LEGEND OF ROCK at 日比谷野音 vol.5 <中編>
続いての登場はTHE BEGGARS。
このバンドもLEGEND OF ROCKには欠かせない貴重な存在だ。
THE BEGGARSって私が高校生だった頃から活動してたけんね。メッチャ、ベテランよ。長いことお休みをされていて20 年ぶりぐらいに再結成されたとのこと。
サスガその演奏、成りきり度、安定感は素晴らしい。しかも、MarshallのThe Rolling Stones!こんなのココでしか観れねーゼ!
ところが…ですよ。Marshall Blogを長年ご愛読頂いている方々はとっくにお気づきのことと思うが、ストーンズ関連の話題ってほぼ出て来ないでしょう?『名所めぐり』にすら出て来ない。
ナーンでか?
ひとつにはストーンズがMarshallを使わないってことがある。「じゃ、何でビートルズは取り上げんのさ?」ということになるね。
ハイハイ、面倒だから正直に言うけど、私、The Rolling Stonesまったく通ってないんですよ!
私も中学生の頃から万単位でLPやCDを買って来たけど、ストーンズのCDがウチの棚にはじめて納まったのはここ数年のことなのよ。
「なんだ、ブリティッシュ、ブリティッシュって騒ぐ割には片手落ちじゃないか!」と怒られそうだけど、いーのいーの。
でも、長いことロックを聴いているので、LPやCDは持っていなくても代表曲は知ってますよ。
『Charlie Is My Darling』が初めて日本で公開された時も観に行ったし(司会が渋谷陽一氏で、本編の前にCheap TrickのPVが放映された。まだこの時はデビュー前で、オッソロしくカッコいいバンドがこれから出て来るんだナァと感心した)、『Gimmie Shelter』も映画館で観た。
でもなんか子供の頃からシックリ来ないんだよね~。なんでなんだろう。
ということで、ストーンズについては書くことができません。
なので短めなんだけど、THE BEGGARSのステージはよかった!
拝見したのは2度目。相変わらず一種独特のロックンロール感が際立っていた。
女性のボーカルも加わって「Gimmie Shelter」やら「Honky Tonk Women」を大熱演!
ちなみに私が一番好きなストーンズの曲は「Street Fighting Man」です。
THE BEGGARSの詳しい情報はコチラ⇒THE BEGGARS official web site
座椅子ジョプリンの登場だ。
曲は『Pearl』収録の「Mercedes Benz」。
一番で「神様、ベンツ買ってくれない?」…これはいい.。でも、なんで二番ではこれがカラーテレビなんだろう?テレビぐらい自分で買えばいいのにな…なんて思いませんでしたか?
そんなこと言っちゃいかんか。
歌詞に出て来る「Dialing for Dollars」というのは1950~70年代にアメリカとカナダで放映されたローカルのテレビ番組。
番組の冒頭に何がしかのパスワードを発表しておいて、番組の途中で予め申し込んでおいた視聴者にいきなり電話をする。その時、電話に出た人がそのパスワードを言えれば賞金がもらえる。もし答えられなければその賞金は次週にキャリー・オーバーとなる…って今でもこんなことやってる。そういう番組。
で、ジャニスは「Dailing for Dollars is trying to find me、つまりDaialing for Dollarsが私を探し出そうとしてくれている」と歌っている。すなわち、もうちょっとで私に電話をかけてくれるかも知れない…と言っているワケ。
1971年10月1日にワンテイクで収録されたア・カペラ曲。ヒッピー時代の消費主義に対する一種のプロテスト・ソングと言われている。
ジャニスはコレを吹き込んだ3日後に亡くなった。
ずいぶん多くの人にカバーもされていて、Taj Mahalのはカッコいいよ。Elton Johnもコンサートでは歌ったこともあったらしい。聴きたかったナ。
もうね、ここはですね、私もJim Marshallに成りきってシャッターを切ったね。
Jim Marshallと言ってもウチのJimじゃなくて写真家のJim Marshallね。少しはそれっぽいかな?うまく撮らないと熱唱している座椅子さんに申し訳が立たんからね!ほんの数分の出番だったけど、十分にその存在感を示した!
座椅子ジョプリンの詳しい情報はコチラ⇒ナニゲに座椅子です
この辺りからLEGEND OF ROCK at 日比谷野音 vol.5も後半に入って来る。陽も落ちて来た。
トリ前に登場したるは JIMISEN!
Jimi Hendrixのトリビュート演奏を観るのも久しぶりだナァ。
JIMISEN
一曲目は「Hey Joe」だ。
こんな始まり方もいいな~。ところで「Hey Joe」という曲はジミのオリジナル・ソングではござらんよ。アメリカのシンガーソングライターのBilly Robertsという人の作品。
チャス・チャンドラーがジミを初めて見た時からこの曲をシングルでリリースしようと決めていたという。
そのせいか、ナントナント、あの有名なイントロのメロディもジミによるものではなく、ロバーツの完コピなのよ。
しかも、この曲は「トロイメライ」のような歌謡一部形式。サビもなくて、最初から最後までメロディがひとつしか出て来ない。このシンプルさがジミにピッタリとチャスは見抜いたんだろうね。
続いては「Spanish Castle Magic」。「The Spanish Castle」とはシアトルにあったジミが高校生の時に入り浸ったダンス・クラブの名前だ。
こういう曲はピッタリとハマるね!
お客さんも「待ってました!」とばかりにこの有名なリフに合わせて首を振る!
やっぱ破天荒に曲がカッコいいよね。
「Voodoo Chile (Slight Return)」。大ヒットパレードだ~!
JIMISENはもう汗みどろの激演!
熱心に聴き入るお客さんたち!
そして。もちろん〆は「Star Spangled Banner」から「Purple Haze」だ!
やっぱり三段積みじゃないとね!
そうか、もうそろそろJimi Hendrixの命日だね。9月18日、43回目だそう。
死後60年経った現在もCharlie Parkerのアルト・サックスを超える者が現れないように、いくら指が速く動こうが、右手を使おうが、Jimi Hendrixを超える者も未来永劫現れないであろう。
それはジミのギターがあまりにもオリジナリティに満ち満ちていたこともさることながら、音楽家として素晴らしい曲と歌唱を残し、カッコいいパフォーマンスを展開したことも大きいのだと思う。
しかるに、こうしてジミの偉業をこうして構成に伝承するのは実に大きな意義を持っているのだ。素晴らしい演奏だった!
JIMISENの詳しい情報はコチラ⇒JIMISEN Official facebook
LEGEND OF ROCKの詳しい情報はコチラ⇒LEGEND OF ROCK WEB
<後編>につづく
(一部敬称略 2013年7月15日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)