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ライブ・レポート Feed

2016年11月10日 (木)

Different Colors ~ SHOW-YA x Gacharic Spin <後編>

SHOW-YAとGacharic Spinのダブル・ヘッドライナー『Different Colors』の<後編>。
今日はスンナリ入ります、と思ったけど…しかし、ビックリだね、アメリカには…。
Brexitもいい加減驚いたけど、コリャ世の中何が起こってもおかしくなくなりそうだね。
といかく、音楽でも何でも楽しめるうちに楽しんでおいた方がよさそうだ。
   
SHOW-YAのステージ、早くも後半に入る。
ここでメンバー紹介だ。
♪ジャージャッ!

M_img_0122 ドラム、角田mittan美喜

20♪ジャージャッ!

30キーボード、中村美紀

40v♪ジャージャッ!

50ベース、仙波さとみ

60v♪ジャージャッ!

70ギター、五十嵐sun-go美貴

80v♪ジャージャッ!

90ボーカル、寺田恵子

100vWe are SHOW-YA!

10

最後のブロックの一曲目は「Rolling Planet」。

110「あまりかからない曲」っていうんだけど、ものすごく親しみがあるのは、この印象的なサビのメロディのせいなのかしらん?

120開放弦を使ったおなじみのイントロは「BATTLE EXPRESS」。
133
(勝手に思っている)SHOW-YA名物のたたみかけるような「後半アップテンポ・コーナー」絶好調!

135
「♪Show the power」は当然の大合唱!

130v_beそして「限界LOVERS」!

140v本編を締めくくる名曲。
「限界」か「Fairy」か…どちらに転んでも客席の炎に油を注ぐようなもの。

150_glラスト・スパートをかけるこの五人の姿はいつ見ても美しく力強い。

2_s41a0568

170v

180v

190v

200v今日も「限界」超えた~!

215こうして先行してステージに上がったSHOW-YAの本編が終了した。
この盛り上がりだからして当然のアンコール。
210
アンコールにはGacharic Spinのメンバーが加わった!
F チョッパーKOGAちゃん、オレオレオナちゃん、TOMO-ZOちゃんの三人だ。

230このふたつのバンドはMarshall Blogでいつもレポートしている通り『NAONのYAON』で一緒になっているからね…

250キャリアの差はあれど仲良し感満点!

260曲は「Fairy」!

270v本編のセットリストで引き算すれば「Fairy」が演奏されることが容易に予想されるワケだけど、わかっていてもうれしいじゃん?

280vお定まりのパート毎のツーショットもバッチリ!

320

300

310すさまじいスピード感と音圧!

330「Fairy」ポーズも…

340vしっかり揃えた!

350ド迫力の六人そろい踏み!

360キャプテンとmittanも後ろで大爆発だ!

365そして恵子さん!

370そして圧巻だったのは五人まとめてのサオ回し…

380いくよ~!

390クルリン…

400…ッパッと!
コレは滅多に見れないスペクタキュラーだった!

410SHOW-YAの出番はココで終わり。

1_img_0400しばし転換の後、改めてGacharic Spinが登場し、熱狂的なステージを展開した。
  
その間、SHOW-YAコマーシャル!
SHOW-YAの30周年期間中の数々の名演を記録した豪華ボックスセット。
『SHOW-YA BIG 30 -THE BOX-』絶賛発売中!

420dvdSHOW-YAの原点、目黒鹿鳴館に凱旋した模様を収めた『Return to ROCKMAYKAN』も大好評だ。

430dvdそして、恵子さんのソロ・アルバム『PIECE OF MY HEART』も先月リリースされ大きな話題を呼んでいる。
アルバムのリリースに際してはソロ・ツアーを敢行し、その東京公演の模様を撮影させて頂いた。
ギターにはMarshallプレイヤーの原田喧太がサポートに入ったが、アコースティック・セットだったためMarshallの出番はなし。
よって、ライブ・レポートはMarshall Blogには掲載されず、姉妹ブログのShige Blogに登場する予定なのでファンの皆さんは要チェック。

440_pomhはい、続けてマーシャル・コマーシャル。

Marshall_logo_square_2sun-goさんが使っているのはMarshall。
ヘッドはフラッグシップ・モデルのJVM410H。

450スピーカー・キャビネットは1960BDMね。

460vそれと、コレは新商品のCODEシリーズ。
Marshall初のフル・モデリング・アンプ。
今回は25WのCODE25と50WのCODE50が先月発売された。

C10_2この歴代のMarshallの名機のサウンドを詰め込んだお徳用ギター・アンプに先週の楽器フェアでも大きな注目が集まった。
興味のある方はココをクリック!
ギターをやらない人でも、ギターをやっているお友達に教えてあげて!

C35さて、『Different Colors』に戻る。
Gacharic Spin熱狂のステージの最後にもうひとつ大きなクライマックスが!

470今度はGacharic Spinのステージに…

480恵子さんと…

490vsun-goさんが加わったのだ!
sun-goさん、キャワイイ~。今年のテーマは「So cute」だからね。コレでいいのだ。
もうすぐ今年も終わる。

500v曲はもう一回「限界LOVERS」。

510こっちも何ともすさまじく激しい「限界」!

550

激しいだけでなくて楽しそう!

1_img_0601 ジャズなんかでは比較的頻繁に行われているけど、こうしたベテランと若手の交流をロックでもドンドン取り入れればいいのにな~。
え、スタイルがゼンゼン違うから無理だって?だからやるんじゃん!

520おお~っと!恵子さんけん玉成功!

530vsun-goさんも思いっきり弾きまくる~!

540vイヤ~、実ににぎやかでパワフル、かつナチュラルなコンサートだったな。

570嵐のようにシャキシャキしちゃうエキサイティングな夜だった。

580さて、今年のSHOW-YAのコンサートも残すところあと一本!
12月4日、六本木のEXシアターの『メタロッポン~METALLIC ROPPONGI』だけだからね!
もう<最前列VIP席>と<VIP席>は売り切れちゃったけど、まだ何とか指定席はイケそうだ。
Marshallと一緒に六本木で待ってるからね!

 
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

590(一部敬称略 2016年9月4日 新宿ReNYにて撮影)

2016年11月 9日 (水)

Different Colors ~ SHOW-YA x Gacharic Spin <前編>

「Colors」…アメリカ英語ですな?
イギリスの英語だと「Colours」と「u」が入る。
同じパターンでいくと「honour」とか「favour」とか…。
面倒でしょう?イギリスの英語は!
もちろん「u」を抜いても意味は変わらないし、イギリス人にもまったく問題なく通じる。
私も昔は、「なんだよ、イギリス英語はカッコつけちゃって!」…なんて思ったりもしたけど、今はこっちの方がカッコいいと思ってる。
Marshallとのメールのやりとりは、知っている限り、もしくは気がつく限りはイギリス英語に統一するよう努めている。
前の会社にいた時はアメリカ人と連絡を取ることも多く、そういう時はアメリカ英語のつづりに変えるようにしていた。
Marshallへは「catalogue送って!」としておいて、アメリカの楽器メーカーには「catalog送って!」みたいに使い分けるワケ。
だって、何か変でしょ?
外人が東京の人に向かって関西弁でメールを送ってきたリ、その逆だったりしたら…。
関西弁ならまだしも山形弁だったら「どだなだず?」
   
チョット今日は皆さんおイヤでしょうが、冒頭から英語で大脱線します。
さて、どうして、同じ英語なのに英米の間でそういうことが起こったのか?
気になるでしょう?
今日はそのあたりを勉強してから楽しいSHOW-YAのステージにご案内しましょうね。
18世紀の初頭ぐらいまでは、イギリスもアメリカもつづりに関してはすごく曖昧にしていたらしい。「ま、どうつづってもいいんじゃないの~?」みたいな。
で、18世紀になってからは英語の辞書が出版されるようになった。
すると、「コリャ、いい加減っていうワケにはいかんじゃん?」となり、1755年にサミュエル・ジョンソンという人が出版した辞書をキッカケに正式なイギリス英語のスペルが決まったんだと。
ちなみに…「ロンドンに飽きた者は人生に飽きた者だ。ロンドンには人生が与え得るもの全てがあるから。」って聞くでしょ?コレはこのジョンソンの言葉。
このオッサン、辞書の編纂者だけあって、他にもなかなか含蓄に富んだ言葉を残している。
曰く…
「腐敗した社会には、多くの法律がある。」
「政府は我々を幸せにすることはできないが、惨めな状態にすることはできる。」
「愛国心は卑怯者の最後の逃げ口上。」
「結婚は多くの苦悩を生むが、独身は何の喜びも生まない。」
「あらゆる出来事のもっともよい面に目を向ける習慣は、年間1千ポンドの所得よりも価値がある。」…なんてね。
「信頼なくして友情はない、誠実さなくして信頼はない。」…いいこと言うわ~。
 
さて話は戻って(戻っても脱線中!)、ご存知の通り、英単語はラテン語やらギリシャ語やらフランス語やら、ヨソ様からの借り物が多いでしょ?
イギリスはそれらの外国の言葉のつづりをそのまま取り入れたんだって。
かたやアメリカ英語…1828年にあの有名なウェブスターが出した辞書によってアメリカ英語のつづりが制定されたのが礎となっている。
で、「オレがオレが」と言ったかどうかは知らないが、ウェブスターさんはその辞書を作る時に「アメリカはアメリカ独自のやり方で!」と勝手につづりを変えてオリジナルの英単語を作っちゃったんだね。
どっかの「Make America Great Again」みたいなもんだ。(もうすぐアメリカの新しい大統領が決まるのね?)
そのおかげで三宅坂の国立劇場の英語表記が「National Theatre」のなっているのに対し、目の前の信号機についているの標識が「National Theater」と記されている、なんてアホな状況が生まれちゃう。
ちなみに英米のつづりの違いはやや規則性があって、上の「-our/or」とか「-re/er」とか「-ise/ize」とか…興味のある方はお調べになるとよろしい。  
  
ちなみに前にも書いたことがあるんだけど、「spell(スペル)」という単語は動詞なので、「つづり」という名詞で使いたいときは「スペリング(spelling)」と言わなきゃダメなのね。
  
もうひとつ、脱線ついでに辞書の話。
アメリカのWebsterに対してイギリスの辞書といえば何といってもOxford。
この辞書が出来たのはビクトリア朝の時代で、それは大英帝国の威信をかけた文化事業だった。
で、その編纂作業に当たって激しい情熱を注ぎ、最も大きな貢献をしたうちの一人は決して人前に現れようとはしなかったらしい。編集部とは書簡でやり取りをしていたのだろう。
それで、編集部はこの人のあまりにも大きな貢献に敬意を表すために、その書簡に書いてあった住所を頼りにその人を訪ねた。
たどり着いた先は精神病院だったという…。
その人は人前に出てこなかったのではなくて、病院から出ることが許されなかった…という話を大分以前に何かで読んだことがある。
お後があんまりよろしくないようで…。
  

さて、脱線終わり!
今日のレポートはSHOW-YAとGacharic Spinのダブルヘッドライナー・ショウのレポートだよ!
いつも通り二本立てでお送りする。
先にステージに上がったのはSHOW-YA!
140
寺田恵子

1_img_0309 五十嵐sun-go美貴

30vsun-goさんのMarshall。
JVM410Hと…

501960BDM。
SHOW-YAサウンドの要のひとつだ。

60v足元のようす。

70今回はsun-goさんのピックも紹介しちゃおう!

80中村美紀

90v仙波さとみ

1_img_0472これはさとみさん愛用のピック。
いわゆるベース用。
昔、カルロス・サンタナがこの形のピックを使っているという情報が出回って、「サンタナってベース用のピックを使ってるんだってよ!」、「ホントかよ(当時『マジ』という言葉はこの世に存在しなかった)?だからあんなに音が伸びるのか?」…なんてね。
私が中学の時の話。子供ってのは無邪気なもんだ。

110角田mittan美喜

120vこれはmittanのスティック。
実際にスティック・ケースに入っていたヤツだよ。

130
今日の会場、新宿ReNYっていうんだけど、ホールが円形で引きの写真がすごくキレイに撮れるの。
ま、それも凛々しいSHOW-YAのことだから!
10

オリャ~!
今日は一発目から「嵐」じゃい!

150「私は嵐」が一曲目に来るのって好き。
いきなりの大合唱でスタートダッシュが効くからね!

5_img_0032 sun-goさんのギター・ソロ…
160v

さとさんのベース・ソロ…

170vそして、ドライブしまくるリズム隊に乗った恵子さんの激唱!

180いかにも「千両役者が揃った!」っていう感じがタマらないのだ。

190続けて『Genuine Diamond』から「Bloody Rose~薔薇の紋章~」。

200v_brもうイッチョ続けて「TROUBLE」でドライブ!
カッチョええ~!

210v
本当は「嵐」の後にMCが入るハズだったんだけど、ここまで三曲ブッ続けで演っちゃった!
すさまじい会場の熱気がそうさせてしまったのだろう。

220v_tr猛烈な律動感でバンドをプッシュしまくるmittan!

240ここでMC。
今日はお相手がGacharic Spinということで…「若さでは負けるけど、生きていると色んな知恵がつくものです。その知恵で今日は対抗したいと思います!」…ってとても知恵で勝負しているとは思えないパワー丸出しの演奏は世界にひとつだけのものだ!
イヤ、真剣に、こういう女性バンドって世界にSHOW-YAしかいないと思っているからサ。

1_img_0095 続いてもノリノリの「OUTSIDER」。

250_os今日もsun-goさんの爆音が気持ちいい~!

260vこの曲のサビの高揚感ったらないよね。
誰でもピョンピョン飛び跳ねたくなっちゃう!

270vキャプテンのハードなオルガンに導かれるのは「戒厳令の街~CRY FOR THE FREEDOM~」。
230v
この曲珍しいんじゃないの?
私は初めてかも知れない。
286
この手のヘヴィなミディアム・スローの曲もSHOW-YAの魅力だね。

1_img_0073sun-goさんの奏でる雷のようなギター・リフは「流星少女」。

280v_rsオラオラ、回せ~!

290この辺りでSHOW-YAの持ち時間も後半に入る。
今日はダブル・ヘッドライナーだからして、SHOW-YAの上演時間が短いことを先刻承知のお客さんが悔いを残すまじと猛然とタオルを振り回す。

310もちろんステージの五人も負けていない。
後半に向けてさらにヒートアップしていくのだ!

2_s41a0598

320v

2_s41a0512

340v

350vSHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

360<後編>につづく

(一部敬称略 2016年9月4日 新宿ReNYにて撮影)

2016年11月 4日 (金)

Silex 衝撃のデビュー・ライブ!

こういうのを「鳴り物入り」っていうんだろうね~。
「鳴り物」とは、食べ物でいえば、白身の魚を練って、塩を加えて形を整えた…違う!そりゃ「練り物」だ!
元は歌舞伎で笛や太鼓等を使って舞台をハデに囃し立てるところから来ており、転じて楽器の伴奏を入れることを「鳴り物入り」といった。
ようするに「景気づけ」だ。
コレ、面白いのは西欧にも同じような表現があって、あちらの「鳴り物」はもっぱらファンファーレだ。使われる楽器といえばトランペットやドラム。
今日、Marshall Blogに「鳴り物入り」で登場するのはMASHA率いるSilex。
Marshall Blogではすでにデビュー・シングルやインタビューを紹介している
そして、9月下旬に『SILENCE IN EXPLOSION  The First -NEw Beginning-』と題していよいよデビュー・ライブが開催された。
チケットは完全ソールドアウトの超満員。
同業者(ギタリスト)並びに音楽関係者の来場も多く、Silexへの注目度の高さが容易にうかがい知れた。
何しろ写真を撮るスペースがないので、ホールの一番後ろにセットした脚立の上からの強引な撮影となった。
例によって身動きひとつできなかったため、今日の記事の写真のクォリティには目をつぶって頂きたい。

10x_3オープニング・アクトとして大阪から駆けつけてくれたのはMars Brigade。
コレは「火星旅団」という意味なのかしらん?
ハンガリーにSolaris(ソラリス)というプログレッシブ・ロックのグループがいて、『Marsbeli Kronikak(「火星年代記」、英語だとMarcial Choronicleね)』というアルバムを思い出してしまった。

20Tatsu

30Yu-ichiro

40vす~

50Hide

60vMars Brigadeは2枚のシングルに続いて、昨年8月には『PROGRESS』という5曲入りのミニ・アルバムをリリースしている。

70cdサウンドはコンテンポラリーなへヴィ・メタル。
「○○メタル」とかいうジャンル的な形容があるのだろうけど、ゴメンナサイ、どう表現していいのかわからない。

80何せTatsuくんの天にも抜けんばかりのハイトーン・ヴォイスと…

90v弾いて弾いて、弾いて弾いて、弾いて弾いて…そして弾きまくるギターが容赦なく耳に飛び込んで来る!
110v
Yu-ichiroくんはMarshallを使用。
やっぱあの「M」の字は人を弾く気にさせちゃうんだよね~。

100そして、鉄壁のコンビネーションのリズム隊。

120パワーとスピード感みなぎるす~くんとHideくんのコンビネーションも見事だ。

130それぞれの曲の中でもシャープなソロを聴かせてくれたYu-ichiroくん。
クライマックスではタップリとギター・ソロが!

140「いつもMarshall Blogを見てくれている」なんてうれしいことを言ってくれたんでマーブロでもフィーチュアしちゃおう!

150マァ、何せ煙の出そうなシュレッディングに客席からも大きな歓声が!
しっかし、人間ココまでシュレッドするとなると、この先ギター・テクニックってどうなっていくのだろう?
興味あるな~。
次は「遅弾き」かね?一回のソロにどれだけ白玉でいいメロディを作れるか?…みたいな。

160今どきのへヴィ・メタルのテンプレートを見せてくれたような若々しい演奏だった。
まさにSilexのデビューを完璧な形で華やかに演出してくれた。

MARS BRIGADEの詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAl WEBSITE

170しばし休憩の後、期待感に満ちたスゴイどよめきに包まれてついに姿を現したSilex!
何たるテンション!

180Pete Klassen(ピート・クラッセン)

200vMASHA
350

Yosuke Yamada

220Yosukeくんとコンビを組んだのはhibiki!
べース・アンプはEDENを使用。
  
アレ?Silexってギターふたりなの?

230説明しよう。
今回のデビュー・ライブだけに特別参したTORNADO-GRENADEの真壁雄太だ。

240v先日のMarshall GALAにトップ・バッターで出演してくれたMASHAくんはもちろん愛用のMarshallを持参。

250_2以前は1987を使っていたが、今はJCM800 2203にスイッチしている。

260TORNADO-GRENADEのレポートで何回も紹介しているが、雄太くんもMarshall。

S41a0461Silexのステージでも自慢のSilver Jubilee 2555Xと2551Bが大活躍させた。

280コレはSilexの3曲入りのファースト・シングル『SILENCE IN EXPLOSION』。
この日会場で先行発売されたが、ようやく12月7日全国発売されることになった。
ジラしちゃって…Silexのイジワル!
ま、私はデモの段階から聴かせて頂いておりましたが…エヘン!
190cd
ピクチャー・ディスク仕様がまたうれしいね。
自分が撮ったアーティスト写真だから一層うれしいね…エヘン!

9_img_0244 1曲目は「Cry in the Starlight」。

290MASHAくんのCrying Machine時代の曲。
今回のシングルにも収録されているゴキゲンなドライビング・チューン。
亡くなったMASHAくんのお父さんが好きだったという「青い影」のクォーテーションが印象的だ。

300もう何もしなくても盛り上がっている客席をさらにあおるピート。
まるで乾ききったスポンジが水を吸うようにSilexの音を浴びる観客。

310とうとう念願の自分のプロジェクトを実現させたMASHAくん。
とてもうれしそうだ。
人間が何かの目標を成し遂げる姿というのは美しいね。
MASHAくんの親でもないのに、見てるコッチの目頭も熱くなっちゃったりして…。
210v

インタビューでも触れていた通り、雄太くんも大好きな先輩との夢の共演に大感激していた。
後日、「おつかれさん会」で熱海か湯河原に二人で出かけたのかどうかは聞いていない。

330ピートの堂々たる歌いっぷりも素晴らしい。
この人も「ロックの塊」のような人であることに疑いの余地もない。

340v2曲目もシングルに収録されている「Cancion De Amor」。
英語で「Love Song」あるいは「Song of Love」。
日本語で「愛の歌」。
フランス語で「Chanson d'Amour」。
なんでフランス語バージョンを知っているかというと、The Manhattan Transferが「Chanson d'Amour」という曲を取り上げていたから。好きだったの。
シャンソンのスタンダードかと思っていたら作者はアメリカ人でやがんの。Wayne Shanklinという人。
昔、この「シャンソン・ダムール」を「貝の歌」だと思っていた人がいたけど、それ違うから!

320v

曲名のイメージとは似ても似つかぬスピード・チューン!サビの展開が意外なのね。

360尊敬するMASHA先輩をピタリとバックアップする雄太くん。
Jubileeの音って…いいナァ。
そうそう、この日はJCM800対決だったんだぜ!

370vYosukeくんの怒涛のドラミングもSilexの聴きどころ!

375そしてCDから離れて「Everlasting Symphony」と「Haunted Forest」が続く。

380どれもMASHAくんが温めてきた曲。
CDには3曲しか収録されていないが、ネタは豊富。
インタビューでもMASHAくん自身が語っていた通り、「他とは違う」ひと味違ったメタル・チューンだ。

390v「日本語しゃべれるぜ!」というピートのMCも盛り上がる。
わかってますって!天才的なうまさだよね~。
まさに「立て板に水」…あ、コレはわからないでしょう?「Water on a vertical board」だよ。
「こんなにたくさんの人が来てくれてうれしいです!泣いちゃいそうです!」と感激を素直に表したピート。
あ、下の写真はMCの時のものではないよ。MCの時に写真がなかったので、歌っている写真を代用したのであしからず。
迫力がウリのピートもさすがにこんな風にはしゃべりませんからね~。

S41a0344 MCの後は「Cry for the Moon」。
この日MASHAくんが使用した青いギターは敬愛するBLINDMANの中村達也さんから譲り受けたものだ。
S41a0827

ピートがステージを降りてインストゥルメンタルを1曲。
コレは知ってる…「Forever More」。
Marshall GALAでも演奏してくれたから。

400

「MASHAさんと一緒に『Forever More』をステージで弾けるなんて!」と雄太くんが興奮気味に語ったのを思い出す。
この日使用したギターはMASHAくんのおさがりだ。
要するに先輩から後輩に心太式にギターが移動したというワケ。
ピート、「心」が「太い」と書いて「ところてん」と読みます。「ところてん」って知ってる?私は酢が苦手だから食べれないの。

430そして、Yosukeくんのドラムソロ!
Silexのデビューに!と自慢のフルキットを持ち込んだ!

440そんな気合がモロにあふれ出ていたかのような充実のソロだった!

450続けて「Metal Nation」。
アウトロではMASHAくんのギター・ソロがタップリとフィーチュアされた。
420v

 そして、8曲目にして本編の最後を締めくくるのは「Standing on the Grave of Yesterday」。
480
CDのオープナー。そして、キラー・チューン。

470vこの曲のサビっていうのかな?「大サビ前」っていうのかな?Bメロでいうのかな?
とにかくこの展開部の歌のメロディがすごく好き。

460

ここでも大歓声を浴びながら美しい音色でダイナミックかつ繊細なギター・ソロをキメて見せてくれたMASHAくん!
当然、アンコールの声が上がったが、それには応えなかった。
もちろん、気分が乗らなかったワケでも、ネタがなかったワケでもなく、初めから「今日はアンコールなし」とキメていたのだ。
カッコいい。ビートルズやLOUDNESSみたい!
ダラダラと演奏するより、自分たちが観てもらいたいことを本編に詰め込んで、それをキチっとやり遂げたという満足感の表れあり、自信でもあるのだろう。
ココでも他のバンドとは違う…ということを見せつけてくれたような気がした。

490最後は出演者が勢ぞろいしてご挨拶。
コレでいいのだ。

500 さて、今回のデビュー・ライヴを見逃した方々への次のチャンスは…
★11月23日 於 高円寺ショーボート
⇒Strange,Beautiful and Loudとのダブル・ヘッドライナー(「ツーマン」、「スリーマン」はやめましょう)がうれしい!
あまりにもスタイルの異なるギターの競演が見もの!レフェリーはMarshall!

5_img_0042 ★12月17日 於 西九条BRAND NEW
⇒"METALLIC DREAMS XV "というイベント。関西方面の方はゼヒ!
  
Silexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook
  
終演後は物販タ~イム!
お!スペシャル物販要員が登場!「荒神見ない」のTORNADO-GRENADE。
この人たちももうすぐワンマンだよ。

510正直、終演後にこんなにCDが売れるバンドって見たことない…というぐらいの大盛況!
大行列だったのですよ。

520v 

最後に…
この日、3人の優れた若きギタリストが登場し、見事なシュレッドぶりを見せてくれた。
実は私は若い頃からガッチガチの速弾き支持者で、「味わい」よりもテクニック重視論に与していた。
ある音楽業界の人とイッパイやった時、「速弾き」か「味わい」かの論議になった。その人は味わい系ギターを支持していて、「イヤ、速弾きは練習すれば誰にでもできるけど、味わいはそうはイキませんよ!」、「ナニを言ってるんですか!その『練習する』ということができないから味わいに走ってるんじゃないですか!」と、議論はエキサイトする一方で、しまいにはマジでケンカしそうになったことがあった。
話は飛んで昨晩のこと。
「日本を代表する」と形容してもまったく過言ではないベテラン人気ギタリストとこんな話をした。
今日の記事のはじめの方にあった当世「速弾き」に関することで、「学校が普及したことで、これほど当たり前にギターを速く弾くようになってしまって、もはや速く弾くのが普通、いわゆる『フツ弾き』になってしまった今、ギターのテクニックは一体どこへ向かっていくんでしょうかね?…と私。
「テクニック的にはもっと楽で合理的な弾き方を追求するとか…そういうことは続いていくのではないでしょうか?
でも、どんなにテクニックが優れていても、曲に魅力がなければなんの意味もありませんよね。
そういう意味では、まずはイントロの重要性を感じます。
今は昔のレコードと違って、チョット曲のアタマを聴いて面白くなければボタンひとつで次の曲へ飛べますでしょ?
イントロが魅力的でないと、中間のギターソロはおろか、歌すら聴いてもらえない。
その次はAメロのよさとサビのメロディが魅力的であること…当たり前なんですけど。
ボクは速弾きは大歓迎ですが、それよりも『曲』があっての『テクニック』だと思っています。」
まったくその通りだと思う。
あのケンカからだいぶ時間が経って、『速弾き』も『味わい』もプレイヤーの個性を表す重要な手段で、どっちがどうだ…などと考えることを無駄に思うようになった。
そして、このギタリストがおっしゃることに10000%同意している。
The Whoの「My Generation」やThe Kinksの「You Really Got Me」をプロデュースしたシェル・タルミーが、「イントロですべてがキマる」と50年も前にヒット曲の極意について触れているのにもうなずける。
音楽はます「曲」がありきなのだ。
このことが忘れられがちになっているように思えるのと、MASHAくんが先のインタビューの中で、「他とは違った曲を作りたい」という意識を常に持っているということに相通ずると思ったので一筆認めさせて頂いた。Silexの未来は明るい。
ちなみに今の時代のロックにおいては、私は「メロディアス」と「いい曲」はまったく別なものだと考えている。

S41a0500 (一部敬称略 2016年9月25日 新宿WILD SIDE TOKYOにて撮影)

2016年11月 2日 (水)

CHIMERA GAMES TOKYO Vol.2~BLIND BIRD とKeiji by ZERO

Marshall Blogでレポートした前回の開催から早や半年。
CHIMERA GAMESが帰ってきた!

20 今回は10月29&30日の開催とあってハロウィン仕様。

10_2決してお化け屋敷という設定ではない。
しかし、スゴイ、雰囲気だな…。
これでカラスでも飛んでいれば絵的には完璧なのだが…。

20 いらっしゃ~い…。

30前回に比べ大幅にスケールアップしての開催。
コレは朝一番の光景。
今回も天気に恵まれないのが残念だ。

40前回には見られなかったようなアトラクションが増え、大人から子供まで楽しめるようになっている。

50

60コレ、「ホッピング」っていうんだっけ?
我々が小学校の時にものすごくハヤったんだよ~。

70コレは渋い!

75とび箱まで!
私はこれでもとび箱が得意だった。
で、どうしてもできない子ってクラスに何人かいたじゃん?
ナゼできないのか、それがすごく不思議だった。
今はどうかって?コワくて四段も飛べないかも!そもそも助走ができん!

76こんなカフェも…。

80スケートボードの設備はもちろん…

90道具のレンタルまでの至れり尽くせり。

100グッズの販売も充実している。

110オフィシャル・グッズも人気の的だ。

120こんなアートの実演も今回からかな?

130さて、CHIMREA GAMESはエクストリーム・スポーツ、ストリート・パフォーマンス、そしてロックを融合させたフェスティバルだ。
当然、巨大なステージがセットされバラエティに富んだ出し物が用意されている。

140協賛の音楽系専門学校の生徒さんたちによるダンス・パフォーマンス。

150そしてCHIMERA GAMESの二回目がスタート!

160ダンスに続いて登場したのは…

170Keiji by ZERO!
いきなりのMC。
大人ですら人前で話すのがやたらと苦手なヤツがたくさんいるというのに…実に立派なもんですよ。
自己紹介をした後、この日のスケジュールを告知した。

180vKeijiくんはJVM210Hと1960Bを使用。

185バッキング・トラックに合わせて弾きまくる!

190切れ味鋭いシュレッディング!

200v初めて見る人は「ギョッ」っとしてたけど、コレがKeiji by ZERO。

210ところでKeijiくん、四曲入りのCDをリリースしたのだ!
タイトルは『月夜(つきや)』。
トラくんのかわいいグリム・リーパーが目印だよ。
「Burning Heart」というKeijiくんのオリジナル曲も収録されている!

220cdKeijiくんを見るのはKellyさんの「ニューアルバム鑑賞会」の時以来だから…一年と三か月ぶりか…。
J_s41a7713
ずいぶんお兄ちゃんになったな~。
ヨソのウチの子は本当に大きくなるのが早い!
以前よりピッキングが強くなった感じでますますいい感じ!

230こういう才能のある人には、若いうちから色んな音楽を聴いてもらって「シュレッダー」の枠に捉われない「音楽家」に成長して欲しい…とオジちゃんは思うのだ。

235vその頃、ステージの裏ではこの四人がスタンバイ完了!

240続いてはKeijiくんとBLIND BIRDのコラボレーションだ!
Keijiくんが弾き出したイントロは…
290
「Burn」…。

260優也くんとの相性もバッチリ!

270Keijiくんの完璧な演奏にお客さんから大きな拍手が送られた。
Keijiくんは、この後、CHIMERA FREE AREAというスペースでミニ・ライブを開催した。

Keiji by ZEROの詳しい情報はコチラ⇒facebook

280

ステージに残ったBLIND BIRD。

300_2桐島直志

310x小松優也

320v優也くんは愛機のJCM800 2203と1960Aを使用。

330河野充生

340v河野さんの今日のベース・アンプはEDEN WT-800とD410XSTのフル・スタック。

350現在WT-800は製造していない。
今のEDENのフラッグシップ・ヘッドはWT-900PROに替わっている。

9_wt900pro2そして、山口PON昌人。

360PONさんはNATALだ。
今日は10"、12"、16"、22"のコンフィギュレーション。
バーチのタバコ・フェイド・フィニッシュ。

370曲は最近作から「Keep the Tension」。
最後の「♪キッザテッショ、キッザテッショ」がめっちゃカッコいいヤツ。

Img_0101_2 PONさんのド派手なドラムと…
410v
河野さんの緻密なベースがからむうねりまくるリズム!
400

それに絡むワイルドなギター!

390vそして、ロックの塊のような直志さんのヴォイス!

420v残念ながらBLIND BIRDは一曲だけ。もっと聴きたい!
イヤ~、このバンド、ホントにカッコいいと思う。
あ、何かもらっているワケではありません。
素直にそう言えるの…。
  
BLIND BIRDの詳しい情報はコチラ⇒BLIND BIRD official website

Img_0106 さて、もう少し会場を見て回ろうか?

430ゴーカートも今回から?

440前回紹介したFMXも当然用意されている。

450ビョーンって飛んで、空中で回ったりしちゃうヤツね。
ナニせ、言葉や用語がわからん!

460単車の他に、子供たちもこの台でジャンプを披露…するワケない。

470自転車も盛んにスっ飛んでた。

480こんなだもん!

490ステージは色んな出し物で盛り上がっている。
これは「フリースタイル・バスケットボール」っていうらしい。
「ジャグリング」とは言わないようです。

500コレは「ダブル・ダッチ」っていう縄跳びね。

510おお!何やら煙を上げて向こうの方で何やらブイブイ言い出したぞ!

420

これは「ドリフト」っていうんでしょ?

530排気ガスとタイヤの摩擦でモックモク!
ブロン、ブロンと音がスゴイ!
550
やたらとクルクル回りまくってスゴイ迫力。
同乗体験もできるそうなのだが、こんなの乗ったらゲロ吐いちゃうな、アタシャ。

540
終了~!
拍手喝采!

570スゴイよ、一回でタイヤがこんなんなっちゃう!
あ~あ~、コリャ次の車検通らね~ぞ~!

580車を間近で見ることができる。

590エンジンはこんな具合。
610
車によってそれぞれゼンゼン違うんだよ。
620

好きな人にはタマらないんでしょうな~。

630

さて、優勝したドライバーさんにインタビュー!
…ってこりゃPONさんだ!
PONさんも近々動き出すFEEL SO BADで思いっきりドライブだ!

600CHIMERA GAMES、次回の開催は来年の5月ということだそうだ。
また楽しみだね!
来年は自転車で空中回転するぞ~…死ぬわ!

 

CHIMERA GAMESの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

640(一部継承略 2016年10月29日 お台場特設会場にて撮影)

 

2016年11月 1日 (火)

Meet Atsuhiko at the Jazz Corner of the World~杉本篤彦 Plays ASTORIA

「草加、越谷、千住の先よ、オレんち春日部もっと先」…という野原家の人々が聞いたら文句のひとつも言いたくなるような歌があるようだが、最近の北千住のにぎやかさといったらないよね。
昔は「おばけ煙突」でよく知られる東京電力の火力発電所がこんな街中にあったんだから驚いちゃう。日本のバタシーね。
この発電所は1963年に稼働を終了したというから、私は実物を見た記憶がもちろんないのだが、父の「前から見ると四本、横から見ると一本」みたいな話にものすごく興味をひかれたのは覚えている。
それよりずっと前、江戸時代から明治の初期にかけては、隣の南千住に「小塚原刑場(こづかっぱらけいじょう)」という罪人の処刑場があって、磔刑(はりつけ)、火刑(火あぶり)、梟首(きょうしゅ、さらし首このこと)がそこで行われた。
高杉晋作が師匠の吉田松陰の骸を掘り出しに行ったり、杉田玄白が死刑になった罪人の腑分け(解剖)を行ったのもココ。
この腑分けのあたりは杉田玄白の仲間で、『ターヘルアナトミア(解体新書)』を苦心惨憺の末に訳出した前野良沢のことを記した、吉村昭の『冬の鷹』という小説に詳しい。コレ、メッチャおもしろいよ。私なんかいつも英語でくろうしているので、大層興味を持ちつつ読んだ。

10_2今日の舞台…。
駅を背に左に線路沿いに進むと、細い道に無数の呑み屋が林立している。
まぁ、どこも特徴豊かな雰囲気で好きな人にはタマらないだろう。
その路地を進みしばらく行って右に曲がると、ちゃんこ屋の奥に…

30v 
ソレがある。
20v
Birdland!

40_2 「Birdland」とは1949年、ジャズの黄金期にマンハッタンの西52丁目にオープンしたジャズ・クラブがオリジナル。
モダン・ジャズの開祖であり人気絶頂だったCharlie 'Yardbird' Parkerにちなんでその名前がつけられた。
クラプトン、ベック、ペイジが在籍したことでしか日本では評価されないThe YardbirdsもCharlie Parkerのニックネームを借用している。
当時の52丁目はジャズのメッカ。
ジャズ・クラブがひしめき合っていて、セロニアス・モンクが「52丁目のテーマ」という「カッパの黄桜」みたいな曲を書いていることはジャズ・ファンなら誰でも知っているところ。
20年ぐらい前に訪れてみたけど、ジャズらしいものはな~んにもなかった。
マンハッタンもロンドンみたいにプラークをやればいいのナァ。かなり面白くなると思うよ。
さて、オリジナルのバードランドは1965年に閉店したが、1986年に場所を変えて再オープンした。
私は15年ぐらい前に穐吉敏子のオーケストラを観に行ったことがあったけど、ヴィレッジ・ヴァンガードとは異なり、観光スポットみたいな感じだったな。

50_2 さて、喜々として脱線しておりますが…。
そのオリジナルのバードランドで収録された名ライブ・アルバムというモノは枚挙にいとまがなく、もっとも有名なのはアート・ブレイキーの『A Night at Birdland(バードランドの夜)』だろう。(下の写真の左から3列。ジャケット違いで私は3種類持ってるの)
ブレイキーは、その後も二種類のバードランドでのライブ音源集をリリースしている。どれもカッコいい!
今日の記事のタイトルはそのアルバム・タイトルにちなんでいるというワケ。
自慢になって恐縮だが、私はアート・ブレイキーに会ったことがある。
しかも、富山のホテルで!
当時勤めていた会社の隣りが富山市で最も高級なホテルで、ジョージ川口さんの記念コンサートが富山で開催され際、出演者ご一行がそのホテルに投宿していたのだ。
その中には渡辺香津美さんもいらっしゃった。
それを知った私は当然のごとく仕事をチョット抜け出して隣のホテルに忍び込んだ。
今にして思うとよく入れたと思うのだが、宿泊階でウロチョロしていたら、真っ黒のオジイさんが向こうの方から「ハ~イ、ハ~イ、ハハハ」とニコニコしながら歩み寄ってくる。
「アレ?もしや…あの声…」
近くで見たらブレイキー!
よく見たらアート・ブレイキー!
私を待たせていたかのように自然に握手。そしてバイバイ。
コレだけなんだけど、マァ~うれしかったな~。
当然その晩のコンサートに行ったんだけど、エルヴィンや松本英彦、香津美さんが加わってRoland Princeの「Antigua(Anti Calypso)」を演奏してくれたのには涙が出た!
さて、バードランドに戻って…。
この店にはピー・ウィー・マーケットというミュゼット、すなわち「小人」の名MCがいて、ジャズを聴き出しら絶対に避けて通ることができないこの『A Night at Birdland』にその名調子が収録されている。
いわゆる「ベランメエ調のミューヨーク英語」というヤツ。
「サンキュー!」を「サンキョ~!」と叫ぶ感じ。
このMCがカッコよくてね~。
ま、ココは興味のない人には面白くもなんともないだろうけど、チョット引用してみようか?
"Ladies and gentlemen, as you know we have something special down here at Birdland this evening.  A recording for Bluenote records...
When you applaud different passages, you hands go right on the record.  That's so when they play the over and over thtoughout the country, you may be someplace and ah, so well that's my hand on one of these records, that I dug down at Birdland...."
と、マァ続く。
コレはいい加減なモノでもなんでもなくて、どうしてもマーケットが何をしゃべっているのかが知りたくて、昔、少しの間英語を教わっていたカナダ人の女の子にディクテイションしてもらった。だからほぼ正確だ。
もちろんこのカッコいいMCに続く、スタンダード曲「There Will be Never Another You」のコード進行を借用したホレス・シルバーの「Split Kick」から始まるこの二連作には最高の演奏が収められている。
ちなみにロビン・ウィリアムスの『ガープの世界(ジョージ・ロイ・ヒル監督)』って映画あるでしょ?
あの中で効果的に使われているナット・キング・コールが歌っている曲が「There Will be Never Another You(あなただけを)」。『Two in Love』というロマンチックなアルバムに入っているので興味のあるロマンチストの方はどうぞ。
55_2さて、北千住のBirdland…

100_2 またコレがものすごく感じのいいお店でビックリ!
マスターもめっちゃナイスガイだ。

90v
入り口にはちゃんとチャーリー・パーカーの写真が飾ってあるし…

80_3
招き猫で千客万来!
この猫ちゃん、右手を挙げているとお金を呼んでいて、左手だとお客さんを呼んでいると言われているんだよね。
私だったら両手を挙げさせちゃう。
Birdlandさんは左手を挙げているので千客万来。

85_2

ということで、今日のライブは…

60v 満員御礼!
杉本さんのギター・トリオ。
写真が撮れん!

110_2
ステージにはASTORIA CLASSICがセットされているのよ!

70_2杉本篤彦

120v納浩一

130v 板垣正美

140v いいナァ~、こういうジャズ特有の雰囲気!

150v まずは「Four on Six」。
ガーシュインの「Summertime」のコード進行に基づいて作られウェス・モンゴメリーの代表作。
コレは杉本さんから教わったんだけど、タイトルは「4本の指が6本の弦に乗っている」サマを表しているそうだ。
ジャンゴだったら「Two on Six」ってコレ何度も書いたか?
ワンパターンということなかれ!「ブレない」マーブロなのです。

160続いてはロバート・グラスパーという黒人ジャズ・ピアニストの曲。
全然知らないけどいい曲!

170v続いては今年5月にリリースしたアルバム『Tomorrow Land』から「怪人二十面相」。
190
コレが『Tomorrow Land』。
ギターはすべてMarshall JVM210Hと1936で録音した。
マァ、とにかくこの素晴らしいMarshallクリーンを聴いてもらいたいものだ。

146cd_2

ストレート・アヘッドな4ビート以外にも抜群のグルーヴを聴かせてくれる納さん。
「怪人二十面相」はややロマンチックにしてハードなマイナー・ワルツだ。

180v

杉本さんの後ろに見える「怪盗」のような、職質はまぬがれないような、サングラスのオジさんは若き日のチック・コリア。
1970年前後?
この頃のチックはメッチャかっこよかった。以前にも書いたけど私的には『Three Quartes』までかな?
最近ではスッカリ「スペイン恐怖症」になってしまった。
ネコも杓子も「スペイン」ばっかり!
ロックでは「Burn」がもうウンザリ。
クラシックでは「カルミラ・ブラーナ」だ。
日本人ってどうしてこうなっちゃうんだろう?

200_2 杉本さんのMCはとてもステキだ。

230 ジャズメンに落語好きが多いのはよく知られていることで、テナーの中村誠一さんはソロ・アルバムで、有名な噺のサゲばかりを集めてくっつけた「フリー落語」というのをやっていた。
いいアイデアだ。
学生時代の杉本さんは有名なアメリカン・フットボールの選手で、決して落研に属していたワケではないのだが、落語をやってもかなりいい線イケると私はニラんでいる。

240v まず声がいいのだ。
噺家は声が太すぎるとエラそうになってしまって、滑稽話ができない。
そこへいくと杉本さんの声は硬すぎず、妙に柔らかすぎずでちょうどいい。噺家の声だ。
そして何よりも、話し方がとてもリズミカルなのだ。
で、次の曲を紹介する。
グラント・グリーンの人気盤、『Feelin' the Spirit』から「Deep River」。
杉本さん曰く…「深川ですね」。
ね、見事に落とした!

250v_2 そして、Bobby Hebbの「Sunny」。
ウェス・モンゴメリーの演奏も人気があるが、ウェスに捧げられたというパット・マルティーノの演奏がすさまじかった(『Live!』収録)。
杉本さんの「Sunny」はまさにお日様のあたたかさ。
ASTORIAもいい仕事してます!
ま、正直、お値段もお値段なんだけど、それだけのことはあるね。
聴いていてこれほど価値のあるいい音は、弾いた感触はたいていその何倍も価値あるいいものなんだよね。

260 休憩をはさんで第二部。
こぢんまりしたジャズ・クラブって休憩の時間がまたいいんだよね。
今まで目の前で演奏していたミュージシャンと親しくおしゃべりができたり、イッパイやたりして…。
280

 曲は「Three Coins in the Fountain」。杉本さんはハンク・モブレーの名前を出して「なじみのないスタンダード」と紹介されていたが、「なじみがない」のはスタンダードではないのでは?…というのは単なる揚げ足取り。杉本さんゴメンナサイ!
これは『愛の泉』という映画の主題歌で、1954年、オスカーの「オリジナル主題歌賞」を獲得した。
作曲はジュール・スタイン。作詞はサミー・カーン。サミー・カーンはジャズ・ギタリストで元カーラ・ボノフの旦那さんのスティーヴ・カーンのお父さんね。
スティーヴには昔、1936を貸したことがあったっけ…。
杉本さん、よくこんな曲を演ってるな…と思ってピンときたのはグラント・グリーン?
この曲が収録されているモブレーのアルバム『Workout』にはグラント・グリーンが参加しているのだ。
270

 ところで納さんの後ろに飾ってある写真…

290vこの写真は1958年にアート・ケインという人がマンハッタンのハーレムで撮影し、エスクァイア誌に掲載された超有名な写真。
スピルバーグも映画の題材にしたんだって?
写真には57人のジャズメンが写っているが、よく見ると、シャッターを切った時にたまたま疲れて座ってしまったミュージシャンがいて、結果58人が集まっていたことが後でわかったとか。
その58人目はウィリー・"ザ・ライオン"・スミスという1920年代に多くの録音を残したストライド・スタイルのピアニストで、私は中学生の時からこの人の名前を知っていた。
友人のお父さんからレコードをもらったのだ。
その時にいっしょに頂戴したレコードはフランスのピアニスト、アンリ・ルノーのもので、私の人生で初めてレコード棚に入ったジャズのレコードはこの二枚だった。
ハード・ロックに夢中だった時分だったので、そんなモノもちろん聴きはしなかったけどね。
そんなことがあったものだからこの写真には興味があった。
他にココに写っているのは…、
カウント・ベイシー、アート・ブレイキー(本日二度目のご登場!)、ロイ・エルドリッジ、アート・ファーマー、ディジー・ガレスピー、ベニー・ゴルソン、ジョニー・グリフィン、ジジ・グライス、コールマン・ホーキンス、ミルト・ヒントン、ハンク・ジョーンズ、ジョー・ジョーンズ、ジーン・クルーパ(ジム・マーシャルのヒーロー)、エディ・ロックジョウ・デイヴィス、マリアン・マクパートランド、セロニアス・モンク、ジェリー・マリガン、オスカー・ペティフォード、ソニー・ロリンズ、ジミー・ラッシング、サヒブ・シハブ、ホレス・シルヴァー、スタッフ・スミス、ウィルバー・ウェア、レスター・ヤング…等々。
幾人かを除いて、普段から自分が聴いているようなモダン系の人の名前を選って並べてみた。
スゴイね~!スゴすぎて名前だけでめまいがしてくるわ。
白人はほんのチョット。1958年と言ったらまだすさまじい人種差別が横行していた頃でしょう?
どんなだったんだろうね?
パッと見てビックリするのは、マリアン・マクパートランドだ。
この人、OBE(ジム・マーシャルがもらったヤツね)も持っているイギリス人女性なんだよね。
スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーが、マリアンとピアノを囲んで実演を交えながら、ジャズについて語ったラジオ番組のCDはおもしろかった。
同じイギリス人女性ジャズ・ミュージシャンでもクレオ・レーンは「Dame(デイム:貴族の称号のひとつ)」をもらっている。
クレオ・レーンはジム・マーシャルの幼なじみだという話も聞いたが、『Shakespeare Jazz』なんてアルバムを出しているぐらいイギリスに根差した音楽活動をしたからだろうか?

300 レオン・ラッセルの「Masquarade」。
そうだ、杉本さんがMCでおっしゃっていたが、この曲正式には「(This) Masquarade」で、頭文字のつもりで「M」で検索しても出てこない…という。
ナルホド!

S41a0124 『Tomorrow Land』から自作曲の「遥かなる大地へ」。
杉本さんらしいポップであたたかな曲。

310v おなじみクラプトンの「Wonderful Tonight」ではダブル・オクターブを披露。
ダブル・オクターブは一弦と六弦の同じフレットを押さえ、ボトルネックのように、ネックに沿って運指する技法。
つまり、2オクターブの音の高低差が生まれる。
この弾き方だと、フルアコースティック・ギターの場合、14、15フレットまでしか押さえられない。つまり、使える音の数が極端に少なく、技巧的にもかなり無理がある奏法なワケ。
オクターヴ奏法の達人、ウェス・モンゴメリーが開祖なのかな?
名ライブアルバム『Solitude』あたりでウェスの演奏を聴くことができるが、その後はほとんど演っていないのではないだろうか?
多分、苦労が多いワリにはフレーズに発展性がない…という結論に落ち着いたのではなかろうか?というのは邪推かな?

330
ショウの中では板垣さんのドラム・ソロもフィーチュアされた。

320v最後には映画『Mo'Better Blues』から。
コレはブランフォードが噛んでいるのか…。
先週の『1000回記念』のメッセージにも書いたが、杉本さんとの音楽的な志向がゼ~ンゼン自分とは違って実におもしろいし、勉強になる。
アンコールは「You've Got a Friend」。
杉本さん、メジャー・ブルース・ペンタでガッシガシ弾かれていた。

340 やっぱりASTORIAの音は破天荒に素晴らしい!
もちろん、それは杉本さんの魅力的な音楽があってこその話しだ。
どんなにいい楽器でも、いい音楽がなければ何の意味もないからね!

350v杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャルブログ
ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】いよいよASTORIAが出るよ!

360v_2(2016年9月10日 北千住Birdlandにて撮影)

 

2016年10月21日 (金)

SHOW-YA メタメイカン~METALLIC 鹿鳴館~ DAY2 <後編>

さて、『メタメイカン~METALLIC 鹿鳴館~ DAY2 』の<後編>。

440ショウの後半に入る前にお楽しみのMCコ~ナ~!
90v
いつも通りまずはドラマー。
角田mittan美喜

10早口に挑戦するというmittan。
この時はリオの直後だったので話題はオリンピック。
「美しい柔道、美しい水泳…鬼のようなトレーニングをして美しさを追求する日本人に感動。
そして、忍耐力。
コレはご先祖様に感謝しなければいけません。
SHOW-YAも31周年。
戦いながらここまで来ました。
これからも安心してライブに来てください!」
アレ?早口だった?

20vつづいてベース、仙波さとみ

30「元気ですか~?ホント、mittanってかわいいよね~。」とmittanが巻き起こすお笑いエピソードを披露。
さとさんは後ほど大フィーチュアする。

40v_3キーボード、中村美紀

50「爆笑、爆笑の後でやりづらい!
昨日、こうしてしゃべろうと思っていたことを忘れてしまって…。今日も思い出せなかった!
段々覚える能力が衰えていくのを実感しています。sun-goがmittanに向かって『さとチャン!』って話しかけてたけど…。
色々あるけど、この五人でしかできないSHOW-YAをこれからもよろしくお願いします!」
ホント、何かを覚えることが大変になってきた。
特に困るのがコンピュータの操作。ほんの数分前にしたことをしようとしても、もう忘れてる!

60v_2ギター、五十嵐sun-go美貴

70「このメンバーになったSHOW-YAが初めて演ったのがこの鹿鳴館だった。」…と切り出し、先ごろお亡くなりになったった鹿鳴館の社長に弔意を表した。
続けて、「ミキちゃんはあと三年で還暦。他のメンバーも五十台半ばになってきた。
この先何が起こるかわからないのでライブは一本も逃さず観に来てくださ~い!」
そして、昨日sun-goさんが歌った八代亜紀の「舟歌」のバトンを今日はキャプテンに渡した。

80v「♪お酒はぬるめの燗がいい~、お酒はぬるめの燗がいい~、お酒はぬるめの燗がいい~、お酒はぬるめの燗がいい~、」…いつも恵子さんがやってるヤツね。

100v_fuいつもは恵子さんのア・カペラだけど、今日はハードにバンドで演奏。
ムムム、カッコいい!

120_wll
キャプテンの大熱唱に客席から惜しみない大喝采が贈られた。

110ハイ、ここで脱線。
冒頭、私はmittanのことを「ドラマー」とお呼びしましたね?
「ドラマー」とか「ゴルファー」とか、名詞を変形させてその動作をする人を表す言葉を確か「動作主名詞」って言った気がするんだけど、楽器を弾く人で「-er」を付けて動作主名詞を作れるのは、パッと思いつくのはdrumとtrumpetだけなんだよね。
すなわちドラマーにトランぺッター。
トランペットは「トランペッティスト」という呼び名もあるようだが、楽器の場合は「~イスト」が普通でしょ?
コレには、「一音節の動詞は動作主名詞にしてもよい」という基本的なルールがあって、例を挙げると、スイマーとかスキーヤーみたいなヤツ。
これらは「swim」、「ski」といった一音節の動詞が元になっているからそういう形をとる。
「バスケット・ボーラー」とか「アーチャラー」とか言わないでしょ?「バスケット・ボール・プレイヤー」とか「アーチェリスト」と呼ぶハズだ。
一方、楽器はどうかというと、楽器名そのものが動詞になっていることはまずないので、一音節の名詞でも「~イスト」となる、と考えてもよさそうだ。
「guitar」は二音節だから「ギタラー」にはしない。
でも「bass」は一音節だから「ベーサー」でもよさそうなもんだけど「ベーシスト」っていうでしょ?
コレは「bass」という動詞がないから。
さて、この辺りでタネ明かしをすると…「drum」という言葉には「太鼓を打つ」という動詞があるんですよ。
だから「-er」を付けて「ドラマー」という呼び方ができるワケ。
おもしろいでしょ~?
それじゃトランペットは?
そう!トランペットもナント動詞がある。
「トランペットで~を知らせる」という意味になる。おそらく太古の軍事用語だったんじゃないかね?
だから「-er」を付けて「トランぺッター」と言える。
…ってんで、他の楽器についても調べてみると、「チューパ」は何というか…「チューバー」?
いいえ、「tuba」には動詞がないので「tubaist(チューバイスト)」となる。
同様に「オーボイスト」、「クラリネッティスト」、「ピッコロイスト」等になる。
ユーフォニウムはチョット例外で「ユーフォニウミスト」と言わずに「ユーフォ二スト」となるらしい。
ところで、「キーボーディスト」なんていうのを時々見かけるけどアレって何か座りが悪い言葉だよね?「キーボード・プレイヤー」の方がいい。
そう、このようにどう呼んでいいのかわからない場合は「~・プレイヤー」としておくのが安全。
「チューバ・プレイヤー」とか言っても何ら問題なし。
こういう話はまだあるんよ、「ボーカル」と「シンガー」の違いとかね…コレはまた別の機会に…。
ハイ、脱線終わり!

楽しいMCコーナーの次はコピー・コーナー!

05_2

まずは「Whole Lotta Love」。
「胸いっぱいの愛を」はいい訳だ。

130_2Led Zeppelinが立った同じMarqueeのステージでギターを弾くことができて最高にうれしかったというsun-goさん。
そりゃそうだ!
とくれば一層気合が入る!

★sun-goさんとのMarqueeのインタビューはコチラ⇒【イギリス-ロック名所めぐり】vol.20~Marquee物語 <後編>

140v続いて「Burn」。

150_b恵子さんが歌詞を読むのが大変だ…という話をしていたけど、ホント、日に日に細かい字やインクが薄い文字、黒字に赤い文字とか読めなくなってくるんだよ。
皆さん、名刺にメールアドレスを印刷するときはフォントの級数をガツンと上げて頂きたい!
フォントが小さいと「i」「l」「1」や「6」「8」「9」が解読できないので~す!
アタシャ、Marshall Blogをやるようになって飛躍的に目が悪くなったわ。
朝から晩まで写真を見て、文字を打ってりゃ仕方ないよね。
一方では、あの老眼鏡の快適さはなんだ!クッキリときて気持ちいのなんのって!
今度の免許の更新は間違いなく「眼鏡等」の条件が付くわ。

170v_mcさて、SHOW-YAの鹿鳴館もいよいよ最終コーナーだぞ!

180_gamまずは「ギャンブリング」。

190_2この辺りからは瞬きもできないからね。
脚立から落ちないように気をつけなきゃ!
そういえば昨日の記事、「脚立」を「三脚」って書いてたでしょ?三脚にはさすがに乗れません。訂正しておきました。

続いて「私は嵐」。

230v

ライト・ハンドをフィーチュアしたギター・ソロがさく裂!
それにしても何とヌケのいい音!

2_s41a0897 オラオラ、さとさんのベース・ソロを喰らいやがれッ!

235vちょっとコピーしてみた!
♪ゲゲゲゲゲゲゲゲゲゴゴゲゴゴゲゴ、ゲゲゲゲゲゲゲゲゲゴゴゲゴゴゲゴ!

240vそしていつもの「嵐」ポーズ。

250_2キマった~!

260v_2みんなで合唱「♪私は嵐、私は炎」…楽しいね~「嵐」は!

P

矢継ぎ早に「FAIRY」だよ!

270_frいつ聴いても名曲だね~。

280フェアリー・ポーズ!
コレね、おふたりをうまく撮るのが実に難しい。

290激演による汗で濡れた髪をかき上げお客さんを見つめる恵子さん。

300vキーボーダー、キャプテンのソロ!
470
そして興奮のフォーメーション。

320いつも通り、それこそ「嵐」のようなパフォーマンスで本編の幕を降ろした。

330本編14曲。
いつもとは異なるセットリストにお客さんも大よろこび!
心配していた室温も何ともなくてカメラの動きも絶好調。私も大よろこび!

340_3さて、アンコール。
恵子さんから物販の紹介。
今回、目を引いたのは…

350_mcコレ。
ネギを入れる袋で「ネギ袋」。
SHOW-YAのロゴ入りだぜ!

Photoネギは大層身体によい…と恵子さんのご推奨で、以前「SHOW-YA」と呑み屋の「庄や」のコラボレーション企画の時に、恵子さんが「SHOW-YAなべ」というネギとショウガをタップリ使った鍋料理を紹介してくれたことがあった。
コレがものすごくおいしくて、コピーさせて頂いた。今でも頻繁にウチの食卓に上がっている。
自然農法のショウガを取り寄せて(香りも触感も色もスーパーのヤツとは全く違う!)、五、六本の長ネギを全部白髪ネギにして、ダシを入れた鍋に豚のバラ肉とともに入れ、ラー油をチョット足して頂く。
これがバカうま!
うちでは豆腐を入れたり、時々くずきりを入れたりしてアレンジをして楽しんでいるが、何でもかんでも入れちゃって最終的に「寄せ鍋」になっちゃわないように気をつけている。
私が撮った恵子さんの写真を使って作られたこの大きなキャンペーン・ポスターもうれしかったけど、このSHOW-YAナベも大ヒットだった。
恵子さん、ありがとうございました~!

370vさて、ステージ。
♪ハッピバースデイトゥ~ユ~…。
そう、この日はさとみさんのお誕生日だったのだ!

380恵子さんがケーキを持ち込んで、フゥ~。
でも、何か様子が変だ…。

390「あのケーキ、ヤキソバなんだよ~!」

400vこんなの!
何でさとさんの時はやきそばなの?
でも干支のウサちゃんがかわいくウインクしてるよ。
…っていうか、コレ完全にケーキじゃないじゃん!
誰がこんなこと考えたの?メッチャおもしろい!

420

でもさとみさん、うれしそう!

410_2…ということで記念撮影。
ヤキソバ手にして記念撮影なんて…コレ、ローソクがささってなかったら、さとみさんがお好み焼き屋さんでも始めたのかと思っちゃうじゃん?
「祝開店!SHOW-YAのお好み焼きとヤキソバ!…限界まで食べて!その後に殺しちゃうよ~!」…みたいな。
店名は「五三」?ウチの近所に「七五三」っていうお好み焼き屋が本当にあるけどね。

430_2さて、ヤキソバは後で頂くことにして…アンコールは「限界LOVERS」!

440大歓声にこたえて最後まで激演を繰り広げた五人!

450

460

160v_2

490さとみさん、お誕生日おめでとう!

480

楽器が当たっちゃうと危ないので、竿回しはひとりずつ回す。

1_img_0245_2 mittanの顔!スッカリ見慣れていると思うんですけど…。

9_img_0247 sun-goさんも!

9_img_0243 竿もスムーズに回って無事フィニッシュ!
500SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

510お客さんとの別れを惜しむメンバー。
サービス満点だよ!

520

530v

540

550こうして二日間にわたるSHOW-YAの熱狂の鹿鳴館が幕を閉じたのであった。

次は12月4日の六本木EXシアターの『メタロッポン~METALLIC ROPPONGI~』。
今年最後のコンサート。
お見逃しのないように!

560vところで恵子さん、一昨日、13年ぶりに7枚目のソロ・アルバム『PIECE OF MY HEART』を発表した。
今、それを記念したツアーを敢行中。
22日の東京公演が千秋楽となる。
ギターは原田喧太。
私もお邪魔してきます。楽しみ!

寺田恵子の詳しい情報はコチラ⇒KEIKO TERADA OFFICIAL SITE

570cdまた来年もSHOW-YAが鹿鳴館に帰って来てくれますように…。

580P.S. 実は、この記事、Marshall Blog的にすごいタイミングで掲載させて頂きました。
そのココロは…月曜日をお楽しみに!

(一部敬称略 2016年8月28日 目黒鹿鳴館にて撮影)

 

2016年10月20日 (木)

SHOW-YA メタメイカン~METALLIC 鹿鳴館~ DAY2 <前編>

SHOW-YAのデビュー30周年を記念した原点回帰コンサート『Return to 鹿鳴館』が開かれたのは一年前のちょうど同じ時分。
コンサートの模様はDVDとなり、残念ながら実際に会場に来れなかった人もその熱狂ぶりに接して頂いたことであろう。
もちろんMarshall Blogでもその二日目のようすをコッテリとレポートさせて頂いた。

10dvdそして、今年もSHOW-YAが鹿鳴館に帰ってきた。
今回は、題して『メタメイカン~METALLIC 鹿鳴館』!
今年も二日間にわたっての開催となったが、これまた去年同様ど~~~しても二日目しかお邪魔できず、今日はその<DAY2>のレポートということになる。

20_2寺田恵子

30v五十嵐sun-go美貴

40v中村美紀

2_s41a0257 仙波さとみ

60v角田mittan美喜

70vもちろんsun-goさんはMarshallといっしょ。

80ヘッドはJVM410H。

90キャビネットは1960BDM。
しかし、この「1960BDM」という言葉は、Marshall Blogが世界で一番多く使ってるんじゃないかね~?
「あ~、あ~、あ~!コレ、鹿鳴館じゃないよ!」なんて指摘されてもイヤなので、正直言っときますが、これらの機材の写真は別の場所で撮ったモノ。
でもまったく同じMarshallだってばよ。

100<DAY2>のオープナーは、コレは珍しい!
「その後で殺したい」だ。
1987年のシングル。

110_sak鹿鳴館にはプレスピットがないので、今回も客席の後ろに脚立を立てて、その上から撮影した。
当然客席は立錐の地がなく、ひとたび脚立に上がったら最後、もう降りることすらできない。
トイレなんかもっての他!
ウンコしたくなったら、後ろのお客さんには鼻っ先で申し訳ないが、その場でもらすしかない。
だから万全を期して、前日からは飲まず食わずで身体から水分も抜かなくてはならない。
…というのはさすがにオーバーだが、な~に~し~ろ~身動きが取れない。
でも、そういう現場は他にないワケではないし、実際前回のEARTHSHAKERとダブルヘッドライナーの時もそうだった。
それより、手ごわいのは暑気である。
前回は終演直後に「ウワ~、チョット~!すごい汗!」と汗ダクのメンバーの皆さんに驚かれたほどに暑かったのだ。
コレも覚悟と準備をして臨んだ。
キンキンに凍らせたペットボトルの水を何本も持ち込んだのだ。
結局、撮影に夢中になってしまい、それを持ってきたことはスッカリ忘れちゃったんだけど…。
仕事だからして辛いのはガマンできても、カメラに根性がないのよ。
あんまり暑くなると、誤動作を起こして言うことを聞かなくなってしまうのがコワいのだ。
でもね、今回は涼しかったんですわ。
身動きが取れないのは仕方ないにしても、色々な工夫が奏功して大変快適な環境で仕事に熱中することができた。

120vメンバーの皆さんも同様だったようだ。
ま、元々熱いSHOW-YAのこと、暑いだなんて言ってられんけどね!

130二曲目は1990年の『HARD WAY』から「Make It Up」。

140_miuSHOW-YAらしいストレートにしてダイナミックなハード・ロック・ナンバー。
180v_mds
sun-goさんのギター・ソロが鋭く切り込んでくる!
しかし、客席から近い。
私のところからはいつも倍以上なんだけど…どうにかしてよ!

150三曲目は「Medusa」。
昔、沖縄にMDUSAっていうバンドがあったよね。喜屋武マリーさんね。
なにコレ、調べてみると、いろいろな解釈があるようだけど、「メデューサ」ってのはステンノー、エウリュアレーというお姉さんたちからなるゴーゴンの三姉妹の一人なんだって?
知らなかったな~。
姉妹ゲンカしてガンを飛ばしあったらどうなるんだろうか?
よく知っているのはAlan Holdsworthが在籍したJon HisemanのTempestの1973年のファーストアルバムの一曲目が「Gorgon」で、HoldsworthがPeter Ollie Halsallに代わった二枚目のジャケットもゴーゴンだったということぐらいか?
しかし髪の毛がヘビじゃ頭洗いにくかろうにナァ。
私なんかヘビでもいいから毛が欲しい…なんてね。

160v今日の恵子さんの衣装!
安全ピンだらけ!
強力な磁石があったら身体ごと引っ付いちゃいそう!

170とにかく快調極まりない滑り出し。

190普段のコンサートとは全く異なる選曲、構成にメンバーも大張り切り!

200

210v

220v「『メタメイカン』というタイトルでへヴィメタルな曲を期待して来てるでしょ?この『メタ』はメタボリックの『メタ』だよ!」
チョ~ット、恵子さん、こっち見て言わないでね~!
「久しぶりの曲とか、初めての試みとかを考えてる」とのMCに大反響!

230v_mc1コレはおなじみ、キャプテンによるフランスの手回しオルガン風イントロから…

240v_rssun-goさんのギター・リフ。
「♪ゲンゲロンゲンゲロンゲンゲン、ゲンゲロンゲンゲロンゲンゲン」…

250そして恵子さんの歌…

260v「回せ~!」の「流星少女」!

3_img_0013 おお~、すごい風!ホコリもすごいぞ!
でも、そんなこと言ってられない!
こちとら「ロックンロールの真っ最中」だ~!←これはサンハウスね。

270続いて「Metallic Woman」。
こっちは当然メタボリック・マンだ!

280v_mwこれもアルバム『HARD WAY』から。その一曲目だ。

290vミディアム・スローのへヴィなナンバー。

300さとみさんとmittanのリズム・コンビネーションが徹底的に重くのしかかってくる!

310v

320vそして恵子さんはこの日最初のバラード「何故」を熱唱した。

325_nzココで恵子さんコーナー。

330v_mc2しっかり仕込んできたお笑いネタを披露。
もしかして、コレがさっき言ってた「初の試み」ってヤツなのかしらん?

340これからこのコーナーで演ったネタをどこかで経験される方もいるかもしれないので、ネタバレを防ぐために恵子さんが何をしたかは書かない。
でも、ヒントがわりに私もひとつやってみるか…あんまりいいのが思い浮かばないな…。
「ウチの娘、結婚したがっているんだけどなかなかいい相手がいなくて困ってるのよ~」
「アラサっと」
なんてのはどうだろう。
私が何をしようとしているかは、この日鹿鳴館にいらした方にはよくご理解頂けたと期待している。
今、パッと考えたヤツなのでもっといいのができたら差し替えておくね。

350今日は恵子さんが最初のMCで触れたように最近のステージでは演らないような曲が出てきているが、この場面もそう。
あ、コレが初めての試みってことか!
それは「Blues Session」と題して、12小節のブルース・コード進行に乗せてsun-goさんとの出会い物語が歌われた…イヤ、語られたのだ。
よくMCで恵子さんが語るヤツね、ハンバーガーごちそうしたとかいう…今日はブルース・ミュージカル仕立てになっていたということ。

360v_bssun-goさんの渋いブルース・ギターもフィーチュアされた。

370そして、「Blue Rose Blues」。

380v_brb2013年7月27日の赤坂BLITZで開催された『QUEENS BIRTHDAY』で演奏したのが、その昔恵子さんがSHOW-YAを脱退した時以来ということだった。
私の記憶が正しければ、この曲がかかるのはそのBLITZ以来のハズ。
前回はsun-goさんのアコギとのデュエットだったが、今回はバンドでの演奏となった。

390v思い入れたっぷりに歌い込む恵子さん…。

400そして、sun-goさんの魂のギター…。
前半の見どころのひとつだったと言えよう。

410SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

420v『SHOW-YA BIG 30 -THE BOX-』もよろしくね!

詳しくはコチラをご覧アレ!⇒『SHOW-YA BIG30 -THE BOX-』が出た!

50cd<後編>につづく

(一部敬称略 2016年    8月28日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2016年10月19日 (水)

Sound Experience 21~ Strange,Beautiful and Loud編

『Sound Experience 21』の後半は、いつも通り三宅庸介のStrange, Beautiful and Loudが登場する。

10三宅庸介

20v山本征史

25金光健司

26vリズム隊が使用している機材は昨日紹介した通り。
MarshallとNATALだ。
三宅さんの機材についても紹介するまでもないが…

30vMarshall~!
JVM210Hと1960BV~!

40v足元~!

50昨日、このSound ExperienceをMarshall Blogで果たして何回レポートしてきたか?…なんてことを書いたが、ひとつの答え方として、「スケジュールが合えば全部取材した」ということが言える。
三宅さんを取材するのはこのシリーズだけではないので、Marshall Blogへの登場回数はかなりの頻度に上る。
早速三宅さんと連絡を取り合って調べて頂くと、一番最初にココGrapefruit Moonで取材をしたのは、2009年の10月のことだったそうだ。
その時は、リズム隊が金光さんと河野充生(BLIIND BIRD)で、三宅さんは1960ではなく、1936Vを使用していた。
そういえばそうだった!
ところが、その時は『Sound Experience』というタイトルではなかったとのこと。
『Sound Experience』名義を使いだしたのは、2010年11月2日、令文さんのブラックタイガーとの共演の時からだそうだ。
SBLではなくて、Orchestra Fourというユニットで三宅さんが出演された際も『Sound Experience』の名前が使われた。

60調査の結論をまとめると、7年間にわたって三宅さんの活動や、Strange,Beautiful and Loudを定点観測していることになるワケ。
ナゼ、そんなことをしているのかというと…三宅さんに何かをもらっているワケでも、弱みを握られているワケでも、はたまた親戚縁者というワケでもない。

S41a0126 私とて人の子、イヤ、人よりも音楽に関するワガママがキツイことは日頃からお付き合い頂いているは方々はよくご存じの通り。
でもね、Marshall Blogのネタに関しては、ホンのごく一部の音楽を除いて極力横断的に何でも取り扱おうと努めている。
その中にあって、三宅さんがやっていることが最も替えが利かない音楽なんだよね。
ユニークということ。
ア、ユニーク(unique)という言葉は、日本では「変わっている」という意味で使われている感じだけど、言葉に「uni」が含んでいる通り、「ひとつしかない」という意味なんですよ。
他にも「たったひとつ」という意味では、「only」とか「sole」という単語があるが、コレらは同じ。「ひとつだけ」という意味。
「unique」は「一種類しかない(one of a kind)」…すなわち「他とは違っているからひとつしかない」という意味なのだ…と思う。
ま、「変わってる」ということか?
こんな説明を聞かされるより、三宅さんの音楽を聴けば一発でその意味がわかるであろう。
(ちなみにFreddie Hubbardの「One of a Kind」という曲はやたらカッコいい!)
80私はジャパメタ・ブームというもの経験していないものだから、Terra Rosaの音楽やそこでの三宅さんの活躍を知らなかったワケ。
それで、初めて聴いた三宅さんのプレイは、いきなり今の三宅さんの音楽だったの。
アレは…令文さんの音頭で、ゆかりのあるミュージシャンが大勢集まり、ジュンペイさんを壮行するコンサートでのことだった。
確か三宅さんが一番最初に登場したように記憶している。

90それで、前に触れた通り三宅さんのことを知らなかったので、そのパフォーマンスを目の当たりにしてショックを受けた。
「なんじゃコリャ?」
私もクラシックから民族音楽まで、いい加減いろんな音楽を40年以上聴いてきたので大概の音楽にはもう驚かないつもりだが、こういう音楽を演っている日本人がいることに驚いた。
それは一聴するとマイケル・ランドウのようでもあったが、その後、何回か演奏に接しているウチにそんな印象は完全にスッ飛んでしまい、「三宅ミュージック」が残った。

100vそこで、世間ではコレを「大きなお世話」というのだろうが、Marshall Blogではこの他で決して聴くことのできない音楽を徹底的に紹介しようと思いましてネェ。
それで、毎回レポートを掲載しているというワケ。
大きいコンサートはいくらでも情報を掴むことができるけど、こうした小規模な会場での演奏はよっぽどの縁がない限りめぐり合うことすらできない。
それならMarshall Blogがめぐり合わせて差し上げましょう…ということなんだな。
この毎回薄皮を剥ぐようにして、命を削るようにして演奏される音楽はもっと多くの人に聴かれて然るべきだと思うのですよ。
実物を見て、そして聴いて、「誰もやらないことをやる」ということがどれだけパワーを持っているかを確認してほしいのだ。

200

さらに、三宅さんがMarshallをMarshallとして鳴らしてくれる人であることももちろん視野に入れている。
三宅さんのようにMarshallを鳴らす人はもう若い人の中からは出てこないだろう。
それは時代や世代が違うのだから当然だし、不可避のことだ。よくわかってる。
だからこそ、こうしてヘタな文章とはいえ、その演奏を紹介することにより、興味を持ってもらい、実際の三宅さんのMarshallの音を聴きにきてもらいたいのだ。

240

もちろん三宅さんだけではない。
三宅さんの音楽に心酔したリズム隊の二人のパフォーマンスも同様だ。

110v一曲一曲、音のひとうひとつに自分の命を注ぎ込むような演奏を是非楽しんでもらいたいと思うのだ。

120さて、ステージの中盤では、STANDの時とは反対にSBLにノンちゃんが加わった。

130この二人が選んだ曲はRoy Buchananの「The Messaih Will Come Again」。「メシアが再び」ね。
Royがオフィシャルのファースト・アルバムで取り上げ、後に『The Street Called Straight』で豪華になってよみがえった日本人好みの泣きのバラード。

140vかなり意外な選曲!
でも、SBLバージョンは聴いた途端、私が知らないGary Mooreの曲かナンかかと思った!

150…というのはウソで、予めノンちゃんからこの曲を演ると聞いていたので、「ハハン、コレか~」とニヤリとしてしまった。
この曲の特徴である最後の演歌っぽいリフレインを弾かないもんだから余計にメシアっぽくない。
私は高校の時、ホンモノ観てるでね。
もちろんコレはコレでふたりの個性が出ていてとても面白かった。
三宅さんがMCで触れていたが、家でこの曲を練習していたら奥さんが「ゲイリー・ムーアかナニか?」と尋ねたとか…さすが三宅さんの奥さま、ナイス・フィーリング!

160「ノンちゃんとロイ」なんて人生で一度も連想したことなんてないけど、こういうバラードでのノンちゃんのプレイは素晴らしい。
キチっとフレーズを折りたたんでいくサマを見ているのが快感なのだ。

170一方、ひたすら本能的にフレーズを綴っていくのが三宅さん。
決して気を衒ったりすることはないのだが、やはりユニークな歌い回しだ。
ロック界にメシアは来るのか?!

180v今日はいつもの記事とは違う展開になっていることは皆さんすでにお気づきの通り。
三宅さんの音楽に関するエッセイみたいにしてみた。
コレがホントの「エッセイ・ミヤケ」だ…ナンチャッテ!
当日のメニューを紹介しておくと;
1. solitary past〜 devil
2. bloom
3. murt'n akush
4. The Messiah Will Come Again
そして、ココから後半に入る。
まずは三宅さんの愛奏曲「petal」。

190続いてSBLの代表曲の一角「if」。

210vそして、最後は「virtue〜 solitary past secret of view」。

220STANDの時とは精神性が異なるプレイに終始するリズム隊のテクニックと適応性も特筆しておくべきものだ。

230v
草食系ロックやコピー・バンド、勢いだけの粗雑な音楽に辟易している、ギター好きでシリアスな音楽がお好みの方は是非足を運んで頂きたい。
それと若い人ね。
特にギターを演っている人。きっとギターに対する考え方が変わると思う。

250三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

2601965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 前半:2016年8月25日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2016年10月18日 (火)

Sound Experience 21~ STAND編

Sound Experienceの第21回目。
三宅庸介のこのシリーズは、前のMarshall Blogから追いかけているワケだけど、第何回目からレポートし出したのかな?
前回の「20」は他と予定が重なってしまってお邪魔することができなかったし、以前にも同様のことが何回かあったハズなので、残念ながらコンプリートということにはなっていない。
それでも一体何回ご登場い頂いているのだろうか?

   

<業務連絡>
あ~、三宅さん、三宅さん、レジ入ってもらえますか~?
チガウチガウ!
これまでSound Experienceの記事を何回Marshall Blogに掲載しているかおわかりになりますか?
もし数えていらっしゃったら教えてください。

あ、それとノリッチのRobin Trowerありがとうございました!
ホント、いまだに新作を出し続け、ツアーを組んで自分の音楽道を前進する姿には尊崇の念を抱かざるを得ませんね。
そして、我ながら…やっぱりMarshallのサウンドってカッコいい!
来日が実現するといいですね。

   

さて、ほぼ毎回ゲストを迎えてのSound Experience…21回目はSTANDをお迎えした。
…となるとご存知の通り、Strange, Beautiful and Loudのギターが入れ替わって、2バンドで出演者が4人という「人員抑制型エコノミー対バン・システム」。
このシステムを使って、人間椅子の和嶋さんの和嶋工務店を組み込み、3バンドが登場して出演者5人という離れ業をやってのけたこともある…と、ここまで書いて思い出した。
36、37年前、名古屋のなぞなぞ商会が東京に来た時、前座のバンドが登場したことがあった。アレって屋根裏だったかな?ロフトだったかな?
スケジュールには前座として4つのバンド名が記載されていて、「ずいぶんたくさん出るな~」と驚いていたら、ナント4人編成のバンド・メンバーはそのままに、ボーカルを持ち回るだけというからくり。
すわわち、4バンドで出演者が4人というケタ違いに経済的なシステム。
「次は〇〇の番で~す」、「次は××が登場します!」と言いながら順番をボーカルを回していくというワケ。
その中には今でも活発に活動を続けているバンドも含まれていた…というか、そのバンドが核になっていたんだろうけど…。
「こんなのアリなの~?」と高校生だった私はビックリしたわ。

さて、今日のトップバッターはSTAND。

10山本征史

20v金光健司

30島紀史

40vこの三人が織りなすプリミティブでストレート、でもひとひねりしてあるロックがSTANDの音楽。

Img_0112 正史さんはSTANDでもMarshallだ。

60v愛用のSUPER BASS1992。

70v金光さんはNATAL。

70コレまたなじみの深いバーチのタバコ・フェイド。

80そして、ノンちゃんも当然Marshall。

90vスッカリおなじみのMAJOR1967。

100v足元のようす。

110一曲目は「From The Bottom To The Top」という曲。

120vみなぎるパワーを気前よく吐き出すパフォーマンス。

130vまるで志ん朝の「粗忽の使者」のような気風のよさがSTANDの魅力だ。

140v…なんて強引に落語を引き合いに出したが、征史さんは大の落語マニア。
私も父の影響で落語が好きで、大学の頃よく聞いた。それで、時おり征史さんと落語の話をするのだが、私など足元にも及ばない。すぐにメッキがはがれて地金が出ちゃう。
何しろiPodを見せてもらうと「火焔太鼓」、「寝床」、「明烏」、「妾馬」、「文七元結」、「芝浜」、「宿屋の富」、「佃島」、「黄金餅」、「藪入り」等々の題名がギッシリ!
どう考えてもこれはロックやブルースではあるまい。
私も志ん生のCDを買ったりするし、家でゆっくり聞いている時間がないので、iPodに噺を入れて車の中で聞こうとすることもある。
しかし、アレだけ揃えているのには驚いたよ。
そういえば上野で征史さんにバッタリ出くわして、「おい、山本の!おまいさんどこへいくでい?」、「へぇ、これから寄席へ…」なんてこともあった。
今のは『甲府ぃ』という噺のパクリのつもりなのだが、コレはあんまり有名なモノではないだろう。征史さんのところの本当のセリフは「甲府ィ、お参り願ほどき」という。
コレが切れ味の鋭い秀逸なサゲになる。サゲだけでこの話が好きになった。
ところで、イギリスにも落語好きで、有名な噺の題名をバンド名にしているプログレッシブ・ロックの名門グループがあるよね。
ダ~レだ?
ヒントはこないだ来日した。
そう、「キャメル」!
「ラクダの馬さん」、スゴイ話だよね~、死骸に「かんかんのう」を踊らせちゃうんだから。
昔、三笑亭可楽の「らくだ」をよく聞いた。
今、こんなストーリーを思いつく脚本家はいないだろうナァ。
おあとがよろしいようで…

S41a0070間髪入れず「Into You」。
160
STANDは三人の火の玉のような演奏がもちろん大きな魅力なのだが、征史さんの独特のヴォイスと練り込まれた詞も十分に楽しむべきだ。

150「Strange, Beautiful and Loudとの共演は五回目ぐらいかな?」というサッパリしたMCに続いて比較的新しい曲だという「Sweet Midnight」。
「共演」と言っても、言っている本人が両方出ているのだから面白い。

170ゆったりした曲でもノンちゃんのギターはいささかも鋭さを失わない。
STANDのノンちゃんはCONCERTO MOONの時とはまた違う味わいがあるのだ。

180v続いてはLightnin' Hoplinsもビックリのアルバム『煩悩Good!』からタイトル・チューンを!
久しぶりだな~。

190代表曲のひとつとあって征史さんの演奏にも力が入る!
265v

ここでゲストとして三宅さんを迎え入れた。

210曲はSTANDの「インキュベーション」。

S41a0107 「incubation」とは「孵化」という意味。
へヴィな雰囲気が三宅さん入りのSTANDを際立たせる。

255

プライベートでも仲のよいノンちゃんのこと、もちろんイキもピッタリだ。

250vノンちゃんのピッキングは親指の第一関節を曲げ伸ばしするアクションが特徴だ、
あれだけ速く弾くにはピックを短く持った方が有利だと思うが、我々が学んだ成毛式ピッキングとは異なり、ノンちゃんのスタイルだとコレぐらい長く持った方が弾きやすいのだろう。

S41a0175_2スーパー・スロー・カメラでもう一度見てみよう。
ピックをこんなに斜めにを弦に当てているんだね~。

S41a0177_2 強引にMCを振られた金光さん曰く、「このふたりの共演はレア。ありそうでなかなかない」。
Marshallが服を着てストラトキャスターをぶら下げているようなふたりだからして、レア度だけでなく、演奏の濃さも特筆すべきものであった。

Img_0059 続いては新曲。
我が道をひたすら突き進む、尊敬する三宅さんに寄せる思いを曲にしたという。

270v曲は「A Sound In Miracles」。
目も覚めるようなピュアなへヴィ・メタル!

280vストレートさを身上とするSTANDの面目躍如といった作品。
これからもSTANDの重要なレパートリーにひとつになることだろう。
またね~、SUPER BASSとプレシジョンの組み合わせが何とも言えない音なんだよね~。
他ならぬ「山本征史の音」だ。
310v
そして最後は『煩悩Good!』を締めくくるへヴィ・ワルツ「スパイラル」。
320

ノンちゃんのメロディアスなソロが容赦なく斬り込んで来る!
CD聴けるソロもスゴイが、燃えるようなライブでもパフォーマンスも最高!
そして、いい音~!

290v留まるところを知らない曲の盛り上がり!
すごく起伏に富んだカッコいい曲だ。

300v
STANDの魅力を十分にまき散らして全七曲を演奏し終えた。

S41a0030

山本征史の詳しい情報はコチラ⇒BLACk CAT BONE

330<Strange, Beautiful and Loud編>につづく

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 前半:2016年8月25日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2016年10月17日 (月)

SPORTS of HEART 2016~田川ヒロアキ代々木第一体育館で「Seaが代」再演!

今年は雨ばっかりで「秋がない」なんて言ってたけど、それが一転してウソのようなこの晴天!
夏のへヴィな暑さと湿気から解放された、カラっとした日本の秋の晴れ空は本当に気持ちがいいね。
チョット前にキャノンボール・アダレイ・セクステットが1963年に来日した際のライブ音源を聴いていたら、コンサートのMCで、「フゥ~、東京はスゴイ湿気だね~」とキャノンボールが迷惑そうに言っていたのを聴いて吹き出してしまった。やっぱりそれだけmuggyな国なんだな~。
ジョン・コルトレーンは1966年の7月に来日した時、朝から晩までアイス・キャンディを何十本も食べていたという。
コルトレーンはこのちょうど一年後に肝臓ガンで他界したが、間断なくアイスを食べていたのは糖分を要求するガンという病気のためだけでなく、当時はエアコンもロクに浸透していなかった日本の蒸し暑さに耐えられなかったのではなかろうか?
いきなり脱線で申し訳ないが、このコルトレーンの来日時にすごくいい話があるので紹介しておこう。
新井和雄さんという、当時19歳の熱烈なコルトレーン・ファンがいた。お金を貯めて自費でコルトレーン一行の巡業について回った。
今でいえば「オッカケ」というヤツ。
バンドのメンバーと何度も顔を合わせているウチに仲良くなり、スタッフとしてローディのような仕事をさせてもらうようになり、朝食を一緒に摂るようにもなったという。
メンバーのなかではベースのジミー・ギャリソンと一番仲がヨカッタらしい。
で、ある朝、いつもいるハズの新井さんが食卓にいないことに気が付いたコルトレーンがその理由をスタッフに尋ねると、資金が底をついてしまったため、新井さんは同行を中止せざるを得なくなってしまったことを知る。
するとコルトレーンは、自分が出したということを絶対に伏せておくようにスタッフに命じ、残りの旅程にかかる新井さんの同行費用をすべて負担したという。
いい話しじゃないの~。
コレとほぼ正反対のことをした有名なギタリストも知ってるけどね。
脱線終わり。
さて、いい天気に戻って…ここで普通だったら「厳しい冬の寒さの前のしばしの安息」ぐらい書くんだろうけど、夏ギライの私は、Marshall Blogで気候の話になるといつも冬を擁護しているのでそうも書けまい。
今日はそんな秋晴れの一日を楽しいイベントで過ごしたというお話だよ。
明治神宮もたくさんの人でにぎわっていたね~。

10すぐお隣の原宿駅。
皆さんもご存じの通り、この駅舎が取り壊されることになった。

20vコレは1924年(大正13年、関東大震災の翌年。ジム・マーシャル1歳)に落成した東京で最も古い木造の駅舎なのだそうだ。

30私が「たけのこ」をやっていた頃(ウソですよ~)は、ずいぶん足繁く通ったものだが駅舎なんか気に留めたこともなかった。
でもこうしてマジマジと見てみると実にシャレた建物だ。

40オリンピックに向けての計画らしいが、こうした歴史的な建造物を平気で取り壊してしまうのはイギリスやアメリカでは考えられない「愚行」だ。
イギリスにおいては「鉄道発祥の地」だけあって、巨大なターミナル駅は言うに及ばず、ローカルな無人駅でも長年の風雪が駅舎にいい風合いを与えていて実に味わい深い。
何か「改装」、「増築」のような形でこのい駅舎を残すことはできないか…ま、しないだろうだろうな、日本人は。
そう思い、近い将来に姿を消す前にこうしてその風貌をMarshall Blogに残しておくことにした。
同じことを考えているのか、多くの人が駅舎を写真に収めているようすが目についた。

60今日の現場はココ。

70昨年もレポートした『SPORTS of HEART』が今年も開催されたのだ。

80『SPORTS of HEART』とは;
パラリンピアンの呼びかけによりスポーツ選手・ミュージシャン・文化人たちが共鳴し合い、団体・企業・省庁協力のもと「すべての人たちが共に分かち合い、心豊かに暮らせるニッポン」をめざすプロジェクトとして誕生しました。
「障がい者も健常者も一緒に楽しめるスポーツと文化の祭典」を通して障がい者アスリート・アーティストの凄さや魅力を発信し、彼らの社会的な知名度の向上を目指しています。(公式ウェブサイトから抜粋)…という三日間にわたって開催される国レベルの大イベントなのだ。

100そのオープニング・セレモニーに今年も田川ヒロアキが登場して田川流の「君が代」を披露した。
ヒロアキくんはカーレースをはじめ、全国各地で国歌を演奏してきたが、その多くはメタル・ギターを礎にしたギュインギュインのソロ演奏だ。
しかし、この『SPORTS of HEART』の舞台では共演者を得て、また違うスタイルの「君が代」を聴かせてくれる。

110定刻になり客電が落ちるとステージ後方の電光スクリーンのイメージ画像とともに、下手の着物姿の三人にスポットが当てられる。

140「イヨッ!」の掛け声とともに鮮やかなバチさばきで見事な津軽三味線のアンサンブルを見せてくれたのは「疾風(HAYATE)」の永村幸治、柴田雅人、杉山大祐の三人。
リハーサルの時、失礼ながら黙って後ろでチューニングの様子を拝見させて頂いたが、「B」、「F#」、「B」としていた。
私は詳しくはないが、三味線にはいくつかのチューニング方があって、ルート、五度、ルートという調弦法は「二上り」といって今回はそれに従っているようだった。
普通はキーは「C(あるいはD)」にすることが多いと聞いていたが、今回は「B」。
このことをヒロアキくんに尋ねてみると、開放弦を多用する三味線は、曲に合わせてキーを変えてチューニングをすることが珍しくないそうだ。
三味線はカポを使わないからね。(ちなみに英語で「カポ」は「ケイポゥ」と発音する)
そこで今回も曲のキーに合わせて土木的にチューニングを変えたそうで、とても考えられた調弦の選択だ…とヒロアキくんが説明してくれた。

150そしてスポットライトが上手に移動。

160そこには昨年ヒロアキくんとデュオで演奏した大倉正之助の姿が!

170こちらは「イヨ~!」とフェルマータ気味の掛け声だ。
乾いた鼓のサウンドが実に気持ちいい。

180vそして、センターステージには田川ヒロアキ!

190_2ヒロアキくんも「イヨ~!」と元気よく声を張り上げながら…ウソウソ!
この巨大な空間にいつもの田川トーンが鳴り響く!

200vお共は当然Marshall!
JVM210のフルスタックだ。
ヒロアキくんは歪み系の一切使わず、空間系のエフェクターをセンド&リターンにつないでいるだけ。
歪みっ気のサウンドはすべてJVMが作り出していて、ギターのボリュームでその歪み具合をコントロールしている。
その分、フットコントローラーを駆使していて、今回はフットスイッチのチャンネル1にOD/ORANGEを、そして、クライマックスで使うOD/REDをチャンネル2にアサイン。
さらにチャンネル3はミュートとしてCLEAN/GREEN。
そしてチャンネル4には、ループにつないだエフェクトのオン/オフをアサインした。

9_jvm2 演奏したのは「君が代」なのだが、それはさっき触れたように田川流の「君が代」だ。

220よくヒロアキくんのコンサートのオープニングで演奏される「Seascape」から「♪ち~よ~に~」から「君が代」になだれこむアレンジ。
すなわち「Seaが代」。
あるいは「君がScape」。
このアレンジ、大倉先生や今回楽屋でご一緒したヴァイオリンの古澤巌さんから大絶賛されていた。

230前回は大倉先生とのデュエットだったが、今回は強力な三味線チームも加わり一層スリリングな展開を見せる。
ステージ中央から疾風をあおるヒロアキくん。

240猛然とバチで弦を叩く三人!
「さわり」ってのはいいもんだね~。
この日本独特の文化であるところの「さわり」についてはまた別の機会に詳しく触れたいと思う。

250そして、ステージ下手を向くヒロアキくん。

260「イヨー!」、「ヨー!」と恐ろしくヌケのよい声とともに鼓を打ち込む大倉先生。
先生の声もかなりMarshall。クリーン・チャンネルね。
大倉正之助さんは、「重要無形文化財総合認定保持者 能楽師 囃子方大倉流大鼓」…と、肩書はすさまじいが、とても気さくな方で、楽屋でもとても気安く接してくださる。
今回二回目ということもあって親しくお話をさせて頂いたが、私のことを完全カメラマンだとお思いだったとのこと。
そして正体を明かすと…「だからMarshallのシャツを着ていたんですね!」とおっしゃる。
何と先生、Marshallをご存知なワケ。驚いた!
やっぱり何かひとつのことに長けている人の知見はスゴイと思った。

S41a0004それで、調子に乗って楽器について少しお話をうかがった。
鼓は、本体(ドラムで言えばシェル)とヘッドであるところの革を「調緒(しらべお)」と呼ばれる紐で張っているだけの構造。
ま、ドラムやラテン・パーカッションとまったく同じ構造なのだが、その音ヌケのヨサたるや尋常ではない。
それで、先生がお使いの楽器の本体は江戸時代につくられたモノだそうだ。
「へ~!」と驚いていると、「こっちはね…」ともうひとつ見せて頂けたのが「安土桃山時代のモノですよ」と来る。
あーた、安土桃山といったら500年前、織田信長の時代ですからね~。
58年や59年製のレスポールなんかで驚いてなんかいられない。
また500年前の楽器が形も一切変えずに今も使われている…というところがスゴイのだ。

270二回目とあって大倉先生との息もピッタリのヒロアキくん。

290vいよいよギター・ソロの番だ!

295JVMの野太いトーンを自在に操り手に汗握るプレイを見せてくれた!
疾風が加わったせいか、はたまたスッカリ慣れちゃったせいか、昨年よりもはるかにハードなプレイだ!

300三者三様の個性が十分に盛り込まれた破天荒にドラマチックな4分間の「君が代」。
写真を撮る方は大変なのだよ!撮り逃しは許されないからね~。

320今年も大イベントのトップバッターという重責を見事にこなしたヒロアキくんなのであった。

330v最後は出演者全員がステージに勢ぞろい。

340いたいた!
帽子をかぶっているのがヴァイオリンの古澤さん。
楽屋では例のハチャトゥリアンの「ヴァイオリン協奏曲」の話で盛り上がっちゃった!古澤さんも演奏されたことがあるそうで、やっぱい「アレはカッコいいよね!」とおっしゃっていた。

360しかし、いろんな現場の仕事が多いよね~。
Marshall Blogで取材させて頂くという大義名分でくっついて歩かせてもらっているが、他流試合も多いヒロアキくんのこと、私もずいぶん色んなこと経験し、勉強させて頂いている。
東京に住んでいれば戦後二番目に大きい台風を宮古島で経験するなんてことはおいそれとはできないからね~!
そういえば宮古島のレポートも今は見れないんだよね。
またいつか時間が出来た時に書き直してMarshall Blogにアップしたいと思っている。

390v終演後、出演者の寄せ書きボードにサインを入れるヒロアキくん。

410ついマネージャーの美瑞穂さんも!

420チョット失敗したか?イヤイヤ上出来、上出来!
小さく「ギター」と書かれた美瑞穂さんの解説がおもしろい!

430思い返してみるに、あのアレンジ。
「君が代」をグワ~っと弾くなんてことは誰でも思いつくだろう。ギタリストならジミヘンのやったことをみんな知っているからね。
しかし、「君が代」をブッたぎって、自作の曲と何の違和感もなく、しかも壮大なスケールでヒッつけてしまった。
一歩間違えば大事故にもなりかねないような所業だ。
そこはヒロアキくんのこと、バッチリとキメてくれた。
ところで当日、このアレンジに感銘を受けて絶賛した人がもうひとりいた。
その方は、段取りの都合で残念ながらヒロアキくんの実際の演奏を見ることがかなわなかったが、聞こえてくるステージの演奏に耳をそば立て、終演後、ヒロアキくんを捕まえて「素晴らしいアレンジだった!」とその感動を伝えたという。
その人とは、誰あろう山本寛斎。
デヴィッド・ボウイにも音楽のインスピレーションを与えたに違いない世界のトップ・ファッション・デザイナーからの思いもかけぬ惜しみないおホメの言葉にヒロアキくんも大層喜んでいたことをつけ加えておく。

440

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

SPORTS of HEART 2016の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

S41a0083 (一部敬称略 2016年10月15日 代々木第一体育館にて撮影)



2016年10月13日 (木)

GRANRODEO LIVE TOUR 2016 TREASURE CANDY 野音 <後編>

お楽しみのソロ・コーナーも無事終わってダンサーさんと華やかに共演するのは「SEA OF Stars」。

560_sosジュリ扇がバッチリとマッチするKISHOWさん!

570v続いて「サマーGT」~「恋のHEAT WAVE」。

580_2ここは中盤の盛り上がりどころ!
にぎやかなことこの上なし。

600

とりわけ歓声が上がったのはこの場面。

610

恒例の二人のダ~ンス!

615キマった!
e-ZUKAさんのドヤ顔が素晴らしい。
ダンス、まんざらでもないのかな~?

620そして「Lovers high」。
新作『TRASH CANDY』のカップリング曲のうちのひとつだ。

640e-ZUKAさんのギターによる「♪Happy birthday to you」に導かれて、ココでKISHOWさんのお誕生日会。

555

「ライブで誕生日を祝ってもらうのは2006年か2007年ぶりとかかも!」というKISHOWさん。
バカボンのパパと同じ年齢になったとか!

556

そのままアコースティック・コーナーに移る。

10_2固唾をのんでジックリと二人の演奏に聴き入る観客。
定番の人気コーナーだ。
30_2
曲は「今より先を」。

20v昨年、結成10周年を記念してリリースした2枚組ベストアルバム『DECADE OF GR』への書き下ろし曲。
「ステージで死ねたら本望ですけど、『今より先を』を演奏している最中には死にたくないですね」とはあるインタビューでのe-ZUKAさんの弁。

40_2
そして、「TRASH CANDY」!

50_tcTVアニメ『文豪ストレイドッグス』の主題歌。
80v
昔、Emerson, Lake & Palmerに見いだされてテキサスからイギリスに渡ったStray Dogというバンドがいた。
二枚しか出していないアルバムの一枚目しか聴いたことがないが、「Fasten your seat belt!」と始まる規格外に骨太のハード・ロック・サウンドが最高にカッコよかった。
その曲、タイトルを「Tramp」という。
すべてが何とタイムリーな!

70v

骨の太さではGRANRODEOもまったく引けを取らない!
この曲も目が覚めるような切れ味鋭いハード・ロックなのだ。
「TRASH(クズ)」と「CANDY」…この曲のタイトルはOxymorron、いわゆる「撞着」になっているそうだ。

60ve-ZUKAさんご愛用のMarshall JCM2000 Dual Super Leadから始まるMVがうれしい「Rose Hip Bullet」。

90v_rhbあのイントロのSEが流れただけで、休出の経産省のオッサンもビックリの大歓声。
この辺りはもうコンサートの終盤に入っていて盛り上がりもハンパじゃなくなってきている。

100_2そこへもってきて「カナリヤ」投入!
火に油が注がれた~。
ギターリフの使い方がすごくステキ。
そしてサビがいいんだよね。
もっと言うとサビの14小節目のメロディにゾクっとしちゃう。

110_2猛烈にハジけている客席を睥睨するKISHOWさん!

120_2お待ちかねの「Go For It!」。

130_2●初めてGRANRODEOのコンサートに来た人
●ツアーの初日に来てくれた人
●外~!
●チョット蛾は苦手な人(VALさん)…などなど
今日も様々な「IGPX」が出てみんな大騒ぎ。

135「ロデオボーイで水着を着ている人~!」
「ハ~イ!」
ドワ~、いた~!

S41a0701 そんなこんなで、GRANRODEOのお客さんってみんなズッ~とニコニコしているんだよね。
それを見ているとこっちもすごく楽しい気分になるのさ!

136…と思ったら、オオ~っと、今度はステージ両脇から噴水!
今晩はコレをやるにはチョット涼しすぎるかッ?…と思ったけど、熱気で水なんかすぐに乾いちゃう!
濡れては困るお客さんのために各席には予めビニール合羽が用意されていた。
あ、私は「カメラ防衛」で高台に避難させて頂きました。

150_2ジャ~ンプ!

160_2続けて「modern strange cowboy」でたたみ込んできた!

170v終盤に入ってますますヒートアップするe-ZUKAさんのギター・ソロ!
ファンは全員ノックアウト…もはやギターが「音楽凶器」と化している!

180v「みんな盛り上がってる?楽しんでる?ボクたちも最高!夏なら野音。野音やるなら夏。ボクの衣装にはソデを付けてもらえないからね~!」
いよいよ本編最後の曲!

190_mem昨年の6月にリリースした『黒子のバスケ』の主題歌、「メモリーズ」だ!
爆発的なパフォーマンスで客席も盛大に燃え上がっている~!

200vそして、再度ジャ~ンプして本編が終了した。

210「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、
「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロデオ!」、「グラン!」「ロ」…。

220「Y.W.F」でダンサーとともにステージに上がる。

230_ymfコレも人気の曲。
「Y.W.F」って「良い子・悪い子・普通の子」の略なのか!勉強不足でスミマセン。
恥ずかしながらずっと「ヤッホー・ワンダホー・フジヤマ」かと思ってた。
だってあの時楽しかったんだも~ん!もうアレから三年経ったんだね~。

240v「ROM専で〇〇セン(Marshall Blog使用禁止用語)」って…スゴイ歌詞だな。
歌詞もスゴいけど、e-ZUKAさんの盆踊り風舞踊もスゴい!

250v_2ゴージャスなギター・ソロ!
「クシクシクシクシ」と遠慮なくピックが弦に擦れる音が気持ちいい!コレこそ正統派ロック・ギター・サウンドの魅力のひとつなんだよね。

260アンコール、もう一曲は「シャニムニ」。

270_shn「やっちゃおうぜ~!」
これまたコンサートでは定番の人気曲。
「♪シャニムニ、ユイイツムニ」で大合唱!

290vアンコールでのジャ~ンプ!

300_2もちろんコレでは収まらず二度目のアンコール。
曲は「Can Do」!
やっぱり来たね~!

310_cdイヤ~、いつ聴いても惚れ惚れしてしまうスーパー・ヴォイス!

360今日も華麗だったe-ZUKAさんのギター!

330v

そして鉄壁のリズム陣!

340v

350v

やっぱり野音でもGRANRODEOは最高だった!

380GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

390<オマケ>
先日、ある電子部品を買いに久しぶりに秋葉原に行って偶然発見!
新業態のカフェ、『アニON STATION AKIHABARA本店』だ。

400_2中には、ランティスさんが提供する世界初のアニソン体験型エンタテイメント空間『ランティスステーション AKIHABARA』が設置されていて、e-ZUKAさんのサイン入りギターが飾ってあるのよ。
Marshallもセットで並べて欲しいな~。

詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

Eg(一部敬称略 2016年8月13日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2016年10月12日 (水)

GRANRODEO LIVE TOUR 2016 TREASURE CANDY 野音 <前編>

中学校二年生の時分にロックに夢中になってからというもの、お小遣いやアルバイトで稼いだお金のすべてをレコードや楽器や本等、音楽に関するモノに使ってきた。
もうさすがにMarshallを買ったりすることはないにしても、こんなジジイになった今でも自分で自由に使えるお金のほとんどは音楽に関することに費やしている。
中学から大学に入るぐらいまでにかけては、コンサートにもずいぶんお金を使ったナァ。
まったく後悔していない。
もし、後悔するとしたら、親に頼み込んで借金をしてでももっと色んなコンサートに行っておくべきだった…ということだ。
コンサート会場に行くまでのあのワクワク感がタマらなかった。
日本武道館に向かう九段坂。
「遠いな~」と文句を言いながら新宿厚生年金に向かう靖国通り。
駅から近くて助かる中野サンプラザ。
昔はあんなにゴミゴミしていなかった渋谷公会堂に続く公園通り。
あの頃のダフ屋の皆さんももうずいぶんとお歳を召したことだろう。
そして、日比谷野外大音楽堂に向かって日比谷公園を歩く時もワクワクのカタマリだった。

10今はもう楽屋口からしか中に入らないが、この正門をくぐる時は興奮したものだ。

20開業は1923年(大正12年)7月だから満93歳。
ジム・マーシャルの生年と同じ。
開業の2か月後に関東大震災が発生している。
この正門、昔どうなっていたっけナァ。
野音もずいぶん様子が変わって、私が高校の頃は楽屋がまだ木造だった。
今の姿になったのは1983年のことだそうだ。私もずいぶん古くなったもんだ。

30正門から入ってチョット上がったところ。
ここまで入るとステージ建屋の屋根が少し見えてくる。

40そして歩を進めると…

50いよいよステージが見えてきて…

60ドーンだよ!
「来たぞ野音!」…コレが野音のワクワク感!

70そして、ステージにはMarshallの壁。
興奮する~!

80やっぱりいいね。

90野音の舞台にはMarshallの壁がピッタリだ。

100今日は、『TRESURE CANDY』と題したGRANRODEOのツアーの東京公演の模様をレポートする。
「千秋楽」ということではなくて、全14公演中10番目。
東京では既にZepp Diver Cityで2公演を済ませている。
GRANRODEOの野音を観てみたかったもんでコチラにお邪魔させて頂いた。

110もちろん会場はロデオボーイ&ロデオガールで超満員!

120みんな風船持ってるでしょ?

130コレがその風船なんだけど、どうしても使い方がわからなくて…。
というのは、ナゼかは知らないが、オジちゃん、膨らませて飛ばすものだとばかり思い込んじゃったのね。
皆で空に向けてピューって飛ばすにキマってる!と思ったのですよ。
だから「その瞬間は絶対に撮り逃せない!」と勝手に気合を入れていたというワケ。
そこで、開演直前に近くにいたロデオガールにどうすればよいのか尋ねてみた。
「この風船いつ飛ばせばいいのかしらん?」
「ハァ~?飛ばす~?コレ飛ばすんですか~?わかんな~い!」…なんてやっていたら~。

140ダンサーがステージに登場!

150何のことはない。
風船は膨らませて、かざして楽しむものだった。

160いよいよショウがスタートせんとするこの瞬間が何とも言えん!

170すると、破裂音が一発!

180ステージに煙幕が張られ…

190ひな壇の上にGRANRODEOの2人が現れた!
ものすごい歓声!
休日出勤している経産省の連中も上から見ていたに違いない。
通産省時代、ずいぶんJISがらみの仕事をしたもんだ。
皆でかざす風船が色とりどりでキレイだこと!

200KISHOW(谷山紀章)

210v_2e-ZUKA(飯塚昌明)

220v_21曲目は「バラライ」。

230今回はガツンとしたドライビング・チューンではなく、ハッピーハッピーな曲をアタマに持ってきたけど、とてもいい感じ!
今日も「バラ色」にノリまくる二人を支えるのは…

240ベースに瀧田イサム。

250vそしてドラムは長井VAL一郎!

260vさらにMarshallの壁!
280_2
ギア・チェンジをしたかのように今日の雰囲気がガラリと変わって「tRANCE」で猛然とドライブする。
270_bl
ダウンチューニングのへヴィなギター。サウンドが気持ちいい!
290v_tr

もう客席はドップリ興奮状態!

300そして、めくるめくソロ。

305vもうこの時点でGRANRODEOの魅力が大爆発。
誰が何といおうと「ロック」!
九段坂を、靖国通りをワクワクしながら歩いた後に目にしたモノと同じだ!

310_2もういっちょへヴィに「アウトサイダー」。

310_osおいしいメロディを完璧なテクニックでコンパクトに詰め込むのがe-ZUKA流ギター・ソロ。

320e-ZUKAさんって左右の手の動きがすごくキレイなんだよね。

330特に右手のストロークは、成毛さんの赤いカセットつき教則本の手本のように美しい。

335「♪コザマサイダー」のところはお客さんも大合唱ね!

340「今日はタクシーで来たんだけど、運転手さんに『日比谷の野音お願いします』と言ったら渋谷に連れて行かれた」というe-ZUKAさん。
気をつけないとダメですよ~。「ドヴォルザークのシンバル事件」みたいになっちゃいますよ~。
この「日比谷vs.渋谷」はかなりポピュラーなネタだけど、もうひとつマイナーなパターンで「日比谷 vs. 入谷」という日比谷線対決がある。
私の友人が奥さんと「入谷」で待ち合わせをしたけんだけど、待てど暮らせど奥さんが現れない。
さすがに心配になって携帯で奥さんの居場所を確認すると、スッカリ「日比谷」でその友人を探しているという…。
当然この後、「入谷と言った」、「言わない」で壮絶な夫婦ゲンカが勃発したことは言うまでもなかろう。コレは事実です。
さてe-ZUKAさん、「外~!」と会場に入りきれなくて外で聴いているファンに絶妙なタイミングで幾度となく呼びかけるのがメッチャおもしろかった。
コレも昔からある野音の醍醐味!

350_mc1続いて「欲望∞」。
コレもゴキゲンな真正ロック・チューン。
「∞」の形って、竜が自分の尾っぽを咥えているところだって知ってた?

360_yb矢継ぎ早に「Darlin'」。ムネのすくようなストレート・チューン。

380v
ここでもe-ZUKAさんのシャープなギター・ソロが飛び出す。
それにしても今日のe-ZUKAさん、ギターをよく持ち替えるな~。

370_dar_2ベース始まりのこの曲は「日常ホライズン」。

390v_nhこの曲、コード進行がめっちゃカッコいいな。
マイナーの曲でドミナント・モーションする時にV7の#9thからb9thへテンションを移動させるのはジャズの常套手段だ。
さすがe-ZUKAさん。

400今度はドラム始まりで「帰結する共犯者」。

S41a0214ク~、アンガス~!
この曲も超カッコいい!
ロックはコレでいいんですよ、コレで!イヤイヤ、コレがロックの楽しさなんですな!

430

4月にリリースしたシングル「TRASH CANDY」のカップリング曲。

420_kkまたKISHOWさんの声がトコトン素晴らしい!
450

GRANRODEOにはロックの黄金時代の純粋なエキスがタップリ含まれているんだな。
だからアニメをまったく知らない私のようなジジイでも存分に楽しめる。
…ということは、この野音に集まっているロデオボーイもロデオガールも「ロック」を楽しむ素養が十分に備わっているとも思うワケ。

440お楽しみのソロ・コーナー。好きなの。
まずはVALさんから。

460GRANRODEOのソロ・コーナーって比較的序盤に出てくるじゃない?
コレすごくいいと思うの。

470v

ドシャメシャドシャメシャ、パワー全開でキットを叩きまくるVALさんが凛々しい!
しかし、デカいな~、VALさんって!
あのNATALのイベントは楽しかった!

480続いて瀧田さん。
500v

ステージ狭しと激しく暴れまわるソロはいつも通り!

490

スリリングできらびやかなテクニックの連続に大歓声が上がる。

510vそしてコンビネーション。
GRANRODEOの鉄壁のリズムがこの二人がクリエイトしているのだ。

520そして、お待ちかねのe-ZUKAさんのソロ。

530テクニックはもちろん、フレーズよし、音よし、十分にヴァーチュオーゾぶりを披露。

540スゲェ速さでリムスキー・コルサコフをプレイ。
ん~、ウィントン・マルサリスと共演するところを見てみたい!
意味わからないでしょ?…それがマーブロ。
ウィントン・マルサリスは史上最高のテクニックを誇ると言われるジャズ・トランぺッターでクラシックもこなすジャズ界のマイケル・ジャクソンみたいな存在。
この人が普通の人間ではとても吹きこなせないような無茶な難曲ばかりを集めたアルバムを出していて、その中で「熊蜂の飛行」を超速テンポで演奏している…というワケ。
e-ZUKAさんも実にクールに弾いて見せてくれた!

550GRANRODEOの詳しい情報はコチラ⇒GRANRODEO Official Website

420v

<後編>につづく

(一部敬称略 2016年8月13日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2016年10月 8日 (土)

KAMIJO生誕祭 Rose Fes~KAMIJO編

『Rose Fes』なんていい名前だね。
「薔薇祭り」…我々、もしくはチョット上の世代だと誤解をする人もいるかも知れない。
これはシンフォニック・メタル界の雄、KAMIJOのバースデイ・コンサートなのだ。
KAMIJOさんがMarshall Blogに登場するのは、昨年12月に開催された『KAMIJO×Be choir + Kelly SIMONZ=『もしクワ』@東京キネマ倶楽部』以来のこと。
KAMIJOさんゆかりのバンドが多数駆けつけ、隣接のダンスホール「新世紀」のステージも開放して「バラ」の名にふさわしいゴージャスなイベントとなった。

ところで、「国花」ってあるでしょう?
アレ、日本は何だか知ってる?
桜?
菊?
答えは両方だそうだ…というか、正式な制定はないらしい。どっちでもいいんだって。
ちなみに「菊」って英語で何というか?コレが滅法ムズカシイ。
chrysanthemum…「クリサンセマム」というんだけど、覚えられないで苦労した単語のひとつ。
「th」が予想しない場面で登場するし…。
英語圏の人は「mum(マム)」と略して呼ぶそうだ。
では、反対に「バラ」はどこの国花だ?
イギリスって答えた人…1/4正解。
「バラはイギリスの国花」と思っている人が多いと思う。かく言う私もそうだった。
イギリスではバラの品評会なんてのがやたら盛んだしね。
でも正確には、バラは「イングランドの国花」であって、我々が「イギリス」と呼んでいる「グレートブリテン及び、北アイルランド連合王国」の国花ではない。(そもそもイギリスには「イギリス」という言葉はない)
ご存知の通り「United Kingdom」の名称が示す通りイギリスは4つの国の連合体だからして、それぞれの国を代表する花があるワケ。
参考までに挙げておくと、まずイングランドはバラでしょ。
スコットランドはアザミ、ウェールズはラッパスイセン、北アイルランドはシャムロック(クローバーみたいなヤツ)ということだそうだ。
それではイングランドの国花、バラの世界へ…主役はフランス系たけどね!

20トップバッターはKASSTRICK BACTERIA

30

続けてRHEDRIC

40
DEATH METERU

50

DEZOLVE
ビジュアル色、メタル色ドップリの中、このバンドだけナゼかドフュージョンだったのが印象的だった。
60

ところで、会場となった東京キネマ倶楽部はMarshallのオフィシャル・ライブハウスだからして、Marshallや…

25EDENがふんだんに使用された。

26夢劇場

70フト、キーボードに目をやるとMaoくん!
Maoくんとは彼がLIGHT BRINGERにいた時に知り合ったんだけど、この日出演することはついぞ知らなかったのでビックリ。
Maoくんとは不思議な関係で、忘れた頃になるとどこかでバッタリ出くわすのだ。
カメラを手にプレスピットを駆けずり回っている私をステージから見て「すぐにわかりましたよ!」…と休憩時間にワザワザ挨拶に来てくれた。うれしいもんです。

80vYosuke王子はCROSS VEINで大熱演!

100vこのあたりから後半に入る。
ステージに上がったのはKelly SIMONZ'S BAD TRIBE。
すさまじいホーム感!
ホントになんか自分の家に帰ってきたって感じだわ~。耳なじんでいるKellyさんの曲が実にシックリくる~。
思わずKellyさんに「お父さん!お帰り!」って言いそうになったわ!
このステージはすでに単独でレポートしている。
レポートはコチラ⇒KAMIJO生誕祭 Rose Fes~Kelly SIMONZ'S BAD TRIBE編

110薔薇の末裔

120このあたりからKAMIJOさんがステージにお目見えした。
ステージのKAMIJOさんの動きに合わせ、お客さんも頭がスッ飛んでいきそうなぐらいの狂熱ぶりを見せる!
抜群のパフォーマンスでこの日最初のステージを踏んだKAMIJOさんなのであった!

9_rose_fes4 この後、テツandトモが登場し、「ナンでだろ~」でKAMJIJOさんと共演するコーナーも!
続いてPrincess & Queen。

170FleurではKAMIJOさんがギターを手にして登場。
そのギターをバラに持ち替え、ここでもドラマチックな熱唱でファンを完全に魅了した。
「fleur(フルール)」とはフランス語で「花」という意味だからね。
しかし、フランス語は縁遠いな~。とにかく読めん。
何だって読む必要のない文字を語尾につけるん?
でも、「フランス語は神様に話かけることが許されている言葉」なんだって。
反対にドイツ語は「馬に話かける言葉」なのだそうだ。
ヒデェこと言うな~。
フランスにもGong、Magma、Ange、Pulsar、Zao、Atollなんていいロック・バンドがいるんだよね。フランスのロックについて書きたいところだけど、今回はやめときます。

9_rose_fes3 そして最後は『KAMIJO×Be choir=もしクワ』の再演。
Be Chiorのド迫力のコーラスをバックに絶唱するKAMIJOさん。

250あの日の感動がよみがえる!
今回のバック・バンドは前回と異なり、KAMIJOバンドが務めた。
ナントもゴージャスなお誕生日…「Rose Fes」の興奮はいつまでも冷めやらなかった!

9_rose_fes1 KAMIJOの詳しい情報はコチラ⇒KAMIJO Official Web Site

290<つづく>

(2016年7月18日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※協力&写真提供:東京キネマ倶楽部)

2016年10月 7日 (金)

諸星和己 BIRTHDAY LIVE Volt-age46

おなじみ、かーくんのバースデイ・コンサート。
かーくんのVolt-ageも今年で46。
Marshall Blogでは43の時から四年連続でお邪魔させて頂いてきた。
回を追うごとに充実度が増すそのショウは見ごたえ十分!
毎年楽しみにしているの。

今回はバンドのみの演奏でショウはスタート。

10今回のバンド・メンバーは…
五十嵐sun-go美貴

20v田中”TAK”拓也

30v佐藤真吾

40v梅田潤

50v楠瀬拓哉

60vそして、主役が舞台に現れる。

70諸星和己!

80vかーくんを支えるギター陣は…今年からオールMarshallなんだナァ、コレが!

90sun-goさんはSHOW-YAの時と同じJVM410Hと1960BDM。
sun-goファンとSHOW-YAファンにはもっともなじみのあるMarshallのモデル・ナンバーだろう。

100v足元のようす。
こちらはSHOW-YAの時よりチョッピリ複雑。

110下手のギターのTAKちゃんもMarshall。
今年からMarshall!

120ヘッドはSilver Jubilee 2555X。
キャビネットは1936V。

130v足元はこんな感じ。

140かーくんの登場で会場の熱気が一気に上昇!

150一曲目は「JUNK BEAT」。
前回は本編の最後に演った曲が今回はオープナーに選ばれた。

160_jbすさまじいテンションでショウはスタート。
コレがかーくんのロック・ショウ!
05
sun-goさんもこの雰囲気の中ノッケから超ノリノリ!

180v続けて「CAN-NA-BIS」。

195

この曲ではTAKちゃんのソロがさく裂!

190_cnb冒頭に書いた通り、今回で四回目となるが、かーくんの気迫にもいつもよりパワーを感じる。
このアクション!

196TAKちゃんもスゴイ気合!
この気合はMarshallになったから…だな!

200vこの曲ではサイドにまわっているsun-goさんも上手で大暴れしている!

210vブッ通しで三曲目に持ってきたのは「DO YOU KNOW」。
あまりの力演に早くも汗がほとばしってる!

210v_dykキタキタ~!
sun-goさんのソロ。

220これこれ!sun-goさんが奏でる耳慣れたJVMサウンドとフレーズ…落ち着くな~。

230v絶好調の滑り出しに余裕のかーくん!
マイクが踊ってますから!

225v

ココでMC。
かーくんのMC大好きなんですよ~。まったく遠慮のない毒舌が愉快痛快!
「オマエらどう見てもオールド・ファンじゃんかよ!」だって!…今回もバッチリです!
実際、ファンの皆さんもコレを楽しみにしている。

240_mc最初の爆笑MCの後はチョット雰囲気を変えて…

250_slh…「SOMETIME LOVE HURT LIKE NOW」。

260vアコギに持ち替えたsun-goさん。
ハワイで収録した2000年のこの曲のミュージック・ビデオにsun-goさんも出てるんだよね~。
だからかーくんとはスゴイ長いお付き合いなのね~。

270昨年も取り上げたチェッカーズの「夜明けのブレス」。

280またお楽しみのMCで爆笑した後は、しっとりムード。
ロマンティックで美しいピアノ・ソロ。
開演前の楽屋でお聞きしたのだが、佐藤さん、たまにストレス解消で練習スタジオへ行って大爆音でMarshallを鳴らすことがあるとか…。
スゲエなMarshall。セラピストの役目も果たしちゃう。

290_mld曲は「メロディー」。

300vここでゲストが登場した。

310vニューヨークからピアニストのArthur。
330v

まずは「GIMME ATTENTION」でジックリと歌い込む。

320_gaファンキーに、そしてダークに「TAT/TOO」。

340v自然に身体が動きだしてしまうようなグルーヴにsun-goさんもエキサイト!

345vたたみかけるように「NEVER GIVE UP」。
この曲のサビ、すごくいいんだよね~。

350vTAKちゃんの火花散るハードなソロ!
Jubileeいい音してる~!

360そして、今年も「限界LOVERS」!

370vgl限界までシャウトするかーくん!

380vさすが本物だけあってホンモノ~!
もちろん個人的にも聴き慣れている曲だけど、違うシチュエーションのsun-goさんを目にするのがまた楽しい。

390光GENJIで「WINNING RUN」。

400_wrココでまたTAKちゃんのソロが爆発。

410vコレもんの大サービス!
しかし、ギターのうまい人だ。

420『Volt-age 46』もいよいよ大詰め。

430v_cd胸のすくようなハードなイントロからかーくんが熱唱するのは「COUNT DOWN」。

450今度はsun-goさん…

Img_0138 「ハードなロックは任せなさい!」と言わんばかりのドラビイング・ソロ!

460バッチリきまった~!

Img_0128 アコギを手にしたかーくん。
485

本編を締めくくるのは「TRY AGAIN」。

480この曲のルーティンの「四者揃い踏み」もキマった!

490こうしてVolt-Age46の本編は大興奮のうちに終了した。
470v_ta
お客さんも大興奮~!

500アンコールはビートルズの「Birthday」で始まった。

510vかーくん、お誕生日おめでとう!

520v「ヒロユキ~!おい、来てんだろ~!」と本当に観に来ていただけのヒロくんをステージに引っ張り上げて「スターライト」、「ガラスの十代」、「パラダイス銀河」等の光GENJIナンバーを披露。
1987~1988年のヒット曲。
私はもう社会に出て働いていたが三曲ともよく知ってる。それだけ流行った名曲ってことだ。
ここも盛り上がったね~。

530SHOW-YAはその二年前のデビュー。
1987年には「その後で殺したい」、「水の中の逃亡者」等のシングルをリリースしている。やはり今でも時折演奏している名曲たちだ。

535vヒロくんがステージを降り、「LOVE SHOW」。

540ここでバンド・メンバーとご挨拶。
これで終わりかと思ったら…

550もう一曲…かーくんは弾き語りで「SONG FOR YOU」をお客さんに語り掛けるように歌いすべての演目を終了した。
今回はゲストの登場も絞り、かーくんの魅力とロック・テイストあふれる極上のエンターテインメント・ショウになった。
Volt-age47も楽しみだ!

560諸星和己の詳しい情報はコチラ⇒KAZUMI MOROHOSHI Official Website

570sun-goの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ブログ

Img_0001(一部敬称略 2016年8月11日 ZEPP Tokyoにて撮影)

2016年10月 5日 (水)

Dream Kingdom夏祭り~Angelic Angelica登場!

Marshall Blogで何回も挙げている話題のひとつに「バンドの名前」がある。
いいバンド名をつけるのはムズカシイ…なんてことを、おとといの晩も若手ギタリストと大好物の「ニラそば」を囲んで話していた。
チョット話は反れるが、「固有名詞」って同じ音が繰り返されると、その名前に強い印象が加わり、時として少々ユーモラスでになる…と私は勝手に分析している。
例えば結城勇気さんとか、南美波さんとか、人見ひとみさんとか…。なるほど強烈な印象が残るでしょう?
女性は結婚して姓が変わるので、こういうことが起こる危険性が結構高いよね。
外人でもいるじゃない、有名なところではクリス・クリストファーソンとか、スティーヴ・スティーブンスとか…。あるいはジョー・ジョーンズ(Count Basie Orchestraの名ドラマー)とか。
バンド名ではデュラン・デュランがあるし(今日は『バーバレラ』には触れないよ)、地名ではドイツにバーデンバーデンがある。温泉で有名なところですな?
日本には上高地の入り口にCONCERTO MOONの本拠地×2とでも言うべき、「新島々(しんしましま)」という場所がある。
映画ではダスティン・ホフマンの主演で『アルフレード アルフレード(1973年、原題:Alfred, Alfred)』というちょっとエッチなイタリア映画があった。
今日紹介するチームはそんな類の名前を持ったガール・バンド。
その名前を初めて聞いた時に「いい名前だな!」と思い、とても印象に残った。私の分析はあながち間違いではないのではなかろうか?
Angelic Angelica(アンジェリック・アンジェリカ)、Marshall Blog初登場!

Drawimg1Angelic Angelicaは4人編成のガール・バンドだ。
呼び名は「アンジー」。
「Dream Kingdom」という川崎のコンテンツ制作会社のイベント、『Dream Kingdom夏祭り』に出演した際の彼女たちをキャッチした。

10 メンバーはボーカルのSala。

20ギターはManami。

30vベースにAyaka。

40vドラムはGekirin。

50実はドラムのGekirinちゃんとは以前からの知り合いで、他のバンドで数回Marshall Blogにもご登場頂いている。
今回彼女が「パーマネントなグループに参加している」ということと、そのバンドの「ギタリストがMarshall大好き!」ということを聞いてすっ飛んでいったというワケ。
Gekirinってナニ?
私もZetsurinに名前を変えようかな?こんなこと書くと彼女の逆鱗に触れるか?
ところで、竜には81枚の鱗が生えているんだってサ。それにちなんでRon CarterがMiles Davisの『E.S.P.』という名盤に「Eighty-One」というカッコいいブルースを提供した…ということはないだろうな。
さて、竜はその81枚のうち1枚だけ逆さに生えている鱗を触られるのをどうしてイヤがるか知ってる?
痛いんだってさ。
よく「課長の逆鱗に触れちゃってさ~」なんて言うけど、竜の場合はスゴイらしいよ。
竜ってあんなコワイ顔をしていても普段はすごくおとなしくていいヤツなんだって。
ところが「逆鱗触り」だけは絶対に許さない。触ったヤツは必ず殺すんだって!
そういえば私が小学校2年ぐらいの時、右足の親指の付け根に魚の目ができてしまって、痛くて困っていた。
それで、運動会の行進の練習(昔はこういうのよくやらされた)かなんかで、前のヤツが私のその親指の付け根を思いっきり踏んづけやがってサ…もう痛くて目を白黒させながら、私は「竜」と化したね。
コリャGekirinちゃんにそぐわない話だったか!ゴメンちゃい!

60vManamiちゃん、今日のMarshallはJCM2000 DSL100と1960A。

70v1曲目は『age-198X』。

80「『くだらねぇ』と言いたくなる世界でも、考え方を変えたら何か見えてこない?あの頃みたいにちょっと無邪気になってみようよ!」…そんな前向きな気持ちを軽快なミディアム・テンポに乗せて歌った曲。

90メンバー全員で歌う力強いサビが魅力的だ。

100ガール・バンドってのはコーラスがうまいね!コレは昔からの定番だ。

110vこの曲名、私なんぞはすぐにPANTA & HALの名盤、『198X』を思い浮かべちゃうが、1980年代はアンジーの皆さんはまだ赤ちゃん?

115私なんかアータ、「X」に「5」を代入すれば社会に出た年になっちゃうよ!
スーツ着て、ネクタイ絞めて…。
アンジーの歌には悪いけど、「あの頃」にはもう戻りたくないな…。

120続いては「scream」という曲。

125どんな曲かというとこの写真の通り。
130
そう、日常に疲れて無気力!でも「最高だ」って言える未来に向かってるんだ!…そんな強気な負けん気を描いた曲。

140vミディアム・テンポでメンバー全員で横ノリしながら歌うフォーメーションがステキだった。

150vあのね~、チョット待って!
私が知っているGekirinちゃん(呼びにくいな~)が叩くドラムはこういうのじゃなくてもっとギンギンなヤツバッカリだったんですよ。
だから実際に見る前まではAngelic Angelicaも頭フリフリのへヴィ・メタルかと思っていた。
そしたら見事に予想を裏切られた!
でも、こういう明るくポップなヤツもバッチリですぜ!

160雰囲気が変わって…「drop」。

170v満たされない欲求と変えることのできない現実に葛藤するメンタル的苦悩の歌。

180vこれもミドル・テンポのナンバーだが、エモーショナルな展開が見ものだった。

190v中盤では物販宣伝コーナーも!
カッコいいタオルだよね。

200このバンドはちょっと目にすると明るくポップポップなイメージが強いけど、なかなかに深遠なテーマを曲に据えたりもしている。
4曲目は「dome」というナンバー。あの後楽園とかの「ドーム」ね。

210vミディアム・テンポのハードロック。
こういうタイプの曲はGekiちゃんの独壇場でしょう?

220v「自由を奪われた時、人は何を求め考えるのか…」というのがテーマの曲。
「突然、出ることのできないドームに覆われて、限られた世界に閉じ込められたとしたら…」という架空のストーリー仕立てなのだ。
私ならとりあえずMarshall Blogの更新を休んで寝るな…。

230随所にちりばめられるギター・ソロに歓声が上がる!

240vそして、最後の曲は「Smoke」。

250これまた「ガンバって前進するぞ!」系のナンバー。
「霧の濃い世界でやるせない想いに溢れているけれど、どうしても捨てきれない期待と希望。いつか霧が晴れて光が射すだろう」…そんなポジティブな姿勢を歌った曲。

255v最近の若い人は「負けるな!」とか「がんばれ!」系の曲がお好みようだけど、アンジーは直截的にそういう雰囲気を出さないところがよろしいな。

260v何でもAngelic Angelicaで一番最初に出来た曲で、これから前進していく自分たちに向けたエール曲でもあるそうだ。なるほど。

270ここでもMinamiちゃんのエモーショナルなギターが大活躍だ。アンプはMarshall!

280vとにもかくにも煙の出るような熱演で持ち時間をにぎやかに楽しく、そしてパワフルなパフォーマンスを見せてくれたAngelic Angelica。
これからの四人の活躍に期待している。

290v

300v

310v

320vところで、冒頭のLINEスタンプにでもなりそうな可愛いポップなイラストはGekirinちゃんの作品だ。
そういえば、男のクセにやたら可愛くデフォルメしたイラストをTシャツやステッカーにしたりするでしょう?
ま、世代の違いで仕方ないんだろうけど、アレ恥ずかしくてしょうがないんだよな~。
ああいうのを見るたびにこの国に「硬派」という言葉が消滅したことを知るね。
女の子はいいですよ、ゼンゼン。
「男は度胸、女は愛嬌」なんてうまいこと言ったもんで、むしろドンドンやってもらいたいぐらいだ。
そして、この下のファイナルファンタジーでお馴染みの天野喜孝風のアンジーのイラスト。
コレもGekiちゃんの作品。
ずいぶん器用だね~。

330vさらにこんなんも!
コレはビックリマンチョコ風のアンジー。

Before_2 変身するとこうなる!
しかし、うまく描けてるな~。
お見それしました!
コレらはアンジーのライブ会場の物販でゲットできる。
ビックリマンチョコってのもずいぶん流行ったんでしょう?

After この記事のために特別に分けてもらった。
Gekirinちゃん、どうもありがとう!
340v
蛇足ながら…。
我々の世代にもビックリマンみたいなお菓子があった。
「チョコべー」っていうの。20円だったかな~?
「♪チョ~コべ~」というCMを覚えてるな。

Chokobay オマケで「べェシール」という、子供たちの下の名前に「~べー」とつけたキャラクターのステッカーが入っていてコレが楽しみよく食べたけど、「シゲベー」ってのはついに見かけなかったな~。
今ココに「シール」と「ステッカー」という言葉を併記したけど、今「シール」なんて言う子はいないんだろうね。

9_bay Angelic Angelicaは12月には『Fun Collection vol.2(略して「ファンコレ」)』と題するワンマン・コンサートが決定している。

詳しい情報はコチラ⇒Angelic Angelicaオフィシャルサイト

350(一部敬称略 2016年8月9日 クラブチッタ川崎にて撮影  ※記事制作協力:Salaちゃん  イラスト制作:Gekirinちゃん  ご協力ありがとうございました!)

2016年10月 4日 (火)

LOUD ATTACK 2016~FURY OF FEARの巻

そういえば昔、『ラブアタック!』っていうテレビ番組あったね。
どんなんだったっけ?
マドンナ獲得を目指してチャレンジャーがゲームかなんかするヤツかな?
ま、どうでもいいね…。
さて、コチラは『LOUD ATTACK』。
いよいよトリの登場となる。
Fury of Fearだ!

05…と本題に入る前に…。
会場前方にこんなお客さんを発見。
うれしいね~!
他の機会でも時折お見掛けしますが、皆さんありがとうございます!

4_s41a0164_2 さて、現在Fury of Fearのメンバーは二人。
チョット寂しいけど、助っ人の力を借りて「トリ」という大役をこなした。
ギターの西村守。

20vボーカルの西村直人。
ココは偶然にも苗字が同じ。ラモーンズみたいだ。今ではOKAMOTO'Sって言うべきかな?
いずれにしても二人は血縁ではない。
ちなみに私が社会にでて初めて仕えた支店長のお名前も「西村さん」だった…エラく関係ないけど、その方は業界では知らない者がいないほどの豪傑だった。

30vドラムで助っ人に入ってくれたのはUndifeatのIkka。
ベースは打ち込みで乗り切った。
もうチョット時間があれば何とかなったのであろうが、止むに止まれぬ守くんの決断だったのだろう。
私が弾いてあげればよかったんだけど、歳だけにアタマを振れないから諦めざるを得ない。

40vうれしいことに守くんも真のMarshallフリークだ。

50vこの日もMarshall GALAで使用した愛機1959を持参した。
最近、富に腕のいい若手のMarshallプレイヤーの活躍が目立つようになってきた。
うれしい限りである。

60vFury of Fearは元来カルテットだからして、この二人…というのもチョット変なんだけど、積極的に創作活動に取り組んでおり、この七月にもミニアルバムをリリースしている。

70これがその六曲入りのミニアルバム『Tales of the End of the World』だ。
このジャケットはよく見ると…「焚書」ということなのかな?
「『世界の終わりの物語』なんてよせやい!」ということかしらん?
ちなみに核戦争の勃発などによる人類の滅亡までの時間を表す「世界終末時計」は2016年で三分前。
1953年にアメリカとソ連が水爆の実験に成功した時が最も終末に近づいて二分前だった。
その後、最長十二分前まで改善されたが、1984年に米ソの軍拡により二分前までに再度短縮。
後に軍縮が実践され改善したが、現在はまたしても核軍備拡大により状況が悪化し、三分前までになってしまっている。
こんなカタイ話ヤダよね~!

80cd典型的なメタル・チューン「Hunger Never Filled」で幕を上げたトリのステージ。
サビのポップな展開が意外といえば意外。
典型といえば典型。
美学と言えば美学!

90堰を切ったかのような音の洪水!
イケイケ~!思いっきり切り刻め!

100v続いては2014年にリリースしたミニ・アルバム『Crest』からタイトル・チューン。
ひたすら突き進むへヴィなナンバー。

110_crワウを効果的に使ったギター・ソロが印象的だ。

120_ost2013年の最初のフル・アルバム『Lost Innocence』収録の「Beyond the Gate」。

130v_bgドラマの主題歌にでもなりそうなキャッチーなナンバー。
しかし、作りはどこまでもへヴィだ。
それがFury of Fear!

140「僕らがCONCERTO MOONの後でいいんでしょうか?」と控えめなMC。
ま、そりゃそう言っちゃうのが自然だよね。しかも、今日は片肺飛行だし…。
でも、そんな逆境を乗り越えて堂々としたステージを展開したのは立派だった。
ココからはニュー・アルバムからのレパートリーだ。
170_lt
トラディショナルなブリティッシュ・ハードの芳香ただよう「Attack」。

150v_at「Attack」が出ちゃうとな~。
ゴメンね、どうしてもコレに触れないと。
1956年の異色戦争映画『攻撃』。
原題を『Attack!』という。
私の生涯ベスト10映画に入るかな?
観てない人は生きているウチに是非!特にサラリーマンの皆さんにおススメします。

Attack
打ち込みベースを用いてひとりでリズム隊をこなしたIkkaさん。
今は「打ち込み」って言わないのかな?「同期」か?

160v

機械相手のベースじゃウネらないというか、ドライブしにくいというか、ノリを出しにくいよね~。
でも、持ち前のパワーとテクニックで完璧に乗り切った!

4_s41a0476 続けてニュー・アルバムから「Lightning」

180この曲はBメロの展開がおもしろいね。

190そして、開放弦を使った「♪コガネムシは金持ちだ」みたいなパートにドッキリ!
さらに阿鼻叫喚の弾きまくり。
ウン、この曲はHit the mark!
200v_oa

いよいよFury of Fearのステージも大詰め。
ニューアルバムから『Once Again』。
サビ前のキメがカッコいいな~。

220v
ディレイ・トリックのようなフレーズを全部弾ききっちゃうソロもかなりスリリングだ。

4_img_0444そして最後の曲はファースト・アルバムのタイトル・チューン「Lost Innocence」。
220_li

最後の曲らしく思いっきり爆走に爆走を重ねるスピード・チューン。
鮮やかにソロも弾き切って本編の幕を降ろした。

230

アンコールで再びステージに上がった三人は一曲をプレイしてイベントを締めくくった。

210

さて、さてさてさてさて、このFury of Fearの守くんと…

240v直人くん…。

250v今週の日曜日、10月9日のLOUD PARKのオープニング・アクトを務めることになっているのだ!
おめでとうFury of Fear!

オープニング・アクトを選考するオーディションで、殺到する応募者の中から見事勝ち残った二組のうちのひとつとなのだ!
当然のことながらメンバーはもう決定していて、通常のカルテット編成であの大ステージに上がる。
ドラムには現Naked Machineの石川達也が参加することになっている。
達也くんはNATALプレイヤーだから尚うれしいね!
守くんと達也くんの組み合わせはMarshall GALAがキッカケになっている。
GALAのおかげというとまるでラーメンのダシになってしまうが、こういうことがあると本当にMarshall GALAをやってヨカッタと思いますよ。
シッカリ演ってこいよ~!

260Fury of Fearの詳しい情報はコチラ⇒Fury of Fear Official Website

270(一部敬称略 2016年8月20日 柏Thumb Upにて撮影  ※アーティスト写真撮影:ワタシ)

2016年10月 3日 (月)

LOUD ATTACK 2016~CONCERTO MOON & RebellioNの巻

今日は八月下旬に開催された『LOUD ATTACK』というイベントのレポートをお送りする。
若手バンドにベテランがひとり混ざった他では滅多にみることができない珍なるカード。
私はね、こういう新旧の交流のような機会をジャンジャン設けるべきだと思っているの。
Marshall GALAも一種そういう目的があった。
ベテランと若手…出演者にとってお互いにとてもいい刺激になるであろうし、何よりもお客さんをシェイクする実にいい機会だと思うワケ。
ロック・フェスも草食系バンドだけじゃなくて、目の覚めるようなメタル系バンドも出しゃいいんと思うんだけどな~。
それがキッカケとなって肉食系のロックの魅力を知り、ファンになる若い人もたくさんいると思うんだけど。

今日のイベントはそのタイトルが示す通り、出演者はすべてメタル系の猛者ばかりだ。
まずはMarshall Blog初登場のRebellioN。

10ボーカルの張ヶ谷健。

20v_2ギターは山﨑恒輔。

30vベースが中島文男。

40vドラムに賀川瑛統。

50vコレは今年四月に発表した四曲入りのファースト・シングル『此の道の先へ』。
タイトルはいかにもJ-POP風だが内容はさにあらず。

60cd実はRebellioNに接するのはコレが二回目だった。
以前、TORNADO-GRENADEのイベントに出演していたのだが、時間が合わず見逃してしまったのである。
だからこの時が初体験。
先に音源を耳にしていたのでCDと生の聴き比べという楽しみが加わった。
70ギターの恒輔くんはMarshall。

80vオリジナルのJCM800 2203を派手に改造したモノを使っている。

90ドラマチックなソロを展開する恒輔くん。
改造を施した2203が発するそのギター・サウンドは最早元来のモノではなく、もっとずっとコンテンポラリーな音像だった。
RebellioNの音楽にはよくマッチしているといえよう。
120v
ワタシ的には「Rebellion」なんて単語を耳にすると、脳ミソが自動的に「Tinseltown」という単語をヒッ付けてしまうのだが、RebellioNのサウンドはZappaのそれとは全く似ても似つかない、はちきれんばかりの若さあふれるサウンドだ。
平均年齢が19歳というのだからそれも当然!
110
CDに収録されている曲をパワフルに、そして実にみずみずしく再現する。
150

CDの作り込まれた緻密なサウンドにライブならではの荒々しさが加わったはじけるようなパフォーマンスだ!

130堂々たるドラム・ソロを披露した賀川くん。

4_s41a0053猛り狂うへヴィな演奏に誰でも親しめるメロディがかぶさる…「J-Metal」とでも形容すればよいのだろうか、我々世代の頭にある「ロック」とは遠く離れたサウンドだが、コレが彼らが作る彼らの世代のロックのうちのひとつなのだ。

140それが評価されて来年二度目の中国公演を敢行するそうだ。

190

「サマソニに行かないでコッチに来てくれてありがとう!」
衣装を買って、日焼けもして、ギャル男風に整えてこの日に臨んだという健くん。
熱唱に次ぐ熱唱!
私的なことながら…家内の姪っ子にソックリなんだよね~。

100
ステージを締めくくったのはCDのタイトル曲「此の道の先へ」。
170
無謀なまでに疾走感溢れるこのサウンドがRebellioNサウンドの真骨頂だ。

180v

若いってやっぱりいいね!
とにかく色んな音楽を聴いて、RebellioNだけの音世界をドンドン広げていくことを願って止まない。

160v

REBBELLIONの詳しい情報はコチラ⇒REBELLION OFFICIAL HP

200ひと組スキップして、この日、トリ前に登場したのはナ、ナ、ナントCONCERTO MOON!

210島紀史

220v久世敦史

230vAki

240v中易繁治

250v河塚篤史

260vここで一句。
「ノンちゃんや 今日もマーシャル 音デカい  Shige」

270愛用の1967MAJOR。

290v

中易さんは名機VBA400とVBC412。

300v

やっぱりすごいコンチェ!
一曲目の「Savior Never Cry」のあのイントロの最初の一小節で会場の空気を「ムーン一色」に変えてしまう!

310この曲の聴きどころのひとつは、久世ちゃんのサビの絶唱!
普通の人ならまず血管が切れてしまうパートだ。

320そして、ピックアップ・ソロから繰り広げられる怒涛の「島節」。
「島節」…なんか奄美の民謡のようだが、それは違う。
一聴してしてすぐにそれとわかるノンちゃんとMarshallが織りなすCONCERTO MOONの「歌」だ。

330v今のメンバーになって最初のアルバムにして最近作『Between Life and Death』のクローサー「Down Fall in Blood」。

340シッカリと日本語で歌い込む久世ちゃん。
もちろんココでも大絶唱!

350vガラリとリズムを変えたバックに乗ってシンフォニックに展開するギター・ソロ。
スタジオ音源ではオーバーダブされた凄まじいソロが聴ける。

360久世ちゃんが加入してからもう五年が経ったんだね~。おっそろしく早いな。
歌いっぷりはCONCERTO MOONの「顔」のひとつとして堂々たるものだが、MCとなるとノンちゃんが横にいるせいか何となくまだ初々しい。
そこが可愛い。
ノンちゃんのMC…「ハード・ロックを途絶えさせてはいけないと思っている。(中略)新しい曲を作ります。来春にはお聴かせできると思います。
この声のために…この声が魅力的に聞こえるように曲を作るのが喜びとなっています」
いつになく優しいおことば~。

370同じく『Between~』から「Struggle to the Death」。
ザックザクのエイトビートが気持ちいい!
Bメロのポップなイメージはコンチェには珍しいパターン?
これも久世ちゃん効果かッ?!
「struggle」は「もがく」とか「ガムシャラに取り組む」とかいう意味の自動詞ね。「be struggling with ~」なんて言うと「~にメッチャがんばってんねん!」というイメージで、私は好きで結構使っている。
「頑張ってます!」系では「strive」なんていう言葉もいいね~。コレも自動詞で、連なる前置詞は一般的には「for」だ。
こういうのを覚えるのが面倒なんだよ、英語は。
390v

この曲ではコンパクトにまとめたソロを聴かせるノンちゃん。
しかし、言いたいことはすべて言い切った。

410v
ココで『Savior Never Cry』に戻って「Stay in my Heart」。
500v

『Black Flame』収録の「The Vail of Mystery」。

400v旧作から「From Father to Son」。
今のリズム隊になって、今でちょうど一年半。
こうした以前の作品も全く何の違和感もなくCONCERTO MOONとしてナチュラルに演奏される。
「CONCERTO MOON」というひとつの「音楽」が確立されているからに他ならない。

420v「♪タカタカタン」のユニゾンのイントロが印象的な「Black Flame」。
アルバム『Black Flame』の頃からCONCERTO MOONのアーティスト写真も撮影させて頂くことになったが、「『Black』だから暗く撮って欲しい」というリクエストを受けたのをすごくよく覚えている…それでどうしたか。
暗く撮った!
それがアルバムのブックレットの裏表紙の写真だ。

430vこの曲では、派手なフォーメーションを披露する。

440ココで注目して頂きたいのは河塚さん。
フロントの二人にフリをチャンと合わせてる!

450そして、ノンさまのソロがいいように炸裂!
520v

最後の曲は「Change my Heart」となった。

470歴代のシンガーが熱唱してきた1998年初出のCONCERTO MOONの代表曲だ。

480vキーボード・ソロが大フィーチュア!

380v
まさに燃え尽きんとするリズム陣!
ベース、スゲエ音!

490v今日ももスパスパっと手際よく仕事をこなすドラミングがすごく気持ちいい!
机の上がいつも片付いている感じだ。

510v本日最後のソロ!
まだまだ上がるボルテージ!…だけどコレで終わり。

460v

ところで、CONCERTO MOONは年末まで濃い~ステージが決定している。
ひとつは、11月の『EDGE OF STRINGS II』という、何を思ったかインスト版のCONCERTO MOON。
そして、BLINDMANをゲストに迎えてのライブが12月。
両方楽しみだね~!
それまでの間、去年のツアー中の名古屋公演のステージを収録したDVDでCONCERTO MOONをお楽しみあれ!

525vCONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒CONCERTO MOON Official Site

530v<つづく>

(一部敬称略 2016年8月20日 柏Thumb Upにて撮影)

2016年9月30日 (金)

25年目の『篁』 ~再発記念、THE 四半世紀「篁」LIVE!~

真夏のある日。
薄暮の川崎…ラ・チッタデッラ。
お祭りやってるんだね。

10_3クラブチッタの前は開場を待つ人、人、人!
それもそのはず、今日はLUKE篁のソロ・コンサートの最終日なのだ。

20v『25年目の「篁」 ~再発記念、THE 四半世紀「篁」LIVE!』というタイトル通り、LUKEさんのソロ・アルバム『篁』がリリースされた1991年から今年でちょうど25年!
『篁』のシルバー・ジュビリーなのだ!

30cd25周年を機に、その『篁』にライブアルバム『Soking Wet Live』をカップリングし、リマスターを施した『篁&SOAKING WET LIVE-special edition-』が発売されたのだ。
その発売記念ライブが今日レポートするソロ・コンサートということになる。

40cd会場はこの日を待ち望んでいたファンでギッチギチ!
このバックドロップのデザイン、「篁」になってるんだね~。

50オープニングはLUKEさんを除いたバンドのみの演奏。
今回のソロ・コンサートをサポートしたのは…K-A-Z。60v_2若井望

70大桃俊樹

80v_2LEVIN

90_3そして、主役がステージの中央に進み出た!

100_3LUKE篁!
すさまじい歓声。曲は『篁』から「ロックスターの悲劇って…」。

110vLUKEさん、ひとまずギターは下げていないが、背中にはMarshall。
JVM410H、JCM2000 DSL100、そして1960AXたちだ。

120フリを交えてパワー全開で歌うLUKEさん。
何やらすごく楽しそうだ!

130続けざまに「CUTE BOYのユ・ウ・ウ・ツ」。
コレもアルバム『篁』から。

140v_cb早くも観客との共同作業。
声を合わせて歌うお客さんとの一体感がスゴイ!
コレ、普通ならコンサートの終わりの方のヤツじゃん!

150「よく来たな~!誰を待ってたの?最後まで頼むよ子猫ちゃん!」
『篁』を全曲演る…というLUKEさんのアナウンスに大歓声が上がる。
「毎日、毎日、大変ですね。会社に行かないといけないし、会社に行かないとゴハン食べれないもんね。プレッシャーを抱える人生ってことさ!そんな苦しい胸のうちを歌った曲」…
310v_tk

ドラムとベースからスタートするのは「PRESSURE LIFE」。

160v_plそう、会社勤めは大変です。
仕事の内容云々というよりも、色々とガマンしなければならないことばっかり!
コレが大変なんだよね。でもそれが「組織」ってもんだ。
私も四半世紀会社勤めをしたけど、給料の七割が「ガマン代」と考えれば気持ちがラクになる…ということに気が付いたときはもう遅かった。
「オレが、オレが」系の人は九割ぐらいになっちゃうかもしれない。
LUKEさんのおっしゃる通り、大変だからお金がもらえてゴハンが食べられるんですな。

170曲の中盤をシアトリカルに演出する。
ステージに倒れこむLUKEさん…

175vでもまた朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて…ゴックン。
さぁ、また会社に行かなくちゃ!
チョット関係ないけど、思い出したんで書いちゃう。
私は何年か前にMarshallの本社で机を用意してもらって一週間ほど現地社員をやったことがあるんだけど、向こうの会社員はスゴイよ。
会社のために命はもちろん、自分の生活を犠牲にするなんてことはゼッタイしない。
Marshallは朝八時から夕方五時までが就業時間なんだけど、もちろん八時前には全員そろっていて、八時にはもうバリバリ仕事をしている。
汗をかきかき事務所に走り込んで来るヤツなんかひとりもいない。
通勤に一時間もかけているヤツもいない。
ランチは近くのスーパーにサンドイッチを買いに行ったり、工場に売りに来る弁当でごく簡単に済ませちゃう。
映画でよく見るようにリンゴ一個で済ませてしまう人もいる。
で、五時になるとピタリと仕事を終える。
そして、五時を一分になると事務所にはもう誰もいなくなっちゃう。この引き際が見事で、ホントにいなくなっちゃうんだよね~。
残業が当たり前な生活を四半世紀送っていた私なんか本当にビックリしたよ。
家には五時半ぐらいには着いちゃう。
イギリスは春から夏にかけては夜の九時ぐらいまで(六月あたりは十時になってようやく日が暮れだす)明るいので、もう一回その日を繰り返すことができる感覚なのね。
冬には三時過ぎると暗くなってくるけど…。
そんなサイクルだから仕事で疲れて、かえってバタンキューなんてことがない。
見ているとごくごく普通の人でも心底人生と自分の時間をエンジョイしている感じがするんだよね。
だから、残念ながらイギリス人には「PRESSURE LIFE」の「♪早死にするだけ」や「♪早起きするだけ」という部分はほとんど理解できないかも…。
あと、イギリスの人ってあまり貯金をしないのね…長くなるのでこの話はまた別の機会に!

180vガラッと変わって「SHADY LOVER」。

190_slエキサイティングに展開するステージに客席の熱は上がるばかりだ。
ここのところはズット『篁』からのチョイス。
当たり前か…『篁』の25周年を記念するコンサートだもんね。

200v1続いての曲は聖飢魔Ⅱのナンバー「Masquarade」。
ファン、狂喜乱舞~。

210v_mq若井さんと…

220vK-A-Zさんのギターバトルに…

230v「そして、オレ…」と言いながら加わるLUKEさん。
キタキタキタキタ~!
今日最初のMarshallサウンドなの。
ギターを提げるLUKEさんの姿にドデカい歓声が浴びせられる。
やっぱりみんなギタリストとのしてのLUKEさんも大好きなのね?

240vでも、すぐにギターを降ろしちゃうの。
するとお客さんから「エ~!」と落胆の声が!
LUKEさんもそれを面白がって何度もギターを持ったり、離したり…。
いつもは準主役のギターが今日は格好の小道具になってる!
「今日はやることないの。ギターはチョット弾くだけ…。チョット弾くだけでこんなに沸くってスゴイね!いつも弾いてるのに!
歌が楽しくて!いつも歌ってツライと思っていたんだけど、このバンドのリハでスッカリ気持ちよくなっちゃった!」
…と、本当に楽しそう!
「歌の人の気持ちになるとギターうるさいね!」だって…チョット、チョットチョット!それはないでしょ~!
で、歌と『篁』に戻って「DECADENCE LOVE」。

250_dl続いて「LOVE COME TO YOU」。

260v_lcyココで桃さんのトーク・コーナー。
爆笑の渦。
何でもLUKEさんの仮の姿の時は、桃さんのお母さんとお顔がよく似ていて心がなごむとか。
よくあるツアーの思い出では、K-A-Zさんに携帯電話を焼肉の網の上に乗せられた話でドッカ~ン!
「携帯電話を焼くのだけはやめて欲しい」そうだ。
当たり前だ~!でもやってみたい!

345

再びギターを弾くLUKEさん。
アンプはMarshallね。

270_mv聖飢魔Ⅱナンバーから「人生ゲーム」。
あまり人気のなかった曲…だというのだがなかなかどうして!

280v普段コンサートでは聴くことがない曲が聴けるのもこのコンサートの魅力。
バンドが変わることの利点のひとつだ。

290v続いても聖飢魔Ⅱ。
「STILL ALIVE」をプレイ。

300v_saMCをはさんでアコースティック・コーナー。

320_so曲は『篁』に戻っての「SOMEDAY ONEDAY」。

330_soお客さんの手拍子もいい感じ!

340「いよいよ佳境です!最後までいってみよう!」とギターを再び手にしたLUKEさん。
アッという間だな~!

350_dh聖飢魔Ⅱナンバーの「DESERTED HERO」。
さらに『篁』のオープナー、「REMEMBER FLAME」が続く。

360vいよいよ佳境に入ってバンドのボルテージが頂点に達する!
腕利きのLUKE'S MENだけあって、そのパフォーマンスたるや、すさまじいまでのロック・スペクタクル!
ワーグナーの熱狂的信者は「ワグネリアン」、誇りあるデューク・エリントン楽団のメンバーは「エリントニアン」、シカゴ生まれの人は「シカゴアン」。
LUKEさんバンドの皆さんは「ルークアン」?チョットな~…と思って「LUKE'S MEN」にしてみたがいかがだろう?

380v

385

386v

387vこうして見ると、このコンサートはルークさんのワンマン・ショウであるだけでなく、荘厳な「ギター・ショウ」でもあったね!

390「BRAND NEW SONG」経て、『篁』の最後に収録されている「DREAM OF THE LOTUS LAND」をプレイして本編の幕を下ろした。

400「お前らよりオレの方が楽しいぜ~!」とアンコールではマントをまとってソロで登場。
ツール・ド・フランスの話をやたら熱っぽく語っていたナァ~。
勉強不足で失敬だけど、LUKEさんがあんなに自転車に熱いなんて知らなかった!
『弱虫ペダル』の名前まで出たりして…ちなみにアニメのテーマソングを担当しているMagic of LiFEのドラムはNATALです。
そして、アコギ一本で歌うはCANTAナンバーの「MIRACLE」。

420vしっとりと歌い上げてマントを取ると~!クワ~、スゲエ衣装!
こんなの着れないよ~、フツウ!

430「まだ約束して演ってないヤツあるね!」とダイナミックな振り付きで歌ったのが「呪いのシャ・ナ・ナ・ナ」。
ド派手なフィナーレに客席はもはや興奮の底なし沼!

440「次は新曲とともに戻って来ます!」と宣言して熱狂のステージは幕を下ろしたのであった。


イヤ~、メッチャおもしろかったわ~!
今回、LUKEさんはご自分でもしきりに「楽しい!」を連発されていた。
CANTAの時もそうだし、Marshall GALAの時もそうだったが、LUKEさんはいつだってお客さんを楽しませることに全力を注ぐ、ギタリストやシンガーという枠を取っ払った仕事熱心なエンターテイナーなのだ。
それにガムシャラ感みたいなものがまったくなくて、ものすごくスマートなんだな~。サラっとこなしちゃう。
今日のステージを見て、LUKEさんには「プロ中のプロ」という表現がまさにピッタリだと思った。
そんなプロがMarshallを愛でていてくれることを誇りに思う。

410

LUKE篁の詳しい情報はコチラ⇒CANTA Official Web Site

450vさて、マーブロの第二部。
そのMarshall達人のLUKEさんから皆さんへのお知らせ。
LUKEさんが愛用するモデルの紹介だ。

460それは、この1959SEという100Wヘッド。
ごく少量、日本マーケット向けに生産された限定モデルだ。
LUKEさんからおススメの言葉を頂戴した。

「僕がメインで使用している名機の誉れ高い1959RR(ランディ・ローズ・シグネチャー・モデル)が、黒いカバリング小さいMarshallロゴを身にまとったらどうなるか…。
最高にCoolなMarshallにならないか?…ということで、出来たのがこの1959SE!
普通の1959としても充分に使える質の高いAmpだ!
こいつのVolumeとレスポンスの良さは天下一品!
どうか一生に一度はチェックして欲しい。
損はさせないぜ!」
                                   LUKE篁

ビンテージから最新モデルまでMarshallを知り尽くしたLUKEさんのご推薦!

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発売当初はスピーカー・キャビネットも併売されていたが、すでに完売している。
幸運にも1959SEはまだ入手可能なので是非チェックしてみてもらいたい。
ギターをやらないLUKEさんファンの皆さんも、ギタリストのお友達に教えてあげてね!

詳しい情報は⇒『Marshall 1959SE 日本市場 限定生産』を検索ワードに入力!

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(一部敬称略 2016年7月28日 クラブチッタ川崎にて撮影)

2016年9月28日 (水)

16th 真夏のJazz葉山~杉本篤彦グループ

「今年は猛烈な暑さ!」とさんざん脅かされたけど、今になってみるとそれほどでもなかったんじゃないですか?
滅法暑さに弱い私としては、かなりシンドクなるだろう…と決死の覚悟をしていたんだけど、案外平気だった。
去年の方がよっぽどシンドかったな。
恒例の「真夏のJazz葉山」の頃なんかタマらなかったもん。
…ということで早一年、今年も葉山へ行ってきた!連続三回目。

10開演は二時なんだけど、十時からのリハーサルに間に合うようにもう六時には家を出ちゃう。
何しろ道が混むでね~。
ところが、それだとさすがに早く着きすぎる。
でも、心配ご無用。
八時から始まる人気の葉山の朝市で時間をつぶすのだ。

20下の写真の緑と白のシマシマのテントのあたりが朝市の会場。
海鮮丼だのパエリアだのその場で食べられるものから、野菜、しらすの冷凍ピザ等々地元の特産品が並んでいる。
しかし、一番人気は近くのレストランで作っているタルトとケーキの切り落としってヤツ。
去年はウチも長時間列に並んで買ってみた。
安くておいしかったけど今年はパス。

30ところで、この葉山町北部の一地区は「あぶずり」と呼ばれている。
「あぶすり」?
ナンだ、「アブズリ」って?シャルル・アズナブールの地元か?
「鐙摺」と書くのだそうだ。
気になってチト調べてみると、1177年に源頼朝がこの地を訪れた際、道が狭く急で、岩に「鐙(あぶみ)が摺(す)れた」ことから、頼朝が「ここはアブスリじゃ~!」と命名したとか…ホンマかいな?
40v
下の写真の船溜まりは「日本ヨット発祥の地」なのだそうだ。
周辺には慶応、明治、日本等、大学のヨット部の合宿所がひしめき合っている。
ヨットは我が人生でかすりもしないな~。
ヨット部の友達っていうのもひとりもいない。

50vそもそも下の船はヨットなのか?それすらわからん。
もうひとつ。この鐙摺というところは「鐙摺の不整合」といって地質学ではエラく有名なところらしい。
どういうのかっていうと、葉山の地層と逗子の地層がこの鐙摺で思いっきり食い違っているのだそうだ…みたいな話。

Img_0017 朝市に寄ってもまだ時間がタップリったので今回は海沿いを少し移動して「しおさい公園博物館」というのを訪れてみた。
街道には浮き輪をもって楽しそうに海水浴場に向かう大勢の家族…いいね~。
海水浴って楽しかったよナァ~。

60コレがその公園の入り口。
御用邸に付属する庭の跡地に開設された公園。
大正天皇崩御並びに昭和天皇皇位継承の地として町の史跡に指定されているそうだ。
ちなみに、昭和元年って六日しかなかったの知ってる?
大正天皇が崩御したのが12月25日だったので、アッという間に昭和元年が終わっちゃった。
「昭和」というう元号は本来ならば「光文」だったという話は有名だ。

70v皇室の別荘だけあって立派。
日本庭園がスゲエんだ!

90池には亀が泳いでいて、すごく人慣れしている。家内と目が合ってすぐに友達になっていた。

4_13925264_959288884182559_21498528 コレが庭。
海の向こうに富士山が見えるらしい。この日はゼンゼン見えなかったけど。
嘉仁大正天皇はこの景色を見ながら散歩をされたのだろうねェ。
昔はもっときれいだったんだろうナァ。

80

時間もちょうどよくなってきたので会場へ移動。
それでもまだリハまではだいぶ時間があったので一番乗り!かと思っていたら…

100v「ウッシー、おはよ~!」…と声の方を見るとウワッ!
透さん!もう来てるどころか、準備終わってる。
いっつもお早いのです。

105vさて、今日はJVM210Hと1936のスタックにASTORIA CLASSIC。

110弾き手は杉本篤彦!

130
杉本さんはこの日がはじめてのASTORIA。
さっそくチェック。
120v出るわ出るわ、おいしいフレーズ!
こういう時は絶対に弾き手も気に入っているものでしてね、説明する方も力が入るってもんだ。

125v「いい音~!」連発の杉本さん。スッカリお気に召して頂いた。
ということで早速本番でも使用することと相成った。

140vコレは5月に発売された杉本さんの最新作『Tomorrow Land』。
レコーディングの様子をMarshall Blogでレポートしているので是非コチラもご覧頂きたい。
JVM410Hと1936の極上サウンドが収められている。

146cdさて、今回で16回目となる葉山Jazz。
今年も杉本さんのグループがトップで登場した。

150杉本篤彦

160v平岩カツミ

170v星牧人

180vそうる透

190vオープニングは「Mark the Mobster」。

200『Tomorrow Land』の二番目に収録されている都会的なマイナー・ファンク・チューン。
「-ster」というのは「~する人」という意味で、英語ではギャングのことを「gang」とは言わずに普通「gangster」という。
「mob」は「暴徒」という意味で、「Mobster」は「ギャングの一員」ということ。

230

そんなギャングとは関係なくMarshallが放つ杉本ギターのサウンドはどこまでもウォームでスリリングだ。
途中でフォービートになるところがタマらんナァ~!

220v
杉本さんの足元。
ケーブルだけ。イギリス風に言えば「ギター・リード」だけ。
つまりギター→アンプ直ということね。

210二曲目も『Tomorrow Land』から「I Got it」。
こちらは杉本さんのストラミングのイントロが印象的な軽快なナンバー。
平岩さんのベースラインがいいようにバンドにグルーヴを与える。
300
後半の意外なキメが実にクール!

S41a0159 三曲目はPercy Sledgeの「When a Man Loves a Woman」。
ロマンチックに、ソウルフルにあの有名なメロディをなぞっていく。
245v
星さんのピアノまたいいんだ~。
今回はミニ・オルガンが導入され、この曲で披露した。

240v杉本さん、この曲好きだナァ~。
杉本さんのライブに行くと、ジャズの曲を除いては、自分の従来の趣味とは全く合致しないナンバー曲が繰り出されてきて実に面白い。
杉本さんは根っからのロイク系なのだ。
要するに根こそぎルーツが私と違う。だから面白のだ。
ところで、この曲の大ヒットによって「世紀の一発屋」とも言われることも多いパーシー・スレッジ。
残念ながら昨年その生涯を終えた。
その報が流れるとfacebookでその死を悼み、「我が青春だった」ぐらいのことを言っていた人を見かけたが、果たしてその人はこの曲以外のパーシー・スレッジのナンバーを知っていたのだろうか?そうは思えない。
私なんか全く知らないわ。

250この杉本さんの不敵な表情…「フフフ…明智くん」の場面。

260vそう、曲は新作から「怪人二十面相」。
江戸川乱歩作品もパブリック・ドメインになってようやくこのタイトルがつけられるようになったのだそうだ。
都会の真夜中、何かが起こりそうな不吉な予感…ワルツのカッティングで曲は始まる。

S41a0162 透さんのダイナミックにして繊細なドラミングが大活躍!
透さんは、杉本さんと和佐田さんとでSWSというトリオをやっているのでイキもバッチリ!

270vシングル・ノートとオクターブを取り混ぜて密度の濃いソロを構築する杉本さん。
乱歩の小説通り?
しかし、今「二銭銅貨」なんか読むといいよね~。1923年、Jim Marshallが生まれた年、関東大震災が発生した年の作品だけど、何とも言えない大正の雰囲気が伝わってくる。
小学生の頃はポプラ社の「少年探偵シリーズ」を結構読んだな。もうほとんど覚えていないけど、「電人M」ってのが好きだった。
ところで江戸川乱歩って名前の出自はポーだけど、本名は「平井太郎」っていうんだって。
その名前じゃまず売れなかっただろうね。「明智小五郎」なんてカッコいい名前とは大違いだ。
ところで、乱歩は芸人じゃないけど、昔の芸人の名前ってのは実にシャレていたよね。
増田喜頓とか、前田隣とか、山茶花究とか、谷啓とか、ハナ肇とか、世志凡太とか…それに比べて今の芸人の名前のヒドイことよ!

280それにしてもこのMarshallの音!
JVMもASTORIAも非の打ちどころがないよね~。
怪人二十面相に狙われたらどうしよう!

290v杉本さんは、仕事とはいえホントあきれるぐらいギターを抱えて日本国中を回っていらっしゃるが、当然東北にも何度も赴いている。
そして、被災地の状況を目の当たりにし、今回のアルバムでは東北を念頭に置いた作品を三曲収録した。
そのうちの一曲を最後に持ってきた。
「遥かなる大地へ」だ。

S41a0055 杉本さんらしい優しくあたたかなテーマ・メロディ。
杉本さんの曲はジンワリ来るよ~。
このステージでは演奏しなかったが、ニューアルバムの一曲目の「涙の向こうに」なんて曲は、毎日知らない間に口ずさんでるもん。
この曲もそんな感じ。

320

全五曲、今年の葉山Jazzのオープニングを飾るにふさわしい素晴らしい熱演だった!

310v

330

340v

350杉本篤彦の詳しい情報はコチラ⇒杉本篤彦オフィシャルブログ

360この後すぐ、野音に急行しなければならなかった。
あんまり急いでいたもんだから大事なものを会場に忘れてきちゃった!
そう、商売道具を楽屋に置いてきてしまったのだ!
現場に残っていた杉本さんに助けてもらい、結果的には事なきを得ることができた。
この場をお借りして杉本さんに深く御礼申し上げます!

370(一部敬称略 2016年8月7日 葉山町福祉文化会館ホールにて撮影)

2016年9月27日 (火)

KAMIJO生誕祭 Rose Fes~Kelly SIMONZ'S BAD TRIBE編

『KAMIJO生誕祭 Rose Fes』の後半に入ってステージに上がったのはKelly SIMONZ。
やっぱり慣れ親しんだバンドが登場すると何ともいえない安心感があるね。
言葉の通じない外国へ来て「アレ、日本の方ですか?」と声をかけられたという感じ…を経験したことはないが、恐らくこういう気持ちなのではないか?

10今回Kellyさんが率いたのはBLIND FAITHではなくBAD TRIBE。
すなわち…Kelly SIMONZ

20vTim Miller

30vYosuke Yamada…のトリオ。
Marshall Blogには久しぶりの登場となる。

40v今日は持ち時間が少ないからな~。
果たしてナニを演るか…。

50vオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ~、「Opus #1」じゃ~!
怒涛の弾きまくり!

60vお客さんは今までの出演者の音楽とあまりも趣向が違っているんでビックリした感じだったな~。
そうです、コレがへヴィ・メタルです。

70久しぶりのキネマ倶楽部にTimさんも気合が入る!
ベースで始まるのは「Time」。

80Kellyさんのレパートリーではファンク色の濃い異色のナンバー。

90徹底的に他の出演バンドと一線を画そうって魂胆だな?

100うねるバンド・サウンドでKellyさんの思惑はバッチリ遂行されたのではなかろうか?

190v

ダイナミックにバンドを揺さぶるYosuke!

110vそして、ソロ。

170
弾くわ、弾きまくるわの大騒動!

115vそのままの流れで三曲目に突入。
イケイケ~!

120「I am Your Judgement Day」…コレは絶対演ると思っていた。

150v

70年代のロックの黄金期の香りただよう正統派ハード・チューン。
160v
かえってのこの場にふさわしい。

130vレコーディングではドラムに特に凝ったという曲でもある。
トラディショナルなロックの魅力をまき散らして早くも最後の曲となった。

140v
最後は「Flyaway」。

200

時間は短かったが、三人が一丸となった圧倒的な演奏は「Rose Fes」のひとつの大きな見せ場になったハズだ。

210v

220

230vさて、そのKellyさん、またもうすぐここキネマ倶楽部へ帰ってくる。
昨年開催して好評だったトモ藤田さんとの『ギター・アカデミー』の再演だ。
私の個人的な希望としては、今年はクリニック・パートにジックリ時間をかけてもらいたい…なんて思っているんだ~。
前回おもしろかったからね。
10月7日は東京キネマ倶楽部でお会いしましょう!


関連のMarshall Blogの記事はコチラ⇒Tomo & Kelly Guitar Academy 2015 <前編>

250v

Kelly SIMONZの詳しい情報はコチラ⇒Kelly SIMONZ Official Website

240v(2016年7月18日 東京キネマ倶楽部にて撮影 ※協力&写真提供:東京キネマ倶楽部)