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2016年3月25日 (金)

【Marshall GALA レポート】 vol.9: D_Drive

さぁ、Marshall GALAも後半に入ったよ~!
6番目に登場したのはD_Driveだ!
後ろ向きでスタートするのはD_Driveのルーティン。
そして、勝負衣装に使われているブルーはバンドのイメージカラーだ。

10D_Driveもこの企画の立案が始まった時、真っ先に出演依頼を考えたチームのひとつだった。
もちろんMarshall Blogに頻繁にご登場頂いていることもあるが、大きいステージでのD_Driveを見たい!…という個人的な希望もあった。
そこでリーダーのSeijiさんに相談したところ、話も聞き終わらないうちに即刻OKを頂いてうれしかった。
三宅さん同様、この日のこのステージのためにワザワザ関西からお越し頂いた。


昨日、現在活動を休止している充電中のある著名ギタリストから突然お電話を頂戴し、ずいぶん長いこと会話をして楽しかったのだが、今活躍しているミュージシャンに関西出身者がいかに多いことよ…という話になった。その方も関西のご出身だ。
で、Marshall GALAのステージをチェックしてみると、冒頭に出演したTHE SHRED MASTERSのMASHAくんと守くんの2人のギタリスト、Strange,Beautiful and Loudの3人。CONCERTO MOONのノンちゃん。Neo-Zonkのキーボードの2人。D_Driveの4人。
ヒロアキくんも下関、CONCERTO MOONの久世ちゃんも長崎の出身だから西方だ。
Marshall GALAも西軍が圧倒的に強いかと思っていたら、図ったかのようにこの後の出演者に関西勢のメンバーがいないんだよね。
こんなこと考えていたらおもしろくなってきちゃって統計を取ってみた。
驚いただよ。
総勢28人が出演したこのMarshall GALA、ナント東軍と西軍、14人ずつのイーブンだったのだ!(出演者の皆さんへ :ここまでいい調子で来てますので、「私はどっちに入ってます?」なんて確認して来ないようお願いします)
こんなことあり得ないでしょう?
「だからどうした?」っていう類の話なんだけど、コレはかなり珍しいと思う。たいてい西が勝つからね…とくにハードなロック系は。
言い方を換えると、前半は西のロック、後半は東のロックということになろうかいね?
おもしろいな~。
お雑煮で言えば、前半は丸い餅に味噌仕立て、後半は餅が四角で出汁はすましだ。
ヨカッタ~、お昼はカレーにしておいて!

D_Driveに戻る。
時間は短いながらも、MarshallやEDENのために、ワザワザ東名高速をブっ飛ばして来て頂いただけのことはある素晴らしいパフォーマンスを見せてくれてた。

20Marshall Blogの読者の皆さんには完全に説明不要の4人。

Seiji

30vYuki

40vShimataro

50vChiiko

60v1曲目はおなじみの「M16」。
Yukiちゃんがオクターブで奏でるテーマのメロディ。私のD_Driveのイメージってまずこのメロディなんだよね。
別に初めて聞いた曲がコレで刷り込まれているというワケでは決してないのだが、ものすごくD_Driveを感じるメロディなのだ。

70_theme華麗なツイン・リード・パート。

80Seijiさんのワウを軽く踏み込んでのソロ。
「ま、最初はコレぐらい弾いとくか…」みたいなライトな感覚が余裕シャクシャクでカッコいい。

90続けてYukiちゃんのソロ。
イニシャルの「Y」が入ったこの白いギターはYukiちゃんのお気に入りだ。アン・ブーリンでいえば「B」のネックレスか。(アン・プーリンについてはそのうち『名所めぐり』で詳しくやります)

100vこの曲の見せ場、ギター2人の掛け合いのパート。

110この「♪タリラリラ~ン」も実にD_Drive的だ。
2人のアクションも含めてD_Driveのステージには決して欠かすことのできないパート。

120フロント2人の激しいバトルに一歩も引けを取らないリズム陣。

130v壮絶なバックアップでいやがおうにも盛り上がる!

140vサオ・チームがそろい踏みしての迫力のアンサンブル。

150曲はテーマに戻り…

160_theme流麗なツイン・リード・パートを経て終結する。
まさに燃えたぎるようなパフォーマンス!

170_twin文字通り矢継ぎ早に次の曲のイントロに入るSeijiさん。

180v_intro曲は最新作『R』に収録されている「Attraction 4D」。
もちろん疾走感に満ち溢れたコレまたいかにもD_Driveらしい曲だ。

190v延々と続くフロントふたりのツイン・リードが圧巻!まさにAttractive!

200右手を上げて観客をあおるYukiちゃん。

210ツイン・リード・パートだけでなく、この曲は計算されつくしたD_Driveの超絶なアンサンブルが堪能できるのだ。

220_ensamble
250v
Seijiさんのソロが切り込んで来る!

230息をつかせるヒマもなく最初から最後まで4人が迫りくる…そんな曲。
テーマの中の上昇する9つのクロマチックの部分が大スキ!

240vそして、Seijiさんがハジキ出すシャープなリフに戻って曲は終了するのだが、この乾いた音が実にいい。
SeijiさんはJCM2000 DSL00ECというビンテージ・ルックスのDSLを使用している。
このDSLは、昔私が企画したもので、めぐりめぐってSeijiさんに愛用してもらっているのがすごくうれしいね。

260_riff_gsYukiちゃんのご講話。
「Marshall GALAに呼んで頂いてホントにホントに光栄でございます!」と「ホントに」をホントに2回口にした。
こちらこそ光栄です。
280

「あと1曲なんですが…」
「エ~!」
そんな、もう後半なんだからだいたいの進行はわかってるでしょうに!
でも、わかっていても「エ~!」と叫びたくなるような熱演なのだ。
Yukiちゃんなんか暴れすぎて髪の毛が口に入って、それが取れなくなっちゃうほどのノリようなのよ!
やっぱステージが広いと暴れ甲斐があるよね。

270最後の曲は4人のピックアップ・ソロまわしで始まる人気曲「Cassis Orange」。

290この曲も私の中でモノスゴク「D_Drive」なんだよね~。
もちろん「Russian Roulette」も「Lost Block」も「Mr. Rat Boots」も全部D_Driveそのものを示す重要な曲たちなんだけど…

300v1曲目の「M16」同様、何とも強いインパクトを受けた曲なのだ。
それと「Runaway Boy」かな?

310Chiikoちゃんなんかノリすぎて和太鼓奏者状態だ。
この数日前にうれしいことがあったしね!
ココでひとつ発見したのは、Chiikoちゃんのソロの時には必ず「Yukiちゃんがしゃがむ」という「あるある」。
もちろんお客さんにChiikoちゃんのプレイをよく見えるようにするための心配りなんだけど、広いステージなんだからチョット横にズレるだけでいいのに…。
数多くのライブをこなしてきて、いかに身体にアクションが染み込んでいるかということやね。

320v親しみやすいテーマのメロディ。やっぱりこの曲は盛り上がるよね!

330D_Driveのレパートリーの中では歴史のある曲だけに…

340こなれた感じが聞いていてとても心地よいのだ。
もちろんメロディのよさが際立っているせいもある。

350しまちゃんのハイパー・ベース・ソロ。
後ろに見えているのは愛機と同じEDEN WT-800。
しっかし、この音抜けの良さは驚異的だ。もう「ベースがここにいます!」と声高らかに宣言しているようなものだ。
360
Shimaちゃんが弾くフレーズにSeijiさんがオクターブ・ユニゾンでかぶさってくる。

356さらにYukiちゃんが加わってそのオクターブ上を弾く。
こういうアイデアはD_Driveのチームワークならではですな~。カッコいい!

S41a0533 そしてスリリングなタッピングを多用したツイン・リード・アンサンブルのパートへ!

370ここのベースのバッキングがまたスゴイ。うねりまくっちゃう!

390vこの後ダ・カーポして4人のソロ回し。
Seijiさんは「湖上の煙」をブチこんだ!
♪ジャッジャッジャ~、ジャッジャッジャジャ~!

400vYukiちゃんはスウィープで♪ピロリロリロリロ!

410vShimaちゃんはタッピングで♪デロロデロロデロロデロロ!

420Chiikoちゃんは♪ダンスタタン、ダンスタタンと孝三さん言うところのロック・バカ・フレーズでキメた!

430vテーマに戻って曲はお開きとなる。
Yukiちゃん、ジャ~ンプ!
イヤ~圧巻のステージでしたな~。
すごい歓声が沸き上がったことは言うまでもない。

440「僕が初めて買ったギター・アンプがJCM800だったんです。その後、色んなアンプを試したんですが、やっぱりMarshallに戻りました。
Marshallみたいに音が前に飛ぶアンプって他にないんです。コレを味わっちゃうともうMarshall以外は使えない。」
ありがとう!

450「D_Driveを始めた時は違うメーカーのアンプだったんです。Seijiさんがその頃Marshallに換えて、その音を聞いた途端、『ア、私が求めている音はコレや!』とすぐにMarshallに換えました。」
ありがとう!

460こちらはD_Driveの演奏の前に聞いたSimaちゃんのEDENの話。
「ムズカシイ設定をしなくてもそのままでもパワーがあって高級感に満ちた音が出るアンプがEDENです。ただ、このバンドは激しめな設定にしないとベースの音が抜けてこないんですね。
でもEDENだと場面に合わせていろんな音作りができるのでバッチリなんです。」
ありがとう!

470私は、Marshall Blogのネタ探しもあって、よく音楽に関する過去の資料に目を通すことがある。
特に幅広い音楽をリアルタイムで聴かれていらした故中村とうようさんの文献はとても勉強になるので好んで読んでいる。
そんな中、1973年に発売されたRoy Buchananのファースト・アルバムの評にこんな文言を発見した。
「ロックのレコードで、歌なしのギターだけでアルバム裏表もたせるというのは至難なことだ(ミュージックマガジン増刊号 『中村とうよう 今月のレコード』より)」
Jeff Beckも畏敬の念を抱いていたテレキャスターの巨人、Roy Buchananをもってしてもそう思われていた時代だったのだ。(Roy Buchanan、ホンモノはスゴかったよ)
それから43年の月日が流れた。
下は冒頭で触れたD_Driveのニュー・アルバム『R』。
ロックのレコードで、歌はまったく入っていない。
裏表はなくなっちゃったが、全編まったく飽きずに楽しむことができる。
やれ「ありがとロック」だの「草食系ロック」だの昨今のロック・シーンについてはいつもボヤいてばかりだが、こうしてよい方向に向かっている箇所もあるんだな…と自分の洞察の浅さに恥じ入る次第である。
もうひと超え、D_Driveには「21世紀のベンチャーズ」を目指してもらいたいのだ!
ちなみに、当日の物販では、Neo-Zonk同様、新旧のD_DriveのCDが飛ぶように売れたそうだ。
そうしたリスナーのクロスオーバーもMarshall GALAの目的でもあったので、そういう話を聞くとすごくうれしい!

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Offiical Web Site

480cd<つづく>

(一部敬称略 2016年3月6日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※撮影:Nica Azuma)