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2016年6月 2日 (木)

Ginji Lives!~小川銀次、新譜をリリース!

三文役者のちぇり~(大竹亨)のご紹介で、故小川銀次さんの元スタッフに接触した。
ナント、「小川銀次の新譜がリリースされるので、よければMarshall Blogで紹介して欲しい」というご依頼だった。
収集がつかなくなるので、Marshall Blogでは単に新譜を紹介するだけの記事の掲載は基本的にご遠慮願っているのだが、不世出の天才ギタリスト、小川銀次の新譜となれば話しは別だ。
そして、記事用に氏のプライベート写真やギター・コレクションの写真をご提供いただいた。
銀次さんが急逝されたのは昨年の8月2日。
一周忌にはまだチョット早いが、さっそく新しい音源を聴きながら故人を偲ばせて頂いた。
ホラ!うれしそうに新しいギターを抱えて銀次さんが帰って来た!
お帰りなさい!
あ、銀次さん、足忘れてきてますよ!

10v 今回のアルバムはあくまで新譜。
これが5月25日に発表されたそのアルバム、『誰も知らない小さな島』だ。
2枚組CDで20曲を収録している。

1_cd2レコーディングしてあった詳しい内容を知る者がいなかったため、ハードディスクに残された音源と、残されたレコーディングの情報から未発表曲を割り出した。
その内の5曲に至ってはトラックダウンが施されていいなかったため、エンジニアがミックス作業を代行したという。

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音源内の楽器演奏とドラム・プログラミングはすべて銀次さんひとりの手によるものだそうだ。
ジャケットのイラストも銀次さんの作品だ。
この世を去って早20年以上が経過しているFrank Zappaは現在も続々と「新譜」を発表し続けているが、この作品の発表もいかにもZappaを敬愛する銀次さんの所業らしい。

Img_2940 作品としては、サブタイトルに「~PRIVATE DIARY 2008-2015~」とあるように、12枚同時発売でギネス掲載を試みた『Private Diary』の延長線上に位置する作品ということになる。
1曲目の「出バヤシ No.1」からもう銀次ワールド。
銀次さんの弾くメロディって、昔からピッチがチョット不安定な感じに私には聞こえるんだけど、ノン・ビブラートで淡々と、しかし、熱情的に弾くスタイルは他に類のない、完全ワン・アンド・オンリーのものだ。
ギターの最大の特長であるビブラートをかけないで弾くのはコルトレーンの影響だったのかな?なんて改めて思ったりしてしまった。
「Tie Yellow Ribbon Round the Old Maple Tree」なんてシャレ曲(元はOak Tree)も収録れているが、全体の印象としては、Crosswind時代のようなテクニック満載の派手なナンバーが姿をひそめているせいか、ジックリと、ユックリと、自分だけの音楽を自分の言葉と声で編み上げている印象。
「ギター大スキ!」とか「ギター最高!」とかいうような類のものでは決してなく、銀次さんが自分のために作った極めて内省的な音楽で、まるで純文学をよんでいるかのような錯覚を覚えた。

2_img_7766_2 もうこんなギタリストは出て来ないだろうナァ。
私はこんなに親しげに銀次さんについて語る資格はない。
銀次さんについての思い出といえば、以前にMarshall Blogに掲載した追悼文ぐらいのものだが、少しでも一緒に仕事ができたことを誇りに思う。

40 その追悼文に記されていないことを思い出した。
銀次さんはドップリMarshallの人では決してなかったが、1x12"のエクステンション・キャビネットを愛用されていた。
その理由を尋ねると、「この世で一番低音が出る12インチ一発のキャビだもん」とおっしゃっていた。
このキャビネットはそれを狙ってCelestionのG12B-150というベース用のスピーカーが搭載されているのだ。
もうひとつ。
蛎殻町の居酒屋でイッパイご一緒させて頂いた時のこと。
当時、銀次さんはチューハイをご愛飲されていて、焼酎のボトルを頼んで、自分で炭酸で割って飲んでいたのだが、さんざん飲まれた後で、あの笑顔でポツンと…「マズイね、これ」とおっしゃったのが妙におもしろかった。
私がトイレに行っていた時にテーブルの上に置きっぱなしにしておいた携帯が鳴ってしまった。
トイレから帰ってくると即座に銀次さんが、「今Inca Roadsが鳴ってたよ!」と教えてくれた。「Inca Roads」とはFrank Zappaの代表曲のひとつ。
あの頃の携帯は自分で呼び出し音を作ることができたので、私は、まさに大好きな「Inca Roads」を呼び出し音に打ちこんでいたというワケ。
銀次さんがそれをわかってくれてうれしかった。
さらにもうひとつ。
その時も当然音楽の話で盛り上がった。
で、トイレで一緒になった時、銀次さんがこうおっしゃった…「そうか~、そんなにオリーが好きなら、今度アランと一緒に演ってるBBCの音源を持ってきてやるよ!」
もちろん、Tempestの話。
今ではこの音源はもうオフィシャルで世に出てしまっているが、15年前の当時は貴重な音源で、銀次さんのお申し出をメッチャ喜んだんだけど、結局忘れられちゃったな~。
こんなこともとてもいい思い出だ。

2_img_6162 銀次さん、学校の先生もされていたけど、一時FMのディスク・ジョッキーもされていたっけ。
「オレさ~、史上もっともしゃべらないディスク・ジョッキーなんだよ。それでさ、他のヤツが誰もかけないような曲を選んでるんだ。こないだも〇〇と△△とリンダ・ルイスをかけてやったよ!」と楽し気に私に話してくれた。
〇〇と△△はなんだったっけかな~。リンダ・ルイスしか思い出せないけど、他のもかなりマイナーなヤツだったよ。
実際に番組を聴いてみると、案の定、「ボソッ…ボソッ」と何かを思い出したようにしゃべる感じで、コレまた銀次さん丸出しのパフォーマンスだった。

50…と、銀次さんの思い出を記したところで、頂戴したギター・コレクションを紹介したいと思う。
多分ほんの一部なのではなかろうかとは思うが、『誰も知らない小さな島』でも活躍した愛器たちだろう。
まずはアコースティック・ギターから。

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10弦ギター。銀次さん、イエペスも目指してたのかな?

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別項にも記したが、晩年の銀次さんはアコギでモノすごい音を出して独特の世界を作りだしていた。

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高い評価を受けているWillian Raskinというカナダのルシアーの1985年の作品。

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日本を代表するギター・ルシア―、中出阪蔵の1962年の作品。

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阪蔵の弟、中出六太郎の作品。1969年の製作だ。

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81750031 続いてエレクトリック。                             

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130b_2テリー・シェイプのセミ・ホロウ。ストラトタイプ・ヘッドにローズ指板。
メイプル・バックという徹底したこだわりがスゴイ!

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140bコレも上によく似ているがピック・アップのコンフィギュレーションが違う。

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150bコレはヘッドがテレキャスター・タイプに近い。ボディもノン・トレモロだけどツインfホール。バックはやはりメイプル。

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160bピックアップ・セレクターやノブもウッド。木材にこだわった1本というところか?
キルテッド・メイプル・バックとタイガー・ストライプのネックが美しい。

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コレも上に近い1本だがやはりピック・アップのコンフィギュレーションが異なる。

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190b

このトップはコア?
そういえば、「どうしてメイプル・バックなんですか?」と銀次さんに尋ねたことがあった。
「だってさ、メイプルってみんなトップに使うじゃん?じゃ、オレはバックにしようかな?って思ったんだよ」というのがお答えだった。
200a_2シンラインっぽいルックス。ピックアップも2個とおとなしい。
このギターもウッドにこだわった1本。

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210b

また思い出した。
このギターかな~?
銀次さんが持参されたギターが気になって「銀次さん、ちょっとだけギター触らせて頂いてもいいですか?」とお願いしたことがあった。
「オウ!」とかおっしゃるかと思ったら…「ダメだよ。触っちゃダメだよ。お前だって自分の女がよその誰かに触られたらイヤだろ?」って…。
加えて、「前にサ、〇〇(超有名なギタリスト)が黙ってオレのギターに触ったんだよ」
とおっしゃるワケ。
「エ、それでどうされたんですか?」
「『どうした』ってお前、入れたよ!」
「ハ、何を?」
「『何を』ってお前、延髄切りにキマってんだろ!」
アブね~、おかげさまで私はセーフでした!

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こっちのギターだったかな?
コレは珍しくメイプル指板。

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「マーシャル祭り2」で使われた一本。
スプルース・トップでメイプル・バックのすごく上品なイメージのギターだった。
コレでMarshall Blogが続く限り、銀次さんのギター・コレクションがココに半永久的に生き続けることになった。
そして小川銀次よ、永遠に!

81750039『誰も知らない小さな島』のお求めは、「POWER RECORD」へメール又はFAXにてお申し込みください。
<メール> new.powerrecord@gmail.com
<FAX> 042-595-5293
<価格> 税込3,000円
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そして、アルバムの発売記念と追悼のライブが開催される!
<日時> 6月17日 19:00開演
<出演> 大谷令文(g)、西山毅(g)、湯川トーベン(b)、川上シゲ(b)、岡井大二(ds)、新井田耕造(ds)、武田”チャッピー”治(ds)他
詳しい情報はコチラ⇒新橋ZZ公式ウェブサイト

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(一部敬称略 ※協力:POWER RECORD)