ロックの定数~QUORUM登場!
シゲ、おいシゲよ!
ハッ、その声は…ロックの神様!
そうじゃ、お前が日頃から「ホンモノのロック」だの、「野太い声」だの、「ギター・リフ」だのと騒いでうるさくてかなわんからお前の望みをかなえてやることにしたゾ。70年代のハードロック・サウンド丸出しのQUORUMというバンドを教えてやろう…。
く、くぉらむ?
そうじゃ、QUORUMじゃ。
それはイギリスの?それともアメリカのバンド?
ブァッカモ~ン!日本じゃ、日本!
日本にもそんなバンドがいるんですか?それじゃかなりのご年輩とか…。
ブァッカモ~ン!お前の息子たちより若いわ!
ええ?で、ギターは?ギター・アンプは?
おまえは本当にMarshallのことしか頭にないんじゃな…。心配するな。当然Marshallじゃ。おまえがいつも言ってるじゃないか「Marshallのギターサウンドこそがロックのサウンドだって…素晴らしいギタリストじゃぞ!
ありがとうロックの神様!
ポワポワポワポワポワワワワ~ン…………アレ?ゆ、夢か~。
ほどなくして大野さんからメールを頂戴した。いつも色んなことを教わっている音楽評論家の大野祥之さんだ。
「シゲちゃん、いいバンドがあるから紹介するよ!まだ若いんだけど、シゲちゃんならゼッタイ気に入るよ!QUORUMっていうんだ」
「え?!」
…というのは創作である。
実際にはもっと以前から大野さんからQUORUMの存在を教えていただいていたが、なかなか実物にお目にかかることができないでいた。
そして、ご親切にも再度麻沿いを頂戴し6月の末に連れて行っていただいた。
これがQUORUM。大野さんのおっしゃる通り、思いっきりストライクだった!
QUORUMはボーカル、ギター。ベース、ドラムのカルテット。
みんなウチの子より年下だよ。いよいよロックも三世代にわたって楽しまれる音楽になってきたのだ。
冒頭の寸劇で述べたように、とにもかくにも70年代のロック丸出しなのだ。
まず格好がいい。スリムで(うらやましい)、背が高くて(うらやましい)、長髪で(うらやましい)、ベルボトムはいてて(そんなにうらやましくない)…。
噺家が着物を着ているように、ビジネスマンがスーツを着ているように、ロックンローラーにはロックンローラーの出で立ちというものがあるハズなのだ。QUORUMのルックスはロックの出で立ちそのもだ。
「昔はみんなこうだったよな~」なんて言うのはたやすいこと。そこらへんの奴らがこんな恰好をしたらレトロ趣味の仮装大会になってしまうだろう。
QUORUMがステージに出てきた時の雰囲気はまるで外国のバンドだったよ。そういう雰囲気を醸し出していた日本のバンドで真っ先に頭に浮かぶのはJohnny, Louis & Charかな?
最近ではレイブンさんとオガンちゃんとロジャーさんが今やってるトリオ・ザ・コラーゲンズ(名前がモロに日本!)もそうだった。かつてのSavoy Truffleもそう。(オガンちゃんのイメージなのかな?)
QUORUMがそう見えるのは、今挙げた他のバンド同様、彼らがクリエイトしている音楽がそうさせているのだ。QUORUMサウンドの要のひとつは真太郎の声。現役の東大生。それよりも彼の声にしびれるべきだ。東大は勉強すれば誰でも入れるが(ウソつけ!私は何度生まれ変わっても無理です)、この声はどんなに歌の練習をしても出ては来まい。
ロックの声なのだ。パッと見るとちょっとJim Morrisonみたい?
これがなければいくらシンガーの声がよくてもサウンドは成り立たない。
アクションも含めて幸人のベースは完全にロックなのだ!
あまりのハードなドラミングゆえ体温が上昇してしまうため、時折下を出して熱を冷ます。ウソですよ!でもそれぐらいパワフルなパフォーマンスなのだ。
ロックの神様がおっしゃっていたように、もちろんMarshall。Mashallが似合うからいいギタリストなのか、いいギタリストだからMarshallが似合うのか…両方だね。
Marshallもたくさんのカッコいいギタリストに可愛がられてよろこんでいるハズだ。
今回は会場の4100を使用していたが、1959とか1987を弾いてもらいたいタイプのギタリストの
筆頭だ。
ロック・ギターの語法をすべてマスターしているかのようなプレイ。ソロではコンテンポラリーなフレーズもたくさん散りばめられるがむやみやたらとタッピングをしたり、ピッキング・ハーモニクスを使ったりということはしない。
そのあたりのバランスが絶妙で、「もっと聴いていたい!」とソロを弾いてくれる稀有な存在といってよいだろう。
また、この人が書く曲のクォリティがあまりにも高い。とにかくカッコとしか言いようがない。カバー曲もプレイしていたが、オリジナルの方が断然聴きたくなるスケールの大きさなのだ。才能のある人っているんだね~。
本公演から約10日後、QUORUMは目黒の鹿鳴館に出演した。そちらも取材に赴いたので近日中にレポートをする予定。そこでもっと詳しくQUORUMの魅力に迫ってみたいと思う。
そう、ロックの神様の声は大野さんの声だったのだ!
QUORUMの詳しい情報はコチラ⇒QUORUM Official Site
年甲斐もなく興奮してレンズを入れるバッグをお店に忘れて来ちゃったい!(Kさん、ありがとうございました!)