TAGAWAセカンド・アルバム『Wind』~レコ発演奏会千秋楽
以前、レコーディングのようすをレポートをしたTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』。
Time flies!!
ああ、あまりにも時の経つのが早すぎる。
アルバムをリリースして、レコ発ツアーをスタートして、アッという間に千秋楽。
そしてそれから更に2か月…まるで「風」のように時間が過ぎ去ってしまった。
田川ヒロアキ
足元のようす。
コンパクト・マルチ・エフェクターはセンド&リターンに接続。
歪みはすべてJVMで作っている。
フットコント―ラーの1~3に3種類のチャンネルを割り当て、4にはループのオン/オフをアサインしている。
非常にシンプルなセッティングだが、ギターのボリュームをコマメに変えることによってバラエティ豊かな音色をクリエイトする。
オープニングはニュー・アルバムから「Jack and Coke」。
オープニングにもってこいの、てらちん作によるスピード・チューン。
こんなことやっちゃって!
ハナっからノリノリの様子であったことがわかるであろう。
続いてはヒロアキくんの『ようこそ田川Nightへ』から「BOUND」。
ブッ速いシャッフル・ビートで縦横無尽に弾きまくる!
和太鼓の豪放なサウンドが鳴り響くのは「Lofty Tree」。
太鼓は作曲の委嘱を受けた広島県府中市との関係で知遇を得た「鬼炎太鼓」の演奏だ。
府中市のための「府中に夢中!」も大好評で、この曲の演奏にも力がこもる。
「lofty」というのは書き言葉で「非常に高い」いう意味。
タイトル通り、鬼炎太鼓とのコラボレーションで気高い演奏にまとめた。
そういえば「宇宙一うまい」と言われたヴィブラフォン奏者のGary Burtonの代表作に『Lofty Fake Anagram』というアルバムがありましたな。
こちらの「lofty」は「高慢な」とか「尊大な」という意味。
今度は浩二さんの曲、「Running Light」。
「みんなで自作の曲を持ち寄ろう」というのが『Wind』のひとつのコンセプトだった。
浩二さんの作品はかなりへヴィなメタル・チューン。
ヒロアキくんの得意な部分を思い切り引き出すことに成功した。
クリーンからリードまで多彩なトーンと華麗なテクニックはライブの大きな見せ場のひとつ。
Marshallの魅力をアッピールしてくれてありがとう!
さらに「Stranger Destoys Arms」。
前作『Flying Carpet』のオープナー。
演奏し慣れていることもあって圧倒的なバンドの一体感が味わえる。
後半のテンポ・アップするパートの盛り上がり感が生半可じゃないぞ!
MCをはさんでおなじみの「キミを乗せて」。
MAZDAファンフェスタの公式テーマ・ソング。
気がついてみれば今日初めての歌ものだ。
前の曲とは打って変わったポップな雰囲気で会場も演者もホンワカと盛り上がる!
時々無意識に歌っていることがあるんだよね、この曲。
お次に控えしはTAGAWAライブの名物のひとつ。
TAGAWAのライブに来ないと見れない無茶なパフォーマンスはメタル版「Led Boots」。
マァ、初めて聴いた時はあまりの騒々しさに笑っちゃったけどね~、今では各人の名人芸をジックリと味わっています。
気迫のこもったパフォーマンス!
タッピングを取り込んでのド迫力の演奏に大きな歓声が送られた。
それを受けての浩二さんのソロ。
容赦ない高速連打に観客の目は釘づけ。
負けていられないのはヒロアキくん。
イケイケ~!Marshallがついてるぞ~!
しっかりと爆音浴をした後は…お、「YMCA」!
「♪わ~い!」ではありません。
ヒロアキくん作のバラード、「平和の風」。
「キミを乗せて」やローカルTV局のニュース番組のテーマソング等、作曲の才を買われてアチコチでヒロアキくんの曲が取り上げられているが、「平和の風」もそのうちのひとつ。
昨年末、野田市の西部台千葉中学校の合唱コンクールの課題曲に選出されたのだ。
確かにそういう曲だよね。
私がよくヒロアキくんの作品に親愛の意を込めて「校歌ロック」などと呼んでいるが、まさに私の形容が評価された感じ。
10年以上前に作った曲だそうだ。
私が初めて聴いたのはもうかなり前のことになるが、「♪魚は銀の衣をまとい、うねりとともに泳いでいるのに」と「♪風吹け、風吹け、平和をつれて来い」というパートがすごく印象に残ったのを覚えている。(作詞は三木あずささん))
前者はよくヒロアキくんとイッパイやった時に大笑いするのだが、なぜか私の中で勝手に歌詞が書き換えられちゃっていて、「♪魚はナゼ 銀のウロコをまとって泳いでいるんだろう」となっちゃってるの。
もうこびりついて直せないのよ。
でも、後者は違う。
今こそ、この歌詞を胸に抱きしめるべき時だと思う。
この曲にはそんな人の心を動かす力があるのだろう…「平和の風」を聴いた声楽科の薄井彰子さんという方が、自身のNadeshikoという声楽グループで取り上げ、イタリアの大聖堂で歌ったのだそうだ。
ヒロアキくんのメロディが海を渡ったのだ!
江戸時代、ローマ法王に会いに行こうとメキシコ経由で渡欧した支倉常長のことを何となく思い出した。(この話しは遠藤周作の『侍』という小説をご参照あれ)
ジーンときた後は最後の曲。
これまたヒロアキくんの代表曲だ。
Marshall GALAでも演奏してくれた「My Eternal Dream」。
これはね~、破天荒にてらちんのベースがカッコいいんだよ。
ベース・ラインだけ聞いていても十分に楽しめちゃう!
もちろん、てらちんだけでなく、際限なくバンドをプッシュする浩二さんのドラミングがまたスゴイ!
代表曲にして愛奏曲。テーマ・メロディにソロにと縦横無尽にダイナミックなギター・プレイを披露した田川ヒロアキ!
当然と言えば当然のクロージング!
ヒロアキくんのソロではガッツリと「スライド・ウォッチ」を披露。
ナンカ久しぶりだな。
猛烈にパンクチュアルな(時間に厳しい)ヒロアキくんにとって時計は大切な相棒だ。時を刻むだけでなく、ギターの指板の上を行ったり来たりもしている。もうこのプレイを書き表すのは基本的な擬音しかない…「ギュイ~ン、ギュイ~ン!」
この曲の作詞はてらちん。
「♪オレのいかしたFire Crazy Gun」…バカヤロ~!
しかしだ!
ロックはコレでいいのだ。昔はこういう歌ばかりだった。ロックって、かつてはそういう音楽だったのだ。
ナゼかって?
お父さんであるところの「ブルース」がそういう音楽だったから。
今、日本のロック界においては、その親子の遺伝子が死滅してしまっている。
てらちんはロックだ!
今回は特に触れなかったが、長大なMCも絶好調!
現在も積極活動中のTAGAWA。
サード・アルバムが楽しみだ!
田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano