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2015年10月29日 (木)

【Marshall Blog三周年記念スペシャル】 Jeff Beck Live in Japan 2015

昨日、Marshall Blogが三周年を迎えた旨の記事をアップしたところ、読者の皆様から思わぬ大きな反響を頂戴した。驚くほど多数の感謝や激励のお言葉である。
イエイエ、感謝しなければならないのは全くもって私の方でございまして…想像をはるかに超えて、こんなにもたくさんの皆様にMarshall Blogが可愛がられていようとは思わなんだ。
様々な形でお祝いや応援のお言葉を寄せてくださいました読者や関係者の皆様に心から御礼申し上げます。
またヤル気になってきたゾ~!

一方!
昨日お知らせした通り、『Marshall Blog AOR』の名の下、英語版のMarshall Blogをスタートさせた。
今日の記事が実質第一回目の記事になったのだが、これシンドイわ~。ナニがって、後の英訳のこと。
マァ、一向に上達しないものの、今までずいぶんたくさんの和文英訳の作業をしてきてひとつ体得したのは、「元となる日本文を書く時に、英訳しやすい文章を考える」ということだ。土台、帰国子女でない人は「英語で物事を考える」なんてことは特殊な過程を経ない限り到底できやしない。
翻ってみるに、英語をしゃべるコツのひとつは、私もよくやってしまうのだが「日本語で言えない、もしくはいうことがハッキリ決まっていないことは絶対に英語で言えない」ということ。
ところが、後の英訳作業での苦労を予め考慮して日本文を書くと今度は実に筆が重い。自分の自然な文章でなくなってしまうのだ。
しからば…「ええい、英訳ナニするものぞ!」と翻訳作業について考えるのを封印して、結局いつも通り筆を滑らせた。
それで日本語版はできた…と。さて、いよいよ英訳。
いつも英語に苦労して臍を噛む思いをしているので、たまには反対に「Marshall Blogが直に読めるのは日本人の特権じゃ!」とばかり、ガツンと文章を間引いて英訳しようとしたのだが、コレが存外にムズカシイ。
今度は英訳する文章を選ぶ方に時間がかかってしまうのだ。
「コリャ全部英訳した方がかえってラクだわい」と、仕方ないのでアタマっからツラツラとほぼ全文の英訳作業にあたった。どうでみいいことはスッ飛ばしたけど。
そしたらホラ見ろ、元が英訳のことを考えない原稿なものだからやたらと英語にしにくい!
それとチョットした表現が英語でできないんだよね。
安心してください、精進しますよ。
実にいい勉強になった…ア、まだ始まったばかりか。
もちろんなるべく正しい英訳に努力するつもりだが、誤謬の数たるや尋常ではないだろう。ま、そこは雰囲気が伝わればまずはよし!…ということで甘えさせてくだされ。さもないと寝る時間なくなるワイ!

では、今日の記事。
『三十周年記念』スペシャルだよん。

  ★     ★     ★     ★     ★     ★

2000年の来日の時から一回を除いてすべての公演をサポートして来た関係で、毎回ショウを拝見しているJeff Beck。御殿場のヤツなんかなつかしいね!
今回は昨年に引き続いての来日で、幸運にもまたステージの様子を撮影させて頂いた。
多数回コンサートを開いた前回とは異なり、今回は東京と大阪で一回ずつ。そして横浜で開催されたジャズ・フェスティバルに出演するだけの来日公演となった。
それだけに東京公演の会場となったZepp Tokyoは満員。
時間になるとお客さんが一斉に手拍子を打って開演を促す。最近ではスッカリ目にしなくなった光景だ。昔のコンサートは必ずこうだった。
確かに年配の男性客が圧倒的に多いが、若い男の子の数も少なくなく、70歳を超えても尚、ギター道を邁進する孤高のギタリストの大きな影響力を感じさせた。
今回のメンバーはJeffの他に…
Nicolas Meier (guitar)
Rhonda Smith (bass)
Jonathan Joseph(drums)
そして、
Jimmy Hall (Vocal)
基本的に昨年と同じ顔触れとなった。

10
マァ~、とにかくカッコいいわ。
問答無用でカッコいい。
そんな偉大なギタリストがMarshallを長年愛で続けてくれることを心から誇りに思う。
Jeff BeckもスゴイけどMarshallもスゴイ!
それではJeffのMarshallを見てみよう!

20_2 今回も前回と同様のMarshallのチョイス。
これはバックライン前面の様子。つまり客席から見たところ。
ヘッドはDSL100H。キャビネットは1960BXだ。

30これはその背面のようす。
前面と同じくDSL100Hと1960BXがセットされ、予備のヘッドが待機している。
これらのMarshallは正真正銘、何の改造も施していない普通のMarshallだ。すなわち、皆さんが楽器店で手に入れるものと全く変わりのないものだ。

40横から見るとこんな感じで前後のアンプがセットされている。
前回もそうだったが、以前から後ろ向きのキャビネットを設置していたが、私が気が付いた限りでは、アンプのEQのセッティングが大きく変化したようだ。

50写真を撮っていたらギター・テクのジェレミーが「やっぱコレっしょ!」みたいな雰囲気できれいにJeffの必須アイテムを並べてくれた。
左から…水、天花粉、スライド・バー。これがJeffの隠れた三種の神器。
リハーサルの時にJeffは天花粉を脇の下に振りかけるマネをしてフザけていた。

60こちらはステージ上手のNicolasのバックライン。
コレが表。
ヘッドはJeffと同じDSL100H。

70これが裏面。
キャビネットは1960Aだ。
もちろんコチラのMarshallもごく普通のもの。

80DVDにもなった昨年の公演は何となく有名曲を立て続けに演奏したサラッとしたイメージだったが、今回の公演はずいぶん前回と異なったショウになった印象を受けた。
何かこう…自分の音楽を好きにノビノビと演奏しているような風に見えたのだ。「ギターを弾くのが楽しくてしょうがない!」みたいな…。
今回はボーカルが入っていたせいもあったろう。
「Morning Dew」、「A Change is Gonna Come」、「Superstitions」、「Rollin' and Tumblin'」、「Goin' Down」、B.B. Kingに捧げられた「The Thrill is Gone」等々で素晴らしいノドを聴かせるJimmy Hallは絶好調で大きな聴きどころだった。
もちろんJeffも鉄壁の演奏で、「Big Block」や「Stratus(ストラトゥス)」等のハード・チューンでは鋼のようなサウンドを、そして「A Day in the Life」や「Danny Boy」、「Nadia」等のバラードでは紡ぎたての絹のような繊細なギターを聴かせてくれた。
Jimi Hendrixの命日が近いせいか、「Little Wing」も演奏。ギター・ソロでは前半にJimiのフレーズをなぞっておいて中盤から速いフレーズでタタミ込んだ。
「'Cause We Ended as Lovers」では大きな歓声が上がっていたっけ。
ギターはほとんどがリバース・ヘッドのストラトキャスターだった。

90私は『Wired』からがリアルタイムで、もちろん一時はThe Yardbirdsや第一期Jeff Beck Groupまで遡って聴いた。アルバムもほぼ全部持っているが、マニアという類ではまったくない。
でも、問答無用でカッコいいと思うわ。
マニアでないだけに、奏法や機材に拘泥することなく素直に彼の音楽を楽しめることがラッキーなのかもしれない。どうせマネしようとしてもできるワケないし。
Eric Claptonのように歌を歌うワケでもなし、Jimmy Pageのように作曲の才に長けているワケでもなし、ギター一本でここまで自分の音楽を昇華させたギタリストはロック界に二人といないし、二度と出て来ないだろう。
頭三曲でシャッターを切った後は、ジッ~クリ集中して素晴らしい音楽とサウンドを堪能させて頂いた。
Jeff Beckのギターの音がMarshallから出ていることに喜びと誇りを感じながら…。

ところで今回のパフォーマンスの写真は、Jeff Beck本人が選んでくれた。つまり、Jeffが私の写真を見てくれた…ということ。うれしいね~、メシ食いながらでも、ハナクソほじりながらでも何でもいいわ~。マジでうれしい!
コレだけ被写体がいいとどう撮ってもそれなりのレベルに撮れてしまうので、私が絞り込む段階で相当地獄を見たが、何とか数点をセレクトし、最終的にJeffに選んでもらったのだ。
一時は全滅になりはしないかとビビったがまったくの杞憂だった。キチッと対応してくれてうれしかった。

100この場をお借りして、当日お世話になったスタッフにお礼を申し上げる次第である。
Shon、Chris、Jeremy、現場での親切なご対応ありがとうございました。

(一部敬称略 2015年9月25日 Zepp Tokyoにて撮影)