテイクで問答無用の大熱演!
オラオラ、かかってこんかい!Yy

Img_4051

Img_3930

260vそして出来上がったのがコレ。
4月28日発売のHADESのファースト・ミニアルバム『BRINGS』のリード・チューン「BRING IT ON!!!」。
見てね!


ミニアルバムのリリースに向けて色々とライブも仕込んでいるHADES。
詳しい情報はコチラでどうぞ!⇒Official Website

My2 Mayoちゃん出演のMarshall/NATALのイベント『Marshall GALA2』はコチラ。

 ☆☆☆Marshallからのお知らせ☆☆☆

ビックリの大反響! 
1988年に発売したエフェクト・ペダル4種類が完全復刻発売されます。
イギリス製の手づくり!

20The Guv'nor(ザ・ガヴァナー)

290BLUES BREAKER(ブルースブレイカー)

9f43f3948e5fb45dcbd6eda5a9505b2fbDRIVE MASTER(ドライブ・マスター)

190_2SHRED MASTER(シュレッド・マスター)

9deeb9550f577438eaba4afc5814638a1 商品の詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】THE LEGENDS ARE BCAK~伝説のペダル復活!

120

200(一部敬称略)

2023年1月31日 (火)

【追悼】鮎川誠さんのこと

 
鮎川誠さんの訃報に接した。
長年にわたってMarshallをご愛用頂いたベテラン・ギタリストをまたひとり失ったショックは大きかったが、それよりも偉大なギタリストたちの度重なる物故によって、ロックが凄まじい勢いで「ロック」から遠ざかっているような気がしてコワくなってしまった。
 
私が初めて鮎川さんのギターの音に接したのは高校生の時に後追いで聴いたサンハウスだった。
20年以上前からMarshallの仕事をするようになって、幸運にも幾度となく鮎川さんとご一緒させて頂く機会に恵まれた。
最近は疎遠になっていたものの、Marshall Blogにも何度もご登場頂いたことは私の自慢のひとつである。
さて、Marshall Blogへの追悼記事を掲載するに当たっては、追悼の意を込めて故人との関りや思い出を綴ることを常としている。
ところが、そうした内容の詳しい記事を以前に掲載してしまっているので、今回どのようにするのがよいのかひと晩かなり悩んだ。
結果、同じことを何度も書いても仕方ないので、「SHEENA & THE ROKKETSの35周年記念」の時に書いた記事を加筆訂正したうえ転用し、現在閲覧することができる鮎川さん関連のMarshall Blogの記事を巻末で紹介して弔意を示すこととさせて頂いた(オリジナル記事は2014年10月23日初出の『【SHEENA & THE ROKKETS 35周年記念特別企画】鮎川さんとMarshallとわたし』)。
 
     ★     ★     ★     ★
 
街というものは変わるものだ。
よくテレビで有名人が下積み時代に過ごした街を訪れる番組があるが、あの中で「アっレ~、ココだっけな~?」と自分が住んでいた場所を思い出せないシーンに出くわす。
アレを見るたびに「そんなに思い出深い場所なのに何で忘れちゃうの?」と思ったりするのだが、アレは忘れてもいないし、本人が変わってしまったワケでもなく、街があまりにも大きく変化してしまうのでわからなくなってしまうのであろう。
  
下の写真は新宿駅を背に小竹橋に向かう通り、いわゆる西新宿の光景だ。
かつてこのあたりに「新宿ロフト」があった。
前回いつ訪れたのかがサッパリわからないぐらい久しぶりにこの辺りに来たついでに、「新宿ロフトの跡はどうなってるのかな?」と思いつき、ブラリと足を向けてみた。
ところが…。 
恥ずかしながらわからなかったのである。
どこにあったのかがハッキリとわからなかったのだ。
1970年代、あんなに足繁く通い、80年代の初頭にはしばらくの間、月1回のペースで出演者の末席を汚していたにもかかわらず明確な場所が特定できなかった。
街が大きく変わってしまったのだ。0010ついでにもうひとつ…。
こちらはさすがにしょっちゅう通りかかるので忘れようがないのだが、渋谷駅前西武百貨店A館の裏。
下の写真のビルとビルに挟まれたやや背の低い建物。ここに何があったかを知る若い人はまずいないだろう。
ここの4階に「渋谷屋根裏」があった。

今となっては大資本が運営するホール様式の巨大なライブハウスが林立してごく普通の高校生もライブ・コンサートに足を運んでいるが、ここに屋根裏があった1970年代は「ライブハウス」というと「いかがわしい」とか「危険な」イメージが世間にあって高校生が出入りすることは大変マレなことだった…と思う。
どうしても酒を出すからね。
当時はもちろん店内でタバコもスパスパだった。
 
高校1年生の頃、当時スペース・インベーダーがものすごく流行っていて、スコアを伸ばそうと私も地元の小さなゲームセンターに入り浸って研鑽を積んでいた。
そこでアルバイトをしていたお兄さんがバンドをやっていて、毎月新宿ロフトや屋根裏に出演していた。
何となく口をきくようになったある日、「別にライブハウスは危ないところではないから、ロックが好きなら観においでよ!」と誘われ、ほどなくして屋根裏に遊びに行った。
多分16歳の時だったと思う。
そのバンドは現在でも元気よく活躍している「三文役者」で、「ゲームセンターのお兄さん」はそのギタリスト、大竹亨さんだった。
「あまり遅くならないように…」ぐらいのことは言われたろうが、親もよく行かせてくれたものだと思う。
これが私のライブハウスの初体験で、結構当時の色んなバンドを拝見した。
それでももっともっと色んなグループを見ておけばよかった…と今でも臍を噛む思いをしている。
その後、パンク/ニューウェイブが台頭してきて私の興味はジャズに移り、時のロックを熱心に聴かなくなってしまったので自然とライブハウスからは足が遠のいてしまった。
今では街も音楽もライブハウスもすっかり変わってしまった…。
前置きは以上。
鮎川さんとの出会いを記すにあたってはどうしても当時のライブハウスのことを書いておきたかった。
0030v
私は高校生ながら洋楽の知識をひと通り持っていたが、こと「日本のロック」となるとからっきしダメで、色々なグループの存在をずいぶん大竹さんから教わった。
その中のひとつが「サンハウス」だった。
当時、サンハウスのレコードは完全に入手不可能で、当時三文役者のPAを担当していた方にお願いしてサンハウスの3枚のアルバムをカセット・テープに録音して頂き、初めてサンハウスのサウンドを耳にした。
「3枚のアルバム」とは『有頂天』、『仁輪加』、『ドライブ・サンハウス』のこと。
本当にテープが伸びるほど聴き狂ったね。
大好きだった。
下はその時のカセット・テープ。
「Sun House」と綴っているのは私がバカだから。
イヤ、それもあるけど、それだけ情報量が少なかったのだ。
だって、レコード・ジャケットを見たことがなかったんだから!
正しくは「Sonhouse」。
元はEdawad James "Son" House Jr.だもんね。
0r4a0397 ブルースをベースにした洋楽風の曲想に、柴山さんの図太い声で「いかにも」の歌詞がビシっと乗せられたサマはナニよりもカッコよかった。
そして、夢中になったのは鮎川さんが弾くギターだった。
そうなると当然ホンモノを見たくなるのが人情だ。
ところが、サンハウスはとっくに解散しており、レコードですら入手できないのだからホンモノを見るなんてことは夢のまた夢。
年上のロック好きの人たちから耳に入ってくる情報といえば、「何年か前に上京して鹿鳴館で素晴らしい演奏をして九州へ帰っていった」なんてまるで月光仮面かスーパーマンのような話しばかり。
0020
そして、知ったのが鮎川さんが新しく結成したバンド、「シーナ&ロケッツ」のことだった。
1979年、セカンド・アルバム『真空パック』が発表されてすぐに買いに行った。
そして、同じ時期に新宿ロフトではじめてホンモノの「鮎川誠」を目にしたのであった。
ここで冒頭のロフトに話が結びつくというワケ。
それはまだ改装前のロフトで、店内がまだレンガづくりになっていたっけ。
超満員でメチャクチャかっこよかったのを覚えている。
もちろん鮎川さんとお話することもなどできるワケがなかった。Spその後すぐにファースト・アルバムも購入。
みんな「レモン・ティ」のことを口にするけど、私は鮎川さんがお歌いになった「ビールス カプセル」と「アイラブユー」がとても好きだった。
後にそれらの曲の出自を知ったが、「でもそんなの関係ネェ!」だった。S1_2 それから時代は25年ほど下って2004年。
『Marshall Nite』というビクター主催のイベントが開催された。
渋谷のTOWER RECORDSの地下にMarshallの壁を持ち込んでコンサートを開催する…という企画だった。
それはデビューして1年足らずのFUZZY CONTROLをプロモートするのが目的で、当時同じレコード会社だった増子真二率いるDMBQ、そしてSHEENA & THE ROKKETSが出演して華やかな色どりを添えてくれた。
その時、鮎川さんはMCで「ボクはズ~っとMarshallを使ってきた。ナニモノにも代えがたい信頼のおける相棒だ」とMarshallの素晴らしさを博多弁で熱心に説いてくださった。
コレは私がお願いしたワケではなくて、鮎川さんが企画の趣旨をご理解のうえ自主的に対応してくれたのであった。
そのお気遣いがとてもうれしかった。
ところが、この時はごどうしてもタイミングが合わずご本人にご挨拶をすることができなかった。
このイベントの記録がナニも残っていない。
下は第2回目の『Marshall Nite』の告知チラシ。
第1回目は「都心にMarshallの壁現る!」というキャッチとともに「ギターマガジン」誌が大きなレポートを組んで頂いたが、どこを探してもそのスクラップが見つからなかった…残念。
9mnt 
そして、翌2005年。場所は日比谷野音。
『Lightnin' Blues Guitar Festival』というイベントが開催され、中野重夫さんや故住友俊洋さんが出演するということでお邪魔させて頂いた。
私がMarshallのTシャツを着て楽屋をウロチョロしていると、「チョットチョット!そのシャツ、写真撮らせて!」と声をかけて来た人がいた。
鮎川さんだった。
恥ずかしいので「イヤ、こんなシャツの写真を撮ったって仕方ないですよ!」とお断りしたのだが、「構わん、構わん、ジッとして」と何回もシャッターをお切りになった。
コレが初めて鮎川さんとお話をする機会となった。
もちろん、上に書いたようなそれまでの経緯をご説明したことは言うまでもない。
鮎川さんはニコニコして「そうか、そうか」と私の話を聞いてくださった。
もちろん、その時もステージには愛用のMarshall 1987がセットされていた。
 
さらに、5年もの月日が経ち、次にお会いする機会がやってきた。
場所は原宿のクロコダイル。
楽器業界の重鎮の還暦祝いのコンサートが企画され、鮎川さんとシーナさんも出演した。
その頃はもうMarshall Blogを始めていて、撮影に忙しく簡単なご挨拶しかできなかった。
これはその時に撮影したうちの一枚。
写真には入っていないが、アンプはもちろんMarshallだ。
0040v
その時から2か月後の2010年5月、『JAPAN BLUES SOUL CARNIVAL』のSHEENA & THE ROKKETSをMarshall Blogで取材させていただいた。
この頃にはお会いすれば「ヨウ!」ぐらいの感じになっていたのがうれしかった。
 
ヘッドライナーはこの時が日本初公演となったR&B/ソウルの大御所ソロモン・バークだった。
元よりその手の音楽を聴かない私は、鮎川さんたちの出番が終わったらすぐに帰ろうかと思っていたのだが、開演前に鮎川さんが「今日のソロモン・バークは見逃せんよ~。ローリング・ストーンズの師匠じゃけんね。初めて日本で演るんじゃ」と教えてくださったので、せっかくだから最後まで観ていくことにした。
これが信じられないぐらい素晴らしいパフォーマンスで感動の嵐だった。
危なく見逃すところだった!
しかも、ソロモン・バークはこの日本での初公演から5か月後に急逝してしまった。
もう2度とその歌声を生で聴くことはできない。
だから鮎川さんには二重に感謝している。
その後、ソロモン・バークは名古屋のBOTTOM LINEに出演したが、車イスの幅が楽屋の入口より広く、御大は楽屋の中に入ることができず、終始外にいた…という話を大分経ってから耳にした。

もちろんここでもMarshall。

0041

鮎川さんの1987と1960B。Sb2 鮎川さんのMarshallは魚のマークが目印。50ホラ、リアパネルにも。Rear4続いては同じ年の夏のフジ・ロック・フェスティバル。
私はとうとうサンハウスを観たのだった。
この時、ドゥイージル・ザッパも出演していて、一週間ぐらい前にロンドンで会ったばかりだったので、私の顔を見るなりドゥイージルは飛び上がって驚いていた。
「オイオイ、キミは一体どこに住んでいるんだい?!」って!
 
サンハウスの出番は遅く、朝から降ったり止んだりの雨の量が強くなるばかりだった。
帰りの新幹線の時間も気になるし…チョコっとだけ観て帰ることにした。
ところが、ナンのこたぁない。
結局、ほとんど全部観てしまった。
だって演る曲、演る曲が好きな曲ばかりなんだもん!
しかし、この後がシンドかった。
ズブ濡れになって苗場の駅から乗った新幹線がガラガラのうえに冷房がギンギンに効いていて寒くて凍死するかと思った。
でも、心の中はとうとうサンハウスを見たよろこびで暖かかったナ。
0042v
残念ながらマネージメント・オフィスの方から演奏中の撮影許可を取り付けることができなかったので、機材の写真だけ撮らせて頂いた。
もちろんMarshallにキマってる。
ライブの写真を撮ってMarshall Blogに残しておきたかったナァ。Img_0204そして、2010年の10月。
今度は「京浜ロック・フェスティバル」にお邪魔させて頂いた。
コレが川崎の駅から超満員のバスで40分というかなり過酷なロケーションだった。
考えてみるとこの時も野外。
シナロケは野外が良く似合う。

0043vもちろんこの時もMarshallだ。Photo_2さて、先のソロモン・バークとフジロックの間に私の人生の中でも指折り印象に残る出来事が起こった。
もうMarshall Blogのアチコチで書いて来たことなんだけどね。
福島県の郡山市立美術館が『スウィンギン・ロンドン 50's-60's ―ビートルズたちが輝いていた時代―』という企画展を開催することになり、MarshallのJTM45 OffsetやJTM45/100を展示品として貸し出すことになった。
その時代に流行した様々なグッズを展示し、ブリティッシュ・インベンションの時代を振り返ってみようという企画だ。
 
美術館の学芸員の方が事前にご挨拶にお見えになり、展示品の貸し出しに関する打ち合わせをしているウチに私の悪いクセが爆発してしまった。
今でも時折展開している自分勝手な「ロックはこうあるべき論」を熱くぶってしまったのだ。
ビックリしながらもその美術館の方は私の話に耳を傾てくださった。
10_2

打ち合わせから数日してその美術館の学芸員の方から連絡を頂戴した。
Marshall Blogを子細にご覧頂いたうえでの「折り入ってのお願い」とおっしゃる。
「困った時はお互い様」とご依頼の内容を伺ってみると、その企画展の関連事業として『60'sロック談義』と題した公開座談会を企画しており、私に出席して欲しいという。
…ザダンカイ?
題名の通り「60年代のロック」について、またロンドンについての話しをするという内容だ。
「60年代か…70年代ならまだしも、60年代はキビしいかな?」と思いつつ、対談の相手を尋ねると鮎川さんとシーナさんだっていうではないの!
だから対談ではなく鼎談だ。
51_2
上に記した通り、鮎川さんは既に何度かお会いして存じ上げていたし、Marshallのクリニックや研修を数えきれないほどやってきた私としては人前で話しをするのもキライな方ではない。
目立ちたがり屋の自分としては飛びつくべき話しなのだが、相手が相手だからナァ。
鮎川さんのロックのキャリアと言えば、ビートルズが完全にリアルタイムなワケだし、ブルースやR&Bの造詣の深さたるや尋常ではなかろう。
直接ではないにしろ、時代的に実際に「ブリティッシュ・インヴェイジョン」をご経験なすっている方だ。
一方、こちとらローリング・ストーンズすらロクに聴かない、どちらかと言えば「正統派」から遠く離れた「変態」に属するロック・ファンだ。
ジャズなら人後に落ちないが、それ以外の黒人音楽は全くと言っていいほど聴いて来なかった。
コレは何日も考えたね~。
正直かなり悩んだ…訊けばお客さんもかなりの数だというし。
鮎川さんとシーナさんの前でワザワザ自分の無知をさらけ出すのか?!
学芸員の方とは押したり引いた入りの局面があったが、「ええいママよ!Marshallのためじゃい!」と自滅覚悟でお引き受けすることにした。
52
それからは徹底的に鮎川さん研究に没頭した。
相手のことを知らないで対談するなんてエチケット違反だと考え著書を漁った。
コレがまた読めば読むほどますます自信がなくなるようなご経験を鮎川さんはされていらっしゃるでありませんんか!
「やっぱり、断ろうかな…」と再び弱気になったこともあった。0030こんなのも読んだ。
こうして鮎川さんに関する情報を仕入れているうちに、不思議とご本人と打ち解けてきたような気になってきた。
「そうか、要するに生きた時代は違うし、経験も異なるけど、我々は結局『ロックバカ』なんだな…」と…。
それからは楽だった。
途中からおふたりの胸をお借りするつもりで「何でも教わっちゃおう!」という気持ちに変わったのだ。0050もちろんシーナさんの本も楽しく拝読した。0040
コレで準備万端…と言いたいところだが、実はまだ悩みが残っていた。

20v
この座談会、ただ座って「フムフム」と鮎川さんのお話の相手をするだけでなく、司会役も仰せつかっていたのだ。
「司会」とあらばツカミが肝心。
段取りとしては冒頭でお客さんの笑いを取るのが一番手っ取り早い。30_2

当時は「なぞかけ」がブームになっていた。
「●●とかけて▲▲ととく。その心は××です」というアレだ。
コレで行こう決め、郡山にちなんだネタを仕込もうと考えた。
郡山って何が名物なんだ?何しろ一度も行ったことがない場所だ。
地名で行くか?「こおりやま、こおりやま」…「こりゃマァ」でナンカできないかな?
ん~、いいのが浮かばない。
有名な食べ物は「ママドール」というお菓子か…?
ダメだ…いいアイデアが出てこない。
こうなりゃチョイと浅草演芸ホールまで行って「ねづっち」にお願いしてくるか?

40v_2…とかなんとか言っているうちに当日が来てしまい、座談会の心配はどこへやら、「なぞとき」のネタができずに新幹線の中で七転八倒する始末!
デコでもアイデアが浮かばない!
それでも何とか郡山駅に着く直前に強引にヒネリ出したネタを携えてこの超立派な美術館に入り込んだのであった。

50vドワッ!開演を待ちわびる人でロビーがゴッタ返してる!
こりゃ責任重大だぞ!

60…と、いよいよ開演時間になり、総合司会の方からご紹介を頂き予定通り考えたヤツをカマしてみた。
「エ~、郡山とかけまして…台所に通じる廊下ととく、その心は…『ママドール』。しげっちです!」
コレが大ウケよ、大ウケ。
もちろん無理してウケてくれた郡山の皆さんが飛びっきり心優しい人たちだったということなんでしょうけどね。
でもね、コレ、終演後に私のところにやや年配の方がいらしゃって、「アノ~、あの『ママドール』のなぞときなんですが、会社の宴会でやってもいいでしょうか?」とおっしゃるではないの!
「どうぞ、どうぞ!」…とてもうれしかった!
そんなこと私にワザワザ断らなくたっていいのにね。
もう、郡山がいっぺんで気に入っちゃった。

T_img_0039 そして、いよいよ鮎川さんたちをお迎えした。70_2ものスゴイ歓声!
お客さんは200人は優に超えていただろうか?
決して小さくはない講堂が超満員になっていた。

80事前の打ち合わせは一切なし。
話す内容についても主催者側からの指定が一切ない。
例の鮎川さんの著書を叩き台にして、当時の話しをお聴きしつつ鼎談がが進行した。
始まってみたらとてもオモシロかった。90_2何しろ鮎川さんは「ビートルズ」の名前をお弁当を包んでいた新聞紙でお知りになったっていうんだから驚きよ。
まさにリアル・タイムな人なワケ。
他にもThe Kinksのレイ・デイヴィスとのことや当時の九州のロック事情など貴重なお話をたくさん伺うことができた。
シーナさん曰く「レイはとってもいい人よ~」。
私はレイとデイヴのマズウェルヒルの生家までは行ったけど、もちろん会ったことはない。
キンクス・ファンの私としてはもっとおふたりにレイの話をお伺いすればヨカッタ。
最後の方では美術館のお計らいで、Marshall Blogの「ロック名所めぐり」の写真を使った「プチ・ヴァーチャル・ロンドン・ツアー」なんてこともやらせて頂いた。
鮎川さんもシーナさんも私が撮ったそれらの写真を熱心に見入ってくださり、とこどろどころコメントや質問を頂いた。
このコーナーも大成功だったと思う。
この時だったかナァ?
「ユー・メイ・ドリーム」の話になって、鮎川さんがプロデュースを担当した細野さんを天才だと思ったっておっしゃった。
「どんなところが?」と私が訪ねると、「例えばあのカスタネットを入れたこと」と鮎川さんがおっしゃる。

Img_00322 私があまり納得していない風に見えたのか「だってあんなところにカスタネットを入れるなんてアイデアは絶対に浮かばんけん!」と説明を加えてくれた。
私はそういう風に思うことの方がよっぽど天才だと思った。
100そして、最後はお2人のパフォーマンス。
残念ながらパソコンの調子が悪く、バッキングトラックが再生できなかった。
しかし、鮎川さんはゼ~ンゼンひるんだり困ったりする素振りなど見せず、「ア・カペラで演るけん!」とひとことおっしゃって、シーナさんのタンバリンをバックに「Satisfaction」を弾き始めた。
Img_00242「ロック」がそこに出張して来て演奏しているようなすさまじいパワーで会場は大いに盛り上がった。
この時だってもちろんMarshall。
限定で発売した1987のコンボ、2187をお使いになった。
 
とにもかくにも座談会は大成功で、大きな拍手をお客さんから頂戴して私はようやく肩の荷を降ろすことができた。
もうひとつとてもうれしかったのは、その学芸員の方が「私に任せて間違いなかった」とおっしゃってくれたことだった。
イエイエ、100%お2人のおかげでした。
Img_00203終演後は閉館して貸切状態になった展示場を鮎川さんとシーナさんたちとでユックリ見学させていただいた。
先にも触れた通り、数えきれないほどの50~60年代のグッズが完全な形で展示されていて、実に興味深い。
初めて見るようなモノあり、なつかしいモノもあり…。

125vおふたりにMarshallの前でポーズをお願いする。
同行した家内がシーナさんとパンの話をすると「マコちゃん、パンが好きなんだけど、太っちゃうからあんまり食べさせられないのよ~!」なんておっしゃっていらした。
鮎川さんたちと親しくなるわ、ギャグはウケるわで、人生の中でもマレに見るエキサイティングな一日だった。160v座談会に先立ってのソロモン・バークの時の野音で鮎川さんの著書にサインを入れて頂いた。
0060
家内はシーナさんにサインをしてもらった。
0070_2
鮎川さんのトレードマークのレスポール・カスタムをジックリ拝見させて頂いたこともあった。
170v1969年製。
恐らく日本で最も有名なLes Paulの内の1本だろう。180vさぞかし何度もリフレットしているのかと思ったら案外そうでもないらしい。

190v満身創痍のボディ表。

200v_2リア・ピックアップが少し傾いてしまっている。

210v上の写真は郡山以前月に撮影したもの。
そして下は郡山市立美術館で撮影したもの。
よく見るとブリッジ・サドルが交換されているようだ。T_img_0038 リアのトーン・ポットのノブは4年経っても取り付けられていない。
このハット・ノブについているハズの数字なんか完全にのっぺらぼうになっちゃってる。

220vテールピースとスタッドも最早一体化している。
コレの方が振動の伝導率が高くてサスティンが稼げたりして…。

230ボディ・サイドもかなり塗装部分が減ってきている。

240v_2ストラップ・ピンも何回も交換されたのかもしれない。

250_2ヘッド裏。
ペグは交換していないとお聞きした。

260v_2あ~あ、ネックはもう完全に塗装がなくなっちゃってる。

270vボディ裏の塗装もかなり剥がれている。残っているのは60%ぐらいか?

280v触ってみるともうツルッツルのドモホルンリンクル状態。
塗装はハデに剥がれているにしてもズボンのベルトの傷がまったく見当たらない。

290vジャックも何度か交換されているに違いない。

300私のフォト・クレジットが入っているが、下は鮎川さんが撮影してくれた写真。
宝物の写真だ。
このギター、鳴りがいいのはもちろんだが、それよりもネックを握った瞬間「アレ?あったかい」と感じた。
愛用のMarshall 1987とともに鮎川さんの愛情を分かち合っているからなのだろう。
1969年生まれだから私より7歳も若いのよ。
この時、鮎川さんの前で何を弾いたかって?
「キング・スネーク・ブルース」と「レモンティ」。320v_2
以上、鮎川さんに関する思い出。
やはり郡山美術館の仕事は私の人生のハイライトのひとつだった。
その後も鮎川さんにはMarshall Blogにご登場頂いていた。
記事は以下の通り。
ゼヒご覧頂いて日本最高のロック・ギタリストを偲んで頂きたい。
鮎川さんにご愛用頂いたMarshallも記事内で紹介しています。
 
★【SHEENA & THE ROKKETS 35周年記念特別企画】 ROKKET RIDE TOUR
[2014年9月13日 日比谷大野外音楽堂]
鮎川さんのリクエストでステージの前っツラまでお客さんを入れた野音のライブ。
私もずいぶん野音でコンサートを観て来たが、他にこの景色を見た記憶がない。
シーナさんのお葬式の時に、鮎川さんが私の顔をご覧になるなり「あの野音でシーナが登場して来る時の写真、彼女、とても気に入っていたんよ」とおっしゃてくださった。
それを聞いて家内と2人でドバ~っと涙を流した。
 
<前編>はコチラ⇒Marshall Blog
<後編>はコチラ⇒Marshall Blog10_2

『シーナの日』 #1 ~シーナに捧げるロックンロールの夜~
[2015年4月7日 下北沢GARDEN]

シーナさんのご逝去から2か月後の4月7日に開催した追悼ライブ。
イベントの名前通り本当に「ロックンロールの夜」の様相を呈していた。
菊さんやマリさんも登場してこの上ない盛り上がりを見せたが、鮎川さん、やっぱり寂しそうに見えたな。
 
<前編>はコチラ⇒Marshall Blog
<後編>はコチラ⇒Marshall Blog

210

鮎川誠と祝うMuddy Waters生誕100年
[2015年9月12日 下北沢GARGEN]
 
上にソロモン・バークのことを書いたけど、普段ブルースをいう音楽を全く聴くことのない私はこのコンサートで多くのことを勉強させて頂いた。
この時も菊さんが出演して鮎川さんとのコンビネーションで凄まじいステージを見せてくれた。

<前編>はコチラ⇒Marshall Blog
<後編>はコチラ⇒Marshall Blog

200_2
★SHEENA & THE ROKKETS 35周年ライブ日比谷野音DVDリリース!
[2019年7月2日]
35周年を記念するコンサートのDVDが5年の月日を経てリリースされることになったニュース。
許可を得てMarshall Blogの記事に使用しなかった写真を多数掲載させて頂いた。
  
記事はコチラ⇒Marshall Blog
20以上。
 
鮎川さん、本当に色々とありがとうございました。
私はいちファンとして、そしてMarsdhallの人間として、偉大なるロックンローラーとお仕事をさせて頂いたことを誇りに思っています。
安らかにお眠りください。270v SHEENA & THE ROKKETSの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEB SITE

2023年1月12日 (木)

【追悼】I REMEMBER JEFF

 
ココ数年はスッカリ朝に強くなって…イヤ、正確に言うとやたらと朝早くに目が覚めてしまってユックリ寝ていられないだけの話なんだけど…。
今朝も5時起きだった。
今年はいつになく忙しい正月でMarshall Blogの更新がスッカリ滞ってしまっていた。
そこで「今日こそは新しい記事を公開しよう!」とまず気合を入れ、顔を洗って5時15分には事務所のパソコンの前に座った。
昨晩ひと通り書き上げた記事の推敲をするしようとインターネットをつなげてブッタマげた。
それで完全に目が覚めた。
いきなり「ジェフ・ベックの訃報」が目に飛び込んで来たのだ。
 
…と言っても、私は昔から熱心なファンであったことはなくて、むしろそのスゴさに気づくようになったのは、来日した時にMarshallでサポートをするようになってからかも知れない。
それでも私が初めてジェフ・ベックの演奏を耳にしたのは1976年のことだからカレコレ47年も前のことになる。
初体験はBBAの『Live in Japan』だった。
あのトーキング・モジュレーターがカッコよくてね。
その時にはもうギターを始めていたので、ラジカセを使ってマネをしたことをよく覚えている。
ギターをラジカセにつないで、イヤホンで鳴らす。
紙を巻いて作った筒をそのイヤホンにセロテープで貼り付けて筒の先端を口にくわえる。
するとイヤホンの中のスピーカーを通して口の中でギターの音が鳴るという寸法だ。
要するにホンモノのトーキング・モジュレーターと仕組みは同じ。
ところが、加入力になってしまったイヤホンが猛烈に熱くなるのがチョット怖かった。
それにトーキング・モジュレーターを使いすぎると、その振動で脳波が乱れる…とかいうウワサが流れてこの遊びはそう長くは続かなかった。
そもそもギターもほとんど弾けなかったし!

Bba 1976年と言えば、ちょうど『Wired』がリリースされた年で、ロック界ではかなり大きな話題になっていた。
オコチャマだった私はあのインストゥルメンタルのアルバムのどこが良いのかサッパリわからなかった。
一方、『Blow by Blow』は後追いだった。
その中2の時、ひとつ上の学年の人が文化祭で「Scatter Brain」を弾いたんだよね。
中学校3年生ですよ!その演奏にかなりビックリしてね~。
今では「万国ビックリショウ」にエントリーできそうな速弾きキッズも珍しくなくなったけど、当時はロクな教則アイテムがなかったからね。
バツグンのうまさだった…ように見えた。
その人は全くの独学で、ライナー・ノーツに掲載している譜面をさらったようなことを言っていた。
それで『ギター殺人者の凱旋』というアルバムがあることを知ってすぐに買いに行った。
コレも私のジェフ・ベックの思い出のひとつなのだ。
ちなみにその方は最終的にジャズに走ったが、お兄さんは明治大学ビッグサウンズソサエティ・オーケストラに在籍し、慶応大学ライトミュージック・ソサエティオーケストラの神保彰さんの向こうを張った名ドラマーだった。
とにかく、この『ギター殺人者の凱旋』というアルバム名は子供ながらに「ナンじゃらほい」と思ったモノだったな。
このアルバムを持っているにも関わらず、石丸電気レコード館2階のロック売り場に行って「すいません、ジェフ・ベックの『ブロー・バイ・ブロー』をください」と店員さんに頼んで、出て来たアルバムが『ギター殺人者の凱旋』だったので赤っ恥をかいた友人もいた。
かく言う私もこの凄まじい邦題が海外の宣伝惹句の直訳だったことを知ったのはかなり後になってからのことだった。9am1 その後、ひと通りアルバムはさかのぼって聴いてはいたが、上述の通り夢中になることはなかった。
それでも『Truth』が好きだったかな?
そんな状態だったので来日してもコンサートに足を向けることはなかった。
そして、初めて生のジェフ・ベックを見、そのギターの音を耳にしたのはジェニファー・バッテンとステージをともにした2000年の来日の時のことだった。
この時はJCM2000 DSLでサポートしたように記憶している。
会場は東京フォーラムで、ショウが始まってすぐに観客全員が立ち上がったのにはハラが立った。
こっちは初めてのジェフ・ベックだからジックリ観たいワケよ。
少々ムカムカしながら仕方なく立って観たことを覚えている。
Dsl その次に来日したのが2005年。
この時も東京フォーラムか…コレはまったく記憶にないな。
でもMarshallでサポートして、ゲストとしてショウを拝見したハズだ。
そしてその翌年が富士スピードウェイで開催された『ウドー・ミュージック・フェスティバル』での来日。
コレはよく覚えている…というか、色んな意味で一生のウチでも最も印象に残るイベントのひとつとなった。
御殿場まで電車で行くのがツラかったな~。
この時もジェフはJCM2000 DSLと1960BXを使用した。
ステージのソデでそのプレイをジックリ拝見させて頂いたのもとてもいい思い出だ。
この頃はMarshall Blogをやっていなかったので記録はなし。
その後、2008年にMarshall Blogをスタートさせて機材を紹介するようになった。
そんなジェフ・ベックに関する過去の記事を紹介して追悼記事に代えさせて頂きたい。
 
Jeff BeckとDSL
2009年。
この時は単独公演とクラプトンとのダブル・ヘッドライナーで来日。
ジェフのバンドはキーボーズがデビッド・サンシャス、ベースがタル・ウィルケンフェルド、ドラムスがヴィニー・カリウタというメンバーだった。
2020年のNAMMのイベントの楽屋でタルちゃんと2人きりになってしまい、無言でいるのも心苦しいので、この時のジェフのMarshallをサポートしたことを話したところ「あ、そう」で終わり。
あ、もちろん他の会話をしたけど、とても落ち着いた方で、自分の軽さが恥ずかしかったワ。Jb_jb1_4 この来日時の前半では、持参したカスタム・メイドのMarshallを使用していた。
ところが横浜の「みなとみらいホール」で演奏中にノイズが盛大に出てしまい、途中から上の写真の通り1987Xに変更となった。
確か大急ぎで名古屋へ1987Xを送り出さなければならなくて、も~その手配が死ぬほど大変だったことを覚えている。
ちなみにそのノイズはMarshallのせいでは全くなくて、会場側の電源のケーブルの不良が原因だった。
それを映画の『欲望』よろしくジェフがアンプをバンバン叩くもんだから、あの時は客席から見ていて寿命がかなり縮まったわ。
今、そのモデルはMarshall本社の博物館に収蔵されている。0r4a0094
Jeff BeckのMarshall 2010
この記事はゴメン。
秘密が多くて写真を撮ることができなかったように記憶している。
何せペダルボードなんかはいつも目隠しされていて、本番の時以外は見えないようになっていたりするからね。
そんな!…例え全く同じ機材を使っても誰にも絶対にあんな音を出すことはできないんだから心配ないのにね。
そういえば、あのジェフのストラトのワーミー・バーがどんな感じなのか、この頃はスッカリ顔なじみになっていたギター・テクに頼んで触らせてもらったことがあった。
想像していたよりはるかに動きが硬くてビックリした。
 
Jeff BeckのMarshall 2014
この頃になるとMarshall Blog用にライブの写真も撮らせてもらうようになった。
外タレのコンサートの場合、「アタマ3曲」とか制限つきでステージの真ん前で撮らせてもらうことが多い。
この時も同様だった。
コレはどこかに書いたように記憶しているけど、ステージの前からレンズをジェフに向けるとこっちを見るでしょ?するとカメラのファインダー越しに目がバッチリと合っちゃうワケよ。
向こうには私の目は見えないハズなんだけど、それがコワくてね~。
そんな時には「許可もらってますから!」と心の中で叫びながらシャッターを切ったものでした。10v 
Jeff Beck Live in Japan 2015
この頃は今のDSL、つまりDSL100Hを使用していた。
それでも完全に音は「Jeff Beck」だったナァ。
撮った写真はもちろん先方のチェックを経てMarshall Blogへ掲載したのだが、てっきりスタッフが選ぶのかと思っていたらジェフ自身が選んでいるということを後に聞いてかなりビックリして…照れた。

90 そして、コンサートにお邪魔したのは2017年1月31日の東京フォーラムでの公演が最後だった。
いつかfacebookに投稿したが、スタッフの連中がフォーラムのトイレに驚いて「Electric toilet!」と大騒ぎしていたのが大変にオモシロかった。
ジェフは愛器を人任せにせず、自分でギターを肩にかけて会場に現れ、楽屋にいる間はズッと練習していた。
この時、リハーサルで何度もジョン・ルイスの「Django」を弾いていたっけ。
アンプは1987と1959、キャビネットはやはり1960BXを使用していた。
ライブの写真も撮らせてもらったので大量の写真が残っているのだが、どこをどう探してもMarshall Blogにライブ・レポートが見当たらなかった。
理由を思い出すことができないが、恐らく先方スタッフと没交渉になってしまい記事は書かずじまいになってしまったのだろう。
 
ま、コレは偶然だけど、ジェフの住むサーリーへ行ったこともあった。
仕事や用事があるといちいち車でロンドンへ出て来るというような話を聞いた。
Img_1101
こうしてみると2000年から2017年までずいぶんと長い間お手伝いをさせて頂いたものだ。
残念ながら顔を突き合わせてヤアヤアなどとやることはとてもできなかったが、トーキング・モジュレーターごっこで遊んでいた頃には「ジェフ・ベックのお手伝いをする」などという光栄なことは想像したこともなかった。
こうして毎回来日するたびにコロコロとバックラインが変わったし、Marshallを全く使わない来日公演もあったが、基本的にはいつでもMarshallがメインだった。
50WでBキャビ…コレがジェフのMarshallのベースだった。
下の写真はかつてのフランクフルトの展示会のMarshallブースのようす。
やはりジェフはいつでもMarshallの大切なアイコンのひとつだった。
 
ギターの奏法云々はマニアの人に任せることとして…私流に考えると、ジェフ・ベックのスゴイところは、ヒット曲を作るでもなく、歌を歌うでもなく、本当にギターだけで自分の音楽をつくり出したことだと思う。
Marshallは長い間そのジェフの音楽づくりのサポートを務めて来た。
ジェフ・ギターの音はMarshallの音であり、Marshallの音がジェフのギターの音だった。
それが突如としてこの世から消えてしまった。
大変に恐ろしいことだ。
昨年の大谷令文さんといい、今回のジェフといい、「Marshall」という「音楽を作る装置」を本当に理解しているギタリストが年を追ってドンドン少なくなっているのだから。
Marshallを愛用しているスゴいギタリストはまだまだ枚挙にいとまはないが、今日「ひとつの時代」が終わり、「ギターが作り出す音楽」のひとつが絶滅したような気がした。
Rimg0167偉大なるギタリストのご逝去を悼み謹んでお悔やみ申し上げます
 
さよならジェフ・ベック!20_2

2022年12月30日 (金)

来世でもMarshall!!~現世のCASPA NatasumiとMarshall

 
CASPAが昨年末に活動休止を発表した時は本当にガッカリしてしまったっけ。
ところが!
しばらくの間鳴りを潜ませていたものの、いよいよ活動を再開させて今月上旬ライブハウスのステージに戻って来た!
ヨカッタ、ヨカッタ!
そのCASPAのギタリストがNatsumiちゃん。10vNatsumiちゃんはいつでもMarshall。
楽器フェアの大舞台でも…20v汐風そよぐ夏の渚でも…30v熱狂のライブハウスでも当然Marshall。40そして、テレビ番組の収録スタジオでもMarshall。
70このMarshallはテレビ東京で来年1月4日の深夜0:30からスタートするドラマ『来世ではちゃんとします 3』のオープニング映像の撮影のために用意したモノ。
1959と1960Aね。
110v夜中の12時まで起きていることが全くない私は、残念ながらこのドラマのことを存じ上げなかったが、何でも人気の4コマ漫画を実写ドラマにコンバートした作品だそう。
もう『3』だからね、その人気が窺えるというモノだ。50オープニングの映像に出演されているのがこの方々。60その映像がコレ。
曲は大森靖子さんの「ムゲンライセ」。

映像の中でギターを弾いている人はNatsumiちゃんではない…見ればわかるか。
でも、使っているギターはNatsumiちゃんの愛器のレスポール・カスタムなのだ。90vそう、自身は出演していないが、ギター演奏の演技指導と楽器の調達をNatasumiちゃんが担当したというワケ。100やっぱりこういう映像にMarshallが映り込んで来ると全体の印象がガラっと変わって「シマる」よね。
問答無用で「ロック」になる。
そりゃMarshallは60年間もロックをクリエイトするお手伝いをし続けている「ロックのための必須道具」なんだもん、当たり前といえば当たり前のこと。
この大きな黒いハコの中にはロックの夢とカッコよさが詰め込まれているのサ!
「夢」はこの大きさであるべきなのよ!
ねぇ、カスタムさん!
(ちなみに筆者は27年前、生前のレス・ポールさんにニューヨークでお会いして少しお話をしたことがあります)
1959活動を再開したCASPAには大いに期待していますからね!
現世はMarshallでガンバレ、Natsumiちゃん!
 
CASPAの詳しい情報はコチラ⇒CASPAオフィシャルウェブサイト

120v

☆☆☆Marshall Music Store Japanからのお知らせ☆☆☆
 
クールな女性シンガーがお好きなアナタにピッタリのバンドはREWS!
 
<Birdsong>

<Today We're Warriors>

<Monsters>

<Heart is on Fire>


Marshall Recordsからのセカンド・アルバム『Warriors』絶賛発売中!

Rew2_2 Marshall Music Store Japanでお買い上げのお客様にはMarshall特製スクエア・ロゴ・ステッカーを3枚プレゼント!
 
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan9img_9727 

200 (一部敬称略 写真提供:NatsumiHoney Burst)

2022年11月26日 (土)

PROGのD_Drive

 
もうスッカリご無沙汰しているけど、内容が少しでも良ければイギリスに行くたびに買って帰る雑誌がある。
それは70年代のロック・アーティストを中心に据えた『CLASSIC ROCK』。
このことは以前にも何度書いてきた。102010年にはこの雑誌が主催する『HIGH VOLTAGE』というロック・フェスがロンドンで開催され、たまたまその時にロンドンに居合わせた私は、2日間にわたって「我が青春のロック」を十二分に堪能したのであった。
その時のようすはコチラでレポートした(4回シリーズ)⇒HIGH VOLTAGEの思い出 <その1>

05_2さて、そんなこんなで大好きな『CLASSIC ROCK』の姉妹誌がプログレッシブ・ロックに焦点を絞った『PROG』という雑誌。
私は中学校3年生ぐらいからプログレッシブ・ロックに夢中になり出し、結果的に人生で一番長い時間聴いたロックとなった。
どういう頻度で刊行されているのかは知らないが、イギリスに行く機会があれば、スーパーでこの『PROG』という雑誌も必ずチェックしている。
日本でも手に入るんだけど、お値段がね~。550r4a0204ちなみに「Prog」というのは「プログレッシブ・ロック」のこと。
プログレッシブ・ロックの故郷のイギリスでは間違えても「プログレ」なんて言わない。
「プロッグ・ロック」と呼んでいる。
それで、子供の頃から親しんで来たつもりの「プログレッシブ・ロック」がどうも日本で捉えている「プログレッシブ・ロック」とどうも違うようだ…ということに気が付いたのはつい先日のこと。
今年8月にD_Driveが2枚目の世界リリース・アルバム『DYNAMOTIVE』を発表した時、ヨーロッパでの受け止められ方を目にして日本が「プログレッシブ・ロック」という言葉に関して世界の感覚とズレていることを発見したワケだ。
コレは結構大きなショックだったね。
 
詳しいことはコチラに書いておいたので、キミも読んで世界に通用する「ロック博士」になろう!⇒プログレッシブ・ロックってナンだ?~D_Driveの新作『DYNAMOTIVE』が教えてくれたこと

225479_ddrive_dynamotive_615x600px さて、ココからが今日の記事の本題。
今までは前置き…「You ain't heard nothing yet!」というヤツ。
そのD_Drivenの新作はイギリス本国のみならずフランス、イタリア、ベルギー、オーストリア、あとキリル文字のどっかの国、等々のネットで思いっきり取り上げて頂いた。
そのこともココに記録しておいた⇒世界の国からD_Drive

9pr2 そして、真打登場。
ナント、その私の大好きな『PROG』誌面にD_Driveを取り上げてもらったのだ!
下が昨日発売されたその掲載号。
いきなり表紙がThe Moody Bluesですからね。
昔、『Every Good Boy Deserves Favour』だの『Seventh Sojourn』だのよく聴いたね。
たしかムーディーズは「Go Now」で最初にMarqueeのスタジオでミュージック・ビデオを作ったバンドじゃなかったけか?Progド~ン!
1ページまるごとD_Drive!
コレは「Limelight」という注目のバンドを紹介するコーナー。
「ライムライト」とは「スポットライト」と同じ。
コレは間違いなく日本人初でしょう。
マジでうれしいわ。
「歌詞がないけど歌はある」というSeijiさんの名言で始まるインタビュー記事。
さすが「PROG」。
D_Driveが言いたいことをバッチリと記述してくれている。
翻訳したのは私なんだけど、いつもの通り実に巧みな英語にブラッシュアップされているのがうれしい。
実は、この雑誌でこうして大きくフィーチュアされるのは、お膝元のMarshall Recordsも喜ぶぐらいイギリスでは価値のあることなのです。
いくら時代が変わったとはいえ、チャンとした雑誌に取り上げてもらうのは、やっぱりインターネットに登場するより格段にステイタスが高いということよ。
当たるといいナァ。
Thanks very much for your hard work Tristan!!

9ddrive_colour_blurred 「PROG」はTOWER RECORDやHMV等の大手輸入レコード店のウェブサイトでお求めになれます。
 

■□Marshall Music Store Japanからのお知らせ■□

 
D_DriveのSeijiとYukiのビデオがイギリスで人気のギター・雑誌『GUITAR WORLD』のウェブサイトに登場しました!
 ↓  ↓  ↓
GUITAR WORLD PLAYTHROUGH

Gw  

このビデオの曲が収録されているD_Driveのインターナショナル・アルバム第2弾『DYNAMOTIVE』を絶賛販売しております。
おかげさまで、中身もジャケットも皆さまから大変好評を頂戴しています。53000x3000コチラはリード・チューンのひとつ「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive official website
 
Marshall Music Store JapanでCDをお買い上げのお客様にはMarshallスクエア・ロゴステッカー3枚をプレゼント!
 
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Simg_9727

200(一部敬称略)

2022年11月 9日 (水)

【I REMEMBER 令文】Marshall Mania

  
大谷令文さんの追悼特集はまだまだ続く。
ウチの「大谷さん」は「翔平」ではなく、徹頭徹尾「令文」だから!
今回からは今のMarshall Blogでは見れなくなっていた記事を加筆訂正して、かつ新たに現像した写真を交えて紹介していく。
今日は私の手元に残っている一番古い令文さん関連の記録。
2006年に開催された『Marshall Mania』というイベントのレポート…と言っても、この記事は今のMarshall Blogにも復刻掲載していたことがあるので見覚えのある読者も少なくないと思う。
局面によって内容を書き換えていたのではジャーナリズムとして成り立たないことはわかっているけど、令文さんの追悼に主眼を置くとどうしてもリライトせざるを得ず、大幅に内容を書き換えて再々掲載させて頂くことにした。
つまり書下ろし!
 
それでは早速はじめましょう。 
『Marshall Mania』が開催されたのは2006年4月16日のこと。
「昨日のことのよう」と言いたいところだが、ずいぶん昔の話だナァ。
会場は名古屋伏見の老舗ライブハウス『Heartland Studio』。
『Marshall Mania』は中京地区のMarshallファンの皆さんが自慢のMarshallを持ち寄って展示するという企画。
そして、ゲストの令文さんのギター・クリニック、さらに夜の部ではMarshallゆかりのミュージシャンが集ってのスペシャル・ライブ…というMarshallゾッキのイベントだった。
Marshall Blogが始まる2年前のことで、私は「Marshallの輸入代理店の担当者」としてVBA等、夜のスペシャル・ライブで使用する機材のサポートをする格好で参加させて頂いた。
この日、イベントが終了したのがかなり遅い時間で、お客さんが全員お帰りになった後に機材を地下の会場から人力で地上まで運び出すのがメチャクチャ大変だった。
また、よりにもよって、8x10"のベース・キャビネット「VBC810」を持って行っていたんだよね。
営業所の若者と2人で大騒ぎしながら何とか階段で運び上げた。
その後、松屋かなんかに食事に行った時は午前1時を過ぎていた。
16年前…私もまだ若かったんだネェ。
今じゃとてもそんなことできないわ。
 
さて…。
昼の開場と同時にお客さんがポツポツ集まりだした。
所狭しとズラリと並んだ新旧のMarshall。
右を見ても左を見てもぜ~んぶMarshall!
101959は当然のこと、JCM800 2203、JCM900 2100SL-Xや4100、JCM2000 TSL60、6100と様々なモデルが並んだ。
この当時はまだJVMが出る前だった。
よってフラッグシップ・モデルはまだJCM2000のTSLシリーズ。
この半年後ぐらいにVintage ModernとJVMシリーズが発表になったのです。
壁に貼ってあるジミヘンのポスターもなつかしいね。201974X、2061X等のハンドワイアード・シリーズに加えてJTM45 Offset(右端)まで並んでいた。
JTM45 Offsetは思い出のある商品でしてね~。
真相は恥ずかしくてとてもココに書くことはできないが、土壇場でアメリカに頼んで50セット分けてもらったんだよね。
コレは本当に素晴らしいアンプだった。
お金のことなら何とでもなる!…と、職権を濫用してマジで1台買おうかと思ったが、家に置くスペースがないので泣く泣く諦めた。
Marshallもコレを復刻するのが大変だったそうで、「もう二度とやらない」と以前言っていた。
買ったお客さんは「ラッキー中のラッキー」と言えよう。
30「White Special」も並んでいる。
白い1959、白い1960、そしてPower Brake PB-100まで白で揃えたラインナップはMarshallの35周年を記念するモデルだった。
40
ココは1959族がズラリ。
一番右は1994年に世界限定で200セットを生産し、発表とほぼ同時に完売した「Barney(バーニー)」とアダ名されたモデル。
紫色のカバリングをまとい、Bキャビが背高の1959のフル・スタックだ。
別名「The Hendrix Stack」。60「Barney」というのはアメリカの子供向けテレビ番組に出て来る紫色のティラノサウルスのこと。
当該のスタックはこのキャラクターと同様、紫色でサイズが大きいということから海外で「Barney」と呼ばれた。
コレは多分アメリカだけの話だと思う。
イギリスのMarshallが「バーニー」と言う時にはバーニー・マースデンだし、日本で「バーニー」と言えば日下部正則さんと相場がキマっとるからね。
 
9bd_2

目の玉が飛びだすようなウルトラ・レアなアイテムが並んだワケではないが、オーナーの皆さんが自分のMarshallに愛情を注いでいることが伝わって来るうれしい展示だ。
しかし、これはさぞかし設営/撤収が大変だったことだろう。
今更ながらに主催者に感謝を申し上げたい。
50Marshallを手に入れること、Marshallをステージにセットすること、Marshallを弾くこと…すべてが「ロック」ですからね。
その「ロック」に直結しているのがこの光景は圧巻だった。70楽屋に行くと、出番を控えた令文さんがウォーミングアップをしていた。
しばらくすると令文さんのギター・クリニックが始まるのだ。
追悼記事『私の令文さん』の中で触れた通り、この時に初めて令文さんと面と向かってお話をした。
もちろん私から声をおかけして、「〇〇の時の私です」と過去の接触事例を引き合いに出して自己紹介すると、とても気さくに対応してくれて、早速Marshallの話をしたのであった。
 
ほどなくして令文さんのギター・クリニックがスタート。
この内容がまたスゴかった。
こう言っちゃナンだが、「ギター・クリニック」とは名ばかりで、バッキング・トラックもナニもなしに令文さんがコアなロックの曲を好き放題に弾きまくるというスタイル。
グワ―ン!と弾いて「フリートウッド・マック…ピーター・グリーン…知ってる?」とやるだけ。
こんなの令文さんだからできるし、許される。
他にロビン・トロワ―の曲なんかを持ち出して「コレ知ってる?知ってんの?知らないだろうな~」なんてお客さんに向かってやってる。
そのようすが滅法オモシロかった。
80その代わりサウンドは抜群だった。
だって、この後のライブのためにご自分のMarshallを持ち込んでいたんだもん。
もちろんスライダック&コーラスエコー付きのフル装備。
ナンのことはない、令文さんが一番の「Marshall Mania」だったんだよ。Rimg0186 途中で加わったのがGEORGIE PIEの原マサシ。
当時マサシさんはロンドンのテムズ川南岸のパットニーというところにお住いで、この時がご縁となって翌年私が渡英した時にMarshallの工場にご案内した。Rimg0192_2 マサシさんもご自分のMarshallを持ち込まれていた。
フル・フェイスの1962。
その後ろに見えているのがVBC810。Rimg0185 マサシさんは「本当はトロロのブルースブレイカーが好きなんです」とおっしゃっていたナァ。
「トロロ」というのは下の写真のフレットクロスのこと。
「とろろ昆布」のトロロね。
トトロじゃないよ。Img_0905 そして、令文さんが「それじゃ、アイルランドの民謡でも一発やりますかな…」と言って2人で弾き出したのがThin Lizzyの「Black Rose」のあの真ん中のギター・アンサンブルのパート。
ココもバッキング・トラック全くなしのア・カペラ。
生身の人間が目の前であのパートを完璧に弾くのを見てビックラこいたわ!
だって、スコット・ゴーハムが「こんなもんできるかい!」と投げ出してしまったもんだから、あのパートはゲイリー・ムーアがひとりでレコーディングしたっていうんでしょ?
もう、音は十二分にスゴイいし…というか、鳴っている音がギターだけなのでそれはそれはスゴイことになった。
一生忘れることができないパフォーマンスだったな。
そして、この2人にはもう一生会うことができない。Rimg0202 この時から数年経って…。
Fairport Conventionは私のガラではないんだけど、勉強のために名盤と呼ばれているアルバムを大かた揃えて(ガマンして)聴いていたらビックリ!
『Liege & Lief』に収録されている「Medley: The Lark in the Morning」という曲に「Black Rose」のあのパートの最後の方のメロディがそのまま出て来るじゃないの!
きっとアイリッシュ・ミュージックを好んで聴く人には基本中の基本なんだろうけど、私は全く興味がなかったのでコレを見つけて結構感激した。
そして、さっそく令文さんに報告した。
令文さんもおおよそFairport Conventionは守備範囲でなかったらしく、私の報告を聴いて驚き、「ええ!聴きたい!」とおっしゃていた。
当時はYouTubeもSpotifyもなかったので、確か音源をCDに焼いてお渡ししたように記憶している。Ll そして、夜。
マーシャル弾きが集まって熱気あふれるライブ・パフォーマンスが繰り広げられた。
もう会場はこれ以上はひとりとして入れないような満員状態!90出演は令文さんの他に、トーベンさん、The Sons、Shigeo Rollover、マサシさん、メリケン・バンドのコヤマタケシさん等々の豪華メンバー。
Rimg0227コレだけのメンバーだからして当然最後は大セッション大会になるわな。
まぁ~みんな弾くわ弾くわ!
もう完全にコントロール不能になってしまい、まさしく阿鼻叫喚のギター地獄!
誰かが「Child in Time」に出て来る「♪A、C、E、Eb~」のフレーズを弾き始めたらセッション内で流行っちゃって、トーベンさんまでベースでそのフレーズを弾き出す始末。
楽しかったナァ~。
ところが、いっくら弾いても終わる気配を見せず、そのウチ終電に乗り遅れそうな人も出て来てしまい、会場のお客さんが少しずつ減り出して来た。
まさにジミ・ヘンドリックスが登場した時の月曜日の朝のウッドストック状態!
ま~、冗談抜きにゲップが出るほどギター聴かせてもらいました。Rimg0249セッション・リーダー的な存在だった令文さんも思う存分弾きまくっていた。Rimg0250しかし、人間ってナンだってこんなにギターを弾くかネェ?
答えはカンタン!…そこにMarshallがあるから。
Rimg0257とにかく素晴らしいイベントだった。170このイベントは翌年、『HeartLand 30th Anniversary HTV MARCYのロック道場 Presents Marshall Mania2 in NAGOYA』と銘打って再演され、令文さんも出演されたが私はお邪魔しなかった。Mm2

200_2(一部敬称略 イベントの写真は2006年4月15日、名古屋HeartLand Studioにて撮影)

2022年9月13日 (火)

世界の国からD_Drive

 
去る8月26日にインターナショナル・リリースされたD_Driveの『DYNAMOTIVE』ですが、おかげさまで中身はもちろんのこと、ジャケット・デザインに対しましても大変な好評を頂戴しております。
D_Driveのライブ会場並びにMarshall Music Store Japan他でお買い上げ頂きました皆様には心より御礼申し上げます。
 
さて、Marshall Recordsからの報告によると、『DYNAMOTIVE』は海外のSNSを中心とした数多くのメディアに盛んに取り上げられ、特に本国イギリスでは注目の的となっており、1作目の『MAXIMUM IMPACT』の時に比べて『D_Drive』の名前が飛躍的に浸透してきているそうだ。
『日本のプログレッシブ・ロック・バンド」としてね…。
D_Driveの音楽がプログレッシブ・ロックか否かは先日書いた記事「プログレッシブ・ロックってナンだ?~D_Driveの新作『DYNAMOTIVE』が教えてくれたこと」をご覧あれ。
気に喰わないったって仕方がない。
エリザベス1世がスペインの無敵艦隊を破ってからというもの、言葉も時間も世界の標準は全てアチラですからね。
同じ島国でもこっちは世界の田舎の「Far East」だからイギリスが「D_Driveはプログレッシブ・ロック・バンドである」と言ったら世界的に「D_Driveはプログレッシブ・ロック・バンド」なのだ。
そもそもプログレッシブ・ロックは「イギリスの音楽」なのだから逆らうことは絶対にできまい。
私も今度イギリスに行った時に「D_Driveってどんなバンド?」と現地の人に訊かれたら胸を張って「インストゥルメンタルの『プロッグ・ロック』を演っているんですよ」と答えるつもりだ。
ま、何でもいいのよ、注目されれば!
そんなワケで今日はどんな海外のメディアでD_Driveが取り上げられてきたかを今日は紹介するよ!
今日の1本、泣きたいぐらい大変だった!53000x3000_2 D_Driveに関する記事が投稿された順番にはなっていないのであしからず。
目についたヤツを片っ端から並べてみた格好だ。
ホトホト困ったのが国籍。
ウェブサイトって、ナゼかどこの国のページかを明らかにしないんだよね。
「About Us」というページを読んだところで、どのサイトも全くと言っていいほど国籍に言及していない。
だから英語で文章を書かれてしまうと、どこの国のウェブサイトかもうゼンゼンわからない。
例えばスウェーデンなんかは、国の刊行物が英語と自国語の2通り発行されるっていうぐらいの英語国だからね。
英語でもスウェーデンのサイトかも知れないワケ。
オランダ人なんかホントに英語がうまいからね。
でも、「世界の人が見る」というインターネットの特長を考えれば、英語で書きたいのは当然だ。
今日これから紹介するサイトは、Marshall Recordsの情報によるとイギリスのウェブサイトがかなり多いようだ。
猛烈にウェブマガジンの文化が浸透していると言い換えられるではなかろうか?
でも、どれも言っている内容はほぼ一緒。
基本は私がD_Driveやアルバムについて書いた文章を参考にして、各サイトが音源を聴いての感想が付け加えているという流れ。
そんな感じでご覧頂きたいと思う。
 
 
1. Games, Brrraaains & A Head-Banging Life
まず…コレはイギリス。
「ゲーム、ホラー、ヘビメタ…他に人生で何を望もうぞ」みたいなサイト。
「少しは本を読んで勉強しなさい!」とでも言いたくなるナ。
D_Driveは「ロック/メタル・アルバム・レビュー」というページに登場している。Uk1

2. DISTORTED SOUND

名前からするとどうしても歪み系ギターが活躍する音楽のサイトという印象を受けるが、今イギリスで大人気のウチのNOVA TWINSやMarshall Records初のブルース系ギタリストのローレンス・ジョーンズなども取り扱っているところを見ると、総合的な音楽サイトのようだ。
上でリンクしている記事に書いた通りD_Driveを冒頭から「Japanese progressive rockers」と紹介している。
Uk2
誌面ではご親切にも大分前にシングルでリリースした「Begin Again」のビデオも紹介してくれていてチョット照れるな…イヤ、コレは私が作ったビデオなんですわ。5ba  

3. METAL NOISE
名前の通りのメタル系ロックのサイト。
『DYNAMOTIVE』に収録されている曲をひとつずつ音楽的に丁寧に説明してくれている。
最後に点数が付けられているんだけど、10点中8.5。
何枚か他のアルバムもチェックしていみたけど、8.5は高いほうみたい…ヨカッタ。

Uk3 
4. METAL EPIDEMIC
「生きてるかッ?メタルで息をしているかッ?没頭できる新しいバンドやアルバムを探しているかッ?」…みたいなサイト。
ん~、この記事は放っておこう。
真実と違うことを推測で書いている。Uk4

5. ROCK 'N' LOUD
コレはイギリスのロックの総合ウェブ・マガジン。
コチラさんはシングルやら、ビデオやら、当然アルバムやら、何かをリリースするたびにD_Driveを取り扱ってくれてありがたい。
アルバムのレビュワーはBABY METALとCROTHFAITH以外の日本のロックやインストゥルメンタル・ミュージックに詳しくない…としていながら『DYNAMOTIVE』のことは大変気に入ってくれたようで、やはり1曲ずつ適切な感想を述べてくれている。

Uk5

6. BRING the NOISE UK
昔、黒人音楽の歴史を綴った『Bringin' da Noise, Bringin' da Funk』というブロードウェイ・ミュージカルがあったが、それはそれは素晴らしい作品だった。
このサイトは特に『DYNAMOTIVE』の解説はしておらず、「I remember The Town」と「Wings」、それに「Red Light, Green Light」のビデオを紹介していた。

Uk6 

7. CLASSIC ROCK
大好きなCLASSIC ROCKマガジン。
イギリスのスーパーへ行った時、雑誌コーナーにおいてある本が好きなバンドを特集している時には必ず買って帰ってくる。
そんな雑誌がD_Driveを取り上げてくれてとてもうれしい。
コレはシングル「I Remember The Twon」の紹介記事。 

Uk7

8. MAXIMUM VOLUME
「Maximum Volume」なんて言ってるけどサ、向こうの連中、「Marshall Live」のサウンドチェックの時にD_Driveの「音がデカい!」ってやたら言うんだゼ。
いくら音量を下げても「まだデカイ!」とか言われてPAとD_Driveの間に入っていて往生したわ。
でもこの『MAXIMUM VOLUME』は大丈夫。
他の記事では「TURBO D_Drive」なんてキャッチ・コピーまで付けてくれてとても好意的。
この『DYNAMOTIVE』の紹介記事では『POWER ON』だよ。
ココのサイトも『MAXIMUM IMPACT』の頃からとてもD_Driveに協力的で、このレビューでもメンバーの言葉を引用しながら丁寧な解説をつけてくれている。5mv3  
 
9. METAL PLANET

タイトルの通りメタル中心のウェブ・マガジン。
出ているバンドは結構ベテラン感大。
D_Driveが若い感じ。
このサイトも「Thumbs Up」や「Begin Again」の頃から応援してくれているが、今回もシングル「I Rmember The Twon」を取り上げているだけで『DYNAMOTIVE』自体の紹介はなし。Uk9 

10. FrontView Magazine
コレはベルギーだな。
上で紹介したどれかの記事と同じ内容。Uk13 
11. Musipedia of Metal
コレはイギリスのブログ。
一切写真が使われていない男のブログ。
今時、政府の刊行物でもゆるキャラを遣ったりして愛想を良くしているものだが、大丈夫なのか?。
内容的には他のサイトと同じ。Uk14 
12. Stormbringer.at
オーストリアのサイト。
副タイトルが「THE AUSTRIAN HEAVYZINE」だって。
ヘビメタル+マガジンね。
「ヘビジン」か…浅草の蔵前に「蛇善(へびぜん)」という明治17年創業のゲテモノ食材屋があるけどね。
品揃えのスゴさは『DYNAMOTIVE』の比ではない。
このページはドイツ語なので解読不可。
大学の時、もっと勉強しておけばヨカッタ!(←ウソ)
Uk15 
13. At The Barrier
アルバム発売前の記事。
先行リリースしたシングル2曲の紹介と、近い将来リリースされるアルバムへの期待が書かれている。
メンバーの言葉も引用された結構マッシブな内容。Uk17 
14. News Day FR
コレはフランス。
まったく読めません。Uk18  
15. SPAZIO ROCK
コチラはイタリア。
チャオ!
「SPAZIO ROCK」というのは「ロック空間」みたいな意味かな?
まったく読めないけど、評価はかなりよさそう。
グラッツィエ!

Uk19 
16. RADIO ACTIVE
ドイツの総合音楽ウェブサイト。
ビデオからサブスクから丁寧な作りでダンケ!Uk20 
17. DISTORTION
「интерактивный журнал о музыке и искусстве.」…ってサッパリわからんわ!
とうとうキリル文字の登場!
スゲエなD_Drive。
コレがですね、どこの国のサイトかどうしてもわからない。
ロシアとウクライナはD_Driveどころじゃないだろう。
他のキリル文字の言葉を使うどこか他の国だろうから…ベラルーシ、ブルガリア、マケドニア、セルビア、カザフスタン、キルギス、ウズベク…。
そうそうモンゴルもキリル文字なんだよね。
「D_Driveのウランバートル公演」とか見てみたいナ。
会場は当然あの「ゲル」よ。
ホーミーと共演しちゃったりなんかしてね。Uk21

18. THE RAZORS EDGE
コレもイギリスかな?
『DYNAMOTIVE』がリリースされる大分前に掲載された記事。
Uk22 
19. Progressive Rock Journal
待ってました、プログレ!
「Wings」がリリースされた時の『DYNAMOTIVE』の紹介記事。
サイトのページは「Progressive Rock」を声高らかに謳っているけど、オリアンティとかも出ていてそれほど専門色が強い感じはしない。
「プログレ」として目立つのはせいぜいELPのことが少し書いてある程度か?
D_Driveのことも「プロッグ・ロック・バンド」と騒いでいるワケでもなく、ごく平均的な内容。

Uk24

20. Shreddelicious
「シュレッド+デリシャス」がサイトの名前。
コレはその名の通り、速弾き系ギタリスト向けのサイト。
すでにYukiちゃんとLisa-Xちゃんが取り上げられていた。
イヤ、ナニがビックリって、私が『NAONのYAON』で撮影した時よりLisaちゃんがメチャクチャお姉さんになっていたことよ!
ココでは「Red Lighjt, Green Light」と「Begin Again」のビデオを紹介してもらった。Uk25
21. Marshall Blog
コレは国内のブログだけど常時D_Driveの情報やライブ・レポートを掲載している。
スゲえホーム感!
やっぱ、コレが一番いいな。

Uk26

これだけじゃないの。
現在もビデオがらみや雑誌インタビュー等、仕込み中の企画がいくつかあるのだ。
例えば『POWER PLAY』という人気雑誌のインタビュー。Uk27アメリカの人気ギター雑誌『GUITAR WORLD』のイギリス版。
ココからはビデオがらみで「I Remember The Town」のインタビューが来た。
Gw_2困っちゃうのは、「I Remember The Town」の作曲のコンセプト、音楽的な解説、ギターの奏法について…を英語で5~6行でまとめてください、って言うワケよ。
「英語で5~6行」?
幅はどれだけなのよ?
日本語で「何千字」と言うのであれば簡単なんだけど、英語の「5~6行」というのはかなりムズカシイ。
でも、こっちも大分慣れてきているから、こういう時は遠慮なく箇条書きで応えちゃう。
それで後は「煮るなり、焼くなり、二宮和也」で「後は自由につなげてくれ!」と、先方に押っ付けちゃう。
そして、出来上がって来たのがコレ。
オイオイ、コレのどこが5~6行なんじゃい!
ま、そんなもんですわ。
Uk30 そして、プログレッシブ・ロック・メディアのボスキャラ的な存在の「Prog Rock」マガジンのインタビュー。
ゼヒお楽しみに!
 

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official website
Pr…なんてやっていたら、今朝来たのはイタリア。
コレは結構マッシブなインタビューでホネだな~。
『TuttoRock』というウェブ・マガジン。
「tutto(テュット)」というのは「all」という意味だね。
「tutti(テュッティ)」という音楽用語があるのでコレは知ってる。
イタリアはプログレ大国だからね…プログレッシブ・ロック・バンドのD_Driveとしてはイタリアも大切にしなきゃイカン。
Seijiさん、質問を後で送るのでよろしく!Uk29  
うれしいことにこんな仕事がまだまだ続きそうだ。 
そして、Marshall Blogは先日の初台Doorsでのレコ発ライブのレポートを次回公開します!0r4a0026

■□Marshall Music Store Japanからのお知らせ■□

インスト・ミュージックを盛り上げよう!
Mmst_square 去る8月26日に発売したD_Driveのインターナショナル・アルバム第2弾『DYNAMOTIVE』絶賛発売しております。
おかげさまで、中身もジャケットも皆さまから大変好評を頂戴しています。53000x3000コチラはリード・チューンのひとつ「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」。

また長らく欠品しておりましたインターナショナル・アルバム第1弾『MAXIMUM IMPACT』も入荷しました!7_d_2Marshall Music Store JapanでCDをお買い上げのお客様にはMarshallスクエア・ロゴステッカー3枚をプレゼント!
 
お求めはコチラ⇒Marshall Music Store Japan
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200 (一部敬称略)

2022年9月12日 (月)

力作がズラリ!…Marshallファミリーの皆さんと過ごす秋の夜長

 
ソロソロ芸術の秋か…。
と言っても、ここ数年は春と秋がほとんどなくなっちゃった感じですナァ。
夕方ともなれば風がビュービュー吹いて、雨が降ればバカみたいにジャンジャン降って…もうコレは東南アジアの気候だわね。
そのウチ、日常で使う言葉の数もドンドン減っていくよ。
英語2万語、日本語5万語…コレは日常の生活で使う語彙数と言われているけど、この3万語にも上る差異は、恐らく日本語には尽きることのない擬態語や擬音語があるからであろう。
そうした言葉はハッキリした四季の変化が生み出したとされているモノが多いワケで、四季がなくなれば自然と言葉も減っていくにキマっている。
だってもう「雨がサメザメと降る」ことがないんだもの…「ドバー」ばっかりだよ。
 
さて、そんな秋の夜長、皆さんはどうお過ごしですか?
今日のMarshall Blogはここ最近リリースされたMarshallファミリーの皆さんの力作を紹介する1本としたい。
やっぱり、人間モノを作ってナンボですからね。
音楽家の仕事は「自分の音楽を創る」ことであって、Tシャツやタオルを売るのが本業ではありません。
だからMarshallファミリーの皆さんがこうして果敢に自分の音楽世界を創り続けてくれていることに喜びと誇りを感じざるを得ないんですわ。
それではまず、杉本さんのアルバムから。
掲載されているアイテムはだいたいリリースされた順番に並んでいます。
 

1. <CD>Laule'a / 杉本篤彦
杉本さんは自身のシグネチャー・モデルのアーチドトップギターをMarshallに直つなぎしてジャズを演奏するギタリスト。
最近は時折ピックを使うこともあるが、基本的には人差し指の先を弦に当ててアップ&ダウンでストロークするとてもユニークな奏法を身上としている。
あのね、日本人は「ユニーク(unique)」という言葉を「珍しい」ぐらいの意味で使っているけど、コレは「uni(ひとつから成る)」という接頭辞が示すように、「たったひとつだけ」というのが本当に意味なんですよ。
だから、まさに杉本さんの奏法はユニーク。
そして親指のハラで弾くオクターブ奏法を多用することもあって、かつてはウェス・モンゴメリーと同じく、音の速いトランジスタ・アンプのMGシリーズを愛用されていた。
最近はウォームなトーン・キャラクターを重視して大きなステージではJVM等のフルバルブのモデルを使用されている。
20vその杉本さんの通算27枚目のアルバムが『Lauke'a(ラウレア)』。
コレはハワイの言葉で「幸せ」という意味で、ハワイではとても大切にされている言葉なのだそうだ。
かといって、杉本さんがハワイアンに転向したワケではない。
前作の『DAZZ』というアルバムではジャズとクラブ・ミュージックの融合に取り込んだので、今度は「ジャズ+ハワイアンか?」と思ってしまいそうだが、中身は純正の「杉本ミュージック」。
1曲目の「荒野のギター」から全8曲、杉本さんがすぐそこにいるような温かさを感じるアルバムだ。「Moon River」や「Fly to the Moon」のように「月」にまつわる曲を作ろうと思い立って書き上げた「The Way to the Moon」。
古き佳きスイング・ミュージックへに寄せた想いをオクターブで奏でる「夜風のスイング」。
土方歳三をテーマにした得意の幕末チューンの「North Road」…何しろ、杉本さんは土方歳三の大ファンでありながら坂本龍馬のご末裔とお付き合いをしてしまうスケールの大きさなのだ。
せっかくなのでMarshallにちなんで、今度の幕末シリーズは「The House of Glover」でお願いしたい。
そして、ア・カペラで奏でる静謐なタイトル・チューンには心を打たれる。
副題に「'A'ohe mea'imi a ka maka」とあるがコレもハワイのことわざで、スリーブに書いてある通り「本当に大切なモノはすぐそばにある」という意味。
「灯台下暗し」ということだね。
杉本さん、クレジットありがとうございます!
 
杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦ホームページ10ナニせ27枚目のアルバムですからね。
こうしてオリジナル曲を作って、休むことなく自分の音楽を世に送り出し続ける杉本さんの姿勢には感銘を受ける。
やっぱりミュージシャンは音楽を創らないと!コピーじゃダメなのよ!
そんな杉本さんのmarshall Blogの最新のライブ・レポートはコチラ⇒真夏のJAZZ葉山 2022

30 

2. <DVD/Blu-ray>MEMORIAL / REACTION
昨年7月、最後のアルバムと称した『Farewell』を発表。
そのリリースから4か月後に『LAST NIGHT』と銘打った最後のコンサートを2日間にわたって目黒鹿鳴館で開催した。
1日目はアコースティック・セット。
2日目はエレクトリック・セット。
その模様を収録したのがこのDVD、またはBlu-ray。402日間のステージから18曲を選び出し、丁寧な編集を加えた上質のライブ映像がココに収められている。
私は小松優也がギターを担当するということからYukiさんから声をかけて頂き、2日目だけ鹿鳴館にお邪魔させて頂いた。
だから1日目のようすが見れるのはうれしいね。
喧ちゃんにCharlie、PONちゃんがYukiさんと並んで直樹さんの伴奏をしている姿が実に絵になっている。
へへへ、NATALが見えているのがまたうれしいじゃあ~りませんか!
Yukiさん、加えてクレジットありがとうございます! 
50Blu-rayを観ていて思ったんだけど、スゲエ音がいいんだよね。
PAは長沢祐介さんがご担当されていたんだけど、自分がこの場にいたとは思えないような不思議な感じがした。60そんな良質のサウンドとともに当日のエキサイティング極まりないパフォーマンスがよみがえる。
編集も変にイジりすぎることがなく、カット割りもとても適切で実に観やすい。
ジータンがベースの弦を切って、愛器をステージに置くところまでジックリご覧頂きたいと思う。
Yukiさん、クレジットありがとうございます!
 
REACTIONの詳しい情報はコチラ⇒REACTION 20121

70v優也くんの雄姿もバッチリ収録されているのでお見逃しなきよう。
Marshallでガンガン攻めてくれています!
 
2日目のステージのMarshall Blogのレポートはコチラ
   ↓    ↓    ↓
①REACTION~FAREWELL 2 days : Last Night <前編>
②REACTION~FAREWELL 2 days : Last Night <後編>80v

3. <CD>II FACE / JEKYLL★RONOVE
私はドップリと70年代のロックで育った世代なんだけど、日本においてはあの頃の音楽は近い将来絶滅すると思っている。
ナゼかと言うと、聴き手がいなくなるからだ。
ロックが世代交代に失敗したことと、右で倣えでみんなで同じことばかりして来たツケがいよいよ回ってくる。
そうならないように、Marshall Blogはトラディショナルなテイストを持った若手のバンドを常にサポートして来たつもり。
そのひとつがJELYLL★RONOVE。
若手と呼ぶにはベテラン過ぎるか…。
残念ながらリズム隊の2人がバンドを離れてしまったが、そんな逆境をモロともせず、先輩ミュージシャンの助けを得て完成させたのが3曲入りのシングル『II FACE』。
ジキロノの魅力がタップリ詰まった充実の3曲。
スミレちゃん、N★OTOくん、クレジットありがとうございます!90Marshallサウンドだから奏でることができるクールなリフとギター・ソロ。
私の世代はそれが「ロック」だった。
ジキロノの音楽にはそれがある。
しかし!
最近痛切に思うのは…
110v歌のある音楽のキメ手は100%ボーカルズだね。
要するにシンガーの声だ。
我々の世代が今の若いバンドに「ロック」を感じないのは、リフやソロの有無ではなく、シンガーの声に「ロック」を感じ取ることができないことに尽きる…と私は悟った。
このシングルに収められた3曲は「ロックの歌」がどうあるべきかをスミレちゃんが身を以って、イヤ、ノドを以って教えてくれる。
 
JEKYLL★RONOVEの詳しい情報はコチラ⇒⇒JEKYLL★RONOVE official site
100vレコーディングに参加してくれた先輩、五十嵐公太さんと満園庄太郎ちゃんを迎えて開催した『II FACE』のレコ発ライブのMarshall Blogのレポートはコチラ
   ↓    ↓    ↓
①『II FACE』レコ発ライブ<前編>
②『II FACE』レコ発ライブ<後編>

230_wdi N★OTOくんが出演したMarshallのデジタル・アンプ「CODE25」のデモ・ビデオもお見逃しなく!
ナンとならば、N★OTOくんは『II FACE』のギター・パートをすべてこのビデオに出て来るCODE25で録音したのだ!
いい音だゼ~。

4. <教則本> Kelly SIMONZ式 超絶プレイを可能にするトレーニング・メソッド [実践編]/ Kelly SIMONZ
DVD付き教則本『Kelly SIMONZ式 超絶プレイを可能にするトレーニング・メソッド』の第2弾。
身につけたギターテクニックで音楽的表現を豊かにする数々のアイデアやサンプル・フレーズを満載した1冊。
Kellyさんの7冊目のリットーミュージックさんからの上梓。
7冊目にして初めてライブの写真が表紙を飾ったのだそうだ。
デへへ、この写真は私が撮ったモノなのです。
Kellyさん、写真のご採用とクレジットどうもありがとうございます!
120模範フレーズのいくつかが、よくある4小節の短いモノではなく、16小節としているところがkellyさんらしい。
音楽として成立するキチっとした尺で表現力を磨け!という狙いであろう。
Kellyさんらしい親切な配慮である。
収録時間90分のDVDつき。
Kellyさんを目指すシュレッダーさんたちはこの教則本でプレイング・テクニックを身につけて、自分だけの音楽を創ることを目指してください。130_2 ライブ写真の表紙が「初めて」ということなので、私もKellyさんとの「初めて」にさかのぼってみた。
それは2010年12月19日のこと。
今はなき新宿のロックインの1階で開催されたクリニックの時のことだった。140この時のようすをMarshall Blogに掲載した。
それがKellyさんのマーブロ・デビューだったのだが、「とうとうMarshall BlogがKelly SIMONZを見つけてしまった!」なんて書き込みがあってね。
別に見つけたワケじゃない!
確か誰かの紹介でKellyさんから直接連絡を頂戴してお邪魔させて頂いたように記憶している。
この時から12年前か…。
レポートは前のMarshall Blogなので今は記事を見ることはできません。
150vJMD:1の試奏会なんてのもやったナァ。160そして、『Marshall GALA2』。
この2月後にはコロナになってしまって、Kellyさんのステージからは遠ざかったままだ。
また、Marshall Blogで取材させて頂くのを楽しみにしている。
  
Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website170Marshall GALA2でのKellyさんの雄姿はコチラ。
まだご覧になっていない方はゼヒどうぞ!

5. <CD>VANITTY OF THE WORLD / NAKED MACHINE
NAKED MACHINEもロックの黄金時代を伝承するために大切にしたいチーム。
時々テレビで「今日の演奏は『薩摩琵琶保存会』の皆さんです」みたいなのを見かけるでしょう?
ホントに昔のロックもそんなっちゃうよ。
「今日の70年代ハードロックの演奏はNAKED MACHINEの皆さんです」なんてことにならないことを祈ってる。
だってこんなにカッコいいんだゼ!
何とかして若い人たちに聴いて好きになってもらえないものか…。
まぁ、若い人は若い人がやることにしか興味はないわな。
だとしたら「ベテラン」に一体何の意味があるというのだ!
そのベテランがコピーばっかりになっちゃったからな~。
でも、年寄は年寄がやることの方がいいにキマってる。
さて、このシングルに収録された3曲…よもや伝統のスタイルのロックが絶滅の危機に瀕しているとは思えないほどの素晴らしい出来栄えだ。
180 どう素晴らしいのかというと、とにかく「NAKED MACHINEの音楽」なのだ。
つまり、最も輝いていた時代のロックを「NAKED MACHINE」という音楽装置を使って新しく創造し直しているというワケ。
残念ながらこの装置には入れ物がない…「NAKED」だから(「ハダカ」という意味)。

190vそれにしても素晴らしいのは源ちゃんのギターよ。
JVMで録った音がまず素晴らしい。
そして、ガリガリ、クシクシとピッキングの音を盛大に出してロックギターの最もカッコいい部分をタップリと実演してくれている。
「タッピング」とか「エコノミー・ピッキング」とかいうテクニックが花盛りだけど、源ちゃんのようにキチっとピックで弦をハジいて弾くギターの音色が一番好き。
 
源ちゃん、KANちゃん、クレジットありがとうございます!
200v源ちゃんにもCODEのデモをお願いしている。
演奏に没頭してバリバリと弾く姿はとてもカッコよかった。
実は源ちゃんのビデオといえば、VintageModernの頃からお世話になっているんだよね…と言うか、あの時が初対面だったんだ。
15年ぐらい前か…なつかしいな~。
こっちは最新の「源ちゃん×Marshall」ね。

 
6. <CD>
UNSTOPPABLE / 大山まき
副題を「かっぱえびせん」としないところがヨカッタ。
先月リリースされたばかりのまきちゃんの4枚目のミニアルバム『UNSTOPPABLE』。
すでに'まきちゃん'のライブでは欠かすことのできないレパートリーである「Dinosaur」や「MERA MERA」等の6曲を収録。
「まき節」炸裂!
いいんだわ~。
スリーブ・デザインもバッチリだ。210 JEKYLL★RONOVEのところにも書いたように、やっぱり歌入りのロックの最大の魅力は「声」だということを'まきちゃん'も教えてくれる。
この魅力的な声と歌い方が'まきちゃん'独特の世界を創るんだね。
'まきちゃん'の曲を似たような声を出す人が歌っても絶対にこうはならない。
コンポジションとパフォーマンスの得も言われぬ化学反応とでも言えばよいのか、コレが「音楽を創る」ということなのだろう。
聴いていてとてもシアワセな気分になる。
どんなシアワセかって?
「ロックを聴く」というシアワセよ!
250vそして、'まきちゃん'をガッチリとサポートするKAZZ。
「Marshallの人」だからね。
KAZZなくして「まきミュージック」は語れない。120v 大山まきの詳しい情報はコチラ⇒大山まきOfficial Site
240CDもいいけど、'まきちゃん'の声はゼヒ、ライブへ出向いてナマで聴いて欲しい。
最初から最後で1秒たりとも手を抜かない熱唱にきっと心を打たれることであろう。
Marshall Blogの最新のライブ・レポートはコチラ。
   ↓   ↓   ↓
①大山まき~the beginning <前編>
②大山まき~the beginning <後編>

'まきちゃん'もMarshall GALA2に出演してSHOW-YAの曲を歌ってもらった。
まきちゃんにはいつか「まきミュージック」を引っ提げてご出演頂きたいと思っている。
それまではコチラをご覧ください。

 
7. <CD>CHANGE! / ALL IMAGES BLAZING

プログレッシブ・ロックの本場であるイギリスにおいて、現在となっては「プログレッシブ・ロック」という言葉が日本人の認識している音楽以外のモノも指すことを知って比較的大きなショックを受けたのは最近のことだった。
その考察はココに記しておいたのでご興味のある方にご覧頂きたい。
  ↓  ↓  ↓
プログレッシブ・ロックってナンだ?
 
さて、前作からそう間を空けずしてリリースされたALL IMAGES BLAZING(以下「AIB」)の新作『CHANGE!』。
コチラは「プログレッシブ・ロック」という言葉しか当てハメようのない、我々世代が知っている正真正銘のあの「プログレッシブ・ロック」。
前作の『Crimson Red』は総帥の片岡さんの意向で古今のロックのモチーフを随所に取り入れた遊び心を交えたロックへのオマージュ作になっていた。
私なんかにはメチャクチャおもしろかった。
今回は新しいギタリストを迎えてドップリとAIB自身と向き合って取り組んだ一作。
こういう音楽はやっぱりいいね。
私は子供の頃から「魂」とか「気合」一発とかいう音楽よりも、丹精込めて作り込んだヨーロッパ的な音楽が好きでしてね。
片岡さんが「これでもか!」と、幾重にも幾通りにも音を重ねて作り上げた世界は圧巻だ。
また今回初めて日本語の歌詞を取り入れたという「LUKA 流迦」に見られるようにポップな場面とシリアスな場面のコントラストがとても魅力的。
歌のパートから5/4の器楽パートに移ってギターソロが出て来るところなんかトリハダもんだ。
ああ、今からでもいいから日本もこういうチームがドンドン出てくればいいのにナァ。260片岡さんは昔からゴダイゴの大ファンで、今回のアルバムをスティーブ・フォックスさんが担当してくれたことにいたく感激されていらっしゃった。
そうそう、音も素晴らしいのです。
 
ALL IMAGES BLAZINGの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook
270v敦子さんは日本語の歌詞はどうだったのかしらん?
今度お会いした時に感想を伺ってみよう。
AIBは関西のプログレッシブ・ロック・バンド。
対して東京には「金属恵比須」がいる。
双方女性ボーカルズだからね…近いうちに「東西プログレ競演」を観てみたいものだナァ。
 
Marshall Blogではメンバー・チェンジ前のライブをレポートしているのでコチラをどうぞ。
  ↓    ↓    ↓
PROG TOKYO 2021 SPRINGのALL IMAGES BLAZING
 
280v 
 
8. <CD>桃色センセーション / Johnny Yoshi Hiro

ジョニーくんはいくつになったのかな?
前のバンド、Luther Smoke Sokeyesを解散した後、しばらくナリを潜めていたジョニーくんが作詞・作曲、歌、すべての楽器演奏を1人でこなした4曲入りのシングルを引っ提げて帰って来てくれた。
この人には本当に「才能」というモノを感じる。
ポールやトッドのようなマルチなところにその「才能」を感じているワケではござらんよ。
ジョニーくんから「音楽」というモノが猛烈に発散されているところに「才能」を感じるのだ。
最近はチュートリアル素材が進化したせいか、ギターでもドラムスでも実に巧みに弾きこなす若者が多いが、総じて彼らから「音楽」を感じることがない。
特にドラマーさんにそういう傾向が強いかな?
「楽器」は知っていても「音楽」はチンプンカンプンみたいな子がナントたくさんいることよ。
やっぱりそういう子の演奏からは「音楽」は聞こえて来ないんだよね。
その点、ジョニーくんのやっていることは新しくもナンともないが、なんと音楽的なのだろう!
「新しい」とされているモノが「良い」モノであるとは絶対に限らない。
また、今の世の中にあっては、SNSへのアクセス数を稼ぐモノが「良いモノ」に成り下がってしまった。
勘違いして欲しくないのは、決して「古いモノだけがいい」と言っているワケではないということね。
ジョニーくんのような新しい世代の人たちが、伝統的なモノを踏襲した上で自分たちの感性を交えてクリエイトする音楽が今一番必要なのではないか?といつも思っているのである。
ココに収録されている4曲はひとことで言えばサザンロックやカントリーのテイストを吸収した「70年代前半までのロック・サウンド」と言えると思うのだが、それに「桃色センセーション」なんて曲名やアルバム名を付けちゃう。
この感覚ですよ。コレでいいのだ。
若いって素晴らしい。
290ロックの曲には不向きの「単語」というモノがあって、そうした言葉が出て来ると一気に興ざめしてしまうのだ。
例えば、目も覚めるようなソリッドなハード・ロックに「青春の輝き」みたいな表現が出て来たらどうだろう?
今のロックにありがちな「ありがとう」もしかり。
その点、ジョニーくんの曲は歌詞もすごくいい。
耳にストレートに入って来てアタマに残る。
すると知らないウチにその曲を口ずさんでいる自分がいたりするんだよね。300v日本のロック界も正気を取り戻して、こういう才能のある子たちが音楽だけで喰っていける世の中に戻ってもらいたいと心から思うね。
 
Johnny Yoshi Hiroの詳しい情報はコチラ⇒Officieal Twitter

310つい先日のシングルの発売記念ライブのレポートはコチラ。
   ↓   ↓   ↓
活動再開宣言!帰って来たジョニー

320v
ジョニーくんにはMarshallの世界的大ヒットモデル、STUDIOシリーズのデモビデオに出演してもらっています。
①STUDIO VINTAGEシリーズ

②STUDIO CLASSICシリーズ

 
9. <MV>Gentrification / 変異種

LINXのギタリストであるZINくんは、現Silexのドラマー石川達也くんと組んでいたトリオBlack Coffeeを通じて知り合った。
だから結構時間が経つんだけど、残念ながらいつもタイミングが悪くドップリとライブにお邪魔したことがなかった。
そんな状態だったところにZinくん本人から連絡を頂戴した。
今度新しいバンドの「変異種」でビデオを撮るのでサポートして欲しい…というのだ。
もちろん、よろこんで!
長年にわたって日ごろからMarshallをご愛用頂いている恩返しが少しでもできればうれしいじゃないか!Thumbnail_img_7682 コレがそのビデオの撮影現場。330用意したのは1959と1960Aのハーフ・スタック。340v曲はラップ・パートを絡めたファンクビート・チューン(筆者註:最近は和製英語である「4ビート」とか「8ビート」とか「16ビート」とかいう言葉をなるべく使わず、「スイング・ビート」、「ロック・ビート」、「ファンク・ビート」と言い換えりようにしているんだけど、コレがなかなかに苦しい!)。
ビジュアル的には普通の格好とディヴァイン装束のシークエンスが混ざり合って出来ている。His2Zinくんはまるでピート・コージーのような独特なソロをカマしてくれていてカッコいい!
後ろのドラマーさんはいつか達也くんと一緒にドラム・クリニックのレポートでMarshall Blogに出てもらった千寿くん。His_2 英語の達人っぽい人がボーカルズを務めていらっしゃるので、知った風なことは書けないが、曲名の「Gentrification」というのは「紳士化」という意味で、元々は「Gentry(ジェントリ)になる」…ということ。
「ジェントリ」というのは昔のイギリスの階級のひとつで、下級の地主層とのことを指し、「郷紳」と日本語では訳されるらしい。
イギリスは「貴族=地主」であり、ジェントリは男爵の下の階級になるが、正式は貴族には含まれない。
そして、「Gentrification」という言葉は現在では「地域に住む人の階層が上がって地域全体の質が向上すること」とされているとか。
日本は空襲で丸焼けになり、行政の区画整理は入ってゼロから街づくりをし直したため、あまりこういう例を見かけることはないようだが、最近は古い民家を改装して手づくりアクセサリーの店が並んでおしゃなエリアになっていたりするケースを見かけるでしょ?
ああいうのも「ジェントリフィケーション」になるそうだ。
新木場の倉庫街や横浜の赤レンガ倉庫なんかも良い例だろう。
ロンドンなんかこういうエリアがたくさんあるのよ。
 
通常時の変異種の皆さん。
ゼンゼン「変異種」ではない。360vコレがそのビデオ。

 

変異種の詳しい情報はコチラ⇒Official Twitter




10. <MV>オンステージ / リアクションザブッタ
先日、初めてMarshall Blogにご登場頂いたリアクションザブッタの最新のミュージック・ビデオが公開された。
写真はギターの健太郎くん。
Thumbnail_img_7106
健太郎くんはMarshall。
創業25周年記念モデルの「2555 Silver Jubilee」のオリジナルのハーフ・スタックを愛用している。
380vもちろん今回のビデオでもバッチリ使ってくれている。390 そのビデオがコレ。
曲は「オンステージ」 。
溌溂としたポップ・ロック。
とてもいい曲だ。

リアクションザブッタの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

このチームの音源をよく聴くと、音楽的にとても凝ったことをしているのが散見出来てオモシロい。
一方、ライブはCDとはゼンゼン違ってトグロを巻くようなグルーブ満載の熱狂的なステージを見せてくれる。
 
そんなライブのレポートはコチラ。
  ↓   ↓   ↓
リアクションザブッタ~ツアーに来い来い、あなたの恋

370
以上、力作ぞろいの秋のMarshallファミリーでした。
 

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Mmst_square 去る8月26日に発売したD_Driveのインターナショナル・アルバム第2弾『DYNAMOTIVE』絶賛発売しております。
おかげさまで、中身もジャケットも皆さまから大変好評を頂戴しています。53000x3000コチラはリード・チューンのひとつ「だるまさんは転ばない(Red Light, Green Light)」。

また長らく欠品しておりましたインターナショナル・アルバム第1弾『MAXIMUM IMPACT』も入荷しました!7_d_2 
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200

2022年9月 9日 (金)

【追悼】私の女王陛下

 
今朝、エリザベス女王の訃報を耳にした時は結構ショックだった。
昨晩、夏を過ごす女王のスコットランドの私邸、「バルモラル城」に王室のメンバーが向かった…と報道された時には「いよいよか…」と思った。
お会いしたことも、お見かけしたことも全くないので「悲しい」という感情はないけれど、同じ君主制の国に生まれた者の性なのであろうか、何となく心のどこかに穴が開いてしまった感じがする。
というのも、今年還暦を迎える私でも「イギリスの一番偉い人」といえば、エリザベス女王以外は知らないもんね。
70歳以下の人は誰も知らない。
さて、何も知らない私ですが、せっかくイギリスの会社に勤めているので、女王陛下について知っていることや勝手な思い出を綴って僭越ながら追悼の一編を認めたいと思う。
こんなこと、Marshallに勤めていなかったら絶対にやってなかったし…。

Qe2 Marshallは早速SNSに弔辞を投稿した。
ジムが生きていたらどうしていたかな?

15v_2まずは女王について私が知っていることをいくつか…。
エリザベス女王のお父さんはジョージ6世。
20vコリン・ファースが演じた『英国王のスピーチ』の主人公ね。30fそのお父さん、つまりエリザベス女王のおジイちゃんはジョージ5世。
今、イギリスは対ロシア制裁の急先鋒となっているけど、このおジイちゃんはロシア革命前のロマノフ家の皇太子、ニコライ2世のイトコなんだぜ。
向かって右がイギリス。左がロシア。よく似てる。
このニコライ2世は日露戦争の前に来日して、長崎で楽しい滞在をした後、滋賀の大津で地元の津田三蔵という警官に襲われて重傷を負った。
世に言う「大津事件」である。
このあたりのことは『私の横須賀』に書いた。
35若き日のエリザベス女王。
昨年亡くなった王配のフィリップ・エジンバラ公はギリシャの王子さまだった。
女王は1952年2月に即位し、翌53年の6月にウエストミンスター寺院で戴冠式を執り行った。
この写真を撮ったのはセシル・ビートン。40vコレは即位60周年の時に開催したセシル・ビートンの写真展。
私は見たかったんだけど、タイミング合わず。45セシル・ビートンはロイヤル・ファミリーの写真を撮り続ける傍ら、ファッション・デザイナーを務め、『マイフェアレディ』のイライザ・ドゥーリトルの衣装のデザインを手がけ、「アカデミー衣装デザイン賞」を獲得した。
やっぱり、「ロイヤル・アスコット」のシーンではこの衣装にノックアウトされるよね。50vビートンはこんな女王の写真集を上梓している。
この赤ちゃんはチャールズかな?
それとも妹のアン王女かな?Cbbアン王女はMarshall Blogにご登場頂いている。
興味のある方はコチラをどうぞ。
  ↓   ↓   ↓
【英王室アルバム】Her Royal Highnessがお見えになりました!

290そういえば、若き日のエリザベス女王のロマンスを描いた『ロイヤル・ナイト(A Royal Night Out)』っていう映画はなかなかオモシロかった。
「Night Out」っていうのは決まり文句でね。
秋吉敏子に「Tanuki's Night Out(タヌキの夜遊び)」という曲があるけど、イギリスの地方のパブへ行くと、客足が鈍る水曜日だったか木曜日だったかに「Mom's Night Out」みたいなお題目で「お母さんの夜遊びキャンペーン」をやっていたな。70fこの映画では女王が即位する前の天真爛漫なエリザベスが描かれているが、実際の女王ってスゴイ権力の持ち主なんだよね。
「君臨すれども統治せず」と、政治には無関係な立場だけど、イザ、イギリスが戦争で他の国の援助が必要になると、カナダやインド、スリランカ、南ア他に加え、オーストラリアやニュー・ジーランドのような国旗にユニオンジャックが入っている国が総勢で女王陛下のために身を挺して戦うことになっている。
「イギリス連邦(Commonwealth of Nations)」というヤツ。
イギリスの君主であるエリザベス女王はその親分だった。Flagさらに、女王は「イギリス国教会」の首長でもあった。
コレは、今からさかのぼること488年前、ヘンリー8世がスペインから輿入れした最初のお妃、アラゴンのキャサリンと離婚をするために作った新しいキリスト教の宗派。
当時カトリックでは離婚を禁じていたので、新しい宗派を作ることによってローマ教皇と袂を分かったんだね。
私は「イギリス国教会」がプロテスタントの最高峰だと思っていたんだけど、そうではないらしい。
そのイングランド国教会の本山はプログレッシブ・ロックでおなじみのカンタベリーにある大聖堂。
曹洞宗でいえば福井の永平寺だ。
ウエストミンスター寺院でエリザベス女王の戴冠を行ったのもカンタベリーの大司教だ。Img_0887 テムズ川に浮かぶ駆逐艦「ベルファスト」。140正式名称は「HMS Belfast」。
この「HMS」は「Her Majesty's Ship」。
つまり「女王様のお船」なのだ。
ビートルズにも「Her Majesty」という曲があるけど、「HM」は「Her Majesty」か王様なら「His Majesty」の略になる。
「HRH」というのもあるけど、コレは「Her(His)Royal Highness」の略で「HM」の子供の敬称。
日本でいえば「殿下」。
コレラのアタマの「H」は、チャールズが王になった時は「His Majesty」となるので「HM」のままでOK。
大変便利である。
150ロンドンにこんな「Her Majesty's Theatre」という由緒ある劇場もある。
ココでは『オペラ座の怪人』をロングランしていた。
今は知らない。
ココも「His Majesty's Theatre」となるのかも知れない。160v女王様の持ち物はまだある。
コレはリッチモンドというテムズ川の上流。
「上流」と言ったってロンドンの中心から地下鉄30分ぐらいよ。
それでこんなに風光明媚な景色が広がっている。170_2 写真に写っているのは鴨だけど、テムズ川にいる白鳥もゼ~ンブ女王様の所有物。
それだけじゃないよ。
イギリスの海岸から4.8kmの海域にいるイルカとクジラもゼ~ンブ女王陛下のモノ。180女王陛下は車の免許がなくても運転OK。
ナゼなら免許証は女王陛下の名の下に発行するから。
ナニせ総理大臣をクビにすることができるぐらいだからね。
世界一の土地持ちだし。
下のバッキンガム宮殿の中にはロイヤル・ファミリー専用の銀行ATMがあるらしいよ。190「The Queen's Gallery」というデカイ美術館だって持ってる。
ダビンチの素描とか飾ってあった。
一番感動したのはトイレだったけど…。200ま、そんなスゴイ女王だから毎日こういう儀式をしてお守り申し上げている。
この人たち真剣ですからね。
馬はジャバジャバお構いなしでオシッコしちゃうけど。
135誰でも知ってるウエストミンスター宮殿。210その真裏にあるのが「ウエストミンスター寺院(Westminster Abbey)」。
女王の葬儀は女王の戴冠式と同じくココで執り行われるという。
220v思い出した。
2005年にイギリス国内の音楽関係者を招いてバッキンガム宮殿で開催されたレセプション。
確か音楽で外貨を獲得してくれたアーティストや業者たちへの謝恩会…と言われていたような記憶がある。
私の知り合い2人がこの会に招かれて大層感動していた。
そのウチ1人である楽器商社の社長が残した手記を読んだことがあった。
冒頭にこんなことが書かれていたのを覚えている。
「昨晩は人生で最高の夜だった。
横にはエリック・クラプトン…後ろを振り返ればジェフ・ベック。
そして、女王陛下が私たちの方に近づいてくるではないか!」…みたいな。
私はそれを読んで「フーム、イギリスの関係者でもクラプトンやジェフ・ベックに会えるとうれしいのか…」と思ったものだった。
イヤ、やはり筆者が一番感動したのは、今にして思うとクラプトンやベックではなく、はたまたジミー・ペイジやブライアン・メイでもない女王陛下だったのだろう。Eq 今度は「King」か…。260カミラ・パーカー・ボウルズはどんな気分なのだろう?
ダイアナ妃のことはあったけど、チャールズも気の毒な幼少時代を送っていて、すぐ傍にいたカミラに甘えざるを得ない環境にあったらしい。
「憧れの人」だった。270エリザベス女王はあんなにイヤがっていたカミラに「Queen Consort」という「王妃」の称号を認めたとか。
「consort」というのは「配偶者」という意味。
だから「Queen」でも「Princess」でもない。280さて、次に国歌。
アメリカ国歌の次に有名と思われる「God Save the Queen」は当然「God Save the King」に替わる。
な~に、ビックリすることはナニもない。
70年もの長い間「God Save the Queen」だったけど、1837年に即位したヴィクトリア女王の前までは「God Save the King」だったんだから。
このイギリス国歌は1745年から始まったそうだ。
その初演はコヴェント・ガーデンの「Theatre Royal Drury Lane(シアター・ロイヤル・ドゥルリー・レーン)」だった。
1958年、『マイ・フェア・レディ』のウエスト・エンドでの初演もこの劇場だった。
Img_7674ん?
チョット待てよ…。
ヴィクトリア女王といえば、歴代第2位の長期王位在位期間の記録保持者だ。
その在位期間は64年。
エリザベス女王の70年と合わせると、「God Save the Queen」と歌われていた期間が137年。
この曲の初演は上に書いた通り1745年だから、歌われ続けて277年。
すると、「God Save the King」の期間が8人で140年。
なんとビックリ!ほとんど変わらないではないか!
「Queen強し」なのである。
というか、「女性強し」なのだ!ナニせ2人 vs. 8人だからね。300国歌は単語を入れ替えるだけなのでそう問題はない。
「コレ、どうするんだろう?」というのが「ER II」問題。
「ER II」というのは、「エリザベス女王2世」の略号。
エリザベス女王は署名する時、以前の女王に倣って「Elizabeth R」としていた。
「R」は「Regina(リジョイナ)」の略でラテン語(イタリア語も)で「女王」という意味。
そのロゴサインがコレ。
ロンドンを歩いていると、街中のいたるところでこのロゴを見かけるワケ。
全部「チャールズ印」に取り換えるのかな?
Er2コレはマリルボンにあるエルトン・ジョンの母校、「王立音楽院」のとなりの「ヨーク・ゲート」という「リージェンツ・パーク」入り口の門柱。310ロンドン塔のビフィーターのユニフォームもモロ「ER II」。320vポストにもガンガン入っちゃってる。
コレはどうするんだろうか?330vもうひとつ大変なことがある。
それは貨幣のデザイン。
今は離れてしまったけど、EUの通貨はご存知の通り「ユーロ」。
でも、イギリスだけは自国のスターリング・ポンドの使用を主張して譲らなかった。
ナゼか?
ま、半分は冗談だったんだろうけど、「女王陛下の顔が入っていない金なんか使えるかよ!」…だったらしい(そのくせEUの硬貨は技術に優れたイギリスが鋳造していた)。
その通り、紙幣、硬貨の別を問わずイギリスの貨幣には女王の顔が載っている。
これ、どうするんだろう?
というのは£20紙幣なんかチョット前に変更したばかりだったのに…。
調べてみると、どうも全部作り変えるらしい。
コレ、大変だぜ。
紙幣も硬貨も両方だからね。
ウチにはイギリスの全種類の貨幣があるんだけど、それを聞いて最低1種類ずつ保管しておくことにした。Gbpjpg もうひとつ…それは英語。
英語の故郷はイギリスであり、その最も伝統的・標準的な発音は王族やBBCのアナウンサーが使う英語であり、それを「Queen's English」と呼ぶ。
みたいなことを中学生の時に教わった。
コレはこれから「King's English」になるのであろうか?
なるらしい。
そうした伝統的・標準的な英語は「Queen's English」あるいは「King's English」の両方で呼ぶことができるのだそうだ。
「Queen」の方がいいナァ。Qeb 歴代第一位の女王在位期間の長さを誇るエリザベス女王。
それだけにロンドンの街を歩いて目につくのが女王の在位を記念するアイテム。
コレはウエストミンスターで見かけた「SILVER JUBILEE」のオブジェ。
シルバーだから「25周年」だね。340コレはウォータールー近くのランベスの歩道で見つけた記念プラーク。350そして、2012年。
私は在位60周年の記念式典の時にロンドンにいた。
370天気が悪くて滅法寒くてね~。
女王がテムズ川を船で下るイベントなんてのがあったけど実に寒そうで気の毒だった。360ただ街の中はどこもかしこもユニオンジャックづくしのお祭り騒ぎでとても楽しかった。380コヴェント・ガーデンもこの通り。390チャールズ3世の戴冠式はどこでやるんだろう?
セント・ポール?
それはないか…ダイアナとの結婚式をしたところだからね。


400私は仕事柄もあって「イギリス、イギリス」と騒ぐことが多いが、この国が過去に世界でナニをやって来たかということは勉強したつもり。
歴史全般の本はもちろん、アヘン戦争や中国と

インドとの三角貿易の本も読んだし、第二次世界大戦の本は今でも頻繁に目を通している。
また、イギリス人の技師がアメリカに乗り込んで原爆を完成させたことも知っている。
結果、現在世界中に根強く残っている紛争や負の遺産の7割ぐらいはイギリスが原因ではないか…とも思っている。
ところがイギリスには、イギリスを「世界の第一等国」たらしめる優れた部分がたくさんあって、まだまだイギリスから、イヤ、今だからこそイギリスから学ぶことがたくさんあるのではなかろうか?
実際にイギリス人とドップリ付き合ってみると、アメリカ人よりゼンゼン日本人向けだということを感じるし…。
伝統的に日本という国は他の国の良い点を隠してしまう傾向があるように思われるので自発的に勉強する必要があるのがツライ。
 
ここのところ、BREXIT、コロナの大流行、殺人的インフレ、首相交代等、揺れに揺れているイギリス。
加えて国民の心のよりどころである偉大な君主を失って本当に大変な時期にあるイギリスだが、世界の第一等国の実力を発揮してうまく乗り切ってもらいたいと思う。

謹んで女王陛下のご冥福をお祈り申し上げます
410

200_2

2022年8月26日 (金)

DYNAMOTIVE物語~D_Drive2枚目の世界リリース・アルバム発売!

 

本日2022年8月26日、Marshall Recordsより…10s_2D_Driveの2枚目の世界発売アルバム『DYNAMOTIVE(ダイナモーティブ)』がリリースされました!
前作はそれまでのD_Driveの代表曲をコンパイルしたベスト・アルバム的な内容であったが、今回はこのアルバムのためにD_Driveのソングライティング・チームが書き下ろした曲で構成したドオリジナル・アルバム。
D_Driveのピッカピカの新曲を自分のレーベルからリリースしたがっていたMarshall Recordsもその仕上がりに大変よろこんでいる。
しかし、ココまで来るのは決して平坦な道のりではなかった…。
その過程を振り返って、『DYNAMOTIVE』誕生の喜びをさらに深く味わいたいと思う。20s_2Marshall Blogの記事がMarshall Blogの親分の目に留まり、2019年2月、D_DriveはMarshall Recordsと契約。30同年5月、最初の世界リリース・アルバム『MAXIMUM IMPACT』を発表。40sリリースと時を同じくして開催されたMarshallが主催する『Marshall Live』に出演するために渡英。50現地の音響スタッフに「音デカ!」と言われながらも、完璧なパフォーマンスで観客の度肝を抜き、Marshallの故郷イギリスで最高のお披露目をすることができた。60その足でロンドン最大級のフェス、『Camden Rocks Festival』に参加。70D_Driveが出演した会場は小ぢんまりとしたパブだったが、メンバーも満員のお客さんも汗ダクになる熱演で、「アンコール」の要望が引きも切らず、例外的に追加の演奏が許可された。80その4か月後。
ところは上海。
今やNAMMをもしのぐ規模の楽器展示会『Music CHINA』でのデモンストレーション。90毎回ものスゴイ数のお客さんだった。
お客さんが多くなるとつい音も大きくなる…見回りに来た主催側のスタッフと小競り合いをするブースの音響担当者に昔の楽器フェアでの自分の姿を思い出したものだった。100コレ、全員D_Driveのサインと記念撮影待ちですからね。
人気のほどが窺えるというモノだ。
その人気ぶりに、翌年は野外の大きなステージへの出演が約束された。
620 年が開けて2020年1月。
今度はNAMM ShowのMarshallブースを大いに賑わした。10_2 最終日の最後の回まで毎回広いブースを満員にできたことは私も鼻タカダカだった。
この人気に気を良くしたMarshallは、翌年のNAMMへの出演を正式に依頼した。
ミーティング・ルームにMarshallの社長、Marshall Recordsの親分、D_Drivreメンバーと私が集まったところで、「また来年もお願いします」と言われた時は盛り上がったナァ。120そのNAMMの時に近隣の「Houese of Blues」にて開催された『SHE ROCKS AWARD』のオープニング・アクトを務め、ココでも注目を集めた。
130こうして、英米に端を発するD_Driveの世界進出計画も順風満帆かのように見えたし、実際その通りだった。
ところが…好事魔多し。610 帰国して間もなく瞬く間にコロナウイルスが日本中に蔓延し、D_Driveの海外渡航の道が完全に閉ざされてしまい、上海もNAMMも2回目の渡英の可能性も、すべて水泡に帰してしまった。
一方、国内での活動も大幅な制限を余儀なくされる中…Cv_3 2021年4月、名古屋でのライブの後にSeijiさんが急遽入院することになってしまった。
脳出血だった。
音信不通の期間がしばらく続き、一時は「D_Driveもココまでか…」と観念しかけたこともあったが、140 驚くことに2か月も経たないウチに見事復帰!
さすが、ハンドルを握って1人で地球10周(以前は「7周半」だったが上方修正が入った)した男だけのことはあった!50vコロナ地獄の中、2022年3月、足掛け4年を費やして『感謝の47都道府県ツアー』も完了。
後はコロナさえ収まってくれれば…と思っていたら…。150今度は7月にYukiちゃんが入院。
しかし、Yukiちゃんも日ごろの行いが良いおかげで、先週復帰ライブをやり遂げてくれた。160v…とマァ、色々なことが起きた3年間だったワケ。
そんな山と谷の間を縫って『DYNAMOTIVE』の制作が進行した。
私がMarshall Recordsから「新曲で固めたアルバムを作りたい」という連絡を受けたのが昨年の夏のこと。
そこからD_Driveのソングライティング・チームと連絡を取り合い、作曲作業を進めてもらった。
何しろ相手は「世界」。
海外のリスナーが泣いて喜ぶような曲を作るには、やはり世界を制覇したロックの本場のプロの意見を取り入れるのが一番だ。
Marshall Recordsからいくつかの課題が出されたが、SeijiさんもYukiちゃんも素直にアドバイスを受け入れてくれて、最大限の努力を試みてくれた。
私は間に入って、双方の意見をスリ合わせるパイプ役を務めたのだが、正直言うと精神的には結構シンドかったな。
何故なら、私はMarshallの人間である一方、D_Driveの音楽はデビューしていた時から知っていてSeijiさんのやりたいことがわかっているつもりだったから、イギリスから課題が出された瞬間にSeijiさんが示すであろう反応が100%わかってしまうのだ。
反面、子供のころから夢中になって聴いて来たブリティッシュ・ロックの世界に足を踏み入れることができてうれしくもあった。
「世界レベルのショウビジネス」を見たような気がしたよ。
一体、Seijiさんと延べ何時間ぐらい打ち合わせをしたかナァ…?
こうして『DYNAMOTIVE』の制作は進み、約1年をかけていよいよ本日発売の運びとなった。
D_Driveのメンバーと制作スタッフが手塩にかけて完成させた1枚なのだ。
 あえてココでは音楽については触れずにおくが、ゼヒひとりでも多くの人にお聴き頂きたい。
さて、そんな『DYNAMOTIVE』のリード・チューンであるアルバム1曲目の「Red Light, Green Light」のできたてホヤホヤのビデオが公開されたのでゼヒご覧あれ!

音楽の他に今回のアルバムで注目して頂きたいのはアートワーク。
『MAXIMUM IMPACT』の時はイギリス・サイドにデザインを一任した結果、レーベル・メイトであるBad Touchのギタリスト、ダニエル・シーキングスが担当してくれたのだが、今回は日本サイドでデザインをすることが早い段階で決定していた。170誰にお願いするか?…私の要望でMarshall Blogではおなじみの梅村昇史氏をお迎えすることになった。
185梅村さんはその頃、ザッパやニール・ヤング、カンタベリー・ロックの本のデザインや原稿執筆でかなりお忙しかったが、「D_Driveさんのタメなら」とひと肌脱いでくださった。

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今回のジャケットは3面見開きの完全紙ジャケ仕様。
普通のゲイトフォールド(見開き)仕様という選択肢もあったが、せっかくの機会なので6つの面を梅村さんに託した。190私が梅村さんのデザインをD_Driveに適用したかった理由は世界をターゲットにしているから。
音楽の内容は別にして、日本で制作するCDってどこまでいってもドメスティック臭が強く、当然ジャケットも「はい、日本で作りました」という感じが抜けきらないんだよね。
そこへ行くと梅村さんは、日本を代表するフランク・ザッパ研究家で、ジミヘンやソフト・マシーンやイングランドの国内盤のジャケット・デザインも手掛けている根っからの洋楽派だ。
「下町のひとりヒプノシス」を標榜するだけのことはある洋楽アートワークのエキスパートなのだ。
それが梅村さん起用の理由。
つまり洋楽のジャケットの雰囲気を出したかったのだ。200盤面はピクチャー・ディスク仕様。
ココでも梅村デザインがいい味を出している。210そして、今回もD_Driveのライブ会場で販売される国内盤仕様を制作した。
帯と…215s_220ページに及ぶブックレットが付属している日本限定バージョン。220sチラリを中をお店するとこんな感じ。
もちろん梅村デザイン。230ブックレットにはたくさんの写真と、この記事に書いたようなアルバム制作の裏話と各曲ごとの解説が掲載されている。
この辺りは職権乱用で私が筆を執らせて頂いた。240…とCDはこんな感じ。
もちろん各種サブスクでも音源を入手することができる。
 
『DYNAMOTIVE』の音源はコチラ⇒サブスク広場250bnさらに、『DYNAMOTIVE』はMarshallのレコード屋さん、Marshall Music Store Japanでも販売します。Mmst_square_2コチラは帯やブックレットが付いていない通常の輸入盤仕様。20s_3でもオマケでMarshallのスクエア・ロゴ・ステッカーが3枚もらえるよ!5s2img_9727しばらく入荷が途絶えていた『MAXIMUM IMPACT』も入荷しますのでよろしく!

Marshallのレコード屋さんはコチラ⇒Marshall Music Store Japan280と、今回も色々なことを学ばせてもらったアルバムづくりだったが、ひとつ…とても驚いたことがありましてね。
それは、D_Driveの音楽が世界ではどう受け取られているか?…ということ。
コレには勉強させてもらいました。
あんまり興味深かったので、それに関する論文を後日Marshall Blogに掲載させて頂きます。
興味のある方はお楽しみに!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Website

270

200_2(一部敬称略)

2022年8月 1日 (月)

【弔辞】坂下さん、どうもありがとうございました!

 
今朝、四人囃子のキーボード奏者、坂下秀実さんのご逝去の報に接し大変驚いてしまった。
しばらく前から療養をされていて、岡井大二さんから時折その様子を伺ってはいたものの、何の前触れもない訃報にただただショックを受けている。
私が国内で最も好きなロック・バンドのメンバーであり、弊社のイベントをお手伝い頂いたこともあって、Marshall Blogで記事を編んで弔意を示したいと思う。
 
私は中学1年生だった1975年あたりからロックを聴き始めたが、当時は100%洋楽しか聴かなかった。
それでも高校に上がる前ぐらいには日本のバンドのことも気になり出し、遅ればせながら頭脳警察や外道を中心に聴き始めた。
その頃に初めて聴いた「四人囃子」のアルバムは数寄屋橋のハンターで買った『ゴールデン・ピクニックス』だった。
0r4a0682 一方、四人囃子はリアルタイムでは『包(Bao)』をリリースした頃で、音楽雑誌でその広告を見て「面白いジャケットだナァ」と感心したのを覚えてはいるのだが、中身を聴くことはなかった。
ナマの演奏を見ることもなかった。
05s_3
それから時代がだいぶ下って…今にして思うと初めて四人囃子の演奏をナマで拝見したのは2002年、10月25日の新宿厚生年金会館の頭脳警察とのダブル・ヘッドライナーだった。
この頃、森園さんにMarshallをお使い頂いていて、お呼ばれして頂いた。
その1年後、四人囃子を観るチャンスがまためぐって来た。
場所は同じ厚生年金会館大ホール。
今度はプロコル・ハルムとのダブル・ヘッドライナーで、ハルムのギタリストのジェフ・ホワイトホーンに挨拶に行き、この時楽屋の廊下ではじめて大二さんとおしゃべりをさせて頂いた。
もちろん坂下さんが両方のコンサートでキーボーズを演奏されていたことは言うまでもない。7img_1728 そんな関わりがあって、2010年8月。
日比谷野音で開催された『プログレッシブ・ロック・フェス 2010』にお邪魔させて頂いた。10この頃はもうMarshall Blogを運営していたので写真が残っている。
イベントのバックドロップを背に颯爽と鍵盤を叩く坂下さん…カッコよかった!30前のMarshall Blogに掲載していたこの時のレポートは消去されて見れなくなっていたが、加筆訂正
の上、今のMarshall Blogに再掲したので野音での坂下さんの雄姿をゼヒご覧あれ。
   ↓    ↓    ↓ 
PROGRESSIVE ROCK FES 2010 IN TOKYO~四人囃子編
20この日は猛烈に蒸し暑くてね~。
四人囃子の皆さんは出番が終わると、エアコンの効いた楽屋に籠り、モニター・テレビで「ア~でもない、コ~でもない」と言いながらReneissanceやスティーブ・ハケットのステージを観賞していた。
私もその場にお邪魔していたが、そのおしゃべりを聞いているのがとても楽しかった。
この時、初めて坂下さんと会話をした。
そして、持参したCDにメンバー全員のサインを入れてもらった。
ビックリしたのは、佐久間さんも坂下さんも想像を絶するまでにデカかったこと。
ホントにビックリした。
佐久間さんとオフステージでお会いしたのはこの時が最初で最後だった。40翌年、四人囃子のオリジナル・メンバーのおひとり、ベースの中村真一さんがお亡くなりになり、『The Beat Goes on』と銘打った追悼コンサートが青山のCayで催された。45v四人囃子のメンバーが弔辞を述べ…50追悼の演奏が贈られた。
坂下さん、森園さん、大二さんの四人囃子メンバーに加え、安全バンドの長沢ヒロさん、それにCharさんや金子マリさんが加わり「空と雲」他を演奏して中村さんに弔意を示した。60その後、NATALのビジネスがスタートし、大二さんにお使い頂くようになると、坂下さんの演奏に接する機会が増えることになった。
コレは稲葉政裕さんと山崎洋さんと組んだ「稲葉囃子」。70メンバーは異なれど、オリジナル・メンバーがオリジナル通りに演奏する姿を拝見するのはとてもうれしかった。
この時だったかナァ~、坂下さんがお話になった「自動操縦」の話がメチャクチャ面白かった。
「自動操縦」というのは「寝ながら演奏する」こと。
これ以上は書かない。80vそして、2016年3月6日。
イギリスからMarshall社の社長を招き、東京キネマ倶楽部で第1回目の『Marshall GALA』を開催。
私は1人でも多くの人に四人囃子の音楽を素晴らしさを伝えようと、稲葉囃子にトリでの出演をお願いした。90このコンサートからほどなくして、とてもうれしいことが起こった。
今は無き赤坂BLITZでのこと。
Marshall GALAに出演した稲葉囃子ではない他のミュージシャンを観に来てくれた若い女性が、私を見つけて声をかけてくれたのだ。
「Marshall GALAはとても楽しかったです。特に最後に出たバンドがすごくよくて、あんな素晴らしい音楽があったなんて知りませんでした!」
我が意を得たり…正直、とてもうれしかった。
「機械仕掛けのラム」、「なすのちゃわんやき」、「一触即発」と3曲だけの短い持ち時間ではあったが、良質な素材と坂下さんたちの熱演が多くの観客の心を大きく揺さぶったのだった。100v打ち上げ時のようす。
楽しかったナァ~。
ん?坂下さんだけグラスを持っているのはナゼだ?110クレイジーケンバンドの小野瀬雅生さんとのスピンオフ四人囃子にもお邪魔した。120バンドのフォーマットがどうあれ、黙々と、そして着実に四人囃子のキーボーズ・サウンドを繰り出す坂下さんの存在感は大きかった。130v2018年7月には名古屋のボトムラインへ飛んだ。
今度は根本要さんと西山毅さんと組んだ「スピンオフ四人囃子」だ。140この時も誠実感極まりない演奏で坂下さんは観客を魅了した。150公演は大成功!
超満員のお客さんは、皆満面の笑みを浮かべていらっしゃった。160DVD『Fullhouse Matinee 』のリリースを記念して、名古屋の時の反省会を兼ねて「スピンオフ四人囃子のスピン」なんてこともやった。
大二さんが「四人囃子の名前を守って行きたい」みたいな発言をすると、坂下さんはそれを受けて「守るんじゃなくて、攻めなきゃダメ!」なんておっしゃっていたのにナァ…。1702019年11月9日、再び稲葉と山下さんを迎えて『Marshall GALA2』のトリをお引き受け頂いた。
この時は「稲葉囃子」ではなく「スピンオフ四人囃子#1」という名義で、自分の企画したイベントに「四人囃子」という名前が組み込まれたのがうれしかったナァ。190思えばこの時拝見した坂下さんの演奏が最後になってしまった。
そんなこと、この時は全く思いもよらなかった。
『Marshall GALA2』の後、年が明けてしばらくするとコロナ禍に突入。
延期を余儀なくされ、ようやく2022年3月3日に六本木のEXシアターで開催された東京でのスピンオフ四人囃子のステージに坂下さんの姿はなかった。
寂しかった。
200こうして坂下さんとは何度もご一緒させて頂いたのだが、ドップリおしゃべりをしたことが一度もなかった。
だからココにナニか坂下さんとの個人的な思い出を書き記すことはできない。
でも、私には何度も拝見した坂下さんの素晴らしい演奏の思い出がタップリ詰め込まれているのだ。210私は仕事で四人囃子のことをMarshallに説明する時、今でも毎回誇りを持って「日本のロックのパイオニア」とか「イノベーター」と紹介している。
間違いではあるまい。
そんなバンドのサウンドの要だった坂下さんのご逝去は日本のロックに大きな損失を与えることになる。
しかし…220s今、タマタマ『一触即発』と『ゴールデン・ピクニックス』のジャケットをココに挙げているが、
日本のロックの歴史に残る数々の四人囃子の名作を通じていつまでも音楽ファンの心の中で坂下さんは生き続けることは間違いない。

230s坂下さん、色々とお世話になりました。
安らかにお休みください。240v

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2022年7月28日 (木)

Marshall60周年記念グッズ・コレクション~ミニ・リマスタード(Marshallエディション)

 
言葉の感覚からして果たしてコレを「グッズ」と呼んでいいのかどうか…。
チョット前にMarshallの創業60周年を記念するグッズを紹介したけど、今度は車!
 
ところで、SNSに上がってくる広告に「オフィシャル」と平気で表示してフルスタックのミニチュアを売っているのを見かけるが、Marshall社が公式にリリースしている「60周年記念グッズ」はココで紹介しているモノだけです。↓      ↓      ↓
Marshall60周年記念グッズ・コレクション~ダイヤモンド ・ジュビリーの大脱線添え
他に出回っている記念グッズは全て非公式ですので要注意。
  
このMarshall Blogは、書いているのは私だけど、イギリスのMarshall社が運営している「オフィシャル」のブログですので安心してご覧くださいましね。5goods_group さて、円安と航空券の高騰で行きたいけどとてもじゃないけど行かれないイギリス。
写真を見て無念を抑え込むしかない日々が続きそう…。
ということで、Marshallの本社/工場の写真を引っ張り出す。
ココから歩いて10分もかからないぐらいのところにあるのが…Img_0631 Marshall ARENA。
2019年6月、『Marshall Live』というイベントでD_Driveがココのステージに立った。
その時のレポートはコチラ03ナニやらその前で黒いベールを取り外している女性が…。
♪タラ~ン!
05出て来たのは、いわゆる「ミニ」。
「Marshall edition by David Brown Automotive」というMarshallとMini Remasteredのコラボレーション・カー。
David Brownはこのミニを作っていた会社。
スゴイねこの車、1959年から2000年まで一度もモデルチェンジをしなかったとか…まるで1959じゃん!
50そして「Marshallと車」で思い出すのはMarshallの創立40周年。
この時は「1962JAG Limited Edition」と名付けて、Bulesbreakerの40周年記念バージョンを製造した。
20「JAG」というのは、Marshallからさほど遠くないコベントリーに工場を持つ車の名門ブランド「Jaguar」のこと。
日本では「ジャガー」と呼んでいるけど、向こうの人はハッキリと「ジャギュア」と発音しますな。
この白いカバリングは、実際のジャギュアのシートに使われているものを使用。
だからフロント・パネルには「Jaguar」のシンボルが刻印されていた。40回路はハンドワイアード。
シャシから何から金属部分は金ピカの仕様。
Celestionとの共同作業でスピーカーも1962が発売された1965年当時のモノを忠実に再現した。
それはそれは見事なモノでしたよ。
世界限定40台。
今ほど盛んではなかったインターネットで世界から希望を募り、抽選で販売した。
日本からも申し込んだ方がいらっしゃって、見事抽選に当たって1台だけ輸入された。
かなり高価な商品であったが、Marshallはその売り上げで楽器を買い、恵まれない子供たちに寄付した。
この時から20年…私もいい加減Marshallの中でも古株になるわナァ。30そして、2022年。
前回は「車のMarshall」だったけど、今度は反対に「Marshallの車」を作っちゃったというワケ。
黒と金のコントラストが思いっきりMarshall感を引き立てているね。60前はこんな感じ。
Marshall曰く「車と音楽はアンプとギターのようなもの。だとしたら、ミニ・リマスタードとMarshallの組み合わせ以上にロックなコラボレーションはあり得ないでしょう?」
70運転席に座ってみる。90おお、このペダルは素晴らしい!
アクセルが「プレイ」。
ブレーキが「ポーズ」。
クラッチが「早送り」。
しかし、クラッチ・ペダルなんてもう何年踏んでないかナァ?95クラッチ・ペダルが付いているということは…マニュアルなんだ?
Marshallに行くと現地の従業員のプライベート・カーに乗せてもらうことがよくあるんだけど、いまだにマニュアルの車が多いんだよね。
こんなのを見ると、タマにはクラッチのひとつも切ってみたくなるナァ。
調べてみると日本のオートマチック車の普及率って98.6%なんだって。 100 後ろの席はこう。
110運転席のスイッチ・パネル。
やたらスッキリしてる。120コレはダッシュボードを開けたところ。135横はこう。136コレは右側だな?
この「黒地に金文字」というMarshallのイメージ・カラーはジムがパブの看板からヒントを得たのではないか?と私は思っているんだけど、考えてみるとこのコーディネーションって日本人には大変馴染みの深いモノなんだよね。
仏壇でお線香をあげる時に目に入るでしょ?…つまりアレです。137ホイールのデザイン。
あ、コレはスピーカーのコーン風にして欲しかった。138給油タンクは「DAVID BROWN AUTOMOTIVE」のロゴが彫り込まれたブラック・クローム仕様。
205ドアを開けると…1392ウェイのスピーカーが搭載されている。139_2後ろはこんな感じ。140開けると…どうなってんだ、コリャ?
DSL1Cがすっぽり入っているようだ。
ミニの燃料計とかラジエーターの温度計とか、ココに付いてんの?15060台限定生産。
「1」のところにはシリアル・ナンバーが入るのだろう。155エンジン・ルームのようす。160前はこうなってる。190自慢の「DAVID BROWN」バッジ。200コレはオマケか?
フタの裏には「Coachbuilding for THE 21ST CENTURY」と書いてある。
「coach」とは四輪の大きな馬車のこと。
ちなみにジョンフォードの『駅馬車』の原題は『Stagecoarch』という。
現在では「Coachbuilding」で「自動車生産」という意味になる。
210「DAVID BROWN」とMarshallのスクリプト・ロゴが彫り込まれたゴールドのキーホルダー。220DAVID BROWN AUTOMOTIVEのウェブサイトには他のMarshallな仕様を説明しているので興味のある方はコチラ
 ↓ ↓ ↓
DAVID BROWN AUTOMOTIVE Marshall Edition特設ウェブサイト

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「AUTOMOTIVE」とくれば「DYNAMOTIVE」!ということで…
□■□Marshall Recordsからのお知らせ■□■Marshall_records_logo_square_blac_2  
先頃、2作目の世界発売アルバム『DYNAMOTIVE』のリリースを発表したD_Drive。
先行して配信リリースした「I Remember The Town」に続いて7月29日に第2弾先行シングル「Wings」を配信リリースします!
すでにD_Driveのステージでは頻繁に取り上げられているYukiちゃん作の人気曲。
お引き立てのほどよろしくお願いします。
詳しい情報は発売日にMarshall Blogからお届けします。
126v そして、そのセカンド・アルバム『DYNAMOTIVE』。
我がMarshall Music Store Japanからは輸入盤を販売致します。
コチラも方もよろしくお願い申し上げます!
尚、帯とブックレットが付属した国内盤はD_Driveのライブ会場での限定販売となります。53000x3000Marshall Music Store Japanはコチラ
  ↓   ↓   ↓
Marshall Music Store Japan

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2022年7月19日 (火)

simoが初のオフィシャル音源「Pinky」をリリース!~レコーディング探訪記


ギタリスト、関雅樹率いる腕利きカルテット「simo(シモ)」。
ギターだけでなくキーボーズもベースもMarshallで鳴らして、ドラムスはNATALという「Marshallづくしライブ」なんてことをして頂いている。
まるで昔のディープ・パープルのようだ。
「関」の「s」、「石井」の「i」、「宮野」の「m」、「岡井」の「o」で「simo」というワケなのだが、チームの黎明期には「関4」なんて、それこそ昔の六本木ピットインの「昼の部」のスケジュール表で見かけそうな名前でやっていた。
このチーム、その時代から数えると結構長いキャリアを誇っているのだが、残念ながら正式な音源を制作していなかった。
05そこで、「機は熟した」と一念発起してレコーディングに臨むことになった。
よしよし。
となると、当然レコーディングの様子をMarshall Blogでレポートさせてもらうことになるでしょう?
関ちゃんにスタジオの場所を問い合わせると、メールで「瀬谷の烏賊舌音響」と案内してくれた。
「烏賊舌音響」…スゴイ字面だなと、一瞬ギョっとしてしまった。
でもよく見ると…「イカ」に「シタ」。
ハハハ、「イカした音響」か!
こういうのはいいな。
…というワケで生まれて初めて横浜の「瀬谷」なる所へ行って来た。10お邪魔してみると、すごくアットホーム感じのステキなスタジオだ。
まずはセッティング。20大二さん自ら愛用のNATALのキットを組み立てて頂いているところ。30メンバーは、(左から)岡井大二、関雅樹、宮野和也、そして石井為人。
順番が「osmi」になっているけど、コレが「simo」。40関ちゃんが持ち込んだMarshall。
上段のヘッドがSTUDIO VINTAGE SV20H。
その下がJCM800の1959。
50v最近導入したSV20H。
大変なお気に召しようで、関ちゃんはいつもリンクして使っている。60SV20Hをつないでいるキャビネットは、こちらも最近導入してくれた1974CX。
ハンドワイアードの18Wコンボ、1974X用の1x12"エクステンション・キャビネット。
1974は三角形のデザインで知られるWatkinsの「Dominator」というアンプが18Wだったことに目をつけたMarshallが、パブ等の大きな出力を必要としない場所で使用するモデルとして開発された。
そんなだから元々エクステンション・スピーカーは存在しておらず、1974Xをはじめとしたハンドワイアード・シリーズをスタートする時に初めて生産された。701959をつないでいるキャビネットは2x12"の1922。
コレはJCM900時代のコンボ用のエクステンション・キャビネットだった。
80足元のようす。90一方、大二さんのNATALは愛用のバーチ。
フィニッシュはグロス・バーガンディ。
31のアイスクリームの「バーガンディ・チェリー」って美味しいな。100そしてスネア・ドラム各種。
 
コレはキット付属のスネア。110メイプルの12"x5.5"。120もうひとつはステイヴ・スネア。
「Stave(ステイヴ)」とは「桶」のこと。
温泉場の風呂桶のように、木材をタテに組み合わせた構造。
コレがおっそろしくパンチの利いたウォームなサウンドをクリエイトしてくれる。
残念ながらもうNATALでは生産していない。130そして、Cafe Racerの18"のバス・ドラム。
曲によってはこの小口径のバスドラムを使用するという寸法だ。140まずは打ち合わせ。
「エ~と、今日の予定は…」なんてやっているところ。150まずは数曲、リズム・セクションだけのレコーディングに取り掛かった。160'みやん'と…0r4a0277大二さんの2人がスタジオに入って他の録音済のトラックを聴きながらプレイ。170vミキシング・ルームでは鬼プロデューサーが厳しくディレクションする…
190そうでもないか。
「いい感じ~!」ってな具合。
200こうしていくつかテイクを重ねる。0r4a0280

180そして、都度プレイバックを聴いては演奏の内容を細かくチェックする。210私なんかだいたいこのあたりでナニがいいんだか、ナニが気に入らないのかがサッパリわからなくなって飽きて来ちゃう。
220こういう人たちはこうした作業を呆れるぐらい繰り返してもケロっとしているのだから恐れ入る。
だって飽きちゃうじゃん?同じ曲ばっかりで!
私なんぞはとてもミュージシャンになれません。0r4a0202 学校の先生でもラーメン屋でもそうなんだけど、「同じことを同じように何度でも繰り返しすることができる」のがプロの定義のひとつだと私は思っている。
私はミュージシャンは無理だっただけど、「Marshall Blogのプロ」でいたいとは思っているのです。
360今度はメンバー全員がスタジオに入る。240鬼プロデューサーに徹していた(だから「鬼」じゃない!)関ちゃんもギターを手にして自在に弾きまくる。250simoのライブ・ステージメンバーが持ち寄ったオリジナル曲を演奏しているが、この日録音したのはすべて関ちゃんの作品。260vファンキーな「K.T. Street」他、すでにライブでは頻繁に演奏している曲だ。270vそんな状態でのレコーディングだったので演奏はスイスイだ。280皆さんムズカシイ顔して演奏しているけど、曲はどれも耳に親しみやすいインスト・ナンバーだ。290vそして、プレイバックを聴いてチェック。300また演奏。
コレの繰り返し。310そして、この日の最後に7月16日にリリースした今回のレコーディング・セッションのリード・チューン「Pinky」を吹き込んだ。
385s大二さんはバスドラムを例の18"のCafe Racerに交換。
320音数を抑えた関ちゃんが弾くテーマ・メロディが印象的だ。330いつも通りの為人さんの密度の濃いソロ!
お、今度為人さんにお会いした時に「白鶴」のお話をするのを忘れないようにしなきゃ!340vそんな演奏を'みやん'が奏でる低音でグッと引き締める。350v念願のレコーディングで関ちゃんも楽しそうにプレイしていた。0r4a0266 終了後はレコーディングの時のスタッフの皆さんと記念撮影。380このレコーディングの様子を収録して制作した「烏賊舌ビデオ」がコレ。
音源のPRビデオ。

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この日にレコーディングした他の曲も9月中にアルバムという形でリリースする予定なのでお楽しみに!
Simoba_2
 
Apple Musicはコチラ⇒Apple Music


さらに、simoは前回好評だった「Marshallづくしライブ」を8月5日に予定しているので、是非ご参集くださいまし。

simoの詳しい情報はコチラ⇒Seiki's Web

400 

200 (一部敬称略 2022年4月 横浜市瀬谷 烏賊舌音響にて撮影)