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ライブ・レポート Feed

2016年9月23日 (金)

塚本"JOE"旭 Presents 平成カレー大戦ぽんぽこ Z

ムガール帝国の第五代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのために造った総大理石の墓廟、「タージマハル」の前で半裸でポーズを取っているのが塚本"JOE"旭…TORNADO-GRENADEのボーカルだ。
このタージマハルってのは一度見てみたいナァ~。
インドの音楽も好きだし、興味があっていろんな文物に目を通すたびに行ってみたくなる国ではあるが、ま、行かないだろうナァ~。
暑いところがあまりにも苦手なのだ。
でも、例え暑くても最近ものすごい勢いで行きたい気持ちが燃え上がっているところがある。
それは、インドネシアのバリ。
目的は断じてリゾートやらフードではなくて、本物の「ケチャ」を見てみたいのだ。
でも、もしお金や時間ができたらやっぱりロンドンへ行っちゃうだろうな~。
さて、今日は『平成カレー大戦ぽんぽこ』なるイベントの二回目のレポート。
「ロックとカレーの融合」を標榜する企画。

10_fl会場のロビーにはカレーのコーナーが設置される。

20カレーは白山にあるインド料理店「SURAJI(スーラジ)」の提供だ。
カレーはもちろんのこと、その他のメニューも豊富で、SURAJIのメニューはどれを食べてもおいしい。
チーズ・ナン、チョコ・ナン等、ナンのバリエーションも多く、丁寧な仕事がうれしいワケ。
マスターもママさんもとてもフレンドリーで居心地も満点!
マスターのお客さんに対するカレーの辛さへの気配りは尋常ではないからね。
「辛さが足りなったら辛くしますよ!」と何回も確認してくれる。
実はこのお店はTORNADO-GRENADEのギターの雄太くんに教えてもらったのだが、スッカリ気に入ってしまって、以降ウチはインド料理となると、まったくこのSURAJIでしか食べなくなってしまった。
でね、トイレがまた面白い。
コレはタンクの上に貼ってある注意書きなんだけど、最初、パっと見た時、英語が併記してあるのかと思ったら違うじゃない?
ああ、インドの方も多くお見えになるから何か独特な文字表記をしているのか!と思い、ジックリと読んでみると…アレ、コレ日本語じゃねーか!
日本人は日本語を読むってば~。
ようするに平仮名にアルファベットでかなを振っているワケ。かわいい!

4_img_1710_2 「新堀ギター教室」の広告もシブい!

口コミはココ⇒食べログ

Suraji 今日のメニューはキーマ・カレー+ターメリック・ライス。
おいしかった~!

40SURAJIから出張してきたスタッフ。
TシャツのオジちゃんはSURAJIのマスター。
この後、辛さの様子を確認しに(?)会場に現れた。

50さて、ロックの部。
この日は3バンドが登場し、それにオープニング・アクトが登場した。
それがこのEternal Fantasia。

60エネルギーあふれるハードなサウンドでオープニング・アクトの大役を難なくこなした。

Img_0051 二番手に登場したのはHELL DUMP。
Marshall Blogには初登場なのでチラリと紹介しておくと、2010年結成の茨城のバンド。
「熱い、ダサい、イモくさい…三拍子そろった茨城県筑波研究学園都市のロボット・テクノロジーが生んだ人造人間」だそうだ。
イロモノ界の頂点を目指している。

70ボーカル/ギターのサタン鈴木。

80ギターはアメーバ伊澤。

90ベースにパイソン大塚。

100マグニチュード森田がドラム。

105vイヤ~、面白かった。
「イロモノ」といえば完全に「イロモノ」だけどすごくヨカッタ。
巷間には「ロックとお笑いの合体」をよくは思わない人も多いようだが、私はゼンゼン平気。
私のひとつのモットーは「Make 'em laugh, make 'em laugh! Don't you know everyone wants to laugh?」なのだ。
コレは映画『雨に唄えば』でドナルド・オコナーがアクロバチックなダンスに乗せて芸人の心得を説く作品中の大きな見どころのひとつ。
「芸人は笑わせてナンボ」ってこと。
私なんかはどんなカッコしていようと、何をやろうと面白ければいいじゃん?と思うね。
ただし、下ネタや人に迷惑をかけたりすることは厳禁。
ロックは、一般化したのと同時に、我々世代の知るロックとは違うもにとなったことをようやく受け入れるようになったな、最近。
このHELL DUMPはトラディショナルな手法でコミカルなへヴィメタルを演じている。それも特段新しいモノではないし、演奏がズバ抜けてスゴイというワケではないが、ロック・バンドとしてものスゴイ魅力を持っている。
それは、サタン鈴木の「声」だ。
久しぶりにこんなロックの声を聴いた。
若いロックバンドではまずこんな声は聴けまい。

110コレはHELL DUMPのファースト・フルアルバムに未発表曲を追加した『PRETTY HORROR SHOW -4tダンプエディション-』。
「PRETTY HORROR SHOW」のロゴ・デザインを見ればわかるようにコレはもちろん「ROCKY HORROR SHOW」のパロディだが、そこにはフランクンフルター博士もリフ・ラフもジャネット・ワイスの要素もない。
「-4tダンプエディション-」のブロック体の手作り感がなかなかに衝撃的だ。
コレがですね~、一種のコンセプト・アルバムになっていて、私なんかすごくいいと思っちゃうのね。
人造人間ということで年齢は存じ上げないが、今時こういうことをやってくれるのはモノスゴクうれしい。

120cdステージでは疾風怒濤の激情パフォーマンス!
「殺人力士」という曲にはヤラれたな~。

140

ただ今、給油中…人造人間だから。
この衣装!アメフトのバックス用のショルダーだよ。ウチのセガレ、アメフトやってるんでこういうのが家の中にゴロゴロしてる。
いいな~、手作りの人造人間!
誰かの衣装に似ていると指摘した人がいたけど、いいんじゃない?大変だよ、バンド全体で毎回こんなことするの。暑いし。
そもそもロックなんてマネの積み重ねでできているエンタテインメントなんだから。こんなことに目くじらを立てる必要なんて何もない。デッド・コピーよりははるかにいい。
ロックだけじゃなくてジャズもクラシックも同じ。
エンタテインメントはほんの一握りのインベンターと、少しばかりのイノヴェーターと、数え切れないコピーキャットで成り立ってんだもん。
最近クラシックを頻繁に聞くようになって少しは大人になったな…オレも。ロックを含めていろいろなことが見えてきたような気がする。
160v
MCもチャンと仕込んであって抜かりはない。
ちょっとした小芝居がハードな演奏とうまい具合に組み合わさって見るものを飽きさせない。

150vしかし、この声!
こんな図太い声、一体何年ぶりに聞いたかな?
ま、私も仕事がらずいぶん色んなタイプのロックを聴かせてもらっているが、メチャクチャかっこいいハードロックを演っているのに、チリッチリのビブラートのハイトーン・ヴォイスが入って来てガックシ…ということがたくさんあってね。実にモッタイナイと思う。
もちろんコレは60~70年代のロックをロックと思っているオッサンの見方なんだけどね。
アルバムに「Girochin」という曲が入っているんだけど、この歌でも声なんてまるで外人みたいだもん。
この人、本当に外人に混ざって歌っても一歩も引けを取らないと思うよ。っつーか、声楽できるんじゃないかしら?
こういう声でロックは聴きたいもんだ。

130v そのサタンの声をサポートするバンド陣もイカしてる。
演奏力というよりはアレンジ。複雑に入り組んだたくさんのキメをバシバシこなしてステージをドラマチックに演出する。
要するにチャンと作り込んでいる音楽ということだ。
また見たいな。

170vHELL DUMPの詳しい情報はコチラ⇒WE ARE HELL DUMP!!

180三番手はトニーバンド。
すごい盛り上がり!

190中国語圏で圧倒的な人気を集めるセクシー男優、トニー大木を中心に2014年に結成された。
台湾での人気ぶりはすさまじく、中国でも大きな支持を得ているそうだ。
このイベント、メッチャ間口広いな~!

200vそして、トリはこのイベントの主催者が登場するTORNADO-GRENADE。
相変わらずタイプしにくい!

210塚本"JOE"旭

210v松浦カズマ

220v今日はJCM2000 DSL100と1960A。

230v真壁雄太

240vもちろん自慢のSilver Jubilee 2555Xと2551BV。

250v寺沢リョータ

260vドラゴンシャドウ村田

270vNATALはメイプルのホワイト・メタル。

280いつも通り「快調」を絵に描いたかのようなゴキゲンなハードロック!

290今回も最新アルバムの曲を中心にステージを展開した。
「Love Never Dies」…「die」に三単現の「s」がついているので、この「Love」は「恋人」という意味か?
「愛情」という意味の「love」はどこまでいっても不加算だから受けた動詞に「-s」がつくと「恋人」という意味になる…ハズ。

300カーニバル・フィンガーのソロ炸裂!
320

これがその最新アルバム『Loveruptopn』。

305cd典型的なハードロックスタイルでスタートする「Rise up to the win」。
そういえばこの曲のレコーディングの時に雄太からSURAJIを教えてもらったんだっけ。
その日のうちに行った。
こんなことまず普通はしないんだけど、ナゼかあの時は行ってみた。
今はしょっちゅう行ってる。

310おなじみのアクロバチック・ルーティンも完璧にキマった!
まずはJoeのモモの上でひと弾き。

340肩に上って、ハイ、ポーズ。

350そして後ろにバッタン!
昔、Nils Lofgrenというギタリストがいて、「ギターを弾きながら宙返りをする」という噂を聞いてビックリしたが、ホントだったのかね?
いつも登場してくれる中野のシゲさんはバック転はお手のものだよ。昔、器械体操で国体の三重代表で出場したことがあるぐらいだから。弾きながらはムリだよ。
実は私も高校の時にコレをやったことがあった。コンディション・グリーンが盛んに活動していた頃でね。
こんな逆さにはなれないけど、自主コンサートでボーカルのヤツに肩車してもらってギター・ソロを演ったことがあった…古い話よ。

360オリャ~!
ちゃんとソロ弾いてます。

370v体重制限のせいかカズマくんは上らないけど、リフにソロにとキレのよいプレイが見逃せない。

330

そして、こちらもシャープなドラミングが気持ちいいシャドウ。
エラく痩せたのにはビックリ!
控えめな彼のこと「イヤ~、夜炭水化物をチョット抜いただけですよ!」なんて言ってたけど、結構ガマンしたんじゃないの~?
若いからすぐ痩せるんだよね~。代謝の量がジジイとはケタ違いだ。

380最初聴いた時、絶対に「荒神見ない?」と歌っていると思ったのは「Cause in Midnight」。
「荒神」とは竈の神様のこと。

390vお~!
前回の西川口では演ってくれなかった「Love Blizzard」だ!
この曲、メッチャ好き。

400ナゼなら「3」だから。
「3」というのは三連のことね。要するにブギ。
今の若い人の間では絶滅してしまった音楽のひとつだ。
ブルース、ブギ、シャッフルの類は若いロックバンドの皆さんの頭の中には存在ない。
オイオイ、冗談じゃねーぜ!
Status Quo聴けって!どれだけカッコいいか!

410前作から「Storm is Blowin'」。
コレも胸のすくようなハード・チューンだ。

430

もう一発ドライビング・チューン「Ride on Fire」。
四人の息のあったキメはいつ聴いてもカッコいい!

440v

S41a0560

420v

S41a0191 もちろんあのグルグルも!
ホント、見るたびにうまくなってる!

450そして、テーマ・ソングの「Sex, Spice,Rock'n Roll」ではJOEくんがギターを手にした。

470メンバーひとりずつマイクを握って「Sex, Spice,Rock'n Roll」をお客さんとコール&レスポンス。
ま、雄太くんはこういうのお手のモノだわね。

480チョット恥ずかしそうなカズマくん。

490「なりきりタイプ」のリョータくん。

500 脱力系のシャドウ。
やっぱ、無理なダイエットだったのか?!

510はい、みんなで~!

520そしてJOEくんのサングラス芸。
写真はあるんだけど、この後の展開はこれからTORRADO-GRENADEをご覧頂く方のために前回同様秘密にしておく。

530盛り上がりに盛り上がって本編終了。
若々しくて見ていて実に気持ちがいいワイ!。

460

アンコールもバッチリキマって「平成カレー大戦ぽんぽこ Z」終了!
スモーク濃すぎ!

540TORNADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

550ライブ、遊びに来てね~!

この雄太くん、明日MASHAくんの新しいチームSilexでサポート・ギターを務めることになっている。
楽しみだ~!今頃ドキドキしてるのかな?
詳しくはコチラ⇒ 【Marshall Blog】飛べ!Silex!

560

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(2016年8月5日 大塚HEARTS+にて撮影)

2016年9月21日 (水)

KATAMALI KISSES THE SKY~KISS THE SKY編

『KISS THE SKY~The First Experience』と題されたKISS THE SKYとKATAMALIのダブへ…すなわちダブル・ヘッドライナー・ショウ。(Marshall Blogでは「ツーマン」とかいう言葉を使うことはありません)

10_2後半はKISS THE SKYの登場だ。

20_2中野重夫
P

小笠原義弘

40v_2KATSUJI

50v_2以前、シゲさんの還暦記念コンサート、『ワテロク』のところでも説明したが、このバンドは以上の三人が集まった基本ワン・オフ(一度きり)の形態を採っている。
「Kiss the sky」はもちろんJimi Hendrixの「Purple Haze」の歌詞からの引用。
それにShigeoの「S」、KATSUJIの「K」、Yoshihiroの「Y」を絡めている。
『Kiss The Sky』という未発表音源を含むJimi Hendrixのコンピレーション・アルバムもあった。「あった」というのは、このアルバムが発表された1984年当時は「未発表」であったが、今となってはそれぞれおなじみの音源になってしまっているから。
それにしてもジミヘンの音源ビジネスってのはスゴイね。手を替え、品を替え、いつの時代も途切れることがない。

5_img_2578_4今日のシゲさんのMarshallは…

60v_2JCM800 2203と1960BX。
Jimiがもう8年、あるいは10年長く生きていたらこんな組み合わせが実現していたかも?え?「Jimiにマスター・ボリュームは似合わない」って?
ごもっとも!

70vコレがシゲさんの正式なバックライン。
Jimi Hendrix Signature SUPER100JHのフルスタック3セットが目印だ。

80今日の足元のようす。
モノホンのUni-Vibe。専用のハード・ケースまで作って大切にしている。

90_2オガンちゃんはEDEN。

100ヘッドはWT-800、キャビネットはD410XSTが2台。

110vWT-800は製造終了していて、EDENのフラッグ・シップ・アンプヘッドは現在WTP-900に代替わりしている。

Wtp900_2 オガンちゃんの足元のようす。
青い年季の入ったFUZZ FACEはシゲさんが愛用していたものだ。
INとOUTジャックの場所が普通とは逆だから気をつけろ!

120_2一曲目は「Fire」。

130_fこの表情!
「気持ちええやんやん!」と心で言っているのであろう。

30v

今日もバッチリとアレンビックが似合ってる!

150vいつものソロだけど、いつもより熱気があるナァ。

140v 「となり」どころか「火の真ん中」のオガンちゃん。
コーラスうまいでね。

170v_2ノッケからこの雰囲気!
今日はシゲさんノッてるぞ~!

180vGbのフィード・バック音から始まるのは「Foxy Lady」。

190_flしかし、デカいオガンちゃん。
この数週間前に会ったあった時もデカくなったと思ったけど、また大きくなってる!
何でも日本で大きくなって、アメリカで小さくなってくる…とかMCで言ってたな。
今、小さくなってるところ。
現在はChris Duarteと全米ツアー中だ。

5_s41a0628 ステージ中央に歩み出るシゲさん。
気迫がスゴイ。すぐわかる。

200_2こんなん久しぶりに見たわ~。

210vオガンちゃんの熱気もスゴし!

220v_2イヤ~、こんな「Foxy」久しぶりやんやん!

230_2お、このイントロ!

240_mdチョット変わったところで「Spanish Castle Magic」。
Jimiが高校時代に足繁く通ったという「The Spanish Castle」という(日本で言えば)ライブハウスについて歌った曲。
こうして改めて聴くとこの曲、カッコいいな~。
260_2
メリハリの効いたKATSUJIさんのドラムが実に気持ちいい!
昔のMarshall BlogにはGaorgoyleでご登場頂いたことがあったんよ。

250v続いては、心落ち着けて「Hey Joe」。

270v_hjそして、ガラリと後期に飛んで「Ezy Rider」。

280_skアララ~、Jimiはそんなことしていたのかな~?

397v

Noelもッ?
イヤ、Billy Coxでした。
シゲさんによるとBilly Coxってすごく感じのいい人だったそうだ。

398v

そして、ブルース。
「Red House」…おーばーやんだー。
シゲさんの弾くブルースはいい。時折、「エッ?!」というようなフレーズが飛び出してくる。

290v_rhウネる、ウネる、こういう音楽はオガンちゃんのベースの独壇場だ。

300ウワッ!
確かに「影響を受けてコピーした」と以前言ってたけど、Frank Marinoの「I'm a King Bee」のソロをそのまま弾いた!
「Can you dig it?」とは叫ばなかった。

310v_2もうこういう絡みはタマりまへんな~。
もう見た目だけで雰囲気満点!

320_2そして、ソロがオガンちゃんに回される。

395v

激演!
目の前で見ていて弦が切れるかと思ったよ!

396v
またBand of Gypsysのレパートリーに飛んで「Power of Love」。
Miles Davisは、Billy CoxとButch Milesをして「Jimi Hendrixにとって最高のリズム・セクションであり、Experienceの呪縛から解放する」…とおっしゃったとか。

330_pol後半に入り、ますます三人のコンビネーションがタイトになっていく!
その要はこの人!ムヤミに出すぎず、引っ込みすぎず、絶妙のプレイ!

340シゲさんも留まるところを知らないかのようなハジケっぷりだ!

350vGipsys期からもう一曲、「Machine Gun」。

360_mg昔、MarshallのクリニックをRolloverとよくやっていた時、失礼ながら「禁Machine Gun令」を出させてもらったことがあった。
この曲を演るとどうしても演奏時間が長くなって、他の曲が演奏されなくなりがちだったからだ。
今にして思うと、冗談にしてもあんなこと言わなきゃヨカッタな。
シゲさんに申し訳ないことをした…今日は思う存分弾いてくだされ!
370vオガンちゃんとEDENが出す図太い音であのリフを弾かれるともうどうにもなりまへんな~。

380v思いっきりマシンガンをブッ放すシゲさん!

390「アメリカ国家」から「Purple Haze」へ。

400v_ph「♪パルヘッ!」
本人より演奏回数が多くなったというこの曲。
人類の宝ですナァ。

410この曲で本編は終了するワケだが、イヤ~、本当に素晴らしいパフォーマンスだった!

420vこちらもバッチリと三人が固まってた。
コレがひとツアーだけのワン・オフ・バンドとはもったいない!

430vこのシゲさんのノリよう!

440v『ワテロク』のレポートにも書いたが、2000年から何十回とシゲさんを見てきた。
本家Jimi Hendrixがそうであったように出来のいい時も悪い時もあった。
この日のパフォーマンスは私が見てきた中で一、二を争うモノだったな。

450もうJimiが憑依したとしか思えないパフォーマンス…

460v歌、ギター、そしてアクション、それらすべてが最高にスムースにしてナチュラルだったのだ!

470vコレは「アッパレ」でしょう!
もはやシゲさんの違う局面を見た気すらするよ!

480いつも通りギターのボリュームを上げたまま愛器をMarshallに立てかけてステージを降りる。

490v猛烈なノイズ!

500v消し役はオガンちゃん!

510vもちろんアンコール!
ウッドストックでおなじみの「Villanova Junction」。
「ヴィラノヴァ」というのはフィラデルフィアに実在する地名。「Villanova Junction」という鉄道のポイントが実際にあるらしい。

520そして最後の最後に「Killing Floor」を演奏してKISS THE SKYは消えた。
モッタイナイ…。
オガンちゃんが日本へ帰ってきたら是非再演をお願いしたいものだ。

530小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS

540シゲさん次の大仕事は野獣だね!
バーニーも加わって…とても楽しみ!

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook
『ワテロク』はコチラから6本立て!(伊勢&松阪観光ガイドつき)⇒【Marshall Blog】ワテは60からだす!!

Noke

(一部敬称略 2016年7月29日 吉祥寺ROCK JOINT GBにて撮影)

2016年9月20日 (火)

KATAMALI KISSES THE SKY~KATAMALI編

毎月イギリスのMarshallの本社に「活動レポート」なるものを提出している。
もちろん英語で書くんだけど、い~っつも悩むことがある。
それは、「バンド名は単数か複数か」ということ。
一般的な答えは、アメリカでは単数扱い、イギリスではどちらでもOKということらしい。
相手はイギリス人。
だから、レポートで「honor」は「honour」、「program」は「programme」と綴ったりするのは当り前。英式の方が何となく知的でカッコいい。発音を中心に何とかイギリス英語にすり寄りたいと思っているんだけどゼンゼン上達しない。
綴りだけではない。
「call」を「ring」、「ride」を「lift」などとと単語自体を呼び換える努力も怠らない。
ところが、この「単数か?複数か?」に関しては、「どちらでもOK」というのがクセ者で、な~かなか身につかないのだ。
バシッと単数なら単数と言ってくれ!
そこでまたしても悩んだのが今日の記事のタイトル。
『KISS THE SKY~The First Experience』 という名前のイベントのレポート。
KISS THE SKYは中野重夫の新しいジミヘンのチーム。
Marshall Blogには先日の『ワテロク』と(私だけが)呼んでいるシゲさんの還暦コンサートで初お目見えした。
そして、そのKISS THE SKYの東京公演が今日のレポートなんだけど、実際には原田喧太のトリオ、KATAMALIとのダブル・ヘッドライナーのショウだ。
だからタイトルを変えることにした。
記事のタイトルはイベントの名前をそのまま転用したりすることが多いが、よせばいいのに自分でヒネッたヤツを考えたりすることも少なくない。楽屋落ちを考えるのが好きなのだ。
で、今回も何かいいタイトルはないかいな…と考えた。
そうだ!
ふたつのバンド名を一緒にしちゃえ!ってんで思いついたのが「KATAMALI KISS THE SKY」。
ココで困ったのが例のアレだ。
KATAMALIはバンド名だから単数か?複数か?
ま、「塊」ってぐらいだから「一個」、すなわち単数か…。いや待てよ、英式は複数でもOKなんだったよな…と、また悩んでしまった!
結論。
せっかく「固まっている」ので単数にして、KISSには三単現の「-es」をつけさせて頂きました。
あ~、おっそろしくどうでもいい話しですな…。

10オープニング・アクトとして、The Doomsというバンドが登場した。

20そして、KATAMALI。
オラオラ、固まってイクぞ~ッ!

30原田喧太

40v満園庄太郎

5_s41a0224 満園英二

60vこの三人で固まる。

70喧ちゃんはもちろんMarshall。

80vいつもはJVM410HとMF280Bというコンビネーションだが、今日は借り物のJCM2000 DSL100と1960Aを使用。

90オープニングは「Rock'n'Rollに溺れよう」。

100v実にいいタイトル!
まさにKATAMALIのためのような曲だ。
ハーモニカ・ホルダーを装着したベーシストは世界的にも珍しいよね!
130v

続いて「Strength」。

120「今日は時間がないからトットと演ります!」という喧ちゃんのMCをはさんで、庄ちゃんにボーカル・マイクが渡される。
160_3
曲は「Knock Me Down」。

5_s41a0167 実兄、英二さんとのコンビネーションはもちろんパーフェクト。
以前の長兄・太さんも加わった満園兄弟全員集合はマジでスゴかったよね~!

140vゴリンゴリンと巨岩が転がるような迫力のリズム隊がKATAMALIの大きな魅力のひとつ。

170v

そして、このエキサイトぶりッ!
プリミティブなロックの魅力にあふれているのがKATAMALIのライブ・ステージ。

150_th2「チョコレート・ドリンクを飲みすぎた…」という喧ちゃんはギターを持ち替え。
ここGBでの演奏は初めてだそうだ。
「Live」…

1804「天国は遠くの街」と喧ちゃん大熱唱!

190早くもKATAMALIのステージは後半に入り、ギアがトップに入る!

210_6「Criminal」ではギター・ソロが大フィーチュア。

220vライブとなると我を忘れて弾きまくりに没頭する喧ちゃん。
2005年に開催した『Marshall祭り3』を思い出す。

230庄ちゃんは一回目のドラゴンファイア。
290v
喧ちゃんはもちろん歌でも全編を通じて猛エキサイト!

240v_7燃えまくる喧ちゃんに油を注ぐ満園兄弟。実際には火をつけているんだけど…。

250三人が三人の個性をぶつけ合うのだ!

260エンディングに向けてますますテンションを上げる…固まってる~!
曲は「虫」。

270_8そして最後は「Freeway」。

280v二回目のドラゴンファイア。

300vドワワ~、二回目のはデカい!
まるで会場のこの興奮を表しているようだ!

310vますます乗ってきたKATAMALI。
これからも飾り気のないプリミティブでピュアなロックの魅力を思い切りアッピールしてもらいたい!

5_s41a0339KATAMALIの詳しい情報はコチラ⇒KATAMALI facebook

原田喧太の詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

320<つづく>

(一部敬称略 2016年7月29日 吉祥寺ROCK JOINT GBにて撮影)

2016年9月15日 (木)

ロック・インスト・ナイト

ロックを聴き始めた本当に最初の頃、歌詞カードの「Instrumental」といういう表記を謎に思ったものだった。
歌がないその曲を聴いてすぐに意味を察したが、当時は「歌のない曲」を奇異に感じた記憶がある。
ロックにも慣れて、楽器が暴れるパートを聴いて「カッコいい!」と最初に思わせてくれたのは、Deep Purpleかナァ。
その後、プログレッシブ・ロックにのめり込むと歌のないロック、あるいはインスト・パートが普通になった。
それから、80年代に入って新しいロックを全く聴かなくなり、ジャズに夢中になってからは当然ほとんどがインスト。ま、ボーカル・ジャズも大好きで、聴くには聴くが…。
そして、今ではクラシックをよく聴くようになって当然インスト。オペラや声楽曲はたまにしか聴かない。
こうして振り返ってみると、私の音楽人生ってほとんど「インスト」なんだナァ。
あ、歌がキライなんじゃ決してありませんからね。
何と言っても「歌」は楽器のチャンピオン。
クラシックの声楽の連中が自分の声のことを「楽器」と呼んでいるらしいことは以前にも書いた。
ドイツでもフランスでもオーストリアでもない、イタリアの音楽こそが「世界の音楽の最高峰」とされるのは声楽が盛んだからだ。
…でも、今日は前フリにあるようにインストゥルメンタルのロックを演奏するライブのレポートなのよ。

Img_0182吉祥寺のシルバーエレファントでシリーズで展開しているのが『ROCK INST NIGHT』。
先ごろBLINDMANに正式加入した、ドラムの 實成峻と…

S41a0087_2TORNADO-GRENADEのベース、寺沢リョータが中心となって企画している。

S41a0043今回は、ギターに田崎慎也を迎えての開催となった。
田崎さんはかつてReyというアニソン・バンドで活躍。
今どきの若いギタリストにしては、シュレッディングに重きを置いたスタイルではなく、トラディショナルなフィーリングでジックリと弾いて聴かせるタイプ。
インストを演るような若いギタリストで、ピロピロ弾かない人はずいぶん久しぶりのような気がする。

S41a0039今回は4100と1960を使用。
音もぶっとい!

Img_0015 7月は田川ヒロアキがゲストに招かれた。
もちろんMarshall。

Img_0136冒頭は、基本の三人による演奏だ。

Img_0004オープニングの曲は「Red Field」。
田崎さん作によるミディアム・テンポのメロディアスなナンバーだ。
S41a0246
中盤では一曲目にしてベースとドラムのソロが炸裂!

Img_0142何といってもこのセッションの主役だもん。

S41a0050峻くんの呼び込みで田川ヒロアキ登場!
いきなりトークブッコミ!
このチームのリズム隊はTAGAWAジュニアであることなどに触れた。
峻くんは浩二さんのお弟子さん、リョータくんはてらちんのご子息だからね。

5_s41a0286いきなり盛り上がっちゃって次の曲に入りにくくなってしまった!
考えてみるとヒロアキくんは演奏もそうだけど、いつもトークも達者な先輩たちに囲まれて鍛えられてるからね~。
簡単にトークが暴走してしまう…が、ヒロアキくんは時間には相当厳しい人だから大丈夫。
ヒロアキくんを迎えての二曲目は、TAGAWAでもおなじみの「Stranger Destroys Arms」。

Img_0105ヒロアキくんが20年以上前に書いた反戦曲。
タイトルは「武器を捨てろ」でも曲は今にもケンカがおっぱじまりそうなガチガチの硬派メタル。
ヒロアキくんの金属サイドのショウケース的な曲だ。

S41a0281今回はツイン・ギターなのでよりサウンドがヘビーだ。

Img_0114三曲目は「Technical Difficulties」。
Paul GilbertがMr. BIGを脱退後、13年ぶりに再結成したRacer Xからのナンバー。
コレ、誰かも演ってたナァ。
タイトルが印象的なので曲は覚えている…けど誰が演奏していたのかが思い出せない!
本人だったっけかな?
最近こんなのバッカリよ。
もうすぐまた来るね、Paul。
今回はJVM210Hを使うそうだ。ヒロアキくんの愛機と同じ。
さてこの曲、やはり今回のセッションの中でも難解チューンのひとつで、ギター二人の高速ギターのハモリが聴きどころ。
ギターだけでなく、ドラムとベースも厄介なフレーズが多い。

S41a0077それを必死に再現する峻くんとリョータくん!

Img_0134続けては田崎さん作の「Dangan」。
「弾丸」というのは…っていつかやったね。

Img_0018_2同じ田崎さんの作品で、ミディアム・テンポでメロディアスな形式でも一曲目とはまた違った作風だ
。「なんとなく、ヴィニー・ムーアを彷彿とさせる」とはヒロアキくんの弁。
サビのリズムを倍にしてし、田崎&田川のコンビネーションで、のびやかな旋律を奏でる。
ココはダブル「田」だね。
もしふたりでバンドを作ったら名前は「でんでん」にしよう。

S41a0275一部の最後は、これまたTAGAWAでおなじみ「That's Over」。

Img_0110TAGAWAのライブでは、この曲でてらちんのベース・ソロと浩二さんのドラム・ソロが大きくフィーチュアされる。
当然、ジュニアにも同じことをしてもらう!
張り切っていってみよう!

Img_0158二人とも若さあふれるプレイで(…と書くとシニアの方はかなり年老いているように聞こえるが、そんなことは一切ございません)、暴れまくる。
双方、父と師匠譲りの技はもちろん、彼ら独自のテイストも満載で観衆の大喝采を浴びた。
そう、若者は遠慮しちゃイカン。
リョータくんのプレイもケタ違いの迫力!何しろ単位が「テラ」だから。
あ、コレはfacebookで紹介したんだけど、こないだカメラ屋さんでレンズを見ていたら、店員さんが寄ってきた。
その名札を拝見したら、ひらがなで「めがさわ」さんって書いてあったんですよ!
「メガ沢」?…アタシャびっくりしちゃって!
場所が場所だけに完全に「メガ・バイト」の「メガ」だと思い込んじゃったワケ。
ネタを明かせば「女ケ沢」さんという東北がオリジナルの姓だとのこと。
家に帰ってこのことをウチのセガレに話した。
「こうなると『ギガ沢』さんに現れて欲しいね!」
すると息子がこう答えた。
「ダディ、ナニ言ってんの!ベースの人は『テラ沢さん』じゃん!そっちの方がスゲエ」
なるほど!…若者の感覚はサスガだわい。(私のことを「ダディ」と呼んでいるというのはウソです。時々です。)

もうチョットいい?
そこで、調子に乗って調べてみた。
メガ、ギガ、テラと来て、次は何か?
「ペタ」というそうです。5を意味する「ペンタ」の「ぺ」。
さすがに「ペタ沢」さんはいないだろう。
初対面の相手に名刺を差し出して…「お世話になっております。ペタ沢と申します」なんてやったら自分でも吹き出しちゃうゼ!
もうちょっと続けると、次が「エクサ」。6をあらわす「hexa」から。
さらに、ゼッタ、ヨッタとくる。
その次がハーポとグルーチョっていうらしいんけど…ウソだろ~。
コレ、マルクス兄弟の名前だぜ!
グルーチョとなると10の30乗ともなり、まず使うことはないらしい…ってんで適当な名前を付けたんじゃあるまいな?

脱線!
Queenの『オペラ座の夜』とか『華麗なるレース』っていうアルバムあるでしょ。
アレらのアルバムはマルクス兄弟の『オペラは踊る(A Night at the Opera)』と『マルクス一番乗り(A Day at the races)』から転用している。
コレらの元は…

5_img_0008_2 コレです。
名盤の誉れ高いQueenの二枚の代表作だけど、映画の方も最高に面白い。
1930年代の映画。クレイジーだとかドリフだとかのネタの出本がこのあたりにあることが容易に察せられる。
昔の放送作家はマルクスを徹底的に研究してうまくパクったんだと思うよ。

5_img_0003 もうチョットいい?
「若者は遠慮しちゃイカン」ってよく聞くじゃない?
アレ、若いウチはわからなかったけど、自分が年を取って若者を見てるとホントそう思うね。
ガン!といっちゃう積極性は若者だけが持つ魅力なんだよね。
「イエイエ、結構です」は似合わない。このことが最近よくわかるようになった。
若い人は本当に可愛いよ。

リョータくん、ゴメン!テキストと写真がついこんなに離れちまった!

Img_0129曲の終盤はブルース。

 S41a0417
「でんでん」のギターバトルで盛り上げて第一部の幕を下ろした。

Img_0112 第二部の幕開けはTAGAWAのセカンド・アルバム、『Wind』に収録されているアップテンポなシャッフルナンバー「Bound」。
タイトル通り、弾む気持ちを表現したヒロアキくんの作品。
峻くんのチョイスだそうだ。
イントロのタムまわしのフィルは、オリジナル(=師匠)ソックリ!

S41a0082それにしても、「弾む気持ち」ってヒロアキくんに一体どんないいことがあったんだろうね?

S41a0267ステージの雰囲気に慣れ切ったところでサクサクと曲が進む。
今度はCozy Powell Gary & Mooreから「Sunset」。Cozyのソロ・アルバムからの選曲(なんでしょ?)。
田崎さんがグイ~ン、グイ~ンと弾く泣きのメロディがうねっていた。

S41a0018後半ではヒロアキくんも絡んで、さっきの高速バトルから一転した泣きのギター会話を披露した。

S41a0285ヒロアキくんのテーマ・ソング「My Eternal Dream」。
代表曲だけあってヒロアキくんのステージで取り上げられることも多く、いろんな人との演奏を聴いてきたが、この若手バージョンも魅力タップリだ!

Img_0148そういうところがセッション・ライブの面白さのひとつだね。
「歌がない」のでキーの問題もなく、演りやすいということもあるかも知れない。
S41a0424
サビのパートを本番直前のリハーサルで田崎さんに覚えてもらって即実践。
バッチリ、バッチリ!

S41a0095最後に選ばれたのはChick Coreaの「Spain」。
そうですか…、スペインですか…松本孝弘バージョンだそうで…。
また、脱線しちゃおうかな~。
イヤ、後にしよう。
ヒロアキくんがメインを弾き、みんなでテーマをユニゾンでプレイ。
そうですか…、スペインですか…。

S41a0242話題になったロック・アレンジだそうで…(私にはアタマの譜割りがシックリこないけど)。
とにかく四人の熱演で大成功!
これまた大きな喝采を浴びた。

★ココから下、☆までは読まないでください。
「Spain」ね~。
バンドのみんなゴメンね~。
正直言って「Spain」にはもうゲンナリでさ…。
「Spain」と「Burn」はホントにツライ。
「ジャム・セッションの東京音頭」よろしく、どこへ行っても出てくるんだもん。
あの執拗に繰り返すテーマ…。
それでも『Light as a Feather』を聴いたときは感動したもんです。まだ十代だったからね。それから35年の間に何万回聴いたことか…。
今では、アタマの「♪ティラリ~」がチラっときこえてきただけで「ウワ!またスペインか!」と「青菜に塩」状態になってまうのよ。
ちなみにこの「♪ティラリ~」はもちろんロドリーゴの「アランフェス協奏曲」の第二楽章。「アランフェス」はコレばっかり有名だけど第一楽章がメッチャいいんだゼ。
さて、「飽きた」ということの他に何が言いたいのかというと、ChicK Coreaには他にもカッコいい曲がたくさんあるんだよってこと。
すなわち、こういう若い人たちにはまだまだ面白いネタが残されているんだってことだ。
例えば、誰もがすなる「Spain」だったら、「La Fiesta」をロックっぽくアレンジして演った方がゼンゼン目立つと思うんだけどどうだろう。「Sicily」なんかでももいい。
そうだなぁ、チョット乱暴だけど1981年の『Three Quartets』ぐらいまでのChick Coreaは比較的どれも面白い。
ベタだけどReturn to Foreverの「第七銀河」だってあるじゃん?あるいは「Captain Senor Mouse」?
ドラム・フィーチュアなら「Nite Sprite」とか。
私が最近チョクチョク聴いているChick Coreaといえば、60年代後半の『Now He Sings』あたり。
『Tones for Joan's Bones』とか。カミソリのようなアドリブ・ソロがすこぶるカッコいい。
余計なことを書いてゴメンね~、オジさんのことキライにならないでね~。
☆秘密コーナー、おわり~。

で、本編最後は田崎さんの曲で「The Rising」。
「魔界錬闘会」というプロレスがらみのショーのクライマックス・シーンで使用された曲だそうだ。
7分にも及ぶ曲ながら、親しみやすいメロディで聴く者を飽きさせない大作だ。

Img_0009アンコールはマイコーの「Beat It」。
「Beat it!」って意味は知ってるでしょう?「出ていけ!」とか「逃げろ!」っていうことだよね。
コレがなんでそういう意味になるか不思議じゃない?
この「it」は地面のことなんだって。
で、バッと走り出したりする時、第一歩は地面を蹴るイメージがあって、「地面を打つ」という表現でそういう意味が出てくるらしい。
信じるか信じないかはアナタ次第だ。
Img_0102
何でもJohn 5のアレンジだとか。
John 5はMarshallの重要エンドーシーだ。
先攻はヒロアキくん…
S41a0420
後攻は田崎さんというオーダーで、ギター・ソロからエンディングまですさまじいふたりのバトル!
S41a0097
バック陣もダマっちゃいない!
S41a0054もてるテクニックと情熱でフロントのふたりを盛り立てる!

Img_0125若者の情熱にあふれるバラエティに富んだインストの一編だった!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

Img_0115

(一部敬称略 2016年7月29日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影  ※記事制作協力:田川ヒロアキ)

2016年9月13日 (火)

SHOW-YA×EARTHSHAKER~初対決! KING vs. QUEEN <DAY2>

さて、『初対決! KING vs. QUEEN』の二日目。
今日はEARTHSHAKERが最初にステージに上がった。

10_2西田昌史

20v石原愼一郎

30v_2甲斐貴之

40工藤義弘

1_s41a0222_2網の中にカブトムシとクワガタムシが同時に入っていたかのようなラッキーなこのイべント、MARCYさんの指摘では「出演者の年齢を全部足すと500歳を超える!」。
それだけに完熟の魅力に満ち溢れていた演奏を堪能できた。。

5_s41a0238_2 昨日は『Midnight Flight』をアルバム丸ごと演奏するというパフォーマンスでファンを狂喜させたが、今日は1985年の『PASSION』をそのまま再現した!

60そして、SHOW-YAが登場!
今日はトリだからね、どんなメニューかな~?

70ただならぬ熱気の中から飛び出したのは「OUT OF LIMITS」。

80寺田恵子

90五十嵐sun-go美貴

100中村美紀

110仙波さとみ

120角田mittan美喜

130v今日も容赦なくガンガンいくゼ~!…と続けて「LOOK At ME」。

140v_2ガンガン迫りくるsun-goさんのギター・サウンド。

150vもちろんMarshall!
JVM410Hと1960BDM。

160v_2「昨日来た人~?今日だけ来た人~?エエッ!なんで~?」という恵子さんの出席確認からの~…

170v_r「流星少女」!
210_3
ハイ、今日は昨日と違う場所から撮ってます!
でも、やっぱりパンパンでまったく身動きできず。

180_2「流星少女」同様、昨日も取り上げた「奪いとれ」を矢継ぎ早にプレイ。

200

アマチュア時代からのEARTHSHAKERとの関わりについて話す恵子さん。
「MARCYさんに似てる」と言われていたことがあったんだって!

5_s41a0463_2恵子さん:「ところで、みんな、mittan見える?」…ということでマイクがmittanに渡される。
280v
恵子さん:「みんなキャプテン見える?」…ということでキャプテンもフィーチュア!

290v

「次はなつかしい曲。シングル曲を演ります。この曲を聴いてSHOW-YAのファンになりましたっていうファンが多いの」…とは「水の中の逃亡者」。
名曲だ。
270v
そして、ドッカリ盛り上がったのは「OUTSIDER」。

230SHOW-YAのことだから、ショウのドアタマから大爆走なんだけど…

240ま、だいたいこのあたりから「組んず解ぐれつ(くんずほぐれつ)」の激演度に拍車がかかりますな。

250v_2もうこの先、誰にもこの暴走は止められない。

260v"It's too late to stop now"というヤツ…Van Morrisonね。
そういえば、「人生歌一筋」という観点からすると恵子さんとVanは何となくダブってくるナァ。

245v

「31年前の8月31日に『すてきにダンシング』でデビュー。『コワいお姉さんは売れない』と言われたんだよ。
1992年に辞めて2005年に再結成…それから11年!再結成してからの方が長いからね!
まだ頭を振ってる自分が愛おしい。楽屋では氷で首を冷やしている自分が愛おしい。
みんなには歴史の証人になって欲しい!」と今日は回顧系のMCが多い恵子さん。

300_gそして、早くも最後のセクションに突入!
曲はまず「ギャンブリング」。

310vアレ、「ギャンブリング」、すごい久しぶりじゃない?
ギターのシャープなイントロからロック・テイストあふれるコーラス、そして、メロディアスだけど決して甘くはないサビが完璧に組み合わさった曲。

320vキャプテンのキーボードとコーラスってメッチャかっこいいんだよね。
330v今日も轟音のラブリーな「みーこ」、イヤ、かわいい「candy☆」、イヤ、cuteな「sun-goさん」、イヤ、so cute な「sunちゃん」!

335v続いては「限界LOVERS」!

340_2mittanの怒涛のドライビング・ドラムが大爆発!

350vすっさまじい迫力!そしてすごい音圧!

370_2

一段とエビ反ってる今日のイナバウアー!
よくこんなことできるナァ~。二人ともお若い!

410_2

今日最後に持ってきたのは「Fairy」。

360_2予想に難くない展開だが、人気曲の熱演に観客は大喜び!

380vポーズもバッチリ~!
この熱気が伝わっているだろうか?!

5_s41a0900今日の竿回しはソロ×2でいつもより倍おいしい!

415アンコール。
今日はSHARAさんとMARCYさんがSHOW-YAにジョインするスタイル。
「SHOW-YAは今の方が全然いいよ!今が最高だよ!」とMARCYさん。
当然演奏するのはSHOW-YAのナンバー。

430_2「私は嵐」!

440_2「こんなことって珍しいんじゃないの?」と恵子さん。
確かにこの光景は見たことない!

450_2こちらはmintmintsでもおなじみですな…とは昨日も書いた。

460_2さとさんのベース・ソロ!

470vMARCYさんと「嵐ポーズ」をするか?
撮り逃してはマズイとドキドキしながらシャッターに人差し指を乗せたけど、今回はなし。

480_2イヤ~、珍しいものを見せて頂きました!
今日もゴージャスで素晴らしいショウをありがとう!

SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

490_2さて、、先日紹介したSHOW-YAの30周年期間中の数々の名演を記録した豪華ボックスセット、
『SHOW-YA BIG 30 -THE BOX-』が大評判だ。

詳しくはコチラをご覧アレ!⇒『SHOW-YA BIG30 -THE BOX-』が出た!

50cd

昨年の目黒鹿鳴館公演のようすを収めたDVD、『Return to ROCKMAYKAN』もよろしくね!

140dvd

<おわり>

(一部敬称略 2016年7月19日 渋谷REXにて撮影)

2016年9月12日 (月)

SHOW-YA×EARTHSHAKER~初対決! KING vs. QUEEN <DAY1>

そうかな~。
ホントになかったのかな~。
日本のロック界で「ありそうでなかったもの」の代表みたいなモノ。
それは、SHOW-YAとEARTHSHAKERのダブル・ヘッドライナー・ショウ。
とうとう実現した。
イベントで同じステージに立つことは何度もあった。
実際、数年前の富士スピードウェイなんかそうだったもんね。
ところが、いわゆる「対バン」形式で双方が同一のステージに立ったのはコレが正真正銘初めてのことであったそうだ。
10『初対決!KING vs. QUEEN』と題された二日連続のコンサート。
初日はSHOW-YAが先行した。

20寺田恵子

30v五十嵐sun-go美貴

40v中村美紀
60v
仙波さとみ

50v角田mittan美喜

70vシチュエーションはどうあれsun-goさんはMarshall。

80v今日はヘッドがキャビに乗ってるよん。
JVM410Hと1960BDMね。
SHOW-YAの轟音ギターはコイツが出している。

90v一曲目は「Bloody Rose~薔薇の紋章~」。
珍しい!
2012年3月、SHOW-YAが22年ぶりにブッ放したオリジナル・アルバム『Genuine Diamond』のオープナー!

100v続けて「You Turn me Over」。

110vいつもとは雰囲気が大きく異なるスタート。

5_img_0116「EARTHSHAKERとの共演」という初の試みがそうさせるのか?

1_img_0114 恵子さんのMC。
「今年最初のSHOW-YAのライブ」…そうか!恵子さんに言われて初めて気がついたけど、昨年末の東京国際フォーラムを終えてからは、『NAONのYAON』以外のSHOW-YAのライブってなかったんだよね。
EARTHSHAKERをして、「同じ時代を生きた、そして今でも生きている、時代を築きあげて今も走り続けるバンドです」と紹介。
「『キング&クイーン』って言ってるけど、どっちもキングか!」だって!

5_img_0099 「欲しいものは~」…

120_u「奪いとれ」!

130このセクションでは、最近作『PROGRESS』から「秒殺Carazy Love」と…

140v「SIGN」を演奏した。
ウン、いつもと違う展開もまたいいんだ。

150ところで、『PROGRESS』をリリースしたのって去年の9月末だって知ってた?
あまりにも一年が早すぎる!
その間もSHOW-YAは歴史を刻み続けている。

160vところで、いつか書こうと思っていたんだけど、sun-goさんのピック・スクラッチのやり方って可愛い。
ナンカ右手の形がすごく行儀いいの。

165vこの会場はSHOW-YAがこけら落としをやったんだよね。
恵子さんが「杮」と「柿」は違う字であることを説明をして、「えもんかけ」の話しをしたんだ。
で、ですね、ココはステージ前の柵がなくて、しかも当然のごとく会場はパンパン。
すなわち、写真を撮るスペースがまったくない…ということで、今日は客席上手の一番前(sun-goさんのすぐ左前)に脚立を立てて壁にヘバリつくようにして撮影しとります。
コチラからはこんな眺め。
三時間近くまったく身動きできず。エコノミー症候群がそこまで来てんだよ。
でもね、本当にツライのは身動きできないことではなくて、カメラを持ち換える時に周囲の方の頭にカメラをぶつけないように気を配ることなのです。もし、ガツンとやっちゃったら本当に申し訳ありませんからね。
コレがすっごい大変なのです。
あ、何が言いたかったのかというと、まったく移動ができなかったので、どうしても写真の構図が似通ってまんねん…ということね。

恵子さん、「熟女は可愛く演ろうと思ったんだけど…音が出たらやっぱりダメね~」。

5_img_0130 で、早速「OUTSIDER」で大暴れ!
コレでいいのだ!

170_o早くももう後半だからね~、ガツンと盛り上がっちゃう!

180キャプテンのイントロから「流星少女」。

190vこの曲のビデオを東京キネマ倶楽部で撮影したのって、2012年だよ!
わかっちゃいるけど、ホントに早いな~。

200v演り続けていると、ヤッパリ「曲」というものは成長するね。
もちろんいい曲じゃないとそれに持ちこたえられないけど。
できた時は「新曲」だったけど(当たり前だ!)、今となっては、「流星少女」はSHOW-YAのステージに欠かせないナンバーになった。
名曲という証拠だ。

210「昔は『夜のヒットスタジオ』とか音楽番組に出てましたけど、今はバラエティ番組に出てま~す!(中略)オメエら!テメエら!これからもSHOW-YAについてこい!」…さっきまで「可愛く演りたい」なんて言ってたクセに!
でもやっぱりコレでいいのだ!

220_a「私は嵐」…この辺りは期待通りの展開だからして盛り上がり方も尋常ではない!

240vハイ、さとさんのベース・ソロ!

250vそして…

255「嵐」ポーズ!
コレを撮るためにこっち側に三脚立てたでね。

260_2計算通りの「Fairy」。
うれしい公式だ。

270_2いつも通り感情豊かに歌い上げる恵子さん!
300

「♪濡れた髪 かき上げて 見つめあえば…」

290
実はなかなか撮影がムズカシイのがこの「Fairy」ポーズなのよ。

280そして、シメは「限界LOVERS」!
今日も完璧なステージを見せてくれた五人。
やっぱ問答無用でカッコいい!

310

320

330

340

350ステージが狭いので注意して回します!

360SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

370続いてEARTHSHAKER
Marshall Blogにお迎えするのはひっさしぶり~!

390_2西田昌史

400石原愼一郎

410甲斐貴之

420工藤義弘

430 EARTHSHAKERは1984年の『Midnight Flight』をアルバム通りに全曲演奏してまえ!という企画。
だから「ラジオ・マジック」が三曲目に出てきちゃう。
MARCYさん曰く、「こんなに早くこの曲が出てくるなんて他にないよ!」というオールド・ファン垂涎のレア企画だった!

440もちろんアンコールには交流試合!

460

こちらはmintmintsでもおなじみの光景だね!

470

EARTHSHAKERに恵子さんとsun-goさんが加わって「MORE」を熱演した!

480

両バンドのファンというお客さんも多数いたワケで、そんな方々にとってはゴジラとガメラを同時に見たような最高のショウになったハズだ!
明日の<DAY2>はどうなるか!?

490

さて、、先日紹介したSHOW-YAの30周年期間中の数々の名演を記録した豪華ボックスセット、
『SHOW-YA BIG 30 -THE BOX-』が大評判だ。
詳しくはコチラをご覧アレ!⇒『SHOW-YA BIG30 -THE BOX-』が出た!

50cd昨年の目黒鹿鳴館公演のようすを収めたDVD、『Return to ROCKMAYKAN』もよろしくね!
 140dvd

<DAY2>につづく

(一部敬称略 2016年7月19日 渋谷REXにて撮影)

2016年9月 9日 (金)

摩天楼オペラ~飛翔

久しぶりの登場となる摩天楼オペラ。
今日は7月22日のコンサートの模様をお送りする。
「摩天楼オペラ」とくればMarshallの壁…ということもあって毎回コンサートを楽しみにしていた。
いつもはコチラから押しかけ気味に取材をお願いしているのだが、今回はありがたくも事前にマネージャーからお誘いを頂戴した。
「摩天楼オペラのとても大切なコンサートになる」…とおっしゃるのだ。
そして、電話口でその理由をお聞きして愕然とした。
さらに、「コリャ、是非が非でも取材をしなければ!」と早々とスケジュールを決め込んだ次第。
そして、アッという間に当日が来て…

10開演となった。

20苑 ~sono~

30Anzi ~anzi~
220

彩雨 ~ayame~

50v燿 ~yo~

60v悠 ~yu~

70v当然Anziの背後にはMarshallの壁。
280

使用ヘッドはJCM2000 DSL100だ。
そういえば開演前、Anziくんから面白いリクエストを頂戴した。
Vintage Modernの50Wヘッド、つまり2266がどこかで手にはいらないか?というのだ。
ココのところ、ポツポツVintage Modernの話しが出ることがありましてね…。
アレ、ヨカッタもんな~。
「時代の波に翻弄された悲劇のモデル」といえば大ゲサになるが、世が世ならMarshallを代表する機種として現在も「名アンプ」としての地位をキープしていたであろうに…。
それでもAnziくんの「50Wヘッド」のリクエストはなかなか叶うまい。
いかにJeff Beckが2266を使っていたにせよ、「ヘッド」とくれば日本は100W天国。
流通量が100Wと50Wとでは全然違うので中古でも出にくいのではなかろうか?

5_s41a0010足元のようす。
こういうバンドのギタリストにしてはエラくシンプルなんだよね。

100オープニングはインディーズ時代の曲、「Faust」。

110様式美に満ち溢れたスピード・チューン。
ドイツの「Faust」より全然好き!
140v

続いてはライブでは必ず取り上げられるであろう「落とし穴の底はこんな世界」。

120三曲目は「RUSH!」。
ドバ―っとスピード・チューンでたたみかけて来るのはいつものパターンだ。
210v

「今日は集まってくれてありがとう!色々と考えていたけど、みんなの顔を見たらフッ切れたよ!」というMCから「Justice」。
ん~、メロディが独特でカッコいい曲だ。

160ギター・ソロ炸裂!
「クシクシ」というピッキングの音が気持ちいい!Marshallだからだ。

170

ゾンゾンと張り出す低音が気持ちいい「Psychic Paradise」。
「Oh, yeah!」が印象に残る曲。

180v続いては、切なくドラマチックな「Innovational Symphonia」。
頭を振らずにはいられないドライビング・チューン。
500v
あ、私は頭降れません。
三回も振ればめまいで立っていられなくなります。
とにかく怒涛のハード・チューンが目白押し。
200

Anziくんの弾くアコースティック・ギターのワルツで始まるのは「青く透明なこの神秘の海へ」。
ふたつめの配信シングルとなった曲。
このテイストも摩天楼オペラならではだよね。

205v

ココで苑くんがステージから離れる。
キーボードの美しい導入部…「Utopia」だ。

570
Anziくんの激情ソロ!
400v_m
よく練り込まれたメロディが悲しくも激しい。
150v_m

ステージから姿を消していた苑が再び現れて「Helios」。
「Helios(へ―リオス)」とはギリシア神話の「太陽神」。
太陽神は世界中の神話に登場して、バラエティに富んだパターンがあるようだが、エジプト神話の「太陽神」のひとつが「Ra(ラー)」だ。
ナゼこんなことを急に言い出したのかというと、トッド・ラングレンというアメリカのミュージシャンはUtopiaというバンドをかつて率いて、1977年に『Ra』という超名盤を発表しているから。
「Utopa」に「Ra」と続いたのでつい書いてしまった。
若い人たちにも是非聴いてもらいたいナァ。

230_m「暑いね(熱いね)、EAST!まだまだライブの序の口です!今日はものすごく気合を入れてきました。こんなに序盤から詰めたのは初めてだと思う。
この五人のライブは今日で最後だから後半は騒ぎまくります!」

240vそう、この五人のメンバーによる摩天楼オペラはもうない。

250このステージの後、Anziくんが七月末をもってバンドを脱退してしまったのだ。
コレが冒頭に記したマネージャーからの連絡だった。
公式発表より大分前のことだったので、その時が初耳でかなりのショックを受けた。
摩天楼オペラを初めて見たのは、DELUHIと共演したチッタのステージだったように記憶している。
何年前になるかナァ?
DELUHIのギタリストのLEDAくんとは付き合いも古く、Marshall Blogの取材でお邪魔したのだ。
その時に「摩天楼のギタリストもMarshallでプレイもスゴイですよ!」とAnziくんを紹介頂いたのが始まりだった。
「ずいぶんもの静かな人だナァ…」と思った。
言葉をひとつひとつ選んでいるかのようにユックリとしゃべる様は、ずいぶん年下にもかかわらず、私なんかより全然落ち着いていた。
その後、摩天楼オペラのライブに出入りさせて頂くようになり、メジャー・デビューを果たし、順風満帆の活動を目の当たりにしていたのだ。
AnziくんはMarshallの社長が来日した際のパーティにも来てくれたし、Marshallの本も買ってくれた。

O_76 そんなお付き合いをさせてもらっていただけに今回の脱退を耳にした時のショックが大きかったのだ。

255そんな最後の演奏を噛みしめるかのような五人のパフォーマンス!

260v「Sexual Entrapment」~「Jolly Rogerに杯を」…

270v「Burning Soul」~「悲哀とメランコリー」…

290そして、「ANOMIE」。
ドバーっと矢継ぎ早にブチかますのが摩天楼式。

300v聴き方によっては、まるで組曲だ。
ライブ・ステージでのこの圧倒的な「迫りくる感」は摩天楼オペラの大きな魅力のひとつなのだ。

80v
ここで久々のMC。
そうね、避けて通れないよね、Anziくんへの送辞。
まずは悠くんから…
「五人で演るのは今日で最後…。Anziくんとはこれからも野球を観に行ったりすると思う。イングヴェイのコピー・バンドをやったりするのもいいよね!」
するとAnziくんがイングヴェイ・フレーズを!

410v燿くん…「前向きな気持ちで納得はしているハズなんだけど、やっぱりさみしいね!今までのムチャぶりが思い出されてきた。Anziくんのギター・ソロを聴くのがいつも楽しかった」

420v彩雨ちゃん…「2016年は急展開の年でした。みんなの前で、この五人でこの日を迎えられてヨカッタです。
方向性の違いで解散していったバンドをいくつも見て来たけど、非常に寂しいです。
みんながいないとオレたちは音楽ができません!これからもAnziくんと摩天楼オペラをよろしくお願いします!
表現するモノや表現の仕方が違ってきてしまったらガマンしちゃいけないと思うんです。そんな思いを突き詰めた結果だけど全部正解だと思います。」、

430v予想通りクールなAnziくん。
でも客席からは「スンスン、スンスン」と多くのすすり泣く声が聞こえてきた。

440vそして当の本人から…「摩天楼オペラでの八年間、悔いはありません。このメンバーでやれて本当にヨカッタ。メジャー・デビューも果たすことができた。」

460v「オレはこれからも真摯に音楽をやっていきます。これからも皆さんも音楽を愛してください」

465最後に苑くん…「とうとうこの日が来ちゃったね…。「表現する」という仕事ではガマンをしてはダメ。自分を貫いた結果だから!」
…とそれぞれの気持ちを言葉にした。

450v

『飛翔』の本編も残すところあと二曲!

470昔を懐かしむかのようにインディーズ時代の「瑠璃色で描く虹」。

480シャープなギター・リフが魅力の「GLORIA」。
40v
このスペクタクルなサビはいつ聴いても感動を呼ぶ。
あの野音の大コーラスがもはや懐かしい!

510v

スリリングなキーボードソロからギター・ソロへ!

Img_0346 そして、ポーズ!

490本編終了。
「♪終わらない世界へ」…壮大な「GLORIA」がAnziくんの未来を祝福しているかのようだった。

520それにしてもファンの皆さんへのダメージは相当なモノだったろうな~。
もちろん五人のうち誰が欠けても寂しいにキマっているけど、まさかAnziくんが離れるとは…。
さあ、アンコール。
メランコリックになっていないでAnziくんの摩天楼オペラの最後の姿を見届けよう!

530アンコールは四曲。
「Independent」~「21mg」~「天国の在る場所」とつなげた。

540客席のファンはこの五人の姿を永遠に忘れないに違いない。

550

560

S41a0252

580v

590v_2そして、最後は「喝采と激情のグロリア」で『飛翔』の幕を下ろした。
S41a0324
お疲れさま、Anziくん!

600vコンサートの最後には見慣れたポーズだが、五人も観客も今日はいつもとは違った気持ちが去来していたに違いない。

610Anziくんのこれからの活躍が楽しみだ!
もちろんMarshallといっしょ!

620v驚きついでに…。
摩天楼オペラは10月19日にミニ・アルバム『PHOENIX RISING』をリリースすることが決定した。そのレコーディングでLEDAくんがギターを弾いているのだ!
そして、11月19日からスタートするそのレコ発ツアーも決定している・

摩天楼オペラの詳しい情報はコチラ⇒摩天楼オペラOFFICIAl SITE

630会場入口の巨大な祝い花。

650vナンカこんなの見るとやっぱり寂しくなるね。

660(一部敬称略 2016年7月22日 渋谷TSUTAYA O-EASTにて撮影)

2016年9月 8日 (木)

NK. FEELGOODのTORNADO-GRENADE

西川口に来たのは、コレが生まれてはじめてのこと。
そういえば高校一年の時の担任が「川口」という数学の先生だった。
かなりの肥満で、その体型からアダ名を「ブヨ」といった。
よく、「先生は蓄膿でなぁ、モノを覚えるのが苦手なんだ~。だから数学を勉強したんだ~」と言っていたんだけど、数学だって相当記憶力が必要だよね。
私が思うに、人間の知性や知識を増進させる三つのポイントって、①好奇心②記憶力③集中力…だと思うんだよね。
音楽もしかり。見ていると、優れたミュージシャンってのは必ずこの三つのポイントが人より抜きん出てる。
さて、その高校時代、学校のロッカーに教科書を置きっ放しにしておくことはかなりの重罪だった。
でも、どうせ家に持って帰っても勉強なんてするワケないし、重い教科書をカバンに入れて電車で持ち歩くのは実際にかなりの重労働だった。
そもそも熱湯に漬けてペッチャンコに固めてしまったカバンには教科書なんか入るワケがない。
ある日の放課後、ブヨが「ハイ、ロッカー検査~!」と、抜き打ちに生徒全員のロッカーを調べた。
当然、私のロッカーからは大量の教科書が出てきた。
ブヨの裁定は「ハイ、ビンタ三発~!」だった。
コレは罪の重さによって一発から三発までのバリエーションがあり、私の場合は極刑に値した。それほど置きっぱなしにしておいた教科書の量が多かったのだ。
ブヨのビンタは両方の平手を同時に頬に当てるスタイルで、先述の通り、かなりの肥満ゆえその破壊力たるや尋常ではない。容赦なく、まったく手加減せずに思いっきり頬に両手を当てるのだ。
一発目…イッテエ~!
二発目…アレ、そんなに痛くないな…。
三発目…ああ、何だか気持ちいい~。
そう、ほんの一瞬のことだが、気を失ってしまったのだ。
ま、こんなことされても先生にハラを立てるなんてことは一切なかったナァ。
だって自分がルールを破ったんだもの。それぐらいのリスクを負って悪さをするのは当然のことだ。
私が通っていた学校は、私立の男子校だったせか、比較的体罰が盛んだった。
バッチン、バッチンやられるヤツもいたけど、すごくサッパリしていた。
生徒の素行を注意するために親が学校に呼び出されることはあっても、先生の体罰に抗議するために親が学校へ乗り込んでくるなんてことはもちろんなかった。
生徒もやられたって平気なモンだったな。今にして思うとアレは愛情だったのか…とさえ思う。
コレが私の「川口」の思い出。

Nk 空き時間にBOOK OFをのぞくと、植草甚一の『スクラップ・ブック』を見つけてでゲット。
奥付けを見ると「2005年3月25日新装版第二刷」とある。
新装して、すでに第二刷…ベストセラーではないにしても、このシリーズって昔からよく読まれているんだね~。
一体、今の世の中、植草さんの著述を誰が読んでいるのだろうか?
私はジャズを聴き始めた35~36年前、鑑賞の手引きのひとつとしてちょくちょく目を通した。
何しろ、現代音楽のエキスパートで、50年代から始まったモダン・ジャズのムーブメントをリアルタイムに経験した人だ。
後にロックにこ傾倒し、「今度アメリカから出てきた新人のフランク・ザッパはなかなかいいよ…」なんて文章も残している。
ちなみに植草さんが収集した貴重なジャズのオリジナル盤のコレクションは、散逸を防ぐためにすべてタモリが私費で引き取ったというのは有名な話しだ。
実は、私は植草さんの著述を、その豊かな音楽の知識を吸収するより、「書き方の教科書」として今でも愛読している。
熟読はしない。無意識のうちにマネをするようになってしまうから。
植草さんが後進のジャズ評論家に言ったというセリフをいつも意識している。
「ホラ見てごらん。キミの書いた文章は真黒だ。ボクの文章は白いでしょ。漢字が多すぎるんだよ。そんな真黒な文章なんて誰も読みたがらないよ。」
漢字のことに限らず、優しい言葉を用いて、難しいことをわかりやすく文章にするというワザを学んでいるつもりなのよ。
翻って(ひるがえって)、最近のコンサート評なんてのはムズカシイことが書いてあるよね~。
サード・イヤー・バンドやヘンリー・カウのコンサートじゃないんだから…。
若い人達、ああいうのホントに読んでるのかしらん?
書き手はきっと音楽的な知識が豊富なのだろうから、どんどん音楽ウンチクをわかりやすく、かつ面白おかしく語ってやって、若い人たちが色んな音楽に興味を持つような工夫をしてもらいたいと思うナァ。

5_img_2539_3 ハイ、Marshallジジイのつまらない前置きは終わり。
今日、西川口に来た目的はココ!
Heartsというライブハウス。
大塚の姉妹店Hearts+には何回かお邪魔しているが、ココははじめて。

10ロケーションは住宅街。
「エ、こんなとこに?!」とまず驚かされるが、きれいで、しゃれたロビーがあって実にいい感じ!
ホールも天井が高く、真四角で実に使いやすい。

20今回お邪魔したのはライブハウスがシリーズで主催しているイベントの取材だ。
題して『NK. FEELGOOD』。
もちろん「Dr. Feelgood」のモジり。「Dr. Feelgood」については以前ココに書いておいた。
で、「NK.」ってナンダ?…としばらく考えた。
コレ、「西川口」なのね?!

当日は5バンドが出演したが、今日はそのうちのふたつを紹介する。
まずはHöLDERLINS(ヘルダーリンズ)。

302015年に結成したガール・バンド。
メンバーのプロフィールが濃い!

40リーダーでHカップレスラーのボーカル、キラ☆アン。
「Hカップ」はありがたいですね。

50vセクシー・グラビアアイドル、ギターの高橋しょう子。

60v元有名メイドカフェ・リーダーのAKIはキーボード。

70v以上の三人がメンバー。
ガール・バンドなのでさすがにこの人はトラかな?

80vベースにNao★。

90vドラムにJackson。

100vインヤ~、驚いたよ~。
楽屋で小柄な女の子をヒョイと見ると目が合った。
お互いに「アレ?」…よくある話しなんだけどさ、
それはNao★ちゃん。
Who the Bitchのベーシスト。ギター/ボーカルのehiちゃんがMarshallだったもんで昔はWho the BitchにはよくMarshall Blogに登場してもらった。
このバンドにはパンチ―でキュートな曲が数多くあって、とりわけ「チキンハート」という曲がとても印象的に残っていた。
最近タマタマそれを思い出して鼻歌を歌っていたのだが、どうしてもメロディの一部がわかならいでいた。
YouTubeにもアップしていないし、CDもないし、そのメロディが思い出せないで悶々としていたところ、この日西川口でホンモノにバッタリよ!だから余計に驚いた。
もちろん途中まで一緒に歌って、忘れていたメロディを教えてもらったよん。
昔の仲間ってのはいいもんだよね。
Who the Bitchは現在休止中だけど、また活動を再開するようだ。
楽しみ~!

Who the Bitchの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

110vそれと、ドラムのJackson。
シャープでパワフルなドラミング!聴いてすぐにビビっと来た。
後で話をしたら、「NATALをよく知っている」っていうじゃない?
うれしいね~。NATALも知名度が広がって来たよ~。
それもそのはず、HoneyWorksのAtsuyuk!さんのお友達というのだ。
「NATALのアクリル、カッコいいですよね~!」なんて言ってくれた。
もっと話しを聞くと、Fruit Pochetteがらみでノンちゃんのことも知っているというのですよ。
コチラもかなりビックリ!
Nao★ちゃんもJacksonちゃんもこの日が最後のサポートだった。

120vそんな二人のリズム隊を得たHöLDERLINS。
ポップに、ハードに、ガールバンドの魅力満載のパフォーマンスを見せてくれた。
そうそう、アンちゃんが言っていたんだけど、よくステージの前ってガランと空いてしまうことがあるじゃない?
確かに恥ずかしくてアソコへ行くのは勇気がいるよね。
アレのことを「シャイ・ゾーン」っていうんだって。
以来、この言葉使わせて頂いております!

1302016年12月17日には六本木VaRitにてワンマンライブが決定している。

HöLDERLINSの詳しい情報はコチラ⇒BandPage

140トリで登場したのがTORNADO-GRENADE!

150「Sex, Spice, Rock'n' Roll !!」、塚本”JOE”旭。
以下、「」内はオフィシャル・ニックネーム。

160v「Mr.Little Heart」の松浦カズマ。
カズマくんのニックネームだけ悪口っぽいと言われている。

170v今日はJCM2000 DSL100と1960Aを使用しているが、本来は1959好きのカズマくん。

180v足元のようす。

190「ハイテンションエクスタシー」は真壁雄太。

200v自慢の2555Xと2551BV。

210v足元のようす。

220「カーニバルフィンガー」なのは寺沢リョータ。

230v「ジャパメタ界のキューティーハニー」をやってるドラゴンシャドウ村田。

240v使用したドラム・キットはNATALバーチ。

250コレぞ若者のロック!
ショッパナから容赦ない音の洪水!

260今春発表したファースト・フル・アルバム、『LOVERUPTION』からのレパートリーを中心にセットリストが編まれた。

323cd
会場の隅々まで響き渡るJOEくんの雄叫び。

270vキューティハニーとは思えない猛ドライブのシャドウ・ドラミング。

280リフにソロにと派手なプレイで観客の目を引く雄太。確かにハイテンションエクスタシー!
300
同じくキレのよいギター・プレイを見せる上手の要衝、カズマ。
ギタープレイはまったくLittle Heartじゃない!

290vそして、低域を固めてバンド・サウンドをガッチリまとめるリョータ。
素早いアクションはまさにカーニバルのダンス。写真が撮りにくいぞ!

310vやっぱりロックはこうでなきゃ!…というかコレが「ロック」!

320このバンド、好きだナァ。
毎回書いているけど、キチンとしたトラディショナルなロックのエキスを若い感性で料理していると感じるからだ。

330v_2

こういうバンドこそ、そこらのフェスティバルに出ればいいと思うんですけどネェ。

325音だけでなく、見ていてもメッチャ楽しい!

340定番のアクロバット!

350v以前見た時より進化してる!

360こんなことなかなかできないよ~。

370vお得意の「ワル」MCも絶好調。
ただし!
このコーナーはもっとネタを練らないとこれからキツイだろうな。
人を笑わせるのは本当にムズカシイ。

380…と思っていたら、カズマくんの番ではトランプが登場。

390手品をやってくれた!

400いいの、いいの。
「何が何でも人を楽しませよう」というこのエンターティンメント精神が尊いのだ。

410手に汗握るツイン・リード!

420こういうの何ていうの?

430EXILEのグルグルもうまくいった!
コレも前回見た時より断然うまくなったな。

440『LOVERUPTION』のリード・チューン「Rise up to the win」の熱唱!

450v注目して欲しいのは二人のギター・サウンドだ。

460v

5_s41a0289_2 雄太くんのJubilee独特のヌケヌケ・サウンドは曲にピッタリだし、

470カズマくんの分厚いサンドも素晴らしい。
何がいいたいのかというと、やっぱりMarshallってことよ!
真空管アンプにしか出せないサウンドをタップリと聞かせてくれた。

480リズム隊のハチ切れぶりも見物だった。
どんな曲でもモノスゴク安心して見ていられる鉄壁のチームだ。

490またNATALのバカでかいサウンドは最高に気分がいい!

500最後はテーマ曲「Sex, Spice Rock'n Roll」で締めくくった。

510Heavy Metal Strikes Back!

TONADO-GRENADEの詳しい情報はコチラ⇒Offcial Web Site

5201965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 前半:2016年7月16日 西川口Heartsにて撮影)

2016年9月 6日 (火)

ワテは60からだす!!~中野重夫の還暦を祝う <その6:最終回>

コレはシゲさんと実際に話していたことなんだけど、今回のレポート、本当は三本立てで構成するつもりだったんですわ。
ところが記事を書くにあたり、コンサートや伊勢や松阪の写真を見ているうちに、あの楽しさとおいしさがよみがえってきちゃって…「コレは載せなきゃ」、「コレはハズせない」とやっているうちに収拾がつかなくなってしまった。
どうしようかと少しは悩んだが、「エエイ!長くなったって別にエエやんやん!」と開き直った結果、全六本立てになってしまった牧場!
内容の半分は観光案内とはいえ、こんなに長いシリーズでレポートするコンサートは、他に『NAONのYAON』ぐらいだよ。
さて、その記念コンサートも今日が最終回。
もうネタを出し尽くしたので観光はなし。え、誰がよろこんでんの?!
いきなりM'AXAからスタート!

十四番目の登場はShigeo Rolloverだ!
10
今日はシゲさんの音楽活動を振り返ってたくさんのバンドや仲間が登場したが、活動継続期間としてじゃこのRollover一番長いチーム。
何しろ初の音出しが1988年7月というのだからこのコンサートで丸28年!
コリャ、二年後に三十周年記念コンサート開かなければあかんやんやん。

20vノエル本多

30v持込の愛器、Marshall MAJOR1978と4x15"の1979A。

40vミッチ藏澤
藏さんは1989年からの参加。

50vああ、久しぶりだな~。
シゲさんに初めて合ったのも、2000年にこのバンドが吉祥寺のライブハウスに出演した時のことだった。
初めて会った時はビックリした。今は完全に「シゲさん」にしか見えないけど、当時はまだ慣れていないもんだから、ホント、ジミ・ヘンドリックスに見えた。
その頃はBand of Shigeo Rolloverという名前だった
…とはじまり頃を思い出したところで、一曲目はそれに合わせたかのように「Beginnings」。

50それからは「マーシャル祭り」に二度出演してもらったり、Marshallのプロモーションで北海道から九州まで一緒に回ったり…私もあの頃から司会っぽいことを始めたんだっけ。
名古屋で開催したMarshall Maniaというイベントや、今はなき横浜BLITZでのCINNAMONとの大コンサート。
木更津や厚木のライブハウスでは私がギターテクをやったっけ。
厚木の時は、ステージそでに入ったのはいいんだけど、進行が押してしまって電車がなくなりそうになってしまった。何としてでも新宿行きの終電に乗りたいのだが、そでから出るにはステージを通るしかない。
まさか本番の演奏中にヒョコヒョコ出て行くワケにもいかないので、MCの時に「電車、ヤバいんで先帰ります!」とシゲさんに耳打ちして舞台を横切った…なんてこともあった。
あ~そういえばアロハシャツの会社主催のパーティなんかにも遊びに行ったな。

60いつもジミヘン奏法の研究に余念がなく、このトラクション・コントロール・ピッキングが完成した時に「ウッシー、わかったで~!」と電話をかけてきてくれたほどだった。
雑誌の企画でフル・スタックを四台並べていっぺんにフルテンで鳴らしたこともあった。あの時はあまりの爆音で弾いたシゲさんも含めて、そこにいた全員気持ちが悪くなってしまった。
260
そして、毎年渋谷で9月23日に開催していたJimi Hendrixの「追悼ライブ」…Rolloverとの思い出は尽きないのだ。
もちろんいつでも、どこでもMarshallと一緒だった。
Rolloverは解散したワケでも活動を停止したワケでもなく、今でも演奏を続けているが、メンバーの住まいの都合もあって以前ほど接する機会がなくなってしまった

70それでも演奏はバッチリ!
「Beginnings」の途中でリズムのパターンが変わるところなんか一糸乱れず!

80vシゲさんも実に演りやすそうだ!

100このバンドはすべて本番でシゲさんが指示を出していたでね~。
イントロ・クイズよろしくシゲさんが「♪ジャッ!」って弾いたら即座に何の曲かを察してバックをつけなければならん。
ジャズのコンボみたいなもんよ。
今日はさすがに曲はキメてある。

90v

二曲目はノエル・フィーチュアで「Little Miss Strange」。
何でやねん!
普通「Foxy」とか「Watchtower」とか…いくらでも定番があるのにナゼこの曲?好きだけど…。

110追悼コンサートの時はよく演ってたんだよね。

120v軽快なブリット・ポップ・チューンはへヴィなライブの清涼剤みたいな感じだった。

130シゲさんだけでなく、三人とも実に楽しそうだ!

140ショウの最後は毎回シゲさんにギターを投げ込まれていた藏さん。いつも見切りで避けていたっけ!
今日は安全。

150v長らく出番を待っていたノエル。
その甲斐あっての快演だった!

160Rolloverは公式ウェブサイトを運営しているので是非ご覧くだされ。
私の写真をたくさん使ってもらっている…けど、昔撮った写真なので恥ずかしいわ~。

コチラ⇒Shigeo Rollover Official Web Site

170vとうとうトリのバンドがステージに上がる!
もちろん最後もJimi Hendrixだ!
コチラは最近Marshall Blogにも出てもらった東京エクスペリエンス
シゲさんのご当地エクスペリエンスのひとつ。

180犬ケン

190vミッチ秋元

200v曲は「Ezy Ryder」。

210v最後を締めくくるべくにぎやかな曲を持ってきた。

230シゲさん、最後の熱唱!

240v雰囲気バツグンの犬ケンさん。
着実なプレイでシゲさんを支える。

250『ワテは60からだす!!』も六時にスタートしてソロソロ四時間。
リハも含めてかれこれ八時間近くギターを弾いているシゲさん。
少しの疲れも見せず…と言いたいところだがさすがに疲れたんじゃない?!

270v「アメリカ国家」も弾いたし。
最後は「Voodoo Chile」。

280素早いストロークで鮮やかにミッチぶりを見せてくれた秋元さん!

290v最後とだけあって一音一音に気合が入る!

295vキマった~!

300最後はいつも通りのアクションでシメた。

320シゲさんのお礼とご挨拶が続く。

5_s41a0885 そして、アンコールは全員集合で「Little Wing」。

330もちろんソロ回しは欠かせない。

340ここで大きくフィーチュアされたのがオガンちゃんのギター・ソロ!

350エ、「珍しい!」って?

360vオガンちゃん、ケーブルがささってないやんやん!

370督夫さんもアコギで応戦!

380この迫力!

390ACEさんも弾きまくり!

400剛さんのオルガンが唸る!

410ベース陣も大暴れだ!

420一曲演奏して一旦は収まったのだが、名残惜しくて…

3_img_0572 結局、再登場!

530

今度は「Purple Haze」だ!

430ボーカル陣も絶唱!

440ギターチームは定番のアクション。

450ま、こうなると思った!

460そして、歯弾き!

470ギャハハ!
督夫さんとACEさんも!

480「じゃかまし~!」

490…と猛烈な大騒ぎもひと通り終了!
ヘタすりゃあのまま終わらないのかと思ったわ。

500いよいよコレで最後。

510盛りだくさんで面白かったね~。

540
シゲさん、おめでとう!

520シゲさん、「次にこんなにみんなが集まってくれるのは葬式の時やナァ…」なんて言ってたけど、ホンマやね~。
でもその時にはギター弾けないから!
いつまでもお元気で!

550vしかし、よ~飲んだわ~。
シゲさんが楽屋に用意して置いてくれたビールをみんなでたらふく頂いた

私が還暦の時は誰か何かやってくれるかしらん?
Marshall GALAみたいにミュージシャンに集まってもらって司会と撮影させてもらおうかな?一曲ぐらいギター弾かせてもらおうかな?
それでライブレポートを書く。
オイオイ、それじゃいつもと同じやんやん!

560モノスゴイ速さで撤収してから松阪駅前の居酒屋へ移動。
打ち上げだ~!

570督夫さんの音頭でカンパ~イ!

580シゲさんつながりのみんなが久しぶりに一堂に会したので盛り上がる、盛り上がる!

590音楽仲間の楽しい宴は際限なく続いたとサ。

600こうしてシゲさんの還暦記念コンサートはすべて終了した。
すでにレポートした通り、我々は翌日松阪の町をジックリ観光して新東名で一路東京へ向かった。
後で知ったんだけど、行きの旧東名より料金が安かったナ。
東京まで400km強、車の運転は憂鬱だったけど、渋滞もなく、休み休み見学がてら新東名の全PAに寄ってユックリ帰ったらそれほど辛くなかった。
それにしても最近やたらとテレビでPAの名物を紹介して「ウマい、ウマい!」ってやってるけど、高いばっかりで大したことないネェ。
でも、どこもビックリするほどトイレはキレイになったね~。
5_img_2251
食べ物は見るモノがなかったけど、どこかのPAに出店していた中古レコード屋がうれしかった。
道中眠気覚ましで見るようにと、ジャルジャルのDVDをゲットして家内と笑いながら東京へ向かった。
それと見たことないRoland KirkのCDを買った。

5_img_0273中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

2_s41a0845 1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

<おわり>

(一部敬称略 2016年7月2日 松阪M'AXAにて撮影)

2016年9月 5日 (月)

ワテは60からだす!!:中野重夫の還暦を祝う <その5>~私の松阪 (後編)

松阪市内観光の後半。
かなり暑かったけど少しブラブラしてみる。
ああ~、高いビルがないってのは実にせいせいしていていいもんだね~。ズッと東京にいてPCの前に座るか、ライブハウスやコンサ―ト・ホールにしか行かないとこういう景色を忘れちゃう。
空気もゼンゼン違う。
東京と同じに暑くてもイヤな暑さではない。

10_2松阪市役所。
80_2
ウワ~、懐かしいナァ~、Lo-D。
香津美さんのテレビコマーシャルを思い出す。
今考えてみると、昔は何だってあんなにオーディオが流行ったんだろうね~。経済成長のひとつの結果の現れということか?
反対にどうしてこんなにすたれちゃったんだろうね~。
今、また「レコードやプレイヤーの復活」なんて騒いでいるけど、「趣味のオーディオ」の斜陽ぶりってのもすさまじいものがある。
かつてはほとんどすべての大手家電メーカーが自前のオーディオ・ブランドを持っていたからね。
日立はこのLo-D。
三菱はDIATONE(カーステレオが存命か?)
東芝はAurex(ジャズ・フェスティバルまで運営していた)
松下はTechnics(健在)
シャープはOPTONICA(オーディオどころじゃない!)
三洋はOTTO(会社Panasonicに吸収されちゃった)
KENWOODは昔TRIOといった(レコードも作っていてECMを抱えていた)し、DENONはデンオンと読んだ。
SONYはズッとSONYだった。
ONKYOは今やGibsonだ。
サンスイなんて「AUシリーズ」というすごくいいアンプを作っていたのにナァ。
そこへ行くと同じアンプでもMarshallってやっぱりスゴイ。
54年も続いているんだから!しかも真空管でやってる!
ゼンゼン関係ないけど、今テレビのニュースで「つま恋」が今年末で営業を終了することを報じていた…時代は変わるナァ。

20_2いいナァ、クラシックだナァ。
ロンドンなんか今もこういう感じだもんね。

30v_2町のアチコチにこんなオブジェが…。

40v

50v_2さて、お昼ごはん。
焼肉を食べたのは前日のことね。一日に二回昼食を摂ったワケじゃないからね。
今日も焼肉でもいいんだけど、近くになかったので構えがカッチョいいココに入ることにした。
牛銀…小林銀蔵さんが明治三十五年に始めた、牛鍋をメインに松阪牛を食べさせる店。
ま、そっちは目ん玉が飛び出しちゃうお値段なので、隣接している「洋食屋牛銀」に入る。

60_2かなりお昼の時間を過ぎていたが少々の行列。
「カツ類は全部売り切れですがいいですか?」と言われたが、ハンバーグを食べるつもりだったのでヘッチャラ。
カツが人気なのか…牛を食べさせる店なのにトンカツが人気なのか?と不思議に思ったが、コレは牛カツだった!
失敗した!もっと早く来ればヨカッタ。
で、出てきたハンバーグ定食はコレ。
おいしそうでしょう?
結果…普通かな?
次回は牛カツ!

5_hum さて、お昼も済ませたところで腹ごなしに松坂城跡へ向かって散歩。
オイオイ、ココは「松坂」か…「松阪」じゃないんだ。昔「大坂」だった「大阪」と同じなのね?
松坂城のことはご自分で調べてみてください。
急に乱暴で申し訳ないんだけど、実物がない割に話が長くなるもんで…。
ひとつだけ言っておくと、「松坂」から「松阪」になったのは明治二十二年の実施された行政区画整理の際のことだそうだ。

70_2コレは立派な石垣!

90v城址に上がる途中にある「松阪私立民俗資料館」。
『昔の生活道具展』というのをやっていたので入ってみたけど、ゴメン、面白くなかった。
ナゼなら、ヘタをするとこっちの方がよっぽど「昔」の人間なんだもん!

100_3城址から市街を望む。
高いビルがないってのはホントいいものだ。
天守台跡には何もないのですぐ下る。

110_2少し下ったところにあるのがこの「御城番屋敷」という国指定の重要文化財。
石畳と緑の垣根が美しい。

120_2ココはその名の通り、お城の警備をしていた人たちの住居だ。住居跡ではない。

130_2というのは、13戸には今でも子孫の方々が実際に生活をしているのだ。
この家々が建てられたのは文久三年(1863年)のこと。
皆さん、150年ぐらい前から代々で住んでいらっしゃる。
イギリスなんかじゃ100年、200年なんて当たり前だけど、日本で150年はスゴイ。
いい材料を使って、自然環境に即した設計で、丁寧な施工をしているから建物が持つのだ。
今、鉄筋コンクリートの建物の耐用年数はたったの50年とされている。明治時代に作られたコンクリートの建物は、今100年以上経ってもビクともしない。
コレはね、どうしてかっていうと、施工なんです。
今はポンプとバイブレーターを使って柔らかい生コンをチャチャチャと締め固めるけど、昔は人海戦術で固い生コンをセッセと丁寧に人力で型枠に押し込んだ。だから、ジャンカ(「豆板」といって、砂利や砂とセメントが混ざっていないらめに強度が出ない部分。欠陥マンションにはつきもの)はないし、セメントに対する水の量が少なくて済むのでコンクリートの強度も存分に発揮する。ただし時間はべら棒にかかる。
Things ain't what they used to be…ってヤツ。やっぱりデューク・エリントンはエライ?
ま、空襲がなかったおかげも大きいんだけどね。

150 ウチ一棟は無料で観光客に開放している。
しかしね~、「150年」も、「無料」もどうってことないよ。
そんなものとは比べものにならないサプライズを味わった。
というのは…入口から入ると、右手に小さな台所みたいなところがあって、そこからオバさんがヌゥっと出てきた。
仰天したのはその格好だ。
ゴスロリ…。
すさまじいインパクト!
史跡の係員がゴシックにしてロリータ。イヤ、史跡だからゴシック様式なのか?
それがまた、どうにもアンニュイな雰囲気で、頼みもしないのに妙な説明をしてくれる。
どういう風に妙なのかというと、ココで働いているクセに史実に何やら異論を唱えるのだ。
オバさん:アノね~、ここはお城の番人が住んでいたっていうけど、私はおかしいと思っているの。だって、この場所はお城があった頃は城内なのよ。城内に番人が住んでいるワケがないでしょう?」
ワタシ:ハハ、そうスかね?
オバさん:そうよ~。そうなのよ~。おかしいのよ~。アタシはアタシで自分で研究をしてるのよ~」
ワタシ:ハハ、エライっすね!
…ってな会話をしてきた。
ビックリしたけど面白かった。

140_2とにかくこの光景はキレイだよ。

160vホラ、横断歩道も敷石でできてる。

170_2近所の一般的な長屋。
おお!トリッキーな構造!カッコいい!

180_2近くにあった高校は「県立松阪工業高校」。
ギターやってる子見てるかな?
オ~イ!キミの高校、Marshall Blogに出てるゾ~!

190どうしてこの学校が目に止まったかというと、この不思議な赤い校舎。
ジミヘンの母校か?…「Red House」、ナンチャッテ!

200v明治三十五年(1902年)の開校。
何でも日本で最初の県立の工業高校だとか。
昔はすべての校舎が真っ赤っかだったらしいが、現存しているのはこの製図室だけ。
硫化水素の影響を受けて建物の塗料が黒く変化すると考えられていたため、校舎の外壁の塗装には変色しない朱色の硫化水銀塗が用いられていた。

220_2この学校は開校当時から「赤壁(せきへき)」と呼ばれ、多くの人に親しまれてきたそう。
そして、平成十三年には百周年を迎え、こうして石碑が設置された。

さて、長らくお付き合い頂きました「マーブロ版伊勢&松阪観光ガイド」もコレで終わり。
最後までご覧頂きましてありがとうございました!
コンサートはまだ続くよ!


あ、そうそう、前回の「松阪商人」のところで書くのを忘れたが、「松坂屋」はどうなるんだ?!という話し。こっちは「坂」ね。
松坂屋は1611年、織田家の小姓の子孫の伊藤蘭丸祐道(いとうらんまるすけみち)という人が名古屋に開いた呉服商(また!)が元になっているそうだ。徳川家ご御用達。
一方、1707年に松坂出身の商人、太田利兵衛が今の上野店の前身となる呉服店を開業して、、自分の出身地から「松坂屋」と名付けた。
それを伊藤チームが買収して名前を「いとう松坂屋」とした後、「松坂屋」となった。
よくデパートの老舗とか一流とかいうことになると、まず「三越」の名前が挙がるが、「松坂屋」も負けていない。
調べてみるとスゴイよ。
ココが運営していた「少年音楽隊」は今の東京フィルだし、江戸時代からそのまま同じ場所で営業しているのは日本橋三越と上野松坂屋だけだという。
地下鉄銀座線の「三越前」駅と「上野広小路」駅の戦いの話しは以前どこかで書いたように記憶しているが、この話しもまたうなずける。
東京近郊以外の人、こんな話しつまんないよね、ゴメンナサイ!
結局、私だって生まれ故郷の東京が大好きなのだ!

210_2
さて、終盤に入った『ワテロク』。
MCのふたりではなく、シゲさんが直々に次のステージの登場人物を紹介する。
女性ふたり。
このコンサートのハイライトのひとつだ。

230_2中野亜衣可…

240v中野愛矢歌…

250v_2そして、お父上。
そう!ふたりはシゲさんの愛娘なのだ!

260v名付けて中野シスターズ!
もちろん、シゲさんと弟のヒデさんがやっていた中野ブラザーズの血脈の中にある。実際血がつながってるし。
演目はJimi Hendrix。
ここからワテロクは一気に地味になっていく…イヤ、派手にジミヘンになっていく!

270_2まずはおなじみのイントロから「Hey Joe」。

2_s41a0587 何せお母さんのお腹の中にいる時からイヤというほどジミヘンを聞かされていたので自然に覚えてしまったという亜衣可さん。
弾いているベースは現場で調達したものだ。

280v大学の軽音楽部でジャズ・ドラムを演っていた愛矢歌さん。
カレン・カーペンターみたいやね。
Jimi Hendrix Experienceのドラマー、Mitch Mitchellのお師匠さんのJim Marshallはジャズ・ドラマーだったからして、この系譜は正しい。
お姉ちゃんはベース、妹さんはドラム…気がついたらバンドできるやん!ということで結成!

290v娘可愛さに強引にバンドを組ませて、ロクに演奏もできないのにレコード出しちゃったオヤジならアメリカにいたけど、日本どころか世界広しと言えども、お嬢ちゃん二人にリズム隊をやらせてギター弾いて歌っちゃうお父つぁんってのは相当珍しいと思うよ~。

300vもちろん演奏はバッチリ!
何の違和感もよどみもない、ごく自然なパフォーマンス。
310_2
ふたりともずいぶん照れてたけどね!
特に亜衣可さん。
でも、曲が始まった途端真剣!
350

そんなことはお構いなしに、とうとうたどり着いたヘンドリックス・ナンバーにイキイキしまくるシゲさん。

320二曲目は「Manic Depression」。

330イントロのキメはもちろん完璧!
さすがジャズで鍛えたテクニック。
グイグイとバンドを引っ張っちゃう!
360
ウチにもセガレが二人いるんだけど、私に似ずスポーツの道に進んでしまったので、幸か不幸かバンドを組むことはできないが、もし演ったら照れるるだろうな~。そうでもないかな~?
シゲさんはゼ~ンゼンへっちゃら!
こういうところがまた「シゲさん」という人の魅力だ。
でも、実際二世ミュージシャンって増えてきたもんね。

340気が済むまで弾きまくって、何のことはないシゲさんが一番楽しそうにしているわ!
ヨカッタ、ヨカッタ!

370イヤ~、実にカッコよかった二人!
そしてメチャクチャ親孝行の二人!
この日一番大きな歓声が上がったのは言うまでもない。
390
アレ?気がついた?
そう、妹さんの愛矢歌さん、もうすぐお母さんになる。
「Pregnant Drummer」というのも世界初だったんじゃない?
シゲさんの三番目のお孫さんだ。
スゲエな、おじいちゃんがジミヘンってどんなだろうな?
ココでシゲさんに教えてもらった孫に関する名言。
「来てうれしい、帰ってうれしい」
よ~くわかる。ウチの父も同じようなことをよく言っていた。
ウチはまだ先かな?
でも、もしウチのセガレが私と同じ年で結婚して子供を産んでいたら、私も孫二人だよ。
ホントのマーシャルじいさん。

380さて、華やかなお嬢さん方に続いて登場したのは…KISS THE SKYという新しいチーム。
まずは「Fire」。
490_3
何て迫力なんだ!
プロレス界からの参加ではござらんよ!
世界のオガンちゃん、小笠原義弘!
ヨソのウチの子とオガンちゃんは会うたびに大きくなってる。

410vドラムは堀与作。
与作さんも一時Rolloverでシゲさんと活動をしていたので、かつては何度もご一緒させて頂いた。

420v今回のイベントのビジュアルは与作さんの手によるもの。
いい仕事!

425vKISS THE SKYというバンド名は黄金期のロックを聴いている人ならすぐにピンとくるハズだ。
「♪Excuse me while I liss the sky」のアレだ。
すなわち「紫のかすみ」。昔の映画『ウッドストック』の字幕は「かすみ」になっていた。
1984年には当時の未発表音源を集めた『Kiss the Sky』というアルバムもある。

430v実は今回のメンバーは変則的で、ドラムはGargoyleのKATSUJIさんが参加している。
スケジュールがどうしても合わず、『ワテロク』ではトラで与作さんがドラムを叩いてくれた。

440バンド名「KISS THE SKY」には「SKY」にトリックがあって…
Shigeoの「S」…
KATSIJIの「K」…

450オガンの「O」…で、「SKO」。
アレ?おかしいな?
Yoshihiroの「Y」で「SKY」だ!

465今、オガンちゃんはまたChris Duarteと全米を回っている。

460vオガンちゃん、Alembicよく似合うな~。
480
この指がね~。
パッと見ると何となくぎこちないような感じがしないでもないが、この指が世界レベルのグルーヴをクリエイトする。

470そんなオガンちゃんがいつかイッパイやった時に真剣に言っていたのは、「絶対に一緒に演奏したいと思っているのがシゲさんですよ」だった。
それが実現した。
ただし、KISS THE SKYは同月に敢行されたツアーのみに結成されたワン・オフのプロジェクトで、すでに活動は終了している。
彼らの東京公演を取材しているので、後日Marshall Blogでレポートする。コレがスゴかったのよ…お楽しみに!

485v二曲目は…早速出たよ~「Red House」。

400

Marshallの陰からうニコニコしながら演奏を見守るノエル本多。
出番は次だ!

495vシゲさんのブルースに舌鼓を打つ。シゲさんの弾くブルースは好きだ。
アレ?それに意外にも今日初めてのブルースだ!

500v_2オガンちゃんのもっとも得意とするところ!

510パワフルで歯切れのよい与作さんのドラミングが二人のプレイを完璧にバックアップした。

520vさあ『ワテロク』もいよいよエンディングに近づいたよ!

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

530_21965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

<次回最終回につづく>

(一部敬称略 2016年7月2日 松阪M'AXAにて撮影)

 

2016年9月 2日 (金)

ワテは60からだす!!:中野重夫の還暦を祝う <その4>~私の松阪 (前編)

ハラ減った…。
伊勢うどんをパスして松阪へ戻って焼肉ちゃん!
家内が予め調べておいてくれた店へ行ってみる。
30v
ランチをやっているワケでもないし、ビックリするほど安い!とかいうワケではござらんが、東京よりはリーズナブルで大満足。
20
ああ~、焼肉っておいしいな~。
悔やまれるのは車なもんだからイッパイできん!
…ということでいきなりご飯をいただきます。
かつて会社の同僚で、焼肉でイッパイやる時、「すいません!焼肉の時だけは最初からご飯を食べさせてください!」というヤツがいたが、実はその気持ちわかるんだよね~。
でも、私の場合は刺身かな?
いい刺身の時は、酒の肴としてではなく刺身定食でいきたい。
ご飯のおかずとして刺身を頂きたいのだ。
しかし、焼肉ほど写真だけで食欲をそそるものはないね。
さっそくハラ減ってきた!
たらふく頂いた後、M'AXAに向かったといいうワケ。

10さて、ココから先はコンサート翌日の模様。
せっかくなので松阪の町を観て回った。
コレが見るところ満載で存外に面白い。
実は早めに切り上げて東京に戻る前に近くの温泉に寄ろう計画していたのだが、取りやめ。
ジックリと松阪観光に集中することにした。
まずはコレ。
松阪動物園跡…なワケない!
日本橋でも銀座でも三越の入口にこういうの置いてあるでしょう。ライオンといえば三井のシンボル。

45

ココがその三井発祥の地なんだと。
元和八年(1622年)、十四歳の時に三井高利(たかとし)は江戸へ出て兄の店を手伝い始めるが、二十八歳になると母の面倒を看るために松阪へ帰郷。
元々金があったんだね、松阪で金融業で蓄財し、五十二歳の時に江戸に「越後屋」なる呉服店を出す。これが今の三越デパート。
しかし、その店を次男に任せて自分はまた松阪へ引っ込んで、京都の呉服仕入店や両替商、さらに江戸のお店の監督をしたそうだ。松阪が好きだったんだネェ。
高利は将軍家に取り入ったり、当時は画期的だった店頭販売などに商才を現して一代で越後屋の繁栄を築き上げた。
当時の呉服の商売は訪問販売が普通で、支払いは年に二回だけだった。いわゆる「掛売り」ってヤツね。
このシステムだと資金繰りが悪くなり、金利分を商品の値段に転嫁せざるを得ないばかりか、貸し倒れの危険も多かった。
そこで高利は、お店で現金と引き換えに商品を売る方法を思いついた。そうすれば商品を安くすることができるばかりでなく、貸し倒れの心配は全くなくなる。
コレが大いにあたり、現在の日本の小売業の礎になったそうだ。
ま、私もかつては三井グループの会社に勤めていたのでチョット興味を示してみたよ。

40以前の記事でチラっと本居宣長が出てきたが、ココがその住居後。
宣長は医業や著述業に携わりながら、十二歳から亡くなる七十二歳までココで過ごした。
居宅自体は明治年間に松阪公園に移築されているのでココにはない。
今残っているのは長男の旧宅と本居家の土蔵。
蔵?…結局金持ちなんじゃん。

60

コレは宣長が大切にしていた松の木なんだって。
居宅を移設する時、木も移植しようとしたが難しく、移転先には枝ぶりの似た代理の松を植えたそうだ。

50v宣ちゃんの家の前にある旧家は小泉見庵というお医者さんの家の跡だ。
宣長のお母さんは息子を商人として育てたかったが、どうにもいうことをきかない。それで見庵先生に相談したところ、「ほんじゃ、医者にでもなればいいやん?」と医者になることを勧めた。
かくして宣長は本で医術を学び医者となり、後に高名な国学者になった。

70スゴイでしょ、街並みが!
まるで映画のセットだよ。
松阪も空襲に遭わなかったので、こうした古い町並みが今も残っている。

80「珍めだか」ってなんだろうな~。

90こんな素敵な街並みゆえ、そこら中で写生をしているお年寄りがいらっしゃった。
みんな水彩で、チョット覗くとみなさん、お上手!

100コレは立派な蔵と家構え。

110コレは三重県が文化財に指定している「旧長谷川邸」。
すごく面白かった。
伊勢は「大坂(当時)」、「近江」とならぶ江戸三大商人の一角。
江戸年間、木綿の仲買でいち早く江戸の大伝馬町に店を出し、大成功を収めたのがこの長谷川家。

120年末年始を除いた日曜&祝日のみの公開。

130というのも、展示の整備が進んだのは最近のことで、まだオールタイムで公開するか否かのようす見中なのだそうだ。

140長い間手つかずで保存されていたため、展示物の保存状態がすこぶるよく、とても見ごたえがある。

150敷地内には蔵がいくつもあって、当時の豪商ぶりがしのばれる。

160ボランティアで常駐している解説の方々もすごく勉強熱心で話しが面白い。
ともすれば「オレが、オレが」となりそうなところを、そうはイカンとこっちも池波正太郎や藤沢周平あたりの小説から吸収したありったけの知識で迎撃する。
すると、「ホホウ、お客さん、よくご存知ですな…」と、次から次へとうれしそうに興味深い話しを聞かせてくれる。

170これらの大判小判もホンモノ。
ちゃんとこの家から出てきたモノを展示している。
ココに存在するすべての資産は、近年長谷川家から県に寄贈されたそうだ。
何せ未発掘の古い民具が後から後から出てきて、それらひとつひとつを調べて、アイテム・ナンバーを振って管理する作業が大変な難事業だということだ。
そうした話しが大変に興味深く、とりわけココの展示のコーナーのオジちゃんの説明がかなりプロフェッショナルで感心してしまった。
特に興味を引かれたのは江戸時代の丁稚奉公のシステムの話しで、貧しい家の子たちの当時の苦労ぶりを耳にして家内は涙していた。

180以前に栃木のかつての私設銀行に現存する金庫を開けたら現金がほとんど入っていなくて、領収書や借用書の類しか出て来なった…という話しを書いた
そしたら、ココのオジちゃん曰く、金庫っていうものはそういうものなんだって。
お金はまたいくらでも回ってくるけど、そうした同じものがふたつとない証書類こそ金庫に入れて大事に保管するのが商人の鉄則だったそうだ。
ここの金庫も立派だが、「こないだ栃木で見た古い金庫はダイヤルの表記が『イロハ』でしたよ!」と言ったら係のオジちゃん、チョット間を空けて…「ウチだってありますよ!『イロハ』のヤツ!」と少しだけ闘志を燃やしていたのがおかしかった。

190vもちろん庭も立派!

200

210

220続いても「商人の館」という商人の館。
三大商人の一角の伊勢商人。その「伊勢商人」といえば、三井、長谷川、長井、殿村、そしてこの旧家の主、小津家ということになるそう。
これらの松阪商人の江戸店(えどだな)は日本橋の大伝馬町に集中していた。さっきの長谷川さんのところもそう。
ナニせ大伝馬町にあった木綿店74軒のうち、六割は松阪商人が経営していたという。
して、江戸の俗諺に、「江戸名物、伊勢屋、稲荷に犬のクソ」とあったらしい。
「伊勢屋と「犬のクソ」はわかるが、「稲荷」はどういうことか?
江戸の頃は、稲荷信仰が盛んで、そこら中にお稲荷さんがあったらしい。
地下鉄銀座線には「稲荷町」という駅がある。アジアで一番古い地下鉄の駅のひとつ。
この名前は近くにある下谷神社がかつては「下谷稲荷神社」あるいは「下谷稲荷明神社」と呼ばれていたことに由来している。ちなみに下谷神社は都内最古の稲荷神社だ。
そうそう、柏餅とか大福とか売っている和菓子屋さんってやたら「伊勢屋」さんが多いでしょう?
フト、思ったんだけど、昨日紹介した通り、伊勢地方は赤福をはじめとした餅菓子が発達したところで、そこから「伊勢屋」さんが多くなったのかしら?
アレ、なんでお赤飯を売っているんだろうね…もち米を使うからか。そうだ、もち米と小豆だもんね。

230この史跡は木綿で身を興し、その後、「小津和紙」で名を馳せた小津家の初代、小津清左衛門の家。
ココも県の有形文化財に指定されている。
「小津」さんというと、当然出て来るのは映画監督の小津安二郎でしょう?
私は完膚なきまでに黒澤派で、小津映画は滅多観ることがないんだけど、タマに観るとホッコリしていてなかなかよろしいな。
観た後の「今のは何だったんだ?」感がスゴイ。
いつか飛行機の中で観た遺作の『秋刀魚の味』には仰天した。
笠知衆の恩師が東野英治郎なんだぜ。で、その娘が杉村春子なんよね。実際の年齢を考えると配役がメチャクチャじゃない?
娘が嫁に行くとか、嫁に出すとか…ずっとスッタモンダしてる。
そういうところがいいんだろうね。
さて、その小津安二郎は生まれは深川だけど、お父さんが経営する肥料問屋の本店が松阪にあって、九歳から青春期を松阪で過ごしたそうだ。

240さすがの豪商、この家もすごいつくり。
外から見るより全然デカい。

250v使用人を住まわせていたこともあって母屋には二十もの部屋がある。

260とにかく広い!
こういう日本間ってのはいいもんだよね~。
…ということで、松阪観光の前半はここまで。
つづきはまた明日。

270さぁて、『ワテ6』もいよいよ後半戦に入って来たよ!
ここまで司会で大活躍のACEさんとのアコースティック・デュオ。

500vAce & Rollaだ。
Rollaってナニ?と問われると、それはシゲさんのこと。
名前の由来については後述する。

510v一曲目は、野獣のデビュー・アルバム『地獄の叫び』に収録されている「閉ざされた街」。

490伸びやかなACEさんの声が素晴らしい!

520二曲目も同アルバムから「灰に消えた過去」。
シゲさんのナイロン・ギターのアルペジオで導かれて曲はスタートする。
ナイロンを弾くシゲさんは珍しいよ。

530この曲でも味のあるACEさんの声を楽しむことができる。
こういう声で、こういう歌を歌うロックが全く消えてしまったね~。
やっぱり歌い手の声がいいと、ジックリ聞いてしまう。
終盤の大騒ぎの前の美しい瞬間だった。

540vそして、そして、キタキタキタキタ~!
野獣登場!

550ボーカルとギターはAce Nakaya。

560ベースはコーヒーブレイクですでにステージに上がった千藏'Cherry’正明。

570vストラップがスゴイ!
手書き!
きっと当時使っていたモノなんだろうね。
今だったら考えられない。ハンドメイドはいいもんだね。

580vドラムも同様にサニー杉田。

590vそして、シゲさん。ウン、Rollaだよ~、エヘヘ!
このバンドの皆さんはご覧の通り、ステージ・ネームを持っていらっしゃる。
当時の愛車の名前からつけられたのだ。
Aceの車はトヨタ・ハイ・エース。
シゲさんはトヨタ・カローラ。
千蔵さんは当然日産チェリー。
杉田さんはもちろん日産サニー。
うまいことやったね~。
東京だったら車を持っていないことも普通なのでいきおい電車の名前になっちゃうね。
「総武」とか「目蒲」とか「京王」とか「東武」とか…。「京浜東北」とか「西部新宿」なんて長くてイヤだね。

600_2高校の時、「『やじゅう』ってバンド知ってますか?」と四つ年上の先輩に訊いたことがあった。
「オマエね~、それ『のけもの』って読むんだぜ~」と教えてもらった。
まさか、そのギタリストとこんな関係になるとは夢にも思わなんだ。
インターネットを見ていて発見したんだけど、今、「変態編隊爆音笑劇弾 野獣」っていうバンドがあるのね。

610野獣は1979年、先に触れたアルバム『地獄の叫び』でデビューを果たした。
同年のミュージックマガジンの6月号では故中村とうようさんがディスク・レビューを担当している。
そのデビュー前の1978年8月にはジューダス・プリーストの名古屋公演の前座を務めている。
その時の演奏で多くのファンを増やし、ミッドランド(当時開催されていた中京地区の大アマチュア・バンド・コンテスト)でグランプリを獲得。
さらにEAST WESTにゲストとして招聘された流れがあって、レコード・デビューを果たしたのだそうだ。

620v今回演奏したのは「From the Black World」…デビュー・アルバムのタイトル・チューンだ。
『地獄の叫び』なんて邦題が付いているところがカッコいい。
とにかく70年代のブリティッシュを手本にした典型的なハードロック・サウンドがうれしい。

630シゲさんって、どうしてもジミヘンを演る機会が多いので、ブルース寄りのプレイが得意な印象が強いんだけど、モダンなハードロック・フレーズを弾かせると実はすごくカッコいいんだよね。
Rollover時代、「ジミを演っていると新しい奏法とかできやんやん!」とよく言っていた。
まさに水を得た魚のようなプレイだ。

640v迎え撃つAceさんのリード・プレイがまた素晴らしい!

650vそして、パワフルでタイトなリズム隊!

660vやっぱりこの時代の海外のロックの薫陶を受けた人たちの演奏はいいね。
筋金が入ってる!
そして、NATALのサウンドがバッチリとマッチしてる。

670v二曲目は「Terrible Night」。
時代を感じさせるタイトルがまたいい!

680

シゲさんはこの日、通しリハもあって、朝からずっとギターを弾きっぱなし。
だもんで、後半に入って疲れを見せ出した感も少しあったのだが、それは私の見間違えであった。
ゼンゼン、元気。
弾くわ、弾くわ!60年分弾きまくった!

685vAceさんもバッチリ相手を務めてくれて、激しいギター・バトルが展開した。
この日一番ギターが活躍したエキサイティングなシーンだった。

690下の写真はコンサート前半のようす。
実はオリジナル野獣にはもうひとりメンバーがいた。
真ん中の黒いシャツを着ている方がその人、佐藤'Bunchan'文三さん。
もう演奏活動をされていないということで、野獣のステージには加わらなかったが友情出演をする場面もあった。
ちなみに文三さんの当時の愛車は「セリカ」だったが、それをそのままステージネームに適用すると女の子みたいだったので「ブンちゃん」にしたそうだ。

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

700さて、この野獣、10月に復活ライブが敢行される!
日程と会場は以下の通り;
15日 厚木サンダースネイク
16日 目黒鹿鳴館
21日 名古屋ELL
22日 四日市ケイオス
23日 松阪M'AXA

メンバーは、Ace、Rolla、Cerryのオリジナルメンバーに加えて、日下部正則、すなわちバーニー!
そしてドラムが川口千里ちゃんというスゴイ布陣。コレがホントの「美女と野獣」?
ああ~楽しみだ!

Noke1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

<まだつづく>

(一部敬称略 2016年7月2日 松阪M'AXAにて撮影)

2016年9月 1日 (木)

ワテは60からだす!!:中野重夫の還暦を祝う <その3>~私のお伊勢さま (後編)

今日はお伊勢参りの後編から。

10この「おはらい町通り」」を歩いていてとにかく目につくのが「伊勢うどん」の五文字。

20マァ、何しろ「伊勢うどん」だらけ。

30実際に伊勢うどんを食べさせるうどん屋さんからお土産屋さんまで一斉に伊勢。
お腹も空いてきたので、ココは当然ご当地の名物を頂いて…というのがノーマルな旅の進行なのだろうが、実は私、伊勢うどん苦手なのよ~。
50
うどんは大スキなの。
以前勤めていた会社の近くにうどん屋ができたってんで早速行った。
そこが伊勢うどんのお店だった。
「伊勢うどんか~。始めて食べるな…」と口に入れてビックリ仰天。
フカフカだったのだ!
下の宣伝文句には「もちもち」って書いてあるけど、ああいうのは「もちもち」とは言わない。
「ふかふか」が正しい。
もしくは「ポワポワ」かな?
何せ「うどん」といえば頭の中は完全に「讃岐うどん」なものだから、あのコシのなさはシンドかったな。
…ということで、伊勢うどんはパスして、松阪に戻って焼肉を食べることにした。

40この伊勢うどんを見るとイギリスのパスタを思い出しちゃうんだよね。
イギリスには「アルデンテ」という言葉はない…としか思えない。
イタリア料理店に入ってパスタを頼むと、出て来るのはすべてふっかふかの離乳食状態。
これがバジルをタンマリ加えたトマトソースにからまってマズイことこの上ない。
せめて麺にコシがあれば…と、ウェイトレスに麺を茹ですぎないように頼んでも、どうにも意味が通じない。
英語で食感のことえを「texture」というが、土台、連中には「麺のコシ」という発想が皆無で、小学校の給食のソフト麺のようなテクスチュアしか知らないようなのだ。
で、何回か硬茹で麺をオーダーしているウチに気が付いたのが、そこら辺のイタリア料理店ではすでに茹でてある冷凍のパスタを使っているということ。
それじゃ麺の硬さなんか調節できっこないよね~。

70ちなみにこの伊勢うどんの麺の柔らかさは、昔、長距離を歩いて伊勢にやって来た人たちの胃の負担にならないように、つまり消化しやすいように徹底的に茹でで麺をソフトにしたのだそうだ。
優しいね~。
このお店は有名なのかな?
「支度中」なのに行列ができてる。
で、フト玄関に目をやると立派な注連縄(しめなわ)が…。

60
この旅は七月の上旬…それなのにまだ注連縄が飾ってあるの?と不思議に思うのはこの辺りの人以外の感覚。
伊勢では一年中注連縄を飾る習慣があるのだそうだ。
松阪でもよく見かけた。
「蘇民将来子孫家門」と書かれた注連縄は、スサノオノミコトがらみの民話が元になっていて、厄除けの意味があるそうだ。
「蘇民将来」の由来は各自調べてみてくだされ。

310 もうひとつやたらと見かけるのがコレ。

80「てこね寿し」っていうヤツ。
伊勢うどんとてこね寿しで「伊勢セット」なんてやっている店が何軒かあった。

90こうした観光地にはありがちなのだが、餅とか饅頭の類がとにかく盛ん。

100
190
こんな餅菓子の博物館まである。
赤福餅をはじめ、まつかさ餅、太閤出世餅、二軒茶屋餅等、すごい種類の餅菓子が流通している。

110この博物館、伊勢参りの歴史をやさしく解説しているコーナーがあってとても面白い。

120v昨日も書いたけど、いかに伊勢参りが大事業であったかがよくわかる展示だ。

130コレは床屋さん。

140v魚屋さん。

150お茶屋さん。

160流行りの地ビールも。
何種類か持ち帰って飲んだけど、おいしかったよん。

180ホラ、銀行もこんな感じ。
ところで…この数字の名前の銀行って変じゃない?
私の周辺で言うと、富山にいた時に第四銀行(だいしぎんこう)ってのが事務所と同じビルに入っていて、長野にいた時には八十二銀行にお世話になった、
今日の「マーブロ勉強コーナー(「大きなお世話コーナー」ともいう)」のテーマは銀行だよ。
数字がついた銀行は「ナンバー銀行」などと呼ばれ、今でも第四、七十七、この百五などが営業している。
コレはナニかというと…。
幕末から明治に入った当初、政府は通貨を整備するところまで手が回らず、世の中は幕藩時代の藩札をはじめとした種々雑多なお金が流通する混乱状態にあった。
時の政府はこうした事態をナントカ収拾するために、明治五年(1872年)に「国立銀行条例」を制定して、民間の銀行に銀行券を発行させ、これまでの紙幣を新しい銀行券と交換させて混乱状態にあった既存のお金を回収しようとしたんだね。
「オラオラ、新しい金に換えてやるから古いの全部持ってこい!」とやった。
そうするために、国立銀行を四つ設立した。
まず、「第一国立銀行」…コレは第一勧業銀行を経て現在のみずほ銀行になってる。
「第二国立銀行」は今の横浜銀行。
「第三国立銀行」は大阪に作られるはずだったが営業開始前に解散。つまり実現しなかった。
「第四国立銀行」は新潟が本拠地の今もあるヤツ。そういう意味では現在最も歴史の長い銀行だ。
四つ目は大阪で設立された「第五国立銀行」で、今は三井住友銀行に引き継がれている。
その後、明治九年(1876年)には更に条例が改正され、次々に国立銀行が設立され、認可を受けた順に番号のついた銀行がジャンジャン誕生した。
三年後の明治十二年 には、その数が153にも上ったという。
だから津に本店を置くこの「百五銀行」は、105番目に認可を受けた国立銀行だったというワケ。
ちなみに長野の八十二銀行は、82番目に認可を受けたのではなくて、第十九銀行(上田)と六十三銀行(小諸)が合併してできた。
「19+63=82」だからね。
あなたなら何番がいい?

200この「第三銀行」は出身が国立銀行ではなくて、松阪に本店がある第二地方銀行。
ややこしい~!
ココのATMの利用明細伝票はおみくじになってるんだって!

210vコレは郵便局。

220vイヤ~、おはらい町通り、ホント面白かった!
今度はさっきの橋のところから隣のエリアに移動してみよう。

230そう、おかず横丁!
鳥越神社に近いお総菜屋さんが並んでいるところね…って、オイオイ、写真がチャウやんやん!
ちなみに千貫神輿で有名な「鳥越」は、正しくは「とりごえ」ではなく「とりこえ」と読む。
こないだ、鳥越祭りの時に辺りをブラついていた若いカップルが「とりこしじんじゃ」と言っていたが、顔を洗って出直して頂ければ幸いだ。

235vハイ、コレが正しいヤツ。
「おかげ横丁」だ。

240vおかげ横丁は、昨日触れた第61回目の神宮式年遷宮の年である1993年(平成五年)に開業した新しい観光スポット。

250お伊勢参りが盛んだった江戸時代の街並みを再現しているそうだ。

260レプリカとはいえ、おはらい町通りの雰囲気が連結していて、ちっともチャチくない。

270招き猫がマスコットなのかしらん?
350
あらゆるところで猫の姿を見かける。

280
300
ネコ好きの人達にはうれしい?

290

330

マァ、どこもかしこも…簡単に言えばお土産屋さんだらけということよ。

370v

でも、すごく丁寧に作ってあって見歩いていてもゼンゼン飽きることがない。

360イベントの掲示板もこの通り。

380子供相手に流しそうめんをやっていた。

390v養殖真珠で有名なミキモトのお店。
創業者の御木本幸吉は鳥羽のうどん屋の息子さんだ。
品質の良さを証明するためだかなんだかで、商品を燃やしてしまった…とかいうエピソードがなかったっけ?忘れちゃったな。
覚えているのは、あるイギリスの楽器商社の社長さん(金持ち)が日本に来た時、「結婚記念日に最高級の真珠を買いたいのでMIKIMOTOに連れて行ってくれ」と頼まれたことがあった。
「ミキモト」ご指名だったよ。
スゴイね~、日本の技術と商品は!

400ココも実に楽しかったな~。
スッカリ気に入っちゃった。

410駐車場の向かいの喫茶店。
おかげ横丁の反対側の入口。

420ココのマスコットも猫ちゃん。
楽しそうに踊ってら!
さて、M'AXAも盛り上がってそろそろダンス・タイムかな~?

430v…ではなくて、ステージはアコースティック・セットに入る。
バンドは「やまとなでひで」。

440ボーカルはM'AXAの剛さん。
450v
パーカッションは本多'taco-bow'正典。

460vフルートの中野恭子。

470そして、中野重夫。

480「やまとなでひで」は、1984年のライト・ミュージック・コンテストでグランプリを獲得した「中野ブラザース」を経て、シゲさんと実弟の秀夫さんが中心となって結成したグループだ。
今日はシゲさんの長年にわたる音楽活動を振り返るというプログラムで、ほとんどその当時のメンバーが結集しているが、この「やまとなでひで」は残念ながらオリジナル・メンバーで出演することができなかった。
ナゼなら、ヒデさんが2008年に早逝してしまったからだ。
その代役を剛さんが務めて歌うのは「ダンシング・ドール」。

490実は、私は二度ほど秀夫さんにお会いしたことがある。
最初は、今回の<その1>で触れた通り、シゲさんに呼んで頂いてFM三重のラジオ番組に出演した時。
津にあるラジオ局へ行く前に秀夫さんがやっていたライブ・バー「異時輪摩(いじりんま)」へ連れて行ってくれて、パスタをごちそうになった。
失敬ながら何の話をしたのかは覚えていないが、私のことだからMarshallか音楽の話にキマっている。
でも、パスタがすごくおいしかったのとヒデさんがニコニコ楽しそうにおしゃべりをしていたのをハッキリと覚えている。
520
二度目にお会いしたのは東京でのこと。
コレも<その1>で触れた、GOODYEARの代理店の総会にお邪魔した時のことだった。
その時のメンバーはシゲさんと、今日フルートで出演している時の奥さま、恭子さんの三人だった。
ガンという病魔に侵されたヒデさんは、津でお会いした時のハツラツとした印象とはまったく異なり、痩せてしまって、立っているだけでもすごく辛そうだった。
ヒデさんは「最後に兄貴ともう一度演りたい…」とシゲさんに希望を伝え、無理を承知でそのステージに立ったのであった。
私はその時に初めてナマのヒデさんの歌声を耳にしたが、「やまとなでひで」のCDで知っていたヒデさんのそれより、やさしく、そして力強かった。
それから数か月してシゲさんからヒデさんの訃報が届いた。
49歳という若さだった。

530v

今回、剛さんのMCで知ったのだが、「M'AXAをアメリカのパブのイメージにしよう!」とアイデアを出しのはヒデさんで、実際に内装も自らの手で施したのだそうだ。
お店の名前は兄貴、インテリアは弟…中野ブラザーズはM'AXAの歴史に大きな足跡を残しているのである。
二曲目で合流したのは…

500センチメンタルシティロマンスの中野督夫。
久しぶりの督夫さん。
四年ぐらい前に、ある方面から頼まれて鈴木茂さんを撮影した時以来。
その時、小坂忠さんとともに三人で「完熟トリオ」に参加されていた。
510v
考えてみるとステージには「中野さん」が三人!
「中野さん」、「高円寺さん」、「阿佐ヶ谷さん」だったら面白かったんだけどな…そんなことあるワケない!
督夫さんはヒデさんが作った「星と雲」を故人に捧げて歌った。

540_2

ココで督夫さんの音頭で乾杯。
あ、私も写ってる。一生懸命仕事してるのだ!
カンパ~イ!

560

ハイ、お客さんもご一緒に~!

546シゲさん、還暦おめでとうございます!

570vお客さんとも乾杯~!
この後、シゲさんはお色直しで一度ステージを離れた。

580しばしスペシャル・ゲストの中野督夫さんコーナー!
590
現センチのコーラス、アイちゃんも参加!
550v
生前のヒデさんが好きだったという1975年のセンチのシングルから「篭時」。
ヒデさんもこの演奏を聴いてきっと喜んだに違いない。
525v
シゲさんもお色直しをして、アコギを手に戻って来た。
740
曲は「雨はいつか」。

700v元センチのTaco-Bowさんは以前、Rolloverにドラムで参加していたので何度もご一緒させて頂いている。
久しぶりに会えてうれしかった。

710v督夫さんの絶妙なリードでお客さんも参加して大盛り上がり!

720v今日唯一の管楽器、恭子さんのフルートの美しい響きが会場にこだました。

730vパッと出てきとと思ったら、歌とギターとおしゃべりで、グ~ッとお客さんの気持ちをつかんでしまうあたりはサスガ!
コンサートの名シーンのひとつになった。

750シゲさんと固い握手を交わして督夫さんはステージを降りた。

760ステージのシゲさんと剛さん。
シゲさんは何を見上げているのか?

770vシゲさんの視線の先は上手側の壁…

780中ほどに飾ってある弟の写真と愛器に目で話しかけていたのだ…。

790v中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

<まだ結構つづく>

(一部敬称略 2016年7月2日 松阪M'AXAにて撮影)

2016年8月31日 (水)

ワテは60からだす!!:中野重夫の還暦を祝う <その2>~私のお伊勢さま (前編)

コンサートの当日、開演までタップリ時間があるので伊勢神宮へ足を延ばしてみた。
神宮には天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする「内宮(ないくう)」と、衣食住をはじめ、産業の守り神である豊受大御神(とようけだいじんぐう)をお祀りする「外宮(げくう)」がある。
他に14の別宮、43の摂社、24の末社、42の所管社ってのがあって総計125の宮社で構成されているのだそうだ。
まずは、松阪市内から行って手前の外宮から。

10鬱蒼とした木々に囲まれながらジャリグリ、ジャリグリと玉砂利の参道を歩くと何となく心が洗われる感じがしますな。

20お宮が見えてきた。

30vこれが豊受大神宮の入口。
この鳥居の中は撮影禁止だ。
皇室の方々以外は境内に入ることが許されず、お宮自体を見ることもできない…とは知らなんだ。
「一生に一度はお伊勢さま」といって江戸時代、民衆は皆、伊勢を目指したといってもいいぐらいだったんだって。
学校で必ず習う国学者、本居宣長が著した『玉勝間(たまかつま)』によると、寛永2年(1625年)の4月9日より5月29日までの50日の間に362万人がお参りしたと記されているそうだ。
一日7.2万人!ホンマかいな?
ちなみに本居宣長は松阪の出身だ。
ところが、昔は新幹線なんてないから、みんなテクテク歩いて行く。
日本橋から伊勢まで11~15日程度の旅程だったらしい。
その間、仕事は休まなければならないし、道中の金はかかるしで、「伊勢まいり」は何十年もコツコツと金を貯めて、一生に一度実現するかどうかの一大プロジェクトだったらしい。
…ということで、当時は「講」というシステムがあった。
「富士講」とか「伊勢講」っていうヤツね。
みんなで少しずつお金を出しあって、数年に一度そのお金を使って、抽選で誰かが代表して行ってく…という仕組み。ようするに「宝くじ」だ。
ナント、伊勢神宮自体がこのシステムを紹介して伊勢参りを広めていたという。
行けた人は超ラッキーだけど、行かれなかった人はツマらないでしょ?金だけ出すんだから。
…ということで、行った人は行けなかった人たちに大量にお土産を買って帰ってくる。
コレが日本人の「お土産好き」の元になっているという説もあるそうだ。
そう、外人って絶対にコレをやらないもんね。
「バディにコレ買って行ってやろう」ということは当然あるが、「事務所の全員に雷おこしを買って行ってやろう」という外人は今までただの一度も見たことがない。

40ナニせお宮自体を見ることはできないので、見学に要する時間はやたらと短い…ということで早速内宮へ移動。

50ひと月チョット前に開催された伊勢志摩サミットの残り香がまだ漂っていた。

70お~、ここにも一升びん。
かなり庶民的なルックスのおばさんが客引きをしていたが、お値段の方はランチでもあんまり庶民的ではなかったナァ。

75周囲に設置されている自販機も雰囲気を合わせている。

85豊橋を起点とする国道23号線の終点。

90_2土曜日の朝だったけど、駐車場待ちの車で大渋滞!

100コレが内宮の入口。
世界のVIPが歩いていたところね。

110参詣者を見ていると、案外多いのが鳥居をくぐる時にチャンと立ち止まって頭を下げる人たち。
こういう作法ってのは実にいいもんだよね。
すべての所作に意味があって、上品で、すごく面白い。
こういう場所に来た時の私がひとつのお楽しみは、神社をお参りする人たちの立ち居振る舞いを観察すること。
驚くほど「二礼二拍一礼」ができていない人が結構多い。
一方ではお寺で柏手を打っちゃう人もいるし…。

120v内宮への入口の五十鈴川にかかる宇治橋を渡る。
この橋は日常の世界から神聖な世界へ、そして、人と神とを結ぶ架け橋といわれているそうだ。

130トカゲのお出迎えつき。

140内宮は外宮とまた雰囲気がチョット違ってオープンな雰囲気。

150この日はメッチャ暑かった~!

160さっきの話、江戸時代の人々はお伊勢参りをして、ここで「太々神楽」を奉納をするのがクライマックだったそうだ。

170内宮にも木々が鬱蒼としているが、この辺りはすべて原生林なんだって!

180いよいよお宮に到着。
こちらも写真撮影が許されるのはこの階段の下まで。
つまりお宮本体を見ることはできない。
何せ七世紀からある神社だからして、お宮もさぞかし年季の入った歴史的建造物だと思うわね?
ブ―!
伊勢神宮には「式年遷宮(しきねんせんぐう)」といって、二十年に一度、大御神さんには神殿を引っ越してもらって、その間にご社殿等を全てを新しくするしきたりがある。
つまり、二十年に一度、社殿がピッカピッカの新築になっちゃう。
だから、古い建造物はほとんどないのだ。
コレは1300年にもわたって繰り返されてきた儀式で、最近では去年62回目の式年遷宮が行われた。チョット計算が合わないのは中止していた時期があったからだ。
「オイオイ、そんなことをしたらモッタイないじゃないか!」と思うでしょ?
ところがドッコイ、解体されたお宮の廃材は全国の神社でちゃんと再利用して無駄のないようにしているそうだ。
コレが日本人の「もったいない精神」の礎になっている…ということを最近知った。
日本人ってのは本当に賢くて、おしとやかでエライ!

190参詣の後は横っちょの「おはらい町通り」へ。

200ココがメッチャ素敵!
松阪や伊勢は空襲がなかったので古い町並みがそのまま残されている。
先日の栃木市の蔵にも興奮したが、こういうのが大好きな私は、左右の家々を見ているだけで最高に面白い。
230
ココは要するに浅草寺の仲見世みたいなモノ。
建物は古くても中身は商魂の権化だ。

210松阪牛の牛丼…おいしいんだろうな~。

220ビックリするぐらいバラエティに富んだお店が並んでいるよ。

240ココなんかチョット竹下通りみたいじゃん?

250
300
ファミマの看板もこの通り。

280伊勢神宮の神々にも朝晩の食事が供される。
伊勢神宮ではこれを「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけのまつり)」というそうだ。
で、大御神(おおみかみ)に供えられる大御饌(おおみけ)には、鯛、昆布、御飯、鰹節、野菜などの他に酒が付いている。

290そして、皆さんよくご存知の灘の「白鷹」は、全国数ある酒蔵の中よりただひとつ選ばれた神宮に供えられる酒なのだそうだ。

295『用心棒』に出てきそうな食べ物屋さん。
なんかヒョッコリ東野英治郎が顔を出しそう!

310お豆腐屋さん。
私が若いころは、鍋を持って豆腐屋さんに買いに行かされたもんだ。
冬場、豆腐屋さんの仕事を見ていて、オジちゃんが冷たい水に手を入れるのが気の毒だったナァ。
今はみんなスーパーで買っちゃうんだろうけど、豆腐屋さんでちゃんと作った豆腐は大豆の香りがして本当においしい。
ウチはラッキーなことに浅草中の料亭に卸しているメチャクチャおいしい豆腐屋さんが近くにあって、絶対にそのお店以外では豆腐は買わない…というか、一度このお店の豆腐を食べたらスーパーのはマズくてとても食べれない。
はい、ココでクイズ。
夏はヤッコ、冬はナベと一年を通して日本の食卓を彩る豆腐…夏と冬、どちらの需要が大きいでしょうかッ?
答えは冬。
ま、そうは思っていたけど、その豆腐屋のおばちゃんに言わせると、夏と冬の差たるや比べ物にならないらしい。手がツライぞ~。

320ラーメン屋もこんな感じ。
この建物は古くないな。

330ふと家と家の間に目をやるとさっきの五十鈴川が…。

350喫茶店の建物の間を通って川へ出られるようになっている。この喫茶店すごくいい感じ!

360水辺はいいね、涼しげで!

370こうして川を目の前にお茶が頂けるというワケ。

5_img_3339 コレは薬屋さん。
屋根が二連になっている作りが面白い。

375五十鈴川の上から「おはらい町通り」を見下ろす。
通りの向こうは新しい観光スポット、「おかげ横丁」だ。

380赤福の本店!
創業は1707年。
この現在のお店になったのは1877年のことだそうだ。
せっかくなので入ってみる。

390グエッ!ア、アヅイ~!…と思ったらこんなにデカいカマドでお湯を沸かしてやがる!
薪で沸したお湯でお茶を入れると美味しいんだよね。

400もちろん食するのは元祖赤福!
味はどこで食べても同じやね。
お茶も楽しみだったんだけど、ナント、冷たいほうじ茶。
アツいの飲みたかったのに~!
悪いんですけど、このお伊勢参りレポート、まだ続きます。

410さて、レポートの現場は松阪M'AXAへ戻る
中野重夫還暦記念コンサート、『ワテは60からだす!!』の四番目の登場はDYNAGON!
え~、もう出ちゃうの?!
DYNAGONは1986年結成のインスト・ハードロック・バンド。
2012年に24年ぶりに再結成し、現在も盛んに活動中。
私は「中京の重戦車」と呼んでいる。

415加藤剛

420v宮田'Tosh'叔侑

430v増井康博

440vそして、中野重夫。

450v今度はSGに持ち換えたシゲさん。
DYNAGONの時のメイン・ギターはSGだ。

460一曲目は「Moon」。

470vヘヴィなミディアム・テンポに乗ったドマイナーなナンバー。

480vナンカお祝いの場にはいささか不向きなような気もしますが…いいナァ。
いかにもDYNAGONらしい曲だ。

490v二曲目はテーマ・ソングの「Dynagon」。

500ところで、DYNAGONって「ダイナミック・ゴンザレス」から来てるって知ってた?
「大納言」ではない。
コレもシゲさんが命名したと昔聞いたことがある。
なんで「ゴンザレス」なのかは知らない。


<追記>
昔からDYNAGONを知る名古屋在住の友人からバンド名の由来についてご指摘を頂戴しました。
「DYNAGONというのはDYNAMIC DRAGONの略称ではないか?それゆえDYNAGONのシンボルも龍なのでは?」
なるほど…名古屋だし…。
しかし、もうずいぶん前の話になるが、私はシゲさんが「ダイナミック・ゴンザレスの略や!」と言ったのをハッキリ覚えている。
あまりにもヘンテコリンな名前だったので、今日の今日までとても印象に残っていたのだ。
で、早速本人に電話をかけて確認してみた。
シゲ:「ガハハ!そうか!そうやったかな?何でもエエんや!和気あいあいとした雰囲気の中で決めたんやけど、ドラゴンってのもあったな。
何しろナニか強そうな名前を付けようということになって濁点の多い名前を使いたかったんやね。
ゴンザレスじゃ確かに意味がないやんやん。名古屋やからドラゴンはピッタリや。
ま、何でもエエんや!」
Shige(私):「え?そんなんでMarshall Blogに書いちゃってメンバーの皆さん大丈夫なの?」
シゲ:「エエんや!何でも大丈夫や!」
…と、シゲさんのキャラクターを反映した完全に予想通りの答え!
とにかくひとつ言えるのは…DYNAGONはカッコいいということや!←あ、コレは私の意見です。
ご指摘ありがとうございました!
520_2
荒れ狂う剛さんのソロ!

510Marshallから絞り出される枯淡の音色で縦横無尽に弾きまくるシゲさん。540v
そして、そのふたりの一騎打ち!この曲の見せ場だ!

530DYNAGONはいいナァ。すごく好き。
もっと曲を増やして活動の幅をバンバン広げてもらいたいと思う。

550ここでひとつ紹介したいことがある。
…というのはToshさんのこと。
ToshさんはGONZというキーボード・トリオのバンドをやっていて、「ウッシー、コレ聴いてもらったっけ?」とCDを差し出してくれた。

560vそれがこの『INSTRUMENTAL TRANCE PHENOMENA』という一枚。
コレがですね~、メッチャかっこいいのよ!
Toshさんには思いっきり失礼なんだけど、スッカリ見直しちゃったよ!
ギンギンの変拍子に乗ってキーボードとベースとドラムが思う存分グルーヴしちゃう。
Toshさんのベースをはじめ演奏は荒削りなんだけど、そこがまたチマチマしてなくて実に気持ちがいい。
日本もDYNAGONとかこういうバンドがもっと出て来るといいのにな~。

565cdDYNAGONのメンバーがそのままステージに残ってボーカルが加わる。

570ボーカリストはKaz杉山。

580vバンドはSpritz。
オリジナル・メンバーが結集した。

590某大型バンド・コンテストで全国大会まで勝ち進んだバンドだった。
そういえば、そういう全国規模で開催するバンド・コンテストなんてのはスッカリなくなっちゃったね~。
今、そういうコンテストがあって、若いバンドが沢山出たら審査員ツライだろうな~。だってどれも全部同じじゃない?
そこへ行くと昔のそうしたバンド・コンテストってのはバラエティに富んでいて面白かったね。

600「ミッドナイト・トレイン」という曲を演奏。
620
ハリのある杉山さんの声がグイグイとバンドを引っ張っていく。
630v
久しぶりの演奏…と言ってもDYNAGONは現役ということもあって、相性もバッチリの熱のこもったパフォーマンスだった。

640ココでボーカルが交代。

650今日二人目の女性ミュージシャンとなる杉山とみ子。

660vバックはそのままDYNAGONの四人、イヤイヤ、Spritzの四人。
昔の仲間のバックを務めるDYNAGONとして見とろ、なんかThe Bandの『Last Waltz』みたいじゃんね!

670

680v

690

700v1983年に短期間活動したSpitiz2。
前出のKaz杉山さんがSpiritzを脱退し、その後、代わりにとみ子さんが加入したという歴史がある。
曲はFreeの「Whishing Well」。

710シゲさんのソロが冴える!しっかし、SUPER100JH、いい音だな~!

720二曲目はPhoebe Snowでよく知られる「Good Times」。
元は1964年のSam Cookeの曲。
チョット脱線させてね。
私、全然熱心なファンじゃないんだけど、Phoebeの声が好きで何枚かアルバムを持っている。で、やっぱり一番聴くのはこの曲が冒頭に入っているデビュー作『Phoebe Snow(邦題:サンフランシスコ・ベイ・ブルース/ブルースの妖精フィービ・スノウ)』だ。
何でかっていうと、このアルバム、Ron Carter、Chuck Domanico、Chuck Israels、Steve Gadd、Bob James、Zoot Sims(なんでやねん?)、Teddy Wilson(なんでやねん?)といったジャズ系のミュージシャンが多く参加しているからなのね。
Ron Carter、Chuck Domanico、Chuck Israelsといったベースの激名手が集まっているところがスゴイ。
そして、この曲、メッチャいいよね~。ヤケクソにムズカシイ曲だと思う。
ところがコレ、Sam Cookeの原曲とは似ても似つかないんだよね。Cookeの方もいいけど、Phoebeの方が断然いい…というか、別の曲と言っても何ら差し支えないだろう。
Persuasionsのコーラスまで入れちゃって…ここまでやるなら自分で一曲作ればよかったのに…
というのは大きなお世話か。
まさか今日ここで聴けるとは思わなかたのでうれしかった!

730v続いてはインストのセット。
「コーヒー・ブレイク」というシゲさんが十九歳の時にやっていたというバンド。

740このバンドの時はコピーが中心だったそうだが、ナント、「Lark's Tongue in Aspic PartII(平たく言って「太陽と戦慄」)」やら「Red」やら「21st Century Schidzoid Man」等のKing Crimsonの曲、それから四人囃子の「Lady Violetta」、さらに「Sylvia」かなんかだろう、Focusの曲をレパートリーにして各地のコンテストで賞をかっさらっていたらしい。
シゲさんがCrimsonね~、そんな話し聞いたことなかったな~。今度、目の前で弾いてもらおう。

745千藏'Cherry'正明

760サニー杉田
以上のお二人は野獣のメンバー。

770vそして、トラで剛さん。
750v
当時のレパートリーからSantanaの「Europa」。
ヨーロッパ(Europe)じゃなくて、「エウロパ」だっていう大二さんからのご講話は以前Marshall Blogで紹介した。「エウロパ」は木星の第二衛星だ。
でも、調べてみると、ポルトガル語やオランダ語はヨーロッパを英語式の「Europe」ではなくて「Europa」と綴るんだよね。
この話しはここまで。
岡井大二さんといえば、湯川トーベンさんと「大ベン」というグループをやっていて、シゲさんがギターを弾いたこともあったんだよね。
活動の幅がオッソロシク広いシゲさんの還暦祝いはまだまだ続く。

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

780v1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

<つづく>

(一部敬称略 2016年7月2日 松阪M'AXAにて撮影)

2016年8月30日 (火)

ワテは60からだす!!~中野重夫の還暦を祝う <その1>

今の若い人が聞いたら驚くかもしれないが、四十年ぐらい前、すなわち自分が十六、七歳の頃は、三十歳を超してロック・バンドをやっている人は奇異の目で見られるのが普通だった…というか、二十代で芽が出ないと、自ら身を引いて行った感じだった。
ロックというのはそういう音楽だった。
まだ、「男子は三十歳になる前に結婚するのが当たり前」と言われた時代だ。
今では三十歳なんてまったく若手だもんね~。
そうかと思うと十歳ぐらいでピロピロと大人顔負けのシュレッディングを披露するスーパー・キッズもそう珍しくなくなってきた。
一方、ベテラン組もかさむ年齢もなんのその、そこら中で「還暦祝い」のイベントが開催され、バリバリと現役で活動しているのはうれしいことだ。
私が若いころは還暦を迎えるロック・ミュージシャンは皆無だったんよ。誰もいなかったのだよ。
そしてまた、バリバリの現役のまま還暦を迎えた「ロックバカ」…イヤ失礼!…大ベテランを祝うイベントが開催された。
ギタリストの中野重夫である。
以下、「シゲさん」。
イベントのタイトルがいい…『ワテは60からだす!!』。
ケンタッキーのオジちゃんも六十60歳を超えてからニワトリを揚げ始めたっていうじゃんね。
「六十歳なんてまだまだこれから」ってことなんだな~。
さて!
今日はせっかくだからまずはじめに「還暦」の勉強をするぞ!
何で六十歳で祝うのか?…ま、こういうのは大抵深く掘り下げず、「ああ、長生きできて感謝、感謝」ということでまとまってしまうことが多いが、ご存知の方も多いと思うが、今日はちゃんとおさらいをしておこう。
「還暦」…「還」は「戻る」という意味。「暦」はもちろん「こよみ」だ。
「暦が戻る」とはどういうことかと言うと、まさに「暦が戻る」ということだ。
我々は干支(えと)についてはよく知っているでしょ?「ねー、うし、とら、うー…」と十二のメンバーで構成しているバンド…あ、バンドじゃないか。
日本の暦というのは、もうひとつ、「十干(じっかん)」というヤツを組み合わせて年を表すことになっているのね。
「十干」は『おれは鉄兵』のカバッチョ先生が担任している「戊組」でおなじみの「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」ね。
コチラのメンバーは十。
このふたつを合体させたものを干支(かんし)といいて、コレでその年を表現するワケ。
例えば今年は「丙」と「さる」がくっつく「丙申(ひのえさる)」の年。
来年はひとつずつズレて「丁酉(ひのととり)」。
再来年は「戊戌(つちのえいぬ)」
…と順繰りに組み合わさっていく。
するとその組み合わせってのにはズレが生じてくるでしょ?
方やメンバーが十。もう片方が十二なんだから。
こうしてすべての組み合わせを済ませて、元の干支(かんし)に戻るのに六十年かかるワケ。
コレはKing Crimsonの「Frame by Frame」でRobert FripとAdrian Belewが演ったのとまったく同じ現象だ。
だから今年還暦のシゲさんは昭和31年の「丙申」の年の生まれで、次に「丙申」の年がやってくるのは六十年後の2076年になる。
おもしろいネェ。
もうひとつ…還暦のお祝いには赤いチャンチャンコを着るじゃんね。
コレはナニか?
暦が一巡したことで、昔の人は「もう一度生まれたときに戻る」と仮想したワケ。
このあたりは以前、広規さんの還暦祝いコンサートの時にも触れた。
古来日本では赤い色は「魔除けの色」と考えられ、赤ちゃんの産着(うぶぎ)には赤が用いられた。
そこから、赤ちゃんに戻る還暦の時にもう一度赤いものを身につける風習になったとさ。
あ~、いい勉強になったね~。
…ということでシゲさんの還暦祝いのはじまり、はじまり~!

10v♪行くぜ松阪、東名に乗って、こりゃ腰がタマらんらん!
シゲさんは三重県は松阪の人だ…ってんで午後1時に用賀から高速に乗って一路伊勢の国へ!
実は車の運転あんまり好きじゃないのよ…。

Img_3246 着いた~!
東名高速を休み休みで約6時間。
一緒に行った家内の助けもあって、そんなに辛くなくて助かった。
実はシゲさんのところへ来るのはコレが三回目でしてね。
最初はシゲさんのお父さんのお葬式だった。
そんなことで去年ウチの父が死んだ時にもワザワザお線香を上げに東京まで来てくれた。
二回目は、当時シゲさんがDJをやっていたFM三重(後にFM愛知)のラジオ番組『中野重夫のキープオンロッキン!』にゲスト出演させてもらった時だ。
考えてみるとシゲさんの番組には、都合3回出演させてもらってるんだよね。
で、なんで下の写真の場所が目的地なのかって?

20_2シゲさんの本業はギターなんだけど、それよりチョット趣味がかって長年取り組んでいるのが「タイヤ屋さんの社長さん」というパフォーマンスなのだ。
普段は「有限会社中野タイヤの社長」という役回りを演じている。
そして、今年でめでたく十万六十歳。
悪魔じゃないないって!
40
EAGLE SHOPというGOODYEARの正規代理店で、お店からほど近い鈴鹿サーキットにも納品している。F1の仕事をしているというワケ。
30
何でも過去には売り上げが好調でGOODYEARから表彰されたこともあるそうだ。
それがサ、私はそのGOODYEARの代理店の総会というのにお邪魔したことがあったのよ。
余興の部で、Marshallを使ってギターを弾くというので面白そうだから遊びに行った。
コッチはジミヘンのシゲさんしか知らないじゃない?ところが、そこではシゲさんは「中野社長」って呼ばれているのよ。
ま、当たり前なんだけど、最初、誰のことかと思ったらシゲさんのことでビビった。
「それでは、三重の中野タイヤの中野社長によるギター演奏です!」と紹介されてVintage Modernのコンボでバッチリとキメてくれた。
80

店内のようす。

501年前にリニューアルを済ませたばかり。

60明るくて、清潔でとても感じのいいお店だ。

70遊び心豊かなシゲさんらしくこんなものも置いてあった…ってシゲさんが自分で遊んでんだよ。
好きな人が集まってコレを使ってイベントを開催してるんだって。

90もちろんこんな公私混同アイテムも!
売りものではありません。
以前来た時にはギターが置いてあったっけ。

100もちろん本職もバッチリ!

120あ~、ウチも来年の車検はタイヤがヤバそうだな~。

130もちろん季節の変わり目は寝る間もないぐらい忙しくなる。
最近は雪の量が信じられないぐらい少なくなって、タイヤの履き替え需要も激減しているそうだ。

140中野タイヤの詳しい情報はコチラ⇒中野タイヤ公式ウェブサイト

「マーシャル・ブログを見た」とお店で伝えてもオマケはありません。

150さて、コチラは松坂駅。

160とりあえず駅前に人はいない。

170あ~、ココ、前回シゲさんと夜中まで飲んだ店だわ。

180松阪といえば「松阪牛」。
何せ焼肉屋が多い!
その中でもとりわけ有名なのは、回転焼肉でおなじみの「一升びん」だろう。
何軒あるのかは知らないが、やたらとどこでも目に付く。

190v最初、「回転焼肉」っていうから、てっきり焼き網が回っているのかと思ったよ。
あの中華料理のテーブルのイメージね。
そしたら回転寿司みたいにネタが回ってくるっていうじゃんね。驚いちゃったよ。
でも、どうもそっちの方が普通の考え方だとか…。
しかし、ナンダって「一升びん」なんて名前をつけたんだろう?

200で、到着した晩、シゲさんとのディナーは一升びんには行かず、名古屋グランパス御用達のこのお店に連れて行って頂いた。

210コレがまたスゴイ店で、中に入るとドバ―っとだだっ広く、ビジュアル系のライブもビックリのスモーク状態!
前回ウチの社長と行ったっきりで焼肉も久しぶりだったもんだから、お腹がパンパンになるほど詰め込んだ!
メッチャおいしかった~!

220さて、還暦記念コンサートの会場は老舗ライブハウスのM'AXA。

230前を通ったことはあったんだけど、中に入るのは今回が初めて。

240国道42号線に面した外壁にもバッチリとサイン・ボードが!
「キングオブジミヘン」ってのがスゴイね!

250

260

265_1お店の入口。
「剛」さんというのはココのボス、中山剛さんのこと。

270実は「M'AXA」というのはシゲさんが付けた名前なのだ。
…といっても、「AMAKUSA(あまくさ)」という前のお店の看板から「A」が落ちて「MAKUSA(まくさ)」になっていたところから名付けたということなんだけどね。
いい名前だ!

275v広いし、雰囲気はバツグンだし…こんなお店が東京にあったらいいのにな~。

280アメリカ映画に出て来る、それこそ国道沿いの生バンドが出ているパブみたいな感じ。
イメージは『ブルース・ブラザーズ』のアレ。

290お、中野タイヤから飛んできた!

M'AXAの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

300一方楽屋では…。

301_1シゲさんの還暦を祝うために昔からの仲間が大集合。
もう始まる前から大騒ぎ!

302ベーシスト三人衆。
ちなみに今日の主役はギタリストなので、ギター弾きのゲストはほとんどなし。

303本番前の記念写真!

304 ステージのようす。

310自慢のSUPER100JHの壁+1959。

320シゲさんの愛器だち。

330足元のようす。
今日はジミヘン仕様ではない。

340下手にはノエル本多のMAJOR1978のハーフ・スタック。

350vドラムはNATALのバーチ。

360フィニッシュはサンバースト・フェイド。

370vシゲさんからのご祝儀。
来場のお客さんに配られたトート・バッグと…

386記念Tシャツ。

387ところでさっきから何回もお目見えしているこのデザイン。
メッチャよくない?
後にドラマーで登場する堀与作さんの手によるものだ。

285

そして、いよいよコンサートが始まった!
本日の主役がシレっと登場。
え、客席からッ?! 
おそるべきリラックス・ムード!
シゲさんらしいわ~。
410

ここでMCが登場。

3_img_0072 ACEさん(左)と剛さん。

400

ACEさんは野獣のボーカル。剛さんは前掲のM'AXAのボス。
お互いに長い過去を知りつくしているだけに、完璧なコンビネーションだ。

420
それじゃ早速イってみよ~!

430
トップ・バッターはBlue Wild Angels。

440ボーカルは濱哲哉。
現在はTribal Soulというバンドで活躍中だ。

450vベースは寺田章。

460vドラムは板倉淳。

470v冒頭は「C'mon Everybody」で元気にスタート!

480vBlue Wild Angelsは2012年ごろシゲさんがよく大阪に出向いて活動を展開していた時のバンドだから比較的最近のプロジェクト。
松阪から大阪っては「阪」でつながっているんだか、存外に近く、車で片道1時間もあれば行き来ができるのだそうだ。

500
ところで今かけているシゲさんのサングラス。
還暦祝いのプレゼント…Marshall Eyewearなのだ!

485もちろんモデルはJIMIだ!

490Marshallウォールを背中にゴキゲンなおじいちゃん。
この姿をもう何度も見てきたが、今日は特にシゲさんが映えるナァ。
赤ちゃんに戻ってるからナァ。
ちゃ~んと赤いものを身につけてる。

600_2「C'mon Everybody」は元は1958年のエディ・コクランのヒット曲…シゲさんが2歳の時だ。
皆さん大好きMichael ShchenkerのあのUFOは、1970年にこの曲を再ヒットさせた。

610続いてはRick Derringerの「Rock and Roll Hoochie Koo」。
先に挙げたシゲさんのラジオ番組のオープニングにはEdgar Winterの「Frankenshtine」が使われていた。
すごくアメリカンなんだよね、シゲさんって。
650v
ロック史に残る名曲をド迫力で熱唱する濱さん。
Rick Deringerってこの曲が収録されている『All American Boy』とか『Spring Fever』とか『Derringer』とか結構いい仕事してるんだよね。
ギターもウマいし。

620じゅんぺーさん、Marshall Blog久しぶりのご登場!
相変わらずキレのよいドラミングでオープニングを盛り上がる。

630v「ナンで脱ぐねん!!」と同じく大阪から来た巨体ベーシストから野次が飛んだ寺田さん!
ノリノリなのだ!

640v関西のハード・ロック・シーンを代表するベテラン・シンガーとシゲさんのイキもピッタリ!

660エネルギッシュにオープニングを飾り上げたシゲさんなのであった!

670転換中はMCのふたりの楽しいおしゃべり。
シゲさんとの思い出やM'AXAの歴史などが話題に選ばれた。

390

二番手はJimi Bruce Band。
Marshall Blogには二回目の登場。前回は、今年も出演が予定されている米軍横田基地の『友好祭』のレポートだった。

685ベースはYoko Lee。
カッチョいい~!

690vドラムはズーミー・ブッシュ。

700Vに持ち換えたシゲさん。

710vナゼか曲は「Apache」。
790

私は通りいっぺんのことしか知らないんだけど、シゲさんって私と6つしか違わないのにヴェンチャーズ強いんだよね~。
ジミヘンだけじゃないの。
770
六つ違いでリアルタイムなワケないので、そのワケを訊いてみると、昔となりに住んでいた十歳ぐらい年上のあんちゃんの影響なのだそうだ。
それなら納得。

730vシゲさんだけじゃなく、リズム隊も完璧な演奏。

740カナダでも人気あったんだろうね、ヴェンチャーズ。

750Jimi Bruce Bandは年配のファンが多く、ヴェンチャーズのリクエストをよく受けるため仕込んだのだそうだ。
そのおかげでオヒネリをもらったこともあったとか!
800
マァ、色んなことをやるシゲさんだけど、Jimi Bruce Bandは今最も力を注いでいるバンドといえよう。
何しろ既に2回もアメリカで演奏しているのだ!
最初は2年前の横田基地。あの中はアメリカだから…。
そして、今月初めにはグァムで演奏してきた。

760v「Apache」は例外で、Jimi Bruce Bandはバッチリとオリジナル曲を演奏している。

3_img_0130 2曲目はZoomyのボーカルでオリジナルのハードロック・ナンバー、「Strawberry Jam」をプレイ。

780vJimi Bruce Bandの意外に早い出番にはチト驚いたが、盛り上がり度は最高!

720

昔からの仲間同士でMCもにぎやかなことこの上ない。

810vさて、場面はガラっと変わって三番手に登場したのは「サーモンとフランクフルト」というデュオ・チーム。

820vボーカルはシゲさんのお店の店長を務める津村佳嗣。
自身、ギターも演奏する音楽愛好家だが、今日は歌での参加。
歌がうまいのでシゲさんに引っ張り出されたというワケ。

840

曲はシットリと「Sound of Silence」。
津村さんは心をこめて熱唱。静かに社長の還暦を祝った。

850vハモリをつけるシゲさん。
こんなのはじめて見た!

860v

この後、シゲさんにゆかりのある方々がドバ―っと出て来るのでお楽しみに!

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

265_2

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

<つづく>

(一部敬称略 2016年7月1日 松阪M'AXAにて撮影)

2016年8月29日 (月)

TAGAWAセカンド・アルバム『Wind』~レコ発演奏会千秋楽

以前、レコーディングのようすをレポートをしたTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』。
Time flies!!
ああ、あまりにも時の経つのが早すぎる。
アルバムをリリースして、レコ発ツアーをスタートして、アッという間に千秋楽。
そしてそれから更に2か月…まるで「風」のように時間が過ぎ去ってしまった。

10cd今日は6月末に開催された、ツアーの千秋楽のレポート。
90_jc

田川ヒロアキ

30寺沢功一

40v長谷川浩二

50vヒロアキくんはもちろんMarshall。

60vJVM210Hと1960BV。

70v足元のようす。
コンパクト・マルチ・エフェクターはセンド&リターンに接続。
歪みはすべてJVMで作っている。
フットコント―ラーの1~3に3種類のチャンネルを割り当て、4にはループのオン/オフをアサインしている。
非常にシンプルなセッティングだが、ギターのボリュームをコマメに変えることによってバラエティ豊かな音色をクリエイトする。

80オープニングはニュー・アルバムから「Jack and Coke」。
20
オープニングにもってこいの、てらちん作によるスピード・チューン。

100こんなことやっちゃって!
ハナっからノリノリの様子であったことがわかるであろう。

110v浩二さんのドライブ感がスゴイ~!

120v続いてはヒロアキくんの『ようこそ田川Nightへ』から「BOUND」。
130

ブッ速いシャッフル・ビートで縦横無尽に弾きまくる!

120v_bd和太鼓の豪放なサウンドが鳴り響くのは「Lofty Tree」。
太鼓は作曲の委嘱を受けた広島県府中市との関係で知遇を得た「鬼炎太鼓」の演奏だ。

140_lt府中市のための「府中に夢中!」も大好評で、この曲の演奏にも力がこもる。
「lofty」というのは書き言葉で「非常に高い」いう意味。
タイトル通り、鬼炎太鼓とのコラボレーションで気高い演奏にまとめた。
そういえば「宇宙一うまい」と言われたヴィブラフォン奏者のGary Burtonの代表作に『Lofty Fake Anagram』というアルバムがありましたな。
こちらの「lofty」は「高慢な」とか「尊大な」という意味。

150v今度は浩二さんの曲、「Running Light」。
「みんなで自作の曲を持ち寄ろう」というのが『Wind』のひとつのコンセプトだった。

160_rl浩二さんの作品はかなりへヴィなメタル・チューン。
ヒロアキくんの得意な部分を思い切り引き出すことに成功した。

170v続いてはヒロアキくんのソロ。

180v_soloクリーンからリードまで多彩なトーンと華麗なテクニックはライブの大きな見せ場のひとつ。
Marshallの魅力をアッピールしてくれてありがとう!

190vさらに「Stranger Destoys Arms」。
前作『Flying Carpet』のオープナー。

200_sda演奏し慣れていることもあって圧倒的なバンドの一体感が味わえる。

210v後半のテンポ・アップするパートの盛り上がり感が生半可じゃないぞ!

220vMCをはさんでおなじみの「キミを乗せて」。
MAZDAファンフェスタの公式テーマ・ソング。
気がついてみれば今日初めての歌ものだ。

230v_kimi前の曲とは打って変わったポップな雰囲気で会場も演者もホンワカと盛り上がる!
時々無意識に歌っていることがあるんだよね、この曲。

240vお次に控えしはTAGAWAライブの名物のひとつ。
TAGAWAのライブに来ないと見れない無茶なパフォーマンスはメタル版「Led Boots」。
マァ、初めて聴いた時はあまりの騒々しさに笑っちゃったけどね~、今では各人の名人芸をジックリと味わっています。

250_lbてらちんのソロ。
280

気迫のこもったパフォーマンス!

270タッピングを取り込んでのド迫力の演奏に大きな歓声が送られた。

Img_0198 それを受けての浩二さんのソロ。
300
容赦ない高速連打に観客の目は釘づけ。

290静と動、緩と急を巧みに組み合わせた構成はさすが!

310v負けていられないのはヒロアキくん。
イケイケ~!Marshallがついてるぞ~!

320しっかりと爆音浴をした後は…お、「YMCA」!
「♪わ~い!」ではありません。
ヒロアキくん作のバラード、「平和の風」。

330「キミを乗せて」やローカルTV局のニュース番組のテーマソング等、作曲の才を買われてアチコチでヒロアキくんの曲が取り上げられているが、「平和の風」もそのうちのひとつ。
昨年末、野田市の西部台千葉中学校の合唱コンクールの課題曲に選出されたのだ。
確かにそういう曲だよね。
私がよくヒロアキくんの作品に親愛の意を込めて「校歌ロック」などと呼んでいるが、まさに私の形容が評価された感じ。
10年以上前に作った曲だそうだ。
私が初めて聴いたのはもうかなり前のことになるが、「♪魚は銀の衣をまとい、うねりとともに泳いでいるのに」と「♪風吹け、風吹け、平和をつれて来い」というパートがすごく印象に残ったのを覚えている。(作詞は三木あずささん))
前者はよくヒロアキくんとイッパイやった時に大笑いするのだが、なぜか私の中で勝手に歌詞が書き換えられちゃっていて、「♪魚はナゼ 銀のウロコをまとって泳いでいるんだろう」となっちゃってるの。
もうこびりついて直せないのよ。
でも、後者は違う。
今こそ、この歌詞を胸に抱きしめるべき時だと思う。
この曲にはそんな人の心を動かす力があるのだろう…「平和の風」を聴いた声楽科の薄井彰子さんという方が、自身のNadeshikoという声楽グループで取り上げ、イタリアの大聖堂で歌ったのだそうだ。
ヒロアキくんのメロディが海を渡ったのだ!
江戸時代、ローマ法王に会いに行こうとメキシコ経由で渡欧した支倉常長のことを何となく思い出した。(この話しは遠藤周作の『侍』という小説をご参照あれ)

340ジーンときた後は最後の曲。
これまたヒロアキくんの代表曲だ。
Marshall GALAでも演奏してくれた「My Eternal Dream」。

350_medこれはね~、破天荒にてらちんのベースがカッコいいんだよ。
ベース・ラインだけ聞いていても十分に楽しめちゃう!

360もちろん、てらちんだけでなく、際限なくバンドをプッシュする浩二さんのドラミングがまたスゴイ!

370代表曲にして愛奏曲。テーマ・メロディにソロにと縦横無尽にダイナミックなギター・プレイを披露した田川ヒロアキ!
当然と言えば当然のクロージング!

390v大喝采を浴びて本編を終了した。

400アンコールはてらちんの歌うところの「Crazy Gun」。

410ミディアム・テンポで突き進むハードロックの王道ソング。

420vヒロアキくんのソロではガッツリと「スライド・ウォッチ」を披露。

430ナンカ久しぶりだな。
猛烈にパンクチュアルな(時間に厳しい)ヒロアキくんにとって時計は大切な相棒だ。時を刻むだけでなく、ギターの指板の上を行ったり来たりもしている。
440もうこのプレイを書き表すのは基本的な擬音しかない…「ギュイ~ン、ギュイ~ン!」

450この曲の作詞はてらちん。
「♪オレのいかしたFire Crazy Gun」…バカヤロ~!
しかしだ!
ロックはコレでいいのだ。昔はこういう歌ばかりだった。ロックって、かつてはそういう音楽だったのだ。
ナゼかって?
お父さんであるところの「ブルース」がそういう音楽だったから。
今、日本のロック界においては、その親子の遺伝子が死滅してしまっている。
てらちんはロックだ!

460v今回は特に触れなかったが、長大なMCも絶好調!
現在も積極活動中のTAGAWA。
サード・アルバムが楽しみだ!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

470v(一部敬称略 2016年6月27日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2016年8月26日 (金)

CONCERTO MOON~PURE ROCK JAPAN LIVE/EXTRA vol.4

1999年に産声を上げた硬派なハード&ヘヴィの祭典、『PURE ROCk JAPAN』。
以前のMarshall Blogで一度だけレポートをお送りしたことがあった。
今日は2014年にスタートしたその傍系イベント『PURE METAL JAPAN LIVE~EXTRA』の第4回目に出演したCONCERTO MOONのステージの模様をレポートする。
開演に先立ってイベントの主宰者からのご挨拶。

10_2ライターの土屋京輔氏だ。
この日はSEX MACHINEGUNSとの共演。

20v_2CONCERTO MOONの出番が先。定刻をチョット過ぎておなじみの5人がステージに上がる。

30島…
オウ、また写真が違ってるじゃねーか!「魚旬」ってナンダ?
つーか、久しぶりだな、「シマ違い」。
街中を歩く時、無意識のうちに「シマ」を探している自分にフト気づくことがある。

40v_2島紀史

50v久世敦史

60v_2Aki

70v_2中易繁治

80v河塚篤史

90v_2約束通りの爆発的CONCERTO MOONサウンド。まさに爆発。とにかく爆発!
いかなるシチュエーションでもコレだけはまったく変わらない!
100_2その怒涛のサウンドのカギを握っているのはもちろんMarshall。

110v今日もノンちゃん愛用のMAJOR1967が絶好調だ。

120v足元のようす。

130こちらも必需品の足鍵盤。

140さて、調べてみたところ、前回のPURE ROCK JAPANへの出演は2009年5月のことだった。
チョットその時にタイムワープしてみようか…。


ポケタポケタポケタポケタポケタ…(1947年のアメリカ映画『虹を掴む男(The Secret Life of Walter Mitty)より』)

会場はチッタ川崎。
ステージが広いのでフルスタックが2セットしつらえてある。

1_img_0085そう!
この頃のノンちゃんのバックラインはVintage Moder 2466だったんだよね~。
コレも素晴らしい音でね~、大スキだった。
2人で何度もMarshall Roadshowをやったけ。

1_img_00052009年というと7年前。
CONCERTO MOONの歴史も長いけど、Marshall Blogもずいぶん長いことやってるよ~!
今メンバーで残っているのはノンちゃんだけになっちゃったけど、ノンちゃん自身はゼンゼン変わってないナァ。
さすが「求道者」。
リッチー好きもゼンゼン変わってないわ…どころか、愛情が増してるっちゅーの!

1_img_0245 もちろんCONCERTO MOONのコッテコテのメタル魂もそのままだ!

1_img_0078 ハイ、現在に戻って…中易さん。

150v_2VBA400とVBC412。
弾いている人は異なるが、2009年の時と同じ機材。
いわば伝統のCONCEROTO MOONのベース・サウンドだ!

160vオープニングは「Black Flame」。
冒頭から久世ちゃんの雄叫びが観客に迫り…

170vノンちゃんのギターが襲いかかる!

180v_2この曲の見所であるフォーメーションもバッチリ!
コレ、ポーズをキメているのはノンちゃんと中易さんだけでなく、河塚さんも合わせているの知ってた?
右に左にイキがピッタリなんだぜ!

200_2

2曲目からは現在のメンバーになって最初にリリースしたアルバム『Between Life and Death』からの曲をズラリと並べてきた。
まずは「Life On The Edge」。

190_2そして、アルバムのオープナー「Alone In The Dark」。

210「Struggle To The Death」、「Between Life And Death」と続けた。
290v_2
幾度となく久世ちゃんに歩み寄るノンちゃん。
本当に久世ちゃんの歌に全幅の信頼を置いているかのようで、現CONCERTO MOONの計り知れないチームワークを象徴している感すらある。

220それにしても素晴らしいMarshallトーン。
ピッキングのひとつひとつだけでなく、まるでノンちゃんの息づかいまで再現しているようだ。

230v_2ココから先はCLASSIC MOON…旧作のレパートリーを立て続けに演奏してファンを喜ばせた。

Concerto_asiakimg_0123 2度にわたるレコ初ツアーを経てますますグループ・エキスプレッションに磨きをかけた3人。
ツボを得たプレイでバンド・サウンドをカラフルに彩るAkiちゃん。
「Find The Key」…

240v_2獰猛なまでに遠慮なく低音をまき散らす中易さん。
「From Father To Son」…

250vパワフルに、ホットに、そして、クールにバンドを律動させる河塚さん。
「It’s Not Over」…

260vさらに「Change My Heart」とハードなナンバーをブチ込んだ。

270v_2そして最後は人気曲、「Savior Never Cry」!

280最後まで鉄壁のコンビ―ネーションで駆け抜けた二人。

300例によって最後はノンちゃん大爆発!
320_2
この爽快感!
CONCERTO MOONのステージはホントにスカっとするぜ!

310vさて、4年ぶりに「オフィシャル・ブートレッグ・シリーズ」のDVDがリリースされ、ファンの間で好評を博している。
今作の「BETWEEN LIFE AND DAETH TOUR 2015」はシリーズ第3弾。ライヴ会場限定で販売している。
2015年12月4日の名古屋 ell.sizeの公演から本編全曲とアンコール2曲を収録。
もちろん今回も手直し一切無しの真剣勝負!
ジャケット写真はオレだ、オレだ、オレだ~!
…なんて言ってるけど、上に掲載した7年前に撮った写真を見て顔が赤くなっちゃったよ~!…ヘタで。
頭の中に写真のイメージはあるんだけど、全然それに近づかない…みたいな。
マァ、今も大して変わらないっちゃ~変わらないけど、幾分は進歩したんじゃないかしらん?
325dvdそして、コレも会場限定で販売しているステッカー。
通称「プニプニ・ステッカー」。
ご覧の通り、表面がプニプニ飛び出してんの。

1_sticker_3jpg それといつも好評のCONCERTO MOONのロゴTシャツ。
CONCERTO MOONもロゴがカッコいいからね。
今回のデザインも人気を集めている。
しかも生地はこれまた好評のサラサラのヤツだよん。
プニプニにサラサラ…ライブ会場で見つけたらゲット1

1_logot_web2016_2 CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

330v_2(一部敬称略 2016年6月26日 渋谷CLUB ASIAにて撮影)

2016年8月22日 (月)

Sound Experience 19~ DUAL YOSUKE x CLASSIC ICHIRO

毎度おなじみ、三宅庸介の『Sound Experience』。
今回で19回目!
いつもNATALを挟んで左右にMarshallがセットされるシンメトリックなセッティング。
左右対称の図式をそのままに、今回はさらにその外側にASTORIAが配置された。

10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司

40vこれまでシリーズを通じて対バンを招くことが多かったが、前回に引き続いて19回目も本編はStrange,Beautiful & Loudのワンマン・コンサートという構成になった。

50もちろん三宅さんはMarshall。

60v安定のJVM210Hとキャビネットは1960BVだ。
上下2枚の写真の中のJVMのルックスの大きな違いにお気づきであろうか?
上は三宅バージョン、下はシゲ・バージョン。

70v征史さんもMarshall。

80こちらも安定の1992SUPER BASSのハーフ・スタック。

90v金光さんはNATAL。

10012"、16"、22"のバーチ。
フィニッシュはタバコ・サンバースト。
アルバム『Orchestral Supreme』のレコーディングで実際に使用されたキットだ。

110オープニングはその『Orchestral Supreme』のクロージング「Ring」。
後半に演奏されることが多い曲だが、今日は珍しく初っ端に持ってきた。

120金光さんが歯切れよく叩くスネアの音が印象的なイントロ。

140v
複雑ではあるが、三宅さんの曲の中では比較的スンナリ入ってくるといえようヘヴィなリフ。

130vそんな入り込みやすい曲ではあるが、三宅さんの作品にかけた想いは重厚だ。
ギターの指板の中にどれだけのメロディーやハーモニーの可能性が潜んでいるか?ということを追及してみたかった…という。
よって作曲に当たっては、本当に少しづつ、細心の注意を払いながら何度もやり直しながら進めたため膨大な時間がかかったという。
構成面に関しても既存のロック・インスト曲でよく見かけるようなタイプとは全く異なっていて、結果的には独自性の強い曲に仕上がった。

150v前からチラチラと、そしてウッスラと「武満徹」の名前がMarshall Blogに出だしていることに気がついた読者もいらっしゃると思う。
「あ~、また鬱陶しくなりそうだ…」とウンザリする方もいらっしゃるだろうが、残念ながら今、私は武満徹にご執心である。
「ノヴェンバー・ステップス」最高!
で、ナゼそうなのかというと、尊敬する立花隆が編んだ武満徹のインタビュー集なるものを読んでいるからだ。
こういう天才の頭の中は一体どうなっているのか…?
二段組で800ページに及ばんとする大著なのだが、これが滅法おもしろい。
武満さんのかなりムズカシイ発言も多いが、世界が尊敬する日本の天才の音楽作品をより楽しむためのガイダンスになれば…と思って読み進めている。

160で、やっぱり気になって、かつ一番おもしろく読めるのは創作の思考過程についてで、読んでいるとついつい三宅さんのことを思い出して、いつのまにかウッスラとふたりを重ね合わせてしまうのだ。
それは、いつも三宅さんが言っている「命を削るようにして自分だけの音楽を作りだす」という姿勢に共通項を見出だすからだ。
武満さんは重度の結核罹患者で実際に何度も「死」に直面していたらしいが、周囲の人が強引に止めない限り絶対に創作活動を止めようとはしなかったらしい。
そして、ここで武満徹を話題にしたもうひとつの理由は…武満徹にも「環(RING)」という同名の曲があるからなのだ。
私はといえば、コレを自分の中で勝手に符合させて悦に浸っている。
ただの音楽好きの凡人にできることといえばそれぐらいのものだ。180v

興味のある人はコチラをどうぞ。
譜面にも注目!

ところで!
この「Ring」が収録されたStrange,Beautiful & Loudのセカンドアルバム、『Orchestral Supreme』の再プレスが出来したそうだ。
欲しくてもゲットできなかった人はお求め逃しのないようご注意。
ジャケットもいいね~、やっぱり!

Os 三宅さんのワン&オンリーのギターはもちろん、その孤高の音楽世界をともに作り上げる、グループ・エクスプレッションの度合いを増したリズム隊の二人の強直な至芸にも注目だ。

170ギターのダビングやライブでは再現不可能なトリッキーな曲も収録されているので、まだCDを聴いたことのない人には、「実際の演奏と聴き比べる」という特大のお楽しみが残されている!

1902曲目は 「stratify」。

200そして、「bloom」と前作の『Lotus and Visceral Songs』からの曲を演奏。

210vもはや定番の「murt'n akush」。
コレも『Orchestral Supreme』の中でも重要な地位を占める作品だ。

220v(1弦から4弦に向かって)E、Gb、E、C、Aと少し和旋法のフィーリングを持つヴォイシングで始まるのは「solitary past」。
コレは改めて聴くとスゴイ曲だナァ。
聴きどころは多くあれど、何と言ってもインパクトが強いのは中間部のアルペジオだろう。
この曲が「垣根」と呼ばる元となっている、イントロのヴォイシングを踏襲した音列。
「♪垣根の垣根の」で始まる童謡の「たき火」にメロディの雰囲気が似ているからそう呼ばれている。

E→Gb→E→C    G→A→G(またはD)→Eb

まさにMiyake Arpeggio。こんな「たき火」は不審火に間違えられるのがオチだ。
そういえば、この童謡、タイトルを「垣根」と思っている人が多いと聞いた。正しくは「たき火」だ。
ところで、「トゥーランガリラ交響曲(←メッチャかっこいい)」で知られるフランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンに「7つの俳諧」という1962年の作品がある。
メシアンが日本旅行の印象を元にして作った7つの曲からなる管弦楽曲。
コレはまったくの私見だけど、この第1曲「導入部」という曲のマリンバのメロディが三宅さんのこのアルペジオに似ていて驚いたことがある。音列がドンズバということでもないのだが、緊張感に満ちたその空気が近いのだ。
先ほど来触れている武満徹はドビュッシーに始まり、このメシアンに巨大な影響を受けたそうである。
というか、メシアンというのは現代音楽の大巨匠で、日本の作曲家に計り知れないほど大きな影響を与えたそうだ。
メシアンは、この曲の中で笙(しょう)や篳篥(ひちりき)の技法を自分なりにマネッコして取り入れ他の楽器に演奏させたとされている。
それから、5年後に武満徹はミューヨークフィルの委託を受けて「ノヴェンバーステップス」を発表し、尺八と琵琶というホンモノの和楽器をオーケストラと共演させて世界を驚かせ、ストラヴィンスキーやこのメシアンと比肩される現代音楽の世界の巨匠となった。
この和楽器のアイデアを薦めたのは当時ニューヨークフィルの副常任指揮者を務めていた小澤征爾だった。
このあたり、面白いでしょう、つながっていて。
ものごと、知れば知るほど面白い。
私はもちろんロックが大スキ(70年代中盤まで)だけど、30年チョット前からジャズを聴き始め、さらにクラシックを聴くようになって、人生が何倍も豊かになったですよ。その分「もっと聴きたい!」という欲望もどうしようもなく膨れ上がっているけど…。
ホント、いろんな音楽を聴くのは面白い。
今、現代音楽を頻繁に聴く傍らオペラにボチボチに挑戦しているんだけど、浪曲なんかも聴きたいと思っているんだ。
三宅さんの記事では久しぶりに大脱線しているが、もう「ひと脱線」。
日本の印象をテーマにした作品っていうのがジャズにもいくつかあって、例えばDuke Ellingtonの『Far East Suite(極東組曲)』、Dave Brubeckの『Jazz Impressions of Japan(日本の印象)』、Horace Silverの『Tokyo Blues』…どれもみんな秀作なんだよね。
日本オリジナルの文化ってホントにすごいと思うんですよ。みんなでブッ壊しちゃった!

240v『Orchestral Supreme』のキラー・チューン、「if」。
このギターの音!

260

曲を追うごとに激しくなる三宅さんの演奏を迎え撃つふたり。

250音と汗の壮絶なぶつかり合い!
290v

感情豊かに「petal」をプレイ。
三宅さんの愛奏曲だけあって最高に密度の濃い演奏だ。
300v

「一定のリズム・テンポで演奏する」ということを捨て去り、曲に命を与え、その曲と時間を共有する…という曲。

280v演奏していても、「曲に身も心も委ねる」感がとても強く、最も命を削られる作品だという。
それが三宅さんの「幸せ」なのだそうだ。

230v

最後は「virtue」。
「スリーピースのロックバンドが激しいブルースの演奏の演り方で、ヴィヴァルディがようなく美術的な旋律をプレイする」ことを標榜している曲。
ん~、わかるようなわからないような…とどのつまりはMiyake Musicだ!
270v

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

310Strange,Beautiful and Loudの演奏をタップリ浴びたところでゲストが登場。

320ichiro!

330v緑コーナーのichiroちゃんはASTORIA CLASSICをプレイ。
以前にもMarshall Blogでレポートした通り、CLASSICはichiroちゃんのお気に入り。

340v

極上のクリーン・トーンが身上のASTORIA CLASSIC。

335対して青コーナーの三宅さんはDUAL。
前回のSound ExperienceではCLASSICをプレイしてくれたが、今回はDUAL。
三宅さんのDUALへの評価が期待よりはるかに高かったのは意外だった。

350クリーン/オーバードライブの2チャンネルがチャーム・ポイントのDUAL。

ASTORIAシリーズの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】いよいよASTORIAが出るよ!

355曲はichiroちゃんの歌でJimi Hendrixの「Angel」。
ともにJimiを敬愛するふたりにふさわしい選曲。

360v

曲の後半は期待通りのソロの交換。

370キャリアの長いふたり…もちろん以前からお互いにその存在をよく知ってはいたが、ナント、先日開催された大阪のイベントで初めて実際に顔を合わせたという。
その時、「いつか一緒にできたらいいね!」という話をしたが、その機会がすぐにこうして訪れた。
すなわち、一緒に演奏するのはコレが初めてということになる。
二人の独自のギター・スタイルの激突だけあって、私もこの日をすごく楽しみにしていた。

3802曲目はまた「Littel Wing」かと思いきや…三宅さんの歌で「Manic Depression」。

390vイヤ~、お互いが自分の言葉で自分の物語を聴かせてくれる素晴らしい展開!
しかも、ASTORIA!
二人のスタイルをそのままアンプリファイすることにかけてはこれ以上の役者はいまい。

400_2ブルース色の濃いシャープなフレーズを三宅さんに付きつけるichiroちゃん!

410豪快にしかも繊細にichiroちゃんにのしかかる三宅さん!

S41a0020 この素晴らしいギター・サウンド!!ヨダレが出るわい。
日本ASTORIA史に残る名競演だった。
見た人ラッキ~!

ichiroの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

4301965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 前半:2016年6月22日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2016年8月19日 (金)

MAGIC OF LiFE 『ワンマンツアー2016~紫陽花ヲ栞~』

「ノッテる!」という言葉がすごくシックリくるバンドではなかろうか…MAGIC OF LiFE。
2月の千葉を皮切りに、Marshal Blogでレポートしたあの楽しかった『栃フェス』をはさみ、6月に3都市をまわる全9公演からなるワンマン・ツアー『~紫陽花ヲ栞~』を終了させた。
バンドに勢いがあるもんで、このレポートがものすごく古臭く感じちゃうんだけど、順番だから仕方ない。
6月下旬に開催された、ツアーの千秋楽の模様をお伝えする。
会場は満員の赤坂BLITZ。

10今か今かと開演を待ちわびるファンの前で披露したオープニングは「DOUBLE」。
このライブの約一週間後にリリースを控えていた新しいシングル曲。

20高津戸信幸

30v山下拓実

40v渡辺雄司

50v岡田翔太朗

60v翔太朗くんはNATAL。
歯切れのよいトーンが、切れ味鋭い翔太朗くんのドラミングをサポートする。

70v昔からドアタマに新曲を持ってくるのは、その作品に自信があると相場がキマっとる。
もっとも自信がなければシングルでなんか出さないけど。

80Dirty Old Menの頃から、カレコレずいぶんこのバンドを拝見しているが、最近はそのパフォーマンスが富に「自信」に満ち溢れているように感じる。

90そして、緩急自在な演奏からは自分たちが作っている音楽への愛情がヒシヒシと伝わってくるね。

95これまでに発表されたアルバムやシングルの人気曲を次々と披露しショウは進んで行く。

100もちろん名曲「スターチス」も。

110この曲好きなんだ~!チョット切ないサビのメロディにドキンとしてしまう。

120迫りくる人気曲と気合の入った演奏に会場は上へ下への大騒ぎ!

130バラードでもリリカルなMAGIC OF LiFEを聴き逃すまいと、ステージの高津戸さんに熱心な視線が集まった。

140MCコーナーでは翔太朗くんも大フィーチュア!
この人もしゃべるの滅法ウマいわ!

150盛りだくさんのステージは「箒星の余韻」で本編を締めくくり、アンコールに3曲応え、ツアーの千秋楽を終了した。
こんなことワザワザ書かなくてもいいんだけど、世代の違いから正直若い人たちのロックにはなかなか溶け込めないでいたし、今でもそういう局面は少なくないんだけど、このバンドは曲に深みがあってすごくいいね。
コレは決して「上から目線」なんかでは決してなくて、「年寄り目線」ね。
カッコつけて言えば、ロック、ジャズ、クラシック、民族音楽と、音楽の酸いも甘いも通過した、不必要に耳の肥えたオッサンの正直な感想だ。
何回も何回も聴いているウチに曲のいいところが見えて来る。
そして、ああでもない、こうでもないと、苦しみながら自分たちの音楽を作ろうとモガいているところに感動するのだ。

160さて、そのノッてるMAGIC OF LiFEの最近の活動に目を向けてみると…。
今日のオープニング曲となったシングル『DOUBLE』を5月25日に発売。
4月より放映された(現在は終了)テレビアニメ『ジョーカーゲーム』のエンディング・テーマ・ソングだ。

170cd_4そして、8月31日には劇場上映アニメ『弱虫ペダル SPARE BIKE』の主題歌『はじまりの日々』がシングル・リリースされる。
スカパー!の『弱虫ペダル』の主題歌「スキルフラワー」とのカップリング。
コレ、すごい人気なんでしょ?
我々の世代の自転車系マンガといば~、自転車で日本一周にチャレンジする丸井輪太郎を描いた『サイクル野郎』。相棒は寿司屋のセガレ、陣太郎だ。(まぁ、私もよく覚えているな~。アレ、連載は少年キングだったかな?)
それと少年マガジンに連載していた、競輪がテーマの『ひとりぼっちのリン』だったな。
180cdさて!
ここでお立会い。
この「はじまりの日々」のMVが先日公開された。
どなたさまもチョット見てください。

ん~、この疾走感!
いい曲だ。
そして、もうひとつ。
こちらは「スキルフラワー」。

ね~!NATAL大活躍なのよ!
NATALがMAGIC OF LiFEの音楽の一部になってるのだ。
まだ終わらない。
MAGIC OF LiFEは来る9月7日にニュー・アルバムの発表を控えているのだ!
タイトルは『X-1A』。
なにやらかなりの意味ありげなタイトルだけど、今は調べるのをやめておこう。

190cdこのアルバムに収録されている「zero」もMVに仕上がっているので紹介しておこう。
コレは上でレポートした6月19日の赤坂BLITZの時のもようだ。

ニューアルバムのリリースに合わせて10月からツアーも予定されている。
スタートは宇都宮。やっぱ栃木だよね~!
すさまじい勢いで前進するMAGIC OF LiFE。
これからの展開が楽しみだ!

MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

290v1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年6月19日 赤坂BLITZにて撮影)

2016年8月10日 (水)

ずっと前から好きでした~告白実行委員会~」大後夜祭~HoneyWorksのNATAL

異性に自分の恋慕の情を「告白」する…ソレって一体どういう気持ちだっけ?
もうスッカリ忘れちゃったな~。
…というか、私は中学から男子校だったので、取り分けそうしたロマンスの経験は少なかった。
イヤ、ほとんどなかった。
Frank ZappaやJimmy PageやRobert Fripが恋人だった。
スポーツが好きではない私は、中学と高校時代、ほとんどロックとギターのことしか考えていなかった。
ま、「好きな女の子がいなかった」といえばウソになるし、彼女がいるヤツをうらやましくも思ったよ。
でも、男子校生ゆえ、女子と接触する機会は朝の通学電車ぐらいのことで、我々の世代は女の子に気軽に声をかけるなんてそう簡単なことではなく、命に危険が迫って救急車を呼んでもらう時ぐらいしかそんなことできなかったものだ。
…ということを「告白」して今日はスタートする。

東京フォーラムのホールA。
この日はダブルヘッダーで、遅れての到着。

10v演目はHoneyWorksの『ずっと前から好きでした~告白実行委員会~」大後夜祭』。
「告白実行委員会」…高校の時にあったら、委員をやってたかもな~。


ご存知ないMarshal Blog読者のオトッつぁんたちのためにHoneyWorksを説明しておこう。
通称は「ハニワ」。出身は佐賀ではない。アレは「ハナワ」か…。
実は昨年にも一度Marshall Blogにご登場頂いている。
HoneyWorksはいわゆる「クリエイター・ユニット」で、2010年より「ニコニコ動画」にてVOCALOIDのオリジナル曲の制作を開始し、2014年1月にメジャーデビューした。
そして、『告白実行委員会〜恋愛シリーズ〜』は、HoneyWorksの曲で構成したシリーズ・プロジェクトだ。

20アータね、スゴイですよ。
野音の時も驚いたけど、今回もその熱気と人気にビックリ。
わかっちゃいるけど改めて驚いた。
フォーラムAの一階は色とりどりのケミカル・ペンライトを持った若い子たちでギッシリ!

そしてステージに目をやると…NATAL!
叩き手はAtsuyuk!。

30vキットはARCADIAのACRYLICシリーズ。
要するにアクリルのキット。
Atsuyuk!さんはいち早く導入して愛用してくれている。

40へへへ、実は「NATALのアクリルはカッコいい!」というご評価をアチコチで頂戴していましてね。
うれしい限りです。

50確かなテクニックに裏打ちされたドラミングでHoneyWorksの音楽を律動させるAtsuyuk!さん。

60vまた、このアクリルの音がいいんだ!
ものすごく音抜けがよく、粒立ちがカッキリしているの。
70NATAL ARCADIAのラインナップは、クリア…

80オレンジ…

90レッドの3種類。
よろしくお願いします。

100NATALがそのアクリルのサウンドを告白した夜なのであった。

HoneyWorksの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

110v1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

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★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 前半:2016年6月19日 東京国際フォーラム ホールAにて撮影)




2016年8月 9日 (火)

杉山勝彦校長の「かっちゃん感激‼︎」還暦ライブ!~BAD SCENEを見た!

昨年の4月にMarshall Blogで紹介したBIG ☆X PROJECTの杉山勝彦さんが還暦をお迎えになった。
杉山さんは「高井戸音楽スクール」の校長で、初めのうちは内輪で軽くお祝いをするつもりだったらしいのだが、徐々に話が大きくなって、とうとうライブハウスを借り切って、学校の講師や生徒さんが集まる記念ライブを企画してしまった。
それが今日レポートするイベント。
お祝い事だからね、全然いいんじゃないスか?
もうすぐまた別の還暦ライブのレポートをすることになっているが、それにしてもここのところ「還暦ライブ」の何と多いことよ!
今年あたりご還暦の方々というと1956年のお生まれ。
すると、ロックを聴き出す年頃を早くて15歳ぐらいとすれば、1971~1972年ぐらいか…。
今と違って、昔はロックは大人のモノだったからね…あるいはもう少し遅かったかもしれない。
1971年といえばLed ZeppelinやPink Floydが初来日(双方、翌年も来日)し、翌年にはDeep Purple、Free、EL&P、Jethro Tull、T.Rexといったグループがやって来た時代だ。
杉山さんがそれらのコンサートにいらっしゃったのかどうかはわからないが、いい時代だよな~。うらやましいよな~。
SHOW-YAのsun-goさんとも時々話すんだけど、我々の場合は5年遅かった!
で、何が言いたいのかというと、今年あたりに還暦をお迎えになっている先輩方は、そうしたロックの黄金時代の洗礼を受けたドンズバの世代ということなのね。
一方、一足先に還暦をお迎えになっている岡井大二さんのようなこの前の世代の方々は、GSの時代で、70年代初頭のロックの影響を受けながら、もう自分たちのロックをクリエイトし出していた世代だ。
いずれにしても、この周辺の方々はオリジナルにより近いいい時代のロックの薫陶を受けた方々なのだ。
そういうお方が主宰している音楽学校のイベントなので盛り上がらないワケがない!

10v冒頭、♪ドンドコドコドン、ドンドコドコドンと熱帯のリズムが勢いよく流れ出す。

20まずはにぎやかなタヒチアン・ダンスでスタート・ダッシュ!

30腰痛もイッパツでスっ飛びそうなシャープな腰の動きに観客全員が酔いしれた。

40続いて登場したのは…

50ひめかちゃん。

60杉山先生の愛娘。
フリも完璧!
コレ、カラオケじゃないからね。バンド演奏で完璧で歌いこなしたパフォーマンスは血統のなせるワザか?素人なら、ともすれば大人でも音程が取れなくてメチャクチャになっちゃうからね。

70続いて…

80冒頭に触れたBIG☆X PROJECTのシンガー、ボブ・テンバローや…

90vキッズ・ギタリスト、こうちゃんが登場!
「ギターのサイズと身長が同じだね!」なんて言われながら「Jumpin' Jack Flash」をプレイ。
完全に立派なものです!

…と杉山校長のご還暦を祝ってアット・ホームな雰囲気でイベントは進行した。
他にも講師&生徒さんのパフォーマンスが多数繰り広げられ校長先生の還暦を祝福した。

高井戸ミュージックスクールの情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

100vあまりにも盛りだくさんなプログラムに進行が押してしてしまい、残念ながら他の機会に延期されるコーナーが出てしまったのは、何が何でも予定通り次のグループをステージに上げたかったから。
BAD SCENEの登場だ!

110金子光則

130v
杉山勝彦

120v三根生啓

以上の3人がBAD SCENEの元メンバー。
5人いたメンバーのうちの3人が結集したため、プログラムには「BAD SCENE (2/3)」と記された。

150v

2/5の穴を埋めるのはこの2人。
BIG☆X PROJECTのバンド・メイト、米山大輔と…

140v金森佳朗

160vBAD SCENEのギタリストは2人ともMarshallだった。
杉山さんは当時1987を使っていた。
50Wを選んだのは、大音量に至る前に歪みを得るためだ。
コレは確かではないんだけど、当時、杉山さんはMarshallとストラトキャスターを直でつないでいたような記憶があるんだよね。

170v今はJCM800 2203だ。

190vデビュー30周年を迎えるDOLLSのギタリスト、大輔さんもいつもMarshall。

200上が大輔さんのヘッド。

210vコチラはJCM800時代の1959だ。
お~、久しぶりにPB100を見たな…。

220オープニングは「Machine-gun Gig」。

230…といっても私は知らないのよ。
後期の曲なのかな?
私がBAD SCENEを知ったのは多分1978年もしくは1979年のことだと思うが、あの頃の定番曲といえば、「風に向かってぶっ飛ばせ」、「ペルシャの女」、「ライジング・ドリーム」、「フィーズ(チョット正確さに自信がない)」、「Bird of Fire」等で、そのどれもが日本のハード・ロック史に残るべき名曲だった。
この後に聴いた「ダンシング・ウィザード」も大スキだった。
それと、ベースの飯塚さんが弾くリフで始まる曲(キーはE)もすこぶるカッコよかったがタイトルが思い出せない。
でもそのリフのメロディは覚えていて今でも弾くことができる。あんなリフを作るバンドは他に日本にはいなかったからね。印象的だった。

240vたとえ知らない曲でもゴキゲンなヘヴィ・チューンはやっぱりBAD SCENE!

250続いては「In the City」。
この次に演ったシングル盤「SAHARA」のカップリング曲。
私はシングル盤になる前からこの曲を生で聴いて知っていた。
初めて聴いた時、正直AC/DCの「Let There Be Rock」みたいだな…と思った。

260_itcそれが一瞬にして吹っ飛んでBAD SCENEの曲になったのは「♪土曜の 夜に 飛び出す車に」の金子さんの歌声だった。

270v問答無用のストレートなドライビング・チューン。

280v超ノリノリの大輔さん。
それもそのはず、大輔さんはBAD SCENEの大ファンで、杉山さんに憧れてギターを弾き続けて来たのだ。
その憧れの師匠とBIG☆X PROJECTで共演しているだけでなく、とうとうBAD SCENEでギターをプレイしたのだ!

290v大輔さんとはまだお付き合いが短いが、BAD SCENEの話題でスッカリ仲よくして頂いて、音源の交換をし、「BAD SCENEが再結成すればいいのね~」なんて会話をしていた。
そして、こうした場面がそう簡単には訪れないと思っていた。
ところが!
形はどうあれ実現してしまったのだ!
もちろん大輔さんもこの再結成のこととを私に隠していたワケでは決してなくて、実際かなり急に進行したプロジェクトのようだった。
もし、知っていれば今日の記事のためにネタをキープしておいたんだけど、そんなこと夢にも思わなかったもんだからサ、アチコチで色んなことを書いちゃったよ!
興味のある人はコチラを読んでみて!
 ↓   ↓   ↓
RHYTHM OF FEAR <前編>~BIG☆X PROJECT

300そして、3曲目がそのシングル曲、「Sahara」。

310_shr知らなかったんだけど、この曲は水筒のCMソングになっていたんだってね。
そのコマーシャルを見た記憶がまったくないのはどうしたことだろう?
ハンフリー・ボガートじゃないけど「サハラ」だもんね、ノドは乾くわね。水筒屋もイキなことを考えたものだ。


※ハンフリー・ボガートの『サハラ戦車隊』という映画はメッチャおもしろいよ。
ついでにボギー関連では、『黄金』という作品を見るべし。ゴジラより絶対におもしろいと思う。原題は『The Treasure of Shierra Madre』といって、スピルバーグが手本にしている映画のひとつ。
あ、もうひとつ、キャサリン・ヘップバーンとの『アフリカの女王』も素晴らしい。
是非、生きているウチに見て欲しい。
アノね、私がススメる映画にハズレがないのは有名なのよ。全部死んだオヤジの受け売りだけど…。

30s マス・マーケットを意識した結果なのだろう、メロディはポップだが、そこはBAD SCENE、ハードでワイルドな仕上がりになっている。
350v
パンク/ニューウェイブのムーブメントを経て80年代に入り、MTVなんてのが出てきて、ロックが普及して急速にポップ化し出した時代。
私はこの「ロックのポップ化」がどうにもガマンできなくて、この頃から時のロックを聞かなくなり、ジャズに接近した。
この時、もしロックが歌謡曲に接近しないで歌謡曲がロックに接近していたらどうなっていただろうか?
考えてみると、今がソレなんじゃないかという気がしている。
今の若い子たちが夢中になっているロックね。

320今聴いても最高にカッコいい金光さんの声。
なんか独特なんだよね~。
声をやたらと張り上げるでもなく、絞り出すようにして歌う姿が実にクールなのだ。

325随所でフィーチュアされる杉山さんのギター。
何も変わっていない!杉並公会堂の時のことを思い出すナァ。

340v師弟コンビで楽しそう!
330

本編最後の曲…え~ッ!
ギタリストが1人増える。

360_bof椿本匡賜(つばきもとまさし)。
イヤ、椿本さんにはこのちょうど一月前に初めてお会いしたばっかりだったのよ!「アレ?」なんてお互いにビックリ。
Marshall Blogでレポートしている通り、椿本さんは矢沢永吉さんのZ'sのギタリストだ。

370vこの通り、Marshallを愛用して頂いている。
モデルはJVM410HJS。ジョー・サトリアーニのシグネチャー・モデルね。

380最後の曲は待ってましたの「Bird of Fire」。

390私がよく観に行っていた頃、BAD SCENEはこの曲をよくオープニングに使っていた。

400v「♪ズンズダズダ、ズンズダズダ」と「Whipping Post」あるいは「一触即発」風のリズムに乗ったリフ。
9thコードがクロマチックで上がったり下がったりする展開がスリリングだ。
410
初めて聴いた時、本当にマジで、「こんなカッコいい曲が演奏できる日本のバンドがいたのかッ!」と驚いたものだ。
430
当時は杉山さんの相方の鴫村さんというギタリストもMarshallだった。
しかしなんだね、こういう音楽はMarshallがあっての話しだね。Marshallのギター・サウンドがあるからこそ作られたロックなんだとつくづく思った。
それはナゼかというと、歪みや弾き心地等のテクニカルな要因だけではなくて、「空気」のようなものがそう感じさせているのではなかろうか。
「Marshall」という8つのアルファベットに詰め込まれた「ロックの空気」っていうのかな。
歴史と業績の重みだけが作りだすことのできる空気だ。
420v

変わることのないへヴィなBAD SCENEのサウンドがそれを再認識させてくれたような気がした。

440v

アンコールでは当日出演したギタリストが集合してBAD SCENEに加わり、「Stoned Night」を演奏した。

450藤井陽一

460v神田和幸

470vステージ上手は3人のギタリストで大騒ぎ。

480そして、杉山さんも当然…

490v加わってフォア・ブラザーズ!
「Four Brothers」はWoody Herman Second Herdの代表曲。
Zoot Sims、Serge Chaloff、Herbie Steward、Stan Getzの人気のサックス・セクションをフィーチュアして1947年に大ヒットした。The Manhattan Trasferのオハコとして知っている人も多いかもね。
ちなみにナゼか知らないけど、Woody Hermanは70年代に入ってFrank Zappaの「America Drinks & Goes Home」をカバーしている…あ、この話し、お呼びでないッスね!
何しろゴキゲンな展開!
これぞGood Scene!

500この日、杉山さんから「BAD SCENEの再結成」が発表された。
実現を望んでやまない。

杉山さん、還暦おめでとうございます!
益々のご活躍をお祈り申し上げております!

510(一部敬称略 2016年6月8日 下北沢GARAGEにて撮影)