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2023年1月12日 (木)

【Marshall Blog Archive】Jeff BeckのMarshall 2010

 
ニュー・アルバム『EMOTION & COMMOTION』を発表し、ますます精力的な活動を繰り広げるジェフ・ベック。
東京の2日目の公演に行ってきた。2010 今回も友人であるジェフのギター・テクのスティーブから色々と話を聞いてきたが、秘密にしている部分もあり、すべてをレポートできないことをご了承いただきたい。
前回の来日公演はツアーの前半がカスタム・メイドのMarshall。
後半はクラプトンとの共演時も含めて1987Xと1960BXの組み合わせだった。
そして、今回ステージに上がっていたマーシャルはJCM2000 DSL100と…

Dsl_21960BXだった。

1960bx ジェフといえば昔から50Wマーシャルという印象がもっぱらだが、今回は100Wでこれまでとはセッティングが大きく異なっていた。
本番の時、1960BXにマイクが立っていないことに気がついた人も多かったと思う。
代わりにDSLのお隣さんのコンボにマイキングされていたことにも気がつきましたね?
それでは下手側座席に座っていた方々はステージの後方に1960がセットされていたことに気がつきましたか?
前回とはまったく違うバックラインに驚いたことをスティーブに告げると、ジェフはいつも前進していて、頭の中に理想のギターサウンドが鳴り響いているのだそうだ。
ギター・テクの彼はジェフの頭の中の理想のサウンドに実際のサウンドが少しでも近づくよう日夜アイデアを練っているとのこと。
ところがジェフは音のイメージを伝えるだけなので、ドンズバの音を作るのが至難の業だとか。
彼らは安定した電力の供給に並みならぬ配慮をしていた。
世界中どこで演奏しても同じサウンドが得られるように電圧と周波数を絶えず一定にする機械を採用していた。
電圧が異なると音質が変化することはよく知られているが、周波数も同じ。
50Hzと60Hzでは倍音の出方に差が出てしまい、演奏に支障をきたしてしまう。
そして、ジェフはその微妙な違いをたちどころに見破ってしまうらしい。
他にも色々とおそわったんだけど、ギター・テクから許可をもらった部分だけ記しました。
写真もなくてスミマセン。
ひとつだけ漏らすと、Marshallが昔生産していたあるラック式の機材を使っていたのには驚いた。
 
さて、肝心のライブ。みなさんいかがでしたか?
やっぱカッコいいナァ~!
「Stratus」演ってたね。
そういえばこれもスティーブから聞いたんだけど、前日はジェイムス・テイラー&キャロル・キングで来日中のリーランド・スクラーも会場に観に来ていたそうだ。
「Stratus」が収録されているビリー・コブハムの『Spectrum』のベーシストね。
また、ナーラダ・マイケル・ウォルデンがよかった。
豆絞りがすっかり似合っちゃって!
三社さんになると浅草はああいうおじちゃん達であふれかえります。
「Led Boots」も素敵だった。
そして、「How High The Moon」には驚いたわ!
それとアンコール2の「'Cause We've Ended As Lovers」!
人間なかなかここまでカッコよくできるもんじゃありませんよ。
 
ジェフもギターがよく似合う人だ。
そしてやっぱりマーシャルがよく似合う!
マーシャルをバックにテリーを引っ提げた姿はもうクールそのものだった。
 

200 (初出:2010年4月14日)