GRANRODEO LIVE 2013 G8 ROCK☆SHOW <後編>
後編いきます!
ところで、「万里の長城と自分のMarshall Wallが世界2大壁」とイングヴェイは公言しているが、ナンノナンノ、GRANRODEOのステージにいつも所狭しと並べられているMarhallの壁もスゴイですぜ。
1959のフルスタックが上下合わせて10セット。これがなければGRANRODEOのステージにはならない。Marshall Wallの美しさ、カッコよさを熟知しているe-ZUKAさんのロック美学に他ならない。Rock Showには不可欠なアイテムなのだ。Marshall Stackにはロックの浪漫が詰まりまくっているということだ。
そして、実際にe-ZUKAさんのギターの音を増幅しているのはコレ。JCM2000 DSL50だ。その名が示す通り50Wのモデル。
何も100Wばかりが大型ギター・アンプではない。100Wモデルに比べて音量が控え目というだけでなく、50Wモデルには50Wモデルの鳴りというものがある。100Wのモデルほど派手ではなく、かといって地味というワケでもなく、コンパクトな鳴りというか、何とも言い表しにくい独特の魅力があるのだ。これを求めてMichael Schenkerも筋肉少女帯の橘高文彦氏も50Wのモデルを愛用している。
以前、e-ZUKAさんはVintageModrnも愛用していた。
さて、後半というか中盤というか…ここでまた場面が変わる。
GRANRODEOのアコースティック・セットだ。
曲は「希望の彼方へ」。
おしゃべりも交えてホンワカムードのコーナー。
瀧田さんもアコベに持ち替え。
GRANRODEOのステージはMCも楽しい。
しっとりと歌うKISHOWさんの声がまたカッコいいのなんのって!
コーラス・ワークもバッチリとキマッタ!
ここでね~、またGRANRODEOに関心してしまったんよ~。
こうしてワザワザ転換してですよ、手をかけているワケで、これからアコースティック・セットをタップリと続けるのかと思ったら…
何とアコースティック・コーナーはこの1曲だけ。
やっぱり昨日書いた通り、GRANRODEOはRock Showが何たるかをよく知っていると思ったね。もうとにかく外に出て暴れまわりたがる小さい子供のようだ。
そうして怒涛の後半戦へと突入する。もうここまで来るとお客さんも後はブっ飛ばしまくることがわかりきっているので、会場の温度がジワリと上がった感じがしますな。
まずは「RIMFIRE」。
スカっと決めるロック・ビート。GRANRODEOの真骨頂。
この曲いつやるの?今でしょ!
ジーナちゃんを背負って豪快にプレイ!
ひたすら楽しく演奏するのもGRANRODEO流。
しかしなんだね、とりわけe-ZUKAさんはいつも実に楽しそうにギターを弾くよね。
もうライブが楽しくて楽しくてタマらないって感じ。
だから見ている方も最高に楽しいのだ!
そして、このテクニック。正確なシュレッディングとエモーショナルなビブラート。 それに音色が色っぽいんだよね。冒頭で触れた50W感がよく活かされていると思う。
そんなギターだからいくら弾いてもらっても大歓迎。でも弾かない。e-ZUKAさんがGRANRODEOの音楽を、KISHOWさんの歌を大事にしているからね。ギター・ソロは曲を構成する一部。絶対に出すぎたりはしないのだ。このサジ加減がまたいいんだな~。
これでもか!と幾重にも押し寄せてくるハードなトラックたち。
「メズマライズ」。
「Mesmerize」とは「催眠術をかける」という意味。同じ「催眠術をかける」という意味で「hypnotize」 という単語があるが(Fleetwood Macに「Hypnotized」というBob Welch作の名曲がある)、こっちは懐中時計を目の前で揺らせて眠らせて質問に答えさせちゃうヤツ。
GRANRODEOの方の「催眠」は、魅力で相手をくぎ付けにしてしまう催眠術だ。まさにこの曲のタイトル通りではあるまいか?!
ステージ周りを縦横無尽に爆走するe-ZUKAさん。KISHOWさんに負けない驚異のエネルギーだ!
これだけ走り回って、暴れまわって、自分のパートが来るとビシッとソロをキメて見せる。大変なことですよ。
「アウトサイダー」 ときて…
「modern strange cowboy」。
ここで意外にも雰囲気を変える。
ピアノに向かうe-ZUKAさん。曲に入る前にツラツラっと弾いたメロディはJohn Coltraneの「A Love Supreme」の「Part 1 -Acknowledgement」の断片だったのを私は聞き逃さなかった。
だだっ広いステージにグランド・ピアノが1台、そして2人のロックンローラー…絵になるね~!
♪We wanna rock'n'roll!
一転してストレートなエイト・ビートに会場が揺れる!
昨日触れたポールの「Venus and Mars/Rock Show」、Argentの「God Gave Rock'n'Roll to You」…これまでにもゴキゲンなロック讃歌があったけど、この曲も最高だ!
それにしても信じられないくらいのパワーだ。最後の最後まで全く手を抜くことなくシャウトし続けるKISHOWさんの姿は真のロックンローラーだ!
KISHOWさんが観客をアオるたびに場内の温度が上がる!
VALさん、渾身のドラミング!隙間からカメラ目線ありがとう。フォト・クレジットがデカくてゴメンちゃい!
初めてGRANRODEOのコンサートにお邪魔した時には驚いたものだ。ファンの男女比が拮抗しているといっても過言でないぐらい男性ファン、つまりRODEOBOYが多いのだ。
そのRODEOBOYたちの多くがe-ZUKAさんのギタープレイに憧れていると信じている。「ギターってカッコいいな~」ってね。
それで彼らは「いつかはe-ZUKAさんのようにステージに立って、Marshall Wallを背中にギターを弾くんだ!」と決心していてくれればうれしい限りだ。
1回の公演で1万人。半分が男の子として、その半分がe-ZUKAさんファンでギターを弾きたいと仮定すれば、難なくMarshallが2,500台売れる計算になるな…シメシメ…イヤ待てよ、最近は女の子の方が元気あるからな…。RODEOGIRLもジャンジャンギター弾いてくれるとして…ヒヒヒ…ということはもっとMarshall売れるか?
…なんてことは考えてはいませんから!!! ご心配なく!
RODEOBOYのみなさん、RODEOGIRLのみなさん、ギターってカッコよくておもしろいもんですよ。e-ZUKAさんを見てるから釈迦に説法か…。とにかく何かをやるには憧れのヒーローやヒロインが必要だ。そしてもっとギターに必要なのはいい音楽なんだよ。
みんなにはGRANRODEOのロックがあるし、e-ZUKAさんという最高のギター・ヒーローがいる。ギターをやらないと損するよ!
それじゃいつギター始めるの?今でしょ!…もういいか。
こうして本編が終了。終わっちゃったよ~。
そしてアンコール。
「Once & Forever」…
「Darlin'」…
Van Morrisonじゃないけど、もうこうなっちゃうと誰にも止められない!
ステージだけじゃ狭すぎる~!客席通路でも激演!
MCをはさんで「桜色第2ボタン」。 この曲では天井から桜色の風船が!
その数、3万個!曲の美しさもあいまって、最高の空間が目の前に現れた!
まだまだ観たい聴きたい会場の歓声に応えてダブル・アンコール。
曲は当然「Go for it !」。
お客さんとバンドのコール&レスポンスはコンサートのハイライトのひとつ。
KISHOWさんの「さぁVALさんいってみようか~!」というのがメッチャかっこいい!
そしてKISHOWさん…
じゃーんぷ!
こうしてアンコールを含めた全23曲が終了した。
会場中のお客さんにお礼のあいさつをして回るメンバーたち。
リズム隊の素晴らしい演奏も感動的だった。
アタシャこの会場で一番歳を取ったRODEOBOYだったんだろうナァ~。RODEOジジイだ。でも最高に楽しんだぜ!写真もいいのがたくさん撮れた!
ポップでありながらロック。ロックでありながらポップ。 GRANRODEOはテレビで見かける凡百のバンドっぽい歌手たちとは一線を画す。どうちがうかといえば、GRANRODEOはロックなのだ。
KISHOWさんの破天荒にカッコいい声、e-ZUKAさんのギター・リフにスリリングなソロ。高い曲のクォリティ。このふたりのやっていることはロックの必要条件を満たしていると思う。それに何としてもお客さんを楽しませようという至高のエンターティナー魂。
テクノロジーの進歩によってさまざまな局面で取り組み方が異なっているのであろうが、GRANRODEOのやっていることの核は黄金時代のロックのそれと大差ない。言い方を換えれば、黄金時代のロックの核を引き継いでいるのだ。
RODEOBOYもRODEOGIRLも私の子供たちと同じか、それより下の世代だろう。しかし、彼らや彼女がGRANRODEOのロックを古臭いと感じることはあるのであろうか?
あるハズがない。だからこうして一声で1万人や2万人もの若者が集まるのだ。
GRANRODEOの音楽はKISSやギターヒーローがウジャウジャいた時代の音楽に薫陶を受けたe-ZUKAさんの感性が元になっていることは論を俟たない。
若者たちだってそうした黄金時代のロックを楽しむDNAを持っているのだ。カッコいいものを希求するのは人間の自然の摂理なのだ。今日ここに集まった、また明日集まってくるファンは幸運にもGRANRODEOの音楽を通じて、「いいロック」を知った。
どうか若い人たちにはいいロックを聴いて欲しいと思う。KISSをはじめとしたe-ZUKAさんがギターを練習しながら夢中になって追いかけたロック・アーティストをさかのぼってみてはどうだろう?GRANRODEOの音楽がもっと面白くなるかもよ!
ちなみに以前は過去の音楽にあれほど興味を示さなかったウチの子供は、ドンドン音楽をさかのぼって聴いている。Zeppelin、Purple、Sabbath、Crimson、お気に入りはEmerson, Lake & Palmerのようだ。どういう風の吹き回しか尋ねてみたところ、返ってきた来た答えは…「だってカッコいいじゃん!もう最近のは飽き飽きだよ」…だそうだ。彼はRODEOBOYではないが、GOODBOYだ!(下の子はKISHOWさんファン)
GRANRODEOの音楽はKISHOWとe-ZUKAという2人の才能が化学反応を起こして生まれた真のロックなのだ。
ロジャーくんもジーナちゃんもダンサーも全員勢ぞろいのグランド・フィナーレ!あ~おもしろかった。
昨日も書いたようにどうしても抜けられないプライベートの用事があったので、この翌日の公演『FLASH NIGHT』にお邪魔することができなかったのが返す返すも残念だ。翌日のセットリストを見せてもらったが、今日とほとんど違う内容だ。何たるサービス精神!観たかったな~。そして、マーブロでレポートしたかった!
7月20&21日には富士急ハイランドで「夏の野外ライブ」2daysが開催される。これも楽しみ~!また取材行かせてもらっちゃおうかな~!
GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website
(一部敬称略 2013年4月20日 横浜アリーナにて撮影)