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2012年11月26日 (月)

【改訂版】Paul Gilbert Plays DSL40C!~最新クリニック・ツアー・レポート

先回の記事で告知した通り、ポール・ギルバートがクリニック・ツアーで来日した。

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目的はクリニックの他に自分のモデル限定版Firemanのプロモーションと…

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1月に催行される、新しいソロ・アルバム『VIBRATO』のジャパン・ツアーのプロモーションだ。

『VIBRATO』については前回の記事『「VIBRATO」の秘密』を参考にして欲しい。

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そして、今回のツアーで使用されたマーシャルは新商品のDSL40C。ポールはこれを前回の記事で述べていた通りステレオで使用した。

これが素晴らしいサウンドでしてね。わが社の製品ながらジックリ聴き入ってしまいましたよ!

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ポールの足元。もう何回もポールの機材を取材させてもらっているが、セットは毎回異なる。
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これが前回ポールが触れていた2台のPhase90。ちょっと設定を換えてステレオ感を強調するってヤツだ。ポールも「slightly」と言っていたが、本当に少しズラしてあるだけ。V字型になっているのはワザと。スイッチを近寄らせてデカイ足で2ついっぺんに踏み込むのだ。

しかし、ポールの機材はアナログでいいナァ~。ルーパーだとかそんなの関係ないもんね。…と思ったら、クリニックの中で触れていたが、フランク・マリノ大好きなんだってね。それでナットク!フランク・マリノのペダルはポールの3倍ぐらいの曲があったけど…。パット・トラヴァースとどっちが好きなんだろう?今度訊いてみよう。

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今回のバックバンド。何と言うモノか知らないが、小さな箱にピックアップが付いていて、足でそれを踏むと信号が増幅されてボンボンとバスドラのような効果を生む。そういえば以前はギター・ケースでこれをやっていたっけ!
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ギターの説明をするポール。このシェイプに対する思い入れとギターの持つ色の特徴のようなものについて触れていた。

大分前に、「イヤ~、シングル・コイルとマーシャルの組み合わせにハマっちゃってサ~」なんて言っていたが、本当にいいサウンドだ。特にボリュームを上げ下げした時のトーンの変わり具合が絶妙で、クリーン~クランチ~リードと実に多彩な音をクリエイトするのだ。

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『VIBRATO』からのレパートリーを挟みながらトークと実演を交互でクリニックは構成されていく。

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こうした時、普通だったらニュー・アルバムの宣伝で収録曲ばっかり演っちゃうところなんだけど、ポールのスゴイところは、カバー曲を平気で交えちゃうんころ。

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トークの内容はどちらかというとギターのテクニックに関する話題よりも、「音楽」に関する話しが多く、すごくおもしろかった。

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ここ数年のポールは、本当に「ギタリスト」というよりも「アーティスト」という感が強く、いかに自分のロックで人を楽しませるかということに腐心しているように見える。

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リハーサルの時、映画『ピーター・パン』の挿入歌、「Never Never Land」を演っていた。ポールは『Fuzz Universe』でトッド・ラングレンの「Blue Orpheus」を取り上げていたぐらいだから、トッドが好きなことは容易に想像できた。私が「A Wizard, A True Star?」と言うと「Yeah!」とうれしそうにしていた。この出だしのコードがまた恐ろしくカッコよくてサ。こういう人たちには、アレがこんな風に聞 こえるのかと驚いたよ。

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で、「音楽に関する話し」の中心はコードの話しだった。というか、それが一番印象に残った。
例えば、マイナー・セブンス・フラット・ファイブ、つまり「m7b5」、「ハーフ・ディミニッシュ」というコード。これはジャズの世界では、マイナーのII-VのIIの部分のコードの5thを半音下げ、V7にb9オルタード・テンションを加えると、b5ーb9が同じ音で、ドミナント・モーションした時にルートのマイナー・コードの5thの音に半音進行してより解決感が強調される…とかなんとかやるんでしょ?

もちろんポールはそんなこと一言も触れない。このハーフ・ディミニッシュというロックで使われることが珍しいコードを、ビーチ・ボーイズの「God Only Knows」やスティーヴィー・ワンダーの「Living for the City」やポールの「My Love」などを引き合いに出して、弾いて、歌って実演してみせる。
ん~、アタシャね、この辺りの曲、百回とは言わないけど、50回以上は軽く聴いてるんですよ。イヤ、「God Only Knows」はどう数えても100回以上は少なくとも聴いてるな…。でもね、一度も「まいなーせぶんすふらとふぁいぶ」のことなんて考えたことない。イングヴェイの曲まで出てきてたな。

人間、ボーっと生きていると私みたいに損しますナァ~。

ポールはそういうところがハッキリするまで曲を調べるんだと!で、実際にそれをギターでやってくれると「なるほどね~」になるんですよ。そこがメチャクチャおもしろかった!

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もちろんギターもバリバリ弾いてくれましたよ!

それと先人の偉大なギタリストの話しがバンバン出て来るのもおもしろいな。やっぱり、「いいミュージシャンは熱心なリスナー」ということなんだよな~。やっぱりミュージシャンには誰よりも音楽を詳しく知っておいて欲しいと思う。

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時々、忘れる…。

そうそう、そういえば、今制作・進行しているウェンブリーのライブレポの原稿を見せたらすごく喜んでくれてた。

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おっと、最近凝ってる「ギタリストの手特集」。ポールの手はどうかな?…と見るとやっぱりきれいな手をしてる!
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…と実に楽しく有意義なクリニックだった。

私は初日の川崎公演のみお付き合いさせていただいたが、翌日の神戸公演を終えたところでポールから私宛にメールが入った。ポールはDSL40Cを心底気に入ってくれたらしく、レポートを書いて、よければマーシャル・ブログで紹介してくれというのだ。いい人だ~!
ということで翻訳していかに全文を掲載させていただく。Domo arigato gozaimasu, Polu-san!

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『Ibanezの限定版Firemanギターと1月の「VIBRATOツアー」のプロモーションでクリニックをしに今日本に来ているんだ。DSL40Cはこ のクリニックにピッタリだよ!クラシック・ゲイン・チャンネルで「クランチ」ボタンをオンにして、「ゲイン」思いっきり上げているんだ。このセッティング だと、サウンドもフィーリングもぼくのハンドワイアード2061Xみたいな感じになる。マーシャルナマ音はこんな感じで、歪みをプラスするためにペダルを 2、3種使っている。そうすることによってレーサーXのメタル・チューンからポール・マッカートニーのバラードまでカバーすることができるんだ。』
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『以前楽器店でDSL40Cを試したことがあったんだけど、実戦で使うのは今回が初めてだった。僕はDSLのファンだったから、回路が素晴らしいであろうこ とはわかっていた。でも、本当に驚いたのは12インチ・スピーカーとキャビネットだったよ。ぼくが4×12”キャビネットに期待していた低域とタイトさを 実現していたんだよ!
ぼくはオクターバーをペダル・ボードに組み込んでいたんだけど、これはアンプを通してスピーカーにバカ低い周波数帯を送ることにな る。DSL40Cは完璧にそれを鳴らし切ったね。
それと、最近ぼくはフェイザーを違う設定にセットして、よくステレオで弾いているんだけど、4×12”キャビネッ トでこれをやると、ライブ・ハウスなんかではデカすぎてどうにもならないんだ。だからDSL40Cをペアで使うのが大好きなんだ。クリニック会場に持って 来いの実用的なサイズの割には、大型アンプに期待するトーンと明確さのすべてをぼくに与えてくれるんだよ。誰が設計したのかわからないけど、本当にスゴイ 仕事をしてくれたもんだ!』

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『I'm in Japan right now, doing some clinics to promote my limited edition Ibanez Fireman guitar and my upcoming VIBRATO tour in January. The Marshall DSL40C combos are perfect for these clinics! I use the "Classic Gain" channel with the "Crunch" button turned on, and the "Gain" knob turned all the way up. With that setting, the amp sounds and feels just like my hand-wired Marshall 2061x. This is pure Marshall tone.I use a couple pedals to push the amp into different amounts of distortion, and it let's me play anything from Racer X metal to a Paul McCartney ballad.

I've tried the DSL40C in a music store before, but this is the first time I could try it in a performance situation. I've been a fan of the DSL for a long time, so I knew the electronics would be great, but I was also really impressed with the 12" speaker and the cabinet. It had the same low end and tightness that I would expect from a 4 x 12 cabinet! I was using an octave pedal on my pedalboard, and this sends huge low frequencies through the amp. The DSL40C combo handled them perfectly. I've been playing in stereo a lot lately, using a couple of phase shifter pedals to separate the sound, and sometimes two 4 x 12 cabinets can be a bit big for a club, so I really liked playing through a pair of DSL40Cs. They gave me all the tone and clarity that I would expect from a larger amp, but at practical size to fit the venues where I'm doing my clinics. Please tell whoever designed it that they did a great job!』

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さらに、ポールからの情報。『VIBRATO』の1曲目に収録されている「Enemies (in Jail)」のPVができたのでチェックして!とのこと。それがコレ。ナント完全にアニメ。使用しているアンプは白い1959のポール・モデル!いかにもポールらしい!

年明けのポールの来日公演の予定は…
1月15日(火) 赤坂ブリッツ
1月16日(水) 赤坂ブリッツ
1月18日(金) 松下IMPホール

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(敬称略 2012年11月21日 川崎Serbian Nightにて撮影 ※協力:星野楽器販売株式会社) 21