横田基地日米友好際 2014 <前編>~Jimi Bruce Band、AT's69登場
福生の『横田基地友好祭』。
基地を開放して一般市民との親睦を目的とした一種の文化祭だ。昨年はお休みしたが、今年は復活。Marshall Blogでの取材は2回目になる。
前回お邪魔した時は8月の夏盛りで、その蒸し暑さったらまさに殺人的だった。しかも、このイベント、滑走路で開催するもんだから日影がまったくなく、阿鼻叫喚の灼熱地獄もいいところ。
それが今回は少し時期をズラしての快適開催。
あいにくの曇天模様で雨が心配だけど、暑すぎるよりはゼンゼンいい。
ところで、私の母方の叔母のうち2人はアメリカに嫁いでおり、没交渉ではあるものの、私には何人かのアメリカ人のイトコがいる。
同じ年のいとこがDanielといってアメリカ空軍に勤めていた。
「勤めていた」というのは、軍隊である程度のキャリアを積んで民間に天下るというのはアメリカでも普通のことらしい。早期に退役している。
Danielの最終的な階級はLieutenant Colonel。いわゆる「中佐」だった。
私と同じ年代で何年か前に中佐になっているというのはかなり昇進が早い方で、一定期間を勤めあげた後、高い階級で退役するとその後の生活も相当良い条件で厚遇されるらしい。
その優秀さたるや、私と雲泥の差だけど、階級は私の方が上だ。
私は「司令官」…つまりマーシャル。アルファベットでMarshal…あ、「l」が一個多かった!
数年前、アメリカに行った時にそのイトコと電話で話しをする機会があった。
彼のお父さん、つまり私の叔父のFrankも軍人で、一時府中(だったかな?)の基地に駐留していたことがあった。私が小学校に上がるか上がらないかの時の話しだから45年位以上前のことになろうか?
Danielとはその時以来なので、初めてクチをきくようなものだった。彼は日本語はカケラも話すことができない。
ま、会話の内容はというと、「年をとると頭髪は減るクセに鼻毛や耳毛がよく伸びる」のは洋の東西を問わない…といったような他愛のない話し。
彼は従軍時代の経験を活かして退役後は通信関連の事業を立ち上げるとかで、その輝かしいキャリアを褒めたたえると、軍隊にいた時はとにかく引っ越しが多くて大変だったと述懐していた。
話しを聴くと冗談ではなく、まさに「京一郎さんとはるみさん」状態で、毎年、あるいは一年おきに勤務地が変わっていたそうだ。アメリカは広いでね~。大変だよ。
ちなみに横田に勤務したことはなかった。
ま、この話し自体が他愛ないな…スミマセン。「米空軍つながり」ということで…。
とにかく祭りは大勢の人が訪れての大盛況!
お!司会はDio Ken!Ronnie仕込のハリのある声で紹介されたのは…
ギター&ボーカル、Shigeo Hendrix。早い話しが中野重夫。
ベース&コーラス、Yoko Lee。
Jimi Bruce Bandは、ジミヘン活動、DYNAGONと並行して現在シゲさんが注力しているトリオ・バンド。
Jimi Bruce Bandではサイケデリックというか、プリミティブなオリジナル曲を演奏し、聴衆を楽しませている。
相変わらず冴えわたる魂のギター・プレイ。
Jimi hendrixから解放された時の、何でもありのシゲさんの豪快さは特筆に値する。
ヘッドは持参のSUPER100JH。愛用のJimi Hendrix Signature。キャビは現地調達の1960Aだ。
突如現れた女流ベース弾き、Yoko Lee。経歴は一切不明。でもナゼか私は彼女を知っている。
アンプがこれまたEDENで素晴らしいサウンド!これエーデンな~。
ほとんどの曲でリーボーカルをとるカナダ出身のZoomy。親しみを感じるのは何となくジュンペイさんに似ているからか?
一体どこから出しているのか、この声がスゴイ。
Bon ScottというかGeddy Leeというか…イヤ、それともAlex Harveyか?まぎれもない強烈なロック・ボイス!
コレは各コンサート会場で販売しているJimi Bruce BandのCD。
オープニングはコレ。中野重夫といえばコレ。イヤ、Jimi Hendrixといえばコレ…「アメリカ国歌」。
一歩基地に入れば、もうここはアメリカ。シゲさん、行ったらんかい!
続いてCDに収録されているJimi Bruce Bandのオリジナル「Take a Ride」。正統的なリフ曲だ。
マァ、シゲさん、弾きまくること、弾きまくること!半分ぐらいは顔で弾いてるけどね。コレでいいのだ!
2曲目にいきなり新曲「Devil/Saint」。
哀愁の「Anybody Out There」。こういうマイナー・チューンの処理が実にウマイ。CDに収録されている曲。
どっかで聴いたことがあると思ったら、ナンジャこりゃ?…「Hey Joe」だ!ものすごいアレンジの加えよう!
コレはシゲさんによるとZoomyの影響で、「コピーをしちゃダメだ」といつも言われるらしい。
歌についても「それじゃジミのコピーだ。自分の歌を歌うんだ」と注意されるとか。それにも増して厳しいのは英語の発音なんだって!
車の中とかで徹底的に訓練を受けさせられているらしい。シゲさんもここへ来て思いがけないところで「ためになる苦労」をしている。
やっぱり、そういう感覚が強いってのは向こうの人独特のモノなんだよね。
何しろ彼らはお手本の人たちと同じモノ食べて同じ言葉を話しているから。
同じ「土俵」とは言わないまでも、我々に比べたらお手本にかなり近い。
一方、我々はどうかというと、国技館の「土俵」までかなり遠い。市川か本八幡ぐらいか?
こっちはコピーしてホンモノに似た時点で満足しちゃうことが多いもんね…つまり、そこがゴール。
ところが連中はコピーがスタート地点のかなり手前にあるからね。コピーだけではまだスタート地点にも立っていないということ。
アマチュアはいいんですよ、こんなこと一切気にしないで。
facebookでよく見かける「高校の時、コピーして文化祭でやりました」…アレでいい。コピーを楽しむことはアマチュアの最大の特権なんだから。
でも、コピーをしたことのないプロというのはマズイ。
かつて渡辺香津美さんがおっしゃっていたが、偉大なプレイヤーをコピーするのは難しいことではないが、それを咀嚼して自分のものにするのは並大抵のことではない」…こんな真の天才ギタリストでもそういう苦労を死ぬほど積んで来ているのだ。
だからこそああしたクリエイティブなギターを弾いてこられたワケだ。
コレはもちろんジャズだけじゃなく、ロックのギタリストも同様。マーブロに出て来るようなベテラン・ギタリストたちのほとんどは信じられないぐらい色んな曲を正確にかつ完璧に弾くことができるよ。
こういう時、プロ・ギタリストを若くして断念した自分を偉大だと思っちゃうね!
それを今の若い人たちってコピーしないでしょ。「耳コピ」というおかしな言葉があること自体がそれを証明しちゃってる。
イヤ、正確に言うとコピーしないんじゃなくて、コピーをすべき対象がないんだろうね。
これじゃ音楽がドンドンやせ細っていくにキマっている。
コピーはジャンプする前に身体をかがめるのと同じだ。身体をかがめないで大きくジャンプできる人はいないでしょう。(マサイ族は例外とする)
たくさんコピーしてしっかりと音楽を把握した後はZoomyの言う通りだ。
さらにCD収録の「Guitar Man」。
モクモクとベースを弾くYokoさん。時折加わるコーラスも完璧だ。
どこへいってもYokoさんが一番人気なんだって!カッコいいからね。
シゲさんのオハコ、歯弾き。こういうのはコピーしてもいいでしょ?
ヤンヤの拍手!
シゲさんのこういう姿を見るといつも3つのことを思い出す。
1. ギターを弾いたままデングリ返しをして前歯を折ってしまい、あんまり痛かったので意味もなく突然ステージで大暴れしてゴマカしてたった1曲でショウを切り上げたこと。(メチャウケだった)
2. ステージに登場した瞬間モニターにつまづいて思いっきり転がってしまっが、それでも弾き続け、その流れでギターをアンプに向って放り投げたこと。
3. 生きている亀の甲羅を使ってスライド・ギターをやったら亀が痛がって怒ったこと。
ホントはまだ色々あるんだけどね…。豪快にして愉快な人だ。
アレ、MarshallがDSLになってる!
ヘヘヘ、途中でちょっとトラブルが発生しましてね、交換したの。犯人はケーブルでアンプは何ともなかった。ま、ヘッドを変えてもシゲさんの音だったけどね。
他にも「Lonesome Cowboy」というCDに収録されていない新曲が披露された。
オリジナル曲がドンドン出来ちゃってるんだって!楽しみジャン?
終演後CDを買ってくれたお客さんに快くサインをするシゲさん。
Jimi Bruce Bandの詳しい情報はコチラ⇒facebook
すごい人!
みんな地べたに座ってめいめいに休んだり、何か食べたりのホンワカムード。
前回はこんなことできなかったからね、暑くて。
それにしても今にも降り出しそう!
ちょっと前回の様子と比べてみようか?…ポケタポケタポケタ…。
前回はこうだもん。2010年の8月28日。暑くて人がまばら!はるか向こうにラクダが歩いている(ウソ)。
また前回の様子を見てみようか?…ポケタポケタポケタ…。
前回はここにMARCYさんとSHARAさんのSMCが登場した。
マジで暑かった。タカシくんがステージ上手でタマらず思いっきり顔の汗をぬぐっているのが見える。
これ、SHARAさんだからニコニコしてるけど、気の短い人だったら大変なことになってるよ。
そこへもってきて、ヨシャいいのに工藤さんがふたりの横で踊ったんだから!
暑かったけど楽しかった。
そして今回。
何の問題もなく格納庫内のステージも大盛況だった。
空挺部隊のデモンストレーション。
Jimi Hendrixは高校を中退した翌年に志願兵として第101空挺部隊に配属されたが、26回目のパラシュート降下で負傷し1962年に除隊したという記録が残っている。
どうするジミヘンが落下傘で降りてきたら!よく見たらシゲさんだったりして…。
屋台ではアメリカ料理が大人気だ。これはハンバーガー屋さん。基地内ではドルが使える。敷地内はアメリカだからね。
「チキンはどうだい?オレが焼いたチキン。どうだ、うまいぞ~」
さて、2つのバンドをはさんでDio kenさんが紹介するのは…
AT's69はその名の通り80年代ロックのカバーを演奏するバンド。
先回も登場していたのでその様子を見てみよう…ポケタポケタポケタ…
ギターはVAN HEYSANの健太郎さんだったんだね。
ヘッドはJMD100だ。コレ探している人が今結構いるんだよ。
ステージ登板前、「声がチョット」なんて言ってたけど、何ら問題ない熱唱ぶり!
AT's69は普段Cinderella、Warrant、Motly Crue、Guns n'Rosesの曲をレパートリーにしている。
この日はCheap TrickとBon Joviに絞ってプレイ。
明るく楽しいロックをカラっとブチかますAT's69のステージは友好祭のシンボルなのだ。
AT's69の詳しい情報はコチラ⇒mixiコミニュティ
<後編>に続く
※本記事の内容は私的に制作したものであり、米国政府の公式な斡旋もしくは推奨とは無関係です。
(一部敬称略 2014年9月6日 横田基地にて撮影)