QUORUM at 鹿鳴館
ク~、QUORUMやっぱりタマラン!鳥肌が立ッちまう!
前回マーブロで紹介したところ「そんなにカッコいいのか?!」と反響も上々。カッコい~いんです。
早くも2回目の登場と相なった。
今回もイベントでの登場であったが、前回のレポート時のライブより時間も若干長くよりQUORUMの魅力に接近できた。
もうね、「ホンモノのロック」とか何とか言うことは、ことQUORUMに関しては言わん!メンドクサイ。それほどズバリ!だということだけ知っておいてもらえればいいや。
ま、そうは言っても興味があるのは、彼らと同世代で音楽をやっているロックの黄金時代を知らない連中がQUORUMを聴いてどう感じ、どう思うかを知りたくはあるわな。
どうなんだろ。
やっぱりいいバンドはキャラクターも立っていなければならない。QUORUMも真太郎+達也組と遊太+幸人組に分かれる初期のCheap Trickのようだ。もちろん、Rick NielsenとVan E. Carlosのようなコミカルさはない。4人ともすこぶるカッコいいぞ!
で、このバンド、ファインダーをのぞいていて気が付いた。ひとりひとり撮るのもいいのだが、4人集まったバンド単位で撮影した方が圧倒的にまとまりがいいのだ。早い話し、演奏中の4人の姿がものすごくフォトジェニックで絵になるのだ。
この手の音楽でギターにMarshallを使わないなんてナンセンス極まりない。
1959や1987等のVintage系のモデルを使ってもらいたい人の筆頭だ。
キタキタキタキタキタキタ~!!!!コレコレコレコレコレ!!!このシンプルなリフに乗って展開するハードなロック!
ク~、タマランの~。
それで、サビのメロデイがちょっぴりキャッチーだったりするんだよね。これぞハード・ロックの定石よ!
私的には今のところもっともQUORUMらしい曲だと思っている。ソロの後のギターのカッティングのパートがアホほどカッコいいわ!
こういうことをサラっとやってしまうところに遊太のに底知れぬ才能を感じるわ。
達也のストレートなドラミングがまた実にシックリくる。
もちろん真太郎のロック極まりないボイスなくしてはこんな曲は演れない。
「Quorum」というのは辞書を引くと「定数」という意味であることがわかる。それで先回のレポートにタイトルを「ロックの定数」としたワケだが、どうもこれとはまったく違う歴史がこのバンドの名前にあることを聞いた。
もともとこのバンドは「REDRUM(レッドラム)」と名乗っていた。
REDRUMといえば、私にとっては当然キューブリックの『シャイニング』。シェリー・デュバル扮するお母さんが、鏡に映った「REDRUM」に戦慄するシーンはあまりにもショッキングだった。鏡に映った「REDRUM」の文字が反対になって目に写り「MURDER」となる。「MURDER」とは「殺人」を意味する。「REDRUM」は「MURDER」のBackword(逆さ綴り)だっというワケ。
ダニー坊やが泡を吹きながら「redrum」と繰り返すシーンも印象的だ。…ということとはゼンゼン関係なくて、このバンドのメンバーは午年生まれが多く、「レッドラム」という競馬馬からバンド名を頂いたそうだ。ところが、「レッドラム」というバンドが他にもゴロゴロ存在することがわかり、その「レッドラム号」のお母馬である「クォラム号」に乗り換えたという。
QUORUMの音楽をもっとも「ロック」たるものに演出しているのは、真太郎の声やヘビィなリズム隊であることは言うまでもないが、最も重要なポイントはギター・リフを多用した曲作りにあると思う。
本来「ギター・リフ曲」というのは、ギターが奏でるテーマ・メロディを曲中でも連続して使用される作曲パターンを指す。「繰り返す」という意味だからね。
この名手は何と言ってもMichael Schenkerであろう。UFOの「Rock Bottom」、「Natural Thing」、「Mother Mary」、「Too Hot to Handle」等々の代表曲のほとんどがこの手法で作られている。
まず、カッコいいギターのフレーズを作るのが至難のワザでしてね。短3度と減5度の音を使えば何となくブリティッシュ・ロックっぽいものができるのだが、素人がやるとすぐにイモっぽくなってしまう。
よしんば奇跡的にカッコいいフレーズを作れたとしても、今度は展開部に苦労してしまう。まさか1曲ズット同じってワケにはいかないからね。
それでよく使われる手法が「転調」だ。レニー・クラヴィッツの「♪ティーリラタッタタッタ~」ってヤツがいい例だ。これはあまりおもしろくない。
ただでさえ作るのが困難なギターのカッコいいフレーズに今度は歌のメロディを乗せなけでばならないのだからタマッタものではない。UFOは偉大なのだ。
しかし、今ではこの「リフ」という言葉はイントロなどでギターによって奏でられるテーマ的なメロディを指すだけになった。
それでもカッコいいリフを作る難しさに変わりはなく、ギター・ヒーローの消滅と時を同じくして洋の東西を問わずカッコいいリフというものが聞かれなくなった。
あるいはいいギター・リフのアイデアが枯渇したためギター・ヒーローも消え失せてしまったのかもしれない。ま、みんな飽きちゃったんだろうね。
そして、同時にパンクやらニュー・ウェイブの台頭とともにロック・ミュージックのイントロはギター・コードのストラミングに姿を変え、「ギター・リフ」は葬り去られた。
で、QUORUMである。
ストレートで実に気持ちのいいギター・リフが用いられている曲が多いのだ。だからロックを感じるのだ。もう、何回も言ったか…。
今回もDeep Purpleの「Storm Bringer」を演奏した。
このバンドにマッチした曲だと思う。実にカッコいい。
でも、聴きたいのはQUORUMのオリジナルなんだな~。
曲をゼンゼン知らないバンドを見に行ってカバーよりオリジナルの方を聴きたくなるバンドなんて本当に久しぶりだ。かつてはFuzzy Controlがそうだった。
もちろん内容としてはお定まりのテクニックのぶつけ合い、ひけらかし合いなのだが、相手の邪魔をしたりしてとても愉快なのだ。
ベースのフレーズ攻撃を受けて立つ遊太。
最後はサオを銃に見立てての撃ち合い!
バキューン、バキューンって!
ちゃんと楽器が弾けるからこうしうおフザケをやっても実にサマになるな。
遊太がしっとりとブルースを弾く。
こういう人はまたブルースがうまいんだよね~。才能に年齢は関係ないな~。
遊太のギター・ソロがまた素晴らしい。音は太いし、ダイナミック・レンジがおそろしく広くエモーショナルなのだ。
そして、トラディショナルな定番ロック・フレーズとコンテンポラリーなフレーズが絶妙にミックスされていて、本当にスリリングだ。ライト・ハンドだのタッピングだの、無意味な速弾きなんてゼンゼン必要ないって!
こういう才能に満ち溢れたヤツって時々いるんだよね。まだ20代前半で恐ろしいっつーの!
クロージングは「Limousine」。これまたQUORUMの魅力満載のへヴィ・チューンだ。
今回は約1時間のステージで10曲を披露した。
ま、これは大きなお世話なのだが、QUORUMが日本から出てきたことはうれしい。アメリカにはThe Rival SonsやBig Elfがいる。オーストラリアからはElectricMaryががんばっている…
イギリス勢はどうなったのだろう…?The Darknessは?The Answerは?The Treatmentぐらいか…。
ことあるごとに書いてきたが、いいバンドがイギリスからも出て来て欲しいのだ。当たり前のことだが、ブリティッシュ・ロックの本場じゃないか!だから若い人たちに「UKロック」なんて呼ばれちゃうんだぞ!反対にQUORUMはイギリスに攻めて行ったらおもしろいナ。
イギリスの若い連中、QUORUMを観たらどんな反応をするだろう…見てみたいものだ。その日は案外早く訪れるかもしれないじゃん?
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