Strange Beautiful & Loud~Sound Experience 6
ゾロリと並んだベテランそうな3台のマーシャル・ハーフ・スタック。もうこれだけでいいライブになる予感がする?!
三宅庸介率いるStrange, Beautiful and Loud…「孤高のトリオ」の印象がますます際立ってきた。
今、日本になければならないバンドのひとつであることは間違いない。
マーシャル&ストラトキャスターの三宅庸介。
ベースは山本征史。
三宅さんの愛用マーシャルはDSL100と1960BV。DSLはもっとも初期の1997年製。生誕から16年を経てますます鳴りまくっている。
今日も「If」でショウの幕を開ける。 イントロとサビのメロディが大変印象的な曲。
いつ聴いてもすごく三宅庸介を感じさせるテーマ的な作品と私はとらえている。
魅惑の闇のワルツ…2曲は「Mani」。
たおやかに歌いまくるギターが素晴らしい。
鉄壁のリズム隊も健在だ。
バリエーション豊かなベース・ラインでアンサンブルを分厚くする征史さん。
また、このSUPER BASSの音がいいんだ~!
征史さんのマーシャルは1977年製の1992。
いつも書いているが、このあたりのマーシャルのベース・アンプ、つまりSUPER BASSってのは実によろしいな。
表現力に長けたKKのドラミングのこのバンドの大きなみどころのひとつだ。
群を抜いて幅の広いダイナミックレンジと、まるで三宅さんの思考回路がそのままインプットされたような息のあったプレイは驚嘆に値する。
MCでは三宅さん直々にマー本『Marshall Chronicle』の紹介が!
三宅さんは、石原SHARA慎一郎、ルーク篁、島紀史の各氏とマーシャルについての対談に参加してくれて、濃~い話題を提供してくださった。さすが、第1級のマーシャル・ソムリエ!
「これ、仲間うちでは『大人のエロ本』って呼ばれてるんですよ!」…結構、結構!男なら誰でも読みたくなりますわな!こないだNAMMへ持って行って海外の人たちにも見せたけど、みんな「Wow!」だの「Amazing!」だの「Unbelievable!」だの、大変な賛辞を頂戴した。
そして、この『Marshall Chronicle』、おかげさまで初版は完売!増刷が決定しました!100%私がやったワケではないけれど、苦労した~。がんばった甲斐があったってもんだ。毎日朝から夜中までかかりきりで取り組んだからね。
ご支援をいただきました皆様どうもありがとうございます!まだご覧になられていない方は是非!
Marshall Chronicleの詳しい情報はコチラ⇒日本で初めてのマーシャル本、『Marshall Chronicle』ついに出来!~メイキング・オブ・マーボン
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「Ring」、「Stratify」 と続く。「Stratify」は名盤『Lotus and Visceral Songs』のオープニング曲。5/4拍子のテーマを持った、これまたいかにも三宅さんらしい強烈な印象を持った作品だ。
それもそのはずタイトルからして「Stratify」なんて三宅さんらではのもの。この次は「Marshallology(マーシャル学)」なんて曲をお願いしたいものだ。
同じアルバムから、しかも収録順に4曲をプレイ。「Sorcerer」、「Bloom」、「Solitary Past」、「Fantasia」。
関係ないけど、「Sorcerer」といえばマイルスが真っ先に来るんだろうが、ハンガリーのギタリスト、ガボール・ザボのライブ・アルバム『The Sorcerer(1967年)』もすごくいいぞ!クリーン・サウンドといえば聴こえはいいけど、よくもマァこんなペラペラなサウンドで弾けるナァ~…みたいな。でもこれがいいんだナァ。昨日も聴いちゃった!ギタっていいナァ。
「Solitary Past」…これも実に三宅さんっぽい。このイントロのコード!1弦からE、Gb、E、Cかな?完全にディスコード。でも、これ一発で三宅ワールド全開だね。げに自分だけのイメージやスタイルを作りだすというのは大切なことだとつくづく思う。
アップテンポの曲を並べてギンギンに盛り上がるとかいう雰囲気ではないのだが、3人とも自分たちの音楽にドンドン入り込んで内面から白熱化していくさまがよくわかる。
そして、三宅さんが頭の中に描いている音を完璧に具現化していくのだ。
す、すごい!まったく同じポーズ!バンドがいかに一体化しているかの証拠か?!
「Petal」と「Virtue」を演奏して本編は終了。
今日はちょうど三宅さんの誕生日ということで、アンコールでは自分で自分にプレゼントが送られた。そのプレゼントというのはバースデイ・ケーキのような「モノ」ではなく「人」 だ。マーシャルを使う人…。
足元はこれ。
その「人」のマーシャルがコレ。
1974年製の1959。ヘッドの上の変圧器とテープ・エコーでもうわかっちゃうのね…。
もちろん大谷令文だ!
つまり三宅さんは自分への誕生プレゼントとして令文さんとの共演を選んだというワケだ。
久しぶりに接した令文さんのギター。 相変わらず最高の図太いトーンにしびれた~!「いい音」ってのはこういうのを指すことはマッチガイない!
2人が選んだ曲は、まず「Scatterbrain」。
オリジナルとは異なりスロー・テンポのアレンジ…と思いきや当然爆発!
ユニゾンで完璧にあのテーマを弾ききるサマは圧巻!
一音一音に魂が込められる!
影響を受けた大先輩を相手に一歩も引けを取らない三宅さん!誕生日だしね!
もちろん令文さんも容赦なし! めちゃくちゃスリリング!
2曲目は令文さんの名曲「Raven Eyes」。
もう完全に「ギターの鬼」と化している!
それにしてもカッコいい曲だ!令文さんのやることはすべて「ホンモノ」感がある。後日詳述しますね。
この曲は間違いなく三宅さんのリクエストなのだろう。そういえばノンちゃんも「Raven Eyesいいんだよな~」って言ってたっけ…。
2人ともデカイから迫力があるのなんのって!
三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Yosuke Miyake's Strange, Beautiful and Loud
大谷令文の詳しい情報はコチラ⇒大谷令文ホームページ
最後はギター・デュオでGary Mooreの「Sunset」を厳粛にプレイした。
冒頭に書いたように「いいライブ」になるということはわかってはいたけど…素晴らしかった~!
お誕生日おめでとうございます!
(一部敬称略 2012年12月19日三軒茶屋Grapefruit Moonにて撮影)