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2016年6月22日 (水)

JOEL MANANのDOWNLOAD 2016レポート!

Marshall Blog読者の皆さんこんにちは!
Marshall Amplificationでアーティスト関連の仕事を担当しているJoel Mananです。
いつもShigeのMarshall Blogをご覧頂きありがとうございます。
毎日更新されるMarshallに関連する記事をお楽しみ頂いていることと存じます。
Shigeのブログを通じて、地球の裏側の音楽界の状況に接することを私も楽しみにしています。


さて、今年もイギリス最大のロック・フェスティバルのひとつ、DOWNLOAD FESTIVALが開催されました。
今日はShigeに代わって、私がそのレポートをここイギリスからお送りします!
Jm
今年のドニントン、もちろん天気がいいワケありません!イギリスの典型的な天気でした。
雨と泥から逃れて、我々はアーティスト・エリアのMarshallキャビンでメッチャ忙しい週末を過ごしました。
イヤハヤ、キャビンは週末を通してスゴイ人気でしたよ!
キャビンはMarshallを使用しているアーティストのために設置されるもので、将来を約束されたたくさんの新人もキャビンを訪れ商品を試して行きました。
キャビンに用意されたモデルは、Jubileeの100Wと20W。CODEのコンボ、ASTORIAシリーズ、そして大人気のJCM800 2203とJVM Satrianiシグネチャーたち。
もちろんMarshallの他にもNATALとEDENもバッチリ展示されました。
少しですが写真を添付しましたので、DOWNLOADのMarshallキャビンの雰囲気をお楽しみください!

1_dloコレがキャビン内のようすです。

D1まずはIron Maiden関連から。
Iron Maidenがステージの造作にMarshallを使う機会があまりなくなってしまったのは残念なことです。
今回はIron Maidenが最終日の日曜、フェスティバルの大トリで登場しました。
3人のギタリストは今でもドップリMarshallです。

まずはAdrian Smithの機材。
彼はJVM410Hを愛用しています。Adrianは自分のMarshallに大満足で、ツアーでもこの機材を使用しています。

D2こちらはDave MurrayとJanick Gersの機材。オソロイです。
彼らはいまだにJMP-1やJFX-1(JPM-1のすぐ上)を愛用してくれています。 パワー・アンプは9200 100/100です。


<訳者註>
JFX-1は1995年に発売した1Uのラック型エフェクター。設計に当たっては、通常のギター演奏で最も使用頻度が高い、リバーブ、コーラス、ディレイ、フランジャーの4つのエフェクトだけを搭載させ、余計な機能を徹底して排除することをテーマに据えた。
それだけに音質がすこぶる上等で、製品に対する評価も高かったものの、ラックシステム・ブームの終焉と共に1997年には早々と製造を終了してしまった。Marshallは音質重視の実戦的なギタリストに向けて「JFX-1は見つけ次第ゲットすべし」と薦めている。
このJMP-1、JFX-1、9200またEL34のコンビネーションは音質だけでなく、ゴージャスなルックスも素晴らしかった!)

D3_2Download初登場のイギリスのバンドIngloriousからAndreas Erkissonがキャビンに寄ってくれました。
Ingloriousは二番目に大きなステージ、「Encore Stage」の二日目のオープニングに登場し、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
写真はAndreasがJVM Satrianiを試しているところ。D5<訳者註>
やっぱり、やっぱり、やっぱり、イギリスはロックの国だ!
試しにこのIngloriousというバンドがどんなモンかと思って調べてみると…愚直なまでのブリティッシュ・ハード・サウンド!Marshallがなければとてもできない音楽。
オープニングとはいえ、こういうバンドがイギリス最大のロック・フェスティバルに堂々と出て来るのだから日本とは隔世の感がある。
「Burn」やらWhitesnaleのコピーなんかを演っているフッテージも見受けられるが、そんなことはやらんでよろしい。
でも、そういう血筋を引いているということがわかった…どころか、2014年にこのバンドを結成したNathan JamesってのはUli Jon Rothの現バンドのボーカルだった!道理で…。

スウェーデンのバンド、Graveyard(墓地)のギタリスト、Jonathan Ramm。
かつては他のブランドのアンプを使っていたが、今はMarshallを愛用しているのはハッピーなこと。

D6<訳者註>
他のブランドというのは、名前は出せないが橙色のアンプだったそうだ。
このバンドはかなり大人しいというか…渋め。スウェーデンのロックはおもしろいね。
ボーカルの声がメッチャかっこいい。
アップテンポの曲なんかタマらんよ!
やっぱりロックはコレでないと…。

大人気のスコットランドのバンド、Twin Atlanticのリード・シンガー/ギタリストSam McTrusty。
二日目のEncore Stageのヘッドライナーを務めました。
機材はオールMarshallだったよん!

<訳者註>
音はこんな感じ⇒YouTube
若めのサウンドだね。やっぱりこういうのが人気あるのね。

D7Jeremy Widermanは今、大注目のカナダのバンド、Monster Truckのギタリストです。
彼はミニ・ジュビリーの大ファンなのです!

D8<訳者註>
カナダからは昔からいいバンドやらスゴイミュージシャンが定期的に出てきますな。
このバンドも正統派ブリティッシュ・ハード・サウンド。
完全に70年代!
やっぱりボーカルがワイルドでカッコいい!
我々の世代はこういうタイプの音楽を「ロック」と呼んでいた。

<訳者註>
こっちはギタリスト諸兄の皆さんには楽しんで頂けるのでは?最後まで観ると感動したりして?マネはしたくありませんな。

こちらもカナダからBilly Talentというバンドのギタリスト、Ian D'sa。
こちらは最終日のEncore Stageのヘッドライナーを務めた人気者です。
IanもJubilee2555Xがお気に入りで、またステージでMarshallを使いたいとか…(って、使ってねーのかよ?)

D9ギター・ヒーロー、Mark Tremontiもキャビンに寄ってくれました。フェスティバルを通じてベスト・ギタリストのひとりだと思います。
彼は大のMarshallファンで、古いプレキシを何台も所有しています。Jubileeも大スキなのです。

<訳者駐>
CreedやAlter Bridgeのギタリスト。米Guitar World誌に3年連続で「Guitarist of the Year」をゲット。2011年には英Total Guitar誌において、史上4番目に偉大なヘヴィ・メタルギタリストに選出された。グラミー賞も獲得している。西洋人にしてはエラクなで肩だナァ。

D10フロリダのバンド、Shinedown。ギタリストはZach Myers。
ASTORIAを試しにキャビンに来てくれました。
ものスゴイお気に召しようようで、できる限り早くオーダーしてくれるそう!

<訳者註>
毎度アリ!

D11フェスティバルの目玉のひとつがMegadeth !!
Marshallのへヴィ・ユーザーにして友達のDave Mustaine様もキャビンに顔を出してくれました。

D13Megadethの新しいギタリスト、才能あふれるKiko Loureiro。
彼も今やMarshallプレイヤーです。
キャビンに用意した物をのぞきに来てくれました。Marshallと仕事をするのはとてもハッピーだとか!

D14_2クラシックなルックスが目を引くのはMiss Lizzy HaleのJCM 800たち。
バンドはHalestorm。
LzzyとJoe HottingerのMarshallスタックはメイン・ステージ(THE LEMMY STAGE)に登場しました。

D15今年のDownload、いかがでしたか?
これからもMarshall、NATAL、EDENをよろしくお願いします!

<訳者註>
さて、Brexitの国民投票もいよいよ明日(現地時間)!
DOWNLOADどころじゃないような気もするが…。
コレ、イギリスのミュージシャンにも大変な影響があるそうだ。
連中にとってロックはドデカイ輸出商品でしょう。数えきれないバンドやミュージシャンがEU諸国へ出かけて稼いでいる。
今はそうして自由に他国に出入りして現地でライブができるが、EUから離脱すると、各国で就労ビザが必要になったり、税金の支払いが複雑になったりと事務仕事が爆発的に煩雑になるそうだ。昔はそれをやってたハズなんだけどね。
私は残留支持。
だって、これ以上円高になったらマジで困るんだわ~。

Dlf

(敬称略 2016年6月10日~12日 イギリス・ドニントン、DOWNLOAD FESTIVALにて撮影。※写真提供:Joel Manan)

2016年6月14日 (火)

ロビン・トロワー・インタビュー (オマケつき)

本家のウェブサイトにRobin Trowerのインタビューが掲載されたので訳出しておく。
ま~、Marshall Blogのやることと異なり、何ともサッパリしたインタビューだが、その分オマケを付けておいたのでお楽しみ頂ければうれしく思う。

Rt Marshall(以下「M」):ギターを始めたキッカケは何ですか?また、あなたが最初に影響を受けたミュージシャンは誰でしょう?
Robin Trower(以下「R」):ギターを始める当たってはスコティ・ムーア(訳者註:プレスリーの右腕ギタリスト)に影響を受けたね。
彼は今でもスゴイよ。
M:あなたは長年にわたり色んなマーシャルをお使いになられてきましたが、いつでも戻りたくなるようなお気に入りのモデルはありますか?
R:ここ数年、2種類のモデルを使っているところだよ。100WのVintage Modern(訳者駐:2466のこと)と50Wの1987Xだ。

<Vintage Modern 2466>
2466

<1987X>
5_1987x_front2

M:今はどんな機材を使っているんですか?
R:オープンバックの2x12”と4x12”キャビネット。それを100Wヘッド2台か50Wヘッド2台で鳴らすんだ。
M:あなたは様々なコンサート会場やフェスティバルで演奏をされていますよね。その中でも際立って印象に残っているパフォーマンスはありますか?
R:あるとも。フロリダはセント・ピーターズバーグの「Janus Landing(ママ)」というイベントは特別だったね。(訳者注:現在は「Jannus Live」と名称を変えている。キャパは2,000。発音は「ジャナス」だと思う)大きな屋外の中庭ですごくいい雰囲気なんだ。
M:あなたにとってライブでの楽しみはなんですか?
R:何かスゴイことが起こるチャンスがいつもあることかな?
M:これからギターを始めようとしている人になにかひとつアドバイスするとしたら?
R:私たちは皆、何かに影響を受ける。でも、それをそのままマネしようとしてはダメなんだ。それをやってしまうと自分だけの音楽を育てる余地を失ってしまうからね。

おわり。
え?もう終わり?
そう、だから「サッパリしてる」って言ったでしょ。
Robin Trowerのような大ギタリストが出てきてコレで終わったんじゃMarshall Blogの名がすたる!…ってんで、私なりにRobin Trowerについて少し書き足してみることにした。
バイオグラフィはチョット調べればどこにでも出ているから割愛ね。
それよりも、Robinについては大変に悔やんでいることがあるのだ。
というのは、1977年の1月に来日した時に行かなかったこと。
まだ中学2年の時だったからねェ。
その翌月のAerosmithの初来日公演は武道館に観に行った。
Robinは、東京では中野サンプラザで三回のコンサートを開いた。三回もですゼ!
いい時代だ。
その頃、呼び屋さんは宣伝用の小さなステッカーを作って配っていた。Toddのは保存してあるんだけど、Robinのはどっかに貼ってなくなっちゃった。取っておけばヨカッタ。
下の写真はRitchie Blackmore's Rainbowのコンサート・プログラムから。
そういう意味ではRobinのLynard Skynardも失敗した。行っておけばヨカッタ。
「新春コンサート」ってのがまたイイね。
ちなみにチケットはS席で3,000円だ。

Img_2200_2 私は熱心なRobinのファンではない。
それでも、歌を歌わずに今も第一線で活躍しているうギタリストとしては、Jeff Beckほどではないにしろ、ロックの歴史に十二分その名前を残す偉大なギタリストではなかとうか…と思うのだ。
日本では完全にベテランのリスナーの間ぐらいでしか名前が出ないのは残念だが、キャリアを積んだプロ・ギタリストの間では今でもちょくちょくRobinの名前が出る。
令文さんはMarshallの新商品の試奏の時に「Day of the Eagle」を弾かれていたし、シャラさんは今は無き渋谷AXで、開演前の試し弾きに「Little Bit of Sympathy」のイントロを私のために弾いてくれたのを覚えている。
三宅さんは今でも熱心に研究されているようだし、グバ~っとMarshall全開で弾いちゃうところなんか、すごくRobinの影響を感じさせてくれる。
実際、後で紹介するRobinの代表作「Bridge of Sighs」なんて曲は三宅さんのオリジナル曲と雰囲気がよく似ている。三宅さんの曲のほうがケタ違いにヒネってあるけど。
海外では今でも大人気で、昨年もアメリカをツアーしたようだ。
2008年にJack Bruceとの『Seven Moon』をリリースした時、Marshallの友達は「シゲ、明日RobinとJackを観に行くんだ~、へへへ」とうれしそうに自慢していた。うらやましかった。
こういうところに欧米と日本のロックの存在感の決定的な違いを感じるんだよね。
イギリスに生まれたかったな~。
消費税(VAT)が20%でも社会福祉がシッカリしてるし。BBCはおもしろいし。
日本みたいな政府の「やらずぶったくり」がない。国民がうるさいからね。
オッと、政治の話はしないんだった!
ところで、私、Robin Trowerを日本に呼ぼうとしたことがあったんですよ。
それは、2002年あたりに三回目の「マーシャル祭り」を開催しようとした時、誰か外タレを呼ぼうということにした。
Marshallのアーティスト担当と色々とスリ合わせたのだが、コチラからは「Mick Taylorはどうか?」という相談を持ち掛けたが、どうも連絡をつけるルートがないらしかった。
その代りとしてAlvin Leeの名前が挙がった。
今となってはお願いしておけばヨカッタ!と臍を噛む思いなのだが、「それよりもRobin Trowerはどうだ?」と提案したのだ。
その担当者はさっそくRobinにコンタクトしてくれたのだが、予算的に手も足も出なかったのでキッパリと諦めたのだった。
コレがRobin Trowerの思い出。
いつかはホンモノを観てみたいギタリストのひとりだ。

この後は紙幅を広げるための蛇足だ。
Robin Trowerになじみのない方にホンの軽くディスク・ガイドを掲載して置く。
ベテランの方にも少しはトリヴィアになれば、少しは書いた甲斐があるというものだ。


まずは定番の『Bidge of Sighs』。
1974年のソロ第二作。
昔は雑誌で「スーパー・ギタリスト必聴盤」なんて企画があるとたいてい選ばれていた名盤だ。
ま、結構渋い感じで、当時私はあまり夢中にはならなかったが、今聴くと実によろしいな。
渋いと言ってもソロ第一作の『Twice Removed from Yesterday』ほどではないだろうけど。こっちは一曲目から「I Can't Wait Much Longer」でジトっとやられるでネェ。名曲だけど。
そこへ行くと本作は「♪ジャジャンガ、ジャジャンガ」と「Day of the Eagle」で派手にキメてくれる。
カッコいい曲だよね~。
他にも「Too Rolling Stoned」、「Lady Love」。「Little Bit of Sympathy」とRobinの代表作がテンコ盛りだ。
何しろ曲がいいのよ。
Procol Harum時代の旧友Matthew Fischerのプロデュース。
エンジニアは『Revolver』以降のThe Beatlesとの仕事で有名なGeoff Emerickだ。
鳴りモノ入りなワケよ。
ところで、このアルバムのタイトル、「Bridge of Sighs(ため息橋)」とは何ぞや?
「あしたのジョー」でおなじみの南千住の泪橋(なみだばし)はよく通るけど。
「ため息橋」というのは、16世紀に架けられたヴェネツィアの橋のひとつ。牢獄につながっていて、この橋からの眺めは、投獄される前に囚人が見る最後のヴェネツィア景色で、「この美 しい景色を見られるのもコレが最後か、トホホ」…と囚人がため息をつくというところからその名が付いた
…のだが、実はこのアルバムのタイトルはその橋とは全然関係がないそうだ。
Robinによると、歌詞はできているが、タイトルがキマらない曲がかつてあった。ある日スポーツ系の雑誌で「Bridge of Sighs」というのを目にして「コレだ!」とひらめいて、曲のタイトルにし、かつアルバム名に使用したらしい。
それは競馬ウマの名前だったとか。
全米7位。ゴールド・ディスクを獲得している。
いい時代だ。

BsMusic Jacket Galleryみたいになってしまうが、このジャケット、オリジナル盤はこうだった。
色だけでなく、渦が反対、すなわち180度上下が入れ替わっていた。メッチャ変な感じ。

Bso試しに今のジャケを逆さまにしてみると、ホラ、渦の形が同じでしょ?
このレタリングもカッコいいよね。

Bs2それと、コレはハズせないでしょう。
1975年2月のスウェーデンはストックホルムでの演奏を収録した『Robin Trower Live』。
コレはよく聴いた。
今聴いてもメッチャかっこいい!「Too Rolling Stoned」のイントロを聴いただけでワクワクする。
元々はスウェーデンの国営放送のために演奏したもので、バンドのメンバーたちは録音されていることを知らされていなかったらしい。そのおかげで、いい具合にルーズな演奏で、形式ばった仕上がりにならず、彼のベスト・パフォーマンスのひとつになったという。
Robinのギターもノビノビとしていてカッコいいが、忘れちゃイケないのがJames Dewarのボーカルですよ。
Greg LakeやJohn Wettonにも通じる極めて男性的な歌声は問答無用で素晴らしい。
コチラも全米ベスト10入りを果たしている。
そして、ジャケット。
多分、表だと思うんだけど、写真はナントJim Marshall。写真家の方ね。
こんなことを知ると余計に好きになっちゃうね。
この時、Robinとの間で「アレ?Marshallの社長と同じ名前じゃん!」なんて話になったのかな?

Rtlvそれともう一枚。
「KING BISCUIT FLOWER HOUR」のライブ盤。ココもいい音源イッパイ持ってるよね。
Zappaの海賊盤なんてドラムがDavid Logeman期の貴重な音源だけによく聴いた。
こっちはZappaの海賊盤。

Img_2201_2_2 下がRobinバージョン。
今はジャケットが違うようだが、私のはコレ。コレも中の写真はJim Marshall。
「King Biscuit Flower Hour」というのは1973年から2003年まで続いたライブ音源を中心にしたアメリカのラジオ番組。
スポンサーがKing Biscuit Flour Co.という会社で、番組開始当時のヒッピー文化、「Flower Power」と「Flour Hour」を引っ掛けて名付けられた。ウマい!
Flourとは「小麦粉」のことね。
第一回目の出演は、Blood, Sweat & Tears、The Mahavishnu Orchestra、Bruce Springsteenだっという。どういうブッキングじゃい!
Robinのバンドは、以前はJames Dewarがベース/ボーカルを担当するトリオ編成だったが、後にRustee Allenというベーシストが加入してJamesはボーカルに専念することになった。
この音源は1977年10月の録音で、まさにその時期の演奏だ。
このRustee Allenという人、知ってる?
Larry Grahamの前のSly&The Family Stoneのベーシスト。何でRobinのバンドに入ったのかね?
…と思ったら、ドラムのBill LordanもFamily Stone出身で、『Small Talk』の録音にRusteeとともに参加している。ドラミングは『Robin Trower Live』よりこっちの方がはるかに良いと思う。
Jamesはベースを取り上げられたのを快く思っていなかった…というのを何かのインタビューで読んだ記憶がかすかにある。
でも、このアルバムでの演奏はとてもいい。
1977年の『In City Dreams』のレコ発記念的なライブだったのだろうが、おなじみの曲もシッカリ収録されている。
そのおなじみの曲がどれもテンポ・アップされていて、かなりこなれた「立て板に水」的な演奏だ。
RobinもよくJimi Hendrixのフォロワーと言われていたが、ギターのサウンドや奏法もさることながら、Frank Marinoあたりとは異なり、もっと内面的な部分でJimiの影響を受けているように思いますな。もしJimiが生きていたらこんな感じの曲を書いていたのでは?…なんて、久しぶりに聴いてそんなことを感じた。
「新ヴィラノヴァ・ジャンクション」みたいな…。

5_rtkb詳しくもない上に、偏ったチョイスでスミマセン…。

2016年6月 2日 (木)

Ginji Lives!~小川銀次、新譜をリリース!

三文役者のちぇり~(大竹亨)のご紹介で、故小川銀次さんの元スタッフに接触した。
ナント、「小川銀次の新譜がリリースされるので、よければMarshall Blogで紹介して欲しい」というご依頼だった。
収集がつかなくなるので、Marshall Blogでは単に新譜を紹介するだけの記事の掲載は基本的にご遠慮願っているのだが、不世出の天才ギタリスト、小川銀次の新譜となれば話しは別だ。
そして、記事用に氏のプライベート写真やギター・コレクションの写真をご提供いただいた。
銀次さんが急逝されたのは昨年の8月2日。
一周忌にはまだチョット早いが、さっそく新しい音源を聴きながら故人を偲ばせて頂いた。
ホラ!うれしそうに新しいギターを抱えて銀次さんが帰って来た!
お帰りなさい!
あ、銀次さん、足忘れてきてますよ!

10v 今回のアルバムはあくまで新譜。
これが5月25日に発表されたそのアルバム、『誰も知らない小さな島』だ。
2枚組CDで20曲を収録している。

1_cd2レコーディングしてあった詳しい内容を知る者がいなかったため、ハードディスクに残された音源と、残されたレコーディングの情報から未発表曲を割り出した。
その内の5曲に至ってはトラックダウンが施されていいなかったため、エンジニアがミックス作業を代行したという。

30

音源内の楽器演奏とドラム・プログラミングはすべて銀次さんひとりの手によるものだそうだ。
ジャケットのイラストも銀次さんの作品だ。
この世を去って早20年以上が経過しているFrank Zappaは現在も続々と「新譜」を発表し続けているが、この作品の発表もいかにもZappaを敬愛する銀次さんの所業らしい。

Img_2940 作品としては、サブタイトルに「~PRIVATE DIARY 2008-2015~」とあるように、12枚同時発売でギネス掲載を試みた『Private Diary』の延長線上に位置する作品ということになる。
1曲目の「出バヤシ No.1」からもう銀次ワールド。
銀次さんの弾くメロディって、昔からピッチがチョット不安定な感じに私には聞こえるんだけど、ノン・ビブラートで淡々と、しかし、熱情的に弾くスタイルは他に類のない、完全ワン・アンド・オンリーのものだ。
ギターの最大の特長であるビブラートをかけないで弾くのはコルトレーンの影響だったのかな?なんて改めて思ったりしてしまった。
「Tie Yellow Ribbon Round the Old Maple Tree」なんてシャレ曲(元はOak Tree)も収録れているが、全体の印象としては、Crosswind時代のようなテクニック満載の派手なナンバーが姿をひそめているせいか、ジックリと、ユックリと、自分だけの音楽を自分の言葉と声で編み上げている印象。
「ギター大スキ!」とか「ギター最高!」とかいうような類のものでは決してなく、銀次さんが自分のために作った極めて内省的な音楽で、まるで純文学をよんでいるかのような錯覚を覚えた。

2_img_7766_2 もうこんなギタリストは出て来ないだろうナァ。
私はこんなに親しげに銀次さんについて語る資格はない。
銀次さんについての思い出といえば、以前にMarshall Blogに掲載した追悼文ぐらいのものだが、少しでも一緒に仕事ができたことを誇りに思う。

40 その追悼文に記されていないことを思い出した。
銀次さんはドップリMarshallの人では決してなかったが、1x12"のエクステンション・キャビネットを愛用されていた。
その理由を尋ねると、「この世で一番低音が出る12インチ一発のキャビだもん」とおっしゃっていた。
このキャビネットはそれを狙ってCelestionのG12B-150というベース用のスピーカーが搭載されているのだ。
もうひとつ。
蛎殻町の居酒屋でイッパイご一緒させて頂いた時のこと。
当時、銀次さんはチューハイをご愛飲されていて、焼酎のボトルを頼んで、自分で炭酸で割って飲んでいたのだが、さんざん飲まれた後で、あの笑顔でポツンと…「マズイね、これ」とおっしゃったのが妙におもしろかった。
私がトイレに行っていた時にテーブルの上に置きっぱなしにしておいた携帯が鳴ってしまった。
トイレから帰ってくると即座に銀次さんが、「今Inca Roadsが鳴ってたよ!」と教えてくれた。「Inca Roads」とはFrank Zappaの代表曲のひとつ。
あの頃の携帯は自分で呼び出し音を作ることができたので、私は、まさに大好きな「Inca Roads」を呼び出し音に打ちこんでいたというワケ。
銀次さんがそれをわかってくれてうれしかった。
さらにもうひとつ。
その時も当然音楽の話で盛り上がった。
で、トイレで一緒になった時、銀次さんがこうおっしゃった…「そうか~、そんなにオリーが好きなら、今度アランと一緒に演ってるBBCの音源を持ってきてやるよ!」
もちろん、Tempestの話。
今ではこの音源はもうオフィシャルで世に出てしまっているが、15年前の当時は貴重な音源で、銀次さんのお申し出をメッチャ喜んだんだけど、結局忘れられちゃったな~。
こんなこともとてもいい思い出だ。

2_img_6162 銀次さん、学校の先生もされていたけど、一時FMのディスク・ジョッキーもされていたっけ。
「オレさ~、史上もっともしゃべらないディスク・ジョッキーなんだよ。それでさ、他のヤツが誰もかけないような曲を選んでるんだ。こないだも〇〇と△△とリンダ・ルイスをかけてやったよ!」と楽し気に私に話してくれた。
〇〇と△△はなんだったっけかな~。リンダ・ルイスしか思い出せないけど、他のもかなりマイナーなヤツだったよ。
実際に番組を聴いてみると、案の定、「ボソッ…ボソッ」と何かを思い出したようにしゃべる感じで、コレまた銀次さん丸出しのパフォーマンスだった。

50…と、銀次さんの思い出を記したところで、頂戴したギター・コレクションを紹介したいと思う。
多分ほんの一部なのではなかろうかとは思うが、『誰も知らない小さな島』でも活躍した愛器たちだろう。
まずはアコースティック・ギターから。

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10弦ギター。銀次さん、イエペスも目指してたのかな?

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別項にも記したが、晩年の銀次さんはアコギでモノすごい音を出して独特の世界を作りだしていた。

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高い評価を受けているWillian Raskinというカナダのルシアーの1985年の作品。

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100v_b_3

日本を代表するギター・ルシア―、中出阪蔵の1962年の作品。

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110_b_4

阪蔵の弟、中出六太郎の作品。1969年の製作だ。

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120

81750031 続いてエレクトリック。                             

130a_2

130b_2テリー・シェイプのセミ・ホロウ。ストラトタイプ・ヘッドにローズ指板。
メイプル・バックという徹底したこだわりがスゴイ!

140a

140bコレも上によく似ているがピック・アップのコンフィギュレーションが違う。

150a

150bコレはヘッドがテレキャスター・タイプに近い。ボディもノン・トレモロだけどツインfホール。バックはやはりメイプル。

160a

160bピックアップ・セレクターやノブもウッド。木材にこだわった1本というところか?
キルテッド・メイプル・バックとタイガー・ストライプのネックが美しい。

170a

180b

コレも上に近い1本だがやはりピック・アップのコンフィギュレーションが異なる。

190a

190b

このトップはコア?
そういえば、「どうしてメイプル・バックなんですか?」と銀次さんに尋ねたことがあった。
「だってさ、メイプルってみんなトップに使うじゃん?じゃ、オレはバックにしようかな?って思ったんだよ」というのがお答えだった。
200a_2シンラインっぽいルックス。ピックアップも2個とおとなしい。
このギターもウッドにこだわった1本。

210a

210b

また思い出した。
このギターかな~?
銀次さんが持参されたギターが気になって「銀次さん、ちょっとだけギター触らせて頂いてもいいですか?」とお願いしたことがあった。
「オウ!」とかおっしゃるかと思ったら…「ダメだよ。触っちゃダメだよ。お前だって自分の女がよその誰かに触られたらイヤだろ?」って…。
加えて、「前にサ、〇〇(超有名なギタリスト)が黙ってオレのギターに触ったんだよ」
とおっしゃるワケ。
「エ、それでどうされたんですか?」
「『どうした』ってお前、入れたよ!」
「ハ、何を?」
「『何を』ってお前、延髄切りにキマってんだろ!」
アブね~、おかげさまで私はセーフでした!

240v

こっちのギターだったかな?
コレは珍しくメイプル指板。

230a

230b

「マーシャル祭り2」で使われた一本。
スプルース・トップでメイプル・バックのすごく上品なイメージのギターだった。
コレでMarshall Blogが続く限り、銀次さんのギター・コレクションがココに半永久的に生き続けることになった。
そして小川銀次よ、永遠に!

81750039『誰も知らない小さな島』のお求めは、「POWER RECORD」へメール又はFAXにてお申し込みください。
<メール> new.powerrecord@gmail.com
<FAX> 042-595-5293
<価格> 税込3,000円
1_cd2

そして、アルバムの発売記念と追悼のライブが開催される!
<日時> 6月17日 19:00開演
<出演> 大谷令文(g)、西山毅(g)、湯川トーベン(b)、川上シゲ(b)、岡井大二(ds)、新井田耕造(ds)、武田”チャッピー”治(ds)他
詳しい情報はコチラ⇒新橋ZZ公式ウェブサイト

270v
(一部敬称略 ※協力:POWER RECORD)

2016年5月26日 (木)

CODEネームは'D'

今年のNAMMで発表となったMarshall初のフル・モデリング・アンプ、CODE。
日本での発売はまだ大分先になりそうだが、3月に開催されたMarshall GALAでルーク篁さんのデモンストレーションによっていち早くその姿を現した。
商品の詳細については、ありがた迷惑であろうぐらい細かくゴチャゴチャ記しておいたので下記の記事をご参考願いたい。
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<後編>

10_2先行部隊として、まずは25Wと50Wが私のところへ到着している。
ステージ仕様の100Wヘッドが楽しみなところだが、この25Wと50Wコンボも練習用あるいは宅録用用として最高のパフォーマンスを発揮してくれることが判明している。
何せ歴代のMarshall名器の音がこの箱の中に詰め込まれているのだから!

1_img_0677 これまでこのCODE50を何人かのプロ・ギタリストにお試し頂いているのだが、コンセプトや操作性についてはもちろん、音質や弾き心地に対する評価もすこぶる高いことに驚いている。(ゴメンね、Marshall。こんなに評価が高くなるとは思わなかったんだよ)

25今日はD_Driveのお二人にお試し頂いた。
そうだよ、ASTORIAの試奏の時についでにお願いしたんじゃ。


まずはSeijiさん。
Seijiさんはこうしたデジタル・プロダクツより、真空管がゴソゴソと入ったトラディショナルなアンプがお好みなのは百も承知。
Seijiさんは食わずギライというワケではなく、実際にステージでデジタル・アンプを使ったこともあるそうだ。
CODEを弾いて、デジタル・アンプのテクノロジーの進化に驚いていたが、ファースト・チョイスは真空管アンプだ…

30v…といいたいところだが、さすが真のマーシャリストだけあって、14種類のプリアンプ、4種類のパワー・アンプ、8種類のキャビネットというラインアップの誘惑には勝てず。
気になっていた弾き心地も申し分なし。
ボリュームをグイっと上げて…ナンノことはない、CODE弾き倒し!

40v従前から説明している通り、CODEはGATEWAYというアプリをインストールすればスマホでの操作が可能となる。
もちろんスマホがなくてもコントロール・パネルですべての操作が行える。

45そこで、まずはコントロール・パネルでイジって頂いた。
…というのはGATEWAYが入っている私のスマホ、充電し忘れちゃって!
Marshall CODE家訓その1!:GATEWAYを使う時はケータイの充電切れに注意せよ!
「家訓その2」はない。大変使いやすいのでご心配なく。

50_2GATEWAYの方が扱いやすいことは確かなのだが、「あ、そうか~」と言いつつ次々と操作を進めていくYukiちゃん。
若い人にはまったくかなわないワイ。

60_2そうこうしているウチにスマホの充電が完了!
さっそく、GATEWAYとCODE50をBluetoothでひっつなげて…と。

90

コレがGATEWAYの画面。
プリアンプ、パワーアンプ、キャビネットを選ぶ「AMP」のページ。
冒頭で紹介した記事に見に行かない人も大勢いるでしょうから、チョット久しぶりに中身を並べてみようか?
ムヤミに内容を膨らまそうというワケではない。
井上ひさしだか、筒井康隆だったか、あったよね。
原稿行をボリュームを楽して膨らませ津には、兵隊を登場させて点呼すればいい…ってヤツ。
どうなるか…
「番号!」
「イチッ!」
「ニッ!」
「サンッ!」
「シッ!」
「ゴーッ!」
「ロクッ!」
「シチッ!」
「ハチッ!」
「キュウッ!」
ってやると、ホラ、難なく10行も紙幅をツブせて楽して原稿料をせしめることができる。
コレ、コピー譜もそうなんだって。
原稿料というのはページ毎に精算するのが普通だから、尺は長くなるが、採譜者にとってはTAB譜を付けた方がお得ということになる…という話をあるプロ・ギタリストから聞いたことがある。
Marshall Blogは長さも原稿料も関係ないのでご心配なく。
写真だけならべて、「いいライブだった。ハイ、レポート完了!」ということもできるけど、「マーブロ中毒」としての私のプライドが許さない!
では…


<PRE-AMP>
★クリーン系
JTM45
Clean DSL
Clean American
Clean JVM
Acoustic

★クランチ系
Bluesbreaker
Plexi
Crunch American
JCM800
50's British
★オーバードライブ系
OD JVM
OD DSL
OD American
OD Silver Jubilee

<POWER-AMP>
Classic Marshall 100W
Vintage Marshall 30W
British Class A
American Class A/B

<CABINET:( )内はモノホンのスピーカー・コンフィギュレーション>
1960 (4×G12M-75)
1960V (4×Vintage30)
1960X (4×Greenback)
1960HW (4×G12H-30)
1936 (2×G12M-75)
1936V (2×Greenback)
1912 (1×G12B-150)
1974CX (1×G12M-20)

70まだまだ行を稼ぐぞ~!ウソウソ。
ココはエフェクターをコントロールする「FX」のページ。
PEDAL、MODURATION、DELAY、REVERBとエフェクターが4つのカテゴリーに分けられている。

<FX>
★PEDAL
Distortion
Auto Wah
Pitch Shifter
Compressor

★MODULATION
Chorus
Flanger
Phaser
Tremolo

★DELAY
Studio
Vintage
Multi
Reverse

★REVERB
Room
Hall
Spring
Stadium

もちろんハイ・クォリティのノイズ・ゲートも搭載されている。

80_2

ギターから送られた信号はFXのPEDALセクションを通過しプリアンプへ。
そこからループにかまされたMODULATION、DELAY、REVERBを経てパワーアンプ段に送られる。
そして、スピーカーへと信号が送りだされる…とう概念。
スゴイ世の中になったものだ。
ちゃんとしたクォリティのモノを40年前これだけ揃えたらチョットした車が一台買えていたのではないか?

Dia3 …なんてことはお構いなしに、Yukiちゃんはサクサクと音を作って弾きまくってる!

100_2この顔…間違いなく気に入っている。
ご存知の通り、YukiちゃんもTSL100をこよなく愛する真空管アンプ派だ。
ところが、見ていると何の違和感もなさそうにCODE50をバリバリ弾いてる。
その評価はSeijiさん同様、弾き心地については何ら問題なく弾きやすい。
そして、音もお気に召したことは、Yukiちゃんが止めどもなく弾きまくったことが証明している。
音、いいのよ…。

110_2発売が待ち遠しいCODEなのであった!
120_3
D_Drive最新作、『R』絶賛発売中!
このアルバムのギター・サウンドはMarshall、そしてベース・サウンドはEDENです。
どうぞ安心して真のメタル・ギター&ベース・サウンドをお楽しみください。

480cd D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

2016年5月24日 (火)

【ASTORIA試奏レポート】 SAKI PLAYS ASTORIA + CODE

先日、寺田恵子をゲストに迎えてのライブも大成功だったMary's Blood。
昨年の10月にリリースしたニューアルバム、『Bloody Palace』に関するツアーもひと段落し、すでに新たなステップを踏みだしているハズだ。
130cd
さて、そのMary's BloodのSAKIにASTORIAを試奏してもらった。
「No.1ガール・メタル・バンド」の呼び声も高いMary's BloodのシュレッダーはどうASTORIAを弾いたのか?

10では、さっそく…いつも通りCLASSICから。

20vまずはジックリとスペックをチェック。

30_2「ホンモノのディストーショナーはいいクリーンを知っている」…というのは今私が考えたセリフ。
SAKIちゃんはしばし、クリーンを試した後エフェクターを使って試奏。
50v

これがSAKIちゃんのCLASSICの感想。
「まずエフェクターを何も繋がずにアンプ直で鳴らしてみましたが、美しくてリッチなクリーン・トーンが鳴ってくれます。
ギターそのものの音をアンプリファイしているようで、繋いだギターの木が鳴っているように感じました。
エフェクターを繋ぐと素直にエフェクトが乗ってくれるので、普段よりもよくエフェクターの効果が分かります。
色々ペダルを使って音を作るという方にはぴったりだと思います!」
さすが!よくおわかりでいらっしゃる!
40v
お次はCUSTOM。
非の打ちどころがない極上の歪みと弾き心地、そして粒立ちの良さはどうだ!

70SAKIちゃん曰く!
「ビジュアル、音とともに一番ビビビッときたのがこの子!
カラーリングは可愛いですが、音はその見た目と裏腹にガツンと前に出てくるMarshallサウンドそのもの。
ピッキングのニュアンスも忠実に出てくれるし、レンジの広さも気に入りました。
音が小さいという事もなく、十分色々な場で活躍してくれると感じました。
モダンなのにヴィンテージ、というような音のイメージを受けました!きっとハードなロックにも合うはず。」
合います。
やっぱコレが一番ヨカッタか…。

80vASTORIAのトリはDUAL。

90vやはりASTORIAの中ではもっとも機能が多いだけあって仕様のチェックは丹念に行われた。

100v

「クリーンとオーバードライブサウンドの両方が手に入るというコンセプトですが、その音のキャラがCLASSICのクリーンともCUSTOMのオーバードライブ感とも異なっているので、単純に2つがひとつになっている…というアンプではないです。
素直に音が鳴ってくれるという印象は上記2つと同様ですが、鳴りが変わってくるのが不思議で楽しいです。
是非実機を触ってその違いを確かめてみて欲しいです!」

…ということでチャッキーの好みのASTORIAはCUSTOMということが判明。
スーパー・シュレッダーの適切な評価ではなかろうか。

1_ast2_headcomboさて、Marshall Blogで何回も紹介している通り、SAKIちゃんはJVMプレイヤーである。
マーシャリストである。

90それゆえ歴代のMarshallの名器のサウンドをサンプリングしたCODEに興味があるハズ。

Code_group2…ということでASTORIAと同時にCODEも試奏して頂いた。
モデルは50Wのコンボ、CODE50。

1_img_0644CODEをコントロールするソフトウェア、「GATEWAY」がインストールされている私のケータイをSAKIちゃんに手渡すと、早速スラスラと操作を開始!

120vやっぱ若い人は違う!
な~んにも言わなくでもドンドン、ジャンジャン、ガンガン、ひとりでイジくっていい音を作っちゃう!

130そんなSAKIちゃんのCODE評…
「スマートフォンで直感的に操作出来るところがいいですね。
音についても、どこを取ってもマーシャルなので、マーシャルをイジったことがある人なら音を作りやすいと思いますし、中々実機で試すことの出来ないヘッドとキャビネットの組み合わせも出来るので新しい楽しみ方もあります!
DAWに接続してCODEで作った音を録音したり、スマートフォンのタッチだけで操作出来るエフェクター類も搭載されているので、ライブ演奏で使用したりと色々な用途が出来てとっても便利ですよ!」

140v操作や機能については若い人らしく積極的な評価が下されると予想していたが、音についても同様で、一旦音を作ってしまうと、バリバリと実に気持ちよさそうに弾いていた。
ん~、楽しそうだな…。
ま、何にせよASTORIA同様、CODEの反応もすこぶるよく、どこへ出しても恥ずかしくないモデルであることを確信した。
CODEについては販売までまだ時間がかかりそうだが、今から是非ご期待頂きたい。

CODEシリーズに関する詳しい情報は ↓   ↓   ↓
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<前編>
【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<後編>

150さて、Mary'S Blood、今年も『NAONのYAON』に出演する!
SAKIちゃんのこの雄姿が見れるのかと思うと楽しみだ!

240vMary's Bloodの詳しい情報はコチラ⇒Mary's Blood Official Site

(一部敬称略)

2016年5月17日 (火)

【ASTORIA試奏レポート】 KAZUMI PLAYS ASTORIA CLASSIC

ギターを嗜んでいれば、誰でも自分だけのギター・ヒーローがいるものだ。
Marshall Blogやfacebookをやっていて思うのは、ロック・ギターの世界におけるRitchie BlackmoreとYngwie Malmsteenのズバ抜けたヒーロー度の高さだ。
次点でMichael SchenkerとEdward Van Halenぐらいか?
一方、今の若い人たちにはギター・ヒーローがいるのだろうか?大きなお世話か?それとも「ギター・ヒーロー」という言葉さえ死語か?
とにかく、自分たちのヒーローを仰ぐ皆さんのあまりの熱中度が正直うらやましい。
私もロックを聴き始めた13、14歳の頃はRitchieが大スキだった。生まれて初めて観た外タレのコンサートはRainbowの初来日だったし。
Yngwieに関しては、『Rising Force』が出て来た頃は、もう時代のロックを聴いていなかったので、夢中になる機会が一度もなかった。その代り、今仕事としてYngwieのギターを楽しんでる。
考えてみると、長期間にわたって「この人じゃなきゃ絶対ダメ!」というギタリストはいなかったナァ。大好きなFrank Zappaも「ギタリスト」としてではないしナァ。
Allan Holdsworthも一時期かなり夢中になったけど、『i.o.u.』あたりから名前が一般の人にも知れ渡るようになってしまって興味はなくなっちゃった。
ロック・ギターのフィールドでは、Peter 'Ollie' Halsallが最後の砦という感じ?


ところが、対象とする音楽の幅をジャズまで広げれば、私にも確固たるギター・ヒーローが存在する。
それは渡辺香津美だ。
初めて香津美さんのお名前を耳にしたのは、『Olive's Step』が出た後ぐらいのことだろうか?
渋谷の屋根裏のドリンク・バーの壁に『Olive's Step』の販促用のポスターが貼ってあって、そこに手書きのマジックで「オレ」と落書きしてあった。香津美さんファンの店員が書いたのだろう。
こっちはギターを初めてまだ2、3年で、うまくなりたくてしょうがない。その時は香津美さんを存じ上げなかったが、「この人そんなにスゴ人なのか?」とすごく印象に残った。
その後、大学に入り、ジャズを聴くようになってからはもう夢中だった。
『TO CHI CA』や『KYLYN』等のフュージョン・アルバムももちろん好きだったが、それ以前にThree Blind Miceというレーベルに吹き込まれたストレート・アヘッドなジャズ音源がとにかく好きで、「渡辺香津美」あるいは「Kazumi Watanabe」のクレジットが入っているアルバムは、リーダーが誰で、どんな楽器であろうと、見つけ次第すべてゲットした。
この辺りのことを、公私混同丸出しでいつかジックリ取り組んでみたいと思っている。(香津美さんご本人からもご了解を頂戴した!)
私は香津美さんのナニがそんなに好きかというと、まず、すさまじいテクニックを誇る世界有数のギター・ビ・バッパーということだ。
LOUDNESSの記事の時に、よく高崎さんの海外での知名度が高いことに触れるが、ジャズの世界に限っては断然香津美さんだ。
Marshallの仕事となると、あまりジャズを聴いている輩にはめぐり合わないが、たまにそういう人と一緒になってジャズの話しになると必ず「キャズ~ミ・ワ~トゥワナ~ビ」は知っているかという話になるからね。
1987年代に新婚旅行で初めて訪れたアメリカのレコード屋に「Kazumi Watanabe」のコーナーがあったのを発見して感動したのを覚えている。
そしてもうひとつ…ギターという楽器の可能性を信じて音楽ジャンルを問わず、常に前進し続ける香津美さんのクリエイティビティだ。
香津美さんのオリジナル曲がとても好き。どれも問答無用でカッコよく、そして深い。
芸術性、大衆性、経済性、そして世界的知名度という観点で見れば、Jeff BeckやPat Methenyの向こうを張れるギタリストは、日本では香津美さんだけであろう。
私は最近クラシック音楽を聴くことが多いが、そういう時、「クラシックは聴くべき。音楽の宝庫だから」という、昔インタビュー記事で読んだ香津美さんの言葉がいつも頭の片隅にあるのだ。
それだけ影響を受けているのだ。

さて、今日のMarshall Blogは香津美さんにご登場頂く。
今まで約1,800本以上の記事を編んできたが、香津美さんにご登場頂くのは初めてのことだ。
「祝!」なのだ!
「念願の」、そして「待望の」なのだ!
皆さんにこの気持ちがわかるだろうか!
…と言っても、香津美さんとはアコースティック・ギターの仕事を通じて10年以上前から交流をさせて頂いている。
そもそもは、そのアコギ・ブランドを冠にしたコンサートへの出演を依頼する熱烈なラブレターを認めたのだ。その前にもある方のご紹介でホンの少しメールでコンタクトをさせて頂いたことがあったが、仕事でご一緒するのはこの時が最初だった。
出演をご快諾頂いた時は死ぬほどうれしかった。
ある時、そのコンサート打ち合わせの後、食事をご一緒させて頂いた。あまりの興奮で二次会で飲み過ぎてしまい、二日酔いで地獄を見たこともあった。
そのつながりで、2004年にHoracio HernandezとRichard Bonaとの「Mo' Bop」のコンサートで、リイシューされたばかりの1974Xを使って頂いた。
東京公演は渋谷のオーチャード・ホール。
香津美さんはエクステンション・キャビネットの1974CXを追加して、レスポール直で「Cry me a River」をア・カペラで弾いてくれた。素晴らしかった。
下の写真は、NHKの高中さんとの番組の収録で、1974Xをお使い頂いた時のもの。
あれから12年も経ったのか!本当に昨日のことのようだ。

10vそして、今年は香津美さんが『Infinite』というアルバムで17歳の時にデビューしてから45年目の年に当たる。
そこで『Guitar is Beautiful KW45』という記念アルバムをリリースされた。
信じられないぐらい多方面のギタリストとの「デュオ」演奏をテーマにしたアルバムだ。

Ke452さらに、このアルバムのリリースを記念してのコンサートが今週開かれる。
名付けて『渡辺香津美ギター生活45周年祭 〜 Guitar Is Beautiful Special 〜』。
会場は再び渋谷のBunkamura オーチャード・ホール。
コンサートは最新作『Guitar is Beautiful』に関わったアーティストの皆さんをゲストに迎えた香津美さんを囲む「ギター祭り」になるようだ!楽しみ~!

そして、ココで私に奇跡が起こる。
ナント、このコンサートのオフィシャル・フォトグラファーのご指名を頂戴したのだ!
信じられんよ!
もちろん、ご連絡を頂戴した日から興奮で一睡もしていない(ウソこけ!)。
イヤ~、長生きはするもんですよ。
そして、人間マジメに生きるべきです。
人様のお金で温泉行って家族会議なんかしちゃイカン!
久しぶりの香津美さんとのお仕事…しかも今度は写真!もう死ぬほど頑張ってしまうのだ!

30v そして、もうひとつ、Marshallにとっての好機が到来した。
もうMarshall Blogの読者の皆さんにはきっとおなじみのASTORIA。
Marshall初のブティック・コンボね。
このCLASSICというモデルはクリーン・トーンを出すのが仕事で、そのアイデアの基礎は私が提案したことをコチラに記した。
実はこのアイデアを練っていた時、香津美さんのことが頭にあったのですよ。
すなわち、アンプはクリーン、しかも上質のクリーンにしておいて、エフェクターで音を作るという古式ゆかしいスタイル。
「香津美さんが使ってくれれば、うれしいなったらうれしいな!」と思っていた。コレ事実。
そこで、今回の写真のお仕事で久しぶりにご連絡をさせてもらうようになったので、ASTORIAのことをご紹介させて頂いた。
すると、香津美さんは直ちにMarshall Blogをご覧になって下さって「興味あり!」の反応を示して頂いた。
ココからの話は早い!

40 そこで、すぐに香津美さんの音楽創作の根城、Hilltop Studioにお邪魔させて頂いてASTORIA CLASSICをお試し頂いた。
う~ん、こうして見ると確かに緑色の物体がスタジオにあると目を引くな。圧倒的に「黒」の世界だもんね、普通は。
準備は万端…早速音を出して頂く。

Img_0935素のクリーン・トーンを確認した後、各種のエフェクターを用いてバラエティ豊かな音色をASTORIAから繰り出す。
ドキッ、「J.F.K」!
昨日偶然『Spice of Life』を聴いたばっかりだったのだ!
この『Spice of Life』というアルバムはドラムがBill Brufordで、イギリスで録音されている。
そのレコーディングの時、香津美さんはブレッチリーに赴き、Jim Marshallにお会いになったそうだ。
…と、ひとしきりASTORIAを確認して頂く。

Img_0955ここから先は例によって私との対話形式で香津美さんにASTORIA CLASSICについて語って頂くことにする。


Marshall(以下「M」):いかがですか?どんな感じでしょう?
渡辺香津美(以下「K」):第一印象!素直なクリーン・トーンですよね。
パッと見た感じにくらべてロー・ミッドとかボトム感がすごいあるんですね。
余裕があるんですよ。
こういうハムバッカー系のギターだと結構ローがモタつくじゃないですか。クリップっぽくなるというか…ピッチが明確でなくなってしまうアンプが多いんですよね。
音圧はあるんだけど何を弾いているのかわからないみたいな…。
そのあたりに関して言うと、ASTORIAの解像度はかなり優秀だと思います。
だから巻き弦の感じがよく出ています。
Img_0940
M:ありがとうございます!
ところで、ギターに関するインタビューは多くてもアンプに関するご質問は少なかったりするのではないですか?
K:確かにあんまりないかも知れませんね。結構好きで色んなものを使っているんですけど…。
Img_0970

 M:存じ上げております。
例えば『Spice of Life』の時はMarshallの三段積みをお使い頂きました。そうして色々なアンプをお使いになっていらして、香津美さん流のアンプ哲学みたいなものはお持ちでいらっしゃいますか?
「ギター・アンプはこうあるべき!」…のような。
K:はい。ギター弾きとして色々な面がありますので、例えばジャズを演奏するときはスーパー・クリーンなトーンが欲しいし、ブルースっぽいものを演るならピッキングの強さに応じてクランチしてくれるモノがいい。サスティンしすぎないものですね。いい感じでプス~っといなたく音が消えてくれるヤツ。
それと、コンテンポラリー的なギターを弾く時にはキーボードのようにサスティンがあって、エフェクターのノリがよいモノが欲しいですよね。
ギター・トリオの時にもキーボードのような役割をカバーできるような…リード・トーンがシッカリしていて、ヴォイシングがクリアに聞こえるようなものが好ましいワケです。
(実際に開放弦を含む複雑な和音を弾く)

Img_0939 こういう風に開放弦の鳴りがクリアで、ヴォイスが全部聞こえないとダメって感じです。M:ASTORIA CLASSICはクリーン・トーンを出すためのモデルです。アンプでいいクリーンを出して、後はエフェクターで音を作るというのが開発のひとつのコンセプトです。
K:はい。そうですね。
M:香津美さんでしたらCLASSICをどうお使いになられますか?クリーン単体でもお使いになられたいという感じでしょうか?
K:そうですね。基本的にすごくいい感じのクリーンです。
そして、ここから色々足していけるという。

Img_0946 M:そこです!
K:うん。レコーディングでも、小さなライブハウスでも、大きなホールでも、どこでもいつでも同じ音を出すにはどうすればよいか…。
最近の傾向で、アンプ・シミュレーターみたいなもので音を作ってPAでアウトするという方法もありますが、ボクはやっぱりアンプからガーっと音が出ていないとイヤなんです。
そうなると、自分の背中にスピーカーがあって、それで耳を壊さず、作り込んだ音が毎回同じように出て来るようにする方法として、「ペダルで音を作り込む」というひとつの結論に達しているんですよ。
Img_0967
M:なるほど!(キタキタキタキタ~!)
K:オーバードライブでも、曲によってタイプが違うものを使いたいし、同じ曲の中でもメロディとソロは使い分けたいし、それから、リアのピックアップの時に合うオーバードライブとフロントのピックアップの時に合うオーバードライブも選びたい。ギターによって選ぶのは当然です。
そういう時に音が七変化できるようにしておきたいワケです。
ですから、オーバードライブも3種類ぐらいセットしておいて、場面に応じて使い分けたい。

<香津美さんの足元の現状>
香津美さんは、このエフェクター群を単純にギターとアンプの間にシリーズで結線している。

Img_0998 M:ドワ~!となると、アンプが素直な方が好ましい。
K:そうです。アンプであんまり味付けされちゃうとやりにくい。
でも「味付けされていない」というのはソリッドステートのようなアンプということではないんですよ。

Img_0958
M:わかります。
K:パッとすっぴんで弾いた時に「アダルト」な感じが欲しいワケです。
M:「アダルト」?!…となると真空管のアンプ?
K:そういうことになります。

Img_0986M: もうMarshallというとまず「歪み」というイメージがありますよね?でも、昔はマクラフリンもディ・メオラもホールズワースもみんなMarshallでした。香津美さんはそういう時代を目の当たりにされていると思います。
香津美さんにとってのMarshallのイメージはどういう感じですか?
K:食わず嫌いで苦手。自分に絶対合わないと思っていました。
それで楽器屋で試奏する時にお店の人がセッティングしてくれるんですけど、好きではなかったですね。
ところが出演するライブハウスにMarshallしかなかった時があったんですよ。
ジャズのギター・トリオだったのでクリーンで弾かなければならない。で、色々とイジっていたら、すごくいい感じのクリーンが出たんです。
それで、「あ、Marshallのクリーンってアリなんだな」って思ったんです。
頭の中にはあるメーカーの音のイメージがあって、それに近づけようとしたんですが、その時はMarshallを操作する知識がなかったので、頭の中にあったよそのブランドのアンプのイメージを捨てたんですね。
それで、イチから音を作るのもありだな…と思って。トレブルを全部絞って、ベースを思い切り上げても案外モタつかない。
なんだ、Marshallイケるじゃないか!ということになった。

Img_0966_2 M:それはES-350の時代ですか?(編者注:ES-350はL-5サイズの薄型のフルアコースティック・ギター。70年代初期の香津美さんの愛器。私は大学の頃からそのギターに憧れていた。ある時、松本の楽器屋さんで50年代製の程度のよいビンテージを見つけた。買おうかどうしようか家族会議まで開いて迷ったが、下の子が生まれたばかりだったので、120万円はさすがに厳しく諦めた思い出がある)
K:そうです。
M:ウワ~!見たかったナァ。
ジョン・アバークロンビーもMarshallですもんね、あの音で。
K:あ、そう!
でも、ポンタとグレッグとやていたMoboⅢの頃はMarshallのヘッドとキャビを持ち歩いていたんですよ。
野外の現場も結構あったので…。(編者注:1986年のMoboⅢのスタジオ・ライブの演奏で香津美さんの背後にMarshallが確認できる。結線はされていないがJCM800 2203のコンボ4103。それに1965Aと1965Bという4x10”のキャビネットだ)
でも、ちょっとボリュームを上げるとすぐにPAの人が飛んできたり、ポンタが「うるせ~!」って騒いだり…ステージのそでに置いたこともありましたね。

Img_0941M:ハハハ!甲子園でしたっけ、Marshallをズラリを並べて弾かれたのは?
K:そうです。日本シリーズの開幕戦で、野村さんと長嶋さんがいらしゃいましたね。
「君が代」を弾いてくれというので、それならMarshallでしょ…ということで用意してもらったんですが、Marshallの後ろが貴賓席になっていて、アンプを積んでしまうと、貴賓の方々の視界を遮ってしまうんです。
「すいません、それ、どけてください」ということになって、横に並べて使いました。
M:ジミー・ペイジスタイルですね?
K:残念でしたけど、音はよかったですよ!PAもない生音でね。
M:見たかったナァ。それで、どういう風に弾かれたんですか?
K:イヤ、それがクギを刺されましてね…。
ジミヘンの「アメリカ国歌」風にやろうと思ったんですよ。こんなヤツ。
(実際にジミヘン風に「君が代」を弾く)

Img_0950M:当然そうなりますよね!
K:ところが!「渡辺さんのギターに合わせて5万人のお客さんが君が代をご唱和くださいますので、メロディだけは忠実に弾いてください」と言われたんです。
そしたら緊張しちゃって…こんな感じ。
(実際に「君が代」のメロディを原曲に忠実になぞって弾く)
Img_0959
M:ウワ、もったいない!(それでも十分にカッコいい!)
K:イヤ、でも結構感動しましたよ!
それにシングル・ノートで歌うのはやっぱりギタリストの最終課題ですからね。
M:なるほど!
ASTORIAに話を戻しますが、レスポンスなんかはどうお感じになります?
K:イヤ、すごくいいですよ。速くて気持ちいい。
音がまとまってくれる感じがするんですね。
特に(コードを弾きながら)、こういうのを弾いた時のバランスがとてもいい。
Img_0962
M:各弦の音がそれぞれ聴こえてくるような…。
K:ウン、分離感というよりは音程感が強くて、まとまってコードが聴こえてくれる感じです。
すごく安心感がありますよね。
印象としては、Precision(正確さ)というよりMusical(音楽的)です。
だからハコもの(フルアコ)のギターなんかはいいでしょうね。
M:ウワ!聴いてみたいナァ…ハコもののASTORIA。
K:ハコもの、ありますよ。ちょっとアレ持ってきて!(…とスタッフがフルアコを用意)
M:イヤイヤ、すみません!でもうれしいな!
(間、そしてフルアコが登場して早速プレイ)

Img_0973M:ウワ~。
K:ね?レスポンスがナチュラルですごくいい感じ。

Img_0978(しばし演奏…私、シアワセ)

Img_0980K:すごくふくよかなサウンドです。
シングル・コイルも試してみましょう。
(ストラトキャスター現る。ストラトの音なんだけど、完全に香津美さんの音)

Img_0984K:ウン、これもいい感じですね。ちょうどいい。
M:香津美さんのストラトキャスター姿を生まれて初めて拝見しました!
香津美さんはプロとして45年もこういう機材の変遷を目の当たりにされていらっしゃいますよね。
ずいぶん変わりましたでしょう?
K:変わりましたね~。
やっぱりシールドのような途中のモノが変わりましたよね。昔だったら「エ?」っていうようなギターでもシールド一本でいい音に変わってしまったりする。
M:なるほど。それはそうかも知れませんね。昔はこんなに種類がなかったですもんね。
K:ボクもずいぶん色々試しましたが、どんなにお金をかけてもダメな場合もあります。
あまりハイファイにしすぎて楽器本来の音を失ってしまうケースもあったりします。
最終的には使う本人が気持ちいいかどうかということです。
でも、途中に何をつなごうが元の音が良くなければ意味がありません。
ですから、入口と出口…すなわちギターとアンプがまず最重要ですよね。

Img_0996M:香津美さん、偉大なるギター・グルのご意見として、ギターとアンプってどっちが重要だとお感じになりますか?重要度を「〇:△」と比率で表すとどうなりますか?
あ、私がアンプ屋ということはお考えにならないで頂いて、ゲームとしてご意見をお聞かせください。
K:「ゲーム」としてね…(間)…ムズカシイ質問だな。

Img_0964でも…(間)…気持ちとしては、「7:3」でありたいよね。
M:どっちが「7」?
K:ギターが!

Img_0961M:(ズルッ!)
K:ギターが一本あって、世界中どこへ行っても、アンプが何であろうとも、「オレの音がするぞ!」というのが大基本にあって…。アンプが壊れていたら音は出ないし…。
実際、モスクワのライブハウスに行った時、妖しいアンプが出てきて、どうやっても音が作れないなんてことがありましたよ!
吉田美奈子さんとのデュオだったんだけど、チョット力を入れるだけでグワ~って歪むワケ。
M:ああ~、美奈子さんは楽器の音にものすごくシビアですもんね。
K:「歪んでるぜ…」なんて言われちゃって!
M:ウワ~!
K:GAINを下げれば歪まなくはなるんだけど、ホンのチョット動かしただけでドバーっとなっちゃうワケ。オール・オア・ナッシング。
M:まさか、その時「このアンプMarshallみたいだな!」なっておっしゃったんじゃありませんか?!
K:イエイエ!とにかく絞って乗り切りました。
M:ギター・アンプはギターがなければビックリするほど何の役にも立たない半面、実際にギターの音を出しているのはアンプですし、せっかくいいギターを使ってもその音の良し悪しを決めてしまうのがアンプであることも事実なので、アンプ屋の宣伝文句としては「アンプ7、ギター3」というお答えを期待するんですね。
K:イヤ、それも正しいですよ!どっちもアリなんです。

Img_0965M:ヨッシャ~!
K:結局、現場の状況や環境は選べませんから、とりあえず自分の方は状態を確保しておこうとする気持ちね。ギターやエフェクターは手元にあって自由自在ですから。、
M:なるほど、超ベテランならではご意見。
K:マクラフリンなんか最近、ギターから直でワイアレスでPAに音を飛ばしているらしいですよ。それでもあの音がしてますからね。
M:さっきも触れましたけど、マハビシュヌの頃はマクラフリンだってMarshallでしたよね?
K:積んでましたよ!そういうことをやった人だから、今そういうことができるんですよ。ちゃんと経験してる。
M:いいことおっしゃる。
でも、最近はギターを初めてやるような子でも流行りのデジタル・アンプなんかを買ってしまうんですって。
K:うん。そういうものはとても便利なんだけど、知識を持っていない人にはどうかと思います。
例えば、自分でアンプを飛ばしちゃったりとか、煙を出しちゃったりとか、苦労して運んだりとか…、そうやってアンプと苦楽を共にすれば、「こうすればああいう音になる」とか、「こうすれば壊れない」とかいう知識が身につくワケです。
そういう経験が元にあれば、そういったデジタル機器を使うのもよろしいのではないかと思います。
だって、そういう経験や知識がなくて、いきなりデジタルじゃ「何がいい音」なんてわからないでしょ?
いい音を作ってメモリーさせておくとか、どこへ行っても同じ音が出せるという意味では本当に便利だとは思います。
でも、やっぱり「元」を知っているからこそ便利だ…という風にありたいよね。
Img_0969
M:私も古い人間になってまいりまして…まったく同感です。
K:食べ物と同じですよ。ホンモノの味を知っていれば良し悪しがわかるけど、そうでなければ天然と養殖の違いもわからない。
採れたてのコリコリした天然の鯛のおいしさを知らずに、養殖ものを食べて「歯触りが柔らかくておいしい~」なんていう若い子みたいなもんです。「柔らかい」のは違うんだ!っちゅーに!
M:カニよりカニかまぼこの方が好きだったりして…。
K:最近のカニかまはスゴイですよ!よくできてる。
M:海外でもスゴイ人気らしいですからね。
K:いずれにしてもまず耳を育てることが大切。そのためにはやっぱりレコードをたくさん聴いて、色々なことを知っていないといけませんね。
M:香津美さんは「Marshall」と聞いて、まずどのギタリストを連想されますか?ジミ・ヘンドリックス?ジミー・ペイジ?
K:マーシャル、マーシャル…リッチーかな?
M:エエ~?意外!
K:でも…「Marshall」といえば、ジミ・ヘンドリックスか…。
(「Little Wing」のフレーズを弾く)

Img_0986_2 K:やっぱりアメリカン・アンプにはない味がありますよね。
ASTORIAにはMarshallのDNAを感じます。「クリーンなのに歪んでいる」みたいなね。うまくいえないけど、そこら辺のチャラいクリーンではなくて、ドスの効いたクリーンなんです。
M:それはASTORIAのどういうところなんでしょう?ローミッド感というヤツですか?
K:うん。パッと弾いたイメージでは、このアンプはローミッド感がすごいと思います。
弾いててすごく安心なんです。「もっとチョット欲しい」みたいな部分がないから、無理して強く弾いたりする必要がない。
インプットのレスポンスがすごくいい。とにかくローがいい感じに伸びています。

…と、とても好意的なご評価を頂戴した。
20日のオーチャードホールでのASTORIAで使って頂くことになった!
香津美さん、ありがとうございます!

Img_1002

この他、「変わったコルトレーンの聴き方」の話だとか、とても面白い話しをたくさん伺ったが、今回は紙幅の都合で割愛させて頂く。
ダメなのよ、私が興奮しちゃって…色んな話を聞きたくてキリがないの。
香津美さんもイヤな顔ひとつされずにお答え頂くもんだから会話が終わらない!
ああ、香津美さんから濃い~話をお聞きして本を書いてみたいな~。
ASTORIAのよいご評価も頂戴できたので、心を鬼にして私の方からインタビューを終了させて頂いた。
よくやったASTORIA CLASSIC!ますます好きになった。
帰りにハーゲンダッツのアイスを買って帰った。もちろん抹茶テイスト!

Img_008620日、オーチャード・ホールでお会いしましょう!

コンサートの詳しい情報はコチラ⇒『渡辺香津美ギター生活45周年祭 〜 Guitar Is Beautiful Special 〜』

渡辺香津美の詳しい情報はコチラ⇒Kazumi Watanabe official web site

Img_0077(一部敬称略)

2016年5月13日 (金)

【ASTORIA試奏レポート】 Seiji & Yuki PLAY ASTORIA DUAL

さぁて、D_Driveの【ASTORIA試奏レポート】の最終回はASTORIA DUAL。
ブルーでクールな2チャンネル。

10_5最後も親分からASTORIA DUALにトライ。
これだけ弾いてもゼンゼン飽きる気配なし!

20vCLASSICやCUSTOMに比べて機能が豊富なDUAL。
その分、チェックも念入りだ。

30まずはクリーン・チャンネルから…。
アレレ、すぐにODのチャンネルに移るかと思っていたらクリーンに夢中のようす。
この謎は後半を読んでいただければわか~る。

40そして、ODチェンネルで大暴れ!
またまた気持ちよさそう!

50vお気に入りのサウンドを得て、あまりにも楽しそうに弾くSeijiさんを目の当たりにして様子を覗き込みに来たYukiちゃん。

70
Seijiさんの表情を見ればDUALの説明はもう要らないかもしれない…。
この表情は、「千とせ」の肉吸いと「明治軒」のオムライス&串カツを同時に食べた時の顔や!

60選手交代。
Yukiちゃんもゼンゼン飽きてなさそう。
まだ25種類ぐらいはイケそうだ?!

80Yukiちゃんも念入りに機能をチェック。

90v当然、クリーンとODを行ったり来たりであらゆる可能性を探っていく。

100vいかなるシチュエーションでもYukiちゃんの速さに付いていくのがASTORIA。
想像を絶する幅広いダイナミックレンジがYukiちゃんのクリエイティビティを刺激する。

110ここでも積極的にD_Driveチューンを試していく。
DUALのコンテンポラリーなキャラクターは一層D_Driveの音楽にマッチしていた。

120vDUALもタ~ップリ弾いていただきました!…ということで最後の感想戦。
Seijiさんの意外な反応で盛り上がっちゃった!

Marshall(すなわち私、以下「M」):それじゃ、最後にDUALいってみましょう。Seijiさん、なんかDUALが一番お気に召していたような…。
Seiji(以下「S」):イヤ~、ヨカッタですわ~。ムッチャクチャ気持ちエエですわ~、ホンマ。
CLASSIC、CUSTOMとどれもキャラが違いますね~。

Img_0581 Yuki(以下「Y」):三つとも全部違う。
M:クリーンはCLASSIC、歪みはCUSTOMって合体させればよかったのに…と思いませんでしたか?ま、できないんですけど。
S:イヤ~、そういうのがあってももちろんいいんですけど、コレはコレでコレの良さがバツグンに出ているんですよ!
あのね、コレ、ヤバいですよ…この音!
Y:ど、どんな感じなんですか、「ヤバい」って?(←Seijiさんのあまりの感激ぶりに驚いてYukiちゃんが質問してる!)
M:クックックッ!(それを聞いて思わず、笑)

Img_0572 S:JMDの時かな?昔、シゲさんに色んなモデを試奏させて頂いたことがありましたでしょ?
あの時に弾いた1987のコンボが音のコシといい、弾き心地といい、ものすごくよかったんです。
M:2187ね。
S:そうそう。このDUALはアレにすごく似ているんですよ。
M:全面フレット・クロスのヤツ。
S:アレがまたカッコいいんですよ!DUALはその2187をボクの中でよみがえらせてくれましたよ。
とにかくメチャクチャ気持ちヨカッタ!
M:アレは2x12”ですけどね。
S:DUALを2x12”にしたらソックリになるんとちゃうかな?
M:おもしろいご意見ですね。Yukiちゃんもやっぱりキャラの違いが大い思いましたか?
Y:ハイ。私もコレが好きやったんですよ。

Img_0579 M:どういうところが?
Y:2チャンネルというのもあるんですが、出せる音の幅が一番広いんですね。
S:そうそう!
M:かなり念入りにチェックされていましたもんね!
Y:はい。セッティングによってすごく色々なキャラに変わるんです。そういう意味では、もっと作り込んでいけばたくさんの曲にシックリとマッチして、バッチリ使えると思ったんです。
S:ODチャンネルでGAINを上げずに歪みを浅く設定してやった時の音が何ともいいんですわ。
ボクも好きでたくさんのアンプを試しますけど、ギターのピックアップの音の違いをこれほど明確に表現してくれるアンプは他に知りませんね。
フロントとリアなんていうのはどのアンプでも違いがわかりますが、ミックスしたタップとか、普通のアンプではこれほどガラッと音を変えてはくれませんよ!

Img_0574 M:確かにすんごい音が変わっていましたね。あたかもギターを持ち替えたかのような…。
S:それだけ繊細なアンプなんですよ。コレはなかなかマネできないんと違いますか?
どんなことがあってもエフェクターでは絶対に作れない音です。
Y:なんか「心地いい」ていう感じの音が出ますよね。音のバラエティがスゴイ。

Img_0569 S:決して「器用」ということではないと思うんですけど、サウンドを違いをハッキリとひとつひとつ示すことができる。
それでいて、どのサウンドにもパンチがあるんですね。
Y:EQの利きもハッキリしています。
S:(Yukiちゃんに向かって)CLASSICの時はYukiちゃんが「マイルド」って言うてたやんか。ボクもなるほどマイルドやな…と思った。
同じようにしてひとことで言い表すならば、このDUALは「パンチ」やね。しかも世界チャンピオン級のものすごい瞬発力のあるパンチや!パーン、パーンってな…2tぐらいやな。
チョーキング一発でやられる破壊力がある。

Img_0565 Y:コレもギターがウマければウマいほどおもしろさがわかるのではないでしょうか?
M:それといいギターね。
S&Y:そうそう!
S:今、思ったんですけど、レコーディングの時に頭に思い浮かべている理想の「クリーン」の音っていうのがあるんです。
M:理想のクリーン?どんなんだろ?
S:ズバリこのアンプの音なんです。もうすっかり出来上がっちゃってる。ボクが思っているクリーンの音ってDUALのクリーンなんですわ。
M:Seijiさん的には、すなわち2187の音?
S:そうです。

Img_0583 Y:私には結構あたたかみを感じました。
S:ボクはちょっと違うんだな。もっとパキッという感じ。イヤ、カリッかな?イヤイヤ、キラキラですわッ!
Y:キラキラ……?
M:「固い」というのとはまた違うんでしょ?
S:ゼンゼン固くないです。この説明の難しさね!実際に弾いてみたらわかると思うし、一発でヤラれてしまいますよ。
M:そんなに気に入った?
S:はい。こんな音、Marshall以外、他で絶対に出せませんよ。ゼ~ッタイ!
あのね、楽器のクォリティを教えてくれるアンプです。
Y:ホンマ。

Img_0584 M:ところでおふたりにうかがいますが、回路と色の組み合わせを自由に選ばせてあげるといわれたらどうしますか?
S:DUALで…やっぱブルーですわ。そのままになりますね。
Y:私はCUSTOMで~…アレ~?…やっぱり赤を選びますね!
青も赤も好な色なんですけど、やっぱりCUSTOMにシックリくるのは赤ですね~。
M:我ながら、やっぱりMarshallってスゴイですね。
S:イメージさせてるんですね~。

Img_0604 D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

10_4

最後にYukiちゃんから…。
「ASTORIAは何と今日発売となるそうです!
このモデルは量産ができない手作りの商品だそうです。入荷の数量が少ないので、すぐに売り切れてしまう可能性もあるようにもお聞きしましています。
楽器屋さんで見つけたら是非試奏してみてくださいね!
私のお気に入りはCUSTOMですけど、CLASSICもDUALも最高です!」

Img_0590 ASTORIAの詳しい商品情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!


Seijiさん、Yukiちゃん、わざわざこの試奏会のために一日早く上京して頂き、かつ、お疲れのところ長時間にわたって仔細にASTORIAをお試し頂きまして誠にありがとうございました。
この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。        

                                             Shige

(一部敬称略)

2016年5月12日 (木)

【ASTORIA試奏レポート】 Seiji and Yuki PLAY ASTORIA CUSTOM

D_Driveの【ASTORIA試奏レポート】はCUSTOMに移る。
赤いCUSTOMはシッカリ歪みの熱血野郎!

Img_0540

今日ASTORIA CUSTOMを試して頂くのは…
Shimataroと…

B_s41a0145Chiiko!

B_s41a0150 …なワケなくて、友情出演してもらいました。

昨日に引き続いて、Seiji~!

Img_0548

そして、Yuki~!

Img_0543 今日も親分からスタート。

Img_0300「歪む」ったってどんな感じか?
まずは、小手調べ。
何せCLASSICがあんなにシッカリしたクリーンだったからね。
「ムムッ?」

Img_0303「コレはかなりイケるんとちゃうか…?」…と歪みを深く調整する。

Img_0302_2もう入り込んじゃって辺りがまったく目に入っていないSeijiさん。
ま、この音はロック・ギターをやっている人なら当然溺れてしまうだろうね。
GZ34がもたらす独特のコンプレッション感が何しろ気持ちいいんだ~。

Img_0313かなり歪みを深くしたが、ヌケの良さが悪くなるなどということはまったくない。
一音一音がキリリと締まっている。

Img_0311おなじみのD_Driveメロディがバンバン飛び出してくる。
さすがにステージで30Wは厳しいだろうが、豊かな音色はD_Driveの音楽をよりゴージャスにするに違いない。

Img_0316続いてYukiちゃん。

Img_0343YukiちゃんもGAINを上げて深めの歪みを作る。

Img_0336やはり弾き慣れているD_DriveナンバーでいつものTSLとの違いを確認。

Img_0356Yukiちゃんも相当真剣だぞ…全然、ニコニコしなくなっちゃった!
弾くわ、弾くわ、シュレッディングの鬼!

Img_0351Yukiちゃんのサウンドを耳にしてそのセッティングを確認するSeijiさん。
確かにスゴイ音だった!

Img_0348BLIGHTNESSやBODY等の機能もひとつひとつジックリとチェックしてくれた。

Img_0338 ハイハイ、そこまで!
ズッと弾いていたい気持ちはわかるけど、ここら辺でASTORIA CUSTOMについておふたりに語っていただきましょう!


Marshall(すなわち私。以下、「M」):イヤ~、ようけ弾きよりましたな~!
Seiji(以下「S」):CLASSICの後で、キャラクターがゼンゼン違うので驚きました。D_Driveで使うならCUSTOMが一番合うと思います。
Yuki(以下「Y」):そうですね、色んな曲がありますが、D_Driveやったら、やっぱりCUSTOMがシックリくるでしょうね。

Img_0537 M:歪みの具合はいかがですか?お気に召しました?
S:最高です。メッチャいいです!
M:どういう風にいいんでしょう?普段使っているDSLと比べるといかがでしょう?
S:やっぱり違うタイプの歪みですよね。とにかくASTORIAはコシがスゴイ!
すごく歪んでいるんですけど、ジャーンと弾いた時に各弦の音がひとつひとつ独立しているんですね。
そして、その後のロング・サスティンがタマらない!
M:サスティンは見事ですよね。
S:ハイ!ひどいアンプになるとトライアドを弾いているのにパワーコードにしか聞こえないなんていうのもホンマあるんですわ。
M:あるある!
S:で、音を重ねていった時、歪んだままだと何を弾いているかわからなくなってしまうので、歪みを浅くしてやる。
するとどうしてもサスティンが稼げなくなってしまう。
ところが、ASTORIAは歪ませたままでも音が分離しているように聞こえるんです。それでいてサスティンも十分。

Img_0526 Y:私にはハイがすごく出るように聞こえたんです。
S&M:ハイ?
Y:はい。
M:音が固いということ?
Y:「固い」ということは一切ないんですが。高音がすごく利いていて、音がとても抜けるイメージですね。すっごいパワーやな…ってビックリしました。

Img_0507_2 M:30Wのワリにはということ?
Y:イエ、そういう意味ではなくて、ゲインやボリュームをそんなに上げていなくても、すごい力があるんですよ。ホントに?!みたいな。
M:音圧ってこと?
Y:そうです!大きさではなくて力。とにかくハイが抜けてて、パワーがメッチャあるという印象。

Img_0527 M:世の中にはただ歪んでいるだけで、ガシャガシャとなっちゃうアンプもありますよね。
そういう類の機材は弾き手のテクニックも音楽性も殺してしまうワケで、だからこそ、皆さんは音の良し悪し以外にもシビアな目で機材選びをされていますでしょ?
そういう目で見るとASTORIAはいかがです?
アノ、話伝わってますか?
Y:フフフ。
S:もちろん、もちろん!伝わってます。
M:ごめんなさい説明が下手なもんですから…。
S:よう言いますわ!
どう言ったらいいでしょうか、さっきも言いましたがとにかく分離がハッキリしていると思うんです。
歪んでるんやけど…。

Img_0522 Y:歪んでるんですけど、自分が出したいニュアンスが正確に出せるんです。
S:そうそう、そやねん。
例えて言うと、弦一本一本にそれぞれ専用のピックアップが付いていて、それを最終的にASTORIA CUSTOMでまとめて音を出してくれているみたいなイメージですわ。まったく埋もれるところがないんです。
Y:フンフンフンフンフン。
で、ギターのボリュームを絞ってクリーンにしても、やっぱりきれいにニュアンスを出してくれます。音も太い。

Img_0528 M:BOOSTはいかがでした?
S:イヤ、こ~れ~は使えますよ!普通ブースターで音を補う時はエフェクターを使いますが、コレがついていればエフェクターは要りませんね。
M:付属のフットスイッチでオン/オフできますからね。
Y:確かに…ゼンゼン必要だとは思いませんでした。
S:とても頼りになりますよ。「アニキ」って感じ。
M:Brightnessはどうでした?Yukiちゃんは元々ハイがよく出ているって言ってたけど…。
Y:私は必要には感じませんでした。
M:Marshallはブライト・スイッチが付いているモデルってほとんどないんですよ。高域を強調する用途としてプレゼンスはおなじみですけどね。
昔はよくついているアンプを見かけましたけど、実際に使っているっていう話を聞いたことがない…。
S:コンボなんかだと、箱鳴りしすぎて、モコっとしちゃうことがあるますよね。鼻をつまんだような…。そういう状態を解消したい時なんか役立つと思いますよ。

Img_0537_2 M:BODYはどうです?
S:単純にいうと中~低域が持ち上がる作用があるんですが、すごくコクがあるというか、まろやかに太くなる感じですね。
まるでビンテージもののワインみたいな?
M:そういえば、コクのあるワインなんかは英語で「Full-bodied」って表現するんですよ!
S&Y:おお~!
M:Marshallもビンテージ・サウンドを形容する時によく使う言葉なんです。
Yukiちゃんはどう?
Y:ん~、例えて言えば、頼りになる優しい男性が出て来る感じですかね?

Img_0479 S&M:おお~!ボディだけにマッチョ?!
Y:ガリマッチョ。このツマミを引っ張り上げると「大丈夫だよ」って言ってくれる。
S:じゃ、常に入れておく?
M:こういうスイッチを入れっぱなしにしておくタイプ?
Y:イエ、多分入れっぱなしにはしません!
S&M:ズルッ!(全員大爆笑。言ってる本人まで大爆笑)
S:そうそう、それとセンド&リターンもついているからループ派には便利ですよね。

Img_0518 M:さて、色はどうでしょう?
普通、「スカーレット・オハラ」とか、「バーガンディなんとか」とか、「なんとかクリムゾン」とか、「なんとかバーミリオン」とかカッコつけた名前を付けるじゃない?
ナァ~二ィ~、やっちっまったな~…みたいな。Marshallは黙ってレッド、グリーン、ブルーですよ…!
S&Y:(大爆笑)わかりやすい~!

Img_0475 Y:この赤ってすごく渋くて落ち着いていますよね~。真ん中のクリームのところがまたすごくマッチしているんですよ!
女の子が部屋に飾ってもおかしくない。一気に部屋が可愛くなる!

Img_0545 S&M:そ~お~?

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

10_4ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

【ASTORIA試奏レポート】 DUAL編につづく

(一部敬称略)





2016年5月11日 (水)

【ASTORIA試奏レポート】 Seiji and Yuki PLAY ASTORIA CLASSIC

先日のMarshall GALAでは短い時間ながら代表曲を3曲立て続けに演奏し、大いに会場を沸せてくれたD_Drive

Dg それに先んじてリリースされたアルバム『R』も大好評だ。
Marshall GALAで初めてD_Driveを見るお客さんも少なくなく、その衝撃はかなり大きかったようで、会場のCDの即売では驚くほどの売り上げをマークしたようだ。
Marshall GALAの会場がもしヤスガーの農場だったら5~6万枚は簡単に売れていたことであろう。

480cd そして、今日の【ASTORIA試奏レポート】はD_Driveのおふたり。

10_2Seiji

Img_0248Yuki

Img_0433_2SeijiさんはDSL100、YukiちゃんはTSL100、キャビネットはともに1960Aと、日頃からMarshallを愛用してくれているふたり。
それだけにMarshallの新商品とくれば興味津々は当たり前。
週末のライブに先立って、ナント、ASTORIAの試奏をするだけのために一日早く上京してくれた!
昼食後、長時間にわたるドライブの疲れなどおくびにも出さずに、早速CLASSICに飛びついてもらった。
後半では対談形式でASTORIAの魅力を語って頂く。

Img_0487 最初は親分から…。
前もってお伝えしておいた通り、一番お気に入りのギターをご持参頂いた。
Marshall GALAでも使っていたいつもの愛器。

Img_0232まずは「素CLASSIC」で自慢の濃厚クリーンを堪能。
コード、単音と音色だけでなく弾き心地も丹念にチェック。
クリーン・トーンを使うD_Driveのステージでは定番のバラード、「Unkind Rain」をプレイ。
弾くと思った!

Img_0235コントロールを色々とイジってみる。

Img_0256そして、専門分野の「歪みの世界」へ!
歪み系エフェクターについてもお気に入りのモノをお持ち頂くようにお願いしてある。

1_img_0240 ツワ~!
コレがまた素晴らしいディストーション・サウンド!
ピッキングのニュアンスもクリアな最高のロック・トーンだ!

Img_0263早くもズッポシASTORIAにハマるSeijiさん。
果たして時間までに全モデル試奏し終えることができるのかッ?!…っていうぐらいのめり込んでる!
弾いてて気持ちいいからね~。

Img_0259今度はYukiちゃんの番。
まずはザッとコントロールをセットして…

Img_0272とりあえず弾いてみる。
Yukiちゃんのイニシャルの「Y」をボディにあしらったギターは彼女のトレードマークであり、一番のお気に入りだ。
だからどんな音が出るかはよく認識している。

Img_0282やはり単音とコードで試してみる。
アラ、やっぱり「Unkind Rain」を弾くのね?!

Img_0288今度は「POWER REDUCTION」や「SENSITIVITY」、「EDGE」等のASTORIA特有の機能をチェック。

Img_0270そして、YukiちゃんもSeijiさんのペダルを拝借して思いっきり歪ませてCLASSICを弾いてみる。
Img_0287
「私の速さについて来れる?」とは訊かれなかったが、この猛烈にコシの強い音色にはついて行きたいナァ。
いつものTSLとは異なったサウンドのYukiちゃんの華麗なプレイ。

Img_0291…と、ふたりともタップリ弾いて頂いたところで感想戦に突入。

Img_0492 Marshall(以下「M」、すなわち私):どうでした、初ASTORIAは?
Seiji(以下「S」):いい意味で素直で正直な音。

Img_0485 S:自分が持ってきたエフェクターとの相性がよかったのかもしれませんが、このエフェクターがあれほどいい音を出すとはまったく知りませんでした。(写真は実際に使われたカスタム・メイドの歪みエフェクター)

Img_0473 S:楽器の本来の音を引き出してくれるアンプだと思います。
音の立ち上がりものすごく速くて、ピッキングした瞬間にバーンと返してくれる。
デジタル系の機材に慣れてしまっている人にはピッキングのタイム感に違和感を覚えるかもしれませんね。
うまい人が使うとさらにその人のうまさをアッピールしてくれると思います。
ピッキングの位置とか強弱とかもバカ正直に出ちゃいますよね。
Img_0484
ビックリしたのはEDGE!(一番右のノブ)

150 Yuki:そうです、そうです、コレをイジれば会場の響きにギターのサウンド合わせたりすることが簡単にできそうですよね。
S:7以上にすると、急にカラッとした感じが強調されて気持ちいい。
M:お察しの通り、EDGEはパワー段でハイをコントロールする機能なんです。プレゼンスもそうなんですけど、仕組みが違う。ボリュームを上げると効果が増します。
で、Yukiちゃんはサウンドに関してはどんなイメージです?
Y:音の厚みがスゴイと思いました。
それで、どこかしら音質がマイルドなんですよ!

Img_0504S:そうそう、マイルド、マイルド!それが言いたかった!
Y:でも、中にものすごくシッカリした芯がドーンと通っていますよね。それがサウンドを前に押し出してくれているような感じ。
S:アーモンド・チョコレートみたいな…。外側はチョコレートで柔らかいんですが、中ではアーモンドがしっかり支えている…。

Img_0503 M:マカダミアじゃダメ?
S:イエ、マカダミアでもいいんですよ。
M:でも、ピーナツじゃないですよね?
S::そんな弱々しいイメージではありませんね。
M:千葉の人が聞いたら気を悪くされますよ!

Img_0488 M:そのマイルドさっていうのはD_Driveの音楽にとってどうなんですかね?
S:たとえば、「Unkind Rain」のようなクリーン・トーンを使うような曲にはやっぱりバッチリですよね。
そういえば、今日はふたりとも「Unkind Rain」を弾きましたが…。
Y:そう、やっぱりD_Driveの曲で試奏してみようか!っていう感じになりますよね。自分たちの曲でどうやって使えるかっていうのはヤッパリ試奏の時のポイントになってしまう。

Img_0508 S:あと、「Peach Fizz」とかね。
Y:ああ、ハマりそうですね!あと「Runaway Boy」なんかもエフェクターで歪ませてCLASSICを弾いたらスゴそう。
M:ああ、「Runaway Boy」はカッコいいかも。
S:コード感の表現もスゴイですよね。テンションの多いコードなんかはきれいにひとつひとつの音が聞こえてくる感じ。
M:そう!一本一本の弦の音がハッキリ聞こえてくるイメージ。
S:バッチリ聞こえます!

Img_0494 M:ルックスはどう思います。
Y:このCLASSICの緑は落ち着いているので家の中にあってもすごくいい雰囲気がしますよね。
S:メッチャ思う!

Img_0500 M:目にやさしい?
S:そうですね!ギター・アンプってものは本来スタジオにあるようなモノですけど、CLASSICはリビングにポンっておいてあってもいい感じですよ。
Y:ソファの横にあってもゼンゼン不思議じゃないですよね!

Img_0513 M:我々の世代では「やっぱりMarshallは黒に金に白」が当たり前なんですが、私よりお若い、そしてかなりお若いおふたりにとっては緑のMarshallなんてのはどうなんですか?
Y:私はゼンゼン抵抗感がないですね。
S:ボクも抵抗はありませんが、「思い切ったな~Marshall!」という感じはします。
ひとつだけ思うのは、コントロール・パネルはゴールドかな?という気はします。
もうゴールドに慣れきっているんで。
Y:ウ~ン、でもこのデザインだったら私はシルバーはありだと思います。
Img_0516
S:このデザインならね。
Y:ハンドルなんかも革みたいで高級感が出ていますよね。

120 S:ビスひとつとってもナンカ高級ですよね。
M:ブティック・アンプですから!
Y:すごく丁寧に作ってある感じがあります。
S:和室にも合いそうですね。
Y:横に壺を置きましょう。
M:お茶室?マーシャルじゃなくて「抹茶ル」?誰かキットカットみたいに爆買いしてくれないかな!

Img_0505 S:あと2x12”バージョンがあったらすごくいいかも知れませんね。
M:重くて持てませんよ!それはまたナゼ?
S:すごく音にコシがあるので、もうひとつスピーカーを足すと、スゴイことになるのではないかと…。
もしくはCLASSICを2台同時に鳴らすとか…。
M:毎度あり!
1974CXみたいに1x12”の同じ形のエクステンション・キャビがありますから、簡単に2x12”仕様にはできますよ。
S:それと、パワー管がKT66というのも驚きでした。イメージとしては、普通大きいアンプに使われるのに30Wのコンボに使われていたからです。
だから余裕でクリーンなんでしょうね。

Img_0511 M:そうですね。それとさっきの「マイルドさ」はそこから来ているのかも知れませんね。
今までのやり方ですとEL84かEL34ってとこでしょう。すると音はもっと鋭くなりますから。
Marshallの最初のモデル、JTM45はコンボではありませんでしたが、30Wの出力でパワー管はKT66だったんですよ。ある種、先祖返りを考えたのかも知れませんね。
ちなみに2007年にリリースしたVintage ModernはJTM45回帰をイメージしてKT66を採用しました。
S&Y:あ、そうだったんですか~。
M:ハイ、ほんじゃ次…チャッチャとやらないと終わらないよ~!

Img_0555D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

Img_0559ASTORIAの発売は今週の金曜日、5月13日を予定しています。
ASTORIAは量産が難しいハンドメイド商品です。入荷数量が多くないため、早期の品切れが予想されます。
楽器店でお見かけした際には迷わず試奏してみてくだされ!
毎回書いているように試奏の際にはご自分のお気に入りのギターで…ね!

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

【ASTORIA試奏レポート】 CUSTOM編につづく

(一部敬称略)

2016年5月10日 (火)

【ASTORIA試奏レポート】 ichiro PLAYS ASTORIA

プロギタリストの間ではおもしろいぐらい高い前評判を頂戴しているASTORIA。

10 ASTORIAシリーズはもうすぐ発売になるが、コレで楽器屋さんで試して頂いた皆さんの反応が悪かったらどうしよう!
頭を丸めたところで反省の意味を表すほどの量の毛もないし…。
へへへ、ところがね、こちとら大船に乗った気でいるのだ。
というのも、今日試奏頂く音にシビアなギタリストからも一発で太鼓判をもらっちゃったのだ!

10_3そのギタリストとはichiro。
独特のフレーズを極上のトーンで歌わせまくるギター巨人。
新旧を問わずいいサウンドを出すための機材を知りつくし、ブルースを礎に幅広い活動で自分の音楽道を突き進んでいる。
矢沢永吉や長渕剛のサポートでも活躍するファースト・コール・マンであることは皆さんもよくご存知の通り。
実はichiroちゃんもMarshall BlogでASTORIAのことを知って、前々から興味を持ってくれていたというのね。
ところが超多忙なichiroちゃんのこと、なかなかユックリASTORIAを試す時間がなかったんだけど、「時間ができた!」という連絡があって、さっそくあるライブのリハーサルの空き時間にお邪魔してきたのだ。

20vウシャコダじゃないけど、「それじゃさっそく始めましょ!」。
まずは例によってCLASSICから。

30vさすがichiroちゃん、CLASSICの使い方は先刻承知。
エフェクターをセッティングして…と。
矢沢さんや長渕さんの舞台では空間系のエフェクターをセンド&リターンにつないているというが、エフェクターをギターとアンプの間に入れる従来型が基本的なichiroちゃんのセッティング。
だからCLASSICに白羽の矢が立った。

40今回の試奏に使用したペダル・ボード。
70
どれどれ…と弾き出すと、とめどもなく繰り出されてくるのはあのichiroフレーズ!カッチョいい!
10年ぐらい前はRobben Fordっぽいフレーズをよくカマしていたが、今は違う。
そういえば、「変なギター弾くヤツを教えて!」と言われてDrew Zinggを紹介したこともあったっけ。

50「もうちょっとボリュームを上げるてみるか…」

60v「ミッド・ローの充実感がもうとにかくMarshalですよね~。コレは他のブランドのアンプのクリーンには出ない音なの」

80「この『トーッ!!!』っていう感じ!Marshallのサウンドは『タ行』なんだよね」
ジャンジャン弾き続ける。
「そういう意味ではオーソドックスなMarshallだと思います。俺がイメージする『砂臭い』感じがよく出てる。
まったく期待通り!」
「土臭い」という表現はよくあるが「砂臭い」というのは聞いたことがないな…そこがichiroちゃんにとってMarshallのワン・アンド・オンリーな部分なんだな。
コチラはコチラで予想通り。
CLASSICは絶対ハマるとニラんでいた。

90vスピーカーについては…「クリーミーなトーン。エッジが粗すぎないところがいいんだよね」。

95 続いてCUSTOM。
まずはGAINを上げてガツンといいってみる。

100「ああ~、こういう感じね~!」とニヤリ。
ギターのボリュームを徐々に下げてクランチからクリーンもチェック。
出て来るフレーズはJimiの「Manic Depression」やらGuess Whoの「American Woman」やら。
そういえばCLASSICの時には「Angel」も弾いていたっけ。
クリーンでの16のカッティングもすこぶる気持ちのいいサウンドだ。

110v「アッレ~、案外、コレ好きだよ!」とかなりの好反応。
「コレはね、かなりブルース・ロックの音ですよ!1x12"なので、エクステンション・キャビをつないで音圧を上げてやれともっとよくなるハズ」
1x12"のエクステンション・キャビもあると伝えると、「やっぱCream Back?」と興味津々。

120最後にDUAL。

130DUALは他の2モデルに比べると機能が多彩だ。
ひとつひとつそれらの機能を試してくれた。

140「DUALは他と比べて音の傾向が違いますね。奥行き感が違う。」
155_2
「やっぱりこっち(CLASSICを指す)はクリーンに特化している分、音の密度が濃いですね。オレの音楽にはやっぱりCLASSICかな?」

150…ということで振り出しに戻る。
って、別にASTORIA間で競争をしているワケじゃないんだけど、おもしろいほど皆さんの好みが分かれるのですわ。
それは取りも直さず、ひとつずつのASTORIAが代えの効かない独自の声を持っていて、弾き手の音楽づくりのためなら決して妥協を許さない…ということなのね。
だから、シリアスなギタリストは自分の音楽にあったASTORIAを選ばなければならない…ということになる。

160vさっきよりシビアにセッティングをし直す。
アンプもエフェクターも触るたびに劇的にサウンドが変化していき、ichiroちゃんのフレーズをドンドン際立たせるサウンドに変身していく。
一流の鍼灸師のように、サウンド・メイキングのツボを完璧に押さえているのだ。

170

「思ったよりCUSTOMがヨカッタね~。ハードロックの人たちが気に入るのもよくわかるけど、ブルース・ロックをやっている人たちにも絶対向いてるよ。音に馬力があるから」
また、「奥の方のザラつき感とか空気感みたいのがタマんないんだよね」とも…。
でも、ファースト・チョイスはやっぱりCLASSIC。
私のベイビーのイトコね。

180vで、さっそく実際のステージで使いたい!ということで、私が以前撮影の仕事をさせてもらったichiroちゃんのライブに登場した女性シンガー、Sara RectorのライブでASTORIA CLASSICが使われる予定になっている。
Saraさんのパワフルで美しい歌声とichiroちゃんのASTORIAサウンドのカラミが今から楽しみだ!

185vドラムはいつかNATALを叩いてくれた丹菊正和!

190「マーシャルを好んで使う人は、ミッド・ローの充実感を求めている人が多いと思う。アンプの音がブランドによって異なるサウンドを出すのは当たり前かもしれないけど、Marshallって他のブランドとは向いている先が違うんだよね」
そして、最後にうれしいことを言ってくれた。
「ギターとかエフェクターとか色々使ったしても、俺はアンプで音を作るんだ。だから俺にとっては、アンプは音の良し悪しを決定する最も大切な機材なんだよね…」

200ichiroの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

ASTORIAの発売は今週の金曜日、5月13日を予定しています。
ASTORIAは量産が難しいハンドメイド商品です。入荷数量が多くないため、早期の品切れが予想されます。
楽器店でお見かけした際には迷わず試奏してみてくだされ!
毎回書いているように試奏の際にはご自分のお気に入りのギターで…ね!

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

210v(一部敬称略)

2016年5月 9日 (月)

【ASTORIA試奏レポート】 LUKE PLAYS ASTORIA

今回ASTORIAにトライして頂くのは、先日Marshall GALAでも大暴れして頂いたルーク篁

10_2 現在CANTAはツアー中
そして、ソロ・アルバムのリリース25周年を記念したツアーも7月に控えている超多忙なルークさん。
どの舞台でもMarshallが背後でシッカリとルークさんのサポートさせて頂いております。
さて、以前から何度も書いているようにルークさんは最新のモデルからビンテージまでをコレクションし、実際にステージでも使用されているMarshallのエキスパートだ。
そのルークさんがMarshall初のブティック・アンプにどういう反応を示されたか?
楽しみでしょう~?
あ、そうそう、試奏の前に、まずはASTORIAのルックスに関するルークさんのご感想。
「可愛い…」
…とベタボメして頂いた。
黒、白、金の衣装をまとったMarshallと付き合ってもう相当長い時間が経っているハズなのに、突然変異的なASTORIAのいでたちに何の違和感も表さない…どころかスッカリお気に入りの様子のルークさん。
これぞ真の「Marshall Affection」と見た!

そして、例によってまずは最上のクリーン・トーンを出すのが仕事の緑のヤツ…私のベイビーのイトコ、ASTORIA CLASSICから…。

10vルークさんの仕事道具は基本的に「歪み系サウンド」ということになろうが、やはりMarshallの大エキスパートだけあって、「Marshallクリーン」の魅力も熟知されている。
まずは、「素アストリア」でそのリッチなクリーン・サウンドをチェック。
音の立ち上がりの良さに驚いていらっしゃった。
それからご持参のマルチ・エフェクターをつないて各種のサウンドを試されていた。
やはりすべての元となるクリーンのサウンドがシッカリしているので、歪み系でも空間系でも最高に美しいトーンが確認された。
20v続いて情熱たぎる赤い歪み野郎、CUSTOM。
遠慮なくGAINを上げて…と。
50v

ツワ~、これぞ極上の歪みサウンド!
水を得た魚、砂漠を得たラクダのようによどみなく弾き切るルークさん。

30v傍らで聴いていて実に気持ちがいい分厚い音像。
ピッキングの粒立ちが信じられないくらい際立っている。
一音、一音の説得力が違うのだ。

40v最後は青いクールな2チャンネル、DUAL。

70v

やはり、「前の2つとは異なるサウンド・キャラクター」というご指摘。
コレもまたお気に召したようだ。

60でも、どれを弾いてもルークさんの音だね。
イヤ、正確に言うと「ASTORIAのルークさん」の音だ。
このようにいいアンプというのは、弾き手の個性を強調しつつ自己主張するものなのだ。
そして、ギターの心得のある方ならよくおわかりだと思うが、お気に入りのギターやいいアンプというのは本当に弾き手に刺激を与えてくれる。
とにかく、弾きたくて弾きたくて仕方ない気持ちしてくれるのだ。
そんなギター・アンプがASTORIAたちであることは疑いのない事実なのだ。

80で、結局ルークさんはCUSTOMに戻った。
もう何年前になろうか…当時JVMをお使いになっていたルークさんにMarshallのクリニックのお手合わせをお願いしたことがあった。
ルークさんはODのチャンネルひとつしか使わないことを発見した私は、そのクリニックの中で理由を尋ねた。
JVMはマルチ・チャンネルが売りで、フットスイッチの操作で自在にバラエティに富んだサウンドに切り換えることができるのが最大の長所だからだ。
ルークさんによると、「スイッチひとつでガラっと音が変わってしまうのはチョット違うかな…みたいな」…みたいなお答えだった。
つまり、ギターのボリュームを上げ下げすることによって、継ぎ目なくクリーンからクランチ、さらにリードへとスムースにサウンドが変化していくのが本来の姿…というお考えなのだ。
そして、「それを気持ちよく実現してくれるのがMarshallなんです」と付け加えてくれた。
…そうなると、ASTORIA CUSTOMはルークさんの理想のアンプの権化ということが言えそうだ。
だからまた弾いちゃった!

90v最後にルークさんのコメントを掲載しておこう。
この記事のためにご本人に書き下ろして頂いた文章だ。
CLASSIC、CUSTOM、DUALいずれもMARSHALLの歴史に裏打ちされた良質のサウンドが、
いとも簡単に飛び出してくる!
レスポンスに優れ表現の幅が広いのも魅力的。
真空管がクリエイトする太く暖かいサウンドは、弾き手次第で優しくも荒々しくもなる!
個人的にはCUSTOMの歪みにKOされた!
是非とも自分のものにせねば!
ルークさんのMarshallコレクションに「紅一点」が加わりそうだ!

ルーク篁の詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

10 コレがルークさんをKOしたASTORIA CUSTOMのコンボAST2C。

A_astoria_ast2_astoria_ast2112_custスタックもあるでよ!
型番はヘッドがAST2H、1×12"スピーカー・キャビネットはAST2-112ね。

A_astoria_ast2_custom2ASTORIAの発売は今週の金曜日、5月13日です。
量産が難しいハンドメイド商品のため、入荷数量が多くないため早期の品切れが予想されます。
楽器店でお見かけした際には迷わず試奏してみてくだされ!
毎回書いているように試奏の際にはご自分のお気に入りのギターで…ね!

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒いよいよASTORIAが出るよ!

(一部敬称略)

2016年5月 6日 (金)

【ASTORIA試奏レポート】 SEKI PLAYS ASTORIA

予てよりギャーギャー騒いでいたMarshall初のブティック・アンプ、ASTORIAシリーズ。
楽器店に並ぶ日がいよいよ来週に迫った。
皆さんの反応が楽しみだナァ~。

Marshall Blogでは、すでにASTORIA第一線で活躍するギタリストの方々にトライして頂いている。
その反応はすべてバッチリ!
ずいぶん長いことこんな仕事をして来たが、これほど反応が良い新商品は初めてかもしれない。
それは、サウンド、弾き心地等、ASTORIAのパフォーマンスがズバ抜けて良いことがまず指摘されよう。
それに加えて、三種類のタイプの異なるモデルが、あらゆるタイプの音楽に対応できるヴァーサティリティを実現しているからであろう。
かといって、ブティック・アンプゆえ値段も張るため三種類全部揃えるなどということは経済的に難しいし、意味のないことだ。Marshallももちろんそんなことを期待していない。
これから不定期にASTORIAの試奏レポートを掲載していくので、皆さんのASTORIAトライのご参考にして役立てば幸いである。
今時ではあるが、動画は撮っていない。
もちろんそれなりの環境があれば撮影して私の「黒澤フリークぶり」をお見せしたいところであったが、なかなかそうもいかない。
結果、生半可な録音機材や環境で撮影した動画でASTORIAの素晴らしいサウンドの印象を損ないたくなかったので諦めた。
ASTORIAにご興味のある皆さんには、Marshall Blogをご覧になって頂いて、後はもう実際に楽器店でお試し頂くしかない。
イヤ、とにかく弾いてみて頂きたい!
以前にも触れているが、ASTORIAを試しにいらっしゃる時は、後で「アレ?楽器店で弾いた時と違うじゃん!」なんてことを何としてでも避けるために、実際にいつも使っている一番の愛器をご持参することを強力におススメする。
また、CLASSICにご興味のある方は、いつも使っているエフェクターを持っていってくだされ。
理由は同じ。
エフェクターの違いも信じられないぐらい克明に、かつ正確にアンプリファイしてしまうからだ。
それと、コレも何回も書いてきたが、もう一度予め書いておくことにしよう。
ASTORIAは…重い。
お試しの際には腰に気をつけながら、チョット持ちあげて頂くといいだろう。(コレだけ何回も言っておけば「ナンダ、大したことないじゃん?」となるハズ)
といっても、いいアンプはトランスやスピーカーがシッカリしているので、それなりの重量からは逃れられない。
その代り、ボタンひとつでいろんな音が出るような機材とはケタ違いに素晴らしいサウンドを提供してくれるはずだ。
それでは【ASTORIA試奏レポート】第一弾をお送りします!

Ast_logo

最初にご登場頂くのはMarshall Blogでは少数派のジャズ系ギタリスト、関雅樹。
岡井大二をメンバーに含む自己のトリオを率いる傍ら、数々のサポート仕事で何回もMarshall Blogにご登場頂いている。
繊細にして豪快。
キチットした音楽理論に裏打ちされたヴォイシングやソロはいつでもスリリングだ。
また、「何でこんなの知ってんだ?」的なステージでの選曲もセンスのよさをうかがわせる。
実は、この試奏の約一月後、大きな舞台が控えていて、そこでさっそくASTORIAを使ってみたいという要望があり、いの一番で試して頂いた次第。

20v関ちゃんは以前、よくJCM800 2204を1936に組み合わせて使用していたが、最近はコンボ派だ。
1987のコンボ、2187Xを愛用していたが、最近はもっぱら1974Xであらゆる現場をこなしていた。
…ということで引き比べのために1974Xも持参してくれた。

30まず初めに書いておくが、同じハンドワイアード構造で整流管が入っていても、サウンドキャラクターがASTORIAと1974Xとでは全く違う。
違って当たり前の話しなのだが、ASTORIAの方がやはりコンテンポラリー感が強く、コンセプトのハッキリした違いを確認できる。

40まずは緑のCLASSIC。

50CLASSICは極上のクリーン・サウンドを出すためのモデルだ。
したがって上に書いたように関ちゃんにもいつもステージで使っているペダル・ボードをそのまま持ってきてもらった。
170v
後ろでチューニングをしているのはユースケくん。「七画の音工店」という工房を経営している若いながらも経験豊富なギターテク。

60全モデルと通じて試奏に使ったギターはいつもステージで実際に弾いているモノたち。
メインで使用しているストラトキャスター、レスポール、そして関ちゃんのラッキー・カラーのピンクのテレキャスターだ。
つまり、ASTORIAが仕事で使えるかどうかを事細かにチェックしているのだ。

70v関ちゃんは電気に強い。
「電気に強い」ったって100万ボルトに耐えうる体躯を誇っているワケではない。
何だか知らないが、異常に豊富な電気の知識を蓄えていて、アンプやエフェクターがトラブった時もすべて自分で修理してしまう。
その関ちゃんがまず指摘したのはCLASSICにMASTERと名付けられたボリュームがひとつしかないこと。
この手のシンプルな構造のアンプにおいては、マルチ・ボリュームよりシングル・ボリュームの方が音がよくなることを音楽家的かつ電気工学的に熟知しているのだ。
コレも極上のクリーンをクリエイトするのが使命のCLASSICならではの話。

「あ…」
コレがCLASSICを素で弾いて関ちゃんが最初に発した言葉(音?)。
音の出方の鋭さと、クリーン・トーンの厚みに驚いたのだ。
関ちゃんがMarshallのクリーンが好きということもあるが、まさに「Hit the mark(大当たり!)」的な印象。
エフェクターをつないでも何のストレスもなくいつも通りのサウンドを出していた…イヤ、いつもの1974Xより回路がモダンなせいか、よりパノラミックなギター・サウンドだった。
また、EDGEの使い方がMarshallっぽさの演出を握るカギのひとつとして、効用に強い興味を持っていた。

80続いて赤のCUSTOM。

90CUSTOMはアンプで歪ませてギターのボリュームを下げてクリーン・サウンドを作るのがスタンダードな使用法。

100v「Marshallの歪みってやっぱコレだよね~!」と納得&超ゴキゲン!
「ASTORIAはビンテージではないが、それっぽい印象が強い『NEOビンテージ・サウンド』ですね」とCLASSICの時にも言及していたが、その印象はCUSTOMも同じ。
その要因はスピーカーではないか?と分析していた。「コンテンポラリーなビンテージ・サウンド」ということ。
ASTORIA搭載のスピーカーはCelestionのCream Back。
1960年代の後半から1970年代の初頭には1960の一部にCream Backが搭載されていたが、最近はトンとご無沙汰だった。
マグネットがデカい!コレが重い!

110vまた、KT66をパワー段に使用していることも指摘。
「このモノスゴイ余裕感と音の図太さはKT66ならではだよね~」
内蔵のブースターもかなりのお気に入り。
「アンプの歪みにブースターっぽいものをかまして使う人には最高のアンプになりますよ!」

120vそして、青のDUAL。

130「コレはCLASSICやCUSTOMとは音の味付けが別ですね。一番現代的なモダンなサウンドです」
やはりレスポンスの速さと芳醇トーンをジックリと味わっていた。

140v関ちゃんが持参した3本のギターすべてと私が持ちよったレスポールとES-175Dで、3つのモデルを試したが、マァ、本当におもしろいほどそれぞれのギターの特性が表れた。
やっぱりいいアンプってのはこういうもんだ。
アンプはギターのアクセサリーじゃござんせんからね!
あなたの愛器を生かすも殺すもアンプ次第なのです。だって音を出してるのはアンプなんだから!
そして、やっぱりギター・アンプは真空管に限る。

150で、色々試した結果、結局CLASSICな関ちゃん。
エフェクターで音を作るタイプだからね。そういう人にはCLASSICは相当使いやすいハズだ。
だって以前にも書いた通り、そういうシチュエーションをターゲットにして開発したからね。

10

…ということでひと月後の関ちゃんがサポートを務めるステージに登場することになったASTORIA。
どのモデルがお目見えするかはライブ・レポートを見てのお楽しみ…ってもうわかってるか。

180関ちゃんは『Arm Up Guitar School』というギター教室も開設している。
詳しい情報はコチラ⇒The website of Masaki Seki

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】 いよいよASTORIAが出るよ!

190v
【ASTORIA試奏レポート】つづく

(一部敬称略)

2016年4月21日 (木)

ビートルズに勝った男

今日はとっても古い話し。
1962年の出来事から始まる…1962年は昭和37年、寅年。
Marshallが創業した年にして、マーブロのオジちゃんが生まれた年だ。
だから50年以上も時はさかのぼる。

まだご覧になっていない方は、まず下の記事に目を通して頂く必要がある。
【イギリス-ロック名所めぐり】 vol.22 Jubilee Lineに乗って

この記事の中でで触れている、ロンドンはウエスト・ハムステッドにあった『デッカ・レコードのスタジオについての<続編>』というのが今日の内容だ。

「1962年の元旦にオーディションを受けたビートルズが、あるバンドと競って敗れてしまった。
この時、結果的に判断を誤ったとされるディック・ロウというデッカのプロデューサーは「ビートルズを蹴った男」としてロック史に汚名を残すことになった。」
コレはある程度ロックを聴いている人なら比較的誰でも知っているであろう有名な話だ。
もちろん若い人は除く。最近はビートルズを知らない若い音楽関係者も多いと聞く。
しかし不思議なことに、「ビートルズを破ったバンド」の話はほとんど出て来る機会がない。
もちろん熱心なビートルズ・ファンや60年代前半のロックを好む方ならそのバンドのことをご存知であろう。

80j そのバンドとは、Brian Poole & The Tremeloes(ブライアン・プール&ザ・トレメローズ)という。
デビューは1958年。
Buddy Holly & The Cricketsに影響を受け、1963年にThe Isley Brothersの「Twist and Shout」、The Contoursの「Do You Love Me」、Roy Orbisonの「Candy Man」、Cricketsの「Someone, Someone」等のヒットを飛ばした。
全部カバーである。
このあたりの事情は近い将来掲載する予定の岡井大二さんのインタビューで触れることになるが、当時は「自分たちで曲を書く」という発想がなかったのだそうだ。
日本だけでなく、イギリスでも職業作曲家の作品を演奏するか、アメリカン・ポップスの焼き直しが普通だった。
だ~か~ら~、ビートルズはすごいワケ。すべてを変えてしまった。
今、必死になって大二さんのインタビューの文字起こしに取り組んでるんだけど、もう最高に話が面白い!
真ん中のボーカルがブライアン・プール。
ギターのケーブルは刺さってないわ、ネックが顔にドンがぶりだわで私だったら絶対にNGにするであろう写真。
でも当時のロンドンの音楽シーンを表しているかのようなイキイキとした雰囲気が伝わってくるいい一枚だ。

10実は、デッカ・オーディションの話は知っていたけど、私もこのバンドのことは後年になるまで知らなかった。
ではナゼ、ディック・ロウはビートルズではなく、トレメローズを選んだのか?
ひとつは音楽性。
デッカはビート・バンドを欲しがっていて、トレメローズの演奏の方に一日の長があったらしい。
別項でも触れたようにこの時のビートルズの演奏を聴くと何ら問題ないと思うんだけどね。
反対にトレメローズのCDを買い込んできて聴いてみるに、ん~、ま、確かに何のわだかまりもない溌剌としたストレートな演奏はビート感覚で言えばビートルズに勝っていたのかもしれない。
他人の曲とはいえ「Do You Love Me」でのブライアンのシャウトは問答無用で最高にカッコいいし、とにかく「Someone, Someone」はとびっきりの名曲だ。
もうひとつの理由…それはトレメローズがロンドンのバンドだったから。
今でも電車で行くとかなり時間のかかるリバプールから出て来るバンドより、呼べば聞こえるような距離の西ロンドンのバンドの方がはるかに使い勝手がヨカッタということだ。
emailもLINEもない時代のこと、案外こっちの理由の方が強かったのではないかしらん?

さて、もうひとつ疑問が残りませんかね?
残らない?
アータ、これはMarshallのブログですよ。イギリスのMarshall直営のブログ。
どうして、このバンドがMarshall Blogに出ているかってことですよ。
こうして当時に写真を見る限り、少なくても爆音とディストーションには縁もゆかりもなさそうだ。

20私が翻訳と監修を担当させて頂いた『アンプ大名鑑[Marshall編]』を熱心にご覧になられている方はピンと来たかもしれない。

C_mb そう!Brian Poole and The TremeloesはMarshallのエンドーサーだったのだ。
見て、下の写真!
工場で撮ったMarshallの宣伝用の写真。おそらくカタログ用の写真を撮影した時のことだろう。
1965年の撮影。
まだMarshall社がミルトン・キーンズに移転する前、工場がロンドンの中心からチョット北東にはずれたシルバーデイル・ロードというところにあった頃。
当時ブライアンたちは大スターだったハズだ。
写真のMarshallに目をやると、コフィン・ロゴにシルバー・トップ・ポインター・ノブ。
こんな白いJTM45は見たことないナァ。
イギリスのMarshallの工場にあるミュージアムでも見ることはできないレア・アイテムだ。
キャビネットにアングルが付いたのもこの頃。
以下は上の『アンプ大名鑑』でも触れているが、真ん中に写っている細長いヤツは1983という型番のPA用のスピーカー・キャビネット。
その後ろでメンバー2人が持っているのは、JTM45の後継機種、JTM50のPA用。当時の新商品で、いかに当時MarshallがPAアンプに力を注いでいたのかが窺い知れる。コレのギター用ヘッドが後に発展して1987になる。
その後ろにホンの少し見えているのは、1962 Bluesbreakerだそうだ。現在のデザインではなく、「Series I」と呼ばれるオリジナル・バージョン。
そして一番右…やたらと奥行きがあるでしょう?おかしいよね?
ピートの考案による8x12"キャビネットではないか?と言われている。
ちなみに!
この写真を掲載している原書の『THE HISTORY OF Marshall  THE FIRST FIFTY YEARS』はバンドの表記に誤謬があって「Brian Poole and The Tremoloes」になっとる。
安心してください!(←コレももはや古いか!)
日本語版は私がちゃんと直しておきました!
正しくはBrian Poole and The Tremeloesですから。

30cごく初期のMarshallのカタログ。
「Go over big」というのは「大当たりする」という意味。
「ブライアン・プールとトレメローズのようにMarshallでひと山当てよう!」ということになる。
ヤケに生々しいキャッチ・コピーではあるまいか?
それだけものスゴイ勢いでロックが市民の間に浸透していった時期だったのだろう。何せビートルズをもってしてイギリスがアメリカを征服した直後だったのだから。
でも、こういう宣伝惹句は、昔は日本のエレキ・ギターの雑誌広告なんかでもよく見かけたな。

50vc写真にある通り、この頃にはアングルドのキャビネット、すなわち「Aキャビ」が存在していた。
世界のロック・ステージに必要不可欠のスピーカー・キャビネットのスタンダード、1960Aにまつわる話は枚挙にいとまがない。
このアングルは偶然の産物というか、Jimの美的感覚から生まれたデザインであることもMarshallファンであればきっとご存知であろう。
この当時、Jimは「どうしてキャビネットにアングルが付いているのか?」という質問をあるギタリストから受け、「イヤ~、横から見るとカッコ悪いんで上のほうチョン切っっちゃったんだよ、フォッ、フォッ、フォッ」と答えるのもどうかと考え、咄嗟に「イヤ~、ああしてキャビネットに角度を付けるとスピーカー2つが上向くだろ?そうするとギターの音が遠くまで飛ぶんだよ、フォッ、フォッ、フォッ」と答えた。
しかし、本当に音が遠くまで飛ぶかどうかを実際には確認していなかった。
そこで、バンドのリハーサルが始まると、Jimは脱兎のごとくホールの最後列まで走って行き、果たしてギターの音が後ろまでそこまで飛んで来るかどうかを確かめた。
結果は上々。
ギターの音はホールの最後列にいたJimの耳にまんまと鋭く突き刺さった!
「フォッ、フォッ、フォッ、わしの思った通りじゃ」…ウソこけ!
ナニはともあれ、アングルの効果がバッチリ確認できたこの最強のロック・アイコンは、その姿を50年以上にわたって保ち続けている。
コレってスゴイことだと思う。
そして、その効果を検証した現場こそBrian Poole and The Tremeloesのコンサート会場で、アングルについて尋ねたのがギタリストのRicky Westwoodだったのだ。
しっかし、Jim若いな~!

40cそれからおよそ40年後の姿がコレ。
右端がブライアン。
一番左はJimの大親友だったギタリストのBert Weedon。
Eric Clapton, Brian May, Jimmy Page, Paul McCartney, George Harrison, John Lennon, Dave Davies, Keith Richards, Pete Townshend, Tony Iommi…みんなみんなBertが書いた『Play in a Day』という「あなたも一日でギターが弾ける!」的な教則本を読んでギターの練習に励んだ。
日本で言うと故成毛滋のカセット・テープと赤い教本のようなものだ。
で、あるビデオでMark KnopflerがBertの本を手にして、著者本人に面と向かって「This is a lie!」と言っていたのには笑った。
もちろん大先輩への敬愛の念を込めたギャグだ。

60Iron MaidenのNicko McBrainと。
昨日国技館だったんだってね、Maiden。
80
コレはMarshallの創立40周年記念のパーティで。
ブレッチリーのWilton Hallというところ。私もこの場にいた。
この時知っていたらブライアンに挨拶できたのにな…。まだMarshall Blogもやってなかったけど。
2枚上の写真とメンバーがほとんど同じ…仲よしさんだね~。
後ろにNickoが写ってる。
ちなみにBertはJimが亡くなった2週間後に後を追うようにこの世を去った。
フランクフルトでよくご一緒させて頂いたが、いつもニコニコしている好々爺だった。向こうの老人はたいていニコニコしている。
奥さんがまたとても気さくな方で、目が合うとよくウインクをしてくれた。そういう仕草がゼンゼン不自然でなくてカッコいいんだよね。
Bertの家の前も何度も通りかかったことがあるが、あの奥さんは元気にしていらっしゃるだろうか。

70Jimの86歳の誕生パーティで。

90このようにブライアンはとてもJimやMarshallとの関係が深く、2013年4月、Jimが最初のドラム・ショップを開いたUxbridge(アクスブリッジ)にMarshallのプラークが設置された時、序幕式を執り行ったのもブライアンだった。
関連記事はコチラ

132013apriljimmarshallsplaque2300_2 そして、ナントこの時の様子を収めた動画を発見してしまった!
2:20あたりをご覧あれ!

今年75歳になる当のブライアンはすこぶるお元気で、「The Sold Silver 60's Show」という懐メロ系のイベントを中心に音楽活動を続けている。

100実はEllery社長ご夫妻とも大の仲良し。
左はJonの奥さん、すなわちMarshall社長夫人のEllie。
私が最初にMarshallへ行った時からEllieにはお世話になりっぱなしだ。

110ブライアンがMarshallの工場があるMilton Keynesにお住まいのことから、ジョンたちとしょっちゅう行き来をしているとのことだ。

120今回この記事を編むにあたってJonから紹介してもらい、何度か直接ブライアンとメールで連絡を取らせて頂いたが、とても感じのいい方だった。
できれば次回工場に行ったときにお礼かたがたお会いしたいものだ。

ブライアン・プールの詳しい情報は⇒The Official Brian Poole Website

130Thank you very much for your cooperation, Mr.Poole and Jon!

2016年2月20日 (土)

ALL TIME LOWとMarshall

チョット前に最近のバンド名の話をしたけど、海外のバンドも多様化が進んで久しい。
日本でも最近よく見かけるようになった文章型のバンド名も昔から存在していて、もはやYesだとかFocusだとか、ポッコ~ンとシンプルに普通の単語ひとつ…なんてのは見かけなくなったような気がするな。
今日登場するALL TIME LOWもそう…文章というほどでもないが、新しい感覚のバンド名のひとつだと思う。

12003年デビューのメリーランドはボルチモアのバンド。
私は知らなかったんだけど、このコンサートの写真を見てもわかるようにモノスゴイ人気なんだって?
「ボルチモア」とくれば「コルツ」かFrank Zappaの「What's New in Baltimore?」でしょう。

2その人気のALL TIME LOWがステージではガッツリとMarshallをフィーチュアしているという証拠写真。
チョット引きの写真ばかりでわかりにくいが、後ろの会談の上はMarshallの壁になってる。

3やっぱりエキサイティングなステージにMarshallは欠かせないのだ!

4 (写真提供:Joel Manan, Marshall Amplification plc)

2016年2月15日 (月)

Marshallで音楽を聴こう!~ZOUND INDUSTORIESの魅力

「ラジカセ」ってもはや死語だよね?
昔はドデカいラジカセを肩に担いで大音量で音楽をならしている人達がいましたな~。
ああいうデカいラジカセを「ゲットー・ブラスター」っていうの?
高校一年の時、キツく禁止されているにもかかわらず、移動教室にソニーの「スタジオ・ジルバップ」なんてデカいラジカセを持ってきた猛者がいたっけ。
初日に先生に没収されて怒られてた。
私もずいぶん色んなオーディオ&ビジュアル機器を見てきたな。
Lカセットとかレーザー・ディスクとか、今も使っている人いるのかね?
特に動画の再生手段の変化はすさまじい。私が子供の頃は「フジカエイト」とかいう8mmだったからね。音が出なかった。
それでも電気を消して、家族そろって障子に映し出される自分の姿を見るのは最高に楽しかった。
また、高校の時に「ウォークマン」が発売された時はかなりの衝撃だった。もちろんすぐ買った。
それから一体何回買い換えたかな~?いつも肌身離さず持ち歩いていたので故障も多く、いろんなメーカーのモノを20台近く買ってきたかもしれない。
CD時代になってからはCDウォークマンってのも何回か買った。
ただ、MDってのにはほとんど手を出さなかったナ。そういえば、そのMDとかDATってのも見なくなったネェ。
驚いたことに最近では単体のCDプレイヤーも絶滅しそうなんだってね。
私はジャズやクラシックを聴くために、いまだに真空管の大型高級ステレオが欲しいけどね。
考えてみれば、「ラジカセ」どころか音響装置としての「ステレオ」って言葉も絶滅した感がある。

10それもそのはず、音楽の再生機器は執拗に技術的進化を重ね、音質や操作性だけでなく、ルックスも猛烈にソフィスティケイトされ続けているのだ。
今日紹介するアイテムはその最たるモノだ。

最近はなくなったが、チョット前までこんなことをよく訊かれた。
「Marshallのヘッドホンって音が歪んでいるんですか?」…そんなヘッドホンないでしょ?ギター用のヘッドホン・アンプと勘違いしているらしい。
また、MP3プレイヤーなどを再生するためのホームスピーカーを大型家電店で見つけて、「アレ、新しいモデルをいつの間に出したんですか?」とか…。こっちはギター・アンプと間違えているのだ。
そうではなくて、それらの音響製品は、ギターの演奏には関係なく、スウェーデンのZOUND INDUSTRIES INTERNATIONAL ABという高級音響メーカーがMarshallとライセンスを結び、 「Marshall HEADPHONES」の名の下に販売している音響製品なのだ。
だかた歪まないし、ギターもつながない。


あ、コレ以前にも書いたっけ?
ヘッドホンは英語で「headphones」という。エ、何が違うかって?この言葉は「glasses(メガネ)」や「scissors(ハサミ)」や「trousers(ズボン)」のように必ず複数形で使う。
それでは、そうして組になっているモノの複数形はどう表現するか?
「XX pair of」を使う。
「two pairs of headphones」とか「several pairs of glasses」とか…学校で習ったか?私は忘れてた。
だから恥ずかしながら、イギリスからヘッドホンを送ってもらう時に、先方が「headphones」ってメールに書いてきたので「お~、ありがたい。いくつか送ってくれるのか…」とよろこんでいたら見事ひとつしか送られでこなかった…なんてことがあった。

20このMarshall HEADPHONESの総合カタログの表紙を開くと表2には昔のMarshallのカタログの表紙や広告。
表2対向にはMarshallの歴史…ともう完全にマーシャリッシュ!
どの商品もすごく丁寧に作られていて問答無用でカッコいい。

30そして、同社のスピーカー製品にはイギリスの地名が付けられている。
これは同社の伝統的な手法だそうだ。
例えばコレはHANEWELL。
以前にもMarshall Blogで軽く紹介したことがあった。
この地名シリーズ、実によろしいな。
イギリス好きな私なんかにはかなりグっと来る。
日本ではなかなかムズカシイよ。
「銀座」とか「渋谷」とか「神田」とかならまだいいけど、『新商品「碑文谷」』なんてシマらんな。『スタンダード・モデル「鹿骨」』なんてのもギョッとする。「雑色」とか「狸穴」なんていったら読めやしない。
シリーズ商品で「三社」、「下谷」、「鳥越」とか…浅草の祭りの名前だけど、コレはカッコいいな。

60

イギリスの地名に関しては、何しろ日夜こうした本で研究を重ねているのだ…というのはかなり大ゲサな話。でも、『名所めぐり』の原稿を書いていると、どうしても気になる地名にブチ当たることがあって、そういう時にこの手の本で調べたりしているのだ。
だって、「Elephant & Castle」なんて地下鉄の駅名はその由来が気になるのが人情ってもんでしょ?

40こんな本もおもしろい。
ソーホーの新古本屋で£4.99で見つけた。
「crap」っていうのは「ゴミ」という意味。すなわちイギリスのヒドイ街がズラリと並べられている。「クソ街ワースト50」というワケ。
その評価は存外にマジなもので、犯罪発生率や失業率、街の豊かさ、等々で決められている。
スゴイと思うのは、イギリスにいくつ「街」があるのかは知らないが、全国規模でこの競争を展開していることだ。
日本では都道府県別で競って、よく茨城が矢面に立たされているけど、イギリスの物とはまったく様子が違う。もちろんイギリスの国土は日本の2/3とやや狭いこともあるのかもしれないが、日本ではこのレベルの内容は実現しないだろう。
Marshallがあるミルトン・キーンズは35位でめでたくランクイン。第1位はミルトン・キーンズにもほど近い、空港がある街ルートンだ。

50さて、このHANWELL(ハンウェル)はZOUND INDUSTRIESのスピーカー製品のフラッグシップ・モデルだ。

100

ハンウェルは、Marshall Blogでは『名所めぐり』ですでに紹介しているが、ロンドンの西のはずれの街だ。

70はずれかどうかはこの電柱でわかる。
ロンドンの中心部はすべてCAD工事が完全に完了しており、電線はすべて地中に埋められている。
一方、地方の町へ行くとこうした光景がまだ当たり前なのだ。ま、コレでも東京よりは全然スッキリしているけどね。

80vロンドンの中心からチョット外れればどこででも見かける街並みだ。
「お!ホットドッグとアイスクリームくださ~い!」
アレ?この黄色い車、大学堂じゃないわ!
よく見ると、横に「Emergency Ambulance」と書いてある。
そう、この黄色い車は救急車なのだ。

J_img_8080 ハンウェルの駅から15分も歩くとMarshall発祥の地にたどりつく。
赤い看板の床屋さんがそれだ。
1960年、ジム・マーシャルはココにドラム・ショップを開店した。それがすべてのMarshallのはじまりだ。
この辺りのことに興味のある人はコチラをどうぞ⇒【イギリス‐ロック名所めぐり vol.2】 マーシャルの生まれ故郷<後編>

そして、この前の道はUxbridge Road(アクスブリッジ・ロード)というのだけれど、コレはMonty Pythonにも登場する。
Climbing the North Face of Uxbridge』というコント。

90HANWELLはMarshallの由緒正しいその名前に恥ずかしくない音質と気品を兼ね備えている。
レヴァント・カバリング、ECフレット、スモール・ゴールド・ロゴ、ゴールド・パイピングにゴールド・トップのノブにピン・スイッチ…このままJTM45に早変わりしてしまいそうな威容を誇っている。
そして、側面にはMarshallの50周年を記念してシリアル・ナンバーを刻印したプラークが取り付けられている。
120
そういえばウェンブリーの時に盛んに宣伝してたっけ。
ちなみにハンウェルはさっきの「クソ街ワースト50」で第14位とかなり上位にランクインしているが、実際にアクスブリッジに行ってみると、ハンウェルが属する「London Borough of Ealing」というもっと大きな行政区画が「イギリスでも住みやすい街」とかなり協力にPRしているのを発見した。

125v続いてはSTANMORE。

170

Stanmoreは先日紹介した地下鉄ジュビリー線の北の終点だ。
180

下の写真で赤丸で囲ったところが先日紹介されたWenbley ParkとKilburn

190

STANMOREはBluetoothや光デジタル入力等、4種類の入力系統を装備している。

200

HANWELLの弟分ということになろうか、こちらもビンテージ・テイストあふれるポッシュな雰囲気に満ちている。
白バージョンのCreamや真っ黒なPitch Blackもラインナップされている。
もちろんCreamバージョンもレヴァントのカバリングだ。

210

STANMOREの後継機種がACTON(アクトン)。

130アクトンはヒースロー空港からピカデリー線でロンドンの中心に向かう時に通るエリアだ。
下の地下鉄の路線図にあるように中心部とはずれの境目という感じのロケーション。
ここから先、ヒースロー空港までは駅間の距離も極端に長くなり、街のようすがガラっと変わる。
いつかアクトン・タウンから3つほど行ったボストン・マナーというところに滞在したことがあったが、ドエラク静かなところだった。
もっと以前、ヒースロー空港に着いてピカデリー線で移動しようとしたら止まってやがってね。
バスでアクトン・タウン駅まで振替え輸送されたことがあった。
長時間のフライトの直後で、疲れた身体に重いスーツケースを持っての移動はひどくツラかったが、その振替え輸送の手筈の良さはすこぶるスムーズだった。連中は地下鉄が止まるのに慣れてるからね。

150

ACTONの入力は2系統。Bluetoothでの接続も可能だ。

140Creamもラインナップ。
先輩のSTANMOREよりひと回り小さい筐体が可愛い。しかし、音はパワフル!

160今度はホームスピーカーのラインナップの中で最も大きなモデル、WOBURN。
220
私は長い間にMarshallの工場に30回以上は訪れていて、ほとんど毎回空港まで車で迎えに来てもらっている。
ところが、「ハイ!」と車のカギを渡されて、自力でブレッチリーまで行きなさい…といわれても自信ないナァ。
運転じゃないよ。イギリスの車は日本と同じ左側通行だから運転は何の問題もない。
ルートである。
毎回、毎回、道に詳しいことを自慢しようとしているのか、運転手さんが渋滞を避けてえらくバラエティに富んだルートを進むもんだからいつまでたっても道が覚えられないのだ。
もちろん、工場に近くなればハッと自分がどこにいるかがわかるが、それまではサッパリわからん。
そんないろんなルートの中でもお気に入りなのがこの村を通るルート。

230まるでおもちゃでできたような素敵な村で、こうしてワザワザ車と停めて写真を撮らせてもらったこともあった。
このバス、煙突が付いてるでしょ?中で何かを調理するのかしらん?

240この「King's Head」というレストランは何と16世紀からあるそうだ。
で、私はこの村がWoburnかと思っていたのですよ。
今回、よくよく調べてみたら、ここはIvinghoe(アイビングホー)というところだった。
ブレッチリーに近いことは近いが、まだ先。

250さて、Woburn。
カタカナで「ウバーン」と表記しているようだが、「ウーバーン」とか「ウォバーン」とか、「ワーバン」なんて表記も世間では見かけるようだ。
ずいぶんまぎらわしい発音の地名を取り上げたものだが、実はウバーンはブレッチリーの隣町で、サファリ・パークがあることで有名だ。

WOBURNはもっとも大きなモデルとだけあって、サウンドも超ド級。
フレキシブルな入力系統も併せ持った強力モデル。

260さらに飛び出してきたのは初のポータブル・モデルKILBURN。
KilburnはDeep Purple好きにはタマらん名前。こないだ解説したばかり。
詳しくはコチラをご覧頂きたい。

J_marshall_kilburn_black_rgb_highre バッテリー内蔵で最大18時間の再生が可能というすぐれもの。もちろんワイアードとBluetooth、双方の入力が可能だ。

J_marshall_kilburn_black_rgb_high_2 そしてコレ…ポータブル・モデル第二弾、STOCKWELL。昨年末に発売されたばかりだ。
コレはポータビリティを優先してか、スピーカー保護のためにフレットクロスがプラスチックになっている。カバリングも同様の理由でプラスチック製だ。
でも、スモール・ゴールド・ロゴにゴールド・パイピングとビンテージ・テイストはバッチリ!

270Stockwellというのはテムズ川南岸の街で、David Bowieの地元Brixtonのすぐ近くだ。
よく「-well」という地名を見かける。
「well」は現代の英語では「井戸」という意味で使われるが(Freeの「Wishing Well」の「well」ね)、古英語では「wella」と言って「stream」を意味していた。
世界四大文明ではないが、いかに人類は川や水と生きてきたか…ということを感じさせる。

275実は私もこのStockwellを愛用しているのね。
こんなパッケージに収められている。

280見ての通りのサイズ。
後ろはCODE25だ。

290何せウスイ!重量は1.2kg。
これだけ薄いのでヒョヒョイとバッグに入れて持ち歩くことができる。
ところがナンダ、ナンダ、ナンダ?
一体この低音はどこから出て来るんだ?!…というぐらいの驚きのリッチ・サウンド!
さすがMarshall HEADPHONES、このサイズで期待できること以上の音質を実現している。

330
入力は他の機種同様、Bluetoothと…

300ワイアードの2ウェイ。

310ほとんど同じ写真。
イヤね、iPod Classicの160GBをふたつ持ってるっていうのを自慢したかったの。
何でコレ製造止めちゃったんだろうね?

320持ち運び時に邪魔にならないようにノブが出たり、引っ込んだりする親切設計。

340背面にはUSBポートも搭載している。

350うれしいのは内蔵のバッテリーで約25時間も再生できるのよ!
もうメッチャ気に入ってる!

360ガラッと変わって、iPhoneのカバーなんかも発売中だ。

370iPhone 6と6S用のケース。
コレもやっぱりレヴァント・カバリングを模している。

380そして、ヘッドホン関連。
Marshallロゴのヘッドホンを付けて街を歩いている人を結構見かけるね。
心なしか若い女性に多い感じがする。
私も愛社精神でMarshallロゴの付いた洋服を着て街に出ることが多いが、そんなMarshallヘッドホンを付けている人に出くわすとうれしくなるね。
ところが、その類の若い女性は私が身につけているMarshallロゴに気が付いても絶対に目を合わしませんな…。
「ナンダよ、オレだってMarshallだぞ~。社員なんだぞ~」というサインを送るとさらにダメ。
なのでそういう時は近寄らないようにしている。

こちらの分野でも魅力的な商品をアグレッシブに投入している。

MAJOR II

390_majorii_bk_001MODE

400_mode_bw_001MODE EQ

410_modeeq_bb_001

415_modeeq_bb_007MAJOR FX

420
440_majorfx_wht_01

MINOR FX

430_minorfx_blk_01
460_minorfx_wht_01
MONITOR

470monitor_medres_3

480_monitor_medres_13MONITORはサウンドをカスタマイズ可能。

490_monitor_medres_29…と駆け足で紹介してきたが、Marshall HEADPHONESには上記以外にもフィニッシュの違い等、バラエティに富んだ商品が網羅されているので是非ウェブサイトをチェックしてもらいたい。
楽して強力なMarshallブランドの仲間だ。

Marshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒ZOUND INDUSTRIES TOKYO公式ウェブサイト

500v<お詫び>
Marshall Blogは毎日更新を目指しておりますが、来る3月6日に開催されるMarshall GALAの準備に忙殺され、それが困難になってまいりました。
毎日の更新を楽しみにして頂いている愛読者の皆様には大変申し訳ありませんが、Marshall GALAが終了して落ち着くまでの間、不定期に更新させて頂きます。
…と言っても、、マーブロ中毒の私のこと、全然記事を書かないというワケではないので、案外更新しちゃうかも。
なので毎日のチェックの方はよろしくお願いします!


Marshall GALAの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Blog

K_marshall_gala_emblem_2

2016年2月 4日 (木)

OZZFEST JAPAN 2015のANIMETAL THE SECOND

K_marshall_gala_emblem1996年にオジ―・オズボーンと奥方のシャロン・オズボーンによってアメリカでスタートしたへヴィ・メタル&ハード・ロックの祭典、OZZFEST。
日本には2013年に初上陸し、昨年11月に再上陸した。
前回はケンブリッジからやって来たThe Treatmentをレポートした
オイオイ、あれからもう2年かよ…ということは確実にあの時から2つ歳を取ったワケだ。
人生早いわ~。
ドンドンいいモノの見て、聴いておかないとあの世に行ってから後悔しちゃうぞ!
そこで、いいモノを見て来たよ!

10それはANIMETAL THE SECOND!

20QUEEN.M。

30vルーク篁

40vSAKI

50v田上陽一

60キーボードにTATOO。

70ベースは山下昌良。

80vドラムは本間大嗣というドリーム・チーム!

90加えてマニピュレーターにミスタークロウリー君。

100vうれしいことにですね、このバンド、ギター3人、全員Marshallなのだ!
やっぱりメタルなんだからそう来なくちゃ!
ルークさんはJVM410HとMF400B。

110SAKIちゃんもJVM。

120v

JVM410Hと1960A、自慢のTatooシリーズ!

130vそして田上さんはJCM2000 DSL100と1960A。

140色々な事情があって登場は朝の11時半。
それでもこのメンバー、前評判も高く、「Mr. Crowley」のオープニングSEに乗ってステージに登場した時には異常な盛り上がりを見せていた。

1501曲目は「Overture~Theme of ANIMETAL THE SECOND~」。
荘厳なメタル・インストゥルメンタル。

170ルークさんと…

180ちゃっきーの息のあったプレイ。
あこがれのルークさんとの初共演!
この時の感動を先日のMary's Bloodのワンマン・コンサートでも思い入れタップリに語っていた。
よっぽどうれしかったに違いない。
そうだろうね~、私がFrank Zappaのステージ上がらせてもらうようなもんだもんね。
そりゃ感動するにキマってる!

190『マクロスF』から「ライオン」。

200vQueen.Mさまの歌声がまた信じられないぐらい素晴らしいロック・ヴォイス!
まるで歌のMarshall!こういう人がまだいてくれるんだネェ~。問答無用でカッコいいわ。

160v

ルークさんの立ち位置が暗くて撮影に難儀した~!
でも、そこはさすがルークさん、そこにいてくれるだけで雰囲気が変わる!

210vハッと思ったんだけど、私、実はアニメタルって初代からUSA、そしてTHE SECONDと結構押さえているんですよ~。
225v
「巨人の星」とかはもちろんおなじみなんだけど、このTHE SECONDのレパートリーはさすがにわからないのが正直なところ。
何せ生まれてはじめて体験した日本のアニメといったら『鉄腕アトム』だから…。まだテレビが白黒しかなくて、真空管が入っていた時代。こちとらそういう世代なのですよ。

230
でも、この曲は知ってる。2曲目は『創聖のアクエリオン』からタイトル・チューン。何かのCMに使われていたもんね。
魅力的なサビのメロディがMさまの声にピッタリだ。

220しかし、すごい煙だな~。SAKIちゃんの燻製ができそうだ。

220v ココぞとばかりに猛烈なシュレッディングで迫るルークさん。
しかし、やっぱりJVMはいいナァ。抜けること抜けること!

250vSAKIちゃんは高崎さん張りのタッピングを披露。
激歪みながら粒立ちのよいトーンは、こちらもさすがのテクニックとそれを支えるJVM!

260バッキングに徹した田上さんのプレイもソリッドに聴かせる。
JCM2000は名器だったねェ。

270vさらにこのへヴィ・デューティなリズム隊!

290

現&旧のLOUDNESSIANのタッグだもん。すごくないワケがない。
あ、「LOUDNESSIAN」というのは私が勝手につけた名前ね。
デューク・エリントン楽団に在籍したことのあるミュージシャンは「エリントニアン」といって尊敬される。
また、バイロイトに何年も通い詰めているような熱烈なワグナー・ファンは「ワグネリアン」…この辺りから頂戴しました。

300v

そして、彩を加えるキーボードと…

280vコンピューター・マニピュレーション!
何という豪華なステージ!

310vそれなのにもう最後の曲だ。
『化物語』から「君の知らない物語」。

240v

お客さんたちもっと観たかっただろうナァ~。
次回はメイン・アクトでタップリとお願いします!

330

それにしてもちゃっきー、うれしそうだったナ。

320さて、そんなちゃっきーのために…ウソウソ、Marshallのために既報通りルークさんがMarshall Blogに出演してくれる。
何を演るかはまだヒ・ミ・ツ。

Luke2そして、ちゃっきーも一緒!ちゃっきー、またよろこんでくれるかな?

Saki_logoベースは重鎮、BARAKAから依知川伸一。

J_logo_ichikawaドラムは最近Naked Machineというバンドへの加入がキマった石川達也。

J_logo_tatsuya …なんですが、予てからお知らせしております通り、Marshall GALAのチケットは完売致しました。
お買い上げ頂きました皆様、誠にありがとうございました。
楽しいコンサートになるよう全力を上げて取り組む所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。
当日券がご用意できるかどうかは現在のところ未定です。
Marshall Blogで随時情報をアップしていきますのでご注目願います。


Marshall GALAの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Blog

K_marshall_gala_emblem_2

(一部敬称略 2015年11月22日 幕張メッセにて撮影)

2016年2月 2日 (火)

BEST IN SHOW in NAMM 2016

K_marshall_gala_emblem_3 またNAMMに逆戻りで恐縮至極…。
「ナンダ、ナンダ、お前未練たらしいじゃねーか。よっぽど行きたかったんじゃねーのか~?」なんて言われそうだけど、ま、何とでも言ってくだされ~。
またNAMMネタで一本追加させて頂く。

先週のNAMMレポ―トでチョットだけ触れたが、Marshallは「Best in Show: Companies to Watch(最優秀見逃せない会社賞)」をゲットした。
今日はそれについてもうチョット詳しく触れさせてもらいたいのだ。

20Marshallが「見逃せない会社」に選ばれた大きな要因はCODEだ。
この賞の選考会の動画を社長から見せてもらったのだが、実にシリアスな雰囲気でプレゼンテーションが行われていて驚いた。
「コレってよくね~?」なんて軽いノリは一切なし。

C_award2 その演説の中でCODEを形容する言葉として何回か使われていたのが「phenomenal」という単語。
他にもASTORIAや2555X Silver Jubilee、更には2525 Mini Jubileの発表についても言及されていた。
さて、この「phenomenal」という単語、70年代のロック・ファンならすぐに連想するモノがあるのではないかしらん?
そう、UFO。
Michael Schenker加入後の初のアルバム、『Phenomenon(現象)』のことだ。私も高校の頃は相当聴き込んだ。Marshallを使ったハードロックの名盤の一枚。Hipgnosisのジャケットがまた底抜けに素晴らしい。

Phenomenon 「phenomenon」という言葉は、複数形が「phenomena」と不規則変化する。
で、CODEを形容するために使われたその形容詞が「phenomenal」で、意味は「驚異的な」ということになる。
「マジでヤベエ」ってこと。
そりゃ歴代のMarshallのサウンドがひとつのアンプにタンマリとサンプリングされて入っているんだからスゴくないワケがない、「コーちゃん」は。

そして、この受賞について社長のジョナサン・エラリーからひと言寄せられた。
「'Best in Show'という栄えある称賛を頂戴したことは大きな名誉です。Marshall社の全員がCODEや開発に費やした時間に誇りを持っています。
しかし、我々はこの場所に留まるつもりは毛頭ありません。
Marshallの将来は過去にないほどに光輝いています。
まずは、向こう12ケ月がとてもエキサイティングなものになることでしょう」

Je_portrait_c_sm で、早速エキサイトしたわ~。
イギリスから送られてきた例のMarshallの携帯、LONDONにCODEをコントロールするソフト、Marshall GATEWAYをダウンロードしてみたのだ。
コレがもう、コンピューター音痴の私には何が何やら…というのは、この携帯が丸っきり日本語対応していないので操作に戸惑ってしまったのだ。
もちろんGATEWAYはLONDONでなくてもダウンロードできるんだけど、どうせならLONDON使いたいじゃん?
…ということでまずは携帯キャリア屋さんへ。
アレってナンダっていつもあんなに混んでるんだろうね~。
(自慢げに…)LONDONを見せながら、「コレを国内で使いたいんですけど…」と案内してくれた女性に尋ねると、Marshallのロゴには一瞥もくれず、「少々お待ちくださいと」一旦引っ込んでからすぐに再登場。
「あ~ダメです、ダメです」と取り付く島まったくなし。
で、大手家電量販店に行ってみた。
そういえば、「SIMフリーで使えるんじゃない?」と誰かが言っていたのを思い出した。それで入口近くにあったSIMフリーってヤツの展示を眺めていたら、係の方が声をかけてくれた。
LONDONを見せると「オー!」みたいな。
訊くとギターをやっているそうだ。
勿怪の幸いと相談してみると、「安心してください。使えますから!」とは言わなかったが、「全然問題なし」との見解。
で、こちとらサッパリこの辺りのことがわからないので四の五の問い合わせるに、とにかく最後まで至れり尽くせりで、実に親切な対応をして頂いた。
そうして私もLONDONにたどり着いたというワケ。
この場をお借りしてその方にお礼を申し上げたい。

そして、いよいよ火入れ。
お~、頼みもしないのに待ち受け画面がJVMになってる~!

C_lon

で、GATEWAYをダウンロード。私でも難なくできちゃう。
ク~、どの画面もシャレてやがる。
まずは、チューニング。

C_img_0216

アンプを決めて…。
プリアンプはせっかくだからJubileeにして…。パワーアンプは「Classic Marshall 100W」にしよう。EL34のイメージだ。ちゃんとパワー段でPresenceとResonanceが調節できるようになっている。Resonanceがうれしいね。
キャビネットは1960にする。
ま、ごく普通のチョイス。

C_c_l1エフェクターをセットして…

C_img_0211EQとボリュームも調整しよう。
サァ、弾くぞ~!

C_img_0205あ、イケね、まだCODE届いてなかったんだ!
アア、コーちゃん、早く来ないかな~!

140_2さて、おかげさまでチケットもソールドアウトになったMarshall GALA。
当日は、このコンサートの発起人である名付け親もステージ上がることになっている。

K_marshall_gala_emblem_2それはさっきひと言述べていたMarshall Amplificationの社長(Managing Director)のジョナサン・エラリー。
わざわざ地球の裏側から飛んできてくれる。
「日本にはこんなにも素晴らしいミュージシャンがいるのかぁッ!」と腰を抜かさせないように気をつけておかなきゃ!

尚、Marshall GALAの当日券の販売につきましては現在のところ未定です。
Marshall Blogで情報を随時発信させて頂きますので、チケットをお買い逃した皆様におかれましてはご留意のほどお願い申し上げます。

C_jegMarshall GALAの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Blog

2016年1月26日 (火)

【NAMM速報】 オマケ~御大現る!

オマケ的にもう少しNAMM関連の話題を…。

10 チョット前まではMarshallのスタンドいえば黒くて四角いモノばっかりだったんだけど、ずいぶん様子が変わったもんだよね~。

20サングラス(Eyewear)に携帯電話にスピーカー…信じられんわ~。

30やっぱりCODEの反響は大きかったようだ。

40CODEも楽しみだけど、ASTORIAもね~。
久しぶりにMarshall Blogで触れたところ、「早く弾いてみたい!」というご要望を頂戴してうれしい限りなのです。
ああ、オレも早く弾きたい!

50…と見どころ満歳のMarshallのスタンドが何やら賞をゲットしたようだ。
そういえば去年、「外人の目から見たNAMM」みたいな話題で会場でインタビューを受けて欲しいとNAMMから連絡があったんね。行かなかったので丁重にお断りしたけど、ビックリしたわ。
アレかね?「YOUは何しにNAMMへ?」みたいな?密着取材は困るナァ~。
それから何やらチョコチョコと連絡を頂戴するんだけど行かないからね~。

60 Marshall Blogではスッカリおなじみ。元Grim Reaperのニック(左)。
それと、右は「どっかで会ったことあるオジちゃんだな~」と結構考えた。
で、キャプションを見てなるほど!
Motorheadのローディなのよ!
「オジちゃん」なんて言っても私より若いかもしれないな…。

70そして現れたのは御大、YJM!!
左からエンジニアのサンチャゴ、YJM、いつもイベントの写真をマーブロに送ってくれるアーティスト担当のジョエル、そしてデモンストレーターのスティーヴ。

G 「おう、挨拶はいいから新製品を弾かせろよ。あんだろ、何か?」
とさっそく試奏室へ…。
まずはMini Jubilee。
「エ?ナンダよ、オイ、ずいぶん小っちゃくなっちまったナァ…(試奏)…コレ20Wなのか?スゲエな。メッチャ使えるやんけ!」

90vそして次はCODEに取り掛かる。
「Marshallもデジタルってか?どれどれ、おもしろそうじゃねーか?貸してみろ、オラ…(試奏)…(驚)」

100v「オイ、ちょっと待て、何だコレ?スゲエじゃねーか!コレほんとにデジタルなのか?マイッタな~。オイ、チョット自由にイジらせろ。」
110v「♪When you lose your virginity~」と小声で口ずさみながら…
「エ~っと、プリ・アンプは1959、パワーアンプはブリティッシュのEL34と…。キャビはまずは1960だな。エフェクターはディレイを軽くコーラスでもかけてみるか?…(弾)ウォー!ノッて来たぞ~!」

120v スティーヴとツー・ショット。
「CODEよろしく!」
…と御大が言ったかどうかは知らない。
こういうの様子を目にするとNAMM行きたくなっちゃうね!
あ、ちなみに「」内の御大のセリフは私の勝手な想像です。でも、CODE気に入ってくれたと思うよ。

130 これでNAMMの話題は本当に最後ね。

140 (写真提供:Marshall Amplification plc, Joel Manan and Steve Smith)

2016年1月24日 (日)

【NAMM速報】 こんなにちっちゃくなっちゃった! <追補版>

…ということでNAMM 2016ももう最終日。
この後、最大の難関が待ち受けている。
それは展示会につきものの「お片付け」だ。
「お片付け」は準備する時よりはるかにキツイ。数日間立ちっぱなしで大騒ぎして疲れ切った身体であたらなければならない。Marshallの重さが搬入時の倍ぐらいに感じて容赦なく腰を攻めてくる。
でも、何よりもツライのはさびしくなっちゃうこと。「祭りの後」ってヤツ。
さっきまで色とりどりの衣装を着た人達がスッカリ姿を消し、あんなに賑やかだった会場からネオン・サインが消え、野球帽を被ったTシャツ姿の屈強そうなオジさんたちが工具を手にして続々と現れる。
次々と展示品が運び出され、華やかだったスタンドの飾りは無残にも粉々にされる。
赤や青に彩られていた展示場の床は、見る見るうちに不愛想な灰色のコンクリートへと豹変する。
コレが実にさびしいのよ。
そして、翌日には寝食を共にした友人に別れを告げ、ああ、また10時間内外にも及ぶフライト…。

さ、その前にMarshallのスタンドからもうひとつ新商品のシリーズを紹介しよう。

10それは、このふたつのモデル。
見た目の通り、「Mini Silver Jubilee」というシリーズ。
こんなに小さくなっちゃった!

20こちらはお父さんの2555X。
Marshallの25周年、Jim Marshallの音楽ビジネス在勤50年を記念して1987年に発表したモデル。
昨夏にMarshallスタック生誕50周年を記念してリイシューしたところ世界的に大ヒット!
アメリカなんかバカ売れだった。
日本でもおかげさまで大変に評判がよく、コレを通じて新しいプロ・ギタリストのお友達が増えた。
だ~から言ったんだよ。
Jubileeのリイシューのリクエストはもうずいぶん前からしてたの。…というより「JCM800系で2チャンネルのモデルをリイシューしようよ~、2210とか2205とかJubileeとか」…みたいにね。
それからずいぶん時間が経っていよいよ去年実現して大ヒット→ホレ、見たことか!という図式。
ま、私の提案ドンズバでリイシューが実現したとは全く思わないが、「スタック50周年」をターゲットにアイデアを温めていたということだ。

30そして、お得意のミニ化。
まずは20Wヘッドの2525H。

40基本的な仕様は2555Xと同じ。

50ただし、ワッテージが低い分、パワー管(EL34)がが2本という構成になっている。

60もうひとつは20Wコンボの2525C。

70搭載しているスピーカーはCelestion G12M-25。

802525Hのコンボバージョンなのでコントロールは同じ。

90ところで、Jubileeはオリジナルの時代にも100W(2555)や50W(2550)ヘッドだけでなく、こうしたコンボやミニヘッドがラインナップされていた。
コンボは1X12"が2554、2x12"が2558。ややこしいんだよ、このシリーズは。
驚くことにこの2554のアメリカの広告には「Marshall Jazz」のキャッチコピーのもと、ナントBill Friselが起用されていた。
当時のこれらのコンボの出力は50W/25Wで、今回の2525CはJubileeシリーズ初めての20W仕様となる。
Mini Jubileeシリーズはヘッドも20Wで、LOWパワーにすると5Wまで落ち込んでくれるので使い勝手がよいだろう。

オリジナルのJubilee他にも2555や2550よりひと回り小さい2553というモデルも発売されていた。
さらにダウン・サイジングしたSilver Jubilee 3005 Lead12というモデルもあった。
フロント・パネルには「Jubilee 25~50」と記してある通り、Jubileeシリーズが出た1987年だけに限定で発売された。
回路はトランジスタ。ま、どちらかというと、Jubileeの系譜というよりパネルの構成からしてもLead12のミニ・スタックのシルバーという印象が強い。
100vこのふたつ、日本での発売価格&時期の情報はまだ入って来ていないが、とても楽しみなモデルだ。

20

そして、すでにフランクフルトで発表されているASTORIA(アストリア)シリーズ。
NAMMでは初めての登場となった。
完成品を去年の5月に工場で試させてもらったんだけど、コレがまたおっそろしくいい!
とにかく「素晴らしい」としか言いようがない。
ようやく日本にも上陸するので、Marshall Blogで試奏レポートを衝撃の誕生秘話とともにお送りするのをとても楽しみにしている。

ASTORIAはすでにMarshall Blogでも興奮まぎれに紹介しているが簡単にラインナップだけに触れておくと…

超極上のクリーン・サウンドのASTORIA CLASSIC。

110ビロードのような歪みのASTORIA CUSTOM。

120そして2チャンネルのASTORIA DUAL。

130ゼヒお楽しみに!

T_photo_2_2さて、Marshall以外のファミリー・ブランドも益々元気だぜ!
まずはNATAL。

C_photo_2お得意の屋根の展示。
コレ、片付ける時、結構大変なのよ!

C_photo_1NATALも世界的ににグングンと浸透度が上がっているので鼻息が荒い。

C_photo_3ロックだけではなく、アメリカではジャズの世界でも活躍し出している。

C_photo_4 新しいカラーも続々登場。

140

海外ではハンドハンマード・スネアとステイヴ・スネアが大人気とのこと。

160やっぱり海外でも音だけでなく仕上げの美しさも人気の理由なんだって。
150
日本でも一生懸命普及活動をしているけど、こないだもある現場にNATALのキットを持って行ったところ、「お!これこれ!コレ、スゲエ評判いいんだぜ!」なんて言われた。
その後、「これ何て読むの?」なんて訊かれてズッコケたが、評判がいいことは間違いないようなので、ま、いいか。
「ナタール」といいます。

170vパーカッションの展示もにぎやかだったようだ。

180そして、EDEN。

C_photo_5EDENも弾いてビックリ、こんなにいいベース・アンプなの?とお褒めの言葉を頂戴することが実に多い。
おかげで愛用者も増殖し続けている。
弾いて気にいるとみんな言うんだよね~、「コレ、ええでんナァ~」って!

C_photo_6 新しいフラッグシップ・モデルWT-900が大好評。

200そして、新商品のTerra Novaが注目を集めていたようだ。

210可搬性に優れた軽量設計にして充実の機能。
コンプレッション回路、エンハンス・コントロール、トーンの微細なコントロールを容易にする4段階のEQ等々、使い勝手はまるでWorld Tourシリーズのようになっている。

230500WのTN501と225WのTN226がラインナップされている。
どうでもいいけどベース・アンプってドンドン小さくなっていくナァ。

220v…とにぎやかなMarshallファミリー。
今年もよろしくお願いします…って新年の挨拶みたいになっちゃったね。
ハイ、今年のNAMMも終わり!

240※Marshall Blogは明日&明後日、代休を頂戴します。

2016年1月23日 (土)

【NAMM速報】 BREAK THE CODE!~その暗号を解け!<後編>

クッソ~、ブレッチリ―のヤツらヤリやがったな~!
問答無用でカッコいいじゃねーか…しかも、実にウマい!
まずはコレをご覧あれ…

NAMMショウも例年通りにぎにぎしく開催されているようだ。
MarshallのJoelから写真が送られてきた。
昨日はあんなこと書いちゃったけど、こういうの見るとやっぱり行きたくなってくるな…。
音楽マニアとして、いつかは仕事抜きの「完全レジャー」で参加してみたいものだ。

10s
今年のMarshallのスタンド。
ASTORIAとJubileeのおかげでエラくカラフルになってますナァ。

20チビッコいJubileeも今回のNAMM発表なのだが、やはり主役は何といってもCODE。
ドーンと真ん中に鎮座ましましている。

30v PLAY WITHOUT LIMITS.…コレがCODEのキャッチ・コピー。
そう、CODEで制限なくMarshallサウンドを楽しんでもらいたい…というワケだ。

60v昨日はCODEのネーミングについて自分でも呆れるほどグダグダ書かせて頂いたので今日は商品の説明をすることにしよう。

C_c_code_group4まずは、どんな感じかチョットこのデモンストレーションを見てくだされ。

…って感じ。
CODEは伝統のJTM45から最新のJVMまでバラエティに富んだ機種のプリアンプ、パワーアンプ、そしてスピーカー・キャビネットを選択し、サウンドを作り上げるモデリング・アンプだ。
100通りの完全プログラマブルで、プロ仕様のエフェクターも内蔵されている。


モデリングの技術はMarshallとスウェーデンのオーディオ・ソフトウェアのパイオニア、Softube社とのコラボレーションで、それをMST(Marshall-Softube)と呼んでいる。
SoftubeはJMD:1シリーズの開発にも関わっていたのでその名前を覚えている方もいらっしゃるかもしれない。
JMDの音質の評価はすこぶる高かったので、CODEも十分に満足して頂けるハズだ。

40年前からMarshallに接している私のようなオールド・ファンには信じられないような気もするが、そこは時代の流れ…。
Marshallも今回のCODE大胆にITテクノロジーを導入した。
たとえば…「Marshall Gateway」というiOSやAndroid用のアプリによりBluetoothを通じてCODEのリモート操作が行えたり、他のCODEユーザーとプリセットのデータ交換ができたりする。
もちろんUSBポートがついているのでインターフェイスとしてDAWにも大いに活用できる。
…って威張ってるワケではござらんよ。他のメーカーが既にこんなことをしているのは私ですら百も承知よ。
イヤ~、Marshallってのはつくづくスゴイ会社だな~と思ってね。
今頃こんなことヨソのブランドがやったって何の話題にもならないけど、Marshallの場合、「え~、あのMarshallがッ!?」ってことになるでしょ?
やっぱり50年の間に積み重ねてきた財産はダテや飾りじゃないことを思い知る。
それは他でもない、Marshallが常にロックという音楽の中心にいたからなんだということを痛感する。

100マァ、こんな感じ。
携帯の機種は例のMarshallのLONDONね。
Marshall GATEWAYをインストールして…と

C_2gw_screen_1_2プリアンプはJTM45で、パワーアンプはビンテージ系にしてやれ…。30Wだからキャビは1936でよし。

C_2gw_screen_9_2

エフェクターを選んで…と。
…って横着しないで手をのばしてアンプを直接イジればいいじゃん?とも思うが、アンプ本体をイジるよりもこうした方が操作しやすいことがあるらしい。
オイオイ、ホントにこれがMarshallか?なんて思いたくもなるけど、ナンダナンダ、おもしろそうじゃないの~。

C_2gw_screen_2_2さて、気になるMSTのモデリングの内容だが、プリアンプは14種類。
まずはJTM45(2245)、

Jtm45_2245 1962 Bluesbreaker

1962bb_front 1959。Marshallは「Plexi」としか記していないので69年あたりの1959をイメージしているのかもしれない。

1959slp_front JCM800 2203

Jcm800_2203_2 JCM2000のDSL100

C_dsl100 Silver Jubilee

2555xJVM410H…他となっている。

Jvm410h_frontパワー・アンプセクションは特定のモデルを設定しているワケではなくて、次の4種類からチョイスできるようにななっている。( )の中はイメージしているパワー管だ。
CLASSIC MARSHALL 100W(EL34)
VINTAGE MARSHALL 30W(5881)
BRITISH CLASS A(EL84)
AMERICAN CLAS A/B(6L6)

C_img_0133 次にキャビネット。
当然1960。
それと1960V。

1960a_front1960AX

1960ax_front1936と1936V。

1936v_front1912

1912e_frontココで面白いのが1974X。
あのスピーカーの音色とコンボ感の絶妙なコンビネーションをモデリングしたかったんだろうね。

1974x_front そしてエフェクターは24種類。
コンプレッサー、ディストーション系、オート・ワウ、ピッチ・シフター、コーラス、フェイザー、フランジャー、トレモロ、ディレイ(タップ・テンポつき)、リバーブ等々。
最大5種類まで同時に使うことができる。
ヘッドホン・アウト、ライン・インの端子、チューナーもついてます。
以上がCODEの概要。

エディティングの様子を収めた動画がアップされているので参考にしてくだされ。
英語版で恐縮だけど、クリスがドップリと本場のイギリス英語で説明してくれている。
Marshallの工場へ行くとみんなこんな感じの英語でしゃべってます。

もう一度ラインナップを紹介しておくと…

<CODE25>

110s_3

115コントロールはこんな感じ。アナログ感も強くてトラディッショナルなプレイヤーでも使いやすそう。

120クローズド・バック。

130スピーカーは1x10"。

140続いて<CODE50>

150CODE25よりコントロール・パネルの面積が広がり、ノブがひとつ増えている。
増えたノブは「EDIT」。より操作がしやすくなる。

155

160CODE50もクローズド・バックだ。

170CODE50のスピーカーのコンフォギュレーションは1x12"。

180<CODE100>は2x12"。

190コントロールはCODE50と同じ。

200

210
これ、音よさそうだな~。実戦でも十分にイケそう。

215そして<CODE100H>。

220CODE100のヘッド・バージョン。

225今回は<CODE412>というAキャビのみ発売となった。
4x12"で入力は100W。カスタム・スピーカーを搭載。

240コレ書いていいのかな~?ま、いいか。
もちろん私はCODEのことはずいぶん前から知っていて、昨年の5月に超出来立てのプロトタイプを試させてもらったことは昨日書いた。
それがスゴクよかったことも書いたし、とてもCODEには期待しているのね。
ただ、その最初の計画では、小ワッテージのモデルしか出さないように聞いていた。
最近は、PAやモニターの進化、コンピュータとの連動等、レコーディングやステージの環境が大きく変わってしまってから久しく、大型のアンプが活躍する場が世界的に減っているからね。
でも私の場合、仕事の性質上、広いステージや大爆音の現場でもガンガン使ってもらえる100Wモデルが欲しかったワケ。
で、仕方なくあきらめていたんだけど、こうしてフタを開けてみると100Wモデルが出るじゃないの!
しかもヘッドまで!
とてもうれしかった~。

250販売価格と時期はまだ未定。
早くも世界中の代理店から膨大な数のオーダーが集まっているらしい。全モデルが潤沢に市場に出回るまでには時間を要するかもしれない。

50vああ、早くMarshall Blogに出てもらっているギタリストたちに試させたい!
試奏レポートをお楽しみに。
Marshall Blogは毎日チェック!
また忙しくなりそうだ!

明日もMarshall Blogは更新されるかもしれません。

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