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2016年8月

2016年8月31日 (水)

ワテは60からだす!!:中野重夫の還暦を祝う <その2>~私のお伊勢さま (前編)

コンサートの当日、開演までタップリ時間があるので伊勢神宮へ足を延ばしてみた。
神宮には天照大御神(あまてらすおおみかみ)をお祀りする「内宮(ないくう)」と、衣食住をはじめ、産業の守り神である豊受大御神(とようけだいじんぐう)をお祀りする「外宮(げくう)」がある。
他に14の別宮、43の摂社、24の末社、42の所管社ってのがあって総計125の宮社で構成されているのだそうだ。
まずは、松阪市内から行って手前の外宮から。

10鬱蒼とした木々に囲まれながらジャリグリ、ジャリグリと玉砂利の参道を歩くと何となく心が洗われる感じがしますな。

20お宮が見えてきた。

30vこれが豊受大神宮の入口。
この鳥居の中は撮影禁止だ。
皇室の方々以外は境内に入ることが許されず、お宮自体を見ることもできない…とは知らなんだ。
「一生に一度はお伊勢さま」といって江戸時代、民衆は皆、伊勢を目指したといってもいいぐらいだったんだって。
学校で必ず習う国学者、本居宣長が著した『玉勝間(たまかつま)』によると、寛永2年(1625年)の4月9日より5月29日までの50日の間に362万人がお参りしたと記されているそうだ。
一日7.2万人!ホンマかいな?
ちなみに本居宣長は松阪の出身だ。
ところが、昔は新幹線なんてないから、みんなテクテク歩いて行く。
日本橋から伊勢まで11~15日程度の旅程だったらしい。
その間、仕事は休まなければならないし、道中の金はかかるしで、「伊勢まいり」は何十年もコツコツと金を貯めて、一生に一度実現するかどうかの一大プロジェクトだったらしい。
…ということで、当時は「講」というシステムがあった。
「富士講」とか「伊勢講」っていうヤツね。
みんなで少しずつお金を出しあって、数年に一度そのお金を使って、抽選で誰かが代表して行ってく…という仕組み。ようするに「宝くじ」だ。
ナント、伊勢神宮自体がこのシステムを紹介して伊勢参りを広めていたという。
行けた人は超ラッキーだけど、行かれなかった人はツマらないでしょ?金だけ出すんだから。
…ということで、行った人は行けなかった人たちに大量にお土産を買って帰ってくる。
コレが日本人の「お土産好き」の元になっているという説もあるそうだ。
そう、外人って絶対にコレをやらないもんね。
「バディにコレ買って行ってやろう」ということは当然あるが、「事務所の全員に雷おこしを買って行ってやろう」という外人は今までただの一度も見たことがない。

40ナニせお宮自体を見ることはできないので、見学に要する時間はやたらと短い…ということで早速内宮へ移動。

50ひと月チョット前に開催された伊勢志摩サミットの残り香がまだ漂っていた。

70お~、ここにも一升びん。
かなり庶民的なルックスのおばさんが客引きをしていたが、お値段の方はランチでもあんまり庶民的ではなかったナァ。

75周囲に設置されている自販機も雰囲気を合わせている。

85豊橋を起点とする国道23号線の終点。

90_2土曜日の朝だったけど、駐車場待ちの車で大渋滞!

100コレが内宮の入口。
世界のVIPが歩いていたところね。

110参詣者を見ていると、案外多いのが鳥居をくぐる時にチャンと立ち止まって頭を下げる人たち。
こういう作法ってのは実にいいもんだよね。
すべての所作に意味があって、上品で、すごく面白い。
こういう場所に来た時の私がひとつのお楽しみは、神社をお参りする人たちの立ち居振る舞いを観察すること。
驚くほど「二礼二拍一礼」ができていない人が結構多い。
一方ではお寺で柏手を打っちゃう人もいるし…。

120v内宮への入口の五十鈴川にかかる宇治橋を渡る。
この橋は日常の世界から神聖な世界へ、そして、人と神とを結ぶ架け橋といわれているそうだ。

130トカゲのお出迎えつき。

140内宮は外宮とまた雰囲気がチョット違ってオープンな雰囲気。

150この日はメッチャ暑かった~!

160さっきの話、江戸時代の人々はお伊勢参りをして、ここで「太々神楽」を奉納をするのがクライマックだったそうだ。

170内宮にも木々が鬱蒼としているが、この辺りはすべて原生林なんだって!

180いよいよお宮に到着。
こちらも写真撮影が許されるのはこの階段の下まで。
つまりお宮本体を見ることはできない。
何せ七世紀からある神社だからして、お宮もさぞかし年季の入った歴史的建造物だと思うわね?
ブ―!
伊勢神宮には「式年遷宮(しきねんせんぐう)」といって、二十年に一度、大御神さんには神殿を引っ越してもらって、その間にご社殿等を全てを新しくするしきたりがある。
つまり、二十年に一度、社殿がピッカピッカの新築になっちゃう。
だから、古い建造物はほとんどないのだ。
コレは1300年にもわたって繰り返されてきた儀式で、最近では去年62回目の式年遷宮が行われた。チョット計算が合わないのは中止していた時期があったからだ。
「オイオイ、そんなことをしたらモッタイないじゃないか!」と思うでしょ?
ところがドッコイ、解体されたお宮の廃材は全国の神社でちゃんと再利用して無駄のないようにしているそうだ。
コレが日本人の「もったいない精神」の礎になっている…ということを最近知った。
日本人ってのは本当に賢くて、おしとやかでエライ!

190参詣の後は横っちょの「おはらい町通り」へ。

200ココがメッチャ素敵!
松阪や伊勢は空襲がなかったので古い町並みがそのまま残されている。
先日の栃木市の蔵にも興奮したが、こういうのが大好きな私は、左右の家々を見ているだけで最高に面白い。
230
ココは要するに浅草寺の仲見世みたいなモノ。
建物は古くても中身は商魂の権化だ。

210松阪牛の牛丼…おいしいんだろうな~。

220ビックリするぐらいバラエティに富んだお店が並んでいるよ。

240ココなんかチョット竹下通りみたいじゃん?

250
300
ファミマの看板もこの通り。

280伊勢神宮の神々にも朝晩の食事が供される。
伊勢神宮ではこれを「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけのまつり)」というそうだ。
で、大御神(おおみかみ)に供えられる大御饌(おおみけ)には、鯛、昆布、御飯、鰹節、野菜などの他に酒が付いている。

290そして、皆さんよくご存知の灘の「白鷹」は、全国数ある酒蔵の中よりただひとつ選ばれた神宮に供えられる酒なのだそうだ。

295『用心棒』に出てきそうな食べ物屋さん。
なんかヒョッコリ東野英治郎が顔を出しそう!

310お豆腐屋さん。
私が若いころは、鍋を持って豆腐屋さんに買いに行かされたもんだ。
冬場、豆腐屋さんの仕事を見ていて、オジちゃんが冷たい水に手を入れるのが気の毒だったナァ。
今はみんなスーパーで買っちゃうんだろうけど、豆腐屋さんでちゃんと作った豆腐は大豆の香りがして本当においしい。
ウチはラッキーなことに浅草中の料亭に卸しているメチャクチャおいしい豆腐屋さんが近くにあって、絶対にそのお店以外では豆腐は買わない…というか、一度このお店の豆腐を食べたらスーパーのはマズくてとても食べれない。
はい、ココでクイズ。
夏はヤッコ、冬はナベと一年を通して日本の食卓を彩る豆腐…夏と冬、どちらの需要が大きいでしょうかッ?
答えは冬。
ま、そうは思っていたけど、その豆腐屋のおばちゃんに言わせると、夏と冬の差たるや比べ物にならないらしい。手がツライぞ~。

320ラーメン屋もこんな感じ。
この建物は古くないな。

330ふと家と家の間に目をやるとさっきの五十鈴川が…。

350喫茶店の建物の間を通って川へ出られるようになっている。この喫茶店すごくいい感じ!

360水辺はいいね、涼しげで!

370こうして川を目の前にお茶が頂けるというワケ。

5_img_3339 コレは薬屋さん。
屋根が二連になっている作りが面白い。

375五十鈴川の上から「おはらい町通り」を見下ろす。
通りの向こうは新しい観光スポット、「おかげ横丁」だ。

380赤福の本店!
創業は1707年。
この現在のお店になったのは1877年のことだそうだ。
せっかくなので入ってみる。

390グエッ!ア、アヅイ~!…と思ったらこんなにデカいカマドでお湯を沸かしてやがる!
薪で沸したお湯でお茶を入れると美味しいんだよね。

400もちろん食するのは元祖赤福!
味はどこで食べても同じやね。
お茶も楽しみだったんだけど、ナント、冷たいほうじ茶。
アツいの飲みたかったのに~!
悪いんですけど、このお伊勢参りレポート、まだ続きます。

410さて、レポートの現場は松阪M'AXAへ戻る
中野重夫還暦記念コンサート、『ワテは60からだす!!』の四番目の登場はDYNAGON!
え~、もう出ちゃうの?!
DYNAGONは1986年結成のインスト・ハードロック・バンド。
2012年に24年ぶりに再結成し、現在も盛んに活動中。
私は「中京の重戦車」と呼んでいる。

415加藤剛

420v宮田'Tosh'叔侑

430v増井康博

440vそして、中野重夫。

450v今度はSGに持ち換えたシゲさん。
DYNAGONの時のメイン・ギターはSGだ。

460一曲目は「Moon」。

470vヘヴィなミディアム・テンポに乗ったドマイナーなナンバー。

480vナンカお祝いの場にはいささか不向きなような気もしますが…いいナァ。
いかにもDYNAGONらしい曲だ。

490v二曲目はテーマ・ソングの「Dynagon」。

500ところで、DYNAGONって「ダイナミック・ゴンザレス」から来てるって知ってた?
「大納言」ではない。
コレもシゲさんが命名したと昔聞いたことがある。
なんで「ゴンザレス」なのかは知らない。


<追記>
昔からDYNAGONを知る名古屋在住の友人からバンド名の由来についてご指摘を頂戴しました。
「DYNAGONというのはDYNAMIC DRAGONの略称ではないか?それゆえDYNAGONのシンボルも龍なのでは?」
なるほど…名古屋だし…。
しかし、もうずいぶん前の話になるが、私はシゲさんが「ダイナミック・ゴンザレスの略や!」と言ったのをハッキリ覚えている。
あまりにもヘンテコリンな名前だったので、今日の今日までとても印象に残っていたのだ。
で、早速本人に電話をかけて確認してみた。
シゲ:「ガハハ!そうか!そうやったかな?何でもエエんや!和気あいあいとした雰囲気の中で決めたんやけど、ドラゴンってのもあったな。
何しろナニか強そうな名前を付けようということになって濁点の多い名前を使いたかったんやね。
ゴンザレスじゃ確かに意味がないやんやん。名古屋やからドラゴンはピッタリや。
ま、何でもエエんや!」
Shige(私):「え?そんなんでMarshall Blogに書いちゃってメンバーの皆さん大丈夫なの?」
シゲ:「エエんや!何でも大丈夫や!」
…と、シゲさんのキャラクターを反映した完全に予想通りの答え!
とにかくひとつ言えるのは…DYNAGONはカッコいいということや!←あ、コレは私の意見です。
ご指摘ありがとうございました!
520_2
荒れ狂う剛さんのソロ!

510Marshallから絞り出される枯淡の音色で縦横無尽に弾きまくるシゲさん。540v
そして、そのふたりの一騎打ち!この曲の見せ場だ!

530DYNAGONはいいナァ。すごく好き。
もっと曲を増やして活動の幅をバンバン広げてもらいたいと思う。

550ここでひとつ紹介したいことがある。
…というのはToshさんのこと。
ToshさんはGONZというキーボード・トリオのバンドをやっていて、「ウッシー、コレ聴いてもらったっけ?」とCDを差し出してくれた。

560vそれがこの『INSTRUMENTAL TRANCE PHENOMENA』という一枚。
コレがですね~、メッチャかっこいいのよ!
Toshさんには思いっきり失礼なんだけど、スッカリ見直しちゃったよ!
ギンギンの変拍子に乗ってキーボードとベースとドラムが思う存分グルーヴしちゃう。
Toshさんのベースをはじめ演奏は荒削りなんだけど、そこがまたチマチマしてなくて実に気持ちがいい。
日本もDYNAGONとかこういうバンドがもっと出て来るといいのにな~。

565cdDYNAGONのメンバーがそのままステージに残ってボーカルが加わる。

570ボーカリストはKaz杉山。

580vバンドはSpritz。
オリジナル・メンバーが結集した。

590某大型バンド・コンテストで全国大会まで勝ち進んだバンドだった。
そういえば、そういう全国規模で開催するバンド・コンテストなんてのはスッカリなくなっちゃったね~。
今、そういうコンテストがあって、若いバンドが沢山出たら審査員ツライだろうな~。だってどれも全部同じじゃない?
そこへ行くと昔のそうしたバンド・コンテストってのはバラエティに富んでいて面白かったね。

600「ミッドナイト・トレイン」という曲を演奏。
620
ハリのある杉山さんの声がグイグイとバンドを引っ張っていく。
630v
久しぶりの演奏…と言ってもDYNAGONは現役ということもあって、相性もバッチリの熱のこもったパフォーマンスだった。

640ココでボーカルが交代。

650今日二人目の女性ミュージシャンとなる杉山とみ子。

660vバックはそのままDYNAGONの四人、イヤイヤ、Spritzの四人。
昔の仲間のバックを務めるDYNAGONとして見とろ、なんかThe Bandの『Last Waltz』みたいじゃんね!

670

680v

690

700v1983年に短期間活動したSpitiz2。
前出のKaz杉山さんがSpiritzを脱退し、その後、代わりにとみ子さんが加入したという歴史がある。
曲はFreeの「Whishing Well」。

710シゲさんのソロが冴える!しっかし、SUPER100JH、いい音だな~!

720二曲目はPhoebe Snowでよく知られる「Good Times」。
元は1964年のSam Cookeの曲。
チョット脱線させてね。
私、全然熱心なファンじゃないんだけど、Phoebeの声が好きで何枚かアルバムを持っている。で、やっぱり一番聴くのはこの曲が冒頭に入っているデビュー作『Phoebe Snow(邦題:サンフランシスコ・ベイ・ブルース/ブルースの妖精フィービ・スノウ)』だ。
何でかっていうと、このアルバム、Ron Carter、Chuck Domanico、Chuck Israels、Steve Gadd、Bob James、Zoot Sims(なんでやねん?)、Teddy Wilson(なんでやねん?)といったジャズ系のミュージシャンが多く参加しているからなのね。
Ron Carter、Chuck Domanico、Chuck Israelsといったベースの激名手が集まっているところがスゴイ。
そして、この曲、メッチャいいよね~。ヤケクソにムズカシイ曲だと思う。
ところがコレ、Sam Cookeの原曲とは似ても似つかないんだよね。Cookeの方もいいけど、Phoebeの方が断然いい…というか、別の曲と言っても何ら差し支えないだろう。
Persuasionsのコーラスまで入れちゃって…ここまでやるなら自分で一曲作ればよかったのに…
というのは大きなお世話か。
まさか今日ここで聴けるとは思わなかたのでうれしかった!

730v続いてはインストのセット。
「コーヒー・ブレイク」というシゲさんが十九歳の時にやっていたというバンド。

740このバンドの時はコピーが中心だったそうだが、ナント、「Lark's Tongue in Aspic PartII(平たく言って「太陽と戦慄」)」やら「Red」やら「21st Century Schidzoid Man」等のKing Crimsonの曲、それから四人囃子の「Lady Violetta」、さらに「Sylvia」かなんかだろう、Focusの曲をレパートリーにして各地のコンテストで賞をかっさらっていたらしい。
シゲさんがCrimsonね~、そんな話し聞いたことなかったな~。今度、目の前で弾いてもらおう。

745千藏'Cherry'正明

760サニー杉田
以上のお二人は野獣のメンバー。

770vそして、トラで剛さん。
750v
当時のレパートリーからSantanaの「Europa」。
ヨーロッパ(Europe)じゃなくて、「エウロパ」だっていう大二さんからのご講話は以前Marshall Blogで紹介した。「エウロパ」は木星の第二衛星だ。
でも、調べてみると、ポルトガル語やオランダ語はヨーロッパを英語式の「Europe」ではなくて「Europa」と綴るんだよね。
この話しはここまで。
岡井大二さんといえば、湯川トーベンさんと「大ベン」というグループをやっていて、シゲさんがギターを弾いたこともあったんだよね。
活動の幅がオッソロシク広いシゲさんの還暦祝いはまだまだ続く。

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

780v1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

<つづく>

(一部敬称略 2016年7月2日 松阪M'AXAにて撮影)

2016年8月30日 (火)

ワテは60からだす!!~中野重夫の還暦を祝う <その1>

今の若い人が聞いたら驚くかもしれないが、四十年ぐらい前、すなわち自分が十六、七歳の頃は、三十歳を超してロック・バンドをやっている人は奇異の目で見られるのが普通だった…というか、二十代で芽が出ないと、自ら身を引いて行った感じだった。
ロックというのはそういう音楽だった。
まだ、「男子は三十歳になる前に結婚するのが当たり前」と言われた時代だ。
今では三十歳なんてまったく若手だもんね~。
そうかと思うと十歳ぐらいでピロピロと大人顔負けのシュレッディングを披露するスーパー・キッズもそう珍しくなくなってきた。
一方、ベテラン組もかさむ年齢もなんのその、そこら中で「還暦祝い」のイベントが開催され、バリバリと現役で活動しているのはうれしいことだ。
私が若いころは還暦を迎えるロック・ミュージシャンは皆無だったんよ。誰もいなかったのだよ。
そしてまた、バリバリの現役のまま還暦を迎えた「ロックバカ」…イヤ失礼!…大ベテランを祝うイベントが開催された。
ギタリストの中野重夫である。
以下、「シゲさん」。
イベントのタイトルがいい…『ワテは60からだす!!』。
ケンタッキーのオジちゃんも六十60歳を超えてからニワトリを揚げ始めたっていうじゃんね。
「六十歳なんてまだまだこれから」ってことなんだな~。
さて!
今日はせっかくだからまずはじめに「還暦」の勉強をするぞ!
何で六十歳で祝うのか?…ま、こういうのは大抵深く掘り下げず、「ああ、長生きできて感謝、感謝」ということでまとまってしまうことが多いが、ご存知の方も多いと思うが、今日はちゃんとおさらいをしておこう。
「還暦」…「還」は「戻る」という意味。「暦」はもちろん「こよみ」だ。
「暦が戻る」とはどういうことかと言うと、まさに「暦が戻る」ということだ。
我々は干支(えと)についてはよく知っているでしょ?「ねー、うし、とら、うー…」と十二のメンバーで構成しているバンド…あ、バンドじゃないか。
日本の暦というのは、もうひとつ、「十干(じっかん)」というヤツを組み合わせて年を表すことになっているのね。
「十干」は『おれは鉄兵』のカバッチョ先生が担任している「戊組」でおなじみの「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」ね。
コチラのメンバーは十。
このふたつを合体させたものを干支(かんし)といいて、コレでその年を表現するワケ。
例えば今年は「丙」と「さる」がくっつく「丙申(ひのえさる)」の年。
来年はひとつずつズレて「丁酉(ひのととり)」。
再来年は「戊戌(つちのえいぬ)」
…と順繰りに組み合わさっていく。
するとその組み合わせってのにはズレが生じてくるでしょ?
方やメンバーが十。もう片方が十二なんだから。
こうしてすべての組み合わせを済ませて、元の干支(かんし)に戻るのに六十年かかるワケ。
コレはKing Crimsonの「Frame by Frame」でRobert FripとAdrian Belewが演ったのとまったく同じ現象だ。
だから今年還暦のシゲさんは昭和31年の「丙申」の年の生まれで、次に「丙申」の年がやってくるのは六十年後の2076年になる。
おもしろいネェ。
もうひとつ…還暦のお祝いには赤いチャンチャンコを着るじゃんね。
コレはナニか?
暦が一巡したことで、昔の人は「もう一度生まれたときに戻る」と仮想したワケ。
このあたりは以前、広規さんの還暦祝いコンサートの時にも触れた。
古来日本では赤い色は「魔除けの色」と考えられ、赤ちゃんの産着(うぶぎ)には赤が用いられた。
そこから、赤ちゃんに戻る還暦の時にもう一度赤いものを身につける風習になったとさ。
あ~、いい勉強になったね~。
…ということでシゲさんの還暦祝いのはじまり、はじまり~!

10v♪行くぜ松阪、東名に乗って、こりゃ腰がタマらんらん!
シゲさんは三重県は松阪の人だ…ってんで午後1時に用賀から高速に乗って一路伊勢の国へ!
実は車の運転あんまり好きじゃないのよ…。

Img_3246 着いた~!
東名高速を休み休みで約6時間。
一緒に行った家内の助けもあって、そんなに辛くなくて助かった。
実はシゲさんのところへ来るのはコレが三回目でしてね。
最初はシゲさんのお父さんのお葬式だった。
そんなことで去年ウチの父が死んだ時にもワザワザお線香を上げに東京まで来てくれた。
二回目は、当時シゲさんがDJをやっていたFM三重(後にFM愛知)のラジオ番組『中野重夫のキープオンロッキン!』にゲスト出演させてもらった時だ。
考えてみるとシゲさんの番組には、都合3回出演させてもらってるんだよね。
で、なんで下の写真の場所が目的地なのかって?

20_2シゲさんの本業はギターなんだけど、それよりチョット趣味がかって長年取り組んでいるのが「タイヤ屋さんの社長さん」というパフォーマンスなのだ。
普段は「有限会社中野タイヤの社長」という役回りを演じている。
そして、今年でめでたく十万六十歳。
悪魔じゃないないって!
40
EAGLE SHOPというGOODYEARの正規代理店で、お店からほど近い鈴鹿サーキットにも納品している。F1の仕事をしているというワケ。
30
何でも過去には売り上げが好調でGOODYEARから表彰されたこともあるそうだ。
それがサ、私はそのGOODYEARの代理店の総会というのにお邪魔したことがあったのよ。
余興の部で、Marshallを使ってギターを弾くというので面白そうだから遊びに行った。
コッチはジミヘンのシゲさんしか知らないじゃない?ところが、そこではシゲさんは「中野社長」って呼ばれているのよ。
ま、当たり前なんだけど、最初、誰のことかと思ったらシゲさんのことでビビった。
「それでは、三重の中野タイヤの中野社長によるギター演奏です!」と紹介されてVintage Modernのコンボでバッチリとキメてくれた。
80

店内のようす。

501年前にリニューアルを済ませたばかり。

60明るくて、清潔でとても感じのいいお店だ。

70遊び心豊かなシゲさんらしくこんなものも置いてあった…ってシゲさんが自分で遊んでんだよ。
好きな人が集まってコレを使ってイベントを開催してるんだって。

90もちろんこんな公私混同アイテムも!
売りものではありません。
以前来た時にはギターが置いてあったっけ。

100もちろん本職もバッチリ!

120あ~、ウチも来年の車検はタイヤがヤバそうだな~。

130もちろん季節の変わり目は寝る間もないぐらい忙しくなる。
最近は雪の量が信じられないぐらい少なくなって、タイヤの履き替え需要も激減しているそうだ。

140中野タイヤの詳しい情報はコチラ⇒中野タイヤ公式ウェブサイト

「マーシャル・ブログを見た」とお店で伝えてもオマケはありません。

150さて、コチラは松坂駅。

160とりあえず駅前に人はいない。

170あ~、ココ、前回シゲさんと夜中まで飲んだ店だわ。

180松阪といえば「松阪牛」。
何せ焼肉屋が多い!
その中でもとりわけ有名なのは、回転焼肉でおなじみの「一升びん」だろう。
何軒あるのかは知らないが、やたらとどこでも目に付く。

190v最初、「回転焼肉」っていうから、てっきり焼き網が回っているのかと思ったよ。
あの中華料理のテーブルのイメージね。
そしたら回転寿司みたいにネタが回ってくるっていうじゃんね。驚いちゃったよ。
でも、どうもそっちの方が普通の考え方だとか…。
しかし、ナンダって「一升びん」なんて名前をつけたんだろう?

200で、到着した晩、シゲさんとのディナーは一升びんには行かず、名古屋グランパス御用達のこのお店に連れて行って頂いた。

210コレがまたスゴイ店で、中に入るとドバ―っとだだっ広く、ビジュアル系のライブもビックリのスモーク状態!
前回ウチの社長と行ったっきりで焼肉も久しぶりだったもんだから、お腹がパンパンになるほど詰め込んだ!
メッチャおいしかった~!

220さて、還暦記念コンサートの会場は老舗ライブハウスのM'AXA。

230前を通ったことはあったんだけど、中に入るのは今回が初めて。

240国道42号線に面した外壁にもバッチリとサイン・ボードが!
「キングオブジミヘン」ってのがスゴイね!

250

260

265_1お店の入口。
「剛」さんというのはココのボス、中山剛さんのこと。

270実は「M'AXA」というのはシゲさんが付けた名前なのだ。
…といっても、「AMAKUSA(あまくさ)」という前のお店の看板から「A」が落ちて「MAKUSA(まくさ)」になっていたところから名付けたということなんだけどね。
いい名前だ!

275v広いし、雰囲気はバツグンだし…こんなお店が東京にあったらいいのにな~。

280アメリカ映画に出て来る、それこそ国道沿いの生バンドが出ているパブみたいな感じ。
イメージは『ブルース・ブラザーズ』のアレ。

290お、中野タイヤから飛んできた!

M'AXAの詳しい情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

300一方楽屋では…。

301_1シゲさんの還暦を祝うために昔からの仲間が大集合。
もう始まる前から大騒ぎ!

302ベーシスト三人衆。
ちなみに今日の主役はギタリストなので、ギター弾きのゲストはほとんどなし。

303本番前の記念写真!

304 ステージのようす。

310自慢のSUPER100JHの壁+1959。

320シゲさんの愛器だち。

330足元のようす。
今日はジミヘン仕様ではない。

340下手にはノエル本多のMAJOR1978のハーフ・スタック。

350vドラムはNATALのバーチ。

360フィニッシュはサンバースト・フェイド。

370vシゲさんからのご祝儀。
来場のお客さんに配られたトート・バッグと…

386記念Tシャツ。

387ところでさっきから何回もお目見えしているこのデザイン。
メッチャよくない?
後にドラマーで登場する堀与作さんの手によるものだ。

285

そして、いよいよコンサートが始まった!
本日の主役がシレっと登場。
え、客席からッ?! 
おそるべきリラックス・ムード!
シゲさんらしいわ~。
410

ここでMCが登場。

3_img_0072 ACEさん(左)と剛さん。

400

ACEさんは野獣のボーカル。剛さんは前掲のM'AXAのボス。
お互いに長い過去を知りつくしているだけに、完璧なコンビネーションだ。

420
それじゃ早速イってみよ~!

430
トップ・バッターはBlue Wild Angels。

440ボーカルは濱哲哉。
現在はTribal Soulというバンドで活躍中だ。

450vベースは寺田章。

460vドラムは板倉淳。

470v冒頭は「C'mon Everybody」で元気にスタート!

480vBlue Wild Angelsは2012年ごろシゲさんがよく大阪に出向いて活動を展開していた時のバンドだから比較的最近のプロジェクト。
松阪から大阪っては「阪」でつながっているんだか、存外に近く、車で片道1時間もあれば行き来ができるのだそうだ。

500
ところで今かけているシゲさんのサングラス。
還暦祝いのプレゼント…Marshall Eyewearなのだ!

485もちろんモデルはJIMIだ!

490Marshallウォールを背中にゴキゲンなおじいちゃん。
この姿をもう何度も見てきたが、今日は特にシゲさんが映えるナァ。
赤ちゃんに戻ってるからナァ。
ちゃ~んと赤いものを身につけてる。

600_2「C'mon Everybody」は元は1958年のエディ・コクランのヒット曲…シゲさんが2歳の時だ。
皆さん大好きMichael ShchenkerのあのUFOは、1970年にこの曲を再ヒットさせた。

610続いてはRick Derringerの「Rock and Roll Hoochie Koo」。
先に挙げたシゲさんのラジオ番組のオープニングにはEdgar Winterの「Frankenshtine」が使われていた。
すごくアメリカンなんだよね、シゲさんって。
650v
ロック史に残る名曲をド迫力で熱唱する濱さん。
Rick Deringerってこの曲が収録されている『All American Boy』とか『Spring Fever』とか『Derringer』とか結構いい仕事してるんだよね。
ギターもウマいし。

620じゅんぺーさん、Marshall Blog久しぶりのご登場!
相変わらずキレのよいドラミングでオープニングを盛り上がる。

630v「ナンで脱ぐねん!!」と同じく大阪から来た巨体ベーシストから野次が飛んだ寺田さん!
ノリノリなのだ!

640v関西のハード・ロック・シーンを代表するベテラン・シンガーとシゲさんのイキもピッタリ!

660エネルギッシュにオープニングを飾り上げたシゲさんなのであった!

670転換中はMCのふたりの楽しいおしゃべり。
シゲさんとの思い出やM'AXAの歴史などが話題に選ばれた。

390

二番手はJimi Bruce Band。
Marshall Blogには二回目の登場。前回は、今年も出演が予定されている米軍横田基地の『友好祭』のレポートだった。

685ベースはYoko Lee。
カッチョいい~!

690vドラムはズーミー・ブッシュ。

700Vに持ち換えたシゲさん。

710vナゼか曲は「Apache」。
790

私は通りいっぺんのことしか知らないんだけど、シゲさんって私と6つしか違わないのにヴェンチャーズ強いんだよね~。
ジミヘンだけじゃないの。
770
六つ違いでリアルタイムなワケないので、そのワケを訊いてみると、昔となりに住んでいた十歳ぐらい年上のあんちゃんの影響なのだそうだ。
それなら納得。

730vシゲさんだけじゃなく、リズム隊も完璧な演奏。

740カナダでも人気あったんだろうね、ヴェンチャーズ。

750Jimi Bruce Bandは年配のファンが多く、ヴェンチャーズのリクエストをよく受けるため仕込んだのだそうだ。
そのおかげでオヒネリをもらったこともあったとか!
800
マァ、色んなことをやるシゲさんだけど、Jimi Bruce Bandは今最も力を注いでいるバンドといえよう。
何しろ既に2回もアメリカで演奏しているのだ!
最初は2年前の横田基地。あの中はアメリカだから…。
そして、今月初めにはグァムで演奏してきた。

760v「Apache」は例外で、Jimi Bruce Bandはバッチリとオリジナル曲を演奏している。

3_img_0130 2曲目はZoomyのボーカルでオリジナルのハードロック・ナンバー、「Strawberry Jam」をプレイ。

780vJimi Bruce Bandの意外に早い出番にはチト驚いたが、盛り上がり度は最高!

720

昔からの仲間同士でMCもにぎやかなことこの上ない。

810vさて、場面はガラっと変わって三番手に登場したのは「サーモンとフランクフルト」というデュオ・チーム。

820vボーカルはシゲさんのお店の店長を務める津村佳嗣。
自身、ギターも演奏する音楽愛好家だが、今日は歌での参加。
歌がうまいのでシゲさんに引っ張り出されたというワケ。

840

曲はシットリと「Sound of Silence」。
津村さんは心をこめて熱唱。静かに社長の還暦を祝った。

850vハモリをつけるシゲさん。
こんなのはじめて見た!

860v

この後、シゲさんにゆかりのある方々がドバ―っと出て来るのでお楽しみに!

中野重夫の詳しい情報はコチラ⇒facebook

265_2

1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

<つづく>

(一部敬称略 2016年7月1日 松阪M'AXAにて撮影)

2016年8月29日 (月)

TAGAWAセカンド・アルバム『Wind』~レコ発演奏会千秋楽

以前、レコーディングのようすをレポートをしたTAGAWAのセカンド・アルバム『Wind』。
Time flies!!
ああ、あまりにも時の経つのが早すぎる。
アルバムをリリースして、レコ発ツアーをスタートして、アッという間に千秋楽。
そしてそれから更に2か月…まるで「風」のように時間が過ぎ去ってしまった。

10cd今日は6月末に開催された、ツアーの千秋楽のレポート。
90_jc

田川ヒロアキ

30寺沢功一

40v長谷川浩二

50vヒロアキくんはもちろんMarshall。

60vJVM210Hと1960BV。

70v足元のようす。
コンパクト・マルチ・エフェクターはセンド&リターンに接続。
歪みはすべてJVMで作っている。
フットコント―ラーの1~3に3種類のチャンネルを割り当て、4にはループのオン/オフをアサインしている。
非常にシンプルなセッティングだが、ギターのボリュームをコマメに変えることによってバラエティ豊かな音色をクリエイトする。

80オープニングはニュー・アルバムから「Jack and Coke」。
20
オープニングにもってこいの、てらちん作によるスピード・チューン。

100こんなことやっちゃって!
ハナっからノリノリの様子であったことがわかるであろう。

110v浩二さんのドライブ感がスゴイ~!

120v続いてはヒロアキくんの『ようこそ田川Nightへ』から「BOUND」。
130

ブッ速いシャッフル・ビートで縦横無尽に弾きまくる!

120v_bd和太鼓の豪放なサウンドが鳴り響くのは「Lofty Tree」。
太鼓は作曲の委嘱を受けた広島県府中市との関係で知遇を得た「鬼炎太鼓」の演奏だ。

140_lt府中市のための「府中に夢中!」も大好評で、この曲の演奏にも力がこもる。
「lofty」というのは書き言葉で「非常に高い」いう意味。
タイトル通り、鬼炎太鼓とのコラボレーションで気高い演奏にまとめた。
そういえば「宇宙一うまい」と言われたヴィブラフォン奏者のGary Burtonの代表作に『Lofty Fake Anagram』というアルバムがありましたな。
こちらの「lofty」は「高慢な」とか「尊大な」という意味。

150v今度は浩二さんの曲、「Running Light」。
「みんなで自作の曲を持ち寄ろう」というのが『Wind』のひとつのコンセプトだった。

160_rl浩二さんの作品はかなりへヴィなメタル・チューン。
ヒロアキくんの得意な部分を思い切り引き出すことに成功した。

170v続いてはヒロアキくんのソロ。

180v_soloクリーンからリードまで多彩なトーンと華麗なテクニックはライブの大きな見せ場のひとつ。
Marshallの魅力をアッピールしてくれてありがとう!

190vさらに「Stranger Destoys Arms」。
前作『Flying Carpet』のオープナー。

200_sda演奏し慣れていることもあって圧倒的なバンドの一体感が味わえる。

210v後半のテンポ・アップするパートの盛り上がり感が生半可じゃないぞ!

220vMCをはさんでおなじみの「キミを乗せて」。
MAZDAファンフェスタの公式テーマ・ソング。
気がついてみれば今日初めての歌ものだ。

230v_kimi前の曲とは打って変わったポップな雰囲気で会場も演者もホンワカと盛り上がる!
時々無意識に歌っていることがあるんだよね、この曲。

240vお次に控えしはTAGAWAライブの名物のひとつ。
TAGAWAのライブに来ないと見れない無茶なパフォーマンスはメタル版「Led Boots」。
マァ、初めて聴いた時はあまりの騒々しさに笑っちゃったけどね~、今では各人の名人芸をジックリと味わっています。

250_lbてらちんのソロ。
280

気迫のこもったパフォーマンス!

270タッピングを取り込んでのド迫力の演奏に大きな歓声が送られた。

Img_0198 それを受けての浩二さんのソロ。
300
容赦ない高速連打に観客の目は釘づけ。

290静と動、緩と急を巧みに組み合わせた構成はさすが!

310v負けていられないのはヒロアキくん。
イケイケ~!Marshallがついてるぞ~!

320しっかりと爆音浴をした後は…お、「YMCA」!
「♪わ~い!」ではありません。
ヒロアキくん作のバラード、「平和の風」。

330「キミを乗せて」やローカルTV局のニュース番組のテーマソング等、作曲の才を買われてアチコチでヒロアキくんの曲が取り上げられているが、「平和の風」もそのうちのひとつ。
昨年末、野田市の西部台千葉中学校の合唱コンクールの課題曲に選出されたのだ。
確かにそういう曲だよね。
私がよくヒロアキくんの作品に親愛の意を込めて「校歌ロック」などと呼んでいるが、まさに私の形容が評価された感じ。
10年以上前に作った曲だそうだ。
私が初めて聴いたのはもうかなり前のことになるが、「♪魚は銀の衣をまとい、うねりとともに泳いでいるのに」と「♪風吹け、風吹け、平和をつれて来い」というパートがすごく印象に残ったのを覚えている。(作詞は三木あずささん))
前者はよくヒロアキくんとイッパイやった時に大笑いするのだが、なぜか私の中で勝手に歌詞が書き換えられちゃっていて、「♪魚はナゼ 銀のウロコをまとって泳いでいるんだろう」となっちゃってるの。
もうこびりついて直せないのよ。
でも、後者は違う。
今こそ、この歌詞を胸に抱きしめるべき時だと思う。
この曲にはそんな人の心を動かす力があるのだろう…「平和の風」を聴いた声楽科の薄井彰子さんという方が、自身のNadeshikoという声楽グループで取り上げ、イタリアの大聖堂で歌ったのだそうだ。
ヒロアキくんのメロディが海を渡ったのだ!
江戸時代、ローマ法王に会いに行こうとメキシコ経由で渡欧した支倉常長のことを何となく思い出した。(この話しは遠藤周作の『侍』という小説をご参照あれ)

340ジーンときた後は最後の曲。
これまたヒロアキくんの代表曲だ。
Marshall GALAでも演奏してくれた「My Eternal Dream」。

350_medこれはね~、破天荒にてらちんのベースがカッコいいんだよ。
ベース・ラインだけ聞いていても十分に楽しめちゃう!

360もちろん、てらちんだけでなく、際限なくバンドをプッシュする浩二さんのドラミングがまたスゴイ!

370代表曲にして愛奏曲。テーマ・メロディにソロにと縦横無尽にダイナミックなギター・プレイを披露した田川ヒロアキ!
当然と言えば当然のクロージング!

390v大喝采を浴びて本編を終了した。

400アンコールはてらちんの歌うところの「Crazy Gun」。

410ミディアム・テンポで突き進むハードロックの王道ソング。

420vヒロアキくんのソロではガッツリと「スライド・ウォッチ」を披露。

430ナンカ久しぶりだな。
猛烈にパンクチュアルな(時間に厳しい)ヒロアキくんにとって時計は大切な相棒だ。時を刻むだけでなく、ギターの指板の上を行ったり来たりもしている。
440もうこのプレイを書き表すのは基本的な擬音しかない…「ギュイ~ン、ギュイ~ン!」

450この曲の作詞はてらちん。
「♪オレのいかしたFire Crazy Gun」…バカヤロ~!
しかしだ!
ロックはコレでいいのだ。昔はこういう歌ばかりだった。ロックって、かつてはそういう音楽だったのだ。
ナゼかって?
お父さんであるところの「ブルース」がそういう音楽だったから。
今、日本のロック界においては、その親子の遺伝子が死滅してしまっている。
てらちんはロックだ!

460v今回は特に触れなかったが、長大なMCも絶好調!
現在も積極活動中のTAGAWA。
サード・アルバムが楽しみだ!

田川ヒロアキの詳しい情報はコチラ⇒FretPiano

470v(一部敬称略 2016年6月27日 吉祥寺シルバーエレファントにて撮影)

2016年8月26日 (金)

CONCERTO MOON~PURE ROCK JAPAN LIVE/EXTRA vol.4

1999年に産声を上げた硬派なハード&ヘヴィの祭典、『PURE ROCk JAPAN』。
以前のMarshall Blogで一度だけレポートをお送りしたことがあった。
今日は2014年にスタートしたその傍系イベント『PURE METAL JAPAN LIVE~EXTRA』の第4回目に出演したCONCERTO MOONのステージの模様をレポートする。
開演に先立ってイベントの主宰者からのご挨拶。

10_2ライターの土屋京輔氏だ。
この日はSEX MACHINEGUNSとの共演。

20v_2CONCERTO MOONの出番が先。定刻をチョット過ぎておなじみの5人がステージに上がる。

30島…
オウ、また写真が違ってるじゃねーか!「魚旬」ってナンダ?
つーか、久しぶりだな、「シマ違い」。
街中を歩く時、無意識のうちに「シマ」を探している自分にフト気づくことがある。

40v_2島紀史

50v久世敦史

60v_2Aki

70v_2中易繁治

80v河塚篤史

90v_2約束通りの爆発的CONCERTO MOONサウンド。まさに爆発。とにかく爆発!
いかなるシチュエーションでもコレだけはまったく変わらない!
100_2その怒涛のサウンドのカギを握っているのはもちろんMarshall。

110v今日もノンちゃん愛用のMAJOR1967が絶好調だ。

120v足元のようす。

130こちらも必需品の足鍵盤。

140さて、調べてみたところ、前回のPURE ROCK JAPANへの出演は2009年5月のことだった。
チョットその時にタイムワープしてみようか…。


ポケタポケタポケタポケタポケタ…(1947年のアメリカ映画『虹を掴む男(The Secret Life of Walter Mitty)より』)

会場はチッタ川崎。
ステージが広いのでフルスタックが2セットしつらえてある。

1_img_0085そう!
この頃のノンちゃんのバックラインはVintage Moder 2466だったんだよね~。
コレも素晴らしい音でね~、大スキだった。
2人で何度もMarshall Roadshowをやったけ。

1_img_00052009年というと7年前。
CONCERTO MOONの歴史も長いけど、Marshall Blogもずいぶん長いことやってるよ~!
今メンバーで残っているのはノンちゃんだけになっちゃったけど、ノンちゃん自身はゼンゼン変わってないナァ。
さすが「求道者」。
リッチー好きもゼンゼン変わってないわ…どころか、愛情が増してるっちゅーの!

1_img_0245 もちろんCONCERTO MOONのコッテコテのメタル魂もそのままだ!

1_img_0078 ハイ、現在に戻って…中易さん。

150v_2VBA400とVBC412。
弾いている人は異なるが、2009年の時と同じ機材。
いわば伝統のCONCEROTO MOONのベース・サウンドだ!

160vオープニングは「Black Flame」。
冒頭から久世ちゃんの雄叫びが観客に迫り…

170vノンちゃんのギターが襲いかかる!

180v_2この曲の見所であるフォーメーションもバッチリ!
コレ、ポーズをキメているのはノンちゃんと中易さんだけでなく、河塚さんも合わせているの知ってた?
右に左にイキがピッタリなんだぜ!

200_2

2曲目からは現在のメンバーになって最初にリリースしたアルバム『Between Life and Death』からの曲をズラリと並べてきた。
まずは「Life On The Edge」。

190_2そして、アルバムのオープナー「Alone In The Dark」。

210「Struggle To The Death」、「Between Life And Death」と続けた。
290v_2
幾度となく久世ちゃんに歩み寄るノンちゃん。
本当に久世ちゃんの歌に全幅の信頼を置いているかのようで、現CONCERTO MOONの計り知れないチームワークを象徴している感すらある。

220それにしても素晴らしいMarshallトーン。
ピッキングのひとつひとつだけでなく、まるでノンちゃんの息づかいまで再現しているようだ。

230v_2ココから先はCLASSIC MOON…旧作のレパートリーを立て続けに演奏してファンを喜ばせた。

Concerto_asiakimg_0123 2度にわたるレコ初ツアーを経てますますグループ・エキスプレッションに磨きをかけた3人。
ツボを得たプレイでバンド・サウンドをカラフルに彩るAkiちゃん。
「Find The Key」…

240v_2獰猛なまでに遠慮なく低音をまき散らす中易さん。
「From Father To Son」…

250vパワフルに、ホットに、そして、クールにバンドを律動させる河塚さん。
「It’s Not Over」…

260vさらに「Change My Heart」とハードなナンバーをブチ込んだ。

270v_2そして最後は人気曲、「Savior Never Cry」!

280最後まで鉄壁のコンビ―ネーションで駆け抜けた二人。

300例によって最後はノンちゃん大爆発!
320_2
この爽快感!
CONCERTO MOONのステージはホントにスカっとするぜ!

310vさて、4年ぶりに「オフィシャル・ブートレッグ・シリーズ」のDVDがリリースされ、ファンの間で好評を博している。
今作の「BETWEEN LIFE AND DAETH TOUR 2015」はシリーズ第3弾。ライヴ会場限定で販売している。
2015年12月4日の名古屋 ell.sizeの公演から本編全曲とアンコール2曲を収録。
もちろん今回も手直し一切無しの真剣勝負!
ジャケット写真はオレだ、オレだ、オレだ~!
…なんて言ってるけど、上に掲載した7年前に撮った写真を見て顔が赤くなっちゃったよ~!…ヘタで。
頭の中に写真のイメージはあるんだけど、全然それに近づかない…みたいな。
マァ、今も大して変わらないっちゃ~変わらないけど、幾分は進歩したんじゃないかしらん?
325dvdそして、コレも会場限定で販売しているステッカー。
通称「プニプニ・ステッカー」。
ご覧の通り、表面がプニプニ飛び出してんの。

1_sticker_3jpg それといつも好評のCONCERTO MOONのロゴTシャツ。
CONCERTO MOONもロゴがカッコいいからね。
今回のデザインも人気を集めている。
しかも生地はこれまた好評のサラサラのヤツだよん。
プニプニにサラサラ…ライブ会場で見つけたらゲット1

1_logot_web2016_2 CONCERTO MOONの詳しい情報はコチラ⇒Official Site

330v_2(一部敬称略 2016年6月26日 渋谷CLUB ASIAにて撮影)

2016年8月25日 (木)

Marshall in 2016 IRODORISAI

薄暮の新宿。
伊勢丹の本館では8月24日より『2016 ISETAN IRODORISAI 彩り祭』という特別展がスタートした。
その会場に…

10おなじみのMarshallスクリプト・ロゴ!

20そう、Marshall HEADPHONESが展示に参加しているのだ。

30カチッと並べられたヘッドホンやBluetoothスピーカーの代表機種たち。
Marshall系のアイテムがこうして並ぶと、たとえそれがフル・スタックの壁でなくても、やっぱりそれなりの雰囲気を作りだすから不思議だ。

40Marshall Eyewearもディスプレイされている。

50こちらもメガネ(Optical)と…

60サングラス(Sunglasses)に人気モデルがズラリ。

75v

ジックリ見て選べるようになっている。

Marshall Eyewearの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】マーシャルのメガネとサングラス

70そして、Marshall HEADPHONES系のアイテム。

90Marshallアンプの創業は1962年。
1960年はジムがドラムショップをオープンした年だ。
100今回の展示ではヘッドホン、「MAJORのSteel Series(スチール・シリーズ)」がお目見えした。

110vコレがそのモデル。

120「Steel」の名にふさわしく、金属の部分が銀色になっている。

130内側に施されているLRを示すプレートまでスチールになっている。
ここにもJubileeのテイストが及んでいる?

140その他の既存品もバッチリ展示されているが、実はスゴイ秘密が隠されている。

150…というのは、2016年9月から大幅に定価がダウンするのだ!

160今回は先行して新価格にて販売中。

170人気のSTOCKWELLも当然新価格となる。

180このSTOCKWELL専用のケース(別売り)、始めて見た。
レヴァントを模した装丁は高級感バツグン。
しかもMarshallのプラークつきだ!

190WOBURN…

200ACTON…

210KILBURN…
おもしろい話しを聞いた。
コレらのBluetoothスピーカーの商品名にはワンワードのイギリスの地名が充てられていることは以前の記事で解説した
「HANWELL」はジム・マーシャルが楽器店をオープンした場所の名前なので別になるが、それぞれの商品に付けられた地名は、私が知る限りMarshall自体とは縁のないところだ。
強いて言えば「WOBURN」。
コレはMarshallの本社&工場があるBletchleyという街のとなりだからだ。
でも、どうしてドンズバで「BLETCHLEY」という名前がつかないのか?それがすごく不思議でウチの社長に尋ねたところ、答えはごくシンプルなものだった。
欧米の人たちが発音しにくいのだそうだ。
「Bletchley=ブレッチリー」…何でもなさそうんなんだけどね~。
ブレッチリー…ウン、特に問題ない。

220こういうものも展示されている。

2309月6日までの開催!
新宿にお出かけの際にはゼヒ除いてみてください!

Marshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒ZOUND INDUSTRIES TOKYO公式ウェブサイト

240v(2016年8月24日 新宿伊勢丹本館にて撮影)

2016年8月24日 (水)

Marshall:THE BOOK OF LOUD~爆音の本

Marshallの本もナンダカンダで盛りだくさんになった。
まずはチョット過去を振り返ってみよう。
でも、何と言っても基本はコレ。
1993年に上梓されたMike Doyleの『THE HISTORY OF Marshall』。
出版社のHal Leonardも昔のロゴだ。
以前は何を調べるにもこの本が頼りで、原本を何度を開き、最初の方は自分なりに翻訳もして、重要な仕事のツールとしてトコトン活用させてもらった。
原文のまま読破した海外の書籍といえば、コレとその改訂増補版、後に出て来るジムの本と、卒論を書くに当たって泣く泣く読んだJ.D.サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』ぐらいか…。
ちなみにこの『ライ麦でつかまえて』の原題は『The Catcher in the Rye』で、「Catcher」とは野球でいう「捕手」のこと。
なので、本当はタイトルを『ライ麦畑の捕まえ手』と翻訳すべきだった…とアメリカ文学の教授が授業で話していたことを思い出す。
当時はワープロなんてものもなく、タイプライターすら持っていない英米文学生にとって、何せ卒論は大きな苦労のタネだった。
どうしたかというと、引用が必要な部分だけコピーして、タイプライターを持っていた彼女に代タイプしてもらった。
その時の彼女が今の家内なんだけど…。
いいの、いいの、私も彼女の英語の教科書の翻訳をさんざんやってあげて、見事「優」を取らせてあげたんだから。
「助け合い」ということで言えば、Marshall Blogの原型だったか?
一方、私の卒論は「可」だった。
論文を提出した後には担当教授の面接というのがあって、私の卒論はクッソミソに非難された。
「こんな論文に単位はやれない」という。
落胆している私を見て、よっぽど気の毒に思ったのか、教授はガムを一枚差し出しながら、「キミも就職がキマっているんだろう?単位だけはあげるよ」と、何とかもぎ取った値千金の「可」だった。
でもおかげで見事に卒業ができ、内定が決まっていた会社にスンナリ就職することができた。
そうして社会に出てからも、何年経ってもこの面接の夢を見た。
それと、禁煙を破ってしまった夢…「あ~!吸っちゃった~!」っていうヤツ。
おかげさまでここ数年は両方ともまったく見なくなった。
…なんてことはどうでもいいんだけど、とにかく原文で読んだ。
頼りにしていた一冊。
型番をチェックする時など、今だに活用している。10_22002年に初めてMarshallに行った時に当時の役員から頂戴した。
個人的にすごく欲しかったので、メッチャうれしかったのを覚えている。
私が持っている本はジムのサイン入り。
懐かしいな~。

30hMarshallはコレを厚手の紙でできた黒いハード・ケースに収めて贈答品として使っていた。
昔からずっと私の宝物であり、大事な商売道具だ。

20この本は1982年に出版された下の書籍が下地になっている。
著者のMike Doyleはアメリカ人だが、イギリス式に「Valve」という言葉を使っているのが面白い。
残念ながら私はこの本をコレクションしていない。

35そして、Marshallの創立50周年を記念して大幅に改訂増補されて2013年に上梓されたのがコレ。

40その日本語版がコレ。
もうMarshall Blogの読者はノイローゼになるぐらい見せられているだろうからここでは詳しく書かない。
お、ちなみに…販売が開始される直前にあるライブ会場でこの本を先行発売をしたのだが、その時一番最初にお買い上げ頂いた方、すなわち、この本を日本で初めて買ってくれた人は、根っからのMarshallマニアではなくて、Marshall Blogをいつもご愛読いただいている音楽好きの女性だった。

50vジムのバイオグラフィに焦点を当てたのこの2004年の一冊。
コレも全部原文で読んだ…というか翻訳版はない。
この本にインスパイアされてロンドンのジムの生家や楽器店跡を訪ねたのであった。
英語も大変に平易で辞書を引かなくてもスラスラ読めるし、ややストーリ調なので初めて読むMarshall物語としては最適であろう。
タイトルがいい…『THE FATHER OF LOUD(爆音の父)』。
コレに『ラウドの父』とかいう訳を与えているのをどこかで目にしたことがあるが、それじゃ面白くもなんともあるまい。
「爆音」というせっかくの現代語を切り捨てた上に、「の」の両側で言葉のバランスが崩れてしまっているからだ。
こんな私でも字句に関しては結構色々悩んで、考えているのよ。
602010年にはBluesbreakerに特化した本もお目見えした。
ストラトキャスターやレスポールならわかるけど、いちコンボ・アンプで本が一冊編まれるところがいかにもスゴイ!
クラプトンの功績あまりにもデカし!

70個人的に一番思い入れが強いのは何と言ってもコレ。
50周年記念コンサートやMarshall物語、ロンドン探訪、社長をはじめとしたMarshallスタッフのインタビュー、ミュージアム取材、Marshallプレイヤーの皆さんの対談等々、企画、写真、テキスト、と思い切り好きなようにやらせて頂いた一冊。
この内容のキメ細かさ!西欧のヤツらには決してマネできまい、ガハハ!
発売当時、「大人のエロ本」と呼ばれたことは名誉のひとつ。

1_img_0517_3 こんな本もあった。
Marshallの本ではなくてブランドに関する本。
表紙が1962になっているだけなんだけど、Marshallの存在感が強いのでまるで一冊丸ごとMarshallの本のように見える。

90コレはロンドンの本屋で見つけた一冊。
60~70年代のロック・スターを中心とした500ページにも及ぶイギリス製の写真集。
コレがなかなかの雑食性で、アルゼンチンのサキソフォニスト、ガトー・バルビエリからクラシックのグレン・グールドまで出ている。
時折ページを繰っては、写真に関するインスピレーションを得ようとしているワケ。
ナゼか表紙がMG15DFX。サイズがちょうどだったのかしらん?
ハードカバーが箱状になっているのと上質紙を使っているので結構な重量。イギリスから持って帰ってくるのにエラク苦労した。

100さて、ここからが今日の本題にして、主役のお出まし!
Marshallがらみの新しい本が出来したのだ。
タイトルは『Marshall:THE BOOK OF LOUD(爆音の本)』。
もちろん前掲の「THE FATHER OF LOUD」からの引用だろう。
まずは表紙がいいね~。

1_book2_2_2

左下の惹句に目をやると…
「よろこんでMarshallが発売をお知らせする『Marshall:THE BOOK OF LOUD』。
長年にわたり一緒に仕事をして来たアーティストたちに触発されて編まれた一冊です。
Marshallはもはやアンプ・メーカーのブランドではありません。Marshallは音楽のブランドなのです」
いいぞ、いいぞ~!
続けて…
あなたがどなたであろうと、あなたがどこのお方であろうと、あなたのバックグラウンドがいかなるものであろうと、我々を結びつけるものはただひとつ…それは音楽です。---(本文より)

で、内容は;
●古今東西最も爆音のバンド (私が過去に聞いた話しでは、Blue Cheerだという説あり)
●ブラックリスト:ラジオから締め出しを喰らったアルバム (Zappaだったらうれしいナァ)
●ロック界最高のヒゲ (Billy GibbonsとDusty Hillかしらん?)
●ロック・スターの有名なタトゥー (Kerry Kingの後頭部?)
●Marshallアンプ解剖学
●ライブ史上最悪のライダー (これはサッパリわからん)
等々…。
( )内は私のコメント。果たして正解なのか?
早く答えが知りたい!

1_book1_2

2016年8月23日 (火)

三宅庸介、ASTORIAを語る~Yosuke Meets ASTORIA

昨日の記事では三宅さんがichiroちゃんとともにステージで実際にASTORIAを使用したことをレポートした。
両氏ともASTORIAを弾くことに関してはそれが初めての機会ではなかったが、やはりいい真空管アンプでギターを弾いて自分を表現することの素晴らしさを改めて教えてくれたような至上のギター・サウンドと最高の演奏だった。
そして、今日は三宅さんにASTORIAの魅力について語って頂く。

Img_0079本番の前ながら、タップリと時間を空けて頂いてジックリとお試し頂いた。
業界きってのMarshallサウンド通にして、ギター・サウンドのウルサ方だけにどんな洞察が飛び出してくるのかが大変楽しみだった。

Img_0055試奏の際に使用したペダル類は、実際にJVM210Hに組み合わせて実戦で使っているモノだ。

Img_0063それでは、まずCLASSICから。


ASTORIA CLASSIC

Astoria_ast1c_classic_combo 三宅庸介(以下「M」):シゲさんからお聞きしていた通り、楽器そのものの音がものすごくストレートに出てきている感じがしましたね。

10_3意外と言ってはナンですが、ツマミをすべて全開にしてもイヤな音が一切しないし、逆に絞っていっても楽器本来の音がキチンと再生されている。
Shige(以下「S」):そうですね。三宅さんが弾くとそれがよくわかる。
M:イエイエ…。
ツマミが効く範囲がすごく広いんですけど、自分の好きなセッティング、会場の響き、あるいはその時の気分でポイントをみつけたりするのが楽しいです。
ボクの場合、アンプをセッティングする時、あれこれイジって、一生懸命探して、やっといい位置を見つける…という感じがどうしても心理的にあるんですが、ASTORIA CLASSICの場合、ツマミをどこの位置にしていても出て来る音が楽しくて…。
S:ナンカ「楽しい」っていうのがうれしいですね。

20vM:ホントに楽しいです。
例えば、いつもよりカリっと乾いた音がしていても、その音がまた心地よくてゼンゼン弾けてしまう。
自分の理想を探して無理にクルクルとツマミを回したり、すごく緻密に設定したり、ナーバスになる必要が全くなくて、ASTORIAから出て来る音をそのまま受け入れることができます。
S:クリーン・トーンを出すためのモデルで、エフェクターを併用する…というのがCLASSICのコンセプトであることを三宅さんはビハインド・ストーリーも含めて以前からご存知です。
それなのに、先ほどASTORIA直でクリーンの音を試されて、その音にすごく感心されていましたよね?
CLASSICのクリーンのどういうところに魅力をお感じになりますか?
M:ボクにとっての「クリーン」というサウンドは世間の皆さんが想像されるクリーン・トーンとはおそらく全然違っていて、強く弾けば真空管がそれに応えてパワフルな音が出て来るし…あ、コレ、「歪む」という意味ではなくて、「力強い音」という意味ですよ!
反対に弱く弾けば、まるでギターが囁いているかのような音を出してくれる…そんなイメージなんです。それがボクの「クリーン」の定義。
S:ただ単に「歪んでいない」ということではないんですね?
M:はい。
信号によって変化する真空管の明るさが目に浮かんで来ないとボクは「クリーン」だと思わないんです。
そういう意味では、皆さんがおっしゃる軽いクランチがボクのクリーンなのかもしれません。
ラインの信号やトランジスタ・アンプやデジタル・アンプにありがちなオーディオ的なクリーンではないんです。
そういうのは楽器として全然違う。
S:よくわかります。

30v_2M:そういう「再生装置」ではなくて、本当に音楽の中に入ろうとするなら、真空管でアンプリファイされたサウンドであって欲しい。
CLASSICは本当にそういう意味での「クリーン」なんです。
S:「再生装置」ですか…最近よく聞く言葉のひとつですね。
昔からズッと真空管のアンプ使っていらっしゃる方々は、今ハヤリのデジタル系のアンプ系機器を、「楽器」でなく、あたかもステレオセットのように「再生装置」と皆さん形容して区別するところが面白いナァ。
M:それらはゼンゼン別のものですから。
で、このCLASSIC、「クリーン系のモデル」ということに何ら間違いないんですが、ボリュームをフル近くまで上げればそこそこクランチに近いようなところまで鳴ってくれます。
S:なんか「アンプが一生懸命働いている!」という感じがありますよね。
M:そうです、そうです!
もちろんボリュームを目一杯上げたりしなければいわゆる「クリーン」で鳴ってくれますが、真空管アンプなので、やっぱりボリュームを上げていくと若干歪んでくる。
これでないとダメなんですよ。
例えばウェス・モンゴメリーのライブ盤なんかを聴いていると、2弦を強く弾いた時、ボクの耳にはその音がクランチに聴こえる。
彼のアンプは真空管ではなかったかも知れませんが、ちゃんと彼の気持ちが音になっている。
どんな弾き方をしても、ズ~っとクリーンというのはボクはチョット違うと思うんです。
そういう風に考えると、もうASTORIA自体が音楽に溶け込んでいて、もっと言うとそれ自体が「音楽」になっているということを思わせてくれます。

40S:シアワセだわ~。
併用するペダルについて何かご意見はありませんか?
M:アンプの特徴として、セレッションのクリーム・バックが使われていたりして、ものすごくビンテージ・テイストが強い。
コーンの鳴らし方ひとつ取っても最新のモノのとは違って、「ハコ」としてすべて一体で音を出していますよね。
現代的なメタルに合ったハイファイな音作りをするのであれば、アンプの音量を低めにして、ペダルでしっかり音を作ってやって、最終的にASTORIAがきれいに鳴らしてくれるということになるでしょうね。
でも、アンプのせっかくの良さを出そうとするのであればそうはなくて、クリーム・バックを鳴らしてボクが言うところの「軽いクランチ感」というか「ダイナミックなクリーン」を出してやって、この「ハコ鳴り」を活かしてやるべきです。
そうしようとするなら、70年代のロックとかジャズとかブルースとか…「古きよき時代のサウンド」と呼ばれているような音楽に使うべきでしょうね。
S:それはまず間違いないでしょう。
M:Bluesbreakerなんかもそうですが、コンボ・アンプがどういう鳴り方をするのか?…ということをまず身体に叩き込む必要があるんですね。
ボクはスタック・アンプを使う機会が多いですが、コンボ・アンプを使うと弾き方が変わってくるんです。
「こうやって弾いてやるとこういう音を出してくれる」という風に、時間をかけて試してみると、知れば知るほど面白い部分が見えてくるんですね。
それはMGシリーズみたいに自宅練習で使うようなすごくいい音のする小さいコンボではなくて、ASTORIAやBluesbreakerのように、ライブ・ステージでバンドの中で鳴らせる規模の真空管のコンボ・アンプのことを指しています。
S:オープバックのコンボはワザと壁から離してセットしてやるとか?

50M:そうですね。後ろにマイクを立てる人もいます。
壁からハネ返ってくる音を前から出ている音とミックスしてアンプ全体を包んでやるとか…。鳴らし方がいろいろありますね。
ま、スタックでも同じことが言えるんですけどね。ただコンボの方が扱いやすい。
S:なるほど。
M:とにもかくにもCLASSICはすごくいい音です。
コレは是非言いたかったんですけど、Jimiに『In the West』というアルバムがありますでしょ?
S:ハイ。高校の時、ジミ・ヘンドリックス入門用アルバムとして人気がありました。
M:アレの「Little Wing」とか「Red House」とか、ファズを踏んでいないMarshallとストラトキャスターだけの音っていうのは、ものすごく彼が手元で音を作って演奏しているんですが、アレはひとつの「スタンダードな音」だと思うんですね。
あの音を目指して…ペダルなんかを使わないで、ギターとアンプだけで出て来る音をまずああいう音にしようと目標にしている人は多いと思うんです。
それで、あの演奏の中で聴ける巻き弦の何とも言えない倍音感というか、ビーンという巻き弦ひと

Img_0020つひとつの動きが見えるような独特の鳴り方をしているんですよ。
1959みたいな音の速さ。
ピシッと来るんですけど痛くないし、硬くもない。それでいてキチンとハイが出ている。
そういう倍音の構成感っていうのかな?
それと同じものがASTORIAシリーズの3種すべてにあるんですよ!
だからASTORIAの3種類に共通点を感じているのはその部分なのかな?と思っています。
S:その巻き弦についての感覚は香津美さんがCLASSICをお試になった時もおっしゃっていました。
今日帰ったら『In the West』聴き直してみようっと!
M:ハハハ、是非!
それと、とにかく音が速いですね。
弱く弾いても、あるいは手元のボリュームを下げても音が速いので、本当に弾いたイメージをそのまま音にしてくれるんです。
でも、ムズカシイとも言える。だからまた面白いんですけど…。


ASTORIA CUSTOM

Astoria_ast2c_custom_combo_white S:「結構歪む!」ってビックリされていましたね?
M:ハイ・ゲインというイメージではなかったですからね。
ボクはMarshallを鳴らす時、クランチを作るクセがあって、ゲインがどこまで上がるかとか、ゲイ

60vンが上がった時にどういう音になるのか?ということには興味としては二の次なんです。
だから、まずは「クランチでどういう音がするのか?」ということを押さえておいて、そこでトーンなどをマネージメントする。
それからゲインを上げてみて「おお、ここまで歪むのか」という感じです。
S:で、CUSTOMは「かなり深めのクランチ」って感じになりましょうか。
M:はい。70年代中盤までのロックのリフを弾けば、あのままの音が出て来るようなイメージですよね。
S:丸っきり同感です。
M:コレもCLASSICと同じようにすごくトーンの効きがいいですね。EDGEの使い方なんかで割と自由自在に音が作れる感じです。
でも、結局はどちらかというと古いタイプの音色というか、Marshallが作ってきたロックのギターのトーンですよね。
あの音があって、もう少し後の70年代の、例えば、Thin Lizzyとか…今日も色々試してみましたが…AC/DCとか、Marshallとハムバッキングのギブソンのギターの組み合わせて作られた名リフなんかの再現能力なんかはバツグンだと思います。
70年代のJMP時代と言われているタイプのモデルから出て来るトーンに近いものも感じます。
S:「BOOSTもいいな」なんておっしゃっていましたが…。
M:僕は基本的にこういうスイッチは入れないんですけど、入っているのを知らずに弾いていたらすごくよくて…。
S:ハハハ!

70M:すごくよかったんですよ!
S:それは何より!
M:コレは入れたり切ったりできるんですか?
S:LOOPとBOOSTはフットスイッチでコントロールできます。
M:それならスゴイな。
S:三宅さんの至言のひとつに、「スイッチで音を切り換えるのは自然ではない」というのがあります。
M:チャンネルのことですね…それは自然ではない。
それもどういう音楽をプレイしているかということによってくるし、どれが正解ということもないんですが…。
S:ま、JVMの立場もありますし、この話題はやめておきましょうか?
M:クックックッ(笑)。
はい、でもそれはそれで良さがありますから。
S:CUSTOMについて続けましょう!
M:例えば、Ritchie BlackmoreとかEddie Van Halenとかはハードな方のMarshallサウンドのトップじゃないですか。ギタリストたちに与える影響の大きさもスゴイ。
今だにあの音が最高と言われているし、僕も実際にそう思っています。
あれらの音は基本的に歪みからトーンからすべてMarshallで作って出しているワケです。
S:そうですね。

Img_0018M:それではペダルを使って音を作ることがよくないのか?というとそんなことはない。
Jimi Hendrixなんかはファズを使ってMarshallからカラフルな音を出しました。
ファズなんかはスイッチのオン/オフと手元の細かい上げ下げでガラリを音を変えてしまいます。ボクなんかもそうしていますが、アンプ半分、ペダル半分という感じです。
でもこのCUSTOMはアンプだけでその色彩が出せると思います。
結構歪むとはいえ、手元で十分クリーンにすることができます。
そうしてペダルを使わずにアンプだけでそういう音の幅を作ることができるといろんなことができるんですね。
もちろん弾き方はムズカシくなりますけどね。
S:でもやっぱりその方がいい音ですよね。
M:もちろん。でも、今はそういうことがスッカリ忘れられてしまっていますよね。
S:そのムズカシさがまたギターを弾く楽しみでもありますよね。
M:その通りです。
CUSTOMは70年代テイストのとてもいいアンプだと思います。

ASTORIA DUAL

Astoria_ast3c_dual_combo_white S:それでは最後にDUAL。
かなりお気に召していたのが意外でした!
M:イエイエ、「意外」なんて言ったら失礼なんですが、はじめはチャンネルの設定に戸惑いました。

70_2でも、コレ、クリーンがCLASSICに近いんですよ。
CUSTOMはCLASSICのようなクリーンは出ないのでまたテイストが違う。
ところがDUALのクリーンはCLASSICのような「ピシッ、ピシッ」というところが割とそのまま出ているような気がします。
歪みの方は「モダン」というのとは全然違いますが、80年代前半ぐらいまでの歪みという感じでしょうか?
S:よくわかります。
M:ロックの場合は、トレンドの移り変わりが早い上に、奏法や録音技術でドンドン音が変化していくので、ホンの5年ぐらいの違いがCUSTOMとDUALの歪みの違いに出ているように少し感じます。
S:ウ~ン、すごく面白い洞察!
M:だからといってクラッシック志向の人たちがDUALを弾いて、「モダンだからイヤ」とかいうものでは全然ありません。
僕もクラシック志向なので最初は好みじゃないかも?なんて思っていたんですが、弾いてみたら全然好きな音でうれしかった。
S:確かにMarshallとしてはDUALが「モダンで~す!」とは言っていないし、反対にCLASSICやCUSTOMが「ビンテージ、ビンテージ」とやたら強調しているワケでもないんですよ。
ま、商品を説明する時の便宜でそう言っている部分はあるかな?

90_2M:でもCLASSICはやっぱり1959を何とかこのサイズに詰め込みたい、という意向が伝わってきます。
S:ギャハハハ!2159のミニ版?
M:1959といっても初期のKT66を搭載していた頃のJTMの100Wですね。Jimiが使っていたヤツ。
S:なるほど?JTM45 100ね。
M:Marshallもリイシューしていましたよね?
S:Jimiのシグネチャー・モデル、JTM45 SUPER100JHとしてですね。
M:はい。ああいうサウンドをコンボで出せないか?と考えているのではないかと思いました。
S:ん~、それをやろうとしたのがVintage Modernだったんです。コンボ云々ではなくて、あの頃の「Marshallの復活」というか「原点回帰」という意味ですけど。
M:なるほど。でもCLASSICは1959感っていうのがありますね~。
S:いいことだと思います。
M:一方、DUALは他のふたつに比べていろんな機能もついていますしね…。便利です。

ルックスについて
S:でも色は一番イヤなんでしょ?
M:…(長い間)…まぁ、そうですけど…。
S&M:(爆笑!註:三宅さんはルックスについて保守的で、カラフルなMarshallではなく、黒、白、金という伝統のMarshallカラーをあしらったデザインがお好みなのだ。以前から三宅さんとは今回のASTORIAのいでたちについて語り合っていたので、ココで一発三宅さんをイジってみたというワケ)
S:ま、私も最初は面食らいました。しかし、周りの人たちの反応は信じられないぐらいの大好評で、クラシックなMarshallのルックスにこだわっているのは最早三宅さんだけになってしまいましたよ!
M:(爆笑)ルックスのことを言うと、正直やっぱりいつものユニフォームの方が好きですけど…ただですね、色に関して言うと、写真なんかで見ているより実物のほうがずっとヨーロッパ調なんですよね。
「赤」といってもアメリカンではない。
いわゆるカリフォルニア・テイストのものではないし、「緑」もゼンゼン違う。ちゃんとブリティッシュ・グリーンなのが素晴らしい。
S:白い部分とのコンビネーションなんかは昔のアメリカの車って感じがしないでもないですけど…。

Img_0071_2M:あ、わかりますけど、色に関してはゼンゼン違いますから!
ある大手のギター・ブランドなんかは車に使われている塗料をギターに使っているんですよ。(註:三宅さんはやたらと車にお詳しい)
S:へ~!
M:そのギターの会社がオリジナルで発注したカラーは赤いラメのヤツひとつしかなかったらしいです。
S:あ~、もしかして、「ナントカ・ブルー」とか「カントカ・レッド」とかいうギターのフィニッシュの名前って車から来ているんですか?!
M:そうです。
S:知らなかった!
M:確かにASTORIAを写真で見たときにアメリカの車って思った部分もあって、「なんで大英帝国がアメリカのマネをしてカリフォルニア・テイストにするんだ!」とガッカリしたんですよ!
でも、こうして実物を目の当たりにして、それがまったくの間違いであっていたことを知ってまたうれしくなりました!
S:それはヨカッタ!大英帝国らしく、ASTORIAのフィニッシュの名前は「グリーン」、「レッド」、「ブルー」ですから!
M:そういうところがまたMarshallの好きなところなんです!

Img_0093 三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

Img_0066 ASTORIAシリーズの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】いよいよASTORIAが出るよ!

(一部敬称略 2016年5月31日 三軒茶屋Grapefuit Moonにて撮影)

2016年8月22日 (月)

Sound Experience 19~ DUAL YOSUKE x CLASSIC ICHIRO

毎度おなじみ、三宅庸介の『Sound Experience』。
今回で19回目!
いつもNATALを挟んで左右にMarshallがセットされるシンメトリックなセッティング。
左右対称の図式をそのままに、今回はさらにその外側にASTORIAが配置された。

10三宅庸介

20v山本征史

30v金光健司

40vこれまでシリーズを通じて対バンを招くことが多かったが、前回に引き続いて19回目も本編はStrange,Beautiful & Loudのワンマン・コンサートという構成になった。

50もちろん三宅さんはMarshall。

60v安定のJVM210Hとキャビネットは1960BVだ。
上下2枚の写真の中のJVMのルックスの大きな違いにお気づきであろうか?
上は三宅バージョン、下はシゲ・バージョン。

70v征史さんもMarshall。

80こちらも安定の1992SUPER BASSのハーフ・スタック。

90v金光さんはNATAL。

10012"、16"、22"のバーチ。
フィニッシュはタバコ・サンバースト。
アルバム『Orchestral Supreme』のレコーディングで実際に使用されたキットだ。

110オープニングはその『Orchestral Supreme』のクロージング「Ring」。
後半に演奏されることが多い曲だが、今日は珍しく初っ端に持ってきた。

120金光さんが歯切れよく叩くスネアの音が印象的なイントロ。

140v
複雑ではあるが、三宅さんの曲の中では比較的スンナリ入ってくるといえようヘヴィなリフ。

130vそんな入り込みやすい曲ではあるが、三宅さんの作品にかけた想いは重厚だ。
ギターの指板の中にどれだけのメロディーやハーモニーの可能性が潜んでいるか?ということを追及してみたかった…という。
よって作曲に当たっては、本当に少しづつ、細心の注意を払いながら何度もやり直しながら進めたため膨大な時間がかかったという。
構成面に関しても既存のロック・インスト曲でよく見かけるようなタイプとは全く異なっていて、結果的には独自性の強い曲に仕上がった。

150v前からチラチラと、そしてウッスラと「武満徹」の名前がMarshall Blogに出だしていることに気がついた読者もいらっしゃると思う。
「あ~、また鬱陶しくなりそうだ…」とウンザリする方もいらっしゃるだろうが、残念ながら今、私は武満徹にご執心である。
「ノヴェンバー・ステップス」最高!
で、ナゼそうなのかというと、尊敬する立花隆が編んだ武満徹のインタビュー集なるものを読んでいるからだ。
こういう天才の頭の中は一体どうなっているのか…?
二段組で800ページに及ばんとする大著なのだが、これが滅法おもしろい。
武満さんのかなりムズカシイ発言も多いが、世界が尊敬する日本の天才の音楽作品をより楽しむためのガイダンスになれば…と思って読み進めている。

160で、やっぱり気になって、かつ一番おもしろく読めるのは創作の思考過程についてで、読んでいるとついつい三宅さんのことを思い出して、いつのまにかウッスラとふたりを重ね合わせてしまうのだ。
それは、いつも三宅さんが言っている「命を削るようにして自分だけの音楽を作りだす」という姿勢に共通項を見出だすからだ。
武満さんは重度の結核罹患者で実際に何度も「死」に直面していたらしいが、周囲の人が強引に止めない限り絶対に創作活動を止めようとはしなかったらしい。
そして、ここで武満徹を話題にしたもうひとつの理由は…武満徹にも「環(RING)」という同名の曲があるからなのだ。
私はといえば、コレを自分の中で勝手に符合させて悦に浸っている。
ただの音楽好きの凡人にできることといえばそれぐらいのものだ。180v

興味のある人はコチラをどうぞ。
譜面にも注目!

ところで!
この「Ring」が収録されたStrange,Beautiful & Loudのセカンドアルバム、『Orchestral Supreme』の再プレスが出来したそうだ。
欲しくてもゲットできなかった人はお求め逃しのないようご注意。
ジャケットもいいね~、やっぱり!

Os 三宅さんのワン&オンリーのギターはもちろん、その孤高の音楽世界をともに作り上げる、グループ・エクスプレッションの度合いを増したリズム隊の二人の強直な至芸にも注目だ。

170ギターのダビングやライブでは再現不可能なトリッキーな曲も収録されているので、まだCDを聴いたことのない人には、「実際の演奏と聴き比べる」という特大のお楽しみが残されている!

1902曲目は 「stratify」。

200そして、「bloom」と前作の『Lotus and Visceral Songs』からの曲を演奏。

210vもはや定番の「murt'n akush」。
コレも『Orchestral Supreme』の中でも重要な地位を占める作品だ。

220v(1弦から4弦に向かって)E、Gb、E、C、Aと少し和旋法のフィーリングを持つヴォイシングで始まるのは「solitary past」。
コレは改めて聴くとスゴイ曲だナァ。
聴きどころは多くあれど、何と言ってもインパクトが強いのは中間部のアルペジオだろう。
この曲が「垣根」と呼ばる元となっている、イントロのヴォイシングを踏襲した音列。
「♪垣根の垣根の」で始まる童謡の「たき火」にメロディの雰囲気が似ているからそう呼ばれている。

E→Gb→E→C    G→A→G(またはD)→Eb

まさにMiyake Arpeggio。こんな「たき火」は不審火に間違えられるのがオチだ。
そういえば、この童謡、タイトルを「垣根」と思っている人が多いと聞いた。正しくは「たき火」だ。
ところで、「トゥーランガリラ交響曲(←メッチャかっこいい)」で知られるフランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンに「7つの俳諧」という1962年の作品がある。
メシアンが日本旅行の印象を元にして作った7つの曲からなる管弦楽曲。
コレはまったくの私見だけど、この第1曲「導入部」という曲のマリンバのメロディが三宅さんのこのアルペジオに似ていて驚いたことがある。音列がドンズバということでもないのだが、緊張感に満ちたその空気が近いのだ。
先ほど来触れている武満徹はドビュッシーに始まり、このメシアンに巨大な影響を受けたそうである。
というか、メシアンというのは現代音楽の大巨匠で、日本の作曲家に計り知れないほど大きな影響を与えたそうだ。
メシアンは、この曲の中で笙(しょう)や篳篥(ひちりき)の技法を自分なりにマネッコして取り入れ他の楽器に演奏させたとされている。
それから、5年後に武満徹はミューヨークフィルの委託を受けて「ノヴェンバーステップス」を発表し、尺八と琵琶というホンモノの和楽器をオーケストラと共演させて世界を驚かせ、ストラヴィンスキーやこのメシアンと比肩される現代音楽の世界の巨匠となった。
この和楽器のアイデアを薦めたのは当時ニューヨークフィルの副常任指揮者を務めていた小澤征爾だった。
このあたり、面白いでしょう、つながっていて。
ものごと、知れば知るほど面白い。
私はもちろんロックが大スキ(70年代中盤まで)だけど、30年チョット前からジャズを聴き始め、さらにクラシックを聴くようになって、人生が何倍も豊かになったですよ。その分「もっと聴きたい!」という欲望もどうしようもなく膨れ上がっているけど…。
ホント、いろんな音楽を聴くのは面白い。
今、現代音楽を頻繁に聴く傍らオペラにボチボチに挑戦しているんだけど、浪曲なんかも聴きたいと思っているんだ。
三宅さんの記事では久しぶりに大脱線しているが、もう「ひと脱線」。
日本の印象をテーマにした作品っていうのがジャズにもいくつかあって、例えばDuke Ellingtonの『Far East Suite(極東組曲)』、Dave Brubeckの『Jazz Impressions of Japan(日本の印象)』、Horace Silverの『Tokyo Blues』…どれもみんな秀作なんだよね。
日本オリジナルの文化ってホントにすごいと思うんですよ。みんなでブッ壊しちゃった!

240v『Orchestral Supreme』のキラー・チューン、「if」。
このギターの音!

260

曲を追うごとに激しくなる三宅さんの演奏を迎え撃つふたり。

250音と汗の壮絶なぶつかり合い!
290v

感情豊かに「petal」をプレイ。
三宅さんの愛奏曲だけあって最高に密度の濃い演奏だ。
300v

「一定のリズム・テンポで演奏する」ということを捨て去り、曲に命を与え、その曲と時間を共有する…という曲。

280v演奏していても、「曲に身も心も委ねる」感がとても強く、最も命を削られる作品だという。
それが三宅さんの「幸せ」なのだそうだ。

230v

最後は「virtue」。
「スリーピースのロックバンドが激しいブルースの演奏の演り方で、ヴィヴァルディがようなく美術的な旋律をプレイする」ことを標榜している曲。
ん~、わかるようなわからないような…とどのつまりはMiyake Musicだ!
270v

三宅庸介の詳しい情報はコチラ⇒Strange,Beautiful and Loud

310Strange,Beautiful and Loudの演奏をタップリ浴びたところでゲストが登場。

320ichiro!

330v緑コーナーのichiroちゃんはASTORIA CLASSICをプレイ。
以前にもMarshall Blogでレポートした通り、CLASSICはichiroちゃんのお気に入り。

340v

極上のクリーン・トーンが身上のASTORIA CLASSIC。

335対して青コーナーの三宅さんはDUAL。
前回のSound ExperienceではCLASSICをプレイしてくれたが、今回はDUAL。
三宅さんのDUALへの評価が期待よりはるかに高かったのは意外だった。

350クリーン/オーバードライブの2チャンネルがチャーム・ポイントのDUAL。

ASTORIAシリーズの詳しい情報はコチラ⇒【Marshall Blog】いよいよASTORIAが出るよ!

355曲はichiroちゃんの歌でJimi Hendrixの「Angel」。
ともにJimiを敬愛するふたりにふさわしい選曲。

360v

曲の後半は期待通りのソロの交換。

370キャリアの長いふたり…もちろん以前からお互いにその存在をよく知ってはいたが、ナント、先日開催された大阪のイベントで初めて実際に顔を合わせたという。
その時、「いつか一緒にできたらいいね!」という話をしたが、その機会がすぐにこうして訪れた。
すなわち、一緒に演奏するのはコレが初めてということになる。
二人の独自のギター・スタイルの激突だけあって、私もこの日をすごく楽しみにしていた。

3802曲目はまた「Littel Wing」かと思いきや…三宅さんの歌で「Manic Depression」。

390vイヤ~、お互いが自分の言葉で自分の物語を聴かせてくれる素晴らしい展開!
しかも、ASTORIA!
二人のスタイルをそのままアンプリファイすることにかけてはこれ以上の役者はいまい。

400_2ブルース色の濃いシャープなフレーズを三宅さんに付きつけるichiroちゃん!

410豪快にしかも繊細にichiroちゃんにのしかかる三宅さん!

S41a0020 この素晴らしいギター・サウンド!!ヨダレが出るわい。
日本ASTORIA史に残る名競演だった。
見た人ラッキ~!

ichiroの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

4301965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 前半:2016年6月22日 三軒茶屋GRAPEFRUIT MOONにて撮影)

2016年8月19日 (金)

MAGIC OF LiFE 『ワンマンツアー2016~紫陽花ヲ栞~』

「ノッテる!」という言葉がすごくシックリくるバンドではなかろうか…MAGIC OF LiFE。
2月の千葉を皮切りに、Marshal Blogでレポートしたあの楽しかった『栃フェス』をはさみ、6月に3都市をまわる全9公演からなるワンマン・ツアー『~紫陽花ヲ栞~』を終了させた。
バンドに勢いがあるもんで、このレポートがものすごく古臭く感じちゃうんだけど、順番だから仕方ない。
6月下旬に開催された、ツアーの千秋楽の模様をお伝えする。
会場は満員の赤坂BLITZ。

10今か今かと開演を待ちわびるファンの前で披露したオープニングは「DOUBLE」。
このライブの約一週間後にリリースを控えていた新しいシングル曲。

20高津戸信幸

30v山下拓実

40v渡辺雄司

50v岡田翔太朗

60v翔太朗くんはNATAL。
歯切れのよいトーンが、切れ味鋭い翔太朗くんのドラミングをサポートする。

70v昔からドアタマに新曲を持ってくるのは、その作品に自信があると相場がキマっとる。
もっとも自信がなければシングルでなんか出さないけど。

80Dirty Old Menの頃から、カレコレずいぶんこのバンドを拝見しているが、最近はそのパフォーマンスが富に「自信」に満ち溢れているように感じる。

90そして、緩急自在な演奏からは自分たちが作っている音楽への愛情がヒシヒシと伝わってくるね。

95これまでに発表されたアルバムやシングルの人気曲を次々と披露しショウは進んで行く。

100もちろん名曲「スターチス」も。

110この曲好きなんだ~!チョット切ないサビのメロディにドキンとしてしまう。

120迫りくる人気曲と気合の入った演奏に会場は上へ下への大騒ぎ!

130バラードでもリリカルなMAGIC OF LiFEを聴き逃すまいと、ステージの高津戸さんに熱心な視線が集まった。

140MCコーナーでは翔太朗くんも大フィーチュア!
この人もしゃべるの滅法ウマいわ!

150盛りだくさんのステージは「箒星の余韻」で本編を締めくくり、アンコールに3曲応え、ツアーの千秋楽を終了した。
こんなことワザワザ書かなくてもいいんだけど、世代の違いから正直若い人たちのロックにはなかなか溶け込めないでいたし、今でもそういう局面は少なくないんだけど、このバンドは曲に深みがあってすごくいいね。
コレは決して「上から目線」なんかでは決してなくて、「年寄り目線」ね。
カッコつけて言えば、ロック、ジャズ、クラシック、民族音楽と、音楽の酸いも甘いも通過した、不必要に耳の肥えたオッサンの正直な感想だ。
何回も何回も聴いているウチに曲のいいところが見えて来る。
そして、ああでもない、こうでもないと、苦しみながら自分たちの音楽を作ろうとモガいているところに感動するのだ。

160さて、そのノッてるMAGIC OF LiFEの最近の活動に目を向けてみると…。
今日のオープニング曲となったシングル『DOUBLE』を5月25日に発売。
4月より放映された(現在は終了)テレビアニメ『ジョーカーゲーム』のエンディング・テーマ・ソングだ。

170cd_4そして、8月31日には劇場上映アニメ『弱虫ペダル SPARE BIKE』の主題歌『はじまりの日々』がシングル・リリースされる。
スカパー!の『弱虫ペダル』の主題歌「スキルフラワー」とのカップリング。
コレ、すごい人気なんでしょ?
我々の世代の自転車系マンガといば~、自転車で日本一周にチャレンジする丸井輪太郎を描いた『サイクル野郎』。相棒は寿司屋のセガレ、陣太郎だ。(まぁ、私もよく覚えているな~。アレ、連載は少年キングだったかな?)
それと少年マガジンに連載していた、競輪がテーマの『ひとりぼっちのリン』だったな。
180cdさて!
ここでお立会い。
この「はじまりの日々」のMVが先日公開された。
どなたさまもチョット見てください。

ん~、この疾走感!
いい曲だ。
そして、もうひとつ。
こちらは「スキルフラワー」。

ね~!NATAL大活躍なのよ!
NATALがMAGIC OF LiFEの音楽の一部になってるのだ。
まだ終わらない。
MAGIC OF LiFEは来る9月7日にニュー・アルバムの発表を控えているのだ!
タイトルは『X-1A』。
なにやらかなりの意味ありげなタイトルだけど、今は調べるのをやめておこう。

190cdこのアルバムに収録されている「zero」もMVに仕上がっているので紹介しておこう。
コレは上でレポートした6月19日の赤坂BLITZの時のもようだ。

ニューアルバムのリリースに合わせて10月からツアーも予定されている。
スタートは宇都宮。やっぱ栃木だよね~!
すさまじい勢いで前進するMAGIC OF LiFE。
これからの展開が楽しみだ!

MAGIC OF LiFEの詳しい情報はコチラ⇒official web site

290v1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト

(一部敬称略 2016年6月19日 赤坂BLITZにて撮影)

2016年8月18日 (木)

Jubilee家の新しいメンバー、2536A

楽しかった夏休みもアッという間に終わってしまいましたね~。
今日からMarshall Blogを再開しま~す。


今年はオリンピックと重なっていたので、不眠で楽しんでいた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
なんかもうチョット気の利いたことを書こうかと思ったけど、ナニもネタがないな…。
「夏休みの思い出」というと、小学校の時のプールとラジオ体操ぐらいだからね。
今となっては夏休みどころか、完全に土日もなくなってしまって、曜日がサッパリわからなくなっちゃった。
中古レコードのバーゲンがある水曜日ぐらいかしらん?それも月に一回きり。


どんなに小さくても構わないので、軽井沢あたりに別荘があってサ、PCを持ち込まないで読みたい本と好きなCDだけを持って行ってユ~ックリ過ごす。読書に飽きたらあたりを散歩。採れたての野菜を分けてもらって…こんな一週間を送りたいものだけど、それとて何かと後のMarshall Blogのネタになりはしないかと思いを巡らしてしまう。
結局、Marshall とMarshall Blogのことで頭の中はパンパンで、半日も経ったらパソコン買いに上田まで出かけちゃう。
「あ~、やっぱりパソコン持って来ればヨカッタ~!文章書きて~!写真撮りて~!」と後悔。
ナンダカンダでユックリすることなんて出来なくて二日目には東京へ戻って来ちゃう。
こういうことですな、やっぱり。「酒飲みの二日酔い」みたいなもんですわ。
皆さんはどんな夏休みをお過ごしになりましたか?

そんな夏休みの期間中にMarshallから新商品リリースの連絡が入った。
それはJubilee一家に新しい家族が増える…という一報だった。
Marshallの創立25周年、Jim Marshallの音楽ビジネスでのキャリア50周年を記念し、1987年に発表されたJubileeシリーズ。
それから28年。
Marshallの代名詞とも言えるスタック・アンプの生誕50周年を記念して、そのJubileeシリーズが昨年リイシューされた。
この辺は復習ね。
リイシューされたのは100Wヘッドの2555X。
「X」は「リイシュー」という意味。
1987年の発表当時は100Wと50W(あるいは50W/20W)の出力の切り替えが大きな話題となった。
今ではビギナーでも知っているこの機能は30年前には、ビックリして座り小便をしてしまうぐらいの衝撃だったようだ。
今回のリイシューに当たっては、さすがにそれに驚くギタリストはいなかったであろうが、このトーンは時空を超えて大きなインパクトと化し、真空管アンプの素晴らしさに重きを置く欧米の国々で大きなヒットとなった。
そして、日本でもこのオリジナル・トーンに魅せられ2555Xを愛機に据えたギタリストも少なくない。
やっぱりMarshallには「オリジナル」という言葉が似合うブランドのひとつだ。

10_5当然、キャビネットも同時に復刻された。
CelsestionのVintage30を搭載した4×12"の2551AVと2551BV。

20_22×12"の2536。

1_2536_2
そしてMini Jubileeという名称で登場した2555Xのチビッコちゃん。
モデル名は2525H。20W。

40_2

2555Xと比べるとこんなに小さいの。
小さいJubileeは今に始まったことではなくて、以前にも説明した通り3005 Lead12というミニ・スタックを取り扱っていた。

30_2同時にリリースされたのは2525Hのコンボ・バージョン、2525C。
オリジナルのJubileeにラインナップされていたコンボは2554(1×12")と2558(2と12")というモデルで、アメリカの広告には「Marshall Jazz」という惹句の元、Bill Friselが登場していた。50_2これがMiniのJubileeシリーズ。

60_2藤子不二雄のマンガって、昔から「主人公の子+ドッカから来た相棒」のコンビから始まって、その相棒の親だの兄弟だのが登場してくるパターンて多いじゃない?
ネタを作るにあたってはキャラクターを増やすのが一番ラクだからね。
Jubileeもそんな感じになってきたぞ!
それにしても小さい頃、「藤子不二雄ってひとりじゃないのよ」とお母さんから教えてもらった時は結構ショックだった。「そ、そんな天地真理じゃあるまいし…」なんて誰もわかんねーか?というより時系列がメチャクチャだ!
で、もっと小さくしたJubileeが~、限定で発売されたMS2J。
ココまでは既発品。
そして、今回発売された新しいJubilee一家のメンバーとは…

70_2コレ。
2x12"のスピーカーキャビネット、2536A。
仕様は…
● 2 x 12” Celestion G12 ‘Vintage 30’
● 入力140W
● モノ8Ω

80

80bそして、取り出だしたるは2525H、Mini Jubileeヘッド。
コイツを2536Aに乗せてやると…

90_2こうなる!
カッコよくね?
「A」がついているけど、「B」はない。
「A」は「Angled」の「A」ね。「B」キャビ作って三段積みにしてみたい気持ちもなくはないけど、すぐに倒れちゃうよ。

100

100b

2536A、Jubilee一家の新顔のキャビネットくんをよろしくお願いします。

ちなみに…「Jubilee」というのは、50年に一度の周期で祝賀が行われるユダヤ教の慣習に基づいている。
結婚記念日の名称も元はコレ。50年の半分の25年がSilver Jubilee(銀婚式)、50年がGolden Jubilee(金婚式)ね。
シンバルの老舗ブランド、ジルジャンが大分前に『創業375周年』を祝ったことがあったのだが、「なんでそんなハンパな年にお祝いをするんだ?」と不思議に思ったが、375は25で割り切れるもんね。
したがってこの次は400周年を祝うことになるハズだ。
Marshallは、次は2034年だ。

2016年8月12日 (金)

Marshall Roadshow~ASTORIA, ROAD to YAMAGATA(アストリア、山形珍道中)

♪行くぜ東北 レールに乗って コリャたまらんらん…。

東北新幹線は仙台までは乗ったことがあるんだけど、山形新幹線はコレがうまれて初めてのこと。
すなわち山形を訪れるのも、我が人生で初めてのことだ。
あ~、こういう景色、たまにはいいな~。
ナンカ、本当に目がよろこんでいるような感じがするわ。
今回は「出張Marshall Roadshow」。
企画はMarshall Blogではおなじみのギタリスト、関雅樹。
関ちゃんは頻繁に山形に来て演奏している当地のスター・ギタリストなのだ!
ちなみに今日のタイトルの「Road to YAMAGATA」はビング・クロスビー、ボブ・ホープ、ドロシー・ラムーアの「珍道中シリーズ」から。
「珍道中シリーズ」の原題は「Road to ~」だった。
だから「Road to Yamagata」で「山形珍道中」。
へへへ、実はこのアイデア、穐吉敏子の受け売りなんだ…。

10米沢を通過。
良質な肉牛で知られる米沢。「米沢牛」って反対から読むと「牛沢米」になるの知ってた?
どっちに転んでもおいしいよ~!
次の駅は「おいたま」。「置賜」のこと?

20到着~!
「やまがだ」?
ウワ!いきなりナマってる?!…と思ったら、「だ」ではなくて、「た」に「"(ダブル・クォーテーション・マーク)」が付いているだけだった。
スゴイな~、方面を案内する標識には「県庁・市役所」と「ホテル」しかない!

30改札を出ると早速さくらんぼ!

40駅舎はこんな感じ。
松本みたいだな…。
昔はもっといい感じだったんじゃないかしら?
日本は駅舎がツマラなすぎる!

50関ちゃんに駅まで迎えに来てもらって早速昼食。
老舗のそば屋に連れて行ってもらった。

60へぎそば。
これは二人前。食いしん坊の私が関ちゃんとシェアしてちょうどよいぐらい。
ところが隣にいたオジちゃんはコレに天ぷらをつけて一人でペロリと平らげていた。結構ビックリ!
関ちゃん曰く、「山形の人はよく食べるんですよ~」。
山形の麺類で有名なモノに「冷やしラーメン」というのがあるらしい。
現時点での「日本の最高気温」のチャンピオンは2013年に高知は江川崎という場所がマークした41.0℃らしい。
2007年の埼玉の熊谷と岐阜の多治見が40.9℃で次点。
残念ながらそれらの地点の後塵を拝し、今でこそ第四位に甘んじてしまっている山形だが、かつては1933年に40.8℃という記録を樹立して以来、74年もの間、日本で一番暑い場所の座を守ってきたのだ。
ヤダね~。
そういう背景もあって、この「冷やしラーメン」というモノが考案されたのだろう。
「熱いラーメンを食べたいけど、夏の間は暑くて食べられない」…みたいな。
何せこの「冷やしラーメン」という代物、冷やし中華とは全く種を異にするもので、普通の熱いラーメンをただただ冷たくしただけというモノだと聞いた。
先人の知恵というか、出来心というか、ヤケクソというか、アタシャとても受け付けそうにないな~。実際、現地の方々でも賛否が分かれていた。

70なんだってそんなに暑いのかという、山形が盆地だからというワケ。
へ?盆地?
「ぼんち」って「おっさむちゃんで~す」の?んなワケない。もう誰も知らない。
山に囲まれているせいで、フェーン現象が発生して、いいように暑くなっちゃうアレ。
私ね~、実は山形って海べりかと思っていたのよ!マジで。
ずいぶん変な所で新幹線が止まるな~って思ったの。
考えてみると酒田と勘違いしていた。
お恥ずかしい…。

タマにはこんな写真も…。
私がかけているサングラスはMarshall EyewearのJOHNNYというモデル。

80街をしばし見学。
グエッ!
だ、誰もいない!

90山形市は空襲を免れたため、古い建物が結構残っていていい感じ。

100_2好きなんだ~、こういうの。

1_img_0090ロンドンに頻繁に行くようになり、あのクラシックで美しい街並みを目にするようになってからというもの、余計に日本の古い建物に目が行くようになった。
いつも書いているけど、関東大震災と東京大空襲さえなければな~。東京だって京都に負けないどころか、世界一の観光都市になっていたと思うんだよね。

130市内唯一の大型楽器店が入っているビル。
1_img_0094コレは圧巻だった!
ナンダよ~、いいのあんじゃん!

150この建造物は「文翔館」といって、大正5年に落成した旧県庁舎。
昭和50年まで県庁舎として使用されたそうだ。
大正5年というと、1916年。今年で丁度100周年を迎えている。

160隣接しているのは旧県会議事堂。
ともに国の重要文化財に指定されている。

1_img_0104もちろん中を見たかったんだけど、あいにくお休み!
なんだよ~!
でも、また山形に来る目的ができたかな?
前庭では保育園児たちが楽しそうに遊んでいた。

180さて、今日の目的地はココ。
「Lover Soul」というバー。

190v「ラバー・ソウル」ってぐらいだから、入口にはさっそくFab Fourの顔が!

200v店内に入ってビックリ!

210集めも集めたり、どこもかしこもThe Beatlesグッズ!

220

230どこを見回してもおなじみの4人の顔だらけ!

240

250私はこういう、モノがたくさんあって、グチャグチャしているところが大スキなのよ!

260

270ドワ~、トイレものこの通り!

280目が回る~!

290フィギュア類も充実している。

300こんなんとか…

310イエロー・サブマリンとか…。

330コリャまたずいぶんスマートなレノン様だこと!

320v
メニューも徹底してる。

340このハッピを手にするには力が入ったとのこと。

350シングル盤のコレクション。

360vなかなか進んでいないんだけれど、四人囃子の岡井大二さんへのインタビューの文字お越しに長い間取り組んでいましてね。
ビートルズや日本のロック前夜を実際に経験した大二さんにその当時のご経験を語って頂いたの。
メッチャおもしろいよ。
まだMarshall Blogにアップできるまで時間がかかりそうだけど、お楽しみに!

370ところで、ナンダってココへやって来たのかというと…コレコレ。
このLover Soulで『Marshall Roadshow』を開催したのだ!
「Seki Plays ASTORIA」と題して、話題のASTORIAを実際に持ち込んで山形のギター・バカ、イヤ、ギター好きの皆さんに試してもうらおうという企画。

375…というのは、山形には大きな楽器店がさっきの一軒しかなくて、特にロック系の楽器が置いてあるお店になると、隣りの天童市まで行かなければならない。
そこにASTORIAが置いてあるとも限らない。
それならば…と、こちらからASTORIAを持って行ってお見せしちゃおう!というワケ。
関ちゃんが予め盛り上げていてくれたおかげで、「緑」だの「赤」だの、ATORIAの前評判は上々。

ガチャリ!
お、早くては、お客様だ来てけだとれ!
みんな、ギターばたがってだ~!
ないだて、うれすいごど!
380_2まずはよ、お願いばして私がASTORIAの説明どが、開発の裏話(うらばなす)ば、さしぇで もらったっけの。
かいずが、オラえの仕事だがらて。
みんな「んだのがぁ!んだのがぁ!」って聞いでけだっけのよ… ありがど様な~!

390vASTORIAだけんねくて、Eyewearどが、Stockwellばも紹介ば、さしぇでもらったっけの。
Stockwellば「麻雀パイのケースみだいだごで~」だど!! じょんだず!!
ほだいして言われっど、んだずね!
今時、ほだな例えよスンナリ出て来ねずね。
さすが 山形だこど!!
私も麻雀ばわ、すねっがったげんと、今の若い人だ、麻雀パイのケースあて、見だごどないんねがぁ?!
490
ほして、関ちゃんのデモンストレーション&ミニ・ライブ!
関ちゃんは、もうは、ノブ&フッキーの大ステージでASTORIA CLASSICば使ってけっだんだもは~。
ちぇっとばり前の ドイツ大使館でもよは、やんばいいい音ば聞がしぇでけだっけ。

400vバッキング・トラックなし、一部ループ使用のソロ演奏だど!
420v

「Mercy, Mercy, Mercy」…

410「Lady Violetta」等をプレイ。

430関ちゃん  こいな仕事ばわ、慣れっだがらて、ほんてんじょんだな~
ほして、何よりよASTORIAの音がよ、気持ち良さそうだどれ!

440v後半さはゲストが登場だべした!

450LoverSoulのマスター、 ジョージ半澤さん!
山形市ば代表する名ギタリスト。
まずは The Venturesの「Pipeline」ば。

460vこいっちゃはママのエリカさん。
もうよ、すこだま明るくて、おもしゃくて、チャーミングな人!
スッカリ魅了されだっけもは~!
480
ちゃんと演奏ば聞いっだんだが?!
ずほ、ずほ!
ちゃんと要所要所ば、押さえっだがして「Pipeline」の「♪テケテケテケテケ」に合わせでよ、華麗な舞いば、見せでけだっけな。
Stockwellば、たがったのはママの親友ちゃんだど。
すっかり眼鏡ば気に入ってけで、今ではよ、Marshall Eyewearば愛用してけっだのよ!

500
マスターの歌で「Crossroad」。
マスターは DUALば使用したっけず。
極上のトーンでブルージーなソロば、たっぷりど聞がせでけだっけ。

470ミニ・ライブ後のはお待ちかね試奏タイムだべ!

510持ち寄ったお気に入りのギターば、ASTORIAさ繋いでは 大騒ぎったなね!

520みんなおもしゃそう~!うらやますいごど~!

S41a0060 んで、最後はよ、記念撮影だべしたね。
いや~、楽しっけな~!

530お店はよ、ほのまま 通常営業さ戻ったんだべした~!
っと、知らない間に山形弁になってたわ~。
ココからは標準語に戻る。『オズの魔法使い』みたいでしょ?
巻末に標準語に翻訳したバージョンを付けておいたので、上の山形弁が読みほどけない人は、後で下をご覧アレ。

Roadshow終演後、マスターやママさん、そして居合わせたお客さんから山形弁や山形文化について色々と教わった。
そうしている間も音楽好きの常連さんたちが入れ代わり立ち代わりやってくる。
下のお客さんもそのおひとり。
山形弁についてひとしきり語った後、持参していた四角いケースをおもむろにパカっと開けると、そこには10ホール・ハーモニカがズラリ!
それを見たマスターが壁にかかったアコギを手にする。
「キーは?」とマスターが問うとそのお客さんが「ズー」と答える。「ズー」とは「G」のことだ。
『E.C. Was Here』の「Ramblin' on my Mind」のようだ!(訛りの話しね)
お客さんが山形をテーマにしたオリジナル曲を歌い出す。
アレ?どっかで聞いたことあるな~…と思ったら、コレ「Georgia on my Mind」じゃん!
つまり「Yamagata on my Mind」!
まさか、「on my mind」も楽屋落ちで狙ったんじゃないだろうな…。
コレがすごくよくてね~。
何という素敵な雰囲気!
550

私は根っからの東京生まれ、東京育ちで、就職して支店勤務になるまで地方の事情を知ることがなかった。
それで初めて富山に移り住んだ時、ひとりでジャズのライブハウスに出かけて驚いたことがあった。
満席のその店、私ひとりを除いて全員が知り合いなのだ。
すさまじいまでのアウェイ感!疎外感!寂寥感!
完全に知らない国にひとりで来てしまったようで、この雰囲気は長野に住んでいた時も同様だった。
ところが、このLover Soulはライブハウスではないにせよ、何しろ雰囲気がよくて、その空間にいれば、例え山形弁が思うようにしゃべれなくても、みんなが竹馬の友のように温かく手をさしのべてくれる。
こんなことを書くと富山や長野の人が意地悪と言っているように見えるかも知れないが、まったくそんなことはないからね。現に私は長野が気に入って一時真剣に永住を考えたぐらいだったんだから…。
というのも、山形の人はすごくおとなしいんだって。
「♪めでためでたの若松さまよ」で有名な花笠まつり。
アレはココ山形の大祭りなんだけど、これが実にユ~ッタリしたお祭りで、三社の勇猛さのカケラもないらしい。
山形の人達は、花笠まつりが東北三大祭りに入れてもらえないことに対してヤキモチを妬くワケでもなし。
そんな大祭でも、踊りの連がゆ~っくり通り過ぎるのをただボーっと見て楽しむだけなのだそうだ。
ま、暑いから動けない…という説もあるらしい。
そして、ギターを持参してASTORIAを試してくれた方々。
このハーモニカのオジちゃんもそうだけど、極自然に音楽を楽しんでいる…という印象を受けたな。
娯楽が少ないせいか、生活の中に音楽がある感じがした。
東京でもこうした空間がもちろんたくさんあるんだろうけど、大都会から遠く離れた地方都市でのこういうスペースは特別なオアシス感が漂っているのだ。
とにかくそんな素敵な空間で楽しい人達と最高の時間を過したのであった。
下の写真、向こうで関ちゃんの向かって右に座っていらっしゃる方は東さん。
関ちゃんの現地のパートナー的存在なんだけど、「頑強」を絵に書いたような方で、あのクソ重いASTORIAを小指一本で持ちあげたのには驚いた!(ウソです。でも本当にあまりにも軽々と持ちあげていらした)

Img_2161 それと、ハラがよじれるほど笑ったのがあの山形弁!
何しろ、あの言葉の響きがユーモラスなんだよね。
色々教えてもらってきた!
私も「言葉」に興味があるのと、Marshall Blogネタのためにしつこく根掘り葉掘り質問したんだけど、一切イヤな顔をせず、面倒がらず皆さんが丁寧に教えてくれた…どころか、「イヤ、そんなごど言わね」とか「んだば、コレ知ってっげか?」と言って、ネイティブ同士で方言自慢をしてしまう始末。
なにしろ、やたらと「゛」が付いちゃう。
「訛り」のことをしつこく話題にしたりしたら、ヘタすりゃ「バカにしてんのけ~?」なんて怒られそうだが、全然おもしろがっちゃってんの。
そう、山形弁もチョット地域が異なると言葉が変わってしまうのだそうだ。
これって「村々にその土地の英語がある」とか「100m移動すると使われている英語が変わる」とかいうイギリスの地方の英語と同じじゃん!
現地の人はメールも山形弁で書くので、予測変換では山形弁表記が一番最初に出て来るそうだ。
560
おもしろい表現をいちいち挙げるとキリがないので特に印象に残った表現や習慣を記しておくと…
★「かき回す」ことを「かます」とか「ガイロガイロする」と言う。「ガイロ」って一体何だろう?
★東京の感覚で言えば(正しくは横浜)、「じゃん」のような接尾辞のバリエーションがおもしろい。
一般的だと思われるのは「はぁ」。文尾にナゼか「はぁ」を付ける。
コレが北に行くに従い「ごで 」→「ず」→ 「くせ 」→「にゃあ」→「じゅう」→ 「の(こちらは庄内弁)」と変化するはぁ。
現地の人達はこの接尾辞でどこの出身かをズバリ言い当てることができる。
ヒギンズ教授かはぁ?
★お詫びの表現の三段活用:「われっけな~」、「われな~」、もっとも軽いのが「われ」。
★お客さんを迎えた時のおもてなしの出前といえば、東京の感覚では寿司かうなぎということになろうが、山形では大抵ラーメンを出前してもらうらしい。
★こっちから電話をかけて名乗る時、ナゼか過去形になる。
つまり「もしもし、●●です」ではなく、「もしもし、●●でした」と話し始める。
ちなみにコレは長野でも散見される現象で、お正月になると、「明けましておめでとうございました」と過去形で挨拶する。
まさかコレは英語からの影響であろうか?英語では時制を過去にシフトバックすることで丁寧な表現を作ることができる。
★我々は①のことを「まるいち」、(1)のことを「かっこいちと読むが、山形の人は「いちまる」、「いちかっこ」と読む。
シマッタ!山形では「いっせーのせ!」か「いっせーので!」かどちらを使うのか訊いてくるのを忘れた!Erikaママ、教えて!
…まだ他にも笑い転げちゃうようなのがたくさんあったんだけど、コレぐらいにしどぐはぁ。

1_s41a0062 もし山形を訪れる機会があったら皆さんも是非Lover Soulへお出かけくだされ!
いらっしゃる機会があれば「Marshall Blogを見ました!」とErikaママさんに伝えてください。
「よう来たはぁ」と言ってもらえます。
割引はありません。

Lover Soulのちょっと詳しい情報はコチラ⇒サッポロビール関連サイト

Erikaママのfacebookはコチラ⇒Erika Hanzawa (Lover Soul)

1_img_0001 そして、この晩投宿したのはコチラ、山形グランドホテル
東さん、お世話になりました。ありがとうございました!

570お邪魔した翌月には関ちゃんがギターを弾いているノブ&フッキーのディナーショウが開催された。

580イヤ~、ホントにおもしろかった~!
帰りに産地直売でさくらんぼをお土産にゲット。東京の半額!
それと関ちゃんから「山田屋のふうき豆」のお土産まで頂いちゃって…コレ、メッチャおいしいね!
関ちゃん、色々とありがとうございました!
あ~あ、また行きたいな~、山形(暑い時期は除く)。

関雅樹の詳しい情報はコチラ⇒The Website of Masaki Seki

ASTORIAの詳しい情報はコチラ⇒Marshall Blog

※山形のさくらんぼって、よく絵に書くように必ず二個ペアになってるんだよ。

590(一部敬称略 2016年6月5日 山形市Lover Soulにて撮影  ※方言指導:Lover Soul Erika ご協力ありがとうございました!)

※Marshall Blogは明日より夏休みに入ります。8月18日頃に再開する予定にしています。
読者の皆様におかれましても楽しい夏休みをお過ごしください。
私はマーブロの仕込みをやってま~す!


<【巻末特別付録】標準語翻訳バージョン>

ガチャリ!
お、早くもお客さんが来てくれた!
みんなギターを背負ってる~!うれしいね!

380_2
まずは、お願いをして私からASTORIAの説明やら開発の裏話をさせて頂いたよ。
みんなフムフムと聞いてくれてありがたや。

390v
ASTORIAだけでなく、EyewearやStockwellも紹介させて頂いた。
Stockwellのこと、「麻雀パイのケースみたいの」だって!ウマい!そういわれてみりゃそうだ!
今時、そんな例えはそうスンナリ出て来るもんじゃない。さすが山形!
私も麻雀をやらなかったけど、今の若い人は麻雀パイのケースなんて見たことないだろうナァ。

490
そして、関ちゃんのデモンストレーション&ミニ・ライブ。
関ちゃんはすでにノブ&フッキーの大ステージでASTORIA CLASSICを使っている。
こないだのドイツ大使館でもいい音を聞かせてくれた。

400v
バッキング・トラックなし、一部ループ使用のソロ演奏。
420v

「Mercy, Mercy, Mercy」

410
「Lady Violetta」等をプレイ。

430
関ちゃん、こういう仕事に慣れていて実にウマいんだな~。
そして、何よりもASTORIA CLASSICの音が気持ちよさそうだ!

440v

後半はゲストが登場!

450
Lover Soulのマスター、ジョージ半澤さん!
山形市を代表する名ギタリスト。
まずはThe Venturesの「Pipeline」を。

460v
こちらはママのエリカさん。もう最高に明るくて愉快でチャーミングな人!スッカリ魅了されてしまった!

480
あまり演奏は聞いてない?
ウソウソ、ちゃんと要所要所は押さえていて「パイプライン」の「♪テケテケテケテケ」に合わせて華麗な舞いを見せてくれる。
Stockwellを持っているのはママの親友ちゃん。
すっかりメガネが気に入って今ではMarshall Eyewearを愛用してくれている。

500

マスターの歌で「Crossroad」。
マスターはDUALを使用。
極上のトーンでブルージーなソロをタップリと聴かせてくれた。

470
ミニ・ライブの後はお待ちかねの試奏タイム!

510
持ちよ寄ったお気に入りのギターをASTORIAにつないで大騒ぎ!

520
みんな楽しそう~!うらやまし~!

S41a0060
で、最後は記念撮影。
イヤ~、楽しかったな~。

2016年8月10日 (水)

ずっと前から好きでした~告白実行委員会~」大後夜祭~HoneyWorksのNATAL

異性に自分の恋慕の情を「告白」する…ソレって一体どういう気持ちだっけ?
もうスッカリ忘れちゃったな~。
…というか、私は中学から男子校だったので、取り分けそうしたロマンスの経験は少なかった。
イヤ、ほとんどなかった。
Frank ZappaやJimmy PageやRobert Fripが恋人だった。
スポーツが好きではない私は、中学と高校時代、ほとんどロックとギターのことしか考えていなかった。
ま、「好きな女の子がいなかった」といえばウソになるし、彼女がいるヤツをうらやましくも思ったよ。
でも、男子校生ゆえ、女子と接触する機会は朝の通学電車ぐらいのことで、我々の世代は女の子に気軽に声をかけるなんてそう簡単なことではなく、命に危険が迫って救急車を呼んでもらう時ぐらいしかそんなことできなかったものだ。
…ということを「告白」して今日はスタートする。

東京フォーラムのホールA。
この日はダブルヘッダーで、遅れての到着。

10v演目はHoneyWorksの『ずっと前から好きでした~告白実行委員会~」大後夜祭』。
「告白実行委員会」…高校の時にあったら、委員をやってたかもな~。


ご存知ないMarshal Blog読者のオトッつぁんたちのためにHoneyWorksを説明しておこう。
通称は「ハニワ」。出身は佐賀ではない。アレは「ハナワ」か…。
実は昨年にも一度Marshall Blogにご登場頂いている。
HoneyWorksはいわゆる「クリエイター・ユニット」で、2010年より「ニコニコ動画」にてVOCALOIDのオリジナル曲の制作を開始し、2014年1月にメジャーデビューした。
そして、『告白実行委員会〜恋愛シリーズ〜』は、HoneyWorksの曲で構成したシリーズ・プロジェクトだ。

20アータね、スゴイですよ。
野音の時も驚いたけど、今回もその熱気と人気にビックリ。
わかっちゃいるけど改めて驚いた。
フォーラムAの一階は色とりどりのケミカル・ペンライトを持った若い子たちでギッシリ!

そしてステージに目をやると…NATAL!
叩き手はAtsuyuk!。

30vキットはARCADIAのACRYLICシリーズ。
要するにアクリルのキット。
Atsuyuk!さんはいち早く導入して愛用してくれている。

40へへへ、実は「NATALのアクリルはカッコいい!」というご評価をアチコチで頂戴していましてね。
うれしい限りです。

50確かなテクニックに裏打ちされたドラミングでHoneyWorksの音楽を律動させるAtsuyuk!さん。

60vまた、このアクリルの音がいいんだ!
ものすごく音抜けがよく、粒立ちがカッキリしているの。
70NATAL ARCADIAのラインナップは、クリア…

80オレンジ…

90レッドの3種類。
よろしくお願いします。

100NATALがそのアクリルのサウンドを告白した夜なのであった。

HoneyWorksの詳しい情報はコチラ⇒Official Website

110v1965年創業のNATAL(ナタール)はMarshallのドラム・ブランドです。

M_natal_square

★NATALの詳しい情報はコチラ⇒NATAL Drums Official Web Site(英語版)
★NATAL製品は全国有名楽器店にてお求めください。
★NATALドラムは高田馬場バズーカスタジオでお試しになれます。バーチ、メイプル、そしてアッシュのキットの他、各種スネアドラムも用意しています。ドラマーの方、「NATALの部屋」ご指名でお出かけください。
詳しくはコチラ⇒バズーカスタジオ公式ウェブサイト


(一部敬称略 前半:2016年6月19日 東京国際フォーラム ホールAにて撮影)




2016年8月 9日 (火)

杉山勝彦校長の「かっちゃん感激‼︎」還暦ライブ!~BAD SCENEを見た!

昨年の4月にMarshall Blogで紹介したBIG ☆X PROJECTの杉山勝彦さんが還暦をお迎えになった。
杉山さんは「高井戸音楽スクール」の校長で、初めのうちは内輪で軽くお祝いをするつもりだったらしいのだが、徐々に話が大きくなって、とうとうライブハウスを借り切って、学校の講師や生徒さんが集まる記念ライブを企画してしまった。
それが今日レポートするイベント。
お祝い事だからね、全然いいんじゃないスか?
もうすぐまた別の還暦ライブのレポートをすることになっているが、それにしてもここのところ「還暦ライブ」の何と多いことよ!
今年あたりご還暦の方々というと1956年のお生まれ。
すると、ロックを聴き出す年頃を早くて15歳ぐらいとすれば、1971~1972年ぐらいか…。
今と違って、昔はロックは大人のモノだったからね…あるいはもう少し遅かったかもしれない。
1971年といえばLed ZeppelinやPink Floydが初来日(双方、翌年も来日)し、翌年にはDeep Purple、Free、EL&P、Jethro Tull、T.Rexといったグループがやって来た時代だ。
杉山さんがそれらのコンサートにいらっしゃったのかどうかはわからないが、いい時代だよな~。うらやましいよな~。
SHOW-YAのsun-goさんとも時々話すんだけど、我々の場合は5年遅かった!
で、何が言いたいのかというと、今年あたりに還暦をお迎えになっている先輩方は、そうしたロックの黄金時代の洗礼を受けたドンズバの世代ということなのね。
一方、一足先に還暦をお迎えになっている岡井大二さんのようなこの前の世代の方々は、GSの時代で、70年代初頭のロックの影響を受けながら、もう自分たちのロックをクリエイトし出していた世代だ。
いずれにしても、この周辺の方々はオリジナルにより近いいい時代のロックの薫陶を受けた方々なのだ。
そういうお方が主宰している音楽学校のイベントなので盛り上がらないワケがない!

10v冒頭、♪ドンドコドコドン、ドンドコドコドンと熱帯のリズムが勢いよく流れ出す。

20まずはにぎやかなタヒチアン・ダンスでスタート・ダッシュ!

30腰痛もイッパツでスっ飛びそうなシャープな腰の動きに観客全員が酔いしれた。

40続いて登場したのは…

50ひめかちゃん。

60杉山先生の愛娘。
フリも完璧!
コレ、カラオケじゃないからね。バンド演奏で完璧で歌いこなしたパフォーマンスは血統のなせるワザか?素人なら、ともすれば大人でも音程が取れなくてメチャクチャになっちゃうからね。

70続いて…

80冒頭に触れたBIG☆X PROJECTのシンガー、ボブ・テンバローや…

90vキッズ・ギタリスト、こうちゃんが登場!
「ギターのサイズと身長が同じだね!」なんて言われながら「Jumpin' Jack Flash」をプレイ。
完全に立派なものです!

…と杉山校長のご還暦を祝ってアット・ホームな雰囲気でイベントは進行した。
他にも講師&生徒さんのパフォーマンスが多数繰り広げられ校長先生の還暦を祝福した。

高井戸ミュージックスクールの情報はコチラ⇒公式ウェブサイト

100vあまりにも盛りだくさんなプログラムに進行が押してしてしまい、残念ながら他の機会に延期されるコーナーが出てしまったのは、何が何でも予定通り次のグループをステージに上げたかったから。
BAD SCENEの登場だ!

110金子光則

130v
杉山勝彦

120v三根生啓

以上の3人がBAD SCENEの元メンバー。
5人いたメンバーのうちの3人が結集したため、プログラムには「BAD SCENE (2/3)」と記された。

150v

2/5の穴を埋めるのはこの2人。
BIG☆X PROJECTのバンド・メイト、米山大輔と…

140v金森佳朗

160vBAD SCENEのギタリストは2人ともMarshallだった。
杉山さんは当時1987を使っていた。
50Wを選んだのは、大音量に至る前に歪みを得るためだ。
コレは確かではないんだけど、当時、杉山さんはMarshallとストラトキャスターを直でつないでいたような記憶があるんだよね。

170v今はJCM800 2203だ。

190vデビュー30周年を迎えるDOLLSのギタリスト、大輔さんもいつもMarshall。

200上が大輔さんのヘッド。

210vコチラはJCM800時代の1959だ。
お~、久しぶりにPB100を見たな…。

220オープニングは「Machine-gun Gig」。

230…といっても私は知らないのよ。
後期の曲なのかな?
私がBAD SCENEを知ったのは多分1978年もしくは1979年のことだと思うが、あの頃の定番曲といえば、「風に向かってぶっ飛ばせ」、「ペルシャの女」、「ライジング・ドリーム」、「フィーズ(チョット正確さに自信がない)」、「Bird of Fire」等で、そのどれもが日本のハード・ロック史に残るべき名曲だった。
この後に聴いた「ダンシング・ウィザード」も大スキだった。
それと、ベースの飯塚さんが弾くリフで始まる曲(キーはE)もすこぶるカッコよかったがタイトルが思い出せない。
でもそのリフのメロディは覚えていて今でも弾くことができる。あんなリフを作るバンドは他に日本にはいなかったからね。印象的だった。

240vたとえ知らない曲でもゴキゲンなヘヴィ・チューンはやっぱりBAD SCENE!

250続いては「In the City」。
この次に演ったシングル盤「SAHARA」のカップリング曲。
私はシングル盤になる前からこの曲を生で聴いて知っていた。
初めて聴いた時、正直AC/DCの「Let There Be Rock」みたいだな…と思った。

260_itcそれが一瞬にして吹っ飛んでBAD SCENEの曲になったのは「♪土曜の 夜に 飛び出す車に」の金子さんの歌声だった。

270v問答無用のストレートなドライビング・チューン。

280v超ノリノリの大輔さん。
それもそのはず、大輔さんはBAD SCENEの大ファンで、杉山さんに憧れてギターを弾き続けて来たのだ。
その憧れの師匠とBIG☆X PROJECTで共演しているだけでなく、とうとうBAD SCENEでギターをプレイしたのだ!

290v大輔さんとはまだお付き合いが短いが、BAD SCENEの話題でスッカリ仲よくして頂いて、音源の交換をし、「BAD SCENEが再結成すればいいのね~」なんて会話をしていた。
そして、こうした場面がそう簡単には訪れないと思っていた。
ところが!
形はどうあれ実現してしまったのだ!
もちろん大輔さんもこの再結成のこととを私に隠していたワケでは決してなくて、実際かなり急に進行したプロジェクトのようだった。
もし、知っていれば今日の記事のためにネタをキープしておいたんだけど、そんなこと夢にも思わなかったもんだからサ、アチコチで色んなことを書いちゃったよ!
興味のある人はコチラを読んでみて!
 ↓   ↓   ↓
RHYTHM OF FEAR <前編>~BIG☆X PROJECT

300そして、3曲目がそのシングル曲、「Sahara」。

310_shr知らなかったんだけど、この曲は水筒のCMソングになっていたんだってね。
そのコマーシャルを見た記憶がまったくないのはどうしたことだろう?
ハンフリー・ボガートじゃないけど「サハラ」だもんね、ノドは乾くわね。水筒屋もイキなことを考えたものだ。


※ハンフリー・ボガートの『サハラ戦車隊』という映画はメッチャおもしろいよ。
ついでにボギー関連では、『黄金』という作品を見るべし。ゴジラより絶対におもしろいと思う。原題は『The Treasure of Shierra Madre』といって、スピルバーグが手本にしている映画のひとつ。
あ、もうひとつ、キャサリン・ヘップバーンとの『アフリカの女王』も素晴らしい。
是非、生きているウチに見て欲しい。
アノね、私がススメる映画にハズレがないのは有名なのよ。全部死んだオヤジの受け売りだけど…。

30s マス・マーケットを意識した結果なのだろう、メロディはポップだが、そこはBAD SCENE、ハードでワイルドな仕上がりになっている。
350v
パンク/ニューウェイブのムーブメントを経て80年代に入り、MTVなんてのが出てきて、ロックが普及して急速にポップ化し出した時代。
私はこの「ロックのポップ化」がどうにもガマンできなくて、この頃から時のロックを聞かなくなり、ジャズに接近した。
この時、もしロックが歌謡曲に接近しないで歌謡曲がロックに接近していたらどうなっていただろうか?
考えてみると、今がソレなんじゃないかという気がしている。
今の若い子たちが夢中になっているロックね。

320今聴いても最高にカッコいい金光さんの声。
なんか独特なんだよね~。
声をやたらと張り上げるでもなく、絞り出すようにして歌う姿が実にクールなのだ。

325随所でフィーチュアされる杉山さんのギター。
何も変わっていない!杉並公会堂の時のことを思い出すナァ。

340v師弟コンビで楽しそう!
330

本編最後の曲…え~ッ!
ギタリストが1人増える。

360_bof椿本匡賜(つばきもとまさし)。
イヤ、椿本さんにはこのちょうど一月前に初めてお会いしたばっかりだったのよ!「アレ?」なんてお互いにビックリ。
Marshall Blogでレポートしている通り、椿本さんは矢沢永吉さんのZ'sのギタリストだ。

370vこの通り、Marshallを愛用して頂いている。
モデルはJVM410HJS。ジョー・サトリアーニのシグネチャー・モデルね。

380最後の曲は待ってましたの「Bird of Fire」。

390私がよく観に行っていた頃、BAD SCENEはこの曲をよくオープニングに使っていた。

400v「♪ズンズダズダ、ズンズダズダ」と「Whipping Post」あるいは「一触即発」風のリズムに乗ったリフ。
9thコードがクロマチックで上がったり下がったりする展開がスリリングだ。
410
初めて聴いた時、本当にマジで、「こんなカッコいい曲が演奏できる日本のバンドがいたのかッ!」と驚いたものだ。
430
当時は杉山さんの相方の鴫村さんというギタリストもMarshallだった。
しかしなんだね、こういう音楽はMarshallがあっての話しだね。Marshallのギター・サウンドがあるからこそ作られたロックなんだとつくづく思った。
それはナゼかというと、歪みや弾き心地等のテクニカルな要因だけではなくて、「空気」のようなものがそう感じさせているのではなかろうか。
「Marshall」という8つのアルファベットに詰め込まれた「ロックの空気」っていうのかな。
歴史と業績の重みだけが作りだすことのできる空気だ。
420v

変わることのないへヴィなBAD SCENEのサウンドがそれを再認識させてくれたような気がした。

440v

アンコールでは当日出演したギタリストが集合してBAD SCENEに加わり、「Stoned Night」を演奏した。

450藤井陽一

460v神田和幸

470vステージ上手は3人のギタリストで大騒ぎ。

480そして、杉山さんも当然…

490v加わってフォア・ブラザーズ!
「Four Brothers」はWoody Herman Second Herdの代表曲。
Zoot Sims、Serge Chaloff、Herbie Steward、Stan Getzの人気のサックス・セクションをフィーチュアして1947年に大ヒットした。The Manhattan Trasferのオハコとして知っている人も多いかもね。
ちなみにナゼか知らないけど、Woody Hermanは70年代に入ってFrank Zappaの「America Drinks & Goes Home」をカバーしている…あ、この話し、お呼びでないッスね!
何しろゴキゲンな展開!
これぞGood Scene!

500この日、杉山さんから「BAD SCENEの再結成」が発表された。
実現を望んでやまない。

杉山さん、還暦おめでとうございます!
益々のご活躍をお祈り申し上げております!

510(一部敬称略 2016年6月8日 下北沢GARAGEにて撮影)

2016年8月 6日 (土)

Marshall ROCK STAR VISION

久しぶりにお邪魔した代官山蔦屋書店さん。
相変わらず、ポッシュな割にオープンな雰囲気が素敵だ。

10こちらの2階でD_Driveのイベントを開催したのは2013年の春のこと。

01 Marshallのハーフ・スタックを2セット持ち込んでのSeijiさんとYukiちゃんの演奏。

1_img_9106 3年前。
Seijiさんは変わらないけど、Yukiちゃんはずいぶんお嬢ちゃんだったんナァ。
02

ギターにおしゃべりにととても楽しいイベントだった。

03v こちらのお店では、従前よりMS-2なんかを販売して頂いていたんだけど、この度、Marshallがドッカと代官山蔦屋書店に戻って来たのだ!
それは、エスカレーターを上がったCD売り場の入り口のディスプレイのこと。

20まずは目に入るのが、見慣れた我が家の家紋。
40_2
そこには、Marshall Eyewearと…

30Bluetoothスピーカー等のMarshallブランドの音響商品が展示されているのだ。

508月1日からスタートし、大きな注目を浴びている。
今回のEyewearは時節柄サングラスのみの展示だが、これだけのモデルが一挙に並ぶと壮観!
これだけの量がいっぺんに展示されることは滅多にないので、興味のある人は是非お出かけ願いたい。
もちろん試着OK!

60しばらく様子を見ていたのだが、かなり多くの人が「お!マーシャルだ!」と言って試着していく。
うれしいね!
「かわいい!」なんて言ってた人もいたけど、コレ、かわいいのか?

70私のEyewearは、サウングラスはJOHNNY、中近両用のメガネはJAMES。
メチャクチャ愛用している。
最近は中野のシゲさんもサングラスをゲットした。
もちろんモデルはJIMIにキマってる

80vディスプレイには1959も登場。

90vやっぱりこういう時には1959が一番シックリくるね。

110アレレ、私の写真の教科書が!
Jim Marshallの作品集『PROOF』。
ハハン、きっとMarshall Blogの愛読者の仕業だな?
さもなければJim Marshall違い?
この本は正直Marshallには何の関係もないが、Marshall Blogには大きな影響を与えているのね。
ココに行ったら是非手に取ってご覧になることをオススメする。

100

ヘッドホンやイヤホン…

120ホームスピーカーもバッチリ展示されている。

130お~、うれしい~!『アンプ大名鑑 [Marshall編]』まで!
本屋さんだからね。

140展示は9月末まで。

代官山蔦屋書店の詳しい情報はコチラ⇒DAIKANYAMA T-SITE

Marshall Eyewearの商品に関する記事はコチラ

Marshall HEADPHONESに関する記事はコチラ

150v※月曜日は代休を頂きます。

(2016年8月3日 代官山蔦屋書店にて撮影)

2016年8月 5日 (金)

"Cafe de Player vol.1"~Inaba Plays Les Paul with ASTORIA編

さて、休憩をはさんで「Cafe de Player vol.1」の後半はレスポール様のお出まし!
昨日紹介した高崎さんのギターコレクション本と同時に「Player別冊」として上梓されたのが『The GIBSON Les Paul Stadard 1958-1960』というレスポールの写真集だ。

20vプレイヤー・コーポレーションの田中社長が編んだ、ロックの歴史を刻んだ名器の写真集。
しかも、「スタンダード、1958~1960年製」と的を絞った凝りようだ。

30v高崎本同様、「超」がいくつもつく労作だけあって、思い入れタップリに内容を解説する田中さん。ん~、確かにレスポールってのはいいもんだ。
高級感があって、いかにも「貴婦人」というイメージが漂うもんね。
そして、このフィニッシュの風合い。
Philp CatherineのカスタムもFrank Zappaのデラックスもいいけど、レスポールといえば、やはりスタンダードにトドメを刺すだろうナァ。
Tal Farlowに「Gibson Boy」なんて曲もあるけど、いつの時代も憧れだ。
ワタシャ、ニューヨークで生前のレス・ポールに会って、自分のレス・ポールの写真を見せて、本人と握手したのが自慢なのだ!レスは生涯来日しなかったからね。

35素晴らしい写真の数々はPlayer誌で長年活躍されている大谷十夢治さん。
同誌の売りでもあるセンターフォールドの写真でおなじみだ。
ゲストで登場。
高崎さんのギターの写真も大谷さんの手によるものだ。

40田中さんに撮影の心がけを問われると…「偉そうに写るように撮る」とのご返答。
わかるな~。自分なりにすごくよくわかる。
私はライブの写真を撮る時、ミュージシャンに畏敬の念を込めて撮っているつもり。だから老若男女を問わずミュージシャンには偉そうに写って欲しいといつも思っている。
ま、タマには撮るけど、最近やたらと見かけるお客さんが暴れている様子の写真なんかどうでもよくて、ミュージシャンが音楽をクリエイトするその作業の崇高さをひたすら写したいと思っているのだ。

50vそして、御大の登場!
田中さんが手にしているのは、1959年製のレスポール。
さすが田中さん、シレっと何でもなくお手にされているが、時価3,000万円は下らないと言われている世界の逸品だ。イヤ、もっと値が張るのかな?
この59年のレスポールというと、いつも思い出すことがある。
20年近く前にLAのギター・センターに行った時のことだ。
高級ギターのコーナーの壁に立派なアクリル・ケースに入った59年製のレスポールが展示されていた。
値段を記した小さなプレートに目をやると、「Formerly owned by Mick Ralphs」みたいな表示がしてあった。
そのギターの以前の持ち主はBad Company、あるいはMott the Hoopleのミック・ラルフスで、表示されていた値段は70,000ドルだったように記憶している。
当時の為替レートで1,000万円程度だった。
傍らにいた店員に訊いてみた。
「Did Mick sell this guitar to make ends meet?」
答えは「Oh, yes!」だった。
チョット寂しかった。
「make ends meet」の意味は自分で調べてみてください。
ビートルズの「Lady Madonna」にも「♪Wonders how you manege to make ends meet」という歌詞が出てきますな。

60vそして、デモンストレーターの稲葉政裕が登場!
3月のMarshall GALAで大熱演がまだ記憶に新しい。
稲葉さんは今回のレスポール本に付属しているDVDでデモンストレーションを担当されている。
その関係で激務の合間を縫ってこのパーティに駆けつけて頂いたというワケ。

70向かって左が58年製、右が59年製。
それをMarshall ASTORIA CUSTOMとDUALで鳴らして頂こうというヨダレものの企画だ。
ASTORIAは2015年製。
名手に名器…いい音がするにキマってんじゃんね~!
実は、こういう企画があるということを耳にして「是非ASTORIAで!」と北村さんに強引にお願いしてご採用していただいたのだ。
だ~って折角の58&59年のレスポールだもん。最高の音で聴きたいじゃん!

80さて、ここでASTORIAつながりで脱線。
実は稲葉さんはこの日がASTORIAデビューというワケではないのだ。

90v稲葉さんは、来る8月7日の甲斐バンドの日比谷野音での『THE BIG GIG AGAIN 2016』にASTORIA CLASSICを携えて出演されるのだ~!

95vこのあたりの写真はそのリハーサルの初日のようす。

100つまり、稲葉さんが初めてASTORIAをお試しになられた時のことだ。
お試しの結果はどうだったかって?

110vこんな感じ!
メッチャいい音!
この時は暫定のペダルだったので、本番の野音の時にはさらにグレードアップしたトーンを味あわせてくれるだろう。
楽しみ!

120vそして、パーティに戻って…。
今日、稲葉さんに弾いて頂くASTORIAはCUSTOMとCLASSIC。双方、直つなぎ。
レスポールとASTORIAの間にあるのはギター・ケーブルだけだ。

130まずは58年の方をDUALで。

140vクリーンとクランチの双方の音をチェックするためにDUALを用いた。

150稲葉さん、ゴキゲン!
175
59年の方も最高!
サラっとSteely Danの「Kid Charlemagne」のLarry Carltonのソロが出ちゃうところなんかホレボレしちゃう。
余談だけど、このソロ、Larryは完全にアドリブで弾いたっていうんでしょ?私は信じない。
Charlie Parkerじゃあるまいし、こんなソロをぶっつけで弾けるなんて「人間」ではないでしょう?…と、この曲を聴くたびにいつも思っています。

180
田中さんからの「違いはいかがですか?」の問いかけに…。

170_2 「あ、わかりません。両方良すぎちゃって、正直よくわかりません!」と稲葉さん。
音質がどうとか、弾き心地がどうとか…ま、普通はそういうことを答えるのが定石なんだけど、ゴチャゴチャ言わない。
稲葉さんは指で意見をおっしゃったのですな。
でも、MCがメッチャおもしろいのよ、稲葉さんは。
この日も爆笑の連続。
何でも高校の時にはもうGibsonレスポールとMarshallを使っていらしたという。

この後、ありがたくもお時間を頂戴して私もASTORIAの説明をさせて頂いた。

190v

後半はバッキング・トラックに合わせてのデモンストレーション。
DVDに収録されている稲葉さんのオリジナル曲や…

160vJeff Bechの「'Cause We 've Ended as Lovers」、The Allman Brothers Bandの「Jessica」他を演奏。
Dickie Bettsの話も面白かったな~。
あ、FilmoreでDuaneとRichardが使っているのもレスポールにMarshallのコンビネーションです。1959。
ジャケット写真を撮影したのはJim Marshall。このことはコチラに記しておいた。

200アンプはホットなクランチが魅力の赤いCUSTOM。

210稲葉さんじゃないけど、もう「わからん」!
「筆舌し難い」という表現があるけど、まさにソレ。
この音の素晴らしさは文章なんかで書き表せないよ!
また、誰にも文章なんかで表現して欲しくない。
ただ聴いて感動してもらいたい!…そんな音よ。

230vギターとアンプとそれをつなぐケーブルが1本。
それを操る音楽家。
一体、他に何を望もうか…Who could ask for anything more!ってヤツ(「I Got Rhythm」より)。
1958~1959年から約60年。
ギターは基本的にそれほど大きな変化を遂げていないが、アンプはテクノロジーの進化に翻弄されて、その姿をずいぶん変えてきた。
最近ではボタンひとつでいろんなメーカーの音が出るという便利そうなアンプが喧伝されているけど、それもよかろう。
そういう時代だ。テクノロジーの恩恵は大いに受けるべきだ。
しかし、我々はこのホンモノだけが生み出すことができる素晴らしい音を子孫に伝えていく義務があるのではなかろうか?
真空管を変えるのは面倒だし、金がかかるし、トラブルもないワケではない。
トランスという鉄のカタマリが入ったアンプ・ヘッドを運んで歩くのは労苦以外の何物でもない。
しかし、人類からこの音を奪い去っては絶対にいけない。

このビロードのようなレスポールのサウンドに包まれて、アンプ屋としてそんなことを考えてしまった。
そんな機会を与えてくれたPlayerさんと稲葉さんにこの場をお借りして心から御礼申し上げる次第である。
レスポールもASTORIAも大スキ!

235誰しもが感動した素晴らしい演奏に割れんばかりの拍手が送られた!

稲葉政裕の詳しい情報はコチラ⇒ina-p's blog

240_2『The GIBSON Les Paul Stadard 1958-1960』の詳しい情報はコチラ⇒Player ON-LINE

250vb『愛蔵版 高崎晃Guitar Collection』の詳しい情報はコチラ⇒Player ON-LINE

260vb(一部敬称略 2016年8月1日 一部を除き秋葉原CLUB GOODMANにて撮影)

2016年8月 4日 (木)

"Cafe de Player vol.1"~高崎晃編

今年も欧米のロック・フェスティバルに出演し、相変わらずの活躍ぶりを見せファンを狂喜させているLOUDNESS。
明日(現地時間)には、北ドイツで開催されるへヴィ・メタルの祭典、Wacken Open Airのステージに立つ。
そして、世界を又に掛ける演奏活動だけでなく、音源や周辺アイテムのリリースも盛んだ。
まずは以前にもMarshall Blogで紹介した『SAMSARA FLIGHT』が遂に7月にリリースされた。

10

「samsara(サンサーラ)」というのは 、サンスクリット語で「輪廻転生」を意味するそうだ。
だから『輪廻飛翔』。
「全ての物はそのままの状態として存在し続けることはないが、改変や連鎖を繰り返して存在し続ける。だからよいつながりが実現するように努力しなさい!」という教えなのだそうだ。
結成から35年が経過し、素晴らしい音楽の輪廻を具現化し、成長し続けているのがLOUDNESSなのだ。

20『SAMSARA FLIGHT』はCD×2+DVDの3枚組という構成。
CDはセルフ・リメイク・アルバムとファンが選曲したベスト・アルバム。
そして、DVDはにMarshall Blogでもレポートした『"THE SUN WILL RISE AGAIN"~30th Anniversary THUNDER IN THE EAST~ in JAPAN』と銘打った昨年9月7日の渋谷公会堂でのコンサートのもようが収録されている。
35年の活動のマイルストーンとなるような豪華作品だ。

LOUDNESSの詳しい情報はコチラ⇒LOUDNESS Official Website

30そしてコチラも以前Marshall Blogで紹介したアイテム。
『愛蔵版 高崎晃Guitar Collection』…高崎晃のギター・コレクションを網羅した豪華本がPlayer誌別冊としていよいよリリースされた!
印刷に立ち会い、ディティールにまでこだわった美術写真集級の美しい仕上がりで、増刷の効かないハンドメイド・クラスの逸品だ。だからOne-offの限定生産。
実際、持っただけで、制作者の意気込みと情熱と愛情が伝わってくるような重厚な作りだ。
もちろん題材がそれを手伝っていることは言うまでもない。
ページを繰るのが全く申し訳ないぐらい!
そして、掲載された美しい写真の数々。
「物撮りの最高峰」のような、完璧、かつドラマチックな写真が満載だ。
それにとてもいいニオイなの…柑橘系とか、シトラス・ミントとかいう意味ではないよ。
高級な本にだけ漂う紙とインクの芳香。
私はコレと中古レコードのカビのニオイが大スキなのだ。
80v
6月13日までに予約された方には予約特典として、これまでPlayer誌に掲載されたLOUDNESS関連の記事の80%を網羅しているCD-ROMが付けられた。
CD-ROMの盤面にあるように、1979年からの記事が収録されている…って、LOUDNESSのデビュー前じゃんか!とお詳しい方にはピンと来るハズ。
そう、何とLAZYに関するの記事も読むことができるのだ!
『Young Mates Music』を母体として『Player』誌が創刊されたのは1968年のこと。
『Sgt. Peppers』の翌年だよ。
そんな長大な歴史を持つの老舗雑誌だけが成し得るうれしい企画なのだ。
110

さらに、切り離せば4枚の絵ハガキになる「オリジナル・ポストカード」も予約特典としてプレゼントされた。

100

世界がうらやむMarshallを含む高崎さんのバックラインも紹介。
高崎さんに愛用して頂いてきたMarshallの社員として、私もインタビューを受け、紙幅を汚させて頂いた。
うれしいなったらうれしいな…愛蔵の宝物となった!
もちろんイギリスにも1冊送付させて頂く。

愛蔵版 高崎晃Guitar Collectionの詳しい情報はコチラ⇒Player ON-LINE

120
これまで歴史的に別冊を上梓することがマレであったというPlayer誌。
ここまで気合の入った冊子の刊行ゆえ、出版の記念イベントが催された。
題して『Player Presents 'Cafe de Player vol.1" ~Player W別冊記念パーティ 』。
実は今回別冊が2冊上梓されているため「W」になっている。
今日はパーティの前半、「高崎さん」の部をレポートする。

40v会場内に貼られた高崎さんやその愛器、さらにレスポールの写真の数々が雰囲気を盛り上げる。

45司会進行を務めたのは編集部の北村和孝さん。
高崎本は北村さんの労作だ。
私のインタビューも北村さんにお声をかけて頂いて実現した。
まずは開会のご挨拶があって…

50v株式会社プレイヤーコーポレーションの田中社長からご挨拶が述べられた。

60vそして田中さんのご発声で乾杯!
出版記念のパーティだからね。
労作の出来、おめでとうございます!70現在休暇中の高崎さんからはビデオ・メッセージが届けられた。

90北村さんから高崎本の仔細な説明や苦労話があり、パーティ前半のメインイベントにさしかかる。
主役はコレ。
真ん中はイギリスが誇るオーディオ・ブランド、マッキントッシュだが、コレが主役ではない。
その両側にセットしてあるやや大きめのコンソール。

145 この機器を製造している株式会社エルプの竹内さんから説明がなされる。

150v

コレは針を使わないレコードプレーヤー。
レーザーの照射によってレコード溝を読み取る夢のプレーヤーまもだ。
こういう機械があるということを耳にしたのはもう相当前の話になるが、実物を見たのはこれが初めて。
160

素晴らしい音質。
針やカートリッジがない分、レコード盤の溝をダイレクトに読み取るため、ピュアな音像が得られるのだそうだ。
これでいいアンプとスピーカーを揃えてさ、ホッピー片手に名録音・名演の誉れ高いジャズのレコードを聴くワケよ。
ナニ聴こうかな~。クラシックも用意しとかなきゃな~。

140リアパネルは実にシンプル。

170パーティは、会場のライブ用のPAシステムを利用し、LOUDNESSをはじめとした高崎さん関連の音源の試聴会となった。
耳もツン裂けんばかりの超爆音!
オリジナル盤とオリジナルのリマスター盤の聴き比べもおもしろかった。
いつも書いている通り、私は死ぬまでにはなるべくたくさんの音楽を聴きたいと思っているので、プレスによる音の差異のようなものにはほとんど興味がないのだが、へへへ、おもしろかった。
何せ二井原さんの歌声が前だったり中だったり…定位という意味ではなくて、ヌケというか張りというか…全然違うのだ。
樋口さんのバスドラムの音の深さや輪郭なんかもガラリと変わる点に驚いた。
イヤ~、マジでスゴかったわ~。

レーザー・ターンテーブルの詳しい情報はコチラ⇒株式会社エルプ公式ウェブサイト

180もちろん会場では本が即売された。

130

<つづく>

(一部敬称略 2016年8月1日 秋葉原CLUB GOODMANにて撮影)

2016年8月 3日 (水)

Marshallだより~Joel Mananの最新バックライン情報(2016年8月号)

毎度おなじみ英Marshallのアーティスト担当のJoel Mananから2枚の写真が届いた。
まずはThin Lizzyのバックライン。
6月に話題を呼びに呼んだRirchie Blackmoreが出演した『MONSTERS OF ROCK Festivals 2016』で撮影したもの。
やっぱこうでなきゃ!
ヘッドはDSL100HとJCM800 2203。
Bキャビだけで壁を作るのがいかにも外タレっぽい。
Thin Lizzyはこの夏から来年にかけて何回かの公演をこなすそうだが、ベースがTom HamiltonでドラムがScott Travisなんだってね!
世の中変わったな~。ビックリだ~。

6_tl_01
好きだったBrian Downeyもいなくなっちゃって、昔のメンバーがScott GorhamだけになってしまったThin Lizzy。
それでもヨーロッパでの人気は大きいようだ。
以前にも書いたが、今でこそ日本でも伝説的なビッグ・グループの一員として取り扱われているThin Lizzyだけど、私の認識では日本で火が付いたのは大分後になってからのことだ。
私は『Bad Reputation』からリアル・タイムで聴き出したが、このアルバムが出た時も「別に…」みたいな雰囲気だったような記憶がある。
コレ、欧米では大ヒットした『Jailbreak』の次のアルバムですからね。それでも特に話題にならなかったように思う。
それが日本でもドッカといったのはやっぱりGary Mooreの『Black Rose』のおかげなんだろうな。
もし、Gary Mooreが再加入しなかったら、これほどまで日本でThin Lizzyの名前が人の口に上ることはなかったのではないか…コレが私のロックの「IF」のひとつ。
あ、ちなみに私はGary Morreとは関係なくしてThin Lizzyが好きでした。
そんなThin Lizzyのヨーロッパでの歴史的な人気を実感したのは、ウェンブリーで開催されたMarshallの50周年記念コンサートの時のことだった。
詳しくはコチラ⇒【50 YEARS OF LOUD LIVE】vol.4~Phil Campbell, Kerry King, Coley Taylor and Ripper Owens


で、先週の土曜日もScott Gorhamのサイン会が開催され大盛況だったそうだ。
場所は「Guitar Guitar」というその名ズバリの楽器店。
スコットランドはエジンバラ、グラスゴー×2の3店、イングランドではニューキャッスル、バーミンガム、エプソム(サーリー州)の3店を展開する総合楽器店。
下の写真はニューキャッスル店のショップウインドウ。
いい眺めでしょ?
ロンドンのデンマーク・ストリートの楽器店に比べて店員さんが気さくで、格段に態度がよく、実に気持ちの良い対応をしてくれる。
「ロンドンの楽器店の連中はオレたちのことをバカにしやがるんだ」とPete Townshendたちが、ロンドンのはずれのアクスブリッジのJim Marshallの楽器店に集まった話を思い出してしまった。

6_img_6891 Joelから送られてきたもう1枚。
SlayerのGary Holt。
そう、最近ヘッドを全面的にJubileeに換えたのだ。
日本でも大きな話題となったが、Jubileeの人気は海外でも大きく、とくにアメリカでは大ヒットとなっている。
やっぱりハードなロックにはホンモノの真空管のアンプが欠かせないことを連中はよく知っているのだ。
だから「早くリイシューしろ」って言ったんだよ。

「Marshall Jubileeヘッドがオレのトーンのカギを握っているんだ。圧倒的なパワー、マジでスゲエ中域、そしてベイ・エリア・クランチ…コレをクラシックSlayer Marshallサウンドにミックスしてもらうんだ。こうして完璧なスラッシュ・メタル・サウンドが出来上がるってワケだ!」
…と、Garyは申しております。
どうですかね雄太くん?

6_dh TORNADO-GRENADEの真壁雄太くんは上下でJubileeを使ってくれている。
確かにサウンドはGaryの言う通り。
是非、ライブに遊びに行ってJubileeの轟音をチェックしてもらいたい。

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2016年8月 2日 (火)

【NAONのYAON 2016】 vol.7(最終回) : SHOW-YA、そしてフィナーレ!

ハイハイハイハイハイ、SHOW-YAファンの皆さん、お待たせしました!
コレが観たかったんでしょ~、野音のSHOW-YA!
待ってました!
「次はSHOW-YA!」の恵子さんの叫び声で『NAONのYAON 2016』のトリのステージが始まる。
もちろん会場はこの日最大の歓声が沸き上がる。

10_2五十嵐sun-go美貴

20仙波さとみ

30v中村美紀

40v角田mittan美喜

50_2寺田恵子

190v

sun-goさんの轟音で1曲目がスタート!

70v_2轟音を出しているのはMarshall。JVM410Hと…

801960BDM。
ああ、今回はコレで最後か…寂しいな。
もうみんな覚えてくれたかな?…JVM410Hと1960BDM。
もう一回やっとく?
もういいか!

90v_21曲はドカンと「限界LOVERS」だった!

60v

ここまで13のアクトがあってSHOW-YAのメンバーが何度も登場した。
ある時はSHOW-YA単位で、ある時はバラバラでステージに上がったワケだが、やはり何と言っても、この最後に5人揃った時の「SHOW-YA」というチームの爆発的なパワーを浴びるのが快感なのだ。

100キャプテンも…
140v_2

さとみさんも…

270v

mittanも…
210_2
sun-goさんも…

110vそして、歌に、司会にと出ずっぱりだった恵子さんも、SHOW-YAとなると様子が一変する。
これがバンドのケミストリーってヤツだね。
イヤ、この「ケミストリー」という言葉は好きでないので「ケミカル・リアクション」と表現しておこう。

Img_0502_2矢継ぎ早に2曲目のイントロが飛び出す…「私は嵐」。
130v

人気曲の連続で客席は大興奮。

120_2
「♪私はあ~ら~し」…もちろんサビは大合唱。

150v_2さとみさんのピックアップ・ベース・ソロ!

160そして…

170野音での「嵐」ポーズ…キマッた!
撮り逃さないからッ!

180v_2短いMCからピアノの音色が流れる。
「紅」だ~!
230v_2
この曲では水谷千重子も加わった。

200v怒涛のスピード・チューンにメンバーも大暴れ!

220そして、水谷先生を送り出し、恵子さんが『NAONのYAON 2016』本編の最後の曲のタイトルを絶叫する。
「フェアリー!!!!!!!!!」

235_2いつも聴いている「Fairy」だけど、やはり大イベントを締めくくるとなると重みが違う!250v恵子さんの思い入れも一段と強い!

260v

そして、満身の力を込めて演奏する4人!
このあたり、SHOW-YAファンなら「NAONのYAON」で一番感動するところじゃないの?

S41a0679

280v_2

290v_2

300v

310_2

「Fairy」ポーズもいつも通り。

320_2アクションもそのままだけに、曲を知っていると…

330「あ~、もう終わっちゃう!」という寂しさに襲われてしまうね!

340恵子さんが髪をかき上げて…

Img_0507mittanがニョキっとイスから立ち上がって…

350v「Fairy」のエンディングとともに『NAONのYAON 2016』の本編が終了した。

360vアンコールはいつも通りの段取りで出演者がステージに全員集合!
「最後はみんなで『NAONのYAON』のテーマを歌います!準備はいいかい?!」

370「Rock Love!」

S41a0647 歌の合間にはこれまたいつも通りのギター・ソロまわし。
OAとMary's Bloodで活躍の社ちゃん!

380随所で名演&名音を聴かせてくれた安達久美さん!

390弾きまくりで観客の歓声を独り占めしたMary's Bloodのちゃっきー。

400最後まで「爆演」を見せてくれたGacharic SpinのTOMO-Zちゃん。

410ハードで渋いギターを聴かせてくれた「V」がトレードマークのCyntiaのYUIちゃん。

420そして、今回はギターだけでなくジュリ扇の華麗な「舞」も見せてくれた我らがsun-goさん!
他の出演ギタリストも同様にクールなソロを聴かせてくれた。

430コレも野音ならではショット。

440銀テープが大音楽堂の空に舞うともう終わりまであと数分だ!

450はい、反対側から!

6_img_0092 そして、終演。
恵子さんからご挨拶。

470vひとりステージに残る恵子さん。
「今日はどうもありがとう!みんな…」

480「愛してるよ~!」

490vさようなら!
また次回をお楽しみに!

6_s41a0912 コレにて『NAONのYAON 2016』は終了。
でも、SHOW-YAの快進撃はまだまだ続く!
…ってんで最近の活動の一部をご紹介。
まずは、この野音開催の当日にリリースされたDVD、『Return to ROCKMAYKAN』を観なきゃイカン。
使用されている写真はすべて私が撮影していることにも注目してチョーダイ。
身動きひとつ全く取れないパンパンの会場で、終演後にステージのメンバーにも驚かれるほどの大汗をかきまくってシャッターを切った苦心作なのよ!
もちろん内容も最高!

6_swdvdそして、その「恐怖の」、イヤ、「期待の」鹿鳴館公演が今年もやってくる!
東京のロックの聖地にひとつでSHOW-YAを鑑賞するのは最高の楽しみだ。
『METAMAYKAN~METALLIC鹿鳴館』~と銘打った2公演。

6_metamaykanさらに!
昨年30周年を迎えたSHOW-YAの記念アイテム、『SHOW-YA BIG 30-THE BOX-』がリリースされる。
ライブCDが4枚、ライブDVDが3枚に特典のDVDが1枚加わる合計8枚という、特盛ツユダクのSHOW-YA丼!
コレは欲しい!

6_dvd_the_boxそれと!
コレはもう終了してしまった企画だけど…EARTHSHAKERとのダブルヘッドライナー・ショウ。
こちらも近いうちにMarshall Blogでレポートするのでお楽しみに!

6_earthshaker_vs_showyaSHOW-YAの詳しい情報はコチラ⇒SHOW-YA Official Website

510<おわり>

(一部敬称略 2016年6月12日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)

2016年8月 1日 (月)

【NAONのYAON 2016】 vol.6 : 相川七瀬、田村直美登場!

『NAONのYAON 2016』もシーンを重ね、11番目のステージを飾ったのは相川七瀬!
いきなり「夢見る少女じゃいられない」で会場は大爆発!
「♪夢見る少女じゃいられない」の2小節を大合唱。

10七瀬ちゃん自らバンドのメンバーを紹介する。
ドラムにGRACEさん。

20vベースは直子さん。

30CyntiaからはギターにYUIちゃんとキーボードのAYANOちゃんが参加。

50このメンバーで2曲目の「トラブルメーカー」を演奏。
90v
その後、更にバンド・メンバーが入れ替わる。
安達久美さん!

60

末延麻祐子さん!

70vもうひとりCyntiaからAzuちゃんがベースに入った。

80vボーカルに岡本真夜さんとCyntiaのSAKIちゃんを迎えて演奏したのは2012年のロンドン・オリンピックのテーマソング、いきものががりの『風が吹いている』で出番を締めくくった。

相川七瀬の詳しい情報はコチラ⇒OFFICIAL WEBSITE

110もうスッカリ暗くなっちゃたよ~。

120続いて登場したのは…

130田村直美!

140vまだまだ替わるバック陣。
sun-goさん!

150vハイ、sun-goさんのMarshall。
JVM410Hと…

1511960BDMね。
ゴメンね何回も…これが私の仕事なんですよ~!

152v直美さんとのコンビネーションは超バッチリ!

155_2ベースには直子さんが戻り、

160vGacharic Spinからレオナちゃんと…

170vはなちゃんがステージに上がった。

180v1曲目は「ゆずれない願い」。
これまたいきなりのヒット曲に観客は大熱狂!

1902曲目も同じメンバーで「永遠の一秒」。

200恵子さんのMC通り、直美さんのステージでもオリンピックのテーマソングが披露された。
1988年のソウル・オリンピックから浜田麻里ちゃんの「Heart and Soul」。

210

ZaweiのAyumuさんがジョインする。

220vパワフルなふたりだけあって波長はバッチリ。

225ベースは同じくZweiのMeguさん。

230vギターにはGacharic SpinのTOMO-ZOちゃんが加わった。

240v息もつかせぬツインボーカル!

250ストレートで力強いステージ運びで会場が一段とヒートアップした。

260田村直美の詳しい情報はコチラ⇒田村直美オフィシャルサイト

27013番目のアクトは『NAONのYAON』常連の杏子さんのステージ。
1曲目は「星のかけらを探しにいこう」。
2曲目に演奏した「イジメテミタイ」ではGacharic Spinのねんねちゃんがキーボードに回り…
290v
レオナちゃんが大きくフィーチュアされた!

280v久美さんとTOMO-ZOちゃんのギター・アンサンブルも見ものだった。

3003曲目には恵子さんが歌った1992年のバルセロナ・オリンピックのテーマソング「Paradise Wind」を演奏。
もちろん本人が登場して会場を沸せた!

杏子さんの詳しい情報はコチラ⇒Official Web Site

310さあ、いよいよ『NAONもYAON 2016』もトリの出番となるよ~!

320<つづく>


(一部敬称略 2016年6月12日 日比谷野外大音楽堂にて撮影)