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2013年7月

2013年7月31日 (水)

王様 meets はち王子さま & 渡辺英樹家来~本編

観たかったこのコンサート。何かの拍子にはち王子さまの姿を写真で発見し、「うん、コレだ!」とビビビと来た。
別に私ひとりがビビビときたところでどうにかなるワケでは決してないが、「コレは観ておかないと大変なことになる!」と思ったのだ。

期待するのは3人の演奏や音楽ネタだけでなく、抱腹絶倒のトーク。数年前によくテレビに出ているトークが最高におもしろいフォーク歌手のコンサートにトークを期待して観に行ったことがあったが、歌ってばかりでガッカリしたことがあった…ってそんなに笑いたきゃ寄席へ行けばいいようなもんだけど、やっぱり期せずして展開される演奏の合間のトークがおもしろいのであって、わざわざ笑いに行ったのでは意味がないのだ!

しかも、腕達者の3人の演奏である。内容が悪いワケがなかろうが!
ところが、ツアー日程を調べると、東京公演の日が私の都合が悪く、どうにも調整できない…ってんではるばる熊谷まで足を延ばすことを決意。

そして、結果は…はるばる熊谷まで行った甲斐が十二分にあった!

まずは1枚。

これはマーブロ用に特別に撮らせてもらったワケでもなんでもないのよ。3人が出てきて、演奏に入る前にいきなり「写真タ~イム!」となる。
お客さんはめいめいに携帯やらカメラを手にステージににじり寄り撮影するという、まさに結婚披露宴状態。いきなり笑う~。
10_2演奏は完璧!

20_2王様

30_3渡辺英樹

40_2そして、はち王子さま!

50_2王様とは2000年の『マーシャル祭り』の時以来のお付き合い。2001年には『マーシャル祭り2』の司会も引き受けていただいた。

そういえば、その『マーシャル祭り』の時、フィナーレでステージに上がったJim Marshallが王様の顔をマジマジと見つけて「君の顔にはおもしろいものが書いてあるね~」と言ったのを思い出す。

60_2だからもちろん王様の愛用のギター・アンプはMarshallだ。

70_2クリニックもやったし、専門学校で2人で講師をさせてもらったこともあった。
そして、今回が新マーブロ初登場の王様。
最高のステージがレポートできてうれしいです!
90v_2よくビートルズを引き合いに出してマーブロに書いている通り、我々日本人はあまりにも大きい言葉の障害があって、一部の帰国子女の類の方々を除いて欧米のロックを100%の域まで楽しむことは絶対にできない。
80以前にも書いたが、ある音楽評論家が少し英語がわかるようになってBob Dylanを聴いたところ、直接歌詞の意味が理解できるようになって、「英語圏のヤツらはこれをダイレクトに理解しているのか!」と愕然としたという。

ビートルズも同様。ビートルズの場合、歌詞の意味がわかって、曲に合わせて歌ってみればなおさらビートルズのすごさがわかる…というかそこまでできて初めてビートルズが100%楽しめると思うのだ。
100_3我々にはそうした部分が完全に欠落したまま洋楽を聴いてきたのである。つまり主にメロディと演奏だけを楽しんできたワケだ。それでもあれほどカッコよかったし、おもしろかったのだから、60~70のロックのクリエイティビティというのはすさまじいものがあった。

そういう意味では洋楽をまったくと言っていいほど聴かないという現在の若者にも一理あるのかもしれない。でも、英語で歌ってるバンドもあるじゃんね。だとしたら、どうせ歌詞の意味なんかわからないんだから洋楽も熱心に聴いた方がよい。

そして、王様を考えてみる。
160王様の登場後、数多くのマネッコが登場したことからもわかる通り、彼の業績は偉大だ。
そうでなきゃレコード大賞ももらえないし、「徹子の部屋」にも出れないって!(ちなみに私には「タモリ倶楽部」に出演したことのある友人は数人いるが、「徹子の部屋」に出たことのある知己は王様だけだ)
当時の王様のCDには「そうか、こんなことを歌っていたのか!」みたいな宣伝惹句がついていたが、本当にいいアイデアだった。「なんだ演奏は荘厳だけど、こんなつまんねーこと歌ってたのか…」なんてがっかりした人もいたかもしれないね。
いいの、いいの、ロックはそれで。Wishbone Ashなんかかなり笑えるよ、大ゲサすぎて。

また、直訳とはいえ、随所にちりばめられたギャグも諧謔精神にあふれており突っ込みどころが満載だ。

そして王様のもっとスゴイところは、まだこの「直訳ロック」を続けていることだ。
その支持される要因は何だろう?
ひとつには王様のロックの造詣の深さから編み出される和訳の妙と企画の素晴らしさ。これは当然。それとやっぱり、みんなあの時代のロックに戻りたいという従来派ロック待望論があるのではなかろうか…。

110vはち王子さまの切れ味鋭いトーク!

120vしかし、似てる。

130_2衣装が同じとはいえ、こうして見ると鏡みたいでしょ!ホント、よく考えついたな~。
180_2
渡辺さんはへヴィなベースさけでなく、おっそろしく抜ける声で名曲を熱唱する。「We're an American Band」とかね。オリジナル言語です。

140v他にも「Helter Skelter」や「Come Together」等のビートルズナンバーも!
190v_2「お前に首ったけ」とか「移民の歌」とか…楽しいな~。

150ギターを弾く時は存外に真剣だ!
正統派ギター・ヒーローの薫陶をモロに受けている世代ですからね。音もバッチリのマーシャル・サウンド!

170vそういえば、この日、王様だけ「英語口にしてはならない」という酷なルールが発布され、実行された。これは難しいよね~。ところが見てるこっちはおもしろいことこの上ない!

王様のソロ・コーナー…といっても演奏ではない。これが完全にトークだけ!ここだけは英語OKとなった。

200もちろん抱腹絶倒の妄想話。これから実物を体験する人たちのために内容を記すことは差し控えるが、昔のお薬の話し。イヤ、内容は知っちゃいるけど笑った~。

関連曲として「小さな翼」をプレイ。何せ蝶とシマウマだもんね!

210王様は「テンポたもつくん」とデュエットで演奏することも多いが、やっぱりバンドでの演奏がハプニングも多くておもしろい。
しかも今回はこんなメンバーだからなおさらだ。

220vこの扮装は誰にでもできるというワケではなく、頭の骨格が王様と同じでなければならないという。

230v_2次々と繰り出されるの王様直訳大ヒットパレード!

240_2最近活動しているBlack Sabbath関連からは「Paranoid」を演奏。

250_2

天下の王様とはいえ、残念ながら権利関係で著作の直訳使用の許可が下りないアーティストもいる。
そういうのは「ソックリ曲」を作って処理してしまう。「山寺のおしょうさん」がブルースになったりね。

280_2ソックリといえば、ホンノ1小節でも妙に「似てるな~」と思わせるヤツがあるじゃない?
私が気に入っているのは坂本冬実の「♪また君に~」っていうの曲、2小節なんだけどKing Crimsonの「Moon Child」に似てる。
もうひとつは、女性用のカツラのCMで「♪オ・ク・サ・マ」という電話番号のゴロ合わせを紹介しているフレーズ、これがたった1小節なんだけど、Yesの『Relayer』に収録されている「The Gates of Delirium」に聞こえてしょうがない!…超オソマツさま~。    

290_2Van Halenの「Eruption」で自慢のテクニックを披露!

310vドレドレ…

320はち王子さま!ただ写りたいだけ!

330もうやりたい放題!

340また、この3人のコントラストがいい!渡辺さんを「家来」にしちゃんだからね~、おもしろい。

345はち王子さまのドラミング、トーク、双方とても味わい深いものだが…
390vその表情も第1級だ!

370vもうみなさんお気づきだとは思うが、はち王子さまに扮しているのはファンキー末吉さんだ。え、わからなかった!って?

さて、ファンキーさんが中国や北朝鮮でロックの普及活動をされていることはつとに有名だが、昨年の11月にこういう本が上梓された。

『平壌 69高等中学校・軽音楽部 北朝鮮ロック・プロジェクト』

北朝鮮の女子高生のバンドの指導をするという一大プロジェクトの騒動記。おもしろい。
よく日本の若いミュージシャンが「♪自由になりたい~」とか「♪自由をくれい~」なんてことを「ロック・ビート」に乗せてやっているけど、この本を読めば、その時点で十分に自由だということがわかる。ロックを聴いたり演ったりできること自体が自由であるということなのだ。

これからお読みになる方のために詳しくは触れないが、ロックの指導云々と少女たちの友情…感動ものです。
小手調べに北朝鮮の人たちの前でファンキーさんがドラミングを披露するくだりがあるが、みんな飛び上るほどビックリしただろうナァ~。

510こんな素敵な本を著した人が今日はコレだかんね。
360v
さらに!ファンキーさんが耳元でささやくようにしてこの本を読んでくれる朗読CDも登場!こちらにはファンキーさんのバンドに参加した美少女たちのカラー写真がブックレットに掲載しているよ!

Cd_2もうひとつだけ…ファンキーさんはこの本の中でチベットにまで赴きラマ僧に謁見し、「音楽は人を救えるか…」を主題に問答を繰り広げるのだが、ここがまたいい!
ファンキー末吉、そのうちノーベル平和賞を授与されるのではなかろうか?

是非ご一読、ご一聴あれ!

380さっき渡辺さんが「Come Together」を歌ったと書いたが、このイントロで王様が「撃て~!」と叫ぶ。ジョンの「シュッ!」っていうヤツね。

そう、実はあれ「シュッ!」ではなくて「Shoot me!」と言っているんだよね。コレ、言われなければ絶対にそうは聞えないんだけど、リマスター盤では3回目の「シュッ!」で「シュー、ミ」と「ミ」がかすかに聞こえる。さすが王様。

400v「燃えろ~」、「高速道路の星」等、やっぱり王様にはDeep Purpleがよく似合う。

300ウチには自分で買ったヤツを王様から頂戴したヤツとほとんどの王様の作品が並んでいるが、やっぱりDeep Purpleだよね。

でも私のお気に入りは「浜っ子伝説」。つまりThe Beach Boys。企画が当たっていたとはいえ、よくコレを作ったな~…と思って。少なくとも今よりは時代はヨカッタ!大事にしなきゃ!
350_2今日も「深紫伝説」で盛り上がった!

420しゃがみながらセルフ・フェイド・アウトする3人!

430メンバー紹介もあって…

440最後はまた写真タイム。

450ヒキでもう一枚行っとこう!

460_2演奏の部は終了。第2部のコーナーに移行する雄叫び!「ブッパンコ~ナ~!」

470物販コーナーには長蛇の列。

480毎度ありぃ。またグッズもバラエティに富んでいて楽しいよ!

あ~、おもしろかった。みなさん、絶対おススメ。見つけたら必ず観に行くべし!

500渡辺英樹の詳しい情報はコチラ⇒Official Homepage
260_2はち王子さま(ファンキー末吉)の詳しい情報はコチラ⇒亜州鼓王Funky末吉的家頁
270王様の詳しい情報はコチラ⇒王様のROCK'N'ROLL TOWN

O2_img_6385 ()(一部敬称略 2013年6月24日 熊谷Heaven's Rockにて撮影)

2013年7月30日 (火)

王様 meets はち王子さま & 渡辺英樹家来~小畑秀光編

来た~!遠かった~!「日本一暑い街」としてスッカリその地位を不動のものにしている熊谷!お邪魔したのは6月の末でまだそれほど暑い時期ではなかったので助かった。年取ると暑さは身体にこたえるだよ~。
10
目的はコレコレ、前から取材したかったんだ~。王様がファンキーさんと渡辺秀樹さんとやってるヤツね。面白いに決まってるもんね~。

20道も空いてて順調、順調。リハがちょうど終わりそうな時に到着。ご挨拶をしてしばらく楽屋でおしゃべりなどをしていると、「さぁ~、やるか~!」とファンキーさん。
「さぁ~、やるか~」つったって本番の時間にはまだまだだし、だいいちまだ開場すらしてないのよ!なんてことは関係なしにドンドン表へ出て行っちゃうじゃないの。
…とメンバーの皆さんに目をやると海岸やプールで使うコンガリ焼ける銀色のマットを手にしている。
何だか知らないけど、ファンキーさんに気合が入る!
30_2 下の写真はファンキーさん、準備完了の図。
何事が始まるのかと思ったら…。

40本番前の腹筋運動なのでした!

50なぜか応援団まで!
がんばれファンキーさん!知らない間に応援しちゃう!

60「フイ~、終わった~い」
でみんな拍手!

70続いてはこのパート、真打の小畑秀光!

80v本番前だってーのに、ものすごい馬力!
90応援旗には「小畑秀光 全国めいしょにて 腹筋108回、腕立て108回行脚ちう!!」と書いてある。なんか筋トレによって煩悩の類を拭い去ろうというのか?!

100_2 
腹筋は108回を大きく上回る記録を打ち立ててしまった!マーブロが取材に来てるからね(んあことはないか…)。

110ハイハイ、緊張した腹筋を弛緩させてくださ~い。
この方たち、このトレーニングの模様をネットで配信してるのよ~!

120今度は腕立て。傍らで檄をとばしているのは普段着の王様。一応お顔にはモザイクを施しておきました。
腕立て伏せの方も難なくクリア!お疲れさまでした~!
ってまだ本番が残ってるゾ~!

130最初の出番は小畑秀光。

140小畑さんは先回『WE LOVE BAKUFU SLUMP 前夜祭』『WE LOVE BAKUFU SLUMP 大無人』のレポートで登場していただいた。
そうか、この時って雪が降っていたんだね~、忘れてた。

150vあの時はバンドでの演奏で暴れまくってくれたが…

160v今日は上の案内板に書いてあるように「ひとりメタル」での登場。
180その名の通り、たったひとりでへヴィ・メタルを演奏してしまう。バッキング・トラックも何もなし!
ようするにヘビメタの弾き語りだ。
200vギター1本ともちろんアンプはMarshall!
170歌ってもギターを弾いても、そしてしゃべっても芸達者ぶりを発揮してくれる小畑秀光!

190vとにかく暴れる!

210vま、こんな状態でしんみりやってもサマにならないので、どれもこれもド派手でへヴィな曲ばかり!お客さんもついついノってしまう!

220ものすごいヌケのよいギター・サウンド!素晴らしいマーシャル・サウンド!さすがひとりでメタるだけのことはある!
230vまた跳ぶ!

240今回も爆風の「びっくりミルク」や「人間はなぜ」を披露。

250そして跳ぶ!

260最近テレビにでているようなバンドの曲ってアコギ一本でやった方がいいような感じのものばかりでしょ?パンクの曲なんかもすごくそう思うんだけど、この小畑さんの活動はそのアンチテーゼってことだよね、きっと。
ギター1本で演るべき曲をバンドでやっているのと反対に、バンドで演るべき激しい曲をギター1本で演ってしまう。
快挙だ!がんばれ!

270vこの弾き方!何だかだんだんZakk Wyldeに見えてきた?!

280最後にもうひとっ跳び!
実はできるだけ跳んで欲しいと私がお願いしたんです。筋トレでお疲れのところご協力に感謝します!もっとも、こんなこと頼まなくても小畑さんはいつも跳んでいるか…常に爆発してるのだ!

290小畑秀光の詳しい情報はコチラ⇒JET秀光の爆走ロケンロール日記

300v続いての登場はこのお三方!
310 王様!

320vはち王子さま!

330v渡辺秀樹!

340v レポートは明日。お楽しみに!

350 つづく
(一部敬称略 2013年6月24日 熊谷Heaven's Rockにて撮影)

※姉妹ブログShige Blog 更新しています⇒寺田恵子生誕50周年記念興行『QUEENS BIRTHDAY』

2013年7月29日 (月)

マーシャル創立50周年記念コンサートにむけて~その2

2012年9月19日 Shige Blog初出

いよいよ3日後に迫ってきたコンサート!今日、ザック・ワイルドもマーシャル入りして雰囲気が盛り上がってきた!

ザックには3年ぶりぐらいに会ったけど、相変わらずデカくてスゴイ存在感だった。

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エントランスに飾ってある「50周年記念フル・スタック」。
50_IMG_7882

コチラは美しいステンド・グラス仕様の1960B。

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昔、コレのプラモデル作ったっけナァ~、ダックス・ホンダ。マーシャル仕様のダックスはお弁当のかわりにMS2Cが付いてる!

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今日、コンサートのスタッフ・ユニフォームが配られた。左胸にはスラッシュのロゴ。出ないのに…。右の胸にはスタッフの名前が刺繍してある。
IMG_1110

背中は50周年ロゴ。
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左のソデにはJCMのサイン。
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右腕にはスクリプト・ロゴとキャッチコピーの「50 YEARS OF LOUD」。
IMG_1109

シャツはアメリカのニックが担当してくれたんだけど、見てコレ。「Shige-san TDMF」だって!ニックは私のこといつも「シゲさん」って呼んでくれるんだけど、だからって!TDMFはもちろんザックのSDMFのギャグ。

SDMFは「Society Dwelling Mother F#$*er」の略。私の「T」は「Tokyo」の「T」。意味は敢えて書きません。

ユニフォームは2枚配られて、もう一枚の方はちゃんと自分の名前が刺繍されていた…ヨカッタ~!
IMG_1113

楽しみだナァ~。
50_IMG_7866
つづく…かどうかはわからない。

2013年7月26日 (金)

SHOW-YA 23年ぶりのシングルをリリース!

昨年3月、22年ぶりのニュー・アルバムをリリースしたSHOW-YA。
今春には5年ぶりの『NAONのYAON』を大成功させ、来年の開催も決定させた。

Marshall Blogでは『NAONのYAON』を5回にわたり具(つぶさ)にレポートさせていただいた。掲載までにちょっと時間はかかってしまったが、ビックリするほどのアクセス件数でSHOW-YAの勢いを再確認した次第である。内容は次の通り;

vol.1 : SCANDAL、Cyntia、DESTROSE登場!

vol.2 :LoVendoЯ、平野綾、星屑スキャット、Yuki&Chiiko登場!

vol.3 : シシドカフカ、土屋アンナ、夏木マリ、矢沢洋子、杏子登場!

vol.4 : 中川翔子、相川七瀬登場!

vol.5(最終回) : SHOW-YA登場、そしてフィナーレ!

「~ぶり」が多くて恐縮だが、一昨日、今度は23年ぶりのシングルが発売された。
タイトルは『V.S. MYSELF』。
CD2曲とDVD3曲がカップリングされた2枚組だ。しかも、DVDは『NAONのYAON』のステージを完全収録!上でいうとvol5.のとこですな。

もちろん内容は言うに及ばず素晴らしいもので、いわゆる「会心の出来」というヤツだ。sun-goさんのMarshallサウンド全開よ!
またジャケットに使われている写真がいいね!(自分で言っとかないと…)

Sleeve そして、この『V.S.MYSELF』の発売を記念して、新宿のタワーレコードではパネル展が開催されている。

Vs_img_5382野音で撮影した写真を中心にパネルが構成されている。一枚一枚見せてあげたいのはヤマヤマだけど、『V.S.MYSELF』を買いに新宿まで足を運んだついでに私めの入魂のショットをご覧いただきたい!(いつまでやってるか不明のため、お出かけの際にはお店のご担当者にご確認願います)

Vs_img_5389 そして、明日7月27日は『QUEENS BIRTHDAY』。色々と企画が盛りだくさんなコンサートですぞ!赤坂BLITZでお待ちしております。

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICIAL SITE

(一部敬称略 協力:タワーレコード新宿店)

2013年7月25日 (木)

Royal Baby誕生記念…それとは関係ないThe Rocky Horror Showのはなし

しかし、色々とあることないこと(基本的にないことは書いてませんが…)、よくもこんなに続いてるナァ~と我ながら感心してしまうね、このマーブロは…。
それもこれもすべて応援してくださる皆様のおかげと心から感謝申し上げます。今までどうもありがとうございました。

エ、もう終わり?


んなワケないない!

「見てますよ!」とか「アレ、おもしろかったですよ!」とかMarshallのシャツを着てコンサート会場にいるだけでたくさんの方々らあたたかいはげましのお言葉をかけていただいております。うれしいです。
おかげさまでアクセス件数は上がる一方…愛読いただいている方々にこの場をお借りして心から感謝申し上げます。
これからもおもしろい記事づくりに鋭意邁進していたいと思っております。何卒Marshallをよろしくお願い申し上げます。

…って、何でこんなこと突然あらたまって書いているかというと、大変にうれしいことがあったのだ!ここのところズーッと苦労していたんだけど、このブログの作成プログラムが異常に使い辛くなって、イライラして何回PCをヒックリ返したかわからない状態だったんですよ。
さんざん文句を言った結果(何しろこっちは毎日たったひとりで記事を書いてるかんね。すこしでもプログラムが悪化すればすぐに変化がわかるのよ)それがこの度、大幅に改善されたのです。もう気持ち良くて気持ち良くて!心機一転、またバリバリ書く気になったのです、ハイ。


さて、「うれしいこと」といえば、何といっても「Royal Baby」ね。生まれたね~。男の子。エリザベス女王が亡くなったら、向こう80年ぐらいはHis Majestyのもと、イギリス国家が「God Save the King」になるね。どうするQueen、どうするSex Pistols!

ホントここのところ、時代が「イギリス特集」をやっているのではないかというほど話題がテンコ盛りだった。

エリザベス女王の在位60周年記念の『Diamond Jubilee』やそれに続くロンドン・オリンピック…
(写真はDiamond Jubileeの記念コイン)

Mrb_img_5377Marshall Amplification創業50周年とそれを記念するコンサート『50 YEARS of LOUD LIVE』の開催。

50img_9065そこへもってきてキャサリン妃のご出産…とおめでたいことずくめだ。
かつてはエリザベス女王から叙勲され、昨今ではアン王女が工場をお訪ねになるほどロイヤル・ファミリーと親交のあるMarshall社の一員として心からお祝い申し上げます。

さて、ご出産に関しては、日本のテレビ局でも生まれる前からずいぶんと時間を割いてSt.Mary's Hospitalからのレポートを展開していた。

このSt. Mary's HospitalというのはPaddingtonにある1845年開業の由緒ある病院だ。
今回はじめて知って驚いちゃったのは、私の日本人の友人がナントここで出産の経験をしていたのだ。
テレビでも報じていたが、やはり彼女の時もえらく短い入院期間、というか入院時間でビックリしたそうだ。
それよりも問題は病院で出された食事だったそうで、いかに病院であろうとも、例のあの冷たく味気のないサンドイッチが供されガックリしたそう。
キャサリン妃のはどうやらもっとおいしいサンドイッチらしいよ。

さて、もうひとつ。下の写真も今年生まれたMarshallのRoyal Baby。Buddyちゃん。彼はウチの社長の奥様のお孫さん。キャーイーでしょう?
プレゼントした日本の甚平(jimbei)を着てニッコニコ(本人はまったく気が付いておりませんが…)。
会ったことはないんだけど、もう可愛くて可愛くて!

ウチの下の子は小さいころ色が真っ白で目が大きくて鼻が高くて、髪の毛がオレンジ色だったのでよく「外人の赤ちゃん」と言われ、大学の時でもクラブの後輩に「先輩ってハーフっすか?」なんてよく訊かれたようだが、ゼ~ンゼン。Buddyちゃんに比べたらゼ~ンゼン偽物よ。

おばあちゃんの話によれば、Buddyちゃんが生まれる時も、朝の6時に病院に入り、1時半に生まれて、夕方5時ぐらいにはもう家に帰ってたんだって。日本は1週間ぐらい入院するでしょ?でも彼女は日本式の方がお母さんもゆっくり休めていいって言ってた。
ほんと赤ちゃんの笑顔には癒されますな~。

Mrb_img_5369_3さて、Buddyちゃんとガラリと変わってこのコワモテ!

Steve1
サングラスを取るとこんな感じ。コワいですね~。

彼はMarshall社の中でも古参の部類に入るベテラン社員のSteve。こんなルックスで、しかもおどろどろしい「なんとかメタル」が大好きと来てる。目があったら最後、ブッ飛ばされますから。

Steve2
ウソウソ、このSteveが実にいい人で、私のことを「Bro!」と呼んでいつもよくしてくれる。
仕事はブッ早いし、頼りになるBroなのだ!
下の写真は去年の11月、Movemberの頃、ヒゲを剃ったところ。ま、こうしてみると普通のおじちゃんだ。

そのSteveがある日、『The Rocky Horror Picture Show』を見に行ってきたという。30年前の話などではなくて先週の話しだ。
彼ほどのロック通がまさかこの映画を観ていないワケはないので、どうしたことかと思い尋ねてみると、「『Rocky Horror』が40周年なんだ、bro」というではないの。

そうか…『ロッキー・ホラー』も40周年なのか~と感心し、貧弱極まりない私の「ロッキー・ホラー・グッズ」を引っ張り出して今日の記事を書くに至った。教えてくれてありがとうBro!

今年40周年を迎え、なるほど調べてみれば、舞台の方はイギリス国内をツアーし、映画もそこらじゅうで上映されているようだ。

Steve3DVDの類。いっぱいあるように見えるが、2種類なの。

ご存知の通り、『The Rocky Horror Show』は元々は舞台ミュージカルで、初演はロンドンのSlone SquareにあるRoyal Court Theatreで、40年前の1973年のことだった。
ちなみにこの劇場を背にした通りはKing's Roadといって70年代のロンドン・パンク・ファッションの発祥の地となったところだ。今はパンクの「パ」の字も感じられないとても賑やかなショッピング・ストリートになっている。近くで偶然に見つけた「イギリス陸軍博物館」にフラリと入ったことがあったが、案外面白かった。

話しを戻して…この作品はRochard O'Brienという人が、子供のころから好きだったSF映画とB級映画の融合を目指して原案を制作し、歌詞を書き、曲をつけてミュージカルに仕立て上げたというもの。
そして、1974年にはロサンゼルスのRoxy Theaterで上演され、世界中でカバー公演が開催された。1975年には映画化となり、たくさんの信者を作り出した。

私は一回も映画館に足を運んだことがないのだが、コスプレをしたり、映画の進行に合わせて観客も同じことをしたりしながら鑑賞するので有名な作品だ。
東京では今は無き「有楽シネマ」で週末のオールナイトでこの映画を長い間かけていたように記憶している。

Rhs_img_5278こちらはCD。主役のDr.Frank-N-Fruter(フランクンフルター博士)に扮したイギリスの俳優Tim Curryはロンドンのオリジナル・キャスト、ロサンゼルスRoxyのオリジナル・キャスト、さらに映画『The Rocky Horror Picture Show』の3つをこなし、押しも押されず大スターとなった。
後年、『ホームアローン』のニューヨークに行くヤツに意地悪なホテルマン(あれはPlaza Hotelだったかな?)として出演していた。笑っちゃった。

このCDは右が映画のサウンドトラック。左がオリジナルのRoxyキャスト盤。演奏もアレンジもRoxyの方が断然よろしい。

ここに収録されている「Sweet Transvestite」と「Time Warp」をかつて名古屋のなぞなぞ商会がカバーをしていて、「Sweet Transvestite」ではテンポを上げて、映画同じように、ボーカルの遠藤豆千代が自己紹介する場面が異常にカッコよかった。あれは渋谷の屋根裏で観たんだっけ。
一方、「Time Warp」も最高にカッコよかった。なぞなぞ商会はFrank Zappaのカバーを独特のオリジナル日本語歌詞をつけて演奏することでとても高い評価を得ていたが、この曲に付けられていた歌詞もまたすさまじいもので、「♪膵臓、心臓、子宮、肛門へ」という歌いだしだった。
話しはそれるが、Zappaのカバーの方もすごくて、特に「Carolina Hard Core Ecstacy」を改作した「Japanese Hard Core Ecstacy」の「俺の目をつぶしてくれ(原曲はCan't remember what became of meというゼンゼン関係ない歌詞)」という箇所にはショックを受けた。

Rhs_img_5292これはだいぶ前にNYCのBroadwayで買ったソングブック。B級丸出しのイラストが魅力的!
Rhs_img_5283表4はこんな感じ。この作品の元ネタはSFとB級映画だけでなく「Transvestite」つまり性倒錯者にあって、40年間は相当センセーショナルなものだったハズだ。今では「女装家」なんて職業もあるようで、あまりにも時代が変わったとしか言いようがない。

そして、変わらないのはこの作品の人気だ。
このあたりが今日一番訴えたかったところなのだが、この『The Rocky Horror Picture Show』というのはほとんどの欧米人が観る映画で、大抵の人が挿入歌を歌えたりする。
それはさっきなぞなぞ商会のところで触れた「Time Warp」のことだ。
この曲はRichard O'Brienが自演するRiff Raffという奇怪な男が歌う軽快な8ビートのロック・ナンバーだが、アメリカなんかでは(オーストラリア人も知ってる)これを高校卒業のダンス・パーティ(prom:『BAck to the future』でMichael J. Foxが「Johnny B. Goode」を弾くあの「深海パーティ」とかいうヤツね)で踊るというのだ。

イギリス人だってそう。特に女性なんかに「Time Warp」の話しをすると、振り付けまで見せてくれて、「アレ、手はどっちだっけ?」、「ここで足を上げるんだけっけ?」なんて楽しそうに説明してくれる。ピンク・レディみたいなもんですな。

ようするにですね、いつも書いているように音楽の存在が、特にロックの存在が日本とはまったく違うってことなのね。もうこういうところからしてゼンゼン文化が違う。
日本はもう「J-POP」っていうくくりで小さくまとまっちゃって、ロック文化は当分仮死状態のままであろう。
「椎名林檎がハード・ロックだって?ふん、ハード・ロックも舐められたもんだ」と誰かが何かに書き込んであって、それに味方する人がワンサカいたのを知ってうれしかった。
「国民的ロック・バンド」と形容され、「サザンはロックはない!」ってくれる人も多いようだ。
でも、このことは椎名林檎もサザンには何の問題もなくて、そうした言葉の誤用を流布させる制作側に大きな問題があると思うのだ。
何も音楽を知らない人が「ハード・ロックといえば椎名林檎でしょう!」と聞かされれば、「椎名林檎」はハード・ロックだと思うっちゃうよね~。んじゃ、Deep Purpleはどうするの?
大変危険なことだと思うのです。

いつも書いてるけど「アーティスト」とか「楽曲」とかもうやめたら?「歌手」は「歌手」、「曲」は「曲」っていうべきだよ。それから「参戦」だとか「降臨」とかもやめた方がいいと思うな~。
日本は「言霊の国」、小学校から英語の勉強なんていりません。もっと自分の言葉を愛し、正しく使う訓練をしましょう。

Royal Babyの誕生と『The Rocky Horror Show』の40周年を記念して最後は日本のロックを憂いてみた。前半とトーンがエラク違っちゃったな。

『The Rocky Horror Show』を観たことのないロック・ファンの方、まずは観てみてください。

Rhs_img_5288
(敬称略)


2013年7月24日 (水)

『激突!歌姫:出合い頭の★Rock Show★』のKRUBERABLINKA

セカンド・アルバム『Kaizu』が大好評のKRUBERABLINKA。
10_2
『激突!歌姫:出合い頭の★Rock Show★』というイベントに出演し、東京のファンをノックアウトした!
20
テンションの高いステージは相変わらず。

Kb1_img_6088またしても「ハード・ロック健在なり!」を見せつけてくれたのであった!

40赤尾和重

50v鈴木広美

Z 山崎浩一

70v片岡祥典

80v泉谷賢

90v1曲目からいきなりセカンド・アルバムのタイトル・チューン「海図」をプレイ。

110これがセカンド・アルバムの『Kaizu』

100cd 押し寄せるド迫力のロック・ヴォイス!

120まさに「声」のMarshall!
140vやっぱりこの声を聴くと期待に胸がふくらむね!

1302曲目にはもうキラー・チューンの「Don't be so Mad」を繰り出す。

こういう選曲にKRUBERABLINKAの自信がうかがえるというものだ。

150スリリングな広美さんのギター。

160奇抜なフレーズが飛び出す瞬間を味わう。

165vそのもっともエキセントリックな面が出ているのがこのファースト・アルバムに収録されている3曲目「太陽」であろう。演奏されるたびに書いているが、こんなケッタイなギター・リフ、誰も考え付かんて…。
筆者注)「ケッタイ」という言葉をいい意味で使っております。東京の言葉しか知らないもんで、もし失礼があったらお許しくだされ。しか~し、この東京者にとって、「太陽」のリフには「ケッタイ」という言葉が一番シックリと来るような感じがするのだ。英語的には「Killer!」とか「Badass!」とか…。ちょっと違うか…ようするに、べらぼうめ、カッコいいってことよ!てやんでぇ!

170vベースの山崎浩一とのコンビネーションもバッチリだ。

180ピックで引くベースラインがクリアで気持ちいい!

190vもちろん指弾きも!
ストレート極まりないベースを弾く彼は外タレの前座も務めた豪華なキャリアの持ち主でもある。

200v4曲目もファーストから「砂山」。「Still Got the Blues」を彷彿とさせるへヴィなマイナー・チューン。
こうしたスローなナンバーでもCazの声が冴えわたる。
270v緩急自在なテクニックで完璧にKRUBERABLINKAのバンド・サウンドを彩るドラミング。
220v速い曲ではこうなる。
210ロック・キーボードのお手本のようなツボを押さえたプレイが素晴らしい片岡さん。

230v開演前、片岡さんとプログレッシブ・ロックの話しをした。楽しかった。あの日、ArgentやTraceの話しをしていたのは世界で我々だけではなかったのではないか?
そういうことなんよ。やっぱりすぐれたミュージシャンは本当にいろんな音楽を細かいところまで聴いているものなのだ。いつも言ってる「いいミュージシャンはいいリスナーたれ」ということ…ナンチャッテ!

240「ズールースーツ」。これもKRUBERABLINKAらしい曲だ。

250そしてギター・ソロ。ア・カペラだよ。
ただただシュレッドするだけでなく、メロディを重視したプレイがとても印象的だった。

Kb1_img_5966 6曲目はセカンドから「帳」。

280当日頂戴したセットリストの照明さんに伝えるためのワンポイント解説に、この曲は「アラビアン」と書いてあった。
370vアラビアンか~。そう言われるとそう聞こえなくもないが、Cazさんの歌いっぷりといい、曲調、ディミニッシュ、これぞKRUBERABLINKAのエキス満載って感じがする。
関係ないけど、Frank Zappaでいえば『Shiek Yerbouti』の中の「Wild Love」的な?こんなこと考えてるのは私だろうか…私だけだろう。

300持ち時間は70分。もう後半だ!
ってんで演奏もメラメラと燃え上がる!

310v各人ソロもバッキングも渾身のプレイ!

320vセカンドからのドライビング・チューン「単細胞」。

330そして本編の最後を「業火」で締めくくった。
350アンコールではワルツでホンワカと「メロン」。

そういえば高校の時、「メロン」っていうアダ名の国語の先生がいたっけナァ~。頭がとても大きな方で、その容貌からついたアダ名が「メロン」だった。
ある日、厚さ1cm以上はあろうかという学校の事務所の入り口のガラス戸にその頭をぶつけてしまった。ガラス戸はこっぱ微塵に飛び散ったが、「メロン」の頭にはキズひとつつかなかったというすさまじいクォリティの頭蓋骨を誇った豪傑だった。

この曲もそれぐらいの存在感とクォリティの高さがある…ってこじつけすぎか?でもこの曲もスキ!
Cazさんがメロンの何を歌っているかはCDを聴いてのお楽しみ!少なくともこの国語の先生ではない。
340そして、最後は『Kaizu』のリード・チューン、「宇宙は滾れ」。
260v

今回も実に素敵なハード・ロック・ショウだった。
Cazさんの声は、ホント日本のロックの声だ。

素晴らしい演奏とクォリティの高い曲たち…ちょっと時間が短いんだよね~。
早くピンでフルレングスのKRUBERABLINKAを観てみたい。

360v赤尾和重の詳しい情報はコチラ⇒赤尾和重 ロック歌手

KRUBERABLINKAの詳しい情報はコチラ⇒KRUBERABLINKA facebook

380(一部敬称略 2013年6月22日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2013年7月23日 (火)

【SHARA vs. MARCY】 at Reg <後編>

そして、爆音とともに登場したmintmints。
10 今、思い返してみるにmintmintsが誕生した時、「SHARAのソロ・プロジェクト」というイメージだった。
20_2 それが、今ではその確固たる地位を確立し、日本を代表するインスト・ロック・バンドになったと思う。
30_2 石原"SHARA"愼一郎
40v_2 五十嵐sun-go美貴
50v_2 寺沢功一
60v_2 向山テツ  70v_2 ま、これだけの音楽達人がそろっているんだから仕上がる音楽もいいにキマってるけど…
80 The Ventures以降、不毛だったロック・インストに新たな息吹を吹き込んだ功績は大きい。よく共演しているD_Driveも同様だ。もうちょっとしたら「ロック国民栄誉賞インスト部門」を授与したい。
90v_2 これだけmintmintsの支持される要因は何か…
70メンバー各人の器楽演奏技術からくる魅力ももちろんあるが、ナントいってもそのカギは曲のクォリティの高さだ。
110それもこれもすべてSHARAさんの経験と知識と鍛錬が生み出したものであろう。SHARAさんも実によく音楽を勉強されている。
だから、若者は先人に学べと言っているのだ。
100v 以前にも書いたが、わが社の社長はmintmintsがお気に入りだ。理由は「メロディがすごくよくて楽しい」から…。
やはりい音楽に国境はないのだ。
そして、音楽には種類が2つしかない。それは「よい音楽」と「よくない音楽」だ。by Duke Ellington。
mintmintsは「よい音楽」に入るのよ。
280v_4それとここまできて、いよいよ各人のキャラがいい方向で目立ってきていることもmintmintsのライブを楽しくしている大きな理由のひとつだろう。
120 とくに大活躍なのはsun-goさん!
130_2その活躍ぶりは後に詳しく掲げるが、もはやギタリストの枠を超えた仕事っぷり?!
メッチャかわいくて楽しい!
140vそれと音がスゴイ…ってまるで素人みたいな表現だけど、これしか言いようがない。
ふたりとも当然Marshall。いつも通りのJVM410Hと4×12"キャビを使用。

sun-goさんはMarshall初のシグネチャー・スピーカー・キャビネット、MegadethのDave Mustineモデルの1960BDMをつないでいる。
410違う現場で撮影した写真で恐縮だが、SHARAさんのJVMセット。
Img_1226キャビネットはMF400Bだ。これであの分厚い音を出す。

Nya1_img_1235 こちらはSHARAさんのソロ・アルバム『SHARA』。

110cd1このアルバムにはmintmintsのライブの他に新録音源も収録されており、そのレコーディング現場でのレポートもマーブロに掲載した
260vてらちんもスゴかった!
大幅なダイエットを敢行したてらちん。身体が細くなった分、音は反対に一段と太くなった?!   
160 前から特段太っているとは思わなかったので激ヤセ感はそれほどなかった…というのが正直ところだったんだけど、このステージ袖からファインダー越しに見たてらちんの顔にビックリ!
「ウワッ!メッチャ細くなった!」
この瞬間、私もダイエットを決心したことは言うまでもない。その前にこの日の打ち上げでは唐揚げとミートソースのパスタ、さらにウインナー各種をビールで大量に流し込んでみた。
170v そしてテツさん。
180_2 問答無用のスーパー・ロック・ドラミングはこの日も完璧!イヤ、それ以上!重苦しいまでのへヴィなドラム・サウンドは一度味わうと抜けられないゾ!
190v MCコーナーも絶好調!「舌好調」ってヤツか。

210 楽器の達人はトークの達人でもある。
220_2
230
240
250_2 コンサートは(最近「ライブ」という言葉を使わないようにしている。「ギグ」という言葉もまだ日本では浸透していないので恥ずかしい)「Ghost」で幕を開けた。
270_2 2曲目は「Rare Temple」。そうそう、曲名の謎解きもmintsの楽しみだよね。
以前、関取の名前を英語に直訳して曲名に使っているバンドもあったが、アレもおもしろかったナ。「Mistic Island」とか「Double Black Feather」とか。 
285v 「everyday」
290 「Space Mints」~「Love & Peace」、
300v_2 「Kotetsu」~「Driver」…等々、これまでの3枚のアルバムからバランスのいい選曲。
310v sun-goさん、mintsでもサオ回し!
320_2 アラヨっと!
330_2 どした!
340_2 着地成功!
350_2 ふらいんぐ・げっと!
360_2 「Kotetsu」~「Driver」~「Zima」~「Sora」…
370v メチャクチャかっこよかった「Travelling」!
380v ノリノリの様子が伝わっているだろうか?!
390_2 インストゥルメンタルでこれほど盛り上がるなんてホントうれしいね。
昔、King Crimsonが初めて日本に来て浅草の国際劇場のアンコールの時、お客さんがノリノリになったのをものすごく気持ち悪く感じた。それと正反対なのがmintmints。健康的なロック・インストのトランス状態とでもいおうか…。
400_2 お待ちどうさま!コンサートのハイライトのひとつ。
420 ジュリ扇片手にsun-goさんが華麗に舞う「Hell Dance」。
470vお客さんも素早く扇子を手にして、大暴れ!
430 ま、日ごろは「音楽に合わせて暴れたけりゃ盆踊りに行け!」なんて言ってるけど、これはいいでしょ?
440 sun-goさん、こんなに楽しそうなんだから!
450 sun-goさん、昔はこのコーナー照れてたような記憶があるんだけど、気のせいかな~?そういえばさっき楽屋でRed Bullを3缶立て続けに飲んでたな…。
460 素晴らしい舞いっぷり!もっときれいに写真を撮ってあげたかった!あ、「きれい」とは写真の状態のことでっせ!sun-goさんは十二分にかわいい!
480v 「フ~ム、やりよるな…sun-go」
490 「TWIN」~「Don't Cry」~「Bakuon」と続く。
Mm_img_1769 〆て本編17曲。タップリの演目だったけど、アッという間だった。
510 楽しいな~。mintmints!この愉しみ秘密にしておきたいような、ひとりでも多くの人に観てもらいたいような…。熱心なファンの皆さんどうする?

でも、寒かった~。最後までエアコンの冷風が直撃でシンドかった。
520v アンコールには「Cube」をmintsで演奏した後、MARCYが合流。
530 わかっちゃいたけど会場は大盛り上がり!
540 みんなで楽しく「Radio Magic」を歌っちゃった!
550 なんと中身の濃いコンサートだったんだろう!何回も書くけど楽しかった~。
560 デビュー30周年を迎えたEARTHSHAKERの新譜はコレ。力作だよ~!
そしてマーブロでもレポした通り現在絶賛ツアー中!みなさんの街でEARTHSHAKERを楽しんで!
70cd1EARTHSHAKERの詳しい情報はコチラ⇒EARTHSHAKER OFFICIAL SITE
570 石原"SHARA"愼一郎の詳しい情報はコチラ⇒Official Site
580v(一部敬称略 2013年6月15日 下北沢Regにて撮影)

2013年7月22日 (月)

【SHARA vs. MARCY】 at Reg <前編>

今年でデビュー30周年を迎えたEARTHSHAKER。今、ニュー・アルバムを引っ提げて全国を回っている。その模様はでにMarshall Blogで先日紹介した。30年もの齢を重ね、ますますパワフルかつベテランならではの円熟の魅力に満ち溢れた素晴らしい…というより、ロックバンドの「美しさ」を感じさせるステージであった。

さて、そんな記念すべき年にあって、EARTHSHAKER関連、いろいろな行事、イヤ、活動が行われている。
今日のレポートは【SHARA vs. MARCY】。以前から存在するプロジェクトだが、ソロ・アルバムを発表してから初の活動だけあって、また以前とは違う雰囲気が漂う充実したコンサートだった。

まずはMARCYの出番。今日はthe MARCY BANDではなくて、「チームMARCY」というグループでの登場だ。

オワ~、と、撮れない!スミマセン、プレスピットがないうえ、超満員のため、今日明日の写真はホール内後方に据えた脚立上からのショットになりま~す。これが脚立に上がるとエアコンの冷風が激直撃で、もう寒いのなんのって!なかなかに過酷撮影環境でございました。そのあたり、割り引いて鑑賞してやってくだされ!
10
ところで、最近「チーム」って言葉を使わなくなったと思わない?使うとするとテレビのクイズ番組の解答者のグループに名前をつける時ぐらい?「うさぎさチーム」とか、「インテリ大卒チーム」とか…。
ところが、イギリス人は結構この言葉を使うんだよね。「ティーム」って発音するんだけど、お互いの間に何か共通の意思が確認できた時に「We're a team, aren't we?」なんて言ったりすることがよくある。少なくとも「うさぎさん」よりは仲間意識が強い団体であることは間違いなく、「シゲ、オレたちチームじゃないか!」なんて言われりゃこっちも決して悪い気はしない。
30この「チームMARCY」には「チーム」という単語がピッタリくるだろう。ナント、このバンド、年齢の幅が上は50代、下は10代という世代を超えたものすごいメンバー構成になっている。もはや「チーム」ではなくて、MARCYさんを家長に頂いた「ファミリー」と呼べるものかもしれない。

これはですね、とても素晴らしいことだと思うんですわ。年長者は若者のパワーを吸収し、年少者は先輩の知識と経験を吸収する。
いつも言っているけど、もうロックは終末時計の12時を過ぎてしまっていると思うんだよね。で、こうした新旧の交流にしか現状を打破する方法はないと私は観ている。つまり「伝承」ということ。

昔、ヴァイオリニストのユーディ・メニューインのドキュメンタリー番組で紹介していたけど、教育のもっとも原始的で理想的な体制は「マンツーマン」であり、その形式に則っている典型的な例はガムラン音楽だという。ガムランは譜面を持たないため、師匠が弟子につきっきりでメロディやリズムを叩き込む。そうしてその伝統が伝承されていく。

一方クラシックなどは、教育としての体系が整備されているため、ある程度までは書物での学問が可能で、ジャズもしかり。チャーリー・パーカーが出現した後の理論をバークリーが体系化してくれたおかげでいつでも誰でもジャズ理論が学べるようになった。ただ、ジャズの場合、問題はそれをやる人も聴く人もあまりにも数が減ってしまったところにあるだろう。

さて、ロックは…というと、これも理論はないといっていいでしょう。「ロケンロー」なんだから。書物でちゃんと吸収できるロックの知識は「歴史」ぐらいでしょう。やっぱりガムラン同様、先人の偉業を自分なりに消化してそのエッセンスを身に付けるのがロックを学ぶ自然な姿だと思うんだよね。

若いミュージシャンと音楽の話をしていて、あまりにも昔のロックを知らないことに心底驚くことがある。それは洋楽だけでなく、国内のロックについても同様で、あるあたりからまったく歴史が欠落というか、元々ないものになっているような気にすらなるのである。大きなお世話なのかもしれないが、んな状態で果たしていいものが出来るのだろうか?でもね、ヘタに昔のよいものを聴くと、できることが何もなくなっちゃうかもしれないよ。レコード会社はこのあたりのことをよ~く理解しているのかもしれない。

もちろん、チームMARCYの若いメンバーは誰もが楽器の達人で技術的にはもう何も学ぶものはないだろう。しかし、EARTHSHAKERのボーカルという日本のロックの生き神様みたいな人と同じステージに立つということから学ぶものは大きいだろう。
20そんなチームMARCYのメンバーは…
西田"MARCY"昌史。 
40v gi-na
50v ギターに峰正典
60v もうひとりのギターが岡本悠
70v ベースがFIRE
80v ドラムがKenT
90v さて、ステージの方はというと…これが見どころ満載のハッピー・ステージ!
100 もちろんMARCYさんの熱唱ぶりはいつも通りで言うに及ばずなのだが…
120v 自分の音楽性をより一歩進めている感が強い。
130 ギター・チームの活躍ぶりも素晴らしい!
ほとんどの曲のソロを担当する峰正典のシュレッダーぶりがすさまじい。
140 そして、サイド・ギターに徹していた岡本悠もイザ、ソロの番が回ってくるとこれまた遠慮のないシュレッディング!
150v ふたりのギター・バトルも披露され、ギター・ファンにも十分満足のいく弾きっぷり!
もちろんふたりともMarshall!
170やっぱりロック・ステージはこうでなきゃね!
160v 峰さんは作曲も手がけており、MARCYさんの全幅の信頼を得ている。
180 「若い」とか「ハダがツルツルしてる」とか…先に書いた通り、うっしろの方にいたからよく見えなかったんだけど、なるほど若い!ドラムのKenTくん、1997年生まれだそうです。テレビでおなじみの人もいるかもしれない。
三重県を中心に活動するSickheadというバンドのドラマーでもある。
若いといってもプレイはスゴイ!パワーだけでなく、十分にスキルも整っている素晴らしいドラマーだ!
190 そして、KenTくんとガッチリとリズム・パートを固めるベースのFIRE。the MARCY BANDでも大活躍だ。
200 そして、やはりこのチームの最大の魅力はgi-naとのツイン・ボーカルだろう。
210 実は数年前にもEARTHSHAKERのイベントでMARCY BANDを撮ったことがあったが、ますますツイン・ボーカルの魅力が引き出されていていい感じ!
220 gi-naさんは島紀史のソロ・アルバム『FROM THE WOMB TO THE TOMB』で初めてその声を聴いた。
230v 深みのあるパンチのきいた声はとても魅力的だった。
240v 前回のthe MARCY BANDの時もそうだったが、今回のステージでもその魅力が大いに爆発していた!
250 絶妙のコンビネーション!マルチ・ボーカルってのとても楽しいもんだ。こういういいステージを見るとHoward KaylanとMark Volmanのホンモノを見てみたかったな~と思う。
260 演奏した曲はほぼすべてがほとんどがソロ・アルバム『MARCY』からのもの。曲のクォリティも高い!
これがその『MARCY』。
90cd1明るく楽しいパフォーマンスにおお盛り上がり!Marshallサウンドも満載だかんね!
270 西田"MARCY"昌史の詳しい情報はコチラ⇒MARCY'S Vox
290v そして、mintmintsが登場!
310 石原"SHARA"愼一郎。
320 五十嵐sun-go美貴
330 寺沢功一
340 向山テツ
350 説明不要の最強メンバーによる最高の演奏!
360 SHARAさんが弾きまくり…
370 sun-goさんが舞い…
380 てらちんがスリムになり…
390 テツさんの超ド級のドラミングが爆発する…
400mintmintsの出番はまた明日…。
300vつづく

(一部敬称略 2013年6月15日 下北沢Regにて撮影)

2013年7月19日 (金)

EITA PARK 2013 <後編>

さて、『EITA PARk 2013』、最後に控えしは、特別にこの日だけ再結成した時空海賊SEVEN SEAS!
このバンドの復活をよろこぶファンも多いことと思う。


10_2
インストでSEVEN SEASのレパートリーを演奏するプロジェクトはあったが、全員がそろってステージに立つのはかなり久しぶりのことだ。
なつかしいな~、時空海賊。
20_3 メンバーは今日の主役のEITA。
Y_3ボーカルのMarshal K。
40v_3 Prince YO-。
50v_3 たつほわsho-gun。
60v_3 Aki-dolich XXIII。
70v_3 平たく言えば、TAKAEITAのボーカルが変わっただけ…ではない!元時空海賊がTAKAEITAをサポートしている…と言った方が適切だろう。
75_3 昔を思い出すな~。初めて会った時、「MarshallはMarshallでも、ボクのは『l』がひとつなんです」…なんて自己紹介してたのを覚えてる。
80_3 みんな久しぶりの合奏がとにかく楽しそうだ。
90_3 今でもみんな仲良しというのがうなずける。
110_3このギターのふたりにはずいぶんとお世話になった。
100v_2 よくMarshall Roadshowに出てもらったのだ。こちらのリクエストになんでも答えてくれて、話もおもしろかったし、とてもいいクリニックだった。
出会った頃、PrinceはMarshallプレイヤーではなかったけど、JVMが発表されるやうなやすぐにMarshallに乗り換えてくれたんだったっけ。
130v_2そういえばこんなこともやってたなぁ~。 
120_3 思い出した。もういつのことかはわからないが、ニッポン放送の地下のホールでAtomic Tornado他とジョイント・ライブをやったことがあった。あの頃はジャンジャンと新手のギタリストが出てきて面白かったな。あの頃と今ではまた様子が変わっていて、さらに音楽シーンが冷え込んでいるように思える。
それだけに今回のこの4年ぶりの再結成の演奏はスカッとしたものに感じられた。
140v_2 オープニングは「Toroi」。
150v_2 それに続く曲もやはりSEVEN SEASの代表曲がズラリ。
160v_2 初めて見た時「明るいメタル!」と思った。今回見てもその印象は変わらなかった。どこを切ってもマイナー(短調ということね)づくしの典型的なメタル曲とは異なり、何やら楽しそうなメタル…やはりそれがこのバンドの魅力だと私は思っている。
170_3 ま、こういう感じの方々ですからね。
あんまり深刻な曲をやっても似合わんわ。
180_3 それにしてもアップテンポの曲ばかり!
190_3 ステージの面積の都合もあろうかとは思うが、EITAちゃん、以前ほどは飛び回らなくなったナ。昔はギターをブラ下げたまんまステージの端から端まですさまじい勢いで行ったり来たりしてたもんです。
210v_2EITAちゃんのマーシャルはJCM2000 TSL100と1960A。「ピンク色にしたいんです」とリクエストをもらったんだけど、できなかった。で、どこかでそういう業者を見つけて自分でやってくれた。
数年前にMarshall参加する「乳ガン撲滅キャンペーン」の一環としてピンク色のスタックを製作したことを付け加えておこう。
200_2 それともうひとつ思い出した!SEVEN SEASってウチの近くのスタジオで練習していて、一度ウチのセガレを連れて自転車で遊びに行ったことがあったっけ。セガレのリクエストにイヤな顔ひとつせず「それではリクエストにおこたえして…」なんて「SHE」を演奏してくれた。 
220_2 EITAちゃんからごあいさつ。ナント!またSEVEN SEASをやるかも?!的な発言が!
イヤ、それより驚いたのは、SEVEN SEASの諸作にプレミアがついて、裏社会では(ウソ)どうも高値で取引されているらしいという話。
やっぱり聴きたい人が多いんだよ。
230_2SEVEN SEASはこのほか「Parallel World」や「Sky」等6曲を演奏した。
240_2 EITAちゃんも全編力のこもった演奏で会場を沸かしに沸かせた。
250v_2 あ、そういえば、オープニングの「時は2030年…」とかいうのなかったな…。何か足りないと思ったら!もう滝口順平も鬼籍に入ってしまったもんナァ。
とにかくおお盛り上がり、観る方も演る方も大満足のパフォーマンスでやんした!
260_2でも、まだ終わりじゃない。
ここからはTAKAEが加わってのSEVEN SEAS。
310_2それこそここで「SHE」をプレイ。
300_2スペシャルゲストもケーキを携えて登場!
270_2 そう、この日はTAKAEちゃんのバースデイ・ライブでもあったのだ!サプライズ・ケーキに感動のTAKAEちゃん!
280_2 そしてSEVEN SEASの元マネージャー、プロデューサーからもご挨拶…といってもババちゃんのことだからもう言いたい放題!すさまじいまでの悪言!とてもここには書けないけど、福村さんのこの声だし、言い回しは超一流(テレビに出ているヘタな芸人の1000倍はおしゃべりがウマイ。しかもJTM45/100の音色みたいな太い声だ)だし、これが面白いのなんのって!言われる方はタマッたもんじゃないけど…。でも、これが育ての親の愛情表現なのだろう…ね?
290_2 そして、「Pirates Flag」をプレイ。 
320v_2 TAKAEちゃんもすっかりメンバーみたいだ!
330_2 男女ツイン・ボーカルのSEVEN SEASも悪くないかもよ…。
350_2最後は「Chasing Light」。
これだけ演奏している人たちが楽しそうなショウも珍しい。それだけに観ている方もとても楽しかったよ!
340_3 終演後、EITAちゃんは先輩バンドのメンバーや仲間とおいしいお酒を浴びるようにいただいたんだとさ…。 
360v_2 大成功だったからね!さぞかしおいしいお酒だったことでしょう。
来年も『EITA PARK』が開催されるよう楽しみにしています。
370_2 EITAの詳しい情報はコチラ⇒EITAぶろぐ
380v_2(一部敬称略 2013年6月14日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2013年7月18日 (木)

EITA PARK 2013 <前編>

『EITA PARK』なんて実にいい名前を考えたな!もちろんガール・シュレッダー、EITAが主役のロック・フェスティバルだ。昨年に続いての開催。
とても楽しい内容で、『EITA SONIC』も『ROCK IN EITA』も開催されそうな盛り上がりようだった!
出演のギタリストもすべてMarshallでこれまたチョイとしたMarshall Parkだった。
10 最初の出演はEBONY EYES (FINAL FIGHT PROJECT)。
「Ebony Eyes」なんて聞くと、私なんかはすぐにBob Welchの『French Kiss』を連想してしまうのだが、このEBONY EYESは89年結成の正統派ジャパメタ・バンドだ。
20 メンバーは中心人物でギターの金谷幸久。
40ボーカルの藤本朗。
30 ベースは三宅博文。
50 ドラムは福村高志。
60 そしてキーボードの森敬明。
70v_2 EBONY EYESは今回1991年に発表されたセカンド・アルバムの復刻を記念してのこと。デジタル・リマスタリングしたオリジナル音源と2010年に目黒ライブ・ステーションで行われたライブ音源を収録した堂々の2枚組だ。
あのね~、先週の土曜日、渋谷のライブハウスに取材に行って帰りに中古CD屋さんに寄ったんよ。で、帰りのエレベーターで一緒になったややご年配の男性の方がガサガサと今買ったCDを袋の中からうれしそうに取り出してジャケットを眺めてた。フトそのCDに目をやると…これが『FINAL FIGHT Complete』だったんだな~。コレ、ホントの話し。うれしいね!こういうの。帰ってEbony EyesでMarshallの音を聴くんだぜ。
80cd イヤ~、さすが演奏は完璧で素晴らしいものだった。
90v_2 ここぞ!とばかりに飛び出してくる金谷さんのギターもテクニカルかつメロディアスで聴きどころ満載!
100v_2 やっぱりこういうサウンドは不滅ですよ。
110 だからこそこうしてCDが再発になったりするワケだし、…
120v_2 こういう音楽を望む声が増えてきているのだろうと思う。イヤ、そういう声が増えているからCDが再発になっているのだ!
130v_2 RAJASでも大活躍のババちゃん。ドラムはパワフルだし、話は破天荒におもしろいし…身体だけは気をつけてもらいたい。いつか大阪でイッパイやりながらScorpionsの話しをしたときは楽しかったナ。
140 また藤本さんのMCがとてつもなく魅力的だ!「でね!」っていうのは笑ったナァ。これを言うと話が長くなってしまうというワケ。とにかくこの日は時間が短いのでMCを控えめにしょうとするんだけど、コレができない。わかるわ~。しゃべりたいよね~!
150 やっぱりMarshallのサウンドはヌケるね~。ホンマ、これがロック・ギターのサウンドってもんだぜ!
160 ドカドカ遠慮なくバンドをプッシュするババちゃん!
170v_2 短い時間ながら十分にその魅力が伝わったことは間違いない熱演!
180 こういう人たちにドンドン暴れてもらって、ホンモノのロックを新しい世代に伝承していってもらいたい。マーブロはちゃんとお手伝いします!
200v_2金谷幸久の詳しい情報はコチラ⇒ゆきゆきてゆきさん
190v_2 続いての登場はMarshall Blog早くも2回目の登場となるTAKAEITA。
10_2前回はRAJASとKRUBERABLINKAという2大ベテランに混ざっての登板だった。

20_3 メンバーはEITA。
30v おお~、久しぶりだな~、EITAちゃんのピンクのTSL!なつかしいな~。
40_3 ボーカルのTAKAE。
50v サポート・ギターでPrince Yo-。
60v たつほわsho-gun。
70v_3 ドラムはMaiyu Lee。
80v 今回も前回同様mパワフルなステージを展開した!
90 EITAちゃんのギターテクも…
100 タップリ満載!
110v前回に引き続いてピアノの腕前も披露。
130v_4 夏に向けてプリプリの曲をカバー。
120 TAKAEちゃんも熱唱の連続! 
140v それにこたえるEITAちゃんのギター。
145v このふたり、とにかく音楽をやるのがうれしくて楽しくてタマらない!といった感じなのだ。
150_2 もちろん、それを盛り立てるサポート陣も素晴らしい演奏を見せてくれる!
160v イキもピッタリ!…ってみんなSEVEN SEASの仲間だからね。
170v_3 ああ、なつかしいナァ時空海賊…。
180_2 Halloweenのカバーも演っちゃったりなんかして!
190v_3 コーラスもバッチリ!
210ブッちぎりのアップテンポから超しっとりのバラードまで緩急自在なバンド・カラーを十分に打ち出したTAKAEITA。
これからもガール・バンドの旗手としてがんばってもらいたい。
もちろんEITAちゃんのギター・サウンドはMarshallから!
200 EITAの詳しい情報はコチラ⇒EITAぶろぐ
220v TAKAEITAの詳しい情報はコチラ⇒TAKAEITA Official Web Site
230つづく

(一部敬称略 2013年6月14日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2013年7月17日 (水)

Steve Hackett GENESIS Revisited 2013 Japan Tour <後編>

さて、後編。

ところで、このコンサートのタイトルにある「revisit」という言葉…もちろん意味はその字面通り「再び訪れる」ということなんだけど、この言葉には懐かしみを込めて、「よく知っている元の場所に戻る」というニュアンスがあるようだ。Bob Dylanの『追憶のハイウェイ61』なんてのは、けだし名訳だと思う。この名盤の原題は『Highway 61 Revisit』だ。
10_3Genesisのレパートリーで構成されたショウをSteveがどういう気持ちで演じているのかはわからないが、「revist」の示す通り居心地のいいエリアなのだろうか…。いずれにしても充実の内容であることは間違いない。
20 Genesisの曲をスミからスミまで知り尽くしている重度のマニアに言わせると、ところどころオリジナルと異なる箇所が散見されストレスを感じたというが、そんなこと全然気にならない私なんかシアワセだったな。何せ人生で1小節たりともGENESISのコピーなんかしたことないかんね。
30v それでも、もしこれがPeterが在籍していた頃の全盛期のメンバーだったら…と想像してしまった。繰り返すが、今回の内容に大満足はしているんですよ。
40v でも、『GENESIS ARCHIVE 1967-75』に残されている75年の「Shirine Auditorium」や73年の「Rainbow」での演奏を聴いてしまうと、どうしてもそんな「ないものねだり」を抱かざるを得ない。

しかも、会場が「Shirine Auditorium」だもんね。ここは南ロサンゼルスにある巨大なホールで、かつではアカデミー賞の授賞式の会場で使われていたところ。一度だけ入った ことがあるが、場内がエキゾチックな装飾になっていて(少なくともShrineとはいえ、日本的な神社とは大分ようすが違う)、雰囲気抜群。Stan Getzの『At Shirne』なんてライブ・アルバムも有名ですな。

それに「Rainbow」。Finsbury Park駅から歩いてガードをくぐって2分。あんなところで全盛期のGenesisが見れたんだからね。しかも耳の肥えたプログレにうるさい(当時の)ロンドンっ子相手の演奏だからね。スゴイに決まってる。
50 ステージにはLady Ga Gaの上を行く奇抜な衣装をまとったPeter Gabrielがいて…ですよ。ドラムがPhil Colilinsで…ですよ。そこにSteveがいて…ですよ。
やっぱり見たかったよね~。
60 やっぱり、オリジナルの人たちというのは、神通力にも似たすさまじいオーラとパワーがあるからね。

いつも書いているように私はFrank Zappaが一番好きなんだけど、もうどうあがいてもホンモノを観ることはできない。で、うれしいことに息子さんのDweezilがZappa Plays Zappaを通じて父の偉大な遺産を継承してくれている。
私はこのZPZを東京で3回、苗場で1回、ロンドンで1回観た。全曲それこそスミのスミまで知っているし、Dweezilをはじめバンドのメンバーとも交流ができて、最高に楽しめた。もちろん演奏もすさまじい。
でも、やっぱりFrankがいたらこんなもんじゃないんだろうな…ということは容易に想像できた。このショウでも同じことを感じたのだった。

だからいつも言ってるでしょ。「必ず観ておきなさい!」って!何もこれは来日ミュージシャンだけの話しじゃなくて、国内のミュージシャンも同様。
悪いこといわないから、いつもここで紹介しているような楽器の、そして音楽の達人たちの至芸を見ておくといいよ。
70 昨日も紹介したが、Steve HackettのアンプはMarshallだ。
80 今回の演奏を観てナゼSteveがMarshallを使うのかがわかるような気がした。
90 ご存知の通り、Genesisの曲にもSteveの曲にも「ジョコジョーン!」という箇所はない。つまりSteveはギンギンのディストーションをMarshallに期待しているワケではなくて、Marshallのふり幅の広さ(関ちゃん、この表現借ります)を必要としてのことだと思うのだ。
Marshallのクリーンは実に味わい深い。そして、いざドラマチックにドーンと行きたいときにどこまでもピタリと付いてきてくれる、そんなダイナミクスを求めているんだな~と感じた。
100 申し訳ないけど、野音の自分のバンドの時にはそんなこと考えなかったが、今回Genesisの曲を気持ちよさそうに弾くSteveの姿を見てそう確信した。
110 さて、ショウは中盤にさしかかり、『Wind and Wuthering』のコーナーに入る。
120 同アルバムのB面をほとんど演奏した。
130v 「Blood on the Rooftops」
140v 「Unquiet Slumbers for the Sleepers」
150v 「In the Quiet Earth」
160v 「Afterglow」の4曲だ。
170v そしてランチの時間になって「I Know What I like」。
180v これは好きな曲だナァ。前回も触れたけど、なんとなく口ずさんでしまうような親しみやすいメロディが素敵。
190v そしてこの日初めての『A Trick of the Tail』からの曲。
260v 「Dance on a Volcano」だ。
210v もうこのあたりで会場の熱気は最高潮!
220v 演奏も一部のスキもない密度の濃いものだ!
230v 同アルバムからもう1曲、「Entangled」。ここはドラムのGaryが前へ出てきて歌うシーンなんだけど、撮影禁止タイムだったのでこれで我慢してチョーダイ。
でも、野音の時もそうだったけど、今回もGaryは大活躍でしたね。しかし、みんな歌ウマイわ~!
240v さて、本編最後に控えしは…。ナンダロウ…ってセットリスト持ってたから知ってたんだけど、「Supper's Ready」なのよ。こういう時はセットリストを知らないほうがいいね!
250 もちろん、みんな「待ってました!」とばかりにノッケからで超大歓声!
270vそれにしても最初に聴いた時は何て盛り上がりに欠けた冗長な曲だと思ったもんだけど、イヤイヤ、今となっては実にいいニャ~。
200v場面がクルクルと変わっていく中、見事にその役を演じきったNad。
250v 本当に全員が一丸となった演奏でこの長尺な曲があまりにも短く感じる!
290 やっぱり最後の「♪And it's」のところはグッときますわナ~。レコーディングの時、Peterが魂を込めて歌ったと語った話があるが、Nadも素晴らしい熱演だった。
300_3
そして、アンコール。「Supper's Ready」でお客さんは興奮しきっちゃってるからネェ、タダじゃすみませんよ!310v
で、演奏したのは「Firth of Fifth」。これもいい曲だよね。やっぱり『Selling』は名盤だ。

この曲のタイトルについて書きたいことがあるんだけど、今日は書かない。後日「イギリス-ロック名所めぐり」の<エジンバラ編>で触れることにする。
 
320v いよいよ最後の曲!この盛り上がりよう!こういうノリ方はいいね。イスに座ってジックリと音楽を鑑賞していたお客さんが感極まってその場に立ち上がり体を軽く動かす。コンサートの実に正しいあり方だと思います。
そんなに音楽に合わせて暴れたければ盆踊りへ行けばいい。コンサートはまず音楽を楽しむところなんだよ!
それに何をどこでどう間違えたか「参戦」なんて言葉を使うようになってしまったんだろうね?一体何と戦っているつもりなんでしょうか?そんなに戦争が好きならどんどん改憲派の支持をすればいい。とにかく次の日曜日には選挙に行ってもらいたい。
イカンイカン、あまりにも脱線してしまった!今日は楽しいGenesis Musicだったのにスミマセン。
350 それにしてもいいナァ~、Steve HackettにMarshallにGenesis!!
若旦那が浴衣着て手ぬぐい肩に乗っけて横丁の風呂屋に行くみたいじゃないの。(「イキ」のイメージです)
340曲は「Los Endos」。
360 野音の時も演奏していた。
370v アップテンポの超絶曲!
390各人のプレイが複雑に絡み合うサマが素晴らしい!
380 このスリリングなプレイに観客も積極的に反応する。 
400v お、Steveも楽しそうだ!
410 みんな達人ばかりのバンドで…
420v 終始見ごたえ十分だった!
330こんな場面も!
430 そして、「Dance on a Volcano」のイントロにもどって…ああ~終わっちゃった!
440v 最後はそろってご挨拶。
450 Steveのメンバー紹介。
460 3日間連続というハードなスケジュール。全部観たかったな…。
470 すべての公演が終了しうれしそうだ。
475 お客さんからバラの花束が贈られる。バラはイギリスの国花でもある。 
490 拍手が鳴りやまない!
500 「せーの!」…帽子を取って挨拶しているところ。帽子かぶっていないし、かぶっている人は脱がないし!
505 お疲れ様でした~。
520***オマケ***
ちょっとどういう場面だったか定かではないので本文中に使用しなかった写真を数点掲載しておく。オマケね。

3日目もSteveはアコギをソロで披露した。「Horizon's」だったかな?だいぶ前に見たブルース・ハープもスゴかったけど、この人のアコギはすごくいい。ライトハンドといい、結構スゴイことがたくさんできるのに目立たない人だ。
E2v「オレが、オレが」でないところがまたこの人の大きな魅力なのだろう。本当におとなしくて感じのいい人だよ。
E3v終演後、バクステージのトイレに入ったら、すぐ後からNadが入ってきた。近くでみると余計に大きくて圧倒された(身長ですよ!)。
「素晴らしいショウでしたよ!」と声をかけた。以下、その時のNad(以下:N)と私(以下:S)の会話。
N:ありがとう!でも声が本当に出なかった。3日連続の公演だったでしょ?初日は何の問題もなし、昨日も全然平気だったんです。でもさすがに3日目となるとツライ…。

S:イエイエ、本当に素晴らしいショウでしたよ!やっぱり3日連続というのはあなたのような世界的なシンガーにとっても大変なことなんですね?
N:3日連続で歌うなんてことは世界中どこへ行ってもそうあることではないんです。
S:そうですか。でも、みんなショウを本当に楽しんだようですよ!どうぞノドを大切になすってくださいね。
N:ありがとう!3日とも素晴らしいお客さんだった!

彼もとても感じのいい人だった。

E1 これは何の曲だったのだろう? 
E4v バンドの演奏ももちろん素晴らしかったが…
E5v このNadの熱演ぶりがすかり気に入ってしまったのだった。
E6(敬称略 2013年6月15日 Club CITTAにて撮影)

2013年7月16日 (火)

Steve Hackett GENESIS Revisited 2013 Japan Tour<前編>

15歳の頃からプログレッシブ・ロックを聴きはじめ、ジャーマン系を除いては比較的広い範囲にわたって夢中になった。それがFrank Zappaにつながり、Jazzに行き着き…。もちろんプログレッシブ・ロックに行き着くまでにはハード・ロックもよく聴いたけど、やっぱりプログレッシブ・ロックは好きだな。

15年ぐらい前に来日したミュージシャンに「イギリスではプログレッシブ・ロックは今、どうなんですか?」なんて何も知らずに訊いたことがあった。「ナニ、Prog Rockのこと言ってんの?あのね、イギリスではそんなもん聴いてるヤツなんてひとりもいないよ!」と言われ驚いた。え、プログレッシブ・ロックとハード・ロックはあなた方の誇りなのではないの…?

それぐらいプログレッシブ・ロック好きなんだけど、どーも苦手だった、Genesisだけは…。『Tresspass』以降のレコードは『Seconds Out』まで持っていたし、Peter Gabrielの最初のソロ・アルバム(Hipgnosisのヤツね)は大好きだったんだけど、どうあがいてもGenesisの音楽に周波数が合わなかったんだよね。

一番最初に買ったGenesisのアルバムは『Foxtrot』だったんだけど、思えばコレがよくなかったのかも…。今は無き秋葉原の石丸電気のレコード館で480円のカットアウト盤を買った。帰ってさっそく聴いてみた。A面を聴き、B面に移るとメロトロンのサウンドがドバーっと出て来た。アコースティック・ギターの美しいハーモニクスではなくて、私が買った『Foxtrot』はB面も重厚なメロトロンの音でスタートしたのだった。「ナンカA面の曲によく似てるな…。ま、プログレだからこんなもんか…」なんて勝手に納得として聴いていると、「♪Watcher of the skies watcher of all」なんて歌ってる。「チョット待てよ…コレ、完全にA面と同じじゃねーか!」

それでもこっちは子供なもんだから、そういう作品なのかと思って聴き進めていくと、もう絶対にA面と同じ。「Supper's Ready」なんか出て来やしない…。

そう、このカットアウト盤、ミスプレスでAB両面同じモノが入っていたのだ。たとえ480円でもガッカリしたナァ。その後、ダマして友達に売っちゃったけど、その友達もすぐに気づいて文句言われた。でも返品は認めなかった(鬼)。

この印象がよくなかった…というのはあったけど、1978年の来日公演には新宿の厚生年金に観に行った。12月で確か期末試験の最中だったんだよな…。親に怒られたのを覚えてる。

覚えていないのはコンサートの内容。時期的に『…And Then There Were Three…』の曲が多かったのかな?とにかくPhil Collinsのタンバリンのソロと美しい照明だけはとても印象的だった。行っておいてよかった。これがその時のプログラム。 とにかく、ナンカ大仰なワリには盛り上がりに欠けるというのがGenesisの音楽の印象で、どんなに聴いても覚えられないんだよね。「Watcher~」みたいのはいいんだけど…。
それでどうも夢中になれないで来た。
以前、大谷令文さんとGenesisの話しをしていて、彼が実に細かいところまで『Lamb』を聴き込んでいたのを知って驚いたことがあった。

さて、ところが!である。Genesisすごく好きになっちゃったんだよね。それはいつからかと言うと、頻繁にイギリスに行くようになってからなのだ。だからそう古い話ではない。

よくGenesisって「いかにもイギリスらしいバンド」って言われるでしょ。それがすごくよくわかるような気になったんですな。つまり、イギリスを好きになったらGenesisが付いてきた…みたいな。

以前にもどこかに書いたけど、ホテルからMarshallの工場へテクテク歩いて通う時なんか、「Listen to the Music」なんて絶対に口ずさまない。「The Weight」なんてまったく出て来ない。
出るのはね、「Supper's Lady」よ。じゃなかったら「I Know What I Like」よ。
こんなこと考えてるのはおそらく自分だけだと思うけど、とにかくGenesis=イギリスなのね、私の中では。

遅ればせながらGenesisの魅力がわかってきたところへ持ってきて、うまい具合にSteve Hackettが来るっていうじゃない…しかも全曲Genesisのレパートリー。うれしくて小躍りしたね。そう、しかもSteveはずっぷりMarshallのプレイヤーなのだ!
20_2 ステージ上のMarshall。1987Xのハーフ・スタックが2セット。これがSteveのBacklineだ。
30_2 開演前、ギター・テクの人に話を聞く。この1987はビンテージでもなんでもなく、2002年にMarshall社創業40周年を記念して再生産を始めてからの再リイシュー・モデル。平たく言えば今のSend & Returnつきのヤツだ。
キャビはなんかスピーカーをイジッてるらしい。

Steveに会うのは日比谷野外音楽堂で開催された2010年の『PROGRESSIVE ROCK FES 2010』以来。気が遠くなるようなとても暑い日だった。昨日も野音に行ってきたけど、このフェスの時の方が全然暑かった。

もうあまりにも暑くて耐え切れず、Renaissanceは四人囃子の森さんや大二さんとおしゃべりしながら楽屋で鑑賞させていただいた。でもSteveのバンドの出番は日が落ちてからだったので、しっかり観て、そして撮影させていただいた。

出番の前に楽屋に挨拶に行くと、もう本当にいつも写真で見ている通りのイメージの上品な立居振舞いでSteveは私を迎えてくれた。
すると「本当はね、私は50Wが好みなんだ。今回はどうしても間に合わなくて100Wを弾くがね…」と切り出してきた。そうこの時はJCM800シリーズの1959が2台レンタルされていた。
どうもSteveの中には1959も1987もVintageもクソもなくて、100Wか50Wかのチョイスしかないように受け取れた。昔からMarshallを使っている人の特徴だね。

と、あれから3年。まぁそういう過去もあって今回は1987Xを1台持参したようだ。
ちなみにギター・テクの人曰く、モニター卓も持参したとのこと。「イヤ~、大変だったよ~」って言ってた。
そしてリハが終わったSteveにバックステージの廊下でバッタリと遭遇。
するとSteveが私の顔を見るなり、スッと自分の楽屋に入ってまた廊下に戻ってきた。Steveの手にはなんと、3年前に野音の楽屋でプレゼントしたMarshallのデリバリー・バッグが握られていた!
「コレ、本当に便利なんだよ。いつも使っているんだ。改めて礼を言うよ!」
…と言ってくれた。
うれしかった。バッグを大切に使ってくれているのはもちろんだが、私のことを明確に覚えていてくれたのがもっとうれしかった!
この手の話しではJohn Paul Jonesの時と双璧をなすな。JPJの時はMarshallの扇子だった。
アータ、Genesisのギターですよ!Led Zeppelinのベースですよ!そんな方々に顔を覚えていてもらえるなんて、そりゃシアワセこの上ないですよ、ブリティッシュ・ミーハーとしては!
40_2 そんなこともあったのでニコニコしながら開演を待つ。
私がお邪魔したのは3回公演の最終日。日曜日。イス席の会場はもうパンパン!本当はいつもの通りステージ前っツラで撮りたいところなんだけど、もうステージと客席のスキマがないぐらいの超満員で、客席の上下から撮影させて頂いた。アングルのパターンが少ないのはそのせいである。予めご了承いただきたい。

1曲目はあの思い出のメロトロンのサウンド!「Watcher of the Skies」でステージは始まる。
50_2 これがナマで聴けるとはネェ~。
60_2 今回の来日メンバーは;
Steve Hackett
80v_2 フルート、サックス、キーボード、コーラス、ちょっとしたパーカッションのRob Townsend。この人は野音の時も参加していた。
90v_2 、リードヴォーカルのNad Sylvan。
100v_2 ベースはLee Pomeroy。この人も野音の時のメンバー。
PomeroyといえばDave Pomeroy。やっぱりベース…ナンカ関係あるのかな?ないか。
110v_2 キーボードはRoger King。この人も野音に出てた。
120v_2 ドラムはGary O'Tool。この人も野音の時のドラマーか。えらく雰囲気が違うな…。
「オトゥール」さんといえばピーター・オトゥール。彼はアイルランドの出身だそうだ。この人もそうかな?「ロレンス」ばかり有名なピーター・オトゥールだけど『マーフィの戦い』という作品もメチャクチャおもしろいよ。
130v_2 やっぱりスゴイ大歓声!みんな待ってたんだネェ。日本ってのは本当に素晴らしい国だ。いまだにこうしてプログレッシブ・ロックが楽しまれているんだから。王室&皇室、島国、長い歴史…イギリスと日本の共通項を思い浮かべずにはいられない。やっぱりアメリカよりイギリスなんだよな~。
140_2 2曲目は『Lamb』から「Chamber of 32 Doors」。
150v_2 ボーカルのNadが後方の台上に立って歌う。デカい人だナァ~。
300_2この人、ちょっと聞くといかにもPeterっぽいんだけど、どちらかといえばPeterよりもAcqua FragileからPFMに加入したBernard Lanzettiに声が似てると思うんだけどいかがだろう…。
160v Steveの紹介で始まった曲は「Dancing with the Moonlight Knight」。
170_2 「♪Can you tell me where my country lies…」 ん~、鳥肌だ~!
180v もうマーブロでは何度も書いて来たけど、この曲が1曲目に収録されている1973年発表の5枚目のスタジオ・アルバム『Selling England by the Pound(月影の騎士)』は、英Classic Rock誌の別冊『RROG ROCK』が選ぶベスト30プログレッシブ・ロック・アルバムの1位を獲得している。確かに名曲ぞろいだもんね。
190v_2 物悲しく静謐なオープニングからエキサイティングなパートに入る。今でいうライト・ハンド奏法。エディよりはるか昔から存在するテクニック。でも少なくともSteveの方がEddieより早くからこのテクニックを曲に導入していた。
Sh_img_0574 バンドが一丸となった壮絶なパフォーマンス!
210_2こういうところこそがプログレッシブ・ロックの醍醐味だよね~。 
200_2 リッケンから12弦とベースのダブルネックに持ち替えたLeePomeroy。
310vこの楽器がずいぶん多くのパートでSteveのギター・パートをサポートしていた。
220v それにしてもこんな前半にこんないい曲演っちゃって大丈夫なのかいな?なんて心配もしたけどゼンゼン大丈夫。セットリストもらってたから…。
225v 続いてはまた『Lamb』から「Fly on a Windshild」と「Broadway Melody of 1974」、そして「The Lamia」。
230_2 この「Fly」はいつ聴いても強烈な曲だよね。何とも重苦しいサウンドがたまらん。これは前回野音でも演奏してた。Steveのお気に入りなのかしらん?
240_2 曲のイメージを完全に把握して熱唱するNad。ちょっと見ると照明の加減で「♪0120何とかかんとか906」みたいだけど、その熱演ぶりは見事。イヤ、むしろこうしたシアトリカルな曲だけに共通項があったりするかもしれない。
250_2 まじめ~なMCを展開するSteve。楽屋の時と全然変わらん。
260_2 でも投げキッスなんかしちゃったりして!
270_2 1987Xのハーフ・スタックを背中にしょったSteve。やっぱり絵になるね。
280_2 お、聴きなれたイントロ!「The Musical Box」。
290v 美しいフルートが絡む。
320_2 この曲のエキサイティングなパートはこのコンサートの聴きどころのひとつだった。特にエンディングは会場のファン全員が頭で合わせていた。あ、私も…。
330_2 <後編>つづく
340v(敬称略 2013年6月9日 Club CITTAにて撮影)

2013年7月12日 (金)

マーシャル創立50周年記念コンサートにむけて~その1

2012年9月19日 Shige Blog 初出

で、結局またイギリスに来ているワケ。先週の金曜日に『イギリス紀行2012』を脱稿したばかりなんだけど、また始まっちゃった!イヤでしょう~?ライブ・レポートの方がいいでしょう~?でも今回のレポートは今週の土曜日、9月22日に開催される『マーシャル創立50周年記念コンサート』にむけての、ま、何というか、イントロみたいなものだと思ってくだされ。

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50年…企業が半世紀も持ちこたえるというのはなかなか大変なこと。しかも生き馬の目を抜く楽器業界というか、あまりにも移り変わりが早く激しい音楽業界の中での50年生き残るというのはスゴイことだと思う。例え出発は他社品のコピーであったとしても、結果的に独自のサウンドをクリエイトし、つまりヤケクソに強力なオリジナルな商品を作り出し、発展させ続けてきたことがよかったのだろう。

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玄関は50周年ロゴで飾り立てている。
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…ということで、徐々に土曜日に向けてなにがしかの情報をお届けできたら…と思っとりやす。できるかな~?

今日はマーシャルの工場周辺の情報ね。

これは工場から歩いて10分ぐらいのところにあるサンドイッチ屋さん。4、5年前にスティーヴ・ドーソンに教えてもらった。

こっちでは朝のトースト以外、パンを焼いて食べる習慣がどうもないらしく、カチンカチンに冷たくてヘビーデューティなサンドイッチばかり食べている。アタシャ、これが苦手でね~。だって、もう虫歯でもあろうもんなら飛び上っちゃうほど冷たくて硬いんだから!だから今回も来る前にちゃんと歯医者さんへ行って歯の手入れをしてもらった(これホントです)。それよりも何よりも、温かいものが食べたいですよ。

そんなサンドイッチ環境にあって、ここのお店はベーコンエッグみたいなものを作りたて、焼きたてのまんまパンにはさんで出してくれるのだ。でも残念ながらパンは生なのね。
Sandwich

メニューを見て、パンを選んで具を選ぶシステム。すると係りのオバさんは(3人ぐらいいて、一種のユニフォームなのであろう、なぜかみんな同じカンカン帽をかぶっている)そのオーダーを聞いて紙袋にジャンジャンそのオーダーを書き込んでいく。それでその袋をキッチンのオバさんに渡す。つまり、紙袋が一種の伝票になっているのだ。

それ見てたら昔よくあった駄菓子屋の奥のもんじゃ屋さんを思い出しちゃった。
Bag

今回の具はベーコン&エッグのブラウンソースがけ。これが滅法デカい!そしてうまい!ソースがかかってなければもっとまいう~。パンが焼いてあって少々野菜がはさんであれば完璧よ!って作り直した方が早い。ま、それは冗談でマジで存外においしのですよ。これで300円ちょっとぐらいかな?ベーコンの量が尋常じゃない!
Bacon

ホテルから工場までの通勤路。
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途中にこんな立派な教会もある。そういえば葬儀屋もある。で、この教会、失礼なので写真は撮らないが、車通りのメチャ激しい道路沿いに墓地があって、あまりにも環境がよくない。あれらのお墓はおそらく17~18世紀のものなんでしょうな。当然土葬。最近イギリスは火葬が多くなったらしいが、このお墓に眠っている人たちは土葬に決まってる。その横をジャンジャン人やら車が行き交っているんですよ。考えてみりゃ夜はコワイな。でもそんな感じがしないのが不思議。
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昨日入ったThe Chequresというパブ。

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今日はこっちの店に入ってみよう。
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で、入った。当然エール。「The Bitter」とかいう銘柄。ややこしいね。これが£2.70!東京のアイリッシュ・パブなんかの1/3ぐらいかな?安いよ~。
Bitter

おなじみテスコ。高円寺や新大久保にもありますな。イギリスで一番大きいスーパーマーケット・チェーン。とにかく海外へきて一番面白いのはスーパーよ、スーパー。ここで今晩のごはんのお買いもの。
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ブーブー言っておきながら結局サンドイッチ。テスコのサンドイッチ、今まで何個食べたかなぁ?ゲンナリするナァ~。と思いつつこの新商品「British Ham & Engish Mustard」ってのを買ってみた。これが実にウマイのよ!思いっきりマスタードがきいてて実にウマイ…というよりも「覚悟」と「あきらめ」と「慣れ」がそうさせてくれたんでしょうね。でもまた食べてもいいわ。
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いわゆるジャケ買い。パッケージに惹かれて買っちまった!これポテチなんだけどね…ズイマ!

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明日ここへ行ってみようかと思ってる。フィッシュ&チップス屋でいいのかな?

ここで注目してもらいたいのは看板に書いてある英語。「Eat In or Take Away」と書いてある。あのさ、お店で食べるのと持ち帰りは「Here」と「To go」って習うでしょ?「間違っても日本のハンバーガー屋さんみたいに『いーといん』とか『ていくあうと』とは言いません!」とか聞いたことあるでしょ?

「Here」とか「To go」はアメリカの話。ここ英語のふるさとではお店で食べていくことを「Eat In」と言うですよ!でも「テイク・アウト」とは言わない。「テイク・アウェイ」となる。「テイク・アウト」はピクニックみたいに外で摂る場合に使う表現。

そういえば中学の時、「海外ではトイレットとは言いません。バスルームといいます」と習った記憶がある。イギリス人はみんな「トイレット」って呼んでますよ。「バス・ルーム」なんて誰もいわない。せいぜいアタシぐらいかな?だって習っちゃったんだもん!とにかく聞いたことがないのはLavatoryとかいうヤツね。

…なんてエラそうこと言っとりますが、何が言いたいのかというと、学校で教える英語はもうちょっとイギリス英語にするべきだと思うんですよ。英語のふるさとなんだから。アメリカ英語でもいいけど、イギリス英語の単元もあっていいと思う。

ついでに英語で苦労している身としてもうちょっと書かせてもらいますが、藤原正彦先生じゃないけど、小学校に英語の単元を繰り入れるなんてことはヤメろ!もっと国語の勉強もしくは読書をさせろ!人間の知的水準を上げるには読書が一番簡単で一番有益だと思うね。それも小さいうちに読まなきゃダメ。中学校ぐらいまでは世界の名作を徹底的に自分の国の言葉で読ませるだよ。え?自分は読んだのかって?いいえ。だからこんなんなっちゃったんですよ!後悔してます。

友達のノン・ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーの連中はみんなホントに英語がウマい。スペイン人の友達なんか何の不自由もなく英語をしゃべるけど、英会話学校なんて行ったことないって言ってる。学校で勉強しただけなんだって。おっかしいナァ~境遇は変わらないんだけどナァ。

やっぱりね、英語のカリキュラムがマズイと思うんですね。もっと中学の時に文法をつめこんで、第5文型とか仮定法までとにかく覚えさせる。で、高校ぐらいから徹底的に会話をやったらどうかね?で、単語は中一から試験のたびに最低500~1000個ぐらいずつ覚えさせる。すると中学三年間で10,000を超える語彙を有することになるでしょ。我々は日常の会話で50,000語使ってるそうだけど、英語の人たちは20,000語しか使わないんだって。だから若い時からやっていれば難なく日常語は制覇できるはずなのよ。

文法は身につけているから高校になって会話の勉強をしたら信じられないぐらいの進歩を見せるって。ネイティブでない人は文法なくしては絶対に上達しない、もしくは上達が遅くなるからね。単語はブロックで文法は設計図。設計図にそってブロックを積んでいけば家が建つっていう寸法なんです。文法がダメなら単語だけでもやらせるこったよ。どんなに発音がうまくても、会話表現を知っていても語彙がなければニッチもサッチもいかないからね。

あ~、イカン!自分が英語で苦労しているからってこんなに書いちまった!スミマセン。

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ホテルの裏ではサッカーを盛んにやってた。

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マーシャル、50周年おめでとう!

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つづく…と思う。



2013年7月11日 (木)

DAMIJAW 47都道府県 tour“Be with You!!!!!”2~原田喧太 Plays Marshall!

以前勤めていた会社に「日本のすべての県庁所在地に行ったことがある」のが自慢の先輩社員がいた。もちろん社用でそうした都市を飛び回っていたのだが、本当に「すべて」を回ったとなると結構スゴイことで、普通のサラリーマンでコンプリートを達成した人は案外いないのではなかろうか。ちなみに建設に関連している仕事だ。
ミュージシャンとなると仕事柄そうした経験を持ち合わせている人はグッと多くなるだろうし、もう何周もした人も多かろう。いずれにしても大変なことには違いない。移動だけでも大きな労苦を強いられるだろうし、知らない土地で過ごす休日も初めは目新しかろうが、たまには落ち着く自分の家でゴロゴロしたいという時も多かろう。
しかし、ツアーは続くのだ!
10して、その47都道府県をくまなく回るツアーを1月にスタートし、5月に終了させたのがka-yu率いるDAMIJAW。現代の伊能忠孝か松尾芭蕉か…しかも、2011年に続いてこれが2回目!
20v ギターは我らが原田喧太!
30v Marshall Blog、久しぶりの登場だ!
120vそのヴァーサティリティあふれるプレイはますます磨きがかかり、まるで助さんと格さんをひとりで演じているようなギター・プレイ!ってナニ言ってんだ?! ようするに頼りがいがあるギターだってことよ!100vその喧太をサポートするのが2セットのJVM410HとMF280B。
40 足元のようす。
50 開演前にパチリ!
60v そんな喧太を擁したDAMIJAW…
70 私は以前にもDAMIJAWのステージに何回かお邪魔させてもらっている。
80v たたみこむようなパワフルさが痛快で、以前にも増して力がみなぎっているように感じたね。
95vこの公演が長い長いツアーの最終日で、よけいにエキサイトしていただろう…ということを割り引いてもすさまじい演奏だった。
130v 喧太の暴れようは、ま、いつも通りなんだけど…
90要所、要所に出てくるソロが実に充実していて、また一段と円熟味を増してきた!
140v コーラスもバッチリ!歌うまいからね、喧ちゃんは。お、ナンダこのパイプは?!
そうトーキング・モジュレーターもチョコッと使用されたのであった。
150 喧ちゃんのギターの持ち味が生かされているのは何もアップ・テンポの攻撃的な曲ばかりではない。
170v おとなしめの曲での抒情的なプレイも実に感動的だ。
160vDAMIJAWのショウのハイライト!
ka-yuが「はい、お前!」、「そこの赤いシャツ!」、「そっちのモジャモジャ」とか、ステージからひとりひとりに抽出してステージに上がらせて、みんなで踊り狂うのだ。
180 このコーナーが最高にエキサイティング!大好き!ああ、オレももう30歳若かったらナァ~!
190 緑っぽく光っているのは喧ちゃんのギターのポジション・ドット。こんなところでソロをキメている!
このコーナーのスゴイところはお客さんの節度。ka-yuに選ばれるとサッとステージに上がってきて、ひとしきり踊り狂った後、サッとまた客席に帰り元の状態に収まる。ダラダラしない。選ばれた時のその喜びようを見るのも私的楽しみのひとつ。
200 バラエティに富んだ曲調をもったレパートリーが続く。
210v でも、やっぱりこのバンドはへヴィにロックロックしたナンバーが私には一番シックリくる。
220v 喧太がMarshallで奏でる重々しいギターリフがカッコいいのと、ka-yuのパワフル歌とペースが前面に押し出されるからなのであろう。  240_2 昔はふたりでMarshallのクリニックなんかよくやったんだよね~。最後にJim Marshallが来日した時の楽器フェアではデモ演奏で熱演してくれたっけ。250v DAMIJAW以外にも幅広い音楽ジャンルと人的ネットワークで多くのファンを魅了する原田喧太。ますます楽しみなギタリストだ。
260v_2 さて、こうして盛り上がった「DAMIJAW 47都道府県tour "Be with You!!!!!2"」。このO-EASTでの千秋楽のようすを完全収録したDVD&Blu-rayが2013年9月25日に発売されることが決定した!DAMIJAW初の映像作品。

特典映像には、47都道府県ツアーの名シーンも収録している。DAMIJAWの魅力を是非あなたのお茶の間で!
230原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒原田喧太Official Web Site

270v_3 
DAMIJAWの詳しい情報はコチラ⇒DAMIJAW Official Web Site
280(一部敬称略 2013年5月17日 渋谷O-EASTにて撮影)

2013年7月10日 (水)

Tokyo Guitar Show 2013~三宅庸介とピンナップ・ガール

今年も開催された『Tokyo Guitar Show』。2002年にスタートして以来、今年で12回目の開催になるという。
こういった企画は開催することより、継続していくことの方がはるかに困難なものである。

Tgs_10それを手を変え、品を変え、毎年毎年、グレードアップをめざし、12回も開催されてきたというのは、主催者側の大変なご努力の結果であり、尊敬に値する偉業と言わざるを得まい。
実際に会場は音楽好き、楽器好きの方々で埋め尽くされ、大きなにぎわいを見せていた。
Tgs_20 会場後方に設置されたひときわ目立つブースはMarshall!
Tgs_30 連日大にぎわい!
Tgs_40Marshall Blogでは、以前『NAMM2013レポート』で紹介したSlashの5Wコンボ、SL5が登場。
Tgs_50v 試奏コーナーも設けられ、開催期間中大いに盛り上がったのだった。
Tgs_60v JVM等のフラッグシップ・モデルを所狭しと展示されていた。
Tgs_70v 会場内のミニ・ステージではMarshall Blogではおなじみの顔が!
Tgs_90 そう、Strange Beautiful & Loudの孤高のギタリスト、三宅庸介だ。
三宅さんはFenderのカスタム・ショップのモデルのデモンストレーションで登板したのだ。
Tgs_140当然アンプはMarshall。ま、あまり大きな音が出せないのでJVM215Cを使用。普段はDSL100を使用している三宅さんだが、JVMのサウンドに大満足!思う存分ギターのいいところを引き出していた。
Tgs_120vウワッ!テレキャスターを弾く三宅庸介!担当楽器が「Stratocaster」という人だけにものスゴイ違和感が!…と思ったけど、そうでもないな。似合う、似合う!やっぱり、「ギターの人」ということなんだね~。
Tgs_110v 数本のギターをデモンストレーションした後は、バッキング・トラックに合わせ1曲。ストラトの人らしく、またこんな場にふさわしく「Stratify」をプレイ。
Tgs_130v いつでもどこでも演奏に入り込めばこの通り!まったく手を抜かない。まさにギターの鬼神!
Tgs_150 でもやっぱり三宅さんの本領は大音量のMarshallで鳴らすStratocasterサウンド。どちらが欠けても三宅サウンドは成り立たない。

終演後、私の後ろの若い男の子ふたりが「スゲェな…」ともらしながら三宅さんの演奏に驚いていた。うれしかった。「だろ?ギターをギターとしてちゃんと練習すれば、こうして楽器だけで人を感動させることができるんだよ」と彼らにテレパシーを送った。

是非、彼らにもその三宅さんの本領発揮ぶりを体験してもらいたい。お、ウマイぐあいに近々ライブがあるよ。7月16日 三軒茶屋Grapefruit Moonにて。
また、8月には「GOLDEN ROSES」と称して赤尾和重、板倉淳、満園庄太郎(初顔合わせ)らと仙台、山形を巡業する。東京公演は11日、同じく三軒茶屋Grapefruit Moonだ。この日、サマソニが被っているが、夜は三茶に集合だ!
詳しい情報はコチラ⇒Yosuke Miyake's Strange Beautiful & Loud
Tgs_160v会場内には各音楽系出版社の書籍の販売コーナーも。シンコーミュージックのブース。

マー本(三宅さんいわく「大人のエロ本」)『Marshall Chronicle』も重刷となり絶賛発売中!お、また1冊売れそう?!

165vさて、Marshllブース。従来のモデルに混ざって紹介されていたのは…

Tgs_170v_2 「C5 Custom Pin-up Range」だ。
これもNAMMのレポートで紹介しているが、いよいよ日本上陸。
Tgs_180v ちょっと雰囲気を盛り上げるために向こうの広告を紹介しよう。
190 これらの写真は昨年の9月に撮影されたもの。
200v Marshallの工場の近くのBletchley Parkというところでアメリカの友人のフォトグラファー、Matが撮影した。Bletchleyは第二次大戦中に重要な施設があったところ。この話しは将来またどこかで…。
210 この日、あいにく(イヤ、いつも)天気が悪くて気の毒だった。私もこの時、工場に居合わせ、撮影に誘われたのだが、例のマーボン『Marshall Chronicle』の資料を集めるのに忙しくて断らざるを得なかった。
220 チ、無理をしてでもくっついて行っておけばよかったな…。
230v この人を撮ってみたかった…あ、ちゃうちゃう、こんな場所で新商品を撮ってみたかった!…だった、
240v これは製造時のようす。
Pug_factory3 なかなかの壮観!
Pug_factory2 工場の中の雰囲気がグッと華やかになるね。いつも真っ黒だから。
Pug_factory1 ところで、「この古式ゆかしい女性たちは誰?」なんて人も多いんじゃないかな?誰も説明していないようなのでマーブロ式に簡単に解説をしておこう。

その前に…「ピンナップ」というのは、雑誌などに掲載されている写真などを切り抜いて、壁にピンで止めて(pin-up)ポスターがわりにしたことによるもの。向こうの人たちってよくやるでしょ?映画でよく見る刑務所の独房なんかにヌード写真を貼ったりしてるヤツね。

これらのモデルになっているのは1930~40年代にハリウッドで活躍した大女優さんたちだ。

Gretaは当然Greta Garbo(グレタ・ガルボ)。スウェーデン出身の大女優だが、サイレント時代からの人で、ちょっと作品は観てないナァ。古すぎちゃって…。昔『ニノチカ(Ninotchka)』を観たような気がするけど覚えとらん。
同じ時代の大女優さんでも、これが『サンセット大通り(Sunset Boulevard)』のGloria Swansonか『情婦(Witness for the Prosecution)』のMarlene Dietrichだったら原稿用紙20枚くらいは何かすぐ書けるんだけどな…。

アメリカ人かと思っていたら、アララ外国の人?なんてケースは昔はよくあったんだね。ガルボやバーグマンはスウェーデン人、ディートリッヒはドイツ人、オードリー(春日じゃないよ)はベルギー人、ヴィヴィアン・リーをはじめとしたイギリス勢は枚挙にいとまがない。昔はアメリカに美人が少なかったのかね?…ということよりも、ジャンジャンいろんなものを吸収しようとしていたんだろうナァ。

ちょっと脱線するけど、本当に今のアメリカ映画っていったいナンダ?どうなっちゃってるんだ?俳優とか、監督とかいうことではなく、これはね、脚本なんですよ。いい脚本が書ける人がいなくなっちゃった。
CGアニメとディズニーだらけ…。いい脚本がないから、おもしろい映画が作れない。だからリメイクに走ったりする。これは音楽でいえば、いいメロディが出てこなくなっちゃったのとまったく同じ。だからカバーばっかりやってる。

皆さん、ダマされたと思って、レンタルDVDで上の『情婦』という映画をご覧になって欲しい。これは原作はアガサ・クリスティの大ドンデン返しサスペンス。1957年のビリー・ワイルダーの作品。この50年以上前に作られた作品を観た100%の人がおそらくダマされることになるでしょう。

そして、今の映画がどれだけくだらないかを思い知るのではなかろうか?そういう意味では『サンセット大通り』も同様。とにかく音楽と同じでいいものを伝承しておかないと後で取り返しのつかないことになる。ああ、「映画ブログ」はじめようかな…。

ユーミンの「呉田軽穂」というペン・ネームはもちろんGreta Garboが元ネタ。谷啓とDanny Kayeと同じパターンだ。
250v Betty Grableは典型的なピンナップ・ガールだった。実際に1944年にはドンズバで『Pin Up Girl』という映画に出演している。もっとも有名な作品はMarilyn MonroeやLauren Bacall(この人はHumphrey Bogartの奥さんだった人ね)らが共演した『百万長者と結婚する方法(How to Mary Millionaire)』だろうか?
私はBetty Grableの映画を見たという記憶はないのだが、彼女をものすごく身近な存在に感じるのは、もう何回観たかわからない大好きなBilly Wilderの『第17捕虜収容所(Stalag 17)』のおかげだ。
この中で「Animal」という役に扮した最高にコミカルなRobert Struassが熱狂的なGrableファンで、それこそBettyのピンナップを大事に大事にしているという役どころなのだ。寝ても覚めても「ベティ、ベティ」…当時の人気ぶりがうかがえるというものだ。
このロバート・ストラウスというのがヤケクソにいい役者でしてね。私が戦争映画ではベスト、生涯観た映画のベスト10に数えるRobert Aldrichの『攻撃(Attack)』という映画で最高の演技をしてるんだな。サラリーマンの皆さん、この戦争映画、必見ですぞ!「お、ナンダナンダ、これウチの会社じゃねーか!」なんて人が続出するんじゃない?

さて、ジェーンはその美しい脚に高額な保険をかけたことでよく知られ、その後、Cyd Charisse(シド・チャリシ)が500万ドルの保険金を自分の脚に投じるまでその座を守った。
Bettyの最初の旦那さんは子役で有名なJckie Coogan(チャップリンの『キッド』のあの子ね)だった。離婚後はトランぺッター、バンド・リーダーのHarry Jamesと結婚した。

260v 『子鹿物語(The Yearling)』で有名なジェーン・ワイマン。はじめ「ジェーン」と聞いて「ジェーン・マンスフィールド(Jane Mansfield)」かと思ったけど、ワイマンだよね。
ナントいっても私は『失われた週末(The Lost Weekend)』よ。1945年のアルコール中毒をテーマにした作品。ああ、これもワイルダーだな。アカデミー作品賞、主演男優賞、脚色賞を獲得。このアル中の主人公を演じたレイ・ミランド(Ray Milland)がいいんだナァ~。飲みたくて、飲みたくて…みなさんも気をつけてくださいよ~!
この作品で中毒の夫を献身的に支える奥さんの役が素晴らしくよかった。
アル中の映画と言えばNicolas Cageの『Leaving Las Vegas』なんてのがあったけど、この『失われた週末』とBlake Edwardsの『酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)』には遠く及ぶまい。

ところで、このアルコール依存症というのも西洋人と東洋人では中毒のケタが違うという話を聞いたことがあって、何しろ西洋人は内臓が破天荒に強いもんだから、中毒になるまで飲むというのは並大抵のことじゃないらしい。

こないだ王様がステージの爆笑MCでやってたけど、どうも中毒患者というのは小さいものが見えるらしい。…というか普通のサイズのものが小さくなって見えるっていうのかな?ま、幻覚ですわな。
で、これは本で読んだんだけど、中毒になりそうになったミュージシャンがピタリとアルコールを辞めたという話があって、ナゼこの人が酒を飲まなくなったのかというと、ある日、ボーっと横になって昼寝をしようとしたら、目の前を5cmぐらいの人たちが大名行列の格好をしてゾロゾロと通り過ぎて行ったっていうんだよね。それでゾッとして酒を飲まなくなった…という話し。ちょっと大名行列を観たいような気がするけどね…。
ああ、いつも通りの脱線ぶりでございました!はい、スミマセン!

ちなみにこのJane Wymanという人はRonald Reaganの最初の奥方。つまり、世が世ならファースト・レディになっていたかも知れない人なのだ。
270v こんなトリビアの極致のような情報ではございましたが、「C5 Custom Pin-up Range」ご購入ご検討の際にご参考になるかと…はい。ならないね。
280(敬称略 2013年6月30日 ベルサール渋谷ガーデンにて撮影)

2013年7月 9日 (火)

摩天楼オペラ GLORIA TOUR -GRAND FINALE-

超満員のZepp Tokyo。立錐の余地まるでなし。

10_2 今日この空間を支配するのは摩天楼オペラ。Marshall Blogがリニューアルしてから初の登場だ。
20_2 摩天楼オペラは今年3月に『喝采と激情のグロリア』というニューアルバムを発表した。これが初回限定盤。豪華なゴールドのボックス仕様。
First こちらは通常盤。
このアルバム、いいんだゼ~。何しろ曲のクォリティが高く、そしてスケールがデカい。摩天楼オペラの音に接したのは久しぶりだったが、インスト・パートの充実ぶり等、そのグレード・アップぶりに舌を巻いてしまった!
Ordinary そして今日のZeppはアルバム発売ツアーの千秋楽なのだ。名付けて『GLORIA TOUR -GRAND FINALE-』。そりゃ満員にもなるわな!
30以前と変わらないメンバーがうれしい…

苑 ~sono~
40v Anzi ~anzi~
50v 燿 ~yo~
60v 彩雨 ~ayame~
70v 悠 ~yu~
80v 開演前にはクラシック音楽が流され、摩天楼オペラのショウの雰囲気が高められていく。以前はラフマニノフのピアノ協奏曲第三番なんかが使われていたが、今回のはわからん。
そして客電が落ちる。
大歓声の中、いよいよショウがスタートする。
110ステージ上手を陣取るAnzi。
90 その背後にはMarshllの壁。
このゴージャスな雰囲気!
最後に摩天楼オペラを観たのはいつだろう?メジャー・デビューが決定した時かな?
100 何も変わっていない…と言いたいところだが、以前の何倍にもスケール・アップしたじゃないの~!
110v 1曲目はニュー・アルバムのオープナー「GLORIA」。
Mo_img_9906 レパートリーはニュー・アルバムに凝り固まることなく、旧作からの人気曲、代表曲もちりばめられる。 
130 前半、上着を脱ぐことなく、汗みどろの熱演を見える苑。
Y ステージ下手の燿と…
140v キーボードの彩雨。
170この二人もステージ狭しと暴れまくり…
150 ファンを狂喜させていた。 160v ステージ後方でバンドを猛プッシュする悠。
180 パワーあふれるドラミングで全編走り抜けた!
190v そして、Anzi。
200v 相変わらずめくるめくようなテクニックが素晴らしい!
210 「あんじ~!」…と観客からの歓声もひときわ高い。
220 シャープなリフから…
230v 流麗なシュレッディングまで、anziのソロは摩天楼オペラのハイライトのひとつだ。
250当然パートナーは長年の付き合いのMarshallだ。
240 ノリノリの大観衆!
260 2階の関係者席もノリノリだ!
270 曲が進むごとにますます会場の熱狂度がアップする!
280 ド派手なドラム・ソロを披露した悠。 
310 観客の反応もハデハデだ~!
320v 続いて燿のベース・ソロ。
290vニュー・アルバムの中の曲でも超低音を使ったプレイがフィーチュアされている。ここでは悠とのデュエットで痛快なプレイを見せてくれた。
300このリズム隊も摩天楼オペラ・サウンドの重要なカギを握っている。
330v 本編も大詰めの「喝采と激情のグロリア」では黒い聖歌隊がステージ後方のひな壇に登場!
370 モノモノしくも崇高な雰囲気。人の声ってスゴイ。
380 そして「GLORIA」をもう一度!こんな構成もおもしろい。
390 まさに客席と一体となったステージ!
400 結局、ニュー・アルバムからは「Freesia」を除いて全曲が演奏された。
340vアンコールには旧レパートリーから3曲が演奏され…
350vそれに収まりきらない観客を相手にダブル・アンコールで2曲。
410v 総勢23曲、情熱を込めた素晴らしい演奏でツアーは終了した。
420v これからもますますグレード・アップして暴れてもらいたい摩天楼オペラ。そして、ギター・ヒーローとしてのAnziの活躍にも大いに期待している。
忘れてはならないのはそのAnziをガッチリとサポートしているのはMarshallということだ。
430_2 摩天楼オペラの詳しい情報はコチラ⇒摩天楼オペラOFFICIAL WEBSITE
440
(一部敬称略 2013年6月8日Zepp Tokyoにて撮影)

2013年7月 8日 (月)

「様式美」でいこう!

 2012年9月7日 Shige Blog初出

「様式美」…いい表現だ。

いつから「様式美」というロックのジャンルが定着したのかは浅学にして知り得ないが、こうして日本語で、しかも漢字で表現できる音楽ジャンルがある…ということがうれしい。

だって日本人って「英語崇拝主義」よろしく何でも英語化しちゃうじゃん?そのくせ英語表現を好む割には英語が苦手だったりする人が多かったりするでしょ?

前にもどこかに書いたかもしれないが、不思議なのは携帯電話が「ケータイ」という日本語名で定着していること。アレどうして英語で呼ばなかったのかな?最近は「モバイル・フォン」とか英語で呼んでいるけど、以前は「セルラー・フォン」って言ってたでしょ?「セルホ」、「モバホ」…両方ムリなく略せるし…。それなのに、スマート・フォンが出てきた途端、こっちは「スマホ」って呼んでるじゃない?どうして「リコー」にならないんだろうナァ。日本人独特のリズム感によるところなんでしょうな。

私だってやっぱり英語の表記がカッコいいと思うことが多々ある。でも、日本語で表記できるものは日本語を使った方がいいと思うし、何でもかんでも英語表記するのはキチンと英語の勉強をしてからの方がいいと思うんだよね。(でもどうしても英語単語を使った方がラクな時があるの。「クリエイト」とか「インスパイア」とかね)

せめて着ているTシャツにプリントしてある文言の意味ぐらいは知っておいた方がいい。

それと、日本分なのに外来語、もしくは海外の固有名詞の部分だけアルファベットにしてある文ってよく見かけるじゃない?あれも何だかナァ。日本語を話しているのにところどころ、キマって短い単語だけ本格的な英語になっちゃう帰国子女のコントがあるでしょ。アレみたい。(ああいうネタは大好きです)

当ブログでもアルバムの紹介や『イギリス紀行』などでは英単語を交えることがあるけど、アレは固有名詞だけ。「原題」とか「原名」を尊重してのことで、ある部分だけEnglishでexpressすることはnothingなのdeath!

でもね、ドイツ人の友達にきいたけど、彼らもそうなんだって。ドイツ語表記より英語表記の方がカッコいいと思われているんだそうです。同じアルファベットなのにね!

日本語も英語も様式にこだわるところが美しいのだ!ってんで、今日のレポートは『Jill岡垣☆様式美大作戦』。

まずタイトルがいい!

出演は岡垣正志率いるJill's Project-EXとAphrodite。もうこの手のサウンドが好きな人にはタマらないであろうライブだった。

Jill's Project-Exの岡垣正志。やっぱり「様式美サウンド」にはキーボードが絶対に欠かせない!ロックにおける鍵盤楽器の使われ方としてもっとも重要で、もっともカッコいいsituation、あ、イカン、シチュエーションだと思う。ホントにこうしたキーボードが入っているバンドって少なくなった。

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ギターは足立"You"祐二と、

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日下部"Burny"正則。
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アンコールのみに登場したのが…

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KRUBERABLINKA(クルベラブリンカ)赤尾和重に…
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Strange, Beautiful and Loudの三宅庸介
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そうバーニーを除いてはみな岡垣さんのTerra Rosaに関わった方々だ。

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バーニーといえばレス・ポールとMarshall。でも335もいいもんだ。ビグズビー付きというところがまた泣かせるね!実はこの日、バーニーが出るのを知らなくてビックリしちゃったんだけどね…。でも久しぶりに会えてうれしかった!
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相変わらずのド迫力ヴォイス!和重さん最高!

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三宅サウンドもいいように大炸裂!スンゲェ音の存在感!生粋のMarshallistだ。
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うちわ片手に爆笑MCを展開する和重さん。エエなぁ~。死ぬほどわろたわ~!

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短い時間ではあったが、コッテリ系の様式美サウンドは観る者の心をわしづかみにした!

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そして!来る10月13日、そんな仲間が集う狂熱の様式美の宴がまたも開催される!題して…

『クルベラブリンカと究極の楽師達@東京キネマ倶楽部はちょっぴりテラローザです』

クルベラブリンカ率いる和重さんの呼びかけで、この愛すべきサウンドを様式美あふれる会場でゲップが出るほど堪能しようと言う企画なのだ!
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出演は…ジム・マーシャルに次いでシゲブログのオープニングを飾ってくれた、アタシの大好きなクルベラブリンカ…赤尾和重(vo)、 鈴木広美(g)、 山崎浩一(b)、 泉谷賢(ds)、 岡田英之(key)。
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スペシャル・ゲストとして、Love Missile…足立祐二(g)、 瀧田イサム(b)、 山崎  慶(ds)。

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YOUさん、またマーシャル弾いてくれるといいネェ。他では聴くことのできない独特のサウンドがカイカンなのよ!

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さらに、これまた大好きなYosuke Miyake’s Strange,Beautiful and Loud…三宅庸介(stratocaster)、山本征史(b)、金光健司(ds)。
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「完成されたスタイル」という魅力を猛烈に教えてくれる三宅さんのギター。
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「ワン・アンド・オンリー」という言葉が実にシックリくるね。
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さらにさらに、岡垣さんも出演してくれるのだ!

そしてTerra Rosaの曲も演奏される!

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時は10月13日。会場は東京キネマ倶楽部。この凄まじくも素敵な連中が日本一様式美を誇る会場に解き放たれるのだ!ク~、タマランね~!
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これは見逃せないでしょう!

「様式美」と言葉でいうのは簡単なんだけど、実際にこの手の音楽を演奏することは決してたやすいことではない。過酷な鍛錬に耐え抜いた屈強な精神の持ち主だけが習得できる器楽演奏の技術をぶつけ合うのがこの手の音楽なのだ。「選ばれし者たちが奏でる音楽」といっていいかもしれない。そういうところがス・キ!
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(一部敬称略 2012年8月4日 目黒Live Stationにて撮影)

2013年7月 5日 (金)

GUITAR☆MAN #006

さて、6回目を迎えた「GUITAR☆MAN」…

10
今回は東京鶯谷の「東京キネマ倶楽部」での開催となった。
20 このゴージャスな雰囲気の会場にピッタリの出演者と演目でファンの心をとらえた。
ま、これは完全に私的なイメージなんだけど、今までで一番ギター、ギターしていたように感じたな。
30 いつものようにギター・エンジェルが登場。
50v バラの花をプレゼント!
60v そしてメンバーが入場する。

今日の出演者は…
70v 大槻啓之
110vルーク篁
120v
向山テツ
100v 西脇辰弥
130v
MISUMI
140v Bret Gillen145v ayane
150v そして親方、伊藤広規。
160v At last never least、最後に登場したのは森園勝敏
80vギター・エンジェルからギターを渡される。
71ちょっと、森さん、ナニやってんのッ?!
72そして、GUITA☆MANが始まった!
170_2 いきなり、いきなりですよHumble Pie!エネルギーの塊のようなバンドだからね。MISUMIさんのパワフル・ボイスがSteve Marriottに迫る!
180v 2曲目から登場したのは金子マリ
友情出演だ。
90v歌うはCarol Kingの「I Feel the Earth Move」。
この曲、マリさんにピッタリだよね!
190 そして「Hush」。第一期Deep Purpleの代表曲だ。でも作曲はJoe Southというアメリカのシンガーソングライターによるもの。この人はギタリストとしても優秀な人で、アレサの「Chain of Fools」やディランの『Blonde on Blonde』のレコーディングにも参加している。
200v 森さん、広規さん、テツさんの3人のユニット、Thlee of Usでもよくこの曲を演っている。
210v だから演奏はお手の物!
220v いつも通り、ここで「Purple Haze」によるメンバー紹介が入る。   
230v 大槻さんは1987とJTM45に1960BX。
240v ルークさんはJVM210Hに1960Aだ。
250v 続いてはZZ TOPの「Rough Boy」。Billy GibbonsとDusty Hillにロンドンで会ったことは以前にも書いた。すごくおとなしい人たちだった。「日本に行ったらMarshallよろしく頼むぜ」なんて言ってたけどゼンゼン来ないじゃん。
260 Freeの「Whishing Well」。これも人気曲だね~。

この「Well」を「よい」のwellだと思っている人もいるようだが、これは「井戸」とか「泉」という意味。石油を掘る井戸のことを「油井(ゆせい)」っていうでしょ?あれはまわりの土がくずれないようにセメントで固めながら掘り進むんだけど、地熱でセメントがすぐに固まって用をなさない。そこで登場するのが油井掘削専門の特殊なセメント。これを英語で「Oil Well Cement」という。はい、これで「well」の意味が頭に入りましたね~。だからこれは「願いの泉」。
270v Jeff Beck Groupの「Tonight I'll be Staying Here with You」。オレンジのヤツね。もとはBob Dylanの曲。
今日はBeckフリークがふたりいるのでBeckナンバーが多いよ!
280 「Jumpin' Jack Flash」のアレサ・バージョン。
290v これはスゴかった!
『Quadrophenia』から「Real Me」。もちろんThe Whoだ。
300v 「お医者さんよ、母さんよ、本当のオレが見えるかい?」…若者の行き場のない悶々とした精神世界を描いた物語のオープニング曲。問答無用でカッコいい曲だ。(『Quadrophenia』は『名所めぐり』でまたやります)
310v 1969年から1973年に『Tommy』、『Who's Next』、『Quadrophenia』と立て続けに力作・話題作・問題作を発表したこの頃のThe Whoは創作能力だけでなく、演奏能力も頂点を極めていたと思う。
320 さすが広規さんとテツさん!見事にJohn EntwistleとKeith Moonの役割を果たしていた!ちなみにMarshallにはKeithのいとこのBarryという人がいる。重役ね。
330v さて、休憩をはさんで第2部。「」スペシャル・ゲスト!」と紹介されてサブ・ステージから出てきたのは…
340v なんだ、ウチの社長だよ!

Jonathan Ellery。『Marshall Chronicle』やMarshall Blogに度々登場しているので顔をご存知の方も多かろう。
ちょうど来日していたのでGUITAR☆MANに来てもらった。んで、せっかくだからということで急遽ステージであいさつをしてもらったというワケ。通訳はMISUMIさん。
350 広規さんと約1年ぶりの再会!
360 アララ、ハグハグしちゃって!
昨年の6月、広規さんがロンドンに赴いた際、Marshallの工場にお連れしたのであった。なんたって広規さんは超長年のマーシャル・プレイヤーだからね。
370 広規さんがお土産のTシャツをさっそく着ているのを発見!
380 なんで笑ってたんだっけか?楽しそうな広規さん。
390 お返しにと広規さんから「うまか棒」をプレゼント。日英友好条約成立。イギリスとは付き合いがながいからね。でも、イギリス人は極東の小国で自分の国が「イギリス」と呼ばれているのを誰ひとりとして知らない。ジョンも知らない。
ちなみに、「生麦事件」ってあるでしょ?あの騒ぎで薩摩藩士に殺されたイギリス人の一行の親分の名前がMarshallさんというんです。知ってた?詳しくは吉村昭先生の『生麦事件』をご覧あれ。
400 友情の握手!
この後、もらったうまか棒を指して「シゲ、これは一体なんだ?」としつこく訊いてきてたよ。
410 さて、日英友好の儀式も完了して…と。
420 いきなりバリバリのハード・ロック!
430 AC/DCの「Back in Black」!
440 これは盛り上がるに決まってる!
443v MISUMIさんもBrian Johnsonになりきっての激唱!Brian Jonesも生粋のGeordie、つまりNew Castle生まれ。だから彼がAC/DCの前に参加していたバンドがGeordie。
445 ここはもう思い切りルークさんに行っていただきましょう!
450v 気の済むまで弾きまくったルークさん。客席からは大きな歓声!
460 Misumiさんもエキサイト~!
475vJefferson Airplainの「Somebody to Love」。
470 ここで雰囲気がガラリと変わる。
『Meddle』のナンバー、「One of These Days」。もちろんFloyd。
490 ここはブッチャーになったつもりの広規さん(そんなバカな!)のディレイを駆使したベースを存分に楽しむ。
それにしてもなんでも器用にこなす人だ。それでいて広規さんらしさを失わないところがスゴイ。
510v西脇さんも大活躍!
500 第2部はJeff Beckネタが集中する。
まずは大槻さんフィーチュアで「Diamond Dust」。 
520 ん~、とろけるよな演奏!タマリマセン!
530 テツさんも守備範囲が恐ろしく広い人だ。でも、テツが叩き出すドラムはホンモノのロック・ビートでありテツさんしかクリエイトできない「テツ・ビート」でもある。
Ra:INのときもmintmintsの時もそうだが、テツさんのドラムはレガートだけ、スネアだけ聞いていても十分にロックを感じさせてくれる。
530v これもはやったナァ…Bostonの「More than a Feeling」。

The Zombiesの「Time if the Season」も飛び出した。ああ、Rod Argent大好き!Rick Wakemanの後任としてRod ArgentがYesに誘われていたらしいことは案外知られていないようだ。
540 このメンツなら当然出るでしょ、「Stratus」。「ストラトゥス」。
(また書いちゃう…)フランクフルトの展示会で、MarshallのデモンストレーターのChris GeorgeとDoug Aldrichが演奏する時、急にそこに居合わせたBernie Marsdenが一緒に参加することになった。
「Bernie、一緒に演ろうぜ!」とDougがいうと「いいよ!ナニ演るの?」と訊くと「ストラトゥス」とDougが答える。するとBernieが「いいよ、ストラトゥスね」とま~ったく何も決めないでいきなり演奏してた。何が言いたいのかというと、これはJeff Beckが取り上げて有名になる前に、本場では定番のジャム・セッション曲として定着していること。それと発音は「ストレイタス」ではなく「ストラトゥス」だということ。

スゴイ演奏だった。Bernieのギターの音があまりにも太くて(身体も太い!いつもアイスを舐めてる)ビックリしたね。
550v これももうお手のモノ曲ですな。広規の超絶グルーヴが迫りくる!
560v 今日はあの時のBernieとDougの演奏にまったく引けをとらない充実した演奏!
570 Jeff Beckがふたりいるからね。
580 各人の強烈な熱演の連続に観客も押されっぱなしだ!
590 もういっちょJeff Beck。
600 「Goodbye Pork Pie Hat」。これも森さんのオハコだ。
610 ギターでこの曲というとすぐにJeff Beckを連想する人が多かろうが、他にも名演があるよ。McLaughlinのもそうだけど、こっちはギター嫌いとして有名だったこの曲の作者、Charles Mingusのアルバムから。御大Larry Coryell、ベルギーのヤング・ジャンゴPhilip Catherine、今ではすっかりベテランになったJohn Scofieldらが参加した『Three or Four Shades of Blues』に収録されている。この曲ではCoryellとCatherineが弾いている。
しかし!このアルバムは1977年の作品。でも『Wired』は1976年なんだよね。

コレ、もしかしたらMingusが『Wired』を聞いて、「ナンダ、このイギリス人のギタリストは…俺の曲をこんな風に弾きやがって…Rahsaanは昔からの仲間だからまだいいにしても、なんだこのギターは…ウネウネしやがって…(間)…ん、なかなかいいもんじゃのう。いっちょ俺もやってみるか…。どれどれよさそうなギタリストを集めてみるか…」なんてことになっていたとしたらおもしろい。
620 今回も素晴らしいクロマチック・ハーモニカの妙技で観客を魅了した西脇さん(写真は違うけど…)。
630 そしてGUITAR☆MANの6回目も佳境に入る!
640v こないだみんな見に行ったVan Halen(といってもいいでしょう)の「You Really Got Me」。
650 なんか、Van Halenから1曲選ぶのが定番になってきましたかな?
660_2 今回は歌だけでなく、爆発的なMISUMIさんのアクションも大きな見どころだった。
680私は何回かBeppを拝見しているがこれほどアクティヴなMISUMIさんを見るのは初めて!MISUMIさんだけでなくみんな楽しそうで観ているほうも気持ちがいい!

700
素晴らしい演奏、最高の素材、素敵な雰囲気…やっぱりそうした要素が起こした化学反応ともいえるのだろう。それがGUITAR☆MANショウなのだ!
690_2

本編最後はJoe Cockerバージョンの「With a Little」。Jimmy Pageのアレンジですな。     

今日も楽しかった~!

 
伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規公式ウェブサイト
710v 次回のGuitarManは7月10日、渋谷DUO MUSIC EXCHANGEです。是非お出かけくだされ!
GUITAR☆MANの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
720(一部敬称略 2013年6月7日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

2013年7月 4日 (木)

【緊急告知!】アースシェイカーがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!~30th Anniversary Tour

デビュー25周年を迎えてアルバム『Quarter』を発表したのが2008年3月。オイオイ、あれからもう5年も経っちゃったのかよ!本当に昨日のことのように感じるな。最近、ますます人の名前が思い出せなくなってるのもムリないわ…。

そう、EARTHSHAKERはデビュー30周年を迎えたのである!我々、バーじゃあるまいし気安く「シェイカー、シェイカー」なんて呼んでるけど、30年の活動たるや大変な業績である。

おめでとうEARTHSHAKER!!

この直近の5年間にもいろいろあった。真夏の横田基地で演奏したり…これはSMCが飛行機の格納庫で演奏をしているところなんだけど、ここはまったく風が抜けなくて、サウナ以上の暑さだったっけ。サウナは汗をかくためにはいるから暑くて当然だけど、ここは違うさね。思い出しただけでも汗が出てくる?

Es_img_0041夜は大観衆の前で熱狂のシェイカー節を披露。

Img_1107
この時も暑かった!しかも行き帰りも東名が大渋滞でね~。11年の7月の富士スピードウェイ。F1レースの開会式で恵子さんといっしょにMARCYさんが「君が代」を斉唱して「Start to engine!」を絶叫したり…いろいろ楽しかった。
Es_img_0074 レーシング・コースに設置されたステージ車で上でタップリとライブも披露した。
Es_img_1016 「30年」ですよ、「30年」!言い古されてはいるけど、EARTHSHAKERがデビューした年に生まれた子はもう30歳だかんね。

途中、いろいろあったにしてもこうして4人が一緒に演奏活動を続けていることは誠によろこばしい。

で、その30周年を記念した大ツアーが6月23日よりスタートした。11月まで続く37本の大ツアーだ!

10 で、今日のマーブロはそのツアーの3本目、厚木でのコンサートをレポートする。
20_2 夫婦が30年寄り添っていたら銀婚通り越して「真珠婚」だからね。メンバーは;

石原"SHARA"愼一郎
30v 西田"MARCY"昌史
40v 甲斐"KAI"貴之
50v 工藤"KUDO"義弘
60v ご存知のように30周年を記念したアルバムも発表された。その名もズバリ『THE EARTHSHAKER』。「THE」ですからね、唯一無二のものなのだ。この世でただひとつ地球を揺さぶるモノあのだ。
もちろんタイトルにふさわしく、シェイカーだけが成し得る音世界が展開している。
70cd それと同時に発売されたのがMARCYさんの…
80v
『MARCY』
90cdSHARAさんの…
100v 『SHARA』。
このアルバムについてはすでにマーブロでも紹介している
110cd そうした30周年を記念する企画が目白押しの中のツアーなワケ。だから気合も入っちゃうワケ。
120_2 SHARAさんのツアーのお供は当然Marshallね。タカシくんごくろうさまです。
130v ヘッドはJVM410H。アレレ、以前は下段のサブがTSL100だったんだけど、サブもJVMになってる!

140 キャビネットはMF400Bだ。
150 足元のようす。
160 これらの組み合わせがアホほど厚みのあるサウンドをクリエイトする。ま、SHARAさんが弾くからなんだけどね。
170v さて、ショウの方はというと…スゴかった~。
180 これから観る人のために今日のレポートは、詳しく書くことができないが…
200vとにかくスゴかった!ということだけは書いておかなければなるまい。
190写真でこのスゴさが伝わればいいんだけど…。

310v私も職業柄、こうして何回もEARTHSHAKERの演奏を目の当たりにしてきたが、なんかいつもより音の密度が濃いというか、説得力が高いというか…何とも表現しにくいね。
220 でも当の本人たちはまったく気負った雰囲気がなく、至って平静だ。
230v 観ているこっちの方が「30年」という長い歴史の重みに感激しているのかもしれない。
240v そう音楽家はただひたすら自分の音楽を作るのみなのだ!
250 30年間、EARTHSHAKERのリズムをキープしてきたふたり。
260v この名リズム隊なくしては成り立たない。
270
280 この日も鉄壁の演奏でフロントのふたりをひたすら鼓舞した。
290v 選曲も観てのお楽しみで詳しくは触れないが…
300 もちろんニュー・アルバム『THE EARTHSHKER』の曲も演奏される。
320v こっれがまらスゴイ出来なのよ。
210vファンの人たちですら、まだそう耳なじんでいないかもしれないが心配ご無用。
330 もうね、目の前のホンモノの演奏に接するだけでぶっ飛んじゃうよ。
340 『THE EARTHSHAKER』収録の曲はシェイカーのコンサートの新しいスタンダードになるかもしれない。
350v この日はあの超大作も演奏された。(これぐらい言ってもいいでしょう?)
360v おおっ!SHARAさんの弾き語りも?! んなことはないか…。でもなんかやさしい歌声が聞えて来そうでしょ?
370 それにしても恐るべきはSHARAさんのギターの音。
380v 好きな人はもう先刻気が付いているだろうが、いつも使っている白いSHARAモデル以外にもその黒バージョンが登場。
390v 曲によって使い分けていたが、とにもかくにもすさまじいサウンド。太く、ブ厚く、そして美しい。十分にらウドなのだが、まったくうるさく感じない。
400v これがSHARAサウンドなのだ。同じ機材を使っても絶対に同じ音は出ない。なぜなら、この極上のサウンドはSHARAさんの指から出ているのだから…。
460v工藤さんはドラム・ソロを披露。やっぱりコレがなくちゃね!
410 渾身のドラミング!
420v 「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声が楽しい!
430 30年のシェイカーの定番だ。
440v もちろんおなじみのナンバーもタップリと!
450 このふたりのコンビネーションは日本のロック史にシカとその名を刻まれ忘れられることはないだろう。
470 SHARAさんお得意のアクションもキマッた!
480v アンコールに入り、30th Anniversary Tourの3本目が終わろうとしている。あと34本!
490v これから全国を回るが、EARTHSHAKERを観たことのある人もない人もコンサート会場に足を向けていただきたい。
日本のロック・バンドのホンモノのロック・ショウを観てもらいたいのだ!
500v 最後は「30年前、この曲からはじまった」と紹介される「●●●●●●●●●●●」。
485v大変に見ごたえのあるショウだった。
デビューから30年。メンバーも当然齢を30重ねたことになるが、そんなことを全然感じさせないステージだった。

私が若いころは、「30歳までに大成しなかったら一生花を咲かすことができない」というのが常識だった。

ロックは高齢化が進んでいる。この高齢化は世にいう「高齢化」とは異なり、歓迎すべきものである。年々幼稚化していくロックを上の方から引っ張り上げてくれているのだから。
それにロックは今でも新しい音楽だ。老衰死したロックミュージシャンはまだいないのではないか?どこまでできるか実践したロック・ミュージシャンはいないのだ。
510 EARTHSHAKERにはロック・ミュージシャンの限界に挑戦してもらいたいと思う。しかもこの4人のメンバーで!
みなさん、会場に足を運んでください。とにかくEARTHSHAKERを観ておいてください。

最後にもう一度…おめでとうEARTHSHAKER!
520さて、30周年を記念してこんなん出ました。なんとSHARAさんとMARCYさんのテイスティングによる『EARTHSHAKER COFFEE』!

530cfEARTHSHAKERの詳しい情報はコチラ⇒EARTHSHKAER OFFICIAL SITE

ツアー日程はコチラ⇒earthshaker live
540v(一部敬称略 2013年6月30日 厚木THUNDERSNAKEにて撮影)

2013年7月 3日 (水)

【NAONのYAON 2013】 vol.5(最終回) : SHOW-YA登場、そしてフィナーレ!

英語に「extravaganza」という単語がある。「エクストラヴァガンザ」…昔英語を一生懸命勉強していた頃に(今でも勉強してまっせ~、気持ちだけ)この言葉に出っくわして「変な単語~!」と思った。
Frank ZappaはオープニングのMCでこの言葉を比較的よく口にするが、他の人がこの単語を使っているのをついぞ口にしているのを聞いたことがない…エクストラヴァガンザ…エクストラヴァガンザ…変だ。
それもそのハズ、この単語は「大規模で感動的なショウ」という意味で、そう滅多にエクストラヴァガンザにはお目にかかれないからだ。

この『NAONのYAON 2013』は正真正銘のExtravaganzaだった。

そして、その壮麗なショウもいよいよ最後を迎えるに至った。

SHOW-YAの登場だ!
10_4
ここまで4時間以上。「今日は長いよ~!」と開演前に恵子さんにハッパをかけられて気合は入れて撮影に臨んではいたが…。

いくら楽しいショウでもさすがでっかいカメラをブラさげて舞台に集中しているのは精神的にも肉体的にも年齢的にも楽なものでは決してない。それでも、目の前にカッコいいミュージシャンとMarshallが並んでりゃ元気も百倍。

お客さんたちもさすがに疲れたろう…と後ろを振り返ると…
20 みんな手なんか上げちゃって、ゼンゼン疲れてないじゃーないの~!

Nya1_img_0668それどころか、一番盛り上がっちゃってる!  
40 そりゃそうだ!お待ちかねの5人が目の前のステージに立ってるんだから!

寺田恵子!
50v_2 中村美紀!
60v_2 五十嵐sun-go美貴!
70v_3仙波さとみ !
80v_2 角田mittan美喜!
90v 1曲目は「私は嵐。」
100_3 ステージに登場する度に衣装を変え、爆笑MCを放り込んで、ゲストの皆さんと大熱唱…恵子さんはこの日、まったく休むヒマがなかった。
110v_2 でも、この大役は恵子さんだから務まったようなものだろう。
160v_2どのシーンの恵子さんも最高に魅力的だったが、やはり何といっても…
185この時間が一番輝いていた!
155既報の通り、各メンバーもバックバンドとして何回もステージに登場し、熱演を披露してくれたが、やっぱりこの場面が一番素敵だった。

130v最後まで爆音を轟かせながらsun-goさんのお供を務めたJVM410Hと…
70v1960BDM(右端)。
80あまた使用されたMarshallの中でも抜群に存在感のあるサウンドを炸裂させていた。
190v「嵐」のピック・アップ・ソロ!
120v さとみさんも堂々たるプレイで各シーンを忘れがたきものに演出した。
195v「嵐」お定まりの恵子さんとsun-goさんの決めポーズ!野音でもバッチリだぜ!
 
140v それにしてもモノスゴイ迫力!
150_2 まるでPAの音を何段階も大きくしたかのような音圧!すさまじい演奏だ!
 
250_2何せ時間がないでね~。ヘタをすると、野音は時間になると問答無用で電源落とされちゃうからね。そういうシーンは実際には見たことはないけど…。

っていうこともあってか、いつもはキャプテンの手回しオルガンのようなイントロで始まる「流星少女」だが、今回はいきなりギターからスタート。

170v_3 イントロもチョイと端折って歌いだした恵子さん。わかりますよ~。時間が有り余った時のおしゃべりと時間がまったく足りない中での演奏…ツライものだ。もちろん恵子さんはそんなことおくびにも出さずに平然とステージをこなす。さすがだ!
220v_4堰を切ったかのようにあふれ出るドライブ感!
Nya1_img_0339mittanも水を得た魚のようなプレイでSHOW-YAサウンドを爆発させる!
180 普段のコンサートでも盛り上がるこの曲。この特別な舞台ではなおさらのこと。  330_2メンバーもノリノリだッ!
200v
225v  240v_3
215v 「流星少女」もバッチリと決まっていよいよ…
205 「最後の曲」の恵子さんのアナウンスに当然観客は「エ~!」となる。
すると恵子さん、「ウルせーな!時間がねーんだよ!」ときた!究極の恵子節!こういう恵子さんがまた素敵なのさ!
230v_3曲は当然待ってましたの「限界LOVERS」!
3505年ぶりの『NAONのYAON』本編最後の曲だけにメンバーの力も入る1曲だ!
226 
255v
270_3
280_2 耳なじんだ曲だけど、今日は一段と感慨深いな~。
260v_3この5年ぶりに開催された一大イベントに至るまでいくつかの布石があった。
290v_2 『MUONのYAON』、『NAONのBATTLE』、『ROAD to YAON』等々…。
285幸運にして私はそのどれもにスタッフとして参加させて頂いた。この日が来るのはズッと先のような感じがしていたんだよね。
300v それが、あと一週間になり、明日になり、今日になり、リハが始まり、本番が始まり…なんともうコレが最後じゃないのよ!
310_2 なんかメチャクチャさびしい気分になってしまったよ。「どうかこのお祭りが永遠に終わらないように!」って!きっと客席の誰もがそう思ったに違いない。
345 野音ステージでのサオまわし!
360
370_2 ばっちりキマッタ~!
380_2 そしてエンディングへ突入!
385 本編を締めくくる恵子さんの熱唱!
390_2 そして、会心の笑み!
320v_2狂熱の野音!
395あ~、終わっちゃった。
400v最後は出演者が全員ステージに上がってのグランド・フィナーレ!
日比谷野外音楽堂創立90周年実行委員会委員長の湯川れい子さんがステージに上がりご挨拶。

そして、来年も『NAONのYAON』が開催されることが発表された。ヤッタね!
410 この日の出演者は出も出たりなんと66人。

全員で「ああ無情」を大合唱!湯川れい子さんの作品だ。

そして圧巻は出演ギタリストたちによるソロまわし!
420_2 冒頭に書いたように正真正銘のEXTRAVAGANZAだったのだ!
430 ステージにひとり残る恵子さん。
440 マイクなしの「ありがとう!」の絶叫!
460 また来年!
470 5回にわたってお送りした『NAONのYAON 2013』レポート、いかがでしたか?

アップが遅くなってしまった分、グ~ンとサイズを拡大してお送りしてみた。
前後編、あるいは3本立てという企画はマーブロでは珍しくないが、【50 YEARS OF LOUD LIVE】を除けば、ひとつのイベントで5回シリーズというのは今までなかったかな…。爆風スランプのトリビュートは6本立てでお送りしたが、2回分のコンサートだった。

それぐらいのボリュームに値する素晴らしく楽しいイベントだったと思う。名実ともに日本を代表する大イベントに参加できたことを誇りに思っている。

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA OFFICAL SITE
480

(一部敬称略 2013年4月29日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)