杉山勝彦校長の「かっちゃん感激‼︎」還暦ライブ!~BAD SCENEを見た!
昨年の4月にMarshall Blogで紹介したBIG ☆X PROJECTの杉山勝彦さんが還暦をお迎えになった。
杉山さんは「高井戸音楽スクール」の校長で、初めのうちは内輪で軽くお祝いをするつもりだったらしいのだが、徐々に話が大きくなって、とうとうライブハウスを借り切って、学校の講師や生徒さんが集まる記念ライブを企画してしまった。
それが今日レポートするイベント。
お祝い事だからね、全然いいんじゃないスか?
もうすぐまた別の還暦ライブのレポートをすることになっているが、それにしてもここのところ「還暦ライブ」の何と多いことよ!
今年あたりご還暦の方々というと1956年のお生まれ。
すると、ロックを聴き出す年頃を早くて15歳ぐらいとすれば、1971~1972年ぐらいか…。
今と違って、昔はロックは大人のモノだったからね…あるいはもう少し遅かったかもしれない。
1971年といえばLed ZeppelinやPink Floydが初来日(双方、翌年も来日)し、翌年にはDeep Purple、Free、EL&P、Jethro Tull、T.Rexといったグループがやって来た時代だ。
杉山さんがそれらのコンサートにいらっしゃったのかどうかはわからないが、いい時代だよな~。うらやましいよな~。
SHOW-YAのsun-goさんとも時々話すんだけど、我々の場合は5年遅かった!
で、何が言いたいのかというと、今年あたりに還暦をお迎えになっている先輩方は、そうしたロックの黄金時代の洗礼を受けたドンズバの世代ということなのね。
一方、一足先に還暦をお迎えになっている岡井大二さんのようなこの前の世代の方々は、GSの時代で、70年代初頭のロックの影響を受けながら、もう自分たちのロックをクリエイトし出していた世代だ。
いずれにしても、この周辺の方々はオリジナルにより近いいい時代のロックの薫陶を受けた方々なのだ。
そういうお方が主宰している音楽学校のイベントなので盛り上がらないワケがない!
冒頭、♪ドンドコドコドン、ドンドコドコドンと熱帯のリズムが勢いよく流れ出す。
腰痛もイッパツでスっ飛びそうなシャープな腰の動きに観客全員が酔いしれた。
杉山先生の愛娘。
フリも完璧!
コレ、カラオケじゃないからね。バンド演奏で完璧で歌いこなしたパフォーマンスは血統のなせるワザか?素人なら、ともすれば大人でも音程が取れなくてメチャクチャになっちゃうからね。
冒頭に触れたBIG☆X PROJECTのシンガー、ボブ・テンバローや…
キッズ・ギタリスト、こうちゃんが登場!
「ギターのサイズと身長が同じだね!」なんて言われながら「Jumpin' Jack Flash」をプレイ。
完全に立派なものです!
…と杉山校長のご還暦を祝ってアット・ホームな雰囲気でイベントは進行した。
他にも講師&生徒さんのパフォーマンスが多数繰り広げられ校長先生の還暦を祝福した。
高井戸ミュージックスクールの情報はコチラ⇒公式ウェブサイト
あまりにも盛りだくさんなプログラムに進行が押してしてしまい、残念ながら他の機会に延期されるコーナーが出てしまったのは、何が何でも予定通り次のグループをステージに上げたかったから。
BAD SCENEの登場だ!
三根生啓
以上の3人がBAD SCENEの元メンバー。
5人いたメンバーのうちの3人が結集したため、プログラムには「BAD SCENE (2/3)」と記された。
2/5の穴を埋めるのはこの2人。
BIG☆X PROJECTのバンド・メイト、米山大輔と…
BAD SCENEのギタリストは2人ともMarshallだった。
杉山さんは当時1987を使っていた。
50Wを選んだのは、大音量に至る前に歪みを得るためだ。
コレは確かではないんだけど、当時、杉山さんはMarshallとストラトキャスターを直でつないでいたような記憶があるんだよね。
デビュー30周年を迎えるDOLLSのギタリスト、大輔さんもいつもMarshall。
コチラはJCM800時代の1959だ。
お~、久しぶりにPB100を見たな…。
…といっても私は知らないのよ。
後期の曲なのかな?
私がBAD SCENEを知ったのは多分1978年もしくは1979年のことだと思うが、あの頃の定番曲といえば、「風に向かってぶっ飛ばせ」、「ペルシャの女」、「ライジング・ドリーム」、「フィーズ(チョット正確さに自信がない)」、「Bird of Fire」等で、そのどれもが日本のハード・ロック史に残るべき名曲だった。
この後に聴いた「ダンシング・ウィザード」も大スキだった。
それと、ベースの飯塚さんが弾くリフで始まる曲(キーはE)もすこぶるカッコよかったがタイトルが思い出せない。
でもそのリフのメロディは覚えていて今でも弾くことができる。あんなリフを作るバンドは他に日本にはいなかったからね。印象的だった。
たとえ知らない曲でもゴキゲンなヘヴィ・チューンはやっぱりBAD SCENE!
続いては「In the City」。
この次に演ったシングル盤「SAHARA」のカップリング曲。
私はシングル盤になる前からこの曲を生で聴いて知っていた。
初めて聴いた時、正直AC/DCの「Let There Be Rock」みたいだな…と思った。
それが一瞬にして吹っ飛んでBAD SCENEの曲になったのは「♪土曜の 夜に 飛び出す車に」の金子さんの歌声だった。
超ノリノリの大輔さん。
それもそのはず、大輔さんはBAD SCENEの大ファンで、杉山さんに憧れてギターを弾き続けて来たのだ。
その憧れの師匠とBIG☆X PROJECTで共演しているだけでなく、とうとうBAD SCENEでギターをプレイしたのだ!
大輔さんとはまだお付き合いが短いが、BAD SCENEの話題でスッカリ仲よくして頂いて、音源の交換をし、「BAD SCENEが再結成すればいいのね~」なんて会話をしていた。
そして、こうした場面がそう簡単には訪れないと思っていた。
ところが!
形はどうあれ実現してしまったのだ!
もちろん大輔さんもこの再結成のこととを私に隠していたワケでは決してなくて、実際かなり急に進行したプロジェクトのようだった。
もし、知っていれば今日の記事のためにネタをキープしておいたんだけど、そんなこと夢にも思わなかったもんだからサ、アチコチで色んなことを書いちゃったよ!
興味のある人はコチラを読んでみて!
↓ ↓ ↓
RHYTHM OF FEAR <前編>~BIG☆X PROJECT
知らなかったんだけど、この曲は水筒のCMソングになっていたんだってね。
そのコマーシャルを見た記憶がまったくないのはどうしたことだろう?
ハンフリー・ボガートじゃないけど「サハラ」だもんね、ノドは乾くわね。水筒屋もイキなことを考えたものだ。
※ハンフリー・ボガートの『サハラ戦車隊』という映画はメッチャおもしろいよ。
ついでにボギー関連では、『黄金』という作品を見るべし。ゴジラより絶対におもしろいと思う。原題は『The Treasure of Shierra Madre』といって、スピルバーグが手本にしている映画のひとつ。
あ、もうひとつ、キャサリン・ヘップバーンとの『アフリカの女王』も素晴らしい。
是非、生きているウチに見て欲しい。
アノね、私がススメる映画にハズレがないのは有名なのよ。全部死んだオヤジの受け売りだけど…。
マス・マーケットを意識した結果なのだろう、メロディはポップだが、そこはBAD SCENE、ハードでワイルドな仕上がりになっている。
パンク/ニューウェイブのムーブメントを経て80年代に入り、MTVなんてのが出てきて、ロックが普及して急速にポップ化し出した時代。
私はこの「ロックのポップ化」がどうにもガマンできなくて、この頃から時のロックを聞かなくなり、ジャズに接近した。
この時、もしロックが歌謡曲に接近しないで歌謡曲がロックに接近していたらどうなっていただろうか?
考えてみると、今がソレなんじゃないかという気がしている。
今の若い子たちが夢中になっているロックね。
今聴いても最高にカッコいい金光さんの声。
なんか独特なんだよね~。
声をやたらと張り上げるでもなく、絞り出すようにして歌う姿が実にクールなのだ。
随所でフィーチュアされる杉山さんのギター。
何も変わっていない!杉並公会堂の時のことを思い出すナァ。
本編最後の曲…え~ッ!
ギタリストが1人増える。
椿本匡賜(つばきもとまさし)。
イヤ、椿本さんにはこのちょうど一月前に初めてお会いしたばっかりだったのよ!「アレ?」なんてお互いにビックリ。
Marshall Blogでレポートしている通り、椿本さんは矢沢永吉さんのZ'sのギタリストだ。
この通り、Marshallを愛用して頂いている。
モデルはJVM410HJS。ジョー・サトリアーニのシグネチャー・モデルね。
私がよく観に行っていた頃、BAD SCENEはこの曲をよくオープニングに使っていた。
「♪ズンズダズダ、ズンズダズダ」と「Whipping Post」あるいは「一触即発」風のリズムに乗ったリフ。
9thコードがクロマチックで上がったり下がったりする展開がスリリングだ。
初めて聴いた時、本当にマジで、「こんなカッコいい曲が演奏できる日本のバンドがいたのかッ!」と驚いたものだ。
当時は杉山さんの相方の鴫村さんというギタリストもMarshallだった。
しかしなんだね、こういう音楽はMarshallがあっての話しだね。Marshallのギター・サウンドがあるからこそ作られたロックなんだとつくづく思った。
それはナゼかというと、歪みや弾き心地等のテクニカルな要因だけではなくて、「空気」のようなものがそう感じさせているのではなかろうか。
「Marshall」という8つのアルファベットに詰め込まれた「ロックの空気」っていうのかな。
歴史と業績の重みだけが作りだすことのできる空気だ。
変わることのないへヴィなBAD SCENEのサウンドがそれを再認識させてくれたような気がした。
アンコールでは当日出演したギタリストが集合してBAD SCENEに加わり、「Stoned Night」を演奏した。
加わってフォア・ブラザーズ!
「Four Brothers」はWoody Herman Second Herdの代表曲。
Zoot Sims、Serge Chaloff、Herbie Steward、Stan Getzの人気のサックス・セクションをフィーチュアして1947年に大ヒットした。The Manhattan Trasferのオハコとして知っている人も多いかもね。
ちなみにナゼか知らないけど、Woody Hermanは70年代に入ってFrank Zappaの「America Drinks & Goes Home」をカバーしている…あ、この話し、お呼びでないッスね!
何しろゴキゲンな展開!
これぞGood Scene!
この日、杉山さんから「BAD SCENEの再結成」が発表された。
実現を望んでやまない。
杉山さん、還暦おめでとうございます!
益々のご活躍をお祈り申し上げております!