『シーナの日』 #1 ~シーナに捧げるロックンロールの夜~ <前編>
『ロックンロールの夜』…まさにそんな夜だった。
2015年2月14日に天に召された「The Queen of Rock'n'Roll Heart」、シーナさんの追悼コンサート。
開催は去る4月7日、そう、「シーナ」さんの日だ。
会場となった下北沢のGARDENは立錐の余地がまったくないスシ詰め状態。
オイオイ、これじゃまったく写真が撮れんゾ…と、傍らの20cmほどの壁の出っ張りに強引によじ登り視界を確保。折箱のヘリにひっ付いたガリのようだ。
コレが何ともシンドイ姿勢。こ、腰が…!
かといって下に降りれば写真がほとんど撮れない。「最後までもつかいな」という心配をよそに開演を待った。
開演前にはシーナさんやロケッツの思い出の写真が投影された。
そして、ショウがスタート!
オープニングは「BATMAN THEME」。
「野音ではこの曲でシーナさんがステージに登場したんだっけ」…なんていうことを思い出してグッと来てしまった。
今日ステージに上がっているのは…
鮎川誠
こうして写真を並べると以前と何も変わらないロケッツに見えるが、シーナさんはステージには上がらない。
イヤ、きっとシーナさんはステージにいた。
満員のお客さんもそれを感じたに違いない。そうとしか思えないような盛り上がりようだった。
「ロックンロール!」のひと声。
鮎川さんにはこの言葉が本当にピタリとハマる。
「歩くロックンロール」、イヤ、「生きるロックンロール」だからね。
鮎川さんのボーカルでソロ・アルバム、『COOL SOLO』から「DEAD GUITAR」。
この日は、ゆかりのあるミュージシャンが数えきれないほどゲストとして登場し、シーナさんを偲んだ。
そのトップで登場したのがLUCY MIRROR。
『ROKKET RIDE』は2014年7月にリリースしたSHEENA & THE ROKKETSの35周年を記念した6年3か月ぶりとなったオリジナル・アルバム。
野音の記念コンサートの時はこのアルバムからのレパートリーが中心となった。
LUCYさんは鮎川さんの愛娘のうちのおひとり。お母さん譲りのダイナマイトな歌声でコンサートの冒頭に大輪を咲かせた。
続いては奈良さんのボーカルで「Baby Love」。この曲も『ROKKET RIDE』から。
この後、続々とゲストを交えて様々な曲が演奏された。
もちろん、あの壁の出っ張りにへばりつきながらすべてのシーンを撮影したが、色々な事情ですべてを公開することができない。
…ということで、「鮎川さんの『シーナの日のロックンロール・アルバム』」という趣きでこの先の写真をご覧頂きたい。
まずは、LA-PPISCHのMAGUMIによる「You Really Goy Me」。
この曲を聴くと鮎川さんと対談した時のことを思い出す。
赤と黒の岩口タカ とギターの本間章浩で「おまえがほしい」。
ものすごいエネルギッシュなパフォーマンス!
名作ロックンロール「SUGAREE」はギター&ボーカルの澄田健とベースの穴井仁吉が加わった演奏。穴井さんはザ・ロッカーズのオリジナル・メンバーだ。
そこに加わった次のゲストは中山加奈子。曲は「SWEET INSPIRATION」。加奈子さんはギターなしのボーカルでの参加。
ここも盛り上がった!
ところで、さっきからチラリチラリとMarshallのJCM900が鮎川さんの後ろに写りこんでいるが、鮎川さんが使っているのはもちろん愛器、1975年製の1987だ。
これと69年の黒いレスポール・カスタムがないと始まらない!
ルースターズ、ROCK’N’ROLL GYPSIESのドラマー池畑潤二がドラム・スローンに座る。曲は「Happy House」。
Siouxsie and the Bansheesに同名のアルバムがあるが、ROKKETS版の「Happy House」はホントにハッピー!
ボーカルはKeicot。
ちょっとTake2になっちゃったけど、全然ハッピー!
ちなみに元Siouxsie and the Bansheesのドラマー、BudgieはNATALプレイヤーだかんね。
一際歓声が大きくなって登場したのは花田裕之。
シレっと出て来てバシっとキメたのはルースターズの「DO THE BOOGIE」。
ホントに最近はこういうロックがなくなったね~。
石橋凌がマイクを握る。
Louis Armstrongでおなじみの「What a Wonderful World」のJoey Ramone版。
石橋さんの歌声を生で聴いたのは80年代はじめ頃の野音のARBのステージ以来。『BAD NEWS』を出した後ぐらいかだったな?
何のイベントだったのかは覚えていないけど、HOUND DOGも出ていて大友さんが石橋さんのモノマネをしていたのがすごく印象に残ってる。
石橋さんはあの時と同じ声だった。カッコよかった
ああ、Themの「Gloria」。鮎川さんが「名曲中の名曲」と評する名曲。やっぱり名曲だ~。
Van Morrison、私も結構好きなんよ。
歌うはROMEL AMADO。
ROMELさんはファニー・カンパニーに在籍したギタリストだ。
鮎川さんのボーカルで『ROKKET RIDE』から「ロックンロールの夜」。例の阿久悠作詞のナンバー。
ギターはROMELさん。
「I'M FLASH "Consolation Prize"(ホラ吹きイナズマ)」ではチバユウスケとドラムに中村達也が加わった。
矢継ぎ早に浅井健一が登場。「LAZY CRAZY BLUES」。
高校の時、『真空パック』がリリースされてすぐに買って聴いてとても印象に残った曲。
浅井さんの演奏も曲の特質を生かしつつ自分だけの世界を作り出した素晴らしいモノだった。
開催前にスタッフのひとりから聞いた話では、このイベント、どう交通整理していいのやら…という程のものすごい数の出演希望者だったらしい。
そりゃそうでしょ。ロックを演っている人間なら誰だって出たいし、写真撮ってる人なら誰だって撮りたいよ。
最高に気のいい鮎川さんのことだから、「よかよか、みんなで盛り上がればいいっちゃないと!」…ぐらいのことになっていたことは想像にかたくない。
それで、進行がチョイと心配だったようだ。
ところが!
始まってみると何のコタァない。ここまでサクサクとショウは進み、一か所のよどみもなかった。
もちろんスタッフの皆さんは大変だったと思うが、コレも何か目に見えない絶大なパワーによってショウが潤滑に押し進められているような雰囲気があった。
その絶大なパワーとは、言うまでもなくこのシーナさんを偲ぶ出演者の思いであり、ステージにいたであろうシーナさん自身によるものだったに違いない。
SHEENA & THE ROKKETSの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE