Marshall60周年記念グッズ・コレクション~ダイヤモンド ・ジュビリーの大脱線添え
先日、Marshallの60周年を記念するイベント『Marshall Hootie(マーシャル・フーティ―)』が来る5月6日にロンドンで開催される旨のレポートを掲載した。
正式に私も招待はされたものの、マァ、こんなご時世なので残念だけど「自粛」をキメ込んでいた。
しかし、Marshallの40周年と50周年の両方の記念行事に参加している日本人は自分1人しかいない…ということに気づいてしまった(エヘン!)。
となると、「焼けぼっくいに火がついた」か、「惚れて通えば千里も一里」か、俄然Marshallの30年にわたる記念式典参加のグランド・スラムを達成したくなってしまった!
家内のひと押しもあって、思い立ったが吉日…まずは航空券をゲットすることにした。
さっそくいつも利用している全日空に当たってみる。
オイオイ!…ウクライナ危機のせいで、ヒースロー行きの直行便が飛んでないじゃないの!
しからば経由便は?
ナニナニ、フランクフルト経由でヒースローまで22時間ッ?
ブリュッセルとフランクフルトの2か所を経由して32時間ッ?
ヤダよ、そんなの!とてもじゃないけど腰がもたんわ!
しからば、日本航空はどうじゃろな?…お、直行便があるってよ!
して…そのお値段は…ゲゲゲッ!
いつもの倍以上だよ!
…ということで一気にグランド・スラム達成の情熱が消え失せてしまったのでした。
ホントはMarshall Studioとか見て来たかったんだけどネェ。さて、Marshallの還暦。
ナンダカンダ言っていち楽器メーカーが60年の風雪に耐えるなんてのはスゴイことですよ。
Marshallはギブソンやフェンダーよりも後発だけど、一度も会社を売り渡したことがないのね。
そこがまたスゴイところなんですよ。
ついでに言うと、やっぱり1959を持っているというところもスゴイ。
残念ながら今は日本では販売を休止しているけど、世界では1965年以来間断なく流通し続けている。
しかも、ほぼ原形のままというのがスゴイ。
ストラトキャスターやレスポールが形を変えないのは理解できる。
身体にひっつけて使うモノだからね。
その点、「楽器」とは言ってもギター・アンプは「機械」でなので、見た目を除けば形は機能に関係ない。
しかし、音だけでなく形も60年近く変わっていないのは、それだけ最初から完成されたアイテムだということなのね。
他にそんなに長い間変わらない商品というと…龍角散、浅田飴、正露丸なんてのがすぐに頭に浮かぶけど、不思議と全部クスリだな。…とよろこぶのはまだ早い。
「会社を売らずして長い間生きながらえている楽器ブランド」ということなら、シンバルのジルジャンにかなう者はいないだろう。
何しろ1623年の創業だから来年でナント400周年だぜ!
そもそも「Zildjian」というのはトルコの言葉で「シンバルを作る人」という意味だ(ったと記憶している)。
ちなみにジルジャン創業のちょうど300年後にジム・マーシャルが生まれているのはオモシロイ符合ではあるまいか?
だから来年は「ジム・マーシャル生誕100年」に当たる。
で、そのジルジャン、1998年に「375周年」という記念行事を執り行った。
「375?」…エラくハンパだな~、とその時は思ったのだが、後になって思いついたのが向こうの人たちの「25」の感覚。
いわゆる「クォーター」ですな。
向こうの人はサッパリしてるから「ハーフ」か「クォーター」か「ダズン」で片づけちゃう。このたびMarshallが迎える「60周年」。
25周年は「Silver Jubilee(シルバー・ジュビリー)」、50周年に「Gold Jubilee(ゴールド・ジュビリー)」と来て、60周年は「Diamond Jubilee(ダイヤモンド・ジュビリー)」となる。
もちろんコレはMarshallが勝手に「ダイヤモンド」を選んでだワケではなくて、そういうことになってる。
そもそもこの「Jubilee(ジュビリー)」というモノの発祥はユダヤ教で、25年と50年にお祝いをする慣習があるのだそうだ。
したがって、次のジュビリーは75周年になるのが普通。
じゃ、ナンで「60周年」が「ダイヤモンド・ジュビリー」なのよ?ということになるわな。
コレもまたイギリスの身勝手なふるまいが元になっている。
というのは、1897年にビクトリア女王が78歳にして在位60周年を迎え、おそらく周囲の人たちが「75周年まではとてももたない」と判断したのかどうかは知らないが、とにかく60周年を「ダイヤモンド・ジュビリー」として祝ってしまった。
そこからモノゴトの60周年を「Diamond Jubilee」と呼ぶことになったそうだ。
しからば75周年はどうなるのか?というと…75周年も「Diamond Jubilee」なんだって。
でも70年は「プラチナ・ジュビリー」ってのがあるらしい。
もうグチャグチャ。やっぱり「在位60年」ってスゴイからね。
翻って日本のロイヤル・ファミリーはどうかと言うと、もちろん最長は昭和天皇で62年。
明治天皇の45年がそれに続き、第3位は1780年に即位した光格天皇。
ココまで調べるとどうしてもチェックしてみたくなるのが15人の将軍さま。
コレ、オモシロイことに歴代徳川将軍の中で最も在位が長かったのは光格天皇と同じ時代の第11代徳川家斉なんだよね。
この人は天明、寛政、享和、文化、文政、天保と6つの元号を経験した。
昔は天皇が変わらなくても、世の中がアンハッピーになったりすると験を担いてコロっと元号を変えていたりしたからね。
ついでに書くとこの家斉、徳川家の「ビッグ・ダディ」の異名を取り、約40人いた妾のウチの16人に子供を産ませ、55歳になるまでの間に28男27女の計55人をもうけたという。
イギリスに戻って…
エリザベス女王はそのビクトリア女王の在位期間の記録を10年前にサラリと塗り替え、今年70年を迎える。
つまり「プラチナ・ジュビリー」。
そのお祝いにイギリスは6月の初旬に4日間の「バンク・ホリデー(銀行を休みにして国民全体が休んじゃう日)」を設けるのだそうだ。私は幸運にも10年前の「ダイヤモンド・ジュビリー」の祭典の時にロンドンに居合わせたが、それはそれは盛大だった。
今回はコロナにウクライナという環境でどうなるのだろうか?
またMarshall。
25年、30年、40年、45年、50年と、5年あるいは10周年の節目で記念のモデルを発表してきたMarshallだが、残念ながらこの60周年はコロナのせいで記念モデルの製造が思うようにいかなかった。
そこで代わりと言ってはナンだが、60周年の記念グッズを色々製作したので、今日はそれらを紹介させて頂く。
60th Anniversary Factory Work Shirt
ワーク・シャツシャツとして着てもよし、ジャケットとして着てもよし。
工場のアンプ・ビルダーのために作ったモノとされているので頑丈なのが特徴。前身頃には3つのポケットがついている。
ひとつは左胸に。
黒のスクエア・ロゴの刺繍入り。下の方にもポケットが2ケついていて、「MARSHALL AMPLIFICATION PLC」と「DENBIGH ROAD BLETCHLEY MK1 1DQ」という刺繍が施されている。
「PLC」というのは「Private Limited Company」。
「Denbigh('デンビー'と読みます)~」はMarshallの本社/工場の住所。
コレを着ていれば迷子になった時に安心だ。
ボタンは「Bespoke(ビスポーク)」と謳っている。
「bespoke」というのはイギリスの英語で「カスタムメイド」ということ。後ろ見頃。
ナゼか写真には写っていないが、後ろ襟の下には「DIAMOND JUBILEE」のロゴが入っているようだ(未確認)。
60th Anniversary Vintage T-Shirt
Tシャツ
ま、Tシャツは欠かせんわね。
この60周年のロゴをあしらっただけのシンプルなデザイン。
黒のみ。
ナンダカンダ言ってコレが一番いいのよ。前は小さく…
後ろ大きく。
60th Anniversary Satin Bomber Jacket
サテン・ボマー・ジャケット「ボマー・ジャケット」とは、米軍のパイロットが着用していた「フライト・ジャケット」の1つ。
ボマーとは「爆撃機」の意味。
「B-29」の「B」ね。
第二次世界大戦中のアメリカ軍の爆撃機乗務員が着ていた革のジャンパーが「ボマー・ジャケット」。
凍結時の動作を容易にするために、後に素材が革製からナイロンに変更された、
別名「MA-1」…コレ、緑色のヤツが一時エラく流行ったよね?
ジム・マーシャルは生前、数えきれないほどのボマー・ジャケットを着たそうだ。コレもそうかな?
背中には金色のスクリプト・ロゴと「60YEARS」の文字が入っている。
えりがスゴイ。
ナンとレヴァント・カバリングの生地が採用されて入れて、そこにも「60」ロゴが!
そうだ、「カバリング」で思い出した。
最近、私がMarshall Blogでやっているように、ライブのレポートや、ミュージシャンが使用している機材を紹介するウェブサイトを知った。
そこにはありがたいことにMarshallも紹介してくれているんだけど、赤いカバリングのヘッドを指して正々堂々と「赤いトーレックス」と書いているんだな。
オイオイ、失礼だろうが。
まさかその筆者がMarshall Blogを読んでいるとも思わないし、きっと「ト―レックス」という言葉が「アンプの外皮」を意味する最も普遍性の高い単語だと思っているんだろう。
しかし、こちとらMarshallの本家がアンプの外側に貼ってある皮のことを固有名詞的に「カバリング」と呼んでいるんだから、Marshallについて言及する時は合わせて欲しいもんだわ。
一般の人はいいよ、でも公の文章においてこうした無神経なふるまいを目にするのは、同じことをやっている者として恥ずかしいな。
私も知らない間にやらかしているかも知れないけど、少なくとも十分に配慮はしているつもり。
胸にも当然「60」ロゴ。
あ…ここまでコレを「ロゴ」って呼んできたけど、Marshallが「バッジ」と呼んでいるので、以降は「バッジ」という言葉を使うことにしますね。
ポケットの玉縁(たまぶち)もレバント地のカバリング素材が採用されていて、ゴールド・パイピングを模したラインが施されている。
※アタシャお裁縫のことなんて丸っきり知らないし、上にあんなことを書いてしまったので、コレを機に調べてみた。
このポケットのヘリのように布の裁ち目に別布をつけて細く縁どったモノを「玉縁」というらしい。違っていたらゴメンなさい。おお!
ジッパーのスライダー(←コレも調べた)はノブのトップと同じデザインだ!
凝ってるじゃないの!
60th Anniversary Polo Shirt
ポロ・シャツ
ポロはいいね。
Tシャツが似合わなくなってきた私のような輩にはもってこいだ。胸には金の糸の刺繍でスクリプト・ロゴがあしらってある。
背面はエリのすぐ下に「60」のバッジ。
コレはゴールドのプリント。
エリのゴールドのラインもパイピングのイメージだろう。
このボタンもビスポークだそうだ。コレは欲しいな…。
60th Anniversary Hoodie
フーディ
ハイ、出ましたフーディ。
イギリスでは「パーカー」と呼びません。
フードがついているから「フーディー」。
もうMarshall Blogで何度も書いてきたけど、イギリス人にとっては上着であり、雨具でもある、大変に重要なお召し物。
スッポリと被るタイプではなく、このようにジッパーで開閉するタイプのデザインを「Zip-Through Hoodie(ジップ・スルー・フーディー)」と呼ぶようだ。
フーディーの「60」バッジは右ポケットの下にさりげなく付いてるよ。
フードの閉まり具合を調節するヒモの先端の金色の留め具もノブのイメージかな?
ジッパーのスライダーには「Marshall」のスクリプト・ロゴ。
コレも欲しいな…。
60th Anniversary Tote Bag
トート・バッグ
結構大きめのトート・バッグ。
『Marshall GALA2』の時のヤツよりだいぶ大きいな。ダイアモンド・シェイプの大胆なデザイン。
向かって左上には「60」バッジが縫い付けられている。
コレも売れそうだナ。
60th Anniversary Enamel Pin
ピン・バッジ
海外はピン・バッジ蒐集の趣味が盛んだからね、何かというとすぐに記念バッジを作りますな。
日本は缶バッジか?
黒と金のMarshallカラー・コーディネーションがゴージャスだ。
Marshallの説明によれば、このピン・バッジは大変頑丈に作られていて、キズにも強いそうだ。
だから次の60周年の時までもつそうです。
私はこの世にいないので責任は持てません。
60th Anniversary Guitar Pick
ピック
まぁ、ピックは人それぞれ使い慣れているモノがあるからネェ。
ヘタをすると、中身よりもこの缶の入れ物の方が目当てになったりして…。
ピックを入れるもよし、ハッカを入れるもよし。A面はスクリプト・ロゴのデザイン。
B面は「60」バッジのデザインが施されている。
60th Anniversary Stickers
ステッカー最後はステッカー。
「60」バッジから…
ジムやブロック・ロゴまでバラエティに富んだ内容だ。
ギター・ケースに、ラップトップに、スケートボードに…カッコよく貼ってくれって。