KATAMALI KISSES THE SKY~KISS THE SKY編
『KISS THE SKY~The First Experience』と題されたKISS THE SKYとKATAMALIのダブへ…すなわちダブル・ヘッドライナー・ショウ。(Marshall Blogでは「ツーマン」とかいう言葉を使うことはありません)
小笠原義弘
以前、シゲさんの還暦記念コンサート、『ワテロク』のところでも説明したが、このバンドは以上の三人が集まった基本ワン・オフ(一度きり)の形態を採っている。
「Kiss the sky」はもちろんJimi Hendrixの「Purple Haze」の歌詞からの引用。
それにShigeoの「S」、KATSUJIの「K」、Yoshihiroの「Y」を絡めている。
『Kiss The Sky』という未発表音源を含むJimi Hendrixのコンピレーション・アルバムもあった。「あった」というのは、このアルバムが発表された1984年当時は「未発表」であったが、今となってはそれぞれおなじみの音源になってしまっているから。
それにしてもジミヘンの音源ビジネスってのはスゴイね。手を替え、品を替え、いつの時代も途切れることがない。
JCM800 2203と1960BX。
Jimiがもう8年、あるいは10年長く生きていたらこんな組み合わせが実現していたかも?え?「Jimiにマスター・ボリュームは似合わない」って?
ごもっとも!
コレがシゲさんの正式なバックライン。
Jimi Hendrix Signature SUPER100JHのフルスタック3セットが目印だ。
今日の足元のようす。
モノホンのUni-Vibe。専用のハード・ケースまで作って大切にしている。
WT-800は製造終了していて、EDENのフラッグ・シップ・アンプヘッドは現在WTP-900に代替わりしている。
オガンちゃんの足元のようす。
青い年季の入ったFUZZ FACEはシゲさんが愛用していたものだ。
INとOUTジャックの場所が普通とは逆だから気をつけろ!
この表情!
「気持ちええやんやん!」と心で言っているのであろう。
今日もバッチリとアレンビックが似合ってる!
「となり」どころか「火の真ん中」のオガンちゃん。
コーラスうまいでね。
Gbのフィード・バック音から始まるのは「Foxy Lady」。
しかし、デカいオガンちゃん。
この数週間前に会ったあった時もデカくなったと思ったけど、また大きくなってる!
何でも日本で大きくなって、アメリカで小さくなってくる…とかMCで言ってたな。
今、小さくなってるところ。
現在はChris Duarteと全米ツアー中だ。
チョット変わったところで「Spanish Castle Magic」。
Jimiが高校時代に足繁く通ったという「The Spanish Castle」という(日本で言えば)ライブハウスについて歌った曲。
こうして改めて聴くとこの曲、カッコいいな~。
メリハリの効いたKATSUJIさんのドラムが実に気持ちいい!
昔のMarshall BlogにはGaorgoyleでご登場頂いたことがあったんよ。
Noelもッ?
イヤ、Billy Coxでした。
シゲさんによるとBilly Coxってすごく感じのいい人だったそうだ。
そして、ブルース。
「Red House」…おーばーやんだー。
シゲさんの弾くブルースはいい。時折、「エッ?!」というようなフレーズが飛び出してくる。
ウネる、ウネる、こういう音楽はオガンちゃんのベースの独壇場だ。
ウワッ!
確かに「影響を受けてコピーした」と以前言ってたけど、Frank Marinoの「I'm a King Bee」のソロをそのまま弾いた!
「Can you dig it?」とは叫ばなかった。
もうこういう絡みはタマりまへんな~。
もう見た目だけで雰囲気満点!
激演!
目の前で見ていて弦が切れるかと思ったよ!
またBand of Gypsysのレパートリーに飛んで「Power of Love」。
Miles Davisは、Billy CoxとButch Milesをして「Jimi Hendrixにとって最高のリズム・セクションであり、Experienceの呪縛から解放する」…とおっしゃったとか。
後半に入り、ますます三人のコンビネーションがタイトになっていく!
その要はこの人!ムヤミに出すぎず、引っ込みすぎず、絶妙のプレイ!
昔、MarshallのクリニックをRolloverとよくやっていた時、失礼ながら「禁Machine Gun令」を出させてもらったことがあった。
この曲を演るとどうしても演奏時間が長くなって、他の曲が演奏されなくなりがちだったからだ。
今にして思うと、冗談にしてもあんなこと言わなきゃヨカッタな。
シゲさんに申し訳ないことをした…今日は思う存分弾いてくだされ!オガンちゃんとEDENが出す図太い音であのリフを弾かれるともうどうにもなりまへんな~。
「♪パルヘッ!」
本人より演奏回数が多くなったというこの曲。
人類の宝ですナァ。
この曲で本編は終了するワケだが、イヤ~、本当に素晴らしいパフォーマンスだった!
こちらもバッチリと三人が固まってた。
コレがひとツアーだけのワン・オフ・バンドとはもったいない!
『ワテロク』のレポートにも書いたが、2000年から何十回とシゲさんを見てきた。
本家Jimi Hendrixがそうであったように出来のいい時も悪い時もあった。
この日のパフォーマンスは私が見てきた中で一、二を争うモノだったな。
歌、ギター、そしてアクション、それらすべてが最高にスムースにしてナチュラルだったのだ!
コレは「アッパレ」でしょう!
もはやシゲさんの違う局面を見た気すらするよ!
いつも通りギターのボリュームを上げたまま愛器をMarshallに立てかけてステージを降りる。
もちろんアンコール!
ウッドストックでおなじみの「Villanova Junction」。
「ヴィラノヴァ」というのはフィラデルフィアに実在する地名。「Villanova Junction」という鉄道のポイントが実際にあるらしい。
そして最後の最後に「Killing Floor」を演奏してKISS THE SKYは消えた。
モッタイナイ…。
オガンちゃんが日本へ帰ってきたら是非再演をお願いしたいものだ。
小笠原義弘の詳しい情報はコチラ⇒DANCIN' FUNKY BASS
シゲさん次の大仕事は野獣だね!
バーニーも加わって…とても楽しみ!
中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook
『ワテロク』はコチラから6本立て!(伊勢&松阪観光ガイドつき)⇒【Marshall Blog】ワテは60からだす!!
(一部敬称略 2016年7月29日 吉祥寺ROCK JOINT GBにて撮影)