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2013年7月31日 (水)

王様 meets はち王子さま & 渡辺英樹家来~本編

観たかったこのコンサート。何かの拍子にはち王子さまの姿を写真で発見し、「うん、コレだ!」とビビビと来た。
別に私ひとりがビビビときたところでどうにかなるワケでは決してないが、「コレは観ておかないと大変なことになる!」と思ったのだ。

期待するのは3人の演奏や音楽ネタだけでなく、抱腹絶倒のトーク。数年前によくテレビに出ているトークが最高におもしろいフォーク歌手のコンサートにトークを期待して観に行ったことがあったが、歌ってばかりでガッカリしたことがあった…ってそんなに笑いたきゃ寄席へ行けばいいようなもんだけど、やっぱり期せずして展開される演奏の合間のトークがおもしろいのであって、わざわざ笑いに行ったのでは意味がないのだ!

しかも、腕達者の3人の演奏である。内容が悪いワケがなかろうが!
ところが、ツアー日程を調べると、東京公演の日が私の都合が悪く、どうにも調整できない…ってんではるばる熊谷まで足を延ばすことを決意。

そして、結果は…はるばる熊谷まで行った甲斐が十二分にあった!

まずは1枚。

これはマーブロ用に特別に撮らせてもらったワケでもなんでもないのよ。3人が出てきて、演奏に入る前にいきなり「写真タ~イム!」となる。
お客さんはめいめいに携帯やらカメラを手にステージににじり寄り撮影するという、まさに結婚披露宴状態。いきなり笑う~。
10_2演奏は完璧!

20_2王様

30_3渡辺英樹

40_2そして、はち王子さま!

50_2王様とは2000年の『マーシャル祭り』の時以来のお付き合い。2001年には『マーシャル祭り2』の司会も引き受けていただいた。

そういえば、その『マーシャル祭り』の時、フィナーレでステージに上がったJim Marshallが王様の顔をマジマジと見つけて「君の顔にはおもしろいものが書いてあるね~」と言ったのを思い出す。

60_2だからもちろん王様の愛用のギター・アンプはMarshallだ。

70_2クリニックもやったし、専門学校で2人で講師をさせてもらったこともあった。
そして、今回が新マーブロ初登場の王様。
最高のステージがレポートできてうれしいです!
90v_2よくビートルズを引き合いに出してマーブロに書いている通り、我々日本人はあまりにも大きい言葉の障害があって、一部の帰国子女の類の方々を除いて欧米のロックを100%の域まで楽しむことは絶対にできない。
80以前にも書いたが、ある音楽評論家が少し英語がわかるようになってBob Dylanを聴いたところ、直接歌詞の意味が理解できるようになって、「英語圏のヤツらはこれをダイレクトに理解しているのか!」と愕然としたという。

ビートルズも同様。ビートルズの場合、歌詞の意味がわかって、曲に合わせて歌ってみればなおさらビートルズのすごさがわかる…というかそこまでできて初めてビートルズが100%楽しめると思うのだ。
100_3我々にはそうした部分が完全に欠落したまま洋楽を聴いてきたのである。つまり主にメロディと演奏だけを楽しんできたワケだ。それでもあれほどカッコよかったし、おもしろかったのだから、60~70のロックのクリエイティビティというのはすさまじいものがあった。

そういう意味では洋楽をまったくと言っていいほど聴かないという現在の若者にも一理あるのかもしれない。でも、英語で歌ってるバンドもあるじゃんね。だとしたら、どうせ歌詞の意味なんかわからないんだから洋楽も熱心に聴いた方がよい。

そして、王様を考えてみる。
160王様の登場後、数多くのマネッコが登場したことからもわかる通り、彼の業績は偉大だ。
そうでなきゃレコード大賞ももらえないし、「徹子の部屋」にも出れないって!(ちなみに私には「タモリ倶楽部」に出演したことのある友人は数人いるが、「徹子の部屋」に出たことのある知己は王様だけだ)
当時の王様のCDには「そうか、こんなことを歌っていたのか!」みたいな宣伝惹句がついていたが、本当にいいアイデアだった。「なんだ演奏は荘厳だけど、こんなつまんねーこと歌ってたのか…」なんてがっかりした人もいたかもしれないね。
いいの、いいの、ロックはそれで。Wishbone Ashなんかかなり笑えるよ、大ゲサすぎて。

また、直訳とはいえ、随所にちりばめられたギャグも諧謔精神にあふれており突っ込みどころが満載だ。

そして王様のもっとスゴイところは、まだこの「直訳ロック」を続けていることだ。
その支持される要因は何だろう?
ひとつには王様のロックの造詣の深さから編み出される和訳の妙と企画の素晴らしさ。これは当然。それとやっぱり、みんなあの時代のロックに戻りたいという従来派ロック待望論があるのではなかろうか…。

110vはち王子さまの切れ味鋭いトーク!

120vしかし、似てる。

130_2衣装が同じとはいえ、こうして見ると鏡みたいでしょ!ホント、よく考えついたな~。
180_2
渡辺さんはへヴィなベースさけでなく、おっそろしく抜ける声で名曲を熱唱する。「We're an American Band」とかね。オリジナル言語です。

140v他にも「Helter Skelter」や「Come Together」等のビートルズナンバーも!
190v_2「お前に首ったけ」とか「移民の歌」とか…楽しいな~。

150ギターを弾く時は存外に真剣だ!
正統派ギター・ヒーローの薫陶をモロに受けている世代ですからね。音もバッチリのマーシャル・サウンド!

170vそういえば、この日、王様だけ「英語口にしてはならない」という酷なルールが発布され、実行された。これは難しいよね~。ところが見てるこっちはおもしろいことこの上ない!

王様のソロ・コーナー…といっても演奏ではない。これが完全にトークだけ!ここだけは英語OKとなった。

200もちろん抱腹絶倒の妄想話。これから実物を体験する人たちのために内容を記すことは差し控えるが、昔のお薬の話し。イヤ、内容は知っちゃいるけど笑った~。

関連曲として「小さな翼」をプレイ。何せ蝶とシマウマだもんね!

210王様は「テンポたもつくん」とデュエットで演奏することも多いが、やっぱりバンドでの演奏がハプニングも多くておもしろい。
しかも今回はこんなメンバーだからなおさらだ。

220vこの扮装は誰にでもできるというワケではなく、頭の骨格が王様と同じでなければならないという。

230v_2次々と繰り出されるの王様直訳大ヒットパレード!

240_2最近活動しているBlack Sabbath関連からは「Paranoid」を演奏。

250_2

天下の王様とはいえ、残念ながら権利関係で著作の直訳使用の許可が下りないアーティストもいる。
そういうのは「ソックリ曲」を作って処理してしまう。「山寺のおしょうさん」がブルースになったりね。

280_2ソックリといえば、ホンノ1小節でも妙に「似てるな~」と思わせるヤツがあるじゃない?
私が気に入っているのは坂本冬実の「♪また君に~」っていうの曲、2小節なんだけどKing Crimsonの「Moon Child」に似てる。
もうひとつは、女性用のカツラのCMで「♪オ・ク・サ・マ」という電話番号のゴロ合わせを紹介しているフレーズ、これがたった1小節なんだけど、Yesの『Relayer』に収録されている「The Gates of Delirium」に聞こえてしょうがない!…超オソマツさま~。    

290_2Van Halenの「Eruption」で自慢のテクニックを披露!

310vドレドレ…

320はち王子さま!ただ写りたいだけ!

330もうやりたい放題!

340また、この3人のコントラストがいい!渡辺さんを「家来」にしちゃんだからね~、おもしろい。

345はち王子さまのドラミング、トーク、双方とても味わい深いものだが…
390vその表情も第1級だ!

370vもうみなさんお気づきだとは思うが、はち王子さまに扮しているのはファンキー末吉さんだ。え、わからなかった!って?

さて、ファンキーさんが中国や北朝鮮でロックの普及活動をされていることはつとに有名だが、昨年の11月にこういう本が上梓された。

『平壌 69高等中学校・軽音楽部 北朝鮮ロック・プロジェクト』

北朝鮮の女子高生のバンドの指導をするという一大プロジェクトの騒動記。おもしろい。
よく日本の若いミュージシャンが「♪自由になりたい~」とか「♪自由をくれい~」なんてことを「ロック・ビート」に乗せてやっているけど、この本を読めば、その時点で十分に自由だということがわかる。ロックを聴いたり演ったりできること自体が自由であるということなのだ。

これからお読みになる方のために詳しくは触れないが、ロックの指導云々と少女たちの友情…感動ものです。
小手調べに北朝鮮の人たちの前でファンキーさんがドラミングを披露するくだりがあるが、みんな飛び上るほどビックリしただろうナァ~。

510こんな素敵な本を著した人が今日はコレだかんね。
360v
さらに!ファンキーさんが耳元でささやくようにしてこの本を読んでくれる朗読CDも登場!こちらにはファンキーさんのバンドに参加した美少女たちのカラー写真がブックレットに掲載しているよ!

Cd_2もうひとつだけ…ファンキーさんはこの本の中でチベットにまで赴きラマ僧に謁見し、「音楽は人を救えるか…」を主題に問答を繰り広げるのだが、ここがまたいい!
ファンキー末吉、そのうちノーベル平和賞を授与されるのではなかろうか?

是非ご一読、ご一聴あれ!

380さっき渡辺さんが「Come Together」を歌ったと書いたが、このイントロで王様が「撃て~!」と叫ぶ。ジョンの「シュッ!」っていうヤツね。

そう、実はあれ「シュッ!」ではなくて「Shoot me!」と言っているんだよね。コレ、言われなければ絶対にそうは聞えないんだけど、リマスター盤では3回目の「シュッ!」で「シュー、ミ」と「ミ」がかすかに聞こえる。さすが王様。

400v「燃えろ~」、「高速道路の星」等、やっぱり王様にはDeep Purpleがよく似合う。

300ウチには自分で買ったヤツを王様から頂戴したヤツとほとんどの王様の作品が並んでいるが、やっぱりDeep Purpleだよね。

でも私のお気に入りは「浜っ子伝説」。つまりThe Beach Boys。企画が当たっていたとはいえ、よくコレを作ったな~…と思って。少なくとも今よりは時代はヨカッタ!大事にしなきゃ!
350_2今日も「深紫伝説」で盛り上がった!

420しゃがみながらセルフ・フェイド・アウトする3人!

430メンバー紹介もあって…

440最後はまた写真タイム。

450ヒキでもう一枚行っとこう!

460_2演奏の部は終了。第2部のコーナーに移行する雄叫び!「ブッパンコ~ナ~!」

470物販コーナーには長蛇の列。

480毎度ありぃ。またグッズもバラエティに富んでいて楽しいよ!

あ~、おもしろかった。みなさん、絶対おススメ。見つけたら必ず観に行くべし!

500渡辺英樹の詳しい情報はコチラ⇒Official Homepage
260_2はち王子さま(ファンキー末吉)の詳しい情報はコチラ⇒亜州鼓王Funky末吉的家頁
270王様の詳しい情報はコチラ⇒王様のROCK'N'ROLL TOWN

O2_img_6385 ()(一部敬称略 2013年6月24日 熊谷Heaven's Rockにて撮影)