LIGHT BRINGER らぶりーみゅーじっくつあー 2013 〜 To Infinity And Beyond
日本人って名前を省略するの大好きだよね。それは我々が使っている言葉が表音文字だからだと思うんだけど、何でも省略しちゃう。
英語圏の人たちもやるけど、単語単位で省略していくせいか、どうも扱い方が違う感じがする。
例えば我々がよく言う「V.I.P.」も「ビップ」とは連中は読まないで「ヴィ・アイ・ピー」と読む。その割には「As sonn as possible」を「ASAP」とやって「アサップ」と読む時もある。読み方に規則性がどうもあるようには見受けられない。英語はアルファベット一文字ずつの読み方が変化するからかもしれない。
最近は日本人でも「LOL(Laughing Out Loud)」なんて書くようになってきた。日本だといわゆる(爆)とかいうヤツだ。「R.I.P」なんてのも使うようになったけど、日本人がコレをやってもまったく故人を悼んでいる感じがしないので私は絶対に使わないようにしている。
英語圏の子供たちがよくやるのが文章を単語の頭文字で綴って、意味を当てるクイズ。例えば「ILV」ってな~んだ?みたいなヤツ。これは簡単「I Love You」。こういうヤツね。これはネイティヴかそれに近い人じゃないとまったく歯が立たん。
なんだってこんな話をしているのかというと、今日の主人公のバンド名にひとつ感ずるところがあったからだ。
Light Bringer…略して「ラブリー」。
初めて聴いた時は結構驚いたね。だって普通は「ライト・ブリンガー」を和式に省略したら絶対「ライブリ」になるはずだから。
これも若い人の感覚なんでしょな…。
とても結構なことだと思う。いい愛称を持っているのはいいグループだという証拠だ。
今日レポートするのは『LIGHT BRINGER FM-FUJI 25th Anniversary LIGHT BRINGER らぶりーみゅーじっくつあー 2013 〜 To Infinity And Beyond』と題したツアーの千秋楽。恐らくこれはマーブロ史上最長のツアー・タイトルになる。
実はLight Biringerは以前のマーブロに出て頂いたことがあった。X.Y.Z.→Aやガーゴイルに混ざって登場したイベントの時のことだ。
あの時はメジャーデビューを目前に控え、ベテラン勢に一歩もヒケを取らない実にエネルギッシュな演奏を聴かせてくれたものだった。
もちろん!今回もその時の演奏に円熟味みを加えたスペクタキュラーなものだった。
Yumiの5人だ。
こうした音楽には当然Marshall。Marshallを使っていなければウソだ。
JaYの愛器は1995年に世界で200台のみ限定生産された2003の復刻モデル。ヘッドの左上とキャビネットの左下には「2203 1995Limited Edition」と銘打ったプラークが付いている。
詳しくはマー本、『Marshall Chronicle』をご参照アレ。
Van Halen以降のコンテンポラリーなプレイング・テクニックを駆使した超絶技巧はラブリーのステージのみどころのひとつだ。
JaYのプレイはコンサート中盤でタップリとフィーチュアされた。
大人気のFukiちゃん。きらびやかなルックスと持ち前のハイトーンを駆使したパワフルな歌いっぷりで満員の観客をノックアウト!
1曲目は「Hyperion」。出ましたね~、Robert John GodfleyでおなじみのHyperion。『ミュージック・ジャケット・ギャラリー』でやりましたね~。まさかhibikiちゃん、The Enid好きなのかな?
パワーとテクニックが融合したラブリーの魅力が満載された曲だ。
ギターとのハモリも難なくこなすMao。キーボード・ソロのコーナーも素晴らしかった!
こちらも新加入のYumi。複雑に展開する曲を完全に咀嚼し、猛烈にバンドをプッシュする。
2曲目はKing Crimsonの同名異曲、「Fallen Angel」。
そして「Merrymaker」が続く。ストレートとドへヴィな曲だ。サビの展開が魅力的。
そして「If」~「Just Kidding」~「人形が見た夢」
ここでJaYのソロ。
無伴奏のア・カペラ・ソロでバリンバリンに弾きまくる!
キラリと光るテクニックにパッションを存分に閉じ込めたような重厚なプレイ。こんなコンテンポラリーなギターなのに着ているTシャツがデッドの「Skull and Roses」なところがまたおもしろい。こんなプレイをJerryやBobやPhilが聴いたらコシ抜かすぞ!
しかし、ベースの奏法も幅を広げたもんよのう。これがJames JamersonやChuck Raineyが弾いている楽器と同じとは思えん!
そういう味方をすれば、ここ数十年の間にバッキング&リズム楽器の枠を飛び越えて、最も活躍の場を広めた楽器はベースかもしねないな~…なんてhibikiちゃんのプレイを見ていて思ってしまった。
「ヘヘヘ、これがラブリーの楽器隊だゼ!マネできるもんならしてみろよ!」…と言っているかどうかはわからないが、こうした仕掛けだらけのテクニックを前面に押し出した曲はラブリーに大きな魅力のひとつであることは疑いの余地もない。
このイキも付かせぬ緊迫した演奏はこの日のコンサートのハイライトのひとつだった。
「Hydrangea」。
ここまで9曲中、7曲が今年5月に発表したアルバム『Scenes of Infinity』から。
もの悲しいピアノのイントロに導かれる「風」。
Fukiちゃんが感情をタップリと込めて歌い込むこうしたミディアム・テンポの曲もいい。
キーボード・ソロ。
こうしてメンバーひとりひとりのソロをフィーチュアするのは実にいいね。Yesみたいで。血のにじむような努力を重ねて習得したテクニックだもん、こういうソロ・コーナーの時はドンドンその技術をひけらかすがいいよ。大賛成。
Yumiのシャープなドラミングのすべてを見せてくれた!
コンサートも後半に入り益々熱気を浴びる。
「Venus」では「ホイッ!ホイッ!」で大騒ぎ!この曲かわいいな。
「Hearn's Heaven」
これすごくラブリーっぽい曲だと思うのです。
本編を締めくくるのは『Scenes of Infinity』から「Tales of Promise~天国に寄せるポエトリー~」。本編怒濤の15曲これにて完了!
そしてアンコール。
最近アンコールの時ってキマってオリジナルTシャツを着て出てくるでしょ。ラブリーは本編と同じ衣装で登場した。かえって新鮮だわ~。
最後の最後まで弾ききるJaY。やはり彼にはMarshallサウンドがピッタリだ!
2回目のアンコールは「Upstream Children」。
新メンバーを得て完璧に新しい境地にたどりついたhibiki。これからもクリエイティブなサウンドづくりに期待している。
Light Bringerの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト