Marshallで音楽を聴こう!~ZOUND INDUSTORIESの魅力
「ラジカセ」ってもはや死語だよね?
昔はドデカいラジカセを肩に担いで大音量で音楽をならしている人達がいましたな~。
ああいうデカいラジカセを「ゲットー・ブラスター」っていうの?
高校一年の時、キツく禁止されているにもかかわらず、移動教室にソニーの「スタジオ・ジルバップ」なんてデカいラジカセを持ってきた猛者がいたっけ。
初日に先生に没収されて怒られてた。
私もずいぶん色んなオーディオ&ビジュアル機器を見てきたな。
Lカセットとかレーザー・ディスクとか、今も使っている人いるのかね?
特に動画の再生手段の変化はすさまじい。私が子供の頃は「フジカエイト」とかいう8mmだったからね。音が出なかった。
それでも電気を消して、家族そろって障子に映し出される自分の姿を見るのは最高に楽しかった。
また、高校の時に「ウォークマン」が発売された時はかなりの衝撃だった。もちろんすぐ買った。
それから一体何回買い換えたかな~?いつも肌身離さず持ち歩いていたので故障も多く、いろんなメーカーのモノを20台近く買ってきたかもしれない。
CD時代になってからはCDウォークマンってのも何回か買った。
ただ、MDってのにはほとんど手を出さなかったナ。そういえば、そのMDとかDATってのも見なくなったネェ。
驚いたことに最近では単体のCDプレイヤーも絶滅しそうなんだってね。
私はジャズやクラシックを聴くために、いまだに真空管の大型高級ステレオが欲しいけどね。
考えてみれば、「ラジカセ」どころか音響装置としての「ステレオ」って言葉も絶滅した感がある。
それもそのはず、音楽の再生機器は執拗に技術的進化を重ね、音質や操作性だけでなく、ルックスも猛烈にソフィスティケイトされ続けているのだ。
今日紹介するアイテムはその最たるモノだ。
最近はなくなったが、チョット前までこんなことをよく訊かれた。
「Marshallのヘッドホンって音が歪んでいるんですか?」…そんなヘッドホンないでしょ?ギター用のヘッドホン・アンプと勘違いしているらしい。
また、MP3プレイヤーなどを再生するためのホームスピーカーを大型家電店で見つけて、「アレ、新しいモデルをいつの間に出したんですか?」とか…。こっちはギター・アンプと間違えているのだ。
そうではなくて、それらの音響製品は、ギターの演奏には関係なく、スウェーデンのZOUND INDUSTRIES INTERNATIONAL ABという高級音響メーカーがMarshallとライセンスを結び、 「Marshall HEADPHONES」の名の下に販売している音響製品なのだ。
だかた歪まないし、ギターもつながない。
あ、コレ以前にも書いたっけ?
ヘッドホンは英語で「headphones」という。エ、何が違うかって?この言葉は「glasses(メガネ)」や「scissors(ハサミ)」や「trousers(ズボン)」のように必ず複数形で使う。
それでは、そうして組になっているモノの複数形はどう表現するか?
「XX pair of」を使う。
「two pairs of headphones」とか「several pairs of glasses」とか…学校で習ったか?私は忘れてた。
だから恥ずかしながら、イギリスからヘッドホンを送ってもらう時に、先方が「headphones」ってメールに書いてきたので「お~、ありがたい。いくつか送ってくれるのか…」とよろこんでいたら見事ひとつしか送られでこなかった…なんてことがあった。
このMarshall HEADPHONESの総合カタログの表紙を開くと表2には昔のMarshallのカタログの表紙や広告。
表2対向にはMarshallの歴史…ともう完全にマーシャリッシュ!
どの商品もすごく丁寧に作られていて問答無用でカッコいい。
そして、同社のスピーカー製品にはイギリスの地名が付けられている。
これは同社の伝統的な手法だそうだ。
例えばコレはHANEWELL。
以前にもMarshall Blogで軽く紹介したことがあった。
この地名シリーズ、実によろしいな。
イギリス好きな私なんかにはかなりグっと来る。
日本ではなかなかムズカシイよ。
「銀座」とか「渋谷」とか「神田」とかならまだいいけど、『新商品「碑文谷」』なんてシマらんな。『スタンダード・モデル「鹿骨」』なんてのもギョッとする。「雑色」とか「狸穴」なんていったら読めやしない。
シリーズ商品で「三社」、「下谷」、「鳥越」とか…浅草の祭りの名前だけど、コレはカッコいいな。
イギリスの地名に関しては、何しろ日夜こうした本で研究を重ねているのだ…というのはかなり大ゲサな話。でも、『名所めぐり』の原稿を書いていると、どうしても気になる地名にブチ当たることがあって、そういう時にこの手の本で調べたりしているのだ。
だって、「Elephant & Castle」なんて地下鉄の駅名はその由来が気になるのが人情ってもんでしょ?
こんな本もおもしろい。
ソーホーの新古本屋で£4.99で見つけた。
「crap」っていうのは「ゴミ」という意味。すなわちイギリスのヒドイ街がズラリと並べられている。「クソ街ワースト50」というワケ。
その評価は存外にマジなもので、犯罪発生率や失業率、街の豊かさ、等々で決められている。
スゴイと思うのは、イギリスにいくつ「街」があるのかは知らないが、全国規模でこの競争を展開していることだ。
日本では都道府県別で競って、よく茨城が矢面に立たされているけど、イギリスの物とはまったく様子が違う。もちろんイギリスの国土は日本の2/3とやや狭いこともあるのかもしれないが、日本ではこのレベルの内容は実現しないだろう。
Marshallがあるミルトン・キーンズは35位でめでたくランクイン。第1位はミルトン・キーンズにもほど近い、空港がある街ルートンだ。
さて、このHANWELL(ハンウェル)はZOUND INDUSTRIESのスピーカー製品のフラッグシップ・モデルだ。
ハンウェルは、Marshall Blogでは『名所めぐり』ですでに紹介しているが、ロンドンの西のはずれの街だ。
はずれかどうかはこの電柱でわかる。
ロンドンの中心部はすべてCAD工事が完全に完了しており、電線はすべて地中に埋められている。
一方、地方の町へ行くとこうした光景がまだ当たり前なのだ。ま、コレでも東京よりは全然スッキリしているけどね。
ロンドンの中心からチョット外れればどこででも見かける街並みだ。
「お!ホットドッグとアイスクリームくださ~い!」
アレ?この黄色い車、大学堂じゃないわ!
よく見ると、横に「Emergency Ambulance」と書いてある。
そう、この黄色い車は救急車なのだ。
ハンウェルの駅から15分も歩くとMarshall発祥の地にたどりつく。
赤い看板の床屋さんがそれだ。
1960年、ジム・マーシャルはココにドラム・ショップを開店した。それがすべてのMarshallのはじまりだ。
この辺りのことに興味のある人はコチラをどうぞ⇒【イギリス‐ロック名所めぐり vol.2】 マーシャルの生まれ故郷<後編>
そして、この前の道はUxbridge Road(アクスブリッジ・ロード)というのだけれど、コレはMonty Pythonにも登場する。
『Climbing the North Face of Uxbridge』というコント。
HANWELLはMarshallの由緒正しいその名前に恥ずかしくない音質と気品を兼ね備えている。
レヴァント・カバリング、ECフレット、スモール・ゴールド・ロゴ、ゴールド・パイピングにゴールド・トップのノブにピン・スイッチ…このままJTM45に早変わりしてしまいそうな威容を誇っている。
そして、側面にはMarshallの50周年を記念してシリアル・ナンバーを刻印したプラークが取り付けられている。
そういえばウェンブリーの時に盛んに宣伝してたっけ。
ちなみにハンウェルはさっきの「クソ街ワースト50」で第14位とかなり上位にランクインしているが、実際にアクスブリッジに行ってみると、ハンウェルが属する「London Borough of Ealing」というもっと大きな行政区画が「イギリスでも住みやすい街」とかなり協力にPRしているのを発見した。
Stanmoreは先日紹介した地下鉄ジュビリー線の北の終点だ。
下の写真で赤丸で囲ったところが先日紹介されたWenbley ParkとKilburn。
STANMOREはBluetoothや光デジタル入力等、4種類の入力系統を装備している。
HANWELLの弟分ということになろうか、こちらもビンテージ・テイストあふれるポッシュな雰囲気に満ちている。
白バージョンのCreamや真っ黒なPitch Blackもラインナップされている。
もちろんCreamバージョンもレヴァントのカバリングだ。
STANMOREの後継機種がACTON(アクトン)。
アクトンはヒースロー空港からピカデリー線でロンドンの中心に向かう時に通るエリアだ。
下の地下鉄の路線図にあるように中心部とはずれの境目という感じのロケーション。
ここから先、ヒースロー空港までは駅間の距離も極端に長くなり、街のようすがガラっと変わる。
いつかアクトン・タウンから3つほど行ったボストン・マナーというところに滞在したことがあったが、ドエラク静かなところだった。
もっと以前、ヒースロー空港に着いてピカデリー線で移動しようとしたら止まってやがってね。
バスでアクトン・タウン駅まで振替え輸送されたことがあった。
長時間のフライトの直後で、疲れた身体に重いスーツケースを持っての移動はひどくツラかったが、その振替え輸送の手筈の良さはすこぶるスムーズだった。連中は地下鉄が止まるのに慣れてるからね。
ACTONの入力は2系統。Bluetoothでの接続も可能だ。
Creamもラインナップ。
先輩のSTANMOREよりひと回り小さい筐体が可愛い。しかし、音はパワフル!
今度はホームスピーカーのラインナップの中で最も大きなモデル、WOBURN。
私は長い間にMarshallの工場に30回以上は訪れていて、ほとんど毎回空港まで車で迎えに来てもらっている。
ところが、「ハイ!」と車のカギを渡されて、自力でブレッチリーまで行きなさい…といわれても自信ないナァ。
運転じゃないよ。イギリスの車は日本と同じ左側通行だから運転は何の問題もない。
ルートである。
毎回、毎回、道に詳しいことを自慢しようとしているのか、運転手さんが渋滞を避けてえらくバラエティに富んだルートを進むもんだからいつまでたっても道が覚えられないのだ。
もちろん、工場に近くなればハッと自分がどこにいるかがわかるが、それまではサッパリわからん。
そんないろんなルートの中でもお気に入りなのがこの村を通るルート。
まるでおもちゃでできたような素敵な村で、こうしてワザワザ車と停めて写真を撮らせてもらったこともあった。
このバス、煙突が付いてるでしょ?中で何かを調理するのかしらん?
この「King's Head」というレストランは何と16世紀からあるそうだ。
で、私はこの村がWoburnかと思っていたのですよ。
今回、よくよく調べてみたら、ここはIvinghoe(アイビングホー)というところだった。
ブレッチリーに近いことは近いが、まだ先。
さて、Woburn。
カタカナで「ウバーン」と表記しているようだが、「ウーバーン」とか「ウォバーン」とか、「ワーバン」なんて表記も世間では見かけるようだ。
ずいぶんまぎらわしい発音の地名を取り上げたものだが、実はウバーンはブレッチリーの隣町で、サファリ・パークがあることで有名だ。
WOBURNはもっとも大きなモデルとだけあって、サウンドも超ド級。
フレキシブルな入力系統も併せ持った強力モデル。
さらに飛び出してきたのは初のポータブル・モデルKILBURN。
KilburnはDeep Purple好きにはタマらん名前。こないだ解説したばかり。
詳しくはコチラをご覧頂きたい。
バッテリー内蔵で最大18時間の再生が可能というすぐれもの。もちろんワイアードとBluetooth、双方の入力が可能だ。
そしてコレ…ポータブル・モデル第二弾、STOCKWELL。昨年末に発売されたばかりだ。
コレはポータビリティを優先してか、スピーカー保護のためにフレットクロスがプラスチックになっている。カバリングも同様の理由でプラスチック製だ。
でも、スモール・ゴールド・ロゴにゴールド・パイピングとビンテージ・テイストはバッチリ!
Stockwellというのはテムズ川南岸の街で、David Bowieの地元Brixtonのすぐ近くだ。
よく「-well」という地名を見かける。
「well」は現代の英語では「井戸」という意味で使われるが(Freeの「Wishing Well」の「well」ね)、古英語では「wella」と言って「stream」を意味していた。
世界四大文明ではないが、いかに人類は川や水と生きてきたか…ということを感じさせる。
実は私もこのStockwellを愛用しているのね。
こんなパッケージに収められている。
何せウスイ!重量は1.2kg。
これだけ薄いのでヒョヒョイとバッグに入れて持ち歩くことができる。
ところがナンダ、ナンダ、ナンダ?
一体この低音はどこから出て来るんだ?!…というぐらいの驚きのリッチ・サウンド!
さすがMarshall HEADPHONES、このサイズで期待できること以上の音質を実現している。
入力は他の機種同様、Bluetoothと…
ほとんど同じ写真。
イヤね、iPod Classicの160GBをふたつ持ってるっていうのを自慢したかったの。
何でコレ製造止めちゃったんだろうね?
持ち運び時に邪魔にならないようにノブが出たり、引っ込んだりする親切設計。
うれしいのは内蔵のバッテリーで約25時間も再生できるのよ!
もうメッチャ気に入ってる!
iPhone 6と6S用のケース。
コレもやっぱりレヴァント・カバリングを模している。
そして、ヘッドホン関連。
Marshallロゴのヘッドホンを付けて街を歩いている人を結構見かけるね。
心なしか若い女性に多い感じがする。
私も愛社精神でMarshallロゴの付いた洋服を着て街に出ることが多いが、そんなMarshallヘッドホンを付けている人に出くわすとうれしくなるね。
ところが、その類の若い女性は私が身につけているMarshallロゴに気が付いても絶対に目を合わしませんな…。
「ナンダよ、オレだってMarshallだぞ~。社員なんだぞ~」というサインを送るとさらにダメ。
なのでそういう時は近寄らないようにしている。
こちらの分野でも魅力的な商品をアグレッシブに投入している。
MAJOR II
…と駆け足で紹介してきたが、Marshall HEADPHONESには上記以外にもフィニッシュの違い等、バラエティに富んだ商品が網羅されているので是非ウェブサイトをチェックしてもらいたい。
楽して強力なMarshallブランドの仲間だ。
Marshall HEADPHONESの詳しい情報はコチラ⇒ZOUND INDUSTRIES TOKYO公式ウェブサイト
<お詫び>
Marshall Blogは毎日更新を目指しておりますが、来る3月6日に開催されるMarshall GALAの準備に忙殺され、それが困難になってまいりました。
毎日の更新を楽しみにして頂いている愛読者の皆様には大変申し訳ありませんが、Marshall GALAが終了して落ち着くまでの間、不定期に更新させて頂きます。
…と言っても、、マーブロ中毒の私のこと、全然記事を書かないというワケではないので、案外更新しちゃうかも。
なので毎日のチェックの方はよろしくお願いします!
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