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2016年8月18日 (木)

Jubilee家の新しいメンバー、2536A

楽しかった夏休みもアッという間に終わってしまいましたね~。
今日からMarshall Blogを再開しま~す。


今年はオリンピックと重なっていたので、不眠で楽しんでいた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
なんかもうチョット気の利いたことを書こうかと思ったけど、ナニもネタがないな…。
「夏休みの思い出」というと、小学校の時のプールとラジオ体操ぐらいだからね。
今となっては夏休みどころか、完全に土日もなくなってしまって、曜日がサッパリわからなくなっちゃった。
中古レコードのバーゲンがある水曜日ぐらいかしらん?それも月に一回きり。


どんなに小さくても構わないので、軽井沢あたりに別荘があってサ、PCを持ち込まないで読みたい本と好きなCDだけを持って行ってユ~ックリ過ごす。読書に飽きたらあたりを散歩。採れたての野菜を分けてもらって…こんな一週間を送りたいものだけど、それとて何かと後のMarshall Blogのネタになりはしないかと思いを巡らしてしまう。
結局、Marshall とMarshall Blogのことで頭の中はパンパンで、半日も経ったらパソコン買いに上田まで出かけちゃう。
「あ~、やっぱりパソコン持って来ればヨカッタ~!文章書きて~!写真撮りて~!」と後悔。
ナンダカンダでユックリすることなんて出来なくて二日目には東京へ戻って来ちゃう。
こういうことですな、やっぱり。「酒飲みの二日酔い」みたいなもんですわ。
皆さんはどんな夏休みをお過ごしになりましたか?

そんな夏休みの期間中にMarshallから新商品リリースの連絡が入った。
それはJubilee一家に新しい家族が増える…という一報だった。
Marshallの創立25周年、Jim Marshallの音楽ビジネスでのキャリア50周年を記念し、1987年に発表されたJubileeシリーズ。
それから28年。
Marshallの代名詞とも言えるスタック・アンプの生誕50周年を記念して、そのJubileeシリーズが昨年リイシューされた。
この辺は復習ね。
リイシューされたのは100Wヘッドの2555X。
「X」は「リイシュー」という意味。
1987年の発表当時は100Wと50W(あるいは50W/20W)の出力の切り替えが大きな話題となった。
今ではビギナーでも知っているこの機能は30年前には、ビックリして座り小便をしてしまうぐらいの衝撃だったようだ。
今回のリイシューに当たっては、さすがにそれに驚くギタリストはいなかったであろうが、このトーンは時空を超えて大きなインパクトと化し、真空管アンプの素晴らしさに重きを置く欧米の国々で大きなヒットとなった。
そして、日本でもこのオリジナル・トーンに魅せられ2555Xを愛機に据えたギタリストも少なくない。
やっぱりMarshallには「オリジナル」という言葉が似合うブランドのひとつだ。

10_5当然、キャビネットも同時に復刻された。
CelsestionのVintage30を搭載した4×12"の2551AVと2551BV。

20_22×12"の2536。

1_2536_2
そしてMini Jubileeという名称で登場した2555Xのチビッコちゃん。
モデル名は2525H。20W。

40_2

2555Xと比べるとこんなに小さいの。
小さいJubileeは今に始まったことではなくて、以前にも説明した通り3005 Lead12というミニ・スタックを取り扱っていた。

30_2同時にリリースされたのは2525Hのコンボ・バージョン、2525C。
オリジナルのJubileeにラインナップされていたコンボは2554(1×12")と2558(2と12")というモデルで、アメリカの広告には「Marshall Jazz」という惹句の元、Bill Friselが登場していた。50_2これがMiniのJubileeシリーズ。

60_2藤子不二雄のマンガって、昔から「主人公の子+ドッカから来た相棒」のコンビから始まって、その相棒の親だの兄弟だのが登場してくるパターンて多いじゃない?
ネタを作るにあたってはキャラクターを増やすのが一番ラクだからね。
Jubileeもそんな感じになってきたぞ!
それにしても小さい頃、「藤子不二雄ってひとりじゃないのよ」とお母さんから教えてもらった時は結構ショックだった。「そ、そんな天地真理じゃあるまいし…」なんて誰もわかんねーか?というより時系列がメチャクチャだ!
で、もっと小さくしたJubileeが~、限定で発売されたMS2J。
ココまでは既発品。
そして、今回発売された新しいJubilee一家のメンバーとは…

70_2コレ。
2x12"のスピーカーキャビネット、2536A。
仕様は…
● 2 x 12” Celestion G12 ‘Vintage 30’
● 入力140W
● モノ8Ω

80

80bそして、取り出だしたるは2525H、Mini Jubileeヘッド。
コイツを2536Aに乗せてやると…

90_2こうなる!
カッコよくね?
「A」がついているけど、「B」はない。
「A」は「Angled」の「A」ね。「B」キャビ作って三段積みにしてみたい気持ちもなくはないけど、すぐに倒れちゃうよ。

100

100b

2536A、Jubilee一家の新顔のキャビネットくんをよろしくお願いします。

ちなみに…「Jubilee」というのは、50年に一度の周期で祝賀が行われるユダヤ教の慣習に基づいている。
結婚記念日の名称も元はコレ。50年の半分の25年がSilver Jubilee(銀婚式)、50年がGolden Jubilee(金婚式)ね。
シンバルの老舗ブランド、ジルジャンが大分前に『創業375周年』を祝ったことがあったのだが、「なんでそんなハンパな年にお祝いをするんだ?」と不思議に思ったが、375は25で割り切れるもんね。
したがってこの次は400周年を祝うことになるハズだ。
Marshallは、次は2034年だ。

2016年8月 3日 (水)

Marshallだより~Joel Mananの最新バックライン情報(2016年8月号)

毎度おなじみ英Marshallのアーティスト担当のJoel Mananから2枚の写真が届いた。
まずはThin Lizzyのバックライン。
6月に話題を呼びに呼んだRirchie Blackmoreが出演した『MONSTERS OF ROCK Festivals 2016』で撮影したもの。
やっぱこうでなきゃ!
ヘッドはDSL100HとJCM800 2203。
Bキャビだけで壁を作るのがいかにも外タレっぽい。
Thin Lizzyはこの夏から来年にかけて何回かの公演をこなすそうだが、ベースがTom HamiltonでドラムがScott Travisなんだってね!
世の中変わったな~。ビックリだ~。

6_tl_01
好きだったBrian Downeyもいなくなっちゃって、昔のメンバーがScott GorhamだけになってしまったThin Lizzy。
それでもヨーロッパでの人気は大きいようだ。
以前にも書いたが、今でこそ日本でも伝説的なビッグ・グループの一員として取り扱われているThin Lizzyだけど、私の認識では日本で火が付いたのは大分後になってからのことだ。
私は『Bad Reputation』からリアル・タイムで聴き出したが、このアルバムが出た時も「別に…」みたいな雰囲気だったような記憶がある。
コレ、欧米では大ヒットした『Jailbreak』の次のアルバムですからね。それでも特に話題にならなかったように思う。
それが日本でもドッカといったのはやっぱりGary Mooreの『Black Rose』のおかげなんだろうな。
もし、Gary Mooreが再加入しなかったら、これほどまで日本でThin Lizzyの名前が人の口に上ることはなかったのではないか…コレが私のロックの「IF」のひとつ。
あ、ちなみに私はGary Morreとは関係なくしてThin Lizzyが好きでした。
そんなThin Lizzyのヨーロッパでの歴史的な人気を実感したのは、ウェンブリーで開催されたMarshallの50周年記念コンサートの時のことだった。
詳しくはコチラ⇒【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.4~Phil Campbell, Kerry King, Coley Taylor and Ripper Owens


で、先週の土曜日もScott Gorhamのサイン会が開催され大盛況だったそうだ。
場所は「Guitar Guitar」というその名ズバリの楽器店。
スコットランドはエジンバラ、グラスゴー×2の3店、イングランドではニューキャッスル、バーミンガム、エプソム(サーリー州)の3店を展開する総合楽器店。
下の写真はニューキャッスル店のショップウインドウ。
いい眺めでしょ?
ロンドンのデンマーク・ストリートの楽器店に比べて店員さんが気さくで、格段に態度がよく、実に気持ちの良い対応をしてくれる。
「ロンドンの楽器店の連中はオレたちのことをバカにしやがるんだ」とPete Townshendたちが、ロンドンのはずれのアクスブリッジのJim Marshallの楽器店に集まった話を思い出してしまった。

6_img_6891 Joelから送られてきたもう1枚。
SlayerのGary Holt。
そう、最近ヘッドを全面的にJubileeに換えたのだ。
日本でも大きな話題となったが、Jubileeの人気は海外でも大きく、とくにアメリカでは大ヒットとなっている。
やっぱりハードなロックにはホンモノの真空管のアンプが欠かせないことを連中はよく知っているのだ。
だから「早くリイシューしろ」って言ったんだよ。

「Marshall Jubileeヘッドがオレのトーンのカギを握っているんだ。圧倒的なパワー、マジでスゲエ中域、そしてベイ・エリア・クランチ…コレをクラシックSlayer Marshallサウンドにミックスしてもらうんだ。こうして完璧なスラッシュ・メタル・サウンドが出来上がるってワケだ!」
…と、Garyは申しております。
どうですかね雄太くん?

6_dh TORNADO-GRENADEの真壁雄太くんは上下でJubileeを使ってくれている。
確かにサウンドはGaryの言う通り。
是非、ライブに遊びに行ってJubileeの轟音をチェックしてもらいたい。

6_img_0158




2016年7月19日 (火)

Marshallがレコード・レーベル始めました!

おもしろいことになった!
冷やし中華がウマい季節になったが、18日付でイギリスの音楽情報紙『MUSIC WEEK』で発表になったのは…

Marshallがレコード・レーベル始めました!

その名も「Marshall Records」。

Image001

「Marshall」というブランドがアンプだけに留まっていないことは皆さんもご存知の通り。
「Marshall」の「M」は「MUSIC」の「M」。
もはや「音楽」のひとつのブランドなのだ。
Jim Marshallの業績は彼の音楽に対する情熱が成した業であり、Marshall社としても常に音楽に敬意を払ってきた。
わが社はこの精神に則って、ギタリストたちが自分たちを芸術的に表現するための製品を製造してきた。
その一方で、彼らが作った音楽を耳にするための製品もプロデュースしてきた。
Bluetoothミュージック・スピーカーやヘッドホンたちがそれだ。

わが社はギタリストが自分たちの音楽をつくるためのアンプを製造し、バンドのファンや音楽ファンがその音楽を楽しむための製品をプロデュースしているワケだから、それらのふたつを組み合わせ、バンドやミュージシャンの活動を記録し、さらにそれをプロモートし、そして上演することに大きな意味を見出だしたのだ。
それこそがMarshall Recordsを発進させる目的なのだ。

Mr4 MUSIC WEEKを手にして微笑んでいるのはMarshall GALAにも来てくれたMarshallのGrace Pantony。
見出しは「Marshallの掟:アンプ会社はロックのレーベルをブッ放す」

Gp しかし、ここへ来てこんなことになるとはナァ~。
私は大賛成です。
Music Jacket Galleryでガチャガチャやっていることからわかるように、私はズ~っと昔からレコード、あるいは音楽ソフト制作の仕事がしたかった。
しかし、個人的には極度の音楽変態で、ひと様が聴いているような音楽を一切好んで聴かないので、「私なんかが関わったらすぐにレーベルがつぶれちゃうわ」、あるいは「上司とすぐに大ゲンカして辞めちゃうな」…と思い、仕事ととして携わるのはとても不可能だと諦めていた。
まだどうなるかはわからないけど、自分が努めている会社がそれを始めるということであれば、何らかの形で事業に携わりたいナァ。
Marshallならではの音楽の制作に…だ。
実はチョット前にもレコード会社のベテランの方たちとイッパイやって、そんな話になった時、「Marshallでレコード作っちゃえばいいんですよ!」なんてアドバイスを頂いたばかりだったので、またしても大きな偶然で驚いてもいる。

フフフ、Marshall Recordsか…ゴロもバッチリじゃないの!
また楽しみが増えた。
続報はMarshall Blogで!
ちなみに私は冷やし中華を一切食べません。

2016年7月 5日 (火)

Marshallアクセサリー


英語圏の人達は「アンケート」って言葉を使わないの知ってる?
「アンケート」は「enquete」というフランス語で、いわゆる「和製英語」。
英語圏の人達は「questionnaire(クエスチョネア)」という。(アクセントは「ネ」)
で、この単語の綴りがなっかなか覚えられない。いっそのこと英米でも「enquete」という言葉に換えて欲しいぐらい。
私は頭が悪いもんだから、そういう単語が他にもいっぱいあって、そのうちのひとつが「アクセサリー」という言葉だった。今はもう自家薬籠中のモノになったけど。
この単語は「accessory」と綴るんだけど、「c」と「s」の両方が重なるところが何ともイヤな感じがしましてね。コレが複数形になると「accessories」となって余計苦しくなるんだな。
今日はMarshallのAccessoriesの紹介。
以前にも紹介したものがあるかも知れない。ダブっていたらごめんね。
  
①カポタスト・キーホルダー
非売品のオマケ・グッズ。
何とも頼りなさそうないで立ちだけど「Marshall」ロゴが入ると風格が上がるところがさすが。
英米人は「カポ」は略称でなく正式な名前なんだと。でも、「ケイポゥ」と発音するので要注意。「ヴァイブラート」みたいな感じやね。

10ま、カポと来ればフォークやらアコギを連想するのが普通だと思うけど、Marshallがやっちゃう感覚がおもしろい…と思うでしょ?
ところがですね、ヨーロッパではMarshallに「ASシリーズ」というアコースティック楽器用のコンボは今だに大ベスト・セラーなんですよ。
だからMarshallが販促グッズでカポを作っても何らおかしくはないの。
しかも、日本は今でもライン独占の「世界のアコギ・アンプ後進国」だからしてこの感覚はつかみにくいだろうね。
音楽に関しては何でもマネっ子の国なのに、どうしてアコギ・アンプだけは欧米に倣わないのか実に不思議だ。

20  
②マシャナイン軟膏
切りキズ、スリキズ、ヤケド、打ち身…何にでも効く塗り薬…なワケない。

30開けるとピックがゾロゾロ。
ピック・ケースでした。

40昔のMarshallピックはロゴがゴールドだった。

Img_2263_2_2   
③Jim Marshallプラークのレプリカ・バッジ
以前Marshall Blogで紹介したロンドンのUxbridgeにあるJim Marshallを称えるプラークのバッジ。
直系3cm弱の缶バッジだ。

50ホンモノはコレ。
2013年4月6日に除幕式が行われた。
儀式を執り行ったのはビートルズに勝った男、Brian Poole。
その辺りの話はコチラをご覧あれ!

220w コレはMarshallの工場に飾ってあるレプリカ。
色が違うのは私の目の錯覚なのか?

Img_0353   
④50周年記念バッジ
普通のピン・バッジです。

Img_0101    
⑤バッジ
こちらは安全ピンタイプのロゴ・バッジ。
70   
⑥ロゴ・キーホルダー
これは売りものかな?
さっきから「キーホルダー」と言っておりますが、コレも和製英語。
欧米人は「キーリング」とか「キーチェーン」とか呼びますな。「キーホルダー」とは言わない。
ちなみに、入館カードとかパスを首からブラ下げるヒモがあるでしょ?アレは「ランヤード」という。

80   
⑦Jubileeピン・バッジ
今回はコレが一番レア。
このフルスタックのピンバッジは昔からあるんだけど、ゴールドだったの。
今回のJubileeのリイシューを記念して少量作ったのがこのシルバー・バージョン。

90 ここ数年、冷蔵庫やらヘッドホン、メガネ&サングラス、クツ等々、バラエティに富んだMarshallのロゴ入りグッズが出回っているけど、こういう小物、Accessoriesも面白いものですな。
こういうモノはチョット時が経つとすぐ無くなっちゃうし、忘れられちゃう。
なので、日本では私がコマメに収集しておきます。

2016年6月28日 (火)

KIKO LOUREIROインタビュー

1_kikoMarshall Amplification(以下「M」):あなたは恐らくAngraでの仕事が最もよく知られていると思います。そして、最近Megadethに加入されました。
Megadethでの演奏は今までのキャリアとどういう点が一番異なりますか?
Kiko Loureiro(以下「K」):AngraはMegadethのようなメタル・バンドに多大な影響を受けていたんだ。同時にプログレッシブ・ロック・バンドからもね。
だからMegadethの曲を演奏するのはなんの違和感もないよ。でもAngraよりリフ・オリエンテッドで、最高にカッコよくてキツいソロがあるけどね。
一番大きな違いはプロダクションだね。会場とかどデカいフェスティバルでの演奏の機会が増えた。
プロフェッショナルとしてのレベルの高さを感じるよ。
そして30年にも及ぶ偉大なるバンドの業績とそれを継続していくという重荷を背負っている。
クルーやバンドのメンバーからそうした事のひとつひとつを学んでいるところなんだ。M:Megadethの新作『Dystopia』で何かお気に入りの曲はある?
K:「Dystopia」や「Post American World」が大スキなんだ。
もちろんアルバム全体が好きだよ。ナゼならそれを作ったことは、ボクの人生でも極めてユニークな瞬間だったからなんだ。
それと、インストの「Conquer or Die」はボクにとってのハイライトだね。
M:今、Marshallのどのモデルを使っているんですか?何か特別なお気に入りのモデルってある?
K:JVMだよ。JVM800は大スキ。レコーディングの時には必ずいつも一台用意しているんだ。
M:Marshallについて一番好きなポイントは?
K:トーンさ!弾きやすいし、とてもフィーリングがいい。オマケにパワフルだし…とにかく「Marshall」ということだよね!
誰でもわかるロックのサウンドなんだ。
M:あなたのキャリアを通じて、もちろん数えきれないぐらいの場数を踏んでいると思いますが、ライブ演奏で一番好きな部分といえば?
K:ファンと接触すること。観衆の中にボク自身を見出だすんだ。ナゼならボク自身もファンなんだよ。
ボクは今、Megadethで演奏しているけど、演奏する前にいつも思い出すんだ。「Rock in Rio Festival」のMegadethの「Rust in Peace」コンサートの10万人の観衆の中にボクがいたことを。
だから今ステージでDaveやDavidの横にいることは現実じゃないような感じがするんだよ。
M:これからギターを始めようとしている人たちに何かアドバイスをお願いします。
K:とにかく楽しんで!
続けられる練習方法を見つけることが楽しみをもたらすんだ。
結果が出て来るのはユックリかもしれない、でも毎日ギターを弾いて練習するクセがつけば、必ずいい結果が出るよ!

<Kikoの過去Loureiroの記事、ア、反対だ!過去のKiko Loureiroの記事>
「キコ・ルーレイロ」なんてそもそも名前がいいよね。
でも、過去のKiko Loureiroの記事はありません。
だってMarshallじゃなかったんだから。

Welcome aboard Kiko!
もちろん残念ながら出て行く人もいるけど、こうした若きギター・ヒーローがMarshallファミリーに加わってくれるのは、正直、実にうれしいことだ。
チョット前まではMarshallどころか、真空管のアンプを使わないでへヴィなロックを演ろうとしていたり、ヘタすりゃギター・アンプすら舞台に乗っていないようなロックのステージがもてはやされたが、先日のLOUDNESSのヨーロッパ・ツアーのレポートでも触れた通り、海外では真空管アンプの、あるいはギター・アンプの重要性がまた見直されてきている傾向が少しは出てきたのではないか?とひとりでニンマリしている。
「似ている」というのは「違う」ということを明確に表しているワケだから、大好きなロックのこと、ギター・アンプぐらいは「ホンモノ」を愛でて欲しいものだ。
渡辺香津美さんもASTORIAのインタビューで触れていらっしゃるように、真空管のアンプはメンテナンスに手がかかるけど、それゆえに愛着が湧くということは的を得ていると思うし、不器用で出来の悪い子ほど可愛い…ということもある。自分の血を分けた子供ということであれば尚更だ。
Kikoはデジタル組からの鞍替えではないけれど、彼のような人がMarshallの魅力、真空管アンプの素晴らしさをアッピールしてくれるのは頼もしい。
Valvexit(イギリス)あるいはTubexit(アメリカ)はロック・ギターの将来を先細りさせるだけだと思う。

ところで!
ここではMegadethの話をするべきなんだけど、敢えてAngraについてひと言…といってもメタル・エキスパートであるところのMarshall Blogの皆様には私が何を言っても「釈迦に説法」なのでパス。
私が触れたいのは南米のプログレッシブ・ロック。
さすが、音楽の宝庫だけあって、ブラジルってのはいいプログレ・バンドがいるんだってね~。
Kikoの国、ブラジルでは、Sagrado Coracao Da Terra、Bacamarte、Som Nosso De Cada Diaだの…そもそも正確にバンド名すら読めないが、何しろいいらしい。
アルゼンチンもスゴイらしい。
中古でお手頃の価格のアイテムに出くわさないので、なかなか聴く機会がないのが残念だが、いつもチェックはしている。
まだまだ楽しめる音楽があるのはとてもうれしいことだ。


2016年6月24日 (金)

PAUL GILBERTインタビュー

今日はMarshallのウェブサイトに掲載されているPaul Gilbertのインタビューをお送りする。

1_pgMarshall (以下「M」):ここ数年いろんなMarshallをお使い頂いていますが、際立ってお好みのモデルはありますか?
Paul Gilbert (以下「P」):ボクはハンド・ワイアードの2061Xが大スキなんだ。
スタジオでもMr. Bigのツアーの数々でも使ったんだよ。
アレは完全に「ペダル・プラットフォーム」なアンプなんだ。アンプ自体ではそう歪むワケではないんだけど、オーバードライブ・ペダルを併用すると完璧なロック・トーンを出してくれるんだよ。
ボクはアンプを現地で調達するようなギグをよくやるんだけど、そういう時はJCM2000、JCM800、JCM900なんかをリクエストするんだ。どのモデルからも最高のトーンを得ることができる。
それに何年かはVintage Modernのコンボ(訳者註:2266C。上の写真のコンボ)をしばらく使っていたこともあるんだ。シングルコイルのピックアップにはKT66のパワー管がすごくマッチするからね。シングルコイルのギターの時にはよくそれを使っていた。
M:今のところは何を使っているんですか?また、それらのアンプの中ではどれが一番お気に入りなんでしょう?
P:ここ数か月はMarshallのエンジニアのひとりが送ってくれた新しいモデルのプロトタイプをよく弾いているんだ(訳者註:新しいモデル~?ナンのことでしょうね~?)。
ボクの大好きな2061Xに似た感じのモノなんだけど、もっとトーンをコントロールできる機能が付いいる。昨日もそれを使ってスタジオでひと暴れさ!レコーディング・エンジニアはそのトーンにフッ飛んでいたよ!
M:ギターがピアノやハープシコード等の他の楽器と異なる部分はどこだと考えますか?
P:もちろんベンディング(チョーキング)とビブラートでしょう!
和音に関していえば鍵盤楽器は圧倒的に有利だけどね。
でも、ベンディングは他の楽器の何モノにも代えがたいよ。もしギターでベンディングができなかったとしたら、ボクはアッという間に気が狂ってしまうかもしれない!
M:「ギターを弾く」ということでもっとも好きな部分は?
P:自分が自分だけのラジオになれること。様々な曲が頭に浮かぶ…それをギターで弾くことができるということなんだ。
もし、思うように弾くことができなければ、曲を弾き続けるためのコードの探求を楽しむんだ。
唯一の問題は、ボクが最初に認められることになったスタイル、つまり「ヘヴィ・メタルの速弾き」は家では絶対に弾かないものとなってしまったことかな。(訳者註;Paulが家にいる時は、彼の頭の中のラジオでヘヴィ・メタルが一切オンエアされないということ)
The Beach Boysの「Wouldn’t It Be Nice(訳者註:『Pet Sounds』収録のビーチ・ボーイズの必殺の名曲のうちのひとつ。「素敵じゃないか」という邦題がステキじゃない)」やThe Spinnersの「Games People Play(訳者註:スピナーズはアメリカのR&Bグループ。「Game People Play」は1975年のヒット曲。名曲)」のコード進行を探りもするし、それらをキャンプファイヤー・バージョンにアレンジしてみんなで演奏して楽しむんだ。
そして、ライブ・ステージでは、お客さんをエキサイトさせるために、体育会系のノリで演奏することを楽しんでいる。
でもボク自身としては、ただただ「いい曲」が好きだ。
M:初めてギターを手にする人たちにアドバイスを与えるとしたら?
P:ギターにはものすごい数の色々なスタイルがあるけど、アドバイスをするとしたら70年代のロック・ギターを目指せ…ということだね。
そうするには左手の親指を使う必要がある。音をシッカリ出すために指板を上から(訳者註:6弦の方から) ギュっと掴むんだ。もちろん、セーハしたり、指をストレッチしなければならない時は別だよ。そういう時は親指をネックの裏に置かなければならないからね。                              
でもできる限り親指はネックの上側に来るべきだ。ギターを低めに下げれば自然とそうしやすくなるし、いい感じになるよね。
もちろん、どんな楽器を演奏する時みも、身体の中でもっとも重要なパーツは「音楽的な耳」だよ。
でも、肉体的な意味においては、「親指を使ってネックを握る」ことは究極的に重要だと思うんだ。

おしまい

 ☆    ☆    ☆    ☆     ☆     ☆     ☆  

さすがPaul!!
オジちゃん、うれしいわ!
ナニが?って、アドバイスのところよ。「70年代のロック・ギターを勉強しろ」ってよ!
そんなポールが言っているのはギターだけではなく、そのあたりの音楽をよく聴きなさいということだと思う。
他の記事にさんざん記してあるのでココではクドクドと書かないが、Paulの音楽に対する愛情や興味、探求心は生半可なものではない。
私がいつも思っていることをバッチリとPaul代弁してくれたのがうれしくて、さっそくPaulにお礼のメールを打った。
「70年代のロックを愛してるんだ。それとその時代のハイ・パンツもね!」…という返事がすぐに来て、そこにはJimmy Pageの写真が添えられていた。
ウワ!こうして見ると昔のズボンは股上が高かったナァ。
…と感心しつつ、コレはPaulの暗喩かな?と思った。
つまり、ケツが見えるぐらいズボンを下げてはいている連中が好んで聞く音楽は苦手ということ。ナゼならそういった音楽にはギター心が存在していないから。
あ、そういえばPaulはASTORIA試したのかな?訊いてみよっと!

<オマケ:Paul Gilbertが登場するMarshall Blog>
最近はご無沙汰だけど、こうして見るとよくご登場頂いてきたナァ。
ありがたいことです。
また、こうした世界的なアーティストにご協力頂いていることをマジで誇りに思っています!
見逃している人は是非チェックしてくだされ!

<2012年10月29日>
ポール・ギルバートからのおめでとう!~Congratulations from Paul Gilbert!

<2012年11月26日>
改訂版】Paul Gilbert Plays DSL40C!~最新クリニック・ツアー・レポート

<2013年1月15日>
【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.3~Paul Gilbert

<2013年3月14日>
Paul Gilbert Live in Japan <DAY1>

<2013年3月14日>
Paul Gilbert Live in Japan <DAY2>

<2013年3月19日>
【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.9~感動のフィナーレ

<2014年7月3日>
STONE PUSHING UPHILL MAN in Shibuya~ポール・ギルバート・ニュー・アルバム・発表ミニ・ライブ

<2014年8月26日>
【号外!】It's a boy, Mr. Gilbert, it's a boy!

2016年6月22日 (水)

JOEL MANANのDOWNLOAD 2016レポート!

Marshall Blog読者の皆さんこんにちは!
Marshall Amplificationでアーティスト関連の仕事を担当しているJoel Mananです。
いつもShigeのMarshall Blogをご覧頂きありがとうございます。
毎日更新されるMarshallに関連する記事をお楽しみ頂いていることと存じます。
Shigeのブログを通じて、地球の裏側の音楽界の状況に接することを私も楽しみにしています。


さて、今年もイギリス最大のロック・フェスティバルのひとつ、DOWNLOAD FESTIVALが開催されました。
今日はShigeに代わって、私がそのレポートをここイギリスからお送りします!
Jm
今年のドニントン、もちろん天気がいいワケありません!イギリスの典型的な天気でした。
雨と泥から逃れて、我々はアーティスト・エリアのMarshallキャビンでメッチャ忙しい週末を過ごしました。
イヤハヤ、キャビンは週末を通してスゴイ人気でしたよ!
キャビンはMarshallを使用しているアーティストのために設置されるもので、将来を約束されたたくさんの新人もキャビンを訪れ商品を試して行きました。
キャビンに用意されたモデルは、Jubileeの100Wと20W。CODEのコンボ、ASTORIAシリーズ、そして大人気のJCM800 2203とJVM Satrianiシグネチャーたち。
もちろんMarshallの他にもNATALとEDENもバッチリ展示されました。
少しですが写真を添付しましたので、DOWNLOADのMarshallキャビンの雰囲気をお楽しみください!

1_dloコレがキャビン内のようすです。

D1まずはIron Maiden関連から。
Iron Maidenがステージの造作にMarshallを使う機会があまりなくなってしまったのは残念なことです。
今回はIron Maidenが最終日の日曜、フェスティバルの大トリで登場しました。
3人のギタリストは今でもドップリMarshallです。

まずはAdrian Smithの機材。
彼はJVM410Hを愛用しています。Adrianは自分のMarshallに大満足で、ツアーでもこの機材を使用しています。

D2こちらはDave MurrayとJanick Gersの機材。オソロイです。
彼らはいまだにJMP-1やJFX-1(JPM-1のすぐ上)を愛用してくれています。 パワー・アンプは9200 100/100です。


<訳者註>
JFX-1は1995年に発売した1Uのラック型エフェクター。設計に当たっては、通常のギター演奏で最も使用頻度が高い、リバーブ、コーラス、ディレイ、フランジャーの4つのエフェクトだけを搭載させ、余計な機能を徹底して排除することをテーマに据えた。
それだけに音質がすこぶる上等で、製品に対する評価も高かったものの、ラックシステム・ブームの終焉と共に1997年には早々と製造を終了してしまった。Marshallは音質重視の実戦的なギタリストに向けて「JFX-1は見つけ次第ゲットすべし」と薦めている。
このJMP-1、JFX-1、9200またEL34のコンビネーションは音質だけでなく、ゴージャスなルックスも素晴らしかった!)

D3_2Download初登場のイギリスのバンドIngloriousからAndreas Erkissonがキャビンに寄ってくれました。
Ingloriousは二番目に大きなステージ、「Encore Stage」の二日目のオープニングに登場し、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
写真はAndreasがJVM Satrianiを試しているところ。D5<訳者註>
やっぱり、やっぱり、やっぱり、イギリスはロックの国だ!
試しにこのIngloriousというバンドがどんなモンかと思って調べてみると…愚直なまでのブリティッシュ・ハード・サウンド!Marshallがなければとてもできない音楽。
オープニングとはいえ、こういうバンドがイギリス最大のロック・フェスティバルに堂々と出て来るのだから日本とは隔世の感がある。
「Burn」やらWhitesnaleのコピーなんかを演っているフッテージも見受けられるが、そんなことはやらんでよろしい。
でも、そういう血筋を引いているということがわかった…どころか、2014年にこのバンドを結成したNathan JamesってのはUli Jon Rothの現バンドのボーカルだった!道理で…。

スウェーデンのバンド、Graveyard(墓地)のギタリスト、Jonathan Ramm。
かつては他のブランドのアンプを使っていたが、今はMarshallを愛用しているのはハッピーなこと。

D6<訳者註>
他のブランドというのは、名前は出せないが橙色のアンプだったそうだ。
このバンドはかなり大人しいというか…渋め。スウェーデンのロックはおもしろいね。
ボーカルの声がメッチャかっこいい。
アップテンポの曲なんかタマらんよ!
やっぱりロックはコレでないと…。

大人気のスコットランドのバンド、Twin Atlanticのリード・シンガー/ギタリストSam McTrusty。
二日目のEncore Stageのヘッドライナーを務めました。
機材はオールMarshallだったよん!

<訳者註>
音はこんな感じ⇒YouTube
若めのサウンドだね。やっぱりこういうのが人気あるのね。

D7Jeremy Widermanは今、大注目のカナダのバンド、Monster Truckのギタリストです。
彼はミニ・ジュビリーの大ファンなのです!

D8<訳者註>
カナダからは昔からいいバンドやらスゴイミュージシャンが定期的に出てきますな。
このバンドも正統派ブリティッシュ・ハード・サウンド。
完全に70年代!
やっぱりボーカルがワイルドでカッコいい!
我々の世代はこういうタイプの音楽を「ロック」と呼んでいた。

<訳者註>
こっちはギタリスト諸兄の皆さんには楽しんで頂けるのでは?最後まで観ると感動したりして?マネはしたくありませんな。

こちらもカナダからBilly Talentというバンドのギタリスト、Ian D'sa。
こちらは最終日のEncore Stageのヘッドライナーを務めた人気者です。
IanもJubilee2555Xがお気に入りで、またステージでMarshallを使いたいとか…(って、使ってねーのかよ?)

D9ギター・ヒーロー、Mark Tremontiもキャビンに寄ってくれました。フェスティバルを通じてベスト・ギタリストのひとりだと思います。
彼は大のMarshallファンで、古いプレキシを何台も所有しています。Jubileeも大スキなのです。

<訳者駐>
CreedやAlter Bridgeのギタリスト。米Guitar World誌に3年連続で「Guitarist of the Year」をゲット。2011年には英Total Guitar誌において、史上4番目に偉大なヘヴィ・メタルギタリストに選出された。グラミー賞も獲得している。西洋人にしてはエラクなで肩だナァ。

D10フロリダのバンド、Shinedown。ギタリストはZach Myers。
ASTORIAを試しにキャビンに来てくれました。
ものスゴイお気に召しようようで、できる限り早くオーダーしてくれるそう!

<訳者註>
毎度アリ!

D11フェスティバルの目玉のひとつがMegadeth !!
Marshallのへヴィ・ユーザーにして友達のDave Mustaine様もキャビンに顔を出してくれました。

D13Megadethの新しいギタリスト、才能あふれるKiko Loureiro。
彼も今やMarshallプレイヤーです。
キャビンに用意した物をのぞきに来てくれました。Marshallと仕事をするのはとてもハッピーだとか!

D14_2クラシックなルックスが目を引くのはMiss Lizzy HaleのJCM 800たち。
バンドはHalestorm。
LzzyとJoe HottingerのMarshallスタックはメイン・ステージ(THE LEMMY STAGE)に登場しました。

D15今年のDownload、いかがでしたか?
これからもMarshall、NATAL、EDENをよろしくお願いします!

<訳者註>
さて、Brexitの国民投票もいよいよ明日(現地時間)!
DOWNLOADどころじゃないような気もするが…。
コレ、イギリスのミュージシャンにも大変な影響があるそうだ。
連中にとってロックはドデカイ輸出商品でしょう。数えきれないバンドやミュージシャンがEU諸国へ出かけて稼いでいる。
今はそうして自由に他国に出入りして現地でライブができるが、EUから離脱すると、各国で就労ビザが必要になったり、税金の支払いが複雑になったりと事務仕事が爆発的に煩雑になるそうだ。昔はそれをやってたハズなんだけどね。
私は残留支持。
だって、これ以上円高になったらマジで困るんだわ~。

Dlf

(敬称略 2016年6月10日~12日 イギリス・ドニントン、DOWNLOAD FESTIVALにて撮影。※写真提供:Joel Manan)

2016年6月14日 (火)

ロビン・トロワー・インタビュー (オマケつき)

本家のウェブサイトにRobin Trowerのインタビューが掲載されたので訳出しておく。
ま~、Marshall Blogのやることと異なり、何ともサッパリしたインタビューだが、その分オマケを付けておいたのでお楽しみ頂ければうれしく思う。

Rt Marshall(以下「M」):ギターを始めたキッカケは何ですか?また、あなたが最初に影響を受けたミュージシャンは誰でしょう?
Robin Trower(以下「R」):ギターを始める当たってはスコティ・ムーア(訳者註:プレスリーの右腕ギタリスト)に影響を受けたね。
彼は今でもスゴイよ。
M:あなたは長年にわたり色んなマーシャルをお使いになられてきましたが、いつでも戻りたくなるようなお気に入りのモデルはありますか?
R:ここ数年、2種類のモデルを使っているところだよ。100WのVintage Modern(訳者駐:2466のこと)と50Wの1987Xだ。

<Vintage Modern 2466>
2466

<1987X>
5_1987x_front2

M:今はどんな機材を使っているんですか?
R:オープンバックの2x12”と4x12”キャビネット。それを100Wヘッド2台か50Wヘッド2台で鳴らすんだ。
M:あなたは様々なコンサート会場やフェスティバルで演奏をされていますよね。その中でも際立って印象に残っているパフォーマンスはありますか?
R:あるとも。フロリダはセント・ピーターズバーグの「Janus Landing(ママ)」というイベントは特別だったね。(訳者注:現在は「Jannus Live」と名称を変えている。キャパは2,000。発音は「ジャナス」だと思う)大きな屋外の中庭ですごくいい雰囲気なんだ。
M:あなたにとってライブでの楽しみはなんですか?
R:何かスゴイことが起こるチャンスがいつもあることかな?
M:これからギターを始めようとしている人になにかひとつアドバイスするとしたら?
R:私たちは皆、何かに影響を受ける。でも、それをそのままマネしようとしてはダメなんだ。それをやってしまうと自分だけの音楽を育てる余地を失ってしまうからね。

おわり。
え?もう終わり?
そう、だから「サッパリしてる」って言ったでしょ。
Robin Trowerのような大ギタリストが出てきてコレで終わったんじゃMarshall Blogの名がすたる!…ってんで、私なりにRobin Trowerについて少し書き足してみることにした。
バイオグラフィはチョット調べればどこにでも出ているから割愛ね。
それよりも、Robinについては大変に悔やんでいることがあるのだ。
というのは、1977年の1月に来日した時に行かなかったこと。
まだ中学2年の時だったからねェ。
その翌月のAerosmithの初来日公演は武道館に観に行った。
Robinは、東京では中野サンプラザで三回のコンサートを開いた。三回もですゼ!
いい時代だ。
その頃、呼び屋さんは宣伝用の小さなステッカーを作って配っていた。Toddのは保存してあるんだけど、Robinのはどっかに貼ってなくなっちゃった。取っておけばヨカッタ。
下の写真はRitchie Blackmore's Rainbowのコンサート・プログラムから。
そういう意味ではRobinのLynard Skynardも失敗した。行っておけばヨカッタ。
「新春コンサート」ってのがまたイイね。
ちなみにチケットはS席で3,000円だ。

Img_2200_2 私は熱心なRobinのファンではない。
それでも、歌を歌わずに今も第一線で活躍しているうギタリストとしては、Jeff Beckほどではないにしろ、ロックの歴史に十二分その名前を残す偉大なギタリストではなかとうか…と思うのだ。
日本では完全にベテランのリスナーの間ぐらいでしか名前が出ないのは残念だが、キャリアを積んだプロ・ギタリストの間では今でもちょくちょくRobinの名前が出る。
令文さんはMarshallの新商品の試奏の時に「Day of the Eagle」を弾かれていたし、シャラさんは今は無き渋谷AXで、開演前の試し弾きに「Little Bit of Sympathy」のイントロを私のために弾いてくれたのを覚えている。
三宅さんは今でも熱心に研究されているようだし、グバ~っとMarshall全開で弾いちゃうところなんか、すごくRobinの影響を感じさせてくれる。
実際、後で紹介するRobinの代表作「Bridge of Sighs」なんて曲は三宅さんのオリジナル曲と雰囲気がよく似ている。三宅さんの曲のほうがケタ違いにヒネってあるけど。
海外では今でも大人気で、昨年もアメリカをツアーしたようだ。
2008年にJack Bruceとの『Seven Moon』をリリースした時、Marshallの友達は「シゲ、明日RobinとJackを観に行くんだ~、へへへ」とうれしそうに自慢していた。うらやましかった。
こういうところに欧米と日本のロックの存在感の決定的な違いを感じるんだよね。
イギリスに生まれたかったな~。
消費税(VAT)が20%でも社会福祉がシッカリしてるし。BBCはおもしろいし。
日本みたいな政府の「やらずぶったくり」がない。国民がうるさいからね。
オッと、政治の話はしないんだった!
ところで、私、Robin Trowerを日本に呼ぼうとしたことがあったんですよ。
それは、2002年あたりに三回目の「マーシャル祭り」を開催しようとした時、誰か外タレを呼ぼうということにした。
Marshallのアーティスト担当と色々とスリ合わせたのだが、コチラからは「Mick Taylorはどうか?」という相談を持ち掛けたが、どうも連絡をつけるルートがないらしかった。
その代りとしてAlvin Leeの名前が挙がった。
今となってはお願いしておけばヨカッタ!と臍を噛む思いなのだが、「それよりもRobin Trowerはどうだ?」と提案したのだ。
その担当者はさっそくRobinにコンタクトしてくれたのだが、予算的に手も足も出なかったのでキッパリと諦めたのだった。
コレがRobin Trowerの思い出。
いつかはホンモノを観てみたいギタリストのひとりだ。

この後は紙幅を広げるための蛇足だ。
Robin Trowerになじみのない方にホンの軽くディスク・ガイドを掲載して置く。
ベテランの方にも少しはトリヴィアになれば、少しは書いた甲斐があるというものだ。


まずは定番の『Bidge of Sighs』。
1974年のソロ第二作。
昔は雑誌で「スーパー・ギタリスト必聴盤」なんて企画があるとたいてい選ばれていた名盤だ。
ま、結構渋い感じで、当時私はあまり夢中にはならなかったが、今聴くと実によろしいな。
渋いと言ってもソロ第一作の『Twice Removed from Yesterday』ほどではないだろうけど。こっちは一曲目から「I Can't Wait Much Longer」でジトっとやられるでネェ。名曲だけど。
そこへ行くと本作は「♪ジャジャンガ、ジャジャンガ」と「Day of the Eagle」で派手にキメてくれる。
カッコいい曲だよね~。
他にも「Too Rolling Stoned」、「Lady Love」。「Little Bit of Sympathy」とRobinの代表作がテンコ盛りだ。
何しろ曲がいいのよ。
Procol Harum時代の旧友Matthew Fischerのプロデュース。
エンジニアは『Revolver』以降のThe Beatlesとの仕事で有名なGeoff Emerickだ。
鳴りモノ入りなワケよ。
ところで、このアルバムのタイトル、「Bridge of Sighs(ため息橋)」とは何ぞや?
「あしたのジョー」でおなじみの南千住の泪橋(なみだばし)はよく通るけど。
「ため息橋」というのは、16世紀に架けられたヴェネツィアの橋のひとつ。牢獄につながっていて、この橋からの眺めは、投獄される前に囚人が見る最後のヴェネツィア景色で、「この美 しい景色を見られるのもコレが最後か、トホホ」…と囚人がため息をつくというところからその名が付いた
…のだが、実はこのアルバムのタイトルはその橋とは全然関係がないそうだ。
Robinによると、歌詞はできているが、タイトルがキマらない曲がかつてあった。ある日スポーツ系の雑誌で「Bridge of Sighs」というのを目にして「コレだ!」とひらめいて、曲のタイトルにし、かつアルバム名に使用したらしい。
それは競馬ウマの名前だったとか。
全米7位。ゴールド・ディスクを獲得している。
いい時代だ。

BsMusic Jacket Galleryみたいになってしまうが、このジャケット、オリジナル盤はこうだった。
色だけでなく、渦が反対、すなわち180度上下が入れ替わっていた。メッチャ変な感じ。

Bso試しに今のジャケを逆さまにしてみると、ホラ、渦の形が同じでしょ?
このレタリングもカッコいいよね。

Bs2それと、コレはハズせないでしょう。
1975年2月のスウェーデンはストックホルムでの演奏を収録した『Robin Trower Live』。
コレはよく聴いた。
今聴いてもメッチャかっこいい!「Too Rolling Stoned」のイントロを聴いただけでワクワクする。
元々はスウェーデンの国営放送のために演奏したもので、バンドのメンバーたちは録音されていることを知らされていなかったらしい。そのおかげで、いい具合にルーズな演奏で、形式ばった仕上がりにならず、彼のベスト・パフォーマンスのひとつになったという。
Robinのギターもノビノビとしていてカッコいいが、忘れちゃイケないのがJames Dewarのボーカルですよ。
Greg LakeやJohn Wettonにも通じる極めて男性的な歌声は問答無用で素晴らしい。
コチラも全米ベスト10入りを果たしている。
そして、ジャケット。
多分、表だと思うんだけど、写真はナントJim Marshall。写真家の方ね。
こんなことを知ると余計に好きになっちゃうね。
この時、Robinとの間で「アレ?Marshallの社長と同じ名前じゃん!」なんて話になったのかな?

Rtlvそれともう一枚。
「KING BISCUIT FLOWER HOUR」のライブ盤。ココもいい音源イッパイ持ってるよね。
Zappaの海賊盤なんてドラムがDavid Logeman期の貴重な音源だけによく聴いた。
こっちはZappaの海賊盤。

Img_2201_2_2 下がRobinバージョン。
今はジャケットが違うようだが、私のはコレ。コレも中の写真はJim Marshall。
「King Biscuit Flower Hour」というのは1973年から2003年まで続いたライブ音源を中心にしたアメリカのラジオ番組。
スポンサーがKing Biscuit Flour Co.という会社で、番組開始当時のヒッピー文化、「Flower Power」と「Flour Hour」を引っ掛けて名付けられた。ウマい!
Flourとは「小麦粉」のことね。
第一回目の出演は、Blood, Sweat & Tears、The Mahavishnu Orchestra、Bruce Springsteenだっという。どういうブッキングじゃい!
Robinのバンドは、以前はJames Dewarがベース/ボーカルを担当するトリオ編成だったが、後にRustee Allenというベーシストが加入してJamesはボーカルに専念することになった。
この音源は1977年10月の録音で、まさにその時期の演奏だ。
このRustee Allenという人、知ってる?
Larry Grahamの前のSly&The Family Stoneのベーシスト。何でRobinのバンドに入ったのかね?
…と思ったら、ドラムのBill LordanもFamily Stone出身で、『Small Talk』の録音にRusteeとともに参加している。ドラミングは『Robin Trower Live』よりこっちの方がはるかに良いと思う。
Jamesはベースを取り上げられたのを快く思っていなかった…というのを何かのインタビューで読んだ記憶がかすかにある。
でも、このアルバムでの演奏はとてもいい。
1977年の『In City Dreams』のレコ発記念的なライブだったのだろうが、おなじみの曲もシッカリ収録されている。
そのおなじみの曲がどれもテンポ・アップされていて、かなりこなれた「立て板に水」的な演奏だ。
RobinもよくJimi Hendrixのフォロワーと言われていたが、ギターのサウンドや奏法もさることながら、Frank Marinoあたりとは異なり、もっと内面的な部分でJimiの影響を受けているように思いますな。もしJimiが生きていたらこんな感じの曲を書いていたのでは?…なんて、久しぶりに聴いてそんなことを感じた。
「新ヴィラノヴァ・ジャンクション」みたいな…。

5_rtkb詳しくもない上に、偏ったチョイスでスミマセン…。

2016年6月 2日 (木)

Ginji Lives!~小川銀次、新譜をリリース!

三文役者のちぇり~(大竹亨)のご紹介で、故小川銀次さんの元スタッフに接触した。
ナント、「小川銀次の新譜がリリースされるので、よければMarshall Blogで紹介して欲しい」というご依頼だった。
収集がつかなくなるので、Marshall Blogでは単に新譜を紹介するだけの記事の掲載は基本的にご遠慮願っているのだが、不世出の天才ギタリスト、小川銀次の新譜となれば話しは別だ。
そして、記事用に氏のプライベート写真やギター・コレクションの写真をご提供いただいた。
銀次さんが急逝されたのは昨年の8月2日。
一周忌にはまだチョット早いが、さっそく新しい音源を聴きながら故人を偲ばせて頂いた。
ホラ!うれしそうに新しいギターを抱えて銀次さんが帰って来た!
お帰りなさい!
あ、銀次さん、足忘れてきてますよ!

10v 今回のアルバムはあくまで新譜。
これが5月25日に発表されたそのアルバム、『誰も知らない小さな島』だ。
2枚組CDで20曲を収録している。

1_cd2レコーディングしてあった詳しい内容を知る者がいなかったため、ハードディスクに残された音源と、残されたレコーディングの情報から未発表曲を割り出した。
その内の5曲に至ってはトラックダウンが施されていいなかったため、エンジニアがミックス作業を代行したという。

30

音源内の楽器演奏とドラム・プログラミングはすべて銀次さんひとりの手によるものだそうだ。
ジャケットのイラストも銀次さんの作品だ。
この世を去って早20年以上が経過しているFrank Zappaは現在も続々と「新譜」を発表し続けているが、この作品の発表もいかにもZappaを敬愛する銀次さんの所業らしい。

Img_2940 作品としては、サブタイトルに「~PRIVATE DIARY 2008-2015~」とあるように、12枚同時発売でギネス掲載を試みた『Private Diary』の延長線上に位置する作品ということになる。
1曲目の「出バヤシ No.1」からもう銀次ワールド。
銀次さんの弾くメロディって、昔からピッチがチョット不安定な感じに私には聞こえるんだけど、ノン・ビブラートで淡々と、しかし、熱情的に弾くスタイルは他に類のない、完全ワン・アンド・オンリーのものだ。
ギターの最大の特長であるビブラートをかけないで弾くのはコルトレーンの影響だったのかな?なんて改めて思ったりしてしまった。
「Tie Yellow Ribbon Round the Old Maple Tree」なんてシャレ曲(元はOak Tree)も収録れているが、全体の印象としては、Crosswind時代のようなテクニック満載の派手なナンバーが姿をひそめているせいか、ジックリと、ユックリと、自分だけの音楽を自分の言葉と声で編み上げている印象。
「ギター大スキ!」とか「ギター最高!」とかいうような類のものでは決してなく、銀次さんが自分のために作った極めて内省的な音楽で、まるで純文学をよんでいるかのような錯覚を覚えた。

2_img_7766_2 もうこんなギタリストは出て来ないだろうナァ。
私はこんなに親しげに銀次さんについて語る資格はない。
銀次さんについての思い出といえば、以前にMarshall Blogに掲載した追悼文ぐらいのものだが、少しでも一緒に仕事ができたことを誇りに思う。

40 その追悼文に記されていないことを思い出した。
銀次さんはドップリMarshallの人では決してなかったが、1x12"のエクステンション・キャビネットを愛用されていた。
その理由を尋ねると、「この世で一番低音が出る12インチ一発のキャビだもん」とおっしゃっていた。
このキャビネットはそれを狙ってCelestionのG12B-150というベース用のスピーカーが搭載されているのだ。
もうひとつ。
蛎殻町の居酒屋でイッパイご一緒させて頂いた時のこと。
当時、銀次さんはチューハイをご愛飲されていて、焼酎のボトルを頼んで、自分で炭酸で割って飲んでいたのだが、さんざん飲まれた後で、あの笑顔でポツンと…「マズイね、これ」とおっしゃったのが妙におもしろかった。
私がトイレに行っていた時にテーブルの上に置きっぱなしにしておいた携帯が鳴ってしまった。
トイレから帰ってくると即座に銀次さんが、「今Inca Roadsが鳴ってたよ!」と教えてくれた。「Inca Roads」とはFrank Zappaの代表曲のひとつ。
あの頃の携帯は自分で呼び出し音を作ることができたので、私は、まさに大好きな「Inca Roads」を呼び出し音に打ちこんでいたというワケ。
銀次さんがそれをわかってくれてうれしかった。
さらにもうひとつ。
その時も当然音楽の話で盛り上がった。
で、トイレで一緒になった時、銀次さんがこうおっしゃった…「そうか~、そんなにオリーが好きなら、今度アランと一緒に演ってるBBCの音源を持ってきてやるよ!」
もちろん、Tempestの話。
今ではこの音源はもうオフィシャルで世に出てしまっているが、15年前の当時は貴重な音源で、銀次さんのお申し出をメッチャ喜んだんだけど、結局忘れられちゃったな~。
こんなこともとてもいい思い出だ。

2_img_6162 銀次さん、学校の先生もされていたけど、一時FMのディスク・ジョッキーもされていたっけ。
「オレさ~、史上もっともしゃべらないディスク・ジョッキーなんだよ。それでさ、他のヤツが誰もかけないような曲を選んでるんだ。こないだも〇〇と△△とリンダ・ルイスをかけてやったよ!」と楽し気に私に話してくれた。
〇〇と△△はなんだったっけかな~。リンダ・ルイスしか思い出せないけど、他のもかなりマイナーなヤツだったよ。
実際に番組を聴いてみると、案の定、「ボソッ…ボソッ」と何かを思い出したようにしゃべる感じで、コレまた銀次さん丸出しのパフォーマンスだった。

50…と、銀次さんの思い出を記したところで、頂戴したギター・コレクションを紹介したいと思う。
多分ほんの一部なのではなかろうかとは思うが、『誰も知らない小さな島』でも活躍した愛器たちだろう。
まずはアコースティック・ギターから。

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10弦ギター。銀次さん、イエペスも目指してたのかな?

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70v_b_6

別項にも記したが、晩年の銀次さんはアコギでモノすごい音を出して独特の世界を作りだしていた。

90v_3

高い評価を受けているWillian Raskinというカナダのルシアーの1985年の作品。

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100v_b_3

日本を代表するギター・ルシア―、中出阪蔵の1962年の作品。

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110_b_4

阪蔵の弟、中出六太郎の作品。1969年の製作だ。

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120

81750031 続いてエレクトリック。                             

130a_2

130b_2テリー・シェイプのセミ・ホロウ。ストラトタイプ・ヘッドにローズ指板。
メイプル・バックという徹底したこだわりがスゴイ!

140a

140bコレも上によく似ているがピック・アップのコンフィギュレーションが違う。

150a

150bコレはヘッドがテレキャスター・タイプに近い。ボディもノン・トレモロだけどツインfホール。バックはやはりメイプル。

160a

160bピックアップ・セレクターやノブもウッド。木材にこだわった1本というところか?
キルテッド・メイプル・バックとタイガー・ストライプのネックが美しい。

170a

180b

コレも上に近い1本だがやはりピック・アップのコンフィギュレーションが異なる。

190a

190b

このトップはコア?
そういえば、「どうしてメイプル・バックなんですか?」と銀次さんに尋ねたことがあった。
「だってさ、メイプルってみんなトップに使うじゃん?じゃ、オレはバックにしようかな?って思ったんだよ」というのがお答えだった。
200a_2シンラインっぽいルックス。ピックアップも2個とおとなしい。
このギターもウッドにこだわった1本。

210a

210b

また思い出した。
このギターかな~?
銀次さんが持参されたギターが気になって「銀次さん、ちょっとだけギター触らせて頂いてもいいですか?」とお願いしたことがあった。
「オウ!」とかおっしゃるかと思ったら…「ダメだよ。触っちゃダメだよ。お前だって自分の女がよその誰かに触られたらイヤだろ?」って…。
加えて、「前にサ、〇〇(超有名なギタリスト)が黙ってオレのギターに触ったんだよ」
とおっしゃるワケ。
「エ、それでどうされたんですか?」
「『どうした』ってお前、入れたよ!」
「ハ、何を?」
「『何を』ってお前、延髄切りにキマってんだろ!」
アブね~、おかげさまで私はセーフでした!

240v

こっちのギターだったかな?
コレは珍しくメイプル指板。

230a

230b

「マーシャル祭り2」で使われた一本。
スプルース・トップでメイプル・バックのすごく上品なイメージのギターだった。
コレでMarshall Blogが続く限り、銀次さんのギター・コレクションがココに半永久的に生き続けることになった。
そして小川銀次よ、永遠に!

81750039『誰も知らない小さな島』のお求めは、「POWER RECORD」へメール又はFAXにてお申し込みください。
<メール> new.powerrecord@gmail.com
<FAX> 042-595-5293
<価格> 税込3,000円
1_cd2

そして、アルバムの発売記念と追悼のライブが開催される!
<日時> 6月17日 19:00開演
<出演> 大谷令文(g)、西山毅(g)、湯川トーベン(b)、川上シゲ(b)、岡井大二(ds)、新井田耕造(ds)、武田”チャッピー”治(ds)他
詳しい情報はコチラ⇒新橋ZZ公式ウェブサイト

270v
(一部敬称略 ※協力:POWER RECORD)

2016年5月26日 (木)

CODEネームは'D'

今年のNAMMで発表となったMarshall初のフル・モデリング・アンプ、CODE。
日本での発売はまだ大分先になりそうだが、3月に開催されたMarshall GALAでルーク篁さんのデモンストレーションによっていち早くその姿を現した。
商品の詳細については、ありがた迷惑であろうぐらい細かくゴチャゴチャ記しておいたので下記の記事をご参考願いたい。
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<後編>

10_2先行部隊として、まずは25Wと50Wが私のところへ到着している。
ステージ仕様の100Wヘッドが楽しみなところだが、この25Wと50Wコンボも練習用あるいは宅録用用として最高のパフォーマンスを発揮してくれることが判明している。
何せ歴代のMarshall名器の音がこの箱の中に詰め込まれているのだから!

1_img_0677 これまでこのCODE50を何人かのプロ・ギタリストにお試し頂いているのだが、コンセプトや操作性についてはもちろん、音質や弾き心地に対する評価もすこぶる高いことに驚いている。(ゴメンね、Marshall。こんなに評価が高くなるとは思わなかったんだよ)

25今日はD_Driveのお二人にお試し頂いた。
そうだよ、ASTORIAの試奏の時についでにお願いしたんじゃ。


まずはSeijiさん。
Seijiさんはこうしたデジタル・プロダクツより、真空管がゴソゴソと入ったトラディショナルなアンプがお好みなのは百も承知。
Seijiさんは食わずギライというワケではなく、実際にステージでデジタル・アンプを使ったこともあるそうだ。
CODEを弾いて、デジタル・アンプのテクノロジーの進化に驚いていたが、ファースト・チョイスは真空管アンプだ…

30v…といいたいところだが、さすが真のマーシャリストだけあって、14種類のプリアンプ、4種類のパワー・アンプ、8種類のキャビネットというラインアップの誘惑には勝てず。
気になっていた弾き心地も申し分なし。
ボリュームをグイっと上げて…ナンノことはない、CODE弾き倒し!

40v従前から説明している通り、CODEはGATEWAYというアプリをインストールすればスマホでの操作が可能となる。
もちろんスマホがなくてもコントロール・パネルですべての操作が行える。

45そこで、まずはコントロール・パネルでイジって頂いた。
…というのはGATEWAYが入っている私のスマホ、充電し忘れちゃって!
Marshall CODE家訓その1!:GATEWAYを使う時はケータイの充電切れに注意せよ!
「家訓その2」はない。大変使いやすいのでご心配なく。

50_2GATEWAYの方が扱いやすいことは確かなのだが、「あ、そうか~」と言いつつ次々と操作を進めていくYukiちゃん。
若い人にはまったくかなわないワイ。

60_2そうこうしているウチにスマホの充電が完了!
さっそく、GATEWAYとCODE50をBluetoothでひっつなげて…と。

90

コレがGATEWAYの画面。
プリアンプ、パワーアンプ、キャビネットを選ぶ「AMP」のページ。
冒頭で紹介した記事に見に行かない人も大勢いるでしょうから、チョット久しぶりに中身を並べてみようか?
ムヤミに内容を膨らまそうというワケではない。
井上ひさしだか、筒井康隆だったか、あったよね。
原稿行をボリュームを楽して膨らませ津には、兵隊を登場させて点呼すればいい…ってヤツ。
どうなるか…
「番号!」
「イチッ!」
「ニッ!」
「サンッ!」
「シッ!」
「ゴーッ!」
「ロクッ!」
「シチッ!」
「ハチッ!」
「キュウッ!」
ってやると、ホラ、難なく10行も紙幅をツブせて楽して原稿料をせしめることができる。
コレ、コピー譜もそうなんだって。
原稿料というのはページ毎に精算するのが普通だから、尺は長くなるが、採譜者にとってはTAB譜を付けた方がお得ということになる…という話をあるプロ・ギタリストから聞いたことがある。
Marshall Blogは長さも原稿料も関係ないのでご心配なく。
写真だけならべて、「いいライブだった。ハイ、レポート完了!」ということもできるけど、「マーブロ中毒」としての私のプライドが許さない!
では…


<PRE-AMP>
★クリーン系
JTM45
Clean DSL
Clean American
Clean JVM
Acoustic

★クランチ系
Bluesbreaker
Plexi
Crunch American
JCM800
50's British
★オーバードライブ系
OD JVM
OD DSL
OD American
OD Silver Jubilee

<POWER-AMP>
Classic Marshall 100W
Vintage Marshall 30W
British Class A
American Class A/B

<CABINET:( )内はモノホンのスピーカー・コンフィギュレーション>
1960 (4×G12M-75)
1960V (4×Vintage30)
1960X (4×Greenback)
1960HW (4×G12H-30)
1936 (2×G12M-75)
1936V (2×Greenback)
1912 (1×G12B-150)
1974CX (1×G12M-20)

70まだまだ行を稼ぐぞ~!ウソウソ。
ココはエフェクターをコントロールする「FX」のページ。
PEDAL、MODURATION、DELAY、REVERBとエフェクターが4つのカテゴリーに分けられている。

<FX>
★PEDAL
Distortion
Auto Wah
Pitch Shifter
Compressor

★MODULATION
Chorus
Flanger
Phaser
Tremolo

★DELAY
Studio
Vintage
Multi
Reverse

★REVERB
Room
Hall
Spring
Stadium

もちろんハイ・クォリティのノイズ・ゲートも搭載されている。

80_2

ギターから送られた信号はFXのPEDALセクションを通過しプリアンプへ。
そこからループにかまされたMODULATION、DELAY、REVERBを経てパワーアンプ段に送られる。
そして、スピーカーへと信号が送りだされる…とう概念。
スゴイ世の中になったものだ。
ちゃんとしたクォリティのモノを40年前これだけ揃えたらチョットした車が一台買えていたのではないか?

Dia3 …なんてことはお構いなしに、Yukiちゃんはサクサクと音を作って弾きまくってる!

100_2この顔…間違いなく気に入っている。
ご存知の通り、YukiちゃんもTSL100をこよなく愛する真空管アンプ派だ。
ところが、見ていると何の違和感もなさそうにCODE50をバリバリ弾いてる。
その評価はSeijiさん同様、弾き心地については何ら問題なく弾きやすい。
そして、音もお気に召したことは、Yukiちゃんが止めどもなく弾きまくったことが証明している。
音、いいのよ…。

110_2発売が待ち遠しいCODEなのであった!
120_3
D_Drive最新作、『R』絶賛発売中!
このアルバムのギター・サウンドはMarshall、そしてベース・サウンドはEDENです。
どうぞ安心して真のメタル・ギター&ベース・サウンドをお楽しみください。

480cd D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

2016年5月24日 (火)

【ASTORIA試奏レポート】 SAKI PLAYS ASTORIA + CODE

先日、寺田恵子をゲストに迎えてのライブも大成功だったMary's Blood。
昨年の10月にリリースしたニューアルバム、『Bloody Palace』に関するツアーもひと段落し、すでに新たなステップを踏みだしているハズだ。
130cd
さて、そのMary's BloodのSAKIにASTORIAを試奏してもらった。
「No.1ガール・メタル・バンド」の呼び声も高いMary's BloodのシュレッダーはどうASTORIAを弾いたのか?

10では、さっそく…いつも通りCLASSICから。

20vまずはジックリとスペックをチェック。

30_2「ホンモノのディストーショナーはいいクリーンを知っている」…というのは今私が考えたセリフ。
SAKIちゃんはしばし、クリーンを試した後エフェクターを使って試奏。
50v

これがSAKIちゃんのCLASSICの感想。
「まずエフェクターを何も繋がずにアンプ直で鳴らしてみましたが、美しくてリッチなクリーン・トーンが鳴ってくれます。
ギターそのものの音をアンプリファイしているようで、繋いだギターの木が鳴っているように感じました。
エフェクターを繋ぐと素直にエフェクトが乗ってくれるので、普段よりもよくエフェクターの効果が分かります。
色々ペダルを使って音を作るという方にはぴったりだと思います!」
さすが!よくおわかりでいらっしゃる!
40v
お次はCUSTOM。
非の打ちどころがない極上の歪みと弾き心地、そして粒立ちの良さはどうだ!

70SAKIちゃん曰く!
「ビジュアル、音とともに一番ビビビッときたのがこの子!
カラーリングは可愛いですが、音はその見た目と裏腹にガツンと前に出てくるMarshallサウンドそのもの。
ピッキングのニュアンスも忠実に出てくれるし、レンジの広さも気に入りました。
音が小さいという事もなく、十分色々な場で活躍してくれると感じました。
モダンなのにヴィンテージ、というような音のイメージを受けました!きっとハードなロックにも合うはず。」
合います。
やっぱコレが一番ヨカッタか…。

80vASTORIAのトリはDUAL。

90vやはりASTORIAの中ではもっとも機能が多いだけあって仕様のチェックは丹念に行われた。

100v

「クリーンとオーバードライブサウンドの両方が手に入るというコンセプトですが、その音のキャラがCLASSICのクリーンともCUSTOMのオーバードライブ感とも異なっているので、単純に2つがひとつになっている…というアンプではないです。
素直に音が鳴ってくれるという印象は上記2つと同様ですが、鳴りが変わってくるのが不思議で楽しいです。
是非実機を触ってその違いを確かめてみて欲しいです!」

…ということでチャッキーの好みのASTORIAはCUSTOMということが判明。
スーパー・シュレッダーの適切な評価ではなかろうか。

1_ast2_headcomboさて、Marshall Blogで何回も紹介している通り、SAKIちゃんはJVMプレイヤーである。
マーシャリストである。

90それゆえ歴代のMarshallの名器のサウンドをサンプリングしたCODEに興味があるハズ。

Code_group2…ということでASTORIAと同時にCODEも試奏して頂いた。
モデルは50Wのコンボ、CODE50。

1_img_0644CODEをコントロールするソフトウェア、「GATEWAY」がインストールされている私のケータイをSAKIちゃんに手渡すと、早速スラスラと操作を開始!

120vやっぱ若い人は違う!
な~んにも言わなくでもドンドン、ジャンジャン、ガンガン、ひとりでイジくっていい音を作っちゃう!

130そんなSAKIちゃんのCODE評…
「スマートフォンで直感的に操作出来るところがいいですね。
音についても、どこを取ってもマーシャルなので、マーシャルをイジったことがある人なら音を作りやすいと思いますし、中々実機で試すことの出来ないヘッドとキャビネットの組み合わせも出来るので新しい楽しみ方もあります!
DAWに接続してCODEで作った音を録音したり、スマートフォンのタッチだけで操作出来るエフェクター類も搭載されているので、ライブ演奏で使用したりと色々な用途が出来てとっても便利ですよ!」

140v操作や機能については若い人らしく積極的な評価が下されると予想していたが、音についても同様で、一旦音を作ってしまうと、バリバリと実に気持ちよさそうに弾いていた。
ん~、楽しそうだな…。
ま、何にせよASTORIA同様、CODEの反応もすこぶるよく、どこへ出しても恥ずかしくないモデルであることを確信した。
CODEについては販売までまだ時間がかかりそうだが、今から是非ご期待頂きたい。

CODEシリーズに関する詳しい情報は ↓   ↓   ↓
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<後編>

150さて、Mary'S Blood、今年も『NAONのYAON』に出演する!
SAKIちゃんのこの雄姿が見れるのかと思うと楽しみだ!

240vMary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

(一部敬称略)

2016年5月17日 (火)

【ASTORIA試奏レポート】 KAZUMI PLAYS ASTORIA CLASSIC

ギターを嗜んでいれば、誰でも自分だけのギター・ヒーローがいるものだ。
Marshall Blogやfacebookをやっていて思うのは、ロック・ギターの世界におけるRitchie BlackmoreとYngwie Malmsteenのズバ抜けたヒーロー度の高さだ。
次点でMichael SchenkerとEdward Van Halenぐらいか?
一方、今の若い人たちにはギター・ヒーローがいるのだろうか?大きなお世話か?それとも「ギター・ヒーロー」という言葉さえ死語か?
とにかく、自分たちのヒーローを仰ぐ皆さんのあまりの熱中度が正直うらやましい。
私もロックを聴き始めた13、14歳の頃はRitchieが大スキだった。生まれて初めて観た外タレのコンサートはRainbowの初来日だったし。
Yngwieに関しては、『Rising Force』が出て来た頃は、もう時代のロックを聴いていなかったので、夢中になる機会が一度もなかった。その代り、今仕事としてYngwieのギターを楽しんでる。
考えてみると、長期間にわたって「この人じゃなきゃ絶対ダメ!」というギタリストはいなかったナァ。大好きなFrank Zappaも「ギタリスト」としてではないしナァ。
Allan Holdsworthも一時期かなり夢中になったけど、『i.o.u.』あたりから名前が一般の人にも知れ渡るようになってしまって興味はなくなっちゃった。
ロック・ギターのフィールドでは、Peter 'Ollie' Halsallが最後の砦という感じ?


ところが、対象とする音楽の幅をジャズまで広げれば、私にも確固たるギター・ヒーローが存在する。
それは渡辺香津美だ。
初めて香津美さんのお名前を耳にしたのは、『Olive's Step』が出た後ぐらいのことだろうか?
渋谷の屋根裏のドリンク・バーの壁に『Olive's Step』の販促用のポスターが貼ってあって、そこに手書きのマジックで「オレ」と落書きしてあった。香津美さんファンの店員が書いたのだろう。
こっちはギターを初めてまだ2、3年で、うまくなりたくてしょうがない。その時は香津美さんを存じ上げなかったが、「この人そんなにスゴ人なのか?」とすごく印象に残った。
その後、大学に入り、ジャズを聴くようになってからはもう夢中だった。
『TO CHI CA』や『KYLYN』等のフュージョン・アルバムももちろん好きだったが、それ以前にThree Blind Miceというレーベルに吹き込まれたストレート・アヘッドなジャズ音源がとにかく好きで、「渡辺香津美」あるいは「Kazumi Watanabe」のクレジットが入っているアルバムは、リーダーが誰で、どんな楽器であろうと、見つけ次第すべてゲットした。
この辺りのことを、公私混同丸出しでいつかジックリ取り組んでみたいと思っている。(香津美さんご本人からもご了解を頂戴した!)
私は香津美さんのナニがそんなに好きかというと、まず、すさまじいテクニックを誇る世界有数のギター・ビ・バッパーということだ。
LOUDNESSの記事の時に、よく高崎さんの海外での知名度が高いことに触れるが、ジャズの世界に限っては断然香津美さんだ。
Marshallの仕事となると、あまりジャズを聴いている輩にはめぐり合わないが、たまにそういう人と一緒になってジャズの話しになると必ず「キャズ~ミ・ワ~トゥワナ~ビ」は知っているかという話になるからね。
1987年代に新婚旅行で初めて訪れたアメリカのレコード屋に「Kazumi Watanabe」のコーナーがあったのを発見して感動したのを覚えている。
そしてもうひとつ…ギターという楽器の可能性を信じて音楽ジャンルを問わず、常に前進し続ける香津美さんのクリエイティビティだ。
香津美さんのオリジナル曲がとても好き。どれも問答無用でカッコよく、そして深い。
芸術性、大衆性、経済性、そして世界的知名度という観点で見れば、Jeff BeckやPat Methenyの向こうを張れるギタリストは、日本では香津美さんだけであろう。
私は最近クラシック音楽を聴くことが多いが、そういう時、「クラシックは聴くべき。音楽の宝庫だから」という、昔インタビュー記事で読んだ香津美さんの言葉がいつも頭の片隅にあるのだ。
それだけ影響を受けているのだ。

さて、今日のMarshall Blogは香津美さんにご登場頂く。
今まで約1,800本以上の記事を編んできたが、香津美さんにご登場頂くのは初めてのことだ。
「祝!」なのだ!
「念願の」、そして「待望の」なのだ!
皆さんにこの気持ちがわかるだろうか!
…と言っても、香津美さんとはアコースティック・ギターの仕事を通じて10年以上前から交流をさせて頂いている。
そもそもは、そのアコギ・ブランドを冠にしたコンサートへの出演を依頼する熱烈なラブレターを認めたのだ。その前にもある方のご紹介でホンの少しメールでコンタクトをさせて頂いたことがあったが、仕事でご一緒するのはこの時が最初だった。
出演をご快諾頂いた時は死ぬほどうれしかった。
ある時、そのコンサート打ち合わせの後、食事をご一緒させて頂いた。あまりの興奮で二次会で飲み過ぎてしまい、二日酔いで地獄を見たこともあった。
そのつながりで、2004年にHoracio HernandezとRichard Bonaとの「Mo' Bop」のコンサートで、リイシューされたばかりの1974Xを使って頂いた。
東京公演は渋谷のオーチャード・ホール。
香津美さんはエクステンション・キャビネットの1974CXを追加して、レスポール直で「Cry me a River」をア・カペラで弾いてくれた。素晴らしかった。
下の写真は、NHKの高中さんとの番組の収録で、1974Xをお使い頂いた時のもの。
あれから12年も経ったのか!本当に昨日のことのようだ。

10vそして、今年は香津美さんが『Infinite』というアルバムで17歳の時にデビューしてから45年目の年に当たる。
そこで『Guitar is Beautiful KW45』という記念アルバムをリリースされた。
信じられないぐらい多方面のギタリストとの「デュオ」演奏をテーマにしたアルバムだ。

Ke452さらに、このアルバムのリリースを記念してのコンサートが今週開かれる。
名付けて『渡辺香津美ギター生活45周年祭 〜 Guitar Is Beautiful Special 〜』。
会場は再び渋谷のBunkamura オーチャード・ホール。
コンサートは最新作『Guitar is Beautiful』に関わったアーティストの皆さんをゲストに迎えた香津美さんを囲む「ギター祭り」になるようだ!楽しみ~!

そして、ココで私に奇跡が起こる。
ナント、このコンサートのオフィシャル・フォトグラファーのご指名を頂戴したのだ!
信じられんよ!
もちろん、ご連絡を頂戴した日から興奮で一睡もしていない(ウソこけ!)。
イヤ~、長生きはするもんですよ。
そして、人間マジメに生きるべきです。
人様のお金で温泉行って家族会議なんかしちゃイカン!
久しぶりの香津美さんとのお仕事…しかも今度は写真!もう死ぬほど頑張ってしまうのだ!

30v そして、もうひとつ、Marshallにとっての好機が到来した。
もうMarshall Blogの読者の皆さんにはきっとおなじみのASTORIA。
Marshall初のブティック・コンボね。
このCLASSICというモデルはクリーン・トーンを出すのが仕事で、そのアイデアの基礎は私が提案したことをコチラに記した。
実はこのアイデアを練っていた時、香津美さんのことが頭にあったのですよ。
すなわち、アンプはクリーン、しかも上質のクリーンにしておいて、エフェクターで音を作るという古式ゆかしいスタイル。
「香津美さんが使ってくれれば、うれしいなったらうれしいな!」と思っていた。コレ事実。
そこで、今回の写真のお仕事で久しぶりにご連絡をさせてもらうようになったので、ASTORIAのことをご紹介させて頂いた。
すると、香津美さんは直ちにMarshall Blogをご覧になって下さって「興味あり!」の反応を示して頂いた。
ココからの話は早い!

40 そこで、すぐに香津美さんの音楽創作の根城、Hilltop Studioにお邪魔させて頂いてASTORIA CLASSICをお試し頂いた。
う~ん、こうして見ると確かに緑色の物体がスタジオにあると目を引くな。圧倒的に「黒」の世界だもんね、普通は。
準備は万端…早速音を出して頂く。

Img_0935素のクリーン・トーンを確認した後、各種のエフェクターを用いてバラエティ豊かな音色をASTORIAから繰り出す。
ドキッ、「J.F.K」!
昨日偶然『Spice of Life』を聴いたばっかりだったのだ!
この『Spice of Life』というアルバムはドラムがBill Brufordで、イギリスで録音されている。
そのレコーディングの時、香津美さんはブレッチリーに赴き、Jim Marshallにお会いになったそうだ。
…と、ひとしきりASTORIAを確認して頂く。

Img_0955ここから先は例によって私との対話形式で香津美さんにASTORIA CLASSICについて語って頂くことにする。


Marshall(以下「M」):いかがですか?どんな感じでしょう?
渡辺香津美(以下「K」):第一印象!素直なクリーン・トーンですよね。
パッと見た感じにくらべてロー・ミッドとかボトム感がすごいあるんですね。
余裕があるんですよ。
こういうハムバッカー系のギターだと結構ローがモタつくじゃないですか。クリップっぽくなるというか…ピッチが明確でなくなってしまうアンプが多いんですよね。
音圧はあるんだけど何を弾いているのかわからないみたいな…。
そのあたりに関して言うと、ASTORIAの解像度はかなり優秀だと思います。
だから巻き弦の感じがよく出ています。
Img_0940
M:ありがとうございます!
ところで、ギターに関するインタビューは多くてもアンプに関するご質問は少なかったりするのではないですか?
K:確かにあんまりないかも知れませんね。結構好きで色んなものを使っているんですけど…。
Img_0970

 M:存じ上げております。
例えば『Spice of Life』の時はMarshallの三段積みをお使い頂きました。そうして色々なアンプをお使いになっていらして、香津美さん流のアンプ哲学みたいなものはお持ちでいらっしゃいますか?
「ギター・アンプはこうあるべき!」…のような。
K:はい。ギター弾きとして色々な面がありますので、例えばジャズを演奏するときはスーパー・クリーンなトーンが欲しいし、ブルースっぽいものを演るならピッキングの強さに応じてクランチしてくれるモノがいい。サスティンしすぎないものですね。いい感じでプス~っといなたく音が消えてくれるヤツ。
それと、コンテンポラリー的なギターを弾く時にはキーボードのようにサスティンがあって、エフェクターのノリがよいモノが欲しいですよね。
ギター・トリオの時にもキーボードのような役割をカバーできるような…リード・トーンがシッカリしていて、ヴォイシングがクリアに聞こえるようなものが好ましいワケです。
(実際に開放弦を含む複雑な和音を弾く)

Img_0939 こういう風に開放弦の鳴りがクリアで、ヴォイスが全部聞こえないとダメって感じです。M:ASTORIA CLASSICはクリーン・トーンを出すためのモデルです。アンプでいいクリーンを出して、後はエフェクターで音を作るというのが開発のひとつのコンセプトです。
K:はい。そうですね。
M:香津美さんでしたらCLASSICをどうお使いになられますか?クリーン単体でもお使いになられたいという感じでしょうか?
K:そうですね。基本的にすごくいい感じのクリーンです。
そして、ここから色々足していけるという。

Img_0946 M:そこです!
K:うん。レコーディングでも、小さなライブハウスでも、大きなホールでも、どこでもいつでも同じ音を出すにはどうすればよいか…。
最近の傾向で、アンプ・シミュレーターみたいなもので音を作ってPAでアウトするという方法もありますが、ボクはやっぱりアンプからガーっと音が出ていないとイヤなんです。
そうなると、自分の背中にスピーカーがあって、それで耳を壊さず、作り込んだ音が毎回同じように出て来るようにする方法として、「ペダルで音を作り込む」というひとつの結論に達しているんですよ。
Img_0967
M:なるほど!(キタキタキタキタ~!)
K:オーバードライブでも、曲によってタイプが違うものを使いたいし、同じ曲の中でもメロディとソロは使い分けたいし、それから、リアのピックアップの時に合うオーバードライブとフロントのピックアップの時に合うオーバードライブも選びたい。ギターによって選ぶのは当然です。
そういう時に音が七変化できるようにしておきたいワケです。
ですから、オーバードライブも3種類ぐらいセットしておいて、場面に応じて使い分けたい。

<香津美さんの足元の現状>
香津美さんは、このエフェクター群を単純にギターとアンプの間にシリーズで結線している。

Img_0998 M:ドワ~!となると、アンプが素直な方が好ましい。
K:そうです。アンプであんまり味付けされちゃうとやりにくい。
でも「味付けされていない」というのはソリッドステートのようなアンプということではないんですよ。

Img_0958
M:わかります。
K:パッとすっぴんで弾いた時に「アダルト」な感じが欲しいワケです。
M:「アダルト」?!…となると真空管のアンプ?
K:そういうことになります。

Img_0986M: もうMarshallというとまず「歪み」というイメージがありますよね?でも、昔はマクラフリンもディ・メオラもホールズワースもみんなMarshallでした。香津美さんはそういう時代を目の当たりにされていると思います。
香津美さんにとってのMarshallのイメージはどういう感じですか?
K:食わず嫌いで苦手。自分に絶対合わないと思っていました。
それで楽器屋で試奏する時にお店の人がセッティングしてくれるんですけど、好きではなかったですね。
ところが出演するライブハウスにMarshallしかなかった時があったんですよ。
ジャズのギター・トリオだったのでクリーンで弾かなければならない。で、色々とイジっていたら、すごくいい感じのクリーンが出たんです。
それで、「あ、Marshallのクリーンってアリなんだな」って思ったんです。
頭の中にはあるメーカーの音のイメージがあって、それに近づけようとしたんですが、その時はMarshallを操作する知識がなかったので、頭の中にあったよそのブランドのアンプのイメージを捨てたんですね。
それで、イチから音を作るのもありだな…と思って。トレブルを全部絞って、ベースを思い切り上げても案外モタつかない。
なんだ、Marshallイケるじゃないか!ということになった。

Img_0966_2 M:それはES-350の時代ですか?(編者注:ES-350はL-5サイズの薄型のフルアコースティック・ギター。70年代初期の香津美さんの愛器。私は大学の頃からそのギターに憧れていた。ある時、松本の楽器屋さんで50年代製の程度のよいビンテージを見つけた。買おうかどうしようか家族会議まで開いて迷ったが、下の子が生まれたばかりだったので、120万円はさすがに厳しく諦めた思い出がある)
K:そうです。
M:ウワ~!見たかったナァ。
ジョン・アバークロンビーもMarshallですもんね、あの音で。
K:あ、そう!
でも、ポンタとグレッグとやていたMoboⅢの頃はMarshallのヘッドとキャビを持ち歩いていたんですよ。
野外の現場も結構あったので…。(編者注:1986年のMoboⅢのスタジオ・ライブの演奏で香津美さんの背後にMarshallが確認できる。結線はされていないがJCM800 2203のコンボ4103。それに1965Aと1965Bという4x10”のキャビネットだ)
でも、ちょっとボリュームを上げるとすぐにPAの人が飛んできたり、ポンタが「うるせ~!」って騒いだり…ステージのそでに置いたこともありましたね。

Img_0941M:ハハハ!甲子園でしたっけ、Marshallをズラリを並べて弾かれたのは?
K:そうです。日本シリーズの開幕戦で、野村さんと長嶋さんがいらしゃいましたね。
「君が代」を弾いてくれというので、それならMarshallでしょ…ということで用意してもらったんですが、Marshallの後ろが貴賓席になっていて、アンプを積んでしまうと、貴賓の方々の視界を遮ってしまうんです。
「すいません、それ、どけてください」ということになって、横に並べて使いました。
M:ジミー・ペイジスタイルですね?
K:残念でしたけど、音はよかったですよ!PAもない生音でね。
M:見たかったナァ。それで、どういう風に弾かれたんですか?
K:イヤ、それがクギを刺されましてね…。
ジミヘンの「アメリカ国歌」風にやろうと思ったんですよ。こんなヤツ。
(実際にジミヘン風に「君が代」を弾く)

Img_0950M:当然そうなりますよね!
K:ところが!「渡辺さんのギターに合わせて5万人のお客さんが君が代をご唱和くださいますので、メロディだけは忠実に弾いてください」と言われたんです。
そしたら緊張しちゃって…こんな感じ。
(実際に「君が代」のメロディを原曲に忠実になぞって弾く)
Img_0959
M:ウワ、もったいない!(それでも十分にカッコいい!)
K:イヤ、でも結構感動しましたよ!
それにシングル・ノートで歌うのはやっぱりギタリストの最終課題ですからね。
M:なるほど!
ASTORIAに話を戻しますが、レスポンスなんかはどうお感じになります?
K:イヤ、すごくいいですよ。速くて気持ちいい。
音がまとまってくれる感じがするんですね。
特に(コードを弾きながら)、こういうのを弾いた時のバランスがとてもいい。
Img_0962
M:各弦の音がそれぞれ聴こえてくるような…。
K:ウン、分離感というよりは音程感が強くて、まとまってコードが聴こえてくれる感じです。
すごく安心感がありますよね。
印象としては、Precision(正確さ)というよりMusical(音楽的)です。
だからハコもの(フルアコ)のギターなんかはいいでしょうね。
M:ウワ!聴いてみたいナァ…ハコもののASTORIA。
K:ハコもの、ありますよ。ちょっとアレ持ってきて!(…とスタッフがフルアコを用意)
M:イヤイヤ、すみません!でもうれしいな!
(間、そしてフルアコが登場して早速プレイ)

Img_0973M:ウワ~。
K:ね?レスポンスがナチュラルですごくいい感じ。

Img_0978(しばし演奏…私、シアワセ)

Img_0980K:すごくふくよかなサウンドです。
シングル・コイルも試してみましょう。
(ストラトキャスター現る。ストラトの音なんだけど、完全に香津美さんの音)

Img_0984K:ウン、これもいい感じですね。ちょうどいい。
M:香津美さんのストラトキャスター姿を生まれて初めて拝見しました!
香津美さんはプロとして45年もこういう機材の変遷を目の当たりにされていらっしゃいますよね。
ずいぶん変わりましたでしょう?
K:変わりましたね~。
やっぱりシールドのような途中のモノが変わりましたよね。昔だったら「エ?」っていうようなギターでもシールド一本でいい音に変わってしまったりする。
M:なるほど。それはそうかも知れませんね。昔はこんなに種類がなかったですもんね。
K:ボクもずいぶん色々試しましたが、どんなにお金をかけてもダメな場合もあります。
あまりハイファイにしすぎて楽器本来の音を失ってしまうケースもあったりします。
最終的には使う本人が気持ちいいかどうかということです。
でも、途中に何をつなごうが元の音が良くなければ意味がありません。
ですから、入口と出口…すなわちギターとアンプがまず最重要ですよね。

Img_0996M:香津美さん、偉大なるギター・グルのご意見として、ギターとアンプってどっちが重要だとお感じになりますか?重要度を「〇:△」と比率で表すとどうなりますか?
あ、私がアンプ屋ということはお考えにならないで頂いて、ゲームとしてご意見をお聞かせください。
K:「ゲーム」としてね…(間)…ムズカシイ質問だな。

Img_0964でも…(間)…気持ちとしては、「7:3」でありたいよね。
M:どっちが「7」?
K:ギターが!

Img_0961M:(ズルッ!)
K:ギターが一本あって、世界中どこへ行っても、アンプが何であろうとも、「オレの音がするぞ!」というのが大基本にあって…。アンプが壊れていたら音は出ないし…。
実際、モスクワのライブハウスに行った時、妖しいアンプが出てきて、どうやっても音が作れないなんてことがありましたよ!
吉田美奈子さんとのデュオだったんだけど、チョット力を入れるだけでグワ~って歪むワケ。
M:ああ~、美奈子さんは楽器の音にものすごくシビアですもんね。
K:「歪んでるぜ…」なんて言われちゃって!
M:ウワ~!
K:GAINを下げれば歪まなくはなるんだけど、ホンのチョット動かしただけでドバーっとなっちゃうワケ。オール・オア・ナッシング。
M:まさか、その時「このアンプMarshallみたいだな!」なっておっしゃったんじゃありませんか?!
K:イエイエ!とにかく絞って乗り切りました。
M:ギター・アンプはギターがなければビックリするほど何の役にも立たない半面、実際にギターの音を出しているのはアンプですし、せっかくいいギターを使ってもその音の良し悪しを決めてしまうのがアンプであることも事実なので、アンプ屋の宣伝文句としては「アンプ7、ギター3」というお答えを期待するんですね。
K:イヤ、それも正しいですよ!どっちもアリなんです。

Img_0965M:ヨッシャ~!
K:結局、現場の状況や環境は選べませんから、とりあえず自分の方は状態を確保しておこうとする気持ちね。ギターやエフェクターは手元にあって自由自在ですから。、
M:なるほど、超ベテランならではご意見。
K:マクラフリンなんか最近、ギターから直でワイアレスでPAに音を飛ばしているらしいですよ。それでもあの音がしてますからね。
M:さっきも触れましたけど、マハビシュヌの頃はマクラフリンだってMarshallでしたよね?
K:積んでましたよ!そういうことをやった人だから、今そういうことができるんですよ。ちゃんと経験してる。
M:いいことおっしゃる。
でも、最近はギターを初めてやるような子でも流行りのデジタル・アンプなんかを買ってしまうんですって。
K:うん。そういうものはとても便利なんだけど、知識を持っていない人にはどうかと思います。
例えば、自分でアンプを飛ばしちゃったりとか、煙を出しちゃったりとか、苦労して運んだりとか…、そうやってアンプと苦楽を共にすれば、「こうすればああいう音になる」とか、「こうすれば壊れない」とかいう知識が身につくワケです。
そういう経験が元にあれば、そういったデジタル機器を使うのもよろしいのではないかと思います。
だって、そういう経験や知識がなくて、いきなりデジタルじゃ「何がいい音」なんてわからないでしょ?
いい音を作ってメモリーさせておくとか、どこへ行っても同じ音が出せるという意味では本当に便利だとは思います。
でも、やっぱり「元」を知っているからこそ便利だ…という風にありたいよね。
Img_0969
M:私も古い人間になってまいりまして…まったく同感です。
K:食べ物と同じですよ。ホンモノの味を知っていれば良し悪しがわかるけど、そうでなければ天然と養殖の違いもわからない。
採れたてのコリコリした天然の鯛のおいしさを知らずに、養殖ものを食べて「歯触りが柔らかくておいしい~」なんていう若い子みたいなもんです。「柔らかい」のは違うんだ!っちゅーに!
M:カニよりカニかまぼこの方が好きだったりして…。
K:最近のカニかまはスゴイですよ!よくできてる。
M:海外でもスゴイ人気らしいですからね。
K:いずれにしてもまず耳を育てることが大切。そのためにはやっぱりレコードをたくさん聴いて、色々なことを知っていないといけませんね。
M:香津美さんは「Marshall」と聞いて、まずどのギタリストを連想されますか?ジミ・ヘンドリックス?ジミー・ペイジ?
K:マーシャル、マーシャル…リッチーかな?
M:エエ~?意外!
K:でも…「Marshall」といえば、ジミ・ヘンドリックスか…。
(「Little Wing」のフレーズを弾く)

Img_0986_2 K:やっぱりアメリカン・アンプにはない味がありますよね。
ASTORIAにはMarshallのDNAを感じます。「クリーンなのに歪んでいる」みたいなね。うまくいえないけど、そこら辺のチャラいクリーンではなくて、ドスの効いたクリーンなんです。
M:それはASTORIAのどういうところなんでしょう?ローミッド感というヤツですか?
K:うん。パッと弾いたイメージでは、このアンプはローミッド感がすごいと思います。
弾いててすごく安心なんです。「もっとチョット欲しい」みたいな部分がないから、無理して強く弾いたりする必要がない。
インプットのレスポンスがすごくいい。とにかくローがいい感じに伸びています。

…と、とても好意的なご評価を頂戴した。
20日のオーチャードホールでのASTORIAで使って頂くことになった!
香津美さん、ありがとうございます!

Img_1002

この他、「変わったコルトレーンの聴き方」の話だとか、とても面白い話しをたくさん伺ったが、今回は紙幅の都合で割愛させて頂く。
ダメなのよ、私が興奮しちゃって…色んな話を聞きたくてキリがないの。
香津美さんもイヤな顔ひとつされずにお答え頂くもんだから会話が終わらない!
ああ、香津美さんから濃い~話をお聞きして本を書いてみたいな~。
ASTORIAのよいご評価も頂戴できたので、心を鬼にして私の方からインタビューを終了させて頂いた。
よくやったASTORIA CLASSIC!ますます好きになった。
帰りにハーゲンダッツのアイスを買って帰った。もちろん抹茶テイスト!

Img_008620日、オーチャード・ホールでお会いしましょう!

コンサートの詳しい情報はコチラ⇒『渡辺香津美ギター生活45周年祭 〜 Guitar Is Beautiful Special 〜』

渡辺香津美の詳しい情報はコチラ⇒Kazumi Watanabe official web site

Img_0077(一部敬称略)

2016年5月13日 (金)

【ASTORIA試奏レポート】 Seiji & Yuki PLAY ASTORIA DUAL

さぁて、D_Driveの【ASTORIA試奏レポート】の最終回はASTORIA DUAL。
ブルーでクールな2チャンネル。

10_5最後も親分からASTORIA DUALにトライ。
これだけ弾いてもゼンゼン飽きる気配なし!

20vCLASSICやCUSTOMに比べて機能が豊富なDUAL。
その分、チェックも念入りだ。

30まずはクリーン・チャンネルから…。
アレレ、すぐにODのチャンネルに移るかと思っていたらクリーンに夢中のようす。
この謎は後半を読んでいただければわか~る。

40そして、ODチェンネルで大暴れ!
またまた気持ちよさそう!

50vお気に入りのサウンドを得て、あまりにも楽しそうに弾くSeijiさんを目の当たりにして様子を覗き込みに来たYukiちゃん。

70
Seijiさんの表情を見ればDUALの説明はもう要らないかもしれない…。
この表情は、「千とせ」の肉吸いと「明治軒」のオムライス&串カツを同時に食べた時の顔や!

60選手交代。
Yukiちゃんもゼンゼン飽きてなさそう。
まだ25種類ぐらいはイケそうだ?!

80Yukiちゃんも念入りに機能をチェック。

90v当然、クリーンとODを行ったり来たりであらゆる可能性を探っていく。

100vいかなるシチュエーションでもYukiちゃんの速さに付いていくのがASTORIA。
想像を絶する幅広いダイナミックレンジがYukiちゃんのクリエイティビティを刺激する。

110ここでも積極的にD_Driveチューンを試していく。
DUALのコンテンポラリーなキャラクターは一層D_Driveの音楽にマッチしていた。

120vDUALもタ~ップリ弾いていただきました!…ということで最後の感想戦。
Seijiさんの意外な反応で盛り上がっちゃった!

Marshall(すなわち私、以下「M」):それじゃ、最後にDUALいってみましょう。Seijiさん、なんかDUALが一番お気に召していたような…。
Seiji(以下「S」):イヤ~、ヨカッタですわ~。ムッチャクチャ気持ちエエですわ~、ホンマ。
CLASSIC、CUSTOMとどれもキャラが違いますね~。

Img_0581 Yuki(以下「Y」):三つとも全部違う。
M:クリーンはCLASSIC、歪みはCUSTOMって合体させればよかったのに…と思いませんでしたか?ま、できないんですけど。
S:イヤ~、そういうのがあってももちろんいいんですけど、コレはコレでコレの良さがバツグンに出ているんですよ!
あのね、コレ、ヤバいですよ…この音!
Y:ど、どんな感じなんですか、「ヤバい」って?(←Seijiさんのあまりの感激ぶりに驚いてYukiちゃんが質問してる!)
M:クックックッ!(それを聞いて思わず、笑)

Img_0572 S:JMDの時かな?昔、シゲさんに色んなモデを試奏させて頂いたことがありましたでしょ?
あの時に弾いた1987のコンボが音のコシといい、弾き心地といい、ものすごくよかったんです。
M:2187ね。
S:そうそう。このDUALはアレにすごく似ているんですよ。
M:全面フレット・クロスのヤツ。
S:アレがまたカッコいいんですよ!DUALはその2187をボクの中でよみがえらせてくれましたよ。
とにかくメチャクチャ気持ちヨカッタ!
M:アレは2x12”ですけどね。
S:DUALを2x12”にしたらソックリになるんとちゃうかな?
M:おもしろいご意見ですね。Yukiちゃんもやっぱりキャラの違いが大い思いましたか?
Y:ハイ。私もコレが好きやったんですよ。

Img_0579 M:どういうところが?
Y:2チャンネルというのもあるんですが、出せる音の幅が一番広いんですね。
S:そうそう!
M:かなり念入りにチェックされていましたもんね!
Y:はい。セッティングによってすごく色々なキャラに変わるんです。そういう意味では、もっと作り込んでいけばたくさんの曲にシックリとマッチして、バッチリ使えると思ったんです。
S:ODチャンネルでGAINを上げずに歪みを浅く設定してやった時の音が何ともいいんですわ。
ボクも好きでたくさんのアンプを試しますけど、ギターのピックアップの音の違いをこれほど明確に表現してくれるアンプは他に知りませんね。
フロントとリアなんていうのはどのアンプでも違いがわかりますが、ミックスしたタップとか、普通のアンプではこれほどガラッと音を変えてはくれませんよ!

Img_0574 M:確かにすんごい音が変わっていましたね。あたかもギターを持ち替えたかのような…。
S:それだけ繊細なアンプなんですよ。コレはなかなかマネできないんと違いますか?
どんなことがあってもエフェクターでは絶対に作れない音です。
Y:なんか「心地いい」ていう感じの音が出ますよね。音のバラエティがスゴイ。

Img_0569 S:決して「器用」ということではないと思うんですけど、サウンドを違いをハッキリとひとつひとつ示すことができる。
それでいて、どのサウンドにもパンチがあるんですね。
Y:EQの利きもハッキリしています。
S:(Yukiちゃんに向かって)CLASSICの時はYukiちゃんが「マイルド」って言うてたやんか。ボクもなるほどマイルドやな…と思った。
同じようにしてひとことで言い表すならば、このDUALは「パンチ」やね。しかも世界チャンピオン級のものすごい瞬発力のあるパンチや!パーン、パーンってな…2tぐらいやな。
チョーキング一発でやられる破壊力がある。

Img_0565 Y:コレもギターがウマければウマいほどおもしろさがわかるのではないでしょうか?
M:それといいギターね。
S&Y:そうそう!
S:今、思ったんですけど、レコーディングの時に頭に思い浮かべている理想の「クリーン」の音っていうのがあるんです。
M:理想のクリーン?どんなんだろ?
S:ズバリこのアンプの音なんです。もうすっかり出来上がっちゃってる。ボクが思っているクリーンの音ってDUALのクリーンなんですわ。
M:Seijiさん的には、すなわち2187の音?
S:そうです。

Img_0583 Y:私には結構あたたかみを感じました。
S:ボクはちょっと違うんだな。もっとパキッという感じ。イヤ、カリッかな?イヤイヤ、キラキラですわッ!
Y:キラキラ……?
M:「固い」というのとはまた違うんでしょ?
S:ゼンゼン固くないです。この説明の難しさね!実際に弾いてみたらわかると思うし、一発でヤラれてしまいますよ。
M:そんなに気に入った?
S:はい。こんな音、Marshall以外、他で絶対に出せませんよ。ゼ~ッタイ!
あのね、楽器のクォリティを教えてくれるアンプです。
Y:ホンマ。

Img_0584 M:ところでおふたりにうかがいますが、回路と色の組み合わせを自由に選ばせてあげるといわれたらどうしますか?
S:DUALで…やっぱブルーですわ。そのままになりますね。
Y:私はCUSTOMで~…アレ~?…やっぱり赤を選びますね!
青も赤も好な色なんですけど、やっぱりCUSTOMにシックリくるのは赤ですね~。
M:我ながら、やっぱりMarshallってスゴイですね。
S:イメージさせてるんですね~。

Img_0604 D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

10_4

最後にYukiちゃんから…。
「ASTORIAは何と今日発売となるそうです!
このモデルは量産ができない手作りの商品だそうです。入荷の数量が少ないので、すぐに売り切れてしまう可能性もあるようにもお聞きしましています。
楽器屋さんで見つけたら是非試奏してみてくださいね!
私のお気に入りはCUSTOMですけど、CLASSICもDUALも最高です!」

Img_0590 ASTORIAの詳しい商品情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!


Seijiさん、Yukiちゃん、わざわざこの試奏会のために一日早く上京して頂き、かつ、お疲れのところ長時間にわたって仔細にASTORIAをお試し頂きまして誠にありがとうございました。
この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。        

                                             Shige

(一部敬称略)

2016年5月12日 (木)

【ASTORIA試奏レポート】 Seiji and Yuki PLAY ASTORIA CUSTOM

D_Driveの【ASTORIA試奏レポート】はCUSTOMに移る。
赤いCUSTOMはシッカリ歪みの熱血野郎!

Img_0540

今日ASTORIA CUSTOMを試して頂くのは…
Shimataroと…

B_s41a0145Chiiko!

B_s41a0150 …なワケなくて、友情出演してもらいました。

昨日に引き続いて、Seiji~!

Img_0548

そして、Yuki~!

Img_0543 今日も親分からスタート。

Img_0300「歪む」ったってどんな感じか?
まずは、小手調べ。
何せCLASSICがあんなにシッカリしたクリーンだったからね。
「ムムッ?」

Img_0303「コレはかなりイケるんとちゃうか…?」…と歪みを深く調整する。

Img_0302_2もう入り込んじゃって辺りがまったく目に入っていないSeijiさん。
ま、この音はロック・ギターをやっている人なら当然溺れてしまうだろうね。
GZ34がもたらす独特のコンプレッション感が何しろ気持ちいいんだ~。

Img_0313かなり歪みを深くしたが、ヌケの良さが悪くなるなどということはまったくない。
一音一音がキリリと締まっている。

Img_0311おなじみのD_Driveメロディがバンバン飛び出してくる。
さすがにステージで30Wは厳しいだろうが、豊かな音色はD_Driveの音楽をよりゴージャスにするに違いない。

Img_0316続いてYukiちゃん。

Img_0343YukiちゃんもGAINを上げて深めの歪みを作る。

Img_0336やはり弾き慣れているD_DriveナンバーでいつものTSLとの違いを確認。

Img_0356Yukiちゃんも相当真剣だぞ…全然、ニコニコしなくなっちゃった!
弾くわ、弾くわ、シュレッディングの鬼!

Img_0351Yukiちゃんのサウンドを耳にしてそのセッティングを確認するSeijiさん。
確かにスゴイ音だった!

Img_0348BLIGHTNESSやBODY等の機能もひとつひとつジックリとチェックしてくれた。

Img_0338 ハイハイ、そこまで!
ズッと弾いていたい気持ちはわかるけど、ここら辺でASTORIA CUSTOMについておふたりに語っていただきましょう!


Marshall(すなわち私。以下、「M」):イヤ~、ようけ弾きよりましたな~!
Seiji(以下「S」):CLASSICの後で、キャラクターがゼンゼン違うので驚きました。D_Driveで使うならCUSTOMが一番合うと思います。
Yuki(以下「Y」):そうですね、色んな曲がありますが、D_Driveやったら、やっぱりCUSTOMがシックリくるでしょうね。

Img_0537 M:歪みの具合はいかがですか?お気に召しました?
S:最高です。メッチャいいです!
M:どういう風にいいんでしょう?普段使っているDSLと比べるといかがでしょう?
S:やっぱり違うタイプの歪みですよね。とにかくASTORIAはコシがスゴイ!
すごく歪んでいるんですけど、ジャーンと弾いた時に各弦の音がひとつひとつ独立しているんですね。
そして、その後のロング・サスティンがタマらない!
M:サスティンは見事ですよね。
S:ハイ!ひどいアンプになるとトライアドを弾いているのにパワーコードにしか聞こえないなんていうのもホンマあるんですわ。
M:あるある!
S:で、音を重ねていった時、歪んだままだと何を弾いているかわからなくなってしまうので、歪みを浅くしてやる。
するとどうしてもサスティンが稼げなくなってしまう。
ところが、ASTORIAは歪ませたままでも音が分離しているように聞こえるんです。それでいてサスティンも十分。

Img_0526 Y:私にはハイがすごく出るように聞こえたんです。
S&M:ハイ?
Y:はい。
M:音が固いということ?
Y:「固い」ということは一切ないんですが。高音がすごく利いていて、音がとても抜けるイメージですね。すっごいパワーやな…ってビックリしました。

Img_0507_2 M:30Wのワリにはということ?
Y:イエ、そういう意味ではなくて、ゲインやボリュームをそんなに上げていなくても、すごい力があるんですよ。ホントに?!みたいな。
M:音圧ってこと?
Y:そうです!大きさではなくて力。とにかくハイが抜けてて、パワーがメッチャあるという印象。

Img_0527 M:世の中にはただ歪んでいるだけで、ガシャガシャとなっちゃうアンプもありますよね。
そういう類の機材は弾き手のテクニックも音楽性も殺してしまうワケで、だからこそ、皆さんは音の良し悪し以外にもシビアな目で機材選びをされていますでしょ?
そういう目で見るとASTORIAはいかがです?
アノ、話伝わってますか?
Y:フフフ。
S:もちろん、もちろん!伝わってます。
M:ごめんなさい説明が下手なもんですから…。
S:よう言いますわ!
どう言ったらいいでしょうか、さっきも言いましたがとにかく分離がハッキリしていると思うんです。
歪んでるんやけど…。

Img_0522 Y:歪んでるんですけど、自分が出したいニュアンスが正確に出せるんです。
S:そうそう、そやねん。
例えて言うと、弦一本一本にそれぞれ専用のピックアップが付いていて、それを最終的にASTORIA CUSTOMでまとめて音を出してくれているみたいなイメージですわ。まったく埋もれるところがないんです。
Y:フンフンフンフンフン。
で、ギターのボリュームを絞ってクリーンにしても、やっぱりきれいにニュアンスを出してくれます。音も太い。

Img_0528 M:BOOSTはいかがでした?
S:イヤ、こ~れ~は使えますよ!普通ブースターで音を補う時はエフェクターを使いますが、コレがついていればエフェクターは要りませんね。
M:付属のフットスイッチでオン/オフできますからね。
Y:確かに…ゼンゼン必要だとは思いませんでした。
S:とても頼りになりますよ。「アニキ」って感じ。
M:Brightnessはどうでした?Yukiちゃんは元々ハイがよく出ているって言ってたけど…。
Y:私は必要には感じませんでした。
M:Marshallはブライト・スイッチが付いているモデルってほとんどないんですよ。高域を強調する用途としてプレゼンスはおなじみですけどね。
昔はよくついているアンプを見かけましたけど、実際に使っているっていう話を聞いたことがない…。
S:コンボなんかだと、箱鳴りしすぎて、モコっとしちゃうことがあるますよね。鼻をつまんだような…。そういう状態を解消したい時なんか役立つと思いますよ。

Img_0537_2 M:BODYはどうです?
S:単純にいうと中~低域が持ち上がる作用があるんですが、すごくコクがあるというか、まろやかに太くなる感じですね。
まるでビンテージもののワインみたいな?
M:そういえば、コクのあるワインなんかは英語で「Full-bodied」って表現するんですよ!
S&Y:おお~!
M:Marshallもビンテージ・サウンドを形容する時によく使う言葉なんです。
Yukiちゃんはどう?
Y:ん~、例えて言えば、頼りになる優しい男性が出て来る感じですかね?

Img_0479 S&M:おお~!ボディだけにマッチョ?!
Y:ガリマッチョ。このツマミを引っ張り上げると「大丈夫だよ」って言ってくれる。
S:じゃ、常に入れておく?
M:こういうスイッチを入れっぱなしにしておくタイプ?
Y:イエ、多分入れっぱなしにはしません!
S&M:ズルッ!(全員大爆笑。言ってる本人まで大爆笑)
S:そうそう、それとセンド&リターンもついているからループ派には便利ですよね。

Img_0518 M:さて、色はどうでしょう?
普通、「スカーレット・オハラ」とか、「バーガンディなんとか」とか、「なんとかクリムゾン」とか、「なんとかバーミリオン」とかカッコつけた名前を付けるじゃない?
ナァ~二ィ~、やっちっまったな~…みたいな。Marshallは黙ってレッド、グリーン、ブルーですよ…!
S&Y:(大爆笑)わかりやすい~!

Img_0475 Y:この赤ってすごく渋くて落ち着いていますよね~。真ん中のクリームのところがまたすごくマッチしているんですよ!
女の子が部屋に飾ってもおかしくない。一気に部屋が可愛くなる!

Img_0545 S&M:そ~お~?

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

10_4ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

【ASTORIA試奏レポート】 DUAL編につづく

(一部敬称略)





2016年5月11日 (水)

【ASTORIA試奏レポート】 Seiji and Yuki PLAY ASTORIA CLASSIC

先日のMarshall GALAでは短い時間ながら代表曲を3曲立て続けに演奏し、大いに会場を沸せてくれたD_Drive

Dg それに先んじてリリースされたアルバム『R』も大好評だ。
Marshall GALAで初めてD_Driveを見るお客さんも少なくなく、その衝撃はかなり大きかったようで、会場のCDの即売では驚くほどの売り上げをマークしたようだ。
Marshall GALAの会場がもしヤスガーの農場だったら5~6万枚は簡単に売れていたことであろう。

480cd そして、今日の【ASTORIA試奏レポート】はD_Driveのおふたり。

10_2Seiji

Img_0248Yuki

Img_0433_2SeijiさんはDSL100、YukiちゃんはTSL100、キャビネットはともに1960Aと、日頃からMarshallを愛用してくれているふたり。
それだけにMarshallの新商品とくれば興味津々は当たり前。
週末のライブに先立って、ナント、ASTORIAの試奏をするだけのために一日早く上京してくれた!
昼食後、長時間にわたるドライブの疲れなどおくびにも出さずに、早速CLASSICに飛びついてもらった。
後半では対談形式でASTORIAの魅力を語って頂く。

Img_0487 最初は親分から…。
前もってお伝えしておいた通り、一番お気に入りのギターをご持参頂いた。
Marshall GALAでも使っていたいつもの愛器。

Img_0232まずは「素CLASSIC」で自慢の濃厚クリーンを堪能。
コード、単音と音色だけでなく弾き心地も丹念にチェック。
クリーン・トーンを使うD_Driveのステージでは定番のバラード、「Unkind Rain」をプレイ。
弾くと思った!

Img_0235コントロールを色々とイジってみる。

Img_0256そして、専門分野の「歪みの世界」へ!
歪み系エフェクターについてもお気に入りのモノをお持ち頂くようにお願いしてある。

1_img_0240 ツワ~!
コレがまた素晴らしいディストーション・サウンド!
ピッキングのニュアンスもクリアな最高のロック・トーンだ!

Img_0263早くもズッポシASTORIAにハマるSeijiさん。
果たして時間までに全モデル試奏し終えることができるのかッ?!…っていうぐらいのめり込んでる!
弾いてて気持ちいいからね~。

Img_0259今度はYukiちゃんの番。
まずはザッとコントロールをセットして…

Img_0272とりあえず弾いてみる。
Yukiちゃんのイニシャルの「Y」をボディにあしらったギターは彼女のトレードマークであり、一番のお気に入りだ。
だからどんな音が出るかはよく認識している。

Img_0282やはり単音とコードで試してみる。
アラ、やっぱり「Unkind Rain」を弾くのね?!

Img_0288今度は「POWER REDUCTION」や「SENSITIVITY」、「EDGE」等のASTORIA特有の機能をチェック。

Img_0270そして、YukiちゃんもSeijiさんのペダルを拝借して思いっきり歪ませてCLASSICを弾いてみる。
Img_0287
「私の速さについて来れる?」とは訊かれなかったが、この猛烈にコシの強い音色にはついて行きたいナァ。
いつものTSLとは異なったサウンドのYukiちゃんの華麗なプレイ。

Img_0291…と、ふたりともタップリ弾いて頂いたところで感想戦に突入。

Img_0492 Marshall(以下「M」、すなわち私):どうでした、初ASTORIAは?
Seiji(以下「S」):いい意味で素直で正直な音。

Img_0485 S:自分が持ってきたエフェクターとの相性がよかったのかもしれませんが、このエフェクターがあれほどいい音を出すとはまったく知りませんでした。(写真は実際に使われたカスタム・メイドの歪みエフェクター)

Img_0473 S:楽器の本来の音を引き出してくれるアンプだと思います。
音の立ち上がりものすごく速くて、ピッキングした瞬間にバーンと返してくれる。
デジタル系の機材に慣れてしまっている人にはピッキングのタイム感に違和感を覚えるかもしれませんね。
うまい人が使うとさらにその人のうまさをアッピールしてくれると思います。
ピッキングの位置とか強弱とかもバカ正直に出ちゃいますよね。
Img_0484
ビックリしたのはEDGE!(一番右のノブ)

150 Yuki:そうです、そうです、コレをイジれば会場の響きにギターのサウンド合わせたりすることが簡単にできそうですよね。
S:7以上にすると、急にカラッとした感じが強調されて気持ちいい。
M:お察しの通り、EDGEはパワー段でハイをコントロールする機能なんです。プレゼンスもそうなんですけど、仕組みが違う。ボリュームを上げると効果が増します。
で、Yukiちゃんはサウンドに関してはどんなイメージです?
Y:音の厚みがスゴイと思いました。
それで、どこかしら音質がマイルドなんですよ!

Img_0504S:そうそう、マイルド、マイルド!それが言いたかった!
Y:でも、中にものすごくシッカリした芯がドーンと通っていますよね。それがサウンドを前に押し出してくれているような感じ。
S:アーモンド・チョコレートみたいな…。外側はチョコレートで柔らかいんですが、中ではアーモンドがしっかり支えている…。

Img_0503 M:マカダミアじゃダメ?
S:イエ、マカダミアでもいいんですよ。
M:でも、ピーナツじゃないですよね?
S::そんな弱々しいイメージではありませんね。
M:千葉の人が聞いたら気を悪くされますよ!

Img_0488 M:そのマイルドさっていうのはD_Driveの音楽にとってどうなんですかね?
S:たとえば、「Unkind Rain」のようなクリーン・トーンを使うような曲にはやっぱりバッチリですよね。
そういえば、今日はふたりとも「Unkind Rain」を弾きましたが…。
Y:そう、やっぱりD_Driveの曲で試奏してみようか!っていう感じになりますよね。自分たちの曲でどうやって使えるかっていうのはヤッパリ試奏の時のポイントになってしまう。

Img_0508 S:あと、「Peach Fizz」とかね。
Y:ああ、ハマりそうですね!あと「Runaway Boy」なんかもエフェクターで歪ませてCLASSICを弾いたらスゴそう。
M:ああ、「Runaway Boy」はカッコいいかも。
S:コード感の表現もスゴイですよね。テンションの多いコードなんかはきれいにひとつひとつの音が聞こえてくる感じ。
M:そう!一本一本の弦の音がハッキリ聞こえてくるイメージ。
S:バッチリ聞こえます!

Img_0494 M:ルックスはどう思います。
Y:このCLASSICの緑は落ち着いているので家の中にあってもすごくいい雰囲気がしますよね。
S:メッチャ思う!

Img_0500 M:目にやさしい?
S:そうですね!ギター・アンプってものは本来スタジオにあるようなモノですけど、CLASSICはリビングにポンっておいてあってもいい感じですよ。
Y:ソファの横にあってもゼンゼン不思議じゃないですよね!

Img_0513 M:我々の世代では「やっぱりMarshallは黒に金に白」が当たり前なんですが、私よりお若い、そしてかなりお若いおふたりにとっては緑のMarshallなんてのはどうなんですか?
Y:私はゼンゼン抵抗感がないですね。
S:ボクも抵抗はありませんが、「思い切ったな~Marshall!」という感じはします。
ひとつだけ思うのは、コントロール・パネルはゴールドかな?という気はします。
もうゴールドに慣れきっているんで。
Y:ウ~ン、でもこのデザインだったら私はシルバーはありだと思います。
Img_0516
S:このデザインならね。
Y:ハンドルなんかも革みたいで高級感が出ていますよね。

120 S:ビスひとつとってもナンカ高級ですよね。
M:ブティック・アンプですから!
Y:すごく丁寧に作ってある感じがあります。
S:和室にも合いそうですね。
Y:横に壺を置きましょう。
M:お茶室?マーシャルじゃなくて「抹茶ル」?誰かキットカットみたいに爆買いしてくれないかな!

Img_0505 S:あと2x12”バージョンがあったらすごくいいかも知れませんね。
M:重くて持てませんよ!それはまたナゼ?
S:すごく音にコシがあるので、もうひとつスピーカーを足すと、スゴイことになるのではないかと…。
もしくはCLASSICを2台同時に鳴らすとか…。
M:毎度あり!
1974CXみたいに1x12”の同じ形のエクステンション・キャビがありますから、簡単に2x12”仕様にはできますよ。
S:それと、パワー管がKT66というのも驚きでした。イメージとしては、普通大きいアンプに使われるのに30Wのコンボに使われていたからです。
だから余裕でクリーンなんでしょうね。

Img_0511 M:そうですね。それとさっきの「マイルドさ」はそこから来ているのかも知れませんね。
今までのやり方ですとEL84かEL34ってとこでしょう。すると音はもっと鋭くなりますから。
Marshallの最初のモデル、JTM45はコンボではありませんでしたが、30Wの出力でパワー管はKT66だったんですよ。ある種、先祖返りを考えたのかも知れませんね。
ちなみに2007年にリリースしたVintage ModernはJTM45回帰をイメージしてKT66を採用しました。
S&Y:あ、そうだったんですか~。
M:ハイ、ほんじゃ次…チャッチャとやらないと終わらないよ~!

Img_0555D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

Img_0559ASTORIAの発売は今週の金曜日、5月13日を予定しています。
ASTORIAは量産が難しいハンドメイド商品です。入荷数量が多くないため、早期の品切れが予想されます。
楽器店でお見かけした際には迷わず試奏してみてくだされ!
毎回書いているように試奏の際にはご自分のお気に入りのギターで…ね!

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

【ASTORIA試奏レポート】 CUSTOM編につづく

(一部敬称略)

2016年5月10日 (火)

【ASTORIA試奏レポート】 ichiro PLAYS ASTORIA

プロギタリストの間ではおもしろいぐらい高い前評判を頂戴しているASTORIA。

10 ASTORIAシリーズはもうすぐ発売になるが、コレで楽器屋さんで試して頂いた皆さんの反応が悪かったらどうしよう!
頭を丸めたところで反省の意味を表すほどの量の毛もないし…。
へへへ、ところがね、こちとら大船に乗った気でいるのだ。
というのも、今日試奏頂く音にシビアなギタリストからも一発で太鼓判をもらっちゃったのだ!

10_3そのギタリストとはichiro。
独特のフレーズを極上のトーンで歌わせまくるギター巨人。
新旧を問わずいいサウンドを出すための機材を知りつくし、ブルースを礎に幅広い活動で自分の音楽道を突き進んでいる。
矢沢永吉や長渕剛のサポートでも活躍するファースト・コール・マンであることは皆さんもよくご存知の通り。
実はichiroちゃんもMarshall BlogでASTORIAのことを知って、前々から興味を持ってくれていたというのね。
ところが超多忙なichiroちゃんのこと、なかなかユックリASTORIAを試す時間がなかったんだけど、「時間ができた!」という連絡があって、さっそくあるライブのリハーサルの空き時間にお邪魔してきたのだ。

20vウシャコダじゃないけど、「それじゃさっそく始めましょ!」。
まずは例によってCLASSICから。

30vさすがichiroちゃん、CLASSICの使い方は先刻承知。
エフェクターをセッティングして…と。
矢沢さんや長渕さんの舞台では空間系のエフェクターをセンド&リターンにつないているというが、エフェクターをギターとアンプの間に入れる従来型が基本的なichiroちゃんのセッティング。
だからCLASSICに白羽の矢が立った。

40今回の試奏に使用したペダル・ボード。
70
どれどれ…と弾き出すと、とめどもなく繰り出されてくるのはあのichiroフレーズ!カッチョいい!
10年ぐらい前はRobben Fordっぽいフレーズをよくカマしていたが、今は違う。
そういえば、「変なギター弾くヤツを教えて!」と言われてDrew Zinggを紹介したこともあったっけ。

50「もうちょっとボリュームを上げるてみるか…」

60v「ミッド・ローの充実感がもうとにかくMarshalですよね~。コレは他のブランドのアンプのクリーンには出ない音なの」

80「この『トーッ!!!』っていう感じ!Marshallのサウンドは『タ行』なんだよね」
ジャンジャン弾き続ける。
「そういう意味ではオーソドックスなMarshallだと思います。俺がイメージする『砂臭い』感じがよく出てる。
まったく期待通り!」
「土臭い」という表現はよくあるが「砂臭い」というのは聞いたことがないな…そこがichiroちゃんにとってMarshallのワン・アンド・オンリーな部分なんだな。
コチラはコチラで予想通り。
CLASSICは絶対ハマるとニラんでいた。

90vスピーカーについては…「クリーミーなトーン。エッジが粗すぎないところがいいんだよね」。

95 続いてCUSTOM。
まずはGAINを上げてガツンといいってみる。

100「ああ~、こういう感じね~!」とニヤリ。
ギターのボリュームを徐々に下げてクランチからクリーンもチェック。
出て来るフレーズはJimiの「Manic Depression」やらGuess Whoの「American Woman」やら。
そういえばCLASSICの時には「Angel」も弾いていたっけ。
クリーンでの16のカッティングもすこぶる気持ちのいいサウンドだ。

110v「アッレ~、案外、コレ好きだよ!」とかなりの好反応。
「コレはね、かなりブルース・ロックの音ですよ!1x12"なので、エクステンション・キャビをつないで音圧を上げてやれともっとよくなるハズ」
1x12"のエクステンション・キャビもあると伝えると、「やっぱCream Back?」と興味津々。

120最後にDUAL。

130DUALは他の2モデルに比べると機能が多彩だ。
ひとつひとつそれらの機能を試してくれた。

140「DUALは他と比べて音の傾向が違いますね。奥行き感が違う。」
155_2
「やっぱりこっち(CLASSICを指す)はクリーンに特化している分、音の密度が濃いですね。オレの音楽にはやっぱりCLASSICかな?」

150…ということで振り出しに戻る。
って、別にASTORIA間で競争をしているワケじゃないんだけど、おもしろいほど皆さんの好みが分かれるのですわ。
それは取りも直さず、ひとつずつのASTORIAが代えの効かない独自の声を持っていて、弾き手の音楽づくりのためなら決して妥協を許さない…ということなのね。
だから、シリアスなギタリストは自分の音楽にあったASTORIAを選ばなければならない…ということになる。

160vさっきよりシビアにセッティングをし直す。
アンプもエフェクターも触るたびに劇的にサウンドが変化していき、ichiroちゃんのフレーズをドンドン際立たせるサウンドに変身していく。
一流の鍼灸師のように、サウンド・メイキングのツボを完璧に押さえているのだ。

170

「思ったよりCUSTOMがヨカッタね~。ハードロックの人たちが気に入るのもよくわかるけど、ブルース・ロックをやっている人たちにも絶対向いてるよ。音に馬力があるから」
また、「奥の方のザラつき感とか空気感みたいのがタマんないんだよね」とも…。
でも、ファースト・チョイスはやっぱりCLASSIC。
私のベイビーのイトコね。

180vで、さっそく実際のステージで使いたい!ということで、私が以前撮影の仕事をさせてもらったichiroちゃんのライブに登場した女性シンガー、Sara RectorのライブでASTORIA CLASSICが使われる予定になっている。
Saraさんのパワフルで美しい歌声とichiroちゃんのASTORIAサウンドのカラミが今から楽しみだ!

185vドラムはいつかNATALを叩いてくれた丹菊正和!

190「マーシャルを好んで使う人は、ミッド・ローの充実感を求めている人が多いと思う。アンプの音がブランドによって異なるサウンドを出すのは当たり前かもしれないけど、Marshallって他のブランドとは向いている先が違うんだよね」
そして、最後にうれしいことを言ってくれた。
「ギターとかエフェクターとか色々使ったしても、俺はアンプで音を作るんだ。だから俺にとっては、アンプは音の良し悪しを決定する最も大切な機材なんだよね…」

200ichiroの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

ASTORIAの発売は今週の金曜日、5月13日を予定しています。
ASTORIAは量産が難しいハンドメイド商品です。入荷数量が多くないため、早期の品切れが予想されます。
楽器店でお見かけした際には迷わず試奏してみてくだされ!
毎回書いているように試奏の際にはご自分のお気に入りのギターで…ね!

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

210v(一部敬称略)

2016年5月 9日 (月)

【ASTORIA試奏レポート】 LUKE PLAYS ASTORIA

今回ASTORIAにトライして頂くのは、先日Marshall GALAでも大暴れして頂いたルーク篁

10_2 現在CANTAはツアー中
そして、ソロ・アルバムのリリース25周年を記念したツアーも7月に控えている超多忙なルークさん。
どの舞台でもMarshallが背後でシッカリとルークさんのサポートさせて頂いております。
さて、以前から何度も書いているようにルークさんは最新のモデルからビンテージまでをコレクションし、実際にステージでも使用されているMarshallのエキスパートだ。
そのルークさんがMarshall初のブティック・アンプにどういう反応を示されたか?
楽しみでしょう~?
あ、そうそう、試奏の前に、まずはASTORIAのルックスに関するルークさんのご感想。
「可愛い…」
…とベタボメして頂いた。
黒、白、金の衣装をまとったMarshallと付き合ってもう相当長い時間が経っているハズなのに、突然変異的なASTORIAのいでたちに何の違和感も表さない…どころかスッカリお気に入りの様子のルークさん。
これぞ真の「Marshall Affection」と見た!

そして、例によってまずは最上のクリーン・トーンを出すのが仕事の緑のヤツ…私のベイビーのイトコ、ASTORIA CLASSICから…。

10vルークさんの仕事道具は基本的に「歪み系サウンド」ということになろうが、やはりMarshallの大エキスパートだけあって、「Marshallクリーン」の魅力も熟知されている。
まずは、「素アストリア」でそのリッチなクリーン・サウンドをチェック。
音の立ち上がりの良さに驚いていらっしゃった。
それからご持参のマルチ・エフェクターをつないて各種のサウンドを試されていた。
やはりすべての元となるクリーンのサウンドがシッカリしているので、歪み系でも空間系でも最高に美しいトーンが確認された。
20v続いて情熱たぎる赤い歪み野郎、CUSTOM。
遠慮なくGAINを上げて…と。
50v

ツワ~、これぞ極上の歪みサウンド!
水を得た魚、砂漠を得たラクダのようによどみなく弾き切るルークさん。

30v傍らで聴いていて実に気持ちがいい分厚い音像。
ピッキングの粒立ちが信じられないくらい際立っている。
一音、一音の説得力が違うのだ。

40v最後は青いクールな2チャンネル、DUAL。

70v

やはり、「前の2つとは異なるサウンド・キャラクター」というご指摘。
コレもまたお気に召したようだ。

60でも、どれを弾いてもルークさんの音だね。
イヤ、正確に言うと「ASTORIAのルークさん」の音だ。
このようにいいアンプというのは、弾き手の個性を強調しつつ自己主張するものなのだ。
そして、ギターの心得のある方ならよくおわかりだと思うが、お気に入りのギターやいいアンプというのは本当に弾き手に刺激を与えてくれる。
とにかく、弾きたくて弾きたくて仕方ない気持ちしてくれるのだ。
そんなギター・アンプがASTORIAたちであることは疑いのない事実なのだ。

80で、結局ルークさんはCUSTOMに戻った。
もう何年前になろうか…当時JVMをお使いになっていたルークさんにMarshallのクリニックのお手合わせをお願いしたことがあった。
ルークさんはODのチャンネルひとつしか使わないことを発見した私は、そのクリニックの中で理由を尋ねた。
JVMはマルチ・チャンネルが売りで、フットスイッチの操作で自在にバラエティに富んだサウンドに切り換えることができるのが最大の長所だからだ。
ルークさんによると、「スイッチひとつでガラっと音が変わってしまうのはチョット違うかな…みたいな」…みたいなお答えだった。
つまり、ギターのボリュームを上げ下げすることによって、継ぎ目なくクリーンからクランチ、さらにリードへとスムースにサウンドが変化していくのが本来の姿…というお考えなのだ。
そして、「それを気持ちよく実現してくれるのがMarshallなんです」と付け加えてくれた。
…そうなると、ASTORIA CUSTOMはルークさんの理想のアンプの権化ということが言えそうだ。
だからまた弾いちゃった!

90v最後にルークさんのコメントを掲載しておこう。
この記事のためにご本人に書き下ろして頂いた文章だ。
CLASSIC、CUSTOM、DUALいずれもMARSHALLの歴史に裏打ちされた良質のサウンドが、
いとも簡単に飛び出してくる!
レスポンスに優れ表現の幅が広いのも魅力的。
真空管がクリエイトする太く暖かいサウンドは、弾き手次第で優しくも荒々しくもなる!
個人的にはCUSTOMの歪みにKOされた!
是非とも自分のものにせねば!
ルークさんのMarshallコレクションに「紅一点」が加わりそうだ!

ルーク篁の詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

10 コレがルークさんをKOしたASTORIA CUSTOMのコンボAST2C。

A_astoria_ast2_astoria_ast2112_custスタックもあるでよ!
型番はヘッドがAST2H、1×12"スピーカー・キャビネットはAST2-112ね。

A_astoria_ast2_custom2ASTORIAの発売は今週の金曜日、5月13日です。
量産が難しいハンドメイド商品のため、入荷数量が多くないため早期の品切れが予想されます。
楽器店でお見かけした際には迷わず試奏してみてくだされ!
毎回書いているように試奏の際にはご自分のお気に入りのギターで…ね!

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

(一部敬称略)

2016年5月 6日 (金)

【ASTORIA試奏レポート】 SEKI PLAYS ASTORIA

予てよりギャーギャー騒いでいたMarshall初のブティック・アンプ、ASTORIAシリーズ。
楽器店に並ぶ日がいよいよ来週に迫った。
皆さんの反応が楽しみだナァ~。

Marshall Blogでは、すでにASTORIA第一線で活躍するギタリストの方々にトライして頂いている。
その反応はすべてバッチリ!
ずいぶん長いことこんな仕事をして来たが、これほど反応が良い新商品は初めてかもしれない。
それは、サウンド、弾き心地等、ASTORIAのパフォーマンスがズバ抜けて良いことがまず指摘されよう。
それに加えて、三種類のタイプの異なるモデルが、あらゆるタイプの音楽に対応できるヴァーサティリティを実現しているからであろう。
かといって、ブティック・アンプゆえ値段も張るため三種類全部揃えるなどということは経済的に難しいし、意味のないことだ。Marshallももちろんそんなことを期待していない。
これから不定期にASTORIAの試奏レポートを掲載していくので、皆さんのASTORIAトライのご参考にして役立てば幸いである。
今時ではあるが、動画は撮っていない。
もちろんそれなりの環境があれば撮影して私の「黒澤フリークぶり」をお見せしたいところであったが、なかなかそうもいかない。
結果、生半可な録音機材や環境で撮影した動画でASTORIAの素晴らしいサウンドの印象を損ないたくなかったので諦めた。
ASTORIAにご興味のある皆さんには、Marshall Blogをご覧になって頂いて、後はもう実際に楽器店でお試し頂くしかない。
イヤ、とにかく弾いてみて頂きたい!
以前にも触れているが、ASTORIAを試しにいらっしゃる時は、後で「アレ?楽器店で弾いた時と違うじゃん!」なんてことを何としてでも避けるために、実際にいつも使っている一番の愛器をご持参することを強力におススメする。
また、CLASSICにご興味のある方は、いつも使っているエフェクターを持っていってくだされ。
理由は同じ。
エフェクターの違いも信じられないぐらい克明に、かつ正確にアンプリファイしてしまうからだ。
それと、コレも何回も書いてきたが、もう一度予め書いておくことにしよう。
ASTORIAは…重い。
お試しの際には腰に気をつけながら、チョット持ちあげて頂くといいだろう。(コレだけ何回も言っておけば「ナンダ、大したことないじゃん?」となるハズ)
といっても、いいアンプはトランスやスピーカーがシッカリしているので、それなりの重量からは逃れられない。
その代り、ボタンひとつでいろんな音が出るような機材とはケタ違いに素晴らしいサウンドを提供してくれるはずだ。
それでは【ASTORIA試奏レポート】第一弾をお送りします!

Ast_logo

最初にご登場頂くのはMarshall Blogでは少数派のジャズ系ギタリスト、関雅樹。
岡井大二をメンバーに含む自己のトリオを率いる傍ら、数々のサポート仕事で何回もMarshall Blogにご登場頂いている。
繊細にして豪快。
キチットした音楽理論に裏打ちされたヴォイシングやソロはいつでもスリリングだ。
また、「何でこんなの知ってんだ?」的なステージでの選曲もセンスのよさをうかがわせる。
実は、この試奏の約一月後、大きな舞台が控えていて、そこでさっそくASTORIAを使ってみたいという要望があり、いの一番で試して頂いた次第。

20v関ちゃんは以前、よくJCM800 2204を1936に組み合わせて使用していたが、最近はコンボ派だ。
1987のコンボ、2187Xを愛用していたが、最近はもっぱら1974Xであらゆる現場をこなしていた。
…ということで引き比べのために1974Xも持参してくれた。

30まず初めに書いておくが、同じハンドワイアード構造で整流管が入っていても、サウンドキャラクターがASTORIAと1974Xとでは全く違う。
違って当たり前の話しなのだが、ASTORIAの方がやはりコンテンポラリー感が強く、コンセプトのハッキリした違いを確認できる。

40まずは緑のCLASSIC。

50CLASSICは極上のクリーン・サウンドを出すためのモデルだ。
したがって上に書いたように関ちゃんにもいつもステージで使っているペダル・ボードをそのまま持ってきてもらった。
170v
後ろでチューニングをしているのはユースケくん。「七画の音工店」という工房を経営している若いながらも経験豊富なギターテク。

60全モデルと通じて試奏に使ったギターはいつもステージで実際に弾いているモノたち。
メインで使用しているストラトキャスター、レスポール、そして関ちゃんのラッキー・カラーのピンクのテレキャスターだ。
つまり、ASTORIAが仕事で使えるかどうかを事細かにチェックしているのだ。

70v関ちゃんは電気に強い。
「電気に強い」ったって100万ボルトに耐えうる体躯を誇っているワケではない。
何だか知らないが、異常に豊富な電気の知識を蓄えていて、アンプやエフェクターがトラブった時もすべて自分で修理してしまう。
その関ちゃんがまず指摘したのはCLASSICにMASTERと名付けられたボリュームがひとつしかないこと。
この手のシンプルな構造のアンプにおいては、マルチ・ボリュームよりシングル・ボリュームの方が音がよくなることを音楽家的かつ電気工学的に熟知しているのだ。
コレも極上のクリーンをクリエイトするのが使命のCLASSICならではの話。

「あ…」
コレがCLASSICを素で弾いて関ちゃんが最初に発した言葉(音?)。
音の出方の鋭さと、クリーン・トーンの厚みに驚いたのだ。
関ちゃんがMarshallのクリーンが好きということもあるが、まさに「Hit the mark(大当たり!)」的な印象。
エフェクターをつないでも何のストレスもなくいつも通りのサウンドを出していた…イヤ、いつもの1974Xより回路がモダンなせいか、よりパノラミックなギター・サウンドだった。
また、EDGEの使い方がMarshallっぽさの演出を握るカギのひとつとして、効用に強い興味を持っていた。

80続いて赤のCUSTOM。

90CUSTOMはアンプで歪ませてギターのボリュームを下げてクリーン・サウンドを作るのがスタンダードな使用法。

100v「Marshallの歪みってやっぱコレだよね~!」と納得&超ゴキゲン!
「ASTORIAはビンテージではないが、それっぽい印象が強い『NEOビンテージ・サウンド』ですね」とCLASSICの時にも言及していたが、その印象はCUSTOMも同じ。
その要因はスピーカーではないか?と分析していた。「コンテンポラリーなビンテージ・サウンド」ということ。
ASTORIA搭載のスピーカーはCelestionのCream Back。
1960年代の後半から1970年代の初頭には1960の一部にCream Backが搭載されていたが、最近はトンとご無沙汰だった。
マグネットがデカい!コレが重い!

110vまた、KT66をパワー段に使用していることも指摘。
「このモノスゴイ余裕感と音の図太さはKT66ならではだよね~」
内蔵のブースターもかなりのお気に入り。
「アンプの歪みにブースターっぽいものをかまして使う人には最高のアンプになりますよ!」

120vそして、青のDUAL。

130「コレはCLASSICやCUSTOMとは音の味付けが別ですね。一番現代的なモダンなサウンドです」
やはりレスポンスの速さと芳醇トーンをジックリと味わっていた。

140v関ちゃんが持参した3本のギターすべてと私が持ちよったレスポールとES-175Dで、3つのモデルを試したが、マァ、本当におもしろいほどそれぞれのギターの特性が表れた。
やっぱりいいアンプってのはこういうもんだ。
アンプはギターのアクセサリーじゃござんせんからね!
あなたの愛器を生かすも殺すもアンプ次第なのです。だって音を出してるのはアンプなんだから!
そして、やっぱりギター・アンプは真空管に限る。

150で、色々試した結果、結局CLASSICな関ちゃん。
エフェクターで音を作るタイプだからね。そういう人にはCLASSICは相当使いやすいハズだ。
だって以前にも書いた通り、そういうシチュエーションをターゲットにして開発したからね。

10

…ということでひと月後の関ちゃんがサポートを務めるステージに登場することになったASTORIA。
どのモデルがお目見えするかはライブ・レポートを見てのお楽しみ…ってもうわかってるか。

180関ちゃんは『Arm Up Guitar School』というギター教室も開設している。
詳しい情報はコチラ⇒The website of Masaki Seki

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】 いよいよASTORIAが出るよ!

190v
【ASTORIA試奏レポート】つづく

(一部敬称略)

2016年4月21日 (木)

ビートルズに勝った男

今日はとっても古い話し。
1962年の出来事から始まる…1962年は昭和37年、寅年。
Marshallが創業した年にして、マーブロのオジちゃんが生まれた年だ。
だから50年以上も時はさかのぼる。

まだご覧になっていない方は、まず下の記事に目を通して頂く必要がある。
【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.22 Jubilee Lineに乗って

この記事の中でで触れている、ロンドンはウエスト・ハムステッドにあった『デッカ・レコードのスタジオについての<続編>』というのが今日の内容だ。

「1962年の元旦にオーディションを受けたビートルズが、あるバンドと競って敗れてしまった。
この時、結果的に判断を誤ったとされるディック・ロウというデッカのプロデューサーは「ビートルズを蹴った男」としてロック史に汚名を残すことになった。」
コレはある程度ロックを聴いている人なら比較的誰でも知っているであろう有名な話だ。
もちろん若い人は除く。最近はビートルズを知らない若い音楽関係者も多いと聞く。
しかし不思議なことに、「ビートルズを破ったバンド」の話はほとんど出て来る機会がない。
もちろん熱心なビートルズ・ファンや60年代前半のロックを好む方ならそのバンドのことをご存知であろう。

80j そのバンドとは、Brian Poole & The Tremeloes(ブライアン・プール&ザ・トレメローズ)という。
デビューは1958年。
Buddy Holly & The Cricketsに影響を受け、1963年にThe Isley Brothersの「Twist and Shout」、The Contoursの「Do You Love Me」、Roy Orbisonの「Candy Man」、Cricketsの「Someone, Someone」等のヒットを飛ばした。
全部カバーである。
このあたりの事情は近い将来掲載する予定の岡井大二さんのインタビューで触れることになるが、当時は「自分たちで曲を書く」という発想がなかったのだそうだ。
日本だけでなく、イギリスでも職業作曲家の作品を演奏するか、アメリカン・ポップスの焼き直しが普通だった。
だ~か~ら~、ビートルズはすごいワケ。すべてを変えてしまった。
今、必死になって大二さんのインタビューの文字起こしに取り組んでるんだけど、もう最高に話が面白い!
真ん中のボーカルがブライアン・プール。
ギターのケーブルは刺さってないわ、ネックが顔にドンがぶりだわで私だったら絶対にNGにするであろう写真。
でも当時のロンドンの音楽シーンを表しているかのようなイキイキとした雰囲気が伝わってくるいい一枚だ。

10実は、デッカ・オーディションの話は知っていたけど、私もこのバンドのことは後年になるまで知らなかった。
ではナゼ、ディック・ロウはビートルズではなく、トレメローズを選んだのか?
ひとつは音楽性。
デッカはビート・バンドを欲しがっていて、トレメローズの演奏の方に一日の長があったらしい。
別項でも触れたようにこの時のビートルズの演奏を聴くと何ら問題ないと思うんだけどね。
反対にトレメローズのCDを買い込んできて聴いてみるに、ん~、ま、確かに何のわだかまりもない溌剌としたストレートな演奏はビート感覚で言えばビートルズに勝っていたのかもしれない。
他人の曲とはいえ「Do You Love Me」でのブライアンのシャウトは問答無用で最高にカッコいいし、とにかく「Someone, Someone」はとびっきりの名曲だ。
もうひとつの理由…それはトレメローズがロンドンのバンドだったから。
今でも電車で行くとかなり時間のかかるリバプールから出て来るバンドより、呼べば聞こえるような距離の西ロンドンのバンドの方がはるかに使い勝手がヨカッタということだ。
emailもLINEもない時代のこと、案外こっちの理由の方が強かったのではないかしらん?

さて、もうひとつ疑問が残りませんかね?
残らない?
アータ、これはMarshallのブログですよ。イギリスのMarshall直営のブログ。
どうして、このバンドがMarshall Blogに出ているかってことですよ。
こうして当時に写真を見る限り、少なくても爆音とディストーションには縁もゆかりもなさそうだ。

20私が翻訳と監修を担当させて頂いた『アンプ大名鑑[Marshall編]』を熱心にご覧になられている方はピンと来たかもしれない。

C_mb そう!Brian Poole and The TremeloesはMarshallのエンドーサーだったのだ。
見て、下の写真!
工場で撮ったMarshallの宣伝用の写真。おそらくカタログ用の写真を撮影した時のことだろう。
1965年の撮影。
まだMarshall社がミルトン・キーンズに移転する前、工場がロンドンの中心からチョット北東にはずれたシルバーデイル・ロードというところにあった頃。
当時ブライアンたちは大スターだったハズだ。
写真のMarshallに目をやると、コフィン・ロゴにシルバー・トップ・ポインター・ノブ。
こんな白いJTM45は見たことないナァ。
イギリスのMarshallの工場にあるミュージアムでも見ることはできないレア・アイテムだ。
キャビネットにアングルが付いたのもこの頃。
以下は上の『アンプ大名鑑』でも触れているが、真ん中に写っている細長いヤツは1983という型番のPA用のスピーカー・キャビネット。
その後ろでメンバー2人が持っているのは、JTM45の後継機種、JTM50のPA用。当時の新商品で、いかに当時MarshallがPAアンプに力を注いでいたのかが窺い知れる。コレのギター用ヘッドが後に発展して1987になる。
その後ろにホンの少し見えているのは、1962 Bluesbreakerだそうだ。現在のデザインではなく、「Series I」と呼ばれるオリジナル・バージョン。
そして一番右…やたらと奥行きがあるでしょう?おかしいよね?
ピートの考案による8x12"キャビネットではないか?と言われている。
ちなみに!
この写真を掲載している原書の『THE HISTORY OF Marshall  THE FIRST FIFTY YEARS』はバンドの表記に誤謬があって「Brian Poole and The Tremoloes」になっとる。
安心してください!(←コレももはや古いか!)
日本語版は私がちゃんと直しておきました!
正しくはBrian Poole and The Tremeloesですから。

30cごく初期のMarshallのカタログ。
「Go over big」というのは「大当たりする」という意味。
「ブライアン・プールとトレメローズのようにMarshallでひと山当てよう!」ということになる。
ヤケに生々しいキャッチ・コピーではあるまいか?
それだけものスゴイ勢いでロックが市民の間に浸透していった時期だったのだろう。何せビートルズをもってしてイギリスがアメリカを征服した直後だったのだから。
でも、こういう宣伝惹句は、昔は日本のエレキ・ギターの雑誌広告なんかでもよく見かけたな。

50vc写真にある通り、この頃にはアングルドのキャビネット、すなわち「Aキャビ」が存在していた。
世界のロック・ステージに必要不可欠のスピーカー・キャビネットのスタンダード、1960Aにまつわる話は枚挙にいとまがない。
このアングルは偶然の産物というか、Jimの美的感覚から生まれたデザインであることもMarshallファンであればきっとご存知であろう。
この当時、Jimは「どうしてキャビネットにアングルが付いているのか?」という質問をあるギタリストから受け、「イヤ~、横から見るとカッコ悪いんで上のほうチョン切っっちゃったんだよ、フォッ、フォッ、フォッ」と答えるのもどうかと考え、咄嗟に「イヤ~、ああしてキャビネットに角度を付けるとスピーカー2つが上向くだろ?そうするとギターの音が遠くまで飛ぶんだよ、フォッ、フォッ、フォッ」と答えた。
しかし、本当に音が遠くまで飛ぶかどうかを実際には確認していなかった。
そこで、バンドのリハーサルが始まると、Jimは脱兎のごとくホールの最後列まで走って行き、果たしてギターの音が後ろまでそこまで飛んで来るかどうかを確かめた。
結果は上々。
ギターの音はホールの最後列にいたJimの耳にまんまと鋭く突き刺さった!
「フォッ、フォッ、フォッ、わしの思った通りじゃ」…ウソこけ!
ナニはともあれ、アングルの効果がバッチリ確認できたこの最強のロック・アイコンは、その姿を50年以上にわたって保ち続けている。
コレってスゴイことだと思う。
そして、その効果を検証した現場こそBrian Poole and The Tremeloesのコンサート会場で、アングルについて尋ねたのがギタリストのRicky Westwoodだったのだ。
しっかし、Jim若いな~!

40cそれからおよそ40年後の姿がコレ。
右端がブライアン。
一番左はJimの大親友だったギタリストのBert Weedon。
Eric Clapton, Brian May, Jimmy Page, Paul McCartney, George Harrison, John Lennon, Dave Davies, Keith Richards, Pete Townshend, Tony Iommi…みんなみんなBertが書いた『Play in a Day』という「あなたも一日でギターが弾ける!」的な教則本を読んでギターの練習に励んだ。
日本で言うと故成毛滋のカセット・テープと赤い教本のようなものだ。
で、あるビデオでMark KnopflerがBertの本を手にして、著者本人に面と向かって「This is a lie!」と言っていたのには笑った。
もちろん大先輩への敬愛の念を込めたギャグだ。

60Iron MaidenのNicko McBrainと。
昨日国技館だったんだってね、Maiden。
80
コレはMarshallの創立40周年記念のパーティで。
ブレッチリーのWilton Hallというところ。私もこの場にいた。
この時知っていたらブライアンに挨拶できたのにな…。まだMarshall Blogもやってなかったけど。
2枚上の写真とメンバーがほとんど同じ…仲よしさんだね~。
後ろにNickoが写ってる。
ちなみにBertはJimが亡くなった2週間後に後を追うようにこの世を去った。
フランクフルトでよくご一緒させて頂いたが、いつもニコニコしている好々爺だった。向こうの老人はたいていニコニコしている。
奥さんがまたとても気さくな方で、目が合うとよくウインクをしてくれた。そういう仕草がゼンゼン不自然でなくてカッコいいんだよね。
Bertの家の前も何度も通りかかったことがあるが、あの奥さんは元気にしていらっしゃるだろうか。

70Jimの86歳の誕生パーティで。

90このようにブライアンはとてもJimやMarshallとの関係が深く、2013年4月、Jimが最初のドラム・ショップを開いたUxbridge(アクスブリッジ)にMarshallのプラークが設置された時、序幕式を執り行ったのもブライアンだった。
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132013apriljimmarshallsplaque2300_2 そして、ナントこの時の様子を収めた動画を発見してしまった!
2:20あたりをご覧あれ!

今年75歳になる当のブライアンはすこぶるお元気で、「The Sold Silver 60's Show」という懐メロ系のイベントを中心に音楽活動を続けている。

100実はEllery社長ご夫妻とも大の仲良し。
左はJonの奥さん、すなわちMarshall社長夫人のEllie。
私が最初にMarshallへ行った時からEllieにはお世話になりっぱなしだ。

110ブライアンがMarshallの工場があるMilton Keynesにお住まいのことから、ジョンたちとしょっちゅう行き来をしているとのことだ。

120今回この記事を編むにあたってJonから紹介してもらい、何度か直接ブライアンとメールで連絡を取らせて頂いたが、とても感じのいい方だった。
できれば次回工場に行ったときにお礼かたがたお会いしたいものだ。

ブライアン・プールの詳しい情報は⇒The Official Brian Poole Website

130Thank you very much for your cooperation, Mr.Poole and Jon!

2016年2月20日 (土)

ALL TIME LOWとMarshall

チョット前に最近のバンド名の話をしたけど、海外のバンドも多様化が進んで久しい。
日本でも最近よく見かけるようになった文章型のバンド名も昔から存在していて、もはやYesだとかFocusだとか、ポッコ~ンとシンプルに普通の単語ひとつ…なんてのは見かけなくなったような気がするな。
今日登場するALL TIME LOWもそう…文章というほどでもないが、新しい感覚のバンド名のひとつだと思う。

12003年デビューのメリーランドはボルチモアのバンド。
私は知らなかったんだけど、このコンサートの写真を見てもわかるようにモノスゴイ人気なんだって?
「ボルチモア」とくれば「コルツ」かFrank Zappaの「What's New in Baltimore?」でしょう。

2その人気のALL TIME LOWがステージではガッツリとMarshallをフィーチュアしているという証拠写真。
チョット引きの写真ばかりでわかりにくいが、後ろの会談の上はMarshallの壁になってる。

3やっぱりエキサイティングなステージにMarshallは欠かせないのだ!

4 (写真提供:Joel Manan, Marshall Amplification plc)