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2013年9月

2013年9月30日 (月)

中京の重戦車、DYNAGON見参!

先日予告編的に名古屋へ出張取材したことをレポートした。
名古屋も結構久しぶりで、駅前の「大名古屋ビルヂング」がなくなっていてビックリした。

「大名古屋ビルヂング」を知ったのは高校生の時。なぞなぞ商会の曲によってだった。
Rocky Horror Showの挿入歌、「Sweet Transvestite」をテンポアップさせて、「♪わしらはなぞなぞ、名古屋の鼻ツマミ」と自己紹介する曲の中に「ナンや、大都会の名古屋の駅前に『大名古屋ビルヂング』って?ナンで『ディ』やなくて『ヂ』なんや?!」と絶叫する場面があったのだ。

戦前は「di」の発音を「ヂ」とするのが普通のことであったらしい。「スタヂアム」とか。
お年寄りが「デズニー・ランド」って発音するでしょう?これは、昔の日本語には「ディ」という発音がなかったので「ディズ二―」と言いにくい…という話しをどこかで聞いた。音でも文字でも同じようなことが起こっていたんだね。
その代わり昔の人は「ぢ」と「じ」、「づ」と「ず」の違いを発音できたというからね。

我々が英語を話す時、日本人は「r」、「l」、「th」、「w」の発音が苦手とか言うが、大きなお世話なのだ。そういう音を母国語に持っていないんだからしょうがないでしょ。
ちなみにこれらの日本人が苦手とされる文字をふんだんに使っている言葉を見つけた。それは「Woolworth(ウールワース)」。エンパイア・ステート・ビルができるまで世界で一番高かったビルをマンハッタンに作り、それをキャッシュで買ったというスーパーマーケット会社の名前だ。
これは英語圏の人でも正しく発音するのは難儀らしい。

さて、今日のバンドの名前には「r」も「th」も「ヂ」も「じ」もない。親しみやすい名前だ。
DYNAGON(ダイナゴン)の登場だ!

10v彼らがDYNAGON、Dynamic Gonzalezだ。「大納言」ではない。

見て!ベテラン感丸出し!「人殺し」以外の悪いことはすべてやって来た…なんてのはまったくのウソだが、凄味満点!
ちなみに「ゴンザレス」という言葉は「ザ」にアクセントが来るので要注意。

Marshall Blogではおなじみの人が右端にいる。そう、中野重夫がRollover以前にやっていたバンドがDYNAGONだ。
それがナント24年ぶりに再結成と相成り、こうして取材の依頼を受けて名古屋まで来たというワケ。
「尾張名古屋は芸どころ」といいましてな…楽しみ!

20以前にもチラッと紹介した通り、DYNAGONは4人編成。

30ギターの中野重夫。

40vキーボード、加藤剛。

50vベースに宮田叔侑。

60vドラムは増井康博だ。

70vSGを弾くシゲさん。ウワッ、変な感じ~!

80vでも当然アンプはMarshallね。
シゲさんが3台所有するSUPER100JHのウチのヘッドだけを2台使用。
キャビネットは70年代の1960AXだ。

90v裏には「NOKEMONO(野獣)」のステンシルが!野獣は1979年『地獄の叫び』でデビュー(この頃はメジャーもインディーズもない。「デビュー」とは今でいうメジャー・デビューしかなかった)。Judas Priestの名古屋公演の前座を務めたこともあった。

ついでに書いておくが、シゲさん以外のDYNAGONの3人は、かつてスナイパーのメンバーとして活躍しており、ボーカルはBAD SCENEの金子光則さんだった。
そのスナイパーから日下部バーニー正則さんが脱退して、シゲさんが合流。短期間ではあったが活動を共にした。その流れがDYNAGONにつながっている。(中野重夫談)

BAD SCENEはかつてCharさんやナルチョさん、牧野元昭さんらが在籍した名門バンドで、後年はとびきりカッコいいツイン・リードのハードロック・バンドになった。「風に向かってぶっ飛ばせ」とか「Bird of Fire」、「In the City」、「XXXXの女(タイトル忘れちゃった。「♪ベイビー、いつもの酒でも飲もう…」という歌いだしの佳曲)」なんてカッコいい曲がゴロゴロしていた。
最近アチコチでBAD SCENEの名前が出て来るようになっていて、コリャ、何かあるのかしらん?と期待していたりもしている。
100シゲさんの足元。Fuzz FaceとUni Vibeのフットコントローラーがないのがちょっと不思議…。でもしっかりカールコードが使用されている。

110シゲさんはSGを2本使用。その内の1本がコレ。

120Rolloverの時よりは若干歪みも増してややコンテンポラリーなサウンドをクリエイトしていた。

130DYNAGONのサウンドの大きな特徴はキーボードに重点を置いていることだろう。
Emerson Lake & PalmerやTraceやQuartermassみたいなキーボード・トリオということでなく、鍵盤楽器が活躍するハードロック・バンドっていいものだ。
Uriah Heepしかり、Greensladeしかり、Deep Purpleだってそう。サウンドの奥行きがドバーっと広がる。

140vこれが加藤さんの機材。Marshallは使っていないんだけど、思わず紹介したくなった。…といっても鍵盤楽器のことはサッパリわからん。
ちなみにJon Loadを見ればわかるように、Marshallは70年代までセッセセッセとキーボード・アンプを生産していたんよ!

150私が注目したのはこのスタンド。

160完全に手作りで、使用するキーボードのサイズにピッタリ。セッティングやバラシの時にラクなようにいたるところに取っ手がついている。よくあるでしょ?「あ~、ココが持てれば楽なんだけど、取っ手がない!」みたいな。そういうことが一切ない、「生活の知恵」の塊のスタンドだ。
シゲさん所有のSUPER100JHのキャビなんて泣きたいぐらいアホなところハンドルが付いてるからね。でもアレは完全復刻仕様だから仕方ない。

170v何しろ土台はダイニング・テーブルだ!これがパタンパタンとコンパクトにたためるようになっている。加藤さんの自作。器用なもんです。

180さて、DYNAGONのステージ。

190シゲさんの猛烈なフィードバックからスタートするはHenry Manciniの「Peter Gun Theme」。
「Peter Gunn」というのはアメリカの刑事もののTVドラマで、Blake Edwards(Julie Andrewsのダンナさん)が制作していた。

200誰しもが耳にしたことのあるこの有名なリフ…かつてはELP&Pもオハコとしていたが、DYNAGONバージョンの方がヘヴィだ。

ちなみにBlake EdwarsとHenry Manciniのコンビはこれ以外にも「Breakfast at Tiffany's」で「Moonriver」を、「The Days of Wine and Roses」で「酒とバラの日々」を、「Pink Panther」で「ピンク・パンサーのテーマ(あの有名なテナー・サックスのテーマはPlus Johnson)」を世に残している。

210ノッケからシゲさんのギターが炸裂!

220間髪を入れず加藤さんのシンセサイザーのSEが会場に充満する。

2402曲目は「Hammerhead」。サメ?
この曲以降は1曲を除きすべてオリジナル曲。
230vシゲさんの「Freeway Jam」を思わせるテーマから、予想しない方向へ物語がドンドンが展開していく。

250vキメも仕掛けもタップリのスリリングな曲だ。

260緩急自在に変化する曲調をガッチリ下支えするリズム隊。

270v最後の最後で転調するところが何ともスリリング!
220vところで、もうお気づきのこととは思うが、DYNAGONはインストのバンドである。
シゲさんとのお付き合いもかれこれずいぶんと長くさせて頂いていて、この「DYNAGON」という名前はかなり以前から知っていたが、実際に見たり聞いたりしたことはなかった。活動していなかったからね。
で、今回見て初めて知ったの…DYNAGONがインストのバンドだったってこと…。
70年代(現実的には80年代)のハードロックがそのまま帰って来たようなサウンドというか空気感がタマリマセンな。一発に気に入ってしまった。

280v続いての「Put the Metal」はややポップなハード・ドライビング・チューン。
300シゲさんのワイルドな8ビートの刻みに…

290加藤さんのオルガンのメロディがからみつく。
バンドのダイナミクスを極限まで発揮したゴキゲンな1曲。
310シゲさんのクランチーなアルペジオ一発。ああ、そうだ、1959ってこういう音なんだ…ってことを確認させてくれる。
曲は「Art of Nazca」。「ナスカの地上絵」をテーマにした作品。
これもコロコロと場面が移り変わっていく聴きごたえ十分な大作だ。
しかし、シゲさんがこういう曲を演るとはね~。あまりにもRolloverのイメージが強いからね。シゲさんがキメを弾くなんて「Manic Depression」ぐらいかと思ってた!

320v次の「Crazy Driver」も直球勝負の真性ハードロック・チューン。

330vしかしそこはDYNAGONのこと、いたるところに仕掛けが潜んでいるぞ!

335v6曲目の「Moon」もミディアム・テンポのマイナー・チューン。こういう曲はDYNAGONのへヴィなリズム隊が光るね。
さらに増井さんのドラムで始まる「Rising Dragon」もカッコいいテーマを持つミディアム・チューン。

350大蛇のようにドラムにからみつくToshiさんのベース!

340vミディアムなテンポが加藤さんのソロをキッカケにアクセルレイト。このあたりのメリハリが実に見事!
400vそして頂点に登り詰める!

420まったくすき間なく演奏されたのはアップテンポの「Paradise a Go Go」。

440ってコレ、ボロディンの「韃靼人の踊り(Polovetisian Dance)」じゃないの!
460「♪ザンザカザンザカ」と原曲とはほど遠いハードなロックになっちゃって!これはこれで実にカッコよろしいな。

Dg_img_0766 最後を締めくくるのはバンド名をそのままタイトルにした「DYNAGON」。

Dg_img_0789_2 ド派手なテーマ部から加藤さんのソロになだれ込む。ルール無用のソロ地帯!加藤さん大爆発!

360vそしてクライマックスはギターとキーボードのガチンコ・バトル!

370「もっと来いや~!」とシゲさんを挑発する加藤さん。

375v双方一歩も譲らない大熱演に観客も大興奮。

380シゲさんも入魂のソロをブッ込む!
そういえば、シゲさんはよくこんなことを言っていた。「ホレ、ジミ・ヘンドリックス演っとるやろ?新しいことは何ひとつ出来んのや」
つまり、シゲさんはRolloverをやっている限り、ジミ・ヘンドリックスの没後に出て来たフレーズやテクニックは一切ステージで弾くことができないというのだ。ライトハンドだの、スウィープなどもってのほか!ジミはそんなことやってないからね。
それがDYANAGONでは自由自在。水槽から離された雷魚のように好き勝手にギターを弾くシゲさんの姿を見てて「自由っていいナァ~」と思ってしまった。

390vそれを受ける加藤さん!

410vもちろんリズム隊も2人の大決闘を放っておくワケがない。

415vパワー全開でDYAGONサウンドを爆発させた。

450vん~、恐るべしDYNAGON!

ここのところmintmintsD_Driveといったインスト・ロックの活躍が目覚ましくとてもうれしく思っている。
歌は「言葉」と「声」いうとてつもなく強力な武器を持っているので、最終的には主役の座を他に譲ることはないが、それに負けじと音楽的、器楽的に英知を曲に注ぎ込むところがインスト・ミュージックのおもしろいところだ。
ジャズがいい例だ。あのワケのわからないアドリブ・メロディがもっと単純なものだったらすぐに飽きて誰も聴かなくなってしまうだろう。リズムにしても、あのスイング感が快感だから聴いていられる。

古くはテケテケに熱狂し、かつてはCasiopeaのコンサートで会場全体が飛び跳ねた時代もあった。
日本人はインスト・ミュージックが根っから好きなんだと思う。

DYNAGONの、この生きる化石のようなアナログのインスト・ロックとmintmintsやD_Driveのようなコンテンポラリーなインスト・ロックの共演を見てみたいナァ。

430vDYNAGONの詳しい情報はコチラ⇒DYNAGON facebook

さて、DYNAGONはMt. Ena Rock Festival(恵那ロック)への出演が決まっている。竹田和夫や外道が出演する中津川市で開催される伝統のロック・フェスだ。
そこでも重戦車っぷりを存分に発揮してくれることだろう。

Mt. Ena Rock Festivalの詳しい情報はコチラ⇒Mt. Ena Rock Festival facebook

470(一部敬称略 2013年8月6日 名古屋ell. SIZEにて撮影)

2013年9月27日 (金)

グッドモーニングアメリカ『"QUATTRO QUARTER" 〜What I Got〜』

渋谷QUATTROの25周年を記念するイベント・シリーズ『QUATTRO QUARTER』にグッドモーニングアメリカが登場した。
ORANGE RANGEとのダブル・ヘッド・ライナー。
だからたなしんのオープニングのセレモニーもオレンジ一色!超満員の客席を割ってステージに上がった!

10たなしんのオープニング・セレモニーからバンドが音を出す瞬間にグドモのステージの最初のクライマックスがやって来る。はじめからクライマックスだ。

20金廣真悟…

30渡邊幸一…

40vたなしん…

50vそしてペギ。

60v今日は比較的時間があるのでタップリ12曲を演奏。
オープニングは「キャッチ&リリース」。

70今年5月にリリースした『未来へのスパイラル』からの選曲が約1/3。こういうところがこのバンドのいいところなんだよね。以前のレパートリーふんだんに取り入れていく。
いかに自分たちがやってきたことに自信を持っているかという表れだと思う。
90vギュウギュウ詰めの客席では靴をなくす人、下敷きをなくす人、なかなか大変なことになっていたが、たなしんの「コール&レスポンス」のコーナーも大ウケしていた。

80幸一ちゃんはいつも1959と1960Aのコンビネーション。

95v入魂のギター・プレイはグドモのショウの大きな見どころのひとつ。
それにしても暑かったね~!

100すさまじいペギのドラミング!彼がドラムを打擲する姿はまるで殺陣だ。ズッパズッパと宿場の悪党を切り捨てる桑畑三十郎、いや四十郎のようだ!これじゃ卯之助もかないっこない。斬られりゃいてーぞー。(スイマセン、グドモ・ファンの若い人は誰もわからないよね?)

ところでペギの切れ味鋭い名刀はNATAL。
Marshallがプロデュースする1965年創設の大英帝国伝統の打楽器ブランドだ。
まだ英語版しかなくてゴメンね…でも詳しくはコチラ⇒NATAL Official Web Site

そして!是非見てもらいたいのはコレ!⇒NATAL Artists

グッドモーニングアメリカでのMarshall&NATALの活躍ぶりはコチラもチェック!

110v
7月11日から始まった『未来へのスパイラルツアー』も10月5日の渋谷O-EASTで終了する。
全公演ソールド・アウト!行くところ敵なしのグッドモーニングアメリカなのだ!

グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルウェブサイト

120(一部敬称略 2013年7月30日 渋谷Club QUATTROにて撮影)

2013年9月26日 (木)

Crying Machine~ULIMATE MELODIOUS NIGHT

今年5月、Kelly SIMONZとのカップリングで紹介したCryimg Machine。

反響は上々!
スッカリ気に入った私は、彼らがまた東京へ来るってんで取材してきた。

10_2場所は吉祥寺のライブハウス。パンパンだよ、パンパン。
チョット~!コレ写真なんか撮れないって!かといってまさか手ブラで帰るワケにも当然いかないので脚立によじ登って気合いで撮影。

20_2Emotional GuitarのMASHA

20_3Hundred Voltage VocalのHILE

30vSatanic KeyboardのYOSISI

50Stylish BassのFUKO

60vAlternative DrumのSHUN

70v_2MASHAは1987を使用。

80vいつでもフルスタックを背中にしょっている。やっぱりいいね。これがロック・ステージの正しい姿です。

90v_2すっかり髪の毛のようすが変わってちょっとビックリした。そう、髪の毛があるうちにドンドンいじっておきなさい。

そういえば自己紹介の時に「HILE(ヒレ)いうても肉ちゃうで~!」と言っていたが、そう、関西では「ヒレ」のことは「ヘレ」という。「ヘレかつ定食」や「フカヘレスープ」だ。
関東のみなさん、ところで、関西には「ちくわぶ」はないのをご存知だろうか?私が知っている限りでは、関西においては「ちくわぶ」はかなりの貴重品だ。
先日この話しをD_DriveのSeijiさんとYukiちゃんとして盛り上がってしもてん。

110も~ダメ、この人は。一旦動き出すとYOSISIから目が離せなくなっちゃう。おそらく自分の人生で見て来た中でもっともアクションの激しいキーボード・プレイヤーだろう。
YOSISIに今対抗できるのはキーボード・プレイヤーではないが、ふなっしーしか存在しないだろう。このことは今回も書かざるを得まい。

120エレガントなルックスとは正反対に、男性陣4人にまったくヒケをとることなくイケイケのベース・ラインを放りこんでくるFUKO。

130v_2パワフルにして緻密なSHUNのドラミングはクラマシの強い武器だ。

1402012年9月に発表されたセカンド・アルバム『The Time Has Come』を発表。その後、本年5月8日に発売したのがこのシングル『Brilliant Future』。
イキのいいドライビング・チューンに人気が集まっている。
100cd_3
この日は4つのバンドが出演するとあって、クラマシの出演時間もやや短め…。

160vとはいえ、短い時間を有効に使い、ハイテンションのうち代表曲を次々に演奏した。
歌のパートはもちろん、このバンドはインストのパートも素晴らしい。
170_2縦横無尽に駆け巡るMASHAのギター。「この曲ではこういうソロを弾いてもらいたい」と思っているとその通りに弾いてくれる。テクニックだけが売り物では決してない。
やっぱりこうしてちゃんと弾ける人はMarshallでないと…ね!

40vYosisi渾身の顔のアクション。キーボードを弾くのに一体こんな顔をする必要がどこにあるというのだ?!
だから目が離せない。
少なくとも曲の内容と顔はまったく関係がない。

190v笑うSHUN。コレ、何で笑っているのかというと、YOSISIのアクションを見て笑っているのだ。他の3人は前を向いていてYOSISIの動きを見ることができないが、SHUNは目の前でYOSISIが暴れまくるので笑いをこらえられない。これはしょうがないでしょ。誰だって笑うわ!ドラミングは完璧。

200v_2なんてことばっかり書いていると「YOSISIってのは暴れているだけか?」と思われちゃうけど、トンデモナイ!しっかりしたテクニックでソロやバッキングだけでなく、MASHAとのスリリングなバトルを展開しちゃうのよ。
180…なんてことは一切関係なしに低音でビシッとバンドに楔を打ち込むFUKO。こんな細身のどこからあんなシッカリした低音が出て来る?
女性ベーシストか…思えばスージー・クアトロの時代からもう40年も経ってしまったんだナァ。

210v_2最後はHILEが上半身裸になっての大熱演!いかに盛り上がっていたかがうかがい知れよう。
それにしても写真撮れなかったゼ…。

220Crying Machineの詳しい情報はコチラ⇒Crying Machine official Web Site

230v_2(一部敬称略 2013年7月28日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2013年9月25日 (水)

Aldious~District Zero Tour 2013

先ごろニューアルバム『DISTRICT ZERO』を発表し、そのレコ発ツアーを大成功のうちに終了させたAldious。

10今日はそのツアー・ファイナルのもようを…ではなくて、時計の針をギュイーンと戻してツアーの初日の様子をレポートね。

20これがニューアルバムの『District Zero』。
『Deep Exceed』、『Determination』に次ぐ渾身のサード・アルバムだ。

30cd2013年から加入したボーカルのRe:NO(リノ)。

40Yoshi

50vトキ

60サワ

70vAruto

80x久しぶりに臨んだAldiousのコンサート。
相変わらずの人気ぶりでノッケからスゴイノリよう!

90v上手ギターのYoshiはMarshallプレイヤー。
110vかつてはJMD:100を使用していたが、今回はシステムの関係でDSL100を使用。JMDがサブに回った。
キャビネットは1960Aだ。
100新しいメンバーなどとは全く感じさせない堂に入った見事な歌いぶりのRe:NO。

120v飛びきりハードな曲~から妖艶なバラードまで完璧にAldiousワールドを練り上げた。
180vAldiousの作曲の多くを手掛けているYoshi。今回もAldiousの持ち味をアッピールした佳曲を提供。

130vステージ中を飛びまわり、頭が吹っ飛んでいくんじゃないかと思うほど壮絶なトキちゃんのアクションも相変わらず!

140vサワちゃんの練り込まれたベース・ラインがバンド・サウンドの低域をリッチにする。

160楽しそうだな~。疲れの片鱗も見せず最後までパワフルにドラムをプレイするArutoちゃん。

170挑発的なRe:NOのステージングに観客は大熱狂。

190学習ノート片手のサワちゃんの告知コーナーも健在。「え~と、なんだっけ?」なんてやっているよりよっぽど効率がいい?
230vそして、ステージ上手で、時にジックリと、時に激しく、時にテクニカルにギターを引き倒すYoshi。

200vセクシーな衣装がYoshiのステージアクションにまたピッタリなんだ!

210vそして、Marshallサウンドは「抜ける」!この調子でこれからもガンガン弾いちゃってね!

220vニュー・アルバム『District Zero』に収録されている全ての曲を演奏。アンコールを含めて19曲。
艶やかで華やかなコンサートだった。

240Aldiousの詳しい情報はコチラ⇒Aldious公式サイト

250(一部敬称略 2013年7月26日 渋谷O-EASTにて撮影)

2013年9月24日 (火)

人間椅子ニューアルバム『萬燈籠』発売記念ミニ・ライブ

これは素晴らしい!
8月7日に発売された人間椅子のニュー・アルバム、『萬燈籠(まんどろ)』のこと。
どう素晴らしいのかというと、ただひたすらカッコいい。全曲全編スミズミまでハード・ロックの魅力に満ち溢れている。

タイトルもいい。『萬燈籠』とは津軽地方の方言で「まんまるのナニナニ」を指す言葉だそうだ。

10cd今日は『萬燈籠』発売記念のミニ・ライブだ。CDを購入した方が先着で入場券を手にすることができた。
会場のタワーレコード地下のCUTUP HALLは超満員!

20和嶋慎治

300v鈴木研一

50ナカジマノブ

60v 人間椅子はMarshall Blog初登場かと思われる人もいるかもしれないが、実はCONCERTO MOONとのダブル・ヘッドライナー、『Dos a tres caids!~CONCERTO MOON 炎の三番勝負~』のレポートで登場して頂いている。

70今回も和嶋さんは当然Marshall。1987を使用している。
MarshallとSGのコンビネーションについては前回書いたので細かいことは省略するが、やっぱりいいもんだ。
もちろん、「いい」というのはギターの音色そのものも指しているのだが、人間椅子の作り出す独自の世界に和嶋さんとMarshallとSGの音が完全に溶け込んでいるということなんだな~。
特にMarshallに関して言えばこのキャビネット、1960TVによるところも大きい。キャビネットはとても大切なのだ。
ギター⇒アンプ(ヘッド)⇒キャビネットの序列で重要性が薄まっていくように捉えられているような風潮があるが、実はその逆…というのが私の持論だ。だって、実際に音を出しているのはキャビネットなのだから…。ま、どれも大事なんだけど。

80vハートや花柄のかわいいステッカーでMarshallを飾っている女性ギタリストは少なくないけど、Marshallにお札を貼っているギタリストは世界広しといえども和嶋さんぐらいだろうナァ~。
これがまた不思議とマッチするんだよね~。

90アレ、なんていうんだろう?托鉢僧が持っている「♪チリ~ン」と鳴らす鐘。
CDと同じくショウはあの鐘の音で始まった。
それにしてもこの鐘の音というのもスゴイもんだ。一度鳴らすだけで独特なアノ雰囲気を作り出してしまう。
まさか、この音を風鈴の音と受け止めて涼しがる人はいまい。
これがまたCDでは抜群の効果を生み出している。
曲は「此岸御詠歌」から…

110「黒百合日記」…

120ク~、タマランな~!このヘヴィなリフとビート!それに「がんばって!」も「負けるな!」も出てこない、人間椅子だけが織りなすことができる言葉世界。それでいて時折ハラっとさせられる黒く切ない愛情の表現…。

130これぞ私がいうロック。私が提唱するロックは真のハードロック。美しいMarshallのディストーション・サウンドを必要とするガッツのあるロックなのだ!
140v2曲目は鈴木さんが歌う「地獄変」。CDの不気味さを見事に再現。
150MCで歌詞について触れていたが、そう、人間椅子の歌詞は
ただただおどろおどろしい言葉を並べているワケでは決してなく、うまくは言えないが、歌詞によって曲が作られ、曲によって言葉が編まれているな…。
こういう感覚を覚えるのは若いときに頭脳警察を聴いた時以来だ。

170vこれだけ言葉を自家薬籠中のものにしている様子を見ると、70年代の初めに「日本語ロック論争」なるものがあったなんてとても信じられない。

日本語のロックとして完結しているように思えるのだ。

閑話休題。お経は8ビートだと思うんだよね。木魚がハイハットの役目をして奇数拍、つまり「アタマ」で鳴らされる。
ところが何年か前に横浜の方で執り行われた親戚の葬儀で驚くべき体験に遭遇した。
ナント、そこにいらしていた僧侶が木魚を偶数拍、すなわち「ウラ」で鳴らしたのだ。
どうなるか…お経が4ビートに聞こえ、カウント・ベイシー・オーケストラのように猛然とスイングし出すのだ。
隣に座っていた音楽に疎い私の父も「オイ、これなんかおかしいんじゃないのか?」と私に耳打ちしてきたぐらいだ。
ところ変われば品変わるのはよくあることだが、あれには衝撃を受けたな。

180v続いて「衛星になった男」…。
「私の願い」はこうしたロックが興隆することだ。
210v「ねぷたのもんどりこ」。
鈴木さんの歌声がまた何ともいえず魅力的だ。
220この曲もカッコいいナァ。
そうだ、「祭り」も和のいいサブジェクトだ。

190v「♪ねぷたのもんどりこ ♪ヤレヤレヤレヤ」というパートはイヤでも盛り上がるというもの。コンサートでもハイライトのひとつになるに違いない。

200「桜爛漫」。和嶋さん曰く「チョットだけBlack Sabbath」。
40vここでノブさんフィーチュア。
「みんな~、オレことアニキって呼んでくれ~い!」

240vアニキがリード・ボーカルを担当するドライビング・チューン、「蜘蛛の糸」。カンダタか…小さいころこの話を聞いてショックを受けたもんだ。
ノブさんの絶叫がこの曲にピッタリとマッチする!

250vそしていよいよクライマックス。
「人間万歳」…
30そして、「♪ぶんがちゃっちゃ」がタマらない「新調きゅらきゅきゅ節」で本編を締めくくった。
もっと聴きて~!

260猛烈な勢いでアンコールを要求する観客の前に再び姿を現した人間椅子。

270演奏するは「針の山」。

290ずいぶん昔からジャズやロックに「和」のテイストを溶け込まそうと色々なやり方が試みられてきた。
これは自分も好みもあるので単なる私論にすぎないが、ごく自然にかつ効果的に、そして一番カッコよくこれをやって見せたのはジャズの穐吉敏子のビッグ・バンドではなかろうか。

305ロックではナントいっても人間椅子だろうナァ。
これほどまでに自然にスマートの洋の東西を混ぜてうまくいったものも少なかろう。他にあるとすれば「たらこスパゲティ」と「抹茶アイス」ぐらいのものではないか?

310そのふたつと寸分たがわず人間椅子のお味は最高だ。

320日本人に生まれてよかったと思うことは多々あるが、ストレートに人間椅子の音楽を楽しめるのもそのうちのひとつに違いない。
英語圏の人たちがビートルズの歌を直截的に楽しむように、我々も人間椅子を楽しまなければモッタイない!

330v人間椅子は現在アルバムと同じタイトルを関したレコ発ツアー『~萬燈籠~』を敢行中だ。各所でチケットがソールド・アウトしているが、是非チャンスを窺って出かけて欲しい。
9月29日と30日の東京公演がファイナルだ。

340人間椅子の詳しい情報はコチラ⇒人間椅子オフィシャルサイト

10cd(一部敬称略 2013年9月3日 TOWER RECORDS CUTUP HALLにて撮影)

2013年9月20日 (金)

Let's Go to キネマ!~『LIVE ROKUGENSHIN』リハーサル・レポート<ROCK編>

昨日に引き続き、いよいよ明日開催の『LIVE ROKUGENSHIN <ROCK DAY>』のリハーサルが行われた。
今、こうして原稿を書いている目の前でもサクサクとリハが進行している。
これはホントにいいコンサートになりそうだ。
滅多に見ることのできないいわゆるExtravaganzaというヤツだ。(これを名前にしている人が最近テレビに出てきててビックリした)

それとね、マーシャル祭りなの…。
見に来てね!

10今日も恭司さんを中心にリハが進行。

20_2まずは恭司さんのブロックから…。

30_2今日もキラ星のごとくスター・プレイヤーが集結する。

40梶原順!

50_2斉藤光浩!

60オッと!
曲名は言えないけど…スゴイよ。

70_2これモンだもん!

80私gあこのおふたりを最初に見たのは中学2年の時。日本武道館。Aerosmith初来日の時のことだった!

90_2青木秀一!

100v_2田川ヒロアキ!
130v青木さんのスーパー・ヴォイス炸裂!
120vこの3人のブロックもスゴかった!何をやったは言えないけど…。

110_2今日もホスト・バンドは大忙し!ズッ~と演奏しっぱなしだからね~!
石黒彰!

150_2二家本亮介!

160山本真央樹!

170大阪からD_Driveのふたり到着!

180ステージには横関敦!

190原田喧太!
240ここもスゴかったよ~!どんだけ弾くの~?
230ゲップが出るほどギターが聞けちゃう!
250昨日同様、インタビューも同時進行。
220_2聞き手は、本番の司会を務める音楽評論家の大野祥之!

Re1_img_2160 ステージは横関さんとSeijiさんとのカップリング。
ここもスリリングだったよ~!

200_2D_Drive、Seiji!

210そして、この組み合わせ!

Re1_img_2165 喧ちゃん!弾きまくり!

Re1_img_2156 そしてYukiちゃん!紅一点…って最近珍しい。どこへ行ってもガールパワー花盛りだからね。
もちろんバリバリ引き倒していたよ!

Re1_img_2166 『LIVE ROKUGENSHIN <ROCK DAY>』の開催は9月21日。翌日は日曜日!
秋の夜長に最高のギター・ミュージックを楽しみませんか?Live Rokugenshinの詳しい情報はコチラ⇒六弦心Official Website

東京キネマ倶楽部の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

Re1_img_2119(一部敬称略 2013年9月20日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2013年9月19日 (木)

Let's Go to キネマ!~Live Rokugenshinリハーサル・レポート<CROSSOVER編>

鶯谷…山手線29駅の中で最も昇降客の少ない駅。いいじゃないの、セイセイして!

10近隣は徳川家の菩提寺、寛永寺と上野恩賜公園があるため高い建物があまり多くなく、東京23区の中でも最も景色のいい場所のひとつとされているそうだ。
それにしても台東区ってのは名所旧跡、祭りごとが盛りだくさんだナァ~。台東区のおまわりさんは大変だ。

20昔は寛永寺に京都からの僧侶を迎えることが多く、「江戸のウグイスは訛ってはる」と、京都のウグイスを連れてきたそうだ。それが月日を重ねるうちに鶯の名所になり、鶯谷という地名に落ち着いたそうだ。
かつては正岡子規もここに暮らし、近隣には「恐れ入谷」の鬼子母神がある。

30橋の上の改札を出て1分…

40そこに東京キネマ倶楽部がある。もう何回もMarshall Blogに登場してきているが、改めて名所案内、そして道順案内的に紹介してみた。

…というのは今週の土日、9月21日と22日にどうしても東京キネマ倶楽部にお越しいただきたいからなのだ!

50出し物は『LIVE ROLUGENSHIN』。
山本恭司さんをはじめとした日本を代表するスーパーギタリストたちが奏でる日本の美しいメロディをテンコ盛りに収録したコンピレーション・アルバム、『六弦心』&『六弦心 vol.2』のライブ・バージョンだ。

今日と明日のMarshall Blogはそのリハーサル現場からお送りする。

60_2今日は22日の<CROSSOVER DAY>のリハーサルだ。
100ショウはそれぞれのギタリストがCD『六弦心』と『六弦心vol.2』で披露した曲をプレイする他、色々な組み合わせで様々な曲を演奏する。これがおもしろい!
70演奏予定曲の一部は発表されているが、誰と誰が何を演るかは来てからじゃないとわからないよ~!
80恭司さんとホスト・バンドが伴奏を務める。ホスト・バンドはもちろんのこと、恭司さんもほぼ出ずっぱなし。

90入念なリハーサル!

110そして、六弦心プレイヤーたちが順々にステージに上がる。
鈴木茂!

120茂さん、ナントJVM210Cをプレイ!

130vいつもはアコギのICCOU。
ICCOUさんはVintageModernだ!

140おおっと!石黒さん、ここへ来て譜面の書き直し!オリジナル音源を聴いてスラスラその場で採譜してます。さすが!

Re1_img_1311 小沼ようすけ!

150もちろん歌ものも!

160天野清継!

170昔はよく小沼さんと仕事をしたもんだったのよ。今日は久々の再会でうれしかった!

180v恭司さん大忙し!

200vアコギのシーンもタップリ!これがまたいいんだ~。

220アコギ・コーナーをやってるうちに恭司さんたちは休憩、休憩…。

230とりあえず記念撮影。

240安藤まさひろ!

250v_2ホスト・バンドの面々は…

キーボード、マーブロでもすでにおなじみ石黒彰。

280
べースに二家本亮介。

260ドラムは山本真央樹。

270ん~、わかっちゃいるけど皆さんそれぞれ個性的なプレイで実におもしろい!
もちろんみんな究極のテクニシャンばかりなのに今日はそんな感じがしない。とにもかくにも「いい音楽」に満ち溢れてる!
Re1_img_2038ステージでリハーサルが進行する一方、控室では各出演者へのインタビューが行われた。

290「六弦心」への思いを語る恭司さん。

Img_2036_1リハは進む。
まずは曲をチェック!

Re1_img_2046曲はあの曲!来なきゃわかんない。
楽しいな~!

Re1_img_2050 これだけスゴイ音楽家たちが集まると色々なことが起こりますな。
休憩中の雑談から…

Re1_img_2058おお~っと!天野さんとICCOUさんの場外セッション!
カッチョえ~!
メチャ得した気分!

Re1_img_2062木村大!

Re1_img_2069こんな組み合わせ…おもしろそうでしょう?!

Re1_img_2065 『LIVE ROKUGENSHIN <CROSSOVER DAY>』の開催は9月22日。翌日は「秋分の日」でお休みだ!
秋の夜長に最高のギター・ミュージックを楽しみませんか?

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Re1_img_2057 (一部敬称略 2013年9月19日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2013年9月18日 (水)

マサヤン天国ロック生誕60祭 ~HeavenS MASAYAN ConnectioN LIVE 2013~<後編>

さて、『マサヤン天国ロック生誕60祭』レポートの<後編>。

下はこのイベントのフライヤー。右下に「arr. by MASAHIRO KUWANA」とクレジットが入っている。
コンピュータに詳しいマサヤンが、この元となった写真を大層気に入り自分でイラスト風にアレンジしたものだ。

10vまだまだ続くゲスト陣の登場。ショウはまだ中盤に入ったばかりだ。

金子マリ下田逸郎がステージに上がる。
20_3まずはマリさん、「紅い花咲いた」を披露。

30v下田さんがギターとコーラスでバックアップ。この曲の歌詞も下田さんの手によるものだ。

40v_3喧ちゃんも加わってのトリオの演奏。

43美しいクリーン・トーンを用いて、絶妙なタイミングでオブリガートを送る。

46vマリさんは<前編>に登場した亀渕さんと「セクシャル・バイオレットNo.1」のレコーディングにコーラスで参加している。ナント豪華な!しかも、ツアーまで参加したという。
とにかく楽しい雰囲気でMCも大爆笑。今にしてみると何であんなにおもしろかったのかわからないが、とにかくおもしろかったナァ。

45そしてもう1曲、「ありがとう」を熱演。ホントこれはいい曲だ。

50v_4さて、ここで出演した女性アーティストがゾロリと一堂に会した「女力本願」のコーナー。

60_2
イヤ、男性がひとり…女性陣プラス喧ちゃんだ!
75v
曲は「BAD MOON」。

70_3この曲もマサヤンと下田さんの共作だ。
「♪男は男で行くから そうさ女は女でやりなよ」…なんかこのコンサートのために予め書かれていたような曲!

80_3JILLも飛び入りで参加。

最近のロックはガール・バンド花盛りだが、実はガール・パワーはずっとスゴかったんだよ。ただ男がおとなしくなっちゃっただけの話し…そんな感じがした。90_3ここでまた場面がガラリと変わる。
La'cryma ChristiのTAKAが登場。桑名出身!

100v曲も一転してGuns and Rosesの「Sweet Child O'Mine」を演奏。
一気にロック・カラーが強まった!

120v_3そこへ替わって現れたのが内田裕也

130v_3スゲエ、存在感。
裕也さんは何度もお見かけはしているが、カメラを向けるのはコレが初めて。

140v_2「哀愁トゥナイト」が場内に大音量で流れる。
しかし裕也さん、う、歌ってない!曲に合わせてステージ上でほぼ暴れているだけなのだ!

150しかし、キマった!

160_2もう1曲は「テーマ曲」とおっしゃっていたが、「Johnny B. Goode」。

170_2やっぱりロックンロールがよく似合う。
日本のロックをもたらした重要人物のうちのおひとりなのだから!

180v_3ギター・バトルを見守る裕也さん。カッコいい!

190_3喧ちゃんのお相手はトルーマン・カポーティR&R BANDの柴田昭寛。

200_2演奏はFlower Power!

210_4お定まりのポージングでメチャクチャ盛り上がる!みんな楽しそう!

220_4そしてフィニッシュ!

230_2ショウもいよいよ終盤に差し掛かる。
ここから先、本編終了までFlower Powerが引き受けた!

ステージの中央にマイクスタンドが立っているのがおわかりだろうか?

これは主がないワケではなく、もちろん、マサヤンのためのマイクなのだ!

235Flower Powerはマサヤンが最後に取り組んでいたバンド。
「Flower Power」というのは1960年代後半から70年代の前半、ベトナム戦争反対の運動に端を発した非暴力を掲げる反体制派のスローガンだ。
平和を愛したマサヤンのバンドにふさわしいバンド名だ。
ちなみにFrank Zappaの「The Adventures of Greggery Peccary」という曲に思いっきりこの言葉が出て来る。さらに1976年にFrank Zappaを日本に招聘したのは裕也さんだ。

メンバーは原田喧太と…
310vベースに鮫島秀樹

240v_2キーボード、篠原信彦
250_3ドラムに和田ジョージ

260_3もうひとりのギター、芳野藤丸

270v_3「ステップ&ターン」

280_3ステージの上手にはアーティストの利久が登場。
利久さんは地球防衛自転車隊を設立し、温暖化から地球を守るべく、日夜自転車で走り回っているという。
Flower Powerが演奏している間、画用紙に描かれた「happy 60th」という文字が利久さんの手によって変容しアートへと進化する。

285v2曲目は「Rat's & Cat's」。

290v霧吹きで水分を空中に散布しているところ。

295_2藤丸さんのスペイシーなギターが宙を舞う!

300v_2空中に散布された水分が、はじめに描かれた「happy 60th」という文字に付着し、溶解する。そこに利久さんが手を加えて行くのだ。

305エキサイティングな藤丸さんと喧ちゃんのギター・バトル!それにしてもナント見せ場の多いことよ!

320_3そして、「happy 60th」は愛らしいハートに昇華したのであった。

330v_3本編最後は「10 Years After」。

ステージでマサヤンが歌い、喧ちゃんがギターを弾くこの曲を何回観たかわからない。もしかしたら今日も喧ちゃんがギターを弾き、マサヤンが歌ったのかもしれない。マサヤンのためのマイクも用意されていたからね!
喧ちゃんの熱唱にそんなことを感じてしまった。

340v大きな大きな歓声を受けながら一旦ステージを降りた原田喧太。
520v全員参加してのアンコール。

350_2圧巻!!

360_4ステージ中央にはマサヤン!

365まずはみんなでにぎやかに「セクシャル・バイオレットNo.1」。
390_3
470_3ドラムで林敏明が加わる。もともとマサヤンと演っていた人でマネージャーも務めていた。喧ちゃんの最初のマネージャーでもあったそうだ。

Mk_img_8361 とにかくみんな楽しそうなのだ!
410_3
460_2飛び入りゲスト、山崎ハコ

380_3もうひとりの飛び入りゲスト、Bro. Kone

430_3さらに、内海利勝
440v_2もう1曲…「生きてるうちが花なんだぜ」。
ホント、生きてるうちが花なんだよな~。
ま、生きてりゃイヤなことや腹の立つことも多いけど、これも生きているからこそ。
死んで花実が咲くものか…やっぱり生きてるうちが花だよな~。
最近富にそう思うようになってきた。

400_3マサヤンのことを胸に、思い思いに歌す姿は最高に感動的だった。

420_2

480_2〆は喧ちゃん!

490_2この素晴らしいコンサートを企画した原田喧太に仲間からも称賛の声が浴びせられた。

370最後の最後は喧ちゃんが歌う「月のあかり」。客席との合唱が感動を誘う。
500v喧ちゃん、大役お疲れさまでした~!
これほどたくさんのゲストを招いての企画、パンパンに詰まったスケジュールの中、さぞかし骨の折れる仕事だったかもしれない。でもこんなにたくさんのミュージシャンやお客さんが集まってくれた。
これもマサヤンや喧ちゃんだけがなせるワザなんだと思う。

日本のロック界があまりにも偉大なシンガーを失ったことを再認識させられた半面、優れたミュージシャンたちによってマサヤンの音楽が生き続けて行くであろうことを確信した夜でもあった。

510vこれは、喧ちゃんも着ているイベントTシャツ。冒頭に紹介したマサヤン・オリジナルの図案をあしらえてある。

540v今回、こうした美術の制作をしようと、マサヤンんが保管していた写真を整理したが、このフライヤーやTシャツのデザインの元になった写真のデータがとうとう最後まで出て来なかったそうである。
550vそれはそうだ…この写真の元のデータはウチにあるのだから!

この写真は、2011年12月6日に渋谷のMt. RAINERで私が撮影したものだ。

喧ちゃんや晴子さんとこの話をして、お互いに「な~んだ!道理でないワケや!」の連発。こっちはこっちで「なーんだ!言ってくれればいいのに!」で応酬!

マサヤンはこの写真を気に入ってくれてfacebookのプロフィール写真にも使ってくれていたことは前回も書いた。

とても光栄なことだ。この写真データは今や我が家の家宝となった。

桑名さん、どうもありがとうございます!少しでもお役に立ててよかった。今日のコンサートもMarshallはいい音で鳴ってくれたし、私も一枚一枚心を込めて写真を撮らせていただきましたよ!

560v原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

570さて、この後、原田喧太はギタリストの祭典『Live Rokugenshin』に出演する。
山本恭司さんをはじめとした日本を代表するスーパーギタリストたちが奏でる日本の美しいメロディをテンコ盛りに収録したコンピレーション・アルバム『六弦心』&『六弦心 vol.2』のライブ・バージョンだ。

580v日程は9月21日の<Rock Day>と22日の<Crossover Day>の2日間。
場所は東京キネマ倶楽部。
喧ちゃんのは出番は21日の<Rock Day>。
是非応援に来て欲しい!

Live Rokugenshinの詳しい情報はコチラ⇒六弦心Official Website

東京キネマ倶楽部の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

昨年の10月、マサヤンが亡くなった時、私なりの弔意と思い出を個人のブログShige Blogに認めた。そちらの方も是非ご覧頂きたいと思う。
Shige Blogはコチラ⇒桑名正博さんのこと

590

※この素敵な企画に参加させてくれて、出演者の皆さまから写真使用の了解まで取り付けてくれた我が友、原田喧太にこの場をお借りして心から感謝申し上げます。

※明日のMarshall Blogの更新は午後6時頃を予定しております。

(一部敬称略 2013年8月7日 渋谷MUSIC EXCHANGE DUOにて撮影)

2013年9月17日 (火)

マサヤン天国ロック生誕60祭 ~HeavenS MASAYAN ConnectioN LIVE 2013~<前編>

8月7日は桑名正博の誕生日だ。今年でいよいよ60歳。誕生日当日、還暦を迎えたイベントがに盛大に催された。
題して『マサヤン天国ロック生誕60祭~HeavenS MASAYAN ConnectioN LIVE 2013~恒例マサヤン生誕祭specialザ・還暦』。

10_3会場の入り口にはマサヤンのお気に入りだったという写真が展示された。

30_3どれも在りし日のマサヤンを偲ばせる素敵な写真たちだ。

40今日のイベントのフライヤー。一枚の写真をベースにイラスト風にアレンジしたのはマサヤン自身だった。
この写真がお気に召していたのか、facebookのプロフィールにもこの写真が使われていた。

50会場入り口に設置されたお誕生日を祝う飾り付けもバッチリ!。

60入場するお客さんひとりひとりをマサヤンが歓迎してくれる。

70_2開演前のステージにはマサヤン愛用のギターが…。

80_2このギターも次々と入場してくるお客さんを大歓迎しているように見えた。「今日もまた盛り上がろうぜ!」って。

90vオープニングはホスト・バンドのKUWANA FAMILY BAND。

100_3まずは原田喧太のボーカルで「アローン・イズ・マイ・ライフ」。

マサヤンとは30年以上のつきあいだった喧ちゃん。今夜のこの祭りも彼の企画。だから他の人には到底できない素晴らしいイベントとなった。

120v_2ギター&ボーカル、井上尚大

130v_2ベース、橋本達也。

140vドラム、高木太郎
太郎さんはSavoy Truffle時代、Marshallの新商品発表会を大阪で開催した際、お手伝いをしていただいた。それからまったく交流はなかったが、2年前になんばを歩いていてバッタリ!それからまたお付き合いをするようになり今日に至っている。縁ってホント不思議だ。

150v_3キーボードは浜崎明子

165井上さんのボーカルで「早く抱いて」。

160v_2ここからマサヤンを偲ぶ多数のゲストを迎えてショウは進行していく。

110
最初のゲストは「バカな男のR&R」を歌ったヘッケル田島と…

170v越中克彦

180v_2今回のショウではアコースティック・ギターの使用率が高かったが、エレクトリック・ギターを弾く場面ではもちろんMarshallが登場した。

190v愛用のJVM410Hと今日は1960Aを組み合わせている。
マサヤンにも何度かMarshallを使ってもらったっけ…。喧ちゃんのギターを通じてはもちろん、Marshallもマサヤンの音楽の手伝いをさせてもらったことを誇りに思う。

200v_2JVMはクリーンにディストーションに八面六臂の活躍をした。

210_3続いてのゲストは下田逸郎

220_3下田さんは、先の「バカな男のR&R」もそうだが、数々のマサヤンの名曲の詩を書いた人。
ここでは同じく下田さんの作詞による名曲「月のあかり」を熱唱。
270v_2名曲中の名曲だけあって喧ちゃんのギターにも感情がこもる。

240vそして、桑名晴子が加わる。

250_2「夜の海」…

260vさらにもう1曲、「ひとひら」をトリオで演奏した。

280_2物静かで重厚な演奏は長い旅に出たマサヤンに語りかけているようだった。

290_2ステージ正面にはところどころの場面でマサヤンの姿が映し出される。
やっぱりこの歌声は男の私が聴いてもゾクっとくるナァ。また生で聴きたいナァ。

300_2そして、晴子さんが語る兄の思い出…。

305v_2その思い出を胸にウクレレを手にしてマイクに向かう。

310_2「Waht's Going on」を弾語る。

320_2これがまた曲と歌声とアレンジが完璧にマッチした知る感動もののパフォーマンス!

330ギターに持ち替えてもう1曲。

336vゲストのヴァイオリニスト、白須今も加わった。

335さらにゲストの出演が続く。

りりぃはギターとのデュエット。

340_2「暗い歌でごめんなさい」と言いつつ、ジックリと歌い込む。

345vそのりりぃさんの重みのある歌声と深遠な世界に会場は水を打ったように静まりかえり、観客の視線はひとえにステージに注がれた。

350v_2今度はゴスペル。

360_3亀渕有香が「Amazing Grace」を歌う。

380v感動を与えることしか知らないかのような歌声に、このコンサートがまさに「歌」で埋め尽くされていることを思い知った。

370v_3さて、ステージは一転。

390_2
今陽子の登場だ!

420v_2ド迫力の「セクシャル・バイオレットNo.1」!
今さんは今年4月にリリースした、60~80年代の男性アーティストの名曲をカバーしたアルバム、『今昔歌~ピンキーの男唄~』でこの曲を歌っているのだ。

400vソウルフルな陽子さんのボーカルにエキサイティングなギターで応える喧ちゃん!

410_2明るくはつらつとした圧倒的なパフォーマンスでコンサートの中盤を大いに盛り上げてくれた。

430_2出ずっぱりの喧ちゃん。企画だけでなく、歌にギターにと音楽に没頭する姿は、まるですぐ横にマサヤンがいたかのようだった。イヤ、本当にいたに違いない!

さて、昨年の10月、マサヤンが亡くなった時、私なりの弔意と思い出を個人のブログShige Blogに認めた。そちらの方も是非ご覧頂きたいと思う。

Shige Blogはコチラ⇒桑名正博さんのこと

440vさて、この後、原田喧太はギタリストの祭典『Live Rokugenshin』に出演する。
山本恭司さんをはじめとした日本を代表するスーパーギタリストたちが奏でる日本の美しいメロディをテンコ盛りに収録したコンピレーション・アルバム『六弦心』&『六弦心 vol.2』のライブ・バージョンだ。

460v日程は9月21日の<Rock Day>と22日の<Crossover Day>の2日間。
場所は東京キネマ倶楽部。
喧ちゃんのは出番は21日の<Rock Day>。
是非応援に来て欲しい!

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東京キネマ倶楽部の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

450_2原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

470_2<後編>につづく

※この素敵な企画に参加させてくれて、出演者の皆さまから写真使用の了解まで取り付けてくれた我が友、原田喧太にこの場をお借りして心から感謝申し上げます。

(一部敬称略 2013年8月7日 渋谷MUSIC EXCHANGE DUOにて撮影)

2013年9月16日 (月)

アンビエント・ミュージックの愉しみ~NEBULA『On Earth』発表

それにしても多彩な人だ…伊藤広規。

「才能のある人」ということになるのであろう。いくつもの楽器を巧み弾きこなし、本職のベースを弾いては数々の名バンドを猛烈にグルーヴさせ、自らも高水準な音楽をクリエイトする。

しかし、才人特有の気難しさが見事に皆無で、居酒屋では濃い目に割ったキンミヤ焼酎の大きめのグラスを片手に、「レンソウとカキのバターいため」や「特製ジャンボ・メンチ」をおいしそうに口に運ぶ姿が実に魅力的だ。

そんな広規さんが大きなステージで必ず使うベース・アンプはMarshallだ。1992S UPER BASSのフル・スタックやVBAのハーフ・スタックを背負って絶妙にバンドをドライブさせる様子はカッコいいことこの上ない。

Nbimg_2727これは今年6月に発売されたアルバム『Water Color』。伊藤広規のアーカイヴ・シリーズの第1弾。

まったりムードが横溢する世界にドップリつかり、愛聴している人も多いと聞いた。
私は光栄にもライナー・ノーツを執筆させていただき、ジャケット内の写真も私が撮影したものをご採用いただいた。うれしいなったらうれしいな!

Wc2

そして、これは8月28日に発売された松下誠とのユニット「NEBURA」のアルバム『On Earth』。
いわゆるアンビエント・ミュージックの作品だ。

「聴かれることを拒否する音楽」…とはNEBULAの音楽に対する誠さんの言葉。誠さんのこの言葉はまさに至言と言えよう。

昔、父に命ぜられて千葉の禅寺へ行かされたことがあった。お坊さんからその時に教わったのは。「座禅を組む時にな何も考えてはいけません。『無』になるのです」…ということ。そう言われると「何も考えない」ということを考えてしまって『無』になることなど到底できやしない。
そこで、薄眼を開けて畳のヘリに目をやりながら1~10までひたすら繰り返し数えろと指導される。ところがこっちはまだ血気盛んな時分で、雑念の権化。とてもじゃないけどできなかった。

もし、あの時『On Earth』が座禅の最中にBGMで流れていたら『無』になれたかもしれない…。

Th_img_1288
今回も『On Earth』の解説を書かせていただいた。

私をよくご存知の方は「アンビエントなんて聴くの?!」なんて驚くかもしれない。
実は私はアンビエント・ミュージックとは以外に早い時期に出会っている。中学3年の頃な?1977年ぐらい?

当時、King CrimsonやRoxy Musicが大好きで、ひと通りバンドのオフィシャル盤を聴き終え(双方、もう活動をしていなかった)、メンバーのソロ作や周辺のミュージシャンに興味を持っていた頃だった。
そこで「ナニこれ?!Robert FripとBrain Enoがいっしょにやってるアルバムなんてあるの?!」と狂喜乱舞した。

『(No Pussyfooting)』である。

まだ、「アンビエント・ミュージック」などどという言葉は一般の人の間では知られていなかったと思う。国内盤が出ていなかったので輸入盤を買った。

聴いて愕然とした。
ナニも起こらないのだ。山も谷も、ヨコもタテも、表も裏も、上も下もない音楽だったのだ。「ナンダこの音楽、どっか壊れてるんじゃねーの?」と、繰り返し聴くことはなかった。
つまり、私はどちらかといえばアンビエント・ミュージックの門外漢なのだ。

それだけに今回は新鮮な感覚で『On Earth』に接することができた。
アンビエント・ミュージックに関して調べているうち、ライナーに書いた通りEnoが意外な音楽から影響を受けていることも知った。

Th_img_1289『On Earth』を聴いた人が寝入ってくれれば、我が意を得たり…なんて広規さんはおっしゃっていたが、イヤイヤ、やっぱりこの2人の才気あふれるミュージシャンのこと。
自然にその演奏に耳が張りついてしまうのは仕方がないことなのよ。
もちろんボーっとするなり船を漕ぐなり味わい方は自由だ。

「癒し系の音楽」がお好みの方、あるいはそうした音楽をお探しの方、是非、聴いて頂きたい。

Nbimg_2841この後、広規さんが参加した未発表音源盤がもう一作発表される。これも楽しみ!
それまでは上記2作以外にも既発のアルバムで「伊藤広規」を楽しんでいただきたい。双方、私が解説と写真を担当させていただいた。一生懸命やりました。


『A*I』
青山純との超ド級のリズム隊の至芸を収録した名盤にして奇盤。何せ2枚組のウチの1枚はベースとドラムだけ。そして、もう1枚はそのベースとドラムの音源をゲスト・ミュージシャンが好きに料理した曲が並ぶ。
AとIのコンビネーションがなぜ日本のリズム界の最高峰に君臨しているかが理解できるアルバムだ。
プロデュースはホッピーさん。

Ai

『Relaxin' at IWAKi ALIOS』
2010年10月「いわき街かどコンサート」のライブ盤。
A*Iのリズム隊に森園勝敏、中村哲、そしてKaz南沢という音楽達人が集って奏でる大人のロック。タイトルはCharlie ParkerのCのブルース「Relaxin' at Camarilo」から拝借した。
スルメを5枚重ねたような噛みごたえのある味わい深い演奏は何回聴いても飽きないわ~。

Alios

伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規公式ウェブサイト

Nbimg_2702(一部敬称略)

2013年9月13日 (金)

D_Drive ~ Driving Rock Revolution 2013 Summer in TOKYO~

D_Drive、東京での2回目のワンマン・コンサート。

10_2
前回は昨年の8月だった。Marshall Blogでもレポートしたが、その模様を収録したライブDVDも発表され大好評を博している。ジャケットの写真もいいね!

Ddvd_ あれから一年。早くも2回目のワンマンを開催した。

20_4 会場は超満員。ご覧の通り、休むことない全編ノリノリ状態だった。
ホント、D_Driveのものすごい勢いを実感する。

30_2Seiji

40v_2Yuki

50v_3Shimataro

60v_4Chiiko

70v_2いつもの「D_Drive」のバリトン・ボイスから入った1曲目は「Hyper Driving High」。

70
あまりのウケように呆然とするYukiちゃん…というワケではないのだろうけど、それぐらいの大騒ぎ!

80_5続いて「Drive in the Starry Night」。

90_2まずは2曲「Drive」で固めた。なんたってコンサートのタイトルが『Driving Rock Revolution』だからね。

100_2そしておなじみ「M16」。

110v_2MCをはさんで鐘の音から「Escape from」。「Lost Block」」、「Runaway Boy」。

120v「Unkind Rain」、「Champagne」、「Peach Fizz」…ファースト&セカンド・アルバムからバランスよく配置された選曲。

130v4人の個性が強調し、そしてぶつかり合う。

140
今回はChiikoちゃんふがドラム・ソロを披露。

Dd_img_0294パワフルなパフォーマンスに大喝采が送られた。

Dd_img_7099
前半は残すところあと1曲。「Mr.Rat Boots」をプレイ。

Dd_img_6928フト気がついたYukiちゃんの御御足(おみあし)。ハイヒールでワウは踏みにくかろうなァ…と思ってサ。そしたら最近足を痛めちゃったんだって。キャワイそう…。お大事に!

Dd_img_7282エフェクターを並べ替えるのは楽しい。音楽の機材も釣りの道具といっしょだからね。あーでもない、こーでもないと試行錯誤するのがまた悩ましくもうれしい。私も現役の頃はよくやった。

色々やってみたけど、私の場合はJMP時代の1959に1960AX、それにOD-1とCHORUS ECHOがあれば結局十分だったな~。

Seijiさんなんかは特にそれを楽しんでいるようだが、どんなに足元をイジくったとしてもMarshallの音を尊重してくれているのがうれしい。
ツイン・リードやバトル、なにかと2本のギターが交錯するD_Driveのレパートリーだ。やはりMarshallぐらい音の輪郭がシッカリして抜けてくれないと困るのだ。

160v…と盛り上がりに盛り上がって前半を終了。

170ここでゲストのSHARAさん登場!

180
おなじみのイントロは「More」。

190_4今日はSHARAさんはJVM210Hを使用。いつもはJVM410Hね。いずれにしてもSHARAさん独特音の分厚さはいつもと同じ。
出ないんだよね~、この音が!

200vD_DriveはSHARAさんのmintmintsとダブル・ヘッドライナーをこなしているので同じステージに立つのは初めてのことではないが…

210_2やっぱりSeijiさんもYukiちゃんもうれしそうだった。

220_2SHARAさん、渾身のソロ!

230MCではSHARAさんからD_Driveの紹介があったりして、これがまた大爆笑!

240_2SHARAさんとの共演、2曲目はうれしい「Radio Magic」。

250SeijiさんとYukiちゃんがあのメロディをハモリで弾く。
ドワ~、メッチャかっこいい!鳥肌…と感動していたらすかさずSHARAさん、私の方を見てニヤリとドヤ顔!
ん~、インスト・シェイカーもいいかもな。MARCYさんには申し訳ないけど…。

260_2どこへ行っても大人気のSHARAさん。

270タップリとソロを弾いてくれてお客さんも大満足。

280vあのポーズもみんなバッチリ!

290みんな楽しそうでしょう?!

300やっぱり名曲はどう料理してもだね。

310ア~っという間の2曲でした!


石原SHARA愼一郎の詳しい情報はコチラ⇒official website

320後半1曲目は「Mystery Zone」。
「こんなにいい人は見たことがない」とSHARAさんのShimaちゃん評。ホントいい人だけどプレイは強烈!持ち前のテクニックをウマイ具合に曲に活かす人だ。ウチの下の子もよく言われるが、正真正銘の日本民族だ。
340Sharaさんから「野獣」と呼ばれているChiikoちゃん!もちろんドラム・プレイのことよ!
330v_2
「Among the Destruction」を経て…325
D_Drive東京での2回目のワンマン・コンサートもいよいよ佳境に突入する!

350
「ロシアン・ルーレット!」といつも通りのYukiちゃんのタイトル・コール。

Dd_img_7283 曲中にメンバー紹介を挿入。

360_2つづいて「Screw Driver」。
380_2「Over REV」をプレイして本編を終了。

390本編全17曲。すさまじい演奏だった!

400_2<現在カーテン・コール中…アンコール、アンコール!>

さて、この後、D_DriveのSeijiさんとYukちゃんはギタリストの祭典『Live Rokugenshin』に出演する。
山本恭司さんをはじめとした日本を代表するスーパーギタリストたちが奏でる日本の美しいメロディをテンコ盛りに収録したコンピレーション・アルバム『六弦心』&『六弦心 vol.2』のライブ・バージョンだ。

406vf
日程は9月21日の<Rock Day>と22日の<Crossover Day>の2日間。
場所は東京キネマ倶楽部。
D_Driveは21日の<Rock Day>に出演する。
是非応援に来て欲しい!

Live Rokugenshinの詳しい情報はコチラ⇒六弦心Official Website

東京キネマ倶楽部の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

405
アンコールはおそろいのTシャツに着替えて登場。このTシャツがまた大好評なんだって!

410
アンコールの1曲目はその『六弦心 vol.2』に収録されている「どこかで春が」。
ふたりがこの曲を弾くのを生で見るのは初めてではないが、この4人で演奏するのに接するのははじめて。
可愛くてイキがよくてとてもD_Driveによく似合う。まるでオリジナル曲のようだ。

430
そうそう、どうしてもこうしたメタル調のバンドってマイナー(単調)の曲が多くなってしまうのが常のようだが、カリプソみたいな明るいタイプの曲をやっても十分おもしろいと思うんだけどな。

ちょっと脱線するけど、アルト・サックスのPhil Woodsに『Live at Showboat』というライブ盤があって、それに「High Clouds」という曲が収録されている。これはサンバのリズムに乗ってPhil WoodsとHarry Leaheyというギタリストが延々と超絶技巧フレーズをハモり続けるというスリリングかつ楽しい曲。キーがメジャーなところが余計にカッコいい。
こういうのD_Driveがやったらおもしろいだろうナァ。メタル派の人に怒られちゃうか?

でもね、D_Driveもへヴィ・メタルを礎に、貪欲に色んな音楽を吸収してアウトプットしていくべきだと思う。ナゼかいうと、この4人だからできることや、この4人にしかできないことってたくさんあると思うからなのだ。

420お待ちかねの「Cassis Orange」でアンコールも幕を下ろした。

440Shimaちゃんも!

450この熱気が伝わるだろうか?!

460Seijiさんも今回のワンマン・ショウで相当確固たる手ごたえを感じたのではなかろうか?
この後、9月上旬には名古屋でのワンマンも大成功に収めた。まさにDrive真っ最中のD_Driveなのだ。

470
発見!スゲ。Seijiさんのポーズ、本編の最後と完璧に同じ。さすが、「完璧」がモットーのSeijiさんだ!

480D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

490(一部敬称略 2013年8月3日 渋谷Rexにて撮影)

2013年9月12日 (木)

田川ヒロアキ 『夏のスピードNIGHT』

官民(?)の別を問わないヴァラエティに富んだ活動で着実にキャリアをアップしている田川ヒロアキ。
色んなコトやってるよ~、しかし。

10今日は『夏のスピードNIGHT』と題したお得意のセッション。「スピードNIGHT」だって!タイトルだけでワクワクするジャン?

20メンバーは…!

30キーボードに石黒彰
40v
ベースはIKUO

50vドラムに菅沼孝三

60vそしてリーダーは田川ヒロアキ。こりゃスピード出るよ~。ホラ、アクセル踏んでるもん。

70v今日のMarshallはJCM900 4100と1960A。

80vオープニングは最近定番になっている「Seascape」。そして「Stranger Destroys Arms」。

さらに「Fly Away」。ここまですべてファーストアルバム『Fly Away』からの選曲。
ナンダナンダ、初心に帰ったのかな?

続いては今年5月に発表した『Ave Maria』から「メンデルスゾーン~ヴァイオリンコンチェルト(ショパン~別れの曲)」。
さすが石黒さんとのイキもピッタリだ。

100そして、次に控えしは。実は今回のコンサートの目玉のひとつ。これも『Fly Away』に収録されている曲…

110v「Space Walker」。
ナント、この曲をステージで演奏するは初めてだったという。
予てからリクエストが多い曲だったが、なかなかメンバーとの調整がうなくいかず出来ないでいた。
それを、今回このメンバーでとうとう実現したのだ。

120道理で張り切っていると思った!
ステージ初演も難なくこなし会心での出来で第一部を終了させた。

130
<休憩中>
ドッカ~とはいわないが、着実に、確実に、やっと、ずっと売れ続けている『Ave Maria』。こういうのは名盤になるんですよ。
毎回いっとりますが、ジャケットもよろしい
140cd第二部もこれまた定番のア・カペラのギター・ソロで幕が開けた。

150v相変わらず見事なお手前で…。
毎回少しずつ違うことをやるところがまたニクイね。

160左手が目にも止まらぬスピードで指板の上を滑って行く。
クライマックスまで一気に上りつめスカっと弾ききった!

170v_2続いては孝三さんのソロ。

180vディジュリドゥからスタート。孝三さん、サーキュレーションうまいな~。管楽器の連中はこれをマスターするのに苦労してるってのに。
このテクニックにおいて管楽器でスゴイのはWynton MarsalisとRahsaan Roland Kirkでしょうな~。Charles Mingusの『Mingus at Carnegie Hall』の「C Jam Blues」のRahsaanなんかは痛快無比。ロック・ファンでも十分楽しめる。もはやMarshallを使ったハードロック?!

190おかげさまで孝三さんのソロは10年以上何回も拝見させて頂いているが、まったく飽きないな~。大好き。

200テクニックとギャグの応酬。飽きないドラム・ソロはこの世の奇跡だ!

210手数セッション等でも共演しているふたり。
今日は新しい試みに挑戦だよ。

220孝三さんはカホンをプレイ。
250vそれにヒロアキくんがスパニッシュ風のギターでくんずほぐれつ!

240孝三さんのすさまじい速叩き!(っていうの?)
やっぱりここでも「スピード」!

230v
そして、複雑極まりない「Symphony」。

260これは第二部の目玉かな?
一糸乱れぬ演奏が素晴らしい。

280ここでガラっと雰囲気を変えて「Ave Maria」。
これがまたとびきり美しい。
これだけゆったりしたメロディをそのまま弾くのはなかなか勇気のいることだ。
ところがヒロアキくんは自慢のトーンで弾ききってしまう。できればいつものJMDで聴きたいところなのだが…。

270v本編最後は『Ave Maria』収録のキラー・チューン「Speedway」。

385v各人のソロがフィーチュアされる大興奮の1曲!

300v
石黒さんのムーグ・ソロ炸裂!いいよね~ムーグって。

295音をベンドさせているところ。弾いていない方の手と口も使う大熱演!ものすごいスピード・フレーズ!

305v全編を通じてカッコいいベースラインを提供してくれたIKUOさん。

320vここへきてソロ爆発!

330vすさまじいスラップ!メチャクチャかっこいい!

350vスピード感あふれるスリリングなベース・ソロ。ずっと聴いていたい!

360
…とおお盛り上がりのうちに本編が終了。

370vアンコールはヒロアキくんのボーカルで「All my Loving」。

あ~、おもしろかった!メンバー各人のスピード・プレイでタイトル通りのパフォーマンスを完遂した。

380さて、この後田川ヒロアキはギタリストの祭典『Live Rokugenshin』にゲストとして登場する。
山本恭司さんをはじめとした日本を代表するスーパーギタリストたちが奏でる日本の美しいメロディをテンコ盛りに収録したコンピレーション・アルバム『六弦心』&『六弦心 vol.2』のライブ・バージョンだ。
410v日程は9月21日の<Rock Day>と22日の<Crossover Day>の2日間。
場所は東京キネマ倶楽部。
田川ヒロアキは当然21日の<Rock Day>に出演する。石黒さんも出演だ!

Live Rokugenshinの詳しい情報はコチラ⇒六弦心Official Website

東京キネマ倶楽部の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

400今日は残念ながら自前のMarshallではなかったが、田川ヒロアキの大きな大きな魅力のひとつは彼が作るギターの音色だ。
「イヤ~、Marshallや他の機材のおかげですよ~」と謙遜するが、その音の秘密のカギは言うまでもなく彼の「指」だ。

ギターの弾き方は完全に間違えちゃってるけど、音色は正統派もいいところ。エレクトリック・ギターの音色のもっとも美しい部分を引き出していると思う。

『ライブ六弦心』では愛用のMarshall、JMD501を持参するので、並みいる強豪ギタリストの中でどう立ちまわるかも見どころのひとつとなるハズだ。

それから、筑波サーキットに続いて、富士スピードウェイでの演奏がキマッタそうだ。やっぱり「スピード」!開催は10月19日。
車好きのヒロアキくんのこと、ヤル気マンマンで本番を指折り数えて待っていることだろう。

ギターとMarshallってホントにいいもんですな…。

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

420v(一部敬称略 2013年7月31日 高円寺SHOWBOATにて撮影)

2013年9月11日 (水)

諸星和己 with sun-go!~『BIRTHDAY LIVE Volt-age43』

毎年誕生日に開催されるという諸星和己のライブ。一度観てみたいと思っていた!

10諸星和己!
180vギターは我らが五十嵐sun-go美貴!
そう、SHOW-YAのsun-goさん。mintmintsのsun-goさん。
もう長いことsun-goさんがかーくんのサポートをしているのは知っていたんだけど、観る機会がなくて…でも、ようやくチャンス到来。
かーくんサイドからの協力を頂戴し、ガッツリと取材させていただいた。

30vこれが期待通り。かーくんの熱唱と腕利きミュージシャンのコラボレーションで極上のロック・コンサートなのだ!

40vかーくんとsun-goさんのコンビネーションもバッチリ!

50sun-goさんとMarshallのコンビネーションもバッチリ。

60vいつもと同じJVM410Hと1960BDMのセットだ。

70v…ということは…

80ロック・サウンド超全開のワイルドなステージなることは必定!

90大歓声の中、登場した、かーくん。
1曲目は「Call~Pin.K your soul my beat~」。

100sun-goさん、すっかりいつもの調子で轟音を鳴り響かせる!

110v2曲目は「Shout!!」。

120v曲調はSHOW-YAにもmintmintsにもないファンキーなものだが、sun-goさんなかなかどうして!
150v楔を打ち込むようにへヴィなバッキングを提供する。

130v
3曲目は「SHAKE IT」。

210ステージはかーくんが当然中央に立つ。sun-goさんはキーボードといっしょに上手。このステージのコントラストが実によろしい。

240v
「So What」では渋いハープを一発!

155vもちろんダンスも完璧!

156「monologue」では椅子に座ってしっとりと…。

157かーくんもかなり多くの場面でギターをかき鳴らす。

170v感情を込めて心の奥から声を絞り出すようにして歌う姿も圧巻だ!
160メンバー紹介では手を高々と上げて声援に応えるsun-goさん。

190v「え、ナンだって?」…どこへ行ってもイジられるsun-goさん。それも人気の秘密!キャワイイから。

200v宙を舞っているのは水の入ったPETボトル。「ここは水ダメなんだ」というかーくん。え、いつもは一体この場面でナニやってんの?!
250踊っているワケではない。mintsではないのだから。

写真がなくて恐縮だが、このバンドではsun-goさんのコーラスの出番がかなりあって、そちらの方でも大活躍だったことを書き添えておこう。

230v文字通りステージと客席が一体となった完璧な盛り上がりぶりで本編が終了。

220vアンコールではバースデイ・ケーキも登場。Happy birthday!

260vこのsun-goさんは珍しいんじゃない?…

Km_img_9895 SHOW-YAでは見られないアコースティック・ギターの激しいストラミング!
290vかーくんとダブル・アコギ!

280
この日はサイド・ギターに徹したsun-goさん。最後の最後にステージ中央で颯爽とソロを披露した!

310
最後の最後までエンターティナーぶりを発揮したかーくんなのであった!

300v五十嵐sun-go美貴の詳しい情報はコチラ⇒Official Blog

140v
アンコールを含め全18曲を熱演したかーくん。大歓声に応えて手を上げる。

320諸星和己の詳しい情報はコチラ⇒KAZUMI MOROBOSHI Official Website

33010月14日をもって横浜BLITZが閉鎖するそうだ。
最初にココで観たショウはShigeo RolloverとMR.JIMMYのダブル・ヘッドライナーだった。超満員だったっけ。それからZappa Plays Zappaも観に来たな。
場所がらそう頻繁に訪れたワケではないが、やっぱりさびしいね。

340(一部敬称略 2013年8月12日 横浜BLITZにて撮影)

2013年9月10日 (火)

SHOW-YA~QUEENS BIRTHDAY <後編>

さて、『寺田恵子生誕50周年&23年ぶりシングル「V.S. MYSELF」リリース記念興行』の<後編>いきま~す!

昨日も信じられないくらい多数の方々がMarshall Blogにアクセスしてくださて感謝感激!PCが爆発するかと思った!
SHOW-YAはMarshall Blogの中でも頻出するバンドのひとつだが、記事をアップするごとにドンドンとアクセス件数が伸長している。

そんなことからもホント、ものスゴイ勢いを感じるね~。昔からSHOW-YAを知る方々の多くも「今が一番カッコいい!」とおっしゃってる。素晴らしい!

その勢いの表れがこの23年ぶりにリリースされたシングル『V.S. MYSELF』。「SHOW-YA史上最速曲」というのも気合が入っている証拠ではなかろうか…。
以前にもこのシングルのことと、今回レポートしているコンサートの速報、さらにまつわる他の話題を扱った記事をShige Blogに掲載しておいたのでそれらもご参照されたい。

Shige Blogはコチラ⇒寺田恵子生誕50周年記念興行『QUEENS BIRTHDAY』

10cdコンサートは、「恵子さんコーナー」を経て後半に入る。

キャプテンのキーボード・ソロ。
20_2SHAOW-YAのコンサートの中でも好きなパートのひとつ…。

30vいつも通りのシンフォニックなプレイだが…

50v
「I can Tell You」を挿入。

40_2キマッた!

60_2続いてはmittan!

60vいつも通りのパワフルなプレイだ。

70v_3

80

90〆はいつも通りドラ!

100v_2大きな歓声に応えて力いっぱい打ち抜いた!

110v_2
さらに、mittanが送り出すのエキサイティング8 ビートに乗って登場したのはさとさん。

130_2

140v♪ガリガリゴリゴリゲリゲリ、ド迫力のプレイとアクションでソロ・コーナーのトリを務めた。

150お得意のポ~ズ!

160_2そして、恵子さんからメンバーが紹介される。

この日お誕生日の寺田恵子

170v_2仙波さとみ

180v角田"mittan"美喜

190v_2中村美紀

200v五十嵐"sun-go"美貴

210_2ここでサプライズのお誕生日セレモニー!

211「姐さん お誕生日おめでとう!」と恵子さんに赤いバラをあしらった特製ケーキが登場。

212v
みんなでお祝いだ!

キャプテンが「これもブログにアップしてね~!」って。ブログとはこのMarshall Blogのこと。よろこんで!
mittanは自慢のカメラでシャッターチャンスを狙う!

213カメラマン、mittan。

Sy_img_9046 恵子さん、うれしそう!

215vステージで日が使えないので電子ローソクをフー。

216vいくつになってもお誕生日はうれしいもんですナァ。

217しかもこんなにたくさんの人たちに祝ってもらって!

記念撮影。もちろん広げた手のひらは「50」を表してます。
恵子さん、お誕生日おめでとう!

218さてこの盛り上がりムードのままコンサートは後半に突入!
450v「You Turn me Over」

220v
230_2
250v_2
270v_2
310_2「OUTSIDER」

260v
390


330v_2
240そして、MCをはさんでいよいよ最後のブロック。
恵子さん、「可愛い部門」のキメのポーズ。「オラ、カメラマン、今撮んないでどーすんだ!」と怒られつつ撮らせていただきました!
カワイッしょ?
470vもうこのあたりになると早い曲しかないけんね。SHOW-YAが真骨頂を見せる圧倒的な場面だ!

340_2
「Rolling Planet」!
290回せ~!

280v_3

300v「BATTLE EXPRESS」

350v
370v
410_2「ギャンブリング」
360

380

420v_2このプレイにして、このトーン。やっぱりsun-goさんとMarshallのコンビネーションは完璧だ!
500本編の最後は「限界LOVERS」。

430

440
アンコール。今日のカーテンコールは一段とパワフルだった。

480_2「私は嵐」

400vいつもアンコールはおそろいのツアーTシャツでステージに上がる5人だけど、今日はみんな着がえずに本編と同じ衣装だ。

320v_2「嵐」お決まりのポーズ

490vとうとう最後の曲、「Fairy」。

520v_2「♪I can't see」…イエイエ、全部見せて頂きましたから!

510_2このコンサートの数日後には渋谷のTOWER RECORDSで『V.S.MYSELF』のミニ・ライブを開催した。そのようすはコチラでね!

530vエンディングに入るよ!

540_2サオまわしもバッチリとキマった!

550_2これにて全曲終了。

460_2感動のフィナーレ!

560アンコールを入れて全17曲(ソロ・コーナーを含まず)。この長さがまたいいんだ~。長くもなく、短くもなく、コンサートは2時間ぐらいがちょうどいい。体力も集中力もずっと保っていられるから。
最近のコンサートは長すぎるって!
でもSHOW-YAの場合はもうチョット聴きたいかな~。

570客席のみなさんにご挨拶。

あ~、今日もホントいいコンサートだった!

580_2ノン・マイクで「ありがとう!」と叫ぶ恵子さん。

590v_2終演後、恒例の握手会。

600v徹底して「50」をアッピールする恵子さんがカッコいい!手は40になってますけど…。あ、ピースか!

610終演後は例のジャケット用のお客さんの写真を数百枚撮ってクッタクタ!でもおもしろかったな~。
みんないい方々で、スゴイSHOW-YA愛。それにも感動した!

やっぱりいいロックにはMarshallがつきものだね!

これはこの日販売されたTシャツ。
SHOW-YAのシャツはいつもカッコいい。この図案の元の恵子さんの写真、私が撮らせて頂きました!うれしいです!

G_img_9801 SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAl SITE

620(一部敬称略 2013年7月27日 赤坂BLITZにて撮影)

2013年9月 9日 (月)

SHOW-YA~QUEENS BIRTHDAY <前編>

人間僅か五十年…

織田信長のお気に入りの言葉だったらしい。
日本人男性の平均寿命が50歳を超えて伸長し出したのはナント1947年以降のことだった。第二次世界大戦がなければもっと早かったのかもしれないし、戦争のおかげで医学が飛躍的に進歩して平均寿命が伸び出したのかもしれない。
もっとも平均寿命が50歳といっても、50歳になるとバッタバッタとまわりの人があの世に行き出すワケではない。
80歳、90歳まで長生きした人ももちろん大勢いる一方、医学が発達していなかったので生後そう時間を経たなくして、あるいは幼年期に亡くなった人もたくさんいた。そのため、結果的に平均で寿命が50歳ぐらいになっていたということだ。
でも、信長の時代には確固たる平均寿命の調査も統計もあったワケではないだろうから、実際にも50歳近辺で亡くなった人も多かったのだろう。

でも、50年なんてアッという間なのは間違いない。それどころか時間の経過がドンドン早くなってくるから困っちゃう。

今日と明日のレポートはSHOW-YAの『寺田恵子生誕50周年&23年ぶりシングル「V.S. MYSELF」リリース記念興行』と題されたコンサートのもよう。
10
以前にも書いたことがあるのは日本のJimi Hendrix(今はDYNAGON)、中野重夫の話し。
彼が50歳になった時、「ハハ、50になってもうた!でもギンギンにロックし続けるデェ!」とやや恥ずかしそうに私に言ったことがあった。
私は「シゲさん、何の問題もないよ!ストーンズを見てよ!ロックはまだ第一世代の人たちがバリバリにがんばっていて、何歳までロックができるか挑戦した人はまだいないんですよ!」

このことである。(久々の池波正太郎風)

昔は30歳ぐらいまでにある程度の成功を収められなければ、ロック界から身を引いていくのが普通であった。もちろん30歳を過ぎてもバンド活動をしていた人もたくさんいるにはいたが、「エ~、まだやってるの?!」と言われるのがオチだった。
ちなみにその頃は男子が30歳までに結婚しないのは尋常なことではなく、本人あるいは身の回りに何がしかの問題を抱えていると見られるのが普通だった時代だ。

ロックと50歳についてちょっと考えてみた。
私がロックを聴き始めた昭和50年(1975年)当時に50歳ぐらいだった人って大正末期か昭和初期に生まれた方々なんだよね。
ロックなんてない時代に生まれた人たち。最もロックっぽくてエルビス。音楽好きの方々のおそらく大半はシナトラとかクロスビーの歌声で青春を過ごした人達だ。モダン・ジャズもまだ前夜だ。してみると軽音楽の歴史なんてのはクラシックに比べれば赤ちゃんみたいなものだね~。

ハードロックもプログレもパンクもなかった時代。ビートルズが来日した時には家庭を持ってバリバリ仕事をされていた世代。
もしその頃にロックなんかやってる人がいたらまさにマーティ・マクフライ状態だ。

何を言いたいかというと、ちょっと前の50歳にはロックがまったくなかったってことなんですよ。つまり50歳でロックを演奏する人なんかいるワケがなかった。
それが今では30代なんて「若手」。50でもバリバリだもんね。同年輩としてうれしいです。

今、日本の現役ロックンローラーの最高齢ってどなただろう?内田裕也さんかな?
先日初めてステージの上の裕也さんを撮らせてもらった。モノスゴイ勢いだった。オーラとかそういうものではなくて、日本におけるロックを発展させた偉人が持つ減衰することを知らない変わらぬ猛烈なパワーを感じた。

音楽には国境や言葉の壁がないと言われるが、もはや年齢の壁もなくなったのだ。
だからいわゆるベテラン・ロックンローラーの皆さん、徹底的にがんばって生涯現役を貫いて頂きたい。

もうひとつ…今回の満員の赤坂BLITZを見て思った。やっぱりSHOW-YAのような音楽を必要としている人が限りなくたくさん存在するのだ。
あとはこの魅力をどうやって後の世代に「伝承」するか…だ。

恵子さん50回目のお誕生日おめでとう!

20当日は会場ロビーに撮影スペースが設けられ、思い出の、そして自慢のSHOW-YAグッズをウェブサイト上で競う『SHOW-YAお宝グッズ自慢大会!』と次回作のジャケットに掲載するお客さんを姿を撮影するコーナーが設けられた。

私が全部撮影させて頂いたんだけど、開演前、上演中、終演後と…Three Dog NightもビックリのHard Labour!
家内がキビキビとアシストしてくれたおかげで何とか乗り切った。

おもしろかったナァ。昔のSHOW-YAの写真やチケット、ファンレターの返事、衣類、果てはタトゥーまで…出るわ出るわ!
お客さんのポートレイト撮影も楽しかった。それにしても人間の顔のデザインってスゴイね。神様は才能あふれる偉大なアーティストだ。
数百人の人の顔を同じシチュエーションで見つめることなんて滅多にないでしょ?そうやって皆様のお顔を一気に拝見すると凄まじい数のバリエーションに驚きますよ。

皆さん思い思いの表情で写真に収まっていただきましたが、とにかく日本人は笑顔を見せないね。どうだろう、約半分の方ぐらいかな?
これが西洋人だったら間違いなく100%の方が歯を見せて笑顔を作るだろう。

以前はそんなこと気にもしなかったのだが、外国の人と写真を撮る機会が増えてきたある時、気がついたのだ。
撮った写真を見ると、その中で笑っていないのはいつも自分だけで、他の人たちはみんな歯を見せて微笑んでいる。自分だけつまらなそうにしてるように見えて恥ずかしくなった。

それ以降、写真を撮るときは、例え不自然でも必ずスマイルを作るようにしている…私はね。
でも、真面目な顔をして写真を撮るのは日本人の奥ゆかしさの表れのひとつで、決して悪いことではない。そんな上品でやさしく控え目な日本人も大好きです。

そういえば恵子さんをはじめ、写真ってポーズを取っている時を除けば、SHOW-YAのみんなっていつもニコニコしているよね。

30これはうれしい!
50歳以上の来場者には特性ステッカーがプレゼントされた。

40さて、コンサート…お見せしたい写真が多くて、ついたくさん載せすぎちまった!
少し削る?
イヤイヤ、我ながらもったいない!こんなにカッコいいバンドの姿を少しでも多くみんなにみてもらいたいからね。
それに冒頭でゴチャゴチャ書きすぎた!
…ってんでコメントがついていない写真もあるけど気にしないでね。書き忘れたワケではないので…。

ではでは!

いつも通り「Immigrant Song」に乗ってメンバーが登場。

今日のメッチャ主役…寺田恵子

70v_2弦楽器の主役、五十嵐"sun-go"美貴

80v鍵盤楽器の主役、中村美紀

90v低音域の主役、仙波さとみ

100v打楽器の主役、角田"mittan"美喜。

110vアララ、全員が主役になっちゃった!
でも実際そうなのだ。
この5人の役者がそろってこそのSHOW-YAなのだ。
60今日もsun-goさん、もちろんMarshall。

120vJVM410Hと…

1301950BDMの組み合わせ。
sun-goさん、このSHOW-YAタオルすっきだナァ~。私もお気に入りで大事に使ってます。

140安定したsun-goサウンドは重厚そのもの。

150vオープニングは「奪いとれ」

160恵子さん、今日はいつも違うワイルドな衣装でカッコいい!とてもよく似合う!

170v

180続いて「TROUBLE」。

190v

200

210ここでMC。モノスゴイ歓声だ。頻繁にコンサートを開いているワケじゃないからね。みんなこの日を指折り数えて待ってたから。
ステージだけじゃなく、客席のみなさんの笑顔を見るのもSHOW-YAのコンサートの楽しみのひとつ。特に今回は開演前にお客さんのお顔を撮影させていただいたからね。ナンカ余計に親近感がわいてくる!
220「Bloody Rose ~薔薇の紋章~」

230
240v

4804曲目は22年ぶりに発表したアルバム『GENUINE DIAMOND』に収録されている「Count 8」。

250vさとさんとmittanの共作ナンバーだ。

260

270vそして、ここで23年ぶりにリリースしたシングル『V.S. MYSELF』を紹介。

280v発売を記念する企画としてTOWER RECORDでSHOW-YAパネル展を開催し、また後日には渋谷のCUTUP STUDIOでミニ・ライブも開催された。
その模様はコチラ⇒SHOW-YA~LIVE at TOWER

290cd

300SHOW-YA史上最速のドライビング・チューンに会場は大騒ぎだ!

310キャプテンのキーボードに導かれるは…

320v「流星少女~Shooting Star 196X~」

330vホントすっかりおなじみになった新しいSHOW-YAのスタンダード。

340

350

360v新しいスタンダード曲に次いで演奏されたのはSHOW-YAクラシック。

370「水の中の逃亡者」だ。

380v

410

420v

430vそして「ONE WAY HEART」。

440v

450記録によるとどうも27年前の7月27日にもこの曲を演っているという。

460いかにもSHOW-YAらしい選曲ではなかろうか。

490ここで恵子さんコーナー。

500v「上を向いて歩こう」

510この曲は。先日の『NAONのYAONでも演奏されたが、それより以前、』2011年5月7日に日比谷公演の小音楽堂で開催された『MUONのYAON』の中でも重要な位置を占めた。
これがその時のようす。本邦初公開。

My_img_0002出演者と客席が一体となって大合唱をしたのだ。これは感動でしたよ!

My_img_0215 そして今回も!

520v「森のクマさんロックンロールバージョン」。みんな楽しそう。

530ここでsun-goさんもアコギを片手に登場。
まずは弘田三枝子の1969年の大ヒット曲、「人形の家」を斉唱。1969年といえばアメリカではウッドストックが開催された年だ。

540
これはその「人形の家」をサルサにアレンジした『サルサ人形の家』というアルバム。イプセンもビックリ!
ジャケットがいいでしょう?それもそのハズ、このジャケットはMarshall BlogやShige Blogのバナーのデザインを手がけてくれた下町のヒプノシス、梅村デザイン研究所の作品だ。

Ume おふたりで奏でるは「BLUE ROSE BLUES」。

550SHOW-YAの昔からのファンは涙が止まらなかったという。

560v何しろ最後にこの曲が演奏されたのが恵子さんの脱退ライブの時だというのだ。それ以来ステージで演奏されることはなかった。

570vん~、ジックリそした重くて深くていい曲だね~。恵子さんの歌とギター、sun-goさんのギターは歌の魂そのものだ。

590v
そして、昔からのファンがこの日流した涙は、以前見た時のこと思い出したからではなく、今、目の前にSHOW-YAがいて、ますますパワーアップしている姿を確認した感動の涙なのだと思う。

580SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAl SITE

<後編>につづく

600(一部敬称略 2013年7月27日 赤坂BLITZにて撮影)

2013年9月 6日 (金)

THICK~がんばれインスト・ロック!

「シック」といえば、Nile RodgersとBernard Edwards?イヤイヤ、ディスコなんてガラじゃない。
でもこのChic、本当は「シーク」って発音するんだって。いくら周りに外国人に接する機会があってもMarshallの仕事をしてればディスコの話しなんてしないからね…知らなかった。

私の場合はなんとっても『Thick as a Brick』だ。Jethro Tullの邦題が『ジェラルドの汚れなき世界』ってヤツ。内容もジャケットも大好き。今だに時々聴いてる。

ここでもういっちょ「THICK」。
某音楽学校の講師を中心メンバーにして結成されたギターとドラムのインスト・ユニットだ。
10ギターは篠原雅也。

20ドラムは野口広明。

30v
この6月に発表したのがこのCD『THICK』だ。
構想2年、制作期間3年という力作。
50cd
もちろん篠原さんはMarshallを愛用している。
60vJCM2000 DSL100と1936Vのコンビネーションだ。ん?コレのセットどこかで見たことあるって?

70v
そして、CDの発売を記念して『MOJO RISING』というイベントで都内のライブハウスにTHICKが登場した。
90vTHICKを紹介してくれた仲良しのギタリストといっしょに渋谷のPLUGへ赴いた。
ウワ!く、暗い!これは撮れん!あらかた全部といっても許されるぐらい都内のライブハウスで撮影してきたけど、これdarkestかもしれない。
…とビビりつつも照明が当たる瞬間をねらってシャッターを切った!

80
ベースはサポート・メンバーだ。
40v_2
最近はギターを中心とした歌なしのインスト・ロック・バンドが大活躍している。
インストゥルメンタル・ミュージックというものは当たり前のことだが歌がない分、楽器部隊の音楽的開放度が高く、十人十色、色んなスタイルがひしめき合っているところが実におもしろい。

SHARAさんの書くポップなメロディと分厚いサウンドが魅力のmintmints
独自の音楽世界と圧倒的なギターの音色で聴かせるインスト・ロック界のセロニアス・モンク、三宅庸介率いるStrange Beautiful & Loud
Van Halen以降のコンテンポラリーなギターテクニックを引っ提げてツイン・ギターでメタリックに迫るD_Drive
AxSxEさんの壮絶な破壊的なギターと病的な変拍子に乗って絶妙なアンサンブルを聴かせるNATSUMEN。
70年代のハード・ロックから歌を抜いてそのままパックしたかのような名古屋の重戦車、DYNAGON等々…どれこもこれも今第一線で活動しているグループはやはり聴きごたえのあるサウンドを誇っている。
もちろん、ギタリストはこぞってMarshallを使用している。

100
ここで世界に目を向けるとおもしろいことに気づく。
世界的な常識として、ギターを中心としたインスト・ロックの大ベスト・セラーはナント言ってもJeff Beckの『Wired』と『Blow by Blow』、それに時代が下ってJoe Satlianiの『Surfin' with the Alien』だろう。(テケテケは除く)
これらのアルバムはそうしたスター・ギタリストの作品という趣が違うが、先に挙げた日本のグループは、ギタリストのグループという印象が薄く、あくまでも「グループ」として自分たちの音楽を作っているように思えるのだ。

もちろん、日本にもギタリスト個人で絶大な人気を誇っているケースもあるが、ロックでは稀有なれいであろう。香津美さんのようにジャズの人たちはまたチョイと成り立ちが違う。

一方、海外のロック系インスト・バンド、そうだな…Soft Machineとか後期のGONGとか、 GilgameshだのIn CahootsだのBrandXだのとなると圧倒的にプログレッシブ・ロック系になってしまう。

こうして考えてみると、日本のインスト・バンドはヘタをするとJ-POPなんて強引にレッテルを貼って商売の糧にしている音楽よりもよっぽど日本独自のものであるのかもしれない…なんて考えてしまった。

もしかしたらThe VenturesのDNAが知らないうちに組み込まれてしまっているのかもしれない。The Venturesはもはや日本の音楽だと思う。

110
こうしたインスト・バンドが支持されている状況は、パンク/ニューウェイブ・ムーブメント以降器楽演奏レベルが低下する一方の音楽制作現場に警鐘を鳴らしているようで大変頼もしく思う。

このTHICKも同様だ。
135しかし、好事魔多し。
こうしたインスト・ミュージックは「両刃の剣」的な要素が多分にあって、器楽演奏が前面に押し出されるのはいいのだが、歌詞がない分曲のクォリティがすべてを決めてしまう。
しかも、ロックの場合、どうしても耳馴染みのいいメロディを宿命的に必要とするので尚更だ。そうでないとまったくおもしろくなくなってしまう。(Strange Beautiful & Loudは例外)

ジャズが存在できる理由はそこにあったりすのではないだろうか?
あんなアドリブ・メロディ、ワケわかんないでしょ?30年以上聴いている私でもいまだにワケわかんないだもん。だからこそ聴けるのね。
ジャズのアドリブが一聴してワケがわからないのは、ロックに比べてメロディの自由度がケタ違いに高いからだろう。だからおもしろいし味わい深いのね。

早い話し、当たり前のことだが人を惹きつけるメロディが作れるかどうかにかかっているワケで、いくら超絶技巧をこらしてfく雑な演奏を展開しても、曲がつまらなければ誰も魅力的に思わないということ。
大変な音楽なのだ。

140この日のTHICKの演奏はハードかつナイーヴ。緩急自在、密度の濃い演奏に徹した。

Th_img_5322 CDのうたい文句からするとよっぽどゲップが出るほど始終ギターを弾きまくっちゃうのかと思ったらさにあらず。
自分たちの音楽を大切にしたバランスのいいプレイだった。

Th_img_5301それを支えるリズム隊も協力!
130vテクニカルなベース・ソロも大歓声を浴びていた。
120vいつも書いていることだが、こうしたグループがドンドン出て来て、本当の意味で「楽器を弾く」喜びを若い人たちが再発見してくれることを願って止まない。
150THICKの詳しい情報はコチラ⇒Masaya Shinohara Official Web Site

Th_img_5304(一部敬称略 2013年7月24日 渋谷PLUGにて撮影)

2013年9月 5日 (木)

GRANRODEO LIVE 2013 ヤッホー ワンダホー FUJIYAMA!! <後編>

さて、ショウも中盤に差し掛かる。

05FIRE HORNS。
e-ZUKAさんがつのだ☆ひろさんを通じて今年知り合った方々だ。
tp、as、tbの三管編成。

10_2ファンキーなオリジナル曲を演奏。

20
40v

30_2富士の空にこだまする豪快なブロウ!

60v_2そして今度は三味線のKIJIが登場して超絶技巧を披露してくれた。

70ステージ脇にはロジャー君と…

80_2ジーナちゃんも出現!デカイ!

90vそして…

100_2GRANRODEOのふたりは衣装を変え、ショウは後半戦に突入する。
120v「愛すべきSTUPID」。
へヴィなギターリフ。ブリティッシュ・ロックのそれだ。

110v
鉄壁のリズム・セクション。
ベースに瀧田イサム。
130v_2ドラムに長井VAL一郎。
ふたりの超絶ソロもふんだんにフィーチュアされた。

150_2灼熱の「RIMFIRE」!
153疾駆するハードなドライビング・チューン。
151そして、めくるめく華麗なギター・ソロ!

152vステージ狭しと走り回るe-ZUKAさん。

154ジーナちゃんと並んでソロをキメる!

155_2ハードな中にキラリと光るポップなセンス。

ハードなサウンドにポップなメロディを乗せた曲を演奏するグループが日本にも大勢いるが、GRANRODEOはチト違う。
彼らのサウンドの中に「黄金期のロック」というものすごく太い幹が見て取れるのだ。言い方を変えると「日本で育ったロック」ではなく「海外のロックに育てられた日本のロック」だ。

156それがGRANRODEOの音楽の魅力だと思うし、だから私にも大変しっくりきて楽しい!

160素晴らしいジャンプ。これがこの日一番の高さ!

170ここでガラリと雰囲気が変わる…アコースティックセット。

180_2しっとりと歌い込む「SEA OF STARS」。
210vアコースティック・セットといってもギターはフルアコ。

190_2ES175Dタイプのギターから繰り出されるジャズ・連れーズは絶品だ。

ES175はGibsonのフルアコ・レンジの普及モデルだが、ビンテージで状態のいいものになるとL5にまったく引けを取らない素晴らしい鳴りを見せるギターがある。
ジャズ・ギター・アルバムの金字塔、Wes Montgomeryの『Incredible Jazz Guitar』は175で録音され、そのギターの持ち主はKenny Burrellだったというのは有名な話し。
220_2
アコースティック・セットが終わった…ということは~?!…

230_2もうこっからノリノリにキマってんじゃん?
260「偏愛の輪舞曲」。ワルツになるところがカッコいい!

285「メズマライズ」という言葉については前回解説したっけね?
250
どこまでもニコニコとサービス満点のe-ZUKAさん。

270ホント、このバンドはお客さんを喜ばせるのに「手を抜く」ということを知らないようだ。

290そして「アウトサイダー」。

300さらにたたみ込むように「modern strange cowboy」!

305しかし、スゴイ熱演だ!撮ってるこっちもひとときも目を離せないぞ!

310本編最後の曲は「Go For It!」。
「IGPX」はおもしろいね~。アレで「それじゃ~、次はメタボ改善の指導が必要なオッサン!」とかやられたらどうしよう?! 会場で私ひとりだけじゃん?!

コンサートのクライマックスだ!

あんなに何回も弾いてくれてるのにこの時のe-ZUKAさんのフレーズがわからない。どういうメロディかわからない。わからないままにしておこう。

320_2そして、じゃ~んぷ!

325オープニング曲も含めて怒濤の17曲!アッという間だった!

340_2もう大分暗くなった。山の中なので夜は相当冷えるのではないかと覚悟してきたが、そうでもなくて助かった。実に快適な一日だ。

350vすさまじいカーテン・コール!

360v_3そしてステージの明かりがついて…
e-ZUKAさんがMarshallの上から登場!

380v_2こんなんなっちゃたりして!
410_2曲は「NOT for SALE」。

390_2来年は新年早々さいたまスーパー・アリーナと大阪城ホールで『G9 ROCK☆SHOW』が開催されることをアナウンス。ものすごいどよめきが起こった。楽しみだね~!

400_2KISHOWさんにギターを被せるe-ZUKAさん。

420_2もうだいたいこの辺はやりたい放題だ!

430_3KISHOWさんの超絶ギター・ソロ?!

441そしてマイクをつかむe-ZUKAさん。楽しいな~!

442そしていよいよ最後の曲、「Can Do」。

450まだまだパワーが有り余っているようだ!
これで1回目のアンコールは終了。
当然これじゃ収まらない。

460v大歓声に応えてダブル・アンコール!

470「Beautiful World」

480v後半から飛びまくったKISHOWさん。これがラスト・ジャンプ!

490v最後はe-ZUKAさんのバズーカ炸裂!

515vもうイッチョ!

530すると花火が!

540
固い握手を交わすふたり。

お疲れさまでした~。
いつも通りのExtravaganzaでした!(そういえば、今この「エクストラバガンザ」という名前の人がテレビに出ていて驚いた!)

帰りはほうとう食べて、渋滞なしでス~ラスラ。ああ楽しい一日だった!

510_2
ホント、GRANRODEOのショウは楽しい。お客さんをトコトン楽しませようというショウマンシップが横溢している。

それと私的にうれしいのはe-ZUKAさんが書く曲の数々だ。アニメ関連の曲が多いそうだが、私には何のことやら正直サッパリわからん。
アニメといえば古くは「エイトマン」、「オバケのQ太郎」、そして、「ひみつのアッコちゃん」や「ハクション大魔王」や「ど根性ガエル」で育った世代だ。

それだけに私はe-ZUKAさんの曲を純粋に「ロックの曲」として聴くことができる。e-ZUKAさんのお気に入りはKISSだそうだが、GRANRODEOの曲を聴けば、当時のロックの薫陶を受けている様子が手に取るようにわかる。
「Led ZeppelinやDeep Purpleに大きな影響を受けた」というミュージシャンが大勢いるが、彼らの音楽にそうした影響がまったく感じられないケースが多いのはナゼだろう。「え?なんでこうなっちゃうの?」…みたいな。

e-ZUKAさんの書くGRANRODEOの曲はそうした英米のロックジャイアンツの影響がストレートに出ている。

このあたりのことは前回も書いたが、人類にとってとても大切なことだと思うので言い方を変えてもう一度書き記す。

つまりいつもマーブロで大騒ぎしているように、クールなギター・ギターリフがあって、目も覚めるようなギター・ソロがあって、へヴィなリズム隊とうっと治すような男性的な歌声…こうした条件がすべてそろっている。歌のメロディは日本的ポップ度が高いが、見事に曲とマッチさせている。

GRANRODEOは一声で「万」単位の若者が集まる影響力の大きなバンドだ。この路線をいつまでも力強く推し進めてもらいたいと願う。
そして、RODEOBOYやRODEOGIRLは大いにGRANRODEOのロックを楽しんでくれればよい。でも、少しだけGRANRODEOのルーツを探ってみて欲しい。
すなわちe-ZUKAさんが影響を受けた英米のロック・ジャイアンツの世界を体験してもらいたいのだ。
そして、音楽をやっている人はそこから何かインスピレーションを得て自分たちの感性で音楽を作って欲しいと思っている。それにそうしたいいロックの傍らにはいつもMarshallがあることを知っておいて欲しい。

500
GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

550v(一部敬称略 2013年7月20日 富士急ハイランド・コニファーフォレストにて撮影)

2013年9月 4日 (水)

GRANRODEO LIVE 2013 ヤッホー ワンダホー FUJIYAMA!! <前編>

はじめてやって来ました富士急ハイランド・コニファーフォレスト!

日本で最長のロックフェスティバルのひとつ「サウンドコニファー229」。その流れで去る7月20&21日、『GRANRODEO LIVE 2013 Y・W・F /(^o^)\ヤッホーワンダホーFUJIYAMA!!』が開催された。
10天気はいいし、渋滞はないし、実に快適な小旅行、イヤイヤ、出張取材!
来る途中に寄った中央道のサービスエリアにはGRANRODEOロゴの入ったシャツを着た女の子や男の子がゾ~ロゾロ。
もう同中からして「ヤッホーワンダホー」気分で楽しいなったら楽しいなっ!

最近やたらとテレビで紹介している吉田のうどんを食べて会場へやって来たのであった。
しっかし安いナ、この吉田のうどんは!キャベツが入っちゃってるところがおもしろいね。ちなみにこれは「吉田うどん」と呼んではイケないらしい。「吉田うどん」が正しいそうだ。

20vこれがステージ。
30しかし暑い!

40ステージ上では本番前の最後のチェックに大忙し。

50ステージにはGRANRODEOにはつきもののMarshallフル・スタックの壁!

60vやっぱりいいね~、Marshallの壁は!ロックだゼ~、ワンダホーだゼ~!

70vステージそでにセットされたe-ZUKAさんが実際に鳴らしている2台のDSLと1960A。

75v今回は2daysの構成だ。
初日が『2013 Y・W・F /(^o^)\ヤッホーワンダホーFUJIYAMA!!』、2日めはバラエティに富んだ出演者を迎えて『ROUND GR』と銘打たれた。
要するにGRANRODEOの夏祭りだ~!
取材にお邪魔したのは初日ね。

80開演直前!イザ出陣!

90今か今かと開演を待ちわびるお客さんの熱気が余計に気温を上げる!

100まずはオープニング・アクトのReyが登場。

110リーダーの坂本尭之。
以前、瀧田さんが怪我で演奏できなくなった時、コピーバンドをしていた彼がトラでGRANRODEOに参加したという。私、こういう話し大好きなんだよね。緊張したけどうれしかったろうナァ~。

120
原田謙太(!)

130v寺園健二

140v田崎慎也

150
岡田峻洋

160v短い時間ではあったが、すさまじい元気とパワーでスッカリ会場を盛り上げてしまった。
後日、都内のライブハウスで、あるミュージシャンに会いに来た彼らとバッタリ遭遇!
「ヤアヤア、あの時の!」なんて再開を喜んだが、ナ、ナント、Reyは8月31日をもって解散してしまったそう。もったいない!解散後もメンバーのみんなの活躍をお祈りしています!ナニをやってもアンプはMarshallよ!

170vこれは今回のコンサート・プログラム。
めちゃカッコいい!
それもそのハズ、デザインを梅村デザイン研究所(梅デ研)が担当した。
梅デ研はMarshall BlogやShige Blogのバナーのデザインをしてくれた下町のヒプノシスだ!

Ws_img_1036いよいよGRANRODEOのROCK SHOWが始まる!
でも雲行きが怪しくなってきたゾ…いいの、いいの、コレぐらいの方が暑くなくて!

180ダンサブルな曲で文字通りダンサーがゾロゾロと登場!

190三味線のKIJIとリズム隊が加わり独特のサウンドを奏でる。

200そして、後方より現れたるGRANRODEOのふたり!

210悠然と階段を下る2人に大歓声が送られる。

220GRANRODEO登場!
1曲目は『Y.M.F』。

230いいね~、この二人には派手すぎるぐらいの演出がよく似合う。

240
e-ZUKA

260vKISHOW

270ve-ZUKAさんの衣装…キモノだよ!

271vってんで舞うe-ZUKAさん!

272v全然恥ずかしがらない!

274vすっかりこの自分たちの夏祭りを楽しんじゃってるよ~!

275vKISHOWさんもノリノリ!

276v
2曲んに持ってきたのは「欲望∞」。

277vストレートでヘビィな8ビートに(ここ「∞」と「8」をかけてます)大興奮!

280
冒頭から冴えわたるギター・プレイ!
281vやっぱりGRANRODEOのステージにはMarshallの壁が映える。本物のROCk SHOWにふさわしい光景だ。

282そして3曲目は「ケンゼンな本能」だ!

283v曲が進むにつれてテンポ・アップした曲を持ってくるところがニクイ!コンサートでもアルバムでも重要なのは2曲目以降なのだ(私的持論)。

290vリズム隊は不動の瀧田イサムと…

300v長井VAL一郎!
今日も思い切りドライブさせまくり!

310vMCをはさんで演奏したのは…

320「チキン・ヒーロー」。
しっかしカッコいい声だナァ~。男が聞いてもウットリしてまうわ!
340e-ZUKAさんのギター・サウンドにもウットリだ。
どっちの水もア~マイぞ!e-ZUKAさんはAm(アーマイナー)…ナンチャッテ…(写真で実際に抑えているのはGbかな?)。

330vギター・ソロの時以外のe-ZUKAさんのアクションは見逃せない!たいていナンカやってる!

350私もロックを聴きだしてソロソロ40年になる。…ということは少なくとも40歳以上にはなっていることは読者の皆さんもウスウス感じていることだろう。
え、ザケンナよ!ってフィーリング?
歳の話しはよそう。
洋の東西を問わず、今までいったいどれだけたくさんの歌声を耳にしてきたことか…。
その中にあって自分にとってKISHOWさんの歌はすごく特殊な位置づけにあるような気がする。
ナント言うのかな~、音楽を奏でるのに「歌が声を必要としている」のではなく「声が歌を必要としている」って言うのかな?うまく言えないけど、今までにないロックの歌なのだ。
360v_2やはりそれもよい素材あっての話し。e-ZUKAさんが書く曲がその最高のロック・ボイスを際立たせていることは言うまでもない。

370とにかく飛ばしまくる前半戦!

380v「CANNON★BALL」。

385炸裂するe-ZUKAさんのギターソロ。あくまでも曲を重視したソロだ。曲のイメージを変えたり壊したりするような突飛なことはしない。音を選ぶソロだ。
386vここから数曲、ホーンセクションが加わりさらにサウンドに厚みを増す。

390やっぱいいナァ~、e-ZUKAさんのギターの音!エロチックだ!

400再びダンサーが加わり視覚的にも超豪華!

420曲は「サマーGT09」。
410続いては「恋のHEAT WAVE」。

430_2e-ZUKAさん、ダブルネックに持ち替え。
440vドワ~、12弦側のヘッドから水が噴き出した~!

450vダンサーまで水鉄砲持ってるし!

460KISHOWさんはホースのままで!

470vもうステージ前はビッチョビチョ!とりあえずカメラが濡れないように…と。

480カンカン照りならよかったんだけど、この天気だとチト寒い。でも、濡れた服も熱気ですぐに乾いちゃうんだけどね!

490それにしても楽しそうだニャ~!

500vこれにてワンダホー・ダンサーズの皆さんは新宿へ直行。これからもうひと仕事だそうです。

ひとしきり水を浴びた後は「Urban Sweet」。

そして<後編>につづく!

510
GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

515(一部敬称略 2013年7月20日 富士急ハイランド・コニファーフォレストにて撮影)



2013年9月 3日 (火)

【Music Jacket Gallery】サマー・ジャケット特集<前編>

夏生まれの人は夏を好む…。

コレ、よくいうでしょ?ホント、間違いないと思う。少なくとも11月生まれの自分は夏が苦手だ。
もう今年はマイりにマイっちゃってる。

それでもね、小学校の頃は夏が好きだったんよ。プールの王者だったから。
朝、公園にラジオ体操に行って、午前中チョコッと宿題をやって、学校のプールで大暴れする。お昼前に家に帰るとお母さんが手作りのフライドチキンを用意してくれていて、クーラーのきいた部屋でそれをいただくのが夏の最高の楽しみだった。
いつから夏がキライになったかナァ?
中高と男子校に通っていたんだけど、体育の授業の後のあの凄まじいニオイで夏がイヤになったのかも…。エアコンなんてまったく付いてなかったもんね。それにしてもあの暑い中、よくも運動なんかやってたよナァ。
今はどうなんだろう?夏は体育館で体育の授業やるのかな?さもないとみんな熱中症でブッ倒れちゃうもんね。

ゲリラ豪雨やら竜巻やら、本当にヒドイ気候になってしまった。このカテゴリーで「利便性の進化が風情を奪う」と書いたが、どうも「風情」どころの話ではなくなってしまった。何とかしないと!
Mjg_sm_img_0805

さて、今回のミュージック・ジャケット・ギャラリーは夏にちなんで「サマー・ジャケット特集」をお送りする。
サマー・ジャケットか…。これでも昔はお堅い会社でサラリーマンをやってましてな、夏でも毎日ネクタイを締めてサマー・ジャケットを携行してたもんですよ。「クール・ビズ」なんてのは全くなかった時代…。もうできないな…。

「夏」をイメージするジャケットか…個人的には、ん~、考えたことないナ。果たして約120枚も集まるのか?

Mjg_img_0812_2 ところで、今回紹介するアイテムは前回同様、昨夏に展示されたものだ。1年遅れの記事になってしまい大変恐縮だが、「夏のことは夏のうちにやってしまおう!」とほぼ一気に書き上げた。

苦手な夏のこと、アイテムを絞って簡素に仕上げようと思ったが、取りかかってみると例によって
これがまたおもしろくて筆が止まらず、結果的に2本立では窮屈なボリュームになってしまったので、3本立てで構成することにした。

しかし、30cm四方に描かれた「夏の世界」をも広げてしまう無限の芸術。やっぱりジャケットはおもしろい。
では、タオルの用意はよろしいか?ジャケットの中の夏へイザ行かん!

Mjg_img_0811_2 今回ブローアップされたジャケットはThe Beach BoysとIt's a Beautiful Day。
手法も雰囲気もまったく異なれど、どちらも「夏!」を連想させずにはいられないデザインだ。

Mjg_sm_img_0816

いいよナァ。海とサーフィン、カッコいい車に可愛い女の子、カリフォルニアの陽の光、冷えたバドワイザーにしぼりたてのオレンジ・ジュース…。

初めてカリフォルニア…というよりアメリカに行ったのは新婚旅行だった。アッという間の出来事で、おまけにパック旅行だったので西海岸の表面をツラっとなめるだけの体験だった。

それから大分経って職を変え、仕事でまたカリフォルニアを訪れた。
オフにはサンタモニカに在住する家内の友人(これがまたものすごい美人!)に周辺を案内してもらい、アパートを訪れ、夜にはご主人がハリウッドのジャズ・クラブに連れて行ってくれた。
その日、ステージに上がっていたのはトロンボーンの名手、Bill Watorusだった。
休憩時間にはBillと直接話しをすることができ、彼はたくさんの日本語の単語を知っていて驚かされた。それもそのハズ、お嬢さんが宮崎出身の方とご結婚されていて、日本にも頻繁に訪れていたのだ。

サンタモニカ・ビーチの陽光は明るく健康的すぎて、自分にはどうも似合わなかった。何となく引け目を感じてしまうのだ。でも、映画『ハリーとトント』の最後のシーン辺りを見るとカリフォルニアもイイ感じがするんだけどね。

一方…

夏でも朝晩には暖房が必要な寒冷な気候、毎日数回必ず降り注ぐ雨、産業革命にマズイ食い物、ひと吸いずつチビチビ飲む重いエールにマーマイト(正直、コレは食べれません)…ああ、いいナァ、ロンドン。やっぱりロックはブリティッシュに尽きるナァ。

でも、The Beach Boysはよい。音楽的によい。…といってもそんなこと思うようになったのはごく最近のことでしてな。
ま、始終聴いているワケでは決してないが、なんとなく「ボーっと気持ちいい曲が聴きたいナ…」なんて時に引っ張り出してくる。

でも、聴くのは『Pet Sounds』ばかりなんだけどさ。
よくBoxセットで未発表テイクだのなんとかミックスだのを突っ込んで4枚組とかで売っているのあるでしょ?Miles Davisによくある『コンプリートなんとか』ってヤツ。
アレ、せっかく買っても全部聴くことって私はほとんどないんだよね。
でも、試験の前に資料が揃っていないとやたら不安になってしまい、読みもしないクセに友達のノートを山ほどコピーさせてもらう…みたいな感覚でつい買ってしまう。

『The Pet Sounds Sessions』ってのはナゼかペロッと聴いちゃったな。すごくおもしろかった。特に私なんかはあのギターのパートをBarney Kesselが弾いているのかと思っただけで興奮しちゃったりしてね。

他にもひと通りThe Beach Boysのアルバムは揃っているけど、初期のはもうあんまり聴かないナァ。

それにしても魅力的なジャケットですナァ。素晴らしい構図だ。
Mjg_sm_img_0831
これは83年に発表されたレア音源集。当時は今みたいに未発表音源やらレアトラックだのが出回っていなかったのでファンの人たちは大層喜んだそうな。

そういえば、30年以上前、サーフィンというか、サーフィン・ファッションってのが流行ったね~。サーフィンというのは日本人にもっとも似合わない西洋の遊びという感じがするけど、ファッションは結構お世話になったな。
高校の時、学校のひとつ上の学年の人が、サーフィンをしていて倒れた瞬間にサーフボードの先が目に当たり片目を失明するという事件が起こった。
このことは多くのサーファーに注意を喚起するため、若者のファッション誌で報道されていたのを覚えている。
たまたまその先輩を知っていてので、その時のこと聴いたことがあったが、ボードが眼窩にはいり目玉が身体から出て行くのがハッキリとわかったそうだ。そして、次の瞬間、「目玉、オレの目玉!」と海水の中を手でまさぐったらしい。

すいません、ノッケから物騒な話しで…。

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ね、やっぱりThe Beach Boysはコレだよね~。見るからにゴールデンベスト!新橋の地下コンコースでよく見かけるような…。
『Sunshaine Days  Surfin' with The Beach Boys』だって。
そうは言ってもメンバーの中でサーフィンを実際にやっていたのは末弟のDennisだけだったとか…。

Mjg_sm_img_0856

こっちは車。『Summer Cruisin'  Hot Rod with The Beach Boys』だ。
ジャケット的には…ま、夏?それ以外ナニもないな~。

明るく楽しいビーチ・ボーイズ。でも、いくつかの関係書籍に目を通すと、「西のファニカン、東のキャロル」のようにThe Beatlesの向こうを張った単なる能天気なスター・グループではないことがわかる。
Willson兄弟の生い立ちやBrianの健康、『Pet Sounds』以降の大不振、CarlやDennisの死等々、知れば知るほど暗い雰囲気が漂っているように見えて来る。

にぎやかに楽しく「♪一切合財USA」や「♪ヘッミロンダ、ヘッヘッミロンダ」もいいが、こうした暗い部分を読み説きながら彼らの美しいハーモニーに耳を傾けるのもひねくれた私のThe Beach Boysの楽しみ方だ。

それと、初期においてかなり多数の作品が3コードで書かれていることも今となっては注目すべきだ。ここでいう3コードというのは、「ブルース形式」だけに限っているワケではない。単純にトニック、サブドミナント、ドミナント・コードの組み合わせにメロディを乗せ素晴らしく味わい深い曲を作るのだ。ロックは本来こういうものだと思うよね。

私的にこの手法で書かれた日本のロック曲の最高峰はサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシーン」におねがい」だ。ブルース形式ではないが、A(トニック)とD(サブドミナント)とE(ドミナント)の組み合わせだけであれほどカッコいい曲が出来上がる。シンプルだからこそカッコいいとも言える。

今、世の中に流れているロック調の曲は、こうした感覚が極端に希薄だと思う。我々世代にはいくらバンドの形態を採っていてもロックに聞こえない理由のひとつなのかもしれない。

ダイアトニック・コード(ひとつのスケールから派生するコード群)というものは必ず機能的にトニック、サブドミナント、ドミナントに分類されるので、最後にはどんな曲でも基本的には3つのコードで作られているといえるが(例外もあり)、ここで言っていることとはワケが違う。

ロックの曲が持つパワーのようなものは、こういうシンプル性(simplisity)から生まれるもので、その礎はまぎれもなくブルースだ。先に書いた「ブギやシャッフルが絶滅する」という話しとからめて、テレビから流れて来る音楽に耳を傾けながら、楽器を演る人もそうでない人も皆さんで考えてみるといいと思う。

The Beach Boysでもうひとつ…『Live in London』という1969年のライブ盤は実にハツラツとした演奏で私の愛聴盤のひとつなんだけど、60年代の後半にはアメリカでは悲惨な状態だったこのバンドがイギリスでは王様状態だったのだからおもしろい。
アメリカでは酷評された『Pet Sounds』がイギリスのチャートの2位をマークしている。確かにこのアルバムを聴くとその熱狂ぶりがわかる。
いつもはアメリカ人のこと色々と悪く言うクセに…やっぱりカリフォルニアの陽光がいいんだね?イギリス人には家の中でジッとしながら聴くプログレとハード・ロックが一番お似合いだっつーの!

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The Beach Boysをさらにもう一枚。1979年の『L.A.(Light Album)』。

レコード会社を移籍したThe Beach Boysが前会社との契約を解消するためのアルバムにストックしていた曲を使い果たしてしまったために、このアルバム用の曲が足りなくなってしまった。スタジオに入りレコーディング作業を進めたがよい結果が出ず、Bruce Johnstonをプロデューサーとして呼び戻して七転八倒の末作り上げたものの、セールスも思わしくなく評価も低かったというアルバム。

そーかなー。ま、私なんか特段深い思い入れがこのバンドにないせいか、別に「ヒドイ」とは思わないナァ。どの曲もなかなかいいと思うんだけど…。
ただ、大活躍しているDennisの声が気になりがちかな?MikeとCarlの声こそが私にとってはThe Beach Boysのイメージなのでちょっと違和感が…。例えて言うなら円楽(先代)の落語みたいな…要するに立派過ぎちゃうのね。そこへ行くとCarlの声は小朝だ。

それより気になるのはタイトル。「Light Album」というところではなく、カッコ。カッコのことは英語でParenthesis(パレンセシス)、もしくはRound Bracketsというが、私が知っている限り、西洋の人はあまり使わない。イギリス人はちょっとした注意書きを添える場合に使うこともままあるが、それでも日本人ほどではない。
特にアメリカの人との文通でカッコを使っているのをほとんど見たことがない。
それがこのアルバムのタイトルにガッツリ入っているのが個人的におもしろい。

Paul McCartneyのベスト盤なんかもそうだけど、ジャケットは収録曲のイメージをイラスト化したものが並んでいる。楽しいイラストだ。で、左下に日本髪を結った女性のイラストがあるでしょう。右にはタテにこの曲のタイトルが記してある。何て書いてあるのかというと「SUMAHAMA」。
「砂浜」じゃないの?「砂浜」。実際にこの曲には日本語で歌われているパートがある。

しかし、1979年にもなって「砂浜」で「芸者」だよ。ん?、待てよ、コレってまさか『金色夜叉』か?
(歌詞を確認…)
違った。でも「♪Sumahama In the autumn as the leaves are falling」という箇所が出て来て思わせぶりだったりして…紅葉だもん。
これはMike Loveの作曲なんだけど、我々の感覚では「砂浜」に「落葉」っていうイメージは絶対に重ならないよね?

…とココまで書いて気がついた!これは「砂浜」の誤謬ではなくて、神戸の「須磨」の浜、すなわち「須磨浜」だということね!アブねーアブねー。一気にロマンが去ってしまった…。なぜ須磨なのかはわかりません。
まだ上の子が小さい時、須磨の水族館って行ったナァ~。

歌詞の内容はちょっぴり悲しい恋の歌なんだけど、この芸者のイラストはないでしょうよ!1979年でも日本のイメージといえばコレだよ。このステレオタイプは何とかならんもんかね?恥ずかしいわ。
この歌でおすもうさんのイラストよりはまだいいか?
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「ジャケット名作選」的な企画では必ずと言っていいほど上位に選ばれる名ジャケット。

It's a Beautiful Dayは1967年デビューのサンフランシスコ出身のサイケロックバンド。もう名前からしてこの時代のサイケ精神を象徴している。
これは1969年のファースト・アルバム。やはりこの時代の作品らしく、一番有名な「White Bird」なんて曲はJefferson Airplaneみたいに響く。
でもこちらはヴァイオリンがガッチリ入っちゃってこっちの方が全然いいな。(Jeffersonも後年、Papa John Creachという黒人のフィドラーがカッコよかったけど…)

でもマーブロ読者の皆さんが注目すべきはこの曲ではない。このアルバムに収録されている「Bombay Calling」という曲だ。
これははDeep Purpleの「Child in Time」の原曲。ま、ハッキリ言ってまったく同じと言っていいでしょう。結果的には両方カッコいいだけどね。
どこかの国の国民的バンドと呼ばれているグループと違ってこういう改作は大歓迎だ。

さて、ジャケット。
この絵は家事に関する雑誌のためにkent Holisterという人が1900年頃に描いたもの。
コレ完全やられちゃってるよね…最近のジブリに。

本当に素敵な絵なんだけど、以前掲載したマーブロのインタビューの中で、森園勝敏さんから聞いた話では、この絵はMaxfield Parishというアメリカの画家の絵が元になっている。そして、そのMaxfield Parishの作品に出て来る女性が「Lady Violetta」という。
もちろん森さんはこの絵にインスピレーションを受けて、歴史に残る名曲「レディ・ヴィオレッタ」を作曲した。この曲は一般に「レディ・ヴァイオレッタ」と呼ばれることが多いが、正しくは「レディ・ヴィオレッタ」だ。

ついでに言うと、Boz Scaggsの1971年のアルバム『Boz Scaggs & Band』の中の「Here to Stay」という曲。コレ、キーとコード進行が森さんの「Lady Violetta」と同じなのだ。
キーはD。IIm7-I△7を繰り返して4度進行。GからGmとサブドミナント・マイナーに突入。IIIm7からIV7に入りIIm7にドミナント・モーションして頭に戻る…みたいな。まったく同じ。
「Lady Violetta」が収録されている『ゴールデン・ピクニックス』の発表は1976年なので、四人囃子の方が後追いになってしまうのだが、森さんはこの曲を全然知らなかったそうだ。
イヤ、仮に森さんが知っていたとしても、このコード進行にあの美しいメロディを乗せることがスゴイ。こっちの方がスゴイかも知れない。何しろ大名曲だからね。
私はもうギターを根詰めて弾いてはいないが、この曲だけはいつか人前で弾いてみたいナ~。森さんが相手じゃあまりにも図々しいので、相棒はお弟子さんの関ちゃんがいいな~。

え、ところで囃子とボズ、どっちの方がいいかって?訊くだけヤボヤボ!「Violetta」に決まってる!だって「Violetta」はいつだって私の好きな日本のロックの曲の上位に君臨してるんだもん!

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Judas Priestは中学の時、NHK FMの渋谷陽一の『ヤング・ジョッキー』という番組で初めて聴いた。「The Ripper」だった。ショックだったね~。『Sad Wings of Destiny(運命の翼)』が新譜として紹介されていたから1976~77年ぐらいのことか…。
こっちはThe BeatlesとかよくてTodd Rundgrenぐらいしか知らなかったので「こんなんあるのかよ?」って腰を抜かした。
その2年前のJudas Priestのデビュー・アルバムがこの『Rocka Rolla』。

やっぱ暑いときはコーラか?そういえば昔はビンのフタを「王冠」なんて呼んでたな。「王冠いくつ送れば抽選で○○プレゼント!」なんて言ってた。アレ、言わなくなったね。

JudasはMarshallの大切なアーティストだ。でも、4枚目の『Stained Class』までしか聴かなかったな~。何か、この頃には「Exciter」あたりのRob Halfordの声がコミカル聴こえちゃって…。「『夜の女王』じゃあるまいし、ナニもそこまで高い声出さなくても…」みたいな。
それでしばらくロックから離れている間にすっかりメタル・ゴッドになっちゃって!このバンドにも「継続は力なり」を感じるな~。素晴らしいことです。

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Free Beerというグループ。これはまったく知らないナァ。名前はありがたいんだけど…。カナダに同名のコメディ・ユニットがあるようだ。
ジャケットはソフトでいい感じ。
クレジットを見ると、ドラムがBernard Burdieで、サックスではBob Mintzerなんかが参加していておもしろいので取り上げてみた。
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ホルヘ・サンタナ。「サンタナ」って言うぐらいのギタリストだからカルロスの兄弟に決まってる。
この人は「麿」じゃない、「Malo」というサンフランシスコのグループで活躍した人。ちょっとゴメンナサイ、アタシャこのへんは門外漢。

ま、夏なんでしょうね、パンツ一丁で涼しそう!これにもうちょっと気合を入れると…

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HipgnosisのMontroseになる。
ん~、確かにこっちは「夏」というイメージは皆無だな。

Jump Isotopeはイギリスのジャズ・ロック・グループ。
コレ持ってたんだけど見つからなかったナ…ということで他のアルバムを久しぶりに聴いてみる。

ギターのGary Boyleという人が中心人物なんだけど、この人インド人なんだよね。インド音楽系の人、つまりラヴィ・シャンカールとかトリロク・グルトゥとかザキール・フセインとかパンカジ・ウダースとか、そういう人以外でポピュラー・ミュージックのフィールドで活動していた人と言えば、このゲイリー・ボイルと「インド人チャダ」ぐらいしか知らんもんね。ゲイリーは後年、山岸潤史さんのソロ・アルバムで客演してたりした。

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これは裏ジャケ。左上の人がGary Boyle。
とにかくギターの音が…。「何でこんなに歪ませてんの?」と思わず驚かざるを得ないぐらいコシのない音。今時、高校生でももっといい音出しまっせ。
それに意味のない上辺だけの速弾き。初めて聴いた高校の時は「お!」と思ったけどな。McLaughlin気取りなのかも知れないが、全然違う。ちょうどジャズとロックの間の中途半端なところにハマっちゃってる感じ?

さて、ここらへんでソロソロ褒めてあげないといかんな…。

ん~、しかしつまらん。問答無用で曲のクォリティが低い。時代的にいってもマハビシュヌを狙っていたんだろうな。The Mahavishunu Orchestraは今聴いても何ら文句はないが、このIsotopeときたら…古い。
でも、ナゼか何枚か持ってるんだ~。

ちなみにIsotopeにはSoft Machineのベーシスト、High Hopperも一時参加していた。

インド人ついでにチョット書くと、大分前に安かったもんで『インド古典パーカッション―超絶のリズム』とかいうCDを買った。「南北インド音楽のマエストロ達が繰り広げる興奮のリズム・バトル」っていうんだけど、特にバトルのところは興奮せなんだ。
ところが巻末にザキール・フセインによる、タブラのデモン ストレーションっていうのが収録されていて、これが滅法カッコいい。とても人様にはオススメできないが、何の情報もなく捨て身で勝ったCDにこういう演奏 を発見するとうれしくなる。


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Elephants Memoryは他の機会でもかつて取り上げたことがあったが、60年代後半に活躍したニューヨークのバンド。

見るからにヒッピーですナァ。夏でなきゃこんな恰好はできまい。象も気の毒に…。

このバンド、ジョン・シュレシンジャーの『真夜中のカウボーイ』のサウンドトラック盤に「Jungle Gym at the Zoo」と「Old Man Willow」という曲を送りこんでおりゴールド・ディスクをゲットしちゃってる。

さらに、JohnとYokoのバックを務めたことで知られている。『Some Time in New York City』というJohnの2枚組のアルバムあるでしょ、新聞のジャケットのヤツ。あれの1枚目で演奏しているのがこのバンド。演奏はフツーにうまい。ま、John Lennonのバックを務めるぐらいですから。
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ちなみにこの『Some Time in New York』のC面はロンドンはコヴェント・ガーデンのはずれ、フリー・メイソン本拠地近くののライセウム・シアター(Lyceum Theatre)でのライブ(全然ニューヨークじゃない)。収録は1969年12月15日、ユニセフのチャリティコンサートだった。

そして、D面は1971年6月6日、The Mothers(この時分はMothers名義) とのFillmore Eastでの演奏が収録されている。

一方、The Mothersはこの時の演奏を『Fillmore East -June 1971』と題するライブ・アルバムで1971年8月にリリースしている。コレ、収録してからたった2か月でレコードにしちゃってる!

以前にも書いたが。私は基本的にジャケ買いをしないが、この『Fillmore East -June 1971』はCal Schenkelの鉛筆書きのジャケット・デザインが妙におもしろくてつい買ってしまった。
今から36年前のこと。初めてのZappaのレコード。そこから私のZappa道が始まった…ま、コレは余談。

で、この写真を見ていただきたい。
後ろはさっきから何回も出て来ているJohn Lennonの『Some Time in New York City』。
それで向かって右は私が惹かれたCal Schenkelによる鉛筆書きの『Fillmore East -June 1971』。
向かって左は『Some Time in New York City』の内袋。インナースリーヴっての?そう、『Fillmore East -June 1971』のパロディになってる。

赤字で書いてあるのは、上から…
John and Yoko presents.....'live jam'
PLASTIC ONO BAND! & John and Yoko with→The MOTHERS

と来て、

Lyceum London Dec 1969と記されている。
つまり、
『Fillmore East -June 1971』のデザインを借りて、ちゃっかりLyceum Theatreのライブ盤のジャケットを作っちゃっているワケですな。

まだ話しは終わらない。Zappaにはファンなら誰でも知っている『We're Only in it for the Money(1968年)』というアルバムがある。このアルバムのジャケットは『Sgt. Peppers Lonly Hearts Club Band(1967年)』の悪趣味なパロディなのだ。
そう、ジョンはこの『Some Time in New York City』でふざけて仕返しをしたに違いない。

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これがLyceum Theatre。
もうずいぶん長いこと『Lion King』がかかっている。
この劇場は数々の名演を生んでいるが、名盤の誉れ高いBob Marleyの『Live!』もそのうちのひとつだ。詳しくはそのうち『名所めぐり』でやります。

Mjg_img_0475_1これがそれぞれの裏ジャケ。
おもしろいのは徹底して元の表記を利用しているところで、メンバーのクレジットはもちろん、スタッフのクレジットもEngineerやRoad Manager等の担当職名はそのままに、固有名詞だけバンバン赤ペンで書き変えている。

それとJohnらしいのは、下のところ。Zappaが色々な出版刊行物に刷り込んでいた「Don't forget to register to vote」という選挙権登録のための標語の上に丸々「War is over if you want it J.L. Y.O.」と上書きしてしまった。
これは文字通りの意味なんだろうけど、「if you want」というところから、「もしよかったら、もうこれでジャケットのパクリ戦争は止めよう」と言っているように想像するのはどうだろうか?

加えて、当時の国内版配給会社であったワーナー・パイオニアのクレジットまで鉛筆書きになっているところがうれしい。ただし、「¥2,300」という定価表示は活字だ。

ジャケットはおもしろいね~!見たか音楽配信!キミにこんな芸当ができますか?ってんだ!!

Mjg_img_0581Fleetwood Macの1987年の『Tango in the Night』。大ヒット作『Rumours』の黄金メンバーによる最後のアルバム。1,200万枚も売れたんだって!
Macも統一感は皆無にしても、ブルース時代からなかなかにいいジャケットが揃ってる。
それにしても、ブルースやめてヨカッタね~、このバンドは。
Mick FleetwoodはMarshallのドラム・ブランド、NATAL(ナタール)のパーカッションを愛用していた。

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Pabro Cruiseは思い出があるよ。
もちろん私はPablo Cruiseなんてガラではない。
でも彼らのレコードは買ったことがある。『Reflector』とかいう81年のアルバム。今の家内にプレゼントしたのだ。「今の」って言ったって、今も昔も変わらないのだが…。32年前か?

アレは誕生日だったのかな?彼女はレコードを袋から取り出すと大喜びしながら、「アッ!」と小声を出す私に気づかず、私の見ている前で人差し指を帯に引っかけ、何のためらいもなくブチっと引きちぎってしまった。

「え、帯要らないの?」

「うん、だってジャケット全部見えないジャン?」ハマ生まれハマ育ちの彼女はピュアな横浜弁でそう答えた。

別にこっちもいつも帯欲しさにLPやCDを買ってるワケじゃないけど、やっぱり最初っから付いているものはそのままにしておきたいジャン?
もし中古レコードで帯のあるのと帯のないの、同じ値段だったらどっち買うよ?帯でしょ。

一時期、帯の付いていない中古レコードは買わないことにしていた。しかし、値段は張るし、聴きたいアイテムは買えないしですぐにギブアップしたっけ。
その点、CDはサイズが小さいせいか帯があろうとなかろうと最初っから気にならなかったナァ。
こんなところからもやっぱりLPジャケットの方が魅力的だ。

これフリチンか?(「フルチン」、「フリチン」どちらでもいいらしい)
これも「夏」としか言えないようなきもするけど、なんか寒そうだな。カメラのこっちに焚き木が用意してありそうな…。

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これは夏というかただの熱帯地方だね。つまり一年中「夏」か。
ロンドンで1969年に結成されたガーナのロック・バンド、Osibisaの1974年の6枚目(ベスト除く)のスタジオアルバム。
ジャケットはルソーのようだが違う。アンリ・ルソーの絵をまんま使ったのはThelonious Monkの『Thelonious Monk Plays the Music of Duke Ellington』。Monkはキリコの絵もジャケットに使っていることは前回書いた

象が飛んでいるOsibisaの最初の2枚のジャケット・デザインはYesやGreensladeでおなじみのRoger Deanが担当した。バンドのロゴがモロにYesっぽいのはそのせい。

ワールド・ミュージックが流行った時、サリフ・ケイタやユッスー・ンドゥールなんてのはひと通り聴いたが、正直言ってアフリカ系の音楽は得意ではなく、キング・サニー・アデだとかフェラ・クティとかどちらかというと「勉強聴き」の域を出ない。ちょっと聴くにはいいんだけどね。

で、このOsibisaってのはワールド・ミュージック・ブームのはるか昔から知っていた。1975年ぐらいのことだと思う。というのは、当時学校へ行くのに毎日朝6時ぐらいに起きて時報がわりにすぐにテレビをつけていた。
たしかNETテレビ(現テレビ朝日)だったと思うが、当時は今みたいにアナウンサーやゲストがゾロゾロ出て来るような早朝番組などなく、今でいうPVのようなものをただ流しているような簡素な音楽番組ぐらいしかやってなかった…ような気がする。

しばらくの間、その音楽番組にOsibisaのフィルムが流れていたのだ。ロックなど全然わからなかった年頃のことで「ナンダこれは?」と驚いているうちにOsibisaの名前が刷り込まれてしまったというワケ。それ以降、現在に至るまでただの一回も聴いたことがない。

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Stan Getzか…。あまり聴いている方ではないが、好きな盤は結構あるな。Jimmy Raneyがカッコいい『Stan Getz at stryvillle』の2枚とか『Stan Getz at The Shirine』とか『Sweet Rain』とか『Captain Marvel』とか…。つい2週間前も『Pure Getz』というConcord盤を買ったばかり。
ボサノバで有名なGetzだが私はまったく聴かないの。

ジャケットにGetzの顔は見れないが、かなりのハンサムで、無造作に彼の顔を撮影したカメラマンに「オレの顔をこっちから撮るな!」と怒ったとか…。フリオ・イグレシアスでもこんなような話しを聞いたことがあるが、Getzの方が先輩だろう。

『Cool Sounds』は1957年の発表のVerve盤。ジャズの名ジャケットというとBlue Noteばかりがもてはやされてしまう傾向が強いが、この時代はどこのレーベルでも素晴らしいジャケット・デザインに素晴らしいジャズを包んで世に送り出していた。

この時代のジャズのレコードのジャケットってVerveに限らず、内容とはおおよそ関係のない美人女性が登場するデザインが多かった。今はこんなこと絶対にしないよね。
それでも50年代のアメリカのパワーがアートにまで十二分に及んでいるかのようにそのどれもが魅力的だ。
Verveだったらロミー・シュナイダーを起用したOscar Petersonの『My Fair Lady』とナント言ってもBud Powellの『Blues in the Closet』だな。これは完全にジャケ買いした。
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「Mar y Sol」というのは1972年4月、3日間にわたってプエルト・リコで開催されたウッドストック・タイプのロック・フェスティバル。
1971年から計画されたが、厄介を恐れたプエルト・リコ政府の妨害により頓挫しかけたものの、紆余曲折の末、当事者が変わって何とか開催にこぎつけた。ところが、そうした不安定な運営状態を察知したミュージシャンが出演をキャンセル。ナント開催の前日になってようやく出演者の名前が出揃ったという。

とはいうものの、出演者は今からしたら涙が出るほどゴージャスだぜ。
Emerson Lake & Palmer、Dr. John、Long John Baldry(Elton Johnの「John」はこの人の「John」だからね)、The Allman Brothers Band、The Mahavishnu Orchestra、さっそくOsibisa、Cactus、The J Giles Band、B.B. King、Herbie Mann、John Nitzinger、Jonathan Edwards…。
以上が下のライブ盤に音源が収録されている人たち。

まだいい?

その他、無名時代のBilly Joel、Alice Cooper、Dave Brubeck(なんでやねん!)、Rod Stewartなどなど。

ところがフェスティバルの方は問題だらけだった。死亡事故、殺人、数々の強姦事件が発生したのだ。プエルト・リコ政府からプロモーターに逮捕状が出たが、国外へ脱出して逮捕から逃れたという。ずいぶんゆるいな。

1969年のウッドストックの成功以来、こうした巨大屋外ロックフェスティバルがいくつも開催されたんだね。うまくいくものあったが、この「Mar y Sol」やストーンズのオルタモントのように失敗に終わった物も数多くあったようだ。

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こっちもつくづくスゴイ出演者だよね。
「Isle of Wight Festival」は元々1968年から1970年まで3年、3回にわたって開催されたロック・フェスティバルだ。

初回、1968年のヘッドライナーはJefferson Airplaneで、他の出演者はArthur Brown、The Move(いいな~)、T-Rex(Micky FinnのパーカッションもNATAL製だ)、The Pretty Things等。10,000人程度が集まる小ぢんまりしたフェスティバルだった。

それが2回目の1969年には一気に150,000人が集う巨大フェスティバルに膨れ上がる。
出演はThe Band、The Who、Free、The Moody Bluesといったメジャーどころの他に、Bonzo Dog、Blodwyn Pig、Edgar Broughton Band、Aynsley Dumbar、Fat matless(Jimi Hendrix ExperienceのNoel Reddingが参加していたバンド)、Family、デビューしたてのKing Crimson、Pentangle、Third Ear Bandなどいかにもブリティッシュな顔ぶれがそろっていた。
しかし、前年の15倍にも膨れ上がった観客のお目当てはBob Dylanだったという。
8月30日のDylanのステージの前には会場のVIP席に数々の有名人の姿があった。John LennonやRingo Starrとそれぞれの細君、Keith Richards、Bill Wyman、Charlie Watts といったThe Rolling Stones勢、Eric ClaptonやSyd Barrett、Elton Johnも…。他にもLiz TaylorとRichard Burton夫妻、Jane FondaとRoger Vadim夫妻(『バーバレラ』のコンビね)もいたそうだ。

そして1970年、5日間にわたって開催されたこのフェスはますます巨大化し、Woodstockをしのいで当時最大の動員数を記録し、ギネスブックに登録された。その数は60万人とも70万人とも言われている。
その時の模様を捉えたのが下のライブ・アルバムだ。
前年までの出演者の数々に加え。Chicago、The Doors、Miles Davis、Joan Baez、Joni Mitchell、Jethro Tull、Sly & the Family Stone、Ten Years After、Emerson Lake & Palmerなどが出演した。
しかし、こういうものはデカくなればなるほど問題も起こりやすく、そもそも10万人にも満たない人口の島に60万人もの人が押し寄せちゃったもんだからさあ大変!交通機関がスタボロになってしまった。
また、チケットは前売りされていたが、Woodstockのように結果フリーコンサートの形を呈してしまい、主催者側は全然儲からなかったそうだ。そうしてこのフェスは3年で幕を下ろした。

そしてその後、2002年に復活し現在に至っている。

開催は8月で、昼間はさぞかし心地よかったろう。
イギリスの夏はとても涼しく、ロンドン市内でも古い建物には今でもエアコンが付いていない。そりゃ昼間は暑いですよ。でも、夏は短いし、ちょっと我慢すればアットいう間に涼しくなっちゃう。
実際Marshallの工場でも窓が付いている部屋にはエアコンが全くついていないもんね。
だから、こうした夏の野外フェスティバルに適している。今でも盛んにやってるでしょ?ああいうことをしてもそんなに暑くないんですよ。
ただし、夜はキツイ。真夏でも暖房をつける時があるからね。このフェスの参加者もさぞかし辛かったと思う。
しかも、開催した日は風が滅法強く、音が風に持って行かれてしまうほどだったらしい。

Woodstockもそう。8月だというのにTen Years AfterのシーンなんかではAlvin Leeの吐く息が真っ白だ。

そこへ行くと日本の夏フェスはあまりにも過酷だと思う。アレ、なんで春か秋に開催しないんだろう?
やっぱりさ、カッコいいジャケット眺めながら、家でゴロしてステレオでいい音楽を聴くのが一番だな~。
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<中編>につづく

ミュージック・ジャケット・ギャラリーはどなたでもご見学が可能です。

詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本項の展示は2012年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。

(敬称略 ※協力:植村和紀氏、金羊社・奥平周一氏 )











2013年9月 2日 (月)

LIGHT BRINGER らぶりーみゅーじっくつあー 2013 〜 To Infinity And Beyond

日本人って名前を省略するの大好きだよね。それは我々が使っている言葉が表音文字だからだと思うんだけど、何でも省略しちゃう。
英語圏の人たちもやるけど、単語単位で省略していくせいか、どうも扱い方が違う感じがする。
例えば我々がよく言う「V.I.P.」も「ビップ」とは連中は読まないで「ヴィ・アイ・ピー」と読む。その割には「As sonn as possible」を「ASAP」とやって「アサップ」と読む時もある。読み方に規則性がどうもあるようには見受けられない。英語はアルファベット一文字ずつの読み方が変化するからかもしれない。
最近は日本人でも「LOL(Laughing Out Loud)」なんて書くようになってきた。日本だといわゆる(爆)とかいうヤツだ。「R.I.P」なんてのも使うようになったけど、日本人がコレをやってもまったく故人を悼んでいる感じがしないので私は絶対に使わないようにしている。

英語圏の子供たちがよくやるのが文章を単語の頭文字で綴って、意味を当てるクイズ。例えば「ILV」ってな~んだ?みたいなヤツ。これは簡単「I Love You」。こういうヤツね。これはネイティヴかそれに近い人じゃないとまったく歯が立たん。

なんだってこんな話をしているのかというと、今日の主人公のバンド名にひとつ感ずるところがあったからだ。
Light Bringer…略して「ラブリー」。
初めて聴いた時は結構驚いたね。だって普通は「ライト・ブリンガー」を和式に省略したら絶対「ライブリ」になるはずだから。
これも若い人の感覚なんでしょな…。
とても結構なことだと思う。いい愛称を持っているのはいいグループだという証拠だ。
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今日レポートするのは『LIGHT BRINGER FM-FUJI 25th Anniversary LIGHT BRINGER らぶりーみゅーじっくつあー 2013 〜 To Infinity And Beyond』と題したツアーの千秋楽。恐らくこれはマーブロ史上最長のツアー・タイトルになる。

20_2実はLight Biringerは以前のマーブロに出て頂いたことがあった。X.Y.Z.→Aやガーゴイルに混ざって登場したイベントの時のことだ。
あの時はメジャーデビューを目前に控え、ベテラン勢に一歩もヒケを取らない実にエネルギッシュな演奏を聴かせてくれたものだった。
もちろん!今回もその時の演奏に円熟味みを加えたスペクタキュラーなものだった。

30_3メンバーは;
Fuki

40v_2JaY

50vhibiki

60vMao

70vYumiの5人だ。

80v昨年正式加入したJaY。

90vこうした音楽には当然Marshall。Marshallを使っていなければウソだ。
JaYの愛器は1995年に世界で200台のみ限定生産された2003の復刻モデル。ヘッドの左上とキャビネットの左下には「2203 1995Limited Edition」と銘打ったプラークが付いている。
詳しくはマー本、『Marshall Chronicle』をご参照アレ。

100vVan Halen以降のコンテンポラリーなプレイング・テクニックを駆使した超絶技巧はラブリーのステージのみどころのひとつだ。
JaYのプレイはコンサート中盤でタップリとフィーチュアされた。

110v大人気のFukiちゃん。きらびやかなルックスと持ち前のハイトーンを駆使したパワフルな歌いっぷりで満員の観客をノックアウト!

120vラブリーの頭脳hibiki。ベースプレイも冴えわたった!

130v1曲目は「Hyperion」。出ましたね~、Robert John GodfleyでおなじみのHyperion。『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』でやりましたね~。まさかhibikiちゃん、The Enid好きなのかな?

140パワーとテクニックが融合したラブリーの魅力が満載された曲だ。

150vノッケから圧倒的なギター・ソロで観客の度肝を抜くJaY。

160_2ギターとのハモリも難なくこなすMao。キーボード・ソロのコーナーも素晴らしかった!

170vこちらも新加入のYumi。複雑に展開する曲を完全に咀嚼し、猛烈にバンドをプッシュする。

180_32曲目はKing Crimsonの同名異曲、「Fallen Angel」。

190_3そして「Merrymaker」が続く。ストレートとドへヴィな曲だ。サビの展開が魅力的。

200_2そして「If」~「Just Kidding」~「人形が見た夢」

210v「孔雀とカナリア」

220_3ここでJaYのソロ。
250_2無伴奏のア・カペラ・ソロでバリンバリンに弾きまくる!

230vキラリと光るテクニックにパッションを存分に閉じ込めたような重厚なプレイ。こんなコンテンポラリーなギターなのに着ているTシャツがデッドの「Skull and Roses」なところがまたおもしろい。こんなプレイをJerryやBobやPhilが聴いたらコシ抜かすぞ!

240v代わってhibikiのベース・ソロ。

260vこちらも煙が出るような技術の粋を尽くしたプレイだ!

270_2しかし、ベースの奏法も幅を広げたもんよのう。これがJames JamersonやChuck Raineyが弾いている楽器と同じとは思えん!
そういう味方をすれば、ここ数十年の間にバッキング&リズム楽器の枠を飛び越えて、最も活躍の場を広めた楽器はベースかもしねないな~…なんてhibikiちゃんのプレイを見ていて思ってしまった。

280vそしてリズム隊が加わって演ずるは「Eau Rouge」。

285_2必殺のインスト曲!

290vふたりの壮絶なバトル!

300v「ヘヘヘ、これがラブリーの楽器隊だゼ!マネできるもんならしてみろよ!」…と言っているかどうかはわからないが、こうした仕掛けだらけのテクニックを前面に押し出した曲はラブリーに大きな魅力のひとつであることは疑いの余地もない。

310vこのイキも付かせぬ緊迫した演奏はこの日のコンサートのハイライトのひとつだった。

320_3「Hydrangea」。
ここまで9曲中、7曲が今年5月に発表したアルバム『Scenes of Infinity』から。

330もの悲しいピアノのイントロに導かれる「風」。

350vFukiちゃんが感情をタップリと込めて歌い込むこうしたミディアム・テンポの曲もいい。

340vキーボード・ソロ。
こうしてメンバーひとりひとりのソロをフィーチュアするのは実にいいね。Yesみたいで。血のにじむような努力を重ねて習得したテクニックだもん、こういうソロ・コーナーの時はドンドンその技術をひけらかすがいいよ。大賛成。

360vっしゃー、キマった!

370_3当然ドラムソロも。

390_3Yumiのシャープなドラミングのすべてを見せてくれた!
380vコンサートも後半に入り益々熱気を浴びる。

400_3「ark」~「noah」

410v「Venus」では「ホイッ!ホイッ!」で大騒ぎ!この曲かわいいな。

420_3「Hearn's Heaven」
これすごくラブリーっぽい曲だと思うのです。
本編を締めくくるのは『Scenes of Infinity』から「Tales of Promise~天国に寄せるポエトリー~」。本編怒濤の15曲これにて完了!

430_4そしてアンコール。
最近アンコールの時ってキマってオリジナルTシャツを着て出てくるでしょ。ラブリーは本編と同じ衣装で登場した。かえって新鮮だわ~。

440_2アンコールは2回。

Lb_img_3731 「Diamond」と「Love You」。

最後の最後まで弾ききるJaY。やはり彼にはMarshallサウンドがピッタリだ!

450v2回目のアンコールは「Upstream Children」。
新メンバーを得て完璧に新しい境地にたどりついたhibiki。これからもクリエイティブなサウンドづくりに期待している。

460vLight Bringerの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

470_2(一部敬称略 2013年7月14日 渋谷WWWにて撮影)