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2017年1月26日 (木)

空より高く~Strange, Beautiful and Loud×Silex <Silex編>

「もしも、もしも」と並ぶJimi Hendrixナンバーの名邦題「空より高く」…ウソこけ。
原題は「Up from the Skies」。
1967年の12月にリリースされたJimiのセカンド・アルバム『Axis:Bold as Love』の、曲としてはアルバムのオープナー。
ファースト・アルバムであれだけ衝撃的なギター・サウンドを聴かせたにも関わらず、セカンドではいきなり4ビート。
歌詞は氷河期の頃に住んでいた宇宙人が地球に戻って来てハラホロヒレハラという浦島太郎ストーリー。
ナゼ「Skies」と複数形になっているのかはわからない。宇宙人だからいろんな星の空を飛んできたのだろうか?
ハイ、ココで時代を整理してみましょう。
もし、先週から今週にかけて掲載した岡井大二さんのインタビューをまだご覧になっていない方はココから先に行く前にコチラを読んでくださいね。
さて、この『Axis:Bold as Love』が録音されたのは1967年の3月から10月にかけてのこと。
ハイ、ピンと来た人?…そうです、1967年です。
ご明解!
Jimiがこのアルバムをレコーディングしている間に『Sgt. Peppers』が出てしまった。
PaulはJimiを観にカーナビー・ストリートのライブハウス、「Bag O' Nails」に足を運んでいたりしていたので、Jimiが『Sgt. Peppers』を聴いていないワケがない。
そして、実際Jimiは曲の「Sgt. Peppers Lonly Heart's Club Band」をいち早く自分のレパートリーにしている。
(下の写真がその「Bag O' Nails」。PaulとLindaが出会った場所でもある。私が写っててゴメン。カーナビー・ストリートはモッズ発祥の地だけあって、「名所めぐり」のネタに事欠かないんだけど、色々と調べる時間がなくてなかなか記事にできません)

9_img_0732 こんな宇宙人の話を歌にするなんて、その前に同様の曲があったのかどうかは知らないが、この発想がDavid Bowieの「Space Oddity」のヒントになっていたらおもしろいな…と。
「サージェント・ペパーズからすべてが変わった」…という大二さんのお話に感化されすぎたのかもしれないが、ん~、1967年…深い!
あ、この辺りは大二さんのお話をお聞きしての私の勝手な夢想ですからね。
私はジミヘン研究家ではないので、詳しい人、文句をつけないように。
でもね、コレは「まっちがいない」という想像がひとつある。
それはドラムのMitch Mitchelのこと。
この「Up from the Skies」のブラシのプレイ…絶対、Jim Marshallに教わったんだよ。
Jimはロックの大流行を予測してドラム教室を開いたんだけど、ジャズ・ドラミングも教えていたに違いない。
「おいおい、ミッチ、ブラシも練習しておかないとダメだぞ!フォッ、フォッ、フォッ、」なんてやっていたハズだ。
その成果が実ってJimi Hendrix ExperienceのオーディションでAynsley Dumberを破ることができたのかもしれない…ということが関係ないことも実はわかっている。
でも、ElvinやPhilly、Ed Thigpenのようにはいかないまでも、なかなかにスウィングしているのはJimのおかげじゃん?

Abl それから50年後…高円寺で『Up from the Skies』というタイトルのイベントが開催された。
Strange, Beautiful and LoudとSilexのダブル・ヘッドライナーだ…ツーマンではない。ツーマンという言葉はない。
おかげさまでジワジワと「ダブル・ヘッドライナー」や「ダブル・ヘッダー」という言葉が定着してきているような気がするんだけど…。
あ、そうそう先日ね、おもしろいことがあったんだよ。
あるバンドがMCでライブの告知をした。
その人はいつもは「ダブル・ヘッドライナー」という言葉を使ってくれているんだけど、どういうワケかその日は昔使っていた「ツーマン」という言葉をウッカリ口にしてしまった。
すると、ナニが起こったと思う?
お客さんたちが大声で「ダブル・ヘッドライナー!!!」って訂正してくれたのよ~!
うれしかったな~。みんなマーブロ読んでくれてるのよ!
そのバンドが誰だったかは、レポートの順番が回って来た時にわかります。
それにやっぱり、「『ツーマン』という言葉はおかしい」…と思っている人が多いみたい。いくら和製英語にしても恥ずかしいもんね、こんな言葉。
ちなみに今日明日とご登場頂くMASHAくんも、三宅さんも、「ツーマン」という言葉は使わない。
あ~、しょっぱなから変な脱線の仕方をしてしまった!
脱線のファンの皆さん、今日はこの後もう一回脱線します。
  
さて、『Up from the Skies』…初めにステージに上がったのはSilex。

10インストの壮大なプロローグを経て…

20vシンガーが登場。

30Pete Klassen

40hibiki

50vYosuke Yamada

60vそして、MASHA!

70v今日も当然Marshall!

90v向かって右側がMASHAくんのMarshall。
JCM800 2203と1960Aだ。キャビは借り物だ。

100そしてhibikiくんはEDEN。
わかりにくいけど、後ろのアンプのてっぺんに置いてある白くて小さいヤツね。

110vコレがそのEDENのアンプ・ヘッド。
TERRA NOVA(テラ・ノヴァ) TN501。
誰だ!「ニラレバ」とか言っているヤツは!…あ、オレか。
コレね~、ほんとスゴイよ。マジでスゴイ!
出力は500W。
最近こういう小型のベースアンプが流行っているけど、コレ、結構切り札になるんじゃないかな?
音作りの幅が広くて、ヌケが抜群に良い。
ベーシスト諸君にはゼヒ一度お試し頂きたい!

120_ed「♪ワイヤ~」…天地を引き裂くかのようなPeteの絶叫!
一曲目はデビューCD『Silence in Explosion』にボーナス・トラックとして収録されている「Cry in the Starlight」。

130v基本的にスピード感満点のメタル・チューンだが、色々な光景が現れては消えていくパノラミックな一曲。
MASHAくんらしく、普通のメタル・チューンとは一線を画そうとしている意図が伝わってくる。
160v
そんなひと癖もふた癖もある曲を余裕でこなすリズム隊!
ここもSilexの見どころね。

200v
そして、MASHAくんのソロ。
まぁ、とにかくドラマチックにギターを弾く人だ。

180v
そのドラマの最高潮が曲の最後にやって来る。
MASHAくんのお父さんが好きだった「青い影」のメロディ。
大二さんがインタビューの中で触れていた「作曲の段階でクラシックの要素を組み込むところが魅力」というProcol Harumの最初期の傑作。元ネタはバッハ。
ちなみに「青い影」は古今東西、世界中で電波に乗った回数が最も多い曲だとか…。

140前回のレポートでは「シャンソン・ダ・ムール」について書いた「Cancion de Amor」。
こちらも『Silence in Explosion』に収録されている。

80cd

コレは展開部のコード進行がおもしろいのね。
170
Peteの声がまた曲にぴったりなのよ。
このフィット感はまるで年末ジャンボたからくじで一等が当たったかのようだ!

150続いてはミディアム・テンポのパワー・メタル「Metal Nation」。

185曲の最後でMASHAくんがガツンとカマしてくれた!

220v

そして、コレまた得意のスピード・メタル・ナンバー「Haunted Forest」。

190vこのあたりの曲はCDには収録されていない。
ナンとならば、新曲だからだ。
ドンドン新しい曲を作るがよい。みんなそれを待ってる。
でも、音楽はまず「曲ありき」ということを一時も忘れて欲しくない。
いくらアクロバチックな演奏ができても曲がおもしろくなければ誰にも聴いてもらえないのだから。
今時速弾きギターや手数ドラムは子供でもやる時代だからね!
「曲」のクォリティだけが勝負のしどころの世の中になってしまった…大変な時代だよ。
MASHAくんの作る曲はホント期待している。

210ココでバラード。
新宿のデビュー・コンサートで初披露した「Cry for the Moon」。
ハイ、ココで脱線。
「cry for the moon」というのは「月に泣く」ということだけど、実は他の意味がある。いわゆる慣用表現というヤツ。
「cry」を「ask」に変えて「ask for the moon」でも同じなんだけど、「手に入れることが不可能なモノを望む」という意味がある。
ま、外人がコレを実際に入っているところは見たことはないけど。
その代わり、Marshallの連中なんかは似たような意味でよく「Holy Grail」という言葉を使うね。
「Holy Grail」は通常頭文字は大文字にする。日本語で「聖杯」ってヤツね。
最後の晩餐でイエス・キリストが使った杯…コレがあるのか、ないのか?手に入るのか、入らないのか?
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のアレね。(ちなみにショーン・コネリーはスコットランド人)
とにかく手に入れられないアイテムなワケ。何せこの世に存在するのかどうかもおぼつかないんだから。
それで新商品の宣伝文句なんかに「Holy Grail」という表現が使われる。
「ギタリスト垂涎の聖杯が手に入る」ってな具合。
しまった!ココまで書いて気が付いた。
このバンド、ネイティブさんがいたのを忘れてた!
ココ、カットしておいてください!
ところで「聖杯」といえば最近、「いい仕事」はどこへやら、鑑定団がエライ騒ぎになってるね。
その昔、私が勤めていた会社の特約店に骨董品のエキスパートがいた。
この方の家の倉庫から、フョードル・シャリアピンのサインが入ったSP盤が発掘され、全国ネットのテレビ番組で紹介されたことがあった。
シャリアピン・ステーキの「シャリアピン」。
でも、この人はコックではありませんよ。20世紀初頭に活躍したロシアの大オペラ歌手。
1936年、この人の入れ歯の調子が悪い時、あるホテルの料理長が薄切りにした肉をタマネギに漬け込み、焼いたその肉の上に炒めたみじん切りのタマネギをかけステーキをシャリアピンに供したところメッチャ気に入られた。
それがシャリアピン・ステーキのはじまり。
そのホテルとは東京の帝国ホテルのこと。
だからこの来日時にそのSP盤にサインが入れられたのだろう。
で、その骨董品の収集家に「鑑定団」でつけられる値段の話について尋ねたところ、アレは業者を経て最終的に骨董品店に並ぶときの末端価格で、あの鑑定士たちはあんな値段では絶対に手を出さないとのことだった。
マァ、そうだろうね~。
翻ってみるにチョット無責任のような気がしますな~。アレなら「私ならこの値段で買って進ぜよう!」というイメージがついて回るもんね。
もひとつ、「最後の晩餐」。
イヤ、ムズカシイことは言いません。
10ccの「Sitting for the Second Last Supper」を知らない人はゼヒ聴いてみてくだされ。
私はコレを中学の時に聴いて、あまりの曲のよさに腰を抜かした。
今日の脱線終わり!
  
汗が飛び散るスピード・チューンもいいけれど、こうした雰囲気のPeteの熱唱もまたいいものだ。

P_img_0111_2ココでPeteがステージから降りて三人のインスト・コーナーに入る。
Andy Timmonsの「Super 70s」。

240MASHAくん作のブギ、「What a Game!」はこの日が初演となった。
いいね、三連は!
もう若い人はブギを知らない。
絶滅寸前のブギを救ってくれ!さもないとRick Parfittが浮かばれん!

250オタマジャクシの行進(March of the Tadpoles)に大激演!

260v余裕。

270vインスト・コーナーの最後にはMarshall GALAでも演奏してくれた名曲「Forever More」が飛び出した!

275告知・物販紹介コーナーもバッチリだよ。
ロゴTシャツやサイン入りポスターを紹介。
あ、もう一回言っておきますが、このポスターの写真、私が撮ってま~す!
MASHAくん、ありがとね~。
でもね、私はミュージシャンがこんな物販なんかをやらずに、CDを売って、すなわち自分の「音楽」を売って潤うことができる時代がまた来ることを願っているよ。
ミュージシャンはタオル屋でも携帯ケース屋でもない。音楽を作るのが仕事なんだ。
一体、誰が音楽をタダにしたんだよ!
え、インターネット?
このやろ~!と言いたいところだけど、インターネットなくしてはMarshall Blogはできないもんナァ。
インターネットを非難したところで、所詮天に向かってツバを吐くようなもんだ。

280Silexの持ち時間も終わりに近づいたよ!
残り二曲もブッ飛ばしてくれ!

290「Everlasting Symphony」

300v目の覚めるようなスピード・チューン!

310vそして、クローサーはCDのリード・チューン「Standing of the Grave of Yesterday」。

320ステージ上の四人、一糸乱れぬ演奏でSilexの音楽を完璧に奏で上げた!

330v

340v

350v

360vSilexの詳しい情報はコチラ⇒Official facebook

370

<つづく>

(一部敬称略 2016年11月23日 高円寺SHOWBOATにて撮影)