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2013年7月10日 (水)

Tokyo Guitar Show 2013~三宅庸介とピンナップ・ガール

今年も開催された『Tokyo Guitar Show』。2002年にスタートして以来、今年で12回目の開催になるという。
こういった企画は開催することより、継続していくことの方がはるかに困難なものである。

Tgs_10それを手を変え、品を変え、毎年毎年、グレードアップをめざし、12回も開催されてきたというのは、主催者側の大変なご努力の結果であり、尊敬に値する偉業と言わざるを得まい。
実際に会場は音楽好き、楽器好きの方々で埋め尽くされ、大きなにぎわいを見せていた。
Tgs_20 会場後方に設置されたひときわ目立つブースはMarshall!
Tgs_30 連日大にぎわい!
Tgs_40Marshall Blogでは、以前『NAMM2013レポート』で紹介したSlashの5Wコンボ、SL5が登場。
Tgs_50v 試奏コーナーも設けられ、開催期間中大いに盛り上がったのだった。
Tgs_60v JVM等のフラッグシップ・モデルを所狭しと展示されていた。
Tgs_70v 会場内のミニ・ステージではMarshall Blogではおなじみの顔が!
Tgs_90 そう、Strange Beautiful & Loudの孤高のギタリスト、三宅庸介だ。
三宅さんはFenderのカスタム・ショップのモデルのデモンストレーションで登板したのだ。
Tgs_140当然アンプはMarshall。ま、あまり大きな音が出せないのでJVM215Cを使用。普段はDSL100を使用している三宅さんだが、JVMのサウンドに大満足!思う存分ギターのいいところを引き出していた。
Tgs_120vウワッ!テレキャスターを弾く三宅庸介!担当楽器が「Stratocaster」という人だけにものスゴイ違和感が!…と思ったけど、そうでもないな。似合う、似合う!やっぱり、「ギターの人」ということなんだね~。
Tgs_110v 数本のギターをデモンストレーションした後は、バッキング・トラックに合わせ1曲。ストラトの人らしく、またこんな場にふさわしく「Stratify」をプレイ。
Tgs_130v いつでもどこでも演奏に入り込めばこの通り!まったく手を抜かない。まさにギターの鬼神!
Tgs_150 でもやっぱり三宅さんの本領は大音量のMarshallで鳴らすStratocasterサウンド。どちらが欠けても三宅サウンドは成り立たない。

終演後、私の後ろの若い男の子ふたりが「スゲェな…」ともらしながら三宅さんの演奏に驚いていた。うれしかった。「だろ?ギターをギターとしてちゃんと練習すれば、こうして楽器だけで人を感動させることができるんだよ」と彼らにテレパシーを送った。

是非、彼らにもその三宅さんの本領発揮ぶりを体験してもらいたい。お、ウマイぐあいに近々ライブがあるよ。7月16日 三軒茶屋Grapefruit Moonにて。
また、8月には「GOLDEN ROSES」と称して赤尾和重、板倉淳、満園庄太郎(初顔合わせ)らと仙台、山形を巡業する。東京公演は11日、同じく三軒茶屋Grapefruit Moonだ。この日、サマソニが被っているが、夜は三茶に集合だ!
詳しい情報はコチラ⇒Yosuke Miyake's Strange Beautiful & Loud
Tgs_160v会場内には各音楽系出版社の書籍の販売コーナーも。シンコーミュージックのブース。

マー本(三宅さんいわく「大人のエロ本」)『Marshall Chronicle』も重刷となり絶賛発売中!お、また1冊売れそう?!

165vさて、Marshllブース。従来のモデルに混ざって紹介されていたのは…

Tgs_170v_2 「C5 Custom Pin-up Range」だ。
これもNAMMのレポートで紹介しているが、いよいよ日本上陸。
Tgs_180v ちょっと雰囲気を盛り上げるために向こうの広告を紹介しよう。
190 これらの写真は昨年の9月に撮影されたもの。
200v Marshallの工場の近くのBletchley Parkというところでアメリカの友人のフォトグラファー、Matが撮影した。Bletchleyは第二次大戦中に重要な施設があったところ。この話しは将来またどこかで…。
210 この日、あいにく(イヤ、いつも)天気が悪くて気の毒だった。私もこの時、工場に居合わせ、撮影に誘われたのだが、例のマーボン『Marshall Chronicle』の資料を集めるのに忙しくて断らざるを得なかった。
220 チ、無理をしてでもくっついて行っておけばよかったな…。
230v この人を撮ってみたかった…あ、ちゃうちゃう、こんな場所で新商品を撮ってみたかった!…だった、
240v これは製造時のようす。
Pug_factory3 なかなかの壮観!
Pug_factory2 工場の中の雰囲気がグッと華やかになるね。いつも真っ黒だから。
Pug_factory1 ところで、「この古式ゆかしい女性たちは誰?」なんて人も多いんじゃないかな?誰も説明していないようなのでマーブロ式に簡単に解説をしておこう。

その前に…「ピンナップ」というのは、雑誌などに掲載されている写真などを切り抜いて、壁にピンで止めて(pin-up)ポスターがわりにしたことによるもの。向こうの人たちってよくやるでしょ?映画でよく見る刑務所の独房なんかにヌード写真を貼ったりしてるヤツね。

これらのモデルになっているのは1930~40年代にハリウッドで活躍した大女優さんたちだ。

Gretaは当然Greta Garbo(グレタ・ガルボ)。スウェーデン出身の大女優だが、サイレント時代からの人で、ちょっと作品は観てないナァ。古すぎちゃって…。昔『ニノチカ(Ninotchka)』を観たような気がするけど覚えとらん。
同じ時代の大女優さんでも、これが『サンセット大通り(Sunset Boulevard)』のGloria Swansonか『情婦(Witness for the Prosecution)』のMarlene Dietrichだったら原稿用紙20枚くらいは何かすぐ書けるんだけどな…。

アメリカ人かと思っていたら、アララ外国の人?なんてケースは昔はよくあったんだね。ガルボやバーグマンはスウェーデン人、ディートリッヒはドイツ人、オードリー(春日じゃないよ)はベルギー人、ヴィヴィアン・リーをはじめとしたイギリス勢は枚挙にいとまがない。昔はアメリカに美人が少なかったのかね?…ということよりも、ジャンジャンいろんなものを吸収しようとしていたんだろうナァ。

ちょっと脱線するけど、本当に今のアメリカ映画っていったいナンダ?どうなっちゃってるんだ?俳優とか、監督とかいうことではなく、これはね、脚本なんですよ。いい脚本が書ける人がいなくなっちゃった。
CGアニメとディズニーだらけ…。いい脚本がないから、おもしろい映画が作れない。だからリメイクに走ったりする。これは音楽でいえば、いいメロディが出てこなくなっちゃったのとまったく同じ。だからカバーばっかりやってる。

皆さん、ダマされたと思って、レンタルDVDで上の『情婦』という映画をご覧になって欲しい。これは原作はアガサ・クリスティの大ドンデン返しサスペンス。1957年のビリー・ワイルダーの作品。この50年以上前に作られた作品を観た100%の人がおそらくダマされることになるでしょう。

そして、今の映画がどれだけくだらないかを思い知るのではなかろうか?そういう意味では『サンセット大通り』も同様。とにかく音楽と同じでいいものを伝承しておかないと後で取り返しのつかないことになる。ああ、「映画ブログ」はじめようかな…。

ユーミンの「呉田軽穂」というペン・ネームはもちろんGreta Garboが元ネタ。谷啓とDanny Kayeと同じパターンだ。
250v Betty Grableは典型的なピンナップ・ガールだった。実際に1944年にはドンズバで『Pin Up Girl』という映画に出演している。もっとも有名な作品はMarilyn MonroeやLauren Bacall(この人はHumphrey Bogartの奥さんだった人ね)らが共演した『百万長者と結婚する方法(How to Mary Millionaire)』だろうか?
私はBetty Grableの映画を見たという記憶はないのだが、彼女をものすごく身近な存在に感じるのは、もう何回観たかわからない大好きなBilly Wilderの『第17捕虜収容所(Stalag 17)』のおかげだ。
この中で「Animal」という役に扮した最高にコミカルなRobert Struassが熱狂的なGrableファンで、それこそBettyのピンナップを大事に大事にしているという役どころなのだ。寝ても覚めても「ベティ、ベティ」…当時の人気ぶりがうかがえるというものだ。
このロバート・ストラウスというのがヤケクソにいい役者でしてね。私が戦争映画ではベスト、生涯観た映画のベスト10に数えるRobert Aldrichの『攻撃(Attack)』という映画で最高の演技をしてるんだな。サラリーマンの皆さん、この戦争映画、必見ですぞ!「お、ナンダナンダ、これウチの会社じゃねーか!」なんて人が続出するんじゃない?

さて、ジェーンはその美しい脚に高額な保険をかけたことでよく知られ、その後、Cyd Charisse(シド・チャリシ)が500万ドルの保険金を自分の脚に投じるまでその座を守った。
Bettyの最初の旦那さんは子役で有名なJckie Coogan(チャップリンの『キッド』のあの子ね)だった。離婚後はトランぺッター、バンド・リーダーのHarry Jamesと結婚した。

260v 『子鹿物語(The Yearling)』で有名なジェーン・ワイマン。はじめ「ジェーン」と聞いて「ジェーン・マンスフィールド(Jane Mansfield)」かと思ったけど、ワイマンだよね。
ナントいっても私は『失われた週末(The Lost Weekend)』よ。1945年のアルコール中毒をテーマにした作品。ああ、これもワイルダーだな。アカデミー作品賞、主演男優賞、脚色賞を獲得。このアル中の主人公を演じたレイ・ミランド(Ray Milland)がいいんだナァ~。飲みたくて、飲みたくて…みなさんも気をつけてくださいよ~!
この作品で中毒の夫を献身的に支える奥さんの役が素晴らしくよかった。
アル中の映画と言えばNicolas Cageの『Leaving Las Vegas』なんてのがあったけど、この『失われた週末』とBlake Edwardsの『酒とバラの日々(Days of Wine and Roses)』には遠く及ぶまい。

ところで、このアルコール依存症というのも西洋人と東洋人では中毒のケタが違うという話を聞いたことがあって、何しろ西洋人は内臓が破天荒に強いもんだから、中毒になるまで飲むというのは並大抵のことじゃないらしい。

こないだ王様がステージの爆笑MCでやってたけど、どうも中毒患者というのは小さいものが見えるらしい。…というか普通のサイズのものが小さくなって見えるっていうのかな?ま、幻覚ですわな。
で、これは本で読んだんだけど、中毒になりそうになったミュージシャンがピタリとアルコールを辞めたという話があって、ナゼこの人が酒を飲まなくなったのかというと、ある日、ボーっと横になって昼寝をしようとしたら、目の前を5cmぐらいの人たちが大名行列の格好をしてゾロゾロと通り過ぎて行ったっていうんだよね。それでゾッとして酒を飲まなくなった…という話し。ちょっと大名行列を観たいような気がするけどね…。
ああ、いつも通りの脱線ぶりでございました!はい、スミマセン!

ちなみにこのJane Wymanという人はRonald Reaganの最初の奥方。つまり、世が世ならファースト・レディになっていたかも知れない人なのだ。
270v こんなトリビアの極致のような情報ではございましたが、「C5 Custom Pin-up Range」ご購入ご検討の際にご参考になるかと…はい。ならないね。
280(敬称略 2013年6月30日 ベルサール渋谷ガーデンにて撮影)