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2021年12月 1日 (水)

REACTION~FAREWELL 2 days : Last Night <前編>

 
別れを告げる際の英語表現にはたくさんのパターンがある。
その中で「三大さよなら」といえば「Good-bye」、「So long」そして「Farewell」ということになろうか?
結局、外人と別れる時には「Good-bye!」とか「Bye-bye!」とかで済ませてしまうことが常なので、それぞれの表現の間にどういう違いがあるのか考えたこともなかった。
そこで調べてみた。
「Good-bye」は「God be with you」を省略した表現で、「さようなら!」、「じゃあね!」、「またね!」といかなるシチュエーションでも使える「さよならの王者」。
「Bye-bye」も同様。
「ターター」なんて幼児表現もよく聞くよね。
次に「So long」…コレは「Good-bye」と同じ。
再び会うことを前提としている表現。
でもコレ、言われたことも言ったこともないナァ。
イギリス人は使わないのかな?
ところが、古いアメリカ映画を観ているとコレがバンバン出て来て「グッバイ」なんて全然言わない。
今では使われなくなっているのかも知れない。
そして、今日の主役「Frawell」。
コレは「Fare(暮らす)」と「well(上手に)」を足した合成語で、「しっかりやっていきなさい」というニュアンスを持っているらしい。
日本語の挨拶にしたら「ごきげんよう」とか「さらば」に近く、現在の英語圏では古い表現とされているようだ。
そういえばヘミングウェイの『武器よさらば』の原題は『A Farewll to Arms』だったわ。
コレ、Farewellに冠詞が付いているところがオモシロイ。
コレは「武器」に対する「さらば!」という挨拶ではなくて、「別れの言葉」を意味する名詞なんですね。Fta そしてココから強引にREACTIONの『Farewell』に持って来る。
今日は『LAST NIGHT』と銘打ったREACTIONの最後のワンマン・コンサートのレポートをお送りする。10会場となったのはこの日の35年前の前日にメジャー・デビューコンサートを開催した目黒鹿鳴館。
1986年のことだから、私は富山の下宿でひとり寂しく自分のお誕生会をやっていた…かどうかは覚えていない。
たぶん同じ頃、仕事先の方と「きときとの魚」を食べながら「銀盤」をか「立山」をあおっていたことだろう。
 
ロビーには本公演の開催への祝い花が届けられた。20v_2お、SUPER BLOODからも来てる!30v_2首を長くして開演を待ちわびる熱心なファンを飲み込んだ場内。
熱気ムンムン!40コレがREACTIONの「ラスト・アルバム」と謳って今年7月にリリースされたCD『Farewell』。
3つの未発表曲を収録した力作だ。35cdそして定刻にショウがスタート!0r4a0177 木村直樹60v_2本間大嗣70v小松優也80vそして、反町YUKI哲之90vオープニングは1984年、インディーズ時代のシングル「Joy Ride」。100_jrドワ~!堰を切ったように押し寄せる音の洪水!
「Joy ride」とは「早急で無謀な行為」という意味だが、まさにそんな感じの暴れ具合!S41a0020 ギター・ソロ!
イケッ、優也~!

120vもちろん優也くんはMarshall。
最近はいつもJCM800 2203を愛用しているが、今日は向かって左のJCM2000 DSL100を使用。130足元のようす。
ディストーション、コーラス、ワウワウ・ペダルにチューナー…無造作に置かれたアタッチメントが古式ゆかしくてよろしいな~。
Marshallがありさえすればコレ十分なんだよ、ロックは。
140続けて『Farewell』にも収録されている「Don't Stop」。150_ds心地よいハードなビートからむ親しみやすいメロディが魅力の1曲。160vココでもリフにソロにと優也くんのギターが大活躍だ!170こうして、まずはガツンと2曲ブチかましてくれた!180「こんばんは!
元気だね…うれしいねぇ。
こういう状況って久々だよね。
マスクはしてますか?ルールはちゃんと守って下さいね。
規則や規律は大切なんです。
清水~!」
190vココでキーボーズの清水賢治が加わる。200v「次はウチには無かった曲…ナオキが入った頃の5期の曲だね。
シャレオツな感じ?…サラっとした曲です」

S41a0154 コレも『Farewell』で初めて音源として収録された「幻」。
210_mbYUKIさんと…220本間さんのイキが完璧に合ったストレートなエイトビート・ナンバー。220vこの曲も親しみやすいメロディがハードな曲調とうまい具合に組み合わさった力作だ。230vおなじみのギターに持ち替えた優也くん。
ワウを使って存在感のあるフレーズを紡ぎ出す。240v続けて、本間さんのドラムスから始まるのは「Eternal」。

250_etステージの中央で華麗なポーズを決めながらオシャレにシャウトする直樹さん。
今日の皆さんはなんやかんやで過去にMarshall Blogにご登場頂いていて、初登場は直樹さんだけかと思っていたら…ゴメンなさい!
チョット前にOZMAさんのTHE LOVEROCK VIOLENTというチームでご登場頂いていたんだ!
あの時はギターを弾きながらだったので今回のお姿とゼンゼン結びつかなかった。
そうそう、「Loverock」ではなくて「Lovelock」という友達がMarshallにいる…なんてことを書いたのを思い出した。260vちなみにこのザック・ワイルドとガンの飛ばしあいをしている赤ちゃんが「コニー・ラヴロック」ちゃん。
コレは10年前の写真なので今はとてもカワイイ立派なレディになっている。7img_8100Low-Dにチューニングしたギターがココでもヘヴィに鳴り響く。
やっぱりMarshallとレスポール・モデルのサウンドは無敵だ!270v「Yasuヤスの(写真の)方を向いて弾いたらウルッときちゃった。
次はチョット前の曲。'チョット前'っていう言い方もないよな。
アルバムで言うと3枚目…ん、3枚目?
もうわからないのよ。
『You Got me Burning』って何枚目に入ってるの?」
お客さん「4枚目~!」
「4枚目?みんなよく知ってるね~。
4枚目ってなぁ~に?…あ、『REACTION』?7s41a0302 そんなね、出来上がったら聴かないんですよ、自分のアルバムって。
作り終わると『別れたら次の人』…みたいな感じで。
次の事を考え出してしまうんで、終わったアルバムは忘れちゃうんですよ」
お客さん「捨てないで~!」
「ハイ!頑張ります!覚えておきます!
いいメロディを作り始めた時期と言いますか、作曲家になってきた時期じゃないかと思っているんですけど…オレは。
ステキなメロディーの曲です」280ということで…1988年2月21日リリースのREACTION4枚目のアルバム『REACTION』から「You Got me Burning」。290_ygmb優也くんがギターがソリッドに切り込んで来る!
S41a0319前日の『Acoustic Night』にも出演した清水さん。
この日も4曲に参加して好サポートを見せてくれた。S41a0315 爺たんはベースやMCだけでなくコーラスでも大活躍。
あ、「爺たん」だなんてゴメンなさい!
facebookでYUKIさんとつながっている方はご存知でしょう。
YUKIさんのお孫さんがそう呼ぶもんだからつい…。
そのお孫さんがいつもニコニコしていてカワイイのなんのって!
この日も2階席から「ジータン、ジータン!」と始終応援していた、と近くにいたMarshall Blogのスクリプターを担当している私の家内から聞いた。
私はYUKIさんと同じ歳なんだけど、孫はまだ。
なのでfacebookに写真やビデオが投稿されるのをいつも楽しみにしているのです。
S41a0336 「♪You got me burning, you got me burning」のメロディがとても印象的。300v「前の前のイベントから約2年。
名古屋の時が一番感染拡大がひどい時で、札幌に住むギターの優也が出て来れなかった。
その時は東京や名古屋よりも札幌の方がヒドかったからね。
そんな状況で耐えて耐えて…ようやく久々に優也と一緒に演ります。
知ってる人もいると思いますが、REACTIONも何度か追悼ライブを演らせてもらっているんですけど、基本的にUMEちゃんやYASUやオレらに何らかの関係がある人にお願いしているのね。
ただ、優也は若手なんで関連性が無いと言えば無いんですよ。
でも知ってはいて、たまたま知り合いのライブを見に行ったら優也がソコにいて…。
若手でココまでレスポールを弾きこなせるヤツって最近いないんですよ。
ストラトはいるんだよな~…でも、ちゃんとレスポールを弾ける人がいない。
コイツは自分のギターをまんまと弾く。
かつ丁寧に弾く人…きれいな音を出す人。
オレから言わせるとYASUの音に近いんですよ」

340v「なんか、今、めっちゃプレッシャーが…振り返ったらヤバイですね」
350優也くんの後ろにはYASUさんお大きな写真が飾ってあるのだ!S41a0002 だから同じポーズを取っていたのね。
ファンの方はご存知であろうが、今日優也くんメインで使っているミラー・ボディのレスポール・モデルはYASUさんの形見。330v私も優也くんとは長くてね~。
ATOMIC TORNADOに加入して、東京に出て来て、アレがその最初のリハーサルだと聞いたように記憶しているが、今は無き沼袋の「サンクチュアリ」で会ったのが最初だった。
遅刻して来てね。
ギターを背負って白い紙袋を手にして現れたのを覚えている。
第一印象は何やらナマイキな感じがしたけど、ゼンゼンそんなことはなかった。
その頃の写真を探したんだけど、どうしても出て来なくて…と困って調べてみたら、それもそのハズ、優也くんがATOMIC TORNADOに加入したのは2005年のことで、その頃はマメに写真を撮ったりなんかしていなかった。
下は2017年に1回だけ再結成した時のATOMIC TORNADOライブのもよう。300_22007年にVintage Modernというモデルが発売になった。
優也くんはそれが日本に入ってくるやいなや即座に1台購入してくれた。
「こういうアンプをズッと待っていたんですよ!」
と言ってくれたのを今でも覚えている。
実際にいいアンプだったんだよ。
不幸にも時代の変化に翻弄されて短命に終わった気の毒なモデルだった。2466そして、ATOMIC TORNADOが解散して、自分でSAMURAI JADEというバンドを立ち上げた。
下はその頃の写真。
当時愛用していたそのVintage Modernと記念写真。40vこのバンド、すごくよかったのにアッという間にバラバラになっちゃったのは今考えてもとても残念なことだ。50それから優也くんとはしばらく没交渉になっていたんだけど、BLIND BIRDというバンドで再会。70私はこのバンドもすごく好きだったんだけど、優也くんは北海道に帰る決心をして脱退。
その後、フロントマンの直志さんが急逝してBLIND BIRDは解散を余儀なくされた。80v_2その北海道に帰る直前、2017年5月25日、優也くんの東京での最後の演奏となった「さよならライブ」。
シチュエーションは久保田陽子さんと本園太郎さんとの「アコギなトリオ」。
150しばらくは優也くんのギターを聴くとが出来なくなるだろう、と会場は満員。
ココで優也くんが名言を放った…「いつもこれぐらいお客さんが来てくれていればボクは北海道へ帰らなくてすんだんですよ!」
ん~、「それを言っちゃぁ」という気もするが、優也くんの無念が吐露された感動の瞬間だった。
以上が私の「小松優也物語」です。
 
ナンだってこんなことを書いたのかというと…YUKIさんなの。
「優也は若いけど、Marshallとレスポールを実にうまく使いこなすギタリスト。
Marshall Blogでもしっかりフィーチュアしてやってください」と何度か念押しされたのです。
この後進を思いやる気持ちがうれしいではないか!220vもちろん大事なMarshallファミリーのメンバーだからして遠慮なくこうしてフィーチュアさせて頂きますが、優也くんの最近の愛器はJCM800 2203。
聞くとYASUさんの愛用していたMarshallは同じモデルの50Wバージョン、2204だったという。
JCM800とレスポール…そんなところでもYUKIさんは優也くんをYASUさんに重ね合わせ、特別な感情を抱いているのであろう。
Marshallは来年で還暦。
やっぱり歴史あるブランドには素敵なストーリーが伴うというものだ。
ちなみに優也くんのところのボクちゃんも大変かわいい。

72203_2
「次はオレの苦手なバラード。
オレ…バラード嫌いです。
バラードって白玉(全音符のこと)が多いから弾いてるウチに、次に出す音を忘れちゃう。
歌ってるヤツだけが気持ちよさそうなんだよね。
でも、オレだって大人になってね…バラードも弾けるようになったんですよ。
そんなこんなで出来あがった素敵なバラードを演ります」7s41a0166_2MCでYUKIさんが紹介した通りココでガラっと雰囲気を変えてバラードを1曲。360_ktn直樹さんがジックリと歌い込んだのは「キミノタメニ」。

370vまったくバラードが苦手だなんていう風には見えませんでしたが…。380v「素敵なバラードですね。
オレの記憶では、次の曲はREACTIONで最初に作った曲だと思うんです。
吉祥寺のYASUの木造6畳、風呂なしのアパートでね。
音を出すと怒られちゃうから生でジャカジャカやりながら、YASUと『ああでもない、こうでもない』って言いながら作った曲です。
4曲くらい2人で作ったと思う。
『Lonesome Knight』、『Joy Ride』、『Dark Illusion』、『Lust』。
多分『Lust』が最初で、コレを作りながら色々と巻き込んでいった気がしてるんですよね。
この曲はアルバムに入ってますけど、ビクターのディレクターから曲が長いと。
ありがちなんですけどね。
今は言うことなんて聞かないですけど、当時は『ディレクターの言うことは聞かないといけない』と思って、言われた通りイントロ部分を全部カットした。
短くされてしまった。
オレとYASUは不本意だった…そのままやりたかった。
作った我々は全部あってナンボなんで…。
そのままチャンと録音したいな…っていうのがズットあったんです。
そんな思いで、今は自分でプロデュースして好きなようにできるんでね。
facebookで『録音して欲しい曲』を募ったことがあったんですが、やっぱりコレが多かったんですね。
『イントロ付きでやってください!』っていうのもありまして、自分としても希望通り演ることができました。
では、いきますかね」

390そうして晴れてイントロ付きで『Farewell』の8曲目に収録された「Lust」。
その問題のイントロは優也くんの泣きのギター。400v_lt私はミュージシャンではないけれど、今、D_DriveとMarshall Recordsの間に入ってプロデューサーの手下みたいな仕事をしているでしょ?
わかるんだわ~、両方の言い分が!
特に私の場合、相手がイギリス人で感覚が違うでしょ?
しかもロンドン生まれでロンドン育ち、すぐ隣に当たり前にLed ZeppekinやSladeがいた「ブリティッシュ・ロックの権化」みたいな連中とやりとりをするもんだから「フーム」と思わせられることが多い。
でも、ミュージシャンの気持ちや考えもよ~くわかる。
そして、こっちも大人しくダマっていられる性分ではない。
そこでいつも問題になるのが「曲の長さ」なんだよね。
Yukiさんが言う、その時のディレクターの思惑もよくわかるんです。410センチメンタルな「イントロ」から一転。
曲は爆発する。420v凄まじいパワーのドライビング・チューン!
こうして聴いてみるとやっぱりバンドの意向もレコード会社の意向もよくわかる。
結論…やっぱりイントロを付けましょう!
そんな「Lust」はアルバム『Farewell』で楽しむことができます。

430怒涛のパフォーマンスで前半を終了。
後半はゲストを迎えて一気にクライマックスに突入する。440<後編>につづく
 

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 200(一部敬称略 2021年11月21日 目黒鹿鳴館にて撮影)