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2013年8月

2013年8月30日 (金)

SHOW-YA~LIVE at TOWER

去る7月24日に23年ぶりにシングルをリリースしたSHOW-YA。
そのシングルの発売を記念してミニ・ライブが開催された。

10場所は渋谷のタワー・レコード地下のCUTUP STUDIO。

久しぶりに来たけどずいぶんと様変わりしちゃったのね、ココ。もう10年は経つかしら…フルスタックをズラリとならべてここでMarshallのイベントをやったことがあったのよ。出演はFuzzy Control、DMBQ、そしてSHEENA & THE ROKKETSだった。楽しかったな。

以前は横長のステージだったけど、今は向きを変えてとても見やすくなった。

20これがそのシングル『V.S. MY SELF』。
発売前にもマーブロで紹介した。カップリング曲は「奪い取れ」。
それに4月の『NAONのYAON』のSHOW-YAの演奏が丸々収録されているDVDがいっしょになったうれしくもゴージャスな一品。
ステージの前でJim Marshallのポートレイトが入った黒いシャツを着て落ち着きなくせわしく動いているオッサンが私です。イヤン、見ないで!
それに本作品内の写真は私が撮ったものを採用して頂いた。うれしいねったらうれしいね!

30cdさて、ミニ・ライブ。これはCD購買者への特典だ。
「CD購買者への特典。特典ということはオマケ。オマケでSHOW-YAのライブが見れるなんて贅沢な特典だ」とファンの方の書き込みにあった。
ホントそうだよね。SHOW-YAは気前がいいのだ!

40寺田恵子

50五十嵐"sun-go"美貴。今日はいつもとチョット感じの写真を使ってみたよ。

60v中村美紀

70v仙波さとみ
120vそして、角田"mittan"美喜。
80v「ミニ・ライブ」ながら火の玉のように燃える演奏を展開した。
「火の玉」といえば、ステージがリッチな照明の熱でものすごい暑さ!写真を撮っているだけでもアットいう間に汗がドバッと噴き出したよ!
恵子さんたち、さぞかし暑かったと思いますよ~。

100オープニングは「奪い取れ」。

90v上演時間が短いのを承知してか、観る方も演る方も電光石火でノ~リノリ!

105プレスピット内を移動できなかったのでステージ下手でsun-goさんをキャッチ!

110vこういう時は四の五の言ってないでアップ・テンポで攻めまくるべし…

Sy_img_9619ってんで2曲目は「私は嵐」。

130v演奏の模様はインターネットで生配信された。ということで、恵子さん、視聴者に向かって大サービス展開中!

140そしていよいよここで『V.S. MYSELF』のお出まし。

195SHOW-YA史上最速という疾走感あふれるいかにもSHOW-YAらしいハードなナンバーだ。
こんな曲、今SHOW-YA以外に演れるバンドってないんじゃない?

もちろんお客さんもすでに聴きこんじゃってる曲なもんだから盛り上がり方がハンパじゃない!暑い!

180
そして、もうスッカリおなじみになった『流星少女』。久しぶりにキャプテンの導入部からフル・レングスで聴いたような…。

160
まだ「新曲」として紹介されていた頃からよく聴いたし、PV撮影にもお邪魔した。根っからのSHOW-YAファンからは「オヌシは青い!」と一喝されそうだが、私にとっては思い入れの深いナンバー。

150
もちろんコンサートでも人気の曲だ。新しいSHOW-YAスタンダードと読んでも過言ではないだろう。

155
mittan、写真展を開いているそう。是非見に行きましょう!
詳しくはコチラ。明日まで!

170「熟女なめんなよ!」が最近のテーマになっているが、「男の場合はナンていうの?ジュクダン?」と恵子さん。これがおかしくておかしくて!

男性の場合はただの「熟年」だそうですよ。「俳優」と「女優」の関係みたいに「熟女」は「熟年」に含まれる。そもそも「熟年」という言葉も1980年代に広告代理店の電通が流行らせた新語なんだって。実にウマイ婉曲表現ですわな。
すると、この「熟年」がという言葉が生まれる前、それに相当する年格好の人たちは何て呼ばれてたんだろう?「老年」?く~、オレももう老年か…。「人生わずか50年」か…。

そうそう、「50」で思い出した。赤坂BLITZの『QUEENS BIRTHDAY』のレポートも近々お送りしますからね!お楽しみに。

それと、明日8月31日はSHOW-YAの誕生日なんだゼ。1985年8月31日、12インチシングル「素敵にダンシング」リリースで メジャーデビューした日なのだ!明日はマーブロ休みなので今言わせていただきましょう。お誕生日おめでとう!

210vそして、もうライブは終盤。

200v「限界LOVERS」ときて…
240「Fairy」で締めくくる。

250いつも演奏している5曲に新曲を1曲加えた構成のミニライブ…

220パワーみなぎる安定したパフォーマンスに今の日本のロックの最高峰を見た思いだ。
マジでカッコいいよ、SHOW-YAは!

260SHOW-YAは現在『原点回帰2013 ~NEXT EPISODE TOUR~』の真っただ中。広島、福岡、新潟、札幌の皆さん!お見逃しなきよう!カッコいいよ~!

270そして年末、12月28日には『V.S. MYSELF~熟女なめんなよ!歳忘れ暴れ倒しGIG~』というコンサートがZepp Diver Cityで開かれる。

しっかし、すげえタイトルだな…。恵子さん、「飲みに来いよ~!」とか叫んでたな…これもおもしろそうだ!

今日は撮影できなかったけど、もちろんsun-goさんのお供、そしてSHOW-YAのギター・サウンドはいつでもどこでもMarshallだ!

280SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

290(一部敬称略 2013年8月15日 渋谷タワーレコードCUTUP STUDIOにて撮影)

2013年8月29日 (木)

グッドモーニングアメリカ in SUMMER SONIC 2013

もう皆さんSUMMER SONICのレポートも完全に落ち着いたようで…。
遅ればせながらMarshall Blogも今日お届けします。

私が家でゴロゴロしてると思ったら大間違い。2日間ともお邪魔してきましたよ。
05
夏は苦手でしてね~。齢を重ねると年々シンドくなる一方だわ…。
テレビで「今年は猛暑」なんて報道されるともうそれだけでゲンナリしちゃう。だから今年は実際に暑くなる前からイヤだったんだよね。
でも、イザ夏が本番になってみると、「ナニよ、言うほど大したことないじゃない!」ってな感じだった。

ところが…   
よりによってだ…

10サマソニが開催された8月10日&11日に暑さのピークが来やがんの!
11日はまだ風があったのでまだマシだった。
10日よ、10日。
アレ、多分これまでの人生の中で一番暑い日だったんじゃないかな?

20若い人たちは「アチイ、アチイ」と言いながら、それでも各会場間を元気に移動してロックの祭典を謳歌していたようだった。

30ハイ、ここまでの写真で何か気づいた?
そう!外で撮った写真が一枚もない。それもそのはず、だって外で一枚も写真撮ってないんだもん。
暑くて外へ出れんて!
40さて、レインボーステージ。
ステージの転換のようすを見守る大勢の観客。

50その間に1枚パチリ。
警備のアルバイトさんが着ていたスタッフTシャツ。いいね~、アンプですよ。
MarshallはJVMコンボが2台採用されている!しかも1台がトップに配置されているのがうれしい。

60v開演の時間になって会場に響き渡るやたらと高いキーの声!

「みなさ~ん!!!!」

今日のたなしんは観客席の横から海水浴姿で登場!

90「グッドモーニングアメリカはじめま~す!!」
80一気に盛り上がる観客!グドモのステージの最初のハイライトだ!

70渡邊幸一
目標のひとつだった「SUMMER SONIC出演」を実現した喜びと感謝のMCは感動的だった。

100vペギ
今日も怒濤のドラミングでレインボー・ステージを揺さぶった!

110_2金廣真悟
情感豊かな歌声で観客を魅了!

120vたなしん

今日も人気のコール&レスポンス・コーナーがバッチリとキマりました。テーマは「ク」。やっぱりね!

130今日もソリッドでメロディアスなプレイを聴かせてくれた幸一ちゃん。開演前、「キャビがいつもと違うんですよ!カッコいいんスよ!」といかにもギターキッズらしい笑顔が素敵だったぜ。

140v愛用の1959。そして、今日は特別なキャビネットを用意した。1960Aより6インチ(約15cm)ノッポの1982BLTDだ。スピーカーはCelestion G12M-25、いわゆるGreenbackが4台搭載されている。
1982BLTDは、1994年にフルスタック仕様でのみ世界で200台が限定販売された(うち100台はアメリカ)「ヘンドリックス・スタック」と呼ばれているモデルのBキャビだ。

筐体が通常の1960Bよりも大きいため低音がリッチとなる。サイズが大きいキャビネットは一般的にそういう傾向があり、「Tall Vintage」の略号をモデルナンバーに持つ1960TVも同じ。
許容入力が100Wと小さいため、フルバルブのヘッドと組み合わせる場合、取り扱いに注意が必要だが、1960TVを使って想像を絶するド迫力のサウンドをクリエイトするギタリストを何人も見て来た。

今回の幸一ちゃんのギター・サウンドも期待を決して裏切らないものであった。
150v元気いっぱいのノリノリ・チューンからここに染みるしっとりソングまで、短い時間ながらたっぷりと自分たちの魅力を詰め込んだ。
でももっと見たいナ。

160v才人、たなしんの活躍も抜群だ!

180vそれにつけてもカッコいいのはペギちゃんのドラミング姿。一心不乱に叩く姿は、これを見ているだけでひとつのショウになる。

200ドラムがNATALに代わってまた一段とバンド・サウンドが突き抜けた感じで実に心地よい!
金廣さんも、「ものすごく歌いやすくなった!」と大絶賛。
NATALはMarshallのドラム・ブランドである。

190大声援を受けるグッドモーニングアメリカ。アレらの朝はまだ明けたばかりだ。170v
グッドモーニングアメリカの詳しい情報はコチラ⇒グッドモーニングアメリカオフィシャルウェブサイト

210(一部敬称略 2013年8月11日 幕張メッセSUMMER SONIC 2013にて撮影)

2013年8月28日 (水)

LEGEND OF ROCK at 日比谷野音 vol.5 <後編>

『LEGEND OF ROCK at 日比谷野音 vol.5』もいよいよひとバンドを残すところとなった。
この大イベント最後の狂熱のステージを我が目で確かめんとする客さんの熱気で、陽が落ちても気温が下がらない?!

10_4人類の大好物、Led Zeppelinの登場だ。
演ずるはおなじみMR.JIMMY。

30v_2オープニングは「Rock'n'Roll」。

40v_2やっぱりいくつになってもこのドラムのイントロを聴くと興奮しますナァ。
中学2年の時、『The Song Remains the Same(永遠の詩)』がリリースされ、やっぱりA面をよく聴いた。B面とC面はまだチョットきつかった。D面のドラムソロも鬼門だったナ、まだあの頃は。

190_2
やっぱりA面はこの曲が入っていたからね。ドラムのイントロの直前の観客の声が「お~、早くやれよ~」って聴こえたりしてね…。

あの時の興奮がよみがえりますわ。

50_2Percy MOTO

60v_2Professor OTSUKA

70v_3Cookie KURIKAWA

80vそして、Jimmy SAKURAI。
110v_2もちろんZeppelinサウンドにMarshallは欠かせない!欠かせるワケがない!

90_4これがこの日のセット。
メインはもちろん1959。向かって右端のJCM900 4100のハーフ・スタックはテルミン用。

100_3「♪ロンリ、ロンリ」と盛り上がって「Black Dog」がつながる。

映画『永遠の詩』もロードショウ公開で東銀座の松竹セントラルへ観に行った。大分寝たな~。Led Zeppelinが動く姿なんてそれまでま~ったく見たことがなかったもんだから、演奏の場面はもちろん最高だった。ところが、その他のシーンが辛いのなんのって…。
そんな状態でパチッと目が覚めた瞬間が「Black Dog」のシーンだった。ライブ・アルバムには入ってないからね。

映画の中で小さな子が今ではあんなに立派なJason Bonhamになってるもんね~。ずいぶん時間が経った…でも、人類のZeppelinへの愛情は変わらないからスゴイ。

120_2「Black Dog」とはレコーディング時、スタジオの周りをうろついていたラブラドール・レトリバーのこと。

歌の部分はFleetwood Macの「Oh Well(1970年『Then Play On』収録)」にインスパイアされたとか…。
で、Jimmy Pageは後年、The Black Crowesとのツアーでこの曲を実際に演奏した。

そのMacの「Oh Well」、歌の部分だけじゃなく、「Black Dog」に負けないほど全部カッコいい!捨て曲皆無の『Rumors』はもちろん素晴らしい作品だけど、ん~、Bob Welch時代までのFleetwood Macは本当によろしいな。。

ちなみのこの『Then Play On』の1曲目で聴かれる「Coming Your Way」のコンガの音はNATALだろう。Mic FleetwoodはNATALパーカッションを愛用していた。

NATALは1965年に創業したパーカッション・ブランドで、数年前にMarshallが買収し、現在はドラム・セットの開発・製造・販売を積極的に展開し、Brian TichyやBrian Downeyに愛用されている。最近は日本にも上陸した
そういえば、John BonhamもNATALパーカッションを愛用していた。
115_2この偉大なリフとシンプルなリズム・パターンのコンビネーションが生み出す複雑なポリリズム感は
JPJ、John Paul Jonesによるもの。
ショウの時、「観客が音楽に合わせて踊りにくいようにした」という話しだ。はじめはもっと複雑であったが、「コレ、ライブん時ヤバくね?」と簡素化し、現在の形に落ち着いた。

考えてみると、最近のロックは「Kashmir」や「Candy Store Rock」などでLed Zeppelinが示したようなトリッキーなリズムへのアプローチなんてことをまったくしないね。
ま、Led Zeppelinの場合は奇跡にも似た最強のリズム・セクションがあってこそ実現した話しなのだろうが…。

…なんてことは野音のお客さんには関係なく、もうみんな身体を揺らしてノリノリ状態本格化!

130v_33曲目は「The Song Remains the Same」。「永遠の詩」か…けだし名訳ですな。
20_4Jimmyはダブルネックに持ち替え。

140v_2これもカッコいいこと極まりないな…。   

150v_2完璧な演奏で緩急取り混ぜてドラマチックに展開する!

160v特にテンポ・アップするパートがタマラン!

170v_2この曲のスタジオ盤のベースってスゴイ。Jimmy Pageのギターとまったく同等だ。ま、ドラムもそうなんだけどね。
180v_2The Beatlesもそうだけど、やっぱりこういう重要な音楽が生まれる時は、音楽の神様が奇跡が起こりやすくなるよう才能のある人を結集させてお膳立てをしてくれているんだよね。
こういうことが最近起こらないのは、パンク/ニューウェイヴのムーブメント以降、音楽の神様が「もう奇跡は必要ない!」と才能探しをほっぽり出しちゃったからなんだよ、きっと。
190v_2場面は一転してしっとりと「The Rain Song」。  
200_2Professorはキーボードに向かう。
世界中のJPJ役の人は機材費がかさんで大変だ。バンドの備品として割り勘でゲットしているのかな?んなことはどうでもいいか!

220_3この曲も子供の頃は苦痛だったけど、今聴くとメッチャいい曲だな。

George HarrisonがJohn Bonhamに「君たちのバンドはバラードやらないね」とコメントしたことにインスパイアされて作られた曲で、Georgeのコメントへの感謝のしるしとして最初の2つのコードは「Something」から借用したという。これはどうかね~、ホントかな?コード2つぐらいじゃね~、わかりづらいよね~。今度Jimmyさんに確認してみよっと!

230v_2野音の舞台にダブル・ネック姿のJimmyが映える!

240v「♪アビン、デーズンコン、フュー~」…「幻惑されて」。
これも昔は苦痛だった。こういう曲がLed Zeppelinを「はじめはムズカシかった」とさせる所以だろう。Deep Purpleも「Space Truckin'」のような長尺のインプロ曲があるが、わかりやすいもんね。
250_2
でも、Zeppelinは一旦幻惑されると抜けられないのだ。

260_3この曲はアメリカのシンガーソングライターのJake Holmesという人の1967年のオリジナル。The Yardbirdsを経てLed Zeppelinに行きついた。印税すごかったろうな~。今でもウハウハじゃん?

オリジナルはダラ~っとしたサイケ調で、Zeppelinの重厚な演奏からはかなり遠い。
270vJimmy Pageの有名なアルコのパフォーマンスもバッチリ再現される。

290vMR.JIMMYのショウでもハイライトを占めるパートだ。
280_2この時ばかりは観客も身じろぎをせずJimmyの所作をジッと見つめる。

300v_2野音っていうシチュエーションがまたいいね!

310_3エコープレックスを駆使したプレイ。

320しかし、Jimmy Pageもカッコいいこと考えたもんよのう。

330これはいつか一度やってみたいニャ~。

340v幻想的なシーンから一転、ハードなパートを経てスペクタクルなエンディングへ!
お見事!

350_2またダブルネックに持ち替えての演目は「Stairway to Heaven」。

390v_2Professor、再びキーボードで大活躍だ。

370vしっかし、これまで何回聴いたかな、この曲。あるアコースティック・ギターの工場へ行くと「No Stairway to Heaven!」という注意書きが壁に貼ってあったそうだ。
380v洋の東西を問わず「耳タコ」だけど、また聴きたくなるロックのスタンダード中のスタンダードと呼んで差支えないだろう。

400v_2当然、ソロも完璧に再現される。
360_2それにしてもいい曲だわ。
やっぱりどんなにギターがすごくても、見た目がカッコよくても、肝心なのは「曲」のクォリティだね~。音楽だから当然なんだけど、この時代のロックを聴いていると痛切に感じますわ、ホンマ。
420v_2最後は「Whole Lotta Love」。「胸いっぱいの愛を」…これもイイ訳だ。なかなか恥ずかしくて口に出せないけど…。

430_2Zeppelinスタンダードの中でもとりわけ人気の高い曲…

440v_2盛り上がること必定だ!

450v_2ここでお約束のテルミン登場!

460このモノフォニックで単調な音色の電子楽器をこれほど効果的にカッコよく使ったJimmy Pageはやっぱりスゴイ。

470ブキュ~、グイ~ン、チュワ~ンと言ってるだけなのにカッコいい。わかってるの。それはね、曲なんですよ。これをこの曲で使うアイデアがとってもクリエイティブなんだけど、それを受けとめるだけの曲の度量があるんだな。

このテルミンが暴れまくるパートだけ聴いていてもさすがにシンドイ。でもその前後の充実感というか感性度というか…あまりに素晴らしい。
本当にロックがクリエイティブだったことを教えてくれるMR.JIMMYの演奏だ。

480もちろんもひとつのお約束ごと、ロックンロールのスタンダードも間に挟まれた。

500v_2絶唱するPercy!

520_3このギター・ソロも何回聴いたことか…。やっぱり何回聴いてもカッコいい!

510v今日約1時間の間に演奏されたツェッペリン・スタンダードはLed Zeppelinの魅力の核をなす部分ではあるが、氷山の一角でもある。
そうして考えてみると、やはりこのバンドは途轍もなく大きな音楽的遺産を人類に残してくれたのだと思う。

530_2彼らの作った曲、イヤ、Led Zeppelinだけでなく、今日野音に出演したバンド達が演奏した曲の数々は人類が滅亡するまで歌い続けられ、演奏し続けられていくだろう。

まさに「Songs remain the same」だ。古くなることはないのだ。
反対に、もうロックにはこうして末代まで歌い続けられる新しいスタンダード曲は永久に生まれて来ないのではなかろうか…。

550v以前にも書いたことだが、最近の若い人にはJohn Bonhamのドラムがスカスカに聴こえるそうだ。ボンゾのドラミングがスカスカ?
こんなのおっかしいでしょ?
完全に音楽の作り方も聴き方もおかしくなっちゃってると思いませんか?
もう新しいものから新しいものは生まれないよ。
このLed Zeppelinの音楽だって最初はブルースの改作だったんだから。

555
とにかく一日でもはやくロックの魅力を見直して若い世代につなげることを考えるべきだ。
最近コレばっかし言っているけど、「伝承」は本当に大切だと思う。

それにね、時間がないよ。先日もJ.J.CaleやGeorge Dukeが亡くなったけど、ロックやポップスの黄金時代を作った人たちがドンドン鬼籍に入っているからね。そうした偉大な先達が健在のうちに伝承作業を進めた方がいい。

そういう意味ではこの「LEGEND OF ROCK」が取り組んでいることはあまりにも有益なことだと思っている。
できれば、もっと若い人たちに集ってもらいたい。

540v
昨年本物のJimmy Pageとの邂逅も果たし、Jimmy SAKURAIはノリにノッて現在LED ZEPPAGAINのSwan Montgomeryらと全米をツアー中だ。

Jimmyさんとは比較的長いお付き合いをさせていただいているが、彼を見ていると「継続は力なり」を思い知らされる。
Jimmy Pageと「ヤアヤア」となっている写真を見てジーンと来ちゃったんだよね、Jimmyさんのお父さんでもないのに…「ヤッタじゃないか!」って。

このMarshall Blogに関して、私の「Marshallへの愛情の表現」とか「音楽への情熱の結果」とか、ありがたくも大変好意的な評価をいただくことが多いが、確かにそうした感情がなければこんなにテマヒマかかることを続けることなどできません。
実際、Marshallの宣伝だけだったら、「ハイ、この人、1959使ってます~。いい音で~す。おしまい」で済むもんね。でもこれじゃおもしろくない。少なくとも音楽に対する愛情は感じられない。
もちろん、ご愛読いただいている方々やご協力いただいている方々なくしてもできません。本当にMarshall Blogをご支援頂いている皆様には心から感謝しています。

でもJimmyさんのやっていることに比べたら私なんぞ、まだ生ぬるい方だ。
私はMarshallやMarshall Blogや音楽のことを一日24時間考えているが、Jimmyさんは一日27時間ぐらいLed ZeppelinやJimmy Pageのことを考えていると思うのですよ。
イヤ、Jimmyさんに限らずサムライサムさんもJIMISENさんも、今日出演した他の方々も皆それぞれそうだと思う。

それは、創造性に満ち溢れていたころのロックを知っている者しかできない所業であると思う。
そうしたロックに対する愛情や情熱を吐露する場所としてLEGEND OF ROCKは最適にして最高の舞台であると思った。
そうでなければこんな大会場で5年も続けて大イベントはできないよ。
これkらも益々のご発展をお祈りする次第である。

560vMR.JIMMYの詳しい情報はコチラ⇒MR.JIMMY OFFICIAL WEB SITE

570_2最後はコンク勝二氏のMCで締めくくられた…「また次回お会いしましょう!」

あ~楽しかった!次回も楽しみだね!

LEGEND OF ROCKの詳しい情報はコチラ⇒LEGEND OF ROCK WEBR

580v(一部敬称略 2013年7月15日日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2013年8月27日 (火)

LEGEND OF ROCK at 日比谷野音 vol.5 <中編>

続いての登場はTHE BEGGARS。
このバンドもLEGEND OF ROCKには欠かせない貴重な存在だ。

THE BEGGARSって私が高校生だった頃から活動してたけんね。メッチャ、ベテランよ。長いことお休みをされていて20 年ぶりぐらいに再結成されたとのこと。

サスガその演奏、成りきり度、安定感は素晴らしい。しかも、MarshallのThe Rolling Stones!こんなのココでしか観れねーゼ!

ところが…ですよ。Marshall Blogを長年ご愛読頂いている方々はとっくにお気づきのことと思うが、ストーンズ関連の話題ってほぼ出て来ないでしょう?『名所めぐり』にすら出て来ない。

ナーンでか?
ひとつにはストーンズがMarshallを使わないってことがある。「じゃ、何でビートルズは取り上げんのさ?」ということになるね。
ハイハイ、面倒だから正直に言うけど、私、The Rolling Stonesまったく通ってないんですよ!
私も中学生の頃から万単位でLPやCDを買って来たけど、ストーンズのCDがウチの棚にはじめて納まったのはここ数年のことなのよ。

「なんだ、ブリティッシュ、ブリティッシュって騒ぐ割には片手落ちじゃないか!」と怒られそうだけど、いーのいーの。
でも、長いことロックを聴いているので、LPやCDは持っていなくても代表曲は知ってますよ。
『Charlie Is My Darling』が初めて日本で公開された時も観に行ったし(司会が渋谷陽一氏で、本編の前にCheap TrickのPVが放映された。まだこの時はデビュー前で、オッソロしくカッコいいバンドがこれから出て来るんだナァと感心した)、『Gimmie Shelter』も映画館で観た。

でもなんか子供の頃からシックリ来ないんだよね~。なんでなんだろう。
ということで、ストーンズについては書くことができません。
なので短めなんだけど、THE BEGGARSのステージはよかった!
拝見したのは2度目。相変わらず一種独特のロックンロール感が際立っていた。

10_2女性のボーカルも加わって「Gimmie Shelter」やら「Honky Tonk Women」を大熱演!

ちなみに私が一番好きなストーンズの曲は「Street Fighting Man」です。

THE BEGGARSの詳しい情報はコチラ⇒THE BEGGARS official web site

20_2今度はジャニス。

30座椅子ジョプリンの登場だ。

60曲は『Pearl』収録の「Mercedes Benz」。

40一番で「神様、ベンツ買ってくれない?」…これはいい.。でも、なんで二番ではこれがカラーテレビなんだろう?テレビぐらい自分で買えばいいのにな…なんて思いませんでしたか?
そんなこと言っちゃいかんか。

歌詞に出て来る「Dialing for Dollars」というのは1950~70年代にアメリカとカナダで放映されたローカルのテレビ番組。
番組の冒頭に何がしかのパスワードを発表しておいて、番組の途中で予め申し込んでおいた視聴者にいきなり電話をする。その時、電話に出た人がそのパスワードを言えれば賞金がもらえる。もし答えられなければその賞金は次週にキャリー・オーバーとなる…って今でもこんなことやってる。そういう番組。
で、ジャニスは「Dailing for Dollars is trying to find me、つまりDaialing for Dollarsが私を探し出そうとしてくれている」と歌っている。すなわち、もうちょっとで私に電話をかけてくれるかも知れない…と言っているワケ。

1971年10月1日にワンテイクで収録されたア・カペラ曲。ヒッピー時代の消費主義に対する一種のプロテスト・ソングと言われている。
ジャニスはコレを吹き込んだ3日後に亡くなった。

ずいぶん多くの人にカバーもされていて、Taj Mahalのはカッコいいよ。Elton Johnもコンサートでは歌ったこともあったらしい。聴きたかったナ。

90_2結構一緒に歌っているお客さんもいてチョットびっくりした。

80_3もうね、ここはですね、私もJim Marshallに成りきってシャッターを切ったね。
Jim Marshallと言ってもウチのJimじゃなくて写真家のJim Marshallね。少しはそれっぽいかな?うまく撮らないと熱唱している座椅子さんに申し訳が立たんからね!
70v_2ほんの数分の出番だったけど、十分にその存在感を示した!

座椅子ジョプリンの詳しい情報はコチラ⇒ナニゲに座椅子です

50v_3この辺りからLEGEND OF ROCK at 日比谷野音 vol.5も後半に入って来る。陽も落ちて来た。

100トリ前に登場したるは JIMISEN!
110Jimi Hendrixのトリビュート演奏を観るのも久しぶりだナァ。

JIMISEN

120vベースはZitch。

130v_2ドラムはPaddyだ。

140v爆音とともに演奏スタート。

150一曲目は「Hey Joe」だ。
こんな始まり方もいいな~。
160_2ところで「Hey Joe」という曲はジミのオリジナル・ソングではござらんよ。アメリカのシンガーソングライターのBilly Robertsという人の作品。

チャス・チャンドラーがジミを初めて見た時からこの曲をシングルでリリースしようと決めていたという。
そのせいか、ナントナント、あの有名なイントロのメロディもジミによるものではなく、ロバーツの完コピなのよ。

170しかも、この曲は「トロイメライ」のような歌謡一部形式。サビもなくて、最初から最後までメロディがひとつしか出て来ない。このシンプルさがジミにピッタリとチャスは見抜いたんだろうね。

185v続いては「Spanish Castle Magic」。「The Spanish Castle」とはシアトルにあったジミが高校生の時に入り浸ったダンス・クラブの名前だ。
こういう曲はピッタリとハマるね!

180v強烈なフィード・バック…「Foxey Lady」だ!

200v
お客さんも「待ってました!」とばかりにこの有名なリフに合わせて首を振る!
やっぱ破天荒に曲がカッコいいよね。

190
一部のスキもない完璧な演奏!

220_2230v「Voodoo Chile (Slight Return)」。大ヒットパレードだ~!

250JIMISENはもう汗みどろの激演!

240_2熱心に聴き入るお客さんたち!

260_2そして。もちろん〆は「Star Spangled Banner」から「Purple Haze」だ!

210_2やっぱり三段積みじゃないとね!

280
そうか、もうそろそろJimi Hendrixの命日だね。9月18日、43回目だそう。

290_2
死後60年経った現在もCharlie Parkerのアルト・サックスを超える者が現れないように、いくら指が速く動こうが、右手を使おうが、Jimi Hendrixを超える者も未来永劫現れないであろう。
それはジミのギターがあまりにもオリジナリティに満ち満ちていたこともさることながら、音楽家として素晴らしい曲と歌唱を残し、カッコいいパフォーマンスを展開したことも大きいのだと思う。

しかるに、こうしてジミの偉業をこうして構成に伝承するのは実に大きな意義を持っているのだ。
300素晴らしい演奏だった!

JIMISENの詳しい情報はコチラ⇒JIMISEN Official facebook

310_2LEGEND OF ROCKの詳しい情報はコチラ⇒LEGEND OF ROCK WEB

<後編>につづく

(一部敬称略 2013年7月15日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)


2013年8月26日 (月)

LEGEND OF ROCK at 日比谷野音 vol.5 <前編> ~改訂版~

大分前に、何を勘違いしたか「Legend」を「手弁当」と聴き間違えたヤツがいて笑った…一文字も合ってないじゃんね。

もうロック・ファンにはすっかりおなじみの『LEGEND OF ROCK』。ナント2004年にスタートし、9年を経過した現在も活発に活動を重ねる日本最大のロック・トリビュート・イベントだ。
先日マーブロでレポートし、予想をはるかに超えるアクセス件数を頂戴した『THANX RONNIE JAMES DIO LIVE vol.2』も『LEGEND OF ROCK』のシリーズのうちのひとつで、ハード・ロックからプログレッシブ・ロックまでジャンルを超えて「黄金時代のロック」を次世代に伝承せんとする素晴らしい活動である。

こうしたトリビュート活動は実は日本だけでなく、海外でも盛んに展開されていて、いかに世界中の一般大衆があの時代のロックを聴きたがっているかがわかる。

ちょっと本題に入る前にイギリスの状況を見てみよう。
下の何枚かの写真は『Classic Rock』という70年代のロックに特化した私のためにあるような雑誌の巻末に掲載されるコンサートの告知広告。

この雑誌には見たことのない写真が満載されていて、イギリスに行くたびに買って来ては興味のある記事を拾い読みしながら「イイな~」とつぶやきながら目を通すのが大きな楽しみなのだ。高くなっちゃうけど日本でも手に入る。

トリビュートと来ればやっぱりこれがななくちゃ始まらない、Jimi Hendrix。どうも「The Jimi Hendrix Experience」というズバリすぎる名前で活動しているようだ。リバープールではあの「Cavern」でブッキングされているところがおもしろい。
右のページの「LIVE/WIRE」というのはロゴのデザインからしてAC/DC。その下のLIMEHOUSE LIZZYはThin Lizzy。AC/DCとTHIN LIZZYという夢のようなダブル・ヘッドライナー。会場が各地のO2 Academyになっているところを見ると結構人気があるようだ。

10m「トリビュート」といえば洋の東西を問わず、Hendrix、Zeppelin、Deep Purpleと並んで外すことができないのがQueenだろう。先のThin Lizzyあたりはいかにもイギリスっぽいといったところか?
バンドの名前は「THE BOHEMIANS」。Brian Mayが「Brilliant(スンばらしい!)」と、Roger Taylorが「It's uncanny(コイツぁ驚いた)」言っているようです。

その隣は「ヨーロッパでただひとつ、ForeignorとJourneyをリビュートしちゃってるバンド」、A FOREIGNOR JOURNEY…そのまんまかい?! 漫才師みたいだな。

20mEaglesのトリビュート・バンドは「ULTIMATE EAGLES」。その下はReGenesis。もちろんGenesisトリビュート。「genesis」というのは「発生」とか「創世」とかいう意味があるので、接頭辞の「re」をひっつけて「再創世」という意味にし、「Re(語源はラテン語のres)=~について」と引っかけて「ジェネシスについて」とダブル・ミーニングにしているのだろう。
なかなかうまいネーミングだが日本のトリビュート・バンドにはかなわんな。

KISSもお定まりのトリビュート・ネタだ。このバンドは「DreSSed to Kill」という名前。

30mついでに…こちらは本物の告知広告。ZZ Top、Status Quo(チケット売り切れ続出!)、Alice Cooper、The Answer…そしてDioKenさんが泣いて喜ぶだろうDIO。これは2009年の広告なので、Ronnieがまだ健在の頃だ。O2 Academyツアー。
(本記事掲載後、ある方から情報をご提供いただきました。このDIOのツアーはRonnieの胃ガンの治療に専念するためキャンセルになったとのことです。ご存知の通りRonnieは闘病の末、翌年5 月に逝去されました。改めまして世界最高のロック・シンガーのご冥福をお祈りするとともに、ここにお詫びして記事の内容を訂正させちただきます。当情報を提供して頂いた「ある人」とは他ならぬDio Kenさんです。Dio Kenさん、どうもありがとうございました!)

他にも本物のThin Lizzy、Nazareth、Steve Miller Band、UFO、Argentだのだの、観たいコンサートを挙げ出したらキリがない。やっぱイギリスはいいナァ~。

40m
さて、話を東京に戻そう。
普段LEGEND OF ROCKは都内のライブハウスで開催されているが、年に1回日比谷の野外大音楽堂でのお祭りが開催される。
なんと今回が5回目というのだからスゴイ!

英語力では負けるかもしれないが、キメ細かい仕事を得意とする日本人のこと、ここでは外国のトリビュート・コンサートに負けない、「Legend」と「手弁当」と聴き間違えるようなことのない本物に肉薄する素晴らしい熱演が繰り広げられた。
010_2今回の開催は7月15日。幸いこの頃はまだアホみたいに暑いこともなく、お客さんも楽しみ方それぞれ…長年親しんで来た名曲をジックリ味わう人、一緒に大声で歌う人、ステージに合わせてエア・ギターを楽しむ人、飲みすぎてゲロ吐いてぶっ倒れてる人、興奮してカメラのシャッターを切りまくってる人(私です!)…ロック漬けの実に楽しい一日であった。

マーブロでは今日から3回にわたりその模様をレポートする。

当日のトップ・バッターのGuns'n Rosesのトリビュート・バンド、Guumen Showersに続きMETALLICAをトリビュートするHATTALLICAが登場した。

そして、ビンテージの1959を携えて登場したのがaDIOs。
もちろんその名が示す通り、Ronnie James Dioを崇拝するバンドだ。 80ノッケから盛り上げムード満点でゴキゲン!

10aDIOsのメンバーは;

DIOKEN

30v里村源多朗

40vKassy

50vKou

60v出原卓

70v考えてみるに前回のレポート時は特別な編成でボーカルがRayさんだった。
201曲目は「Stand up and Shout」。

90攻めのアップ・テンポが気持ちいい!やっぱこういうのがロックだと思うよね~。

100vそしてギターはMarshallで鳴らさなきゃ!

110v愛用の1959とキャビネットは1960AX。

120今日のコンサートは珍しい。だってステージに上がったMarshallのキャビネットがすべて「X」キャビだったんよ!こんなのないよ、普通。
私も現役時代はJMP時代の1959と1960AXを使っていた。キャビネットを二階からひとりで降ろそうとしたけど、重みに耐えかねて階段の途中で手を離してしまったことがあった。
勢いよく階段を転がり落ち、玄関の戸を突き破って通りに放りだされた私の1960Xにはキズひとつつかず、その晩の屋根裏のライブでもギンギンに鳴ってくれた。やっぱMarshallスゲエ。
160中域の張り出したGreenbackの音が実にロック!昔はみんなロックがこういう音をしていたんですよ。
130v私はね、いいMarshallの音を聴くと新宿ロフトや渋谷の屋根裏を思い出すのよ。高校生の頃から入り浸って耳にした、身体に刷り込まれたギターのサウンドは一生忘れることがないだろう。

140今日の源多朗さんもそうだが、Marshall Blogに登場してくれる素晴らしいギタリストはみんなそうして私を挑発してくれる。
私はもう根を詰めてギターを練習することはないだろうが、彼らから受けとめたMarshallのギター・サウンはド自分なりに写真と文章でアンプリファイしていくつもりだ。(今日文章、メッチャ冴えてるね。今自分で鳥肌が立っちまった!)

150vコレ、本物はVivian Campbell?一歩も引けを取らない素晴らしいギター・プレイ。

170v
持ち時間があまりないため、6曲まとめてメドレーで…まずはDIOで「The Last In Line」 ~
180Black Sabbathで「Heven And Hell」~

これは恥ずかしながら一緒に歌っちゃったね~、♪オーオーのとこ!

190v
キラー・チューン「Neon Knights」 ~

200Rainbowで「Long Live Rock'n Roll」 ~

220これは盛り上がるってば!

230そしてDIOの「Holy Diver」から「The Last In Line」に戻って終了。

240やっぱどれも曲がいいからネ~。熱演のし甲斐もあるってもんでしょ。

250vやはりロック界最高のシンガーを敬愛するバンドだけあって、出てくる音も圧巻!見応え満点の30分だった!

260終演直後のDIOKENさん。こうしたアット・ホームな雰囲気もこのシリーズの魅力だ。本物のパダノーヴァさんだったらこうはいかない。

aDIOsの詳しい情報はコチラ⇒DIOKEN facebook

270MCはコンク勝二。
勝二さんがMCをご担当されていることなんてツユ知らず現場でお互いにビックリ!昔、何回かいっしょに仕事をした仲でしてね…10年ぶり以上ぐらいにお会いしたかしら?大学の先輩でもあらるる。元気でいらっしゃってヨカッタ。
野音に大観衆の前で軽妙洒脱にMCをこなすところはサスガ!

280v続いて登場したのはQueer。

290
ま~、世の中色んな人がいるもんで…こうやって成り切ってやられると本物に見えて来るからおもしろい。

300v一曲は「One Vison」、そして「Seven Sea of Rye」。

310「LIAR / TEAR IT UP」から「KIND OF MAGIC」

320v胸毛が実にセクシー?!
330vQueenのコピー・バンド(ここは敢えて「コピー・バンド」っていう言葉を使う。昔は「トリビュート・バンド」なんている言葉はなかったから)ってのも昔からいたな~。
不思議なもので、Queenに限らず昔より何十年も経った今の方が圧倒的に機材に関する情報が豊富で最近トリビュートしている方々は機材費も大変だ。

340おお!フレディも会場に来てるぞ!発泡酒飲んでる。
370
「Keep Youeself Alive」、「Let Me Entertain You」とか演って欲しいな~。
「Now I'm Here」とか「Brighton Rock」だの「Tie Your Mother Down」だの「Death on Two Legs」だのカッコいい曲テンコ盛りだよね、Queenって。「Stone Cold Crazy」なんかも演って欲しいナ。

「Radio Ga Ga」、「We Will Rock You」。

とにもかくにもいつの時代も人気のQueenだけど、これぐらいにいしておきましょう。だってMarshallじゃないんだもん。

350
そういえば、かなり以前のことだけど、「Marshall Blogってサ、Marshallのことしか書いてない」と指摘されて絶句したことがあった。でもうれしかったな。つまりMarshall Blogがいち楽器メーカーの宣伝のためのブログだとは思われていないってことだもん。「我が意を得たり」なのです。

最後は「We are the Champions」。

そういえばQueenって一度も観なかったナ。昔は好きじゃなかったもんで…。観ておけばよかった…大後悔。
Brian Mayはロンドンで見たよ。『We Will Rock You』にゲストで出演した時。うれしかった。

誰にも言わない?いつもJazzだ、Zappaだって騒いでるけど、あのね、私はね、「Bohemian Rhapsody」ってロック史のベスト5に入る名曲だと思ってんのよ。あ~、言ってしまった、書いてしまった!

Queerの詳しい情報はコチラ⇒Queer Official Web Site

360そして、The Whoの出番。
演ずるはタウン禅。
380The Whoは2回観た。タウン禅を観るのはこれが初めてだが、The Whoのトリビュート・バンドは2つめだな。
440v
ボーカルはイアン。イギリス出身だそうだ。

390vサムライサム

400v1曲目は「Substitute」。いわゆる「恋のピンチ・ヒッター」だ。

410vそして「My Generation」。

420vPeteがMarshallを使ってる!まるで1965年に戻ったようだ!…ってたって当時を見たワケじゃないけど。
430…というのは、『Marshall Chronicle』にも書いたが、Pete Townshendは1966年以降、公の場でただの一度もMarshallを使ったことがないのだ。MarshallはPeteの協力なくしてはこの世に生まれなかったにもかかわらず、ナゼ使わなくなったのか…はマー本を見てチョーダイ。私が一生懸命書きました!
Mc50 楽屋でサムライサムさんとしばらく会話を楽しんだのだが、彼はMarshallを使ってくれているそうだ。つまりPete Townshendの1966年以前型だ。
450vよくこのあたりの話しもご存知でうれしかった。

460vステージではこの通りPeteになり切って…

470v腕を回す!これは大変な作業ですよ。

480v「The Seeker」。
South Shildsに行った時、金曜日の晩にパブに出ていたバンドがこの曲を演っていた。お客さんも一緒に歌っていた。イギリスの人たちのすぐ横にはロックがあって、The Whoがいるということを実感したね。日本とはまったく違う音楽の環境があるのだ。
いくらライブハウスを作ったって日本はああはならないだろうな~。

490ホネホネ・ルックが可愛い!

500vベースだけじゃなくて本物のジョンみたいにモクモクと弾く姿もソックリ!
520_2『Quadrophenia』からは「5:15」。メッチャ名曲だよね~。

546v本当に日本のThe Who事情はオソマツだったね。ウマイ具合にレコードが出なかったからね。これには当時のレコード会社の人たちも苦労されたようだ。

510私は中学一年の時に映画『トミー』を日比谷のスカラ座(お、そういえばここからすぐ近くだ)へ観に行ったのが最初だった。
映画はとても気に入ったが、The Whoを聴くには至らなかった。やっぱりレコードが買いにくかった、つまりどれを買っていいのかわからなかった印象があるな。

530今でもThe Whoはウッドストックのおかげで「Summer Time Blues」ばっかりでしょう、日本は。『Who Are You』ぐらいまでのアルバムは是非日本の多くの人に聴いてもらいたいと思ういますな。それで「コレだ!」とピンと来たらタウン禅を観に行く…と。

540激しいアクション続きで大変なんですよ、ピートは!

545あぶね、あぶね!でもRogerはコレやらなきゃね!

550アラよっと!

560落っこどさなくてヨカッタ~。

570「Summertime Blues」、「Young Man Blues」ときて、「Baba O'riley」で締めくくってくれた。「Baba」のイントロのシーケンス音が聞こえて来た時、小躍りしてしまった!

とにかく明るくて、にぎやかで、ド迫力のThe Whoサウンドに盛大な拍手が送られたのであった!

580「あんまり腕を回し過ぎると血が出ちゃうんですよ!」本当に流血するまでウインドミルをやったことがあるそうだ!おそるべしサムライサム!

590タウン禅の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

LEGEND OF ROCKの詳しい情報はコチラ⇒LEGEND OF ROCK WEB

<中編>につづく



(一部敬称略 2013年7月15日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2013年8月23日 (金)

Strange Beautiful & Loud~Sound Experience 8

久しぶりの『Sound Experience』…前回は4月のことだった。ゲストに足立YOU祐二氏を招いて濃い~、ギター・ミュージックをタップリと聴かせてもらった。これまでにも大谷令文氏が登場するなど、ガッツの入ったロックがお好みの人にはタマらんシリーズとなっている。

今回はゲストを招へいする形式ではなく、Strange Beautiful & Loudの前もうひとつバンドが登場した。ま、平たく言えば対バンだ。くどいようだが、「ツーマン」はやめようね。「ダブル・ヘッドライナー」と言いましょう。

10_2登場したのは今井芳継率いるVoodoo Butterfly。

20今井さんのギターをドフィーチュアしたインスト・バンドだ。

今井さんはTerra Rosaの最後のギタリスト。つまり三宅庸介と同窓だ。
シマ・ユウジ、足立祐二、三宅庸介、鈴木広美、今井芳継…それにしても、Terra Rosaってバンドはよくもこれだけエグイギタリストを集めたもんだ。
Cazさん(赤尾和重さん)によれば、「岡垣くんがどこからともなく見つけてくる」ってなことだったが、才能を見抜く岡垣さんの慧眼も恐るべし…だ。まるでArt BlakeyかMiles Davisか…はたまたFrank Zappaか…。

30 それにしても今井さん、ステージ中央で弾くのはいいんだけど、何だってそんなに横向いちゃうの~?こんなに上手好きなギタリストを見るのは初めてだ!
40Voodoo Butterflyのメンバーは…
今井芳継

50vHirokaz

60vMami

70vShow

80v今井さんも当然のごとくMarshall。

90vJCM900 4100と1936Vのコンビネーション。1936Vは2×12"のキャビネット1936にCelestionのVintage30を搭載したモデル。
これが実にいい。Vintage30の音質的特性が1936のサイズにものすごくマッチしていて、何とも言えない深く、ふくよかな音像を作り出すのだ。
キャビは大事だよ~。そしてMarshallのキャビネットは実によくできている。ここはJim Marshallに感謝したいところだ。

100v今井さんはさすがTerra RosaのOBだけあって、テクニックは万全。しかし、ただただベロベロと弾きまくるワケではなく、ちょっとフレーズ自体やその組み立て方がちょっと変わっていて実に興味深い。何というか、ものすごいオリジナル性が芯にあるっていうのかな?
そういう意味では三宅さんとの組み合わせは実にいいカードになった。ポーカーでいえば「フルハウス」か「フラッシュ」ぐらいか?

110vこれは今井さんのソロ・アルバム『Vertu et vice』。フランス語やね。「Virtue and Vice」…「美徳と悪徳」という意味(ですよね?!)。
今井さんのギターがテンコ盛りの作品だが、聴いていてあんまり「ギター・アルバム」って感じがしない。もちろん相当弾きまくっているんだけどね。
チャイコフスキーが2曲取り上げられていて、「ピアノ協奏曲第1番」の第1楽章を5/4拍子(オリジナルは3/4拍子)で演奏したりしている。
話しはそれるが、こうしたクラシック・ネタで、いつか誰かショスタコーヴィチの『Suit for Variety Orchestra』の「Watz 2」を弾かないかな…と期待しているのだ。いわゆる「ジンタ」っていうコテコテのワルツ。このメロディをドロッドロの泣きのギターで弾いたら面白いと思うんだけどな~。
今井さんか三宅さんに期待してしまおう。

と、このアルバム、「ギタリストが作ったギター満載のギターを感じさせないギター・アルバム」という撞着の極致みたいな印象を受けた。

120cdそういう風に聴き込んでみると、三宅さんの『Lotus and Visceral Songs』も同じことが言える。
この日はそんな音作りをしている2人が顔を合わせた実に貴重なコンサートだったのだ。

Sblcd 冒頭、タ~ップリとア・カペラでギター・ソロを披露。定石ロック・フレーズが出ない新鮮な印象。

130vそして、リズム隊が入ってビックリ仰天!
GONGなのだ!『Expresso II』の「Heavy Tune」みたいな感じ。

190_2 ベースの音が何となくHansford Roweに似ているせいもあるかもしれない。でも、日本人のバンドでこんなのはじめて。
ベースのHirokazさんにこのことを伝えたらよろんでくれた。GONGお好きなんだそうだ。ちなみにHirokazさんは元々はギタリストで、『HOMEGROWN/slo-burnin'』というアルバムを発表している。これがまたよい出来で、楽しんじゃいました。

140vちなみにこの時には今井さんのアルバムをまだ聴いていないワケで、反対にアルバムを聴いてからこのショウを観てもまた驚いていたかもしれない。

150みなさんとはこの日が初対面で、Voodoo Butterflyがどんなことをするバンドかもわからず、楽屋での雰囲気しか前情報がなかったのね。それだけに実物を見た時のインパクトが強くて、「コレだ!」っと思わず心の中で叫んだのであった!

160v圧倒的なテクニックから次々にクリエイトされるフレーズの洪水!
165それをガッチリと受け止めるバック陣。
やっていることは結構重いハズなんだけど、すごく明るい雰囲気が漂っているのもこのバンドの特長か…。

170へへへ、また楽しみが増えたわい!

180今井芳継Voodoo Butterflyの詳しい情報はコチラ⇒Voodoo Butterfly

210替わっておなじみYosuke Miyake's Strange Beautiful & Loud。

220いつも通り三者が一丸となって迫りくる三宅ミュージックが快感!

230三宅庸介

240v山本征史

250v金光KK健司

260v1曲目は「Ring」。

270お供はいつものDSL100と1960BV。

2802曲目は「Petal」。
まずは前述のアルバムに未収録の曲で固めた。

290ますます征史さんのベースが冴えわたる!Strange Beautiful & Loudサウンドをタテにヨコに充足する仕事っぷりはこのバンドのもう一人の三宅庸介と呼んでもよいだろう。

300征史さんのMarshallは1992 SUPER BASS。いい音だナァ~。深くて太くてつややかで…。

310歌うようにドラムを奏でるKK。

320征史さん同様、豊かなダイナミック・レンジで縦横無尽にバンドを着色する。

330もう何回もこのバンドを見て来たが、毎回レベルが上がり続けているような気がする。毎回「今日の演奏が最高!」なのだ。

340新曲を経て、「Bloom」、「Mani」、「If」。
今日はアルバムに収録されていない曲が多いなぁ。さてはそろそろニュー・アルバム考えているんだな?

350本編最後は「Virtue」。今井さんの「Vertu」に対抗か?!Strange Beautiful & Loudのハードな面をフィーチュアした曲だ。

360アンコールはまずはStrange Beautiful & Loudで1曲。

370三宅さんのテーマソングともいうべき(?)、「Stratify」。
だ~から三宅さん、早く「Marshallogy(マーシャル学)」か「Marshallization(マーシャル化)」って曲作ってくだされ!

390そして今井さんがジョインして1曲。

400KKのドラムから始まったこの曲は!
みんな大好き「Led Boots」!

410ソロはゲストの今井さんから…。
410_2ソロが三宅さんに渡される。
3人ともメッチャ見てる!

420今井さんとは対照的なMarshallトーンで応える三宅さん!

430ふたりを執拗にあおるリズム隊!

450三宅さん、こんな顔してるけど…

460それはそれはすさまじいギター・バトルでござんした。
やっぱりMarshall同士の対決はおもしろいな。

次回の「Sound Experience」も楽しみにしております!

470三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange Beautiful & Loud

480(一部敬称略 2013年7月16日 三軒茶屋Grapefruit Moonにて撮影)

2013年8月22日 (木)

ブルースを弾こう!~ Kelly SIMONZの『へヴィ・ブルース・ロック・ギター』

Kelly SIMONZがブルースを弾いた。

新しい教則DVDの話し。

10_2もうこれは何回も書いてきたことなので、またぞろここに記すのも恐縮なのだが、大切なことなのでまた書く。この先も同じことを書き続けるかもしれない。

20v以前のMarshall Blogで大谷令文氏にインタビューした時のこと。令文さんはこうおっしゃった…。
「今の若い人たちの音楽を聴いていると『3』の感覚が希薄なように思います。『3』というのはもちろん『3連符』のことです。シャッフルとかブギとか…そういうタイプの音楽を演奏している若い子たちを見たことがない…」

かつて日本で大流行したリズムに「ドドンパ」というものがあった(私が生まれる前の話しですよ)。絶滅した。大学の社交ダンス部の部員でもない限り、若い人は「ルンバ」だの「チャチャチャ」なんて言葉すら聴いたことがないのではなかろうか?
一方、「サンバ」は意外な形で成長し続けているから面白い。こうしてみるとダンスの力ってのは音楽より強いこともあるようだ。

令文さんがご指摘されたように、近い将来「シャッフル」とか「ブギ」とかいう音楽は名前もろとも地球上から消え去ってしまうかも知れない。

30私も仕事柄色々なコンサートにお邪魔しているが、確かに若い人たちがザッカザッカとStatus Quoのようにブギを演奏しているなんて姿に出くわしことは一度もない。

清水のように済んだ美しい音ばかりを連ねたメロディが激しい8ビートに乗っている…というパターンが圧倒的に多く、観客が暴れて救急車がいつも駆けつけるというバンドが演奏している曲にも「ロックの毒気」のようなものを全く感じない。『見逃せない「LIVE ROKUGENSHIN in TOKYO 2013」!!』の回で述べたように、メロディだけ抽出すれば「童謡」に聞こえる。勘違いしないで欲しいのは「童謡」が悪いなんてことはないからね。

40そうした「ロックの毒気」のようなものというか「ロックをロックたらしめているもの」が「ブルーノート」から来ている(あるいは、来ていた)と思っていることもすでに書いた。「ブルーノート」は当然ブルースのキモだ。
つまりロックを征する者は必ずと言っていいほどブルースを通っているのだ(あるいは、いたのだ)。

ちょっと話しはそれるが、よく「ブルーズ」っていうでしょ?「ズ」って。音楽雑誌によっては、何かアレがいかにも正しいような印象を与えられるけど、私が知る限り英語圏の人は普通に「ブルース」って発音してますよ。ミシシッピやシカゴやテキサスに行くと「ズ」になるのかな?

エエい、脱線ついでに…。「Award」という言葉。この単語もスッカリ日本語になっちゃって、最近やたら「アワード、アワード」ってみんな口にするようになった。これがどうにも気になって…。「アウォードでしょ?正しく発音しろ!」といつも思っていたワケ。
そこで英米のネイティブさんに確認してみた。すると、「どちらでもいい!」だっていいやんの!
もうひとつ、「Signature」は「シグネチャー」で明らかに「シグネーチャー」ではありませんでした。
70vそんな大事なブルースも近いうちになくなっちゃうかも知れないね。

さっきから書いているように、今ですら若い人たちはブルースなんて聴かないワケで、これが彼や彼女たちの子供さんの世代になったらどうだろう。
ウチの下の子はダイヤル式の電話の使い方がわからなかった。当たり前だ、やったことがないのだから。多分缶切りも使えないだろう。当たり前だ。必要としたことがただの一度もないのだから。
必要のないものは知る必要がないということだ。また、知るキッカケがなければ必要にもならない。

レコード会社はブルースなんて売りだしてくれないよ、まったく商売にならないから。
マズイのは音楽を作るサイドにそうした伝統的な音楽に関する知識を持った人がいなくなることだ。
今、若手のロック・ミュージシャンの100人にひとりもSatus Quoを聴いたことのある人はいまい。イヤ、1000人にひとりもいないかもしれない。

知らなきゃ支持のしようがないからすたれる一方だ。それにブギやシャッフルというリズムは日本人のDNAに組み込まれていないので演奏するのが滅法ムズカシイ。ムズカシイことはドンドン避けられていく。
結果、このまま放っておいたらブルースも、ブギも、シャッフルもこの先「絶滅」しか道はない。

こんなことを書くとブルースやブルース・ロックを愛好者する方々は気を悪くされるかもしれない。
もし、そうだとしたら、マーブロにハラを立てていないで、どうか若い人たちにブルースのカッコよさを教えてあげて欲しい。
「素晴らしさ」だの「深さ」だのなんてことは後でいい。若者を一発でKOするようなカッコいい音源を耳にする機会を与えて、ブルースに対する興味をそそってあげて欲しい。皆さんのやりやすい方法で構わないから。
ブルースに限らず、私の場合はMarshall Blog。これを通じて「カッコいいロック保存運動」を展開しているところなのです。
60
話しを戻して…と

だいだい優れたミュージシャンはブルースを演奏するのがウマイものだ。ジャズの世界でもCharlie Parkerを筆頭に偉大なプレイヤーは数々のブルースの名演を残しているし、Miles DavisでもJohn ColtraneでもThelonious MonkでもCharles MingusでもBud Powellでもみんな自分のスタイルのブルースを持っていた。
Jimi Hendrixだって『Blues』というコンピレーション・アルバムを出している。

Kellyさんがステージでコテコテにブルースを演奏するのを見たことはない。
しかし、島紀史と2人でジックリと弾いたところを見たことがある。
2人ともエモーショナルで素晴らしかった。YngwieだってRitchieだってブルース弾かせたらカッコいいもんね。

シュレッディングや泣きギターの化身と化したステージしか見たことがない若い人なんかはブルースマンのKellyさんに驚いてしまうのでは?
私なんぞは、こないだもおもしろがってKellyさんにカントリーの提案をしてみた。ま、カントリーといってもDixie Dregs(SteveMorse)だけどね。超人的に速いカントリー・リックを含んだ曲。その曲を題材にKellyさんの右手のテクニックを楽しみたかったのだ。

すると、すんなりと提案を受け入れてくれた。それをそのまま弾く…とかいうことではありませんよ。アイデアの方向性を受け入れてくれたのだ。

これだけ書くと、メタルからブルース、カントリーまで節操無く弾く輩…なんてこと思う人もいるかもしれない。
決してそうではない。何でもできる…つまり何でも勉強しているのだ。案の定、アメリカでの活動を経験している彼はカントリー・ミュージックの重要性も十分に理解しているようだった。

80vそんなアメリカでの経験を持つKellyさんは当然ブルースの重要性をよく理解している。だからこそ、この稀代のシュレッダーがわざわざブルースを伝授しようという気になったに違いない。
また、そんな企画を実現させてしまったアトス・コーポレーションも称賛に値する。
50vこれがそのkelly SIMONZのブルース指南DVD『Kelly SIMONZ へヴィ・ブルース・ロック・ギター』だ。発売は2013年8月27日。

ジャケットの写真は私が撮影した。

90dvdv
内容はというと、ブルースの概念からコードについて、リズムやコード進行、スケールや細かなテクニック等々、
kellyさんのエデュケーターとしての経験をフルに生かしたキメ細かい仕事といえよう。

今の時代だからこそ重要な意味を持つ教則DVDに仕上がった。

100アトス・インターナショナルの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

110v私を知る方ならご存知だと思うが、実は私はブルースを能動的に聴くことはほとんどない。まったく聴かないことはないのだが、完全に「勉強聴き」なのだ。
ブルースのCDもゾロゾロ棚に収まってはいるのだが、それらは完全に資料と化している。
でもブルースの味方だから!

で、今この原稿を書くのにブルース気分を高めようとImmediateの有名なコンピレーション・アルバム『Blues Anytime』を聴いているんだけど、このブルースの人たちってどうしてかたくなに「三単現」の動詞の変化を拒むんだろうね。

「She don't need me any more」とか…。The Beatlesにもたくさんあるよね、こういうの。
もちろんそれは黒人の歴史に根差していることは理解しているし、リズム的にも「doesn't」がハマらなかったりするんだろうだけど、白人が真似することはないようにも思うのよ。この辺りも我々ノン・ネイティブには永久に理解できない得もいわれるブルース臭があるんだろうね。

英語の誤用と言えば、アメリカの友人に「日本語には冠詞がないので、使い方を正しくマスターするのに大変苦労する。aやtheを使わない英語はあなた方にとってどう響くのか?」と訊いたことがある。
答えは「意味は何ら問題なく通じるけど、その人の知性が低いように聞こえます」だった。
しかし、これがひとたび書類となると連中、「a」と「the」の区別はメチャ厳しいからね。苦労してるんスよ、私も!

それで、その歌詞に見られるブルース英語を日本語にどう訳すのかがまた興味深い。調べたことはないけど…。
上の例を用いれば「もう彼女はオイラのこと、いらねぇんだっぺ!」とかになりがちのような気がするな。でも絶対違うよね。
やっぱりブルースを極めるのはムズカシイ?!

120さて、ここでアトス・インターナショナルから発売されてるDVDで私の写真が使われている作品をドサクサに紛れて紹介させていただく。早い話し、自分の宣伝ですな。
でもDVDの内容も最高よ!

まずはD_Driveの初の東京ワンマンのもようを収録したライブDVD『D_Drive LIVE IN TOKYO』。
これは内容収録時に同時に六本木のmorph Tokyoというライブハウスで撮影させて頂いた。
宣伝ポスターの写真もやらせていただきやした。
今だから言うけど、この日、プレス・ピットに入り、演奏が始まってしばらくしたらどうにもハラが痛くなっちゃって…。トイレに行くには超満員のお客さんをかけ分けていかなければならないし、そもそも、そんなことをしていたらシャッター・チャンスを逃してしまう。イヤ~出たね~、アブラ汗が…。
どうしたかって?D_Driveの素晴らしい演奏で痛みを忘れた。それと気合少々。それほどスゴイ演奏がこのライブDVDには収録されてるの。

130dvdこれはD_Driveのベーシスト、Shimataroちゃんの教則DVD。上と同じ日に撮影したもの。
SHARAさん曰く、「こんなにイイ人今まで見たことない!」というぐらいイイ人がShimataroちゃん。ウチの下の子にルックスの雰囲気も性格も似てる。優しさとテクニックと音楽とベースへの愛情にあふれた一編。

140dvd
さて、大好評だった先立っての台湾遠征に引き続いてドシドシ海外への進出も視野に入れているようだ。
そして、忘れちゃならないのはKelly SIMONZのお伴はいつでもMarshallってことだゼ!

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒++Kelly SIMONZ Official Website++
150私がナニをやってるかはコチラ⇒Marshall BlogまたはShige Blog

(一部敬称略)

2013年8月21日 (水)

夏CANTA'13 新歓コンパ ~本日発売!新曲続々演奏中!~

夏だ!CANTAだ!新歓だ!
CANTAはMarshall Blogが新しくなってはじめての登場だ。

10ひっさしぶりだナァ~。

でも何にも変わっちゃいない!うれしいもんですな。

20ルーク篁!
40vMASAKI

50v雷電湯澤!

60vルークさんの相棒も変わっちゃいない…Marshallのことね。

70vメインに使用されるのは1959RR。

80そしてキャビネットは青く燃えるMF280B。

90v足元のようす。

100それこそ何も変わらず素晴らしい音色でバリバリとMarshallをかき鳴らしてくれた。

110
コンサートのタイトルにある「本日発売!」というのはこのこと。
この日、2013年7月10日はナント(7と10だからね。これは私が勝手に書いてます)CANTAの8枚目のアルバム『My Generator』の発売日だったのだ。

30cd それで発売当日に開催されたのが今レポートしているコンサート。
その日に世の中に出た新しい曲たちをドバッと演奏しちゃうという積極企画。

120冒頭から観客をあおるルークさん。
125vさすがに最初はおなじみの曲から。『Hello』だ。

130ここはメッチャ勝手な推察。ま、邪推。きっとルークさんの頭の中には「一発目から新曲やっちゃおうかな?」なんてことがあったと思うのよ。せっかくの発売日だからね。
でもね、きっと考え直したんだよ。
「待てよ、Rainbowの初来日の時、いきなり聴いたこともない「Kill the King」を演奏されて引いたよな…。もちろん曲自体はカッコいいんだけど、さすがにアレはビックリしたもんな…よし、頭は既発の曲でいこう」と…。
そう、武道館行ってたんよ、我々。だから大分前にルークさんに会っていたかも知れない。

140v「So Alive」、「TBC」とつづく。

「TBC」とか「TBA」とか最初はわからんよね~。「TBA」は海外ではよく使われる。「To Be Announced」のこと。「追ってお知らせします」ということね。日本語で書いてくれ!…ってムリか。

作戦通りつかみはバッチリ!もう会場はヤンヤヤンヤの大熱狂。

160
ステージ上手で自在に暴れまくるMASAKIさん。

170v相変わらずのスーパープレイが素晴らしい!

180v活躍ぶりはまたこの後で!

190v雷電さんのクリスピーなドラミングも久しぶり!

200v雷電さんの撮影は要注意。レンズが向けられているのを発見すると必ずこう。

210
こちらは真剣バージョン。カメラに気が付いていない。
両方好き。

Ca_img_8038
そしていよいよ新曲コーナー。
まずは4曲。
150
MCを挟んでまた4曲。
「聴いたこともない曲をずっと聴いているのは苦痛だよね~」とルークさん。
イヤイヤ、曲がいいし、大熱演だし、全然平気ですゼ!
230vヤカンも健在!

235vやっぱりこのシーンがないとね!

240vそして残りの2曲も演奏してしまった。つまり『My Generator』から1曲を除いて全部演奏しちゃった!
スゴイ。コレって考えてみると19世紀以前のクラシック・コンサートと同じだからね。披露されるまで基本的に誰もその曲を聴いたことがないんだから。

もちろん大受けでした!

250vアンコールの前にはPVの撮影が敢行された。曲は「HEAVEN'S WAITING」。

290これを2回ほど繰り返して無事終了。
300vチャチャっと決めてしまうところはさすが一流プロでんな!

320vアクションもバッチリだもん。

330vさすがにここは真剣な雷電さん。

340そしてアンコールに突入!

310おなじみの曲がズルズルと出て来て大喝采!

370熱唱&熱弾のルークさん!
PVの撮影もバッチリ決まったし、思いっきり自由に爆発した感じ?

360定番、タライ・プレイも飛び出す!

260♪ギョエ~ン!!!! この音がまたスゴイと来てる!
2703人は観客席を通って会場後方のミキサー卓へ出張!

380これは盛り上がりますな。みんな大喜びだもん!

390vみんな間近でルークさんを見ようと詰め寄って来る!サービスいいな~、CANTAは!

400v雷電さんもモミクチャにされていた!

420vそして席に着いた雷電はこれまたおなじみの…

280巨大スティックによる風船割り!

430キマッタ~!

440vこのドヤ顔!楽しいな~!

350vアンコールは「Tonight3」、「SHINE」、「Happy Birthday To You!」の3曲。
すごい盛り上がりだったぜ!

450今日も素晴らしいテクニックで圧巻のベース・プレイを見せてくれたMASAKIさん…

450v
今年7月には『PSYCHO DAZE BASS』なるソロ・アルバムを発表した。バラエティに富んだメンバーと内容で大好評だ。何しろディ・メオラとか演っちゃってるけんね。
それと、MASAKIさんファンはコチラも見てもらえますか?↓

Shige Blog:DAIDA LAIDA 1stアルバム発売記念「Dreamer's Train TOUR~鼓動~」

275cdルークさんの「シェー!」。またまたバッチリキマッタ!

460vフィニッ~シュ!
あ~、楽しかった!
9~12月には『My Generator』を引っ提げた全国ツアーが展開される、こちらも楽しみだ!

470CANTAの詳しい情報はコチラ⇒CANTA official web site

480v(一部敬称略 2013年7月10日 横浜BLITZにて撮影)

2013年8月20日 (火)

QUORUM at 鹿鳴館

ク~、QUORUMやっぱりタマラン!鳥肌が立ッちまう!
前回マーブロで紹介したところ「そんなにカッコいいのか?!」と反響も上々。カッコい~いんです。
早くも2回目の登場と相なった。

10今回もイベントでの登場であったが、前回のレポート時のライブより時間も若干長くよりQUORUMの魅力に接近できた。

もうね、「ホンモノのロック」とか何とか言うことは、ことQUORUMに関しては言わん!メンドクサイ。それほどズバリ!だということだけ知っておいてもらえればいいや。

ま、そうは言っても興味があるのは、彼らと同世代で音楽をやっているロックの黄金時代を知らない連中がQUORUMを聴いてどう感じ、どう思うかを知りたくはあるわな。
どうなんだろ。

20真太郎

30v遊太

Qr_img_7681 幸人

Qr_img_7797 達也

60vやっぱりいいバンドはキャラクターも立っていなければならない。QUORUMも真太郎+達也組と遊太+幸人組に分かれる初期のCheap Trickのようだ。もちろん、Rick NielsenとVan E. Carlosのようなコミカルさはない。4人ともすこぶるカッコいいぞ!

で、このバンド、ファインダーをのぞいていて気が付いた。ひとりひとり撮るのもいいのだが、4人集まったバンド単位で撮影した方が圧倒的にまとまりがいいのだ。早い話し、演奏中の4人の姿がものすごくフォトジェニックで絵になるのだ。

70遊太は当然Marshall。

この手の音楽でギターにMarshallを使わないなんてナンセンス極まりない。

80v1959や1987等のVintage系のモデルを使ってもらいたい人の筆頭だ。

90v1曲目は自らのバンド名をタイトルにした「Quorum」。

100vキタキタキタキタキタキタ~!!!!コレコレコレコレコレ!!!このシンプルなリフに乗って展開するハードなロック!
ク~、タマランの~。

110vそれで、サビのメロデイがちょっぴりキャッチーだったりするんだよね。これぞハード・ロックの定石よ!

120vピチピチと飛び跳ねるイキのいいリズム隊!

130v2曲目は「Danger」。

140前回これを初めて聴いた時はぶっ飛んだな~。

私的には今のところもっともQUORUMらしい曲だと思っている。
160ソロの後のギターのカッティングのパートがアホほどカッコいいわ!
こういうことをサラっとやってしまうところに遊太のに底知れぬ才能を感じるわ。
150v
達也のストレートなドラミングがまた実にシックリくる。

170vもちろん真太郎のロック極まりないボイスなくしてはこんな曲は演れない。

180v「Quorum」というのは辞書を引くと「定数」という意味であることがわかる。それで先回のレポートにタイトルを「ロックの定数」としたワケだが、どうもこれとはまったく違う歴史がこのバンドの名前にあることを聞いた。

もともとこのバンドは「REDRUM(レッドラム)」と名乗っていた。
REDRUMといえば、私にとっては当然キューブリックの『シャイニング』。シェリー・デュバル扮するお母さんが、鏡に映った「REDRUM」に戦慄するシーンはあまりにもショッキングだった。鏡に映った「REDRUM」の文字が反対になって目に写り「MURDER」となる。「MURDER」とは「殺人」を意味する。「REDRUM」は「MURDER」のBackword(逆さ綴り)だっというワケ。
ダニー坊やが泡を吹きながら「redrum」と繰り返すシーンも印象的だ。

190…ということとはゼンゼン関係なくて、このバンドのメンバーは午年生まれが多く、「レッドラム」という競馬馬からバンド名を頂いたそうだ。ところが、「レッドラム」というバンドが他にもゴロゴロ存在することがわかり、その「レッドラム号」のお母馬である「クォラム号」に乗り換えたという。

200
QUORUMの音楽をもっとも「ロック」たるものに演出しているのは、真太郎の声やヘビィなリズム隊であることは言うまでもないが、最も重要なポイントはギター・リフを多用した曲作りにあると思う。

210v本来「ギター・リフ曲」というのは、ギターが奏でるテーマ・メロディを曲中でも連続して使用される作曲パターンを指す。「繰り返す」という意味だからね。

この名手は何と言ってもMichael Schenkerであろう。UFOの「Rock Bottom」、「Natural Thing」、「Mother Mary」、「Too Hot to Handle」等々の代表曲のほとんどがこの手法で作られている。
まず、カッコいいギターのフレーズを作るのが至難のワザでしてね。短3度と減5度の音を使えば何となくブリティッシュ・ロックっぽいものができるのだが、素人がやるとすぐにイモっぽくなってしまう。
よしんば奇跡的にカッコいいフレーズを作れたとしても、今度は展開部に苦労してしまう。まさか1曲ズット同じってワケにはいかないからね。
それでよく使われる手法が「転調」だ。レニー・クラヴィッツの「♪ティーリラタッタタッタ~」ってヤツがいい例だ。これはあまりおもしろくない。

ただでさえ作るのが困難なギターのカッコいいフレーズに今度は歌のメロディを乗せなけでばならないのだからタマッタものではない。UFOは偉大なのだ。

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しかし、今ではこの「リフ」という言葉はイントロなどでギターによって奏でられるテーマ的なメロディを指すだけになった。
それでもカッコいいリフを作る難しさに変わりはなく、ギター・ヒーローの消滅と時を同じくして洋の東西を問わずカッコいいリフというものが聞かれなくなった。
あるいはいいギター・リフのアイデアが枯渇したためギター・ヒーローも消え失せてしまったのかもしれない。ま、みんな飽きちゃったんだろうね。
そして、同時にパンクやらニュー・ウェイブの台頭とともにロック・ミュージックのイントロはギター・コードのストラミングに姿を変え、「ギター・リフ」は葬り去られた。

230vで、QUORUMである。
ストレートで実に気持ちのいいギター・リフが用いられている曲が多いのだ。だからロックを感じるのだ。もう、何回も言ったか…。

240vこのステージでゃ新曲のバラードも披露した。

250今回もDeep Purpleの「Storm Bringer」を演奏した。
このバンドにマッチした曲だと思う。実にカッコいい。

260vでも、聴きたいのはQUORUMのオリジナルなんだな~。
曲をゼンゼン知らないバンドを見に行ってカバーよりオリジナルの方を聴きたくなるバンドなんて本当に久しぶりだ。かつてはFuzzy Controlがそうだった。

280どこまでも素晴らしい真太郎のボイス!

290vそれにまったくヒケを取らない楽器陣。

300このギターとベースのバトルは大きな見どころだった。

310もちろん内容としてはお定まりのテクニックのぶつけ合い、ひけらかし合いなのだが、相手の邪魔をしたりしてとても愉快なのだ。

320ベースのフレーズ攻撃を受けて立つ遊太。
330v最後はサオを銃に見立てての撃ち合い!

340バキューン、バキューンって!
ちゃんと楽器が弾けるからこうしうおフザケをやっても実にサマになるな。

350やがて場面は変わり…

360遊太がしっとりとブルースを弾く。
こういう人はまたブルースがうまいんだよね~。才能に年齢は関係ないな~。

370遊太のギター・ソロがまた素晴らしい。音は太いし、ダイナミック・レンジがおそろしく広くエモーショナルなのだ。
そして、トラディショナルな定番ロック・フレーズとコンテンポラリーなフレーズが絶妙にミックスされていて、本当にスリリングだ。ライト・ハンドだのタッピングだの、無意味な速弾きなんてゼンゼン必要ないって!
こういう才能に満ち溢れたヤツって時々いるんだよね。まだ20代前半で恐ろしいっつーの!380v
クロージングは「Limousine」。これまたQUORUMの魅力満載のへヴィ・チューンだ。

今回は約1時間のステージで10曲を披露した。

390ま、これは大きなお世話なのだが、QUORUMが日本から出てきたことはうれしい。アメリカにはThe Rival SonsやBig Elfがいる。オーストラリアからはElectricMaryががんばっている…

400vイギリス勢はどうなったのだろう…?The Darknessは?The Answerは?The Treatmentぐらいか…。

ことあるごとに書いてきたが、いいバンドがイギリスからも出て来て欲しいのだ。当たり前のことだが、ブリティッシュ・ロックの本場じゃないか!だから若い人たちに「UKロック」なんて呼ばれちゃうんだぞ!
420v反対にQUORUMはイギリスに攻めて行ったらおもしろいナ。

430vイギリスの若い連中、QUORUMを観たらどんな反応をするだろう…見てみたいものだ。その日は案外早く訪れるかもしれないじゃん?

440がんばれQUORUM!!

450QUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site

460v(一部敬称略 2013年7月6日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2013年8月19日 (月)

MURO FESTIVALのグッドモーニングアメリカ

暑い!ナンダこの暑さは?!暑いにもほどがあろうに!
「暑い!」というと余計に暑くなる…っていうけど、もうこうなったら思いっきり「暑い!」と言ってやれ!

暑い!熱い!厚い!篤い!阿津井!ATSUI!あつい!アツイ!!!…ああ、本当に余計暑くなってきたのでやめよう。

さて、明けまして夏休み。マーブロ読者の皆様におかれましては楽しい夏休みをお過ごしになられたことと存じます。

今日からMarshall Blogを再開致します。相変わらずの引き立てを何卒よろしくお願い申し上げます。

さて、再開第一弾に登場するは今大注目のグッドモーニングアメリカ。
今年5月に発表した大好評のファースト・フルアルバム、『未来へのスパイラル』を引っ提げてのツアーの合間をぬってMURO FESTIVALに登場したのだ。

Cd_2
会場は 東京晴海客船ターミナル。ここは国内外の豪華客船が接岸する東京の海の玄関。
ターミナルの建屋をバックに2つのステージがセットされる。後ろを振り返れば…
20レインボー・ブリッジがかかる東京港のパノラマが眼前に広がる。

ん~、潮風が心地よいのなんのって…と言いたいところだが、7月の中旬のこの開催日、ちょうど暑くなり出した頃で、みんなヒーヒー言ってたっけ!しかし!今のこの暑さに比べればアレはほんのイントロでまだ可愛いもんだったってか?!

10
MURO FESTIVALは渋谷のライブハウスO-CRESTにゆかりのあるバンドが集って開催されるイベントだ。前回ここへ来たのもやはりOグループが制作したKAIKOOというイベントだった。

グドモの出番は何とトップ!2つ用意されたウチの左のステージにグドモの機材がセットされている。
ハハ~ン、いきなりグドモで盛り上げようって魂胆だな?

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今か今かと開場を待つファンたち…

50いよいよ開場!急げ~!

70
あれよあれよという間に客席のスペースが埋まってしまう。

そして、ほらアレが始まったよ!

80今日もたなしんが客席から登場だ~!

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夏だ!祭りだ!赤フン一丁で観客を睥睨するたなしん!

100v「グッドモーニングアメリカはじめま~す!」
これがグドモのオープニング。これがなくて始まらない!

120vたなしんの「開会宣言」から引き継がれてスタートするパフォーマンス。すでに観客は大熱狂だ!

130ギター&ボーカルは金廣真悟

140vギター&コーラスの渡邊幸一

150v幸一ちゃんは1987年製の1959を愛用。キャビネットは変わることもあり、この日は1960Aだった。

160ベース&コーラスのたなしん。凄まじい個性だ。

170vドラム&コーラスのペギ

180v実はペギは今回のツアーからNATALドラムを使用している。

190キットのマテリアルはバーチ。10"、12"、16"、22"、14"×5.5"のコンフィギュレーションだ。

え?「シゲさんがドラムの話しをするなんて気持ち悪い」って?イエイエ、ドラムをうまく叩くことはできないけど、ドラマーにはうるさいよ~。なにせちっちゃい時にカトちゃんに憧れてたからね。
それにプログレ系の音楽を子供の頃から聞いているので耳が肥えてるよ。でも、一番ドラムがおもしろいと思ったのはZappaファミリーだな。

若き日のBozzioも、CozyもBlakeyもElvinも見たけど、残念ながらTonyは見ていない。
今までで一番感動したドラム・ソロはJack DeJonetteかな?Paul Motianもかなりビックリした。

NATALドラマーだからいうワケではないが、最近ではBrian Tichyが圧倒的にいい。
こんなだから、たとえドラムが叩けなくてもNATALの仕事は飛びきりおもしろい!

200v
詳しいことはまた別の機会に譲るが、NATALは1965年にスタートしたイギリスのパーカッション・ブランドだ。その伝統あるブランドを数年前にMarshall Amplificationが買収し、NATALドラムの普及に力を注いでいるというワケだ。
残念ながら海外展開を積極的にしていなかったので日本では知られていないが、イギリスでは比較的その名が通っており、現在は先のBrian TichyやThin LizzyのBrian Downey、Uriah HeepのRussell Gilbrookら大勢のドラマーが愛用している。

現在も根強い人気を誇るT-Rex。Micky Finnの叩いていたパーカッションはNATAL製だし、Deep Purpleの『Made in Japan (『ライブ・イン・ジャパン』の輸入盤)』のジャケ写に写っているイアン・ギランのコンガもNATAL製だ。

ペギのペダル類もNATAL。軽くておっそろしく踏みやすいとのこと。

210NATALはハードウェアの開発にも力を入れており、その品質に対する信頼性はすこぶる高い。安心して使えるハードウェアとしてペギも大変惚れ込んでくれている。

220vこの新兵器でペギはグッドモーニングアメリカをギンギンにドライブさせているのだ!

NATALの本国公式ウェブサイトはコチラ

230vさて、オープニングの儀式も終わり、演奏が始まるともう誰も手をつけることができなくなるのがグドモのステージ。

2401曲目は2011年7月のセカンド・ミニアルバムのタイトルにもなっている「ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ」!

250アグレッシブなドライビング・チューン!

260vギンギンに攻めまくるギターが気持ちイイ!

270vさっきのオープニングとは打って変わって音楽に入り込むたなしん!

280v幸一ちゃん(私は勝手に「こういっちゃん」とお呼びしています)の基本サウンドはクランチ。
430v
Marshallとセミアコのコンビネーションで、硬すぎず、甘すぎず、一種独特なサウンド。

290vこれがまたソリッドで小気味よい。

300さらにエフェクターの使い方が絶妙でバラエティに富んだサウンドをさりげなく使いこなしているところがニクイじゃあ~りませんか!

310
2曲目は「光となって」。セカンド・ミニアルバムから。
315これまたノリノリのアップテンポ。今日は時間があんまりないけんね、思いっきりぶっ飛ばしちゃうのだ!

320v暑いことを忘れるほどのパフォーマンスと言いたいところだが、暑い!屋外とはいえ、客席の温度が急上昇しているのだ!

330やはり真剣なたなしん…しかし、あのコーナーがやって来る。

340vそうグドモ名物、「たなしんのコール&レスポンス」コーナー!

350v今日は客席でのアジテーション。

360この炎天下、熱弁をふるうたなしん!

365あるテーマにそってお客さんとコミュニケーションを図るのだが、これがまたスゴイ。

366_2ここは〆のパート。みんなもよくわかっているからよくまとまること!

367これだもん。
この雰囲気は説明できないナァ、いろんな意味で。とにかくコンサートに来て体験してもらうよりしょうがない。

3703曲目でようやくニュー・アルバムから…「バンバンガンガン」。
タイトルからするとどこか軽めの印象を受けるが、さにあらず。このバンド、この曲に限らず歌っている内容はかなりシリアスだ。
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すさまじいパワーとスピードで走り抜けるペギ。

390v
新しいドラムセットをかしずかせるように容赦なく打擲する姿が頼もしい。

380v

またその動きは緻密さにあふれ、パワーだけではない繊細さも兼ね備えているようだ。

400vコーラスにも全力投球!

470vそして、ニュー・アルバムのタイトルチューン「未来へのスパイラル」。

420vさらにキラー・チューンの「キャッチアンドリリース」。これもニューアルバムから。

460vこれが最後の曲~!

440v全部で5曲。アッという間のステージ。本当にこのバンドは全員が全力疾走していて見ていてとても気持ちがいい。

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4人ともキャラクターがハッキリしていて、自分役割をキッチリと演じるところからエンタテイメント性も強調されるのだ。

現在敢行ちゅうのツアーもほとんどの会場でチケットがソールドアウトとなっていると聞く。これから無限の可能性を秘めたバンドだ。

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 詳しい情報はコチラ⇒グッドモーニングアメリカOFFICIAL WEB SITE
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(一部敬称略 2013年7月14日東京晴海客船ターミナルにて撮影

2013年8月12日 (月)

見逃せない『LIVE ROKUGENSHIN in TOKYO 2013』!!

「童謡なんてどうよ?」…こんな書き出し、どう読んでも動揺する?同様にどよめきが起こったのは土用の丑の日のうなぎに値段ね。「どうよ」を7つブッ込んでみた。どうなのよ?

さて、日本が誇る美しいメロディ…童謡。これを最高のギタリストの演奏でタップリ、ウットリ楽しんでしまおうという企画が山本恭司さんがプロデュースするところの『六弦心』だ。
2012年2月に発売されたアルバムは海外でも評判を呼び、「日本のメロディ」の素晴らしさを世界に向けてアッピールした。
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「ギタリストのフィーリングで誰もが知っている童謡をアレンジして演奏する」とハードなロックに料理する人、フュージョンで迫る人…実におもしろい。

童謡というものは、そのほとんどがダイアトニック・トニック・ノートでメロディが作られているのが普通だ。キーがC(ハ長調)だったらピアノの白鍵の音だけを使っていると考えればいい。

一方ロックとかジャズは、元来ブルーノートを多用するのが普通であり、それがロックやジャズのカッコいいところなワケだ。ブルーノートとはダイアトニック・スケールの3、5、7番目の音絵御それぞれ半音下げた音…先程と同じくキーがCであればミとソとシを半音下げた音がそのメロディに使われている…とこうなる。

このことである。(久しぶりに池波庄太郎調である)

つまり、このお互いに両極端に位置する音楽をウマイ具合にゴッチャにするところが腕の見せどころなのだ。

まだある。ロックに限って言うが、「リズムを強調する」音楽でしょう?なので、メロディがシンプルであっても律動感に優れていさえすれば、カッコよく聴かせることができるところがある。
わかりやすい例のひとつとしては、The Beatlesの「Help!」。John Lennonが作ったこの曲のメロディは実にシンプルで、「♪When I was 」から「younger than」まで一つの音しか使っていない。
ま、Chuck Berryあたりのロックンロールが礎になっているのだろうけど、「I am the Walrus」なんかもメロディンは半音行ったり来たりするだけだ。
これの究極はナント言ってもAntonio Carlos Jobimの「One Note Samba」だろうが、この曲は最初「1音でメロディを作る」ことが前提になているのでチョット意味合いが異なる。

他方、童謡を見ると、そんな音をひとつだけ使った曲なんて見当たらない。比較的ドラマチックに音程が上下するメロディが多いことに気がつく。

童謡は完全にメロディ・オリエンテッドな音楽なのだ。「七つの子」や「花」や「赤とんぼ」のメロディを耳にして不快に感じる日本人はいまい。
こうしてみると、日本人は美しいメロディを味わうDNAを持った人種で、16ビート系のリズムを重視した音楽は極北にあると思うのだ。

ところで、最近の若手のバンドに(我々世代のいう)ロックっぽさがないと感じられるのは、先の「Help!」のようなシンプルなメロディを持つ曲が 少ないからなのかもしれない。もう出つくしてしまったとこともあるだろうし、Chuck BerryやLittle Richard時代の3コードできた本当にシンプルでストレートなロックを聴かなくなったからかもしれない。

反面、おもしろいことに私には時折耳にするパンク・ロック なんかが童謡に聞こえる。メロ・コアとかいうの?ちょっと詳しくはサッパリわからないけど、「メロディ重視」なんてことを標榜しているバンドの曲を 聴くと、童謡のようだ。そこにはロックが元来持っているハズのブルースのフィーリングが皆無だからだ。
何でもいい、試しにやってみるといい。童謡の曲を速い8ビートに乗せてガナリ立てると、アラ不思議、パンク・ロックになるよ。そうしてみるとパンク・ロックというのは至極日本的なロックなのかもしれない。

ま、そんなことを考えつつ、リズム 音楽vs.メロディ音楽…ギターを仲介にこれをいかにうまく手を取り合わせているかを味わうのが私流の「六弦心」の楽しみ方なのだ。

そして、大好評のファースト・アルバムから約一年、たくさんのリクエストに応えてリリースされたのが『六弦心 vol.2』。
30cd
発売に当たっては東京・代官山の蔦屋書店でフェアが開催され、D_DriveのSeiji&Yukiがイベントを開催した。
イベントのレポートはコチラ⇒D_Driveの六弦心~Live in 代官山

10
NAMMで一緒になった時、ちょうどSeijiさんは参加している『vol.2』収録の「どこかで春が」のアレンジの構想を練っている時分で、「曲がシンプルなのでかえってアレンジが厄介だ」とおっしゃっていた。
しかも、誰しもが知っていて、歌ったことのある曲だ。ヘタなことは絶対にできない。しかし、見事SeujiさんとYukiちゃんは大役を果たし我が春を迎えたのであった!

20vいいCD作品を聴けば、それを生で体験したくなるのが人情というものだ。
そして、熱狂的なリクエストに応えて企画されたコンサートが、『LIVE ROKUGENSHIN in TOKYO 2013』だ。しかも、2日にわたって開催されるというから太っ腹!
開催日時と出演者は…
★2013年9月21日(土) [Rock Day] 開場16:00/開演17:00
山本恭司、青木秀一、横関敦、梶原順、他
<ゲストギタリスト>斉藤光浩 and more…

★2013年9月22日(日) [Crossover Day] 開場15:00/開演16:00
山本恭司、小沼ようすけ、野呂一生、天野清継、ICCOU、鈴木茂、安藤正容 、木村大and more…

2日間ともギタリスト達のバックを務めるは…石黒彰(key)、二家本亮介 (b)、山本真央樹(ds)

しかも、会場は東京キネマ倶楽部
この豪奢な会場で極上のメロディを最高の演奏で楽しむ…どうよ?

6g_img_3958我がMarshallファミリーからの出演はすべて21日のRock Dayだ。

原田喧太

40avD_Driveから…

Seijiと…

50avYuki

60avそして、CDには参加はしていないが、スペシャル・ゲスト枠で田川ヒロアキの参加も決定している。70この世紀のギター・コンサート、見なきゃ公開するよ~!(「どうよ」ネタ切れ」)

当コンサートの詳しい情報はコチラ⇒六弦心Official Website
6g2_img_3974※Marshall Blogは明日から夏休みを頂戴します。再開は19日です。

2013年8月 9日 (金)

友、隣国より来る(Marshallスタッフ紹介)

昨日はとても楽しかった~。
MatthewというMarshallの香港のスタッフとイッパイやった。前回会ったのはWembleyでのことだから約1年ぶりの再会だ。

ずいぶんしゃべったナァ~。新商品のこと(秘密でゴメンね)、お互いの国の慣習のこと、最近の日中の対立のこと、歴史や政治のこと…。
ものすごくおもしろかった。
イギリスの仲間と一緒になるとブリティッシュ・ロックの話しか、「ヘンリー8世の奥さんを順番に言えるか?」だとか「あのMonty Pythonは見たか?」なんて話しになるのが常で、これはこれで大変おもしろいのだが、こうして同じ地域に住む(いまや)隣国の友人と意見を交換するのは大変刺激になる。ま、彼も1997年まではイギリス人だったワケだが…。

Matthewは東京を大変気に入ってくれているようだった。「とにもかくにも便利!」、「何でもある!」、「清潔!」、「香港より湿気が少ないくて涼しい!」等々いいことずくめで、ともすると何かと悪く言われる東京の生活を見直す機会にもなった。私は元より東京大好きだけどね。

以前、やはりR&DのSatiago Alverezが東京に来た時、「圧倒的に英語の標識が少ない!」と不便がっていたが、Matthewは完全にノー・プロブレム。だって漢字が読めるからね。そういう意味でも大変に親しみやすいようだ。

それから驚いたのは、「夫婦別姓」。彼の家族の名前を英語名と漢字で書いてもらったのだが、やることがとても丁寧なMatthewは自分の名前からフルネームで書き始めた。
その紙を見るとナント、奥さんだけ名字が違うのよ!
コレ当たり前なんですってね?「え、日本では結婚すると女性は旦那さんの名字になっちゃうの?」なんて反対に驚かれたりして!
この話を家内にすると「アラ、みんな知ってるわよ!」などど呆れられてしまった。

MatthewのMarshallでの仕事はメカニカル・エンジニア。同じ開発チームでも、回路を設計する人、基板を設計する人、デザインをする人等に細かく分かれていて、彼は商品の特性を考慮して、シャシの構造やケーシングの設計等、ま、感覚的に言えばハード面の制作を担当している。
他のスタッフ同様、とにかくいい商品を作ることに熱心な人だ。ちなみのMarshall Blogを愛読してくれている。
新商品の話しをしている時、夢中になって説明する彼の姿を見て私はMarshallの輝かしい将来を確信した。

Matthew2

2013年8月 8日 (木)

Mr. Marshall Blog Goes to Nagoya~マーブロ名古屋へ行く

タイトルは1939年公開のアメリカ映画『スミス都へ行く(Mr.Smith Goes to Washington)』のモジリ。色々とウラの事情はあったにせよ、フランク・キャプラとジェイムス・スチュアートのコンビは実によろしい。『素晴らしき哉人生!(It's a Wonderful Life)』なんてわかっちゃいるけど泣ける。

さて、Marshall Blogは筆者が東京にいるもんだからどうしても東京のコンサートやイベントの話題ばかりになる。ちょっと格好をつけて言うと、あとはロンドンの話しとかね!
で、案外機会がない、というかほとんどチャンスがないのが国内の東京近郊以外で開催されるコンサート等の取材だ。
もちろん、取材したいイベントの類が東京以外にも山のようにあることはわかっている。しかし、色々な事情で実行できないのが現実なのよん。

ところが今回、取材のご依頼を頂き名古屋に出張して来た。場所は大須のElectric Lady Landの姉妹店ell.SIZE。

私はね~、こう見えても前のElectric Lady Landに出演したことがあるんよ。18歳の時だからもう太古の昔だね。当然アンプはMarshall。1959と1960AXを使っていた。

今と違って当時はツアーするバンドなんてあまりいなかった。ツアーしたって、旅先で集客できることなんてまず期待できないからね。
だって、レコードを出すか、雑誌に載るか、電波に乗るぐらいしかバンドの名前を地元以外の地域に伝播させる手段がなかったからだ。
CDと違ってレコードを作るには莫大な金がかかったし、ロック・バンドがテレビに出ることなんて皆無に近かった時代だ。
だから、地元以外のコンサートでは本当に「出演者の方が客の数より多い」なんてことが起こっていた。

私が参加させてもらっていたバンドは決して人気があったワケではなかったが、景気づけというか、話題作りというか、とにかく名古屋、京都、大阪を回ったりした。今となっては大変いい思い出だ。

10vさて、出演は上の写真にあるように当日はDouble Headliner(ダブル・ヘッドライナー)で、我らが中野重夫が参加しているDYNAGONと…
20vTrio the Collagens。令文さんたちは全国をツアーの後半をやっているところなのだ。
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ちなみに!日本ではメイン・バンドが2つ出演するコンサートを「ツーマン」とか呼んでいるが、これは止めていただきたい。せめて「ツーメン」とするべきでしょう。でも、これも信州伊那あたりの麺料理みたいでシックリ来ない。
これも絶対違うと思って、「困った時のSteve Dawson」ということで、また正しい英語表現について訊いてみた。
で、こっちは『Rocky Horror Show』に出て来る「Double Feature Show」が「ツーマン」に当たる表現かと思ったんだけど、どうもこれは「2本立て映画」に使われる言葉のようだ。

それではコンサートの場合はどういうかというと、アラマ単純なのね、「Double Headliner」とか「Double Headline」でいいそうだ。少なくとも「ツーマン」よりはるかにカッコいいし英語っぽい。
こういう英語は現地に住まないと習得できないネェ~。でも、こういうことをひとつひとつ積み重ねて覚えていくことは英語の勉強においてとても大切なことだと思いますよ。
何故かというと、言葉は文化で、こういう言葉にこそ文化が染み込んでいると思うからなのね。

さて、このDYNAGON。これが実にいい!
最近はD_Driveやmintmints等、歌なしのインスト・バンドが話題を集めているが、DYNAGONもそう。
これがコッテコテのハードロック+プログレッシブ・サウンドで愉快痛快、気持ちイイことこの上なし!
お招きに預かって幸せだわ~!

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メンバーはアメリカ帰りの疲れを一切見せない中野シゲオ。後から来るよ~。
シゲさん、SGだよ、SG!
30v加藤タケシ

40v宮田トシ

50v増井ヤスの4人。
60vそして、Trio the Collagensは大谷令文、小笠原義弘、ロジャー高橋からなるもうマーブロではおなじみの重戦車プレイヤーたちだ。

70_2実はMarshall Blogが今回お邪魔した目的はもうひとつある。
それは中野重夫がパーソナリティを務めるFM愛知の人気番組『中野重夫のKeep on Rockin'』に出演するためだったのだ。

この番組はゲストを招いてインタビューしたり、楽器をスタジオに持ち込んでジャムセッションをしたりと、楽器の話しを延々としたりと、ロック好きにはタマらん構成になっていて、ナント6年も続いているのである。

実は私は今回が2回目の登場で、前回は5年位前かしらん?年末年始にかけて、つまり年内最後と新年最初の放送に出してもらったことがあった。

今回は前回と異なり、正式なイギリスのMarshallのスタッフとしてお招きをいただき、Marshallの50周年の話しや、Marshall Blogについて、ロック全般の話し、NATALやEDENについて、マー本のこと等々、このMarshall Blogの一部を切り取ったような内容をベラベラと語らせていただいた。
ダメなんだよね、しゃべりだすと止まらなくなっちゃって…。

もちろんメインの収録はDynagonへのインタビューと…

80_2オガンちゃんとのインタビュー…

90_2それに令文さん、ロジャーさんとのインタビューだ。
昔からの仲間たちだけあって、話しが弾む!

これらのインタビューでひと月分の放送ソースとなった。光栄にも私めの登場する番組が2回分だそうだ、あんな取りとめのない話をどう編集するのか楽しみだ!

放送は今月の末あたり(このへんがシゲさんらしい)から9月にかけてということだ。
東海中京方面のロックファンのみなさまどうぞよろしくお願いします。

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ところでコンサートの内容はというと…これが双方また滅法スゴかった!近日中に詳しいレポートを掲載するのでそちらをお楽しみになすってくださいまし!
120DYNAGONの詳しい情報はコチラ⇒DYNAGON Web

130(一部敬称略 2013年8月6日 名古屋ell.SIZEにて撮影)

2013年8月 7日 (水)

【Music Jacket Gallery】SFジャケット <後編>

今回のガラス・ケースの立体陳列は、ロック・ジャケットのアート・ディレクターとして最高峰であるHipgnosisのStorm Thorgersonが手がけたCDボックスが集結した。
やっぱり圧巻!
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1968年にHipgnosisというデザイン集団を設立したThorgersonは今年     惜しまれつつこの世を去ったが、最近でもアメリカのThe Rival SonsのCDジャケット・デザインを担当するなど最後まで精力的、かつクリエイティブな活動を展開していた。
しかし、HipgnosisといえばPink Floyd。『A Source of Secrets(神秘)』から『Animals』まで、このふたつの独創的な集団はサウンド面とビジュアル面で互いにインスパイアしあい、ロックの黄金時代の一角を築いた。

HipgnosisについてはMarshall BlogでもStorm Thorgersonへの追悼の意を込め、本Music Jacket Galleryのレポートを掲載しているのでそちらもご参照されたい。

●緊急特集!Hipgnosis Collection~Progressive Rock Works

●緊急特集!Hipgnosis Collection~Hard Rock Works

掲載時、膨大な数のアクセス件数があり、改めてHipgnosisの人気の高さと、その独創性を愛でる日本人のキメ細やかな感性に感心した次第である。また、ジャケットの重要性を認識しているファンがいかに多いかの証左にもなった。

今回の展示は、2011年からスタートしたPink Floydのリマスター・シリーズのすべてのアートワークを手がけたThorgerson作品の中から、『Pink Floyd BOX』を始めとして、『The Dark Side of the Moon(狂気)』、『Wish You Were here(炎〜あなたがここにいてほしい〜)』、『The Wall』のコレクターズ・ボックスなどのパッケージがを展示された。

『「ハコ」という「ハコ」はすべてゲットする』という植村氏のゴージャスなコレクションを通じ、是非Storm Thorgersonの華麗なるアートな世界をご堪能いただきたい。



●PINK FLOYD / SHINE ON  (COLUMIA 1992)


1983年にHipgnosisを解散したStorm Thorgerson。その後、彼が初めてボックス・セットを手がけたのが、この9枚組CDボックスだ。
デビュー作『The Piper at the Gates of Dawn(夜明けの口笛吹き)』からこのボックスのみの特典CD『Early Singles』までの9枚のCDを並べると、『The Dark Side of the Moon(狂気)』のジャケットに使用されたピラミッドの模様になる仕掛けが楽しめる。
パッケージももちろんのこと、同梱されたオリジナル・ポスト・カードのデザインワークも秀逸だ。

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●PINK FLOYD / PULSE (COLUMBIA 1995)


Thorgersonがアート・ディレクションを施したPink Floyd2枚組ライブCD。
このパッケージの最大の特徴はボックスの背に付けられた発光ダイオードだろう。中古CD店でコレに出っくわすといつもビックリする。
『Pulse(パルス=鼓動)』というアルバム・タイトルにちなんで、赤い光が鼓動のように点滅するというワケだ。
実はこのLED以外にも、パッケージ全体のアートワーク・センスは十二分にインパクトが強いものだ。(本多貞夫氏所有)

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●PINK FLOYD / THE WALL IMMERSION BOX SET  (EMI 2012)

ロック史上に残るピンク・フロイドのロック・オペラ超大作『The Wall(ザ・ウォール)』の6CD+1DVDからなるコレクターズ・ボックス。
このボックスも『The Dark Side of the Moon(狂気)』、『Wish You Were Here(炎~あなたがここにいて欲しい~)』と同種類の特典が同梱されているが、それ以外にもオリジナル・キャラクターを手がけたGerald Scarfe(イギリスのイラストレーター:イギリスのメジャー新聞にイラストを提供したり、The Sunday Timesやthe New Yorkerのコラムニストとして有名)による手書きの歌詞入り特大ポスター、特製アートプリント、ステージ・プロデューサーのMark Fischer(The Rolling StonesやU2をも手掛けるステージ・デザイナーの超大物)によるライヴ・セット・スケッチのレプリカも見事に復刻されている。

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●PINK FLOYD / I WISH YOU ARE HERE IMMERSION BOX SET  (EMI 2011)


名作が多いピンク・フロイドの作品の中でも世代を超えて人気をキープする『Wish You Were Here(炎~あなたがここにいてほしい~)』の2CD+2DVD+1BLU-RAYからなるコレクター・ボックス。
Thorgersonのアート・ディレクションによる数々の特典は『The Dark Side of the Moon(狂気)』のコレクターズ・ボックスと同種類のものが同梱されている。当時のツアー・チケットやバックステージ・パスのレプリカの復刻も見事だ。

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●PINK FLOYD / THE DARK SIDE OF THE MOON IMMERSION BOX SET  (EMI 2011)

ピンク・フロイドを代表するアルバム『狂気』の3 CD+2DVD+1BLU-RAYからなるコレクターズ・ボックス。ストーム・トーガソンによる当時のデッサン、イラスト、写真などで構成されたアートブックを始め、ストームのデザインによるコレクターズ・カード、スカーフ、ビー玉、コースター、など多数の特典を同梱したボックスは、否が応でも所有欲を刺激するアート感覚に溢れたパッケージです。

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ズラリと並んだオマケ類。

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●PINK FLOYD / OH, BY THE WAY  (EMI 2007)

Floydのオリジナル14作品を全て紙ジャケットCDに復刻したボックス・セット。
紙ジャケ化は、2001年5月に世界で初めて日本で制作された。そして、その時のデータを基にして海外で制作されたものが、この紙ジャケ・ボックスになった。
ボックスの特典である、Thorgersonのデザインによるオリジナル・コースター、ジャケットを網羅した特大ポスターとパッケージ・デザインはさすが。

しかし!紙ジャケそのものの完成度は日本のもの(金羊社による製版・印刷)に比べるとワンランク下といわざるを得まい。ただし、オリジナル・レーベルの復刻度は実に見事ではある。
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●PINK FLOYD / DISCOVERY  ( EMI 2011)

2011年秋からスタートしたリマスタリング・シリーズは音源の素晴らしさもさることながら、アートワークも全てThorgersonの手によって一新されている。
このボックスは彼らのオリジナル・アルバム全14作を収めたもので、Thorgersonによる当時のイラストや写真などを盛り込んだアートブックが同梱されており、パッケージもまさにアートそのものだ。

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●PINK FLOYD / IS THERE ANYBODY OUT THERE THE WALL: LIVE 1980-1981 (EMI 2000)

Thorgerson作品の最後は、彼が手がけたピンク・フロイドの2枚組ライブCDの初回限定生産盤だ。
通常盤はマルチPケースに収められているが、このボックスはブック型の特殊仕様になっている。フロントのデザインは、『The Wall Tour』のポスターから流用されたもの。CDが収納されているポケットの裏側にもデザイン・ワークが施されているのはThorgersonのこだわりかもしれない。

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●DAVID SYLVIAN / WEATHERBOX (VIRGIN 1989)

Sylvianのソロ・デビュー作から5作目までのアルバムを収めた初の5枚組CDボックス。

デザインは彼の専属デザイナーともいえるRussell MillsとDave Coppenhallの2人の手によるものだ。Sylvian独特の美意識がそのまま極上のアート・パッケージに昇華した傑作に仕上がっている。

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●BRIAN ENO / ENO BOX Ⅰ&Ⅱ (VIRGIN 1994)

近年はColdplayなどのプロデューサーとしても注目を集めているBrian Enoの作品を、2点の3枚組CDボックスに集大成した。
BOXⅠではインストルメンタル作品を、BOXⅡではヴォーカル作品を収録している。シリーズもののボックスなので、2点を揃えるとヴィジュアル・イメージがより完結したものなるというワケ。デザインは上のRussel MillsとDavid Coppenhallの手によるものだ。

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●RYUICH SAKAMOTO / PLAYING THE ORCHESTRA (VIRIN JAPAN 1988)

世界的な名声を誇るアーティストの1人、坂本龍一の作品を集大成したCDボックス。
全世界30,000セットの初回限定生産のこのボックスは、日本を代表するアーティストの1人、大竹伸朗によるデザインワークが施された独特なボックス・アートになっている。
振れば「サラサラ」と音がする仕掛けの箱そのものも素晴らしいですが、このボックスのみに特典として同梱された2枚のシングルも貴重な音源といえよう。
Mjg_img_5469●VARIOUS ARTISTS / BRAIN IN A BOX (RHINO 2000)

「ボッ クスを手がけては右に出るものがいない」といわれるRhinoから発売された、SF映画やドラマなどの宇宙ものや、さらにロボットものなどをテーマにした5枚組CDボックス。

一見すると金属で作られた箱に見えるが、残念ながらフタだけ本物の金属製。しかし、箱の3面にホログラフィー処理された脳の意匠は本当に立体的に浮かんで見えるのが見事だ。
200ページにも及ぶ特製ブックレットも読み応え十分。
今回の「SFジャケット特集」を締めくくるにふさわしいアイテムではなかろうか。
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(敬称略 ※協力:本項解説文原本執筆・植村和紀氏、金羊社・奥平周一氏 )

Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展

※本展示は2012年6月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。

2013年8月 6日 (火)

【Music Jacket Gallery】SFジャケット <中編>

<前編>の掲載からだいぶ時間が経ってしまったが、<中編>いきます。

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個人的な見方の問題で「SFっぽいもの」もしくは、「SFっぽくないもの」、色々と意見がわかれてしまうだろうが、こうして今回集められたジャケットを俯瞰してみるに、やっぱり「SF」というのは音楽と密接に結びつきやすい、ジャケットにとっては非常に普遍性の高いネタであることがわかる。

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何よりカラフルで見ていて楽しいよね!

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そのジャケットがなくなろうとしているんだから恐ろしい…コレはこのカテゴリーのテーマだから毎回触れないワケには行かないの。

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最近はほんの少しだけ、ほ~んの少しだけ電車の中で電子書籍を読んでいる人を見かけるようになったけど、日本でのアレの普及具合というのはどうなんだろう?進んでるのかしらん?
私が年いっているせいか、ハタで見ていてカッコいいものには見えないな。何か恥ずかしい。
若い人がアレを使っているのはまったく見かけないような気がするね。ま、本自体読まないことぐらいはわかっているけど、マンガをアレで見ないのだろうか?

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個人的にはね、あんなもの流行って欲しくないと思っている。
読書は目で字面を楽しみ(コレは電子と同じ))、紙のニオイをたしなみ、ページをめくる音に心躍らせるものだ。そして、読後にもう一度楽しみがやってくる。それは「蔵書」だ。読んだ本を並べてもう一度外観で楽しむ。電子書籍にコレができるかってんだ!

レコード、CDも同じ。
いつも「ジャケットがなくなる!」と騒いでいるが、この本の例を見ると、案外安泰かな?と思ったりしてきた。日本人は優秀だから。

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<前編>にも記した通り、この展示は2012年4~6月のものだ。諸般の事情により掲載が大幅に遅れてしまった。現在は違うテーマの展示となっているのでご注意頂きたい。

また取り上げる点数を少々減らす代わりに深く掘り下げてみた。掘り下げた内容はいつも通りのくだらないウンチクだ。
この点が<前編>と若干テイストが異なるように受け取られるかもしれないがご容赦いただきたい。何しろ今回コレ書くのに1年以上の時間がかかっちゃったもんですから…植村さん。ゴメンナサイ!

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Music Jacket Galleryの詳しい情報はコチラ⇒金羊社ミュージック・ジャケット・ギャラリー
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<前編>で「いいジャケット」と紹介したHAWKWINDの諸作。このHipgnosisが担当した『Quark, Strangeness and Charm』は7枚目のスタジオ録音盤だ。

コレ、宇宙船かなんかの操縦室のように見え、いかにもSFらしいのだが、実は丸っきり現実のもの。

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このジャケットはPink Floydの『Animals』でおなじみのBattersea Power Stationのコントロール・ルームなのだ。このHawkwindの作品が1977年。『Animals』も1977年。この年はBatterseaがHipgnosisのブームだったのだろうか?

Battersea Power Stationは『名所めぐり』で詳しく解説した

それにしても素敵なジャケットだ…ジャケットだけ欲しい…。

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Hipgnosisが続く。

これもAlan Parsons Project。1977年の『I Robot』。もちろん、出自はアシモフの『I, Robot』。有名な「ロボットは人間に危害を与えてはならない」…のヤツですな。

今回、アシモフを調べてて驚いたのは『ミクロの決死圏』ってアシモフだったのね?知らなかったな~。小さくなった人間が要人の身体の中に入って致命傷を治療しようなんてアイデアがスゴイ。ドラえもんより前にアメリカにはスモールライトがあったんだから!…と感心していたら、実は逆で、映画を小説家したのがアシモフなんだと。ガックシ。

Hipgnosisのジャケットは元々SFチックなデザインが多い。

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残念ながらAlan Parsons Projectのアルバムも何枚も持ってはいるけど、まったくと言っていいほど聴かないので内容については触れることができませ~ん。

それでも食いついておかなければ…とよせばいいのに安いからってベスト盤まで買い込んだ。やっぱり聴かないもんだから、また時がめぐりて同じものを買っちまった!

最近、ダブりが頻繁に起こるようになってきた。特に危ないのがジャズのCDなんですよ。さすがに3枚同じものを買うことはないが、Hank Mobleyあたりなんかかなり危ない。

で、重宝するのがiPOD。買ってきたきたCDをとにかくジャンジャン入れてしまう。それで店でCDを探していて怪しい…と不安に思ったらiPODをその場でチェック。索引的に使うのだ。
でも、もう160GBなんてアッという間にパンパンになっちゃうから、「どう考えてももう金輪際聴かないな…」と思えるヤツは入れないでおく。すると、そういうCDに限ってどういうワケか気になり出してしまう。で、CD屋に行って、持っているかどうかが怪しくなり、例によってiPODをチェックするが、入れてないもんだから「お、持ってないや」と思い込んでまた買ってしまう。

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しっかし、Alan Parsonsはジャケットで得をしてるよナァ。ホント、どれもこれもHipgnosisに助けられて(?)いるように思えますわ。

1984年の『Ammonia Avenue』。「Ammonia」とは「アンモニア」のこと。

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皆さんは気がつかれただろうか?
気がついたよね?

このジャケットのデザインは、この化学工場かなんかの配管の一枚の写真を…

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ほぼ左右対称に配置して…

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今度は上下で同じことをする。

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さらにこれを右に45°回転させるとジャケットのデザインになる。

さすがHipgnosis。たったこれだけの作業でこれほど雰囲気のあるイメージを作り出してしまうのだからスゴイ。こんな作業でギャラもさぞかしスゴかったんだろうな。

Keith EmersonのThe Niceの『Five Bridges』なんかでも同じ手法が使われている。

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まだまだ続くHipgnosis。

前回も登場したElectric Light Orchestra。これはセカンド・アルバム。また電球。Lightだからね。
元のイメージは『2001年宇宙の旅』かなんかなのだろうか…。チープだけどもっとも今回のテーマに則しているかも?
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Brand Xはいいよな~。VirginのA&Rマンが備忘でカレンダーに記した名無しのバンドの仮称「Brand X」がそのままバンド名になったという。
このバンド、Peter Gabrielの後を継いですっかりGenesisのボーカルになってしまったPhil Collinsがドラマーとして活躍する場を作るために結成したバンドという認識があった。
CollinsはThe Buddy Rich Big Bandとも共演した、ちゃんとした4ビートが叩ける名手だからね。 
ところが、この人、Brand Xを作ったどころかオリジナル・メンバーじゃないっていうじゃない?思い違いと言うのは恐ろしい。
でも、Percy Jonesのフレットレス・ベースとのコンビネーションは抜群だ。それこそPercyは世が世ならJacoと並び称されてしかるべき偉大なベース・イノベイターだった。それが、あれほど小さくまとまってしまったのは残念だ。
もし彼がこのイギリスのいち小バンドにとどまることなく、マンハッタンでバリバリとジャズを演奏していたらMcLaughlinみたいにもっとビッグになったのかもしれないじゃない?もし、Milesの目に留まって『Jack Johnson』をMcLaughlinとやってたらスゴかったのにな。ちょっと時代が合わないか…5年ぐらい。それにあのMichael Hendersonも十分にスゴイからいいか…。

さて、このチームもHipgnosisの作品が多い。これもしかり。これは1979年の5枚目のアルバム『Product』。
これどういう意味があるんだろう。真ん中のオッサンが作った変な薬を飲んだ男が凶暴になって自販機をブっ壊しているところ?
ウルトラセブンでこんなような話があったような…メトロン星人か?そういえば高校の時、佐々木っていうヤツ、「メトロン」っていうアダ名だったな。

こういう一編のスペースに物語を押し込むのもHipgnosisの得意技だ。何となく、Wishbone Ashの『Front Page News』みたいだと思いませんか?

ところでこのアルバム、なんだろね?スッカリPhilが歌い込んじゃって…。このアルバムに収録されている「Don't Make Waves」と「Soho」は当時シングルカットされたそうだ。それにこれらの曲は、PhilがGenesisの外で初めて録音した歌だそう。こんなのヒットせんよ。

ま、そんなんでバンドとしては新しい試み…ということだったんだろうけど、前作の『Masques』の方が全然よかった。曲の手の込みようが違う。

Brand Xは2000年代に入り、Sarah Pillowという女性シンガーのサポートを務め、『nuove musiche』や『remixies』というアルバムを制作している。
このSarah Pillowという人は一応ジャズ畑の人らしいが、音を聴くと中近東ムードが横溢した何とも言えない雰囲気。そのバックを務めるのがBrand Xである。バックとはいえ、この『Product』よりよっぽどBrand Xらしくてカッコいい。おススメです。
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Yes初代のギタリスト、Peter Banksが結成したFlash。これもいかにもHipgnosisらしいデザイン。以前にも取り上げたかな、この一見すると砂丘に見えるのは人間の手。
Peterも今年の3月、鬼籍に入ってしまった。

このジャケットを見ると思い出すのがコッポラ。彼が『ワン・フロム・ザ・ハート』という映画で砂丘の表面の曲線を美しく表現したいと言って、女性を砂に埋めたとかいう話しを聞いたことがある。オイオイ、無茶すんなって!ナスターシャ・キンスキーってどうしたかね?お父さんのクラウス・キンスキーのことなんかまったく忘れていたけど、ずいぶん前にお亡くなりになられていたのか…。
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1973年、Led Zeppelinの5枚目のアルバム。

イギリスの『Classic Rock』誌における音楽関係者が選ぶ「ブリティッシュ・ロック・ベスト100」の燦然と輝いたのがこれの前作の『IV』だった。その理由は、それまでにZeppelinが歩んできた道のすべてがうまく融合された作品となったからとかなんとか…。

ま、ようするに前作で頂点を極めていたワケですな。そして、「新たな一歩」感がにじみ出ているのがこの『Houses of the Holy』ということになっとるハズ。Zeppelinは殺人的に詳しい人がゴマンといるので作品についてはあんまり触れないでおいとくか…。でも、これって発表されてから40年も経ってるのね。

ナンカ自分の中では70年代ってそれほど昔のことではなく、80年代は結構最近っていう感じがするんです。60年代はさすがに昔だな。でも、1973年って40年も前なのね~、コレ、LPの時。「Houses of the Holy」って印刷された横の帯がついていたよね、確か?

コレの次作の『Physical Graffiti』に「Houses of the Holy」っていう曲が入っているでしょ?アレは当然このアルバムにタイトル曲として収まるハズだったんだけど、「どーもなー」というので収録しなかったらしい。タイトル曲をとりあえずボツにしてしまうなんて…。

さて、ジャケット。テニスのラケットの話は以前に書いた…と。

このデザインはイギリスの作家、Arthur C. Clarkの『Childhood's End(幼年期の終わり)』というSF作品にヒントを得て制作された。このクラークというおじちゃん、『2001: A Space Odyssey(2001年宇宙の旅)』の原案というか、ようするに元ネタを書いた人なのね。…ここでウチにあるキューブリック関連の本を引っ張り出してみる…(こんなことやってるから膨大が時間がかかってまうんですわ。でも気になりだしたら止まらない!)。

その原案とは『Expedition to Earth(前哨)』という短編で、なるほどあらすじを読んでみると『2001年』っぽい。で、このクラークは映画の脚本もキューブリックと共同で担当している。 ああ、2001年ももう10年以上前の話になっちゃったね。

このジャケット、写真はHipgnosisのAubrey Powell。Storm Thorgersonの相棒だ。ペルーのどこかもロケ地の候補に選ばれたが、最終的には北アイルランドの「Giant's Causeway(ジャイアンツ・コーズウェイ)」が選ばれた。このGiant's Causewayというのは火山活動によって作られた40,000もの石柱からなる奇景で、世界遺産にも選ばれている。

この撮影がやたら大変だったらしい。日の出と日の入りをとらえるために朝一番と夕暮れの2回の撮影が敢行されたが、あいにく天気が悪くまったく思うような写真が撮れなかった。

ジャケットに写っているふたりの子供はStefanとSamanthaのGates兄妹。Stefanは食べ物や料理の本を著している他、テレビタレントとしても活躍している。このジャケ写撮影時は5歳だった。
このふたりの写真はモノクロで11のパターンが撮影され、後にGint's Causewayの写真と合成された。
内ジャケの写真はGiant's Causewayの近くのDunluce Castleという中世に建てられた城で撮影された。

「ロック名所めぐり」の取材で両方とも見てみたいとは思うけど北アイルランドじゃナァ~。

このアルバムも前作同様、バンド名もタイトルも記載されない予定であったが、「それじゃ困る!」と泣きを入れるWarnerにマネージャーのPeter Grant(「ロック名所めぐり」見てね)は、「んじゃ、バンド名とタイトルと印刷したオビを巻いたらいいんじゃねーのか」と提案し、実行された。
それが冒頭に触れたオビ。このオビはジャケットの子供のツーケを覆い隠す目的もあったという。実際にアメリカの南部のいくつかの州では、何年かの間、このアルバムの発売が禁止されていたという。
1980年のCD化にはタイトルが印刷されてしまった。つまらないね。

ちなみに、いまだにまったく文字が入っていない『IV』は色々な名前で呼ばれている。日本では圧倒的に「フォー」だろう。本国イギリスではどうか…これもいろいろな呼び名があるんだろうけど、あるMarshallの友人は『Four Stickers』と呼んでいた。

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中学の終わり頃からプログレッシブ・ロックに夢中になり、もう楽しくて色んなものを聴き漁った。いや、実際には経済的に「漁る」なんてことは許されず、吟味に吟味を重ねて一枚一枚LPを集めていった。
するとイタリアはプログレッシブ・ロックが盛んであることを知り、PFMを買ってみた。
King Crimsonが好きだったのでPeter Sinfieldがプロデュースしているという『Photos of Ghosts(幻の映像)』を買って聴いてみたらこれがスッポリとハマっちゃって…。
当時はイタリアのロックの情報なんてほとんどないので、「マルコーニおばさんのおいしいパン屋」とかいう意味のバンド以外はコワくて手を出せないでいた。何せ少ないおこづかいだからね。

で、プログレッシブ・ロックのLPを集める指針のひとつとして、ヴァイリンが使われているバンドを優先的に探した。

その中で出くわしたのがこのArti & Mestieri。「芸術と職人」というのがバンド名の意味だ。まるで、上野の西洋美術館の特別展みたいな名前だ。

初めて聴いた時、とにかく「ナニこれ?!」ってぐらいカッコよくてビックリした。
ここで、どこがどうカッコいいとゴタクを並べるのもヤボというもの。とにかく聴いておいた方が人生得というもの。

他に有名な作品が出なかったのがこのバンドの不幸なところだが、この一作でプログレッシブ・ロック史に名を残す十分によい仕事をしたといっても過言ではなかろう。
この後に出したライブ盤なんか、当然この『tilt』を聴いた人は飛びつきたくなるだろうが、これが甘い!音の悪さに絶句すること間違いなし。こうしたプロダクションの甘さがこのバンドをいまひとつ上のランクに押し上げられなかった原因であろう。

とにもかくにもFurio Chiricoのドラムが圧倒的だった。名前がまた「キリコ」というのも印象的だった。
世間では「キリコ」といえば「磯野」ということになるんだろうが、私は違う。「ブラックジャック」に出て来るあのすぐに安楽死させちゃうコワイ医者のイメージだ。
そして、後にはThelonious Monkの『Misterioso(このライブ盤は必聴。Johnny Griffinの壮絶なブロウを是非体験あれ!)』のジャケットでおなじみのGiorgio de Chirioco(ジョルジュ・デ・キリコ)。そんな強いイメージがあったのでその名前を忘れることはその後もなかった。

ピンボール・ゲームで台に大きなショックを与えると「Tilt」というサインが出てその回の球が無効になってしまう。この『tilt』はその「tilt」なんだろうか?
このファースト・アルバムの漏斗(ろうと・じょうご)のイメージが強く、Arti & Mestieriはこれがトレード・マークみたいになっちゃった。なんで漏斗なんだろう?
色々調べたがこれはわからなかった。

Furioに訊いてみればよかった!
そう、私はFurioの知り合いなのだ!(あるいは、知り合いだったのだ!)

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というのは、数年前フランクフルトで、友人を通じてあるアメリカ人にFurioを紹介したことがあった。
もうかなり年配のハズのFurioなのだが、おっそろしく若く、そして私の太ももはあろうかというほど太い筋肉隆々の腕に驚いた。一見してかなりトレーニングを積んでいるのがわかった。

この時の話しは最終的に実ることがなかったが、Furioがこの時のお礼に、といって友人経由で後日プレゼントしてくれたのがこれ。
arti & mestieriのデビュー33年を記念したボックス・セットだ。
うれしかった!
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そして中にはFurioのサイン入りの愛用のスティックが1組。そして、「しげへ」、「ふりお」と直筆でサインを入れてくれた手紙が一通。我が家の大事な宝である。

とっさのことだったので、お返しを用意していなかった私は、本屋へ行ってその時出ていたギター・マガジンを一部買ってその友人に渡した。
それはFrank Zappaの特集号で、ちょうど私が書いた記事を掲載してもらっていたのだ。もちろん私はFurioがZappaの大ファンと知っていた。これにも大変喜んでくれたらしい。
人生、何が起こるか本当にわからないものだ。
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Van Der Graaf Generator…カッコいい名前だ。
Van de Graaff Generatorという静電発電機が名前の由来。日本語では「ヴァンデグラフ起動機」っていうんだって。よく丸い球から青い稲妻見たいのが出てて、それに触ると髪の毛が逆立っちゃうヤツあるじゃない?あんなイメージ。綴りが違うのはただの間違い。

1967年にマンチェスターで結成されたバンド。いったん活動を停止したが、2005年に活動を再開して現在に至っている。ちょっと前に日本に来たよね?

このバンドはボーカルのPeter Hammillの声がシックリくるかどうかで好みがわかれるんじゃないかナァ。一応プログレッシブ・ロックの仲間として取り扱われるけど、一般的なブリティッシュのプログレのバンドとは精神性が大きく異なるような気がするのは私だけだろうか?

十分人気のあるバンドではあるけれど、Peter Hammillという個性を擁していながら何となく超一流になれなかったのは、やっぱり「コレだ!」という一枚に恵まれなかったからではなかろうか?

私は案外好きで下のアルバムの前作、『Still Life』までのアルバムは揃えているが、やっぱりアルバム毎の印象がウスイような気がするナァ。
それらの諸作よりもHamillのソロ・アルバムの「♪インペリアル・ツェッペリン~」の声が先に思い浮かんでくるわい。

これは7枚目のアルバム『World Record』。文字通り「世界」と「レコード」が一緒になってる。いいシャレだと思ったんだろうね。
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これはまさにSF的なジャケットですな。
GeordieとはNewcastle Upon Tyne(ニューキャッスル・アポン・タイン:ニューキャッスルの正式名称)出身のバンド。
Geordieというのはニューキャッスル出身者のアダ名。(このあたりの情報はNew Castleにほど近いSouth Shieldsに住む親友、Steve Dawsonによるもの。是非Shige Blogの『イギリス紀行2012』を見て欲しい)

今になっては、現AC/DCのBrian Johnsonが在籍したバンドとして知られている。
残念ながら音は聴いたことはないので、いつか実現する日を楽しみにしている。
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The Enid(向こうの人は「イーニッド」と発音する)を聴いている人って日本で果たしてどれくらいいるんだろうか?私は案外好きで、アルバムも結構持っていたりする。
The Enidはプログレッシブ・ロックの範疇に片づけられることになっているが、それともチョット違うサウンドなんだな。
「ロックとクラシックの融合」なんてバンドが古今東西出てきては消えて行ったが、このThe Enidこそ「ロックとクラシックの融合」を果たしたバンドではなかろうか…なんて思ったりする。

…というよりクラシックそのもの?クラシックのメロディをロックの楽器で強引に演奏した…みたいな。他の「融合バンド」はロックにしちゃうんだけど、The Enidはクラシックのままなんだよね。
私は存外にクラシックが好きなので、ときどきCD棚から引っ張り出しては聴いているが、クラシックに興味のない人にとってはThe Enidの音楽は苦痛以外の何物でもないであろう。

他にも中世の音楽とロックを混ぜっこにしたというGryphonなんてのもいたけど、こうした音楽がまかり通っていた時代があったということもスゴイ。

さて、このアルバムはそのThe Enidの主宰者であるRobert John Godfreyの1974年のソロ・アルバム。
もともとはクラシックの出身でBarclay James Harvestを観てロックに転向しちゃったという人。その後、Barclay James Harvestのメンバーになれる、なれないというモメ事が発端となり印税問題で訴訟まで起こしたらしい。

ちなみにBarclay James Harvestも昔はMarshallのプレイヤーでチャータージェットにMarshall積んで国内外をツアーしていたというのだから隔世の感は否めない。そういえばちょっと前に来日してたね。
1&2枚目はすごくいいんだよね。

話しを戻して、このアルバムもギンギンに(?)クラシックしちゃってる。何となくこの声がSparksのMaelさんとこの弟さんみたいな感じに聞こえる?
メロトロン、パイプオルガンが怒涛のように攻め寄せる何しろ大仰なサウンドが魅力だ。
それと、前半、ずっと電話の音が聞こえるようなきがするんだけど…ウチのスレレオこわれてんのかな?

ジャケットも強烈だ。これはSFということではなく、この人がテーマにしている新旧約聖書に出て来るアイテム、つまりバベルの塔、エルサレムの神殿、イナゴがモチーフになっているらしい。

ちなみにHyperion(ヒュペリオン)というのはギリシア神話に出て来るUranusとGaeaの子で(誰なのよ?)、7番目の土星の衛星にもこの名がつけられている。Uranusは天王星のこと。そしてGaeaは地球のこと。TV番組のタイトルにもつかわれている「ガイア」ってヤツね。

それから『The Fall of Hyperion』という小説があるようだが、この作品とは時代が違う。
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Rick Wakemanは絶大な人気を誇ったよね。Yesでの仕事は言うに及ばず、『ヘンリー』や『アーサー』や『地底探検』だの良質なソロ・アルバムを連発した。
Rickはもともとセッションプレイヤーで、「名所めぐり」でも紹介したロンドンのTrydent Studioのハウス・キーボード・プレイヤーを務めていた。
特にDavid Bowieのセッションには重用されていたようで、有名なところでは「Space Oddity」のメロトロンはWakemanが弾いている。ギャラは£9.0だったらしい。

これもすでにどこかに書いたが、初めてイギリスのMarshallの工場に行ったとき、Jim Marshallから「シゲ、いつまでここにいるんだい?」と訊かれ「明日、日本へ帰ります」と答えた。
するとJimは「あ~、それは残念だな。明後日Rick Wakemanが工場に来ることになってるんだよ」と聞かされ臍を噛む思いをした。

Rickの息子さんはAdamといってマーシャルの創立50周年記念コンサートにキーボード・プレイヤーとして全面参加した。Ozzyのバンドでも活躍している。

そうして傍から見ていてJimとRickの仲がとてもいいように思えたのは双方がイギリスの芸能関係者の慈善団体、「Water Rats」のメンバー(定員が厳格に定められていて、ちょっとやそっとではメンバーになれない。確かBrain Mayもメンバーだったような…)だからかと思っていたが、そうではない他の大きな理由を最近知った。
ナント、Rick WakemanはSaturday Boy(ようするにアルバイト)としてJimの店で働いていたことがあったのだそうだ。
ああ、イギリスはおもしろい!


これはRick Wakemanの6枚目のソロ・アルバム、『No Earthy Connection』。
デザインはAnamorphose、いわゆる「歪像」とかいう一種のだまし絵の技法で描かれている。
私はこのアルバムは買ったことがないので知らなかったが、オリジナルのLPには銀紙のようなものがオマケでついていてた。それを丸めて円筒状にしてジャケットの真ん中に置くと、そこにはア~ラ不思議、これからピアノを弾くぞ!っというRickの姿が映し出されるのだ。
この技法は特段新しいものでも何でもなくて、15世紀にはもう登場していて、円筒へ投影したのが17世紀のことらしい。

さて、Rick Wakemanが登場したところで少しYesの話しをば…。
私も『Relayer』までのYesは大好きだ。『Going for the One』を聴いてガッカリし、「トマト」だの「クジラ」だのはまったく聴く気も起らなかった。それもこれも、あの時代、音楽の方向性が変わり、それまで崇高なまでのオリジナリティを誇った立派なバンドの多くがポップ化した。YesもELPもすっかりおかしくなってしまった。
もし、あの時、こうした一流のプログレッシブ・ロックのバンドが矜持を保ち、独自の路線を貫いていたら一体どういう作品を残していただろう?ロックの世界は今とどう異なる様相を見せていただろう?そういう意味では、個人的にはパンクやニュー・ウェイブと呼ばれる類の音楽の出現を呪いたくもなるものだ。
あ、ここではこんなことを書こうと思っていたワケではなかったんだ。

その好きな『Relayer』以前のYesでも『海洋地形学(ここは邦題で行きます)』だけは苦手で、中学の時に買って聴いて以来、一回も聴いたことがなかったように思う。
この『海洋地形学』、苦手なのは私だけではないようで、かなり多くの人がこの作品を重要視していないようだ。
でもイギリスでは前作の『Close to the Edge(危機)』の方よりチャートが上なんだよね。『海洋地形学』UKチャート1位になったけど、『危機』は4位止まり。
少なくともジャケットは大変SF的だけどね…。

ところが…だ。これが実にいいのである。ちょっと思うところあって、最近CDで買い直してみた。やっぱり最初はつまらんナァ~…と放っておいたのだが、しばらくして旧LPでいうC面以降を聴いていないこと(CD2枚目)を思い出して試しに聴いてみた。「The Ancient」という曲だ。

これが破天荒にカッコいいのである。なんだ、もっと早く聴いておけばよかった!
Bill Brufordが抜けてAlan Whiteが参加した最初のアルバムだが(Alan Whiteの『Ramshuckled』はいいよ)、『危機』でアイデアを出し尽くしてしまって、どうもヤケクソになっている感じがする…というのは何かものすごくゴッタ煮的に聞こえるんだよね。

Jon Andersonが「もうやることないからみんな好きなことやっちゃって!何でもブッ込んどけばダシが出るって!」と指示したみたいな…。
ま、まさかそんなことは無かろうが、Steve Howeは「Close to the Edge」のテーマ・フレーズ弾くわ、「Mood for a Day」の宣伝みたいなパートはあるわ、Rick Wakemanはジャンジャン遠慮なしにメロトロンかますわでおもしろいことこの上ない!

で、一番驚いたのは、この「The Ancient」という曲の冒頭、テーマの提示部みたいなところ、つまりRick Wakemanがマリンバのような音で弾くブッ早いフレーズ。
これって『ヘンリー』に入っている「Anne of Cleves」とまったく同じじゃんか!こんなのいいのかね?
『海洋地形学』も『ヘンリー』も同じ1973年の発表だ。もしかして、「ねジョン、今度出すソロ・アルバムの一部を使っちゃってもいい?どうしても宣伝したいのよ~」とリック。
「いいさ~!どんどんダシを出しちゃって!」とジョン。

…と、こんなシーンがあったらおもしろいナ…なんてことを考えながら聞くアルバムが『海洋地形学』なのです。ホンマか?!
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これは何かメチャクチャ不吉なイメージのジャケットですナァ~。

Dixie Dregsもほとんど聴かなかったナァ。
Steve Morseをはじめ、Dave LaRueだのRod Morgensteinだの、テクニシャンがそろっているんだけど、どうも夢中になれなかったナァ。根っからカントリーっぽいのが苦手なんだろう。
それでも何枚か持っていて(多分このアルバムも持っていると思うけど、聴いた記憶がないナァ)、高校性の時に買った「Night of the Living Dregs」には苦い思い出がある。

このアルバムのB面はライブ音源で構成されており、その2曲目に「The Bash」というブルーグラス調の高速超絶曲が収録されている。
曲の中盤と後半に出て来るSteve Morseとヴァイオリンのハモリのパートがスリリングでこの曲だけは大好きだった。

それから約30年後、ナッシュビルの偉大なフィンガー・ピッカー、Doyle Dykesと知遇を得る機会を得た。DoyleはChet Atkinsに「お金を払ってでも聴きたいギタリスト」と言わせしめたスゴ腕プレイヤーで、私は名前は知っていたが、実際のプレイには接したことはなかった。
来日の前に彼の当時の最新作『Country Fried Pickin'』が送られて来、聴いたところ、「The Wabash Canon Ball」というDixie Dregsの「The Bash」とまったく同じテーマを持つ曲が収録されていた。「おー、スゲエなDregs。Doyle Dykesにカバーされているんだ!」と感心した。だってDregsの方には作曲者としてSteve MorseやRod Morgensteinたちの名前が載せられていたからね。

そしてDoyleが来日。こっちは「彼のCDを聴きこんでいますよ!」なんて点数稼ぎのつもりで、よせばいいのにこんなことを言ってしまった。
「Steve Morseお好きなんですか?だってニュー・アルバムではDixie Dregsの曲を取り上げてますもんね!」
すると見る見るうちにDoyleの顔色が曇り、イヤな雰囲気になってしまった。あまりのショックでその時実際にどのようにDoyleが答えたか覚えていないが、後で真相を知って真っ青に、そして真っ赤になってしまった。

この曲は元々はアメリカの架空の汽車「The Wabash Canon Ball」を歌ったもので、いわゆるスタンダード・ソングだったのだ。Morseたちはそれに、先述の超絶パートを足してオリジナル曲として、つまり改作していたんだね。恥かいた~!私がどれだけカントリーに疎いかというお話し。

その後、北海道行きの飛行機の出発時間に間に合うように満員の地下鉄にDoyleを乗せようとしたら怒っちゃったなんて一幕もあった。
こんなことを書くといかにもDoyleが怒りっぽい、気性の荒い人だと思われそうだが、悪いのはこっちで、彼はとても心のやさしい敬虔なクリスチャンだった。

旅の終わりには、色々と面倒を看てもらったお礼にとSWATCHの時計をプレゼントしてくれた。私は彼に頼んで、時計バンドの内側にサインをしてもらった。今でも大切に保管している。うちの大切なメモラビリア・コレクションのひとつだ。将来「Hard Shige Cafe」を開く時に公開することにしよう。とにかく偉大なギタリストと素晴らしい時間を過ごさせてもらった。

さて、本項の主人公Steve MorseもMarshallを使わないナァ。でもね、数年前、Deep PurpleとYngwie MalmsteenがDouble headlineで来日したことがあったでしょ?
あの時、香港にいるMarshallのスタッフと一緒にYngwieのシグネチャー・モデルのプロトタイプを本人に見せに行ったんだけど、Yngwieの出番の時、ステージそでで身体でリズムをとりながら熱心に最後まで見ていた人がいたんだけど、それがSteve Morseだった。

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Frank Marino観ておいてヨカッタな~。つくづくそう思いますわ。
ギタリストとしては素晴らしいけど、音楽家としては小さくまとまってしまった感がありますな。やっぱりオリジナル曲のクォリティに問題があるとしか思えないな~。
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これが来日公演時のプログラム。1978年12月4日。場所は後楽園ホールだった。ここでは約半年前にRoy Buchananを観ている。父に連れられてそのズット前に同じ場所で観た出し物は、『底抜け脱線ゲーム』だった。

もうあまり語られることがなくなったが、Frank Marinoはエフェクターをアホほどつないで弾くのが有名で、開演前にはステージの前にギター・キッズが群がっていたっけ。その中に私もいたワケだけど、今だったら携帯で写真バシバシだろうね~。あの頃はただただ眺めて脳裏に焼き付けるだけね。

この日、ギターの調子が悪いとか言って1時間近く開演が押したんだよな~。でも演奏はスゴくて、もうどうしようもないぐらいの音数でブッたまげた。

当時は紙テープを投げるということがまだ比較的当たり前で、私もいくつか買って持って行った。もちろんそんなつもりは無かったのだが、手元が狂ったのか、投げた紙テープが見事にFrank Marinoの右肩に命中してしまい。ギロリとニラまれたのを覚えている。もう紙テープを投げるロック・コンサートなんてまったくなくなっちゃったね。

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CANか…。確かにデザインはSFチックだね。
聴かないんだよな~、ドイツ・プログレ。Tangerine DreamとかKraftwerkとかまったく受け付けない。
Faustもジャケット欲しさで買ったもののサッパリわからんな~、どこがおもしろいのか…。

CANもスゴイ、スゴイってんで『Tago Mago』あたり聴いたけどピンと来ないんだよな~。なので特にコメントはないんだけど、ひとつだけ。

ドイツ人の友達に言わせるとScorpionsあたりは究極的に古臭いんだそうだ。もちろん聴き手の個人差はあるんだけど、わかるような気がする。
というのはウチの家内の親友がドイツ人と結婚した。名前はKlausというんだけど、世界を股に掛ける経営コンサルタントだ。彼も部類の音楽好きということで気が合うな…と思ったらトンデモナイ。
おおよそ私の好みとはほど遠く、それこそTangerine DreamだとかGuru GuruだとかNEU!だとかAsh Ra Tempelだとか…。他にもノイズ系の無機質な音楽が好きだと言っていた。

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これも苦手のKlaus Schruzeの『Time Wind』。こりゃ、さっき出たキリコとダリが合体したような絵ですな。これとか『Irrlight』とかジャケットはいいんだけどな…。

ドイツはフリー・ジャズなんかも当たり前に受け入れられている。音楽に関して言うと、ドイツはベートーベンだのシューベルトだのブラームスだのワーグナーだのたくさんの楽聖を輩出していて、その伝統を何か新しいモノでブチ壊したいという風潮がいつもあるらしい。
そこで既存のロックよりも、こうしたドイツ独特のロックが発展したという話しを聞いたことがある。
だから友人のKlausの好みもそういうことになっていたようだ。

伝統のバイツェン・ビールはおいしいよ~。大好き!フランクフルトはザクゼンハウゼンのアップル・ワインも美味!肉がおいしいからね。よく合うんだ。
でもね~、スーパーで売ってるハンバーグだの、ウインナ・ソーセージなど、飛び上がっちゃうほどしょっぱい。あれは食えんナァ~。

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ドイツから今度はフランスへ…といってもGONGの総裁、Davis Allenはオーストラリア人だ。
ま、とってもアタマがイっちゃってる人ですから、やってることもよ~わからん。でもそこがいい。
ってんでこれは「Radio Gnom Invisible(見えないラジオの精)」の三部作の第一作目。ちなみに「Gnome」の「g」は黙字で「ノーム」と発音する。
このシンプルなイラストが何とも可愛くてユーモラスで味わい深い。David Allenソロ名義の『Good Morning』もいい。

とにかくこのバンドはウマイんだかヘタなんだか、幼稚なんだか大人なんだか、まじめなのかふざけてるのかよくわからない。それこそGONGサウンドとしかいいようのないスタイルが魅力だ。
場面がコロコロ変わるシアトリカルな曲と目も覚めるようなシャープなジャズっぽい演奏のコントラストも素晴らしい。
ま、全部のアルバムを聴いているワケではないので、これはあくまでも私流の楽しみ方として受け取ってチョ。

1974年の『You』から参加するPierre Moerlen(これが読めない。「ピエール・ムーラン」とされているけど、どうなんだろう。今度フランス人に確かめてみるね)が参加し、主導権を握るようになってからこのバンドはスタイルを変え、パーカッショニストをフィーチュアしたフュージョン・バンドになってしまう。
これがカッコよくて『Expresso II』や『Gazeuse!』は今でも時々聴いている。この頃のAlan Holdsworthは本当にスゴかった。
ところが、Didier Lockwood、Mike Oldfield、Steve Winwood、Mick Taylorらをゲストに迎えた続く『Downwind』でガクッときて、さらに次の『Time is the Key』がつまらんかったな~。
でも、この辺でベースを弾いているHansford Roweってのはいいね~。
『Expresso II』の曲を演奏している1980年の『Poerre Moerlen's Gong Live』ってのはよく聴いた。
Pierreも2005年に亡くなっている。

フランスのロックもクセモノが多くておもしろい。私はゼンゼン詳しい方ではないが、MAGMA、ZAO、Pulsar、Atoll、ZNR、Tai Phong、Angeあたりはいいナァ。
ところで、MAGMAってChristian VandeがColtraneのフォロワーを標榜しているけど、ホントはストラヴィンスキーになりたいんじゃないの?って聴くたびに思う。

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Frank Zappa『Overn-Nite Sensation』。見れば見るほどものすごいイラストだ。David McMackenという人の作品。Zappaに関してはMJGではあんあまり書かないようにしているので、書かない。キリがなくなっちゃうのよ。

ちょっとだけ書くとこの『Over-Nite Sensation』は数寄屋橋のソニービルの地下にあったハンターで「1,000円以下コーナー」の中から見つけて買った。ちょっとスリキズがついていたので800円だったのを覚えている。

アメリカで見つけたコレの4チャンネル盤の話しは以前に書いた

これと『One Size Fits All』の譜面がアメリカのメジャー音楽出版社、Hal Leonardから出た。『Hot Rats』と『Apostrophe (')』の上梓に次ぐ快挙だ。暇を見つけては「Montana」の真ん中や「Zomby Woof」あたりをさらってみようとは思っているのだが、なかなか根気が続かなくて…。もちろんすべてソラで歌えるぐらいメロディは熟知しているが、ギターで弾くとなると完全に別の話し。Steve Vaiってスゴイなァ。

最近もSteve Vaiが来日して大騒ぎになっていたけど、Zappa Plays Zappaで来た時なんかヒドかったよ。みんなあれがいいって言ってんのかな?
ギュインギュインとアームの上下ばっかりで、後半は見ているのも聴いているのも退屈で辛かった。楽屋ではとっても感じのいい人だったけど…。
上手ギターのJamie Kimeの方がよっぽどカッコ良かった。

私はずいぶん長いことZappa道を歩んできたので、Steve Vaiの名前は彼が世の中に最初に出てきた時から認識している。ZappaのバンドではStunt Guitarというクレジットで参加しており、Zappaが弾けない複雑なパートの担当ということになっていた。

Zappaのバンドに入りたくて得意の採譜力を示すために「Black Page」をコピーした譜面をZappa送ったという話しは有名だ。
その後、めでたくバンドに加入した。ブートレッグなんかを聴くと今よりゼンゼンすごいことをやっていたと思うんだけどな…。
それと、ジャック・バトラーはメチャクチャいい仕事をしたと思う。

(また)ちなみに、アメリカでは穐吉敏子とZappaのバンドにいたことがある人は、オーディションなして仕事にありつける…という。それほどムズカシイことをやっていたというワケ。ホントにそうだったのかどうかは分からないが、大好きな話し。

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Kevin Ayersのソロ3作目『Whatevershebringswesing』。長い単語だ。一見するとポピンズ先生がいうところの一番長い英単語、「Supercalifragilisticexpialidocious」みたいだ。
もちろんこれは単語ではなくて「Whatever she brings we sing」で、「彼女が何を持ってこようとも僕らは歌う」ぐらいの意味になろうか。
1971年の作品で、GONGとKevinのバンド、The Whole Worldがバックを務めている。

David Bedfordの重厚なオーケストレーションにはじまり、バラエティに富んだ曲がギッシリとつまったこのアルバムはまるで映画のサウンドトラック盤を聴いているようだ。というか、このアルバムを聴きながら映画の脚本が1本書けそうな…。

それにしても気色悪いジャケットだ。でもスキ。kevinの作品はどれもジャケットの趣味がいい思う。「水」がテーマのこのアルバムには水が流れる音を使った曲が最後に入っており、LP時代にはループしてその水の音が延々と流れるようになっていた。(こういうエンドレスのLP盤を作ってはいけないルール があると聴いたことがあるけど…)

はじめてKevin Ayersを聴いたのは『June 1,1974』だった。EnoやNico、John Caleらが集まったRainbow Theatreのライブ盤だ。
35年まぐらい前のことで、これが廃盤扱いになっていてまったく手に入らなくて苦労した。輸入盤でも手に入らなくてイギリスから取り寄せてもらった。
Enoの「Baby's on Fire」はいいものの、Caleの「Heartbreak Hotel」とかNicoの「The End」とか、「なんじゃコリャ?」の連続だったか惹きこまれてしまった。

一番耳を惹いたのはB面の1曲目に収録されていたKevinの「May I?」だった。もっと正確に言うと「May I?」のギター・ソロにしびれた。弾き手はPeter Ollie Halsole。Time Box、Patto、Boxer、The Rattlesなどに在籍したレフティのギタリストだ。
最近ではTempest時代にBBCラジオに出演した時のAlan Holdsworthとの壮絶なギター・バトルを収録した音源が公式に発表され、その名を知った人もいるかもしれない。
程よいクランチ加減のSGサウンドでジャズっぽいフレーズを猛烈な速さで弾きまくるスタイルが素晴らしい。

一方のKevinはというと、いっくらなんでも歌を歌うには低すぎるだろう!という感じの声でなかなか取っつきにくかったが、何枚か買って聴いている内に味わいが出て来て好きになってしまった。
と言ってもトコトンまで追いかけたワケではないが…その中ではこのアルバムとOllieが初参加した『The Confessions of Dr. Dream and Other Stories』がスキ。

その後はKevinの片腕的に各アルバムにOllieは参加している。もっとバリバリとソロを弾いていたら夢中になっていただろうな…。

Kevin Ayersは後年、Ollieとともに来日して九段会館でコンサートを開いた…らしい。私はその頃地方に住んでいて来日したことすら知らなかった。観たかった!
Ollieは1992年、43歳の若さでドラッグ禍でこの世を去った。こう言ったらkevinやMike Pattoには失礼だが、もっと大衆受けするロック・ミュージシャンと組んでいれば、名声を残すことができたと思うナァ。本当にもったいない…というかもっと有名になってあの素晴らしいギターをふんだんに聴かせてもらいたかった!(ソロ・アルバムも出ているが、まったくおもしろくないので要注意)。

そのKevin Ayersも今年2月、68歳で亡くなってしまった。Mike Pattoもとっくにこの世を去っているし…こうしたいかにもイギリスっぽいミュージシャンがドンドン減っていることに我々は危機感を覚えるべきだ。
ヘンテコりんな声を出して軽佻浮薄なロックをやるヤツらは掃いて捨てるほどいるが(掃いて捨てた方がよい)、このいかにも大英帝国然とした重厚なブリティッシュ・ブリティッシュを継承するフォロワーがいないのだ。

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Miles Davis『AGHARTA』。1975年2月1日の大阪フェスティバル・ホールの昼の公演を収録した2枚組ライブアルバム。夜の部は『Pangaea』と題して同じく2枚組で発売された。
この時のMilesは18日間の滞在中、6日の休みを散りばめ札幌から博多まで回ったという。

ジャケットは一見してすぐにそれとわかる横尾忠則の作品。これはいいも悪いもない。「Tadanori Yokoo」ということだけで十分だろう。
今から20年近く前にニューヨークの近代美術館に行った時、唯一発見した日本人アーティストの作品は横尾忠則のものだった。他にも日本人による作品はあったんだろうけどね。とにかく目立つ。

このアルバム、いいんだけどね~、ひとつだけ気になるのはPete Coseyのギターの音色なの。Milesに「ジミみたいに弾け」と無理を言われ、ギュイ~ン、ギュイ~ンと派手にハードに弾きまくるのはいいんだけど、何かアンプが壊れそうでイヤなんだよね、Marshall屋としては。何を使ってるのか知らないけど…。
でも、コンプレッサーを5~6台つないで、絞りに絞ってネジ切れる直前のスポンジのようなこの音色は間違いなくワン・アンド・オンリーだろう。
それにしてもですよ、これをJimiが弾いていたらどんなだったかね?『Jack Johnson』ではあまりにMcLaughlinがカッコいいので、こんなこと考えないけど、『Agharta』と『Pangaea』ではそんなことも想像したくなってくる。
もちろんMilesもSonny Foruneもリズム隊もいいんだけど、やっぱギターに行っちゃうな~、最近まったく弾いてないクセに!

ちなみにこの作品にも収録されている『Theme from Jack Johnson』の肝心の映画の方を観たことある人いる?これDVDになってるのかな?
私はVHSを持っていましてね。先日倉庫のガラクタビデオをBook Offへ持って行ったんだけど、この『史上最強のボクサー ジャック・ジョンソン』とポールの『Rock Show』、それにJack Wilkinsがギターを弾いているThe Manhattan Transferの初来日時のライブ・ビデオ、それに先ごろ亡くなったBob Brozmanのサインが入っているドブロの教則ビデオとあと数本はキープしておくことにした。

このビデオ、信州のレンタルビデオ屋で見つけて数百円で買ったんだけど、定価はアータ、14,800円よ!
裏の解説には「全編に流れる音楽は、あのマイルス・デイビス自作自演のオリジナル・スコア」なんて書いてある。しかもご丁寧に音楽コーディネーターとしてTeo Maceroの名前まで出てる。こんなこと書かれるといかにもMilesの音楽が効果的に使われていて『死刑台のエレベーター』や『思春期』のCharlie Parkerみたいな状態を期待してしまう。
実際、この解説に偽りはないんだけど、ドキュメンタリー・フィルムとナレーションのバックで、ズッ~と、ダラ~っと、小さい音でBGM的にあの「Right Off」や「Yesternow」が流れているだけなのだ。オイ!もったいなさすぎるだろ!

ドンドン横道にそれているが、ボクシング・ネタというと、すぐにBob Dylanの「Hurricane」を思い出すでしょ?Rubin "Hurricane"Carterという無実の殺人罪を被せられたボクサーの話し。
のちにDenzel Washingtonを主演に据え、名匠Norman Jewisonが伝記映画を制作したが、あれはとてもヨカッタ。そのハリケーンの救済ソングだ。これはリアルタイムで聴いてとても感動した思いがある。それなのに…。
…というのは、Bob Dylanで最近知った話しが『Love and Theft』の話し。詳しくはコチラをご覧頂きたい。最後の最後にそのことについて触れています。

Jj_img_0178何でDylanまで来ちゃったんだっけ?

それにしてもスゴイ演奏ですだ。。
『マイルスを聴け!』でおなじみの中山康樹先生は、この日の演奏を両方ご覧になられて、「いまにも押しつぶされるんじゃないかと恐怖すら感じた」と述懐されているが、まさにそんな感じなのだろう。

身体に穴を空けたり、ピンを刺したり、恐ろしい形相をしたりしてスゴみながらバンドをやっていらっしゃる方もたくさんおいでだが、こと音楽に関してはMilesの演奏の方が数万倍恐ろしい。
だって、ここで演奏しているのは人間ではないからだ。「音楽の鬼」どもが楽器を演奏しているのだ。
鬼どもの饗宴は中山先生のご指摘通り、『Pangaea』の方がすさまじい。興味のある方には是非両方聴いていただきたい。ただし、取って喰われないように!

Milesの項、最後にもうひとつ。
私は寝る時にイヤホンをして音楽を聴きながら寝入るのが習慣になっているんだけど、流す音楽は必ずジャズで、ピアノ・トリオだったりすることが多い。
ヘビメタのコンサートのような爆音の環境でも人間は眠くなるワケで、「ああトミー・フラナガンっていいナァ~」って思っている内に気持ち良く眠りにつくのだ。
もちろんピアノ・トリオでなくても大丈夫。Ornette Colemanあたりはチョット辛いので選ばれることはないが、『Kulu Se Mama』まであたりのJohn Coltraneでも十分気持ちよく眠りにつくことができる。

実際にはやっていないが、好きなハードロックだったらどんなにうるさくてもほぼ問題ない。

ところが、Miles Davisはダメなのだ。とろけるような『Cookin'』nの「My Funny Valentine」や『Jazz Giants』の「The Man I love」のようなバラードも、あの美しい『Sketch of Spain』もダメなのだ。
どんなにトロトロしていてもMilesのトランペットが入って来ると「ハッ」と目が覚めてしまうのだ。
こんな例えでしかMiles Davisのスゴさを記すことはできないが、きっとMilesのスゴサのひとつはこういうことなのであろう。
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Weather Reportが2枚展示されていた。

このタイトルの英語がわからない。「I sing the body electric」。私のヘッポコ英語感覚では「Cry me a River」みたいな?

ジャズのスタンダードとしてよく歌われる「Cry me a River」はあまりにも重く切ないバラードで、以前、渡辺香津美さんがHoracio El Negro HernandezとRichard Bonaと組んだトリオのコンサートで、MarshallのHandwiredシリーズの18Wコンボ、1974Xでこの曲をア・カペラで弾いてくれた。
泣けたな~、あれは。会場は渋谷のオーチャード・ホールで何の伴奏もなしにこの切ないメロディをギターで朗々と歌い上げるサマには香津美さんに「世界一」を感じた。イヤ、実際にBe-Bopを弾かせたら、イヤ、弾いて頂いたら世界一の座は誰も奪い取ることはできないであろう。

で、「Cry me a River」というのは、「川で私のために泣いて」ぐらいの意味かと思っていたらさにあらず、「川一本分、私のために泣いて」という意味なのだそうだ(受け売り)。たしかに不定冠詞の「a」がついてるもんね。しかし、図々しいナ、いっくらなんでもそんなに泣けませんゼ!

さて、「I Sing a Body Electric」。これは19世紀のアメリカのWalt Whitmanという人の詩作が出自だそうだ。これが書かれたのは1867年のことで、まだ「電力」というものが普及していない時代だ。
「electric」と今では「電気的な」という意味しか頭に思い浮かばないが、「making people feel very excited(ロングマン現代アメリカ英語辞典)」という意味がある。

それにしても意味が取れないので、おなじみSouth ShieldsのSteve Dawsonに尋ねてみた。
答えは「わからん」。英語的にも意味が通じないらしい。
で、また答えがSteveらしく、「YesのJon Andersonもうまく言葉を操って、意味よりも『音』を重視した詩を書くクセがあったんだよ」だそうだ。
Ray Bradburyも1969年に同名の短編を発表している。

GONGじゃないけれど、Weather ReportもFleetwood Macのように結構スタイルを変え続けて活動したバンドだ。
みんなWeatherというと乾物屋みたいに「ジャコ、ジャコ」と叫ぶが、私はデビュー・アルバムから『Sweetnighter』辺りまでの初期の作品もスキ。
ナニもMirosrav Vitousが贔屓というワケではないのだが、何か新しいジャズを強引に作り出そうと苦悶しているような姿がいいのだ。
このアルバムも現在音楽っぽいアプローチがすこぶるカッコいい。

「Live under the Sky」でChick CoreaとRoy Haynesのトリオ、すなわち「『Now he Sings, Now he Sobs』の再現」というのでVitousを見たが、とにかくデカかった!

私的にはこのジャケット、ミジンコと見ている。

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ちょっと横尾忠則っぽいデザインの『Mr.Gone』。目だけ見ていると研ナオコに見えて来る。
Weatherも夢中になって聴いたのはこの後の『8:30』と『Night Passage』あたりまでだったナァ。
Zawinulお得意のアフリカン・テイストもワールド・ミュージックのブームが到来して新鮮味を失ってしまったって感じ?

『Heavy Weather』の時代に日本に来てるんだよね。東京公演はめずらしく会場が日比谷の宝塚劇場だった。
まだ私が高校の時のことで、もうギターに狂ってた頃。「ケッ、ギターのいないバンドなんかおもしろくもなんともねーっての!」ってなことで観に行かなかった。ああ、猛烈に後悔している。
オレだってサ、プロ・ギタリストになりたかったギター・キッズの頃があったのさ!

その後、ジャコはWeather Reportを脱退し、天才の名を欲しいままにしながら八面六臂の活躍を続けた。Aurex Jazz Festivalのビッグ・バンドとかね。それから、自分のコンボで来日した時はギタリストを現地調達した。そのギタリストは渡辺香津美だった。
この時の演奏が後にFMで放送されシッカリとエアチェックして今でも大切に保管してある。

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Edgar Winter Groupの『謎の発光物体』。なるほど見た通りのタイトルだ。しかもSF的。現在は『Unknown Radiated Object』…というのは真っ赤なウソで、ナ、ナント、このアルバムの原題が『The Edgar Winter Group and Rick Derringer』という。オイ!いい加減にしろよ!
こんなことやってるから「哀愁のヨーロッパ」みたいな事件を引き起こしてしまうのだゾ!

拙者、この人たち通過していないでござる。したがって何の思い入れもふござらん。

ただ言いたいのは、ヒット曲「Frankenstein」がMarshallの創立50周年コンサート、『50 YEARS OF LOUD LIVE』のオープニングに使われたことと、日本のJimi Hendrix、中野重夫がFM愛知でDJを務めている番組、『中野重夫のKeep on Rockin'』のテーマ曲になっていること。もう変わっちゃったかな?
数年前にゲストで呼んでいただいて1時間番組2本分、Marshallについて語らせていただいた。そして、今回またお誘いをうけておりましてな、どうにかなったらまたマーブロでレポします。

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SLADEはいい。このアルバムは聴いたことないけど、SFテイストのジャケットだね。

私は近い将来、Aerosmithがそうしたように、日本も職業作曲家が復権を果たし、ロック・バンドに良質な曲を与える時代がくるのではないか…と思っている。というより期待している。他の例を引けばSweetだ。
もうロックには「反逆」やら「自由」などというテーマが似合わない時代、むしろそういうテーマを求めるのはアナクロニズムも甚だしいし、かといって「がんばって」やら「ありがとう」はロックの本業でもない。要するにもうロックにはやることがなくなってしまったと思っている。

福島の問題を考えてごらん。もしこれが本当にロックにパワーがあった時代だったら、ロック、フォークの別を問わずミュージシャンたちは東京電力を絶対に許さなかっただろう。容赦なく攻撃していたハズだ。
慰問やチャリティは素晴らしいことだけど、この事故が60~70年代にいたらミュージシャンたちはもっと別のやり方をしていたでしょうな。あの当時は音楽に力があったから。

ひと声で数万人が集まるコンサートやフェスティバルが林立しているが、これはロックに力がついたのではなくて、ロック・ビジネスが大きくなったからにすぎない。音楽としてのロックは完全に脆弱化・幼稚化してしまった。

「さくら」の枝を振りかざしても戦えないでしょう。もし清志郎が生きていたら徹底的にロックの力を使って戦っていたのではないだろうか?

これが本当の「参戦」だよ。コンサートに行くことを「参戦」とか言うようになっているようだけど、そんな物騒な言葉を簡単に使うのは止めた方がいい。
コンサートに「参戦」する前に、あまたある戦争関連の書物に目を通して歴史の勉強をしておくべきだ。ついでに言うと、「降臨」という言葉もよく見かけるが、そんな大層な言葉を使うべきではない。神仏に失礼すぎる。

そしてさらに、いいメロデイを作り出す才能も世代を重ねるごとに擦り切れてきて、もはや一介のミュージシャンの才能では突破口を見出すことが不可能になっていると感じざるを得ない。

今、民衆が一番欲しがっているのは「心に残るいいいメロデイ」だと思うんですよ。でも、今、ロックの中心にいる若者たちはそれに気が付いていない。というより気づく術を持っていない。

私がここで言っていることは、おそらく年配のオールド・ファンには理解してもらえると思う。

色々考えてみると、キチンと音楽を勉強した、本当に音楽的才能のある若い職業作曲家を起用するのが現在の音楽シーンへの一番よいカンフル剤だと思うのである。阿久悠や都倉俊一の再来だ。阿木耀子と宇崎竜童でもいい。

そうした作曲家や編曲家が活躍するようになれば、今度はそれを音にするちゃんとした楽器弾きが必要になってくるだろう。ここまでくればもう大丈夫。人々は今の何十倍も音楽を楽しむ機会が増えるであろう。ナ~ニも難しいことではない。もぎたてのトマトを清水で冷やして食べるおいしさをもう一度取り戻すだけのことだ。かえってムズカシイか?

ナゼこれをSLADEの項で書いたかというと、SLADEが活躍した時代がロックがロックのまま、もっとも人々に支持されていた時代なのではないか?と思うからである。
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若い頃はVan Morrisonなんて絶対に聴かなかった。多分はじめてこの人に接したのはThe Bandの『The Last Waltz』の中の「Gloria」だったと思う。名前は以前から知っていたけど、まったく意識のうちに残らなかった。映画の中のヴァンはただ大声でがなり立てるオッサンという印象だったな。

今、ウチのCD棚にはヴァン・モリソンの作品のほとんどが揃っている。好きになったのは本当にだいぶ後になってのこと…。でもいくら聴いても口ずさめる曲って少ないような気がする。名盤の誉れ高い『Astral Weeks』にしてもそうじゃない?このアルバム、エルヴィン・ジョーンズと組んだ『Heavy Sounds』なんかで有名なジャズのベーシスト、Richard Davisが参加しているけど、エラクやる気がなかったんだってね。おもしろい。

で、ヴァンの曲はなんというか、メロディがあまりにも遠いというか、声にビックリしちゃってメロディが頭に残らないというか…。それでも、なんかいいんだよな~。そんなメロディも、あの声で、あのバックのカッコいいアレンジでやられると大変に深いものに変わってくる。

おそらく一番有名な曲は「Moon Dance」なのかな?私はこの曲は30年以上前、Jazz Galaというライブ・アルバムでドラマーのGrady Tateが歌っているのを聴いたのがはじめてだった。Grady Tateは一流のドラマーだが信じられないくらいステキなバリトン・ボイスを持っていてボーカル・アルバムも発表している。

最近ではヴァンの歌を聴いて一番思うのは「ダブリンに行ってみたい」だ。なぜかって?それはGuiness。本場のGuinessはよそで飲むGuinessとまったく味が違うそうだ。あのおいしいエールに慣れているイギリスの連中が口をそろえて「腰を抜かすくらいウマイ!」って言うんだもん!(コレ、最近他の記事でも書いたような気がするな。もしそうだとしたらゴメンナサイ!なにしろものすごく長い時間をかけてコレを書いているものですからもはや聴くが曖昧になっちゃって…)

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これらのジャケット、SF的というよりも宗教的なイメージが強いナァ。
なんかこう、新興宗教のパンフレットの表紙みたいな…。

そういう目で見るとヴァンの音楽もそう聞こえてくる。この人も日本に来ない人だが、ある主義主張があってのことらしい。
知人が昨年ハマースミスでヴァンを見たと聞いてうらやましかった。

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これが一番と宗教っぽい。

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これはブっ飛んだナァ~。もちろん「Carry on my Wayword Son(伝承)」。間違いなくロック史に残る名曲といえよう。
高校の時かな、KANSASなんてバンドその時はゼンゼン知らなくて、どうしてコレを買ったのか、もしくは知ったのかは覚えていないけど、当時CBSソニーのレコードの装丁が豪華でそれに惹かれた部分があったような気がする。
もう他の曲はまったく記憶がない。とにかく「伝承」。あの頃は、誰もこんな曲知らなかったハズだ。

KANSASもチョット前まではよく日本に来ていたので何回か見せてもらったけど。とにかくこの曲に向けてコンサートをやっているような感じがした。もちろん「Dust in the Wind」だとか「Point of no Return」とかもあるんだけど、曲の格が違いすぎていて何だか見ていてかわいそうだった。

もうひとつこの曲でぶっ飛んだことがあった。それはFuzzy Control。以前はよくマーブロにも出てくれたが、何かのイベントでこの「伝承」をあの3人で完璧に演奏したのを見たことがあった。あれは驚いたナァ。歌といい、演奏技術といい、よそのバンドとはこれまたケタが違うことを知らされた。

ま、KANSASも十分人気がある方だったのだろうが、ひとたびプログレッシブ・ロックの枠に入れられると途端に影が薄くなってしまうのは、やはりプログレッシブ・ロックというものがイギリス人の独壇場であったからなのでしょうな?やっぱり、ああいう音楽は気候の悪いところでしか育たないということなのでしょう。そこがスキ!

とにかく!今人類に必要なのは政治、経済、文化の熱を問わず、古い世代から若い世代への「伝承」を推し進め、未来へ受け継ぐことだ。がんばれ音楽!
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<前編>はコチラ⇒【Music Jacket Gallery】SFジャケット・コレクション <前編>

<後編>につづく

2013年8月 5日 (月)

エ、スキャはまだ本気出してないって?~SCANDAL LIVE TOUR 2013 <後編>

コンサートは中盤に突入。

10_2まったくダレたり、飽きたりする場面はない。

20_2HARUNA

40vMAMI

50v_2TOMOMI

60v_2RINA

70v_2前回も紹介したが、MAMIちゃんの相棒は…

230v_3Marshall。シルエットはもちろんMAMIちゃんだよ。

90v_2新しく導入した1960AVキャビネットがMAMIちゃんのソリッドなギターにマッチする。

100_2「少女S」。

110vサビがなんともSCANDALチックでタマリません!

120vそして楽しい楽しい「プレイボーイ」。

130v8月14日に発売が予定されているシングル「下弦の月」。この時はまだ情報が解禁になっていなかった。「新曲が出る」という情報だけをアナウンスして、果たしてその場でその曲を演奏するかしないか満員のファンをヤキモキさせた。
観客から「じゃ新曲いつやるの?」としきりに声が飛ぶがガンとして挑発に乗らず、あのフレーズを口にしないHARUNAちゃん。
すかさずRINAちゃんが「そんなにアレを言わせたいん?」と一喝!おもしろかった!
それにしてもアレは今年の流行語大賞はマッチガイないでしょうな。「そんなの関係ねぇ」にしてもそうだが、流行語は実用性が高くなくてはダメだ。

150v_2「キミと夜と涙」。こうしたゆったりムードのやさしい曲もSCANDALのチャーム・ポイント。

170_2
TOMOMIちゃんフィーチュアの「ビターチョコレート」。バックライトに照らされて熱唱する姿がステキだった!

160v_2MAMIちゃんが弾くイントロの8分ウラのメロディが印象的な「会わないつもりの、元気でね」。

180v_2熱狂のライブはとうとう後半にさしかかった!

190「涙よ光れ」

200v_2そして、「DOLL」。

210_2ノリノリのアクションで観客をインスパイアするMAMIちゃん!

220v_2もう会場は大合唱!

240_2いよいよ本編最後!え~!

曲は「太陽スキャンダラス」。

250v「ダイナミック」という形容詞が一番シックリくるRINAちゃんのドラミングも最後まで絶好調。

260v_2本編16曲。アッという間なんだな~。

270大熱狂のうちに本編は終了。

280そして、アンコールはおそろいのツアーTシャツで登場。

290_2「SCANDAL BABY」

300_2オイオイ、まだ火に油を注ぐってか?Country Joe McDonaldもビックリのすっさまじい大合唱だった!感動!
310v「EVERYBODY SAY YHAH!」。

320v_2「I-IIIb-IV-I」なるハードロックの典型的なコード進行。でもSCANDALにかかるとチョイと雰囲気が違う!

340_2アンコールは豪華4曲仕立て!でももうあと2曲しかない!

345
「スペースレンジャー」。TOMOMIちゃん会心の演奏に気持ちよさそう!
360
MAMIちゃんの「声」また聴きたいナ~。次回に期待!

330いよいよ最後の曲となった!

Sc_img_2878 「カゲロウ」でこれまた気持ちよくすっ飛ばしてくれた!

350vさっきおソロのシャツと書いたけど、RINAちゃんだけ色が違ってた!

370vアンコールも含めて全20曲。

390至福の時間は矢のように飛んでいくね!

390v現在は夏フェスに引っ張りダコのSCANDAL。8月14日にはニュー・シングルを発表。10月には大ホールツアーも控えてその活躍はとどまるところを知らない。

380これからも楽しく元気なSCANDALロックに期待している!

400SCANDALの詳しい情報はコチラ⇒SCANDAL official website

410まだ次回が楽しッ!

420(一部敬称略 2013年6月20日 Zepp Diver Cityにて撮影)

※Shige Blog本日更新しています⇒プログレはうれしい

2013年8月 2日 (金)

エ、スキャはまだ本気出してないって?~SCANDAL LIVE TOUR 2013 <前編>

「絶好調」に「超」がいくつもつくような「絶好調」のSCANDAL。もはやガール・バンドなんて枠を簡単に超えて、現在の日本のロック・シーンを代表するまでに成長したと言っても過言ではなかろう。

ハイハイ、「大げさ」っていう人もいるでしょうね。でもスキなんだもん。これぐらい言わせてね。
アータ、実際にコンサートへ行ってごらん。アタシの言っていることがわかるから。
そう第一級のエンタテインメントなのだ、SCANDALのショウは!

イヤ、やっぱり今の日本の音楽シーンはガール・バンド抜きには全く語ることができなくなった。こうした現象はどうも日本だけのことらしい。海外には歌を歌って踊るだけの女性アイドルは山ほどいるが、SCANDALのように楽器をうまく使いこなしてコアなロックを奏でるガール・ミュージシャンがほとんどおらず、ロックの本場のイギリス人ですら驚いている。

オープニングのSEは「Tomorrow Never Knows」。ワンコード(ホントは2コード)とテープ・ループで独特の世界を作り出したジョンの名作。後にPhil ManzaneraとBrian Enoが結成したユニット、801が「TNK」と題してカバーしたバージョンが印象的だった。

もうこの時点で大興奮!

10
今回のツアーのタイトルは『スキャはまだ本気をだしてないだけ』。エエ~、今まで本気じゃなかったの?!ウソン気(本気じゃないといこと。東京弁かしらん?)でアレだったら、本気出した時どうなっちゃうのよ!…と誰しも思うような充実のステージを展開してきたSCANDAL。いつも本気なのはわかっております。

20今回のセット。このツアーは一応ライブ・ハウスを回るという企画で、いつも大ホールで使っているようなドラムのライザーはなし。
RINAちゃんが他のみんなと同じ高さになって前に出てきた。これCreamですよ、もはや!

30とにもかくにも会場はアリの子一匹入るスキマのないような満員状態。やさしいSCANDALはライブハウスの時は女子&子供エリアを設けてくれる。TOMOMIちゃんサイドだ。MAMIちゃんサイドは阿鼻叫喚の男地獄!
プレス・ピットの中で上下(左右ということね)に行き来すると明らかに温度が違うのよ。男性サイドと女性サイドでは。どっちが心地よいかはご想像に任せるとして…。
でもね、男サイドの熱狂もなかなか捨てがたいもんでしてね。掛け声を聴いているのも結構楽しいもんだ。

40HARUNA

50vMAMI

60vTOMOMI

70vRINA

80v今日もMAMIちゃんはMarshall!

90vこれがこの日のMAMIせっとセット。

100ペッドは愛用のDSL50。CLASSIC GAIN方のGAINはやや上げ目に、ULTRA GAINの方は低めにセットしてある。
電源スイッチにヨコはピーポくん。警視庁のマスコット・キャラクターなのに目に黒線が…。

110今回から初登場したのは向かって右のキャビネット1960AV。Celestion Vintage30を搭載した人気のスピーカー・キャビネットだ。
右はおなじみの1060AX。曲によってうまく使い分けていた。

120マミタスの足元のようす。

130リフにソロにソリッドなギター・サウンドを聴かせてくれるMAMIの相棒はMarshallなのよ!

140vお、発見!いつもとちょっとイメージの違う衣装。MAMIちゃんがお召しなっているのは公式NFL製品じゃないの~。だからどうしたって?イヤ、うちのセガレは2人ともギターを弾かずにアメリカン・フットボール・プレイヤーになっちゃったもんだから…。
MAMIちゃん、アメフト好きなのかな?

150v1曲目は「24時間プラスの夜明け前」。

150オープニングらしいハードなチューンで一気に盛り上がる!

160vセカンド・コーラスはTOMOMIちゃん。この曲、ベースラインがスゴイ!

170ナンカ見るたびにパワーが増していくような感じさえするRINAちゃんの見事な叩きっぷり!

180vMAMIちゃんのギターで導かれる2曲目は…

190v「Rising Star」。

200vこの曲もHARUNAちゃんとTOMOMIちゃんのツイン・ボーカルの魅力が満載だ。

210ここでも思い切りバンドをドライブさせるRINAちゃん!

220もう一発入魂、本気もウソン気もない渾身のドラミングだ!
220v続いて「HI-HI-HI」。

230これまたハードにたたみかけて来るドライビング・チューン。

240TOMOMIちゃんのベースが炸裂!

230v_2 HARUNAちゃんとふたりでピックアップで歌ううところがタマらんね~。

250
Paul McCartneyにも同名の曲があったけど、SCANDALのもまったくヒケを取らないゾ!

260vそして「LOVE SURVIVE」へとつながる。
ここまで4曲、矢継ぎ早にアップ・テンポを曲を並べてきた。これで盛り上がらないワケないじゃんね~!

270vMCも楽しいのはいつも通り。

275MAMIちゃんの髪の毛の色が話題に!金からブルーへ…一番最初黒かったもんナァ。

280v最近富に耳にするようになった「サティスファクション」。

290やっぱ曲がいいよね~。もうすっかりGet satisfied!なのだ!

300「その時、世界はキミだらけのレイン」~「CUTE!」~「Glamorous You」と続く。

310このあたりはSCANDALのポップ・ソング・コーナーかな?メジャーの曲が並ぶ。

320ハードにドライブするSCANDALもカッコいいが、こういったかわいらしいポップ・チューンもSCANDALの大きな魅力だ。

320vSCANDALの詳しい情報はコチラ⇒SCANDAL Official website

330v<後編>につづく 

(一部敬称略 2013年6月20日 Zepp Diver Cityにて撮影)


2013年8月 1日 (木)

ロックの定数~QUORUM登場!

シゲ、おいシゲよ!

ハッ、その声は…ロックの神様!

そうじゃ、お前が日頃から「ホンモノのロック」だの、「野太い声」だの、「ギター・リフ」だのと騒いでうるさくてかなわんからお前の望みをかなえてやることにしたゾ。70年代のハードロック・サウンド丸出しのQUORUMというバンドを教えてやろう…。

く、くぉらむ?

そうじゃ、QUORUMじゃ。

それはイギリスの?それともアメリカのバンド?

ブァッカモ~ン!日本じゃ、日本!

日本にもそんなバンドがいるんですか?それじゃかなりのご年輩とか…。

ブァッカモ~ン!お前の息子たちより若いわ!

ええ?で、ギターは?ギター・アンプは?

おまえは本当にMarshallのことしか頭にないんじゃな…。心配するな。当然Marshallじゃ。おまえがいつも言ってるじゃないか「Marshallのギターサウンドこそがロックのサウンドだって…素晴らしいギタリストじゃぞ!

ありがとうロックの神様!

ポワポワポワポワポワワワワ~ン…………アレ?ゆ、夢か~。

ほどなくして大野さんからメールを頂戴した。いつも色んなことを教わっている音楽評論家の大野祥之さんだ。

「シゲちゃん、いいバンドがあるから紹介するよ!まだ若いんだけど、シゲちゃんならゼッタイ気に入るよ!QUORUMっていうんだ」

「え?!」

…というのは創作である。

実際にはもっと以前から大野さんからQUORUMの存在を教えていただいていたが、なかなか実物にお目にかかることができないでいた。

そして、ご親切にも再度麻沿いを頂戴し6月の末に連れて行っていただいた。

これがQUORUM。大野さんのおっしゃる通り、思いっきりストライクだった!

10QUORUMはボーカル、ギター。ベース、ドラムのカルテット。

20ボーカル:真太郎

30vギター:遊太

40vベース:幸人

50vドラム:達也

60vみんなウチの子より年下だよ。いよいよロックも三世代にわたって楽しまれる音楽になってきたのだ。

70v冒頭の寸劇で述べたように、とにもかくにも70年代のロック丸出しなのだ。
まず格好がいい。スリムで(うらやましい)、背が高くて(うらやましい)、長髪で(うらやましい)、ベルボトムはいてて(そんなにうらやましくない)…。
噺家が着物を着ているように、ビジネスマンがスーツを着ているように、ロックンローラーにはロックンローラーの出で立ちというものがあるハズなのだ。QUORUMのルックスはロックの出で立ちそのもだ。

「昔はみんなこうだったよな~」なんて言うのはたやすいこと。そこらへんの奴らがこんな恰好をしたらレトロ趣味の仮装大会になってしまうだろう。

QUORUMがステージに出てきた時の雰囲気はまるで外国のバンドだったよ。そういう雰囲気を醸し出していた日本のバンドで真っ先に頭に浮かぶのはJohnny, Louis & Charかな?
最近ではレイブンさんとオガンちゃんとロジャーさんが今やってるトリオ・ザ・コラーゲンズ(名前がモロに日本!)もそうだった。かつてのSavoy Truffleもそう。(オガンちゃんのイメージなのかな?)

QUORUMがそう見えるのは、今挙げた他のバンド同様、彼らがクリエイトしている音楽がそうさせているのだ。
80QUORUMサウンドの要のひとつは真太郎の声。現役の東大生。それよりも彼の声にしびれるべきだ。東大は勉強すれば誰でも入れるが(ウソつけ!私は何度生まれ変わっても無理です)、この声はどんなに歌の練習をしても出ては来まい。
ロックの声なのだ。パッと見るとちょっとJim Morrisonみたい?

90vへヴィィなリズム隊。

100vこれがなければいくらシンガーの声がよくてもサウンドは成り立たない。
アクションも含めて幸人のベースは完全にロックなのだ!

110vタッグを組む達也のストレートなドラミングがまた気持ちイイ。

140_2あまりのハードなドラミングゆえ体温が上昇してしまうため、時折下を出して熱を冷ます。ウソですよ!でもそれぐらいパワフルなパフォーマンスなのだ。

150v_3 遊太のギターが素晴らしい。

170vロックの神様がおっしゃっていたように、もちろんMarshall。Mashallが似合うからいいギタリストなのか、いいギタリストだからMarshallが似合うのか…両方だね。
Marshallもたくさんのカッコいいギタリストに可愛がられてよろこんでいるハズだ。
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今回は会場の4100を使用していたが、1959とか1987を弾いてもらいたいタイプのギタリストの
筆頭だ。

180vロック・ギターの語法をすべてマスターしているかのようなプレイ。ソロではコンテンポラリーなフレーズもたくさん散りばめられるがむやみやたらとタッピングをしたり、ピッキング・ハーモニクスを使ったりということはしない。

190vそのあたりのバランスが絶妙で、「もっと聴いていたい!」とソロを弾いてくれる稀有な存在といってよいだろう。
また、この人が書く曲のクォリティがあまりにも高い。とにかくカッコとしか言いようがない。カバー曲もプレイしていたが、オリジナルの方が断然聴きたくなるスケールの大きさなのだ。才能のある人っているんだね~。

200v本公演から約10日後、QUORUMは目黒の鹿鳴館に出演した。そちらも取材に赴いたので近日中にレポートをする予定。そこでもっと詳しくQUORUMの魅力に迫ってみたいと思う。

そう、ロックの神様の声は大野さんの声だったのだ!

220QUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site
210年甲斐もなく興奮してレンズを入れるバッグをお店に忘れて来ちゃったい!(Kさん、ありがとうございました!)

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(一部敬称略 2013年6月25日 四ツ谷OUTBREAKにて撮影)