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2018年2月

2018年2月28日 (水)

MAYO FEST 2017 -The Final- <DAY2>

 
尻の痛さもそのままに『Mayo Fest 2017 -The Final-』の第2日目に突撃~!
「Sold Out」だって!
スゴイなMayoおじさん!

10_2今日もアクロバチックな祝い花が届いてる!
ちなみにCRESCENDOの並びの自然食品のお店ね、スゴイよ。
置いてあるのはすべてアミノ酸(MSG)抜きの商品だからね。
まるで海外のスーパー・マーケットみたい。
「摂りすぎるとアタマがおかしくなっちゃう」という理由で欧米ではアミノ酸(MSG)の使用が厳しく禁止されているんですよ。
日本に来たドイツ人もイギリス人もビックリしてた。
MSGというのは「うま味調味料」のことね。
発明したのは日本人。
先進国では政府が使用を禁止しているのが普通で、市販している食べ物にアミノ酸をガンガン入れているのは日本だけだ…ということを若い人にも伝えておこう。

20vさて、Mayo Fest、主役のMayoちゃんのお供を務めているのはNATALのドラム・キット。

40v今日も<DAY1>と同じバーチのキットで暴れて頂く。

50そして、今日も出演バンドの各ドラマーさんがどんな音を出してくれるのか楽しみ!

60_2今日のオープナーは、まるで昨日の続きのような、「M.A.D.A.Z.E.L.」と銘打ったAZAZELにM.D.M.Sのメンバーがジョインしたチーム。

70_2MIYABI

70vMAMIYA

80v空也

90vyuri

100vMamiyaちゃん以外のM.D.M.SからはDaibon。

110v_2そしてShin。

1_img_0020 ドラムスはもちろんMayoちゃん。

120v_2オープニングはガガさまの「Born This Way」。
何かピッタリやね。

130あ、客席で発見!
ちゃんと応援してる…いい人だ~。

140v_2昨日の疲れなどまったく見せずに力いっぱいNATALを叩きまくるMayoちゃん。

150v他にLinkin ParkやLimp Bizkit、Bon Jovi等の曲をプレイして出番を終えた。
今日もノリノリの『Mayo Fest』!

160_2「結構ベテランですけど2番目というラインナップです!」と登場したのはHERNIA 44。

170_2THUNDER

180_2SUGAR

190vCROCO

200_3そして昨日からやってる「おっとビックリ in Mayo Fest」の第2弾はドラムスのTAKAYUKI!
ARESZで何度もMarshall Blogに登場してもらってるけんね。

210v_2「ヘルニア」か…。
私はね、重度の椎間板ヘルニアをやっちゃったんですよ…アレはね、今まで私が生きて来た中で一番痛い病気というか、怪我というか…罹患中は思い出しだくもない地獄の日々だったよ。
1ヶ月寝たきりだった。
でもこのヘルニアは愉快痛快!
  
ちなみに「椎間板ヘルニア」を医学用の正式な英語で言うと「lumber vertebrae herniated disk(ランバー・ヴァーティブレ・ヘルニエイテッド・ディスク)」という。
入院中、担当の先生に教わったけど、とうとう覚えられなかった。
「lumber vertebrae」で「腰椎」、「heria」とは何かが飛び出した状態を指す。
そして「disc」は「椎間板」のこと。

220おかしいことを真剣にやることのおかしさ…コレですよ。
私はこういうの大スキなの。

240タイトでハードなアンサンブルがまた小気味よい!

250v_2このキャノン・タムの音がまたとても新鮮なんですわ。
こんなの他で聴いたことない。

260_2TAKAYUKIさんのドラムともガッチリ組み合って分厚いリズムをコーディネイトしていた。

270_2「全部右!」

275「汚くしてるとキラわれちゃうぞ~」なんてのもとてもヨカッタ。

280もっと聴きたい感じだったけど、5曲アッという間に終わっちゃった!
しかし、THUNDERさん、スゲエでかいな~!

300_2HERNIA 44の詳しい情報はコチラ⇒HERNIA 44 Official Web Site

230ものスゴいホーム感!
初めて訪れた国で町内の知り合いにバッタリ出くわしたような感覚か?
JEKYLL★RONOVEだ!

310Jekyll

320v_2N★OTO

330SEI

340キャプテン★いえっち

350_2オープニングはアルバム『E=mc2』から「Guilt or Innocence」 。

360 N★OTOくんはシッカリ自前のMarshallを持ち込んでJEKYLL★RONOVEのギター・サウンドを聴かせてくれた。

380_2別の時に撮った写真だけど、コレが愛用のSilver Jubilee 2555Xと1960BV。

290続いて「人間」。

400_211月にMarshall Blogでレポートしたテレビ・ドラマの挿入歌「Always~The answer is blowin' in the wind~」も大好評!

370_2「次の曲でMayoに泣いてもらいましょう。
最近殺人や自殺みたいなニュースばかりで、何かできることがないかな…と思って考えると、無力で何も考えられないのが悔しいです。
神様がそばにいて、救って欲しい…そんな気持ちを歌にしました」

410曲は「Stay with Me」。
しかし、このバンドは「Always」の副題にしてもそうなんだけど、古いロックのタイトルを転用するのが得意なのね。
メンバーに誰か古い人がいるのかな?
1971年のFacesの大ヒット曲にこの「Stay with Me」というのがあった。
Rod StewardがRon Woodのギター・ソロの前で「ギッタ~」と言うのが有名。
アチラの能天気なロッド節と異なり、こちらはシットリとしたJEKYLL節を聴かせてくれた。

2_img_0317 愛器Les Paulから7弦ギターに持ち替えたN★OTOくん。

420曲はジキロノの代表曲、「Helter Skelter」。
ね、この曲のタイトルもそう。

430やっぱこういうピュアなハード・ロックはいいね。
NATALがこれまたピッタリとハマるというもんですよ。

440…と思ったらアラララララララ?
曲が「Mayoがおばさんになっても」になっちゃった。
カッコいい!
実際、曲が移るパートのアレンジが秀逸だったのよ!

1_img_0148 「♪Mayoがオバさんにな~っても~」

390客席で聴いていたMayoちゃんおおよろこび!

405そして、元に戻ってクールにキメて出番を終わらせましたとさ!
  

JEKYLL★RONOVEの詳しい情報はコチラ⇒official site

450_2続いてはVagu*Project。

460YuI

470Crazy-Boy-Ryo

480_2オッ、カンちゃんココでも出てる!
サポートで参加。

485実はVaguさんは大分前に一度Marshall Blogにご登場頂いたことがあるんだよね。
アレはハロウィンの時で、モノスゴいゴージャスな仮装が素晴らしかった。

490_2今回はノーマルな衣装でガッツリとハードでワイルドなパフォーマンを見せてくれた。
そして、やっぱりMarshallサウンドが気持ちいい。

500_2ファンの皆さんも大喜びでしたな。
カンちゃんのポジションが完全に死角で写真が撮れませなんだ、ゴメン。

510Vagu*Projectの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

520この後、REASTERISKが登場したのだが、ゴメンナサイ。
ジイさん、残念ながら体力の限界で一時退場させて頂きました。
  
で、『Mayo Fest 2017<DAY2>』のトリ!
M.D.M.Sの登場だ。

530前日からずいぶん何回も出て来たような感じがするが、Mamiyaちゃんがココが本籍。

540Shin

550_2Daibon

560_2そして、Mayoちゃん。
いよいよ最後だよ~。

570_2ココもスゴイのね~。
「ワル」とはまたチョット違う感じで、言っちゃ悪いけど「下品」を正当化しているっていうのかな?
こういうのはある意味、ロックの芯を喰っていると思うよ。
ナニかの覚悟をキメたかのようなバンド・サウンド。
あ、Mamiyaちゃんの手の先はチョット、ウチのイメージにそぐわないのでモザイクをかけさせてもらいました。
Marshal Blogはイギリスの連中が見てるからサ。
見えなくてもこうしておけばナニをやっているか彼らにはすぐにわかるでしょ。

580_2Mayoちゃんのドラミングはそんなバンド・サウンドの要だわね。
ホント、シンプルでシャープでカッコいいわ。

590今度はAZAZELのメンバーが飛び入りだ~!

5952日間の最後を飾るにふさわしい盛り上がりだ!

600前日寝ていないとか言ってたけど、まだ20ステージぐらい叩けるんじゃん?

610_2一糸乱れぬ演奏がM.D.M.Sの底知れぬワイルド感を誘発する!

620_2Mamiyaちゃんのエンターティナーがスゴイから!
よかったら吉村昭の『間宮林蔵(講談社文庫刊)』読んでみてください。

625Mayoちゃんも汗みどろの大熱演!

630_2終わった~!
  
M.D.M.Sの詳しい情報はコチラ⇒M.D.M.S official web

640アンコールはクリスマス一色!650THUNDERさんの頭についているヤツ、蛾かと思ったらトナカイでした!
失礼しました!

660JEKYLLちゃんは赤い帽子がよく似合うな~。
曲は「きよしこの夜」かな?

670カンちゃんがドラムスを叩いてみんなで演奏したのは…

675「ジングル・ベル」…そのままかい!
リコーダーなんかを持ち寄って楽しかったね。
風船は昨日使ったヤツの残り。

680_2最後にMayoちゃんからひと言お礼のご挨拶。
「ありがとうございました!」

690_2この2日間、初めてのバンドをたくさん拝見させて頂いた。
どのチームもと~てもヨカッタ。
でも思った。
今、日本のロック界も社会の動静に引きずられているのか、ものスゴイ格差社会になっているような気がするんだよね。
ホ~ンのひと握りのバンドやミュージシャンに人気と富が集中してしまって、その他の連中はどんなにあがいても、もがいても陽の目を見ることができない。
もちろんロック・ミュージシャンなんてのは水商売の極致だからして、当たるも当たらないも才能と運次第なのは昔から変わっていないことはよくわかっている。
それでももう少し何とかならないもんかね~。
ロックの歴史もだいぶ長くなってきて、演る方も、聴く方も年齢の幅が広がった。
私が若い頃は30歳を越してライブハウスに出ているミュージシャンなんてのはほとんど常識外だった。
みんな20代のウチに見切りをつけて堅気の世界に戻って行ったからね。
でも今はそうじゃない。
30歳代のミュージシャンは若手で、還暦を過ぎたミュージシャンなんてもう全く珍しくなくなった。私を含めて高齢の方がライブハウスに行くのは当たり前になった。
ところが、お客さんの年齢が出し物によってあまりにもハッキリと別れてしまっているのはどうにもウマくない。
アリーナに集まるようなお客さんは完全に中学生か高校生だけだし、若いガール・バンドはほとんどがオジサンのお客さんだ。
コレがもう少しクロスオーバーできないもんかと思うワケ。
昔は外タレのコンサートで武道館に集まったお客さんの年齢層はもっとバラエティに富んでいたような気がするのね。
マァ、考えてみると我々の世代、年配の方々は演歌を聴くのが普通で、その演歌が今ではロックに取って代わったというだけのことなんだけどね。
ただ「順番」が変わっただけで実は何も変わっていないこともわかってる。
でも、ロックと演歌は別なものだし、今回2日間レポートした比較的トラディショナルでヘヴィなロックと今の若い人たちのロックは少なくと「地続き」なハズなのよ。
だからもっともっと老若男女が交錯して色んなロックを聴くようになってもいいのにな~…2日間、脚立の上で尻の痛みに耐えながらステージを観ていてそんなことをしきりに考えてしまった。
そういう意味では、私にとって、Mayo Festは社会派のライブだったと感じたよ。
Mayoちゃん、これからもガンバレ!

700_2ところで、今回副題に「-The Final-」と付けたのはもうMayo Festやらないからなのかしらん?
それじゃダメじゃん?
またやりなさい!
…ということで、その時まで昨日出来上がったという『Mayo Fest 2017 -The Final-』のダイジェスト・ムービーをご覧になって待っててチョーダイ!

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

 

200_4(一部敬称略 2017年12月23日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2018年2月27日 (火)

MAYO FEST 2017 -The Final- <DAY1>


『Mayo Fest 2017 -The Final-』というイベントにお邪魔して来たのはクリスマスの頃だからもう2ヶ月前のこと。
いまだに関係者がSNS上で喧伝しているほど強力なイベントだった。

10贈られた祝い花に「Mayoおじさん」とあるが「Mayo」とは川崎麻世のことでも、マヨネーズのことでもない。
私はマヨネーズが苦手だ。

20「Mayo」はM.D.M.S、AZAZELの女性ドラマー、Mayoちゃんのこと。
そう、こんなルックスをしている…

30…ワケはない。
「シゲさん、日本で1番音がデカいガール・ドラマーです。NATALにピッタリだと思いますよ!」と
ほぼ1年前に、近くNAKED MACHINEを離れる石川達也くんに紹介してもらった。
「ウィッス!」と言ってその場にあった達也くんのNATALをMayoちゃんが叩くと…なるほどパワフル!
Mayoちゃんも「何スか、コレッ?!」と、とてもNATALをお気に召して頂いたようで、ステージで使える機会をお互いに窺っていた。
そして、その日がやって来たというワケ。
それがMayoちゃんの誕生日をコッテリと祝うイベント、『Mayo Fest 2017 -The Final-』。
Mayoちゃん、Marshall Blog初登場!

50v当日使用したNATAL。
バーチの12"、13"、16"、22"のキット。
70マッチドのスネア・ドラムも大層お気に召して頂いた。

60会場の物販コーナーには「しめ縄」?
安全祈願か?
まさか、物騒なライブなんじゃないだろうな?
でも、コレ、向きが左右逆です。
上下もさかさま。
今、右に来ているピロピロしている部分が左にきて、上を向いているのが正しい取り付け方。

80まずステージに上がったのはAKKO MACHINE。

90M.D.M.SのMamiya

110vギターのJK AKKO。
DAY2に登場したREASTERISK Gt.atsusixの双子の妹。

120vベースのY.O.U.子 はこの後にステージに上がったe:choのベースのY.O.U.の双子の姉だそうです。

130vそして、この日の主役Mayoちゃんがドラムスをプレイ。

140vノッケからゴリンゴリンのヘヴィなサウンドが容赦なく身体にのしかかって来るゼ!

150今回初めてお会いした「MAMIYA」ちゃん。
「まみや」って言うから私はテッキリ「間宮」かと思って…だって、そんなにない名字じゃん?
アタマの中で完全に「間宮林蔵」の子孫かなんかと思い込んじゃってサ、すっかり興奮して「間宮海峡」の話をしてしまったよ。
「中国大陸と樺太が陸続きか否か?」という当時の「世界の七不思議」のひとつを現地に赴いて解明したのが間宮林蔵。
それほどの偉業を成し遂げておきながら、いまだにその生涯にはナゾの部分が多いらしい。
ところがMamiyaちゃんときたら…「イヤ、『間宮』じゃないんスよ」と言われてガックシ。
しかし、この人のキャラクターには間宮林蔵もビックリすることだろう。

160MAMIYAちゃんにMCでイジられるMayoちゃん。
表情がわかりやすいのはとても良いことだ。

155vダイナミック極まりないドラミングは、なるほど達也くんが推薦した通り!
コレぞ女の中の男!
メッチャかっこいいわ!

170AKKO MACHINEはShinedownやレッチリ、Avril Lavigneなどのナンバーを艶やかにプレイしてステージを降りた。
しかし、AKKO MACHINEなんていい名前だな。

180…ということでMayo Festはじまりはじまり~!
Mayo Festは昨年に引き続いての開催となるが、今年は色々な事情と勢いが重なり、期せずして2日間の開催となったそうだ。
2日とも満員だったよ。
人気あるナァ~、Mayoちゃん。

190さて、続いて登場したのは愛沢絢夏。

200愛沢絢夏

210vバックを務めるのは…
Zakk

220v煉(れん)

230vmiyou

240vMAR

250vハチ切れんばかりのイキのいいボーカルズ!
だれでも身体を動かしたくなってしまうような躍動感が素晴らしい!

260おっとビックリ!
実は、この方はかなり前からの知り合いでしてね。
この日バッタリ会ってビックリした。
百戦錬磨のプレイヤーだけあって、影に日向にしなやかなギター・プレイを聴かせてくれた。

270煉ちゃんはつい先日別の現場でバッタリ!
この日は夢中になってソロを弾く姿が印象的だった。

280v曲のクォリティも申し分ないし、カッチリしたサウンドがメッチャ気持ちヨカッタ~!
 
愛沢絢夏の詳しい情報はコチラ⇒公式ホームページ

290お次はVELVET CHERRY。

300Akane

310vShinichi

320vHayato330v「おっとビックリ in Mayo Fest」第2弾はドラムスのカンちゃん!

340vアタシャこのバンドには驚いたよ。
大ゲサに言えば、「我が耳を疑う」てぇヤツだ。

350何せ「ロックンロール・サウンド」がテンコ盛りなのだ!
「ロックンロール」と言ってもFats DominoやらBuddy HollyとかChuck Berryとかのサウンドとかいう意味ではないよ。
もっともっとソフィスティケイトされたサウンドの中にそうしたエキスがハッキリ見て取れるということ。

360v「♪チャララ、チャラら」とやるギター・ソロなんかもかなりクラシックなスタイルだし、何ともいいですよ。
いつもMarshall Blogに書いているような、トラディショナルを若い感性で煮込んだ感じ。

380そんなサウンドにもNATALはベスト・マッチ。
カンちゃんはもう何度も使ってもらってるからね…NATALのツボを心得でますな。
あ~、ソコソコ…気持ちいい!

370VELVET★CHERRYの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャルホームページ

390v今回は背の高い脚立の上に座布団を敷いて、その上に乗って写真を撮ってる。
つまり丸っきり移動不可。
段々尻が痛くなって来た。
いつか新宿のライブハウスで初めてこの作戦を導入した時、座布団なしで脚立に上がったんよ。
そしたらどうなったか…ケツ死んだわ。
尻の骨が削れたのかと思うぐらい痛かった。
そんな経験をふまえて今日は座布団を2枚重ねてみたんだけど、それでも痛い!
 
まだまだ出て来るMayoちゃんの誕生日を祝うバンドさん。
お次はe:cho。

400Haruka

410v884

420vY.O.U.

430vYAGGY

440vここのチームもパワーのカタマリのようなHarukaちゃんのボーカルズを中心にしたダイナミックなサウンドが身上だ。

450884は「ハバシ」と読む…違う!
「バヤシ」と読むそうだ。本名は「林」さんかな?
それをMayoちゃんが間違えて「ハバシ」って言っちゃった。
「ハバシ」ってナ二よ?
ま、我々世代で「バヤシ」と言えば1000%「四人囃子」を指すがね。
お立ち台に上がって若さあふれるプレイを聴かせてくれた。

460vベースのY.O.U.くんは冒頭に登場したAKKO MACHINEのベースのY.O.U.子ちゃんの双子の弟。
やっぱりよく似てるね!
フレットレス・ベースを使った縦横無尽なベース・プレイがスゴかった!

470vますます調子を上げるNATAL。
e:choサウンドをギンギンに演出していた。

480e:choの詳しい情報はコチラ⇒e:cho official web site

490あ、初めに書くの忘れた。
この日、撮影場所からは死角になってしまって全然写真には写ってこないけど、NATALだけでなくMarshallも大活躍してますからね~!
やっぱりこういうヘヴィなサウンドにはMarshallはどうしたって不可欠だし、どんなタイプのロックでもMarshallが出すの歪みのサウンドっていうのは美しい。
それにしても尻イテ~!…なんて言っていても、アッという間にトリの登場だよ。
  
『Mayo Fest 2017 -The Final-』<DAY1>の本編最後を飾るのはAZAZEL!

500MIYABI

510v空也

520vyuri

530vで、ドラムはMayo。

540vスタンダールを思い出させる色合い。
こんなヒラヒラしたルックスだけど、AZAZELもマァ~、その音の強烈なこと!

550やっぱカッコいいね、この人。
シンプルでストレートで…ドライブ感がタマらんわ!
叩いている姿も魅力的だわ~。

560ステージ上手でモクモクとギターを弾く空也ちゃんはMarshallをいつも愛用してくれている。

570さすがトリだけあってお客さんの「待ってました感」も強く、爆発的な盛り上がりが圧巻!

580とりわけガーリーなルックスのMIYABIちゃんも猛烈なエネルギーでお客さんをアオりまくっていた。

590vMayoちゃんもドラム席からひと言ご挨拶。
「何だか知らないけど、〇〇のせいで2DAYSになってしまった!」みたいなことを言ってたのかな?

600vそこへRinzo登場!
あ、違う、Mamiyaちゃんが登場して1曲。

610他に類を見ない独特のキャラクターで雰囲気をガラリと変えちゃうところがスゴイ。

620チュッ!

630こうして『Mayo Fest 2017』の第1日目のトリ、AZAZELのステージは熱狂のウチに幕を降ろした。
AZAZELは来る7月7日、同じ場所でのワンマン・コンサートが決定している。

610v

650v

660v

370vMayoちゃんの誕生日は翌日の12月23日なんだけど、アンコールにはお定まりのバースデイケーキが入場!
カンちゃんはこの日がドンズバでお誕生日なので一緒にお祝い。

Img_0158 そして、<DAY1>の出演者たちを迎えて1曲。

680ナゼか曲はBlack Sabbathの「Paranoid」!

690本日の主役、Mayoちゃんからお礼のひと言。

700そして、Mayoおじさんに変身。

710お誕生日おめでと~!

720「明日も来てくれるかな~?」

730<DAY2>に続く。

740v 

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。
ドラマーの皆さん「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト
★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。

  

200_2(一部敬称略 2017年12月22日 吉祥寺CRESCENDOにて撮影)

2018年2月26日 (月)

THE ELECT HORROR PICTURE SHOWの犬神サアカス團~私のディープ浅草<その5>

    
久しぶりにキネマ倶楽部から…。

10なかなかに濃い~バンドがたくさん出演した11月初旬に開催された『THE ELECT HORROR PICTURE SHOW』というイベントに出演したのは…

20犬神サアカス團だ!

40犬神凶子

50v犬神情次2号

60v犬神ジン

70v犬神明

80vオープニングはもうスッカリおなじみの「暗黒礼賛ロックンロール」。

90飾り気のないソリッドな70年代ハードロックの和風テイスト。
やっぱいいね~。

100そういうロックには必ずMarshall。
こないだからやたらと「イメージ・チェンジ」なんて騒いでいるけど、Marshallは伝統のロックを切り捨てるようなことは一切しないからね。
だって、それらはMarshallがなければできなかった音楽だから。

110ジョニちゃんは愛用のJCM800 2203。
ロックの歴史を作ったMarshallの名器のうちのひとつだ。

115vキョンちゃんのMC。
「キネマ倶楽部で演るのは初めてです」
アレ?そうだっけ?
「楽屋のケータリングのカルパス…初めて食べました。すっごく美味しくて3個食べました!
おいしい!みんなも食べた方がいいよ!
それと、いいこと教えてあげようか?
10月25日に新しいアルバムを発表しました!」
130v_m_2「10月25日」というのは、このイベントの10日ほど前のことだったのですわ。
ということで『新宿ゴーゴー』の中から…

120cd_2タイトルチューンの「新宿ゴーゴー」。
コレがまたいい。

140_sggタイトなエイト・ビート。

150ストレートなこのバンドのリズム隊の独壇場だ!

160v続いてもニュー・アルバムから「昔みたいに」。
曲の形式はマイナー・ブルース。
そのサウンドは「ハード・ゴーゴー」とでも例えようか?

170v_mm炸裂するギター・ソロ!
180ジン兄さんのベースのピックアップに続いて…

R_0r4a4579_2 「アンタのロックはプライドとともに地に落ちた…」
凶子姉さんのモノローグが乗って来る。
ジョニちゃんのE7+9のアルペジオが実に効果的だ。
すなわち犬神度満点!

R_0r4a4502凶子さんが部長を務めるという「露出クラブ」の話があってあと2曲。
まずは「花嫁」。

190_hyこの曲はよくかかるね~。
実際いい曲だもんね。
中間の凶子さんのセリフのパートに展開するくだりはいつ聴いてもカッコいい!
一番最初にこの曲を聴いた時「骨壺」っていうタイトルかと勝手に思っていた。

200出番の最後を飾ったのは「命みぢかし恋せよ人類!」。
突っ走る4人!

210

220v

230v

240v誰か絶対にコレをやると思っていた。
「誰か」って絶対ジンちゃんだと思ってた。

250v明兄さんのスティック・ベロンチョもカッチリとキマって出番は終了。
ドッシリと安定したパフォーマンスはサスガ!
やっぱりもうチョット観たいよね…ということで、次回は『新宿ゴーゴー』のレコ発ワンマンになるよ。
お楽しみに!
その前に…次のコーナーよろしく!
  
犬神サアカス團の詳しい情報はコチラ⇒公式家頁

260v 
(一部敬称略 2017年11月日 東京キネマ倶楽部にて撮影)

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犬神さんには申し訳なかったのだが、こっちのパートの筆が進まず、レポートのアップが大分遅くなってしまった。
というのは、この吉原関係のことを書くにあたって、何冊もの関連する書籍に目を通したのだが、どうもそれぞれ言っていることがホンの少しずつ違っていて、それを体よくまとめるのがチト面倒くさくなっちゃったのね。
ようやくメインのパートに差し掛かって来たというのにね…。
でも、そもそも今の吉原の前身である「元吉原」があった人形町の場所もおぼつかないぐらいなのだから。
ナンだってそんなことになってしまっているのかというと、度重なる火事や地震、そして空襲などで資料のほとんどを焼失してしまったことが大きな原因のようだ。
  
いきなり脱線するが、ウチは初代まで家系をさかのぼることができたのね。
ひとつは家柄がいいということ…ま、コレはもちろん冗談だけど、それでもウチは「源ー新田ー里見」の血脈で、その里見家の分家として当家初代の「牛澤次郎重基」という人物が新田次郎の『新田義貞』に登場している。
このヘンテコな名前も調べをつけやすい大きな理由で、佐藤、鈴木、田中だったらどうにもならなかったハズ。
さらに副脱線。
今でも「家系図作ります」なんて商売があるでしょ?
古くは江戸時代、番傘の紙を貼る内職と同じように食うに困った貧乏武士が、町人からお金を取ってその家の家系図を作成していたそうだ。
しかし、名字もないような町人の血筋など調べる術がないため、どこかの両家の家系図を引っ張って来て、適当にその依頼人の家にちなんだ名前に書き換えて作成していた。
ようするに根も葉もないインチキ家系図だよね。
ところが、そこは腐っても武士。
そうした歴史を改ざんするようなイカサマをするのはさすがに心が痛んだ。
そこで、後でコレが贋作であることがひと目でわかるように、作るニセの家系図の中にある印を忍び込ませたのだそうだ。
私はそれがどんなモノかは知らないが、その印は今でも効力を発揮していて、骨董品鑑定士の仕事を確かなモノにしているんだって。
  
話を戻して、家系がたどりやすかった今ひとつの理由…。
当家の元々の出身が群馬や長野の田舎だったということ。
どういうことかと言うと、地震や戦争による火災から免れたため、過去帳が残っていたのだ。
家系を調べているウチに耳にしたところでは、東京に累々と戸籍を残しているような家は、やはり関東大震災と東京大空襲ですべての記録が灰燼と化してしまったそうだ。
ちなみに家系をオリジナルまで調べることができたのは、私ではなく、家内の偉業なんだけどね。
こんな一市井でも、昔のことを知らべると、自分の家のことだけでなく、当時の文化のようなモノが生々しく伝わってきて実に面白い。
家内に大感謝なのだ。
コレだもん、オノヨーコさんのような財閥や政治家を何人も輩出している家系なんかは調べていて相当スリリングだと思うね。
  
それで、吉原に関しては、特に関東大震災の時のダメージが相当ヒドかったらしい。
実際にこの震災では多くの遊女が亡くなる大悲劇が起こっている。
このことは大分後に出すつもり。
結果、残された文物が少なく、確固たるよりどころがないため、本によって記述されている内容に微妙な差異が生じてくるのではないか…と思った次第。
もうひとつ苦しんことがあった。
それは、あまりにも色々な情報を一度に蓄えたため、どこからどうやって書き進めようかと途方に暮れてしまっていたのだ。
でも、このままでは終われないし、私は学者でもないので、ナントいうか…吉原を通じてこの「江戸文化のイキ」みたいなものが伝わればいいな…と考え直し、思いつくことをランダムに書き連ねて筆を進めることにした。
それと、本だけでなく落語からも多くの情報をシェアしてもらった。落語に出て来る話はいい加減な部分もあろうが、江戸の文化を伝える口伝えの貴重な資料なのだ。
コレを機に落語に興味を持つ人が増えてくれるとうれしく思う。
それではイザ『私のディープ浅草』の第5回目のはじまり~。
  
さて、徒歩やら、舟やらでいよいよ吉原に近づいて来た。
今、歩いているのは日本堤。
背中は馬道、前方は南千住だ。
江戸時代、この道の部分は堤防で高くなっていた。

1_0r4a4811こんな感じ。
当時は大川(現隅田川)がこの辺りでやたらと氾濫したため、堤防を2本作った。
つまり「2本の堤」ということ。
そのうち片方なくなり、残った方をいつの間にやら「日本堤」と呼ぶようになったそう。
何でも日本中から人夫を集めて猛烈な突貫工事でアッと作り上げたことから「日本堤」と呼ばれるという説もあるようだが、「2本堤」の方がおもしろいね。
しかし、夜だてぇのににぎやかですナァ。
元吉原の頃は昼間だけの営業だったが、幕府から移転の命令が出された時、カウンターオファーとして新吉原では夜間営業の許可を取り付けた。
コレによって、昼間に時間を持て余している侍やエライ人たちだけでなく、一般の町民も吉原に行けるようになり、ますますにぎやかになった。

1_nd3もう何度も出て来ている「吉原大門」の交差点。
「おおもん」と読む。
コレは勝手にこの交差点にそういう名前を付けているだけで、実際の「大門」はもっと中にあった。
以前にも書いたが、このエリアの正式な住所は「台東区千束」で、現在「吉原」の名前が正式に採用されている公的な施設は「吉原神社」、「浅草警察署吉原新吉原交番」、「吉原公園」、この「吉原大門交差点」等、ほんのわずかになってしまったそうだ。20_2日本堤から吉原方面を眺める。
このガソリン・スタンド、私が知る限り、この辺りでは一番安い。
右の「武蔵」は手打ちラーメンがウリの店。
一度食べたことがあって、おいしかったけど今は営業してるのかな?
ガソリンスタンドの「セルフ」の看板に向かって左に柳の木が見えるでしょう?30_2コレが有名な「見返り柳」。
もちろんオリジナルではなくて6代目とか言ってたかな?
吉原で遊んで、「あ~楽しかった~。また来たいな~」と登楼したお客さんたちがココで振り返って名残を惜しんだ。
「また来るぞ、仕事ガンバルぞ!」と生活に張りが出るなら吉原も有益だが、反対に遊女とねんごろとなってしまい、吉原に通う金欲しさに辻斬りで130人も殺した「平井権八」というヒデエ野郎もいた。
「お若えの、お待ちなせえやし」なんて芝居のセリフ聞いたことあるでしょ?
コレは『浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなずま)』という歌舞伎の中に出て来るセリフで、有名な侠客(きょうかく)、幡随院長兵衛が権八に話しかけるシーン。
その後、権八が長兵衛の居候になることから、昔は「居候」のことを「権八さん」などと呼んだそうだ。私は聞いたことがない。
それほど人気のある歌舞伎の演目だったということだ。
幡随院長兵衛の墓所は何回か前に紹介した
しかし、「見返り柳」なんてシャレたこと言うよな~。
 
もう少し「見返り柳」の話。
実は、ココに柳が植わっているのにはとてつもない長い歴史が絡んでいるのだそうだ。
コレはね、私が読んだ吉原の専門書にはどこにも書いていなかった。
「じゃ、どこで知ったんだ?」という話になるけど、それは秘密。
その話とは…そもそも、吉原というのは中国の長安の「平康里(ぴんかんりー)」という遊郭をマネして作られたモノで、唐や宋の時代の遊郭は柳の木に囲まれていたらしい。
あ~、だからココにも柳が植わってるのね?…と思い込むのはチト早い。
それで、柳の木に囲まれていたので中国では遊郭のことを別名で「柳巷(りゅうこう)」と呼んだ。
そして、そこには花が植わっていたことから「花柳巷(かりゅうこう)」と言われるようになった(中国で花といえば「牡丹」を指すらしい)。
ココから日本の「花街」とか「花柳界」という言葉が生まれたんだって。
一方、日本で最初の遊郭は京都の柳馬場(やなぎのばんば)で、作られた時には周辺が応仁の乱の時に焼けただれたままのノッパラだったので、平康里のマネをして遊郭を柳の木で囲むことができた。
ところがそのわずか13年後の慶長7年(1602年)、柳馬場の遊郭も移転を命じられ、六条三筋町へ場所を移す。
ところが移転先にはもう住居が立ち並んでいて遊郭を柳の木で囲うことができなかった。
そこで仕方がないので、柳馬場に生えていた柳の木を1本だけ新しい遊郭の出入り口に植えて昔を偲ぶためのアイコンとした。
それを「出口の柳」と呼び、別名「見返り柳」とされたんだな。
さらにその柳の木を植える風習は島原から元吉原へ伝えられ、ココ新吉原にも柳が植えられたというワケ。
だから、いくら6代目とはいえ、この柳は430年にわたる伝統を持っているのだ。
そうは見えんな~。
この季節、すべての葉が落ちてスッカスカになってるよ。

40vこの見返り柳、江戸の当時は日本堤から降りて来る坂の途中にあった。
この坂を「衣紋坂(えもんざか)」といって、吉原に入る前、坂を下っている時に身なりを整えたことよりその名前が付いたのだそうだ。
吉原で楽しむ前にエリをただしたというワケね。
まるで道場に入るみたいだ。
下の絵を見ると確かにカゴがたくさん行き来いるね。
歩いている人はみんな「ほっかむり」をしている。

1_2emz上の写真のガソリン・スタンドのすぐ裏には最近こんなものができた。

50「くわまんカレー」というラッツ&スターの桑野信義のカレー屋さん。

60甘いんだか、辛いんだかわからない系の味で、とてもおいしい。

70ココから先が新吉原。
大門はまだもう少し中に入ったところにあった。
下の写真のあたりを「五十間道(ごじっけんみち)」と言って、「編笠茶屋」が並んでいた。
「編笠茶屋」というのはその名の通り、編笠を売る店。
身分の高い人たち、あるいは吉原に来ていることがバレてはマズイような人たちがココで編笠を買ってかぶり、顔を隠して吉原に入って行った。
編笠をかぶるのは、どうも顔を隠すためだけの理由ではないようだ。
コレは古今亭志ん朝の『付き馬』の枕に出て来るのだが、昔の人はとても奥ゆかしくて、編笠でワザと顔を隠して張見世の遊女を冷やかしたのだそうだ。
「張見世(はりみせ)」とは遊女が自分の姿を格子の中から見せて客を待つこと。
つまり、編笠をかぶらず、顔丸出しで直接冷やかすのは遊女に失礼だというワケ。
イキだ~!
ワザワザ編笠を買うのがモッタイナイと思う町人などは、持っている扇子の中骨を口に当てがって、その隙間から遊女に声をかけたとか…マァ、コレは冗談でしょう。
  
「冷やかし」の語源は前回説明したが、この行為は吉原通いをする連中にはタマらない楽しみだったようで、登楼しなくても冷やかしだけで吉原に通う客も多かったらしい。
登楼しないのだから本当は「客」ではないんだけど…。
そして、吉原があんまり好きなもんだから、自分の家の2階に吉原を作ってしまう『二階ぞめき』なんていう爆笑噺もある。
「ぞめき」は「冷やかし」という意味。
他に文字通り「素見(すけん)」なんていう言い方もある。
  
現在はこの道は通り抜けることができて、ズッと進んで行くと国際通りに当たる。
基本的に吉原への入り口はココ1か所だけで、この道を通過して大門をくぐった。
周囲は塀と堀に囲まれて、この正面以外からは進入できなかったのだ。
 
道がギュインと曲がっていて先が見通せなくなくなっているでしょう?
コレはワザと道を湾曲させているのね。
つまり江戸時代からこのまま。
理由は、ひとつは幕府や藩のお偉いさんたちがココを通りかかった時に中が見えないようにした…という説。
でも、吉原は幕府公認の遊郭なので、中を隠したところで意味がないような気もする。
それよりも、日本堤から吉原の中が見通すせてしまうとお客さんが興ざめしてしまうので、「お楽しみは取っておけ」的な発想でワザと道を曲げて目隠しをした…という説。
こっちかね?
もしそうだとしたら、何というお客さんへの心配り!
やっぱりイキだね~!

75もうチョット進むと道沿いに大きなマンションが立っている。

80コレね。
1階は交番。
一度このすぐ近くで宅急便の業者とお客さんが取っ組み合いのケンカをしていたので、お巡りさんに知らせに飛び込んだことがある。
165このマンションのロケーション、以前この場所には「松葉屋」という「引手茶屋」があった。
「引手茶屋」というのは、遊女屋とお客さんの間を取り持つお店のこと。
吉原ではお店の格が明確に分かれていて、高級な方から大見世、中見世、小見世とあって、表通りに居を構える一方、裏通りにはその下の切見世という最下級の見世があった。
そして、大見世にはお客さんは直接入ることができず、登楼するには引手茶屋を介さねばならなかった。
お客さんはまず引手茶屋に寄って、自分が来たことを馴染み(もちろん一見は受け付けてもらえない)の見世に伝えてもらう。
もちろん「茶屋」と言っても、引手茶屋では一席設けるのが当たり前で、コレだけでも費用がかさんだ。
引手茶屋から遊女屋に連絡が行くと、その馴染みの見世から花魁が見習いの「新造(しんぞ)」と「禿(かむろ。ハゲではない)」という若いお嬢さんたちと、見世のアンちゃんを引き連れて、目抜き通りを練り歩いて引手茶屋にやってくる。
これが「花魁道中」。
志ん生の落語なんかを聞くと、有名な花魁が出てくると「おお!高尾が出て来た!」とか「薄雲が歩いているぞ!」と言ってみんな夢中になってその美しい姿に目をやったそうだ。
今なら写メでインスタ映え間違いなし。
ちなみに当時の花魁のルックスはファッションの最先端で、一般の町の娘たちがこぞってそのエキスを吸収しようとしていたそうだ。

100v志ん生の有名な『お直し』という噺には、最下級の「切見世」のさらに下の階層に位置する「ケコロ」という見世が出て来る。
「ケコロ」とは「蹴転」という意味で、「蹴って、転がしてでも引っ張り込んじゃう」という性質の悪い見世のこと。
この名前が面白いと思って調べて見ると「ケコロ」は吉原にはなく、上野にあった私娼を指すようだ。
  
「お直し」は吉原を舞台にしたチョットした人情噺で、古今亭志ん生はこの噺を演じて昭和31年の文部省芸術祭賞を獲得した。
私が持っている下のCDは受賞後の同年の録音だが、志ん生は元よりこうした表彰ごとがキライで、枕で「(相手が文部省だから)女郎買いの話をすればいくらなんでも賞はもらえないと思っていたら、くれちゃった…世の中おかしくなったもんだ」と言っている。
ココでひとつ不思議なのは「女郎」という言葉。
もちろん「女郎」は「じょろう」と読む。
ところが、噺家の皆さんは「じょうろう」って言うんだよね。
「女郎屋(じょうろうや)」、「女郎買い(じょうろうかい)」のように、志ん生も、文楽も、志ん朝も、廓噺をするときは必ず「じょうろう」って読む。
コレ、ずっと不思議に思っていた。
「女郎」を「じょうろ」と読むということもあるが、中世には遊女のことを「上臈(じょうろう)」とも呼んでいたらしい。
「上臈」とはとても身分の高い女性のこと。
吉原では昔、「八朔の雪(はっさくのゆき)」として、8月1日に白無垢を着る慣習があった。
これは上臈、すなわち身分の高い人たちのならわしをカバーしたモノだったそうだ。
「八朔」の「朔」は「朔日」の「朔」。「1日」のことね。「四月朔日(わたぬき)さん」や「八月朔日(ほづみ)さん」のアレ。
で、その「上臈」がナマッて「女郎」になったらしい。
ところで、この志ん生の「お直し」、吉原の仕組みをわかりやすく説明してくれる枕が実にいい。
古今亭志ん生(本名:美濃部孝蔵)は明治23年(1890年)の生まれで、10代の時から吉原に通っていたと言う。
つまり、明治の吉原を本当に体験しているだけに、昔を懐かしむような口調がタマらなくいいんだよね。
ところが、志ん生さん、モノスゴく大きな間違いをココでやっちゃってる。
私はすぐに気がついた。
最初「熊さん」だった主人公が噺の途中でいつの間にか「八っつぁん」に変わってしまうなんてことなどザラな豪放磊落な志ん生の落語だが、ココで「吉原は平賀源内の発案だった」とあまりにもバシっとやってしまっているのだ。
コレは間違い。
そうではなくて、吉原は「庄司甚内」という人の発案だった。
つい言っちゃったんだろうね。でも平賀源内は関係ない。
しかし、吉原を作った目的の説明などはシッカリしていて、モノの本と寸分たがわぬ完璧な解説をしている。
やっぱり経験者の話は違うね。
志ん生自身は、後年「正成楼(まさしげろう)」という見世を馴染みにしていたという。
どこにあったのか行ってみようとしたが、記録に残っておらずどうしても場所がわからなかった。
1_img_4838ちなみにあの女郎蜘蛛っているでしょう?
黄色と黒の足のヤツ。
コレ、見るからに「妖しい」ということで「女郎蜘蛛」って言うのかと思ったら正反対。
あのルックスがとてもゴージャスということで、元々は「上臈蜘蛛」だったらしいよ。
ところで、「朝に出てくる蜘蛛は縁起が良いから、殺してはいけない」って言うでしょ?
反対に「夜の蜘蛛は親の顔でも殺せ」って言うらしいんだけど、コレは知らないナァ。そもそも蜘蛛の顔が親の顔しているなんて気色悪いわ。
しからば、朝の蜘蛛を殺してはいけない理由ってなんだろう?
「朝の蜘蛛」は福を持って来たり、お客さんがやって来る前触れなんだって。
反対に「夜の蜘蛛」は盗人や泥棒が来る前触れって言われているのだそうだ。くわばら、くわばら。
まだある。
蜘蛛っていうのは、晴天の日にしか巣を作らないんだって。
つまり、朝のうちに蜘蛛が巣を作っている時は、その日一日良い天気である可能性が高いのだそうだ。トッド・ラングレンの『Ra』じゃないけど、昔はお日様と一緒に生活をしていたので、晴れの日は大変ありがたいとされていた。
まだ理由があって、陰陽道に元づいて、朝は「陽」、蜘蛛は「陰」なのでバランスがいい。
さらに、蜘蛛はダニや蚊やゴキブリを食べるそうで、タランチュラみたいのは別にして、蜘蛛は概して益虫なのだそうだ。
昔の人は本当にスゴイね。
コンピューターなんかを学ぶより、みんなで昔のことをドンドン勉強してそれを子孫に伝えましょうよ。

Sp_2
これが在りし日の松葉屋。
上のマンションが建つ前はこうなっていた。
ちなみに明治に入るとかつての女郎屋、あるいは遊女屋は「貸座敷」と呼ばれるようになった。
松葉屋はお客さんと貸座敷の間を取り持つことを生業としていたが、昭和33年に売春防止法が施行されてからは「花魁ショウ」を考案し、はとバスの観光ルートにも食い込み、また吉原芸者を抱え(遊女と芸者は全く別物)、「国際観光料亭」の触れ込みで大層繁盛したが、1998年に看板を下ろして現在のマンションになってしまった。

1_2mbyこの本は、この松葉屋の養女で、後年女将となった福田利子さんという方の本。
最高におもしろくて、ほとんどノンストップで最後まで読んでしまった。
オビ(腰巻)に「"吉原の女たち"の昭和史」なんてツマらないキャッチコピーがついているが、そんなもんじゃない。
時代は大正に下るものの、以前に紹介した喜熨斗古登子さんの『吉原夜話』のように、実際に吉原でビジネスをしていた人の筆記だけに説得力が生半可ではない。
また、関東大震災、東京大空襲、売春防止法施行後という吉原が被った大災難の数々を乗り越えて来た波乱の物語としても大いに楽しめる。

120古本で購入したのだが、初版でもないのに私が持っているのは「よし原仲之町 松葉屋 福田利子」とサインが入っているのがうれしい。
奥付を見ると、昭和61年(1986年)3月の上梓で、3年後の昭和64年で22刷というからかなりの人気書籍だったようだ。
福田さんは平成17年に85歳で亡くなっている。

130さて、ナゼにこの本を紹介したのかと言うと、面白いからなんだけど、もうひとつ大きな理由がある。
それはフランク・ザッパに関すること。
「吉原とザッパ」?
昔からザッパを聴き込んでいる人はもうこの時点ですべてわかってしまうかな?
 
フランク・ザッパは生前一度だけ来日した。
1976年のことだ。
2月1日が浅草の国際劇場、その後、大阪の厚生年金会館、京都の西部講堂、日本青年館の追加公演をこなして離日した。
国際劇場の公演は内田裕也さんが企画した「浅草最大のROCK SHOW」というタイトルの今で言うフェスティバル・タイプのイベントで、フランク・ザッパとともに四人囃子やコスモス・ファクトリーなどが出演したことはよく知られている。
Marshall Blogの岡井大二さんのインタビューでもこのことについて触れて頂いている。
他の出演者に「SKD」が入っているのもスゴイな。
それと「浅草最大の」というのが気になる。
裕也さんで国際劇場といえば「NEW YEAR ROCK FESTIVAL」。
既にこのザッパの公演より以前に「NEW YEAR」が開催されていて、「それよりスゴイから『浅草最大』だよ!」と言う意味かと想像した。
そこで記録を見てみると、裕也さんが国際劇場で初めて『ASAKUSA NEW YEAR ROCK FESTIVAL』の名義でコンサートを開いたのは1978年の年末のこと。
その前、1976年に『浅草ROCK 'N' ROLL VOLUNTEER』と称して年越しコンサートを開催している。
となると、ザッパの公演は同年の2月なのでつじつまが合わない。
不思議だ。
でも実際「最大」か。

150vそして、裕也さんはザッパの記者会見をこの松葉屋で開催したのだ。
つまり、あの上の写真のマンションの場所にザッパとバンド・メンバーが来たということ。
1976年4月号のニュー・ミュージック・マガジンに来日時のインタビューが掲載されていて、読み直してみた。
「好きなクラシックの作曲家」としてヴァレーズ、ストラヴィンスキーの他にクシシュトフ・ペンデレツキの名前が挙がっていた。趣味が合うナァ。
ストラヴィンスキーもペンデレツキも大スキ!
他にも武満や黛の名を口にしている。
さらに怪獣映画への興味やシンセサイザーやベイシティローラーズを引き合いに出したポップ・ミュージックについて語っている。
最後に「ココ(松葉屋)がかつてはどんな場所だったか知っていますか?」というとうようさんの質問にザッパは「No」と答え、裕也さんが「歌で説明します」と言って、アニマルズの「The House of Rising Sun(朝日のあたる家)」を歌う。
するとそれを聞いたザッパが「女郎屋!」と答える。
「The House of Rising Sun」は19世紀にアメリカに実在した娼館のことを歌った曲だから正解。
しかし、松葉屋は元は妓楼だったが、後に弾き手茶屋となった。
引手茶屋は客と大見世の間に入る代理店のようなモノで、芸者はいても女郎はいなかった。
 
この時のようすが下の写真。
1日が国際、3日が大阪、4日が京都、東京に戻って、5日が青年館というスケジュールだったので、この吉原でのひとコマは1976年2月2日のことだったのかしら?
ザッパに酌をしているのは芸者さん。
ザッパのアグラがスゴイな…コレじゃ座禅だよl
半跏趺坐(はんかふざ)っていうヤツね。

160こっちは花魁。
ザッパが実に興味深そうに見てるね。
着用している法被の柄に注目してくだされ。

161下はさっき紹介した福田さんの本の現在の装丁。
ね、柄が同じでしょ?
この鎖のようなデザインは「吉原つなぎ」または「廓つなぎ(くるわつなぎ)」と呼ばれているモノ。
カッコいいよね。
江戸の文化を代表するデザインで正式な名称を「子持吉原」というそうだ。
このデザインの意味は吉原の世界に入ってしまうと鎖でつながれたようにそこから抜け出せないことを表しているとか…。
この場合、抜け出られないのは登楼する客ではなくて遊女の方を指している。
反対に、四角い模様が結びついているサマは、人と人を結ぶ良縁を意味していて、人間関係を豊かにするという想いも込められているらしい。
元は引手茶屋の暖簾にあしらわれた文様で、だからザッパはこの法被を着ているワケ。
松葉屋は女郎屋ではなかったという意味では大変正しいチョイス。
それにしてもこの時代のこうしたグラフィック・デザインのカッコのよさは一体なんだ?
家紋にしても、こうしたパターンにしても、シンプルなのに奥が深くて、とてもソフィスティケイトされている。
スコットランドのタータンのように世界に誇れる意匠だと思うよ。

140v花魁の姿は映画なんかで皆さんもとてもおなじみでしょう。
上のザッパの給仕をしている花魁役のいでたちはなかなかうまくできているように見える。
黒澤明の『用心棒』や『赤ひげ』に出て来る遊女なんかはゾッとしないけど、実際には「100人にひとりいるかいないか」ぐらいの器量よしが揃っていたらしい。
また後で出て来るが、遊女はみんな自分から進んでなるのではなくて、ご存知の通り、貧しい農家の娘が売られて来てなるモノだった。
「女衒(ぜげん)」と呼ばれる蛇蝎のような遊女のスカウトが全国の貧しい農村を回って少女を買って歩いた。
当然ヒドイ話がいっぱいあった。
誘拐さながらのこともしたらしい…この辺りの話はまだ別に機会に譲ることにする。
すなわち吉原に集まって来た女の子たちは出身地が別々で、言葉の訛りがすさまじかった。
今と違ってテレビもインターネットもない時代だから「標準語」なんてものは存在せず、全員お国言葉丸出し。
垢抜けした場所であるハズの吉原の遊女がズーズー弁じゃお客さんが興ざめしてイカン!…ということで編み出されたのが「あちき」とか「ありんす」とかいう廓言葉(くるわことば)だったんだね。
ところが、一晩に100万円も200万円もの大金をはたいて大見世の有名な花魁を相手にするような超大金持ちは別にして、いくら言葉がきれいでも、見た目が美しくても、結局一番人気があったのは気立てが良くて、本当にお客さんの気持ちを察して相手をしてくれる優しい遊女だったそうだ。
  

そういえば、『赤ひげ』で、「赤ひげ」こと三船敏郎扮する新出去定(きょじょう)先生が、保本という加山雄三が演ずる若き医師にこう尋ねる場面がある、
シーンは赤ひげ先生が時折パトロールに訪れている町の遊郭。
「保本はこういった岡場所に足を踏み入れたことがあるか?」
保本はエリートの医家の出身だし、「長崎に留学していたのでありません」と答える。
映画はこの後、「遣り手(やりて)」に扮する杉村春子が登場し、赤ひげと遊郭の用心棒との間の痛快極まる乱闘シーンになるのだが、この「岡場所」という言葉。
コレは幕府が公認していない遊郭すべてを指す言葉だった。
つまり、吉原以外のそうした場所は深川だろうが品川だろうが、千住だろうが、すべて「岡場所」と呼ばれた。
コレがですね~、調べて見ると、江戸の昔はアキれるぐらいそこら中に岡場所があったことがわかる。
実際、知らなかったのだが、ウチの近所にもあった。
言って見れば布団1枚あれば参入できる産業だし、昔は他に楽しみがないしで、人が集まるところには必ず岡場所ができたのだ。
しかし、面白いことに岡場所というのはある一定の数以上には増えなかったらしい。
今のライブハウスとはワケが違う。
理由は簡単。
岡場所が増えすぎたり、繁盛しすぎたりすると、吉原の連中が幕府に泣きを入れて強引にそれらをブッ潰させたのだそうだ。
すると、岡場所で働いていた遊女たちはどうなるか?
コレがまたなかなかにヒドイ話で、彼女たちは吉原に売られて行った。
さらに厳しいのは、その値段が年齢によって定められていて、20歳の遊女と最高齢の遊女とでは10倍以上の根差がついたのだそうだ。
ちなみに「遣り手」というのは遊女の監視をする立場の役職で、一般的には遊女のOGがその職務に就いた。
年季が明けても故郷に帰ることができなかったり、他に行く場所がない遊女は吉原に残って、今度は遊女を監督する側に回ったのだ。
よく商売を切り回すのが上手なベテランの女性を指して「やりてババア」なんて言うけど、コレがその語源。
この遣り手は「おばさん」とも呼ばれた。
今、我々が平気で「おばさん」と使っているこの言葉も遊郭から出て来た言葉らしい。
遊女を監視する仕事なので、押しなべてイジワルな立場だったが、そこは自分も経験者ゆえ、親身になって遊女の面倒を看たおばさんもいたらしい。
反対に吉原の男の職員は年を取っていても「若い衆(わけえし、わかいし)」と呼ばれた。
また、見世で客引き担当している若い衆は「牛太郎」といい、略して「牛(ぎゅう)」と呼ばれた。
 
「夕べ格子で勧めた牛(ぎゅう)が 今日はノコノコ馬になる」

 
面白いね。
落語を聴かない人には何のことかわからないかな?
チョット長くなるけど、説明させてチョ。
遊郭でひと晩遊んだ客が翌朝になって支払いできない…なんてことになると、昔はそのお客さんを馬で家まで帰らせる方々、見世の集金をその馬子に頼んでいた。
大門でお客さんを馬に乗せて、家まで付いて行って、足りない料金をその場で取りたてて来るワケね。
コレを「馬を引っ張って来る」と言った。
その時、まさか馬をお客さんの家の中に入れるワケにはいかないので、外に馬をつないでおく。
すると、それを見た近所の人からは「お、アイツまた馬を引っ張て来やがった!」と言われて恥ずかしい思いをすることになる。
ところが、その取り立ての額が大きくなったりすると、変な気を起こして、客から取り立てた金を持ち逃げしてしまう馬子も少なくなかったことより、見世の牛太郎がその馬子の役をやることになっていった。
だから、上の川柳は、昨晩は見世の格子のところで「遊んで行ってくださいよ!」としきりに登楼を勧めた「牛太郎」が、翌朝には借金取りの「馬」に早変わりしたと詠んでいるワケ。
ね、面白いでしょ?
「牛太郎」の元の意味は「妓夫太郎」だ。
 
しかしね、衣装といえば、紺だの茶色だの灰色だの渋々で地味だった時代、この色とりどりの衣装を身にまとった花魁というのは信じられないぐらいキレイだったんだと思うよ。
身に付けているモノはすべの最高のモノだったんだから。
いつかもやったけど、下の絵で花魁の頭に刺さっているのは櫛、簪(かんざし)、そして横にズドンと貫いているヤツを笄(こうがい)といった。
コレ全部ホンモノのべっ甲だからね。それはそれは豪華だったことだろう。
こうした自分が身に付ける装飾品は花魁が自腹で買っていた。
このヘアスタイルもスゴイね!

164v下は花魁道中のようす。
上に書いたように、子供は禿(かむろ)といって、もうすでにこの歳で吉原に売られて来てしまっている。
しかし、まだ幼くて客を取ることができないので、こうして見習いをしているのね。
一番右の若い女性も「新造(しんぞ)」という見習い。禿が13~16歳になると新造になる。
普通、遊女は10年で年季が明ける(契約終了)が、この禿や新造の時代はその契約期間にカウントされない。
客を取れるようになって初めてそこから10年の計算がスタートするワケ。
そのツライ10年を「苦界十年(くがいじゅうねん)」といった。
幼い頃に吉原に売られてきた娘などは、吉原から一歩も外へ出ることがないので、大人になるまでお金を一度も見たことがない…なんてのがザラだったらしい。
実際には10年経って年季が明けても「お礼奉公」といって、お世話になった見世に感謝の気持ちを示すために無料で2年ほど働くエキストラ期間があった。なんでやねん?!
 
花魁の帯に注目。
後ろではなく前で締めているでしょう?
コレが吉原スタイル。
一般の町娘もこぞってマネをしたらしい。
今、「締めている」と書いたが、実は締めてはいても、ギュッと結んではいなかった。
理由は護身。
…というのは、中には花魁や遊女に狂ってしまって、無理心中を迫る客が結構いたらしい。
身請けをしてやりたいけど、そんな経済力はない…しかし、一緒になりたい…でもなれない。
すると「オレと死んで一緒になってくれい!」となる。
こんなのが現れた日にゃ遊女もタマったもんじゃないよ。
帯でもガッツリと掴まれて逃げられないようにしておいて、首を絞められたりでもしたら取り返しのつかないことになる。
それで、帯は結ばないで、巻いた部分に橋をはさんでおくだけにしていた。
訊くと凶子さんもそうしているとのこと。
ファンに捕まらないようにしているのだろう。
しかし、そんな状態にしていると、中には道中の時に腰巻を落としてしまう花魁もいたそうだ。「腰巻高尾」なんてのが有名だったらしい。
それと、花魁は冬でも足袋を履くことは許されず、どんなに寒くても素足だった。
コレも一種の安全対策で、舐めても平気なぐらいピッカピカに磨き上げられた見世の床を歩く時に、足袋をはいていると滑って転ぶ危険があったからだ。
花魁はそれほど大事な商品だったのだ。
ちなみに、「身請け」というのは、遊女の年季の残額に将来稼ぐであろう売り上げを上乗せした金額を身請け人が肩代わりして見世に支払い、その遊女を自由の身にすることを意味するが、莫大な費用がかかった。
そもそもみなしの稼ぎなどは楼主の言い値だったし、上の他にもご祝儀やらお祝いやらで、人気の花魁の身請けともなると、その費用は今の金額で「億」を軽く越えたらしい。

1_march話はチョット戻って…下は在りし日の浅草国際劇場。
コレは相当古い絵ハガキ。
新しめの写真が見つからないんだよね。
私の国際劇場の最大思い出は、1981年にキング・クリムゾンの初来日公演を観たことかな?
以前にも書いているけど、当時、大学生でお金がなかったので、自転車で国際劇場まで行って、中から漏れ聞こえて来る音だけでも聴いておこうと思い立った。
で、開場の時刻に入り口の外で立っていると、私と同じ年頃の男性がニュッと近寄って来て、「あの~、チケットが余っているんですけど、もし、お入用でしたら買っていただけませんか?」と言う。
そうしたいのはヤマヤマだけど、お金がないので外で盗み聞きしようと思っている…ということを伝えると、「2,000円でいいんです」と言うではないか。
幸い2,000円程度はポケットに入っていたので、そのチケットを買わせてもらうことにした。
2階席の一番前だった。
商談が成立すると、その彼は「ヨカッタ!あの人たちには売りたくなかったので…」と言いながら、小さくある方向を指さした。
その先にはその筋の方々が立っていた。
『Discipline』のナンバーをふんだんに演奏し、「Red」ではエイドリアン・ブリューが「アカ」と曲紹介をするなど、2,000円で最高に幸せなひと時を過ごしたのであった。
アレから30年近く経ってエイドリアン・ブリューやトニー・レヴィンのステージの写真を仕事で撮るだなんてあの時には夢にも思わなかったナァ。
人生ナニが起こるかわかりません。

1_2kg国際劇場の写真をインターネットで探していたらこんなモノが目についた。
昔の浅草六区の映画館。
私が子供の頃…イヤイヤ、大学の時に黒澤明の映画を観に来たので、ホンの40年弱前はこうした古い映画館が立ち並んでいた。
チョット待て…アレはもう40年も前だったのかッ?!

1_2tkね~、こうして見ると、チョットしたシャフツベリー・アベニューじゃんね。
シャフツベリーはロンドンのウエスト・エンドの中心で、劇場が今でもたくさん並んでいて夜ごとに劇やミュージカルが上演されている観劇街ね。

1_se確かに私が大学生の頃でもクタクタに古くなっていたけど、モッタイないよな~。
みんなコワしてつまらない商業ビルになっちゃった。
地震の有無はとても大きな差だけど、日本人のやっぱりこういう歴史や文化の保存になんかに対する認識はイギリス人の足元にも及ばないナァ。

1_roxy下は最近リリースされた、1973年のROXYの全公演を収録したFrank Zappaの7枚組CDボックスセット。
ザッパとROXY…今回は何たる符合!

Indexチョット今回は文章が長くなってしまったのでコレで終わり。

<つづく>

200_3

2018年2月24日 (土)

謎の"美女"ギタリスト Plays Marshall and Enjoyed 焼売!!

 
ライブ会場では先行発売されているものの、新しいシングル『GEKIRINー逆鱗ー/Gradation』のリリースを3月に控えているD_Drive。 
1_d4c2ad7557a7a5f47d8cec0a4be6a901先週は新横浜での単独コンサートを大成功させたばかり。
しかし、考えて見るとですよ、チョット前までは「祝!東京初ワンマン!」なんて鬼の首を取って炒めて食べちゃうぐらいの騒ぎだったのに、もう最近じゃシレっとワンマンやっちゃうからね。
それほど速いペースではないにしても、曲もジリジリと増えてきているし、バンド活動の充実感みたいなモノにみなぎっているかのように見える。
以前にも書いたけど、D_Driveの場合は、「ハイ、一丁上がり!」ってな具合に簡単に曲を作ることができないからね。
曲を増やすと言ってもそれはそれは大変なことだ。
かといって、やはり音源を作ることは音楽家の本業であり宿命だからして、絶対に作品を世に出すことを止めてはならない。
しかも、生き馬の目を抜くようなロックという人気商売の世界にいるのだからして、泳ぎに疲れたマグロやサメよろしく、ひとたび動きを止めてしまえばそれまでなのだ!
…だなんて『細腕繁盛記』みたいなことを言っているけど、前作の『Last Revenge/The Shape of Your Life』に続いて、今回のように小出しにシングルを出すのは実にいい戦術だと思う。
そういう作品が集まった時点でアルバムをコンパイルすればいいし、まったく同じ音源をアルバムに収めるのがイヤなら、チョットしたテイク違いを録っておいて、それをアルバムに押し込めばファンの楽しみを損なうこともないだろう。
このシングルからアルバム作るやり方というのは、何のことはない、60年前のレコードビジネスに逆戻りしているだけなんだよね。
実はこの方法を採用しているのは何もD_Driveだけではなくて、先日久しぶりにお茶を飲んだレコード会社の友人も「先祖返り」という言葉を使ってこのリリース方法が横行して来ていることを口にしていた。
D_Driveの場合はチョットこの方法を取り入れる理由が異なるが、結果的には、最早「アルバム」というものは「幻」の音楽アイテムになって来たようだ。
そして、「アルバム」という土俵が無くなった時点で「プログレッシブ・ロック」や「コンセプト・アルバム」という芸術は終わり。
「胡椒軍曹」が泣いてるわい。
そして、そこから10年もすれば「プログレッシブ・ロック」や「コンセプト・アルバム」という言葉もこの世から無くなる。
「物」が無くなるということは「言葉」が無くなるということだからね。
ITというとてつもないテクノロジーの進化のおかげで、レコード産業は販売形態を60年も前の姿に戻らなければならない…だなんて、ナント皮肉なことなんだろう?
しかも「progressive」なんてのは「進歩的な」とか「前進的な」という「進化」の意味を表す言葉なのにね…。
こういう事象は、知らないだけで、音楽業界だけでなく他の色々な業界で起こっているのかも知れない。
  
とにかくD_Driveにはドカドカとクォリティの高い曲を作って、ジャンジャンと世の中に送り出してもらいたい。
ガンバれ!

05…で、ガンバってるメンバーのひとりがYukiちゃん。
SONY XperiaのCMが終わっちゃったのはとても寂しいんだけど、岐阜や札幌のローカルのテレビCMなどに出演してグイグイとその知名度をアップし、D_Driveのファン「D_Driver」を増殖させている。

07そんな注目を集めているYukiちゃんがTBSのバラエティ番組に登場した。
おととい。22日の夜中、1時38分から放映された『谷原章介の25時ごはん』という番組。
私なんぞはとてもこんな時間には起きてはいられないので、タイマーをセットして翌日ジックリと鑑賞しようと思っていた。
ところが、「せっかくYukiちゃんがテレビに出るんだから!」と頑張ってリアルタイムで見たよ!
BBCでは映らないようだったけど、イギリスにも連絡しておいた。
そのうちMr.BeanとYukiちゃんが共演すればいいんだけどナァ。
150vこの番組の収録内でYukiちゃんがギターを弾くということで、Marshallがお供をさせて頂いた。
そして、私はそのMarshallのお供をさせて頂いた。
つまり、終始収録を見学させて頂いたのね。
この手のテレビ番組の収録に立ち会わせて頂くのは初めてのことだったので、メッチャおもしろかった。
Yukiちゃんのおかげですわ。

10出番の時間が近づいて、まずはリハーサル。

20v車にYukiちゃんのスーツケースを積む時、バカに重いな…と思っていたらエフェクターをチャンと持って来てたの…マジメだから。
慎重に、でも神経質にすぎない程度に音作りを進める。
照明の数が多いのでチョットだけノイズが気になった場面があったけど、問題なし!

40今回Yukiちゃんが使ったのはJVMの50W、1x12"コンボのJVM215C。
せっかくのテレビなのでドカンとフルスタックの壁でも用意してあげたかったんだけど、設定が「谷原さんのお住まい」ということなので、「コンボで十分です!」というリクエストに従った。

70Yukiちゃんはご存知の通り、いつもはJCM2000 TSL100を愛用してくれていて、JVMに触れることは滅多にない。
「JVM、音、作りやすいわ~」
って言ってたよ。

50v番組の途中、キッチンに移動して料理をする谷原さんと共演するシーンがあるので、Marshallも場所を移してカメラとサウンドのチェック。
なんか、Yukiちゃん、借りて来たネコちゃんみたいに小さくなってんな~。
遠慮してんのかナァ、緊張もしてるだろうしナァ…と心配していたのは私の間違いだった。

60番組のディレクターさんと段取りの最終確認をしてもう即本番。
Yukiちゃんが本番用の衣装に着替えて来た。

85v番組のキャッチで「あのCMで話題!!謎の"美女"ギタリストが番組初出演!!」とされていたんだけど、「謎の」という部分に笑った。
だって、SeijiさんはD_Driveがデビューする前からの友達だし、D_Driveがデビューした9年前からMarshallでサポートさせてもらって来てるからね…「そうか、世間ではyukiちゃんは"謎"とされていたのか~!」って思ってサ。
だから日本中の人がみんなMarshall Blogを読んでくれればいいのよ。

80vココでもう1回番組の趣向を引いておくと…
都内某所にある「谷原邸」に集まる業界で話題の夜型人間を谷原さんの手によるオリジナルの「深夜食」でもてなすという内容。
谷原さんのレシピは訪れた夜型人間さんのイメージから考案され、最後に一緒にその料理を頂くワケね。
その料理のコーナーの前は谷原さんとYukiちゃんのトーク・コーナー。
実際の放映では時間の関係で大幅にカットされていたけど、収録の時には、XperiaのCMの話に始まって、ありとあらゆることについて谷原さんと会話をしたのね。
ご家族のこと、D_Driveのこと、ギターのこと、Marshallのこと、食べ物のこと、そしてロックのこと…
コレがすんごい面白かったのよ。
特にD_Driveの話のところでは「リーダーのSeijiさん」とYukiちゃんがしきりに言うもんだから、谷原さんも覚えちゃって、しまいにはガンガン「Seijiさん」の名前を出すようになっちゃった!
「え、それでSeijiさんは大丈夫なんですか?」とか「それでSeijiさん、ナンて言ってました?」とか、コリャ間違いなく次週のゲストはSeijiさんに決定だな…と思ったんだけど違うみたいだね?(『笑っていいとも!』じゃない!)
 
また谷原さんがステキでね~。
さわやかだし、声はいいし、物腰は柔らかいし、話題は豊富だし、背は高いし…で、私もああいう人に生まれたかったな~。
きっと前世にとてつもない善行を積まれたに違いない。
それで、とにかく音楽が大スキなのだそうだ。
とりわけヘヴィ・メタルがお好みで、Yukiちゃんとずいぶんその辺りの話をしていたし、私が着ていたヨットパーカーに付いているMarshallのロゴを見つけるなり、「カッコいいパーカーですね!どこで買えるんですか?」なんて声をかけてくださった。
 
でも何よりもスゴかったのはYukiちゃんよ。
緊張はしていたんだろうけど、「物怖じ」ナニするものぞ!
もう始終堂々としていて、ハキハキと谷原さんの問いに答える姿は「カッコいい」そして「頼もしい」としか言いようがない。
しどろもどろになったりする瞬間など全くなかった。
私、MVの撮影と頭の中がゴッチャになっていたのか、収録が始まって、どこかで「ハイOKです!では本番行きま~す」ってなるかと思っていたのね。
ところが、Yukiちゃんが登場して、谷原さんに挨拶をして、ソファに座って、谷原さんからの質問に答えて…一向にリハーサルが終わるようすがない。
あんまり不思議に思って、撮影のスタッフの方に尋ねてみた「コレ、リハですよね?もう1回はじめっから撮るんですよね?」って…。
すると「あ、コレ本番す!」っておっしゃるのよ。
…ということはYukiちゃん、予め質問の内容はわかっていたものの、何の予行演習もなく、段取りもすべて頭に入れた上で、完全にブッツケ本番で受け答えをしていたワケよ。
D_DriveのステージでのMCも実に堂々としたモノだけど、今回はマジでビックリしたな。
「そんなに飲んで大丈夫?」ってぐらい赤ワインをグイグイやってたからな~。
気分がヨカッタに違いない。

90v谷原さんからのたってのリクエストでXperiaのCMソング「Voices」をア・カペラで披露。
ココはテレビで放映された通り。
Yukiちゃんはやり直し全くなしの完全ワンテイク。

100vさすがこんな番組をお持ちなだけあって谷原さんメッチャ料理がお上手。
それで、谷原さんがYukiちゃんのイメージで作った一皿は…。
「焼きキムチーズ焼売」!
ミュージシャン向けのレシピらしく、ナンでもイタリア代表のチーズと韓国代表のキムチ、そして中国代表の焼売のセッションだって!
そして、これまた谷原さんのリクエストで、料理をする谷原さんとYukiちゃんのギターのセッションが行われた!

110Yukiちゃんがバリバリ弾く傍ら、谷原さんは包丁の音とヘドバンで対抗!
コレはおもしろかったな~。
こんなの初めて見た。
Yukiちゃんも真剣だよ!
ジム・マーシャルもMarshallアンプが料理と共演するとは思ってなかっただろうな。
  
あ、私の前でのジムと料理の話はタブーにしてね。
理由はコレです⇒ありがとうジム・マーシャル!<中編>~I Remember Jim! 2

120vこの後、試食のコーナーがあって、Yukiちゃんから谷原さんへのオリジナル曲演奏なんでことも盛り込まれてたでしょ?
もうね~、盛りだくさんで、できればカットなして皆さんにご覧に入れたいぐらいだったのよ!
まぁ、とにかくYukiちゃんのスゴさに圧倒されっぱなしの1日だったわ。

130最後に谷原さんにごあいさつ。
当然Marshall Blogをオススメ致しました。
「どうでもいいことしか書いていないんですけど…」とマーブロを紹介すると、「ナニ言ってるんですか!どうでもいいところが大切なんですよ!」と谷原さん。
「それならMarshall Blogはバッチリですよ!」と私。
ご覧になってくれたかナァ?
  
YukiちゃんとD_Driveのますますの活躍をお祈りして今日は終わり。
お疲れさまでした~。
翌日は眠かった!
年寄りの午前様は危険ですな。
140D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site
 

200 (一部敬称略 2018年2月5日 都内某所谷原氏邸にて撮影)

2018年2月23日 (金)

LOUDNESS Special Live 2017~ATLANTIC YEARS~"MILESTONE" <後編>

  
ステージも客席も、尋常ではないほどの熱気をはらんだままショウは後半に突入する。
『Thunder in the East』、『Shadows of War』とレパートリーを進めて来て、ここからは…

10_2『Lightning Strikes』のセクションとなる。

20cd曲は「Who Knows」。

30この曲いいナァ~。
LOUDNESSのスケールの大きさをまざまざと見せつけてくれるようなナンバーだ。
最初から最後まで、そして隅々に至るまでカッコいいわ。

40v_2アンパンさんからのドラムスでスタートするのは「Face to Face」。

50v_ftfこれまた息もつかせぬスピード・チューン。

60どの曲もそうなんだけどまるでハード・ロックのお手本みたいな曲。
こういうタイプのロックがまた帰って来てくれるとうれしいナァ。

70v『Lightning Strike』に関しては、リリースの30周年を記念して昨年の春にマッシブなツアーをやったので、今回は2曲で終わり。
続いて1987年発表の『Hurricane Eyes』にセットリストを進めた。

80cdまずは「This Lonely Heart」。

90v_tlh私みたいなにわかファンとは違って、ずっとLOUDNESSを追いかけて来ている人たちには今日のショウはタマらんだろうな~。
そういう人ガ実にうらやましい!

100_2メンバーの皆さんも歴史をなぞることが楽しそうだ。
そりゃ栄光極まりない日本のロックの頂点の歴史だからね!

110一音入魂!
どんなに速いフレーズでも、高崎さんの計算されつくしたソロのひとつひとつの音には魂がこもっているのだ。

120v_2「Crazy Nights」で幕を開けたこのスペシャル・ライブ。
ここまで猛然とダッシュして来たが、この本編最終セクションでスローを持って来た。

130_imdそろそろスロー・ナンバーが聴きたかったのよ!
曲は「In my Dreams」。
お客さんたちはジ~ックリと二井原さんの歌声に耳を傾けていた。

140vそして、終盤に差し掛かって再び大爆発!

150_rtw思い切りヘヴィにブチかますのは「Rock This Way」。

205「♪Rock this way!」のパートはもちろん大合唱。
そうなんだよね、「Like Hell」、「Let it go」、「Black Star Oblivion」、「S.D.I.」等々、LOUDNESSの曲って一緒に叫べる曲が少なくないんだよね。
やっぱりロックの曲作りの妙がギッチリ詰まっていると思う。
こういうことをひとつひとつチェックしていくと、今の若いバンドのメタルとどこがどう違うかがよく見えて来る。
いつかポール・ギルバートと話をした時に「LOUDNESSの音楽は本当にメロディアスだ」と大変感慨深く私に言っていたことがあった。
この「メロディアス」という表現の意味が今と昔で大きく異なって来ちゃった…と思っているベテラン・リスナーは多いハズだ。

160この曲のソロのタッピングのパートもカッコいいね~!

170「Say, yeah!  This one is called Rock'n Roll Gypsy!」

180_rrgいいハードロック・バンドってのはバラードとポップ・チューンの出来が素晴らしいんだよ。
この曲とか「Let it go」なんてメッチャいいでしょ?
結局、お客さんを楽しませる方法をいくつも持ってるってことなんだよね。

190この曲のソロも歌い上げるパートとハードなパートの対比とサジ加減が完璧だ。
ずっと聴いていたいソロだ。

200v_2「キマッタ!」

210この盛り上がり方で本編を終えるのかと思ったらさにあらず。
「So Lonely」を持って来た。

220_areグワ~、何たる分厚いギターの音!
230_2そして、感動の大合唱。

235二井原さんの絶唱をタップリと浴びて本編は終了した。
イヤ~、何から何までスゴかったな。

240vメンバーがステージを降りるとすぐさまアンコール。

245色とりどりのLOUDNESSロゴ。

04_img_0139観客の全員の目がこのロゴに集中しているのだ。

04_img_0140 ほどなくしてステージに姿を現した4人!

260_sof二井原さん、カッチョええ~!

270_2ココでLOUDNESSからの大サービス。
このコンサートのほぼ1か月後にリリースされたニューアルバム『Rise to Glory』から1曲演奏したのだ。

250cd演奏したのはリード・チューンの「Soul on Fire」。

280v_2私みたいに40年以上にわたって万単位でレコードやらCDやらを買って聴いていると、もうね、歌い出しのメロディを聴いただけで「コレはイケる!」ってわかっちゃうんだな…ナンて生意気なことは口が裂けても言わないけど、でも、この時本当に「ウワ!こりゃニュー・アルバムが楽しみだ!」と思ったよ。
LOUDNESSのニュー・アルバムは、若い頃に聴いた海外のハードロック・バンドの新譜を聴くようにいつも楽しみなんだけどね。
そして、実際に聴いてみて…大満足だったのだ!

290v_2アンコールはまだ続く!
LOUDNESSはアンコールない時があるからね。
それがまたカッコいいんだけど。

295次に持って来たのは「In the Mirror」。
お客さん、よろこんでたナァ~。

330vそう、まだ演奏していない人気曲がココでズラリと並んだ!

300「まだまだイケますか~?!」

305続けて「Crazy Doctor」!

04_img_0152 この熱気、伝わるだろうか?
私はと言えば、ド迫力のシーンの連続にシャッターを切りっぱなしだ!

340_2サングラスを取って歓声に応える二井原さん。

350v最後を締めくくったのは…もうおわかりですな?

360v_2「S.D.I.」だ!

02_s41a0815「燃えたぎるギター」とはこのことだ!

370vコレがホントの「Too hot to handle」!

365_2LOUDNESSが「Milestone」を置き終えた瞬間。
怒号にも似たモノスゴイ歓声だった。

380二井原さんのいつのもステージからのショット。

390ありがとうLOUDNESS!
3月のツアーが楽しみ!

410LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

415v

200_2(一部敬称略 2017年12月28日 六本木EXシアターにて撮影)

2018年2月22日 (木)

LOUDNESS Special Live 2017~ATLANTIC YEARS~"MILESTONE" <前編>

 
「騒然としている」っていうのはこういう時に使う表現なんだろうな…。
LOUDNESSがニュー・アルバムを発表して日本のロック界が騒然とさせているのだ。
いくつかのロック雑誌では、メンバーへのインタビューなどは当然のこととして、いち早くニュー・アルバムでの高崎さんのギター・プレイを解析したり、全収録曲に関するアンケートをメンバーから答えてもらったりと、もうメディアも「お祭り騒ぎの様相を呈している」と言っても過言ではなかろう。
そりゃLOUDNESSだからね。
私事ながら、YOUNG GUITARさんの誌面では、私が昨年末に撮影したライブ写真を多数ご使用頂いており、鼻タ~カダカなのだ。

01 そして、ギターも!
最近あまりにもショックなニュースがギター界を駆け巡っていて暗澹たる気分になってしまうが、やっぱりナニがどうなってもギターはカッコいいものだよ。
一体どこからリフやギターソロがなくなってしまい、ジャンジャカやるだけの楽器になってしまったのかは知らないが、ギターはロックバンドの花形楽器でいなければならないし、「カッコいいモノ」と相場が決まっている。
そのカッコよさを高崎さんやLOUDNESSの音楽を通して体感してもらい、ギター人口が増えることを願って止みませんよ。
そして、ロック・ギターを志すからには必ず真空管のアンプを使って演奏して欲しい。
つまりMarshallでギターでギターを弾こうよ!…ということ。
高崎さんご愛用のギター、Killerさんの雑誌広告。
う~ん、この高崎さんもいい写真だ!ご採用ありがとうございます。

1_2img_2892 コレがそのニュー・アルバムの『Rise to Glory -8118-』。
今回、レコードも含めて色々な仕様でリリースされたが、私が持っているのはCDとDVDのセット。
CDの方にははもちろん皆が待ちに待った新曲がズラリと並べられている。
一方、DVDの方は2016年の年末に開催されたファンの人気曲で構成したコンサート『FAN's BEST SELLECTION~We are the LOUDNESS~』の模様が収められている。
この時もオフィシャル・フォトグラファーとして参加させて頂いたので、チラリチラリと私が映っちゃっているけどゴメンなさい。
私は光栄です。
オープニングのイメージ映像を経て「Ghetto Machine」から「Crazy Doctor」まで人気曲がウハウハのテンコ盛り。
その時のMarshall Blogの記事はコチラ<前編>とコチラ<後編>。
02そして、『Rise to Glory -8118-』。
このアルバムは2014年の『The Sun will Rise Again』以来、4年ぶりのオリジナル・アルバムとなるそうで、間に『Samsara Flight』他の記念アルバムのリリースはあったにせよ、4年のインターバルというのはLOUDNESS史上最長なのだそうだ。
アレから4年も経ったのか…ゼンゼンそんな感じがしないな。
  
まずジャケットを見る。
雷光を蓄えたLOUDNESSロゴの暗雲の下に浮かぶ世界のランドマークのシルエット。
シドニーのオペラハウス、シンガポールのマリーナベイサンズ、タージ・マハール、ピザの斜塔、北京の天壇公園、富士山に東京タワー、凱旋門にアンコールワット、自由の女神、ロンドンの国会議事堂にピラミッド。
雷門も入れて欲しかったけど、背が低いからムリですね?
そして、タイトル・チューンで二井原さんが歌う。
「♪From the Far East, we came to conquer across the seven seas」…もうジャケットとこの一節でこのアルバムを説明しきっているでしょう。
03LOUDNESSのアルバムを聴くと、新旧を問わず、やっぱり海外のバンドの香りがするんだよね。
私なんかには14歳の時に聴いたイギリスのハードロックたちと共通のものを感じる。
今回もそう。
「日本人離れしている」とかいう言い古された形容では決してなくて、LOUDNESSの中から自然に出て来るモノが世界が求めているモノということなんだね。
でもね、私は勝手ながら「Speed」だとか「S.D.I.」スタイルのモノスゴくハードな曲が詰まったアルバムになることを想像していた。
イヤ、何の根拠もない、オッサンのただの想像ですよ。
ところが、聴いた途端その想像が正しいモノだったことを知った。
わかりやすくて、聴きやすくて、やたらと楽しかったのだ。
しかし、楽しいだけではなくて、威厳に満ち溢れているのだ。
続けて3回聴いたわ。
とにかく曲がいい。
種類で分ければ同じ「ヘビィメタル」ということになるのかも知れないが、今の若い人たちが演っている類のモノとは全く別のモノ。
それにしても高崎さんのギターのスゴイこと!ソロもテンコ盛りで聴きどころばかりなのは当然なのだが、バッキングがまたスゴイんだよね。
まるで歌を歌っているようなのだ。
高崎晃信奉者にもタマらない作品になったことだろう。
そうそう、ひとつ不思議だったのは3曲目の「I'm Still Alive」のエンディング。意表を突くフェイドアウトには驚いた!
もちろん今回も二井原さんのスーパー・ヴォイスは絶好調なんだけど、最初と真ん中に差し込まれた2つのインスト曲もスゴク好き!
3月には国内でにツアーが予定されているが、これらの曲を生で聴くのが楽しみだね~。
ところで、聞けば今回のアルバムは世界同時発売で、Deep Purpleとレーベル・メイトになられたとか!

1_rtg 「8118」という新メトリックな数字はデビューの1981年から現在の2018年ということね?
この数字については少し後でもう一度触れる。

1_img_2887_2さて、時間軸を少し戻す。
LOUDNESSの4人は、前年に引き続いて2017年も最後の最後に六本木のEXシアターのステージに立った。
『LOUDNESS Special Live 2017~ATLANTIC YEARS~"MILESTONE"』と銘打ったプログラム。

10「Milestone」と聞くとどうしてもね~…コレです。
Miles Davisの『Milestones』。
で、ですね、面白いことに気がついた。

1_51vuw8ty3ylメッチャどうでもいいことなんだけど、Miles Daivsは1968年ぐらいから急速にロックに傾倒し出して、1969年の『Bitches Blew』というアルバムで今で言うフュージョンの基礎のようなモノを作り、70年代に入るとギンギンのロックを演るようになった。
Blood Sweat & TearsやGreatful Deadの前座をやっていたんだから。
そのロック分野への移行の先駆けとなったのが下のアルバムに入っている、Ron Carter作の8ピートのブルース。
Milesはこの曲で生まれて初めて8ビートの曲を録音した。
曲のタイトルを「81」という。
ね、「8118」と絡んでくる。
「81」、メッチャかっこいい曲です。
そしてアルバムのタイトルは「E.S.P.」。
この符合、おもしろいね~。
「18はどうなんだ」って?
もちろんAlice Cooperでしょう。
まったくどうでもいい話だけど、私はこういうことを考えるのが大好きでしてね。

Espさて、今回は1985年発表の『Thunder in the East』、1986年の『Shadows of War』と『Lightning Strikes』、さらに1987年の『Hurricane Eyes』から選んだ曲を演奏するというゴージャズなショウ。
歴史がなければできませんからね、こういうのは。
また歴史ばっかり長くてもどうにもならない。
「充実した歴史」があるからこそ実現するコンサートなのだ。
20ステージ脇で出番を待つ高崎さんの愛器たち。

30v今回、一番多く使用頻度が高かったのがコチラ。

40vステージにはMarshallの壁!
LOUDNESSのライジング・サン・ロゴが実にシックリ来る。
双方世界のロック・ステージでよく知られた顔だ。

50vジトッ…開宴時間が近づき、会場内の空気の温度が少し上がった音。

1_img_0060 そしてオープニンSEに包まれてLOUDNESSがステージに登場した!

90二井原実

100高崎晃

110v高崎さんのお供。
世界がうらやむ高崎サウンドの発信源。
JMP-1ってのは世界的な大ヒット商品になったけど、日本ではナンダカンダ言って、「高崎晃の音がJMP-1」という向きがあまりにも強いよね。
こないだのNAMMでもどこかの外人に訊かれたわ。
高崎さん音が出るんであれば、ロックギターを志す人であれば誰でも欲しくなっちゃうよね。
ゴメンね、もうとっくの昔に生産終了してるの。

120v足元のようす。
右上に初代Gun'norの姿が見える。

130背後にはMarshallの壁だ。

140山下昌良

150v鈴木政行

160vまずは『Thunder in the East』のセクション。

175cdいきなり「Crazy Nights」!

01_0r4a2627 そりゃノッケから盛り上がるにキマってるのヤツ。

180アオる二井原さんに反応しないお客さんは皆無だったハズだ。

190vそして、高崎さんのソロ!
何回観ても気分爽快ですな。

200vこのイントロのメロディの1小節だけでドカンですわナァ。

220そのまま続けて演奏したのは「Like Hell」。

210_lhステージの下手からは山下さんの重低音が会場を征服しようとしてるし…

230後ろの方ではアンパンさんが猛プッシュしてくる!

250もちろん「Like hell」のところは大合唱ね。

01_0r4a1982 次の曲もイントロで「ガッチリ!」の1曲。
高崎さんの美しいアルペジオに…

260_hc二井原さんの歌がもの悲し気にかぶさってくる。

280v「Heavy Chains」だ!
ヘヴィ12ビートの極致。01_0r4a2380私はこの曲がすごく好きなんだけど、ファンの人気投票には入ってこなかったんだよね。
こんな曲、普通日本人は作らないでしょう?
文句のつけようがない歌のメロディ。

270そして、パート、パートにあまりにもピタリとハマる高崎さんのギター。

01_0r4a2626 最高にカッコいい。
ここのところしばらく取り上げられなかったので今回「Heavy Chains」が取り上げられてうれしかった。

01_0r4a2066 MCを挟んでまだ続く『Thunder in the East』セクション。

300_wcbtあと2曲選ばれたのは…まず「We could be Together」。
ん~、ナント内容の詰まったソロよ!
こんなにハードなのにメロディアス。
でもメロディアスなのに甘くない。
360v『Thunder』からのもう1曲は「Clockwork Toy」。

320v_cwt疾駆するストレートなドライビング・チューン。

330そして、煙の出るような高崎さんのソロ。
ゴメン、曲といい演奏といい、やっぱり日本人離れしてるわ。

365ココからは『Shadows of War』のセクション。

366cdステージの照明が落ちて、ドラムスのライザーに腰をかける高崎さんが浮かび上がる。

370v_sow美しいタッピングの音色。

380v曲はタイトル・チューンの「Shdows of War」。

390v続けて「Let it go」。

400前曲とは雰囲気がガラリと変わる。
みんな大好きな「let it go」だからね。

410_ligココなんだよねLOUDNESSのスゴイところって。
つまり…

446_bso曲のクォリティが高いのは毎回書いてる通り。
自分が作ったワケでもないのにエラそうに書いちゃって恐縮なんですけど…。

430で、LOUDNESSって「これさっきと同じ曲じゃないの?」とか「コレさっき演らなかった?」なんて曲がないでしょ?
それぞれの曲すべてが強い個性と存在感を持っているの。
2時間なら2時間、ずっと同じ曲を演っているように聴こえるバンドってあるからね。
特に若いメタル系のバンドさんを見ているとそういうことが起こりやすいように思う。340LOUDNESSの場合は、それぞれの曲が丸っきり異なる顔や身体をしているんだけど、曲についている名札がすべてLOUDNESSというところがスゴイのね。
こういう所が海外のバンドっぽいワケよ。
「Let it go」も「」In the Mirror」も「Speed」も「So Lonely」もLOUNDNESSという地続きの大陸にあるんだけど、異なる文化を持った国々なんですよ。
だからLOUDNESSの旅は飽きない。

447そんなつまらない理屈こそ「Let it go」か…。

170_cn「速い曲を演りますよ!」と『Shadows of War』のセクションを締めくくったのは「Black Star Oblivion」。

02_s41a0560 ね、イントロといい、中間部のキメといい、他の曲とはまた違う雰囲気なんだよね。
そして、この「♪Black star oblivion」のリフレインは一度聴いたら忘れない。

1_s41a0162ところで…
 
高崎さん、お誕生日おめでとうございます!

あたかも狙ったかのように今日LOUDNESSの記事をアップしたけど、高崎さんのお誕生日だと気がついたのは数十分前のことで、丸っきりの偶然なのです。
2月22日…そういえば大分前に高崎さんと「CATCH-22」の話を昔したことがあった。
久しぶりだからやっておくと、「CATCH-22」というのは、ジョセフ・ヒラ―というアメリカ人が書いた小説ね。
アメリカ空軍の軍規の第22項に「頭が狂ってしまった者は自らが請願すれば除隊することができる」とあるが、「頭が狂ったと自分から言い出す者は、頭が狂っていない証拠」とされていて、つまりは軍隊を永久に辞めることができないというパラドックスを表現する言葉。
まだアメリカに徴兵制度があった1961年の小説だからね。
この小説の評判がよく、アメリカでは「矛盾している状態」を指す時に「Oh, it's a catch22, right?(アレ、それって矛盾してるじゃん?)」などと日常会話のひとつの表現として定着したらしい。
私が英語で説明する話はいつも矛盾だらけのハズなんだけど、不思議と外人がコレを口にするのを聞いたことはない…もう今は使われない表現なのかな?
今度Marshallの誰かに試してみようかと思ってる。
残念ながら私は観てないのだが、「CATCH-22」は映画化もされていて、私が小学生の頃に名画座でかかっていたのを覚えている。今クレジットを見ると、その超豪華キャストに驚くよ。監督はマイク・ニコルズだし…ということでAmazonにお願いしました。
しかし、高崎さんも2月生まれだもんな~。
昨日までMarshall Blogでレポートしていた2月生まれのミュージシャンが集まるチーム、THE FEBに参加したら面白いだろうなナァ。

310LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

460<後編>につづく
 

200 (一部敬称略 2017年12月28日 六本木EXシアターにて撮影)

2018年2月21日 (水)

2月生まれ 考えあまいが演奏うまい ~ THE FEBの20周年!<後編>

 
さて、休憩をはさんだ後は、THE FEBの20周年を記念するライブも最後のセットに突入する。
ココで今までのブルース三昧と雰囲気がガラリと変わる。

10小川美潮の登場だ!
そもそも、今回のCDやDVD制作のアイデアは美潮さんのご発案だったそうだ。

20v美潮さんのバックを務めるのは…
森園勝敏

30v松川純一郎

40v伊藤広規

50v杉山卓夫

60v西本明

70v小森啓資
…という面々。
2月生まれが4人、それ以外が3人。

80vアレ?そうか…今日は2月生まれの方は山ほどいても、ステージに上がった女性は美潮さんひとりだけだったんだ!
コレは時代を表している感じがするナァ。
今、若いミュージシャンでこの手のセッション・コンサートを開いたら、間違いなく半数は女性になるだろう。
  
さて、実はですね、今日のこの時を首を長くして待っていたのですわ。
そう、私は美潮さんのファンなのだ。
私の友人にも美潮さんの大ファンがいて、ソイツは娘さんに「美汐ちゃん」という名前をつけた。
ウチはセガレが2人なんだけど、今にして思えば「美志夫くん」とヤル手もあるにはあったな。
高校の時に聴いたチャクラのサウンドがとにかく魅力的だった。
私がデビュー・アルバムを買ったのは、新小岩の「ヤマサトーホー堂」だった。
「この店先でプロモーションをすれば売れる」と、後に全国的に有名な演歌の聖地となったこのお店は完全にファミリー・ビジネスで、お嬢さんが店番をやっている時を狙って買いに行ったような気がする…もちろんカワイコちゃんだったからだ。
アレは1980年のことだったのか…もうチョット前のような気もしていたんだけど。
その頃、パンクだ、ニューウェイブだ、テクノだ…と、斯界のロックにウンザリし出した頃で、チャクラもピコピコとテクノポップの要素はあったにせよ、「福の種」のような「和」のテイストがものすごく新鮮で、すごく気に入ってしまった。
少しエッチな歌詞にドキドキしたりしてね。
そして、ナニよりも、カニよりもシビれてしまったのが、美潮さんの歌声と歌い方。
それ以前には恐らく一度も耳にしたことがないタイプのモノだった。
ある時、何かの雑誌に「中学生の時にひとりでフランク・ザッパを観にくような変な少女でした」という美潮さんのインタビューが掲載されていて余計に好きになった。
私は残念ながらフランク・ザッパを観ることはかなわなかったが、私も中学3年生の時からザッパが大好きだったので「やっぱり!」というような印象を覚えた。
偶然のことではあったが、『8時だよ!全員集合』に出演したチャクラも見た。
FM東京でオンエアされたスタジオライブの音源は今でも大切に保管している。
チャクラのファースト・アルバムには、沖縄のメロディをレゲエのリズムに乗せた「島の娘」という曲が収録されていて、そのスタジオ・ライブでも取り上げていた。
コレがもう最高にカッコよかった。もちろんコピーした。
ギターの板倉さんが短いソロの中で正統的なバップ・フレーズを弾いてみせたのだ。
『夜のヒットスタジオ』の「せんせい」も衝撃的だったナァ。リアルタイムで観たわ。
ところが、肝心のナマのチャクラは最後まで観ずじまいだった。
当時一緒にやっていたバンドのドラマーが「昨日、新宿ロフトにチャクラを観に行って来たけど、すごく楽しかった!」と言っていたのを思い出す。
あの時彼にくっついて行けばヨカッタなぁ。
フランク・ザッパはまだ年齢的に行くキッカケがなかったので仕方ないが、チャクラを見逃したのは一生の不覚だわ。
そんなに好きなら後からでも美潮さんのライブに観に行きゃいいじゃんよ!…と言われそうだけど、大学に入るとロックからスッカリ遠ざかってしまったのでその機会がなかった。
そして、とうとう数年前に渋谷のジアンジアンのウラのライブハウスでホッピーさんのライブにご出演された時にキャッチした。
ドラムスがポンタさんで、坂田明さんを交え、ホッピーさんを中心に、4人でコッテコテのフリー・ジャズを演ってらした。
今回は「調性のある音楽」ということでありがたいと言えばありがたい。

90v美潮さんのセットの1曲目は「犬の日々」。
ミュージカルの『キャッツ』ってあるでしょ?「ジェリクル・キャッツ」だの「メモリー」だのの『キャッツ』。
アレはイギリスの劇作家のT.S.エリオットの子供向けの詩集『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法(The Old Possum's Book of Practical Cats )』を元にアンドリュー・ロイド・ウェーバーが曲を付けてミュージカルに仕立て上げたモノ。
Rum Tum Tugger、Mungojerrie、Rumpelteazer、Old Deuteronomy、Mr.Mistoffelees、Macavity、Skimbleshanks…なんてね、私はゼンゼン猫好きなワケではないけど、この作品は信じられないぐらいの名曲揃いでブロードウェイで通算3回観た。
で、そのエリオットの原作を共訳詩をしたのが北村太郎さんという方。
この方の家は関東大震災の混乱の後、合羽橋に移り住んで「小松庵」というソバ屋さんを営んでいたんですってネェ。
合羽橋といえば、厨房器具店が集まる世界的に有名なエリア。
ココの厨房器具店と神保町の古本店の集まりようは世界一なのだそうだ。
実は合羽橋はそれだけではない。
徳川家の菩提寺である上野の東叡山寛永寺と浅草の金龍山浅草寺を結ぶもっとも近い道が走っていて、江戸時代には将軍がそこを行き来していたという。
その通りは、今ではサビれにサビれた商店街だが、奇跡的に障害物がなく、スカイツリーが根元まで見える珍しい通りとしても知られている。
で、寛永寺の山主だった輪王寺宮(りんのうじのみや)、後の北白川宮能久親王(きたしらかわのみやよしひさしんのう)は、上野戦争の際同じ皇族であったにもかかわらず、長州藩が作ったインチキ「錦の御旗」の元、倒幕に迫る薩長の朝廷軍に追い立てられ、尾久や三河島を逃げ回った後、この合羽橋の東光院にかくまわれた…っていうんだよね~。
アータ、輪王寺宮っていうのは「もうひとりの天皇」と言われたぐらい地位が高い人だったんですよ。
そして、幸宥(こうゆう)というこの寺の当時の住職は宮を追って一緒に東北地方の逃避行を続けた。
コレが今も合羽橋に残る東光院(移転後らしい)。

1_2img_5645 イカンイカン、こんなに脱線するつもりはなかったのに!
「犬の日々」は、その北村さんが書いたオリジナルの歌詞にベーシストの山村哲也さんが曲をつけた作品。

110_lwk森さんがメロディを弾くイントロに導かれて、美潮さんがひと声発するだけで独特の世界ができあがってしまう。
「声」の力っていうのは本当にスゴイ。

100v「次は英語の歌を歌っちゃいます」
美潮さんが取り上げたのはMichael Franksの「The Lady Wants to Know」。

120ギターが耳元で囁いているような森さんのあまりにも繊細な間奏。

140vこの曲が収録されているMichael Franksの『Sleeping Gypsy』ってのは一時期流行ったよね~。
1977年か…。
私なんかはまだ中学生でハードロックに狂っていた頃だけど、このアルバムのジャケットはよく目にした。
もしかしたら「ラリー・カールトン」なんて名前はコレで初めて耳にしたのかも知れないナァ。
Michaek Franksの曲は多分これからも聴かないと思うけど、美潮さんの歌だったら聴きたいな。

130vしかし、失礼ながら演奏ウマいナァ。
まるでCDを聴いているようだった。

150前回、KOKI Tetragonの時に松川さんの選曲で「Lady Day and John Coltrane」という曲を教わった。
先日、川崎のチッタに行った時に入った近所の喫茶店でこの曲が流れていて驚いたんだけど、私が勉強不足なだけで、さほど珍しい曲でもないのかな?
例の「落ち込んだ時はビリー・ホリディやジョン・コルトレーンを聴いて元気をだそうぜ!」みたいな歌ね。
で、この「The Lady Wants to Know」にもコルトレーンが出て来るんだよね。
「パパはコルトレーンみたい、ベイビーはマイルスみたい」って。
どうしてコルトレーンがこうやって出て来るんだろうネェ。
すごい不思議。
同じテナーでデクスター・ゴードンとかコールマン・ホーキンスとか、ベン・ウェブスターじゃイヤなのかな?
私だったらジョニー・グリフィンとかスティーブ・マーカスとかタビー・ヘイズがいいな。
それでですよ、こういうところに出て来るコルトレーンはいつのコルトレーンを指しているのか知りたいナァ。
ご存知の通り、ジョン・コルトレーンは音楽のスタイルを常に変え続けつつ、41年という短い生涯を音楽に捧げた修行僧のような音楽家だ。
「私の人生にレジャーはなかった」というセリフが有名なぐらいの音楽の化身だ。
パパはいつのコルトレーンみたいなんだろう?
若きPrestige時代かな?充実のAtlantic時代かな?自己の音楽道を極限まで追求して燃え尽きるImpulse時代かな?それとも『Blue Train』狙いかな?
この曲調から察するに『Expression』や『Meditation』なんかは除外されるんだろうな~。
『Ascention』はOK。
え、コレって「Coltrane」じゃなくて「cold train」って歌ってるの?

160美潮さんの「♪エンヤ~コラヤット」のフリつきで始まったのは「南の花嫁さん」。

170_mnhこの曲は知らなかった。
1942年だから、戦中の高峰三枝子のヒット曲。
「♪おみやげはナ~ニ」でグッとこない人はいないだろう。
本当に可愛い曲だ。
昔はいい曲がたくさんあった。
ライナーノーツに詳述した通りこの曲は元は中国の曲なのだが、海外から入った来た曲といえば、「ブンガワン・ソロ」なんかも実によろしいな。
今って、比較的年配の方から子供までが歌えるヒット曲ってまったくないんだよね。
我々の頃は山ほどあった。
「懐かしの昭和メロディ」のような番組をよく東京12チャンネル(現テレビ東京)でやってるでしょ?
あそこで出て来る古い歌って、正確に歌詞を吟じれるワケではなないにしろ、ほとんど知ってるんだよね。
え、「人間が古いから」だって?
チガウチガウ!
それらは我々が子供の頃に流行っていた曲なんだって!
それなのに知ってる。
どうだろう、そういうのはピンクレディぐらいまでかねェ?
パソコンやらゲームやら他に楽しみが増えたのでヒット曲がなくなってしまったのか、ヒット曲がないからみんな音楽から離れてしまったのか…きっとその両方なんだと思う。
ゴメンナサイ…ここから先はまた別の機会に別の記事内で書くことにします。
今の日本の音楽界で最近ものすごく気になっていることがあるのです。

180vさて、絶対に聴き逃してはならないのはこのアレンジ。
じ~つ~に、カッコいい!
原曲のメロディをバッチリと活かしつつ、極めてコンテンポラリーな仕上がりになった。
こういう仕事ってとても素晴らしいと思う。

190その秀逸なアレンジを忠実にこなす皆さんの腕前がまた見事ときてる。

200vで、結局最終的には美潮さんワールド。
「チャクラの新曲」と言われて聴かされたら私なんか「やった!」なんて喜んじゃうね、きっと。
それだけ美潮さんの持つ個性ってのは強力なのだ。
ク~、楽しいな~、THE FEB!
210vでも、次で最後の曲なの。
皆さんは温泉に行くと何回お風呂に入りますか?
私はいつも4回を目標にしているの。
宿に到着する時間にもよるけど、着いてすぐ1回。
夕食の前に1回。
寝る前に1回。
そして、翌日の朝に1回。
マァ、大抵3回止まりになっちゃうんだけどね。
決して欲張っているワケではなくて、大好きなの…温泉が。
信州に8年近く住んでいた時にガッチリとハマったね。
だから、いい湯であればリュックを背負って山の上まで行っちゃうよ…というのが最後の曲。

220軽快なスカのリズムに乗って展開する楽しいナンバーは「山登り銭湯」。
260美潮さんがチャクラの後に結成した「美潮バンド」時代のレパートリー。

225岡沢さんのパワフルなコーラスがメッチャ印象的!

230vこの曲でも美潮さんのカワイさ全開!
他の人が歌ったところで意味はないだろうし、歌って欲しくない。

240vTAKEさんのソロ。
起伏に富んだ濃い内容がうれしい。
美潮さんが指摘されていたが、TAKEさんがかけているのは本当に「ハズキ・ルーぺ」なのかッ?
あの舘ひろしのCMはいいナァ。
かつて老眼鏡の宣伝をアレほどまでにスタイリッシュに仕上げたことはなかろう。
女の子のお父さんは、ああして娘とデートするモノなのか?
私なんか、おかげさまでだいぶ膝が回復して来た長男とオリジン弁当を食べるのが関の山だ。
しかし、「舘ひろし」とくれば「猫ひろし」。「タチ」に「ネコ」。
このネーミングのセンスもハズキルーペのCMほどに素晴らしいとは思わない?

250vコレもカワイイ曲だなァ。
みんな銭湯好きなのね~。
そういえば「私の秋葉原」という記事で紹介した燕湯という銭湯、誰か行ったかな?

255イヤ~、恐るべし2月生まれ!
誰か「THE NOV」やって~…そう、私は11月生まれなのです。

270vアンコールは出演者全員でにぎやかに演ったよ。

280_hc「奴らとお嬢さん」という曲。
コレはDVDだけに収録されているからね。

290カリプソ。
コレも楽しかった。
ライナーノーツでも触れたんだけど、日本ではカリプソってほとんど耳にしないよね。
ジャズ・ファンの間ではソニー・ロリンズの「St. Thomas」や「Don't Stop the Carnival」なんてカリプソ曲は良く知られているだろう。後年、トニー・ウィリアムスと演った『No problem』に収録されている「Coconut Bread」なんて実にいい曲だ。
他にもフレディ・ハバードの「Breaking Point」なんて意表をつく展開ということもあってカッコいいことこの上ない。
日本ではどうだろう?
荒井由実の「避暑地の出来事」ぐらい?
私が知らないだけなんだろうけど、寂しいね。
今の日本のミュージシャンたちはもっと色んなリズムを取り入れるべきだと思う。
昔の方がはるかににぎやかだった。
カリプソについてはかつてヴァン・ダイク・パークスを引き合いに出して【Music Jacket Gallery】の「乗り物ジャケット特集<前編>」で解説したことがあるので是非ご覧頂きたい。

300どんなリズムでも自家薬籠中の小森さん。
メリハリの効いたスティックさばきが快感だ。

310vソロで、時にはツインで分厚いサウンドを奏でたキーボーズ・チーム。

340タイトルにあるように、曲中の「奴ら」と「お嬢さん」のコール&レスポンスが楽しい!

320

350皆さんから「OS、OS」と呼ばれていた岡沢さん、ナニをやっても破壊力がハンパじゃなかった!

360あ~楽しかった!

370vダルセーニョして…2月生まれのスゴ腕ミュージシャンが集まったチーム、THE FEB。
その結成20周年を記念したコンサートを3日間にわたってレポートした。

380その模様を収めたCD&DVDが『THE FEB』。
一部先行発売もしているようだが、正式なリリースは2月28日。

400それに先立って2月23日にはアルバムの収録場所となった横浜STORMY MONDAY。
そして、その5日後、27日には原宿クロコダイルでそれぞれ発売記念ライブが開催される。

410v最後の最後になるが、予告編が仕上がっているので紹介しておこう。

「23日と27日、2月生まれの我々(一部を除く)がお待ちしていま~す!」

420伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒ITO KOKI official web site

Sm 

200
(一部敬称略 2017年11月2日 LIVE CAFE STORMY MONDAY YOKOHAMAにて撮影)
 

2018年2月20日 (火)

2月生まれ 考えあまいが演奏うまい ~ THE FEBの20周年!<中編>

 
森さんの歌で「Suzy Q」。
むかしむかし、この曲のことを完全にスージー・クアトロのことだと思ったよね。
違いますよ。
しからば「Suzy Q」あるいは「Susie Q」とは一体誰のことか…。
私は曲は知っていても、周辺ことは何も知らなんだ。
で、今回のアルバムのライナーノーツを書くにあたって色々と調べてみたんだけど、とてもおもしろかった。
知らないことを学ぶのは大変楽しい。
子供の頃からこの精神が旺盛だったら東大のひとつやふたつは軽かったかも?…イヤ、無理か?
「Suzy Q」の詳しいことについては『THE FEB』のライナーノーツを見てね!

520v_sqウネウネとダイナミックにトレモロアームを揺さぶる森さんのソロ。
いい音だにゃ~。
そして、森さんより若干深めのクランチ・サウンドで松川さんがソロをブチかます。

530しかし…今更だけど、感心するほどシンプルな音楽だナァ。
それがこんなに魅力的に響くのだから昔のロックってのはスゴイ。
エンディングのデクレッシェンドが意外。

540vココでTraffic。
ボーカルズが松川さんに替わってファースト・アルバムから『Dear Mr. Fantasy』。

550_dmfココでも森さんは大胆にトレモロ・アームを上げ下げしてボトルネックの効果を醸し出しす。

2_s41a0096 杉本さんのオルガン・ソロ。

570曲に鋭い刃物を突き立てるような広規さんのプレイがとてもスリリングだ!
560そして、松川さんが華麗にソロをキメて曲はエンディングを迎える。
  
Trafficもイギリスの名門バンドのひとつと言えよう。
『Mr. Fantasy』、『Traffic』、『Last Exit』、『John Barleycorn Must Die』、『The Low Spark of High Heeled Boys』、『Shoot Out at the Fantasy Factory』、『When the Eagle Flies』、そして『Far from Home』…全部ウチにあるんだけどサ…聴かないんだよね。
キライじゃないんだけど聴かない。
実はStevie Winwoodのソロ・アルバムもゴロゴロしてるんだけどサ、聴かないんだよね。
何でなんだろう…。
でも、このTHE FEBの演奏で聴きたくなったのよ。
こういうこともある。
コレも音楽の面白いところだ。
THE FEBの「Dear Mr. Fantasy」は本家より少しハードな演奏だった。

555THE FEB20周年記念ライブの最初のセットはココまで。
ブルースを中心とした渋~いレパートリーでジックリと聴かせてくれた。

5802番目のセットに移る。
ギター&ボーカルズに横内健亨。

590ライナーノーツに名簿が掲載されているのだが、過去2月生まれではない大二さんなども参加していることからわかるように、THE FEBは20年の間に2月生まれ以外の助っ人ミュージシャンも何人か登場している。
TAKEさんはTHE FEBの発起人のひとりで、当然ながら2月の生まれ。

600vTAKEさんはASTORIA CLASSIC。

610ベースには岡沢茂を迎える。
岡沢さんも2月生まれ。

620v最初に演奏したのは、TAKEさんの4つ切りでスタートする完全4ビート・ナンバー。
650まずはニューオリンズのシンボル的なシンガー、Lee Dorseyの「Get out of my Life」。
小野さんも2月生まれ。
655vこの曲のタイトル…「~の外へ」とか「~の中から」という意味を表す「out of」ってイヤだよね。
どうしても「out from」って言いたくなっちゃう。コレぞ日本人の英語オンチ的発想なんだろうな…イヤ、私の英語オンチ的感覚か。

630v_gomTAKEさんと松川さんのソロで転調するところがトリハダもの。
松川さんはトーン、フレーズともにハードになって来た!
ジャンジャンいっちゃってください。

650v続いてはRay Charlesのヒットで知られるミディアム・スローの「I Don't Need no Doctor」。

660「♪アドニーノ」…TAKEさんのドスの効いた歌いっぷりが何とも痛快。

700岡沢さんが入れるノリよい合いの手がまたいい感じ!
710今度はコーラスを効かせてガツンと弾きまくる松川さん。
やっぱりASTORIA CUSTOMの出す音が気持ちいいに違いない!

680v西本さんのオルガンがソロを引き継ぐ。
ココのパートの盛り上がり方が実に気持ちいい!
ウ~ン、不思議。
キーボーズはナゼか2月生まれ以外の方が多かったようだ。
今日ご出演されている西本さん&杉本さんも2月生まれではないし、かつてご出演された関雅樹のコンボでMarshall Blogによくご登場頂く石井為人さんも同様。
で、ホッピーさんが2月生まれなんだって。

690vメンバー全員の熱演に応えるかのようなTAKEさんのガッツに満ちたソロ。
ちなみにドミナントのパートはRay Charlesの原曲をリハーモナイズしての演奏。
John Mayerバージョンかな?

720v2番目のセットの最終曲。
コレがまたヨカッタ!730ドラムスは小森啓資にスイッチ。

740v_gjCD収録曲ベースで言えば、この日唯一のインスト曲にしてオリジナル曲(この日演奏した他のインスト曲は「Albatross」)。
TAKEさんの「Gang Jam」だ。

750キメの連続で作られているようなスリリングなナンバー。
どういう展開をするのか想像できない。
まるで組曲のようだ。

760リハの時に初めて聴いて一発でこの曲が気に入ってしまった!
切れ味鋭い小森さんのドラムスがまた実にピッタリとハマるんだな~。

780v西本さんはこの曲ではオルガンから離れてピアノでソロを披露。

2_s41a0348 そして全編を通じて暴れ狂うTAKEさんのギター。
ココでもドスが効きまくり!

790v文句なしの快演!

800ココで休憩。
広規さんのライブといえば南阿蘇の「キャラメル・プディング」。

801もちろんこの日も南阿蘇から送られて来て、みんなで究極のプリンの味に舌鼓を打った。
ちなみに「舌鼓」は「したづつみ」ではなく、「したつづみ」と読む。
アレ!
広規さんが持ってるヤツ!

802vそう、伊藤広規音楽生活40周年記念仕様なのだ!
広規さんの大好物である「ラーメン味」に仕上がっている…んなワケない!

803どうでもいいことですが…。
この赤いハートが付いた紙箱。
先週のバレンタインデーでの家内からのプレゼント。

Vdキヒヒヒヒ!
キャラメル・プディングの詰め合わせなのだ!お取り寄せ~!
ダメ、いくつあっても食べ足りない。
できれば南阿蘇とパイプでつないで、蛇口をひねるといつでもプリンが出てくるようにしたい…というぐらいおいしい。
 
キャラメル・プディングの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ブログ

Pd今レポートしているTHE FEBのライブCD&DVDは2月28日の発売です。

 

伊藤広規の詳しい情報はコチラ⇒ITO KOKI official web site

820<後編>につづく
 

200_2  
(一部敬称略 2017年11月2日 LIVE CAFE STORMY MONDAY YOKOHAMAにて撮影)

2018年2月19日 (月)

2月生まれ 考えあまいが演奏うまい ~ THE FEBの20周年!<前編>


2月生まれのスゴ腕ミュージシャンたちが集うチームがTHE FEB。
今年で結成20周年を迎えた。
それを記念してライブCDやDVDを制作しようという計画が持ち上がり、本当にやっちゃった!
発売は2月28日。
28日か…しかし、ナンだって2月だけひと月の日数が少ないんだろう…と思ったことある?
暦、すなわちカレンダーの元はローマ帝国だよね。
ジュリアスがJulyになったり、アウグストゥヌスがAugustになったり、この2人が乱入して来たので、ラテン語で「7番目」を表す「sept」がついて、本来であれば7月になるハズのSeptemberが9月になったり、同じく8月がOctober(「oct-」は「8」。「オクターブ」とか「オクトパス」とか)と10月にさせられたり、とカレンダーには結構面白い話が詰まっている。
2月の「February」は、「Februus(フェブルウス)」というローマ神話に登場する「月の神様」の名前に由来していて、ラテン語では「厄払いの儀式の月」なのだそうだ。
で、この「February」ね、日本人は「フェブラリー」って発音したり、書いたりすると思うんだけど、いつか「日本人の『February』の発音はおかしい」…って言ってた外人がいた。
「フェブラリー」ではなくて、「フェブリュアリー」って発音するのが正しいとかいうことだったが、確かに私のバカ耳にですらMarshallの連中も「フェブリュアリー」と言っているように聴こえる。
で、28日しかない理由。
これには2つワケがあるとされているようだ。
ひとつは日数の調整に使われてしまったという話。
元々は1年は3月から始まって12月で終わっていた。
だからNovemberとDcemberは、それぞれラテン語で9番目を表す「Novemr」と「Decem」が語源になっている。(ギリシア語では「ノナ」と「デカ」)
「10」の方の「deci-」は「デシリットル」なんかでおなじみでしょ?
「dB(デシベル)」の「d」も10を表している…対数関数かナンカでサッパリわからないけど。
当時、暦というものは農耕のために作られたものなので、畑仕事がない冬場は暦なんでどうでもヨカッタ。
しかし。1年は365日であることがわかっていて、10番目の月の後、すなわち新しい年が始まる3月1日までの間、60日も空白じゃマズイんじゃん?ということで1月と2月を作った。
一方では、コレはよく知られている話だけど、7月と8月が連続して31日ある理由。
元々8月は30日で構成されていた。
ところが、上で触れた8月生まれのアウグストゥヌスが「あ、ナンやねん!カエサルの7月は31日なのにオレの月は30日やねん!アカンがな!」ということで8月も31日になってしまった。
…となると、「どこかの月の日数を1日削らなアカンがな。さもないと1年が366日になってまうで!」
というワケで、そうなると、どうしても1年の一番最後の2月が狙われるわナァ。
それでヤラれた。
つまり、アウグストゥヌスのワガママと調整が一番しやすかったため2月の日数が他の月に比べてすくないというワケ。
それでもFebruaryは耐え抜いた。
だから2月生まれの人は辛抱強いのだ…なんて話は聞いたことがないか?

10v「THE FEB」の名前をはじめて耳にした時のことを思い出した。
それは2011年5月22日、広規さんと森さんがデュオのライブをやるというので、横浜の石川町の「ZAIM」というお店まで遊びに行った時のこと。

20vこの時、会場のスペースが小さいから…とMG15DFXとMB30を使ったんだ。
60森さんは2月18日生まれ。

40v広規さんは2月19日生まれ。

50お2人は生年が一緒で誕生日が1日違い。
「へ~、偶然ですね~!」なんて話をしていると、「アノね、2月生まれのミュージシャンだけで集まる『THE FEB』っていうグループがあるんだよ」
その時、ツラ―っと考えてみて私の周囲で2月生まれの人が思い浮かばなかったので「『2月生まれの人の集い』なんてずいぶん珍しいナァ…」と思った。
その後、広規さんとはロンドンでご一緒させて頂いたり、他でもしょっちゅうお会いしていながらTHE FEBに話題が及ぶことはなかった…ように記憶している。
しかし、私の頭には「ざふぇぶ」という響きがシッカリと刻み込まれたのであった。
だから今回のプロジェクトが持ち上がり、お話しを伺った時には「はいはい、THE FEBですな?」ってなもんだったですよ。

30そういえばこの時、広規さんのベースの調子が悪くなっちゃったんだよね。
それで、森さんのギターを借りて急遽ギタリストに転向。

70広規さんぐらいのミュージシャンともなればベースとギターの区別なんてないようなもの。
弦の数と太さの違いぐらいのもんだ。
「天国への階段」のジミー・ペイジのソロをステージで完コピで弾かれているのを見たこともある。

80すると、親切なお客さんがワザワザ自分の家にベースを取りに行ってくれて、それを広規さんに貸与するという展開となった。
そんな感動的な場面を交えてこの日のステージは幕を下ろしたのであった。
懐かしいナァ。

90vそして、それから7年後…いよいよTHE FEBと遭遇する日がやって来た。
会場は関内のSTORMY MONDAY。
おお~、また横浜だ。

95伊藤広規⇒横浜⇒STORMY MONDAY⇒ライブ・レコーディング…とくればアータ、KOKI Tetragonの『The Classy Rock GIG at Yokohama STORMY MONDAY』でしょうよ、どうしたって。
『The Classy Rock GIG』のリリースが2017年の4月5日。

96cdこの時から1年も経たずして今回登場するのが…コレ。
『THE FEB』と冠したCDとDVDで構成する豪華ライブ・アルバム。
ジャケットは広規さん作品には欠かすことのできない「やましたみか」さんのデザイン。
いいよね~。好き。
あることがキッカケで「星と月とFEBのタイポグラフィでレイアウトしたバースデイケーキを作る」というアイデアがみかさんの頭の中に浮かんだ。
それは、20年も続いているTHE FEBに関わってきた全てのミュージシャンの方々のお誕生日をお祝いするような気持ちだったという。
ローソクの数やケーキに付いている星の数には特に意味はないそうだ。
そして、そのデザインもさることながら、このオレンジがいいんですよ~。
色もデザインのウチだね。
と~ころがですね~、この色を正確に写真に収めるのが実にムズカシイ!
最近、止む無く事務所の照明をLEDに換えたのよ。
あんなにライブの撮影で苦しめられているLEDの室内照明具なんで使いたくなかったんだけど、「もう蛍光灯の室内照明器具なんてありませんよ」ってお店の人が言うので止む無くそれに従った…安かったし。
案の定、この照明器具がブツ撮りをする時の大きな苦労のタネになっちゃって…。
やっぱり色が正確に出ない。
下の写真も、はじめは事務所の中で撮影してみたんだけど、このオレンジの色がどうにも出ない。
「こんな色じゃみかさんに申し訳ないな…」と情けなくなった。
で、どうしたかというと、太陽光を使った。
つまり、屋外で撮るということ。
事務所の前の道路に黒い布を敷いて撮ったのが下の写真。
ま~、通りがかりの人が見るわ、見るわ。
あの人たち、全員このアルバムを買うだろうな…「ああ、あのオジさん、このCDのジャケットを撮影していたのか~!」って。
それでもホンモノはもっといい感じのオレンジだよ。
事実、制作の方々はチラシ等の色校でも結構苦労をされたと聞いた。

100ついでに表4も道路で撮った。
コレも実にいいデザインだよね。
おしゃれで上品でやさしい。
そもそも、この「THE FEB」のフォントが素晴らしい。

110装丁はCDとDVDを収納する紙ジャケ・トリプル・ゲイトフォールド仕様。
ん~、真ん中のライブの写真がまたいいね~!

120右側を閉じると、収録曲と演奏メンバーのクレジット。
STORMY MONDAYの常連さんならこのデザインが何かは一目でわかるハズ。
このアイデアも秀逸だ。

130レーベルはこんな感じ。
CDはオレンジ、DVDが紫。

140帯も大切。
私は柔道をやっていたワケでもないのに帯が大スキなのです。
キャッチコピーは今日のタイトルで借用した「考えあまいが演奏うまい」。
いいこと言うわ~。
コレ、反対だったら大変だよ。
「考えシビアで演奏マズい」…コレじゃ聴けたもんじゃない。
もちろん、THE FEBは考えも演奏もシッカリしてますから!

150そして、今回もステージの撮影だけでなく、ライナー・ノーツも担当させてもらったのです。
『Relaxin' at Iwaki ALIOS』、『A*I』から始まってコレで7作目。
まったく光栄でございます。

160今回も書いた~!
ブルース門外漢の私じゃない?
正直、どうしようかと思っていたんだけど、書き出したら止まらない。
「アラアラ、困りますね…コレはマーブロではないんですよ!」なんてお小言もガマンして頂き、最初5,000という文字制限を大幅に振り切って7,000字にナンナンとしてしまった。
だって、色々と調べているウチに面白いことを発見して止まらなくなっちゃったんだもん!
あ、言っておきますけど、5,000なら5,000でビシっと抑えることもできますからね。
そういう字数が厳格に決まっている仕事で最も燃えたのがギター・マガジンさんに寄稿したジム・マーシャルの追悼文だったな。
広規さんの作品のライナーはいつも文字数の目安だけご指定頂いて、好きに書かせて頂いて何とか収めこんでもらっちゃう。
おかげで今回もライナーのレイアウトが、当初と比べて大きく変更してしまい、みかさんにご迷惑をおかけしてしまった。
呆れもせず最後までお付き合いくださったみかさんにこの場をお借りして御礼を申し上げます。
   
以上が2月28日にリリースされるTHE FEBのアルバムの情報。
…ということで、今日からTHE FEBの20周年を記念するそのレコーディング・ライブの模様を3回にわたってお送りする。

170今回は出演者も多いので設営が大変!
楽器や撮影の機材で店内がゴッタ返しちゃってる。

190それでも「演奏うまい」方々は「片づけもうまい」ので徐々に収まって来た。

200楽器のケースなんかもうトイレよ。

210vそして、後は開演を待つばかりとなった。

220ライナーノーツでもご紹介した頂いた通り、今回もMarshallとEDENがステージをサポートした。

230まず、最初のセットの出演は…森園勝敏。
森さんはMarshall Blogにはモノスゴイ久しぶりのご登場!
昨日が森さんのお誕生日!
おめでとうございます。

240v今回はASTORIAのDUALを使用。
最近は歪みにご執心だとか…。

250松川純一郎
松川さんは今日がお誕生日!
おめでとうございます。

260v松川さんはKOKI Tetragonに引き続いてATORIA CUSTOM。

270伊藤広規
広規さんも今日がお誕生日!
おめでとうございます。
それにしてもこのバンドは2月生まれが多いな…あ、そういうのをやってるんだった!

270vKOKI Tetragonの時はMarshallだったが、今回はEDEN。
WTP-600を使用した。

280キーボーズ・チームは西本明と…

290v杉山卓夫

300vドラムスは小野秀夫。

310vココからライブのレポートになるワケなんだけど、ココまで書いてフト気がついた。
とてもやりにくいことに気がついたのだ。
だってDVDが付いてるワケじゃん?
私がいくら解説してみたところで、そんなヘタな文章を読むよりDVDを見ればいいんだもんね。
しからば、曲の解説をば…と、いきたいところだけど、おいしいパートやキモとなる部分は全部ライナーノーツに詰め込んじゃったんだよね~…コレは困った。
でも、マーブロはマーブロなりにいつもの調子でやっていくことにした。

320まずは松川さんのボーカルズで「Talk to me Baby」。

330v_ttbWillie Dixon作のブルース。
森さんがトレモロ・アームとクライ・ベイビーでボトルネックのような雰囲気を醸し出す。

340vレイドバック&ホンワカした雰囲気郡息で滑り出した20年目のTHE FEB。 
410次もWillie Dixonとブルース・ピアニストのEddie Boydの共作で「Third Degree」。

370v_3d森さんの歌から…

380杉山さんのエレピのソロ。

390vそれを受け継いでの松川さんのソロ。

1_0r4a3944_2 森さんの「ゴーアヘ、ゴーアヘ(Go ahead)」に押されてフロント・ピックアップで歌いまくる。

400「タラ~っとした感じだね~。レコーディングしています」と言う松川さんが大スキだというT-Bone Walker。
ドンズバで「T-Bone Shuffle」。

420vこの曲でも杉山さんのソロがジックリとフィーチュアされた。
ライナーにも書いたんだけど、ピアノとオルガンのツイン・キーボーズってのはいいもんですな。

425ファンキーに「Big Legged Woman」。
森さんはFreddie Kingの曲をよく取り上げるね。
460v「マツ!」のかけ声に応えて…

430v松川さんがハードにソロをキメる!
490しかし…こういう曲での広規さんのバッキングはホントにスゴイ。
ベース・ラインだけでご飯が3回おかわりできる。

1_0r4a3913 何でもなく弾いているように見えるんだけどね~。
ウネってんだよね~。ウズ巻いてんだよね~。
ラーメン好きの広規さんだけあってそのウズ巻き加減はナルトそのもの。
こういうのは、Count Basie OrchestraのFreddie Greenのギターと種類が同じなんだよ、きっと。
周囲の音の隙間を縫って弾いているってイメージ。
475キーボーズもフィーチュアされて…

440ソロのバトンはリズム隊へ…。
まずはダイナミックに広規さん。

470vそして、小野さん。
キメ細かいビロードのようなドラム・ソロ!
コレは完全に私の私見だけど、レギュラー・グリップのドラマーの方って絶対にマジメな人だ。
イヤ、マッチド・グリップの人が不真面目というワケでは決してござらんよ。

480v実はCDやDVDに収録されなかった曲もあった。
次はそんな曲。

450小野さんがマレットに持ち帰って演奏したのはFleetwood Macの1968年のシングル「Albatross」。

1_s41a0359 間違いなく森さんの選曲でしょう。
だってこの曲、Peter Greenが「Sleepwalk」の影響を受けて作ったと言われているんでしょう?
森さん「Sleepwalk」が大スキ…なハズ。
大分前に森さんと音楽の話をしている時、「Macってさ~、『Future Games』とかホントにいいんだよね~」としみじみおっしゃっていたのを覚えている。
私も『Bare Trees』とか『Mystery to me』とか『Penguin』とか、Bob Welch時代のMacが一番好きだった。
やっぱり怪物アルバム『Rumours』はどうしたって素晴らしいと思うんだけど、反対にPeter Green時代のアルバムって持ってはいたものの、ほとんど聴かなかったナ。
あ、ちなみにこの辺りでMic Fleetwoodが使っているパーカッションはNATAL製ですからね。
それとMacといえば、Christine MacVieの声。
メッチャいいと思わない?
今ではスッカリ英米混成のチャンポン・バンドになっちゃったけど(当のBob Welchはアメリカ人)、Fleetwood Macやっぱりイギリスが生んだ大名門バンドだよな~。
数年前にハマースミス・オデオンでMacのコンサートがあって、Marshallの社長ご夫妻がそれを観に行くといって楽しみにしていた。
それとKate Bushね。Kateのコンサートはホントに素晴らしかったと言っていたナ。
いいな~。
私はやっぱりイギリスがいい。
この「Albatross」、すごくヨカッタんだけど、残念ながらアルバムには収録されなかった。

2_s41a0062 松川さんのボーカルズでNeil Youngの「Cinamon Girl」も演奏された。
スミマセン…私、Neil Youngについてはナニも書けません…本当にナニも知らないんです。

1_s41a0404 考えはちっとも甘くないし、演奏もウマいままライブはズンズン進行していく。

500THE FEBの詳しい情報はコチラ⇒伊藤広規 公式サイト

Y<中編>につづく
 

200_3

 
(一部敬称略 2017年11月2日 LIVE CAFE STORMY MONDAY YOKOHAMAにて撮影)

2018年2月18日 (日)

英太郎対ショボン、NATALゴーラウンド組 第一回戦

 
コレはおもしろいな~…ってんで、急遽記事をひとつ編んでご紹介することにした。
  
何でも東京近郊にドラマーが集まる公園があるのだそうだ。
プロアマ問わず、天気のいい日にはドラマーさんたちが自慢のキットを持ち寄ってドシャメシャやっているのだろう。
NAMMの会場のようにコレを屋内でやられた日には耳から血を流さんばかりの、阿鼻叫喚の「打楽器地獄」となるであろうが、屋外ならどんなに暴れてもタカが知れている。
楽しそうだな~。
夏は暑くてとてもできなかろうが、冬は日向ぼっこと練習の一挙両得だ。
そんな情報を送ってくれたのが12月にデビューしたサイキック・サーカスのドラマー、諸藤英太郎。
練習熱心な英太郎さんは、この公園にNATALを持ち込んで腕を磨いている。
以前にも偶然NATAL仲間の元OZ RAM INDIOのドラマー、りんくんとバッタリ出くわしたと聞いてビックリしたことがあった。
そして、今回は…

10v_2Marshall GALAにも出演してくれた売れっ子ドラマーのショボンちゃんと一緒になったというワケ。

20v_2そして、期せずしてNATAL対決が実現!
その動画がコレ。
この公園、いつもこんなことやってんのかね?
今度行ってみようかな…。


パチパチパチパチ!
やっぱいいね、NATALは。
出回っていないので目立つし…。
 
英太郎さんが使用しているキットはメイプルのシー・スパークル。
コンフィギュレーションは10"x8"、12"x10"、14"x14"、20"x18"。
英太郎さんはこの他にはバスドラムが22"のアッシュのキットも愛用している。

30_2一方、ショボンちゃんはバーチ。
12"x6"、14"x12"、16"x14"、22"x18"という組み合わせ。
浅いね。
フィニッシュはサンバースト・フェイド。

40お2人さん、ありがとうございます!
またライブに遊びに行かせてね~。

50_2ちなみに、タイトルはThe Kinksのパロディです。

Lola  

200_4

(一部敬称略 写真提供:諸藤英太郎)

2018年2月16日 (金)

八面六臂のD_Drive~ランボッギーニと深夜食

  
しかし…色んなことをやりますな~、D_Drive。
1月の下旬にはランボルギーニの神戸ショウルームの1周年を記念するパーティにSeijiさんとYukiちゃんのギター・チームがお呼ばれして演奏を披露した。
ちょうど私がNAMMに行っている間のことで、「ランボルギーニ、大成功でした~!」という報告が日本にいるSeijiさんから入り、アナハイムで一緒にいた社長のジョンをはじめとしたMarshallの仲間にこのことを伝えると大変喜んでくれた。
世界広しといえどもランボルギーニと関わっているMarshallプレイヤーはそうはいないだろうからね。
で、気になったのは「Lamborghini」の発音。
そんなもん早速確認するにキマってる。
すると、連中は「ランボッギーニ」って「ギ」にアクセントを置いて発音していたね。
だから今日のタイトルはイギリス式に「ランボッギーニ」としてみた。
だから誤謬ではござらんよ。
ところで、「牛」なんだね、ランボッギーニは。
やっぱり「牛」はいい。
群馬県の太田市に行くと「牛沢」というところがある。
やっぱ気品を感じる地名だわ。
インドへ行けば「神様の使い」だしね。
赤い「馬」もいいけど、今日は「ウッシー」で行こう!

1_催し物としては、ランボルギーニの関係者のみが出席できるパーティで一般の方は入ることができない。
会場に展示されたランボルギーニの隣に特設ステージを設置された。

20そして、ステージの上には見慣れたD_DriveのMarshallたち。
Marshallはギター・アンプ界のランボルギーニだからね。
だからこの場がとてもシックリくる。
フェラーリでもあるんだけど。
MGというダイハツ、もしくはスズキもある。

30おおカッコいい~…車が。
ウソウソ。
いつになくおすまし顔のSeijiさん。

40v 会場は超満員で、最高の盛り上がりを見せたとのこと。

50演奏したのは例のXperiaのテーマ・ソング「Voices」。
集まった人は絶対「おお~、アレじゃん!」って騒いだハズだ。

60そして、「The Last Revenge」、「The Shape of Your Life」、「Cassis Orange」、「Attraction 4 D」とおなじみのD_Driveナンバーを披露した。

70v 素晴らしい演奏に感動したランボルギーニからこの車がギャラとして贈られたが、Marshallをはじめとした機材が積めないのでSeijiさんはキッパリとお断わりした。
男だ!…ウソこけ!

80  
ハイ、次はYukiちゃん。

1_img_0677コレはおもしろい仕事だった~!
YukiちゃんがTBSの深夜番組『谷原章介の25時ごはん』にゲストでお呼ばれしたのだ。
この番組は、都内某所にある「谷原邸」に集まる業界で話題の夜型人間を谷原さんの手によるオリジナルの「深夜食」でもてなすという内容。
ダイエット中で8時以降はナニがあろうと食べ物を口にしていない今の私にはあまりにも恐ろしいお話。
谷原さんのレシピは訪れた夜型人間さんのイメージから考案されるというワケ。
Yukiちゃんのイメージとは?
谷原さん、一体ナニを作ってくれたのかな~?
もちろん谷原さんの手作り料理を頂くだけでなく、2人のトークもテンコ盛り。
谷原さん、メタルが大スキということで、Yukiちゃんとのトークもで盛り上がり!
Yukiちゃんがギターの腕前を披露するシーンもバッチリ…のハズ。
このYukiちゃんのプレイがまた面白かったんよ~。

1_img_0018
Yukiちゃんのお供をしたのはMarshall。
まさか谷原邸にフルスタックを持ち込むワケにもいかないのでコンボ。
JVM215Cが起用された。
でも、あの谷原さんの様子では3段積みの方がよろこんでくれかも知れないな。
なんなら台所に壁を作っちゃえばヨカッタ!
これがホントの「Kithen-Marshall」!(←コレがわからない人は拙著『Marshall Chronicle(シンコーミュージック刊)』あるいは『アンプ大名鑑(スペースシャワー刊)』を読んでくだされ!)

1_img_0055_2放映は今からちょうど1週間後の2月22日、深夜の1時38分~2時07分。
見てね~!
私は録画しますわ。夜に弱いもんで…。
放送後には「メイキング・オブ・25時ごはん~だから私は、深夜食」をMarshall Blogでお届けする予定。
今日はココまで。
 
番組の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

1_img_0083さて、D_Drive。
3月28日にニュージングル『GEKIRINー逆鱗ー/Gradation』のリリースも決定して今、ノリにノッているワケよ。
皆さんよりひと足先に両方聴かせてもらったけど、実にいい感じ。

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当日になってしまったけど、実は今日新横浜のNew Side beachで7時からワンマンなの。
しかも、Seijiさんのお誕生日が重なった。
新しいシングルを先行発売するって!
今から数時間後、新横浜でお会いしましょう!

380D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

 

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(一部敬称略 ※ランボッギーニの写真提供:Seijiさん ランボッギーニの写真撮影:Chiikoちゃん)

2018年2月15日 (木)

CONCERTO MOON ~Prologue To Messiah Tour~

  
昨年10月にリリースしたアルバム『Tears of Messiah』が好評なCONCERTO MOON。
私なんかの好みで言うと、70年代のハードロックの原点に回帰したかのようなサウンドが垣間見られてこの仕上がりが実にシックリ来る。
そんな曲の数々を爆発的な生演奏で耳にすることを楽しみにしていた。
そして、レコ発ツアーが決定。
今日のレポートはそのツアーの目黒鹿鳴館における千秋楽なんだけど、『Prologue to Messiah』というツアー・タイトルが示すようにニュー・アルバムの内容をドップリ演奏する内容とはならなかった。
ノンちゃんだけに、「楽しみは島っておけ」ということか…。

10cdで、どうなったのかと言うと、旧作を交えてのバラエティ豊かなショウとなった。

20島紀史

30v安定の島リグ。
最近、日本でもステージの機材を指す時に「バックライン」という言い方が浸透してきたけど、向こうの連中は「rig(リグ)」という言葉をよく使いますな。
「rig」というのは「用具」とか「装置」とか言う意味。
コレ、どうやって使い分けるのか一度Marshallのアーティスト担当のJoel(Joelは「ジョエル」ではなくて「ジョール」と発音する)に尋ねたことがあった。
「考えたことないな…。同じ『機材』だけど、backlineは借りモノ、rigは自分のモノっていういイメージがあるよ…」とか言っていたナ。
こういう話は実に面白い。

401967 MAJORが2台。
50今、「Pig」ってスゴイ値段がついているんですってね。
前にも書いたけど、MAJORのオリジナル・モデルを「Pig」と呼ぶようになったのは大分後になってからのことだからね。しかも、Marshallがそう呼び始めたワケではない。

60久世敦史

70v中易繁治

80v河塚篤史

90vそして、今回もサポート・キーボーズ・プレイヤーはBLIND MANから松井博樹。

100vノンちゃんのギターからスタートしたオープニング・ナンバーは1999年の『Rain Forest』から「Unstill Night」。
このスタートは珍しいんじゃない

110続けて「Fight to Death」。

120今日も流麗にしてパワフルなギター・ソロが痛快だ!

130v「ありがとうございます。
今日は今年最後になりますが、とても感激しています。
今まで演ってなかった曲をふんだんに取り入れたセットリストを組んでいます。
これまで富士、名古屋、大阪と演って来ましたが、今日は全部詰め込んでやろうと思います。
長いですよ~!
最後まで是非楽しんで帰って欲しいと思います」
なるほど、だからこのオープニングだったのか。

140_mココでさっそく『Tears of Messiah』からのレパートリー。
コレもノンちゃんのギター・スタートで「Light in the Shadow」。

150_lis松井さんのキーボーズが炸裂!

160そして、ギター・ソロ!

170vもう1曲、ニュー・アルバムから「Noah's Ark」。

180_na到底新しいレパートリーとは思えないこなれようだ。
やはり『Tears of Messiah』は自然発生的に生み出されたアルバムなんだな…などと勝手に想像していまう。

185ところで「Noah's Ark」というのは「ノアの方舟」だわね。
コレってイスラム教の経典、「クルアーン」にも類似の記述があって、「ヌーフの方舟」という名前なのだそうだ。
もっともキリスト教もイスラム教も元は同じユダヤ教だからね。
で、この「クルアーン」。
コレはナニかというと「コーラン」のこと。
下の『偉大なるクルアーン』というCDはコーランの朗誦を世界で初めてデジタル録音したアルバム。
コレがですね、メッチャいいんですわ。
パキスタンのカッワーリーも大スキだけど、コレも実にいい。
微分音階をふんだんに織り込みながら、深みのある声で朗々と聖典を歌い上げる様子は感動ものよ。
ウットリしちゃう。
ただ「エキベン」という言葉がやたら出て来るのがすごく気になるんだよね。
何か神聖なものを指し示す言葉なのだろう。
チョット、脱線ついでに…。
私は、偏りはあるものの民族音楽が大スキでお買い得のCDを見つけて来て聴いてはひとり悦に浸っているんだけど、コレね、CDの選び方に鉄則があるんよ。
「日本で録音したモノは避けるべし」。
日本のレコード会社の企画で、東京のどこかのスタジオへこもって録った演奏はまず面白くない。
スタジオで録音した落語みたいなモノだ。
できればその音楽の本場へ乗り込んで行って録音したモノを聴いてくだされ。
このクルアーンはパリの録音だけど、コレはゼンゼン問題ない。
やっぱり世界の芸術が集まるパリと東京とでは大きな差がある。
下のJVCのシリーズは、ブルガリアン・ポリフォニーからケチャやジェゴグまでハズレがないので、まずどれを買っても大丈夫。
そこへ行くと某社の東京録音のCDはジャケットはいいのだが、内容がヒドイ。
バグパイプからアラブ、アフリカものまで、とても聴けたシロモノではなかった。
それでも聴きたくて買っちゃうんだけどね。
ただひとつ、『南インドの打楽器』みたいなやつでザキール・フセインがタブラの解説をしているのはメッチャおもしろかった。
まさかCONCERTO MOONでクルアーンを出すことになるとは思わなんだ。
脱線終わり。

1_065スポットを浴びるノンちゃん。
ソロのギターがフィーチュアされたのは「Hold on」。

190v_ho前の曲もそうだが、次のセクションでは既存のナンバーで固めた。
まずは2003年の『Life on the Wire』から「Stand by the Window」。

200_sbwココでギターを持ち替えたノンちゃん…

210v中易さんとのフォーメーションもバッチリ。

230v今日も正確無比なプレイが小気味よい河塚さんのドラミング!
キチっとしてるわ~。
それでいてパワフル!

220v今度は「Straight from the Heart」。
収録アルバムは2011年の『Savior Never Cry』。

225『Savior』は久世ちゃんが参加して最初のアルバムだった。

240v各曲で炸裂するギター・ソロ。
音がいいわ~。
クリアで太くてヌケがよくて…コレがノンちゃんが出すのMarshallの音。

235さらに2010年の『Angel of Chaos』から「Live to Win」。
今日は今まで演ってこなかった曲をセレクトするというので収録アルバム名を明記しております。
ま、いつもやっているけど。
チョット歴史をココで振り返ってみようかとも思ってね。

250v「教えてシリーズ その1」
ところで、皆さんこうしてソロを弾くノンちゃんを指さしますが、コレはどういう意味なんでしょうか?
「もっと弾け~!」とかいうこと?
「アンタの番よ~!」ということ?それはわかってますから。
まぁ、「encouragement」ということなんでしょうな。
私にはチョット不思議に感じるのです。

223MCを挟んで「Into the Fire」。
お客さんの反応スゴし!

260_itfギターをまた黒のストラトに戻す。

2_s41a0334 いよいよ熱を帯びるギター・ソロ!

270v「Cry for the Freedom」は1998年の『Fragment of the Moon』から。

280_cffもういっちょ!
コレはおなじみ「Dream Chaser」。

300v「Into the Fire」も「Dream Chaser」も1998年の『From Father to Son』からのチョイスなので、このコーナーは「1998年のCONCERTO MOON」となった。

290vこのライブが開催されたのは2017年も押し迫った時期ではあったが、1998年から丸20年経ってるのね?

310vそう2018年はCONCERTO MOONのメジャー・デビュー20周年イヤーなのだ。

320vそんなことを意識してのこのコーナーかどうかは、皆さん演奏に没頭していて知る由もないが、とにかく「歴史」ってのはスゴイもんだ。

2_s41a0301 今日はレア曲特集になっているけど、20年+αの間に作った曲って、演奏はムリにしても、全部覚えてるのかナァ。
ノンちゃんは覚えていそうだな~。

330v_dc本編最後のセクション。
「長い」と聴かされていたが、アッという間だった。

340人気曲、「From Father to Son」と…

350vニュー・アルバムのタイトル・チューン「Tears of Messiah」を持って来た~!

360「教えてシリーズ その2」
このノンちゃんがいつも最後にやる右手の親指を左手で握るポーズはナンですか?
いつも訊こうと思って早十数年。
プロレス?
ヘビメタのなんか?

365レアだろうが、スタンダードだろうが、怒涛の弾きまくりで今日も十分に暴れまくった島紀史なのであった!

370vアンコール!
スゴイねこのお客さんの一糸乱れぬノリようは!

370_enアンコールの1曲目は、コレも『From Father to Son』から「Inside Story」。
コレも珍しいよね。

380vそれにしても『From Father to Son』ってのは重要なアルバムなんだナァ。
というのはアンコール2曲目も同アルバムから「Change my Heart」。
コレはおなじみの曲だね。

390vお客さんも大よろこび~!

450一旦はステージから姿を消したが、「呼び戻し」が止まらず再び舞台に上がった5人。

400今度はコレまたおなじみの「It's not Over」と…

410v「Concerto Moon」を演奏した。

420v「Concerto Moon」は久しぶりじゃない?

430ノンちゃんのリストが鳴り響く!

440本当はココで終わりだけど、何しろアンコールの声が大きく、もう一度ステージに上がり1曲披露した。

460なるほど結局ノンちゃんが言った通り長かったね。
お疲れさまでした!
 
さて…。
CONCERTO MOONファンの皆さんは「来たか!」と思うでしょうナァ。
でも書かねばならぬ。
ボーカルズの久世ちゃんが脱退を表明した。
久世ちゃんがCONCERTO MOONに加入したのは2011年だというから、早7年。
脱退のニュースにも驚いたけど、そんなに経った~?と、いつも通り時のうつろいの早さにもビックリ仰天した。
だって、何のイベントだったか忘れちゃったけど、原宿のクロコダイルで久世ちゃんがゲストで出演してナニかを歌ったんだよね。
その時のベースが満園の庄太郎ちゃんで、「久世、ナニ、オマエ…CONCERTO MOONに入ったの?全然知らなかったよ!」なんてやってたのが、ホントつい最近のことのように思い出されるのよ。
 
せっかく日本を代表する正統派へヴィメタル・バンドの「声」として定着して来た時期だっただけにとても残念だ。
でもね、正直に言おうか?
『Tears of Messiah』の歌い方が今までとガラっと変わっていて、コリャおかしいな…とは思っていたのよ。
ミュージシャンが自分のスタイルを変えるなんてことはまず普通はしない。
ラーメン屋のスープの味や麺の種類を変えるようなもんだからね。メンマがもやしに変わるとか、チャーシューが薄くなるどころの騒ぎじゃない。
あるいは歌い方など変えていないのかも知れないけど、私にはそう聞こえた。
でもそれが脱退に結びつくとは思いもよらなかったし、実際には関係ないことなのだろうとも思うけどね。
いずれにしても7年間にわたって「CONCERTO MOONの声」を務めた久世ちゃんの前途にエールを送り、そして「ありがとう」と伝えよう。
 
そして、母体のCONCERTO MOON。
今回のツアーは「プロローグ」だったので、「本編」がまず残っている。
5月に名古屋、大阪、東京で開催される『TEARS OF MESSIAH TOUR 2018』がそれ。
ココまでは久世ちゃんがボーカルズを務める。
 
その後のボーカリストはまだ未定で、現在公募中だ。
誰かさ~、もうノンちゃんのギターを押さえつけちゃうぐらいの強烈な声と個性の持ち主はいないかね?
もう軟弱な声のロックはイヤだよ。
ロニーみたいな、ギランみたいな、ダン・マッカファーティみたいな、サタン鈴木みたいな…いるでしょうに、男っぽいのが!
頼むからそういう声でガッツのあるハードロックをオジちゃんに聞かせてくれ!
「我こそは!」という猛者はCONCERTO MOONのウェブサイトを通じて名乗りを上げてくれ!
日本のハード・ロック/ヘヴィメタル・シーンはキミのノドにかかってるのだよ!
 
詳しくはコチラ⇒公式ウェブサイト内「今後の活動に関するお知らせ」

470CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

480v

200_6


(一部敬称略 2017年12月10日 目黒鹿鳴館にて撮影)

2018年2月13日 (火)

THRASH DOMINATION 2018 ~ EXODUS

 
チッタさん、30周年なんだね~。
スゴいナァ。
ライブハウス事業だけでなく、ファンがヨダレをダラダラと垂らして喜ぶイタリアのプログレッシブ・ロック・バンドを招聘したりするなど、チッタさんは日本のロック・シーンに欠かすことのできない重要な存在だ。
PFMとかNew TrollsとかBancoとかArti E Mestieriあたりの日本におけるイタリアン・プログレバンドのビッグ・ネームならわかるけど、この時代になってMaxophoneやらLatte E MieleやらPicchio Dal PozzoやらGoblinなんかが来日するなんてこと、一体誰が想像したことか…。
『サスペリア』流行ったよナァ。
Marshallとしてもアレコレずいぶんとお世話になっている。
Mauro Paganiではなかったけど、PFMのヴァイオリニストをJCM2000 DSLでサポートしたのはうれしかった。
さて、今日は『CLUB CITTA' 30th ANNIVERSARY SPECIAL」とその30周年を記念して開催された国内最大級のスラッシュ・メタルの祭典『THRASH DOMINATION 2018』からEXODUSのステージをレポートする。

10本番前の機材置き場。
Marshallの壁の建設資材置き場…。

201960だらけ!
しかも「B」キャビばっかりなのよ。
気持ちいい~!

30v使用するヘッドはコレ。
JCM900 4100と2555X Silver Jubilee。

40コレらのパワー・アンプを使用する。
プリアンプはデジタルもの。
やはりホンモノの真空管のパワーじゃないとダメなのだ。
真空管の力ってのはホントにスゴイなぁ。

50イベントは2日間に渡って開催された。
EXODUSはこの日のトリ。
前に出演したバンド、TESTAMENTがMarshallの壁を必要としないため、本番の転換中、お客さんが見ている前で壁を作ったのだ!

60皆さん、手慣れたもので、スイスイと壁が積み上がっていく。

70こんなのメッタに見られないのでお客さんも興味津々。

80もう少し…。

90できた~!
5x3の15ケセット。
すべて1960B!
ウチからももちろんお手伝いさせて頂いたが、東京にこんなにBキャビがあったのね?
というのはコレだけではなくて、上下両方にセットしたからだ。

100コレが完成図。
1960Bが30台。
やっぱりロックはコレですよ。
ま、ココまでやることはないんだけどね。

110当然軽いサウンドチェックも行われる。
「レディース・アンド・ジェントルメン!」とドラム・テクが紹介されていたのはおもしろかったな。

115vワウがステージのスゲエ前の方にセットされている!

120さぁて、準備完了!

123客電が落ちて、ステージが明るくなるとドラマーがイスの上がって観客をあおる。

125vTHRASh DOMINATION 2018のトリ、EXODUSの登場だ!

130Steve "Zetro" Souza

2_img_0059Gary Holt

150vLee Altus

160vjack Gibson

170vTom Hunting

180v2004年にスタートし、今回で12回目を迎えるTHRASh DOMINATION。
そのうち、今回を含めて5回登場しているベテランだけあって堂々たるパフォーマンス。

190オープニングは「Bonded」。

200ドワ~、凄まじい音の洪水だわ~。

210続けて「Iconoclasm(アイコノクラズム)」、意味は「聖像破壊」。

220vお客さんも「待ってました!」とばかりにすごいノリ!
すごいノリはいいんだけど、ナンですか?
お客さんが後ろから降ってくる~!危ないからヤメて!
ま、負けじとシャッターを切ったけど、コレってそういうのなのね?

230そんな私の願いも届くはハズもなくステージはドンドン激しくなっていく~!
「Brain Dead」、「Bibo」と続く。

240v次から次へと容赦なく暴力的なサウンドが飛び出してくる。

250続いてのセクションでは「Metal Command」、「Piranha」、「Pleasures」の3曲をプレイ。
そうか、ピラニアって「ピラーナ」って発音するのか…。
といっても「ピラニア」なんて単語使わないだろうけど。

260v「勉強になる」と言えば、このバンドの名前…「Exodus」ね。
「出エジプト記」ね。
モーゼは虐げられていたユダヤの民をエジプトから救い出した…ということが旧約聖書の内容にあることは知ってるんだけど、この辺りのことはどうも勉強しにくいんだよナァ。
今回もこの辺の話をオープニング・トークに持ってこようとして少々調べたんだけど断念しました。
ひとつだけ、ユダヤ教というのは、イスラム教同様に偶像否定の傾向が強いんだってね。
さっき出て来た「Iconoclasm」はこの「出エジプト記」にも登場するのだそうだ。
このバンドは勉強になる。

270v「No Love」と「Deliver」が続く。

280しかし、このバンドさんのメンバーはやたらとアチコチ動き回りますナァ~。
ジッとしている人がひとりもいない。
こうしてステージの真ん中がガランドウになっちゃうなんてザラ!

290こうして2人並んでいるところを撮るのも大変にムズカシイ。
すぐに動いてどっか行っちゃう。

300やっぱいいナァ~Marshallの壁は。
昔はみんなこうだった。
ロックが一番カッコヨカッタ時代だった。

305EXODUSの出番もいよいよ大詰め!
「Last Act」、「Lesson」を演奏。

310vそして、「Backlist」等でアンコールに応え、12回目のTHRASH DOMINATIONをド迫力で締めくくった!

320EXODUSの公式サイトはコチラ(英語版)⇒BLOOD IN BLOOD OUT

330vチッタさん、30周年おめでとうございます!
これからも独自の企画で日本のロック・シーンを盛り上げてくださいませ!

340

200_7


(敬称略 2018年2月11日 クラブチッタ川崎にて撮影)

2018年2月 9日 (金)

Marshallだより~MARSHALL.COM <後編>

 
  
NATAL INTERVIEW WITh
JOSH TOUCHTON IN NAMM

チョットNAMMの話題に逆もどり。
コレはインターネットのドラム・レッスン・サイトっていうのかな?…DrumeoというところがNAMMの期間中にシリーズで配信していた様々なドラムス関連のメーカーとのインタビュー。
NATALの番が回って来て、アメリカのNATAL担当のJosh Touchtonが登場した。
下がその動画。
冒頭、インタビュアーが「NATAL」を「ネイタル」と発音したのを矯正しもせず、完全シカトで「ナタール」とブッちぎるジョシュがカッコいい!
それにしても後半のジョシュの英語の速いこと、速いこと!いくら母国の言葉とはいえ、よくも速くしゃべれるな~。
だで、要旨だけかいつまんで、意訳交じりでインタビューの内容をお送りさせてもらいますね。  

「NAMMは初めてではないよね?」とインタビュアー。
「私はNAMMは古くてもう24回目になるかな?成長する会社もあれば、悲しいけど撤退していく会社もあった。みんないい製品を世に送り出す努力をしているのを長年見てきたよ」

1_8josh3 ココでNATALの紹介に入る。
「NATALは1965年にイギリスのアラン・シャープというパーカッショニストが始めたんだ。イギリスの天候に合わせたファイバー・スキンヘッドのコンガやボンゴを作ったんだね。
それから程なくして、それをジョン・ボーナムが使ったりした。(ジョンの左手に見えるコンガはNATAL製。下に掲載したオマケの画像も見てね)…

Bonham_playing_natal_congas_2 …『Whole Lotta Love(胸いっぱいの愛を)』のパーカッションは全部NATALなんだよ」

Lz「ローリング・ストーンズもNATALを使っていたし、ディープ・パープルの『Made in Japan』のジャケットに写っているコンガもNATAL製なんだ…

Mj …その後もデュラン・デュランやケイト・ブッシュなんかもNATALを使っていた」
「へ~、知らなかった」…とインタビュアーさん。
覚えておいてね~。

1_8josh5 「そして、NATALは2010年にMarshallに買収され、ドラム・キットの製造を始めた。Marshallの創始者のジム・マーシャルはドラマーだったんだよ。
デザインはすべてオリジナルだよ。
楽器がよく鳴るように色々なアイデアが盛り込まれているんだ。
私はこれまでいくつかのドラム会社に勤めて来たし、大のビンテージ・ドラムス・オタクなんだ。グレッチ、ロジャース、スリンガーランド…そういうビンテージものが大スキでね。
ある人との個人的なツテでこうしてNATALで働くことになった。まだ、NATALとの関係は時間的にそう長いものではないけれど、マジでNATALのドラムスに魅力を感じているんだ」

1_8josh1
…とココで今回のNAMMで展示したジョシュのおススメ製品を紹介。

1_8josh6 「NATALには『Cafe Racer(カフェ・レーサー)』というシリーズがあって、アメリカではとてもよく売れているんだけど、今回新しく始めたこの『Cafe Racer 59'』というのが素晴らしいんだ。
今までのモノよりグっとビンテージのフレイバーが濃い…
1_0r4a4358…ワックス・フィニッシュ、ドライでダークなサウンド、それでいてサウンドはアグレッシブ。それに値段もお手頃なんだよ!」
上下の写真はNAMMで展示されていたCafe Racer 59'のキット。
1_0r4a4359「私はNATALをコレクターの家の片隅に飾って置くだけのようなドラム・キットにはしたくないと思っているんだ。
NATALを打ちのめして(beat up)キズだらけにして欲しい。
楽器に付いたキズは物語だからね。
キズの多いキットはよく鳴るし、驚くような話がバックグラウンドにあることが多いんだよ!」
いいこと言うわ~!

1_8josh4  
<オマケ>
インタビューの中でジョシュが言っているようにジョン・ボーナムはNATALのコンガをかなり愛用していたようだ。
音もさることながら、ツェッペリンの長時間に及ぶショウに対応できるチューナラブルの機能も気に入っていたのだろうか?

Jb1 残念ながら当時日本には入って来なかったのだろう。
よって当時のNATALを知る日本人はほとんどいない。

Bonham_playing_natal_congasjpg_2当時は海外の音楽の情報自体もゼンゼン入ってこなかったというからね。
でも、決して有名ではないけれど、皆さんのおかげで、日本におけるNATALはもはや「無名のドラム」ではなくなったと確信している。
これからやぞ!

Bonzo_1  

    
ESPの学校案内
ESPさんには公私共にお世話になっております。
「私」の方では時折写真撮影の仕事をご発注して頂いている。
Shige Blogで紹介した通り、昨年末も若き人気シンガーソングライターの井上苑子ちゃんのコンサートを撮らせて頂いたりした。
そして、「公」の方では、この私がですよ、大分以前から何度も教壇に上がらせてもらってるのです。この私が!
最近はご無沙汰ではあるのだが、Marshallやギター・アンプについての単元を預からせて頂いただけでなく、イベントについての講義なども持たせて頂いたことがある。
聴講する生徒さんは皆さん熱心でね~。
他の学校で「ロックの歴史」の授業をやった時なんか、ほぼ全員机に突っ伏して昼寝よ。で、私が「レッチリ」の名前を出した途端、その全員がガバっと起き出して私の話に耳を傾けたのには驚いた!
ESPの生徒さんはそんなことは絶対ない。
結局、私の授業を受けてくれた生徒さんも全員ではないにしろ、数年後には私と同じ音楽の現場に出て来ることになる。
ホントに時々だけど、「先生!」なんて声をかけてくれる子がいるのですよ。
「え、先生って誰?あ、オレか?」みたいな。
「あの時。先生の授業を受けていたんですよ~!」なんて言われてごらんなさい。
どれだけうれしいことか!
でもね、先生なんかではなくて、ただのMarshall屋なんですよ!
他にも楽器業界に就職を希望する大勢の生徒さんたちに向けて、楽器業界のベテランが集まって座談会をやったこともあった。
舞台で同席した楽器店の知り合いの重役が私を指して、「この人みたいに熱心にやらなきゃ!この人がやっているMarshall Blogを見なきゃダメですよ!」みたいにおっしゃってくれて、うれし恥ずかしで驚いたことがあった。
まだ、Marshall Blogやってるんです~。
さて、そんな思い出がテンコ盛りのESPさんからまたしても光栄なるお仕事を頂戴した。
来年度の学校案内に載せる入学志望生への「ひとことコメント」を寄稿させて頂いたのだ。
実は以前にも何度かお手伝いさせて頂いたことがあったんだけど、Marshallの名前の下では初めてかな?
一応我ながら、私ならではのことを書いたつもり。
1_brESPさんは4月から名称を「専門学校ESPエンターテイメント東京」に改め、新たな一歩を踏み出す。
おめでとうございます!
これからも公私ともによろしくお願いします。
 
専門学校ESPエンターテイメント東京の詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

 
  
 MARSHALL RECORDS
次はMarshall RECORDSの近況。
ココもかなりパワフルにやってるな~。

Mr
★PRESS TO MECO★
この度Marshall RECORDSが新しいバンドと契約を交わした。
真ん中でニコニコしている好々爺がプロデューサーのSteve Tannett。
80年代のイギリスの音楽界で活躍した業界の有名人物だ。

1_2meco ロンドンからブライトンに向けて南に下ったクロイドンとクロウリー出身のメンバーからなるトリオ。
「PRESS TO MECO」とは、宇宙飛行士がシャトルの打ち上げの時に使うNASAの用語なのだそうだ。
「MECO」は「Main Engine Cut Off」の略だって。スティーブは「ミーコ」って発音していた。
シャトルが軌道に乗ってメインのエンジンを切る時にコレを言うらしい。
チョット「♪Grand control to Major Tom」を彷彿とさせますな…我々の世代には。
メンバーのルークは「もう引き返せないけど、全て大丈夫!」という意味を込めてバンド名にしたのだそうだ。

1_77e39dbca1b947b0a0ce67936acb6694こんな感じ。
とてもいいね。
サビのバッキングのトリルのフレーズがおもしろい。
こうして3連のリズムで演るところがいかにも海外のバンドらしい…なんて私は思っちゃう。
ハードなリズムでも現代っ子(←これは死語か?)らしく、なかなかに凝ったメロディはかなりキャッチー。
いくらメロディがポップでも、シンガーの声が男性的なのでJ-POPのようには決してならない。
ROCKだ!
そして、昨日プロデューサーとSkypeで話をしていたんだけど、彼ら演奏テクニックがスゴイらしい。好きなアーティストはFrank Zappaなんだって。コリャ気が合いそうだ!
やっぱり向こうは違うわ。今、日本の若いバンドさんで「Zappaが好き!」と言える子はまずいないだろう。
とにかく小説でも芸術でも何かを作り出す時はインプットが大切。
9割インプットして1割アウトプットするぐらいでないと人を感動させるモノは作れないって。
小説家は9割が取材だって。いい取材ができればいいモノが書けたのと同様だとか…。
ミュージシャンもとにかく色んな音楽を聴かないと、小手先のモノはできても本当におもしろいモノはまず作れないだろう。
その点、ビートルズもロクに知らない今の若いミュージシャンたちは本当に気の毒だと思う。
もっとも、私なんかは10割インプットだからナニも作ることができないんだけれど。
   
そして、デビュー・アルバム『Here's To The Gatigue』が3月にリリースされる。
それは聴きたいナァ。

PRESS TO MECOの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト(英語版)

  
★REWS★
マーレコいち押しのガール・チーム。
「ハ~イ、シュイギ~!」と、チョット前にスティーブが彼女たちからのビデオ・メッセージを私に送ってくれたんだけど、やっぱりピキっとしていてカッコいいんだよね。
「早く日本に行きた~い」なんて言ってた。
皆さん、よろしく。

1_2rewsそのREWSがいよいよ『PYRO』なるアルバムを発表して昨年の12月にレコ発ツアーを実施した。
オックスフォード、ノーウィッチ、レスター、ベドフォード、シェフィールド、ヨーク、レディング、バーミンガム、カーディフ、ブリストル、そしてもちろんロンドン等を回る16公演の大ツアー。
ク~、イギリス行きて~!
ここでひとつ学んだのは、いわゆる我々が「レコ発ツアー」と呼んでいるヤツ…コレ、英語で「Album Release Tour」って言うのね。
そのままでヨカッタのか…。
それと、今日からBBCのRADIO1で彼女たちの曲がオンエアされるのだそうだ。
RADIO1といえば、「イエイ、レイディオウゥワ~ン」というジミ・ヘンドリックスの声が頭に浮かぶね。
プロデューサーが言っていたんだけど、REWSは「メタルでもない、ポップだけど、ロック」という路線を狙っているそうで、まさにそうだと思う。
なかなかこういうタイプのガール・バンドっていないといえば、いない?
日本のガール・バンドはたいていメタルかアイドルか…ってなるもんな。
やっぱりこのあたりも栄光のブリティッシュ・ロックの血脈(けちみゃく)と言えるのではなかろうか?

1_resizeあ~あ~、ピクチャー仕様のレコードまで作っちゃった!
スゴい力の入れようでしょう?

1_2lpどんな感じか『PYRO』のリード・チューン、「Your Tears」を聴いてみよう。
…フーム、サビのメロディがおもしろいな。「Picardy traid(ピカルディ・トライアド)」ってヤツをちょっとヒネッた感じ?
MarshallとNATALでジャンジャン活躍してもらいたい。

REWSの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト(英語版)

  
  
★REIGNING DAYS★
「レイニング・デイズ」も4月13日にデビュー・アルバムをリリースする。

1_2rdコレがその『ECLIPSE』。
このバンドも若いサウンドながら、やっぱりゴリっとしたロック・テイストがあるところがイギリスらしいんだよね。
どこの出身なんだろう?

Rdeclipse発売済みのシングル「Gravity」を聴いてみようか?
「Out of sight」なんて歌詞が出て来てビックリするわ。Zappaのかつてのお家芸だからね。
やはり日本の若いバンドとJ-POPと決定的に違うのは「声」かな?
録音の仕上げ方もかなり違うように私には聞こえるんだけど…。
とにかくこのチームもアルバムが楽しみだ。

REIGNING DAYSの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト(英語版) 

 
★KING CREATURE★
最後に従来型Marahallっぽいヤツら。
昨日の記事ではMarshallのステレオタイプについて触れたけど、この方々はその部類でしょうな。
それだけに、傍らで見ていてもマーレコが力を入れて来た感が私にはあるのね。
イヤ、私自身やっぱりこの手のトラディショナルなハードロックがシックリ来るということなのかな?
フムフム、MOTORHEADの前座をやっていたのか…。
イギリスの一番西の先っちょのコーンウォールの出身。

1_2kcそのKING CREATUREの初めてのフル・アルバム『VOLUME ONE』がMarshall RECORDSからリリースされた。
ん~、ジャケットもそれっぽい!
このレーベルから出て来る作品のジャケット・デザインは何かがは真ん中に集まる傾向があるね。
「日の丸式」っていうの?
ハハ~ン、さては彼らも日本へ来たいんだな?

1_king2曲リード・チューンがあるんだけど、ジャカましい方をご紹介。
「Lowlife」という曲。
Marshall、NATAL、EDENで気分爽快!
やっぱりこういうのがいいわ、オジさんは!
ナンカ一番それっぽくない人がギター・ソロを弾いているけど、いいね~。レス・ポールでさ。トラディショナルなフレージングがカッコいいよ。
やっぱりイギリスを感じさせてくれるワイ。

KING CREATUREの詳しい情報はコチラ⇒オフィシャル・ウェブサイト(英語版) 
  
   
★FOR THE RECORD★
で、Marshall RECORDSは自社のアーティストのショウケース・ツアーを開催した。
昨晩、プロデューサーのスティーブから聞いたのだが、ロンドン公演にはMarshall社長夫妻も訪れたそうで、ツアー全体を通して大盛況だったようだ。
こういうのに呼んでよ~!
ライブの撮影とMarshall Blogでのレポートでいい仕事しまっせ~!

1_26904749_1627158047378010_8265935   

   

THE GUITAR SHOW
コレはロンドンで開催するGUITAR SHOWとは違って、メタルの故郷、バーミンガムで開催するヤツ。
2月24と25日に開かれるんだけど、24日のイベントには、MarshallがスポンサーになってTHE DARKNESSが登場するんだって~!
観たい、見たい、I wanna see the show!(ココではワザと「wanna」って書いた。普段は絶対に書きません)
こういうのに呼んでよ~!
ライブの撮影とMarshall Blogでのレポートでいい仕事しまっせ~!

Bgs
  

SPOTIFY
「♪スポティファイ、はじめました~」…だそうです。
いつもマーブロに書いているように私はこういうのをプライベートではやるつもりはないんだけど、チョット覗いてみたら、まぁマーシャルだこと!
我々世代がヨダレを垂らしてよろこびそうなソングリストがアップされていた。
そうそう、こういう伝統を切り離しては絶対にダメ。
伝統は、一日では絶対に作ることができないとても大切な財産だからね。
  
やっぱりコレ、やってみるかも…飽くまで仕事でだよ。

Spo

がるメタる!
過去にもいくつかMarshallが関連した、あるいはそれに類する音楽ゲームがあった。
記憶に新しいところでは、直接Marshallは関係しなかったが、D_DriveのYukiちゃんが発表会でデモンストレーターを務めたゲームなんてのもあったね。(グワッ!あれから6年も経ってる!)
そして今般…。
猛烈にグラブっているゲームのヒット・メーカー、DMM.COMからNintendo Switch向けのソフト『がるメタる!』が発売になり、ゲーム界では大きな話題となっている…って、ナント昨日発売されたばかりのホヤホヤ!

Gm …と知った風なクチをきいてはみたけど、そもそも「Nintendo Switch」っていうのはナンでしょう?
もう、ゲームと言えば「スーパーマリオブラザーズ」で止まっちゃってるから…。
そこで、ウチの下の子に訊いてみた。
「Nintendo Switchって知ってる?」
「ああ、ゲームの?兄ちゃん持ってるよ」
と来た。
ウチにあった…。
あのバカ…いい歳こいてまだゲームなんかやってやがる。今からでも遅くないから本を読めってんだ!
で、コレがNintendo Switch。セガレから借りて来た。
Nintendoさんのハードだったのね?ゲーム・ボーイの進化形ですな?

1_0r4a4806『がるメタる!』はそのNintendo Switch用のソフトで、分野としては「リズム・ゲーム」というヤーツ。
ハイ、ご同輩の皆さん、この辺りで状況がおわかり頂いたことでしょう。
  
コレがね~、スゴイんですよ。
そして、うれしんですよ。
チョット画面を見せてあげるね。

1_10_2 ドォォォォ~ン!
Marshallの壁ですよ、壁。
上下それぞれフル・スタックが3セットずつ。
もうコレだけで「ロック」になっちゃってる。

1_20 しかも!
下手はJVM410Hのスタック。

1_30 上手は2203かな?

1_40 うれしいね~、コレは!
イヤってほど見ているMarshallなのに、こういうシチュエーションで接するとまたナゼかすごくうれしいんだよね。

50 このゲームのストーリーはといえば…。
ある男子高校が突如異星人にさらわれて女子高生と身体が融合して精神が同居する状態となってしまう。
そして、その男の子(女の子?)がガールズメタルバンド「K.M.G.」(吉祥寺メタルガールズ)の一員となってメタルの力で地球を救う…という壮大すぎるストーリー。
ナニから地球を救わなくてはならないのかと言えば、地球を侵略しようと企む異星人だ。
ま、本音を言えば、地球を救う前にまず音楽業界をメタルで助けてもらいたいような気もする。
とにかくプレイヤーはドラマ―としてそのバンドのメンバーと協力してその異星人と戦うことになるワケだ!
  
…とマァ、スーパーマリオしか知らないオッサンがつべこべ言ったところでラチが開くワケがないのでココはサッサとDMMさん制作の説明動画を見てみよう。

そして、こんな動画も公開されている。

こりゃヒット間違いないなしでしょう!
Marshallが地球防衛のお役に立てて光栄至極でございます!
 
がるメタる!の詳しい情報はコチラ⇒DMM.COM公式ウェブサイト

  

以上~!
よせばいいのに、一旦やり出したらアレもコレもと、2日間、記事を作るのメッチャ苦労したわ!
文章を書くのはそう大儀ではないんだけど、も~切ったり、貼ったり、大きくしたり、小さくしたりでクタクタですわ。
それだけMarshallの動きが活発ということで…。
また来週!
 

1__2 (一部敬称略 ※協力:専門学校ESPエンタテインメント東京、DMM.COM)

2018年2月 8日 (木)

Marshallだより~MARSHALL.COM <前編>

  
先週と先々週のMarshall Blogは、現地から、そして帰国後のNAMMレポートを掲載させてもらった。
しかし、アレですな~。
ノートPCってモノはどうしても壊れやすいでしょう。
お店の人に訊いても、持ち歩くことと、小さい筐体による熱の問題があって、壊れないノートPCはない…って言うんだよね。
ものスゴイ高いヤツは別よ。コレは貧乏人の話だからね。
で、決して乱暴に扱っているワケではないにもかかわらず、買って1年チョットぐらいで壊れるPCが今まで実際にいくつあったことか…。
そしてその修理代の高いことよ!
近い将来壊れるのがわかっていて買い物するのも実にシャクなのだが、仕事柄どうしても可搬性のあるPCが必要なので買わざるを得ない。
それならば!と貧乏人が考えたのが、最低限必要な機能を持っている一番安いモデルを短期間で買い換えて行こう…という作戦。
もう4年も5年も使えなくてもいい、どうせすぐ壊れちゃうんだからせいぜい2年も使えればいい、そして壊れたらチャッチャと新しく次の安いPCを買えばいい…ということね。
やっぱダメだわ、コレも!
昔のワード・プロセッサーのように和文タイプの代わりに、本当に文字だけ打っている分には問題ない。
ハナからそのチープなPCでは写真を扱う仕事はするつもりはなかったんだけど、今回のNAMMの現地レポートのようなものを書く時はどうしても写真を取り扱うことになる。
そうするとどんなに写真を軽くしてもダメなんだわ。
たくさんの写真データを毎日のように扱うので、普段は汎用メーカーの製品なれど、その中の1番上か2番目のグレードのデスクトップPCをズッと使っているワケ。
それだけに安いノートPCのパフォーマンスたるや、もう「悲惨」以外のナニモノでもない。
遅いし、動きは不安定だし…。
やや作戦失敗…。
実はあの現地のNAMMのレポートも完成間近にしてデータがすべて吹っ飛んだ!っていうのが何回かあったのよ。
懲りて少しずつ書き進めては「保存」をするんだけど、何しろ動きが遅いでしょ?「待ち」の時間が苦痛で苦痛でつい「保存」作業を怠ってしまう。
そして、段々いい感じになって来て、「いよいよ完成!」なんて時にデータがすっ飛ぶようにできてる。
3時過ぎまでかかってやってたんですわ。
幸か不幸か、時差ボケでそう眠くはなかったんだけどね。
で、今日の「Marshallだより」はまずその地獄の現地レポートの補足的内容からスタートする。
   
  
MARSHALL.COM
私は「Marshall」というブランドを意識してカレコレ40年チョット、そしてMarshallに関連する仕事を始めてしてから今年から21年目に入るが、今回のNAMMはMarshallの56年の歴史の中でひとつの大きなターニング・ポイントになった…と、しみじみ思うのだ。
イメージなどと言うモノは、それこそ十人十色だとは思うが、JCM2000からMODE FOURぐらいまでのMarshallは、80年代のヘヴィ・メタル旋風の影響で、そのビジュアルといえば、黒、鋼鉄、雷、ドクロ、ライオン、蛇、皮ジャン、スタッド等々の重厚長大でモノモノしいアイテムを是とする向きが強かったことは否めないだろう。
やっぱりコレはあまりにも前時代的だよね。
ところが…。
20年の間、内部からMarshallを見て来たワケだが、誰かが「ハイ、ここでヘビメタのイメージは卒業!」なんて掛け声をかけたワケでもないのに、音楽の移り変わりに合わせて徐々にイメージが変わって来た。不思議なモノだ。
しかし、今回は違う。
NAMMレポートでも触れたように、Marshallが「イメージ・チェンジ宣言」を自ら発したのだから。
まずは、本家のオフィシャル・ウェブサイト。
もう見てくれた?
あ~あ~、すっかりオシャレでカッコよくなっちゃって…。

Four URLがMARSHALL.COMに変わって、内容も一新。
コレが今のMarshallだ。

1_2ws_2 このウェブサイト…当時はよく「ホームページ」って呼んでいたよね。この言葉もほとんど聞かなくなった。
Marshallの場合だと、MODE FOURを発表するチョット前ぐらいに立ち上げたのかな?
MODE FOURの発売は2003年のことだから、恐らく2002年ぐらいに始まったのではないかと推測する。
覚えている人いる?
MODEO FOURが発売になってからはトップページに輪っかみたいなのが出てくるヤツ。
あの頃から比べたら隔世の感があるよね~。

1_2codej 立花隆が、「インターネットが世の中を変える」とかなり早い時期に予見していたけど、ホントにその通り。
インターネットで何でも調べることができるようになったとか、通販が盛んになったとかいうこともあるけど、私が言っているのは、目に見えないところでの変化なのね。
例えば音楽の配信。
そりゃ使う人には配信は便利かもしれないけど、コレによってどれだけ多くのCDの製作に関わっていた業者がダメージを受けたことか…。
レコード会社だけではなくて、CDの盤を製造する会社やその原料を収めるメーカーや商社。その材料を運ぶ運送屋。運送屋が動かなくなれば燃料屋が困る。また車両の減耗が進まなければ買い替えの機会も減って車屋も困る。
まだまだたくさんある。
CDのケースだけでもそれと同じことが言える。
ブックレットもそう。ライターさんについては言うに及ばず、印刷のための紙やインクも使わなくなる。すると同じくそこで商社行為をしてる業者や運送屋も困る。
雑誌や本も同じ。
こうして考えると世の中ってのはものすごく大きなスケールで回っていて、それぞれが深く緻密に関わっていることがわかる。
CDや本だけを取ってもこうなんだから、社会全体ではそれはそれはものすごいシステムができあがっていて、それを一撃で一網打尽でズタズタにしたのがインターネットなんだね…ということを立花先生がおっしゃっているのかどうかは知らない。
マァ、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な話だけど、変わる世の中にはやっぱりある程度追いついていく必要があるもんね。
そんなだから、Marshallもドンドン変わっていかないと!
…と、まずその表れがこのオフィシャル・ウェブサイトというワケ。
マジで力が入ってますから。
あ、思い出しちゃった。
この「マジ」っていうことば、チョット前の若い人が言い始めた言葉だと思うでしょう。
イエイエ、コレかなり古い言葉なんですよ。
…というのは八代目の桂文楽がナニかの噺で使っていたのを聞いて驚いたのよ。
「マジでゲスよ」みたいに使ってる。
あの録音は昭和30年代じゃないかな?遅くても40年代。八代目の文楽は昭和46年に亡くなっているから。
こういう音源を聴いてマスコミの人が流行らすんだろうネェ。

1_2ntj 「MARSHALL.COM」の旗印の下、NATAL、EDENとLIFESTYLEというファミリー・ブランドが一緒になって実によろしいと思いますな。
こうなることをワタシャずっと願っていたよ。
1_2jでもね、コレからなのよ。
NAMMでのミーティングによれば、このウェブサイトは、「コレからやぞ!」…っていう意気込みがスゴかった。
そのミーティングで驚いてしまったのがMarshall Blogのナント評価の高いことよ!
もしかしたら「日本人の1億2千万人ぐらいが読んでいる」と勘違いしているのでは?という感じ。
そんなには読んでない。
Marshallの連中は自動翻訳ソフトで英語に訳して読んでるみたい。
アレって、英語を日本語にすると、どうにもキテレツな日本語が出来てきちゃうけど、その反対は結構正確みたいよ。かなり自然に理解できると言っていた。
脱線も英語で読んでるみたい。
怒られるかと思ったら、「Marshallや音楽だけでなく、ああいうことが大切なんだ」とおホメの言葉を頂戴した。
どうしよう!今度Marshallのスタッフが日本に来て「シゲ!吉原に連れて行ってくれ!」なんて言われたら…。
ま、それは冗談として、Marshall Blogは今のまま何も変えずに突っ走って欲しいということだった。
将来、Marshall Blogがこの本家のウェブサイトと深い関係を持つ日が来るかもしれない…とだけ現時点では言っておこう。わかんないよ。

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本家Marshallのウェブサイトはコチラ⇒MARSHALL.COM

   
  
WE ARE MARSHALL
そんな新しいMarshallのブランド・イメージ動画がコレ。
鉄骨も骸骨も出て来ない。
チョットそれっぽい人も出て来るけどね。

でも、やっぱりハードロックやヘヴィメタルを通じて長い間ロックのサウンドを作り続けているブランドだけあって、ロック度は満点だと思う。
ウマく作るもんだな~。

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ORIGIN 
続いてはNAMMで発表したORIGIN。1_8c8d47c689c5401d81ed7143ec1a12b6おかげさまで私のNAMMレポートにもたくさんの好意的なご反応を頂いてうれしい限り。
そのORIGINのPR動画がコレ。

「弁当始めるんですか?」なんてコメントがひとつぐらい来るかとも思ったけど、そんなことを考えていたのはどうも私だけだったみたい。
実物を見て来た本人がそれじゃ先が思いやられるよね!
じゃ、言おう。
オール・バルブ・アンプのORIGINは、デジタル世代のプレイヤーへのMarshallからのひとつの回答だ!
キマった~。
日本での発売日が見えてきた時点で情報をアップデイトさせて頂く。

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WHAT'S IN A CENTURY?

Marshall Blogにもたくさんのガール・バンドにご登場頂いているが、皆さん、日本って質&量ともに世界一のガール・ロック・バンド、あるいは女性ロック・インストゥルメンタリストが活躍している国だって知ってる?
このことはMarshall Blogを通じてMarshall本社もすごく注目しているんだよね。
それもそのハズ…「こういうことをしていたのか!」というのが下の動画。
現在音楽業界で活躍する女性が集まって開かれた「女性にとっての音楽業界はこの100年の間にどう変わったか?」をテーマにした座談会。
先日のNAMMでMarshallのブースに遊びに来てくれたAlice Cooperのギタリスト、Nita Straussの顔も見える。

1_4e9a0c9be0c749ad9026c7177e61a828 MARSHALL.COMでこの動画に付けられているテキストを読んでみると…
「この100年の間にずいぶんと色々なことが起こりました。戦争の時もありました。平和の時もありました。新しいテクノロジーを発明し、様々な病気を根絶してきました。しかし、イギリスにおいては、女性に選挙権が与えられてからたった100年しか経っていないことをアナタはご存知ですか?
そうした女性参政権運動(suffragette movement)や女性の選挙権獲得の徹底したキャンペーンは女性の社会的な権利に大きな変化をもたらしました。
しかし今、我々はどこにいるのでしょう?」
  
チョット脱線。
Paulのヒット曲に「Jet」ってあるでしょ?
歌詞の中に「♪I thought the Major was a lady suffragette」って出てくる。アノ気持ちいいところね。
この「suffragette」というのは「参政権拡張論者」のこと。だからこの「Major(曹長というのが一般的な訳語なのかしらん?)」は女性の参政権拡大を支持している人ということになる。
この曲が収録されているのはWingsの1974年のヒットアルバム『Band on the Run』。
Paulはそれより2年前に大ヒットしたDavid Bowieの『Ziggy Stardust』に収録されている「Suffagette City」を聴いてこの言葉が頭に残っていて、「Jet」の詩を書いたそうだ。だから意味はほとんどないとのこと。
私も中学生の時に「Jet」や「Suffragette City」を聴いて「サフラゲット」ってヘンな音の単語だな…って思ったんだよね。
ちなみに日本では女性の国政参加が認められたのは終戦直後の1945年のことで、今年で73年目となるようだ。
  
続けると…
「男女平等は達成したのでしょうか?それとも、今でももっとキャンペーンや認識が必要なのでしょうか?
我々(Marshall)は『CAN YOU CIC IT?』と手を組んで。音楽業界に在籍する女性にその辺りのことを尋ねてみた」
この「CAN YOU CIC IT?」というのはイギリスの音楽業界で働くことを希望する女性を援助する団体で、「CIC」というのは「Community Interest Company」の略のようだ。
  
さらに…
「このビデオは2つのパートで構成されていて、音楽業界の様々な分野から参加した2つの女性のグループが、かかる業界において女性陣が今どういう位置にいるかを検証し、また依然として残っている問題にスポットライトを当てる。
この最初のビデオでは過去に起きたことを振り返って、この100年にナニがあったのか?ということを考察する」
…と、いうのが下のビデオ。
画面を見ればわかるように背後にはMarshallがズラリ。
というか、ハッキリ言って、こっちのグループは、工場のシアターの舞台の上でディスカッションをしている。
しゃべっている内容は各自でご確認頂くこととさせて頂くが、スゴいね、やっぱり欧米の人のこういう意識は。日本は永久にムリでしょうな。
イギリスには、この男女平等、あるいはレディ・ファーストの精神もモノスゴイ歴史があるから。
その話はまた別の機会に。

  

   
MARSHALL INSTAGRAM IN JAPAN
「facebookはもう年配の方しかやってないんです」…と、仲良しのギタリストから以前より聞き及んでいた。
「道理でシックリ来ると思っていた」のが、それを聞いた感想。
Marshall Blogの更新を告知するためにTwitterもやっているんだけど、どうもアレの面白さがわからん。
若い人はアレがいいんでしょ?
そこへ持ってきてInstagramだよ。
もうさ~、SNSに殺されちゃうよ。
困っちゃうのはそれぞれにメッセージ機能がついてるじゃない?
SNSに普通のメール、それから携帯のショートメール、それにLINEでしょ?
人それぞれ得意種目が違うんもんだから、どうしても色々なアプリを使うことになる(この「アプリ」と言う言葉がこの場合適切かどうかもわからない)。
「どこで読んだんだっけかナァ~。あの人はfacebookのMessengerだったか?
あ、ないな…そうか、ショートメールか!イヤ違う!普通のメールだ!ありゃりゃ、やっぱりTwitterのメッセージだ!」
なんてことが時々ある。
手紙とまでは言わないから、電話に戻そうよ~。グラハム・ベルが寂しがってるぞ!(ちなみにベルはスコットランドの出身だ)
そもそも「電話してもいいですか?」ってメールして来るのはおかしいだろ。
タイミングが悪かったり、出たくなければければ電話になんか出やせんよ。用があればドンドンかけて来い!
そこへ行くとメールっていうやつは24時間私生活に入り込んでくるでね。
いつでも読めるということは、いつでも追いかけられているということだ。
上に書いた通り、立花さんが予見した通り、ITは従来の生活を変えてしまったんだよ…なんてことを言っておきながら通算10年、2,200本もMarshall Blogの記事を書いてりゃセワないんだけど。
結局ITに一番お世話になってんのはテメエだったりして…。
 
で、ですね、Marshallのマーケティングの親分とNAMMでこんな話をした。
イギリスでもやっぱりfacebookは完全に年配の方向けのSNM(イギリスではSNSのことをSocial Network Mediaと言う)になっているのだそうだ。
しからば、最も若い人たちの間で訴求力が強いSNMはナニかと尋ねたところ、即座に「Instagram」という答えが返って来た。
ホ~ラ見ろ、facebook!サッカーバーグだけがそんなに儲けていいワケがない…と思ったらこのInstagramってのもfacebookの仲間なんだってね~?
それで、イギリスではTwitterはダメなんだって。どうも若者に人気がないらしい。
というので、私も「shige_marshall」というアカウント名でInstagramをやっているので是非フォローして頂きたいのであ~る。
そしてもうひとつフォローしてもらいたいアカウントがコレ。
「marshall.japan」
あるいは、「マーシャルアンプ」で検索をかけて頂きたい。
コレはナニかというと、Deep Purpleが2回目に来日した1973年からMarshallの輸入販売をしているヤマハミュージックジャパンさんのMarshallに関するInstagramのアカウントだ。
私のInstagramは自慢げに自分の撮った写真を並べてMarshall Blog更新の告知をしているだけだが、ヤマハさんの方は基本的にMarshall本家のInstagramの投稿を移植するスタイルで展開する予定とのことだ。
アータ、コレが今日からスタートですって!
目指せ一番乗り!
よろしくお願いします!

Instagram740x320 まだ書きたいことがいくつかあるんだけど今日はコレでおしまい!
他に取り組んでいた英語の仕事で疲れちゃった!
…ということで<つづく>。
 

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2018年2月 7日 (水)

D_Drive ~ A NIGHT AT DX

  
意外だな…イヤ、そうでもないか?
毎週のように関西からやって来て、東京あるいは、その以東、以北のライブハウスの舞台を踏み続けて丸9年。
その延べ走行距離たるや地球7周半。
真空中において光が1秒かかって進む距離を大気中でたった9年間で成し遂げたのがD_Drive。
その距離、30万km。
ハイエースのような機材車で移動するので、燃費は7km/ℓとして、使用したガソリンは43,000ℓ。
43,000ℓがどれぐらいかというと…下の写真ぐらい。
コレは「タキ3500」。
35t積みのガソリンタンク車だが、ガソリンは水より軽いので、35tを比重の0.783で割ってやると43,000ℓチョイ超えの44,700ℓ。
だからD_Driveはタキ300の代わりに、9年の間にこれだけの量のガソリンを東名高速で運んだと言える。
一方、高速道路代はというと…もういいか。

35t で、9年の間に使用したガソリンの量なんかよりもっと驚くことがある。
そんなに頻繁に上京しているD_Driveのこと、東京で出演したことのないハコなんて最早なかろうと思っていた。
東京に住んでいる私なんかよりよっぽど詳しいからね。
ところがあったのだ!
しかも、Marshall Blogも数え切れないほど取材にお邪魔している肝心なお店。
それは高田馬場の音楽DX。
D_DriveのDX…そう、今日は「D」が3つ。
となると、思い出されるのがFrank Zappaの「Carolina Hard-Core Ecstasy」。
「Plastic leather, 14 Triple D」という歌詞。
合成皮革で14インチ(デカい!29.2cm)で「D」が3つという靴の仕様。
この曲はSMの歌なんだけど、S女が渡すこの靴のサイズでM男の体躯がわかる。30cmの靴を履くガタイのいい男がその手のことをしてよろこんでいる図なワケ。
ちなみに、名古屋のなぞなぞ商会は「Japanese Hard-Core Ecstasy」と題して、あまりにも素晴らしい独自の歌詞を乗せてこの曲を演奏していた。
ところで、アメリカでは男性の靴の幅は「D」が基本で、「A」に近づくほど狭くなる。
「D」が3つということは、相当なバンビロということ。
この「バンビロ」って、場所によっては「ダンビロ」っていうんだってね?ようするに「段広」。
「段広」とは幅の広い刀のことだと言うから、「ダンビロ」の方が正しく、「バンビロ」はその音便変化という説があるようだ。
私なんかは子供の頃から「バンビロコウダカ」って聞いていたよ。
ナゼなら自分が「幅広甲高」だから…ハイ、古来の日本人の足の形です。
「D」_「D」rive、初の「D」Xのはじまり、はじまり!

10初めてのDXはいきなりの単独公演。
ダブル・ヘッドライナーでもなければ、トリプル・ヘッドライナーでもない。
ましてや、ツーマンだのスリーマンなんてのは言葉自体があり得ない!
ね~、Seijiさん。

20まだときどきウッカリ「ツーマン」とか言ってしまいお客さんに怒られてしまうSeiji。

30vMarshallはいつものJCM2000 DSL100ECと1960AX。

40vギロリ…Seijiさんが「ツーマン」などと言おうものならこうした厳しいチェックが入る。
「だから、私はMarshall。」のYuki。

50vYukiちゃんもいつものJCM2000 TSL100と1960A。

60vEDENのハーフスタックを背後に控えたShimataro。

70vShimaちゃんが使っているEDENはかつてのフラッグ・シップ・ヘッドWT-800。それと4x10"のキャビネットD410XST。

80vChiikoちゃんはいつものワンマンとは様子が違う。

90v今日はNATALのアッシュを使っているのだ!
フィニッシュはホワイト・スワール。

100こういうイスに座ったお客さんを前にしたD_Driveはきっと珍しいでしょう?
音楽室DXは、お客さんに単独の出演者をイスに座ってジ~ックリ楽しんで頂こうというのがモットーなのです。
もちろん満席。
いいね、イスに座って聴くD_Drive。
何もワイワイ騒ぐだけがロック・コンサートじゃない。
このハイパーな4人の至芸とMarshall、NATAL、EDENの芳醇なサウンドを思う存分堪能してもらいたいワケですわ。
まずは小手調べにいつも通り「Hyper Driving High」。

110続いて「Advance and Attack」。

130ん?考えてみるとD_DriveのMarshall Blog登場は結構久しぶりなんだよね。

140安定のこのサウンド!

150vホーム感満載!
楽しいなったら楽しいなッ!

160そして「M16」。

170「♪ティロリロリ~ン」のフォーメーションもバッチリとキマった!
ちなみに信頼の我がアシスタントの「M16」のメモには「押して⇔引いて」と書いてあった。
コレだけでどの曲かがわかる。

180「皆さんこんばんは!
スミマセン!今日は私だけのためにお越し頂いちゃって!」イヤ、「ちゃって」は言わなかったか…。
「おおきに!今日はウチだけのために来てくれはって!」って言ったのかな?
そう、このライブはYukiちゃんの「バースデイ・ライブ」だったのね。
ということで、Yukiちゃんが今使っているストラップはSeijiさんからのプレゼントなのだそうだ。
Chiikoちゃんはバスソルト。
Shimaちゃんはドラゴン・ボール好きのYukiちゃんのために、ドラゴン・ボールの缶入りのお菓子をプレゼント。
イズミヤで買ったんだって。どこのイズミヤだろう…千里丘かね?山田西かね?

190v_mオープニングのMCに続いてドラムからスタートしたのは…

200v久しぶりに取り上げたというファースト・アルバム収録の「Mystery Zone」。

230長年愛用して頂いているSeijiさんのDSLと1960。
初期の頃はコレとは違うDSLだったが、ほぼ地球を7周半した過酷な旅に耐え抜いたMarshallたちなのだ。
大切に使ってくれてうれしいな~。
最近、オーバーホールしたらまだ音がよくなったって!

210v続いては「Highly Strung」というOrianthiの曲をカバー。

220ココで今日の「目玉その1」。
新曲の披露!

240_gつい先日レコーディングが終了し、3月28日に発売が予定されている2曲入りシングル『GEKIRIN-逆鱗-/Gradation』から「Gradation」を演奏した。
「逆鱗」はどうして「逆鱗」っていうのか皆さん既にご存知だろうから書かないよ。

Gr「D_Driveにしてはさわやかな曲になりました。作ったのは夏なんですけど、発表したのが冬。海辺のドライブ。右手に広がる青い海の色の境目がキレイんなんですよ!だから、私はグラデーション」
やっぱり地球7周半の男は違う。
運転していても海のグラデーションをこと細かに観察していたのだ!
曲はといえば、ん~、確かに今までにないテイスト。
とってもいいと思う。
何でもトライした方がいい。
特にリズム。
音楽業界を見回して、私は今や日本人って完全に「リズム貧乏」だと思っている。
ヒップホップのような軽快な16ビート系のリズムには慣れて、ウラで手拍子を入れることができるようになったたものの、古来の素晴らしい音楽に使われてきたリズムをすべて捨て去ってしまったに等しいと感じているのです。
D_Driveはせっかく素晴らしい演奏技術があるんだから、メタル・テイストはそのままに、他にも音楽的に色んなことにチャレンジすればいいと私は思っている。
少なくとも日本では誰もやっていない音楽が出来上がるであろうと思うし、もしかしたら世界からも注目されるかも知れない。
  
で、今回演奏しなかった「Gradation」のカップリング曲「GEKIRIN」はYukiちゃんの作で、極悪テイストだという。
そ~んな、Yukiちゃんが「極悪」だなんて…しからば、ひと足さきに聴かせてもらいますよ………極悪だわ!

250前半最後のブロック。
まずはYukiちゃん作のバラード、「Unkind Rain」。
青いライトの中、ギターに込められたYukiちゃんの感情が爆発する。

260もういっちょ、ファースト・アルバム『Something to Drink?』から「Peach Fizz」。

270第1部を締めくくったのは更にファーストから「Runaway Boy」。
私のD_Driveの原体験がコレ。
昨日Seijiさんが先か、D_Driveが先か、なんてことを本人と電話で話していて、認識していたよりはるかにSeijiさんとのお付き合いが古いんで驚いちゃった。
この話はまた今度。
これから休憩に入るから。

1_img_0149 休憩の間に頂くのはこの日のスペシャル・ドリンク。
やっぱりカシス・オレンジでしょう~!
ところで、D_Driveはこうして2部制でライブをやるのが今回がはじめてなんだってよ!
言われてみれば確かにそうかも知らんね。

280v第2部の冒頭ではファンからプレゼントしてもらったYukiちゃんへのバースデイ・メッセージの寄せ書きが披露された。
私もひとこと添えさせて頂きました。

285さて、さてさて、今日の「目玉その2」!
XperiaのCMで使用されている曲、「Voice」をライブで演っちゃうのだ。
残念ながらもう終了してしまったそうなのだが、あのCMってサ、ChiikoちゃんがMCで言ってたけど、「♪ケンコンケケンコ~ン」ってイントロが聞こえて来ると、どんなことをしていても絶対にテレビの方を見ちゃうんだよね…で、Yukiちゃんじゃないと、「ナンだよ~!『マラソン』かよ~」とか「Yukiちゃんじゃね~じゃん!」みたいになっちゃう。
私も何回アレにダマされたことか!
この曲は4つほどのパターンがあって、D_Driveが演奏したバージョンをプレイ。

290ココはもうYukiちゃんフィーチュアでいいでしょう。

300v「キマった~!」
拍手喝采!

310次。
「Dスタンダード」のこの曲もドラムからだ。
ファースト・アルバム収録の「Mr. Rat Boots」。

320しかしこうして見ると、D_Driveってかなり平均的に選曲してるんだよね。
アルバムに収録されてきたほとんどの曲をとっかえひっかえ、演奏している。
曲が少ない…ということではないんですよ。
捨て曲がないのだ。
そりゃそうだよな~。
歌詞書いて、コードつけて、メロディ作ってハイ終わり、というワケにはいかないからね、このバンドは。

330v次はアルバム単位では目下のところの最近作、『R』から「Now or Never」。

340コレはモノスゴイ意訳をしてやると「いつやるの?今でしょ!」っていう意味?
Yukiちゃんの表情がそんな感じだ。

350vココでアルバムの告知。
2010年にリリースして以来、4回ほど重版を重ねているセカンド・アルバムがリマスターされ、『ACCELERATOR Re Edition』というタイトルになって再発売される予定という情報。
で、12月13日に無事リリースされた。
このアルバムに収録されている6曲はそれこそいつも演奏してるもんね。
そういう重要なアルバムだ。

Accそれより少し前に発表したのがこのシングル。
そうそう、D_Driveの場合は曲を書き溜めていたら大変だから、いい曲ができたところでジャンジャンとシングルを出せばいいのよ。
次はこのシングルのコーナー。

Lr まずはYukiちゃん作の「Shape of Your Life」。

360_soylそして、Seijiさん作の「Last Revenge」。

370もうね、この曲は完全に「パブロフの犬」状態。
リフを聴くと即座にこの光景を思い出す。
私の中では「居酒屋甲子園のテーマ」。
リハーサルを含めて2日間、この曲を聴きまくったからね。夢に出てきたわ。
でもまた聴きたくなる…というのは名曲の証。

540 そして「Drive in the Starry Night」。
星空の下のドライブ…ロマンチックだナァ。
もちろん走っているのは東名高速!

380「今から皆さんに写真を配りに行きますね!」
お誕生日のYukiちゃんからお客さんにプレゼント。
家でくつろいでいる写真にサインを入れて、Yukiちゃんが客席を回って1枚1枚直接配布したのよ。

2_img_0170「今日は来てくれてありがとうございます!あと少しなんですが…」
「エ~!」
…イヤ、まだ結構残ってるって!
「久しぶりにあの曲演っちゃう?」

390v…と演奏したのは「Among the Destruction」。

400v「Screw Driver」…

410「Over REV」…

420v3曲を立て続けに演奏して本編を終了。

430アンコールは今日のスペシャル・ドリンクにもなった「Cassis Orange」で甘酸っぱいパフォーマンスを!
やっぱりホーム感満載!
460vさて、D_Driveのワンマン・ライブがまた近づいてきた!
2月16日は横浜NEW SIDE BEACH。
そして、3月24日が十三のGABU。

450vハイ、脱線。
十三、なつかしいナァ。
私は30年前、箕面から梅田にある事務所まで阪急宝塚線で通っていたからね。
「じゅうそう」は最初読めなかった。
★「ナァ…ナァて…『十三』と書いて何て読むかジブン知っとるん?」と訊かれて、トンチを効かせて「くし?」と答えたら「ナンやねん、『くし』て?」
なんてことがあったな。
イヤ、「9と4、つまり『ク』と『シ』を足したら13になりまんがな…」とそのココロを説明したら「ナンやねん?」とまた言われた。
★とても可愛い女の子とエレベーターに乗り合わせて、降り際についそのカワイコちゃんの方を見てしまったら、「ナンやねん?」と言われた。
★梅田のESTの横の路上で、若い女の子同士が「ナンやねん?」、「『ナンやねん』ってナンやねん?」、「『ナンやねんってナンやねん?』ってナンやねん?」と口ゲンカをしているのを本当に見たことがある。
その後、「あっち行き!」、「自分があっち行き!」、「イヤや、あっち行き!」「イヤや、自分あっち行き!」と互いに絶対に譲らない。
ナント語彙に乏しい口ゲンカだろうか!
そんなにイヤなら自分からサッサとその場を去ればいいのに…と考えるのは東京流なの?
大阪は「ナンやねん?」でできていると思った。
440v最後に…SeijiさんはDSL100、YukiちゃんはTSL100、ともにプリアンプもパワーアンプも真空管で駆動させるモデルなんだけど、やっぱりロック・ギターの音ってこうでなきゃ!…だよね。
正直、真空管アンプは鉄のカタマリである大きなトランスが2個も入っていて悲しいぐらい重い。
時が来れば、真空管を交換しなければいけないという面倒もある。
それゆえメンテナンスにお金もかかる。
デカい。
こうして書くと何やら猛烈に厄介なシロモノに見えて来るのが真空管アンプなの。
でもね、どんなにテクノロジーが進化したとしても、絶対に突き崩すことのできない、ズバ抜けて素晴らしい特長が真空管アンプにはある。
それは「音」なんです。
これまで「真空管アンプに迫るサウンド」という惹句を乗せた商品が星の数ほど生まれては消えていった。
「迫る」とか「似てる」ということは「違う」ということ。
「別にホンモノの真空管アンプと少しぐらいサウンドが違っていてもいいから、軽くて便利なヤツの方がいいわ」と思われがちの世の中になってきて、正直とても残念なのだが、最後は決してそうはならない。
ナゼなら、根本的に「ロック」という音楽は真空管アンプが作ったギター・サウンドなしでは成立しないからだ。
SeijiさんとYukiちゃんはこのことをよく知っている。
だから私たちは、Marshall。

D_Driveの詳しい情報はコチラ⇒D_Drive Official Web Site

470v※言っておきますけど、音楽室DXにはJVMのコンボがあるからね~!

1_210c (一部敬称略 2017年12月8日 高田馬場音楽室DXにて撮影)



2018年2月 6日 (火)

SHOW-YA ニューアルバム『AURORA』リリース・ツアー <後編>

  
<後編>はアコースティック・コーナーの続きから。
ステージには☆sun-go☆さんがひとり…。
「あ、客席を明るくしてください。ピンスポも消しちゃってください」
ヤメて、ヤメて!ピンスポは点けておいてください!という私の心の願いなど届くハズもなく、☆sun-go☆さんのソロ・コーナーが始まった。

10_2「私のSNSを見てる人?………予習ができていない人が結構いますね~?」
これから演奏するのは6年前から取り組んでいる☆sun-go☆さんのプロジェクトのテーマ・ソングに据えている曲。
「マザー・テレサの言葉に『私たちは大きなことはできません。小さなことを大きな愛を持って行うだけです』とあります」
いい言葉だ。
つまり「惻隠の情」ですよ。
単一民族国民である日本人のこのお家芸が最近はドンドンおかしくなってる…ように私なんかには見えます。
「みんな!一緒に歌ってくれるかな?大きな愛で!大きな声で!世界中に届くように!」と、☆sun-go☆さんが投げかけた曲は「We Are the World」。
みんなの顔を見ながら一緒にこの曲を歌うために、ピンスポを消して、客席の照明を明るくしたのです。

20v☆sun-go☆さんの思いに応えるように、客席が一丸となった大合唱が会場中に響き渡った。

30いつもやさしい☆sun-go☆さんらしい、あたたかさに満ちたワン・シーンだった。

40_2続いては恵子さん。
「音楽を演るのはそれぞれの思いがあってのこと。今回は珍しく☆sun-go☆が歌いました。なかなか可愛いセクシーな声だよね。
世界の貧しい人のことを思って☆sun-go☆が歌ったけど、私は『風の電話』のことを知って、いても立ってもいられなくて曲にしました」

50「風の電話」というのは電話線がつながっていないダイヤル式の黒電話のことで、傍らにはノートが置いてある。
場所は東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手県上閉伊郡大槌町…そのある私邸の庭に設置されている電話ボックス。
来訪者はその線のつながっていない電話で亡き人に自分の想いを伝えたり、ノートに気持ちを記載したりする。
ことの始まりは震災前年…その私邸の主人である庭師が、亡くなった年上のイトコともう一度話をしたいとの思いで、海辺の高台にある自宅の庭の隅にその電話ボックスを設置したのだった。
その翌年に発生した東日本大震災の生存者が、震災で失った家族への想いを風に乗せて伝えられるように…と、その庭師は自宅の敷地を整備し、電話ボックスを開放した。
その電話機の横には…
「風の電話は心で話します。 静かに目を閉じ、耳を澄ましてください。 風の音が、又は浪の音が 或いは小鳥のさえずりが聞こえたなら、あなたの想いを伝えて下さい(註:読点と句読点は筆者。漢字はママ)」
という言葉が添えられているのだそうだ。
70_2「一緒に歌って!」
曲は『AURORA』に収録されている「Voice」。
まさに「風の電話」の想いが音楽になっている。
音楽の力は大きい。

60v場面はガラリと変わってキャプテンのキーボーズ・ソロ・コーナー!
メンバーのソロの場面が続いてまるでyesみたいだ!

80_2相変わらずスケールの大きな演奏。

90v_2でも、今回はちょっとポップなイメージかな?

100v_2こうした演奏を耳にすると、やっぱりキャプテンのキーボーズはSHOW-YAサウンドの重要なカギのひとつを握っていることがよくわかる。
あと、キャプテンはコーラスね。堂々たる歌いっぷりが好き。

110v_2続いてはmittan!
今回は珍しくドラを打擲してのスタート。

120遠慮なくスティックを振り回しているのは小指の骨がくっ付いた証拠?

130コール&レスポンス。
人気のあるパートだけに客席からのレスポンスも大きい。

140v_2イスから立ち上がってシンバルを乱打するmittan。
骨がくっ付いておめでとう!
この後、再び「♪ドラの音高く」、ソロを締めくくった。
コレがわかる人は私たち世代までかナァ?SHOW-YAの皆さんはご存知かナァ?
今、吉原と同時に軍歌の勉強もしているのです。

150メンバーが4人揃って…って揃ってないんだけど、ここからはSHOW-YAのスタンダード・ナンバー・コーナー(こんなのない)がガンガン顔を出してくる。

160_osまずは「OUTSIDER」!

170_2おなじみの曲の登場に沸き上がる客席。
さとさんの不在が4人のメンバーをパワーアップさせているようだ。

180_2Marshallは背後から☆sun-go☆さんをプッシュしております。

185v早くもショウは最終セクション。
「今日は本当にありがとう!宴もたけなわです」
「エ~!」
「うるさいんだよッ!!!!」
やっぱコレがないとね。
「短いツアーでしたが、SHOW-YAの底力で乗り切ってやって来ました。SHOW-YAカッコいいね!」
SHOW-YAカッコいいッスよ!
「さとの思いと、メンバーひとりひとりがさとの代わりを一生懸命やってくれたおかげでそれぞれの曲を熱く演ることができました。
これから速い曲が続きますので汗をかいて帰ってください!」
「エ~!」
ココは言わないところか!

190v_m恵子さんがアコギを再び提げたのは前作『PROGRESS』からの「反逆のフラッシュ」。

200_hf盛り上がり必死の最終コーナーの冒頭を飾るにふさわしいハード・チューン!
イケイケ~!210_2「欲しいモノは…奪いとれ~!」

220v_utドライブング・チューンが続くこのあたりはmittanの独壇場でもある。
骨がくっ付いてヨカッタ!…もういいか。

230_2キャプテンの鍵盤サウンドが宙を舞うのだ!

240v「本当に本当にありがとう!次で最後の曲となります」
「エ~!」
「うるさい!」

260v今日本編を締めくくるのは「Fairy」!

280_2☆sun-go☆さんのギターも遠慮なく東海道最初の宿場に響き渡る!

270_2恵子さんは珍しく「Fairy」でコレ。
さとさんのことといい、ソロ・コーナーの展開といい、こうして見るとやっぱり結構異例づくめだった?
でも完全にSHOW-YAだった!

1_0r4a5712でも定番のアクションは欠かせません。

290

1_0r4a5741「Fairy」もエンディングに差しかかる。
恵子さんが指で示す先は☆sun-go☆さん。

300_2そう、今日はソロで竿回しなのだ!310_2クル…

320リン…

330パッ…

340っと!
このフォロー・スルーが重要といつも言ってる。

1_0r4a5784 「We are SHOW-YA!」

350v_2アンコールではさとさんがケーキを持って登場。
「♪Happy birthday sun-go~」

360ドンズバではないけど、そう、☆sun-go☆さんのお誕生日が近いのだ!
何せ私は生年が同じで、誕生日が☆sun-go☆さんと1日違いなのね。
なので絶対に☆sun-go☆さんの誕生日は忘れない。
私の方が1日だけ還暦に近いってこと。

370「sunちゃん、おめでとう。コレでまたひとつお姉さんになったね…」

390_2「最後は思いっきり暴れてくれ~!」

400…と4人が同時噴火したのは「限界LOVERS」!

410

420v

430_2

440終演後、さとさん再び登場。
『AURORA』のリベンジ公演よろしく!

450vこの5人の姿が見れる日も近いだろう…って野音か?
皆さん、4日29日は『NAONのYAON』ですからね~。
その時にまたお会いしましょう!

NAONのYAONの詳しい情報はコチラ⇒特設サイト

460SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

470v_2(一部敬称略 2017年11月18日 品川インターシティホールにて撮影)

2018年2月 5日 (月)

SHOW-YA ニューアルバム『AURORA』リリース・ツアー <前編>

  
江戸時代、ご婦人方の最大の楽しみはお芝居…すなわち歌舞伎だった。
また、男女共通のお楽しみは寄席だった。
そして、殿方の「遊び」とくれば「飲む・打つ・買う」と3通りあって、その内最も誰しもが夢中になったのは「買う」の遊郭通い。

遊郭といえば「吉原」。
今、他のバンドさんのところで「吉原」の研究結果を「私のディープ浅草」と銘打ってシリーズで発表している。
江戸の粋な文化が色々とわかって来て実に面白い。
わかったことのひとつが、その頃の吉原というのは、表向きは一般の人が思っているような陰湿なところではなく、江戸の一大観光名所で、今で言う「テーマパーク」として家族連れで訪れたということ。
そして、その殿方の遊び方には「上中下」とランク分けがされていた。コレは今でもそうか?
「上」は来ず…つまり廓(くるわ)には足を踏み入れない。遊びに行かないということね。
「中」は昼来て昼帰り…吉原は最初、昼間しか営業していなかった。
「下」は夜来て朝帰り…見世(店)によってはかなりの資金が必要だった。
実はまだその下があって、
「下々(げげ)」は居続け。
「そのまた下々」は居残りをする。
…有名な落語「居残り佐平次」のマクラである。
いかにも江戸っ子らしい見栄の効いたランク付けだ。
「ナカにも飽きたことだし、今日はミナミへ繰り出そうじゃねぇか!」と噺は始まる。
他に「北国(ホッコク)」などという別称もあるが、この「ナカ」とは吉原のこと。
そして、「ミナミ」とは品川のことだ。
他にも洲崎(今の江東区東陽町の方)は「タツミ(辰巳)」、新宿は「ニシ(西)」などにも大きな遊郭があって、それぞれにそうしたアダ名がついていた。
そのうちのひとつで千住は「コツ」と呼ばれた。他が皆方角を示すのに対し、千住だけは「コツ」。
「コツ」などという方角はない。
コレのタネ明かしはその「吉原研究」で開陳することにします。
さて、品川は「江戸四宿」のひとつにして東海道の初宿…すなわち最初の宿場で、ものすごく栄えていた。
「江戸四宿」とは、五街道の起点である日本橋から二里(8km)にある宿場のことで、他に千住、板橋、内藤新宿(今の新宿1~3丁目あたり)があった。
広重の浮世絵なんかを見ると、品川は青い海が眼前に広がる実にステキな宿場町だ。
その後東海道は、川崎、横浜、程ヶ谷(今の保土ヶ谷)と宿場を連ねて行く。程ヶ谷宿が私の家内とかなり近しい関係にあることは他の記事に「生麦事件」を絡めて書いた。
さて、今日はその品川から。
新幹線が停車するようになって、猛烈な勢いで再開発が進んでいるが、品川にもホールができたのね?
その名も「品川インターシティホール」。
国鉄の操車場の跡地にできた「品川インターシティ」という総合ビジネス施設の中というロケーション。

10今日のMarshall Blogはそこで開催されたSHOW-YAのニューアルバムのレコ発ツアーのようすをレポートする。

20すでにニューアルバムに関するイベントを他でもレポートしているが、今日がクライマックスよ。
そしてコレがニューアルバムの『AURORA』!
原点に回帰したかのような、SHOW-YAらしい日本のハードロック・サウンドがギチギチに詰め込まれている。

30cd大阪、名古屋をめぐりココ東京で迎える千秋楽のオープニングは「私は嵐」。

40寺田恵子

40cd五十嵐sun-go美貴

50v☆sun-go☆さんはいつものMarshall JVM410H。

60ステージにはド~ン!
コレがロックのステージの正しい造作。
古くも、前時代的でも、ナンでもない。
「ロック」っていうものは、こういう見た目をした音楽なのだから。
もし、この見た目が好きでない人は「ロック」が好きではない人だ。
だってそうでしょう?

70ロックが好きな人。

80仙波さとみ
既報の通り、さとさんは手首の骨折により、今日は涙を飲んで欠席。

90v中村美紀

100v角田mittan美喜

110v『AURORA』の発売イベントとして川崎でイベントを開催したものの、アレはアコースティックのセットだった。
よって「電化SHOW-YA」としての公演は7月のCLUB CITTA以来となった。4ヶ月ぶり!

120_waそれだけに力が入ってるぜ~!

130v☆sun-go☆さんのソロ!
そして、観客の目は下手に集まる。

140vさとさんのベース・ソロ!
私もカメラを手に下手に走る!
あ、そうか…いないんだった。
寂しいな~!

150vさとさんがいない分、力がこもる4人のメンバー。

160「嵐」ポーズもバッチリ!

170すさまじいパワーでオープニングを大爆発させたぞ!

185♪ゴンゴロゴンゴロとギターのイントロがうなるのは…190v「流星少女」ダァ~!

200オラオラオラオラオラオラオラオラ~!回せ、回せ~!
なんか恵子さんになった気分で書いております。

210もはやSHOW-YAのステージには欠かせないスタンダード・ナンバー。

220みずみずしいパフォーマンスでショウの雰囲気をグイグイとヒートアップさせた。

230「Yeah! Yeah! 『AURORA』ツアー、最終日です!
何かがおかしい…いるべき人がいない…。みんなも知っていると思います。
さとが左手首をケガしました。
期待している人もいると思いますが、その期待通り今日はさとも来ています。
でもベースは弾けません。まだ骨がくっついていないから!」
と「さとさん事件」の経過を説明してから早速『AURORA』コーナーへ!

240_m残念ながらさとさんは不在だけど、待ちに待った『AURORA』の実演コーナー!
みんな「待ってました!」でしょう?!

250_srhまずは「そうよRunaway Home」。
恵子さんと☆sun-go☆さんが向かい合うアクション。

260こんな感じはいい感じ。
ガッチリしたハードなエイト・ビート・ナンバーだけど、副題は「人類は愛でしか救われない」とやさしく、あたたかい。
サビ前のパッシング・ディミニッシュがありがたい。270ヘヴィなギター・ソロもバッチリ!

280出た~!
ウルトラ・ドライビング・チューン!
「Day Breaker」だ!
「daybreak」とワンワードにすると「日の出」という意味。
もうひとつ、似た言葉に「dawn(ドーン)」というのがある。こちらは「夜明け」という意味。
この違いが面白い。
「daybreak」は最初にお日様がチョットだけ顔を出した瞬間という意味。その後が「dawn」。でも「dawn」も太陽がまだ見えない状態を指すらしい。
総じて大ざっぱな言語である英語にしては珍しく繊細な使い分けだ。
そういえばDawn Adamsというイギリスの女優さんがいたな。Marshall社にもDawnという女性がいて私の面倒をみてくれている。
290v_db疾駆するmittanのドラムが愉快爽快!

300こういう曲は絶対にMarshallのトーンが必要なのよ!

310「暑い~!皆さん、楽しんでますか?」
…とココでアルバム『AURORA』の説明。
「今回はさとちゃんやmittanが作った曲がいっぱい入っています。変わった曲があったり、変わったメロディラインで歌っていてスゴク楽しい…んだけど、そういう曲は今日は演りません」
ナンダ…。
「でも、全員で歌える曲をキャプテンが作ってくれました。とてもさわやで、純粋無垢。
もうすぐ還暦の人が作ったとは思えない」
そういえば、あと4年もすればMarshallも還暦です。
これからも夢と希望を持って、できるならみんなで一緒に歌いたい…と紹介したのは「All Together Now」。

320v_n明るいハード・ロックはいいね!

330_atnこの曲もSHOW-YAのステージには欠かせない曲になりそう。

350vよく練られたギター・ソロも曲にベスト・マッチ!

360v一転してガツンと重く演るのは「Monster」。
「♪エロすぎる兆発」という歌い出しからしてモンスター。

370v_ms「♪モンスター~」

390「♪モンスター」400v中間のキメからギター・ソロ、そしてまたキメに戻るところが何ともスリリング。
それとエンディングの奇抜なフレーズは秀逸!

380「どう?今回はアルバムを作って、5人でツアーしようと話していたんだけどそれがかわなわかったの。
それが悲しいんだけど、さとチャン、死んだワケはないんだから!(骨が)くっ付けばいいんだから!
今回のツアーは参加できなかったけど、今日、会場に来ています」

410v_mコ~コ~で~!
割れんばかりの拍手を浴びて仙波さとみ登場!

2_s41a1095 チャンとステージ衣装をまとって現れたさとさん。

420「皆さん、ご心配をおかけしました。今回は私の不注意によりステージに立つことが出来ず申し訳ありませんでした。
ベースを右肩にかけて、両手に荷物を持ったまま階段からコケてしまいました。
自分が(公演に)穴を空けてしまうのではないかと思うとすごく不安だったんですが、すぐさま動いてくれたのがメンバーたちでした。
そして、ファンの方々から温かいメッセージを頂戴して勇気づけられました。
心強かったです。
どうもありがとう!
チャンスがあれば『AURORA』ツアー…リベンジしたいです!」

2_s41a0330さとさんに鳴りものを振ってもらって1曲演奏。

450恵子さんがアコギを手にして「On my Crossroad」。

460vmittanはカホンをプレイ。
前々回の時はmittanが右手の小指の骨を折っちゃっていたんだった。
既にmittanはめでたく完治。
別の機会に「年齢が重なって来ると、なかなかくっ付かないんですよ~!」とお互い大笑い。
ウチのセガレは昨年末にヒザをグシャグシャに壊して大手術をしたのだが、信じられないぐらいのスピードで回復している。
やっぱり若いっていうのはスゴイね。パワーのカタマリだよ。

470v左手の黒いサポーターが痛々しいさとみさん。
でも、お会いしたところ、とても元気だったので安心した。
今頃はバリバリとベースを弾いていることでしょう。

480v☆sun-go☆さんもアコギにスイッチ。
490次は野音かな?
またステージ下手で暴れ回ってくれるのを楽しみにしていま~す!

500v「身体の傷はいつか必ず治る。でも心の傷は厄介で、傷つくたびに酒を飲んで…傷つくたびに酒をのんで…。
そうやって女は年を取るのです。
そんな…酒に人生を捧げたブルースを聴いてください」…と、源空寺あけびの「女は酒場でひとり泣く」を熱唱。
ウソ、ウソ!そんなのないから!
青いライトを浴びて恵子さんが歌ったブルースは「Blue Rose Blues」。

510vキャプテンのピアノが物悲しく響きわたる。

520v恵子さんのオハコだけあって、感情豊かに歌い上げるその姿と歌声が聴く人の心を揺さぶる。2_s41a0402 アコースティック・コーナーはまだ続く。
 
SHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YAオフィシャルサイト

530<後編>に続く。
  
(一部敬称略 2017年11月18日 品川インターシティホールにて撮影)

2018年2月 4日 (日)

NAMM 2018 MISCELLANEOUS ~ つれづれNAMMままに <その4>

  

下の写真は会場とホテルを結ぶ近道を歩いている時にみつけたバス。
「ELVIS Monroe」だって。
いまだにプレスリーとマリリン・モンローなんだな~、アメリカって。
私はリアルタイムではないけれど、エルヴィスやモンローに夢中になっていた方々の直下の世代なので何の違和感もない。
日本で言えば「石原裕次郎」や「美空ひばり」みたいなものか?
アメリカの若い人たちはこういうのどうなんだろう?
伝承されているのかな?
  
「2017年のアメリカの音楽市場は、ストリーミングの売り上げにおいては、ヒップホップが優勢で、ロックは最も人気のある音楽ではなくなった」というニュース記事を今年の初めに紹介した。
ストリーミングの統計ということなので、このデータが若者の嗜好を強く反映しているやや偏った結果であることは明かなのだが、私はこのことがすごく引っ掛かっているのね。
その結果、今回のNAMMはそのことをかなり意識して観察してしまった感があるな~。
  

NAMMの初日を翌日に控えた夜、ドイツのディストリビューターとの会食に出席させてもらったことを数日前の記事に書いた。
かつてMarshallの会議でいつも一緒になった古くからの友人であるマークの隣りに座り、お互いの国の仕事や音楽の状況について情報を交換した。
かつてドイツと日本はMarshallの売り上げにおいてはとてもいいライバルだった。
また、以前からマークとは意見の波長が合うのでとても話しやすい。
早速、アメリカのヒップホップ人気のことを話題に出すと、彼はチャンとそのことを知っていた。
そして、こう言った。
「Rock can't rule the world any more」
「rule」というのは、「規則」を意味する「ルール」のこと。
よく新商品のPRなんかに使われる単語だが日本語にしにくい。
ま、「思いのままにする」ぐらいの意味か?
つまり、「世の中の音楽はもうロックの思い通りにならない」という意味で、ロックの斜陽感をうまく表現したと思う。
日本では絶対にでて来ない意見だと思う。
そして、私がアニソンやゲーム音楽、そしてJ-POPのことを引き合いに出して日本の音楽シーンについて語ると、大きく頷きながら私の話を聞いていたマークは、ドイツの音楽シーンについて教えてくれた。
やはり、70年代に隆盛を極めた従来型のロックは完全に死に体で、ロックの軟弱化に歯止めがかからないという。
「スコーピオンズなんてトンデモナイ!」という状況だ。
ドイツには「Schlager(シュラガー)」という人気の高い音楽のスタイルがあるのだそうだ。
「Schlager」というのは英訳すると「hitter」という意味になるらしい。
野球のスラッガー(slugger)に近い言葉だね。「slug」というのは「強く打つ」という意味の英単語。
どういう音楽かというと、「シンプルでキャッチーなメロディー。甘く、非常に感傷的なバラード。歌詞は恋愛関係もの」…要するに、我々の感覚で言えば「歌謡曲」ということになるか?
で、このシュラガーがガッチリとロックに入り込んで、「ロック」という音楽の「ロック」っぽさがドンドン希薄になってきている…というのだ。
コレ、どこかの国と同じだわね?
やはり、ドイツでも気骨のあるロックは衰退の一途をたどっているようだ。
マークは「Helene Fischer(ヘレーネ・フィッシャー)」というシュラガー界のスーパースターの名前を教えてくれた。
早速、YouTubeで調べてみると…コレが結構いいんですよ。
たまたまこのヘレーネの声があまりにも素晴らしいので、魅力的に聞こえるのかも知れないが、マァ、少なくとも私なんかが知っている「ロック」という音楽には及びもつかないわナァ。
  
一方、ヒップホップ。
私がココにヒップホップのことを書く資格はないが、どちらかと言うとプロテスト的な音楽なんでしょう?
つい最近もヒップホップがギンギンに盛り上がっているという中国で、反体制的なことをテーマにしたラップを演じていた子がこっぴどく怒られて謝っていたもんね?
それって、つまり50、60年前のロックの黎明期と同じじゃん?ロックもかつてはそういう音楽だった。
時代が大きく変わっても、やっぱり若い人たちはそういう反抗的なモノに刺激を感じ、そして求めるということよ。
日本のロックもそうだった。でも今は「ありがとう」と「がんばろう」だから。
つまり、「Hip Hop rules the world」になっちゃうのは仕方のないことなのよ。
それだけに今の日本なんかロックにこそチャンスがあると思うんだけどね~。
05さて、今日は土曜日。
NAMMは通常木曜日から始まって日曜日に終了する。
会期中人出はズッと多いが、木&金曜日はまだ大丈夫。
まだまだスカスカ。

1_img_3958 土曜日がピークなのかな?
笑っちゃうほど混み合っちゃうんだぜ。
そんだけ大勢の人が集まるだけあって、マァ、色んな人がいるわね。
ドワッ!

40_2この人、毎日見かけたけどサスガにどこでも目立っていたナァ。
鳥?
蛾?
コレ地毛やってるのかしら?
こんなことしてるんなら毛を分けてくれ!

50_2そ~ら、段々人が増えて来たよ~。
遠くの方…まるでマラブンタが押し寄せて来るようだ!

1_img_3959 やっぱりアーティストが来て何かをやっているところのブースは人だかりが多いね。

60_2ホラ、やっぱりいた、Tony Levin!
NAMMへ来てTonyを見かけなかったことはただの一度もない。
近所に住んでるのかナァ?

70_2しかし、何気に進歩してるよナァ。
ブース内のイベントとなるとサスガにバカでかい音は出せない。
かと言って音が小さかったらデモにならない…ってんで、デジタル関連の商品なんかはよくヘッドホンをお客さんに渡して聴いてもらう手法を取っていた。
この原理は変わらないんだけど、Wi-FiだかBluetoothだか知らんが、今ではこうしてワイアレスだもんね。
コレは便利でしょう。

80_2反対に不便だったのがWi-Fiなし。
こんなところこそWi-Fiを飛ばせばいいのに…ない。
ホテルは無料のWi-Fiが完備しているので、せめてNAMMの会場にいる間は携帯をほったらかしておこうと思っていたんだけど、なかなかそうもいかず困っていた。
すると、昨日紹介した新しい棟の中でココを発見。
このエリアだけはWi-Fiで携帯が使える。
会場の中心からは結構歩くんだけど、陽当たりはいいし、静かだし、日本人はナゼか全く通りかからない。
発見後はココが食堂兼、日に何度かの休憩のための場所となった。

140_2お、こんなモノを展示しているブースが!
 右下の青い解説を大ザッパに訳すと…
「フランク・ザッパの作品は途方に暮れるほど多く、それぞれの内容が大きくの異なっている。そこで我々は、初心者そのどこから手を付ければよいのかをドゥィージル・ザッパに尋ね、指導してもらうことにした。
 
ドゥィージルによれば…
「初めてのリスナーは『Apostrophe(')』か『Over-Nite Sensation』から手を付けるといいと思うよ。それらのアルバムはあなたを何もかもが揃った旅に連れ出してくれるんだ。
それらが気に入ったら、色々と手を伸ばす前に、1966年から始まったザッパ・ワールドの出発点である『Freak Out!』を聴く。
フランクのクラシックっぽい作風が好きなら『Yellow Shark』から始めることをおススメするよ」
  
そうかナァ…。
『Apostrophe(')』や『Over-Nite Sensation』はいいけど、私だったら出し惜しみしないで、『One Size Fits All』、『Roxy and Elsewhere』、『Shiek Yerbouti』、『Bongo Fury』、『You Are What You Is』の5枚を問答無用で買え!って言うけど…。
息子と意見が合わないのは私がZappaをわかっていないということか…。

1_0r4a4493 このブースはシカゴの通販会社なんだって。
中古の楽器屋やレコードも扱っているのだそうだ。
私が中学生の頃はこんなのいくらでも売ってたけどな~。

130_2日本製のギターのコーナーも。
「日本の楽器メーカーは100年の長きにわたって、その素晴らしい品質により世界中の信頼を得て来た」って言ってるよ。
やっぱ日本人は素晴らしい!
しかし、ナンでBarney Kesselのコピー?
ブランドはVentura。
マツモクが作っていたのね…。
南松本の駅の側にある公園って、マツモクの工場の跡地なの?
ナンだよ~、知らなかった!行けばヨカッタ。南松駅へは軽く200回以上は行ってるのに!
今度行ってみよう。

120v さて、宴もたけなわ。
土曜日の午後ともなると、来場者でゴッタ返してくるよ。
でも、新しい棟ができて、展示スペースの面積が広がったせいか、昔よりは混んでいない感じがするな。
それでも今年のNAMMは来場者数が11万5千人で前年比107.6%。
出展社数は2,000社で、コチラも前年の1,779社を大きく上回ったそうだ。

20_2段々年末のアメ横みたいになってきたゾ!
それでも、以前より何となく寂しい感じがするんだよな~。
それは今日の記事の冒頭に書いたようなことが影響している気がしてならない。
つまり、NAMMに元気がないのではなくて、音楽に、もっと言うとロックに元気がないように見える。
私はどんなに楽器が売れたって、「楽器のブーム」というのは基本的に存在しないと思っていて、60年代にエレキギターがバカ売れしたのは「ギター・ブーム」ではなくて「テケテケという音楽」のブームだったと見るべきだと思うワケ。
楽器は音楽がなければ意味がないじゃん。
その点、楽器を使わないヒップホップがもっともっと台頭してきたら一体楽器業界はどうしたらいいの?
そして、演奏する方も聴く方も、60~70年代のロックを愛する世代がいなくなった時、ロックはどうなっちゃうの?
そういうことをモノスゴク考えたNAMMだったナ。

30_2それともうひとつ。
下はNAMM開催期間中の情報日刊誌。
3日目号なんだけど、来場したアーティストの写真を添えて「WHAT A PARTY!」なんて景気のいいことが書いてある。
  
そうかナァ…。何となくむなしく見えるナァ…。
来場しているアーティストの数が激減したイメージがあるのだ。
チョット前はStevie WonderとかHerbie Hancockとかがフツーに遊びに来ていたし、私の好みで言えば、Joe BeckだとかEd ThigpenとかLarry Coryellとか、偉大なミュージシャンがそこら中を歩いていたし、デモをしていたよ。
「ナニ言ってんの、おとっつぁん!アレも来ていたし、コレも来ていたじゃんか!」なんて怒られるかも知れない。
最後の1日を残して会場を離れたのと、私がコマメにブースを見て回らなかったせいもあるからね。
もっともLarry Coryellはもう2度とNAMMには来れないんだわ。
そう、ここ最近の物故者の多さは尋常ではないので、そういうことも関係しているのかも知れない。
   
もうひとつは、期間中に開催されるイベントの数が減ったような気がするのですよ。
「ナントカ Presents カントカ」系の冠イベントだよね。
大分前、「Tribute to Django Reinhardt」みたいなのがあって、「John Jorgensonが出る!」なんて興奮したりしたことがあったよ。メンドくさくなって結局観に行かなかったけど。
メーカーにもそういうイベントの経費を負担する体力がないんだろうね。
何しろ、アメリカの2大ギター・ブランドのひとつが今回欠席したんだから!
あ、私は決して文句を言っているワケではありませんからね。
何となく盛り上がり方が違う感じがして心配しているのよ。

150_2それでは、2018年のNAMMとの別れを惜しんで、会場をもうひと回りしましょう!

160_2

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180

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210

220_2

230「家に帰るまでがNAMMですよ!」と言われるかもしれないけど、コレで会場からのレポートはすべて完了!
おわり!
次にNAMMに来るのはいつのことかな?

240実際にはNAMMはもう一日残っているんだけど、私にとっては最後の晩。
カナダのディストリビューターとの会食を楽しんだ。
写真は撮らなかったんだけど、とても仲良しのピーターとずいぶん久しぶりに会った。
以前にも書いたことがあったけど、Marshallの会議で一緒になると、ピーターの部屋でラム酒を飲みながら、彼が持って来たギターを交代で弾くのが恒例になっていた。
ピーターは1970年代の初頭にカナダでプロのバンドで活動し、レコードも出していた。
音源を聴かせてもらうと、メッチャかっこよくて、そのことを以前のMarshall Blogに書いてあげた。
ピーターはそれを大層よろこんで、マーブロの記事をプリントアウトして額に入れて家の壁に飾ってあるらしい。
今回もそのことを口にして、それを知らない人たちに説明してくれるワケ。
うれしいやら、恥ずかしいやら…でも、Marshallの中でもMarshall Blogの認知度や評価が私が思っていたよりはるかに高いことに驚いたよ。
結構、自動翻訳で読まれているんだけど、あの吉原の脱線のところとか一体どう思うんだろうね?
  
下はその会食の時のメニュー。
ナゼこれを載せたのかと言うと…「EAT」はいいよね。「DRINK」もいい。
「MINGLE」ってナニよ?
「mingle(ミングル)」とは「混じる」とか「混ぜる」という意味で、「入り混じる」、「まぎれ込む」という意味も持つことから「〈知らない人と〉話をする」ということになるらしい。
だから、コレは「食べて、飲んで、知らない人とも気さくにおしゃべりしよう!」ということ。
ちなみに、「mingle」はスラングで「彼氏募集中」という意味もあるんだって。

250さて、アナハイムを離れる朝。
2日前に来るときに利用した例のシャトルを予約しておいた。
飛行機は11:30なんだけど、余裕を持って7:40にホテルに迎えに来る車に乗ることにした。
20年近く前、空港からさほど遠くないフリーウェイで車が炎上するという事故が起きて、一度だけ大渋滞に巻き込まれたことがあった。
向こうの高速道路の車線数は日本の何倍もあるからね。渋滞の光景もスケールがデカい。
この事件はテレビでも盛んに報じられていた。
そんなことがあるとマズイ。
飛行機に乗り遅れたら大変だからね。
でも、6年前、夜中の12時と昼の12時を取り違えて自分が搭乗するハズの飛行機を逃したことがあった。
空港の受付の女性が「あの~、お客さま?お客様の飛行機はもうすでに東京に向けて飛び立っているんですが…」
「ああ、そうですか、ハハハ、じゃお昼の便に乗れませんかね?席はどこでもいいです」
なんか、さほど慌てなかった記憶があるな。
で、やはり真ん中の席に空きがあり、そこにネジ込んでもらって成田に帰って来た。
とにかく、空港までの道中にナニかがあって予定していた飛行機に乗れないようなことがあると、それだけアジの開きが遠のいてしまうので余裕を持って空港に向かうのだ。
そして、肝心のシャトルに乗り遅れるともっとマズイので、予定の15分前にロビーに降りてイスに座ってシャトルが来るのを待ってた。
するとひとりの黒人が「キミ、Marshallの人?そこでナニやってるの?」と私に話しかけて来た。
「空港行きのシャトルを待ってるんだよ」と答えると、「チョット、ナニそれ?そんなのあんの?いくらよ?」とかなり驚いた調子で訊いてくる。
どうやらシャトルの存在を知らないらしい。
「17ドルだよ」と教えると「メッチャ安いやんけ!どうすれば乗れるんだい?」と言うので、「一昨日アソコで予約したんだよ」とコンシェルジュの方を指さすと、彼は慌ててシャトルのことを尋ねに行った。
すると、「席に余裕があれば予約がなくても乗れる」という情報を得て、彼はその空席に期待をかけることになった。
9:30の飛行機に乗るというのに、空港まで行く手段すらおぼつかないなんてなんてノンキな人だろう!
そして、「タクシーだとロサンゼルス空港まで100ドル以上かかるんだよ!」…なんてことをやっているウチにスッカリ仲良くなっちゃった。
彼はSteveといって、某ドラムス(ブランド名は忘れた)のデモンストレーターとしてNAMMに来ていて、アトランタに帰るところだと言う。
「Hot 'Lanta?(ハッランラ?)」と私が言うと、「Yeah!!」とうれしそうにSteveが答える。
もちろんThe Allman Brothersが好きなのだろう。
ところが話をしているウチに彼が大プログレ好きだということがわかった。「King Crimson」が大スキだと言うのだ。黒人で珍しいよね?
ナニせGongの名前まで出て来たのには驚いたよ!
彼もストリーミングの売り上げでロックがヒップホップに負けたことを知っていた。
そして、「ラップはイカンよ」と黒人のワリにはヒップホップもストリーミングも否定していた。
ドラマーの話になって、Lenny Whiteの名前を出すと、キッパリと「A legend!」と言ったのが印象的だったな。
それと私が大のZappaファンであることを告げると以前「Wino Man」を演奏したことがあると言っていた。
やっぱ感覚が違うナァ。
専門はフュージョンで、日本にも来たことがあって室蘭と東京で演奏したそうで、「ヤキソーバ」が最高においしかったんだと。
そんなおしゃべりをしていたもんだからアッという間に空港についてしまった。
下はSteveがシャトルの情報のお礼にとプレゼントしてくれたサンプラーCD。
なるほど確かにフュージョンだった。

1_2sg無事搭乗したのはいいんだけど、空港の免税店の中国人がスゴイ!
ナニが?って、爆買いよ、爆買い!
マリリン・モンローやサンタモニカビーチのパッケージのチョコレートをカゴの中に山ほど積み上げた人で免税店の中がゴッタ返している。そして長い長いレジの行列!
私もどうしても義理でいくつかその手のお土産を買う必要があったんだけど、断念。
だってあんな列に並んでいたら飛行機に乗り遅れちゃうもん!
チョット前まで日本人もああだったんだろうけど…なんて言っている本人も30年チョット前の新婚旅行でやってました、ハイ。
その頃って、飛行機の中でまだタバコが吸えたんだよ。
後ろの方が喫煙席になっていて、禁煙席との間にはナニもないからいいように煙が行ったり来たりしていた。
それと思い出したのは映画。
今では前の座席の背もたれの後についている小さなモニターでいつでも自分の好きな映画を見たり止めたり、あるいは見逃した部分に戻ったりできるけど、昔は席の切れ目の壁に掛かっている大きなスクリーンをみんなで見たものだった。
見たくなくても上映しちゃうし、もちろん好みなんて関係ない。
でも最新の映画が見れるというので得した気分にはなれたけどね。
しかし!
ますますヒドイね、最近の映画は!
一体アメリカ映画ってどうなっちゃったんだろう?
ネタは完全に枯渇しているし、チャンとした映画を作れる人がいなくなっちゃったんだろうな。
今回はナニひとつ観なかった。
それとアメリカに文句をもうひとつ。
ビールがツライ!
そうそう、冒頭にも出て来たドイツとの会食の時にマーブロでもおなじみのジョン社長の隣に座ったのね。
彼がIPAをオーダーすると、ウェイトレスが「ビンになりま~す!」と言った。
やっぱりイギリス人は、そうしたレストランなどではビールはビンや缶で飲むものではないと思っているようで、ジョンはあからさまに困ったような表情をして「コレはコないのか?コレは?」とウェイトレスに言いながら、ビール・サーバーのレバーを押し下げるジェスチャーを何度もしていた。
ああ、イギリスのビールが飲みたいナ。
ドイツのヴァイツェンでもいいや…。

260帰りはラッキーなことに3人掛けのシートが全部空いていたのでガッツリと横になって帰って来た!
昔は結構こういうことがあったんだけど最近では相当珍しい。
空港の受付の人にその理由を尋ねると、LA行きが増便になったかららしい。
だからアッという間に成田に着いちゃった。
「寒波、寒波」と騒いでいたので、かなり日本の気温との落差にビビっていたが、それほどでもなかった。

270まぁ、音楽業界の心配事を色々とつづったけど、気持ちは下の写真ですわ。
Every cloud has a silver lining. (どの雲にも銀の裏地がついている)
つまり、「どんなに困難な状況や悪いことにも何かしらの良いことがある」ということよ。
それほど心配なの…ロックのことが。
私はやっぱりロックを支持するよ!
できれば60&70年代風でお願いします。

280ただいま~!
アジの開きじゃなくて、シャケでももちろんOKです!

290この歳になっても、色んなことに興味深々。
今回も色々なことを学ばさせて頂きました!
これからもMarshall Blogでは、ことあるごとに触れていくことになると思うけど、「新しいMarshall」…みなさんよろしくお願いします。

300_2<おわり>
 
(2018年1月27&28日 アナハイムにて撮影)

2018年2月 3日 (土)

NAMM 2018 MISCELLANEOUS ~ つれづれNAMMままに <その3>

 
またぞろ朝ごはんのお話。
コレは2日目のメニュー。
炒り卵、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモの炒め物、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。
あ、向こうの人たちは「ビュッフェ(buffet)」を「バフェイ」と「フェ」にアクセントをつけて発音してる。

2153日目。
メニューはナニかな?
炒り卵、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモの炒め物、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。

2154日目。
メニューはナニかな?
炒り卵、ソーセージ、ベーコン、ジャガイモの炒め物、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。
うれしいな~、毎日が安定していて!…って、飽きるんだよ!
コレ、私が好き好んで同じモノしかビュッフェで取ってきているワケではなくて、本当にほぼコレしかない。

2155日目。
チョット変化あり。
オーバーイージー(両面を焼いた目玉焼き。片面だけ焼いたものは「サニーサイドアップ」)にハッシュ・ポテト…結局、卵にジャガイモ。
それにソーセージ、ベーコン、バター・トースト2枚をビュッフェで調達。
本当に海外での朝食はツライ。
それにしても、こういうところに長期で滞在している人たちは一体どうしているんだろう。
まず、考えられるのは、パス。朝食抜き。
もしくは、売店でヨーグルトやカット・フルーツのような簡単なモノを口にして終わり…ぐらいだろうね。
このホテルのレストランの朝のメニューがどうなっているのかどうしても気になったので、ウエイトレスを捕まえて訊いてみた。
そのウエイトレスはフィリピンからの移民で、菅井きんみたいなイメージ。とても愛想がよい。
「コレ、毎朝同じモノが給仕されていますけど、長期滞在している人も毎日それを食べているんですか?」
菅井きんは「アッハハハハハハ!」と大笑い。朝っぱらからやたらと明るく元気がよい。
その大きな笑い声に続けて彼女はこう言った。
「そうなんです。毎日全く同じではさすがに飽きるので、一品だけ変えているんです。この辺りのホテルは皆そうしています。私はフィリピンの出身なんですが、私の国でもこれほど同じモノを毎日食べることはありませんよ!アッハハハハハハ!」………それを私は4日も続けて食べてしまった。
ナ~ンてね。
実はそれは先刻承知で、知ってて食べ続けてみたのだ。
マジでツライよ。
しかも、生野菜を摂らないでこんなモノばかり食べていると便通が悪くなるので、コレの後に果物とヨーグルトをガッツリと頂くようにしている。
ほとんど効果ないけどね。
3_img_5619さて、今日はまず会場の地下を紹介しましょうね。

10以前、この地下の展示スペースは「インディーズ」というか、新興のブランドやホームメイドの零細メーカーのブースが軒を連ねている。
何しろ聞いたこともないブランドが見たこともない商品を展示していて、ある意味ではココが一番面白い。
「こんなの作っちゃって!一体売る気あるの~?」みたいな商品が結構あってね。
それと中国や台湾の業者のブースが多かった。
ようするに「NAMMの登竜門」みたいなエリアだね。
かつては材木を加工する機械まで展示していたんだけど、もうなくなっていたな。
アメリカではもうギターは作らないということか?

20今でもそうしたスペースであることに変わりはないが、チト様子が変わった。

26それは…中国の業者がかなりのスペースを席巻したこと。

30ここも中国…

40チャイナ…

50中華民国…

60CHINA…

70中華人民共和国…

80CHINE…

90中国…スゴいパワーだ。
そういえば、ロサンゼルス空港の入国審査局での場内アナウンスも英語に次いで流れたのは中国語だった。
その後は韓国語。
日本はどこへ行ったんだろう?

100んん~。
どの商品にもなじみがあるような…。

110こういう商品をどこかの国の商社が買いつけるかと思っていたら、そうではないんだってね。
もちろんそういう場合もあるのだろうが、大半はそうではなくて「ウチの工場ではこういうことができます」と、OEMの製造能力をクォリティを示すための商品サンプルなんだって。
納得ナウ。

120そして、いまだに謎が解けないのは、そうした中国の方々が食べているランチ。
中華弁当なんだよ。
エビチリや青椒肉絲に白いご飯…中国の人たちはみんなそういうのを食べてる。
昼時になると、どこからともなくワゴンを押しながら出前がやって来て、中国のメーカーのブースに弁当を配って歩いている。
アレってどこから来るのかね?
一度でいいから仲間に加えてもらいたいわ。どうにもおいしそうなのよ!
で、翻ってみるに、会場内の一角に日本食の売店をやったら相当儲かると思うよ。
だって、少なくなったとはいえ、モノスゴイ数の日本人が来ていて、死ぬほど日本のメニューに飢えているんだから。
そこへおにぎりでも牛丼でも売ってみな?
砂糖に群がるアリのようにワ~っとなって、おにぎりなんか1個300円にしても飛ぶように売れるって!
待てよ…いっそのこと寿司なんかやったら外人もメッチャよろこぶんじゃないの?
それならいっそのこと、天ぷら、すき焼き、しゃぶしゃぶもやっちゃえ!ゲイシャも呼んじゃえ!
以前、楽器フェアで寿司屋のブースを出しているところがあったな…あ、私でした。

1_0r4a4402 そうして中国の企業が地下のスペース集められていたため、かつてそこにあった新興のメーカーの一部が1階に上がって来た。

140コレはとてもいいことだと思う。

150実際、見ていてとても面白いし、伝統のブランドと地続きで見て歩くことができるのはとても興味深い。

160コレも同じスペース。
ブティック・ギターだけを集めたコーナーなんて始めて見た。
ココはかなり面白かった。

170まず入り口で目を惹いていたのはこのピカソ風ギター。

180vコレはギター・ケース。

190v扉を開けるとこうなってる。
商品はすべてOne off。
同じモノは2つとない。
値段を訊くと、さすがにかなりのモノだったよ。

200v同じルシア―の作品。
ボディはメイプルのワンピースかな?

210v一体どういう感覚をしてるんだろう?

220コレはギター・アンプだって!
もう売約済みになってた。

230vコレも同じ人の作品。

240vこの人形はどういう意味なんだろうね?

250vコレは別のルシア―の作品。

260vすごくキレイだったよ。

270vマァ、とにかく自由奔放な発想のギターが並んでいてとても面白い。

290vこんなシェイプなんてどうして思いつくんだろうか?
ギターを作ってるんですよ!

300コレがホントのツーピース・ボディ。

310v回路がほぼムキ出しになってる。

320vコレも好きにやっちゃってるナァ。

330vとにかく他人と同じことはするまい…という気概に満ちているんだよね~。

340vパーツが全部フロートしてる。

350vコレも大胆な意匠ですな~。

360vやっぱりパーツが飛び出しちゃってる。
こういうの流行ってるの?

370マァ、あるわあるわ…色んなのが!

380vコレはどこかで見たことがあるような…。

390v牛ちゃん!

400vZZ Top仕様か?
どんな音がするんだろうか…。

420vこれはパーカッションだけど、ナンだってギターの形にしちゃうのよ!
それともこういうドレッドノート・シェイプにするとレゾナンスがいいとか?

430帰りがけに正面玄関の前の屋外ステージを覗くと…

4401987のハーフ・スタックにBluesbreaker!

450<つづく。次で終わり>

(2018年1月25&26日 アナハイムにて撮影)