LOUDNESS 『35th Anniversary Year Special Live - FAN'S BEST SELECTION~We are the LOUDNESS~』 <前編>
愛聴盤なのだ…『SAMSARA FLIGHT~輪廻飛翔~』は。
LOUDNESSの結成35周年を記念して発表された企画盤。
完全期間限定で生産された初回限定盤には、セルフ・リメイク・ナンバーを収録した通常盤に加え、ファンが選んだ人気曲を収めたCDと2015年9月の『THUNDER IN THE EAST』の完全再現ライブのDVDが追加されていた。
こちらが通常盤。
限定盤も中身は表1がこのデザインのゲイトフォールド・ジャケットに3枚の盤が収まっているという仕組み。
なんでワザワザこの通常盤を取り上げたのかと言うと、このジャケット・デザインね。
いいよね。
どこかWishbone Ashの『Argus』を想起させる重厚なたたずまい。後期のHipgnosisのテイストも感じさせる。(ま、『Argus』はHipgnosisだから当然か)
コンテンツが重厚だからジャケットも重厚な雰囲気を発散させるのだ。
最近のバンドのアルバムはいいものが少ない…というか、手塩にかけて制作した自分たちの虎の子の音源に、よくもあんなに軽薄不評な洋服をまとわせることができるな~、とすごく不思議に思う。
私は残念ながら才能の完全なる欠如により音楽家にはなれなかったが、もし私がミュージシャンだったら、フォントのひとつひとつに至るまでジャケットに凝るな。
コレもLPで育った世代だからなのかも知れない。
『SAMSARA FLIGHT』のジャケットの30cm×30cmの世界を見てみたかった気がする。
さて、このアルバムをはじめ、さまざまな企画で35周年イヤーをにぎやかに演出したLOUDNESS。
Marshall Blogにとっても、ことあるごとに現場にお邪魔して取材をさせて頂いた充実の記念年だった。
そして、その記念すべき年の締めくくりに用意されていたのが今日と明日でレポートするコンサートだ。
題して『35th Anniversary Year Special Live - FAN'S BEST SELECTION~We are the LOUDNESS~』!
会場は前日の『Rock Beats Cancer vol.5』に引き続いて六本木のEX Theater。イギリスだったらEX Theatre。
どうしてイギリスは「-re」でアメリカは「-er」なのかは以前に説明した。
そして、ホワイエにはファンの皆さんやさまざまな写真をコラージュして制作された栄光のLOUDNESSロゴのデコレーション!
35周年のファンの想いが詰まっとる!
LOUDNESSファンならこのデコレーションに胸を躍らせて場内に向かったハズだ。
客電が落ちるとステージの紗幕にバラエティに富んだイメージ画像が投影された。
あ、初めに言っておくけど、このコンサート最高だったの。
そこで、残念ながら会場に来れなかったファンの皆さんのために、今日はかなり細かくやっとくから。
コレはLOUDNESS HIND号か?
ゴールデン・ハインド号はイギリスで最初の世界一周に成功した船の名前。
こんなパターンものも。
徐々にステージの中か見えて来た!…と同時に紗幕越しに演奏が始まる!
曲は「Ghetto Machine」。
4人の影がクッキリと!
「♪Ghetto Machine」の叫びが繰り返される中…
ドワ~、何たる緊張感!
今回、高崎さんの背後にはMarshallの4段積み!
やっぱりよく似合う。
世界が知っている高崎さんの姿だ!
ステージはこのようにセットされた。
山下さんのバックラインもいい加減スゴイな。
ロックのコンサートの舞台はどこもこうであって欲しいよな~。
やっぱりスピーカーの上に血圧測定器みたいのがポコンと乗っている姿はね~。便利なのはよくわかるけどチョット…。
久しぶりにコレを言うけど…やっぱり、「利便性は風情を殺す」ね。
1984年の4枚目のアルバム『DISILLUSION~撃剣霊化~』から「Milky Way」。
もうナニをやっても盛り上がってしまうこのテンションが写真から少しは伝わるであろうか?
プレス・ピットにはビデオ撮影用のレールが設置された。
つまり、このコンサートのもようがニコ生で放映されたのだ。
コレが大変でしてね、スチール撮影には…。
迫りくるビデオ・カメラが搭載されているトロッコを何度も何度も避けながらシャッターを切らねばならないのね。
右目はファインダー、左目はトロッコを見ながらシャッターを切る。
続いては近作『METAL MAD』からタイトル・チューンを。
このシンプルなリフがいいんだナ~。
やっぱりロックは「リフ」だ!高崎さん作るリフは「天才の閃き」だ。
誰だっけな~、シェンカーだったっけかな~、リッチーだったっけかな~、とにかく世界最高峰のハードロック・バンドのギタリストがあるインタビューで、「いいリフを作るのは本当にムズカシイ」と語っていたのを読んだことがある。
今の音楽にカッコいいリフを聴く機会がほとんどなくなった…結果、カッコいいロックが減った。
そして、二井原さんの声。
ドスを利かせて歌うこの曲は二井原ボーカルズの真骨頂のひとつだ。
鐘の音。
さらに新しいところから『The Sun Will Rise Again』。
ハードに、しかしメロディアスに…高崎さんのソロが響き渡る。
やっぱり見せ所が満タンなのね。
LOUDNESSのこういうメジャー調のメタル・チューがまた素晴らしい。
そして、高崎さんのソロがやるたい放題にに炸裂する。
この濃い展開があまりにも気持ちいい~!
人気曲の連続で、観客の興奮が会場の屋根を吹っ飛ばしそうだ。(←コレ、10ccのEric StewartのMCの改作です)
「人気曲の連続」たってそれが当たり前。
『SAMSALA FLIGHT』限定盤のDisc2の収録曲を逆から順に演奏しているのから。
すなわち、コンサート・タイトルにあるようにファンの人気投票による「ベスト・ヒットLOUDNESS」の生カウントダウンなのだ!
今日の<前編>では12位の「Speed」から17位「Ghetto Machine」までをお送りした。
明日の<後編>をお楽しみに!
LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website
(一部敬称略 2016年12月30日 EX THEATER ROPPONGIにて撮影 ※All Photos by オレ)