正直、自分でも驚いているんだけど、<前編>で取り上げたグループはThe Allman Brothers Bandを除いて全部イギリスものだった!
決して選ったワケではないのです。
これなら書ける…と選んだアイテムがたまたまイギリス勢ばっかりだっただけの話。
そもそもこの記事は子供の頃の経験のネタが多く、やっぱりアタシャ、ブリティッシュ・ロックで育ったんだナァと思ってしまった。
反対に今回はアメリカものが中心となった。
★Fillmore East -June 1971 / Frank Zappa and The Mothers
生意気にもこんなジャケットに関する記事を書かせて頂いているが、私は「ジャケ買い」ってヤツをしない。
ましてやCDになってからはゼロだ。ま、そういう人は沢山いらっしゃるでしょう。
でも、LP時代もほとんどしたことがない。ほんの数点だ。
反対にジャケットが醜悪だからそのレコードを買わない…ということもない。
その数少ないジャケ買いしたレコードのうちの一枚がコレ。
「なんだコレ!鉛筆書きじゃん!」と、中学3年生の時に石丸電気で初めて手にした時はホントに驚いた。店員の目を盗んでMOTHERSの部分を人差し指でこすってみたぐらいだ。
考えてみると、この音源ってその時のたった6年前に収録されたコンサートだったんだよね。今からだと45年前。
時間というのは遠慮なく過ぎていくもんだナァ。
デザインはZappaお抱えのアート・ディレクター、Cal Schenkel。
このジャケットについてはJohn Lennonの『Some Time in New York City』のところに詳しく書いておいたので、是非コチラをご覧頂きたい⇒【Music Jacket Gallery】サマー・ジャケット特集<前編>
そしてこのレコードは初めてジャケ買いしたアイテムであると同時に、初めて買ったFrank Zappaのアイテムとなった。
それからチビリチビリとZappa関連のアイテムを買い集めた。
重篤なZappa病罹患者の方々に比べれば私のコレクションなど屁でもないだろう。
この写真には、レコードと海賊盤の類、それと読みもしないZappaに関する洋書並びに和書の山は写っていない。
写真のサインは、Dweezil ZappaがZappa Plays Zappaで2008年に初来日した時にもらったもの。
この写真を見てDweezilが「Wow! Great collection!」と言ってはくれたのは、例えお世辞であったにせよとてもうれしかった。本人の息子さんだでね~。
さて、ハードロックやらRoxy MusicやらTodd Rundgrenやらに気炎を上げていた14、15の少年にこのZappaの音楽がどう聴こえたか?何しろなんの予備知識もなしにジャケットの奇抜さだけで2,300円も出したのだからして。
最初は何てセリフが多いレコードなんだ!と思ったが、それがすごくヨカッタのだ。
映画音楽からロックの世界に入ったせいか、このシアトリカルな展開がすごくおもしろかったし、それまでに聴いたことのないメロディがテンコ盛りだったからだ。
今ではLPとCDを2枚ずつ持っているが、CDはマァ、どうってことない。
でも、LPはなかなかに思い入れがあるぞ。
国内盤は上に書いたように「初めてのZappa」というところがポイントだ。
ふたつめのポイントは「京都」。
私は24~25歳の頃、以前の仕事の関係で大阪に住んでいたことがあって、よく京都へ出かけた。
1976年にZappaが来日した際、京都大学の西部講堂でコンサートを開いたせいかどうかは知らないが、当時京都の中古レコード屋さんはZappaのアイテムを比較的豊富に取り揃えていた。
話は反れるが、下はその西部講堂での演奏を収めた海賊カセット。
どこで買ったのかは忘れてしまったが、当時は来日時の音源がコレしか出回ってなかったので喜々として聴いていたものだ。
ドラムは皆さん大スキのTerry Bozzio。
その京都。
実は以前のミュージック・ジャケット・ギャラリーでも『Fillmore East』を取り上げたことがあって、ココからその記事にリンクすれば事は済むのだが、絶対に皆さんリンク先には飛んでくれないので、加筆して採録してしまおう。
<緊急特集!Hipgnosis Collection~Hard Rock Worksより (2014年4月6日掲載)>
私は決して各国盤を集めたりはしないし、オリジナル盤至上主義でもまったくない。そんな財力も根気もなく、とにかく「生きてるうちいろんなものを聴きたいと願ってる」派なのだ。
でも、国内盤の他にこの『Fillmore』のUSオリジナル盤を持っているのには理由がある。
今から20年以上前に京都の河原町付近の路地を歩いていて見つけたのが、どう軽く見積もっても戦前よりはるか昔に建てられたと思しき民家。いいですか、想像してくださいよ~、今にも朽ち果てそうなボッロボロの家を。
もちろん街の中心とはいえ、古都京都にあっては古い家などまったく珍しくも何ともない。驚いたのはその古い民家が中古レコード屋だったのだ。
ここで入らなきゃ「音楽バカ」の名がすたる。当然入ル。
ガラスの引き戸をガラガラと開けると、予想通りというか、期待通りというべきか、ヨッボヨボでシワッシワのお婆さんが出てきた。
あの頃はLPからCDへの移行が猛烈なスピードで進んでいたが、店内にはCDなんて1枚も見当たらない。
ここから先は、この古い闘技場でお婆さんとの一騎打ちとなる。
「コリャ、何か買わないととても帰れそうにないゾ…」と覚悟を決めて小さなエサ箱を探る。
もうどんなものが入っていたかは覚えていないが、ロクなもんはなかったハズ。
そして出て来たのがこの『Filmore East』!
これこそ、「はきだめに鶴」、「地獄に仏」!
映画でよく見る刑務所の看守のようにジーっと私を見つめるお婆さん。
その姿を横目で見ながらレーベルを確認するとBIZARREのブルー…¥1,500。
「かなり汚いけど、コレ買って勘弁してもらおう…」
イヤ、別に何も買わなくても一向に構わないハズなんだけど、その息詰まった雰囲気に負けてしまったのだ。
決心して盤をお婆さんに手渡し、袋に入れてもらった。
ナ、ナ、ナントその袋は新聞紙をノリで貼り合わせて作った自家製の袋だった!新聞紙だよ!
餅米かなんか煮て作ったノリで貼り合わせたんだろうね。
最後まで期待を裏切らなかったナァ~、あのお店。
あの袋、取っておけばヨカッタ。
もうひとつ驚いたのは、この記事を読んだ三宅庸介さんから連絡があって、「このお店知ってますよ!」ということだった。アレ有名な店だったのかな?
★Roxt and Elsewhere / Frank Zappa and the Mothers
続いてもZappa。
コレも一体何回聴いたかナァ~。全100枚にも上るFrank Zappaのオリジナル・アルバムの中でもトップ10にたやすく喰い込む愛聴盤。
ジャケットはZappa一家のCal Schenkel。
上で書いたように、大阪に住んでいた時、勤め先の梅田のビルのとなりにできた中古レコード屋でコレのUSプロモ盤とかいう代物を見つけた。
なんでもレーベルが白いんだって。10,000円。当時はまだ消費税なんてなかった。
でも買わなかった。
なので、このアルバムのLPに関しては、今でも国内盤しか持っていない。
各面の収録時間が短めなので、盤をひっくり返す手間を考えると、2 in 1のCDの方が取り扱いは断然ラクなのだが、LPの方が圧倒的に趣があった。
なぜかというと、すべての面の冒頭に「Preamble」というZappaのMCが収録されていて、それをまず聞いて(当時は何をしゃべっているかサッパリわからなかった)、襟を正して、その超絶パーフォーマンスを拝聴する…という手順がヨカッタ。
「preamble」とは「前置き」とか「前口上」とかいう意味だ。
大学に入ってジャズを聴き出した頃、初めてThelonious Monkの「Straight No Chaser」を聴いた時、個人的には「アレ?コレ、Be Bop Tangoじゃん」と思った。
この曲の中でGeorge Dukeが弾く純粋なビバップ・フレーズが大スキだった。
そういえば「ex-」という表現を覚えたのもこの曲だったな。「Don's ex-wife!」というところ。
どの面、どの曲、どの瞬間も聴き逃せない圧倒的な演奏で、Phil Collinsはこのアルバムの「Don't You Ever Wash That Thing?」を耳にしてChester ThompsonにGenesisのツアーへ参加してもらう依頼を思いついたという。(ChesterもMarshall Blog出てます!⇒コチラ)
そして、Phil CollinsはGenesisのライブにおいて、「Afterglow」という曲でこのアルバムの「More Trouble Everyday」のドラム・フィルをそのまんまChester Thompsonに叩かせている。そのもようはGenesisのライブ・アルバム、『Seconds Out』で聴くことができる。
最近、このRoxyの映像がDVDになったでしょ?
30年近く前に京都の中古レコード屋で「Roxy」のVHSを見かけたことがあったんだよね。死ぬほど見たかったけど、確か8,000円ぐらいの値が付いていてとても手が出せなかった。
他にも『Dub Room Special』が黒いプラスチックのケースに入って陳列棚に並んでいた。そちらもかなり高額だったように記憶している。
今回、もちろんDVDも買って観たけど、正直何となくシックリ来なかったな~。
ナンカ見てはいけないものを見てしまったような感覚というか、好きな小説が映画化されたのはよいが、原作の方が全然ヨカッタ時のようなショックというか…。
このあまりにも素晴らしい音源は、そのまま音源だけにしておきたかったような気がした。
ゼイタクってもんか?
★Caught in the Act / Grand Funk Railroad
まだ続くZappaの話題。
でもアイテムはGrand Funk Railroad。どうZappaと関わっているか?
1981年の『Good Singin', Good Playin'』をZappaがプロデュースしているということ?
イヤ、違う。まだタネは明かさない。
ああ、Grand Funk。
私の人生でこのバンドに夢中になったことは全くなかったナァ。もちろんいいバンドだとは思う。
でも、私がロックに期待する「毒気」みたいなモノをこのバンドから感じることができないんだナァ。
そういう意味ではKISSも同じだった。
「ああカッコいいな、楽しいな!」で終わってしまうロックが苦手なのです。
何というか…頭を使って音楽を聴きたいというのかナァ…なんて言ったらカドが立つか?
もちろん誰でも楽しめることができ、明るく屈託のない部分がロックの魅力であることは十二分に理解できるが、私はもっと絶望的な方がおもしろく聴けるというだけの話し。
カリフォルニアのカラっとした強い陽光の下でギター片手に歌を歌うよりも、家にこもって本を読みながら現代音楽やプログレッシブ・ロックを聴いている方がシックリくる。
だからロックはどうしてもブリティッシュに偏ってしまうのね。
こんなことを書いてばかりいてはイカンな…敵を作るばっかりだ!
で、この1975年のツアーを収録したこのライブ・アルバム。
持ってはいるけど、そんなだから何も語れない!
でもジャケットの写真はいいな~。私がいつも撮ろうとしているライブ写真のイメージ。
シャッターを切ったのはLynn Goldsmithというアメリカの女流フォトグラファー。
これでこのアルバムとZappaとの関わりを説明できる。
実はこのGoldamithさん、Frank Zappaの宇宙規模の大名盤『Sheik Yerbouti』のZappaのポートレイトを撮った人なのだ。
チョット写真のイメージが『You Are What You Is』に似ているが、アチラはJohn Livzeyという人の作品。
ああ、こういうことを知るのはうれしいナァ。
★What Do You Want From Live / The Tubes
The Tubesの来日公演に行かなかったのは大きな後悔のひとつだ。
前座はまだブレイクする前のイエロー・マジック・オーケストラだったしね。
The Tubesっていいバンドだよね~。こういうシアトリカルなバンドは好きだ。
デヘヘ、「いいバンド」なんて知った風なことを書いてはみたけど、私はThe Tubesというバンドに詳しいワケでは全然ないのだ。
なるべく「知ったかぶり」をしないようにしているMarshall Blogなので正直に言うが、ほとんど通っていない。
そこで、少しこのライブ・アルバムについて今回気がついたことを書いてみる。
タイトルは『What Do You Want from Live』。
当然「Live」はダブル・ミーニングになっている。「生」と「命」ね。
「あなたは命から何を望みますか?」…意訳すれば「生きるって何だ~ッ?」みたいな?
収録は1977年の11月。ロンドンはハマースミス・オデオン…今はハマースミス・アポロという名前になっている。地下鉄ハマースミス駅から歩いて3分ぐらいのところだ。
ライブのミキサーを担当しているのはナ、ナントMax Normanではないか!
そう、LOUDNESSの『Thunder in the East』のプロデューサー。
こんな仕事をしていたんだね~。
大胆なタイポグラフィのジャケットがすごくいい。
誰の仕事かな?と思ってジャケットの「Album art」という項に目をやると、何人かの名前が並んでいて、その筆頭にMichael Cottenというクレジットがある。。
もう少し上のバンド・メンバーのクレジットを見ると、そこにはSynthesizer担当で同じくMichael Cottenという名前が確認できる。
コレ、同じ人。
このMichael Cottenという人、プロダクション・デザインのプロで、ステージ・デザイン、アニメーション、電子音楽、グラフィック・アート等々の分野において世界のトップ・パフォーマーや大企業をクライアントに抱えている才人なんだって。
イベントの仕事としては、スーパー・ボールからオリンピックにまで関わっているというからスゴい。
クライアントもディズニー、ポルシェ、マクドナルド、三菱、マツダ等の名前が挙がっている。
とてもThe Tubesあたりでみょうちくりんな格好をしてシンセなんて弾いてる場合ではない。
他にもたくさんのアーティストと仕事をしていて、ザッと名前を上げると、Bette Midler、Michael Jackson、Britney Spears、Robert Plant、The Beach Boys、Bonnie Raitt、Blondie、Gloria Estefan、Phil Collins、Katie Perry他…だもん。
Michael Jacksonの『This Is It』のプロダクションを手掛けたのもこの人。
さて、久しぶりに引っ張り出してきて聴いてみた。
オイオイオイオイ!チョット待てって!
B面の一曲目、どっか他でも聴いたことがあるな。コレ何だっけな~!
そうだ、コリャ、Di Meolaだ。『Electric Rendezvous』の一曲目の「God-Bird-Change」って曲にソックリだ!
…と思って盤を調べてみたら、ナント同じ曲でやがんの!作曲はDi Meolaのところのパーカッショニスト、Mingo Lewis。
このライブ・アルバムにも参加している。
The Tubesがこの曲を演奏しているのは1977年の『Now』というアルバム。方やDi Meolaは1982年だからDi Meolaがカバーしたことになる。
どうなってんだ、コリャ!Di MeolaがTubesファンだってか?そんな馬鹿な!
なんて驚いていると、このMingo LewisってのはThe Tubesのメンバーだったのね!
今回の最大の発見にして、知らなくて恥!
まさか、サウンフランシスコの乱痴気バンドとフュージョン・ギターの大スターがつながっているなんて思わなかった。
ちなみにイギリスの地下鉄は「Underground」というけれど、そう呼ぶ人はまずいない。
長くて面倒なんだろう。もちろん日本人のように省略して「アングラ」なんて呼ぶヤツもいない。
たいてい「Tube」か「Metro」だ。
でも、絶対に「Subway」とは呼ばない。
★Waiting for Columbus / Little Feat
普段からアメリカン・ロックは聴かないと言っておりますが~、好きなものは聴いてるのよ。
私が言っているのはEaglesだのDoobieだの、いっかにも「アメリカでんがな」みたいなメジャーなバンドが苦手ということなのね。
もっと言おうか?The Marshall Tucker Band好きだよ。意外でしょ?アレ、名前はMarshallでもToy Coldwellって「M/B」なんだよね。
Steve Millerなんかもかなり好き。
ま、それでも好きなバンドの数たるやブリティッシュのバンドには及びもつかないな…。
でも、Little Featは好きだった。
このライブ盤はよく聴いたな~。
コレはかつて書いた記憶があるけど、昔、東京12チャンネル(現テレビ東京)の日曜日の昼間の放映で『ロックおもしロック』という番組があった。
今にして思うと、ロックがまだマイナーな存在で、「ロックのおもしろさたるや何ぞや?」という啓蒙的な意味合いを込めてこのタイトルを付けたのかもしれないね。
当然、この場合の「ロック」というのは洋楽を指す。100%洋楽だ。
番組の人気コーナーに素人のバンド対決があって、BAD SCENEがプロの様相丸出しで出場し、「あんたらどっかで演ってるだろう!アマチュアじゃないんだろう?」なんて怒られて一回目で敗れ去ったのはとても印象的だった。
当たり前だよ。BAND SCENEだもん。
あの頃のバンドは、格好から演奏から、プロとアマの差が歴然としていた。
ある日、その回とは別に、Charさん(CharさんとナルチョさんはBAD SCENEのオリジナル・メンバー)がゲストで出演し、近田春夫さんとこんなやり取りをした。
「Charは最近どんなの聴いてんの?」
「オレ?Little Featとかかな?」
「オー、いいよねLittle Feat!…(お客さんに向かって)っていったって、みんな知らないでしょう?」
「知らないよね~」
ロックってそんな存在だったんだよ。
自慢じゃないが、私は中学三年か高校一年の時分であったが、Little Featはその頃すでに好きだった。
そのキッカケになったのがこの二枚組の『Waiting for Columbus』だった。
ジャケットはお定まりのNeon Park。
このバンドは『Sailin' Shoes』以降のジャケットをNeo Parkに任せたことでかなり得していると思うんだよね。
アルバムの格と印象が何段階も上がったのではなかろうか?もちろん内容がいいのが前提だけど。
以前、その『Sialin' Shoes』について書いたことがある。
自分でもすごく気に入っている文章だ。
見逃した方がいらっしゃればコチラを是非ご覧頂きたい。
↓ ↓ ↓ ↓
【イギリス-ロック名所めぐり】vol.18~ロンドンぶらり途中下車の旅 2015 <後編>
このアルバムの絵は「A Tomato and Hammock」というタイトルらしい。当たり前か。
こんなドアメリカのバンドゆえ、てっきりすべてアメリカで録音したのかと思いきやさにあらず。
音源は全部で1977年の七つの公演から収録されていて、最初の四つはロンドン。フィンズベリー・パークのレインボー・シアターだ。残りの三つはワシントンD.C.だ。
ジングル風の「Join the Band」から、MCとお客さんが「F-E-A-T」と叫び「Fat Man in the Bathtub」に移るシーンに興奮しないロック・ファンはいないだろう。
この部分はワシントンD.C.の録音。MCは地元のラジオ・パーソナリティ、Don "Cerphe" Colwellという人。
そんなだから1978年7月の来日公演ももちろん行った。下はその時のプログラム。
ひとりだった。さっき書いたように、学校でLittle Featなんて聴いているヤツなんかいなかったからね。
中野サンプラザの二階席の一番前だった。
すごくヨカッタんだけど、コンサートの一番最初に演るものとばかり思っていた「Fat Man in the Bathtub」が四曲目ぐらいに出てきてビックリした。別にガックリはしなかった。
全編を通じてBill Payneが大きくフィーチュアされていたような気がするな。
ショウの最後にはメンバーがひとりずつ姿を消していき、知らない間にベースのKenny Gradneyだけがステージに残ってしまい、それに気づいたKennyが「アラ、お呼びでない?」みたいな演出だった…ように記憶している。
Lowell Georgeかっこヨカッタな。
恒例のコンサート・プログラムのチェック。
どれどれ、この頃は…スージー・クアトロが来たのか。
「ファッショナヴル・レディ・ロッカーに大変身」か…。このあたりからロックの大衆化が進みポップでつまらなくなっちゃったんだろうね。
The Babysはカッコいい。
といってもベスト盤を持っているぐらいで夢中になったことはないが、いかにもロンドン出身らしい端正なハード・ロック・サウンドを聴かせてくれる。
渋谷公会堂とサンプラザで三日間。最終日にはマチネーもかけているので全四回の公演をこなした。ヘタすりゃ小一万は動員したワケだ。人気あったんだな。
Ian Gillan Bandは武道館に観に行った…待てよ、「再び」なんて書いてあるな。
え~!Ian Gillan Bandって二回来日していたのか!この時は武道館で演っていないので、私が観たのはコレじゃなくて初来日の時だ。
オマケで…。
下は1990年のセントルイス公演を収録した『Rock'n Roll Doctors』と題した発掘音源的ライブ盤。
海賊盤の一種なのかな?
下北沢のレンタルビデオ屋の処分コーナーで300円(税抜き)で見つけたんだけど、コレが信じられないぐらい素晴らしい内容。音質も良好。
Little Featってのはホントにいいバンドだと思う。
★Back to the Bars / Todd Rundgren
ご多聞に漏れずビートルズからロックに興味を持った私が次に好きになったバンドのうちのひとつがUtopiaあるいはTodd Rundgrenだった。
ラジオで聴いた1976年の『Ra』収録の「Magoc Dragon Theater」でハマった。
そして、来日。
コレがその時の宣伝用のステッカー。いつどこでもらったのかは覚えていない。
残念ながら行かなかった。まだ中学2年の頃だったからね。
そして、1979年4月、Toddがまたやって来た。『Oops! Wrong Planet』のレコ発ツアーだった。
よろこび勇んで中野サンプラザに繰り出した。
このコンサートは本当に感動した。一般的な評価も高かったが、私の人生の中でもトップ3に入る素晴らしいショウだった。Toddもまだ若かったしね。
この後、Toddはいろんな形で来日をしたが、後にも先にもコレしか行かなかった。
さて、Toddのライブ・アルバム、『Back to Bars』。
コレが滅法苦手である。
『Something/Anything?』。『A Wizard, a True Star』、『Todd』、『Initiation』、『Faithful』というToddの黄金期を飾る代表作から選ばれたヒット・パレードという内容。
そして、Rick Derringer、Spencer Davis、Daryl Hall、John Oates、Stevie Nicksといった豪華なゲスト陣…にもかかわらずナゼかおもしろくない。
天丼、カツ丼、すき焼き、天ぷら、しゃぶしゃぶ、バーベキュー…次々に出される人気メニューに耳がもたれてしまうからか?
イヤイヤ、ベスト盤のような内容で楽しめるライブ盤は他にいくらでもあるので、このニ枚組の選曲に不足はないだろう。
今回この記事を書くに当たり聴き直してみるに…「雑」さをすごく感じた。
多かれ少なかれライブ盤となると、スタジオのテイクに比べて荒くなるのが普通で、それがまた魅力となるのだが、このアルバムに関していうと、ただ「雑に演ってる」って感じがする。
ソロ名義でのライブ・アルバム、『Another Live』の方が断然いい。あの中の「The Wheel」という曲が大スキだった。
ただこのアルバム、ジャケットはよろしいな。
Hipgnosisだからかな?
Marshall Blogでは「下町のひとりヒプノシス」でおなじみのデザイナー、梅村昇史さんが、このアルバムのデザインをモチーフに近所の鍼灸院の新聞の折り込みチラシを制作されていたが、とても可愛かった!
それでもこのニ枚組は、アメリカで最も売れたライブ・アルバムのうちのひとつとされるPeter Framptonの『Frampton Comes Alive!』を目指したんだって。
でも見事失敗に終わった。
なるほど私のLPもカットアウト盤だったわ。
…ということは、リリースされて時間が経ってから入手したんだな。
カット盤なんてなつかしいね。
ところでToddってプロデュース業やサウンド・クリエイターとして語られることが圧倒的に多いけど、あの音といいフレージングといい、ギターの方もなかなかのオリジナリティを持っているように思うのだがいかがだろう?
★Two for the Show / Kansas
「♪Carry on my wayward son~」…何の予備知識もなく『Leftoverture』を買って聴いたんだよね。
何でコレを買ったのかはサッパリ覚えていないんだけど、どうせ買うならCBSソニーの盤がいいな…なんて気持ちは当時あったと思う。
恐らくメンバーにヴァイオリニストがいたから興味を持ったのだろう。40年近く前の話なもんで…。
今となってはレコード会社の友人も多いのであまり滅多なことは言えないが、音質とかではなく、ジャケットの紙の厚みだとか、解説書の丁寧さとか、歌詞の翻訳の有無とか…各社間で装丁のグレードに大きな差があって、CBSソニーの製品が一番ゴージャスだと思っていた。子供の頃の話しよ。
内容はどうあれ、みんな一枚2,500円もするんだから少しでも豪華な方がうれしいにキマってる。
ただ、CBSソニーは邦題がね~。子供ながらに「おかしい」と思っていた。
当時の私のイメージでは、CBSソニーが一番豪華で、次いで東芝EMIかな?
ワーナーがちょうど真ん中ぐらい?Atlanticを抱えていたせいか、どうしても買う枚数が多くなってしまうワーナーが平均点であったのはありがたかった。
日本フォノグラムとかポリドールとかキングはあまりうれしくなかったな。
さて、そうして買った『Leftoverture』、腰を抜かしたね。
「Carry on~」のカッコよさに!
確か、お母さんにまで聴かせたような気がするな。もちろん母はロックなんかに興味を持っていなかったけど、とても理解力のいい人なので「ステキね~」ぐらいのコメントを言ってくれたのだと思う。
ところが、他の曲は全く覚えていないんだよね。聴いたかどうかも怪しい。今でも一曲もわからない。
続く『Point of Know Return』もタイトル曲だけ夢中になった。「Dust in the Wind」が名曲としてほめそやされていたが、私はそうは思わなかった。
そして、このライブ・アルバム。
やっぱり出てすぐに買ってしまうんだな~。
「Song for America」から「Point of Know Return」のクダリには興奮したものだ!
でも、やっぱりあんまり針が進まなかった。
結局、私のKansasは「Carry on my Wayward Son」と「Point of Know Return」と「Song for America」のたった三曲で成り立っているのであった。
でもさ、このアルバムのジャケットってすごくいいと思わない?
タイトルは『Two for the Show』と、「Hounddog」からの引用なんだろうけど、意味は何だ?
ジャケットを見直してすぐに気が付いたのが、この掃除のオバサンたちが手にしているモノ。
Kansasのロゴが表紙に載っていてあたかもツアー・プログラムのように見えるが、手前の座席に二冊捨て置かれているでしょ?
海外でも結して安くは売っていない、せっかく買ったコンサート・プログラムをお客さんが捨てていくワケがないでしょう。
すなわちオバサン二人が見ているのは「Playbill」というヤツ。アメリカの言葉だ。
Playbillというのは、そのミュージカルの出演者や制作に関する情報が簡単に記載されている簡易プログラム。
ブロードウェイのミュージカルに行くと、座席の上に予め一冊ずつ置いてある。
ナ~ニ、そんなにPlaybillをありがたがる必要はない。内容の70%ぐらいは広告だ。
ウチにも『Cats』とかいっぱいあたんだけどどっか奥の方へしまっちゃったナァ。
ちなみにロンドンのウエスト・エンドのミュージカル劇場ではコレをやっていない。だからロンドンではPlaybillという言葉も耳にしないのが普通。
さて、この項を〆ますよ。
実はこのジャケットには元ネタがある。
Norman Rockwellというアメリカの画家の作品だ。
それがコレ。
1946年の「Saturday Evening Post」の表紙に使われていた絵だ。
こっちのオバサンが手にしている冊子の表紙をよく見ると…ね、「THE PLAYBILL」って描いてある。
私の見立ては正しかった。
★Live at Fillmore West / Aretha Flanklin
珍しくソウル畑から2作。
Arethaは好き…。
本国に比べると日本では人気が今ひとつなんだってね~。
ま、ソウルのことは何ひとつ知らないに等しいので、無理して紙幅を割くようなことはしないが、ひとつだけ。
このジャケット、Jim Marshallの写真だ。
★Live / Donny Hathaway
もうひとつは「永遠の名盤」の誉れ高いDonny Hathawayの『Live』。
聴くたびに思うんだけど、コレ、「You've Got a Friend」とか、お客さんの歌声がデカすぎない?
ノリノリなのはわかるんだけどね。
「Jealous Guy」ってのは名曲だな~。
ジャケットの写真は黒人のフォトグラファー、Jim Cumminsという人。
Jimi HendrixやJanis Joplin、ウッドストック等、あの時代のロック・ジャイアンツの写真を数多く撮影している。
なぜかYusef Lateefなんかも撮ってる。仲良しだったのかな?
★U.F.O. Landed Japan / UFO
さて、ここからは「ライブ・イン・ジャパン」が続く。
まずはUFOの野音でのライブ『U.F.O. Landed Japan』。
コレ、おもしろい話しがあって、どっかに書いた覚えがあるんだけど、それがどこだかわからないのよ!「MUGEN」がどうのという話。
★Live and Kickin' / Suzi Quatro
Suzi Quatroも人気あったよね~。「The Wild One」なんて今聴いても問答無用でカッコいい。
日本のロック界もメタルを中心に女性の進出が目覚ましいけど、Suziみたいなストレートなロックのカタマリみたいなミュージシャンはほぼいなくなった。
昔、FMレコパルかなんかで「スージー・クアトロ物語」みたいなマンガが掲載されていた。
すごく印象に残っている箇所があって、誰かがSuziに「何でベースがいいの?」と尋ねると、「ギターは〇〇(どこか忘れた!)に響くけど、ベースは子宮に響くのよ!」とSuziが答える。
そうなんですかね?
またしても…私はSuziのファンではなかったが、彼女が結婚する時のことは覚えていて、多分「ぎんざNOW!」かなんかだと思うんだけど、「Suziがレン・タッキーというバンドのギタリストと結婚するそうです」と誰かがいうと、その相方が「え、洗濯機と!?」反応する場面がすごくおもしろかったのだ。
これは1977年に日本とオーストラリアでリリースされたライブ・アルバム。
1974、1975、1976、1977、1978年とベンチャーズ・ペースで来日していた。やっぱりスゴイ人気だよ。音源は1977年のものか?
昔クアトロ、今クラプトンか…。
★100%ライヴ・レスリー・マッコーエン / Leslie McKeown
この人の名前、「McKeown」って綴るのか…。今知った。本当に「マッコーエン」なんて読むのかな?
「マッケオウン」が近いんじゃない?
今度Marshallでスコティッシュの人に会ったら確認してみよう。イヤ、スコットランドは独立でBay City Rollersどころじゃないか?
中学の時、この人が趣味のハンティングで誤って人を撃ち殺してしまったのだが、金にモノを言わせて事件をモミ消した…なんてウワサがまことしやかに立っていた。学校の連中はみんな知っていた。
そんな事件なんかはどうでもよくて、それよりも、そんなスコットランドのバンドのシンガーがやらかしたとされる悪事のウワサが、ロック・ファンでもない連中にまで行き渡っていたことに今更ながら驚くわ。
ロックが近くなったのか、それとも、遠くなったのか?わからんねェ。
いずれにしても「J-POP」というカタストロフィで大打撃を受けてしまい、ロック・ファンからはロックが遠ざかってしまったことは確かだろう。
★Libe in Japan / Wishbone Ash
かつて「世界一美しい音を出すロック・バンド」と言われていたWishbone Ash。
ここでの音源は1978年の11月10日の中野サンプラザと11月15日の新宿厚生年金で収録されている。
2010年まで日本以外で発売されたことがなかった。
写真は誰が撮ったんだろう?ジャケットにクレジットがないのだ。
その中野サンプラザの前から7列目に私はいた。
高校二年だったかな?
友達とWishbone Ashのコピー・バンドをやって楽しんでいたので、すごくうれしかったな。
レコードには入っていない「King Will Come」等、『Argus』の曲も演奏してくれたのでよろこびはひとしおだった。
その後、Andy PowellのWishbone Ashをチッタで観て、Ted TurnerのWishbone Ashをロンドンで観た。
さらに、Laurie Wisefieldがギターを弾いていたロンドンの『We Will Rock You』を鑑賞した。
ま、コレだけ観ればいいんじゃないの?
今のロック界を見回してみると、Wishbone Ashみたいなバンドこそ希求されるべきなのではないかと常日頃思っている。
Wishbone Ashのようにギターという楽器の美しい面をフィーチュアした音楽がソロソロ聴きたいんじゃない?
シュレッド命の現在ギター・キッズもこのギター・アンサンブルの美しさとカッコよさに耳クソが踊るのではなかろうか?
ちなみに、イギリスではWishbone Ashは、歌詞がわからない方がシアワセ…とされているようだ。
★Live in Japan / Roy Buchanan
Roy Buchananはモッタイないことをしたもんだ。
自殺なんかしないで今も活躍していたらどんなギターを弾いていただろうか?答えは簡単。
きっと昔と同じだったに違いない。
一時『レス・ポールとの遭遇』とかいうアルバムも出していたけど、結局Esquireに戻ってピキピキと弾きまくっていたことだろう。ちなみのこのレス・ポール盤、サイド・ギターでRay Gomezが参加しているんだよね。
で、この『Live in Japan』、私はCDでしか持っていないのだが、それがヒドイ作りで、フォト・クレジットはおろか、レコーディング・データも記載されていない。
老眼鏡をかけて隅から隅までチェックしたが見当たらなかった。
で、調べてみると、録音は1977年6月14と15日の郵便貯金ホールだったらしい。
Royはこの時、6月7日の後楽園ホールを皮切りに10日間かけて大阪、新潟、名古屋、大阪を回った。全部で9公演。
Royは一度しか来日していないので、日本でRoy Buchananを見た人は一万人程度になろうか。(チッ、案外多いな)
その内の一人が高校生だった私。
会場は後楽園ホールだった。
途中で弦が切れてしまったが、ギターを取り替えるでもなく、ギターテクが出て来るでもなく、観客が見ている前で、まるで家や楽屋でやるように、ユ~ックリ、ノ~ンビリと新しい弦を張っていた。
ビールを飲みながら演奏していたっけ。
「メシア」とかやっぱりスゴくてさ、ホントに観に行っておいてヨカッタと思う。
上のプログラムから出てきたチラシ。
手書きだよ!
時間がなかったのかな?
レコード会社の宣伝の担当者の名前まで出ちゃって。五人も?!
★Night After Night / U.K.
U.K.、1979年来日時のライブ盤。
中野サンプラザと日本青年館での収録。私は日本青年館の方を観に行った。
当時、キーボード・トリオになったU.K.は「第二のELPになるんだってよ!」なんて学校のロック好きの間(少数派)で話題になっていた。
あれほどプログレ好きな私だったが、実はU.K.のファースト・アルバムってあまり好きではなかったんだよね。「Alaska」ぐらい?
でもEddieはRoxyの頃から好きだったし、さかのぼってCurved Airまで聴いていた。
John Wettonはヒーローだった。
なので基本的にはよろこんで青年館に観に行ったのだが、そんなことはすべて忘れて帰ってきちゃった。
Terry Bozzioがスゴ過ぎたのだ。
何しろドラム・ソロには度肝を抜かれたな~。そりゃそうだよね、Terry Bozzioだもん。
でも、あの頃はFrank Zappaファン以外の人の口には上らない名前だったハズだ。
私は滅多にドラム・ソロに喜ぶことがないが、このHelpless young drummerにしてmad wih desireのTerry Ted BozzioとSonny Rollinsのカルテットで見たJack DeJonetteのドラム・ソロは一生忘れまい。
Eddie Jobsonによれば、このアルバムは東京のポリドールからのリクエストで制作され、日本だけの販売という約束になっていたが、アメリカのポリドールも興味を持っていたらしい。
以前にも書いたかもしれないが、実はこのコンサートの時、毎朝総武線で一緒になるカワイコちゃんが数列後ろに座ってたんだよね。
もう、それが気になって、気になって。
あ、コンサートはシッカリ観ましたよ。
その娘に声をかけるいいチャンスだったんだけど、結局ビビってできなんだ。今なら全然平気なんだけど。
青春の美しき思いでですな。
★At Budokan / Bob Dylan
コレは行かなかった。高一の時だったかな?
「Bob Dylanが来る」っていうので学校のロック好きの間でも大騒ぎになっていた。
元より私はDylanが苦手だったし、何より、入場料が破格だったんじゃなかったかな~?
思い入れなし。
★Live / Beck, Bogert and Appice
知らない間にJeff Beckも毎年来るようになっちゃったね。
基本的マーシャル的にはありがたいんだけど、他のアンプを使われるとそれが簡単に裏目に出るので恐ろしくてしょうがない。
2000年ぐらいから一回を除いて、毎回Marshallの面倒をみさせてもらっているのはMarshall冥利に尽きる。
これまでずいぶんいろんなフォーマットで来日しているJeffだけど、皆さんが一番見たかったのはこのBBAの公演なのではなかろうか?
1973年の来日公演。
初めて聴いた時、トーキング・モジュレーターには驚いたな~。「そうやってやってるんだ?」という謎はロッキンf」あたりの音楽雑誌で解明されたが、当時、この装置を使いすぎると口からギターの音の振動が脳みそを揺さぶり、挙句の果てにはアタマがパーになってしまう…と言われていた。
あの、知り合いの方でトーキング・モジュレーターの使い過ぎでアタマがおかしくなった人はいますか?
元々音楽的にアタマがおかしくて(ホメ言葉です)、トーキング・モジュレーターを使っている人なら知っているけど…。
今となっては、化学薬品だらけの食べ物のように、普段の生活の中でトーキング・モジュレーターよりよっぽど身体に悪いモノが氾濫しているせいか、誰も言わなくなったね。
スタジオ・アルバムを踏襲したデザインはとてもいいね。
★The Eyeball Show / The Residents
The Residentsってのはサッパリわからん!
何枚買って聴いてもようわからん!
でも、この目玉のキャラクターをフィーチュアしたジャケットはいいものが多いよね。
他に何も書けません。
わかんねーんだもん。
★Priest in the East / Judas Priest
1979年の来日公演を収録したJudas Priest初のライブ・アルバム。
コレはよく売れたらしい。
アレ、私が持っていたのとデザインが違うな…。
タイトルも違うわ。
私はコレを輸入盤で買ったのだが、漢字っぽいフォントで「LIVE IN JAPAN」って入っていた。
タイトルは調べてみると「Unleashed in the East」となっていたようだ。
写真はFin Costelloという人。これはライブ写真ではないね。
このFin Costelloという人もMick JaggerやらClaptonやらBilly GibbonsやらRobbie RobertsonやらRolly Gallagher等々、渋めの人たちのいい写真を残している。
★Rockin' Every Night / Gary Moore
1983年、厚生年金会館での音源を収録したアルバム。
私のGary MooreはSkid RowとかColosseum IIなので、この辺りはもう全然門外漢なの。
ブルース時代は結構好きなんだけど、日本では圧倒的にメタル時代に人気が集まっているよね。
Garyは長いこと日本から遠ざかっていた。
なんでもカキかなんかが当たったことがトラウマになっているといわれていたようだが、真相はその食中毒になってしまった時に、周囲の日本人がとても冷たい仕打ちをしたのがショックで日本がキライになてしまった…という話を聞いたことがある。
本当かどうかは知らないよ。
でも、Garyファンで、通訳の友人が雑誌の電話インタビューをした時、雑談で「日本に来てくださいね!」と言ったところ「すぐにでも行きたいよ!」なんてことは言わず、「ん~、もし私を観たいなら、キミがロンドンに来た方が早いと思うよ」と言われたらしい。
マジでイヤなんだな…と思っていたらブルース・バンドで来日。
翌年はハード・ロックでまた来るなどという話もあったようだが急にスペインで客死してしまった。
私はラッキーにもその直前にロンドンでハード・ロックのセットを観ることができた。
来日時、彼が持参した1959SLPの修理をしたのはいい思い出だ。(正確にはタクシーで運搬しただけ。修理はこの道40年のベテランにやってもらった)
★Mr.335 Live in Japan / Larry Carlton
この人もスゴイ人気だった。
あのフュージョン・ブームってのは何だったんだろうね。私は乗りませんでしたよ。
何しろやっつけ仕事のひどいジャケットばかりの「Live in Japan」モノの中にあって、このアルバムは普通だな。
★Live in Japan / The Runaways
♪チチチチチチチチ、チェリ~ボ~ム!
なつかしいな~。
女の子だけのロック・バンドだぜ。スゲエだろ~!という時代があった。
ギターのLita FordはRitcihe Blackmoreの彼女で、ギターを教わってるという話が出まわってたな。
男性誌のGOROで篠山紀信が激写しちゃったりなんかして。
ドラムの娘が一番人気があったのかな?
そんな具合に日本では大騒ぎになっていたけど、アメリカでは大したことなかったようだ。
この音源は1977年の来日公演の時のもので、日本とカナダ、オーストラリア、ニュージーランドでのみの発売で、アメリカやイギリスでリリースされることはなかった。
オイ、チョット待てよ~。
この来日時、ボーカルのCherie Currieって18歳だって!フケてんな~!
そうか、18でこんなことやっていたのか…大したもんだよ。
昔の人はホントに偉かった。
でも、Joan Jettってのはこの後大ブレイクするもんね。わからないもんです。
このアルバム、ちょっと聴いてみたいような気もするな。
その後、連続してThe Shaggsを聴いてみるってのはどう?
★Tokyo Quo / Status Quo
Quoは観たかったな~。
もう日本来ないだろうな~。
それならいつかロンドンで観てみたいな~。
しかし、つまらんジャケットだ。
★Agharta / Miles Davis
最後もライブ・イン・ジャパン。
『Agharta』は以前にも取り上げた。
1975年2月1日の大阪フェスティバル・ホールでの収録。昼の部は『Agharta』、夜の部は『Pangaea』として音源が発表された。
以前にも記した通り、Milesの指揮のもと、音楽の鬼神たちが凄まじい演奏が繰り広げているワケだが、その中でも際立っているのがPete Coseyのギター・ソロだろう。
スキかキライかは別にして、フレージングといい、トーンといい、ものすごいオリジナリティだ。誰にも通じない自分の言葉でしゃべりまくっている。
強いて言えば、Jimi HendrixがSonny Sharrockのマネをしているというところか?(この逆は不可能)
ギターはGuildのS-100とかいう、シェイプがSGによく似たモデル。
この人、通常とは違う場所に弦を張ったり、曲に合わせて36通りの異なったチューニングを用いていたらしい。
かなりの変態だ。演奏もそれなりに「変態」になっているので安心して欲しい。
ところが、過去にはChessレーベルのスタジオ・ミュージシャンとしてMuddy WatersややHowkin' Wolfの作品に参加していたらしい。
Maurice Whiteと組んで、Earth, Wind & Fireの前身のバンドに在籍していたこともあるという。リーダー・アルバムはないとのこと。
ジャケットは横尾忠則。
「Agharta(アガルタ)」というのは幻の地下都市の名前で、横尾さんはこのコンサートの前年には、「シャンバラ」というチベットの伝説上の王国と「アガルタ」をテーマにした作品に取り組んでいた。
Santanaのライブ盤『Lotus』のジャケットもこれらがテーマになっている。
1970年代初頭、横尾さんの評価は日本でも高まっていたが、もっと活動がしやすいアメリカに活動の拠点を移した。
その後、日本に戻ってくるとMilesから電話がかかってきたという。横尾さんの作品を目にしたMilesがそれを気に入り、『Agharta』のジャケットのためのデザインを依頼したという。
横尾さんは『Agharta』の生音源をMilesからもらい、瞑想を重ね、レイモンドW. バーナードという人の『The Hollow World(空洞地球―史上最大の地埋学的発見)』という本の内容をアイデアに反映させた。
この本は「地球の中心に巨大な洞窟があり、そこに都市が存在する」と説いていて、横尾さんは「アトランティスのように海の底にアガルタはあるかもしれない。あるいはエルドラドみたいにジャングルの中に隠されているかもしれない」と信じていた。
そうした思想のもと、他の要素も加えてデザインされたのが『Aghrta』のジャケットだった。
HipgnosisのStorm ThorgersonとAubrey Powellによれば、アガルタとアトランティスの融合を示すために、横尾さんはクラゲやサンゴ、色鮮やかな魚を表4に描いたとしている。
なるほど、ジャケットをズ~と見てるとアガルタに行ってみたくなるな…すごいパワーだ。
ちなみに、時期が符合するかどうかはわからないが、まさに上の流れに合致する話を聞いたことがある。
Santanaが「コレが私の次の作品です」といって『Lotus』のジャケットをMilesに見せた。
Milesは羨望のまなざしを浮かべながら、あの22面体のジャケットをつぶさに調べた。
フト、SantanaがMilesの口元を見ると、ヨダレが垂れていたという。
コチラは姉妹作の『Pangaea』。
『Agharta』に比べると、ずいぶん簡単なデザインだな~。でも、私は内容はコッチの方が好き。
<後編>につづく
Music Jacket Gallery展示の詳しい情報はコチラ⇒金羊社MJG常設展
※本展示は2014年9月に終了しています。現在の展示内容は上記の金羊社ウェブサイトでご確認ください。