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2016年6月 1日 (水)

田川ヒロアキ~春のOver Drive Tour

意外だったな~。
もうとっくの昔に済ませていたのかと思ったのは田川ヒロアキのソロ形態でのツアー。
手数セッションやTAGAWAで何度も全国を回っているので完全に混同していたようだ。
田川ヒロアキ、アルバム『Over Drive』を引っ提げてのソロ・ツアーの千秋楽。

10 冒頭はヒロアキくんのステージではおなじみのオープニング曲「Seascape」。
バッキング・トラックで奏でるソロ・ギター曲だ。

20v初ソロ・ツアーのお伴も当然Marshall。
JVM210Hと1936Vだ。

30v足元のようす。
歪みはすべてJVMによる。
空間系のコンパクト・マルチ・エフェクターはセンド&リターンに接続。
フットコント―ラーの1~3に3種類のチャンネルを割り当て、4にはループのオン/オフをアサインしている。
チャンネルはOD/REDを多用しており、ギターのボリュームをコマメに変えて音色を変えている。

40田川ヒロアキ
「Seascape」の後、ヒロアキくんが車に乗るシーンの短い動画が上映された。
そう、ヒロアキくんといっしょに音楽のドライブに出かけよう!…といういかにもヒロアキくんらしい演出。

50v今回のツアーは、東京以外の公演ではバッキング・トラックを使った、文字通り「ソロ」でによるパフォーマンスを展開してきたが、この千秋楽の東京公演はバンド形態でのステージとなった。

60キーボードは石黒彰

70vベースに仮谷克之

80v仮谷さんはEDEN。
WT-800とD410XSTの組み合わせ。

90vドラムはヒロアキくんのバンド初登場の川口千里

100vバンドが入ってからの1曲目は「Straightforward」。

110_sfアップテンポのインスト曲。
ドライブのスタートにふさわしい、まるで高速道路を爽快に突っ走る感じ!

120vMCでツアーついての説明がなされた後、「Landscape」を披露。

130_ls気心知れた盟友、仮谷さんと…

140v石黒さんの安心のサポート。

150vそして千里ちゃんのスーパー・ドラミングで田川「ワールド」の魅力が増幅される。

160vまさに果てしない音の景色(Landscape)が広がる!

170v最初のボーカル曲は「Journey in my Heart」。
昔からレパートリーに顔を見せるおなじみの曲。

180v_jimコレもドライブのひとコマで、「傷心の車のひとり旅」のイメージなのだそうだ。

190v続けて「Keep Flying」。
2010年にリリースした二井原実、ファンキー末吉の両氏の共同プロデュースによるシングルCD曲。

200_kfここで年齢順にメンバー紹介。
ギタリスト大スキ!の石黒さん。実際スーパー・ギタリストとの共演は日常茶飯事だ。
最近Bill Evansのいい音源をゲットしたとか…。
石黒さんもヤタラメッタラとあらゆるジャンルの音楽に詳しいでネェ。音楽についての話しをしていて最も楽しいお方のひとり。
もちろん中心となる話題はいつもジャズとかヘンテコリンな音楽ばかり。

350v
「顔で弾くベーシスト!」と紹介された仮谷さん。
機動力に富んだ仮谷さんのベースがスキ!EDENをアグレッシブに思い切り鳴らしてくれるしね。

360v

「師匠から赤ちゃんって呼ばれています」と千里ちゃん。
こんなにスゴイ赤ちゃんはいませんから!
師匠には「Marshall祭り」のハウス・ドラマーを2回もお願いしたんですぜ。

370v

ここでゲストが加わる。
コーラスのLILIY BABIES。

210ヒロアキくんは「海岸通り」を熱唱。
もちろん『Over Drive』収録の一作。
ヒロアキくんのポップな面が目いっぱいプッシュされた曲。
「カセットテープに入れて来たベスト・ソング」ってとこが泣かせるね。アナタもそんな世代なのね?
でも今、またカセットテープが見直されてるんだってねッ?!
230
しかし、コーラスの力ってスゴイな。イヤ、「人の声の力」というべきか?
曲の雰囲気がガラっと変わるもんね。

220「つくばサーキット」のイベントでいっしょになってからのお付き合いだという。
LILY BABIESをフィーチュアしてもう一曲、「Ain't no Mountain High Enough」。
1967年のMarvin GayeとTammi Terrellのヒット・シングル。1970年にはDiana Rossがカバーしてまたしてもヒット。Diana初のビルボード・チャートNo.1に輝いて…なんてことは私が知っているワケがないので調べてみたら、そういうこと。
240_anmLILY BABIESは9人編成のバンド(他にひとり育休中)だが、この3人のボーカリストが参加してくれた。

Sasammy
尊敬する人が「Sammy Davis Jr.とセーラームーン」ってどういう組み合わせよ!
Sammyはホンモノ見たよ、ラスヴェガスで!最高だった!

270v

Hamazoo
マイケル・J・フォックスが尊敬する人だそう。芸名の元になっているマイケル・J・ポラードも名優ですぜ。

250vそして、東京生まれで西伊豆育ちのSuzuyo。
「伊豆の育ち」ってナンカいいナァ。気候は温暖、いかにも美味しいものを食べて育った…みたいな。


この三人、終始ニコニコで見ていて最高に気持ちがいいわ!
楽屋が隣だったので、部屋で練習している三人の歌声が聞こえてきたんだけど、スゲエの!三人ともメッチャ歌がうまくて、絶妙なアンサンブルがカイカンでした!
ごめんね、盗み聞きしちゃって!

さて、前曲に引き続いてメドレーで演奏したのは「天使にラブソングを」。
そういえば、ウーピー・ゴールドバーグ主演の同名の映画があったでしょ?アレの冒頭に「Heatwave」~「My Guy」~「I'll Follow You」からなる「Lounge Medley」と銘打ったR&Bのメドレーがあるんだけど、コレがすごく好きだった。ナニが好きって、ベース・ラインがメッチャかっこよくて、長野でハコバンをやっていた時に採譜したことがある。結局、演らなかったけど。
え、R&Bもイケるじゃないか?って?イエイエ、ベラ・バルトークの方が全然好きです。

260v…と、楽しく過ごしてきた田川ヒロアキ『春のOver Drive Tour』の第一部もコレで終了。

280休憩を挟んで第二部もヒロアキくんがソロで登場。

290v相変わらずの美しいギター・サウンド!
クリアでハード、それでいて深みのあるトーンを聴かせてくれるヒロアキくんのプレイはJVMの力量を見せてくれるひとつの完璧なショウケースだ。
1936Vとのコンビネーションもバッチリ以上!

300vアコギに持ち変えて石黒さんとのデュオ。

310曲は「たんぽぽと風」。
ヒロアキくんがソフトに歌い奏でるさまは、まるで優しい風にたんぽぽの花や綿帽子が揺れているようだ。
ユーミンの歌でよく知られるようになったけど、「たんぽぽ」って英語で「dandelion」っていうでしょ?
「lion」はあのライオンね。なんであんな可愛い花に「ライオン」なんて言葉が入っているか知ってる?
「dandelion」の語源はフランス語で「dent-de-lion」という。「dent」は「歯」という意味。たんぽぽの葉っぱってギザギザしてるでしょ?アレがライオンの歯なんだって。
昔の人のセンスはスゴイね。
しかし、「デンターライオン」とは何の関係もない。
…なんてことを考えながらヒロアキくんは歌っていないハズだ。
ちなみに綿帽子は「blowball」という。「blow」は「吹き飛ばす」ってこと。

320v続いて石黒さんのソロ。
Keith Emersonを偲んで、ココはFriedrich Guldaの「Prelude and Fugue」が来るかと思ったら、「アレを引くには半年の鍛錬が必要!」ということで今回はパス。
S41a0030

代わってとても美しいシンフォニックなソロで観客を魅了したのであった。

330v『Over Drive』からその名もズバリ「Driving Jam」。

380vこの曲ではメンバー各々のソロがフィーチュアされた。

390v仮谷さんのソロはいつだってダイナミック。
あれよあれよという間にギンギンに盛り上がっていく!

400vそして、千里ちゃんの圧巻のソロ!

420v

目も覚めるようなテクニックと歯切れの良いトーンが心地よい!

410vスティック・トリックもバッチリとキマってニッコニコ!

430v何をやっているかわからない人のためにもう一枚。
我ながらウマく撮れたお気に入りの一枚でもある。

そうそう千里ちゃん、10月には中野のシゲさんやバーニーと「野獣」演るんだって!絶対観なきゃ!

S41a0469 エキサイティングなナンバーの後は心温まる「切手のないおくりもの」。
ヒロアキくんはたま~にこの曲を選ぶが、こうしたホンワカ・ムードも彼の魅力のひとつ。

440続いてはヒロアキくんの平和賛歌、「平和の風」。
450_hkこの日の「Ave Maria」はマジでスゴかったナァ。
彼が石黒さんのアレンジで最初にレパートリーに加えた時から相当な回数を聴いてきたが、これほど感動的な「Ave Maria」は今までなかったのではないか?
トコトン美しいギターのトーンと感動的な歌いまわし。
本人も弾いていて感無量であったのだろう。少し涙ぐんでいた。
イヤ、これは涙するに値するパフォーマンスだったよ。
ヒロアキくんの演奏あっての話なのは百も二百承知しているけど、私も改めてJVMのすごさを知り、改めて真空管アンプの魅力を再発見した気がした。
もう、面倒だからハッキリいうけど、デジタル・プロダクツでは絶対にこうはいかないよ!
木でできたギターの音色の魅力を本当に引き出すことができるのは「0と1の世界」ではなくて、カソードやらグリッドやら前時代の産物、「真空管」だけだ。
MarshallはこれからCODEというモデリング・アンプをやるが、それはそれ。
どんな時代が来てもMarshallにはこの素晴らしいギター・サウンドを守り抜く姿勢を崩さないでいて欲しい。
なんか、そんなことまでを瞬時に考えさせられちゃう美しい演奏だった。

450v第二部でもLILY BABIESが登場。

460_kn『Over Drive』のリード・チューン、「キミ乗せて」だ。

470vコーラスも加わってグレードアップしたサビはゴージャスそのもの!
Marshall GALAでも演奏してくれた私にとってがおなじみの曲だけに、結構普段から無意識にこのサビのメロディを口ずさんじゃうことがあるんだよね。
いい曲とはそういうもんだ。

480そしてお揃いの「FRETPIANO」シャツに着替えて登場したアンコールは「Drive my Car」。

490ドライブづくしの全23曲!
本当の運転と違って、腰が痛くなることも、目が疲れることも、ETCカードを入れ忘れてあわてることもない実にドライブだったぜ!

500vこうしてヒロアキくんの丹精込めて企画&演出した初のソロ・ツアーの千秋楽は大成功に終わったのであった~!

510最後に…。
これがそのアルバム、『Over Drive』。
内ジャケにはつくばサーキットで撮った私の写真が使用されているので見てね!
220cd

最後はみんなで記念撮影。
楽しかったね~!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

520(一部敬称略 2016年4月15日 二子玉川Kiwaにて撮影)